JP6821348B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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(2)像担持体と、前記像担持体に作用する部材と、前記部材に電圧を印加する印加手段と、前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて、前記所定の電流値と、前記初期の電圧及び前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅を設定することを特徴とする画像形成装置。
図1に実施例1の画像形成装置100の概略図を示す。電子写真方式のレーザビームプリンタである画像形成装置100は、被転写体である用紙Pをセットする給紙カセット101、用紙Pをピックアップするピックアップローラ102、用紙Pを給紙搬送する給紙ローラ103を備えている。また、画像形成装置100は、用紙Pにトナーを定着する定着手段である定着装置104、用紙Pを排出する排出ローラ105、帯電や露光等を行う画像形成部106を備えている。なお、画像形成部106の構成は後述する。給紙カセット101に載置された用紙Pは、ピックアップローラ102によりピックアップされ、給紙ローラ103及び不図示の駆動部によって給紙、搬送される。画像形成部106で用紙Pにトナー像が転写され、定着装置104で未定着のトナーが定着される。その後、用紙Pは、排出ローラ105により画像形成装置100の機外に排出される。これらの動作は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する制御手段である制御部208により制御される。制御部208は、各種プログラムや設定値等の情報が格納された記憶部2081を有している。
感光ドラム201の表面を所定の電位に帯電させ、感光ドラム201と対向する転写ローラ204間に印加する電圧(印加電圧ともいう)を可変させたときの、転写ローラ204の印加電圧と感光ドラム201に流れる電流Aの一例を図2(b)に示す。図2(b)で、横軸は転写ローラ204に印加される電圧(印加電圧)[V]、縦軸は感光ドラム201に流れる電流A[μA(マイクロアンペア)]を示す。転写ローラ204に印加する電圧を変化させていくと(印加する電圧を大きくしていくと)、感光ドラム201の表面と転写ローラ204の電位差が大きくなり、ある電位差を超えると感光ドラム201と転写ローラ204の間で放電を開始する。感光ドラム201と転写ローラ204の間の放電が開始されると、大きな電流が流れるようになる。感光ドラム201と転写ローラ204に流れる電流Aが、所定の電流値Itになるときに転写ローラ204に印加されている電圧Vdh及びVdlを、放電開始電圧と定義する。
図3にインピーダンスに応じた印加電圧と電流の関係を示す。図3(a)は横軸が転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸が感光ドラム201に流れる電流A[μA]を示す。なお、図3は、図2(b)の電圧Vdより大きい印加電圧、すなわち、電流Aが正となる部分を示している。図3に示すように、放電が開始される前及び放電が開始された後の印加電圧と電流Aの関係は、感光ドラム201の膜厚や環境、転写ローラ204のインピーダンスによって一定にはならない。図3に示すように、インピーダンスが大きいときには、インピーダンスが小さいときよりも大きな電圧を印加することで、放電が開始される。環境温度や湿度、膜厚等の種々の条件によって、感光ドラム201に流れる電流Aが所定の電流値Itとなる電圧は異なる。
感光ドラム201の表面電位Vd=(Vdh+Vdl)/2…(1)
次に、図4を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。次の一連の制御は、感光ドラム201と転写ローラ204の接触後に感光ドラム201に前露光211から光を照射し、感光ドラム201上の残存電位を除電したうえで開始される。なお、残存電位を除電する手段は、本実施例の前露光211を利用する手段以外にも、交流電圧を用いて感光ドラム201の電位を0Vに帯電する手段など、様々な手段があり、本実施例の構成に限定されない。
第1の方法として、転写ローラ204のインピーダンスに応じて初期の印加電圧を設定する方法について説明する。図5は、転写ローラ204のインピーダンスに応じた印加電圧と電流Aの関係を示す図である。図5は横軸に転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸に感光ドラム201に流れる電流A[μA]を示す。図5に示すように、放電前及び放電後の印加電圧と感光ドラム201に流れる電流Aの関係は、感光ドラム201の膜厚や環境、転写ローラ204のインピーダンスによって一定にはならない。感光ドラム201と転写ローラ204の間で放電が開始する電圧は、インピーダンスが小さいときに比べてインピーダンスが大きいときのほうが大きくなる。言い換えれば、インピーダンスが大きいときには、インピーダンスが小さいときよりも大きな電圧を印加することで、放電が開始される。
次に、図6を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。図6のS600〜S602の処理は、実施例1の図4で説明したS300〜S302の処理と同様であるため省略する。S602で制御部208がインピーダンスは大きくないと判断した場合、S603で、目標電流値をIt(−It)、正側の初期の印加電圧である転写正電圧をV0、負側の初期の印加電圧である転写負電圧を−V0に設定し、処理をS605に進める。一方、S602で制御部208がインピーダンスは大きいと判断した場合、S604で、目標電流値をIt’(−It’)、正側の初期の印加電圧である転写正電圧をV1、負側の初期の印加電圧である転写負電圧を−V1に設定する。なお、目標電流値Itは目標電流値It’より大きく(It>It’)、初期の印加電圧V1は初期の印加電圧V0よりも大きい(V1>V0)。なお、S605、S606の処理は、図4のS305、306の処理と同様であり、説明を省略する。
第2の方法として、転写ローラ204のインピーダンスに応じて、転写ローラ204に印加する電圧を変化させる際の変化の幅(以下、ステップ幅という)を設定する方法について説明する。図7は、転写ローラ204のインピーダンスに応じた印加電圧と電流Aの関係を示す図である。図7は横軸に転写ローラ204の印加電圧[V]、縦軸に感光ドラム201に流れる電流[μA]を示す。図7で、初期の印加電圧V0、放電が開始されたと判断するための目標電流値It、目標電流値Itに対応する印加電圧Vts、目標電流値It’、目標電流値It’に対応する印加電圧V’とし、これらとグラフが交わる点を黒丸で示している。また、インピーダンスが小さい場合と大きい場合のグラフの白丸は、後述するステップ幅で印加電圧を変化させたときの各ポイントを示す点である。
