JP6819571B2 - セパレータ、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はセパレータに関し、特にはリチウム金属のデンドライト析出による短絡を抑制することができるセパレータに関する。本発明は、さらに、そのセパレータの製造方法、及び、そのセパレータを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池は、エネルギー密度が高い、自己放電が小さい、長期信頼性に優れる等の利点により、ノート型パソコンや携帯電話などの電池としてすでに実用化されている。しかし、近年では電子機器の高機能化や電気自動車への利用が進み、よりエネルギー密度が高く、かつ、優れた電池特性を有するリチウムイオン二次電池の開発が求められている。
セパレータはリチウムイオン二次電池の基本的な構成要素のひとつであり、正極と負極の短絡を防止する機能の他、メルトダウンによる安全性付与機能や、サイクル特性、レート特性等の電池特性に関して、種々の検討が行われている。
例えば、リチウムイオン二次電池のレート特性を改善する方法としては、リチウムイオンの移動が容易である空隙率の高いセパレータを採用することが有利である。一方、空隙率の高いセパレータを用いたリチウムイオン二次電池では、充電時にリチウムの析出が生じた場合、金属リチウムがセパレータ内部を貫通し短絡が生じやすいという問題がある。このような問題に対しては、特許文献1に開示されるような微細孔を有する樹脂フィルムと不織布とを重ね合わせたセパレータや、特許文献2に開示されるように、負極とセパレータとの間に、金属導電体層、半導体層、および絶縁体層の少なくとも一層を設ける方法等が検討されている。また、特許文献3には、デンドライトによるマイクロショートを回避する方法として、初回充電時において、初回充電電圧が(満充電時の開回路電圧―2000mV)以上(満充電時の開回路電圧−25mV)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法が開示されている。
特許第2732371号明細書 特許第2943127号明細書 特開2014−17209号公報
しかし、上述の特許文献1、2に記載されるような電池においては、セパレータの厚さ増に伴う抵抗増加、セパレータを作製する工数とコストがかかる、などの課題があった。また、特許文献3に記載の方法も、良好な電池特性を維持しながらリチウム析出による短絡を防止するという点では未だ不十分であった。
本発明は上述の問題に鑑みて成されたものであり、リチウム析出時のリチウム金属のデンドライト析出による短絡を抑制することができるリチウムイオン二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
課題を解決する手段
本発明の一態様は、基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有することを特徴とする、リチウムイオン二次電池用セパレータに関する。
本発明によれば、リチウム析出時のリチウム金属のデンドライト析出による短絡を抑制することができるリチウムイオン二次電池用セパレータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る二次電池が有する電池要素の構造を示す模式的断面図である。 実施例における本発明に係るセパレータのSEM像である。 実施例における本発明に係るセパレータ表面に形成された層のIR分析の結果を示すグラフである(スペクトル(下))。なお、支持塩の分解層を有さないセパレータのスペクトルをあわせて示す(スペクトル(上))。 本発明の一実施形態に係る二次電池を備えた電気自動車の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る二次電池を備えた蓄電設備の一例を示す模式図である。 フィルム外装電池の基本的構造を示す分解斜視図である。 図6の電池の断面を模式的に示す断面図である。
<セパレータ>
本発明に係るセパレータは、基材の少なくとも片面に、支持塩の分解物層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータである。
本発明によれば、リチウム析出時のリチウム金属のデンドライト析出による短絡を抑制し、リチウムイオン二次電池の短絡耐性を改善することができる。この理由は明らかではないが、以下のとおり推定される。すなわち、リチウムイオン二次電池では、充放電時に正極または負極からガスが発生した場合、ガスがセパレータ内に留まってイオンの流れを妨害し、結果としてリチウムの析出が生じ易くなる。負極上に析出した金属リチウムがさらに成長し正極に到達すると短絡が生じる。本発明に係るセパレータを用いた場合、セパレータの基材上に形成された支持塩の分解物層がセパレータ内部への気泡の侵入を防止する。このため、リチウムの析出が生じにくくなる。さらに、リチウムの析出が生じた場合においても、析出した金属リチウムが負極から正極に到達することを抑制し、リチウムの析出による短絡を防止することができる。さらに、当該分解物層は、支持塩の分解物層であるためにLiイオン伝導性が高く、基材上にポリオレフィン微多孔膜等を積層した2層構造のセパレータ等と比較して抵抗をより小さくすることができる。
以下、本発明に係るセパレータの構造についてより詳細に説明する。
本発明によるセパレータは、多孔膜または不織布を基材とし、基材の少なくとも片面に支持塩(Li塩)の分解物が担持されている。
基材には、厚さ5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の多孔膜または不織布を用いることができる。基材は、基材の厚さ方向に空孔、または空隙が複数連続して存在し、かつ、基材の片面から反対側の面へ直線で通過する経路が存在しないものが好ましい。
