JP6819743B2 - 吸収性物品の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
たとえば、吸収マットを二段階にプレスしてパターンを所定形状に成形する技術が開示されている。この技術では、一段階目よりも二段階目で深くプレスすることにより、吸収マットに所定形状のパターンが成形される(特許文献1参照)。
前記成形工程は、前記吸収マットに前記パターンをプレスして成形するプレス成形工程と、前記プレス成形工程で成形された前記パターンを定着させる定着工程とを有することを特徴としている。
(3)さらに、前記プレス成形工程の第一プレス圧P1と前記プレス定着工程の第二プレス圧P2とが不等式「P1>P2」を満たすことが好ましい。
(5)または、前記定着工程は、前記吸収マットを吸引して前記パターンを定着させるサクション定着工程を有することが好ましい。
(7)さらに、前記積層工程は、前記プレス成形工程で前記パターンがプレスされた後の前記吸収マットに前記シートを積層することが好ましい。
(9)前記サクション定着工程は、前記積層工程で前記シートが積層された側とは反対側に前記吸収マットを吸引して、前記パターンを定着させることが好ましい。
(11)さらに、前記マット形成工程は、繊維材料に高吸水性樹脂を混合することが好ましい。
前記成形部は、前記吸収マットに前記パターンをプレスして成形するプレス成形部と、前記プレス成形部で成形された前記パターンを定着させる定着部とを備えたことを特徴としている。
同様に、本件の吸収性物品の製造装置によれば、着用者の快適性を確保した吸収性物品を製造することができる。
[1.紙おむつ]
まず、図1を参照して、紙おむつの基本的な構成を説明する。ここでは、紙おむつにおいて着用者の股下に位置する股下部9の構成を主に述べる。
紙おむつの股下部9は、長手方向中央に位置する。この股下部9には、非肌面側をカバーシート95で被覆された吸収体90が設けられる。
熱可塑性樹脂がバックシート94およびカバーシート95に用いられることで、排泄物の遺漏を抑制することができる。そのうえ、たとえばシート94,95どうしの熱溶着(いわゆるヒートシール)性を向上させることができる。
パターン7を具体的に説明すれば、トップシート93が積層された被包吸収マット911(以下「積層吸収マット912」という)に対して、肌面側に第一パターン71が成形され、非肌面側に第二パターン72が成形される。ここでは、格子(グリッド)状のパターン7を例示する。ただし、その他のさまざまなパターン――単数または複数の直線状もしくは曲線状または多角形もしくは円形を配置したパターンなど――を採用することができる。そのほか、パターン7は、溝状に連続して延びる線条の凹部に限られず、たとえば点状(断続的)に設けられた凹部であってもよい。
つぎに、図2を参照して、本実施形態の方法で紙おむつを製造する装置について述べる。この製造装置では、シート状あるいはマット状の部材の形成,積層,被包,貼合,成形,プレス(圧縮),切断といったさまざまな工程が実施されるが、ここでは、吸収マット910のマット形成工程とパターン7の成形工程に着目して、紙おむつの製造装置を説明する。
したがって、上流から下流へ向けて、マット形成部10,ラップ部15,プレス成形部20,積層部25,プレス定着部34がこの順に設けられる。
以下、紙おむつの製造装置を上流から順に説明する。
マット形成部10では、供給されたパルプおよび高吸水性樹脂から吸収マット910を形成する。このマット形成部10には、吸収マット910を形成するフォーミングドラム11と、フォーミングドラム11へのパルプの供給路を形成するダクト12と、ダクト12内部への高吸水性樹脂の供給路を形成する供給管13とが設けられる。
ここでは、ダクト12,供給管13,フォーミングドラム11の順に説明する。
図2では、右上の外周縁部にパルプおよび高吸水性樹脂が供給され、反時計回りに回転するフォーミングドラム11を例示する。ここでは、フォーミングドラム11の下部において、搬送される帯状の第一ラップシート921上に吸収マット910が受け渡されて載置される。
ラップ部15では、第一ラップシート921とこの第一ラップシート921に載置された吸収マット910の肌面側(図2では上側)に供給された第二ラップシート922とを互いに接着することで、吸収マット910を被包する。
プレス成形部20では、被包吸収マット911にパターン7を所定形状にプレスしてプレス成形する。このプレス成形部20には、一対の成形プレスロール21が設けられる。ここでは、搬送される被包吸収マット911に対して上方に配置されたアッパ成形プレスロール22と、搬送される被包吸収マット911に対して下方に配置されたロア成形プレスロール23とが一対の成形プレスロール21として配置される。
成形プレスロール22,23によって上下に挟まれる被包吸収マット911が金型21aによって部分的にプレスされることで、被包吸収マット911にパターン7が所定形状に成形される。
積層部25では、供給されたトップシート93を被包吸収マット911の肌面側(図2では上側)に積層する。このようにトップシート93が積層された積層吸収マット912においては、トップシート93にパターン7が成形されていない。
