以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照し説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書および図面において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書および図面において、一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる。
本明細書において、「反転」とは、物体を180度回転させて、物体の一対の面が入れ替わることをいう。例えば、梱包箱が反転されると、梱包箱の一対の面である上面と下面とが入れ替わる。
<第1実施形態>
[1.荷姿変換システム10の構成]
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の模式的な斜視図である。図1に示すように、荷姿変換システム10は、切断装置100、反転装置200、およびピックアップ装置300を含む。切断装置100は、梱包箱700を切断することができる。反転装置200は、切断された梱包箱700を反転することができる。ピックアップ装置300は、梱包箱700に収容された内容物900を取り出し、コンテナ1000に移載することができる。
荷姿変換システム10の構成を説明するにあたり、図1に示すように、梱包箱700の搬送方向をX軸方向とし、鉛直方向視においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。また、鉛直方向をZ軸方向とする。さらに、X軸方向およびY軸方向によって形成される面をXY面とする。
また、Z軸方向において、荷姿変換システム10が設置される面への方向を下方とし、その反対を上方として説明する場合がある。
図1に示す荷姿変換システム10では、梱包箱700の開梱から内容物900の移載に至るまでの一連の荷姿変換処理が連続的に行われるように、切断装置100、反転装置200、およびピックアップ装置300が、この順序で接続されている。すなわち、反転装置200の入口部(搬入部)には、切断装置100の出口部(搬出部)が接続され、反転装置200の出口部(搬出部)には、ピックアップ装置300の入口部(搬入部)が接続されている。但し、荷姿変換システム10の構成はこれに限られない。荷姿変換システム10は、切断装置100と反転装置200とが接続され、ピックアップ装置300が接続されていない構成であってもよい。この場合、梱包箱700からの内容物900の取出しは、作業者またはロボットによって行われてもよい。また、荷姿変換システム10は、切断装置100と反転装置200との間、または反転装置200とピックアップ装置300との間に、梱包箱700を搬送するコンベアが設けられた構成であってもよい。さらに、荷姿変換システム10は、切断装置100および反転装置200、反転装置200およびピックアップ装置300、または切断装置100、反転装置200、およびピックアップ装置300が一体化された構成であってもよい。
なお、切断装置100、反転装置200、およびピックアップ装置300の各々の構成については、後述する。
荷姿変換システム10は、さらに、第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、第3の搬送部400−3、および回収部500を含んでいてもよい。第1の搬送部400−1は、切断装置100に、内容物900が収容された梱包箱700を搬送することができる。第2の搬送部400−2および第3の搬送部400−3の各々は、梱包箱700から取得された内容物900を搬送することができる。回収部500では、内容物900が取得された後の梱包箱700を回収することができる。
第1の搬送部400−1は、X軸方向に沿って延在し、切断装置100の入口部に接続されている。第1の搬送部400−1は、切断装置100に梱包箱700を搬送することができる。第1の搬送部400−1は、Y軸方向に沿った回転軸を有する複数の第1の搬送ローラ410−1、および複数の第1の搬送ローラ410−1を回転自在に支持する第1の支持部材420−1を含む。複数の第1の搬送ローラ410−1は、X軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する第1の搬送ローラ410−1の間には、間隙が形成されている。
第2の搬送部400−2は、X軸方向に沿って延在し、ピックアップ装置300の出口部の一方に接続されている。第2の搬送部400−2は、内容物900を収容したコンテナ1000を搬送することができる。第2の搬送部400−2は、Y軸方向に沿った回転軸を有する複数の第2の搬送ローラ410−2、および複数の第2の搬送ローラ410−2を回転自在に支持する第2の支持部材420−2を含む。複数の第2の搬送ローラ410−2は、X軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する第2の搬送ローラ410−2の間には、間隙が形成されている。
第2の搬送部400−2では、複数の第2の搬送ローラ410−2を分割し、第2の搬送ローラ410−2が別個に駆動されてもよい。複数の第2の搬送ローラを分割駆動することにより、1つのコンテナ1000を停止させて内容物900の移載を行いながら、内容物900が収容された別のコンテナ1000を搬送することができる。ここで、第2の搬送部400−2上でコンテナ1000が停止し、内容物900が移載される位置を「移載位置」とする。
なお、第2の搬送部400−2は、コンテナ1000に内容物900を収容して搬送するだけでなく、内容物900を直接搬送することもできる。
第3の搬送部400−3は、Y軸方向に沿って延在し、第2の搬送部400−2の移載位置において、第2の搬送部400−2と接続されている。第3の搬送部400−3は、空のコンテナ1000を搬送することができる。すなわち、第3の搬送部400−3は、第2の搬送部400−2の移載位置に空のコンテナ1000を搬送することができる。第3の搬送部400−3は、X軸方向に沿った回転軸を有する複数の第3の搬送ローラ410−3、および複数の第3の搬送ローラ410−3を回転自在に支持する第3の支持部材420−3を含む。複数の第3の搬送ローラ410−3は、Y軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する第3の搬送ローラ410−3の間には、間隙が形成されている。
なお、第3の搬送部400−3は、内容物900が収容されたコンテナ1000を、第2の搬送部400−2とは異なる方向に搬送することもできる。
図1に示す第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、および第3の搬送部400−3の各々は、いわゆる駆動部が設けられたローラコンベアである。但し、第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、または第3の搬送部400−3の構成は、これに限られない。第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、または第3の搬送部400−3は、ローラコンベアに限られることなく、様々な種類のコンベアを用いることができる。第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、または第3の搬送部400−3として、例えば、グラビティコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベア、スラットコンベア、エプロンコンベア、メッシュコンベア、またはトップチェーンコンベアなどを用いることができる。第1の搬送部400−1には、梱包箱700の種類に応じて適切なコンベアを適用することができる。同様に、第2の搬送部400−2および第3の搬送部400−3の各々には、コンテナ1000または内容物900の種類に応じて適切なコンベアを適用することができる。
第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、または第3の搬送部400−3は、X軸方向またはY軸方向に直線状に延在するだけでなく、湾曲していてもよい。荷姿変換システム10は、設置場所または設置面積などが考慮された搬送経路を含む構成とすることができる。
回収部500は、ピックアップ装置300の出口部の他方に接続され、内容物900が取得された後の梱包箱700を回収することができる。回収部500は、例えば、上部が開口された箱体または袋体であるが、これらに限定されない。回収部500は、複数の切断された梱包箱700を集積し、収容することができる構成であればよい。
[2.梱包箱700の構成]
切断装置100、反転装置200、およびピックアップ装置300の各々の構成を説明する前に、図2(A)および図2(B)を参照して、荷姿変換システム10で処理される梱包箱700の構成について説明する。
