JP6821908B2 - 哺乳動物種における誘導組織再生のための組成物および方法 - Google Patents

哺乳動物種における誘導組織再生のための組成物および方法 Download PDF

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Description

本出願は、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第61/831,421号の優先権を主張する。
本発明の分野は、組織再生の分野および体細胞が組織を再生させる能力を得るようなそれらの再プログラミングに関する。
胚性幹細胞(ヒトES細胞(「hES」細胞)を含む「ES」細胞)を含む始原幹(PS)細胞および限定されるものではないが、iPS、EG、EC、ICM、胚盤葉上層、またはED細胞などの関連する始原幹細胞(ヒトiPS、EG、EC、ICM、胚盤葉上層、またはED細胞を含む)のin vitroでの単離および増殖などの、幹細胞技術における進歩は、医学研究の重要な新しい領域である。PS細胞は、未分化の状態で増殖された後、複雑な組織を含む、ヒト身体中の任意かつ全ての細胞型に分化するように誘導される証明された能力を有する。これらのPS細胞の多くは、未分化状態では天然でテロメラーゼ陽性であり、それによって、これらの細胞を大規模に拡張させ、次いで、遺伝的に改変し、クローン的に拡張することができる。これらの細胞の多くのテロメアの長さは、精子DNA(約10〜18kbのTRF長)において観察されるものと同等である。これらの不死化細胞株から誘導される分化細胞は、それらが分化するにつれてテロメラーゼの触媒成分(TERT)の発現の抑制を示し始めるが、それにもかかわらず、依然として長い初期テロメア長を示し、胎児または成体由来組織と比較して長い複製能力を示す細胞を提供する。これは、例えば、細胞の機能障害の結果生じる多くの疾患が、様々な分化した型のhES由来細胞の投与による処置の影響を受けやすいという予測をもたらした(Thomsonら、Science 282:1145〜1147頁(1998))。
核移植研究により、体細胞に分化した細胞を、胚性幹(「ES」)細胞(Cibelliら、Nature Biotech 16:642〜646頁(1998))または胚由来(「ED」)細胞のものなどのPS細胞のような状態に戻るように形質転換することができることが示されている。体細胞核移植(「SCNT」)と呼ばれることが多い、除核卵母細胞への体細胞のゲノムの導入およびその後の、ES様細胞を得るための再構築された胚の培養によるか、または体細胞を転写調節因子を用いて再プログラミングする分析的再プログラミング技術(参照により本明細書に組み込まれる、「Improved Methods of Reprogramming Animal Somatic Cells」の表題の2006年8月3日に出願されたPCT出願番号PCT/US2006/030632を参照されたい)などによる、体細胞を全能性ES細胞様状態に戻るように再プログラミングするための技術の開発が記載されている。これらの方法は、患者の核遺伝子型を有する始原由来体細胞を移植するための潜在的な方法を提供する(Lanzaら、Nature Medicine 5:975〜977頁(1999))。潜在的には、この技術は、移植片拒絶に関する問題に取り組むことができる。
SCNTおよび分析的再プログラミング技術に加えて、雌性発生および雄性発生の使用を含む、移植片拒絶の問題に取り組むための他の技術が存在する(1999年10月28日に出願された米国特許出願第60/161,987号;2000年10月27日に出願された同第09/697,297号;2001年11月29日に出願された米国特許出願第09/995,659号;2003年2月27日に出願された米国特許出願第10/374,512号;2000年10月27日に出願されたPCT出願PCT/US00/29551を参照されたい;これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。単為生殖と指定された雌性発生の型の場合、配偶子ドナーに対して外来の抗原を用いることなく多能性幹細胞を製造することができ、従って、拒絶なしに移植することができる細胞の製造において有用である。さらに、単為生殖幹細胞株を、HLAハプロタイプに関して幹細胞バンクの複雑性を低減させるためにHLA領域(または非ヒト動物の対応するMHC領域)においてホモ接合性の細胞株のバンク中で集合させることができる。
さらに、HLA領域(または非ヒト動物の対応するMHC領域:参照により組み込まれる、「Totipotent, Nearly Totipotent or Pluripotent Mammalian Cells Homozygous or Hemizygous for One or More Histocompatibility Antigen Genes」の表題の、2006年10月20日に出願されたPCT出願番号PCT/US2006/040985を参照されたい)において半接合性である細胞株または前記細胞株のバンクを生成することができる。半接合性細胞株のバンクは、通常の哺乳動物MHC遺伝子プールにおいて固有の複雑性を低減させるだけでなく、前記抗原の発現全体を除去することなく、その発現を低減させることによって、ナチュラルキラー応答を刺激しないために前記抗原の遺伝子用量も低減させるという利点を提供する。
PS細胞を所望の細胞型に分化させることに関しては、ヒト胚性前駆細胞株の系列をクローン的に単離する能力は、傷を残さない様式で皮膚などの組織を再生させるのに有用な出生前パターンの遺伝子発現を示す新規な高度に精製された細胞系列を増殖させるための手段を提供する。そのような細胞型は、研究において、および細胞に基づく療法の製造のための重要な用途を有する(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、「Novel Uses of Cells with Prenatal Patterns of Gene Expression」の表題の、2006年4月11日に出願されたPCT出願番号PCT/US2006/013519;「Methods to Accelerate the Isolation of Novel Cell Strains from Pluripotent Stem Cells and Cells Obtained Thereby」の表題の、2006年11月21日に出願された米国特許出願第11/604,047号;および「Methods to Accelerate the Isolation of Novel Cell Strains from Pluripotent Stem Cells and Cells Obtained Thereby」の表題の、2009年7月16日に出願された米国特許出願第12/504,630号を参照されたい)。それにもかかわらず、外因性細胞の投与が有効ではない哺乳動物において組織を再生させるための改善された方法が依然として必要である。
哺乳動物種とは対照的に、いくつかの動物種は、組織再生(TR)のための完全に先天的な能力を示す。プラナリア、ヒトデなどの後生動物、およびアホロートルなどのいくつかの両生類種の場合、組織が脳または心筋のものなどの大部分が有糸分裂後の細胞から構成される場合であっても、生物の即死をもたらさない多くの傷害が、典型的には、傷を残さない、または比較的傷を残さない様式で、組織の残りの細胞からの標的組織の再生によって修復される能力を有するような完全な再生能力が動物内に存在する。ヒトを含む通常の哺乳動物種においてではなく、いくつかの動物においてそのような再生が起こるのを可能にする分子機構は現在公知ではない。そのような分子機構の同定は、in vivoで細胞および組織に分子機構を導入することによって、外傷または、限定されるものではないが、加齢変性疾患などの変性疾患に罹患した組織の修復を容易にし、ならびに組織再生における研究を容易にすることができる「誘導組織再生」(iTR)を引き起こすための新規方法の発明を容易にする。iTRの効果を、組織損傷および再生の文脈で研究する哺乳動物モデル、ならびにiTRの方法を適用して、前記疾患のための治療戦略としてのiTRの能力を研究することができる動物における多様な疾患モデルをもたらす突然変異遺伝子バックグラウンドを含む、多様な遺伝子バックグラウンドを用いるトランスジェニック哺乳動物モデルが企図される。
ある特定の実施形態において、本発明は、対象またはin vitroにおいて組織または臓器の再生を増強するのに有用な方法および組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、対象またはin vitroにおいて組織または臓器の再生を阻害するための方法および組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象に、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、対象に、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物と、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子とを投与することを含む、対象において組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤と、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤とを投与することを含む、対象において組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物ならびにCOMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、in vitroの細胞を、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤ならびにCOMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、in vitroにおいて組織または臓器再生を増強する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、COX7A1の阻害剤を対象に投与することを含む、対象において皮膚を再生させる方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、COX7A1を阻害するsiRNA分子を対象に投与することを含む、対象において皮膚を生成させる方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、上皮細胞などの細胞に、COX7A1を阻害するsiRNA分子を対象に投与することを含む、in vitroにおいて皮膚の生成を増強する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、胚細胞を、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、胚細胞中で発現される1つまたは複数の遺伝子の細胞中での発現を増強する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、胚細胞を、COX7A1を阻害するsiRNAと接触させることを含む、胚細胞中で発現される1つまたは複数の遺伝子の細胞中での発現を増強する方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、細胞を、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、細胞中でのKRT17発現を増強する方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、細胞を、COX7A1を阻害するsiRNAと接触させることを含む、細胞中でのKRT17発現を増強する方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、細胞を、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤と接触させることを含む、細胞中でのACTA2およびCOL1A1発現を阻害する方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、細胞を、COX7A1を阻害するsiRNAと接触させることを含む、細胞中でのACTA2およびCOL1A1発現を阻害する方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1の遺伝子または遺伝子産物を投与することを含む、がんを処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象に、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLXl、DRDllP、FOXDl、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を投与することを含む、対象において創傷治癒を増強する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、対象に、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLXl、DRDllP、FOXDl、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において創傷治癒を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子を投与することを含む、対象において創傷治癒を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において創傷を治癒させる方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物を投与することを含む、対象において創傷治癒を阻害する方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において創傷治癒を増強する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1によりコードされる遺伝子または遺伝子産物ならびにCOMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子を投与することを含む、対象において創傷治癒を阻害する方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、対象に、COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤ならびにCOMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤を投与することを含む、対象において創傷治癒を増強する方法を提供する。
ある特定の実施形態において、本発明は、図1に開示される遺伝子によりコードされる1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物と、好適な担体とを含む医薬組成物を提供する。
他の実施形態において、本発明は、図1に開示される遺伝子によりコードされる複数の遺伝子または遺伝子産物と、好適な担体とを含む医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、WSB1、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADLl、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の非相同遺伝子または異種遺伝子を発現するトランスジェニック動物を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される遺伝子により発現される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物と、少なくとも1つの容器とを含むキットを提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される遺伝子により発現される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物と、少なくとも1つの容器とを含むキットを提供する。
胎児および成体由来体細胞と比較したhES由来クローン胚前駆細胞中での示差的発現により同定されたTR阻害およびTR活性化遺伝子を示す図である。(A)胎児または成体由来体細胞型中では発現されるが、クローン胚前駆細胞中ではより低レベルで発現されるか、または発現されないTR阻害遺伝子。(B)クローン胚前駆細胞中では発現されるが、胎児または成体由来体細胞型中ではより低レベルで発現されるか、または発現されないTR活性化遺伝子。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたPCDHB2遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なクローン胚前駆(EP)細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたPCDHB17遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたRAB31P遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたDLX1遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたSIX1遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたDRD11P遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたCOMT遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたTRIM4遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたLOC205251遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたZNF280D遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたNAALADL1遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたCOX7A1遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、115の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、545の多様なEP細胞株、12のhES細胞株および17のヒトiPS細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定されたCAT遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、101の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、84の多様なEP細胞株、および4のヒトES細胞株である。 多様な成体および胚細胞型においてIllumina遺伝子発現マイクロアレイ分析により決定された原発性神経芽腫cDNA、クローン:Nbla10527遺伝子に関するRFU値を示す図である。左から右に向かって、14の多様な血液細胞型、101の3つ全部の胚葉に由来する多様な体細胞型、84の多様なEP細胞株、および4のヒトES細胞株である。 COX7A1を発現するヒト新生児包皮線維芽細胞を、本明細書に記載のin vitro創傷修復アッセイを用いて、対照と比較してCOX7A1転写物のサイレンシング後のin vitroでの再生についてアッセイした。A)対照試料ならびにiTR阻害遺伝子COX7A1転写物が下方調節された試料について、0日目および1日目に創傷領域内の代表的な視野中で細胞数を計数した。B)対照試料からの代表的な視野の画像。C)COX7A1 siRNA視野からの代表的な視野の画像。 COX7A1を発現するヒト新生児包皮線維芽細胞を、本明細書に記載のin vitro創傷修復アッセイを用いて、対照と比較してCOX7A1転写物のサイレンシング後のin vitroでの再生についてアッセイした。A)相対的なACTA2発現が、対照およびCOX7A1が下方調節された細胞中で示される。B)相対的なCOL1A1発現が、対照およびCOX7A1が下方調節された細胞中で示される。
略語
cGMP − 現行医薬品適正製造基準
CNS − 中枢神経系
DMEM − ダルベッコ改変イーグル培地
DMSO − ジメチルスルホキシド
DPBS − ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水
EC − 胎生期癌
EC細胞 − 胎生期癌細胞;hEC細胞は、ヒト胎生期癌細胞である。
ECM − 細胞外マトリックス
ED細胞 − 胚由来細胞;hED細胞は、ヒトED細胞である。
EDTA − エチレンジアミン四酢酸
EG細胞 − 胚性生殖細胞;hEG細胞は、ヒトEG細胞である。
ES細胞 − 胚性幹細胞;hES細胞は、ヒトES細胞である。
FACS − 蛍光活性化細胞選別
FBS − ウシ胎仔血清
GMP − 医薬品適正製造基準
hED細胞 − ヒト胚由来細胞
hEG細胞 − ヒト胚性生殖細胞は、胎児組織の始原生殖細胞から誘導される幹細胞である。
hiPS細胞 − ヒト人工多能性幹細胞は、SOX2、KLF4、OCT4、MYC、またはNANOG、LIN28、OCT4、およびSOX2などのhES特異的転写因子への曝露後に体細胞から得られるhES細胞と類似する特性を有する細胞である。
HSE − ヒト皮膚等価物は、細胞と、試験目的のため、または創傷修復の促進における治療適用のために製造された生物学的または合成マトリックスとの混合物である。
ICM − 哺乳動物胚盤胞段階の胚の内部細胞塊。
iPS細胞 − 人工多能性幹細胞は、SOX2、KLF4、OCT4、MYC、またはNANOG、LIN28、OCT4、およびSOX2などのES特異的転写因子への曝露後に体細胞から得られるhES細胞と類似する特性を有する細胞である。
iTR − 誘導組織再生
LOH − ヘテロ接合性の喪失
MEM − 最少必須培地
NT − 核移植
PBS − リン酸緩衝生理食塩水
PNS − 末梢神経系
PS線維芽細胞 − 瘢痕形成前線維芽細胞は、妊娠初期の皮膚から誘導されるか、またはED細胞が瘢痕形成なしに皮膚創傷の迅速な治癒を促進する点で出生前パターンの遺伝子発現を示すED細胞から誘導される線維芽細胞である。
RFU − 相対蛍光単位
SCNT − 体細胞核移植
SFM − 無血清培地
TR − 組織再生
定義
用語「分析的再プログラミング技術」とは、体細胞の遺伝子発現パターンを、iPS、ES、ED、ECまたはEG細胞のものなどの、より多能性の高い状態のものに再プログラミングするための様々な方法を指し、再プログラミングは、複数の個別のステップで起こり、体細胞の卵母細胞への移植およびその卵母細胞の活性化に単に依るものではない(それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年11月26日に出願された米国特許出願第60/332,510号;2002年11月26日に出願された同第10/304,020号;2003年11月26日に出願されたPCT出願PCT/US02/37899;2005年8月3日に出願された米国特許出願第60/705625号;2005年8月20日に出願された米国特許出願第60/729173号;2006年7月5日に出願された米国特許出願第60/818813号、2006年8月3日に出願されたPCT/US06/30632を参照されたい)。
本明細書で用いられる用語「抗体」は、免疫グロブリンまたはその一部を意味し、供給源、生成方法、または他の特徴と関係なく、抗原結合部位を含む任意のポリペプチドを包含する。この用語は、例えば、ポリクローナル、モノクローナル、一特異的、多特異的、ヒト化、一本鎖、キメラ、合成、組換え、ハイブリッド、突然変異、およびCDR移植抗体を含む。抗体の一部は、抗原に結合することができる任意の断片、例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、scFvを含んでもよい。