本発明の効果の発現は、基材となる材料自体の物性には依存しないが、例えば、ポリアミド、なかでも全芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料を用いることができる。
一実施形態では、リチウムイオン二次電池の耐熱性の観点から、160℃以上、好ましくは180℃以上に熱溶融温度または熱分解温度を有する高耐熱性樹脂材料を好ましく用いることができる。高耐熱性樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、セルロース、アラミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイト樹脂等が挙げられ、中でも、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト、アラミド樹脂が好ましい。なお、本明細書において、「熱溶融温度」とはJIS K 7121に準じて示差走査熱量測定(DSC)により測定される温度を表し、「熱分解温度」とは熱重量測定装置を用いて空気気流中で25℃から10℃/分で昇温したときに10%重量が減少したときの温度(10%重量減少温度)を表し、「熱溶融温度または熱分解温度が160℃以上」とは、熱溶融温度及び熱分解温度のいずれか低い方の温度が160℃以上であることを表す。
ここで、アラミド樹脂は、1種または2種以上の芳香族基がアミド結合により直接連結されている芳香族ポリアミドである。芳香族基としては、例えばフェニレン基が挙げられ、また、2個の芳香環が酸素、硫黄またはアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等)で結合されたものであってもよい。これらの2価の芳香族基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、ハロゲン(クロル基等)等が挙げられる。アラミド結合は、パラ型およびメタ型のいずれであってもよい。アラミドの例としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド等が挙げられるがこれらに限定されない。
基材は、2種以上の異なる成分から構成されていてもよく、また、成分及び/又は物性の異なる2種以上の多孔膜及び/又は不織布を組み合せて用いることもできる。
基材の空孔率は、55%を超え85%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましい。空孔率が大きいセパレータは内部に保持する電解液の量が多く長期使用に有利であること、基材に使用する樹脂の量が減ること、イオン伝導性が高く、レート特性に優れるなどの有利な点がある。一方、空孔率が大き過ぎると、機械的な強度が低下する場合がある。
なお、不織布や、空孔率の大きな多孔膜等をセパレータとして用いた場合、充放電時に発生したガスがセパレータ内部に侵入し、リチウム析出が生じ易いといった問題がより顕著になる。しかし、本発明によれば、セパレータの基材上に形成された支持塩の分解物層によりセパレータ内へのガスの侵入を抑制しリチウム析出による短絡を抑制することができるため、空隙率の大きな基材を採用した場合も、短絡を効果的に防止することができる。
なお、基材の空孔率は、JIS P 8118に準じて嵩密度を測定し、
空孔率(%)=[1−(嵩密度ρ(g/cm)/材料の理論密度ρ(g/cm))]×100
として算出することができる。また、電子顕微鏡による直接観察法、水銀ポロシメータによる圧入法等により測定することもできる。
基材が有する空隙の平均空隙径としては、特に限定されないが、0.05μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、空隙径は、SIM−F−316記載のバブルポイント法またはミーンフロー法により測定することができる。平均空隙径は、基材の任意の5箇所の測定値の平均値とすることができる。
支持塩の分解物層の平均厚さは1〜20μmが望ましく、1〜10μmが好ましい。分解物層の厚さが上記範囲内であると、より高い短絡防止効果が得られ、かつ、電池の寿命特性の低下を抑制することができる。なお、支持塩の分解物層の厚さは、本発明に係るセパレータの断面SEM(走査型電子顕微鏡)像を用いて測定することができ、平均厚さは、任意の5点の厚さの平均値として算出することができる。
支持塩の分解物層の被覆率は、セパレータ内部へのガスの侵入の抑制効果の観点から5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。また、被覆率の上限は特に限定されず、100%であってもよい。なお、支持塩の分解物層の被覆率は、本発明に係るセパレータの表面SEM(走査型電子顕微鏡)像のEDX分析することで測定することができ、EDX分析によってPまたはFが検出される領域の面積/視野の面積×100(%)という式で求めることができる。平均被覆率は、任意の5点の視野から算出した被覆率の平均値として算出することができる。
本発明において、「支持塩の分解物層」とは、リチウムイオン二次電池の電解液中の支持塩が初回充電により分解することにより生成する化合物を含む層を意味する。
基材上に支持塩の分解物を含む層が形成されていることは、セパレータ表面を赤外線吸収スペクトル測定(IR測定)、核磁気共鳴(NMR)、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、エネルギー分散型X線分析(EDX分析)等により解析し、支持塩を構成する元素、または部分構造を検出することによって確認することができる。
一例として支持塩がLiPFを含む場合、セパレータの基材上に形成された支持塩の分解物層は、IR分析において825〜865nm(845nm付近)にP−F結合を示す吸収、好ましくは最大吸収を示す。従って、分解物層は、少なくともLi、P、F、OおよびCを含み、且つ少なくともその一部としてP−F結合を有する化合物を含む、電解液に不溶の複合的な無機物層(有機物を含んでいてもよい)である。P−F結合を有する化合物は、例えば、少なくとも一つの酸素原子をフッ素で置換したリン酸エステル化合物などである。