図2(A)および図2(B)の各々は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10で処理される梱包箱700の斜視図である。具体的には、図2(A)は、内容物900を収容する前、すなわち、梱包前の梱包箱700の斜視図を示し、図2(B)は、内容物900を収容した後、すなわち、梱包後の梱包箱700の斜視図を示す。なお、梱包箱700は、例えば、段ボール箱であるが、これに限られない。
梱包箱700は、上面710、下面720、第1の側面730−1、第2の側面730−2、第3の側面730−3、および第4の側面730−4を含む。上面710は、下面720と対向している。第1の側面730−1は、第3の側面730−3と対向している。第2の側面730−2は、第4の側面730−4と対向している。上面710は、第2の側面730−2に接続された第1の外フラップ711−1および第4の側面730−4に接続された第2の外フラップ711−2を含む。上面710は、第1の外フラップ711−1と第2の外フラップ711−2とが突き合わされ、第1の粘着テープ750−1で封止されて構成されている。第1の粘着テープ750−1は、第1の外フラップ711−1および第2の外フラップ711−2だけでなく、第1の側面730−1の上部の一部および第3の側面730−3の上部の一部とも接着している。なお、上面710には、第1の側面730−1に接続された第1の内フラップ712−1および第3の側面730−3に接続された第2の内フラップ712−2が含まれていてもよい。
下面720は、第2の粘着テープ750−2で封止されて構成されている。下面720の構成は、上面710と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
なお、以下では、第1の側面730−1、第2の側面730−2、第3の側面730−3、および第4の側面730−4を特に区別しない場合には、側面730として説明する場合がある。
[3.切断装置100の構成]
図3〜図5を参照して、切断装置100の構成について説明する。図3、図4、および図5は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の切断装置100の斜視図、正面図、および右側面図である。
切断装置100は、筐体110、駆動部120、切断部130、第1の押圧部140−1、第2の押圧部140−2、停止部150、および搬送部160を含む。
筐体110は、駆動部120、第1の押圧部140−1、第2の押圧部140−2、停止部150、または搬送部160などを支持することができる。筐体110に含まれる柱、梁、または面は、例えば、枠材、棒材、化粧板、またはステンレス板などによって形成することができる。また、筐体110は、切断装置100に梱包箱700を搬入し、および切断装置100から搬出することができるように、切断装置100の入口部および出口部が開口されている。また、切断装置100の入口部近傍に、センサ170が配置されている。センサ170は、切断装置100に搬送される梱包箱700の大きさ(X軸方向の長さおよびY軸方向の長さ)および高さ(Z軸方向の長さ)を検出することができる。センサ170は、例えば、3Dセンサである。図3および図5に示すように、センサ170は、切断装置100の入口部近傍の上方において、筐体110の外側に突出して設けられた棒体111の端部に配置されてもよい。但し、センサ170の配置はこれに限られない。センサ170は、切断装置100内に配置されていてもよい。また、第1の搬送部400−1が切断装置100に接続されている場合、第1の搬送部400−1にセンサ170が配置されていてもよい。さらに、センサ170は、複数のセンサを含むこともできる。例えば、センサ170が第1のセンサおよび第2のセンサを含む場合、梱包箱700の上面710の方向に配置された第1のセンサを用いて梱包箱700の大きさを検出し、梱包箱700の側面730の方向に配置された第2のセンサを用いて梱包箱700の高さを検出してもよい。
搬送部160は、切断装置100内において、X軸方向に延在するように配置されている。搬送部160は、Y軸方向に沿った回転軸を有し、各々が回転自在な複数の搬送ローラ161を含む。複数の搬送ローラ161は、X軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する搬送ローラ161の間には、間隙が形成されている。搬送部160は、複数の搬送ローラ161を駆動させることにより、梱包箱700の下面720を支持しながら、切断装置100内で梱包箱700を搬送することができる。
停止部150は、搬送部160の下方に配置され、停止部材151およびシリンダ152を含む。シリンダ152は、停止部材151をZ軸方向に往復移動させることができる。換言すると、シリンダ152を駆動することにより、搬送ローラ161の間隙から停止部材151を昇降させることができる。停止部材151は、シリンダ152の駆動によって、搬送ローラ161の上端面(以下、「切断装置100の搬送面」とする。)よりも上方に突出し、または切断装置100の搬送面よりも下方に収容されることができる。停止部材151が切断装置100の搬送面から上方に突出すると、搬送部160によって搬送された梱包箱700の側面730が停止部材151と当接し、梱包箱700の搬送が停止される。一方、停止部材151が切断装置100の搬送面よりも下方に収容されると、梱包箱700と停止部材151との当接が解除され、梱包箱700の搬送が再開される。したがって、停止部150は、搬送部160によって搬送される梱包箱700を、切断装置100内の所定の位置(以下、「停止位置」とする。)で停止させることができる。
停止部150は、梱包箱700と停止部材151とが当接したことをセンサによって検出してもよい。停止部150によって停止された梱包箱700を切断する場合、梱包箱700を安定させるため、搬送部160の搬送を停止することが好ましい。そのため、梱包箱700と停止部材151との当接を検出し、搬送ローラ161の駆動を停止してもよい。
第1の押圧部140−1および第2の押圧部140−2は、搬送部160を間に挟み、搬送部160の両側に配置されている。第1の押圧部140−1および第2の押圧部140−2の各々は、押圧部材141およびシリンダ142を含む。シリンダ142は、押圧部材141をY軸方向に往復移動させることができる。そのため、押圧部材141は、シリンダ142の駆動によって、停止位置における梱包箱700の側面730と当接し、梱包箱700を押圧することができる。停止位置における梱包箱700は、X軸方向だけでなく、Y軸方向においても位置が固定されることが好ましい。第1の押圧部140−1および第2の押圧部140−2は、押圧部材141で梱包箱700を挟持することにより、Y軸方向において、梱包箱700の位置を固定することができる。
押圧部材141は、梱包箱700の側面730と、一定の面積をもって接触することができる面を含むことが好ましい。また、押圧部材141の面は、X軸方向に一定の長さを有することが好ましい。この場合、押圧部材141による挟持によって、梱包箱700のXY面内における傾きを調整することができる。換言すると、押圧部材141が梱包箱700の側面730と面で接触することによって、XY面において、梱包箱700の位置を調整することができる。
第1の押圧部140−1と第2の押圧部140−2とは、同期して制御されてもよい。第1の押圧部140−1と第2の押圧部140−2とが同期して制御されることにより、大きさの異なる梱包箱700であっても、梱包箱700のX軸方向に沿う中心線が常に同じ位置となるように、梱包箱700の位置を調整することができる。すなわち、梱包箱700のセンタリングを行うことができる。
第1の押圧部140−1および第2の押圧部140−2の一方を固定し、他方のみを駆動するようにしてもよい。この場合、第1の押圧部140−1および第2の押圧部140−2の一方は、他方の駆動によって押された梱包箱700の停止ガイド(ストッパ)として機能することができる。
以上のように、停止位置における梱包箱700は、第1の押圧部140−1、第2の押圧部140−2、および停止部150によって固定される。停止位置に固定された梱包箱700は、切断部130によって切断することができる。
切断部130は、駆動部120に接続されている。駆動部120は、第1のX軸アクチュエータ121−1、第2のX軸アクチュエータ121−2、Y軸アクチュエータ、およびZ軸アクチュエータ123を含む。すなわち、図3〜図5に示す駆動部120は、いわゆる直交ロボットである。切断部130は、第1のX軸アクチュエータ121−1、第2のX軸アクチュエータ121−2、Y軸アクチュエータ122、およびZ軸アクチュエータ123の各々を駆動することにより、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に独立して移動することができる。