用語「割球/桑実胚細胞」とは、哺乳動物胚中の割球もしくは桑実胚細胞またはこれらの細胞の分化した誘導体を含むさらなる細胞を含むか、もしくは含まないin vitroで培養された割球もしくは桑実胚細胞を指す。
用語「遺伝子Xを発現する細胞」、「遺伝子Xが細胞(もしくは細胞集団)中で発現される」、またはその等価物は、特定のアッセイプラットフォームを用いる細胞の分析が陽性の結果を提供したことを意味する。その逆もまた真である(すなわち、遺伝子Xを発現しない細胞、または等価物は、特定のアッセイプラットフォームを用いる細胞の分析が陰性の結果を提供したことを意味する)。かくして、本明細書で記載される任意の遺伝子発現の結果は、示される遺伝子に関するアッセイプラットフォーム(または複数のプラットフォーム)において用いられる特定のプローブまたは複数のプローブに関係する。
用語「細胞株」とは、in vitroで増殖および拡張することができる細胞の死すべき集団または不死の集団を指す。
用語「細胞再構成」とは、機能的細胞を得るための細胞質へのクロマチンの核の移植を指す。
用語「クローン」とは、全て元の単一の細胞から誘導され、他の細胞を含有しない細胞集団への単一の細胞の拡張から得られる細胞集団を指す。
用語「コロニーin situ分化」とは、コロニーを未分化の幹細胞株として増殖させた培養容器からコロニーを除去するか、または分離させることなく、in situで細胞(例えば、hES、hEG、hiPS、hECまたはhED)のコロニーを分化させることを指す。コロニーin situ分化は、胚様体を形成させる中間ステップを用いないが、それにもかかわらず、胚様体形成または撹拌培養の使用などの他の凝集技術の後、コロニーin situ分化の期間があってもよい。
用語「細胞質ブレブ」とは、無傷の、または透過処理されたが、そうでなければ無傷の細胞膜により結合したが、核を含まない細胞の細胞質を指す。
多能性幹細胞から本発明の方法により作製される細胞を参照して用いられる場合、用語「分化した細胞」とは、親となる多能性幹細胞と比較した場合に分化する能力が低下した細胞を指す。本発明の分化した細胞は、さらに分化することができる細胞を含む(すなわち、それらは最終的に分化していなくてもよい)。
用語「直接的分化」とは、当業界で公知の任意の方法を用いて、未分化の細胞株としてhES細胞などの単離された未分化幹細胞を単離する、および/または増殖させる中間状態なしに直接的に未分化状態に再プログラミングされた、以下の細胞型のいずれか:割球細胞、桑実胚細胞、ICM細胞、ED細胞、または体細胞を分化させるプロセスを指す。直接的分化の非限定例は、記載されたようなヒトES細胞株の生成なしの、ED細胞の培養物および誘導中での無傷のヒト胚盤胞の培養物である(Bongsoら、1994、Human Reproduction 9:2110頁)。
用語「発生の胚段階」とは、細胞、組織または動物の発生の出生前段階、特に、胎児および成体細胞と比較した細胞の発生の胚段階を指す。ヒト種の場合、胚から胎児発生への移行は、出生前発生の約8週で起こり、マウスにおいては、それは約16日で起こり、ラット種においては、約17.5日で起こる。
用語「胚性幹細胞」(ES細胞)とは、未分化状態(例えば、その種のES細胞に特異的なTERT、OCT4、およびSSEAおよびTRA抗原を発現する)を維持しながら、細胞株として連続的に継代された胚盤胞、割球、または桑実胚の内部細胞塊から誘導される細胞を指す。ES細胞を、精子もしくはDNAを用いる卵細胞のin vitroでの受精、核移植、単為生殖から、または当業界で公知のようなMHC領域中での半接合性もしくはホモ接合性を用いてhES細胞を作成する手段により誘導することができる。ES細胞は、全ての体細胞型ならびに移植前の胚に移植された場合は生殖系列細胞に分化することができる細胞と歴史的に定義されてきたが、ヒトを含む多くの種に由来する候補ES培養物は、典型的には、生殖系列分化には寄与せず、従って、「ES様細胞」と呼ばれる。ヒトES細胞は、実際には「ES様」であると一般に考えられるが、本出願において、本発明者らはES細胞株とES様細胞株の両方をいうためにES細胞の用語を用いる。
用語「ヒト胚由来」(「hED」)細胞とは、内部細胞塊、胎盾、もしくは胚盤葉上層のものを含む、割球由来細胞、桑実胚由来細胞、胚盤胞由来細胞、または原始内胚葉、外胚葉、中胚葉、および神経堤を含む、初期胚の他の全能性もしくは多能性幹細胞ならびに通常のヒト発生の最初の8週の等価物と相関するが、細胞株として継代されたhES細胞から誘導される細胞を含まない分化状態までのその誘導体を指す(例えば、Thomsonの米国特許第7,582,479号;第7,217,569号;第6,887,706号;第6,602,711号;第6,280,718号;および第5,843,780号を参照されたい)。hED細胞を、精子もしくはDNAを用いる卵細胞の受精、核移植、もしくはクロマチン移植、単為生殖により単為生殖生物を形成するように誘導された卵細胞、分析的再プログラミング技術により生成された埋込み前の胚から、またはHLA領域中での半接合性もしくはホモ接合性を用いてhES細胞を作成するための手段により誘導することができる。
用語「ヒト胚性生殖細胞」(hEG細胞)とは、体内の様々な組織に分化することができる、卵母細胞および精原細胞などの胎児組織の始原生殖細胞または成熟中もしくは成熟した生殖細胞から誘導される多能性幹細胞を指す。hEG細胞はまた、雌性発生または雄性発生手段、すなわち、多能性細胞が、雄または雌起源のDNAのみを含有する卵母細胞から誘導され、従って、全て雌由来または雄由来のDNAを含む方法により生成される多能性幹細胞から誘導することもできる(1999年10月28日に出願された米国特許出願第60/161,987号;2000年10月27日に出願された同第09/697,297号;2001年11月29日に出願された同第09/995,659号;2003年2月27日に出願された同第10/374,512号;2000年10月27日に出願されたPCT出願PCT/US/00/29551を参照されたい;これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
用語「ヒト胚性幹細胞」(hES細胞)とは、ヒトES細胞を指す(例えば、Thomsonの米国特許第7,582,479号;第7,217,569号;第6,887,706号;第6,602,711号;第6,280,718号;および第5,843,780号を参照されたい)。
用語「ヒトiPS細胞」とは、免疫不全マウス中に移植された場合に3つ全部の胚葉を形成する能力を含む、hES細胞と類似する特性を有する細胞を指し、ここで、前記iPS細胞は、脱分化因子、例えば、hES細胞特異的転写因子の組合せ:KLF4、SOX2、MYC、およびOCT4またはSOX2、OCT4、NANOG、およびLIN28への曝露後に変化した体細胞系列の細胞から誘導される。脱分化因子の任意の都合の良い組合せを用いて、iPS細胞を生成することができる。前記iPS細胞を、当業界で公知のようなレトロウイルス、レンチウイルスもしくはアデノウイルスベクターなどのベクターを介する、または例えば、透過処理もしくは他の技術によるタンパク質としての因子の導入を介するこれらの遺伝子の発現により生成することができる。そのような例示的方法の説明については、全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2006年8月3日に出願されたPCT出願番号PCT/US2006/030632;米国特許出願第11/989,988号;2000年6月30日に出願されたPCT出願PCT/US2000/018063;2000年12月15日に出願された米国特許出願第09/736,268号;2004年4月23日に出願された米国特許出願第10/831,599号;および米国特許出願公開第20020142397号(「Methods for Altering Cell Fate」の表題の出願番号第10/015,824号);米国特許出願公開第20050014258号(「Methods for Altering Cell Fate」の表題の出願番号第10/910,156号);米国特許出願公開第20030046722号(「Methods for cloning mammals using reprogrammed donor chromatin or donor cells」の表題の出願番号第10/032,191号);ならびに米国特許出願公開第20060212952号(「Methods for cloning mammals using reprogrammed donor chromatin or donor cells」の表題の出願番号第11/439,788号)を参照されたい。
用語「ICM細胞」とは、哺乳動物胚の内部細胞塊の細胞または周囲の栄養外胚葉細胞を含むか、もしくは含まないin vitroで培養された内部細胞塊の細胞を指す。
用語「誘導組織再生」とは、胎児または成体哺乳動物細胞が、本明細書に記載のようなヒトの手の介入なしには再生が起こらない組織への損傷後に機能的組織を再生させることができるような前記細胞の分子組成を変化させるための本発明の方法の使用を指す。
用語「単離された」とは、(i)通常はヒトの手を含むプロセスにより、通常は天然に見出される少なくともいくつかの他の物質から分離された、(ii)人工的に生成された(例えば、化学的に合成された)、および/または(iii)人工的な環境もしくは状況(すなわち、通常は天然には見出されない環境もしくは状況)中に存在する物質を指す。
用語「iTR因子」とは、天然ではTRを可能にしない組織中でTRをもたらす様式でTR活性化因子およびTR阻害因子のレベルを変化させる分子を指す。
用語「iTR遺伝子」とは、発現が変化した場合、通常は誘導組織再生を行うことができない組織中でそのような再生を引き起こすことができる遺伝子を指す。
用語「核酸」は、「ポリヌクレオチド」と互換的に用いられ、様々な実施形態において、DNAおよびRNAなどのヌクレオシドの天然ポリマー、ならびにヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体の非天然ポリマーを包含する。いくつかの実施形態においては、核酸は、標準ヌクレオシドを含む(A、G、C、T、Uと省略される)。他の実施形態において、核酸は、1つまたは複数の非標準ヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のヌクレオシドは、非天然ヌクレオシドまたはヌクレオチド類似体である。核酸は、改変塩基(例えば、メチル化塩基)、改変糖(2’−フルオロリボース、アラビノース、もしくはヘキソース)、改変リン酸基またはヌクレオシドもしくはヌクレオシド類似体の間の他の結合(例えば、ホスホロチオエートもしくは5’−N−ホスホルアミダイト結合)、ロックド核酸、またはモルホリノを含んでもよい。いくつかの実施形態において、核酸は、DNAおよびRNA中のように、ホスホジエステル結合により連結されるヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態においては、少なくともいくつかのヌクレオシドは、非ホスホジエステル結合により連結される。核酸は、一本鎖、二本鎖、または部分二本鎖であってもよい。少なくとも部分二本鎖核酸は、1つまたは複数の突出、例えば、5’および/または3’突出を有してもよい。研究または治療目的のためのRNA干渉(RNAi)、アプタマー、またはアンチセンスに基づく分子の文脈において有用であることが当業界で公知の核酸改変(例えば、非標準ヌクレオシドの使用を含む、ヌクレオシドおよび/または骨格改変)は、本発明の様々な実施形態における使用について企図される。例えば、Crooke,ST(ed.) Antisense drug technology: principles, strategies, and applications, Boca Raton:CRC Press、2008;Kurreck,J.(ed.) Therapeutic oligonucleotides, RSC biomolecular sciences. Cambridge:Royal Society of Chemistry、2008を参照されたい。いくつかの実施形態においては、改変は、同じ長さおよび鎖性のRNAまたはDNAと比較して、例えば、in vivoで、核酸の半減期および/または安定性を増大させる。いくつかの実施形態において、改変は、同じ長さおよび鎖性のRNAまたはDNAと比較して核酸の免疫原性を低下させる。いくつかの実施形態において、核酸の一方または両方の鎖中のヌクレオシドの5%〜95%が改変される。改変は、均一に、または非均一に位置してもよく、改変の位置(例えば、中央の近く、末端の近く、または末端に、交互に、など)を、所望の特性を増強するように選択することができる。核酸は、検出可能な標識、例えば、蛍光染料、放射性原子などを含んでもよい。「オリゴヌクレオチド」とは、例えば、典型的には約4〜約60ヌクレオチド長の比較的短い核酸を指す。本明細書でポリヌクレオチドを参照する場合、両方のDNA、RNA、ならびにそれぞれ一本鎖および二本鎖形態の両方(およびそれぞれの一本鎖分子の相補体)が提供されることが理解される。本明細書で用いられる「ポリヌクレオチド配列」とは、ポリヌクレオチド材料自体および/または特定の核酸を生化学的に特徴付ける配列情報(すなわち、塩基に関する略語として用いられる文字の連続)を指す。本明細書で提示されるポリヌクレオチド配列は、別途指摘しない限り、5’から3’の方向に提示される。
用語「オリゴクローン」とは、形態または同じ培養物中の他の細胞のものとは異なる分化マーカーの存在もしくは非存在などの類似する特徴を共有すると考えられる細胞の小集団、典型的には、2〜1000個の細胞を起源とする細胞集団を指す。オリゴクローン細胞は、これらの共通の特徴を共有しない細胞から単離され、増殖を可能にされ、類似する細胞の元の集団から本質的に完全に誘導される細胞の集団を生成する。
用語「多能性幹細胞」とは、2つ以上の分化した細胞型に分化することができる動物細胞を指す。そのような細胞としては、hES細胞、割球/桑実胚細胞およびその誘導されたhED細胞、hiPS細胞、hEG細胞、hEC細胞、ならびに間葉系幹細胞、神経幹細胞、および骨髄由来幹細胞を含む成体由来細胞が挙げられる。多能性幹細胞は、遺伝的に改変されていても、または遺伝的に改変されていなくてもよい。遺伝的に改変された細胞は、卵内でのその同定を容易にする蛍光タンパク質などのマーカーを含んでもよい。
用語「ポリペプチド」とは、アミノ酸のポリマーを指す。用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、本明細書では互換的に用いられる。ペプチドは、典型的には約2〜約60アミノ酸長の比較的短いポリペプチドである。本明細書で用いられるポリペプチドは、典型的には、標準アミノ酸(すなわち、タンパク質中に最も一般的に見出される20種のL−アミノ酸)を含有する。しかしながら、ポリペプチドは、ある特定の実施形態において、当業界で公知の1つもしくは複数の非標準アミノ酸(天然もしくは非天然であってもよい)および/またはアミノ酸類似体を含有してもよい。ポリペプチド中の1つまたは複数のアミノ酸を、例えば、炭水化物基、リン酸基、脂肪酸基、コンジュゲーション、官能化などのためのリンカーなどの化学的実体の付加により改変することができる。共有的または非共有的に結合した非ポリペプチド部分を有するポリペプチドは、依然として「ポリペプチド」と考えられる。ポリペプチドを、天然の供給源から精製する、組換えDNA技術を用いて生成する、従来の固相ペプチド合成などの化学的手段により合成することができる。本明細書で用いられる用語「ポリペプチド配列」または「アミノ酸配列」は、ポリペプチド材料自体および/またはポリペプチドを生化学的に特徴付ける配列情報(すなわち、アミノ酸名に関する略語として用いられる文字または三文字コードの連続)を指してもよい。本明細書に提示されるポリペプチド配列は、別途指摘しない限り、N末端からC末端の向きに提示される。ポリペプチドは、環状であるか、または環状部分を含有してもよい。天然ポリペプチドが本明細書で考察される場合、本発明はその任意のアイソフォームに関する実施形態(例えば、mRNAの選択的スプライシングもしくは編集の結果として、または遺伝子の異なる対立遺伝子、例えば、1つもしくは複数の単一ヌクレオチド多型によって異なる対立遺伝子の結果として(典型的には、そのような対立遺伝子は参照またはコンセンサス配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%以上同一である)、同じ遺伝子から生じる異なるタンパク質)を包含することが理解されるであろう。ポリペプチドは、分泌のため、もしくは特定の細胞内コンパートメント(例えば、核)にそれを標的化する配列および/または翻訳後改変もしくは分解のためにポリペプチドを標的化する配列を含んでもよい。ある特定のポリペプチドを、翻訳後切断または成熟ポリペプチドになる他のプロセッシングを受ける前駆体として合成することができる。いくつかの例においては、そのような切断は、特定の活性化事象の際にのみ起こってもよい。関連する場合、本発明は、前駆体ポリペプチドに関する実施形態および成熟型のポリペプチドに関する実施形態を提供する。
用語「プールされたクローン」とは、細胞集団を生成する2つ以上のクローン集団を、クローン集団と類似する、遺伝子発現のマーカーなどの、均一なマーカーと組み合わせることにより得られる細胞集団を指すが、全ての細胞が同じ元のクローンから誘導された集団は指さない。前記プールされたクローン系は、単一の、または混合された遺伝子型の細胞を含んでもよい。プールされたクローン系は、クローン系が比較的早く分化するか、またはその増殖寿命を早く望ましくない方法で変化させる場合に特に有用である。
用語「出生前」とは、動物が子宮から離れて生存することができない前の胎盤哺乳動物の胚発生の段階を指す。
用語「始原幹細胞」とは、3つ全部の一次胚葉:内胚葉、中胚葉、および外胚葉、ならびに神経堤の細胞に分化することができる多能性幹細胞を集合的に指す。従って、始原幹細胞の例としては、限定されるものではないが、ヒトまたは非ヒト哺乳動物ES細胞または細胞株、割球/桑実胚細胞ならびにその誘導されたED細胞、iPS、およびEG細胞が挙げられる。
用語「精製された」とは、薬剤または実体(例えば、化合物)が天然で結合するか、または元々生成された場合に多くの成分から分離された薬剤または実体(例えば、化合物)を指す。一般に、そのような精製は、ヒトの手の動作を含む。精製された薬剤または実体は、部分的に精製される、実質的に精製される、または純粋であってもよい。そのような薬剤または実体は、例えば、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%を超えて純粋であってもよい。いくつかの実施形態においては、核酸またはポリペプチドは、それが調製物中に存在する、それぞれ、全核酸またはポリペプチド材料の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上を占めるように精製される。純度は、例えば、乾燥重量、クロマトグラフィートレーシング上のピークのサイズ、分子存在量、ゲル上でのバンドの強度、もしくは分子存在量と相関する任意のシグナルの強度、または任意の当業界で許容される定量方法に基づくものであってもよい。いくつかの実施形態においては、水、バッファー、イオン、および/または低分子(例えば、ヌクレオチドもしくはアミノ酸などの前駆体)が、場合により、精製された調製物中に存在してもよい。精製された分子を、他の物質(例えば、他の細胞材料)からそれを分離することにより、または所望の純度を達成するような様式でそれを生成することにより調製することができる。いくつかの実施形態においては、精製された分子または組成物は、任意の当業界で許容される精製方法を用いて調製される分子または組成物を指す。いくつかの実施形態においては、「部分的に精製された」とは、細胞により生成される分子が、最早細胞内には存在しない、例えば、細胞が溶解され、場合により、少なくともいくらかの細胞材料(例えば、細胞壁、細胞膜、細胞オルガネラ)が除去されていることを意味する。
用語「RNA干渉」(RNAi)は、二本鎖RNA(dsRNA)が、配列特異的分解またはdsRNAの鎖に対する相補性を有する対応するmRNAの翻訳抑制を誘発する現象を指すように用いられる。dsRNAの鎖とmRNAとの相補性は、100%である必要はないが、遺伝子発現の阻害を媒介するのに十分であることだけが必要である(「サイレンシング」または「ノックダウン」とも呼ばれる)ことが理解される。例えば、相補性の程度は、鎖が(i)RNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)中でのmRNAの切断を誘導する;または(ii)mRNAの翻訳抑制を引き起こすことができるようなものである。ある特定の実施形態においては、RNAの二本鎖部分は、約30ヌクレオチド長未満、例えば、17〜29ヌクレオチド長である。ある特定の実施形態において、dsRNAの第1の鎖は、標的mRNAと少なくとも80%、85%、90%、95%、または100%相補的であり、dsRNAの他方の鎖は、第1の鎖と少なくとも80%、85%、90%、95%、または100%相補的である。哺乳動物細胞中では、RNAiは、適切な二本鎖核酸を細胞中に導入するか、または細胞中で核酸を発現させた後、dsRNAを得るために細胞内でプロセッシングすることにより達成することができる。RNAiを媒介することができる核酸は、本明細書では「RNAi剤」と呼ばれる。RNAiを媒介することができる例示的な核酸は、短いヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、およびマイクロRNA前駆体である。これらの用語は周知であり、当業界でのその意味と一致して本明細書で用いられる。siRNAは、典型的には、互いにハイブリダイズして二本鎖を形成する2つの別々の核酸鎖を含む。それらを、in vitroで、例えば、標準的な核酸合成技術を用いて合成することができる。siRNAは、典型的には、それぞれの鎖中に16〜30、例えば、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド(nt)を有する二本鎖オリゴヌクレオチドであり、ここで、二本鎖オリゴヌクレオチドは、15〜29ヌクレオチド長の二本鎖部分を含み、鎖の一方もしくは両方は、例えば、1〜5ヌクレオチド長の3’突出を含むか、または一方もしくは両方の末端は、平滑であってもよい。いくつかの実施形態においては、siRNAは、19〜25nt、例えば、21〜23ヌクレオチド長の鎖を含み、ここで、一方または両方の鎖は、1〜2ヌクレオチドの3’突出を含む。siRNAの二本鎖部分の一方の鎖(「ガイド鎖」または「アンチセンス鎖」と呼ばれる)は、mRNA中の標的領域と実質的に相補的(例えば、少なくとも80%以上、例えば、85%、90%、95%、または100%)であり(例えば、3、2、1、または0個の不一致のヌクレオチドを有する)、他の二本鎖部分は、第1の二本鎖部分と実質的に相補的である。ある特定の実施形態においては、ガイド鎖は、mRNA中の標的領域と100%相補的であり、他のパッセンジャー鎖は第1の二本鎖部分と100%相補的である(様々な実施形態において、ガイド鎖の3’突出部分は、存在する場合、ガイド鎖がmRNAにハイブリダイズする場合、mRNAと相補的であっても、またはなくてもよいことが理解される)。いくつかの実施形態においては、shRNA分子は、ステムループを含む核酸分子であり、ここで、二本鎖ステムは16〜30ヌクレオチド長であり、ループは約1〜10ヌクレオチド長である。siRNAは、様々な改変ヌクレオシド、ヌクレオシド類似体を含んでもよく、化学的または生物学的に改変された塩基、改変された骨格などを含んでもよい。限定されるものではないが、RNAiにとって有用であると当業界で認識される任意の改変を用いることができる。いくつかの改変は、安定性、細胞取込み、効力などの増大をもたらす。いくつかの改変は、免疫原性またはクリアランスの低下をもたらす。ある特定の実施形態においては、siRNAは、約19〜23(例えば、19、20、21、22、または23)ヌクレオチド長の二本鎖、および、場合により、デオキシリボヌクレオチドから構成されていてもよい1〜5ヌクレオチド長の1つまたは2つの3’突出を含む。shRNAは、主に非自己の相補領域により隔てられた2つの相補部分を含有する一本鎖核酸を含む。相補部分はハイブリダイズして二本鎖構造を形成し、非自己相補領域は二本鎖の一方の鎖の3’末端と他方の鎖の5’末端とを接続するループを形成する。shRNAは細胞内プロセッシングを受けてsiRNAを生成する。典型的には、ループは、1〜8、例えば、2〜6ヌクレオチド長である。
