JP6821348B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体に接する部材を介し、感光体に流れる電流を検知することで感光体の電位を検出する高電圧装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、画像のコントラストはレーザ光を照射した後(露光後)の感光ドラムの表面電位VLと現像電圧Vdcとの電位差で決定される。しかし、画像のコントラストは環境や感光体の膜厚により変動するため、補正を行う必要がある。従来の制御では、感光体の使用状況や感度情報を用いてレーザ光を照射した後の感光体の電位を推定し、所定のコントラストになるように補正を行っているが、補正が十分でない場合もある。そのため、実際にレーザ光を照射した後の感光体の電位を検出し、精度良く補正を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−125097号公報
しかし、従来の構成では、環境や転写ローラのインピーダンスの影響によって、放電が開始されたと判断する電圧が通常の画像形成プロセスに必要な電圧よりも大幅に大きくなってしまうことがある。また、放電が開始されたと判断するまでに、時間を要する場合もある。そこで、環境や転写ローラのインピーダンスの影響を受けても、過大な印加電圧を必要とせず短時間で放電が開始された電圧(放電開始電圧)を検出することが望まれている。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、環境や転写ローラのインピーダンスの影響を受けても、過大な印加電圧を必要とせず短時間で放電開始電圧を検出することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)像担持体と、前記像担持体に作用する部材と、前記部材に電圧を印加する印加手段と、前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて前記所定の電流値と、前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅とを設定することを特徴とする画像形成装置。
(2)像担持体と、前記像担持体に作用する部材と、前記部材に電圧を印加する印加手段と、前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて、前記所定の電流値と、前記初期の電圧及び前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅を設定することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、環境や転写ローラのインピーダンスの影響を受けても、過大な印加電圧を必要とせず短時間で放電開始電圧を検出することができる。
実施例1、2の画像形成装置の概略図 実施例1、2の画像形成部の概略図、印加電圧−電流特性を示す図 実施例1、2の異なるインピーダンスの印加電圧−電流特性を示す図 実施例1の放電開始電圧の検出処理を示すフローチャート 実施例2の印加電圧−電流特性を示す図 実施例2の放電開始電圧の検出処理を示すフローチャート 実施例2の印加電圧−電流特性を示す図 実施例2の放電開始電圧の検出処理を示すフローチャート
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1に実施例1の画像形成装置100の概略図を示す。電子写真方式のレーザビームプリンタである画像形成装置100は、被転写体である用紙Pをセットする給紙カセット101、用紙Pをピックアップするピックアップローラ102、用紙Pを給紙搬送する給紙ローラ103を備えている。また、画像形成装置100は、用紙Pにトナーを定着する定着手段である定着装置104、用紙Pを排出する排出ローラ105、帯電や露光等を行う画像形成部106を備えている。なお、画像形成部106の構成は後述する。給紙カセット101に載置された用紙Pは、ピックアップローラ102によりピックアップされ、給紙ローラ103及び不図示の駆動部によって給紙、搬送される。画像形成部106で用紙Pにトナー像が転写され、定着装置104で未定着のトナーが定着される。その後、用紙Pは、排出ローラ105により画像形成装置100の機外に排出される。これらの動作は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する制御手段である制御部208により制御される。制御部208は、各種プログラムや設定値等の情報が格納された記憶部2081を有している。
図2(a)は画像形成部106の詳細を示す図である。画像形成部106は、像担持体である感光ドラム201、帯電手段である帯電ローラ202、現像手段である現像スリーブ203、転写手段である転写ローラ204を備えている。画像形成部106は、帯電ローラ202に電圧を印加する帯電回路205、転写ローラ204に電圧を印加する印加手段である転写回路206、感光ドラム201上に潜像を形成するレーザ装置207、前露光211を備えている。帯電ローラ202、現像スリーブ203、又は転写ローラ204は、電圧を印加される、感光ドラム201に作用する部材である。また、転写ローラ204には、転写回路206によって生成された転写電圧が印加されている。転写回路206は、画像形成装置100の動作を制御する制御部208により、転写回路206から出力される電圧の値を可変することができ、また極性の異なる電圧を出力することもできる。また、第1の検知手段である電流検知回路210は、転写回路206から転写ローラ204、感光ドラム201、ドラムアース209を流れる電流Aを検知することができる。なお、図2(a)には、電流Aの経路を模式的に破線で示している。これらを用いた感光ドラム201の帯電、レーザ装置207による露光等のいわゆる画像形成プロセスは、CPUやASIC等の画像形成装置100を制御する制御部208により制御される。なお、これは画像形成装置100の一例であり、この構成に限定されるものではない。例えば、感光ドラム201上のトナー像を被転写体である中間転写ベルトに転写し、その後、中間転写ベルト上のトナー像を用紙Pに転写する画像形成装置であってもよい。