また、分解物層を断面SEM画像のEDX分析によって詳細に分析したところ、表面はP−F結合を有する層が主成分であったが、内部は酸素を主成分とする層で形成されていた。内部の層からはP、Fなどの強度が弱いことから、LiOやLiCOを主成分とする層であると推測できる。従って、分解物層は、好ましくは層の表面側と層の内部で組成が異なり、表面側でP−F結合を有する化合物の割合が大きく、内部ではPおよび/またはFを含有する化合物の割合が少なく、例えばLiOやLiCOのようなLi、OおよびCを含有する化合物の割合が大きい無機物層である。
本発明は、さらに、基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有するリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法に関する。
本発明に係るセパレータは、例えば以下の方法で作製することができる。セパレータの基材部分のみを正極と負極で挟み込んだ積層体を作製し、支持塩(Li塩)を含有する電解液を封入してセルを少なくとも2セル以上作製する。一つ目のセルを所定の電流値で充電し、電圧が一時的に低下し始める点における電圧を測定し、この電圧をVとする。当該電圧Vは、リチウムの析出による短絡が生じる電圧であると推定される。二つ目以降のセルにおいて、上記一つ目のセルと同条件の定電流充電により、電圧がV±0.1V以内に到達するまで初充電を行うことで、Li塩の分解物層を形成することができる。初充電終了時の電圧が低すぎる場合、有効なLi塩の分解物層を形成することができず、短絡防止効果が低下する。また、初充電終了時の電圧が高すぎる場合、支持塩が過剰に消費されることによりその後のサイクル特性が低下する、また、分解物層が過剰に形成され、抵抗の上昇及び寿命の低下につながる恐れがある。
上記の製造方法において採用する充電レートは特に限定されるものではないが、生産効率の観点からは、セルの初回充電容量を1時間で充電する電流値を1Cとして0.05C〜0.5Cの定電流とすることが好ましい。また、短絡防止の観点からは、二つ目以降のセルの初回充電において、電圧がV±0.1Vに到達後、速やかに放電を行うことが好ましい。なお、電圧がV±0.1Vに到達するまでの間に1回以上の充放電サイクルを行ってもよいが、生産効率の観点からは、初回の充電において電圧V±0.1Vまで充電を行うことが好ましい。
以下、本発明に係るセパレータを用いたリチウム二次電池の構成について説明する。
二次電池は、電極の構造や形状等により、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型および積層ラミネート型等、種々のタイプがある。本発明はこれらの何れのタイプにも適用可能である。これらのうち、本発明が適用される二次電池の形状は、電池要素が発熱したときの放熱性に優れている観点から、積層ラミネート型であることが好ましい。以下、積層ラミネート型の二次電池について説明する。
積層ラミネート型の二次電池は、電池要素と、電池要素を封止した外装体とを有する。電池要素の断面模式図を図1に示す。図1に示すように、電池要素は、複数の負極aと複数の正極cとを、本発明に係る支持塩の分解物層を有するセパレータbを間に挟んで交互に積層した構成を有することができる。本発明に係るセパレータによれば、基材上の支持塩の分解物層がセパレータ内へのガスの侵入を防止し、リチウム析出を生じにくくできる。さらに、リチウムが析出した場合においても、析出した金属リチウムが負極から正極に到達することを抑制することができる。従って、当該分解物層がセパレータの少なくとも負極側表面に存在するように構成することがより好ましい。電解液は、これら負極a、正極cおよびセパレータbとともに、外装体内に封止される。負極aは、セパレータbから突き出ている延長部(タブともいう)を有している。延長部は、負極aが有する負極集電体dの負極活物質に覆われていない端部である。正極cも同様、正極cの正極集電体eの正極活物質に覆われていない端部である延長部(タブ)がセパレータbから突き出ている。正極cの延長部と負極aの延長部は、正極cと負極aとを積層したときに互いに干渉しない位置に形成されている。すべての負極aの延長部は一つに集められて、負極端子gに溶接により接続される。正極cも同様に、すべての正極cの延長部が一つに集められて、正極端子fに溶接によって接続される。
さらに別の態様としては、図6および図7のような構造の二次電池としてもよい。この二次電池は、電池要素20と、それを電解質と一緒に収容するフィルム外装体10と、正極タブ51および負極タブ52(以下、これらを単に「電極タブ」ともいう)とを備えている。
電池要素20は、図7に示すように、複数の正極30と複数の負極40とがセパレータ25を間に挟んで交互に積層されたものである。正極30は、金属箔31の両面に電極材料32が塗布されており、負極40も、同様に、金属箔41の両面に電極材料42が塗布されている。
図1の二次電池は電極タブが外装体の両側に引き出されたものであったが、本発明を適用しうる二次電池は図6のように電極タブが外装体の片側に引き出された構成であってもよい。詳細な図示は省略するが、正極および負極の金属箔は、それぞれ、外周の一部に延長部を有している。負極金属箔の延長部は一つに集められて負極タブ52と接続され、正極金属箔の延長部は一つに集められて正極タブ51と接続される(図7参照)。このように延長部どうし積層方向に1つに集めた部分は「集電部」などとも呼ばれる。
フィルム外装体10は、この例では、2枚のフィルム10−1、10−2で構成されている。フィルム10−1、10−2どうしは電池要素20の周辺部で互いに熱融着されて密閉される。図7では、このように密閉されたフィルム外装体10の1つの短辺から、正極タブ51および負極タブ52が同じ方向に引き出されている。