マイクロRNA(miRNA)は、配列特異的様式で遺伝子発現を阻害する、約21〜25ヌクレオチド(哺乳動物系において)の小さい、天然の、非コード、一本鎖RNAである。それらは、順に、より大きい前駆体(プレmiRNA)から生成される不完全な相補性の1つまたは複数の領域を含むことが多い二本鎖を含有する短いヘアピン(約70ヌクレオチド長)を含んでなる特徴的な二次構造を有する前駆体(プレmiRNA)から細胞内で生成される。天然のmiRNAは、典型的には、その標的mRNAと部分的にのみ相補的であり、翻訳抑制により作用することが多い。本発明のある特定の実施形態においては、内因性miRNAまたはmiRNA前駆体上でモデリングされたRNAi剤が有用である。例えば、一方の鎖が、1つまたは複数の不一致または突出部で標的mRNAにハイブリダイズし、miRNAとその標的mRNAにより形成される二本鎖を模倣するように、siRNAを設計することができる。そのようなsiRNAを、miRNA模倣体またはmiRNA様分子と呼ぶことができる。miRNA模倣体は、構造が天然miRNA前駆体のものを模倣する前駆体核酸によりコードされていてもよい。
ある特定の実施形態において、RNAi剤は、siRNA(例えば、互いにハイブリダイズすることができる2つの別々の鎖として)、shRNA、またはマイクロRNA前駆体の転写のための鋳型を含むベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)である。典型的には、siRNA、shRNA、またはmiRNA前駆体をコードする鋳型は、当業界で公知のように、発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結される。そのようなベクターを用いて、鋳型を、脊椎動物細胞、例えば、哺乳動物細胞中に導入し、siRNA、shRNA、またはmiRNA前駆体の一過的または安定な発現をもたらすことができる。前駆体(shRNAまたはmiRNA前駆体)は、細胞内でプロセッシングされて、siRNAまたはmiRNAを生成する。
一般に、siRNAなどの低分子RNAi剤を化学的に合成するか、または後にハイブリダイズする2つの別々の鎖として、もしくは後にプロセッシングされてsiRNAを生成するshRNAとして、DNA鋳型からin vitroもしくはin vivoで転写させることができる。特に、改変を含むものなどのRNAi剤の多くは、化学的に合成される。オリゴヌクレオチドのための化学的合成方法は、当業界で周知である。
本明細書で用いられる用語「低分子」は、質量が約2キロダルトン(KDa)未満である有機分子である。いくつかの実施形態において、低分子は、約1.5KDa未満、または約1KDa未満である。いくつかの実施形態においては、低分子は、約800ダルトン(Da)、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、または100Da未満である。多くの場合、低分子は、少なくとも50Daの質量を有する。いくつかの実施形態においては、低分子は、複数の炭素−炭素結合を含有し、1つもしくは複数のヘテロ原子および/またはタンパク質との構造的相互作用(例えば、水素結合)にとって重要な1つもしくは複数の官能基、例えば、アミン、カルボニル、ヒドロキシル、もしくはカルボキシル基、いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの官能基を含有してもよい。低分子は、1つまたは複数の上記官能基で置換されていてもよい、1つもしくは複数の環式炭素もしくは複素環構造および/または芳香族もしくはポリ芳香族構造を含むことが多い。いくつかの実施形態においては、低分子は、非ポリマーである。いくつかの実施形態においては、低分子は、アミノ酸ではない。いくつかの実施形態においては、低分子は、ヌクレオチドではない。いくつかの実施形態においては、低分子は、サッカリドではない。
用語「対象」は、任意の多細胞動物であってもよい。対象は、脊椎動物、例えば、哺乳動物または鳥類であってもよい。哺乳動物の例としては、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ)、有蹄動物(例えば、ヒツジ、ウシ、ウマ、ヤギ種)、イヌ、およびネコが挙げられる。対象は、例えば、実験、診断、および/もしくは治療目的で化合物を送達しようとする個体または試料が得られるか、もしくは診断手順が実施される個体(例えば、組織損傷を評価する、および/または本発明の化合物の効果を評価するために用いられる試料または手順)であってもよい。
用語「組織損傷」は、細胞、組織、臓器、または他の身体構造に対する任意の型の損傷または傷害を指すために本明細書で用いられる。この用語は、様々な実施形態において、疾患に起因する変性、身体的外傷または手術に起因する損傷、有害物質への曝露により引き起こされる損傷、ならびに細胞、組織、臓器、または他の身体構造の構造および/または機能におけるその他の破壊を包含する。
用語「組織再生」または「TR」とは、喪失、損傷、または変性後の、組織、臓器、もしくは他の身体構造、またはその一部の少なくとも部分的な再生、置き換え、回復、または再増殖を指し、ここで、本発明に記載の方法がなかったら、前記組織再生は、起こらなかったであろう。組織再生の例としては、組織または臓器が組織もしくは臓器の正常なサイズまたは傷害もしくは疾患の前のそのサイズに近くなるような、傷害された、または疾患を有する臓器のサイズおよび細胞数の増大と共に、軟骨、骨、筋肉、腱、および靱帯の再増殖を含む、切断された指または手足の再増殖、傷害または疾患に起因して喪失した骨、軟骨、皮膚、または筋肉の再増殖(傷を残さなくてもよいか、またはそうでなくてもよい)が挙げられる。組織型に応じて、組織再生は、例えば、元々存在する細胞および/もしくは組織の再配置(例えば、細胞移動による)、成体体性幹細胞もしくは他の前駆細胞の分裂およびその子孫の少なくともいくつかの分化、ならびに/または細胞の脱分化、分化転換、および/もしくは増殖などの、様々な異なる機構により生じ得る。
用語「TR活性化因子遺伝子」とは、胎児および成体細胞においては発現を欠くが、発生の胚性期における発現はTRを容易にする遺伝子を指す。
用語「TR阻害因子遺伝子」とは、胎児および成体動物における発現がTRを阻害する遺伝子を指す。
対象に関する用語「処置する」、「処置すること」、「処置」、「療法」、「治療」および類似する用語は、対象の医学的および/または外科的管理を提供することを指す。処置は、限定されるものではないが、対象に化合物または組成物(例えば、細胞組成物などの医薬組成物)を投与することを含んでもよい。本発明による対象の処置は、典型的には、例えば、組織損傷に罹患したか、または組織損傷に罹患することが予想される対象(例えば、手術を受ける対象)における再生を促進するために行われる。本明細書で用いられる処置は、予防、および疾患または状態と関連する1つまたは複数の症状の低減を含む。処置の効果は、一般に、組織損傷後の再生の増大、瘢痕形成の低減、および/もしくは構造的もしくは機能的転帰の改善(処置の非存在下での結果と比較した)を含んでもよく、ならびに/または変性疾患の重症度もしくは進行における逆転もしくは低減を含んでもよい。
特定のポリペプチドに適用される用語「バリアント」とは、1つまたは複数のアミノ酸変化、例えば、付加、欠失、および/または置換によりそのようなポリペプチド(「元のポリペプチド」と呼ばれることもある)とは異なるポリペプチドを指す。元のポリペプチドは、天然ポリペプチド(例えば、ヒトもしくは非ヒト動物に由来する)またはそれと同一なポリペプチドであることもある。バリアントは、天然のものであってもよいか、または例えば、組換えDNA技術もしくは化学的合成を用いて作出することができる。付加は、ポリペプチド内への挿入またはNもしくはC末端での付加であってもよい。いくつかの実施形態において、置換、欠失、または付加されるアミノ酸の数は、例えば、約1〜30個、例えば、約1〜20個、例えば、約1〜10個、例えば、約1〜5個、例えば、1、2、3、4、または5個であってもよい。いくつかの実施形態においては、バリアントは、配列が少なくとも50アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、少なくとも150アミノ酸以上から元のポリペプチドの全長までにわたって元のポリペプチドの配列と相同である(しかし、元のポリペプチドと配列において同一ではない)ポリペプチドを含み、例えば、バリアントポリペプチドの配列は、少なくとも50アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、少なくとも150アミノ酸以上から元のポリペプチドの全長までにわたって、元のポリペプチドの配列と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一である。いくつかの実施形態においては、バリアントは、元のポリペプチドの長さの少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%にわたって、元のポリペプチドと少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%以上同一であるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、バリアントは、少なくとも1つの機能または構造ドメイン、例えば、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nih.gov)のConserved Domain Database(CDD)などにおいて同定されるドメイン、例えば、NCBIキュレーテッドドメインを含む。
いくつかの実施形態においては、バリアントまたは断片の1つの、1つより多い、または全ての生物学的機能または活性は、元の分子の対応する生物学的機能または活性のものと実質的に類似する。いくつかの実施形態においては、機能的バリアントは、元のポリペプチドの活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上、例えば、ほぼ同等の活性を保持する。いくつかの実施形態においては、バリアントの活性は、元の分子の活性の約100%、約125%、または約150%までである。他の非限定的な実施形態においては、特定の効果をもたらすのに必要とされるバリアントの量または濃度が、その効果をもたらすのに必要とされる元の分子の量または濃度の0.5〜5倍以内である場合、バリアントまたは断片の活性は、元の分子の活性と実質的に類似すると考えられる。
いくつかの実施形態においては、バリアント中のアミノ酸「置換」は、あるアミノ酸を、類似する構造的および/または化学的特性を有する別のアミノ酸と置き換える結果、すなわち、保存的アミノ酸置き換えである。「保存的」アミノ酸置換を、関与する残基の側鎖のサイズ、極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性、および/または両親媒性などの様々な特性のいずれかにおける類似性に基づいて作製することができる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。極性(親水性)、中性アミノ酸としては、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが挙げられる。正に荷電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リシンおよびヒスチジンが挙げられる。負に荷電した(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。特定の基内で、ある特定の置換は、特定の目的のもの、例えば、イソロイシンによるロイシンの置き換え(もしくはその逆)、トレオニンによるセリンの置き換え(もしくはその逆)、またはグリシンによるアラニンの置き換え(もしくはその逆)であってもよい。勿論、非保存的置換も同様に機能を保持しながら適合することが多い。いくつかの実施形態においては、置換または欠失は、活性にとって重要なアミノ酸を変化または欠失させない。挿入または欠失は、約1〜20アミノ酸、例えば、1〜10アミノ酸のサイズであってもよい。いくつかの例において、より大きいドメインを、機能に実質的に影響させることなく除去することができる。本発明のある特定の実施形態において、バリアントの配列を、天然酵素の配列に対する全部で5、10、15、または20アミノ酸以下の付加、欠失、または置換を作製することにより取得することができる。いくつかの実施形態においては、ポリペプチド中の1%、5%、10%、または20%以下のアミノ酸は、元のポリペプチドと比較した挿入、欠失、または置換である。様々な種間で保存されたアミノ酸残基は保存されていないアミノ酸よりも活性にとって重要である可能性がより高いため、アミノ酸残基を、対象の活性を除去するか、または実質的に低下させることなく、置き換える、付加する、または欠失させることができることを決定する際の指針を、特定のポリペプチドの配列を、相同ポリペプチド(例えば、他の生物に由来する)のものと比較し、高い相同性の領域(保存された領域)中で作製されたアミノ酸配列変化の数を最小化することによるか、またはアミノ酸を、相同配列中に見出されるものと置き換えることにより得ることができる。
いくつかの実施形態においては、ポリペプチドのバリアントは、非相同ポリペプチド部分を含む。非相同部分は、元のポリペプチド中には存在しないか、またはそれと相同ではない配列を有することが多い。非相同部分は、例えば、5〜約5,000アミノ酸長、またはそれ以上であってもよい。いくつかの実施形態においては、それは5〜約1,000アミノ酸長である。いくつかの実施形態においては、非相同部分は、異なるポリペプチド中に見出される配列、例えば、機能的ドメインを含む。いくつかの実施形態においては、非相同部分は、ポリペプチドを精製する、発現させる、可溶化する、および/または検出するのに有用な配列を含む。いくつかの実施形態においては、非相同部分は、ポリペプチド「タグ」、例えば、親和性タグまたはエピトープタグを含む。例えば、タグは、親和性タグ(例えば、HA、TAP、Myc、6XHis、Flag、GST)、蛍光または発光タンパク質(例えば、EGFP、ECFP、EYFP、セルリアン、DsRed、mCherry)、溶解度向上タグ(例えば、SUMOタグ、NUS Aタグ、SNUTタグ、またはバクテリオファージT7のOcrタンパク質のモノマー変異体)であってもよい。例えば、Esposito DおよびChatterjee DK.Curr Opin Biotechnol.;17(4):353〜8頁(2006)を参照されたい。いくつかの実施形態においては、タグは、複数の機能を果たしてもよい。タグは、比較的小さいことが多く、例えば、数個のアミノ酸から約100アミノ酸長までの範囲である。いくつかの実施形態においては、タグは、100アミノ酸長未満であり、例えば、約500アミノ酸長まで、またはそれ以上である。いくつかの実施形態においては、ポリペプチドは、NまたはC末端に位置するタグを、例えば、NまたはC末端融合物として有する。ポリペプチドは、複数のタグを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、6XHisタグとNUSタグが、例えば、N末端に存在する。いくつかの実施形態においては、タグを、例えば、プロテアーゼによりポリペプチドから除去することができるように、タグは切断性である。いくつかの実施形態においては、これは、元のポリペプチドと相同な部分をコードする配列と、タグとの間にプロテアーゼ切断部位をコードする配列を含有させることにより達成される。プロテアーゼの例としては、例えば、トロンビン、TEVプロテアーゼ、第Xa因子、PreScissionプロテアーゼなどが挙げられる。いくつかの実施形態においては、「自己切断性」タグが用いられる。例えば、PCT/US05/05763を参照されたい。タグをコードする配列を、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関して5’または3’(または両方)に配置することができる。いくつかの実施形態においては、タグまたは他の非相同配列は、ポリペプチドリンカーにより残りのポリペプチドから隔てられる。例えば、リンカーは、短いポリペプチド(例えば、15〜25アミノ酸)であってもよい。リンカーは、セリン、グリシン、および/またはアラニンなどの小さいアミノ酸残基から構成されることが多い。非相同ドメインは、膜貫通ドメイン、分泌シグナルドメインなどを含んでもよい。
本発明のある特定の実施形態においては、場合により、非相同部分を含まない、断片またはバリアントは、存在する場合、その3次元構造(実際の構造または予測される構造)を元のポリペプチドの構造に重ね合わせた場合、重複の体積が元のポリペプチドの構造の全体積の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%であるような、元のポリペプチドに対する十分な構造的類似性を有する。断片またはバリアントの部分的または完全な3次元構造を、タンパク質を結晶化することにより決定することができ、これを標準的な方法を用いて行うことができる。あるいは、これも標準的な方法を用いて、NMR溶液構造を作成することができる。MODELER(Sali,A.およびBlundell,TL,J.Mol.Biol.、234、779〜815頁、1993)などのモデリングプログラム、または任意の他のモデリングプログラムを用いて、予測構造を作成することができる。関連ポリペプチドの構造または予測構造が利用可能である場合、モデルはその構造に基づいていてもよい。PROSPECT−PSPPプログラムスイートを用いることができる(Guo,JTら、Nucleic Acids Res.32(ウェブサーバー発行):W525〜5頁、Jul.1、2004)。本発明の実施形態がポリペプチドのバリアントに関するものである場合、バリアントをコードするポリヌクレオチドが提供されることが理解されるであろう。
用語「ベクター」は、例えば、核酸分子の細胞中への進入を媒介する、例えば、導入する、輸送することなどができる核酸またはウイルスもしくはその一部(例えば、ウイルスキャプシドもしくはゲノム)を指すために本明細書で用いられる。ベクターが核酸である場合、導入される核酸分子は、一般に、ベクター核酸分子に連結される、例えば、その中に挿入される。核酸ベクターは、自己複製を指令する配列(例えば、複製起点)を含んでもよく、または宿主細胞DNA中への核酸の一部もしくは全部の組込みを可能にするのに十分な配列を含んでもよい。有用な核酸ベクターとしては、例えば、DNAもしくはRNAプラスミド、コスミド、および天然もしくは改変ウイルスゲノムもしくはその一部またはウイルスキャプシド中にパッケージングすることができる核酸(DNAもしくはRNA)が挙げられる。典型的には、プラスミドベクターは、複製起点と、1つまたは複数の選択マーカーとを含む。プラスミドは、ウイルスゲノムの一部または全部(例えば、ウイルスプロモーター、エンハンサー、プロセッシングまたはパッケージングシグナルなど)を含んでもよい。核酸分子を細胞中に導入するために用いることができるウイルスまたはその一部は、ウイルスベクターと呼ばれる。有用なウイルスベクターとしては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、ワクシニアウイルスおよび他のポックスウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、およびその他が挙げられる。ウイルスベクターは、宿主細胞中に導入された場合に感染性ウイルスの生成のための十分なウイルス遺伝子情報を含有しても、またはしなくてもよい、すなわち、ウイルスベクターは、複製欠損であってもよく、そのような複製欠損ウイルスベクターは、治療的使用にとって好ましいものであってもよい。十分な情報がない場合、必要ではないが、それを宿主細胞により、または細胞中に導入される別のベクターにより供給することができる。導入される核酸は、天然の、もしくは改変されたウイルスゲノムもしくはその一部に含有させることができるか、または別の核酸分子としてウイルスもしくはウイルスキャプシド内に存在してもよい。ウイルスキャプシド中にパッケージングすることができる核酸の転写を指令するのに十分な、ならびに/または宿主細胞ゲノム中に組み込むことができる核酸を生じる、および/もしくは感染性ウイルスを生じるのに十分な、典型的には、ウイルス遺伝子情報を含む、ウイルスゲノムの一部または全部を含むある特定のプラスミドベクターも、当業界ではウイルスベクターと呼ばれることがあることが理解される。ベクターは、ベクターで形質転換された、またはトランスフェクトされたか、またはされていない細胞の同定および/または選択における使用にとって好適なマーカーをコードする1つまたは複数の核酸を含んでもよい。マーカーとしては、例えば、抗生物質に対する耐性もしくは感受性を増大もしくは低下させるタンパク質(例えば、ピューロマイシン、ヒグロマイシンもしくはブラスチシジンなどの抗生物質に対する耐性を付与するタンパク質をコードする抗生物質体制遺伝子)または他の化合物、活性が当業界で公知のアッセイにより検出可能である酵素(例えば、ベータ−ガラクトシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)、および形質転換またはトランスフェクトされた細胞の表現型に検出可能に影響するタンパク質またはRNA(例えば、蛍光タンパク質)が挙げられる。発現ベクターは、作動可能に連結された核酸の転写を指令するのに十分な、調節配列、例えば、プロモーターなどの発現制御配列を含むベクターである。調節配列はまた、エンハンサー配列または上流の活性化因子配列を含んでもよい。ベクターは、場合により、5’リーダーまたはシグナル配列を含んでもよい。ベクターは、場合により、切断および/もしくはポリアデニル化シグナルならびに/または3’非翻訳領域を含んでもよい。ベクターは、発現させようとする核酸のベクター中への導入を容易にするための、制限酵素のための1つまたは複数の適切に配置された部位を含むことが多い。発現ベクターは、発現のための十分なcis作用エレメントを含む;発現にとって必要とされるか、または役立つ他のエレメントを、宿主細胞により、またはin vitro発現系中で供給することができる。
様々な技術を、核酸分子を細胞中に導入するために用いることができる。そのような技術としては、リン酸カルシウム、陽イオン脂質、陽イオンポリマーなどの化合物を用いる化学物質により容易になるトランスフェクション、リポソーム媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、粒子ボンバードメント、またはマイクロインジェクションなどの非化学的方法、および対象の核酸分子を含有するウイルスによる感染(「形質導入」と呼ばれることもある)が挙げられる。ベクターを取込み、典型的には、核酸を発現する細胞の同定および/または選択のためにマーカーを用いることができる。細胞を適切な培地中で培養して、そのような細胞を選択し、場合により、安定な細胞株を確立することができる。
本発明をより詳細に説明する前に、本発明が記載される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして、勿論、変化してもよいことが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態だけを説明するためのものであり、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1までのそれぞれの介在する値、その範囲の上限と下限の間およびその記述される範囲中の任意の他の記述される値または介在する値が、本発明に包含されることが理解される。これらの小さい方の範囲の上限および下限は、小さい方の範囲に独立に含まれ、また、記述される範囲中の任意の特に排除される限界によって、本発明に包含される。記述される範囲が限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界の一方または両方を含まない範囲も、本発明に含まれる。
ある特定の範囲は、用語「約」を前に付けた数値と共に本明細書で提示される。用語「約」は、それが先行する正確な数、ならびにこの用語が先行する数に近いか、またはそれに近似的である数に関する文字による支援を提供するために本明細書で用いられる。ある数が特に記載される数に近いか、またはそれに近似的であるかどうかを決定する際に、近いか、または近似的な記載されない数は、それが提示される文脈において、特に記載される数の実質的な等価物を提供する数であってもよい。