本実施例では、感光ドラム201に帯電回路205によって生成される所定の帯電電圧Vcを印加しておく。そして、転写ローラ204に正負極性に可変可能な定電圧電源である転写回路206によって生成された転写電圧を印加したときに、転写ローラ204を介して感光ドラム201に流れる電流値を検知する。そして、検知された電流の結果に応じて放電開始電圧を検出し、感光ドラム201の表面電位を算出する。本実施例は、このような構成により放電開始電圧を判断する。制御部208は、電流検知回路210により検知された電流が所定の電流値(以下、目標電流値という)となるように、転写回路206により転写ローラ204に印加する電圧を初期の電圧(以下、初期電圧という)から変化させる。そして、制御部208は、電流検知回路210により検知された電流が目標電流値となったときに転写ローラ204に印加した電圧を、感光ドラム201と転写ローラ204との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とする。これにより、制御部208は、放電開始電圧に基づき感光ドラム201の表面の電位を求める。
[放電開始電圧]
感光ドラム201の表面を所定の電位に帯電させ、感光ドラム201と対向する転写ローラ204間に印加する電圧(印加電圧ともいう)を可変させたときの、転写ローラ204の印加電圧と感光ドラム201に流れる電流Aの一例を図2(b)に示す。図2(b)で、横軸は転写ローラ204に印加される電圧(印加電圧)[V]、縦軸は感光ドラム201に流れる電流A[μA(マイクロアンペア)]を示す。転写ローラ204に印加する電圧を変化させていくと(印加する電圧を大きくしていくと)、感光ドラム201の表面と転写ローラ204の電位差が大きくなり、ある電位差を超えると感光ドラム201と転写ローラ204の間で放電を開始する。感光ドラム201と転写ローラ204の間の放電が開始されると、大きな電流が流れるようになる。感光ドラム201と転写ローラ204に流れる電流Aが、所定の電流値Itになるときに転写ローラ204に印加されている電圧Vdh及びVdlを、放電開始電圧と定義する。
図2(b)のグラフは、転写ローラ204に正の転写電圧(以下、転写正電圧という)を印加し、転写正電圧を大きくしていくと、ある転写正電圧から電流Aの値が大きくなるような屈曲点を有している。電流Aの負側についても同様に、図2(b)のグラフは、転写ローラ204に負の転写電圧(以下、転写負電圧という)を印加し、転写負電圧の絶対値を大きくしていくと、ある転写負電圧から電流Aの値の絶対値が大きくなるような屈曲点を有している。そして、図2(b)に示すように、印加電圧と電流Aの関係は、ある印加電圧Vdに対して点対称となるグラフである。このように、感光ドラム201と転写ローラ204間の放電開始電圧は対称性を示す。感光ドラム201の置かれた環境(温度、湿度等)や膜厚が異なる場合であっても、感光ドラム201上(像担持体上)の所定の電位(図2(b)ではVd)に対して、放電が開始されるために必要な電位差は同じであるという特性がある。
制御部208は図2(b)のような関係をふまえて、非画像領域で、感光ドラム201と転写ローラ204に電圧を各々印加したときに電流検知回路210より得られる情報を検知する。ここで、非画像領域とは、画像形成の開始前や、用紙Pの搬送方向における後端と用紙Pに続く用紙Pの搬送方向における先端との間、又は、画像形成の終了後、等である。制御部208は、検知された各々の電流値に基づいて、感光ドラム201と転写ローラ204間の放電開始電圧を計測し、計測した結果を用いて感光ドラム201上の表面電位を算出する。ここで、上述した所定の電流値Itに対応する第1の放電開始電圧をVdh、所定の電流値It’に対応する第2の放電開始電圧をVdlとする。感光ドラム201の表面電位Vdは、放電開始電圧Vdh、Vdlの和を2で除して求められる(Vd=(Vdh+Vdl)/2)。制御部208は、初期の印加電圧から転写ローラ204に印加する電圧を変化させて求めたVdhと、初期の印加電圧とは極性が異なる初期の印加電圧から変化させて求めたVdlと、に基づいて、感光ドラム201の表面の電位(Vd)を求める。
[印加電圧と放電電流の関係]
図3にインピーダンスに応じた印加電圧と電流の関係を示す。図3(a)は横軸が転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸が感光ドラム201に流れる電流A[μA]を示す。なお、図3は、図2(b)の電圧Vdより大きい印加電圧、すなわち、電流Aが正となる部分を示している。図3に示すように、放電が開始される前及び放電が開始された後の印加電圧と電流Aの関係は、感光ドラム201の膜厚や環境、転写ローラ204のインピーダンスによって一定にはならない。図3に示すように、インピーダンスが大きいときには、インピーダンスが小さいときよりも大きな電圧を印加することで、放電が開始される。環境温度や湿度、膜厚等の種々の条件によって、感光ドラム201に流れる電流Aが所定の電流値Itとなる電圧は異なる。