当然ながら、異なる2辺から電極タブがそれぞれ引き出されていてもよい。また、フィルムの構成に関し、図6、図7では、一方のフィルム10−1にカップ部が形成されるとともに他方のフィルム10−2にはカップ部が形成されていない例が示されているが、この他にも、両方のフィルムにカップ部を形成する構成(不図示)や、両方ともカップ部を形成しない構成(不図示)なども採用しうる。
以下、各要素について詳細に説明する。
<負極>
負極は、金属箔で形成される負極集電体と、負極集電体の両面に塗工された負極活物質とを有する。負極活物質は負極用結着材によって負極集電体を覆うように結着される。負極集電体は、負極端子と接続する延長部を有して形成され、この延長部には負極活物質は塗工されない。
本実施形態における負極活物質は、特に制限されるものではなく、例えば、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料、リチウムと合金可能な金属、およびリチウムイオンを吸蔵、放出し得る金属酸化物等が挙げられる。
炭素材料としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛等)、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等が挙げられる。ここで、結晶性の高い炭素は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
金属としては、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、またはこれらの2種以上の合金等が挙げられる。また、これらの金属又は合金は2種以上混合して用いてもよい。また、これらの金属又は合金は1種以上の非金属元素を含んでもよい。
金属酸化物としては、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはこれらの複合物等が挙げられる。負極活物質として酸化スズ若しくは酸化シリコンを含むことが好ましく、酸化シリコンを含むことがより好ましい。これは、酸化シリコンは、比較的安定で他の化合物との反応を引き起こしにくいからである。また、その全部または一部がアモルファス構造を有することが好ましい。アモルファス構造は、結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する要素が比較的少ないと考えられる。なお、金属酸化物の全部または一部がアモルファス構造を有することは、エックス線回折測定(一般的なXRD測定)にて確認することができる。具体的には、金属酸化物がアモルファス構造を有しない場合には、金属酸化物に固有のピークが観測されるが、金属酸化物の全部または一部がアモルファス構造を有する場合が、金属酸化物に固有ピークがブロードとなって観測される。
なお、炭素材料、金属、金属酸化物を単独で用いずに、混合して用いることもできる。例えば、黒鉛と非晶質炭素のように、同種の材料同士を混合しても良いし、黒鉛とシリコンのように、異種の材料を混合しても構わない。
負極用結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、0.5〜25質量部が好ましい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
<正極>
正極は、金属箔で形成される正極集電体と、正極集電体の両面に塗工された正極活物質とを有する。正極活物質は正極用結着剤によって正極集電体を覆うように結着される。正極集電体は、正極端子と接続する延長部を有して形成され、この延長部には正極活物質は塗工されない。
正極活物質としては、LiMnO、LiMn(0<x<2)、LiMnO、LiMn1.5Ni0.5(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiOまたはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物、これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの、LiFePOなどのオリビン構造を有するもの、等が挙げられる。また、これらの金属酸化物に、Al、Fe,P,Ti,Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等により一部置換した材料も使用することができる。特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)またはLiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
正極活物質は、いくつかの観点から選ぶことができる。高エネルギー密度化の観点からは、高容量の化合物を含むことが好ましい。高容量の化合物としては、リチウム酸ニッケル(LiNiO)またはリチウム酸ニッケルのNiの一部を他の金属元素で置換したリチウムニッケル複合酸化物が挙げられ、下式(A)で表される層状リチウムニッケル複合酸化物が好ましい。
LiNi(1−x) (A)
(但し、0≦x<1、0<y≦1.2、MはCo、Al、Mn、Fe、Ti及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)