別途定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業界における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似するか、または等価である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において用いることもできるが、代表的な例示的方法および材料をここで説明する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。さらに、特許請求の範囲を、任意選択の要素を排除するために下書きすることができることに留意されたい。そのようなものとして、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載と関連する、「単に」、「のみ」などの排他的な用語の使用、または「負の」限定の使用のための先行詞として働くことが意図される。
本開示を読む際に当業者には明らかであるように、本明細書に記載および例示される個々の実施形態はそれぞれ、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離するか、またはそれと組み合わせることができる個別の構成要素および特徴を有する。任意の記載される方法を、記載される事象の順序で、または論理的に可能である任意の他の順序で実行することができる。
発明の詳細な説明
本発明は、胚性期においてTRを授ける遺伝子発現パターンが失われた、ヒトなどの哺乳動物種における発生の胎児、新生児、幼児、または成体期において体細胞iTRを実施するのに有用な化合物、組成物、および方法を提供する。一態様において、本発明は、霊長類種、より特には、ヒト種を含む哺乳動物種においてTRを調節する遺伝子を同定する方法を提供し、ここで、前記遺伝子は、発生の胎児および成体段階と比較して発生の胚性段階で示差的に発現される、mRNAおよび非コードRNAまたは前記RNA中のスプライスバリアントをコードする遺伝子の発現を比較することにより同定される。より特には、前記方法は、胎児および成体細胞(胚から胎児発生への転移点の後)と比較して、発生の出生前段階、特に、発生の胚性期(胚から胎児発生への転移点の前)において複数の多様な体細胞型中で示差的に発現されるmRNAおよび非コードRNAをコードする遺伝子を同定する。ヒト種の場合、胚から胎児発生への転移は、出生前発生の約8週で起こり、マウスにおいては、それは約16日で起こり、ラット種においては、約17.5日で起こる。
本発明の別の態様において、哺乳動物発生の胚性期に特異的な遺伝子発現パターンを示す、多能性幹細胞由来クローン、オリゴクローン、プールされたクローン、またはプールされたオリゴクローン胚性前駆細胞株を、コードおよび非コードRNAの供給源として使用し、胎児または成体由来供給源に由来する細胞および組織中でコードおよび非コードRNAを比較して、発生の胚性期における細胞と比較して、胎児および成体組織におけるTRおよびTRの抑制を調節する、mRNAおよび非コードRNAをコードする遺伝子または前記遺伝子中のスプライスバリアントを同定する。
本発明の別の態様において、発生の胚性期において多様な型の体細胞中で示差的に発現される転写調節遺伝子を、TRに参画することができない成体細胞型などの、胚性期後の発生段階における多様な体細胞型と比較して、スプライスバリアントにおける変化の発現の変化が成体哺乳動物における組織再生能力の抑制を引き起こす遺伝子を同定する。いくつかの実施形態においては、発現または抑制がiTRを行うことができる遺伝子を同定する方法は、クローン、オリゴクローン、またはプールされたクローンもしくはプールされたオリゴクローンhPS細胞由来胚性前駆細胞株のトランスクリプトームを、胚性前駆細胞中で一般的に発現される遺伝子を同定するための多様な型の成体由来細胞もしくは組織のトランスクリプトームまたは成体由来細胞中では発現されないか、もしくは顕著により低レベルで発現される胚性前駆細胞中のRNAスプライスバリアント、もしくはあるいは、クローン、オリゴクローン、またはプールされたクローンもしくはプールされたオリゴクローンhPS細胞由来胚性前駆細胞株中では発現されないか、もしくは顕著により低レベルで発現されるスプライスバリアントを含むRNAと比較することを含む。別の実施形態においては、両方とも、成体由来細胞と比較して胚性前駆細胞中でより高レベルで発現され、また、発がんに関与する候補iTR遺伝子、または両方とも、成体由来細胞と比較して胚性前駆細胞中でより低レベルで発現され、また、腫瘍抑制に関与する遺伝子は、候補iTR遺伝子として同定される。
別の態様において、本発明は、特定の細胞および組織型の再生のために最適化された因子および/またはリプレッサーの組合せを同定するための多様な細胞および組織型においてiTR遺伝子の組合せをスクリーニングする方法を提供する。
別の態様において、本発明は、培養細胞中でのiTR遺伝子の発現を改変して、そうでなければ十分なTRを受けることができない組織中に移植された場合に、それらがiTRに参画することができる状態にまでそれらを回復する方法を提供する。
本発明の別の態様において、限定されるものではないが、ヒト遺伝子TERTなどの、テロメラーゼ触媒成分を、体細胞の増殖能力を拡張することによってTRを容易にするために、TRを誘導しようとする標的細胞または組織中で一過的に発現させる。本発明の別の態様において、ヒト遺伝子TERTを含む、テロメラーゼ触媒成分を、細胞を不死化することなく体細胞の増殖能力を拡張するために標的細胞または組織中で一過的に発現させる(構成的に発現させるのとは反対である)。
別の態様において、本発明は、in vivoの細胞中でiTR遺伝子の発現を改変して、それらがiTRに参画することができる状態にまでそれらを回復させる方法を提供する。いくつかの実施形態においては、iTR遺伝子発現を、in vitroで改変する。
別の態様において、本発明は、TR活性の候補モジュレータを同定する方法であって、(i)(a)精製された状態の、または他の分子との混合物中のTR活性の候補モジュレータ;(b)体細胞が遺伝子発現の胚性パターンとは反対に遺伝子発現の胎児または成体パターンを発現する、TRを行うことができない前記細胞;(c)体細胞内、または胎児および成体段階と比較して発生の胚性期における体細胞中で示差的に調節される遺伝子のプロモーターがリポーター遺伝子の発現を駆動する、TRを行うことができない前記細胞の抽出物内に存在するリポーター構築物を含む組成物を提供すること;ならびに(ii)候補モジュレータがリポーター遺伝子の発現に影響するかどうかを決定することを含み、候補モジュレータの非存在下での遺伝子の発現と比較して変化したリポーター遺伝子の発現が、化合物がiTR活性をモジュレートすることを示す、前記方法を提供する。
いくつかの実施形態においては、TRの候補モジュレータを同定する方法は、対象に、TRのモジュレータと同定された候補化合物を投与することをさらに含む。好適な対象は、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、有蹄動物ならびにウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ブタなどの他の農業用動物、ネコまたはイヌなどの家庭用動物およびマウス、ラット、ウサギ、モルモットなどのげっ歯類などの哺乳動物を含む、任意の動物を含む。
いくつかの実施形態においては、化合物を同定する方法は、対象に該化合物を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態においては、対象は、非ヒト動物、例えば、TRまたは創傷治癒のためのモデルとして役立つ非ヒト動物である。いくつかの実施形態においては、対象は、ヒトである。
別の態様において、本発明は、(a)iTRのモジュレータ;および(b)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
当業界の技術の範囲内にある、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、微生物学、組換え核酸(例えば、DNA)技術、免疫学などのある特定の従来技術は、本発明の態様において有用であり得る。ある特定のこれらの技術の非限定的記載は、以下の刊行物中に見出される:Ausubel,F.ら(eds.)、Current Protocols in Molecular Biology、Current Protocols in Immunology、Current Protocols in Protein Science、およびCurrent Protocols in Cell Biology、全てJohn Wiley & Sons,N.Y., editions as of 2008;Sambrook、Russell、およびSambrook、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、3.sup.rd ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、2001;Harlow,E.およびLane,D.、Antibodies−A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、1988;Burns,R.、Immunochemical Protocols(Methods in Molecular Biology) Humana Press;3rd ed.、2005、Monoclonal antibodies:a practical approach(P.ShepherdおよびC Dean、eds.、Oxford University Press、2000);Freshney,R.I.、「Culture of Animal Cells、A Manual of Basic Technique」、5th ed.、John Wiley & Sons、Hoboken,NJ、2005)。
TRモジュレーションおよびiTRモジュレータ
本発明は、iTRモジュレータおよびその使用方法を提供する。本発明は、iTRモジュレータを同定するのに有用な組成物および方法をさらに提供する。いくつかの態様において、本発明は、前記iTRモジュレータの濃度を変化させる薬剤を、それを必要とする多細胞生物に投与することを含む、再生を増強する方法を提供する。
アホロートルにおける切断された手足の再生、またはプラナリアにおける全身断片の再生などの完全なTRのための能力を示す原始的動物は、通常の胚発生を単に繰り返すことによってそうする。マウスおよびヒトなどの哺乳動物における前記TR耐性の無能性は、胎児発生から胚状態への転移に対してそれらを耐性にするある特定の胚遺伝子転写の変化により引き起こされる。TR耐性動物におけるある特定のこれらの胚特異的遺伝子の回復のための方法であって、それにより、形成中心因子に対する応答性、複雑な組織再生の誘導および瘢痕形成の同時的低減などの、任意の組織における再生のための能力を誘導する前記方法が本明細書で提供される。
ある特定の遺伝子はこれらの種における正常組織および再生組織において示差的に発現され、いくつかの遺伝子はそのような組織の再生にとって必要であると同定されたが、さもなければTRを行うことができない動物の組織(哺乳動物の組織など)中の動物の細胞を、組織自体が再生することができる状態に戻るように再プログラミングするのに十分である遺伝子は、単独でも、または他の遺伝子と組み合わせても、報告されていない。従って、発現されるか、またはあるいは抑制される場合、哺乳動物細胞および組織中で誘導組織再生(iTR)を引き起こすのに十分である遺伝子を同定するための組成物および方法、ならびにin vivoの哺乳動物種、特に、Homo sapiens種の組織中でそのような再生を誘導または抑制するための組成物および方法が、当業界において必要である。
胎児および成体動物における発現がTRを阻害する遺伝子を、本明細書では「TR阻害因子」と命名し、胎児および成体細胞中では発現を欠くが、発生の胚性期における発現はTRを容易にする遺伝子を、本明細書では「TR活性化因子」と命名する。集合的に、TR阻害因子遺伝子およびTR活性化因子遺伝子を、本明細書ではiTR遺伝子と命名する。TRを誘導する様式でTR活性化因子およびTR阻害因子のレベルを変化させる分子を、本明細書では「iTR因子」と命名する。iTR遺伝子およびiTR遺伝子のタンパク質産物は、イソギンチャクから哺乳動物まで、動物において保存されていることが多い。いくつかの異なる動物に由来する、iTR遺伝子によりコードされるタンパク質配列、およびiTR遺伝子をコードする核酸(例えば、mRNA)の配列が、当業界で公知であり、例えば、National Center for Biotechnology Information(NCBI)で利用可能なものなどの公共的に利用可能なデータベースに見出すことができる。
TR阻害遺伝子COX7A1は、正常組織中の上皮細胞とは反対に、間質細胞中で主に発現されることが観察された。しかしながら、新生物の場合、この遺伝子は骨肉腫および軟骨肉腫などの多くの間質性がんにおいて下方調節されることが観察された。これは、Warburg効果として知られる、がんにおける解糖の増加の観察と一致している。TR遺伝子は、成体におけるがんを一部防止するために、胚から胎児発生への転移において変化するため、間質性腫瘍中でのCOX7A1の抑制は、間質細胞を胚状態に復帰させ、発がんを容易にし得る。間質性腫瘍におけるCOX7A1の外因性発現は、従って、治療効果を有する。
本発明は、iTR遺伝子をモジュレートするいくつかの異なる方法およびiTR遺伝子を調節するのに有用な様々な異なる化合物を提供する。一般に、iTR因子は、例えば、低分子、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド、脂質、炭水化物などであってもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、iTR因子は、細胞により生成されたTR阻害因子RNAの量を減少させることにより、および/またはTR阻害因子遺伝子の活性レベルを低下させることにより阻害する。TR阻害因子を標的化する場合、TR阻害因子遺伝子の生成物のレベルを低下させる因子を同定し、研究および療法において使用する。前記TR阻害因子遺伝子は、図1Aに列挙されるTR阻害因子遺伝子のいずれか1つまたは組合せであってもよい。細胞によるTR阻害因子RNA合成の合成を阻害することにより(「TR阻害因子遺伝子発現を阻害すること」とも言われる)、例えば、TR阻害因子遺伝子をコードするmRNAの量を減少させることにより、またはTR阻害因子遺伝子をコードするmRNAの翻訳を減少させることにより、TR阻害因子遺伝子RNAの量を減少させることができる。前記因子は、限定されるものではないが、図1Aに列挙されるTR阻害因子遺伝子内の配列を標的化するRNAiであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態においては、TR阻害因子遺伝子発現は、RNA干渉(RNAi)により阻害される。当業界では公知のように、RNAiは、遺伝子と一致する配列を有する二本鎖RNAの細胞中での存在が、典型的には、遺伝子から転写されるmRNAの切断または翻訳抑制の結果として、遺伝子の発現の配列特異的阻害をもたらすプロセスである。RNAiによる発現の阻害を引き起こすのに有用な化合物(「RNAi剤」)としては、低分子干渉RNA(siRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、およびmiRNA様分子が挙げられる。
ヒトおよびマウスTR阻害因子遺伝子発現を阻害するsiRNAの配列の例は、実施例に提供される。当業者であれば、一度、哺乳動物TR阻害因子遺伝子、例えば、ヒトTR阻害因子遺伝子を同定したら、前記TR阻害因子遺伝子の発現を阻害するのに有用な、RNAi剤、例えば、siRNAのための配列を容易に設計することができる。いくつかの実施形態においては、そのような配列を選択して、「オフターゲット」(off−target)効果を最小化する。例えば、TR阻害因子遺伝子mRNA中に存在し、対象の種において発現される他のmRNA中に存在しない(または対象の種のゲノム中に存在しない)配列と相補的である配列を用いることができる。位置特異的化学的改変を用いて、潜在的なオフターゲット効果を低減することができる。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子遺伝子mRNAに対して標的化された、少なくとも2つの異なるRNAi剤、例えば、siRNAを、組み合わせて用いる。いくつかの実施形態においては、マイクロRNA(人工的に設計されたマイクロRNAであってもよい)を用いて、TR阻害因子遺伝子発現を阻害する。
本発明のいくつかの実施形態においては、TR阻害因子遺伝子発現を、TR阻害因子遺伝子をコードするmRNAと完全に、または実質的に相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス分子を用いて阻害する。このオリゴヌクレオチドは、TR阻害因子遺伝子mRNAにハイブリダイズし、例えば、RNaseHによるmRNAの分解または立体障害による翻訳の遮断をもたらす。本発明の他の実施形態においては、TR阻害因子遺伝子発現を、リボザイムまたは三本鎖核酸を用いて阻害する。
本発明のいくつかの実施形態においては、TR阻害因子は、TR阻害因子タンパク質の少なくとも1つの活性を阻害する。TR阻害因子タンパク質を、TR阻害因子タンパク質と物理的に相互作用する化合物と接触させることにより、TR阻害因子活性を低下させることができる。そのような化合物は、例えば、TR阻害因子タンパク質の構造を変化させる(例えば、それを共有的に改変することによる)および/またはTR阻害因子タンパク質と、コファクターもしくは基質などの1つもしくは複数の他の分子との相互作用を遮断することができる。いくつかの実施形態においては、阻害または減少は、参照レベル(例えば、対照レベル)の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の低下であってもよい。対照レベルは、TR阻害因子の非存在下で生じる前記因子のレベルであってもよい。例えば、TR因子は、TR阻害因子タンパク質のレベルを、試験される条件下、前記因子の非存在下で生じるレベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、40%、30%、25%、20%、10%、または5%以下にまで低下させることができる。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子のレベルを、試験される条件下、前記因子の非存在下で生じるレベルの75%またはそれ以下にまで低下させる。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子のレベルを、試験される条件下、前記因子の非存在下で生じるレベルの50%またはそれ以下にまで低下させる。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子のレベルを、試験される条件下、前記因子の非存在下で生じるレベルの25%またはそれ以下にまで低下させる。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子のレベルを、試験される条件下、iTR因子の非存在下で生じるレベルの10%またはそれ以下にまで低下させる。いくつかの場合、対照レベルと比較したモジュレーション(例えば、阻害または減少)のレベルは、統計的に有意である。本明細書で用いられる場合、「統計的に有意」とは、適切な統計的検定(例えば、ANOVA、t検定など)を用いた場合に、0.05未満のp値、例えば、0.025未満のp値または0.01未満のp値を指す。
本発明のいくつかの実施形態においては、ある化合物は、TR阻害因子タンパク質を直接阻害する、すなわち、その化合物は、TR阻害因子と、iTR因子との物理的相互作用(結合)を含む機構によってTR阻害因子タンパク質を阻害する。例えば、iTR因子へのTR阻害因子の結合は、反応を触媒するTR阻害因子の能力を阻害する、および/またはTR阻害因子活性部位を閉塞させることができる。様々な化合物を用いて、TR阻害因子を直接阻害することができる。TR阻害因子を直接阻害する例示的化合物は、例えば、低分子、抗体、またはアプタマーであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態においては、iTR因子は、TR阻害因子に共有結合する。例えば、化合物は、酵素活性に必要とされるアミノ酸残基を改変することができる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、TR阻害因子のアミノ酸側鎖と反応する、アルデヒド、ハロアルカン、アルケン、フルオロホスホネート(例えば、アルキルフルオロホスホネート)、ミカエルアクセプター、フェニルスルホネート、メチルケトン、例えば、ハロゲン化メチルケトンまたはジアゾメチルケトン、フルオロホスホネート、ビニルエステル、ビニルスルホン、またはビニルスルホンアミドなどの1つまたは複数の反応性官能基を含む。いくつかの実施形態においては、iTR因子阻害因子は、TR阻害因子と物理的に相互作用する化合物を含み、該化合物は、反応性官能基を含む。いくつかの実施形態においては、TR阻害因子と物理的に相互作用する化合物の構造を、反応性官能基を含有するように改変する。いくつかの実施形態においては、化合物は、TR阻害因子基質類似体または転移状態類似体を含む。いくつかの実施形態においては、化合物は、TR阻害因子活性部位の中で、またはその近くでTR阻害因子と相互作用する。
他の実施形態においては、iTR因子は、TR阻害因子および/またはTR阻害因子とTR阻害因子基質とを含有する複合体に非共有結合する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、TR阻害因子の活性部位に非共有結合する、および/またはTR阻害因子活性部位への接近のための基質と競合する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、試験される条件下で、例えば、リン酸緩衝生理食塩水などの生理的に許容される溶液中で、約10−3M以下、例えば、10−4M以下、例えば、10−5M以下、例えば、10−6M以下、10−7M以下、10−8M以下、または10−9M以下のKでTR阻害因子に結合する。結合親和性を、例えば、当業界で公知のような、表面プラズモン共鳴(例えば、Biacoreシステムを用いる)、等温滴定熱量測定、または競合的結合アッセイを用いて測定することができる。いくつかの実施形態においては、阻害因子は、TR阻害因子基質類似体または転移状態類似体を含む。
TR活性化因子の活性を増加させる場合、図1Bに列挙されるTR活性化因子遺伝子の組合せのいずれか1つを用いることができる。これらの遺伝子の生成物のレベルを、本明細書に記載のベクターを用いて導入することができる。
iTR因子に関するリポーターに基づくスクリーニングアッセイ
本発明は、発現が、COX7A1などの本明細書に記載のTR活性化因子遺伝子の1つにより駆動されるGFPなどのマーカーを含む(a)リポーター分子を用いてiTR因子を同定するための方法を提供する。本発明は、試験化合物がTR活性化因子遺伝子の発現に影響するかどうか、および/またはTR阻害遺伝子の発現を阻害するかどうかを決定することを含むスクリーニングアッセイを提供する。本発明はさらに、前記方法を実行するのに有用なリポーター分子および組成物を提供する。一般に、本発明の方法を用いて同定される化合物は、それぞれ、TR活性化因子または阻害因子の増加または減少をもたらす任意の機構によって作用することができる。
リポーター分子、細胞、および膜