第1のX軸アクチュエータ121−1および第2のX軸アクチュエータ121−2の各々は、筐体110の上部に固定されている。第1のX軸アクチュエータ121−1は、X軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、第1のX軸アクチュエータ121−1のスライダは、レールに沿ってX軸方向に移動することができる。同様に、第2のX軸アクチュエータ121−2も、X軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、第2のX軸アクチュエータ121−2のスライダは、レールに沿ってX軸方向に移動することができる。
Y軸アクチュエータ122は、第1のX軸アクチュエータ121−1および第2のX軸アクチュエータ121−2の各々と直交して配置されている。Y軸アクチュエータ122は、Y軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、Y軸アクチュエータ122のスライダは、レールに沿ってY軸方向に移動することができる。Y軸アクチュエータ122のレールの一端は、第1のX軸アクチュエータ121−1のスライダに接続され、Y軸アクチュエータ122のレールの他端は、第2のX軸アクチュエータ121−2のスライダに接続されている。したがって、Y軸アクチュエータ122は、第1のX軸アクチュエータ121−1と第2のX軸アクチュエータ121−2とを同期して駆動することによって、X軸方向に移動することができる。
Z軸アクチュエータ123は、第1のX軸アクチュエータ121−1、第2のX軸アクチュエータ121−2、およびY軸アクチュエータ122の各々と直交して配置されている。Z軸アクチュエータ123は、Z軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、Z軸アクチュエータ123のスライダは、レールに沿ってZ軸方向に移動することができる。Z軸アクチュエータ123のレールの一端は、Y軸アクチュエータ122のスライダに接続されている。したがって、Z軸アクチュエータ123は、第1のX軸アクチュエータ121−1および第2のX軸アクチュエータ121−2を制御することによってX軸方向に移動することができ、Y軸アクチュエータ122を駆動することによってY軸方向に移動することができる。すなわち、Z軸アクチュエータ123は、XY面内を移動することができる。
駆動部120の一例として直交ロボットを説明したが、駆動部120の構成はこれに限定されない。駆動部120として、例えば、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、または双腕ロボットなどを用いることもできる。
切断部130は、回転刃131、支持部材132、およびセンサ133を含む。支持部材132は、回転刃131がXY面内で回転されるように、回転刃131を支持することができる。また、支持部材132は、Z軸アクチュエータ123のスライダに接続されている。そのため、切断部130は、第1のX軸アクチュエータ121−1および第2のX軸アクチュエータ121−2、Y軸アクチュエータ122、ならびにZ軸アクチュエータ123を駆動することによって、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に独立して移動することができる。
回転刃131は、Z軸方向に沿った中心軸を有し、XY面内で回転することができる。切断装置100では、切断部130の回転刃131が回転することにより、梱包箱700の側面730を切断することができる。回転刃131として、例えば、丸刃または多角形を有する角刃などを用いることができる。
センサ133は、回転刃131の上方に配置されている。そのため、センサ133は、切断部130の移動に合わせて、センサ133と梱包箱700の側面730との間の距離を測定することができる。センサ133として、例えば、変位センサなどを用いることができる。流通された梱包箱700である場合、梱包箱700の輸送等によって、梱包箱700の側面730が変形している(すなわち、側面730が凹凸を有する)場合がある。このような場合では、センサ170の検出値に基づく制御のみでは、側面730の変形が反映されないため、梱包箱700の側面730の一部が切断されないことがある。一方、切断部130にセンサ133が設けられていると、変形された側面730であっても、センサ133が、センサ133と梱包箱700の側面730との間の距離を測定することができる。そのため、側面730の変形された部分を検出することができる。また、センサ133の測定値が一定となるように、切断部130を移動させることができる。したがって、切断装置100では、センサ170の検出値およびセンサ133の測定値に基づき駆動部120を駆動するため、切断部130の移動を精密に制御し、梱包箱700の側面730を切断することができる。
梱包箱700の切断は、側面730に沿って行われるため、切断部130は、梱包箱700の角部で移動する方向を変える。詳細は図示しないが、センサ170は、切断部130の移動する方向に合わせてXY面内で回転することができる。そのため、切断部130が梱包箱700の角部で移動する方向を変えるとき、センサ170が回転し、次に切断する測定する側面730との距離を測定することができる。
ここで、切断部130の動作について説明する。
センサ170によって検出された梱包箱700の大きさに基づき、XY面内における切断部130の移動経路(X軸方向およびY軸方向における切断部130の移動距離)を算出することができる。このとき、回転刃131の回転半径または切り込み深さなどが考慮されてもよい。例えば、規格によって梱包箱700の梱包材の厚さが定められている場合、梱包材の厚さを考慮して切り込み深さが決定されてもよい。また、センサ170によって検出された梱包箱700の高さに基づき、Z軸方向における切断部130の移動距離を算出することができる。
算出されたXY面内の移動経路に基づき、駆動部120を駆動し、切断開始位置に切断部130を移動させる。センサ170によって、センサ170と1つの側面730との距離を測定し、切断部130の位置を微調整し、センサ170の測定値が一定となるように、梱包箱700の1つの側面730を切断する。センサ170を90度回転し、センサ170と別の側面730との距離を測定する。切断部130の位置を微調整し、センサ170の測定値が一定となるように、梱包箱700の別の側面730を切断する。切断部130は、上記動作を繰り返し、4つの側面730を切断することができる。
図6は、本発明一実施形態に係る荷姿変換システム10の切断装置100で切断された梱包箱700の斜視図である。なお、図6では、梱包箱700に収容される内容物900が省略されている。
図6に示すように、梱包箱700の4つの側面730が切断されることによって、上面710を含む第1の構造体800−1と下面720を含む第2の構造体800−2とに分離される。梱包箱700の側面730は、下面720よりも上面710に近い位置で切断される。梱包箱700の側面730の切断位置は、例えば、上面710から梱包箱700の高さの1/3以下であり、好ましくは1/4以下であり、さらに好ましくは1/5以下である。また、梱包箱700の側面730の切断位置は、上面710から所定の距離であってもよい。この場合、第1の構造体800−1に第1の内フラップ712−1および第2の内フラップ712−2が含まれるように、梱包箱700の側面730が切断されることが好ましい。なお、梱包箱700の側面730の切断位置は、第1の粘着テープ750−1が切断される位置であってもよく、第1の粘着テープ750−1の端部と第2の粘着テープ750−2との間の位置であってもよい。
本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の切断装置100によれば、梱包箱700の側面730を自動で切断することができる。また、切断部130にセンサ133が設けられていることにより、切断部130が梱包箱700の側面730と一定の距離を保持しながら切断することができる。そのため、梱包箱700の側面730が変形している場合であっても、安定して切断することができる。また、切断装置100を、後述する反転装置200と組み合わせることにより、切断された梱包箱700から内容物900を容易に取得することができるように、梱包箱700を開梱することができる。そのため、梱包箱700の開梱処理を自動化することができるため、作業効率が向上する。
[4.反転装置200の構成]
図7〜図10を参照して、反転装置200の構成について説明する。図7、図8、および図9は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200の斜視図、正面図、および右側面図である。また、図10は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200の断面図である。具体的には、図10は、図9に示すA−A’線に沿って切断された反転装置200の断面図である。