ここで、温度及び湿度を除く他の条件を一定とした場合の、温度及び湿度とインピーダンスの関係について説明する。例えば、通常環境におけるインピーダンスを中程度とすると、低温低湿度環境ではインピーダンスは通常環境に比べて大きくなり、高温高湿度環境ではインピーダンスは通常環境に比べて小さくなる。また、インピーダンスが小さいときに所定の電流値Itが流れる印加電圧をVts、インピーダンスが中のときに所定の電流値Itが流れる印加電圧をVtm、インピーダンスが大きいときに所定の電流値Itが流れる印加電圧をVとする。このときの印加電圧は、Vts<Vtm<Vという関係となっている。例えば、低温低湿度環境では、電流Aが所定の電流値Itよりも小さい所定の電流値It’となる電圧V’が放電開始電圧となる。しかし、低温低湿度環境では、インピーダンスは通常環境及び高温高湿度環境よりも大きくなるため、通常環境及び高温高湿度環境と同じ所定の電流値Itを放電開始電圧と判断する閾値に設定すると、過大な印加電圧V(>V’)が必要となってしまう。
一方、高温高湿度環境では転写ローラ204のインピーダンスが小さくなり、低温低湿度環境では転写ローラ204のインピーダンスが大きくなることが一般的に知られている。また、図3(b)は、図3(a)の破線円部A、Bをそれぞれ拡大した図である。図3(b)に示したように、インピーダンスが小さい状況(例えば、高温高湿度環境)では、放電し始める領域での変極点付近での変化が鈍るという特性がある(図3(b)<Aの拡大>)。一方、インピーダンスが大きい状況(例えば、低温低湿度環境)では、放電し始める変極点付近での変化が鋭いという特性がある(図3(b)<Bの拡大>)。
そこで、放電開始前の印加電圧と電流Aの関係から、転写ローラ204のインピーダンスを算出し、インピーダンスが大きい場合は、放電開始と判断する電流Aを所定の電流値Itよりも小さい所定の電流値It’に設定する(It’<It)。制御部208は、インピーダンスが大きいほど目標電流値を小さく設定する。上述したように、インピーダンスが大きい場合は、図3(b)に示したように変極点付近での変化が鋭いため、目標電流値をItよりも小さいIt’に設定しても、精度よく放電開始を判断できる。したがって、インピーダンスが大きい場合は、所定の電流値It’を閾値として、言い換えれば所定の電流値It’になる印加電圧V’を閾値として、放電開始を判断できる。すなわち、本実施例のような構成とすれば、過大な印加電圧V(>V’)を必要としない。なお、放電が開始したと判断する所定の電流値It及びIt’を、以下、目標電流値It、It’ともいい、目標電流値It、It’は、予め制御部208の記憶部2081に保存されているものとして以下の説明を行う。
感光ドラム201の放電特性として、環境や感光ドラム201の膜厚の違いにより、放電に必要となる電位差は異なる。ただし、その感光ドラム201の置かれた状況(環境や、感光ドラム201の膜厚など)が同じであれば、感光ドラム201の電位に対して放電が開始するのに必要な電位差は正負対称であるという特性がある。この特性は放電現象として一般的なものである。転写ローラ204と感光ドラム201が平面−平面ギャップ間であると見なした場合には、平面−平面ギャップ間の放電特性と同じであり、感光ドラム201の電位は以下の式(1)で求めることができる。感光ドラム201の電位Vdは、感光ドラム201の電位より正側の放電開始電圧をVdh、感光ドラム201の電位より負側の放電開始電圧をVdlとした場合、VdhとVdlの和の1/2により求めることができる。
感光ドラム201の表面電位Vd=(Vdh+Vdl)/2…(1)
[感光ドラムの電位Vdの算出]
次に、図4を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。次の一連の制御は、感光ドラム201と転写ローラ204の接触後に感光ドラム201に前露光211から光を照射し、感光ドラム201上の残存電位を除電したうえで開始される。なお、残存電位を除電する手段は、本実施例の前露光211を利用する手段以外にも、交流電圧を用いて感光ドラム201の電位を0Vに帯電する手段など、様々な手段があり、本実施例の構成に限定されない。
制御部208は、画像形成装置100の電源がオンされた後、又はユーザからの指示等を受信した後、ステップ(以下、Sとする)300以降の処理を開始する。S300で制御部208は、感光ドラム201を起動させ、感光ドラム201を回転させる。S301で制御部208は、転写回路206により転写ローラ204に所定の転写電圧を印加する。制御部208は、転写ローラ204を介して流れる電流を電流検知回路210により検知し、検知した電流と転写ローラ204に印加した電圧とに基づいて、転写ローラ204のインピーダンスを算出する。
S302で制御部208は、S301で算出したインピーダンスが大きいか否かを判断する。例えば、制御部208は、予め設定された閾値と算出したインピーダンスとを比較することにより、S302の判断を行う。なお、閾値は、実験データから得られた値であり、固定値であってもよいし、感光ドラム201や転写ローラ204の使用時間や温度又は湿度に応じて決定される値であってもよい。S302で制御部208は、インピーダンスが大きくないと判断した場合、処理をS303に進め、インピーダンスが大きいと判断した場合、処理をS304に進める。S303で制御部208は、S301で算出したインピーダンスは大きくないため、目標電流値をItに設定し、処理をS305に進める。なお、図3(a)には示されていない負側の放電開始電圧を検出するための目標電流値は−It又は−It’となる。このため、S303、S304の処理では、インピーダンスに応じて負側の目標電流値も同様に設定する。S304で制御部208は、S301で算出したインピーダンスが大きいため、目標電流値をIt’に設定する。なお、上述したように、目標電流値Itは目標電流値It’より大きい(It>It’)。