一般に、本発明のリポーター分子において有用な検出部分としては、検出可能な蛍光、化学発光、または生物発光シグナルを生成またはクエンチする光放出または光吸収化合物が挙げられる。いくつかの実施形態においては、TR活性化因子遺伝子の活性化またはTR阻害遺伝子の阻害は、液体媒体中への検出部分の放出を引き起こし、媒体(またはその試料)中に存在する放出された検出部分により生成またはクエンチされたシグナルが検出される。いくつかの実施形態においては、得られるシグナルは、検出部分の特性の変化を引き起こし、そのような変化は、例えば、光シグナルとして検出することができる。例えば、シグナルは、検出部分によって電磁放射(例えば、スペクトルの赤外部、可視部もしくはUV部内の波長を有する放射)の放出または吸収を変化させることができる。いくつかの実施形態においては、リポーター分子は蛍光または発光部分を含み、第2の分子は蛍光または発光部分をクエンチするクエンチャーとして働く。そのような変化を、当業界で公知の装置および方法を用いて検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態においては、リポーター分子は、細胞により発現され得る遺伝子をコードする分子であり、検出部分は、例えば、検出可能なポリペプチドを含む。かくして、いくつかの実施形態においては、リポーター分子は、緑色、青色、サファイア色、黄色、赤色、オレンジ色、およびシアン色蛍光タンパク質ならびにその誘導体(例えば、増強GFP)などの蛍光ポリペプチド;モノマー赤色蛍光タンパク質および「mFruits」として公知のものなどの誘導体、例えば、mCherry、mStrawberry、mTomatoなど、ならびにエクオリンなどの発光タンパク質を含むポリペプチドである(いくつかの実施形態においては、蛍光または発光は、1つまたは複数のさらなる分子、例えば、カルシウムイオンなどのイオンおよび/またはセレンテラジンなどの補欠分子族の存在下で生じることが理解される)。いくつかの実施形態においては、検出部分は、蛍光、発光、着色、またはさもなければ検出可能な生成物を生成するための基質に対して作用する酵素を含む。検出部分として働き得る酵素の例としては、ルシフェラーゼ;ベータ−ガラクトシダーゼ;西洋わさびペルオキシダーゼ;アルカリホスファターゼなどが挙げられる(酵素は、反応生成物を検出することによって検出されることが理解される)。いくつかの実施形態においては、検出部分は、標識(例えば、蛍光標識)された抗体などの第2の薬剤を用いて容易に検出することができるポリペプチドを含む。例えば、HA、Myc、または様々な他のペプチドタグに結合する蛍光標識された抗体が利用可能である。かくして、本発明は、検出部分を直接検出することができる(すなわち、それが第2の薬剤との相互作用を必要とせずに検出シグナルを生成する)実施形態と、検出部分が第2の薬剤と相互作用(例えば、結合および/または反応)し、そのような相互作用が、例えば、検出シグナルの生成をもたらすことによるか、または第2の薬剤が直接検出可能であるために、検出部分を検出可能にする実施形態とを包含する。検出部分が第2の薬剤と相互作用して、検出シグナルを生成する実施形態においては、検出部分は第2の薬剤と反応することができ、第2の薬剤によって作用して、検出シグナルを生成する。多くの実施形態において、シグナルの強度は、例えば、評価される試料、または画像化される領域中に存在する検出部分の量を示す。いくつかの実施形態においては、検出部分の量は、場合により、シグナル強度に基づいて、例えば、相対または絶対ベースで定量される。
本発明は、本発明のリポーターポリペプチドをコードする配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、核酸は、本発明のリポーターポリペプチドの前駆体ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態においては、ポリペプチドをコードする配列は、ポリペプチドをコードするmRNAの転写を指令するのに適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーターまたはプロモーター/エンハンサー配列)に作動可能に連結される。本発明はさらに、核酸を含む発現ベクターを提供する。適切な発現制御エレメントの選択は、例えば、核酸を発現させようとする細胞型および種に基づくものであってもよい。当業者であれば、適切な発現制御エレメントおよび/または発現ベクターを容易に選択することができる。いくつかの実施形態においては、発現制御エレメントは、調節可能、例えば、誘導可能または抑制可能である。細菌細胞における使用にとって好適なプロモーターの例としては、例えば、Lac、Trp、araBAD(例えば、pBADベクター中)、T7またはT3などのファージプロモーターが挙げられる。哺乳動物細胞中での発現を指令するのに好適な発現制御配列の例としては、例えば、SV40の初期および後期プロモーター、アデノウイルスもしくはサイトメガロウイルス極初期プロモーター、またはウイルスプロモーター/エンハンサー配列、レトロウイルスLTR、哺乳動物遺伝子、例えば、アクチン、EF−1アルファ、ホスホグリセリン酸キナーゼなどに由来するプロモーターもしくはプロモーター/エンハンサー、Tet−OnおよびTet−Offシステム(テトラサイクリンおよびドキシサイクリンなどの類似体により調節可能)などの調節可能(例えば、誘導可能または抑制可能)な発現システムおよびホルモン受容体リガンド(例えば、ステロイドであっても、またはなくてもよいステロイド受容体リガンド)、金属により調節されるシステム(例えば、メタロチオネインプロモーター)などの低分子により調節することができる他のものが挙げられる。
本発明はさらに、そのような核酸および/またはベクターを含む細胞および細胞株を提供する。いくつかの実施形態においては、細胞は、真核細胞、例えば、真菌、植物、または動物細胞である。いくつかの実施形態においては、細胞は、脊椎動物細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞、非ヒト霊長類細胞、またはげっ歯類細胞である。細胞は、以下に記載の任意の細胞であってもよい。ある特定の実施形態においては、細胞は、クローン細胞またはオリゴクローン細胞であってもよい。いくつかの実施形態においては、細胞は、ES細胞またはiPS細胞などの、多能性幹細胞から得られた前駆細胞であってもよい。いくつかの実施形態においては、細胞は、いくつかの細胞株、例えば、培養物中で無制限に増殖する能力を獲得した(例えば、テロメラーゼの触媒成分の構成的発現などの、突然変異または遺伝子操作の結果として)、確立されたか、または不死化された細胞株である。いくつかの細胞株が当業界で公知であり、本発明において用いることができる。哺乳動物細胞株としては、例えば、HEK−293(例えば、HEK−293T)、CHO、NIH−3T3、COS、およびHeLa細胞株が挙げられる。いくつかの実施形態においては、細胞株は、腫瘍細胞株である。他の実施形態においては、細胞は、非腫瘍形成性であり、および/または腫瘍から誘導されない。いくつかの実施形態においては、細胞は、接着細胞である。いくつかの実施形態においては、非接着細胞が用いられる。いくつかの実施形態においては、細胞は、細胞型のものであるか、または発現されるTR活性化因子遺伝子または発現されないTR阻害因子遺伝子のサブセットを天然で有することが示された細胞株が用いられる。細胞が1つまたは複数のTR活性化因子または阻害因子遺伝子を欠く場合、細胞を遺伝子操作して、そのようなタンパク質を発現させることができる。いくつかの実施形態においては、本発明の細胞株は、単一の細胞の子孫である。例えば、細胞の集団に、リポーターポリペプチドをコードする核酸をトランスフェクトし、単一の細胞に由来するコロニーを選択し、培養物中で拡張することができる。いくつかの実施形態においては、細胞に、リポーター分子をコードする発現ベクターを一過的にトランスフェクトする。細胞に、トランスフェクション効率について制御するための、場合により異なる検出可能なポリペプチドを発現する制御プラスミドを同時トランスフェクトしてもよい(例えば、アッセイの複数回の実行による)。
TR活性化因子およびTR阻害因子のポリペプチドおよび核酸
TR活性化因子およびTR阻害因子の遺伝子を、図1に列挙する。本発明の方法において有用なTR活性化因子およびTR阻害因子ポリペプチドを、様々な方法により取得することができる。いくつかの実施形態においては、ポリペプチドを、組換えDNA技術を用いて生成する。組換えタンパク質発現のための標準的な方法を用いることができる。TR活性化因子またはTR阻害因子遺伝子をコードする核酸を、例えば、該遺伝子を発現する細胞から(例えば、PCRもしくは他の増幅方法によるか、またはクローニングによる)、または化学的合成、もしくはcDNA配列ポリペプチド配列に基づくin vitroでの転写により容易に取得することができる。当業者であれば、遺伝子コードの縮重性のため、遺伝子は多くの異なる核酸配列によってコードされていてもよいことを知っているであろう。場合により、配列は、選択される宿主細胞中での発現のためにコドン最適化される。遺伝子を、細菌、真菌、動物、もしくは植物細胞または生物中で発現させることができる。遺伝子を、それを天然で発現する細胞から、またはタンパク質をコードする核酸が一過的もしくは安定に導入された細胞、例えば、遺伝子をコードする発現ベクターを含有する細胞から単離することができる。いくつかの実施形態においては、遺伝子は、培養物中の細胞により分泌され、培養培地から単離される。
本発明のいくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドの配列を、本発明のスクリーニング方法において用いる。天然のTR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドは、ゲノムがTR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドをコードする任意の種、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などに由来するものであってもよい。配列が天然のTR活性化因子またはTR阻害因子と同一であるポリペプチドは、本明細書では「天然TR活性化因子/阻害因子」と呼ばれることもある。本発明において有用なTR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドは、分泌シグナル配列またはその一部を含んでも、または含まなくてもよい。例えば、ヒトTR活性化因子またはTR阻害因子のアミノ酸20〜496(または異なる種のTR活性化因子もしくはTR阻害因子の対応するアミノ酸)を含むか、またはそれからなる成熟TR活性化因子またはTR阻害因子を用いることができる。
いくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子のバリアントまたは断片を含むか、またはそれからなるポリペプチドを用いる。TR活性化因子またはTR阻害因子バリアントは、TR活性化因子またはTR阻害因子と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加、または欠失によって異なるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子バリアントは、ヒトTR活性化因子もしくはTR阻害因子の少なくともアミノ酸20〜496またはマウスTR活性化因子もしくはTR阻害因子のアミノ酸20〜503の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%にわたって、TR活性化因子またはTR阻害因子(例えば、ヒトまたはマウスに由来する)の少なくともアミノ酸20〜496と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一であるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子バリアントは、ヒトTR活性化因子もしくはTR阻害因子の少なくともアミノ酸20〜496またはマウスTR活性化因子もしくはTR阻害因子のアミノ酸20〜503と、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一であるポリペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドは、ヒトTR活性化因子もしくはTR阻害因子の少なくともアミノ酸20〜496またはマウスTR活性化因子もしくはTR阻害因子のアミノ酸20〜503と、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一であるポリペプチドを含む。TR活性化因子またはTR阻害因子バリアントまたは断片をコードする核酸を、例えば、部位特異的突然変異誘発を用いて、例えば、天然TR活性化因子もしくはTR阻害因子をコードするDNAを改変することにより、または他の標準的な方法により容易に生成し、それを用いてTR活性化因子またはTR阻害因子バリアントまたは断片を生成することができる。例えば、TR活性化因子またはTR阻害因子をコードする配列を、非相同部分をコードする配列を提供するベクター中にクローニングすることにより、融合タンパク質を生成することができる。いくつかの実施形態においては、タグ付けされたTR活性化因子またはTR阻害因子を用いる。例えば、いくつかの実施形態においては、6XHisタグを、例えば、そのC末端に含むTR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドを用いる。
試験化合物
様々な試験化合物を、iTR因子を同定するための本発明の方法において用いることができる。例えば、試験化合物は、低分子、ポリペプチド、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、炭水化物、抗体、またはハイブリッド分子であってもよい。化合物を、天然の供給源から取得するか、または合成的に生成することができる。化合物は、少なくとも部分的に純粋であってもよいか、または成分が少なくとも一部未知であるか、もしくは特徴付けられていない抽出物もしくは他の種類の混合物中に存在してもよい。抽出物またはその画分を、例えば、植物、動物、微生物、海洋生物、発酵培養液(例えば、土壌、細菌または真菌発酵培養液)などから生成することができる。いくつかの実施形態においては、化合物コレクション(「ライブラリー」)を用いる。ライブラリーは、例えば、100〜500,000の化合物、またはそれ以上を含んでもよい。化合物はマルチウェルプレート(例えば、384ウェルプレート、1596ウェルプレートなど)中に配置されることが多い。それらを溶媒(例えば、DMSO)中に溶解するか、または乾燥形態で、例えば、粉末もしくは固体として提供することができる。合成、半合成、および/または天然の化合物のコレクションを試験することができる。化合物ライブラリーは、構造的に関連する、構造的に異なる、または構造的に関連しない化合物を含んでもよい。化合物は、人工のもの(ヒトにより発明された構造を有し、自然には見出されない)または天然のものであってもよい。いくつかの実施形態においては、ライブラリーは、他の薬物探索プログラムにおいて「ヒット」もしくは「リード」として同定された少なくともいくつかの化合物および/またはその誘導体を含む。化合物ライブラリーは、天然の生成物および/または非指向的もしくは指向的合成有機化学を用いて作成された化合物を含んでもよい。化合物ライブラリーは、低分子ライブラリーであることが多い。対象となる他のライブラリーとしては、ペプチドまたはペプトイドライブラリー、cDNAライブラリー、抗体ライブラリー、およびオリゴヌクレオチドライブラリーが挙げられる。ライブラリーは、焦点を合わせたものであってもよい(例えば、同じコア構造を有する、同じ前駆体から誘導される、または少なくとも1つの共通の生化学的活性を有する化合物から主に構成される)。
化合物ライブラリーは、TocrisBioScience、Nanosyn、BioFocusなどのいくつかの商業的供給業者、および政府機関から入手可能である。例えば、U.S.National Institutes of Health(NIH)Molecular Libraries Programの構成要素であるMolecular Libraries Small Molecule Repository(MLSMR)は、例えば、高効率スクリーニング(HTS)アッセイにおける使用のための既知および未知の生物活性を有する300,000を超える化学的に異なる化合物のコレクションを同定、獲得、維持、および配布するために設計されている(http://mli.nih.gov/mli/を参照されたい)。NIH Clinical Collection(NCC)は、ヒト臨床試験における使用の歴史を有する約450の低分子の塗布されたアレイである。これらの化合物は、既知の安全プロファイルを有する薬物のようなものである。いくつかの実施形態においては、「認可されたヒト薬物」を含む化合物のコレクションが試験される。「認可されたヒト薬物」は、US Food and Drug Administration、European Medicines Evaluation Agency、または上市を許可する前に治療剤の少なくとも安全性を評価するのを担う同様の機関などの政府規制当局により、ヒトの処置における使用のために認可された化合物である。試験化合物は、例えば、抗新生物剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗原虫剤、抗寄生虫剤、抗鬱剤、抗精神病剤、麻酔剤、抗狭心症剤、抗高血圧剤、抗不整脈剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗血栓剤、制吐剤、免疫調節剤、抗糖尿病剤、脂質もしくはコレステロール低下剤(例えば、スタチン)、抗痙攣剤、抗凝固剤、抗不安剤、催眠剤(睡眠誘導剤)、ホルモン剤、または抗ホルモン剤などであってもよい。いくつかの実施形態においては、化合物は、少なくともいくらかの前臨床もしくは臨床開発を受けたか、または「薬物のような」特性を有すると決定もしくは予測されたものである。例えば、試験化合物は、第I相臨床試験または非ヒト動物における少なくとも前臨床試験を完了し、安全性および許容性のエビデンスを示したものであってもよい。
いくつかの実施形態においては、試験化合物は、用いられる濃度で、またはいくつかの実施形態においては、用いられる濃度よりも最大で10倍、100倍、もしくは1,000倍高い濃度で、該化合物を投与することができる生物の細胞および/または該化合物を試験することができる細胞に対して実質的に非毒性的である。例えば、細胞生存能力および/もしくは増殖に対して統計的に有意な効果がないか、または生存能力もしくは増殖の低下は、様々な実施形態においては、1%、5%、もしくは10%以下であってもよい。細胞傷害性および/または細胞増殖に対する効果を、任意の様々なアッセイを用いて評価することができる。例えば、AlamarBlue、MTT、MTS、XTT、およびCellTitre Gloアッセイなどの細胞代謝アッセイ、細胞膜完全性アッセイ、細胞性ATPに基づく生存能力アッセイ、ミトコンドリアリダクターゼ活性アッセイ、BrdU、EdU、またはH3−チミジン取込みアッセイを用いることができる。いくつかの実施形態においては、試験化合物は、当業界で公知であるか、もしくは使用される細胞培養培地、例えば、脊椎動物、例えば、哺乳動物細胞を培養するのに好適な培養培地に見出される化合物ではないか、または、試験化合物が当業界で公知であるか、もしくは使用される細胞培養培地に見出される化合物である場合、試験化合物は、本発明の方法において用いられる場合に異なる、例えば、より高い濃度で用いられる。
アッセイの実施および制御の態様
上記の様々な本発明のスクリーニングアッセイは、試験化合物が活性なTR阻害因子のレベルを阻害するか、または活性なTR活性化因子のレベルを増加させるかどうかを決定することを含む。リポーター分子の発現のための好適な細胞は、上記の通りである。
本発明のアッセイを実施する際に、アッセイ成分(例えば、細胞、TR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチド、および試験化合物)を、典型的には、複数の容器または他の容器に分注する。細胞を含有することができる任意の種類の容器または品物を用いることができる。本発明の多くの実施形態においては、容器は、マルチウェルプレート(「マイクロウェルプレート」、「マイクロタイタープレート」などとも呼ばれる)のウェルである。説明のために、用語「ウェル」は、本発明のスクリーニングを実施するために用いることができる任意の種類の容器または品物、例えば、アッセイ成分を含有することができる任意の容器または品物を指すために用いられる。本発明は、ウェルの使用またはマルチウェルプレートの使用に限定されないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態においては、複数の物理的に分離された空洞(または他の閉じ込め特性)が基質中に、または基質上に存在する任意の製品を用いることができる。例えば、アッセイ成分を、液滴中に閉じ込めることができ、場合により、表面上に配置し、場合により、マイクロ流体デバイスなどのチャンネル中の個別の位置に液滴を閉じ込める耐水性物質により分離することができる。
一般に、アッセイ成分を、任意の順序でウェルに添加することができる。例えば、細胞を最初に添加し、選択された期間(例えば、6〜48時間)にわたって培養物中で維持した後、試験化合物および標的TR活性化因子もしくはTR阻害因子ポリペプチドを添加するか、または細胞を発現構築物と共にウェルに添加することができる。いくつかの実施形態においては、化合物をウェルに添加した後、細胞のポリペプチドを添加する。いくつかの実施形態においては、リポーターポリペプチドの発現を、細胞を塗布した後、場合により、試験化合物のウェルへの添加の後に誘導する。いくつかの実施形態においては、リポーター分子の発現は、細胞に、リポーターポリペプチドをコードする発現ベクターをトランスフェクトすることにより達成される。いくつかの実施形態においては、細胞は、リポーターポリペプチドを発現するように予め遺伝子操作されている。いくつかの実施形態においては、リポーター分子の発現は、調節可能な発現制御エレメントの制御下にあり、リポーター分子の発現の誘導は、細胞と、発現を誘導する(または活性化する)薬剤とを接触させることにより達成される。
細胞、試験化合物、またはポリペプチドを含むアッセイ組成物は、試験化合物が(その活性を阻害する試験化合物の非存在下で)標的TR活性化因子またはTR阻害因子のレベルまたは活性の増加または低下を引き起こし得る好適な期間にわたって維持される。添加される細胞の数、TR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドの量、および試験化合物の量は、例えば、容器のサイズ、細胞型などの因子に依存し、当業者であれば決定することができる。いくつかの実施形態においては、TR活性化因子またはTR阻害因子ポリペプチドのモル濃度と試験化合物との比は、1:10〜10:1である。いくつかの実施形態においては、細胞の数、試験化合物の量、および組成物を維持する時間の長さは、試験化合物の非存在下での選択された期間後に容易に検出可能なレベルのシグナルとなるように選択することができる。いくつかの実施形態においては、細胞は、化合物の添加の時点で、約25%〜75%、例えば、約50%の集密である。いくつかの実施形態においては、1,000〜10,000個の細胞/ウェル(例えば、約5,000個の細胞/ウェル)を、96ウェルプレート中、ウェルあたり約100μlの培地中に播種する。他の例示的な実施形態においては、細胞を、384ウェルプレート中、ウェルあたり500〜2,000(例えば、約1000)個の細胞で約30μl〜50μlの培地中に播種する。いくつかの実施形態においては、化合物を、複数の濃度で(例えば、2〜10の異なる濃度)および/または複数回(例えば、2〜10回)試験する。いくつか、または全て異なる濃度の複数回を実施することができる。いくつかの実施形態においては、候補TR因子は、0.1μg/ml〜100μg/ml、例えば、1μg/ml〜10μg/mlの濃度で用いられる。いくつかの実施形態においては、候補TR因子は、複数の濃度で用いられる。いくつかの実施形態においては、化合物は、播種の6時間〜1日(24h)後に細胞に添加される。
本発明の化合物スクリーニングおよび/または特性評価方法のいずれかのいくつかの態様において、試験化合物は、所定の濃度を達成するのに十分な量でアッセイ組成物に添加される。いくつかの実施形態においては、濃度は、最大で約1nMである。いくつかの実施形態においては、濃度は、約1nM〜約100nMである。いくつかの実施形態においては、濃度は、約100nM〜約10μMである。いくつかの実施形態においては、濃度は、少なくとも10μM、例えば、10μM〜100μMである。アッセイ組成物を、その最後の成分の添加後に様々な期間にわたって維持することができる。ある特定の実施形態においては、アッセイ成分は、全ての成分の添加後、約10分〜約4日、例えば、1時間〜3日、例えば、2時間〜2日、または任意の介在する範囲または特定の値、例えば、約4〜8時間、維持される。複数の異なる時点を試験することができる。試験化合物のさらなるアリコートを、そのような期間内にアッセイ組成物に添加することができる。いくつかの実施形態においては、細胞を、その型の細胞を培養するのに適切な細胞培養培地中で維持する。いくつかの実施形態においては、無血清培地を用いる。いくつかの実施形態においては、アッセイ組成物は、細胞培養培地の代わりに、細胞膜の完全性および、場合により、細胞生存能力を維持するのに適合する生理的に許容される液体を含む。アッセイを実施するための少なくとも十分な期間にわたって、適切なオスモル濃度を有し、そうでなければ、細胞膜の合理的な完全性および、場合により、細胞生存能力を維持するのに適合する限り、任意の好適な液体を用いることができる。活性なTR活性化因子のレベルの増加またはTR阻害因子の低下を示す1つまたは複数の測定を、インキュベーション期間の間または後に行うことができる。