反転装置200は、筐体210、第1の昇降部220−1、第2の昇降部220−2、反転ユニット230、第1の搬送部260−1、および第2の搬送部260−2を含む。
第1の搬送部260−1は、反転装置200の入口部近傍に配置され、第2の搬送部260−2は、反転装置200の出口部近傍に配置されている。また、第1の搬送部260−1と第2の搬送部260−2との間には、反転ユニット230が配置されている。すなわち、反転装置200では、X軸方向に沿って、第1の搬送部260−1、反転ユニット230、および第2の搬送部260−2が配置されている。
第1の搬送部260−1および第2の搬送部260−2の各々は、Y軸方向に沿った回転軸を有し、各々が回転自在な複数の搬送ローラ261を含む。複数の搬送ローラ261は、X軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する搬送ローラ261の間には間隙が形成されている。第1の搬送部260−1は、複数の搬送ローラ261を駆動させることにより、梱包箱700の下面720を支持しながら、反転装置200の入口部から反転ユニット230へ梱包箱700を搬送することができる。また、第2の搬送部260−2は、複数の搬送ローラ261を駆動させることにより、梱包箱700の上面710を支持しながら、反転ユニット230から反転装置200の出口部へ梱包箱700を搬送することができる。
筐体210は、第1の空隙211−1、第2の空隙211−2、および第3の空隙を有する。第1の空隙211−1および第2の空隙211−2は、第1の搬送部260−1、反転ユニット230、および第2の搬送部260−2の両側に設けられている。また、第3の空隙は、第1の搬送部260−1、反転ユニット230、および第2の搬送部260−2の下方に設けられている。第1の空隙211−1内には、第1の昇降部220−1が配置され、第2の空隙211−2内には、第2の昇降部220−2が配置されている。反転ユニット230は、第1の昇降部220−1と第2の昇降部220−2との間に配置され、回転自在に第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2に接続されている。
第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2の各々は、回転支持体221および昇降シリンダ222を含む。昇降シリンダ222は、回転支持体221をZ軸方向に往復移動させることができる。すなわち、第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2の各々では、昇降シリンダ222を駆動することにより、回転支持体221を昇降させることができる。回転支持体221は、回転軸221aおよび軸受221bを含む。
反転ユニット230は、第1の挟持部240−1、第2の挟持部240−2、第1の反転ユニット支持部250−1、および第2の反転ユニット支持部250−2を含む。第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2は、第1の反転ユニット支持部250−1と第2の反転ユニット支持部250−2との間に配置され、第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2に接続されている。具体的には、第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2の各々の一端に第1の挟持部240−1が接続され、第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2の各々の他端に第2の挟持部240−2が接続されている。すなわち、反転ユニット230において、第1の挟持部240−1と第2の挟持部240−2とは、互いに対向するように配置されている。また、反転ユニット230に搬送された梱包箱700は、第1の挟持部240−1または第2の挟持部240−2により、支持することができる。
第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2の各々は、複数の搬送ローラ241、下面支持部材242、側面支持部材243、吸着本体244、およびシリンダ245を含む。搬送ローラ241および下面支持部材242は、側面支持部材243によって支持されている。搬送ローラ241と下面支持部材242との間には、シリンダ245が接続された吸着本体244が設けられている。シリンダ245は、下面支持部材242によって支持されている。
複数の搬送ローラ261は、それぞれが、Y軸方向に沿った回転軸を有し、回転することができる。また、複数の搬送ローラ261は、X軸方向において、互いに離間して配置されている。そのため、隣接する搬送ローラ261の間には、間隙が形成されている。複数の搬送ローラ261を駆動することにより、反転ユニット230に梱包箱700を搬入し、反転ユニット230から梱包箱700を搬出することができる。
吸着本体244は、複数の吸着パッド244aを有する。平面視において、複数の吸着パッド244aは、搬送ローラ261の間に位置するように配置されている。吸着本体244に接続されたシリンダ245は、吸着本体244をZ軸方向に往復移動させることができる。そのため、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2では、シリンダ245を駆動することにより、搬送ローラ261の間隙から、吸着パッド244aを搬送ローラ261の上端よりも上方に突出させ、または吸着パッド244aを搬送ローラ261の上端よりも下方の収容することができる。搬送ローラ261の上端よりも上方に突出した吸着パッド244aは、反転ユニット230内の梱包箱700を吸着することができる。
第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2の各々は、反転ユニット支持部材251および一軸アクチュエータ252を含む。一軸アクチュエータ252は、反転ユニット支持部材251の両端に固定されている。一軸アクチュエータ252は、反転ユニット支持部材251の端部から反転ユニット支持部材251の中心部に向かう方向(以下、「反転ユニット支持部材251の長軸方向」とする)に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、一軸アクチュエータ252のスライダは、レールに沿って反転ユニット支持部材251の長軸方向に往復移動することができる。
第1の挟持部240−1の側面支持部材243は、第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2の各々の一端に固定された一軸アクチュエータ252のスライダに接続されている。同様に、第2の挟持部240−2の側面支持部材243は、第1の反転ユニット支持部250−1および第2の反転ユニット支持部250−2の各々の他端に固定された一軸アクチュエータ252のスライダに接続されている。そのため、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2の各々は、一軸アクチュエータ252を駆動することにより、反転ユニット支持部材251の長軸方向に往復移動することができる。この動作により、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2は、反転ユニット230内の梱包箱700を挟持することができる。
また、第1の反転ユニット支持部250−1の反転ユニット支持部材251は、第1の昇降部220−1の回転軸221aに接続されている。同様に、第2の反転ユニット支持部250−2の反転ユニット支持部材251は、第2の昇降部220−2の回転軸221aに接続されている。そのため、反転ユニット230は、回転軸221aが回転することにより、回転することができる。
反転ユニット230は、一方向に180度ずつ回転することができてもよく、一方向に180度回転した後、逆方向に180度回転することができてもよい。反転装置200では、反転ユニット230を180度回転し、反転ユニット230内の梱包箱700を反転させることができる。
以下では、図11〜図14を参照して、反転装置200による梱包箱700の反転について説明する。図11および図12は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200による梱包箱700の反転を説明する斜視図および正面図である。また、図13は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200による梱包箱700の反転を説明する断面図である。具体的には、図13は、図12に示すB−B’線に沿って切断された反転装置200の断面図である。また、図14は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200による梱包箱700の反転を説明する斜視図である。具体的には、図14は、回転中の反転ユニット230が示された反転装置200の斜視図である。