S305で制御部208は、感光ドラム201に対して、画像形成を行う前の準備動作における非画像領域において、帯電ローラ202を介して帯電回路205により所定の帯電電圧Vcを印加する。S306で制御部208は、前露光211を開始して所定の駆動信号で光素子を発光させ、感光ドラム201の除電を行う。S307で制御部208は、転写回路206により転写ローラ204に所定の転写正電圧を印加する。S307で印加される所定の転写正電圧は、予め設定された初期の転写正電圧であり、初期の転写正電圧の値は、例えば記憶部2081に記憶されている。S308で制御部208は、感光ドラム201に流れる電流Aを電流検知回路210により検知する。ここで、電流検知回路210により検知された電流Aの電流値を電流値I1とする。
S309で制御部208は、電流値I1がS303で設定した目標電流値It、又はS304で設定した目標電流値It’の公差範囲内にあるか否かを判断する。制御部208は、電流値I1と目標電流値It(又はIt’)の絶対値を比較し、電流値Itが目標電流値It(又はIt’)の公差範囲内となっているか否かの比較を行う。S309で制御部208は、電流値I1が目標電流値It(又はIt’)の公差範囲内にないと判断した場合には、処理をS310に進め、公差範囲内にあると判断した場合には、処理をS313に進める。S310で制御部208は、検知した電流値I1の絶対値が目標電流値It(又はIt’)の絶対値より大きいか否かを判断する。S310で制御部208は、電流値I1の絶対値が目標電流値It(又はIt’)の絶対値よりも大きいと判断した場合には(|I1|>|It|又は|I1|>|It’|)、処理をS311に進める。S310で制御部208は、電流値I1の絶対値が目標電流値It(又はIt’)の絶対値よりも大きくないと判断した場合には(|I1|≦|It|又は|I1|≦|It’|)、処理をS312に進める。S311で制御部208は、転写正電圧の絶対値を、予め決められた所定値だけ小さくし、処理をS308に戻す。S312で制御部208は、転写正電圧の絶対値を、予め決められた所定値だけ大きくし、処理をS308に戻す。S311及びS312の所定値は、記憶部2081に記憶されている。また、S311及びS312の所定値は、実験データから得られた値であり、同じ値である場合もあり異なる値である場合もある。このように、S309の判断で電流値I1が目標電流値It(又はIt’)の公差範囲内であると判断されるまでは、S310からS311又はS312の処理が繰り返される。S313で制御部208は、S307、S311又はS312で設定され印加された転写正電圧を正側の放電開始電圧Vdhと判断する。
S314で制御部208は、転写回路206により転写ローラ204に所定の転写負電圧を印加する。S314で印加される所定の転写負電圧は、予め設定された初期の転写負電圧であり、初期の転写負電圧の値は、例えば記憶部2081に記憶されている。S314以降、S315からS319までの処理を行うことにより、上述したS308からS312と同様の処理が実行される。S315で制御部208は、感光ドラム201に流れる電流Aを電流検知回路210により検知する。ここで、電流検知回路210により検知された電流Aの電流値を電流値I2とする。
S316で制御部208は、電流値I2がS303で設定した目標電流値−It、又はS304で設定した目標電流値−It’の公差範囲内にあるか否かを判断する。制御部208は、電流値I2が電流値−It(又は−It’)の公差範囲内にないと判断した場合には、処理をS317に進め、公差範囲内にあると判断した場合には、処理をS320に進める。S317で制御部208は、検知した電流値I2の絶対値が目標電流値−It(又は−It’)の絶対値より大きいか否かを判断する。S317で制御部208は、電流値I2の絶対値が目標電流値−It(又は−It’)の絶対値よりも大きいと判断した場合には(|I2|>|−It|又は|I2|>|−It’|)、処理をS318に進める。S317で制御部208は、電流値I2の絶対値が目標電流値−It(又は−It’)の絶対値よりも大きくないと判断した場合には(|I2|≦|−It|又は|I2|≦|−It’|)、処理をS319に進める。S318で制御部208は、転写負電圧の絶対値を、予め決められた所定値だけ小さくし、処理をS315に戻す。S319で制御部208は、転写負電圧の絶対値を、予め決められた所定値だけ大きくし、処理をS315に戻す。S318及びS319の所定値は、記憶部2081に記憶されている。また、S318及びS319の所定値は、実験データから得られた値であり、同じ値である場合もあり異なる値である場合もある。このように、S316の判断で電流値I2が目標電流値−It(又は−It’)の公差範囲内であると判断されるまでは、S317からS318又はS319の処理が繰り返される。S320で制御部208は、S314、S318又はS319で設定された転写負電圧を負側の放電開始電圧Vdlと判断する。なお、放電開始電圧Vdh及びVdlの算出方法は、本実施例の方法以外にも、様々な方法があり、本実施例の構成に限定されない。
S321で制御部208は、式(1)で説明したように、正側の放電開始電圧Vdhと負側の放電開始電圧Vdlの和の1/2を感光ドラム201の電位Vdと算出する。S322で制御部208は、感光ドラム201の電位Vdに基づいて、所定のコントラストになるように帯電電圧、現像電圧等の各電圧、及びレーザ光量を調整する。