高容量の観点では、Niの含有量が高いこと、即ち式(A)において、xが0.5未満が好ましく、さらに0.4以下が好ましい。このような化合物としては、例えば、LiαNiβCoγMnδ(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)、LiαNiβCoγAlδ(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6好ましくはβ≧0.7、γ≦0.2)などが挙げられ、特に、LiNiβCoγMnδ(0.75≦β≦0.85、0.05≦γ≦0.15、0.10≦δ≦0.20)が挙げられる。より具体的には、例えば、LiNi0.8Co0.05Mn0.15、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi0.8Co0.1Al0.1等を好ましく用いることができる。
また、熱安定性の観点では、Niの含有量が0.5を超えないこと、即ち、式(A)において、xが0.5以上であることも好ましい。また特定の遷移金属が半数を超えないことも好ましい。このような化合物としては、LiαNiβCoγMnδ(0<α≦1.2好ましくは1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、0.2≦β≦0.5、0.1≦γ≦0.4、0.1≦δ≦0.4)が挙げられる。より具体的には、LiNi0.4Co0.3Mn0.3(NCM433と略記)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3(NCM523と略記)、LiNi0.5Co0.3Mn0.2(NCM532と略記)など(但し、これらの化合物においてそれぞれの遷移金属の含有量が10%程度変動したものも含む)を挙げることができる。
また、式(A)で表される化合物を2種以上混合して使用してもよく、例えば、NCM532またはNCM523とNCM433とを9:1〜1:9の範囲(典型的な例として、2:1)で混合して使用することも好ましい。さらに、式(A)においてNiの含有量が高い材料(xが0.4以下)と、Niの含有量が0.5を超えない材料(xが0.5以上、例えばNCM433)とを混合することで、高容量で熱安定性の高い電池を構成することもできる。
また、ラジカル材料等を正極活物質として用いることも可能である。
正極用結着剤としては、負極用結着剤と同様のものと用いることができる。使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜15質量部が好ましい。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銀、又はそれらの合金を用いることができる。正極集電体の形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウム箔を好適に用いることができる。
正極活物質の塗工層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。導電補助材の量は、正極活物質100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
<電解液>
本実施形態で用いる電解液は、支持塩(リチウム塩)と、この支持塩を溶解する非水溶媒を含む非水電解液を用いることができる。
非水溶媒としては、炭酸エステル(鎖状又は環状カーボネート)、カルボン酸エステル(鎖状又は環状カルボン酸エステル)、リン酸エステル等の非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
炭酸エステル溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体が挙げられる。
カルボン酸エステル溶媒としては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の炭酸エステル(環状または鎖状カーボネート類)が好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
また、非水電解液に含有できる溶媒としては、その他にも、例えば、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)、ブタンスルトン(BS)、Dioxathiolane−2,2−dioxide(DD)、スルホレン、3−メチルスルホレン、スルホラン(SL)、無水コハク酸(SUCAH)、無水プロピオン酸、無水酢酸、無水マレイン酸、ジアリルカーボネート(DAC)、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジフェニルジサルファイド(DPS)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン、クロロエチレンカーボネート、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、ジエチルエーテル、フェニルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、テトラヒドロピラン(THP)、1,4−ジオキサン(DIOX)、1,3−ジオキソラン(DOL)、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルジフルオロアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、メチルフォルメイト、エチルフォルメイト、エチルブチレート、イソプロピルブチレート、メチルイソブチレート、メチルシアノアセテート、ビニルアセテート、ジフェニルジスルフィド、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、アジポニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、イソブチロニトリル、ビフェニル、チオフェン、メチルエチルケトン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、カーボネート電解液、グライム、エーテル、アセトニトリル、プロピオンニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)イオン液体、ホスファゼン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、又は、これらの化合物の一部の水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。