第1の搬送部260−1の搬送ローラ261および第1の挟持部240−1の搬送ローラ241によって反転ユニット230に搬入された梱包箱700は、反転ユニット230内で停止する。反転ユニット230内における梱包箱700の停止は、センサなどを用いて行うことができる。続いて、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2を移動させ、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2を用いて梱包箱700を挟持する。第1の挟持部240−1と第2の挟持部240−2とは、同期して移動するように制御されてもよい。詳細は図示しないが、第1の挟持部240−1または第2の挟持部240−2は、圧力センサまたは接触センサなどのセンサを含んでいてもよい。センサを利用することで、梱包箱700を挟持する力の大きさを制御することができる。
次に、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2の各々の吸着本体244を移動させ、吸着パッド244aを梱包箱700に接触させる。吸着パッド244aが梱包箱700を吸着することにより、反転ユニット230内の梱包箱700をさらに固定することができる。
次に、第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2を制御することにより、反転ユニット230を上昇させ、180度回転させる。これにより、反転ユニット230内の梱包箱700が反転される。すなわち、梱包箱700の上面710と下面720とが入れ替わる。換言すると、第1の構造体800−1の位置と第2の構造体800−2の位置とが入れ替わり、第2の構造体800−2が、第1の構造体800−1の上方に位置することになる。
なお、吸着パッド244aによる梱包箱700の吸着は、反転ユニット230を上昇させた後に行うこともできる。
次に、第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2を制御し、反転ユニット230を下降させる。また、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2を制御し、梱包箱700の吸着および挟持を解除する。この動作により、第2の挟持部240−2の搬送ローラ241の上端面は、第2の搬送部260−2の搬送ローラ261の上端面と略一致する。第2の挟持部240−2上の梱包箱700は、第2の挟持部240−2の搬送ローラ241および第2の搬送部260−2の搬送ローラ261によって、反転ユニット230から搬出される。
上述した反転装置200の動作により、第1の構造体800−1の位置と第2の構造体800−2の位置とが入れ替わるように、反転ユニット230内の梱包箱700が反転される。
本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10の反転装置200によれば、梱包箱700を自動で反転することができる。また、反転するときの振動によって、内容物900と第2の構造体800−2との間に間隙を発生させることができるため、梱包箱700から第2の構造体800−2を取り外しやすくすることができる。そのため、荷姿変換システム10では、梱包箱700の側面730の切断だけでなく、後述するピックアップ装置300と組み合わせることにより、梱包箱700に収容された内容物900の移載までの一連の荷姿変換処理を自動化することできるため、作業効率が向上する。
[5.ピックアップ装置300の構成]
図15および図16を参照して、ピックアップ装置300の構成について説明する。図15および図16は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10のピックアップ装置300の斜視図および右側面図である。図15および図16では、反転装置200および回収部500が示されていないが、図1に示すように、X軸方向において、ピックアップ装置300の入口部に反転装置200が接続され、ピックアップ装置300の出口部に回収部500が接続されているものとして説明する場合がある。同様に、図1に示すように、Y軸方向において、ピックアップ装置300の出口部に第2の搬送部400−2が接続されているものとして説明する場合がある。
ピックアップ装置300は、筐体310、駆動部320、吸着部330、取得部340、交換用部材350、および搬送部360を含む。
筐体310は、駆動部320、取得部340、交換用部材350、または搬送部360などを支持することができる。詳細は図示しないが、筐体310は、撮像装置を含んでいてもよい。撮像装置は、例えば、筐体310の上部に設けられ、第2の構造体800−2が取り外されて露出された内容物900を撮像することができる。
搬送部360は、ピックアップ装置300内において、X軸方向に延在するように配置されている。搬送部360は、搬送ネット361を含む。搬送部360は、搬送ネット361をX軸方向に移動させるように駆動することができ、搬送ネット361上の梱包箱700を搬送することができる。搬送ネット361は、例えば、樹脂などで形成されるが、これに限られない。また、図15および図16に示した搬送部360は、いわゆるネットコンベア(プラスチックコンベア)であるが、これに限られない。搬送部360は、ローラコンベア、グラビティコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベア、スラットコンベア、エプロンコンベア、またはトップチェーンコンベアであってもよい。搬送部360は、梱包箱700を搬送するときに、梱包箱700に微細な振動を与えることができる構成であることが好ましい。梱包箱700に微細な振動を与えることによって、内容物900と第2の構造体800−2との間に間隙を発生させることができるため、第2の構造体800−2を取り外しやすくなる。
また、搬送部360の搬送面に複数の突起が設けられ、搬送部360の振動を増幅させてもよい。複数の突起は、周期的に設けられていてもよく、ランダムに設けられていてもよい。
搬送部360は、梱包箱700が所定の位置(以下、「ピックアップ位置」とする。)まで搬送されたとき、搬送ネット361の移動を停止することができる。搬送部360は、例えば、センサを用いて梱包箱700の位置を検出し、搬送ネット361の移動を停止してもよい。また、筐体310に設けられた撮像装置によって梱包箱700を撮像し、梱包箱700の位置を検出してもよい。
吸着部330は、駆動部320に接続されている。駆動部320は、X軸アクチュエータ321およびZ軸アクチュエータ322を含む。すなわち、図14および図15に示す駆動部320は、いわゆる直交ロボットである。吸着部330は、X軸アクチュエータ321およびZ軸アクチュエータ322の各々を駆動することにより、X軸方向およびZ軸方向に独立して移動することができる。
X軸アクチュエータ321は、筐体310の上部に固定されている。X軸アクチュエータ321は、X軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、X軸アクチュエータのスライダは、レールに沿ってX軸方向に移動することができる。
Z軸アクチュエータ322は、X軸アクチュエータ321と直交して配置されている。Z軸アクチュエータ322は、Z軸方向に延在するレール、レール上を移動するスライダ、およびスライダを駆動するモータを含む。そのため、Z軸アクチュエータ322のスライダは、レールに沿ってZ軸方向に移動することができる。Z軸アクチュエータ322のレールの一端は、X軸アクチュエータ321のスライダに接続されている。したがって、Z軸アクチュエータ322は、X軸アクチュエータ321を駆動することによってX軸方向に移動することができる。
駆動部120の一例として直交ロボットを説明したが、駆動部320の構成は、これに限定されない。駆動部120として、例えば、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、または双腕ロボットなどを用いることもできる。
吸着部330は、吸着本体331および支持部材332を含む。支持部材332は、Z軸アクチュエータ322のスライダに接続されている。吸着本体331は、複数の吸着パッド331aを有する。平面視において、複数の吸着パッド331aは、例えば、マトリクス状に配置されているが、複数の吸着パッド331aの配置はこれに限られない。複数の吸着パッド331aは、梱包箱700、より具体的には、第2の構造体800−2を吸着することができる。