このような制御を行うことで、転写ローラ204のインピーダンスに応じて目標電流値Itの設定を行うことができる。このため、インピーダンスが大きい状態においても所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdの算出に必要な転写正電圧及び転写負電圧に過大な印加電圧を必要としない。また、目標電流値It(又はIt’)に到達するまでの時間も短くなるため、検出時間の短縮にもつながる。また、本実施例では、帯電ローラ202と転写ローラ204を用いて感光ドラム201の電位Vdの検出を行う例を説明した。しかし、帯電ローラ202によって帯電と放電を交互に行い放電開始電圧を求める方法や、現像ローラを用いる方法、これらとは別に放電開始電圧を求めるための専用のローラを設ける等の方法でも実施できる。本実施例では、転写ローラ204に流れる電流Aからインピーダンスを算出し、目標電流値Itを算出した。しかし、画像形成装置100に例えば画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段である環境センサを搭載し、更に、環境センサの検知結果である温度や湿度に応じて目標電流値Itを設定する、等の方法でも実施できる。
以上、本実施例によれば、環境や転写ローラのインピーダンスの影響を受けても、過大な印加電圧を必要とせず短時間で放電開始電圧を検出することができる。
実施例2の画像形成装置の概略構成は、実施例1と同様であり、同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。本実施例は、初期の印加電圧又は印加電圧を変化させる際のステップ幅をインピーダンスに応じて設定することで、放電開始電圧の検出に要する時間を更に短縮できる。
[インピーダンスに応じた初期の印加電圧の設定]
第1の方法として、転写ローラ204のインピーダンスに応じて初期の印加電圧を設定する方法について説明する。図5は、転写ローラ204のインピーダンスに応じた印加電圧と電流Aの関係を示す図である。図5は横軸に転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸に感光ドラム201に流れる電流A[μA]を示す。図5に示すように、放電前及び放電後の印加電圧と感光ドラム201に流れる電流Aの関係は、感光ドラム201の膜厚や環境、転写ローラ204のインピーダンスによって一定にはならない。感光ドラム201と転写ローラ204の間で放電が開始する電圧は、インピーダンスが小さいときに比べてインピーダンスが大きいときのほうが大きくなる。言い換えれば、インピーダンスが大きいときには、インピーダンスが小さいときよりも大きな電圧を印加することで、放電が開始される。
ここで、初期の印加電圧をV0、目標電流値をIt、目標電流値Itに対応する印加電圧をVts、目標電流値をIt’、目標電流値It’に対応する印加電圧をV’、初期の印加電圧V0と印加電圧V’の間の所定の電圧をV1とする。通常、初期の印加電圧V0から転写ローラ204への電圧の印加を開始し、徐々に印加電圧を大きくしていく。そして、放電が開始されたと判断される電流Itが流れる電圧Vtsまで電圧を印加する。インピーダンスが小さい場合には、電流Itに対応する印加電圧Vtsと初期の印加電圧V0との電位差は大きくない。しかし、インピーダンスが大きい場合には、インピーダンスが小さい場合の上述した電位差に比べて、初期の印加電圧V0と放電開始電圧V’との電位差が大きい(V’−V0>Vts−V0)。このため、インピーダンスが大きい場合、インピーダンスが小さい場合に比べて放電開始電圧V’を検出するまでに時間がかかる。そこで、予め転写ローラ204のインピーダンスを算出し、算出したインピーダンスが大きい場合には、初期の印加電圧としてV0よりも大きいV1(V1>V0)に設定する。制御部208は、インピーダンスが大きいほど初期の電圧を大きく設定する。これにより、インピーダンスが大きい場合の放電開始電圧V’を検出するために要する時間を短縮できる。
[感光ドラムの電位の算出]
次に、図6を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。図6のS600〜S602の処理は、実施例1の図4で説明したS300〜S302の処理と同様であるため省略する。S602で制御部208がインピーダンスは大きくないと判断した場合、S603で、目標電流値をIt(−It)、正側の初期の印加電圧である転写正電圧をV0、負側の初期の印加電圧である転写負電圧を−V0に設定し、処理をS605に進める。一方、S602で制御部208がインピーダンスは大きいと判断した場合、S604で、目標電流値をIt’(−It’)、正側の初期の印加電圧である転写正電圧をV1、負側の初期の印加電圧である転写負電圧を−V1に設定する。なお、目標電流値Itは目標電流値It’より大きく(It>It’)、初期の印加電圧V1は初期の印加電圧V0よりも大きい(V1>V0)。なお、S605、S606の処理は、図4のS305、306の処理と同様であり、説明を省略する。
S607で制御部208は、S603又はS604で設定した所定の転写正電圧V0又はV1を転写ローラ204に印加する。なお、S608〜S613の処理は、図4のS308〜S313の処理と同様であり、説明を省略する。S614で制御部208は、S603又はS604で設定した所定の転写負電圧−V0又は−V1を転写ローラ204に印加する。なお、S615〜S622の処理は、図4のS315からS322の処理と同様であり、説明を省略する。
このような制御を行うことで、転写ローラ204のインピーダンスに応じて初期の転写正電圧及び初期の転写負電圧を設定することができる。このため、インピーダンスが大きい状態においても、目標電流値It(又は目標電流値It’)に到達するまでの時間を短くすることができ、放電開始電圧の検出に要する時間を短縮することができる。
[インピーダンスに応じたステップ幅の設定]