非水溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態における支持塩としては、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO等の通常のリチウムイオン二次電池に使用可能なリチウム塩を用いることができる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。支持塩の電解液中の濃度は、0.5M以上2M以下であることが好ましく、0.7M以上1.5M以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態では、電解液がさらに添加剤を含むことができる。添加剤としては特に限定されるものではないが、過充電防止剤、界面活性剤、皮膜形成添加剤等が挙げられる。
添加剤の例としては、例えば、フッ素化環状カーボネート、不飽和環状カーボネート、環状ジスルホン酸エステル等が挙げられる。これらの化合物は、二次電池の充放電時に電極活物質表面に皮膜を形成し、サイクル特性等の電池特性を改善することができる。
一方、これらの添加剤は充放電時のガス発生の原因となり、結果としてリチウムの析出を増加させる場合がある。しかし、本発明においては、その理由は明らかではないが、ガスがセパレータ内部に入ることによってより効果的に支持塩の分解物層が形成される傾向があり、これらの化合物を用いた場合に、より優れた短絡防止効果が得られる場合がある。
フッ素化環状カーボネートとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物を挙げることができる。
式(1)において、A、B、CおよびDは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン化アルキル基であり、A、B、CおよびDの少なくともひとつは、フッ素原子またはフッ素化アルキル基である。アルキル基およびハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。
フッ素化環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の一部または全部の水素原子をフッ素原子に置換した化合物等を挙げることができ、中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート:FEC)が好ましい。
フッ素化環状カーボネートの含有量は、特に制限されるものではないが、電解液中0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
不飽和環状カーボネートは、分子内に炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する環状カーボネートであり、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニレンエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,4−ジメチル−5−メチレンエチレンカーボネート、4,4−ジエチル−5−メチレンエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート化合物等が挙げられる。中でも、ビニレンカーボネート又は4−ビニルエチレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネートが特に好ましい。
不飽和環状カーボネートの含有量は、特に制限されるものではないが、電解液中0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
環状ジスルホン酸エステルとしては、例えば、下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
式(2)において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン基、アミノ基からなる群の中から選ばれる置換基である。Rは炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルホニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキレン基、または、エーテル基を介してアルキレン単位もしくはフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基を示す。)
式(2)において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン基であることが好ましく、Rは、炭素数1または2のアルキレン
基またはフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
式(2)で表される環状ジスルホン酸エステルの好ましい化合物としては、例えば以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
環状ジスルホン酸エステルの含有量は、電解液中0.005質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。0.005質量%以上含有することにより、十分な皮膜効果を得ることができる。また、含有量が10質量%以下であると電解液の粘性の上昇、及びそれに伴う抵抗の増加を抑制することができる。