取得部340は、搬送部360の片側に、筐体310に支持されて配置されている。但し、取得部340の配置はこれに限られない。取得部340は、床置き、壁吊り、または天吊りにより配置されていてもよい。さらに取得部340は、筐体310の外側に配置されていてもよい。取得部340は、アーム341およびロボットハンド342を含む。取得部340は、ピックアップ位置において、梱包箱700、より具体的には、第1の構造体800−1上の内容物900を取得することができる。また、取得部340は、内容物900を取得するだけでなく、別の梱包箱、例えば、コンテナ1000に移載することもできる。
取得部340は、筐体310に設けられた撮像装置によって撮像された画像を基に、内容物900を判定することができる。すなわち、取得部340は、予め登録された内容物900の情報と撮像された画像とを比較し、内容物900の位置および方向など、アーム341およびロボットハンド342の制御に必要な情報を特定する。また、取得部340は、特定された情報を基に、アーム341の動作およびロボットハンド342の開閉動作または吸着動作を制御し、内容物900を取得する。取得部340は、取得した内容物900を、第2の搬送部400−2上のコンテナ1000内に移載する。取得部340は、上記動作を繰り返し、梱包箱700内の全ての内容物900を取得し、または移載することができる。
図14および図15に示す取得部340は、いわゆる多関節ロボットであり、ロボットハンド342は、吸着型ロボットハンドであってもよく、開閉把持型ロボットハンドであってもよい。吸着型ロボットハンドは、吸着パッドを含み、吸着により、内容物900を取得することができる。そのため、取得部340のアームの動作が単純となり、内容物900を取得するタクトを短縮することができる。一方、開閉把持型ロボットハンドは、複数の把持部により、内容物900を挟むように把持することができる。そのため、内容物900の形状が複雑な場合であっても、内容物900を取得することができる。但し、取得部340の構成は多関節ロボットに限られない。また、撮像装置は、筐体310だけでなく、取得部340のアーム341の先端またはロボットハンド342にも設けられていてもよい。
また、ピックアップ装置300の筐体310上に、交換用部材350が配置されていてもよい。交換用部材350は、例えば、ロボットハンド342の交換用アタッチメントである。1つの梱包箱700内に複数の異なる種類の内容物900が含まれる場合、または複数の梱包箱700のそれぞれに複数の異なる内容物900が含まれている場合であっても、ロボットハンド342を交換用部材350と交換することにより、複数の異なる内容物900を取得することができる。
ピックアップ装置300では、駆動部320および吸着部330によって第2の構造体800−2を取り除き、取得部340によって第1の構造体800−1上の内容物900を取得し、または移載することができる。以下では、これらの動作について説明する。
搬送部360によって搬送された梱包箱700は、ピックアップ位置で停止する。X軸アクチュエータ321を駆動し、吸着部330を梱包箱700の上方に移動させる。また、Z軸アクチュエータ322を駆動し、吸着部330を下降させる。吸着部330は、梱包箱700、より具体的には第2の構造体800−2に接触し、第2の構造体800−2を吸着する。詳細は図示しないが、吸着部330は、圧力センサまたは接触センサなどのセンサを含んでいてもよい。センサを利用することで、第2の構造体800−2の接触を検出することができる。
次に、Z軸アクチュエータ322を駆動し、吸着部330が第2の構造体800−2を吸着したまま、吸着部330を上昇させる。このとき、X軸アクチュエータ321を制御し、吸着部330がX軸方向に微細に振動させるようにしてもよい。第2の構造体800−2に微細な振動を与えることによって、内容物900と第2の構造体800−2との間に間隙を発生させることができるため、第2の構造体800−2を取り外しやすくなる。梱包箱700の第2の構造体800−2が取り外され、第1の構造体800−1上に内容物が露出される。続いて、駆動部320を駆動し、第2の構造体800−2は、ピックアップ装置300の出口近傍まで第2の構造体800−2を移動させる。その後、吸着部330の吸着を解除し、第2の構造体800−2を搬送部360上に載置する。
次に、取得部340により、第1の構造体800−1上の内容物900を取得する。取得した内容物900は、第2の搬送部400−2上のコンテナ1000内に移載することができる。これにより、内容物900は、梱包箱700からコンテナ1000に移載され、荷姿が変換される。なお、取得した内容物900は、第2の搬送部400−2上に載置され、第2の搬送部400−2によって搬送されることもできる。
全ての内容物900が取得されると、搬送部360上には、第1の構造体800−1および第2の構造体800−2が残される。第1の構造体800−1および第2の構造体800−2は、搬送部360によって搬送され、回収部500に落下して回収される。
本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10のピックアップ装置300によれば、反転された梱包箱700から、側面730の切断によって分離された第2の構造体800−2を容易に取り外し、内容物900を容易に取得し、移載することができる。そのため、一連の荷姿変換処理を自動化することができるため、作業効率が向上する。
以上、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10によれば、たとえ密に内容物900が詰められた梱包箱700であっても、切断された梱包箱700から内容物900を容易に取得し、移載することができる。したがって、一連の荷姿変換処理を自動化することができるため、作業効率が向上する。
<変形例>
図18〜図21を参照して、ピックアップ装置300の変形例であるピックアップ装置300Aの構成について説明する。図18および図19は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10のピックアップ装置300Aの正面図および上面図である。また、図20および図21は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10のピックアップ装置300Aの部分拡大図である。具体的には、図20は、図18に示す部分Aの拡大図であり、図21は、図18に示す部分Bの拡大図である。
ピックアップ装置300Aは、ピックアップ装置300の構成に、さらに、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2を含む。また、ピックアップ装置300Aは、ピックアップ装置300の吸着部330が吸着部330Aに変形されている。以下、ピックアップ装置300Aの構成について説明するが、ピックアップ装置300と同様の構成については説明を省略し、主に、ピックアップ装置300と異なる構成について説明する。
第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2は、筐体310内において、搬送部360を間に挟み、搬送部360の両側に配置されている。第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2の各々は、押え部材371A、シリンダ372A、およびノズル373Aを含む。押え部材371Aは、シリンダ372Aと接続し、シリンダ372Aの制御によってY軸方向に往復移動することができる。また、押え部材371Aは、第1の構造体800−1と当接する当接面を有する。したがって、押え部材371Aは、シリンダ372Aの制御によって、搬送部360上の第1の構造体800−1と当接し、第1の構造体800−1の位置を固定することができる。なお、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2のシリンダ372Aは、同期されることが好ましい。シリンダ372Aを同期して制御することにより、梱包箱700の位置を固定するときに、梱包箱700をセンタリングし、梱包箱700のX軸方向に沿う中心線が常に同じ位置となるように調整することができる。
ノズル373Aは、押え部材371Aと接続し、当接面の上方に配置されている。ノズル373Aの先端は、当接面よりも突出して配置されるが、ノズル373Aはバネなどの付勢部材によって付勢されている。そのため、ノズル373Aの先端が押圧されると、ノズル373Aは押え部材371Aに対してY軸方向に移動することができる。換言すると、ノズル373Aの先端が押圧されると、ノズル373Aを押え部材371A内に収容することができる。例えば、押え部材371Aが第1の構造体800−1と当接するように移動する場合、はじめにノズル373Aの先端が第1の構造体800−1または第2の構造体800−2と当接し、ノズル373Aの先端は第1の構造体800−1または第2の構造体800−2から押圧される。押え部材371Aをさらに移動させると、第1の構造体800−1または第2の構造体800−2からの押圧によって、ノズル373Aの先端と押え部材371Aの当接面との相対的な距離が小さくなるように、ノズル373Aは、押え部材371Aに対して移動し、押え部材371A内に収容される。