第2の方法として、転写ローラ204のインピーダンスに応じて、転写ローラ204に印加する電圧を変化させる際の変化の幅(以下、ステップ幅という)を設定する方法について説明する。図7は、転写ローラ204のインピーダンスに応じた印加電圧と電流Aの関係を示す図である。図7は横軸に転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸に感光ドラム201に流れる電流[μA]を示す。図7で、初期の印加電圧V0、放電が開始されたと判断するための目標電流値It、目標電流値Itに対応する印加電圧Vts、目標電流値It’、目標電流値It’に対応する印加電圧V’とし、これらとグラフが交わる点を黒丸で示している。また、インピーダンスが小さい場合と大きい場合のグラフの白丸は、後述するステップ幅で印加電圧を変化させたときの各ポイントを示す点である。
図7に示すように、放電前及び放電後の印加電圧と感光ドラム201に流れる電流Aの関係は、感光ドラム201の膜厚や環境、転写ローラ204のインピーダンスによって一定にはならない。感光ドラム201と転写ローラ204の間で放電が開始される電圧は、インピーダンスが小さいときに比べてインピーダンスが大きいときのほうが大きくなる。通常、初期の印加電圧V0から転写ローラ204への電圧印加を開始し、第1のステップ幅ΔV1で電圧を大きくしていき、各ポイントで感光ドラム201に流れる電流を電流検知回路210により検知する。そして、目標電流値Itに近づいてくると、ステップ幅を細かくし、第2のステップ幅ΔV2(<ΔV1)で電圧を大きくしていき、各ポイントで感光ドラム201に流れる電流を電流検知回路210により検知する。このように、電流検知を行うポイントのステップ幅を変えることで、精度よく放電開始電圧を検出するよう制御させる。ここで、電圧印加を開始したときの第1のステップ幅ΔV1は、粗調ステップ幅ともいう。また、目標電流値Itに近づいてきたときの第2のステップ幅ΔV2は、第1のステップ幅ΔV1よりも小さいステップ幅であり(ΔV1>ΔV2)、微調ステップ幅ともいう。このように、制御部208は、転写ローラ204に印加する電圧を変化させる際に、電流検知回路210により検知された電流が目標電流値に近い値になるほどステップ幅を小さく設定する。
しかし、インピーダンスが大きいときは、初期の印加電圧V0と放電開始電圧V’の電位差が、インピーダンスが小さいときの初期の印加電圧V0と放電開始電圧Vtsとの電位差に比べて大きい(V’−V0>Vts−V0)。このため、インピーダンスが大きいときには、放電開始電圧V’を検出するまでに、インピーダンスが小さい場合の検出時間に比べて時間を要する。そこで、予め転写ローラ204のインピーダンスを算出し、インピーダンスが大きい場合には、第1のステップ幅及び第2のステップ幅をインピーダンスが小さい場合に比べて大きくする。これにより放電開始電圧V’を検出するのに要する時間を短縮できる。インピーダンスが大きい場合も、初期の印加電圧V0から転写ローラ204への電圧印加を開始し、第1のステップ幅ΔV1’で電圧を大きくしていき、各ポイントで感光ドラム201に流れる電流を電流検知回路210により検知する。そして、目標電流値It’に近づいてくると、ステップ幅を細かくし、第2のステップ幅ΔV2’(<ΔV1’)で電圧を大きくしていき、各ポイントで感光ドラム201に流れる電流を電流検知回路210により検知する。このように、インピーダンスが大きい場合にも、電流検知を行うポイントのステップ幅を変えることで、精度よく放電開始電圧を検出し、放電開始電圧の検出に要する時間を短縮するよう制御させる。制御部208は、インピーダンスが大きいほどステップ幅を大きく設定する。
ここで、電圧印加を開始したときの第1のステップ幅ΔV1’と、目標電流値It’に近づいてきたときの第2のステップ幅ΔV2’の関係は、ΔV1’>ΔV2’となっている。また、インピーダンスが大きい場合のステップ幅は、インピーダンスが小さい場合のステップ幅よりも大きい。詳細には、インピーダンスが大きい場合の第1のステップ幅ΔV1’は、インピーダンスが小さい場合の第1のステップ幅ΔV1よりも大きい(ΔV1’>ΔV1)。また、インピーダンスが大きい場合の第2のステップ幅ΔV2’は、インピーダンスが小さい場合の第2のステップ幅ΔV2よりも大きい(ΔV2’>ΔV2)。
[感光ドラムの電位の算出]
次に、図8を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。S800〜S802の処理は、図4で説明したS300〜S302の処理と同様であり、説明を省略する。S802で制御部208がインピーダンスは大きくないと判断したとき、S803で、目標電流値をIt、第1のステップ幅をΔV1、第2のステップ幅をΔV2に設定し、処理をS805に進める。一方、S802で制御部208がインピーダンスは大きいと判断したとき、S804で、目標電流値をIt’、第1のステップ幅をΔV1’、第2のステップ幅をΔV2’に設定する。なお、S805〜S810の処理は、図4で説明したS305〜S310の処理と同様であり、説明を省略する。
S810で制御部208が、検知した電流値I1の絶対値が目標電流値It(又は目標電流値It’)の絶対値より大きいと判断した場合(|I1|>|It|又は|I1|>|It’|)、処理をS811に進める。S811で制御部208は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値より大きいか否かを判断する。S811で制御部208は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値よりも大きいと判断した場合、処理をS812に進める。S812で制御部208は、転写正電圧をS803で設定した第1のステップ幅ΔV1(又はS804で設定した第2のステップ幅ΔV1’)だけ小さくする。S811で制御部は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値以下であると判断した場合、処理をS813に進める。S813で制御部208は、転写正電圧をS803で設定した第2のステップ幅ΔV2(又はS804で設定した第2のステップ幅ΔV2’)だけ小さくする。