ここでは、非肌面側にホットメルト接着剤が塗布されたトップシート93が供給される。そのため、積層吸収マット912では、被包吸収マット911の肌面側のラップシート92にトップシート93が貼合されている。
プレス定着部34では、積層吸収マット912にプレスを加えてしてパターン7を定着させる。このプレス定着部34には、一対の定着プレスロール340が設けられる。定着プレスロール340は、成形プレスロール21と同様に、搬送される積層吸収マット912に対して上方に配置されたアッパ定着プレスロール341と、搬送される積層吸収マット912に対して下方に配置されたロア定着プレスロール342とが一対の定着プレスロール340として配置される。
金型34aは、搬送される積層吸収マット912のパターン7をなぞってプレスするように、定着プレスロール340における取付位相が調整されている。
定着プレスロール341,342によって上下に挟まれる積層吸収マット912に成形されたパターン7をなぞってプレスする金型34aによって、パターン7が定着される。
つづいて、図3を参照して、紙おむつの製造方法を説明する。この製造方法は、上述した製造装置によって紙おむつを製造する方法である。
この製造方法では、マット形成工程(ステップA10),成形工程(ステップA20,A30)の順に各工程が実施される。さらに、成形工程には、パターン7を成形するためにプレス成形工程(ステップA20)および定着工程(ステップA30)の二種の工程が設けられる。この成形工程では、プレス成形工程(ステップA20),定着工程(ステップA30)の順に実施される。この定着工程では、プレス定着工程(ステップA34)が実施される。そのほか、マット形成工程と成形工程との間にラップ工程(ステップA15)が実施され、プレス成形工程と定着工程との間に積層工程(ステップA25)が実施される。
以下、順を追って各工程を説明する。
それから、ステップA15のラップ工程では、ラップ部15で吸収マット910をラップシート92で被包する。
それから、ステップA25の積層工程では、プレス成形工程でパターン7がプレスされた後の被包吸収マット911に積層部25でトップシート93を積層する。
具体的には、ステップA34のプレス定着工程(図2に符号「III′」で示す)において、プレス定着部34で積層吸収マット912にプレスを加えてパターン7を定着させる。
本実施形態で例示する紙おむつの製造方法および製造装置は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
なお、プレス成形工程の第一プレス寸法D1とプレス定着工程の第二プレス寸法D2とが不等式「D1>D2」を満たすときには、パターン7の硬化を更に抑えることができる。
(9)本実施形態で例示する紙おむつの製造装置によれば、紙おむつの製造方法と同様の作用および効果を得ることができる。
つぎに、第二実施形態で例示する紙おむつの製造方法および製造装置を説明する。
本実施形態の製造方法および製造装置では、上述した第一実施形態に対して定着部30,定着工程(ステップA30)が異なる。なお、ここで説明する点を除いては、第一実施形態と同様の構成となっている。
まず、図4を参照して、紙おむつの製造装置を説明する。
この製造装置では、第一実施形態のプレス定着部34に替えて、サクション定着部32が定着部30として設けられている。
サクション定着部32では、積層吸収マット912を吸引してパターン7を定着させる。このとき、被包吸収マット911には、プレス成形部20でパターン7が成形されていることから、成形されたパターン7が再び成形されるものと言える。一方、トップシート93には、プレス成形部20でパターン7が成形されていないことから、新たにパターン7が成形されるものと言える。
このサクション定着部32には、一対のコンベア320が設けられる。一対のコンベア320として、搬送される積層吸収マット912を吸引するサクションコンベア321と、積層吸収マット912の搬送を案内するガイドコンベア322とが設けられる。ここでは、搬送される積層吸収マット912に対して下方にサクションコンベア321が配置され、搬送される積層吸収マット912に対して上方にガイドコンベア322が配置される。すなわち、サクション定着部32では、一対のコンベア320によって積層吸収マット912が挟持された状態となる。
つづいて、図5を参照して、紙おむつの製造方法を説明する。
この製造方法では、第一実施形態のプレス定着工程(ステップA34)に替えて、サクション定着工程(ステップA32)が定着工程(ステップA30)として設けられる。
したがって、マット形成工程(ステップA10),ラップ工程(ステップA15),プレス成形工程(ステップA20),積層工程(ステップA25),サクション定着工程(ステッA32)の順に各工程が実施される。
詳細に言えば、サクション定着工程では、積層工程でトップシート93が積層された側とは反対側に、一対のコンベア320のうち一方のサクションコンベア321で積層吸収マット912を吸引してパターン7を定着させる。このとき、パターン7が定着させられる積層吸収マット912は、一対のコンベア320で挟持された状態で搬送される。