次に、図8を用いて所定の帯電電圧Vcを印加したときの感光ドラム201の電位Vdを算出する制御部208による処理の一例を説明する。S800〜S802の処理は、図4で説明したS300〜S302の処理と同様であり、説明を省略する。S802で制御部208がインピーダンスは大きくないと判断したとき、S803で、目標電流値をIt、第1のステップ幅をΔV1、第2のステップ幅をΔV2に設定し、処理をS805に進める。一方、S802で制御部208がインピーダンスは大きいと判断したとき、S804で、目標電流値をIt’、第1のステップ幅をΔV1’、第2のステップ幅をΔV2’に設定する。なお、S805〜S810の処理は、図4で説明したS305〜S310の処理と同様であり、説明を省略する。
204 転写ローラ
206 転写回路
208 制御部
210 電流検知回路
Claims (18)
- 像担持体と、
前記像担持体に作用する部材と、
前記部材に電圧を印加する印加手段と、
前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、
前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて、前記所定の電流値と、前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅とを設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記所定の電流値を小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記所定の電流値を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて前記初期の電圧を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記初期の電圧を大きく設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記初期の電圧を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記変化の幅を大きく設定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記部材に印加する電圧を変化させる際に、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値に近い値になるほど前記変化の幅を小さく設定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記変化の幅を設定することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記部材のインピーダンスにかかわらず、前記初期の電圧を所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 像担持体と、
前記像担持体に作用する部材と、
前記部材に電圧を印加する印加手段と、
前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記部材を介して前記像担持体に流れる電流を検知する第1の検知手段と、
前記第1の検知手段により検知された電流が所定の電流値となるように、前記印加手段により前記部材に印加する電圧を初期の電圧から変化させ、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値となったときに前記部材に印加した電圧を、前記像担持体と前記部材との間に放電が開始されたときの放電開始電圧とし、前記放電開始電圧に基づき前記像担持体の表面の電位を求める制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記部材のインピーダンスに応じて、前記所定の電流値と、前記初期の電圧及び前記部材に印加する電圧を変化させる際の変化の幅を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記インピーダンスが大きいほど前記初期の電圧及び前記変化の幅を大きく設定することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記部材に印加する電圧を変化させる際に、前記第1の検知手段により検知された電流が前記所定の電流値に近い値になるほど前記変化の幅を小さく設定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置内の環境を検知する第2の検知手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の検知手段の検知結果に応じて前記初期の電圧及び前記変化の幅を設定することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記印加手段により前記部材に印加した電圧と、前記印加手段により前記部材に電圧を印加したときに前記第1の検知手段により検知された電流と、に基づいて、前記インピーダンスを求めることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記初期の電圧から前記部材に印加する電圧を変化させて求めた第1の放電開始電圧と、前記初期の電圧とは極性が異なる電圧から前記部材に印加する電圧を変化させて求めた第2の放電開始電圧と、に基づいて、前記像担持体の表面の電位を求めることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
前記像担持体上に潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
を備え、
前記部材は、前記帯電手段、前記現像手段又は前記転写手段であることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記放電開始電圧を求めるための専用のローラを備え、
前記部材は、前記専用のローラであることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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