S810で制御部208が、検知した電流値I1の絶対値が目標電流値It(又は目標電流値It’)の絶対値以下であると判断した場合(|I1|≦|It|又は|I1|≦|It’|)、処理をS814に進める。S814で制御部208は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値より大きいか否かを判断する。S814で制御部208は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値よりも大きいと判断した場合、処理をS815に進める。S815で制御部208は、転写正電圧をS803で設定した第1のステップ幅ΔV1(又はS804で設定した第1のステップ幅ΔV1’)だけ小さくする。S814で制御部208は、検知した電流値I1と目標電流値It(又は目標電流値It’)の差分の絶対値が所定値以下であると判断した場合、処理をS816に進める。S816で制御部208は、転写正電圧をS803で設定した第2のステップ幅ΔV2(又はS804で設定した第2のステップ幅ΔV2’)だけ小さくする。制御部208は、S809の判断において、検知した電流値I1が目標電流値It又は目標電流値It’の公差範囲内になるまで、上述した工程を繰り返す。S817〜S821までの処理は、図4で説明したS313〜S317の処理と同様であり、説明を省略する。なお、図8のS807で印加する初期の転写正電圧及びS818で印加する初期の転写負電圧は、転写ローラ204のインピーダンスにかかわらず、所定の電圧値であるV0又は−V0に設定する。
S821で制御部208が、検知した電流値I2の絶対値が目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の絶対値より大きいと判断した場合(|I2|>|−It|又は|I2|>|−It’|、処理をS822に進める。S822で制御部208は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値より大きいか否かを判断する。S822で制御部208は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値よりも大きいと判断した場合、処理をS823に進める。S823の処理は、S812の処理と同様であるため、説明を省略する。S822で制御部は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値以下であると判断した場合、処理をS824に進める。S824の処理は、S813の処理と同様であるため、説明を省略する。
S821で制御部208が、検知した電流値I2の絶対値が目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の絶対値以下であると判断した場合((|I2|≦|−It|又は|I2|≦|−It’|)、処理をS825に進める。S825で制御部208は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値より大きいか否かを判断する。S825で制御部208は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値よりも大きいと判断した場合、処理をS826に進める。S826の処理は、S815の処理と同様であるため、説明を省略する。S825で制御部208は、検知した電流値I2と目標電流値−It(又は目標電流値−It’)の差分の絶対値が所定値以下であると判断した場合、処理をS827に進める。S827の処理は、S816の処理と同様であり、説明を省略する。S820の判断において、検知した電流値I2が目標電流値−It又は目標電流値−It’の公差範囲内になるまで、上述した工程を繰り返す。S828〜S830の処理は、図4で説明したS320〜S322の処理と同様であり、説明を省略する。なお、S811、S814、S822、S825の所定値は、記憶部2081に記憶されている。また、S811、S814、S822、S825の所定値は、実験データから得られた値であり、同じ値である場合もあり異なる値である場合もある。
上述のような制御を行うことで、転写ローラ204のインピーダンスに応じて第1のステップ幅及び第2のステップ幅を設定することができる。したがって、転写ローラ204のインピーダンスが大きい状態においても目標電流値It(又は目標電流値It’)に到達するまでの時間が短くなるため、放電開始電圧の検出時間を短縮することが可能になる。以上説明したように、本実施例では初期の印加電圧又は第1のステップ幅及び第2のステップ幅を転写ローラ204のインピーダンスに応じて設定する。これにより、放電開始電圧の検出に要する時間を短縮できる。したがって、感光ドラム201の表面電位Vdを検出するまでに要する時間を短くできる。
なお、本実施例では、ステップ幅を変更する図8の処理で、インピーダンスが大きい場合でも初期の印加電圧をV0としたが、実施例1のように、インピーダンスが大きい場合には、初期の印加電圧をV1(>V0)としてもよい。すなわち、制御部208は、インピーダンスに応じて初期の印加電圧及びステップ幅を設定する構成としてもよい。制御部208は、インピーダンスが大きいほど初期の印加電圧及びステップ幅を大きく設定する。また、本実施例では、転写ローラ204に流れる電流Aからインピーダンスを算出し、初期の印加電圧やステップ幅を設定した。しかし、画像形成装置が環境センサを備え、更に、検知結果である温度や湿度に応じて初期の印加電圧やステップ幅を設定する等の方法でも実施できる。