いくつかの実施形態においては、それぞれ、典型的には既知の同一性(例えば、構造および/または配列)の個々の化合物を、複数のウェルのそれぞれに添加する。いくつかの実施形態においては、2つ以上の化合物を、1つまたは複数のウェルに添加してもよい。いくつかの実施形態においては、未知の同一性の1つまたは複数の化合物を試験することができる。続いて、同一性を、当業界で公知の方法を用いて決定することができる。
様々な実施形態において、本発明の前記アッセイ方法は、高効率スクリーニング(HTS)実行の影響を受けやすい。いくつかの実施形態においては、本発明のスクリーニングアッセイは、高効率または超高効率である(例えば、Fernandes,P.B.、Curr Opin Chem. Biol.1998、2:597頁;Sundberg,S A、Curr Opin Biotechnol.2000、11:47頁を参照されたい)。高効率スクリーニングは、例えば、同時に、高い効率で多数の化合物を試験することを含むことが多い。例えば、数万または数十万の化合物を、短期間に、例えば、数時間から数日で日常的にスクリーニングすることができる。いくつかの実施形態においては、HTSは、1日あたり1,000〜100,000の化合物の試験を指す。いくつかの実施形態においては、超高効率とは、1日あたり100,000を超える化合物、例えば、1日あたり最大で100万以上の化合物中でのスクリーニングを指す。本発明のスクリーニングアッセイを、マルチウェル形式、例えば、96ウェル、384ウェル形式、1,536ウェル形式、または3,456ウェル形式で実行することができ、自動化にとって好適である。いくつかの実施形態においては、マイクロウェルプレートの各ウェルを用いて、異なる試験化合物に対して別々のアッセイを実行するか、または濃度もしくはインキュベーション時間効果を観察しようとする場合、複数のウェルは単一の化合物の試験試料を含有してもよく、場合により、少なくともいくつかのウェルを空のままにするか、または対照もしくは複製物として用いる。典型的には、本明細書に開示されるアッセイのHTS実行は、自動化の使用を含む。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数のロボットを含む統合ロボットシステムは、化合物、細胞および/または試薬添加、混合、インキュベーション、ならびに読出しまたは検出のための複数のアッセイステーションの間にアッセイマイクロウェルプレートを輸送する。いくつかの態様において、本発明のHTSシステムは、多くのプレートを同時に調製、インキュベート、および分析することができる。好適なデータ処理および制御ソフトウェアを用いることができる。高効率スクリーニング実行は、当業界で周知である。いかなる意味でも本発明を限定するものではないが、本発明のHTSの実施形態において適用することができるある特定の一般原理および技術は、Macarron R & Hertzberg R P. Design and implementation of high−throughput screening assays. Methods Mol Biol.、565:1〜32頁、2009および/またはAn W F & Tolliday N J.、Introduction: cell−based assays for high−throughput screening. Methods Mol Biol. 486:1〜12頁、2009、および/またはこれらのいずれかに記載の参考文献に記載されている。例示的な方法はまた、High Throughput Screening:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)、William P.Janzen(2002)およびHigh−Throughput Screening in Drug Discovery(Methods and Principles in Medicinal Chemistry)(2006)にも開示されている。
さらなる化合物は、例えば、初期ヒットと比較して1つもしくは複数の改善された薬物動態および/もしくは薬力学的特性を有するか、または単に異なる構造を有してもよい。「改善された特性」は、例えば、化合物を、本明細書に記載の1つまたは複数の目的にとってより有効にするか、またはより好適にすることができる。いくつかの実施形態においては、例えば、化合物は、対象の分子標的(例えば、TR活性化因子もしくはTR阻害因子遺伝子産物)に対するより高い親和性、非標的分子に対するより低い親和性、より高い溶解度(例えば、増大した水溶性)、増大した安定性(例えば、血液、血漿、および/もしくは消化管中での)、体内での増大した半減期、増大したバイオアベイラビリティ、ならびに/または減少した副作用などを有してもよい。ヒト構造の経験的な改変(例えば、関連する構造を有する化合物を合成し、それらを無細胞もしくは細胞に基づくアッセイにおいて、または非ヒト動物中で試験すること)により、および/またはコンピュータによるアプローチを用いて、最適化を達成することができる。そのような改変は、いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の特性を予測的に変化させるための医薬品化学の確立された原理を使用することができる。いくつかの実施形態においては、「ヒット」である1つまたは複数の化合物を同定し、体系的な構造変化にかけて、ヒットと構造的に関連する化合物(例えば、精製されたリード化合物)の第2のライブラリーを作出する。次いで、第2のライブラリーを、本明細書に記載の方法のいずれかを用いてスクリーニングすることができる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は改変されるか、または安定性(例えば、血清中での)を増強する、半減期を増加させる、毒性もしくは免疫原性を低下させる、またはさもなければ、化合物に対して望ましい特性を付与する部分を含む。
iTR因子の使用
医薬組成物
iTR因子は、様々な異なる使用を有する。そのような使用の非限定例は、本明細書で考察される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、臓器または組織の再生を増強するために用いられる。増強された再生にとって好適な臓器および組織の例としては、手足、指、軟骨、心臓、血管、骨、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、直腸、肛門、内分泌腺(例えば、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓の内分泌部)、皮膚、毛包、胸腺、脾臓、骨格筋、局所的に損傷した心筋、平滑筋、脳、脊髄、末梢神経、卵巣、卵管、子宮、膣、乳腺、精巣、精管、精嚢、前立腺、陰茎、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、腎臓、尿管、膀胱、尿道、眼(例えば、網膜、角膜)、または耳(例えば、コルチ器官)が挙げられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、間質層、例えば、組織の柔組織を支持する結合組織の再生を増強するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、手術、例えば、疾患を有するか、もしくは損傷した組織、臓器、または手足、指などの他の構造の少なくとも一部の除去を必要とする手術の後の再生を増強するために用いられる。例えば、そのような手術は、肝臓、肺、腎臓、胃、膵臓、腸、乳腺、卵巣、精巣、骨、手足、指、筋肉、皮膚などの少なくとも一部を除去するものであってもよい。いくつかの実施形態においては、手術は、腫瘍を除去するためのものである。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、外傷、手術、疾患、および熱傷の後の皮膚の傷を残さない再生を促進するために用いられる。
再生の増強は、様々な実施形態において、以下のいずれか1つまたは複数を含んでもよい:(a)再生速度の増大;(b)再生の程度の増大;(c)再生する組織または臓器または他の身体構造における適切な構造(例えば、形状、パターン、組織構造、組織極性)の確立の促進;(d)機能を保持する、および/または回復させる様式での新しい組織の増殖の促進。再生を増強するためのiTR因子の使用は特に興味深いが、本発明は、再生の検出可能な増強を必ずしももたらすことなく、一般的に修復または創傷治癒を増強するためのiTR因子の使用を包含する。かくして、本発明は、修復または創傷治癒を増強する方法であって、iTR因子を、本明細書に記載の方法のいずれかに従ってそれを必要とする対象に投与する前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、創傷を治癒させるか、または対象の自然の創傷治癒能力を増強するために用いられる。例えば、iTR因子を用いて、創傷をより速く治癒させるか、またはそれを用いて、傷を形成することなく創傷を治癒させることができる。
いくつかの実施形態においては、本発明は、それを必要とする対象中で再生を増強する方法であって、有効量のiTR因子を対象に投与することを含む前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、化合物(例えば、iTR因子)の有効量は、参照値(例えば、好適な対照値)と比較した場合、損傷された組織の再生の速度または程度の増大をもたらす量である。いくつかの実施形態においては、参照値は、化合物の非存在下(場合により、プラセボの投与を含む)での再生の予想される(例えば、平均または代表)速度または程度である。いくつかの実施形態においては、iTR因子の有効量は、化合物の非存在下での予想される(例えば、平均または代表)構造的または機能的転帰と比較した場合、改善された構造的および/または機能的転帰をもたらす量である。いくつかの実施形態においては、化合物、例えば、iTR因子の有効量は、増強された芽体形成および/または減少した瘢痕形成をもたらす。再生の程度または速度を、例えば、再生された組織の寸法または体積に基づいて評価することができる。構造的および/または機能的転帰を、例えば、視覚的検査(場合により、顕微鏡またはX線、CTスキャン、MRIスキャン、PETスキャンなどの画像化技術の使用を含む)に基づいて、および/または組織、臓器、もしくは他の身体部分により正常に行われる1つもしくは複数の生理学的プロセスもしくはタスクを行う、そのような組織、臓器、もしくは他の身体部分の能力を評価することにより評価することができる。典型的には、改善された構造的転帰は、iTR因子を用いる処置の非存在下で予想される(例えば、平均または典型的な結果)構造的転帰と比較して、正常な構造(例えば、正常な健康な個体中に存在する場合、組織損傷または構造の前に存在していた構造)をより密接に類似するものである。当業者であれば、機能に関する適切なアッセイまたは試験を選択することができる。いくつかの実施形態においては、対照値と比較した再生の速度または程度の増大は、統計的に有意(例えば、0.05未満のp値、もしくは0.01未満のp値)である、および/または臨床的に意義がある。いくつかの実施形態においては、対照値と比較した構造的および/または機能的転帰の改善は、統計的に有意である、および/または臨床的に意義がある。「臨床的に意義がある改善」とは、医師または外科医の健全な判断内で、対照に対して意味のある利益(例えば、処置を価値のあるものにするのに十分な利益)を提供する改善を指す。多くの実施形態において、特定の種の対象に投与される(例えば、治療目的で)、iTRモジュレータ、例えば、iTR因子は、その種の対象において発現される内因性TR遺伝子をモジュレートする、例えば、阻害する化合物である。例えば、対象がヒトである場合、典型的には、ヒトTR阻害因子遺伝子産物の活性を阻害し、ヒトTR活性化因子遺伝子産物の活性を活性化する化合物を投与することができる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、例えば、熱傷(温度もしくは化学的)、擦過傷、または皮膚喪失を含む他の状況、例えば、壊疽性筋膜炎もしくは電撃性紫斑病などの感染の後に、皮膚再生を増強するために用いられる。いくつかの実施形態においては、熱傷は、第二度または第三度熱傷である。いくつかの実施形態においては、皮膚喪失の領域は、少なくとも10cmの面積を有する。一態様において、iTR因子は、移植された皮膚の再生を増強する。一態様において、iTR因子は、過剰の、および/または病的な創傷収縮または瘢痕形成を減少させる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、例えば、癒着不能骨折、インプラント固定、歯周もしくは歯槽堤形成術、頭蓋顔面手術、または新しい骨の生成が適切と考えられる他の状態などの状況において、骨再生を増強するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、骨再生が望まれる部位に適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、骨移植材料中に組み込まれるか、またはそれと共に用いられる。骨移植材料は、様々なセラミック材料およびタンパク質性材料を含む。骨移植材料は、自己骨(例えば、腸骨稜、腓骨、肋骨などから収獲された骨)、死体からの同種異系骨、および異種骨を含む。合成骨移植材料は、リン酸カルシウム(例えば、ヒドロキシアパタイトおよびリン酸三カルシウム)などのセラミック、バイオガラス、および硫酸カルシウム、ならびにダイマー化骨マトリックス(DBM)などのタンパク質性材料を含む。DBMを、皮質骨を粉砕(一般に、100〜500μmの篩過粒径)した後、粉砕された組織を塩酸(一般に、0.5〜1N)で処置することにより調製することができる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、1つまたは複数の骨移植材料と一緒に対象に投与される。iTR因子を、骨移植材料と混合するか(iTR因子と骨移植材料とを含む組成物中で)、または例えば、移植片の配置後に別々に投与することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、iTR因子を含む骨ペーストを提供する。骨ペーストは、それらを空隙、ギャップ、空洞、亀裂などの骨欠損中に導入することができるような好適な稠度および組成を有する生成物であり、そのような欠損を継ぎ合わせるか、もしくは埋めるために用いられるか、または存在する骨構造に適用される。骨ペーストは、典型的には、ユーザーが様々な形状に操作および成型することができるような十分な展性を有する。そのような処置の望ましい転帰は、骨形成がペーストを置き換えるように起こり、例えば、ペーストを適用した形状を保持することである。骨ペーストは、新しい骨形成のための支持構造を提供し、骨形成を促進する物質を含有してもよい。骨ペーストは、1つまたは複数の上記のセラミックまたはタンパク質性骨移植材料(例えば、DBM、ヒドロキシアパタイト)に加えて、材料に対してペーストまたはパテのような稠度を付与する1つまたは複数の成分、例えば、ヒアルロン酸、キトサン、アミロペクチンなどのデンプン成分を含有することが多い。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、未分化間葉細胞からの骨前駆細胞の形成および/もしくは動員を増強する、ならびに/または新しい骨を形成する細胞(骨芽細胞)への骨前駆細胞の分化を増強する。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、例えば、対象において骨再生を増強するために、骨減少症または骨粗鬆症の対象に投与される。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、関節(例えば、線維性、軟骨性、または滑膜関節)の再生を増強するために用いられる。いくつかの実施形態においては、関節は、椎間板である。いくつかの実施形態においては、関節は、臀部、膝、肘、または肩関節である。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、歯および/または歯周組織または構造(例えば、歯髄、歯周靱帯、歯、歯周骨)の再生を増強するために用いられる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、細胞と共に対象に投与される。iTR因子と細胞とを、別々に、または同じ組成物中で投与することができる。別々に投与される場合、それらを同じか、または異なる位置に投与することができる。細胞は、様々な実施形態においては、自己、同種異系、または異種であってもよい。細胞は、前駆細胞または幹細胞、例えば、成体幹細胞を含んでもよい。本明細書で用いられる場合、幹細胞は、少なくとも以下の特性:(i)自己再生、すなわち、未分化状態を依然として維持しながら数サイクルの細胞分裂を通過する能力;および(ii)多能性または多分化能、すなわち、いくつかの異なる細胞型(例えば、特定の組織または臓器の多くの、ほとんどの、または全ての異なる細胞型)の子孫を生成する能力を有する細胞である。成体幹細胞は、非胚性組織(例えば、胎児、出生後、または成体組織)を起源とする幹細胞である。本明細書で用いられる用語「前駆細胞」は、多能性である細胞および完全には分化しないが、多能性幹細胞よりも分化した細胞を包含する。そのようなより分化した細胞(胚性前駆細胞から生じてもよい)は、胚性前駆細胞と比較して低下した自己再生能力を有する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、間葉前駆細胞、神経前駆細胞、内皮前駆細胞、毛包前駆細胞、神経堤前駆細胞、乳腺幹細胞、肺前駆細胞(例えば、気管支肺胞幹細胞)、筋肉前駆細胞(例えば、衛星細胞)、脂肪由来前駆細胞、上皮前駆細胞(例えば、ケラチノサイト幹細胞)、および/または造血前駆細胞(例えば、造血幹細胞)と共に投与される。いくつかの実施形態においては、細胞は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、またはiPS細胞から少なくとも部分的に分化した細胞を含む。いくつかの実施形態においては、前駆細胞は、成体幹細胞を含む。いくつかの実施形態においては、少なくともいくらかの細胞は、分化した細胞、例えば、軟骨細胞、骨芽細胞、ケラチノサイト、肝細胞である。いくつかの実施形態においては、細胞は、筋芽細胞を含む。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、対象への投与後にin situで重合するか、または架橋されるようになるか、または相転移を受け、典型的には、ヒドロゲルを形成する1つまたは複数の化合物を含む組成物(例えば、溶液)中で投与される。組成物は、モノマー、ポリマー、開始剤、架橋剤などを含んでもよい。組成物を、再生が必要とされ、iTR因子が時間と共に放出されるゲルをin situで形成する領域に適用する(例えば、注射筒を用いる)ことができる。例えば、体液中のイオンとの接触によるか、または温度もしくはpHの変化によるか、または光によるか、または反応性前駆体を混合する(例えば、マルチバレル注射筒を用いる)ことにより、ゲル化を誘発することができる。例えば、米国特許第6,129,761号;Yu L、Ding J.Injectable hydrogels as unique biomedical materials. Chem Soc Rev.37(8):1473〜81頁(2008))を参照されたい。いくつかの実施形態においては、ヒドロゲルは、ヒアルロン酸またはヒアルロン酸とコラーゲンI含有ヒドロゲル、例えば、本明細書に記載のHyStem−Cである。いくつかの実施形態においては、組成物は、細胞をさらに含む。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、テロメラーゼの触媒成分を発現するベクターと共に対象に投与される。ベクターを、別々に、または同じ組成物中で投与してもよい。別々に投与される場合、それらを同じか、または異なる位置で投与することができる。ベクターは、処置される組織と同じ種に由来するか、または別の種に由来するテロメラーゼ触媒成分を発現することができる。iTR因子と、テロメラーゼ触媒成分との前記同時投与は、標的組織が高齢の対象に由来するものであり、対象がヒトである場合に特に有用である。
他の本発明の方法は、損傷に起因する組織または臓器喪失を修復するか、または置き換えるための、生きている、機能的な組織、臓器、または細胞を含有する組成物のex vivoでの生成におけるiTR因子の使用を含む。例えば、個体(将来のレシピエントである、同じ種の個体、または異なる種の個体)から取り出された細胞または組織を、場合により、マトリックス、足場(例えば、三次元足場)または鋳型(例えば、生体適合性の、場合により、生分解性の材料、例えば、HyStem−Cなどのポリマーを含む)と共に、in vitroで培養し、機能的な組織または臓器へのそれらの発生を、iTR因子を接触させることにより促進することができる。足場、マトリックス、または鋳型は、コラーゲン、ヒアルロン酸、もしくはアルギネート(もしくはこれらのいずれかの化学的に改変された誘導体)などの天然タンパク質、または乳酸、カプロラクトン、グリコール酸などの合成ポリマーもしくはコポリマー、または自己集合性ペプチド、または心臓弁、腸粘膜、血管、および気管などの組織から誘導される脱細胞処理されたマトリックスから少なくとも一部構成されていてもよい。いくつかの実施形態においては、足場は、ヒドロゲルを含む。足場は、ある特定の実施形態においては、時間と共に足場から拡散することができるiTR因子で被覆するか、または含浸させることができる。ex vivoでの生成の後、組織または臓器を、対象中に、または対象上に移植する。例えば、組織または臓器を、埋込むか、または皮膚などのある特定の組織の場合、体表面上に置くことができる。組織または臓器は、in vivoで発生し続けてもよい。いくつかの実施形態においては、少なくとも部分的にex vivoで生成される組織または臓器は、膀胱、血管、骨、筋膜、肝臓、筋肉、皮膚パッチなどであってもよい。好適な足場は、例えば、細胞外マトリックス(ECM)を模倣する。場合により、iTR因子は、ex vivoで生成された組織または臓器の移植の前、間、および/または後に対象に投与される。いくつかの態様において、生体適合性材料は、用いられる濃度でin vitroで細胞に対して実質的に非毒性的であるか、または生きている対象に投与される材料の場合、用いられる量および位置で対象の細胞に対して実質的に非毒性的であり、対象に対する有意な有害な、もしくは望ましくない効果、例えば、免疫反応もしくは炎症反応、許容できない瘢痕組織形成などを惹起しないか、もしくは引き起こさない材料である。ある特定の生体適合性材料は、少ない割合、典型的には、約5%、1%、0.5%、または0.1%未満の対象においてそのような有害反応を惹起することができる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子で被覆されたか、または含浸されたマトリックスまたは足場を、場合により、細胞と共に、再生を必要とする対象中に埋込む。マトリックスまたは足場は、再生が望まれる組織または臓器の形状にあってもよい。細胞は、以下に記載の任意の細胞、例えば、そのような組織もしくは臓器に対して生じる1つもしくは複数の型および/またはそのような組織もしくは臓器中に見出される型の幹細胞であってもよい。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、組織損傷の部位に直接的に、またはその近くに投与される。「組織損傷の部位に直接的に」は、組織損傷の部位に化合物もしくは組成物を注入すること、または組織損傷の部位に化合物もしくは組成物を拡散させること、注ぎ入れること、もしくはそうでなければ、直接接触させることを包含する。いくつかの実施形態においては、投与が、組織損傷の部位の眼に見えるか、もしくはさもなければ明確な端部から最大約10cm離れたところで、または損傷された組織もしくは臓器内に少なくとも一部は位置する血管(例えば、動脈)に対して行われる場合、投与は「組織損傷の部位の近く」と考えられる。「組織損傷の部位の近く」での投与は、時には、損傷された臓器内であるが、損傷が明らかではない位置での投与である。いくつかの実施形態においては、組織、臓器、または他の構造の損傷または喪失の後、iTR因子は、組織、臓器、または他の構造の残りの部分に適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、失われた部分の再生を増強するために、身体に結合したままである切断された指または手足の末端に適用される。いくつかの実施形態においては、切断された部分は、外科的に再結合され、iTR因子は創傷のいずれか、または両方の面に適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、移植された臓器またはその一部の生着または治癒または再生を増強するために投与される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、神経再生を増強するために用いられる。例えば、iTR因子を、切断された神経中に、例えば、近位および/または遠位断端の近くに注入することができる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、神経末端および介在するギャップが入っている生物または合成材料から構成される管である、人工神経導管内に配置される。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、毛包の生成および/または毛髪の増殖を促進するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、通常は毛髪を形成しない上皮細胞からの毛包の再生を誘発する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、男性または女性における脱毛、薄毛、および部分的または完全なはげを処置するために用いられる。いくつかの実施形態においては、はげは、頭頂部、後頭部、および/または頭側部などの毛髪が増殖することが多い場所の毛髪がないか、または本質的にないか、または毛髪を失っている状態である。いくつかの実施形態においては、薄毛は、正常もしくは平均よりも毛髪が少ないか、またはいくつかの実施形態においては、個体が過去に有していたものよりも毛髪が少ないか、またはいくつかの実施形態においては、個体が望ましいと考えるよりも毛髪が少ない状態である。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、眉毛またはまつげの増殖を促進するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、アンドロゲン性脱毛症または「男性型はげ」(男性でも女性でも罹り得る)を処置するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、頭皮上の斑状の脱毛を含む円形脱毛症、全ての頭髪の喪失を含む完全脱毛症、または頭部および身体からの全ての毛髪の喪失を含む全身性脱毛症を処置するために用いられる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、毛髪の増殖が望まれる部位、例えば、頭皮または眉領域に適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、まつげの増殖を促進するために、まぶたの端部に、またはその近くに適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、液体製剤中で適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、クリーム、軟膏、ペースト、またはゲル中で適用される。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、熱傷、手術、化学療法、または毛髪もしくは毛髪を担持する皮膚の喪失を引き起こす他の事象の後の毛髪増殖を増強するために用いられる。