押え部材371Aの当接面が第1の構造体800−1と当接するとき、ノズル373Aの先端が、第1の構造体800−1と第2の構造体800−2との間隙、すなわち切断面に挿入されてもよい。ノズル373Aは、その先端からガスを噴き出す送風部として機能することができる。そのため、ノズル373Aが切断面に挿入された後、梱包箱700内でノズル373Aの先端からガスを噴き出すことによって、梱包箱700を膨張させることができる。より具体的には、第1の構造体800−1よりも第2の構造体800−2の方が容積が大きいため、第2の構造体800−2が膨張する。これにより、第2の構造体800−2と内容物900との間に間隙が生じやすくなり、第2の構造体800−2を取り外しやすくなる。
ノズル373Aの先端から噴き出されるガスは、例えば、窒素または圧縮空気などであるが、これに限られない。
ノズル373Aは、複数設けられていてもよい。また、ノズル373Aが切断面に挿入されるように、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2の各々がノズル373Aの位置を調整できる構成を有していてもよい。
吸着部330Aは、吸着パッド331aを含む吸着本体331および支持部材332に加えて、さらに、ニードル333Aを含む。ニードル333Aは、吸着パッド331aの間に配置され、詳細は図示しないが、Z軸方向に往復移動することができる。通常、ニードル333Aの先端は、吸着パッド331aの吸着面よりも吸着本体331側に位置している。一方、吸着パッド331aが第2の構造体800−2に吸着すると、ニードル333Aは、その先端が吸着パッド331aの吸着面から突出するように移動し、第2の構造体800−2を突き刺し、貫通することができる。ニードル333Aは、第2の構造体800−2の第2の粘着テープ750−2の部分に突き刺さることが好ましく、第1の外フラップ711−1と第2の外フラップ711−2との間に突き刺さることがさらに好ましい。第1の外フラップ711−1と第2の外フラップとの間には間隙があるため、ニードル333Aが突き刺さりやすい。そのため、ニードル333Aは、吸着本体331の中心に配置されていることが好ましい。なお、ニードル333Aは、複数設けられていてもよい。例えば、複数のニードル333Aが、吸着本体331のX軸方向に沿って設けられていてもよい。
ニードル333Aは、その先端からガスを噴き出す送風部として機能することができる。ニードル333Aが第2の構造体800−2を貫通した後、第2の構造体800−2内でニードル333Aの先端からガスを噴き出すことによって、第2の構造体800−2を膨張させることができる。これにより、第2の構造体800−2と内容物との間に間隙が生じやすくなり、第2の構造体800−2を取り外しやすくなる。
ニードル333Aの先端から噴き出されるガスは、例えば、窒素または圧縮空気などであるが、これに限られない。
以上、ピックアップ装置300Aの構成について説明したが、ピックアップ装置300Aでは、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2によって第1の構造体800−1が固定されるため、第2の構造体800−2を取り外しやすい。また、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2の各々に設けられたノズル373Aは、梱包箱700の切断面に挿入されてガスを噴き出すことができる。さらに、、吸着部330Aに設けられたニードル333Aは、第2の構造体800−2を貫通し、ガスを噴き出すことができる。そのため、ピックアップ装置300Aは、第2の構造体800−2を膨張させ、さらに、第2の構造体800−2を取り外しやすくすることができる。
<第2実施形態>
図22を参照して、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10を利用した、梱包箱700の開梱から内容物900の移載に至るまでの一連の荷姿変換処理について説明する。ここでは、荷姿変換システム10が、切断装置100、反転装置200、ピックアップ装置300A、第1の搬送部400−1、第2の搬送部400−2、第3の搬送部400−3、および回収部500を含むものとして説明する。なお、以下の説明において、各構成に付した符号は、図1〜図21を参照するものとする。
図22は、本発明の一実施形態に係る荷姿変換処理を示すフローチャートである。図22に示すように、荷姿変換システム10を利用する荷姿変換処理は、梱包箱700の搬入ステップ(S100)、梱包箱700の切断ステップ(S200)、切断された梱包箱700の反転ステップ(S300)、第2の構造体800−2の取り外しステップ(S400)、コンテナ1000の搬入ステップ(S500)、内容物900の移載ステップ(S600)、コンテナ1000の搬出ステップ(S700)、ならびに第1の構造体800−1および第2の構造体800−2の搬出ステップ(S800)を含む。なお、図22に示す処理は一例であって、荷姿変換システム10を利用した処理はこれに限定されない。
[1.梱包箱700の搬入ステップ(S100)]
第1の搬送部400−1上に内容物900が収容された梱包箱700が載置されると、第1の搬送部400−1は、第1の搬送ローラ410−1を駆動し、梱包箱700を切断装置100に搬入する。なお、第1の搬送部400−1上への梱包箱700の載置は、作業者が行ってもよく、ロボットが行ってもよい。
[2.梱包箱700の切断ステップ(S200)]
切断装置100の入口部近傍において、センサ170が、第1の搬送部400−1上で搬送されている梱包箱700の大きさおよび高さを検出する。また、切断装置100内では、停止部150のシリンダ152を駆動し、切断装置100の搬送面から突出するように停止部材151を上昇させる。切断装置100内において、梱包箱700は、搬送部160の搬送ローラ161によって搬送されるが、上昇した停止部材151と当接し、停止する。また、切断装置100は、梱包箱700と停止部材151とが当接したことをセンサなどによって検出し、搬送ローラ161の駆動を停止する。なお、梱包箱700の移動が停止したことをセンサが検出し、搬送ローラ161の駆動を停止することもできる。
梱包箱700が停止すると、押圧部140のシリンダ142を駆動し、押圧部材141が梱包箱700を挟持するように移動する。押圧部材141が梱包箱700を押圧する圧力は、センサによって検出することができ、検出値が予め設定された値になると、シリンダ142の駆動を停止する。これにより、梱包箱700の位置が固定される。なお、押圧部材141の移動距離を、検出された梱包箱700の大きさに基づいて決定することもできる。
押圧部140によって梱包箱700の位置が固定された後、第1のX軸アクチュエータ121−1、第2のX軸アクチュエータ121−2、Y軸アクチュエータ122、およびZ軸アクチュエータを駆動し、センサ170によって検出された梱包箱700の大きさおよび高さに基づき算出された切断開始位置に、切断部130を移動させる。なお、切断部130の切断開始位置への移動においては、切断部130に設けられたセンサ133によって梱包箱700の上面710の辺を検出し、切断部130を、検出された上面710の辺の位置から予め設定された距離だけZ方向に移動させることもできる。
切断開始位置において、センサ133が、センサ133と梱包箱700の第1の側面730−1との距離を測定する。駆動部120は、予め設定された距離となるように、切断部130の位置を微調整する。続いて、回転刃131を回転させ、センサ133が、センサ133と第1の側面730−1との距離を測定しながら、その距離が一定になるように切断部130をX軸方向およびY軸方向の一方に移動させる。切断部130の移動距離は、検出された梱包箱700の大きさに基づいて決定される。これにより、梱包箱700の1つの側面730が切断される。
次に、センサ133を90度回転し、センサと別の側面730との距離を測定する。続いて、上述と同様の方法によって、別の側面730が切断される。切断部130は、この動作を繰り返し、4つの側面730を切断する。その結果、梱包箱700は、上面710を含む第1の構造体800−1と第2の構造体800−2とに分離される。
梱包箱700の側面730の切断が完了すると、停止部150のシリンダ152を駆動し、停止部材151を下降させ、搬送ローラ161の下方に収容する。搬送部160の搬送ローラ161を駆動し、切断された梱包箱700は、切断装置100から反転装置200に搬送される。
[3.切断された梱包箱700の反転ステップ(S300)]