以上、本実施例によれば、環境や転写ローラのインピーダンスの影響を受けても、過大な印加電圧を必要とせず短時間で放電開始電圧を検出することができる。
201 感光ドラム
204 転写ローラ
206 転写回路
208 制御部
210 電流検知回路

Claims (18)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体に作用する部材と、
    前記部材に電圧を印加する印加手段と、
    前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、
    前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて前記所定の電流値と、前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅とを設定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記所定の電流値を小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記所定の電流値を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて前記初期の電圧を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記初期の電圧を大きく設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記初期の電圧を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記変化の幅を大きく設定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記部材に印加する電圧を変化させる際に、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値に近い値になるほど前記変化の幅を小さく設定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記変化の幅を設定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、前記部材のインピーダンスにかかわらず、前記初期の電圧を所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 像担持体と、
    前記像担持体に作用する部材と、
    前記部材に電圧を印加する印加手段と、
    前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、
    前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて、前記所定の電流値と、前記初期の電圧及び前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅を設定することを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記初期の電圧及び前記変化の幅を大きく設定することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記部材に印加する電圧を変化させる際に、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値に近い値になるほど前記変化の幅を小さく設定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記初期の電圧及び前記変化の幅を設定することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記制御手段は、前記印加手段により前記部材に印加した電圧と、前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記第1の検知手段により検知された電流と、に基づいて、前記インピーダンスを求めることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記制御手段は、前記初期の電圧から前記部材に印加する電圧を変化させて求めた第1の放電開始電圧と、前記初期の電圧とは極性が異なる電圧から前記部材に印加する電圧を変化させて求めた第2の放電開始電圧と、に基づいて、前記像担持体の表面の電位を求めることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記像担持体の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
    前記像担持体上に潜像を形成する露光手段と、
    前記像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
    を備え、
    前記部材は、前記帯電手段、前記現像手段又は前記転写手段であることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記放電開始電圧を求めるための専用のローラを備え、
    前記部材は、前記専用のローラであることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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