いくつかの実施形態においては、iTR因子または複数のiTR因子は、若い機能を再生するために、加齢変性的変化に罹患する組織に投与される。前記加齢変性的変化としては、限定されるものではないが、例えば、加齢黄斑変性、冠動脈疾患、骨粗鬆症、骨壊死、心不全、肺気腫、末梢動脈疾患、声帯萎縮、脱毛、アルツハイマー病、パーキンソン病、皮膚潰瘍、および他の加齢変性疾患が挙げられる。いくつかの実施形態においては、前記iTR因子は、細胞寿命を延長するためのテロメラーゼの触媒成分を発現するベクターと同時投与される。
いくつかの実施形態においては、iTR因子または複数のiTR因子は、化学療法、放射線、または毒素などの損傷に起因して失われたか、または損傷された細胞の置き換えを増強するために投与される。いくつかの実施形態においては、そのような細胞は、固形臓器および組織の間質細胞である。
本発明の処置方法は、対象にとって再生の増強が有益である疾患または状態に罹患しているか、またはそのリスクがある対象を同定または提供するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、対象は、組織または臓器に対する傷害(例えば、物理的外傷)または損傷を経験している。いくつかの実施形態においては、損傷は、手足または指に対するものである。いくつかの実施形態においては、対象は、心血管系、消化器系、内分泌系、骨格筋系、胃腸系、肝臓系、外皮系、神経系、呼吸器系、または泌尿器系に影響する疾患に罹患する。いくつかの実施形態においては、組織損傷は、軟骨、骨、心臓、血管、食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、直腸、肛門、内分泌腺、皮膚、毛包、歯、歯茎、唇、鼻、口、胸腺、脾臓、骨格筋、平滑筋、関節、脳、脊髄、末梢神経、卵巣、卵管、子宮、膣、乳腺、精巣、精管、精嚢、前立腺、陰茎、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、腎臓、尿管、膀胱、尿道、眼(例えば、網膜、角膜)、または耳(例えば、コルチ器官)などの、組織、臓器、または構造に対するものである。
いくつかの実施形態においては、化合物または組成物は、対象が組織損傷(例えば、傷害または心筋梗塞もしくは脳卒中などの急性疾患に関連する事象)に罹患した後、約2、4、8、12、24、48、72、または96時間以内に少なくとも1回、および場合により、その後少なくとも1回、対象に投与される。いくつかの実施形態においては、化合物または組成物は、対象が組織損傷に罹患した後、約1〜2週間、2〜6週間、または6〜12週間以内に少なくとも1回、および場合により、その後少なくとも1回、対象に投与される。
本発明のいくつかの実施形態においては、例えば、皮膚を除去すること、再生もしくはde novoでの発生が望まれる部位で少なくともいくつかの組織を除去すること、再生もしくはde novoでの発生が望まれる関節もしくは骨表面を摩耗させること、および/または対象に別の型の創傷を負わせることにより、失われる、または形成不全の組織、臓器、または構造の再生またはde novoでの発生を刺激するか、または容易にするのに有用であり得る。組織損傷後の再生の場合、損傷された組織の少なくともいくらかを除去する(例えば、外科的切除または創面切除による)ことが望ましい。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、そのような除去または摩耗の部位に、またはその近くに投与される。
いくつかの実施形態においては、iTR因子は、組織または臓器が先天的障害、例えば、遺伝的疾患の結果として少なくとも一部存在しない対象において、そのような組織または臓器の生成を増強するために用いられる。多くの先天的形成不全は、手足または指などの、様々な組織、臓器、または身体構造の形成不全または非存在をもたらす。他の例においては、組織、臓器、または他の身体構造の形成不全をもたらす発達障害は、誕生後に明らかとなる。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、組織、臓器、または他の身体構造の増殖または発生を刺激するために、そのような組織、臓器、または他の身体構造の形成不全または非存在に罹患する対象に投与される。いくつかの態様において、本発明は、組織、臓器、または他の身体構造の形成不全または先天的非存在に罹患する対象においてそのような組織、臓器、または他の身体構造の生成を増強する方法であって、iTR因子を対象に投与することを含む前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、iTR因子は、誕生前に、すなわち、子宮内で対象に投与される。再生に関する本明細書に記載の本発明の様々な態様および実施形態は、組織、臓器、または他の身体構造のそのようなde novoでの生成にも適用可能であり、本発明の範囲内に包含される。
いくつかの態様において、iTR因子は、新しい組織増殖が、そのような組織が以前には存在しなかった位置で有用である任意の様々な状況において組織の生成を増強するために用いられる。例えば、関節の間の骨組織の生成は、脊髄または他の関節の融合の文脈において有用であることが多い。
iTR因子を、再生に関する様々な動物モデルにおいて試験することができる。一態様において、iTRのモジュレータを、マウス種において試験する。例えば、マウスを傷つけることができる(例えば、組織断片の切開、切断、離断、または除去による)。iTR因子を、創傷の部位および/または除去された組織断片に適用し、再生に対するその効果を評価する。脊椎動物TRのモジュレータの効果を、組織または臓器再生に関する様々な脊椎動物モデルにおいて試験することができる。例えば、(Mathew LK、Unraveling tissue regeneration pathways using chemical genetics. J Biol Chem. 282(48):35202〜10頁(2007))に記載のように、ゼブラフィッシュにおいてヒレの再生を評価することができ、これは手足再生のためのモデルとして役立ち得る。心臓、肺、骨格筋、骨などの組織および臓器の再生に対する処置の効果を試験するのに有用なげっ歯類、イヌ、ウマ、ヤギ、魚類、両生類、および他の動物モデルが広く利用可能である。例えば、筋骨格再生のための様々な動物モデルが、Tissue Eng Part B Rev.16(1)(2010)で考察されている。肝臓再生の研究のための一般的に用いられる動物モデルは、げっ歯類の肝臓のより大きい部分の外科的除去を含む。肝臓再生のための他のモデルとしては、急性もしくは慢性肝臓傷害または四塩化炭素などの毒素により引き起こされる肝不全が挙げられる。いくつかの実施形態においては、毛髪再生または皮膚創傷の治癒のためのモデルは、例えば、マウスから皮膚のパッチを切り出すことを含む。毛包、毛髪増殖、再上皮化、腺形成などの再生を評価することができる。
本明細書に開示される、ならびに/または本明細書に記載の方法および/もしくはアッセイシステムを用いて同定される化合物および組成物を、経口的、鼻内的、皮下的、筋肉内的、静脈内的、動脈内的、非経口的、腹腔内的、くも膜下的、気管内的、眼内的、舌下的、経膣的、直腸的、皮膚的に、または例えば、エアロゾルとして吸入によるなどの任意の好適な手段により投与することができる。選択される特定の様式は、勿論、選択される特定の化合物、処置される特定の状態および治療効能にとって必要とされる用量に依存する。一般的に言えば、本発明の方法は、臨床的に許容できない(例えば、医学的または獣医学的に許容できない)有害効果を引き起こすことなく許容されるレベルの効能をもたらす任意の様式を意味する、医学的または獣医学的に許容される任意の投与様式を用いて実行することができる。1つまたは複数の化合物の好適な調製物、例えば、実質的に純粋な調製物を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、対象への投与にとって好適な適切な医薬組成物を生成することができる。そのような薬学的に許容される組成物は、本発明の態様である。用語「薬学的に許容される担体または賦形剤」は、組成物の活性成分の生物活性または有効性を有意に阻害せず、それが用いられるか、または投与される濃度で宿主に対して過度に毒性的ではない担体(この用語は、担体、媒体、希釈剤、溶媒、ビヒクルなどを包含する)または賦形剤を指す。他の薬学的に許容される成分も同様に組成物中に存在してもよい。薬学的に活性な化合物の製剤のための好適な物質およびその使用は、当業界で周知である(薬学的に許容される物質および様々な型の医薬組成物を調製する方法に関するさらなる考察については、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、E.W.Martin、19th Ed.、1995、Mack Publishing Co.: Easton, Pa.、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy. 21st Edition. Philadelphia, Pa. Lippincott Williams & Wilkins、2005などの、より最近のエディションまたはバージョンを参照されたい)。さらに、本発明の化合物および組成物を、対象となる特定の疾患または状態の処置のための当業界で用いられる任意の化合物または組成物と組み合わせて用いることができる。
医薬組成物は、典型的には、その意図される投与経路と適合するように製剤化される。例えば、非経口投与のための調製物としては、滅菌水性または非水性溶液、懸濁液、および乳濁液が挙げられる。水性担体としては、水、アルコール性/水性溶液、乳濁液または懸濁液、例えば、生理食塩水および緩衝化媒体、例えば、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液が挙げられる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;保存剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などのバッファー、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性の調整のための薬剤である。pHを、塩酸または水酸化ナトリウムなどの、酸または塩基を用いて調整することができる。そのような非経口調製物を、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射筒または複数用量バイアル中に封入することができる。
経口投与のために、化合物を、活性化合物と、当業界で周知の薬学的に許容される担体とを組み合わせることにより容易に製剤化することができる。そのような担体により、本発明の化合物を、錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化することができる。経口剤形のための好適な賦形剤は、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールなどの糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。
吸入による投与のために、本発明の組成物を、好適な推進剤、例えば、二酸化炭素、フルオロカーボンなどの気体を含有する加圧容器もしくはディスペンサ、またはネブライザから、エアロゾルスプレーの形態で送達することができる。液体または乾燥エアロゾル(例えば、乾燥粉末、大多孔粒子など)を用いることができる。本発明はまた、鼻スプレーまたは他の形態の鼻投与を用いる組成物の送達も企図する。
局所適用のために、医薬組成物を、そのような組成物中での使用にとって好適な1つまたは複数の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する好適な軟膏、ローション、ゲル、またはクリーム中で製剤化することができる。
眼への局部送達のために、薬学的に許容される組成物を、例えば、点眼剤、もしくは軟膏における使用のために、または例えば、注射による眼内投与のために、等張性のpH調整された滅菌生理食塩水中の溶液または微粉化懸濁液として製剤化することができる。
医薬組成物を、経粘膜または経皮送達のために製剤化することができる。経粘膜または経皮投与のために、浸透させようとする障壁にとって好適な浸透剤を、製剤中で用いることができる。そのような浸透剤は、当業界で一般に公知である。本発明の医薬組成物を、坐剤として(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いる)、または直腸送達のための停留浣腸として製剤化することができる。
いくつかの実施形態においては、組成物は、制御放出製剤、インプラント、マイクロカプセル化された送達システムなどの、身体からの迅速な排出に対して活性薬剤を保護することが意図される1つまたは複数の薬剤を含む。組成物は、安定性(例えば、消化管もしくは血流中での)を改善する、および/または吸収を増強するための薬剤を含有してもよい。化合物を、粒子、例えば、マイクロ粒子またはナノ粒子中にカプセル封入または含有させることができる。エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、PLGA、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリエーテル、およびポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性ポリマーを用いることができる。そのような製剤の調製のための方法は、当業者には明らかである。例えば、限定されるものではないが、いくつかの粒子、脂質、および/またはポリマーに基づく送達システムが、siRNAの送達について当業界で公知である。本発明は、そのような組成物の使用を企図する。リポソームまたは他の脂質に基づく粒子を、薬学的に許容される担体として用いることもできる。
そのような組成物中での使用のための医薬組成物および化合物を、規制当局によって規定された標準、基準、または指針を満たす条件下で製造することができる。例えば、そのような組成物および化合物を、適正製造基準(GMP)に従って製造する、および/またはヒトに投与される医薬品にとって好適な品質管理手順にかけ、薬学的、外科的、または他の治療的に有用な製品の規制を担う政府の規制機関により認可されたラベルと共に提供することができる。
処置目的で対象に投与される場合、本発明の医薬組成物は、好ましくは、それらが投与される疾患または状態を処置するのに十分な時間および量で投与される。活性薬剤の治療効能および毒性を、細胞培養物または実験動物中での標準的な薬学的手順により評価することができる。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータを、ヒトまたは他の対象における使用にとって好適な用量範囲を製剤化するのに用いることができる。ヒト投与のための異なる用量を、当業界で公知のようにヒトにおける臨床試験においてさらに試験することができる。用いられる用量は、最大許容用量またはそれより低用量であってもよい。医薬組成物中の活性薬剤の治療有効用量は、約0.001mg/kg体重〜約100mg/kg体重、約0.01〜約25mg/kg体重、約0.1〜約20mg/kg体重、約1〜約10mg/kg体重の範囲内にあってもよい。他の例示的用量としては、例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kgが挙げられる。いくつかの実施形態においては、単回用量を投与するが、他の実施形態においては、複数用量を投与する。当業者であれば、任意の特定の環境における適切な用量は、用いられる薬剤の効力に依存し、場合により、特定のレシピエントのために調整することができることを理解できる。対象のための特定の用量レベルは、用いられる特定の薬剤の活性、特定の疾患または状態およびその重症度、対象の年齢、体重、一般的健康などの様々な因子に依存してもよい。投与の容易性および用量の均一性のために、単位剤形中で、医薬組成物、特に、経口または非経口組成物のためのものを製剤化することが望ましい。本明細書で用いられる用語である単位剤形とは、処置しようとする対象のための単回用量として適する物理的に個別の単位を指す;それぞれの単位は、適切な薬学的に許容される担体と共に、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性薬剤を含有する。治療レジメンは、数日、数週間、数ヶ月、または数年に及んでもよい長期間にわたる、複数用量、例えば、単位剤形の投与を含んでもよいことが理解される。対象は、1日に1回もしくは複数回の用量を受容してもよいか、または処置期間内に、1日おきに、またはそれより少ない頻度で用量を受容してもよい。例えば、投与は、二週間毎、毎週などであってもよい。投与は、例えば、組織もしくは臓器の適切な構造および/もしくは機能が少なくとも部分的に回復するまで、ならびに/または化合物の継続的投与がさらなる再生もしくは改善を促進すると考えられなくなるまで継続してもよい。いくつかの実施形態においては、対象は、彼または彼女自身に、本発明の組成物の1つまたは複数の用量を投与する。
いくつかの実施形態においては、2つ以上の化合物または組成物を、例えば、再生を増強するために、組み合わせて投与する。組み合わせて投与される化合物または組成物を、同じ組成物中で一緒に、または別々に投与することができる。いくつかの実施形態においては、「組み合わせた」投与は、第1および第2の化合物または組成物の投与に関して、(i)第2の化合物の用量が、不活性な形態に代謝されたか、もしくは体内から排出された第1の薬剤の最近に投与された用量の90%を超えて前に投与される;または(ii)第1および第2の化合物の用量が互いに48、72、96、120、もしくは168時間以内に投与される、または(iii)薬剤が重複する時間中に投与される(例えば、連続的もしくは間欠的輸注による);または(iv)前記のいずれかの組合せとなるように実施される投与を意味する。いくつかの実施形態においては、2つ以上のiTR因子、またはテロメラーゼの触媒成分とiTR因子とを発現するベクターを投与する。いくつかの実施形態においては、iTR因子を、再生および極性を促進するのに有用な、1つまたは複数の増殖因子、増殖因子受容体リガンド(例えば、アゴニスト)、ホルモン(例えば、ステロイドもしくはペプチドホルモン)、またはシグナリング分子との組合せと組み合わせて投与する。特に有用なものは、本発明の方法を用いて生成されるものなどの再生能力を有する細胞を形成させるのに有用な形成中心分子である。いくつかの実施形態においては、増殖因子は、上皮増殖因子ファミリーメンバー(例えば、EGF、ニューレグリン)、線維芽細胞増殖因子(例えば、FGF1〜FGF23のいずれか)、肝細胞増殖因子(HGF)、神経増殖因子、骨形態形成タンパク質(例えば、BMP1〜BMP7のいずれか)、血管内皮増殖因子(VEGF)、wntリガンド、wntアンタゴニスト、レチノイン酸、NOTUM、フォリスタチン、ソニックヘッジホッグ、または他の形成中心因子である。
当業者であれば、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を、日常的な実験を超えないものを用いて認識または確認することができる。本発明の範囲は、明細書または本明細書に記載の詳細に限定されることを意図されるものではない。「a」、「an」および「the」などの冠詞は、それとは反対に示されるか、またはそうでなければ文脈から明らかでない限り、1または1より多いことを意味してもよい。ある特定の本発明の方法は、例えば、in vitroまたはin vivoで細胞の集団を用いて実行されることが多い。かくして、「細胞(a cell)」に対する参照は、細胞が、細胞集団、例えば、実質的に遺伝的に同一である細胞を含むか、またはそれからなる集団のメンバーである実施形態を含むと理解されるべきである。しかしながら、本発明は、本発明の方法が個々の細胞に適用される実施形態を包含する。かくして、「細胞(cells)」に対する参照は、細胞集団内の個々の細胞に適用される実施形態および個々の単離された細胞に適用される実施形態を含むと理解されるべきである。