反転装置200内では、梱包箱700は、第1の搬送部260−1の搬送ローラ261および第1の挟持部240−1の搬送ローラ241が駆動されることにより、反転ユニット230の第1の挟持部240−1上に搬送される。センサによって、梱包箱700が反転ユニット230内に収容されたことが検出されると、第1の搬送部260−1の搬送ローラ261および第1の挟持部240−1の搬送ローラ241の各々の駆動が停止される。
次に、反転ユニット230の一軸アクチュエータ252を駆動し、梱包箱700を挟持するように、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2を移動させる。第1の挟持部240−1と第2の挟持部240−2とによる梱包箱700の挟持の強さは、センサによって検出することができる。センサによる検出値が予め設定された値になると、一軸アクチュエータ252の駆動が停止される。これにより、反転ユニット230内の梱包箱700の位置が固定される。
次に、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2の各々のシリンダ245を駆動し、吸着パッド244aが搬送ローラ241の上端面から突出するように、吸着本体244を移動させる。吸着パッド244aが梱包箱700に接触し、第1の挟持部240−1の吸着パッド244aが梱包箱700の下面720(すなわち、第2の構造体800−2)を吸着し、第2の挟持部240−2の吸着パッド244aが梱包箱700の上面710(すなわち、第1の構造体800−1)を吸着する。
次に、第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2の各々の昇降シリンダ222を駆動し、反転ユニット230を上昇させるように、回転支持体221を移動させる。回転支持体221の移動距離は、予め設定しておくことができる。
次に、回転支持体221の回転軸221aを中心に、反転ユニット230が180度回転される。これにより、梱包箱700が反転され、第1の構造体800−1の位置と第2の構造体800−2の位置とが入れ替わる。すなわち、第2の構造体800−2は、第1の構造体800−1の上方に位置することになる。
次に、第1の昇降部220−1および第2の昇降部220−2の各々の昇降シリンダ222を駆動し、反転ユニット230を下降させるように、回転支持体221を移動させる。
次に、吸着パッド244aの吸着を解除する。続いて、シリンダ245を駆動し、吸着パッド244aが搬送ローラ241の上端面よりも下方に位置するように、吸着本体244を移動させる。
次に、一軸アクチュエータ252を駆動し、第1の挟持部240−1と第2の挟持部240−2とが離れるように、第1の挟持部240−1および第2の挟持部240−2を移動させる。このとき、第1の挟持部240−1の搬送ローラ241の上端面は、第2の搬送部260−2の搬送ローラ261の上端面と略一致するようにする。
次に、第1の挟持部240−1の搬送ローラ241および第2の搬送部260−2の搬送ローラ261を駆動する。反転ユニット230内の反転された梱包箱700は、搬送ローラ241および搬送ローラ261によって、反転装置200からピックアップ装置300Aに搬送される。
[4.第2の構造体800−2の取り外しステップ(S400)]
ピックアップ装置300A内では、梱包箱700は、搬送部360を駆動し、搬送ネット361の移動によって搬送される。ピックアップ装置300A内のピックアップ位置で、センサによって梱包箱700が検出されると、搬送部360の駆動を停止する。
次に、第1の押え部370A−1および第2の押え部370A−2の各々のシリンダ372Aを駆動し、押え部材371Aが第1の構造体800−1と当接するように、押え部材371Aを移動させる。押え部材371Aが第1の構造体800−1を押圧する圧力は、センサによって検出することができ、検出値が予め設定された値になると、シリンダ372Aの駆動を停止する。これにより、第1の構造体800−1の位置が固定される。なお、押え部材371Aの移動距離は、検出された梱包箱700の大きさに基づいて決定することもできる。また、押え部材371Aが第1の構造体800−1に当接するとともに、付勢されたノズル373Aが、第1の構造体800−1と第2の構造体800−2との切断面に挿入される。
次に、駆動部320のX軸アクチュエータ321を駆動し、吸着部330Aの中心と梱包箱700の下面720の中心(すなわち、第2の構造体800−2の中心)とが一致するように、吸着部330Aを移動させる。続いて、駆動部320のZ軸アクチュエータ322を駆動し、吸着パッド331aが第2の構造体800−2に接触するように、吸着本体331を移動させる。吸着パッド331aは、第2の構造体800−2と接触し、第2の構造体800−2を吸着する。さらに、ニードル333Aの先端が第2の構造体800−2を貫通するように、ニードル333Aを移動させる。
次に、ノズル373Aの先端およびニードル333Aの先端からガスを噴き出す。これにより、第2の構造体800−2が膨張し、第2の構造体800−2と内容物900との間に間隙が生じる。換言すると、第2の構造体800と内容物900との摩擦を小さくする。
次に、ノズル373Aの先端およびニードル333Aの先端からガスを噴き出しながら、Z軸アクチュエータ322を駆動し、吸着された第2の構造体800−2を持ち上げるように、吸着部330Aを移動させる。これにより、梱包箱700から第2の構造体800−2が取り外され、内容物900が露出される。第2の構造体800−2が取り外された後、ガスの噴き出しを停止してもよい。
次に、X軸アクチュエータ321を駆動し、第2の構造体800−2を回収部500の方向に移動させる。続いて、Z軸アクチュエータ322を駆動し、第2の構造体800−2を搬送ネット361上に載置するように、吸着部330Aを移動させる。
次に、吸着パッド331aの吸着を解除する。また、第2の構造体800−2からニードル333Aの先端を引き抜くように、ニードル333Aを移動させる。続いて、Z軸アクチュエータ322を駆動し、吸着部330Aが第2の構造体800−2から離れるように、吸着部330Aを移動させる。
[5.コンテナ1000の搬入ステップ(S500)]
第3の搬送部400−3上にコンテナ1000が載置されると、第3の搬送部400−3は、第3の搬送ローラ410−3を駆動し、第2の搬送部400−2の移載位置までコンテナ1000を搬送する。コンテナ1000が移載位置まで搬送されると、第3の搬送ローラ410−3の駆動を停止する。
[6.内容物900の移載ステップ(S600)]
筐体310に設けられた撮像装置が、第1の構造体800−1上の内容物900を撮像する。取得部340は、撮像された画像を基に、内容物900の位置および方向などの情報を特定する。また、取得部340は、特定された情報を基に、アーム341およびロボットハンド342を駆動し、内容物900を取得する。さらに、取得部340は、アーム341およびロボットハンド342を駆動し、移載位置のコンテナ1000に取得した内容物900を収容する。
[7.コンテナ1000の搬出ステップ(S700)]
ピックアップ装置300A内の全ての内容物900の移載が完了すると、第2の搬送部400−2は、第2の搬送ローラ410−2を駆動し、所定の位置まで内容物900が収容されたコンテナ1000を搬送する。なお、移載位置の第2の搬送ローラ410−2は、それ以外の位置の第2の搬送ローラ410−2とは別個に制御されるため、移載位置でコンテナ1000への内容物900を移載しながら、既に内容物900を収容したコンテナ1000を搬出することができる。
[8.第1の構造体800−1および第2の構造体800−2の搬出ステップ(S800)]
ピックアップ装置300A内の全ての内容物900の移載が完了すると、搬送部360は、搬送ネット361を移動させ、第1の構造体800−1および第2の構造体800−2を回収部500に落下させる。これにより、第1の構造体800−1および第2の構造体800−2は、回収部500に集積され、回収される。搬送部360は、搬送ネット361上に第1の構造体800−1および第2の構造体800−2が存在していないことを検出し、搬送ネット361の駆動を停止してもよい。なお、搬送部360は、搬送ネット361が予め設定された距離を移動するように駆動し、停止させることもできる。
以上、本発明の一実施形態に係る荷姿変換システム10を利用すれば、梱包箱700を開梱するだけでなく、梱包箱700に収容された内容物900をコンテナ1000に移載することができる。すなわち、内容物900の荷姿を、梱包箱700からコンテナ1000に変換することができる。したがって、梱包箱700の開梱から内容物900の移載に至るまでの一連の荷姿変換処理を自動化することができるため、作業効率が向上する。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。