本実施形態で例示する紙おむつの製造方法および製造装置は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
サクション定着工程で積層吸収マット912を吸引することで、プレス成形工程で成形されたパターン7が更に硬化することを抑えつつ、パターン7を確実に定着させることができる。
このとき、吸引孔の設けられたサクションコンベア321とガイドコンベア322とで挟持された状態の積層吸収マット912が搬送される。そのため、積層吸収マット912を安定して搬送することができる。さらに、積層吸収マット912の搬送および吸引をサクション定着部32,サクション定着工程で並列的(同時)に実施することができる。
なお、本実施形態で例示する紙おむつの製造方法および製造装置は、プレス定着部34およびプレス定着工程による作用および効果を除いて、第一実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
最後に、その他の変形例について述べる。
たとえば、ラップ部15よりも下流であってプレス成形部20よりも上流に積層部25を配置してもよい。すなわち、ラップ工程の後であってプレス成形工程の前に積層工程が実施されてもよい。言い換えれば、積層工程は、プレス成形工程でパターン7がプレスされる前の被包吸収マット911にトップシート93を積層してもよい。この場合には、プレス成形工程で積層吸収マット912にパターン7が成形されるうえに、定着工程で積層吸収マット912にプレス成形されたパターン7が定着される。そのため、トップシート93には、定着工程においてパターン7が成形されるだけでなく、プレス成形工程においてもパターン7が成形される。このようにトップシート93に対してパターン7が確実に成形されることによって、紙おむつの通気性や液体の拡散性を更に高めて、快適性をいっそう向上させることができる。
11 フォーミングドラム
12 ダクト
13 供給管
15 ラップ部
23 成形部
25 積層部
20 成形部
21 成形プレスロール
21a 金型
22 アッパ成形プレスロール
23 ロア成形プレスロール
30 定着部
32 サクション定着部
320 コンベア
321 サクションコンベア
322 ガイドコンベア
34 プレス定着部
340 定着プレスロール
34a 金型
341 アッパ定着プレスロール
342 ロア定着プレスロール
7 パターン
9 股下部
90 吸収体
910 吸収マット
911 被包吸収マット
912 積層吸収マット
92 ラップシート
921 第一ラップシート
922 第二ラップシート
93 トップシート
I マット形成工程
II プレス成形工程(成形工程)
III サクション定着工程(成形工程)
III′ プレス定着工程(成形工程)
Claims (7)
- 吸液性を有する吸収マットにパターンを成形工程で成形する吸収性物品の製造方法であって、
前記成形工程は、
前記吸収マットに前記パターンをプレスして成形するプレス成形工程と、
前記プレス成形工程で成形された前記パターンを定着させる定着工程とを有し、
前記定着工程は、前記吸収マットにプレスを加えて前記パターンを定着させるプレス定着工程を有し、
前記プレス成形工程の第一プレス寸法D1と前記プレス定着工程の第二プレス寸法D2とが不等式「D1≧D2」を満たす
ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 前記吸収マットにシートを積層する積層工程を有する
ことを特徴とする請求項1に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記積層工程は、前記プレス成形工程で前記パターンがプレスされた後の前記吸収マットに前記シートを積層する
ことを特徴とする請求項2に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記積層工程は、前記プレス成形工程で前記パターンがプレスされる前の前記吸収マットに前記シートを積層する
ことを特徴とする請求項2に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記吸収マットを形成するマット形成工程を有し、
前記成形工程は、前記マット形成工程で形成された前記吸収マットに前記パターンを成形する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載された吸収性物品の製造方法。 - 前記マット形成工程は、繊維材料に高吸水性樹脂を混合する
ことを特徴とする請求項5に記載された吸収性物品の製造方法。 - 吸収性を有する吸収マットにパターンを成形部で成形する吸収性物品の製造装置であって、
前記成形部は、
前記吸収マットに前記パターンをプレスして成形するプレス成形部と、
前記プレス成形部で成形された前記パターンを定着させる定着部とを備え、
前記定着部は、前記吸収マットにプレスを加えて前記パターンを定着させるプレス定着部を有し、
前記プレス成形部の第一プレス寸法D1と前記プレス定着部の第二プレス寸法D2とが不等式「D1≧D2」を満たす
ことを特徴とする吸収性物品の製造装置。
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