あるグループの1つまたは複数のメンバーの間に「または」を含む特許請求の範囲または明細書は、1つ、1つより多い、または全部のグループメンバーが、それとは反対に示されるか、またはそうでなければ文脈から明らかでない限り、所与の生成物またはプロセス中に存在する、その中で用いられる、またはそうでなければそれと関連する場合に満たされると考えられる。本発明は、グループの正確に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセス中に存在する、その中で用いられる、またはそうでなければそれと関連する実施形態を含む。本発明はまた、1つより多いか、または全部のグループメンバーが、所与の生成物またはプロセス中に存在する、その中で用いられる、またはそうでなければそれと関連する実施形態も含む。本明細書に記載の全ての実施形態は、本発明の全ての異なる態様に適用可能であることが企図される。また、任意の実施形態を、適切な場合はいつでも、1つまたは複数の他のそのような実施形態と自由に組み合わせることができることも企図される。さらに、本発明は、1つまたは複数の請求項(元の請求項であっても、その後の追加された請求項であっても)に由来する、1つまたは複数の限定、要素、条項、記述用語などが別の請求項(元の請求項であっても、その後に追加された請求項であっても)に導入される全ての変化、組合せ、および順列を包含することが理解されるべきである。例えば、別の請求項に依存する任意の請求項を、同じ基本請求項に依存する任意の他の請求項に見出される1つまたは複数の要素または限定を含むように改変し、異なる請求項中に存在する要素に言及する任意の請求項を、そのような請求項と同じ基本請求項に依存する任意の他の請求項に見出される1つまたは複数の要素または限定を含むように改変することができることが理解されるべきである。さらに、請求項が組成物を記載する場合、本発明は、例えば、本明細書に開示される方法に従って該組成物を作製する方法、および例えば、本明細書に開示される目的のために、該組成物を用いる方法を提供する。請求項が方法を記載する場合、本発明は、該方法を実施するのに好適な組成物、および該組成物を作製する方法を提供する。また、請求項が組成物を作製する方法を記載する場合、本発明は、別途示されない限り、または当業者が矛盾もしくは不一致が生じることを認識しない限り、本発明の方法に従って作製された組成物および該組成物を使用する方法を提供する。要素が一覧として、例えば、マーカッシュ形式で提示される場合、該要素のそれぞれのサブグループも開示され、任意の要素をグループから除去することができる。簡潔にするために、これらの実施形態のほんのいくつかが本明細書に特に記載されたが、本発明は、全てのそのような実施形態を含む。また、一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素、特徴などを含むと記載される場合、ある特定の本発明の実施形態または本発明の態様は、そのような要素、特徴などからなるか、または本質的にからなることも理解されるべきである。
本明細書で数値範囲が記載される場合、本発明は、終点が含まれる実施形態、両方の終点が排除される実施形態、および一方の終点が含まれ、他方が排除される実施形態を含む。別途示さない限り、両方の終点が含まれると見なされるべきである。さらに、別途示さないか、またはそうでなければ文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が別途明確に記述しない限り、範囲の下限の単位の10分の1までの、本発明の異なる実施形態における記述された範囲内の任意の特定の値またはサブ範囲と見なすことができる。「X未満」、「Xより大きい」、または「少なくともX」などの語句が用いられる場合(ここで、Xは数字またはパーセンテージである)、範囲の下限または上限として任意の合理的な値を選択することができることが理解されるべきである。また、数値の一覧が本明細書で記述される場合(「少なくとも」を前置しても、またはしなくても)、本発明は、任意の介在する値または一覧中の任意の2つの値により定義される範囲に関する実施形態を含むこと、および最も低い値を最小値とし、最大の値を最大値とすることができることも理解される。さらに、数字、例えば、パーセンテージの一覧に「少なくとも」が前置される場合、この用語は一覧中のそれぞれの数字に適用される。数値に「約」または「およそ」が前置される本発明の任意の実施形態について、本発明は、正確な値が記載される実施形態を含む。数値に「約」または「およそ」が前置されない本発明の任意の実施形態について、本発明は、値に「約」または「およそ」が前置される実施形態を含む。「およそ」または「約」は一般に、別途記述されないか、またはそうでなければ文脈から明らかでない限り、数が、いずれかの向き(その数よりも大きいか、または小さい)に1%またはいくつかの実施形態においては、5%またはいくつかの実施形態においては、10%の範囲内にあることを含む(例えば、そのような数が可能な値の100%を許容できないほど超える場合)。本明細書で用いられる「組成物」は、別途示さない限り、1つまたは1つより多い成分を含んでもよい。例えば、「活性化因子またはTR活性化因子を含む組成物」は、TR活性化因子の活性化因子からなるか、もしくは本質的にからなるか、または1つもしくは複数のさらなる成分を含有してもよい。別途示さない限り、本発明の任意の実施形態における阻害因子またはTR阻害因子(または本明細書に記載の他の化合物)を、TR活性化因子の活性化因子の存在を含む1つまたは複数のさらなる成分を含む組成物中で用いるか、または投与することができる。
キット
本発明のある特定の実施形態は、図1中の1つもしくは複数の遺伝子または図1中の遺伝子によりコードされる1つもしくは複数の遺伝子産物を含むキットを提供する。一実施形態において、キットは、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される遺伝子または1つもしくは複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物を含む。他の実施形態においては、キットは、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADL1、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される遺伝子または1つもしくは複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物を含む。さらに他の実施形態において、キットは、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SKI、OXTR、およびWSB1から選択される遺伝子または複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物を含む。さらなる実施形態において、キットは、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADLl、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される遺伝子または複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物を含む。
いくつかの実施形態においては、キットは、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を含んでもよい。他の実施形態においては、キットは、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADLl、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子の発現を阻害する1つまたは複数の薬剤を含んでもよい。さらに他の実施形態において、キットは、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される複数の遺伝子の発現を阻害する複数の薬剤を含んでもよい。他の実施形態においては、キットは、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADLl、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される複数の遺伝子の発現を阻害する複数の薬剤を含んでもよい。
いくつかの実施形態においては、キットは、PCDHHB2、PCDHB17、Nbla10527、RAB3IP、DLX1、DRD11P、FOXD1、LOC728755、AFF3、F2RL2、MN1、CBCAQH03 5、LOC791120、SIX1、OXTR、およびWSB1から選択される1つもしくは複数の遺伝子または1つもしくは複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物に結合する薬剤を提供する。他の実施形態においては、キットは、COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、ZNF280D、DYNLT3、NAALADLl、COX7A1、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つもしくは複数の遺伝子または1つもしくは複数の遺伝子によりコードされる遺伝子産物に結合する薬剤を提供する。1つまたは複数の遺伝子に結合する薬剤は、該遺伝子または該遺伝子によりコードされる遺伝子産物の発現を阻害してもよい。薬剤は、タンパク質、例えば、抗体であってもよい。薬剤は、DNA分子、mRNA分子、siRNA分子、dsRNA分子などのRNA分子などの核酸であってもよい。
キットの内容物を、1つまたは複数の容器中に提供することができる。キットの内容物を、溶液中で、例えば、PBSまたは脱イオン水などの好適なバッファー中で提供することができる。あるいは、キットの内容物を、乾燥形態、例えば、凍結乾燥形態で提供することができる。
方法
以下に記載の方法に加えて、傷を残さない再生能力に対応する遺伝子発現の胚性パターンを有する細胞の生成および使用において有用な方法を、「Novel Uses of Cells With Prenatal Patterns of Gene Expression」の表題の2006年4月11日に出願されたPCT出願PCT/US2006/013519;「Methods to Accelerate the Isolation of Novel Cell Strains from Pluripotent Stem Cells and Cells Obtained Thereby」の表題の2006年11月21日に出願された米国特許出願第11/604,047号;および「Methods to Accelerate the Isolation of Novel Cell Strains from Pluripotent Stem Cells and Cells Obtained Thereby」の表題の2009年7月16日に出願された米国特許出願第12/504,630号に見出すことができ、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヒアルロネートおよびコラーゲンヒドロゲルの調製
HyStem−C(BioTime、Alameda、CA、USA)を、製造業者の説明書に従って再構成させる。簡単に述べると、HyStem成分(チオール改変ヒアルロナン、10mg)を、約20分かけて1.0mlの脱気した脱イオン水に溶解して、1%w/v溶液を調製する。Gelin−S成分(チオール改変ゼラチン、10mg)を、1mlの脱気した脱イオン水に溶解して、1%w/v溶液を調製し、PEGDA(PEGジアクリレート、10mg)を、0.5mlの脱気した脱イオン水に溶解して、2%w/v溶液を調製する。次いで、HyStem(1ml、1%w/v)を、使用直前にGelin−S(1ml、1%w/v)と混合する。ペレット化された細胞を、上記の最近調製されたHyStem:Gelin−s(1:1v/v)ミックス中に再懸濁する。架橋剤PEGDA、2.0×10細胞/mlの最終濃度の細胞懸濁液の添加の際に、細胞/マトリックス組合せを標的組織中に注入する。
RNAi
例えば、限定されるものではないが、dsRNAを、フランキングするT7プロモーターを含むPCR生成鋳型を用いてin vitroでの転写反応(Promega)から調製し、フェノール抽出およびエタノール沈降により精製し、水中での再懸濁後にアニーリングする。無傷の実験動物に、手術の2時間後に1回目の注入から開始する誘導組織傷害後、3日連続で30nLのdsRNAを4回注入する。
(実施例1)
hES、iPS、およびクローンEP細胞株中での遺伝子発現を、多様な胎児および成体由来体細胞型と比較することによるiTR遺伝子の同定
Illumina遺伝子発現マイクロアレイ分析を、14の多様な血液細胞型、3つ全ての胚葉に由来する115の多様な胎児および成体由来体細胞型、545の多様なクローンhES由来およびiPS由来EP細胞株、12のhES細胞株ならびに17のヒトiPS細胞株を含む、多様な成体および胚細胞型において実施した。胎児/成体由来細胞中の各プローブの平均RFU値を、クローンEP細胞株中での対応する平均と比較し、2セットのうちの1つにおける比較的均一により高い発現を示すプローブを同定した。図1、および図2〜15に示されるように、これらの遺伝子は、酸化的リン酸化(COX7A1)における公知の役割を有する因子、SIX1およびDLX1として、ならびに細胞内での他の多様な活性を有する転写因子である。100の値より下のRFU値は、バックグラウンドシグナル(すなわち、検出可能な発現がない)と考えられる。
(実施例2)
トランスジェニックマウスにおけるiTR遺伝子の改変および成体動物におけるiTRに関するアッセイ。
遺伝子:CAT、COMT、COX7A1、DLX1、DRD1IP、LOC205251 NAALADL1、PCDHB2、PCDHB17、原発性神経芽腫cDNA、クローン:Nbla10527、RAB3IP、SIX1、TRIM4、およびZNF280Dの発現の胚性パターンを、個別に誘導するか、または切開された耳たぶおよび他の体細胞組織中での組織再生の増加に対するその効果を実証するために組み合わせて誘導する。
(実施例3)
iTR遺伝子のモジュレーションによるヒト間質組織再生のin vitroアッセイ。
iTR誘導遺伝子を上方調節するか、またはiTR阻害遺伝子を下方調節する再生能力を、本明細書に記載のin vitro創傷修復アッセイを用いてアッセイすることができる。簡単に述べると、スクラッチテストを記載のように用いた(Nature Protocols 2、329〜333頁(2007) Liang CCら、「In vitro scratch assay:a convenient and inexpensive method for analysis of cell migration in vitro」)。このアッセイは、本明細書に記載の他の胎児および成体由来間質細胞と同等のレベルでCOX7A1を発現するヒト新生児包皮線維芽細胞(Xgene Corp、Sausalito CA)を用いた。線維芽細胞を、0.1%ゼラチンで予め被覆された6ウェルプレート中で培養された10%FBSを添加したDMEM培地を用いて集密となるまで増殖させた後、加湿されたインキュベータ中、5%Oおよび10%COと共に培養した。
以下の試薬を0日目で用いて、iTR阻害遺伝子COX7A1の発現を変化させた:
− SMARTpool:ON−TARGETplus COX7A1 siRNA、5nmole(Dharmacon、カタログ番号L−013152−02−0005)
− ON−TARGETplus非標的化プール、5nmole(Dharmacon、カタログ番号D−001810−10−05)
− DharmaFECT1トランスフェクション試薬、0.75mL(Dharmacon、カタログ番号T−2001−02)
− 無血清、無抗生物質の基本培地
− 無抗生物質完全培地。
非標的化プールsiRNAとオンターゲット(COX7A1)siRNAプールとの両方のストック溶液(100μM)を、5nmoleへの50μlの滅菌水の添加により調製した。次いで、非標的化およびオンターゲットsiRNAの5μM溶液を、滅菌水を用いる希釈の際に調製した。50μlのそれぞれの5μM siRNA溶液を、450μlの無血清培地(DMEM培地+glutamax 2mM)を含有する2つのそれぞれの標識されたマイクロ遠心管に添加し、それぞれ合計500μlにした。
トランスフェクション試薬を、2090μlの無血清培地(DMEM+glutamax 2mM)中への110μlの添加の際に調製した。ボルテックス、遠心分離および5分静置した後、500μlのトランスフェクションミックスを、500μlの(a)非標的化siRNAミックス(対照)および(b)オンターゲットsiRNAミックスに添加した。試薬(それぞれ1ml)を、ピペットで上下することにより混合した。
培養されたXgene包皮線維芽細胞の増殖培地を、吸引により除去し、PBSで洗浄した後、1.6mlの無抗生物質増殖培地を6ウェルプレートの各ウェルに供給した後、トランスフェクションを開始した。次いで、400μlの(a)トランスフェクション剤非標的化siRNA対照、(b)オンターゲットトランスフェクション剤ミックスを添加して、2ml/処理ウェルを得た。siRNAの最終濃度は50nMであった。プレートを回して均等な分布を確保し、5%Oおよび10%COで6時間、加湿されたインキュベータ中に入れた。
6時間後、プレートをインキュベータから取り出し、各ウェルの中心部に200μlのピペットチップを用いて「スクラッチ」を作製した。次いで、プレートをPBSで2回洗浄し、新鮮な増殖培地(3ml/ウェル)を供給し、インキュベータ中に戻した。4xで写真を撮影し、D0(「スクラッチ」の直後)、D1およびD2で細胞移動、増殖、および形態を観察した。RNAを、その後のqPCR分析のために2日目および4日目で抽出した。
図16に示されるように、iTR阻害遺伝子COX7A1の下方調節は、三次元組織構造の顕著に改善された再生を引き起こし、対照体細胞と比較して、加速された速度で再生が起こった。試料に由来するRNAを抽出し、それぞれ、瘢痕化創傷床における間質細胞の筋線維芽収縮応答および線維性瘢痕化応答に関与する遺伝子であるACTA2およびCOL1A1の転写物の相対レベルに関してPCRによりアッセイした。図17に示されるように、新生児包皮線維芽細胞は、三次元ヒト組織の再生の増大をもたらし、同時に、瘢痕形成応答の減少を示しながら再生をもたらすCOX7A1の下方調節と一致するACTA2およびCOL1A1の発現を減少させることにより、iTR阻害遺伝子COX7A1の下方調節に応答した。
COX7A1に加えて、単一で、または組み合わせて用いられる本明細書に記載の他のiTRモジュレータを、COX7A1に置換して、三次元組織構造の再生および組織損傷に対する線維性瘢痕形成応答の減少についてin vitroでアッセイする。

Claims (23)

  1. COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤を含む、対象において創傷治癒を増強するための医薬組成物であって、前記COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤が、
    COX7A1を標的とするRNAi剤、COX7A1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、COX7A1を標的とする阻害抗体、及びCOX7A1遺伝子の発現を阻害するリボザイム及び三本鎖核酸からなる群から選択され、
    前記RNAi剤は、(a)siRNA、(b)二本鎖RNA、(c)shRNA、(d)miRNA前駆体、及び(e)前記siRNA、二本鎖RNA、shRNA、又はmiRNA前駆体をコードするプラスミド及びウイルスベクターからなる群から選択される、医薬組成物。
  2. 対象が哺乳動物である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 哺乳動物がヒトである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 創傷の部位に投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 対象に投与することにより、投与部位でACTA2およびCOL1A1遺伝子の発現が阻害される、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、DYNLT3、NAALADLl、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、DYNLT3、NAALADLl、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤が核酸またはタンパク質である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. (a)核酸がRNA;(b)核酸が二本鎖RNA、siRNA、shRNA、またはmiRNA前駆体;もしくは(c)タンパク質が抗体である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 溶液である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. in situでヒドロゲルを形成する1つまたは複数の化合物をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. ヒドロゲルがヒアルロン酸含有ヒドロゲルまたはヒアルロン酸及びコラーゲンI含有ヒドロゲルである、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 1つまたは複数の細胞、テロメラーゼの触媒成分を発現するベクター、または1つまたは複数の細胞とテロメラーゼの触媒成分を発現するベクターの両方をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 1つまたは複数の細胞が、前駆細胞または分化した細胞である、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前駆細胞または分化した細胞が、間葉前駆細胞、神経前駆細胞、内皮前駆細胞、毛包前駆細胞、神経堤前駆細胞、乳腺幹細胞、肺前駆細胞、筋肉前駆細胞、脂肪由来前駆細胞、上皮前駆細胞、造血前駆細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、ケラチノサイト、肝細胞、筋芽細胞、またはそれらのいずれかの組合せである、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤を含む、対象において創傷治癒を増強するためのキットであって、前記COX7A1を阻害する1つまたは複数の薬剤が、
    COX7A1を標的とするRNAi剤、COX7A1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、COX7A1を標的とする阻害抗体、及びCOX7A1遺伝子の発現を阻害するリボザイム及び三本鎖核酸からなる群から選択され、
    前記RNAi剤は、(a)siRNA、(b)二本鎖RNA、(c)shRNA、(d)miRNA前駆体、及び(e)前記siRNA、二本鎖RNA、shRNA、又はmiRNA前駆体をコードするプラスミド及びウイルスベクターからなる群から選択される、キット。
  16. COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、DYNLT3、NAALADLl、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項15に記載のキット。
  17. COMT、TRIM4、CAT、PSMD、SHMT、LOC205251、ZNF280D、S100A6、MGMT、DYNLT3、NAALADLl、TSPYL5、IAH1、C18orf56、RPS7、FDPS、ELOVL6、INSIG1、ACAT2、およびMAOAから選択される1つまたは複数の遺伝子または遺伝子産物を阻害する1つまたは複数の薬剤が核酸またはタンパク質である、請求項16に記載のキット。
  18. (a)核酸がRNA;(b)核酸が二本鎖RNA、siRNA、shRNA、またはmiRNA前駆体;もしくは(c)タンパク質が抗体である、請求項17に記載のキット。
  19. in situにおいてヒドロゲルを形成する1つまたは複数の化合物をさらに含む、請求項15から18のいずれか一項に記載のキット。
  20. ヒドロゲルが、ヒアルロン酸含有ヒドロゲルまたはヒアルロン酸及びコラーゲンI含有ヒドロゲルである、請求項19に記載のキット。
  21. 1つまたは複数の細胞、テロメラーゼの触媒成分を発現しているベクター、または1つまたは複数の細胞とテロメラーゼの触媒成分を発現しているベクターとの両方をさらに含む、請求項15から20のいずれか一項に記載のキット。
  22. 1つまたは複数の細胞が、前駆細胞または分化した細胞である、請求項21に記載のキット。
  23. 前駆細胞または分化した細胞が、間葉前駆細胞、神経前駆細胞、内皮前駆細胞、毛包前駆細胞、神経堤前駆細胞、乳腺幹細胞、肺前駆細胞、筋肉前駆細胞、脂肪由来前駆細胞、上皮前駆細胞、造血前駆細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、ケラチノサイト、肝細胞、筋芽細胞、またはそれらのいずれかの組合せである、請求項22に記載のキット。
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