添加剤は1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができるが、2種以上の添加剤を組合せて使用する場合、添加剤の含有量の合計が、電解液中0.5質量%以上5質量%以下となるように添加することが好ましい。
<外装体>
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウムと樹脂のラミネートフィルムを用いることが好ましい。外装体は、単一の部材で構成してもよいし、複数の部材を組み合わせて構成してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材には、厚さ25μm、空孔率70%のアラミド不織布膜を用いて、以下に示すような電池を作製した。
(正極)
LiNi0.8Co0.15Al0.05と、炭素導電剤(アセチレンブラック)と、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを重量比92:4:4でN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリーを作製し、アルミニウムによる集電箔に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した。同様にしてアルミニウムによる集電箔の裏面にも活物質層を形成したあと、圧延して正極電極板を得た。
(負極)
天然黒鉛と、増粘剤のカルボキシメチルメチルセルロースナトリウムと、結着材のスチレンブタジエンゴムとを、重量比98:1:1で水溶液中に混合してスラリーを作製し、銅による集電箔に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した。同様にして、銅による集電箔の裏面にも活物質層を形成したあと、圧延して負極電極板を得た。
(電解液)
電解液の非水溶媒には、ECとDECを、体積比30:70で混合した非水溶媒を用いた。支持塩として、1Mの濃度になるようにLiPFを溶解した。さらに、化合物(2−1)、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートを1重量%ずつ添加した。
(電池の作製)
正極電極板と負極電極板を、セパレータの基材を介して積層し、電極体を作製した。積層した正極板と負極板それぞれに電流取り出し端子を接続し、アルミニウムと樹脂のラミネートフィルム外装体に、収容した。電解液を外装体内に注入した後、外装体を減圧封止して電池とした。セルの初回充電容量が100mAhになるように電極体のサイズを調整した。
(初充電処理)
一つ目の電池を30mAで充電したところ、3.8Vで電圧が一時的に低下した。二つ目の電池は、同様の電流値で3.8Vに到達するまで充電を行った。その後、2.5Vに到達するまで、100mAで放電を行い、基材上にLi塩の分解物層を形成した。この二つ目のセルを用いて以下の測定を実施した。
(電池特性評価)
作製した電池を、30mAの電流値で、電池電圧4.2Vまで定電流定電圧モードで充電した。充電により、電池の電圧は4.2Vまで上昇し、充電中や充電終了後に電池電圧の低下は見られなかった。
上記のセルを分解し、セパレータの観察を行ったところ、基材上に微多孔状の層が形成されていることが分かった(図2)。さらに、形成された層表面のIR分析において845nm付近に最大吸収が認められ(図3)、これは、LiPFの分解物に由来するP−F結合を含む成分であると考えられる。IR分析は、SpectrumSpotlight200(パーキンエルマー製)と、検出器としてMCT検出器を用いた。4000〜7000cm−1の周波数領域についてATR法で測定を行った。積算回数は43回とした。支持塩の分解物層の平均厚さは5μmであり、また、被覆率は15%であった。
参考例1
実施例1と同様の手順で電池を作製した。
(初充電処理)
一つ目の電池を30mAで充電したところ、3.8Vで電圧が一時的に低下した。二つ目の電池は、同様の電流値で3.5Vに到達するまで充電を行った。その後、2.5Vに到達するまで、100mAで放電を行った。
上記のセルを分解し、セパレータの観察を行ったところ、支持塩の分解物層の平均厚さは0.5μmであり、また、被覆率は2%であった。
(電池特性評価)
作製した電池を、30mAの電流値で、電池電圧4.2Vまで定電流定電圧モードで充電した。充電中、3.9V付近で電圧が一時的に低下し、正負極が短絡している様子が観測された。
実施例1の電池では、初回充電時にリチウム析出による短絡が生じる直前の電圧まで充電し、その直後に放電を行ったことにより、セパレータ上に支持塩の分解物を含む層を効果的に形成することができ、2回め以降の充放電において短絡による電池電圧の低下を抑制できたものと推定される。一方、参考例1の電池では、初充電時に、有効な支持塩の分解層が形成されなかったため、2回め以降の充放電においてセパレータへのガスの侵入を抑制できず、正負極の短絡に至ったものと推定される。
比較例1
基材として厚さ25μm、空孔率55%のポリプロピレン膜を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順でセルを作製し、初充電処理を行った。
上記のセルを分解し、基材の観察を行ったところ、Li塩の分解物層は確認できなかった。
比較例1より、内部にガスが入らないセパレータを用いた場合、支持塩の分解物層が形成されないことが示唆される。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、本出願の開示事項は以下の付記に限定されない。
(付記1)
基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有することを特徴とする、リチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記2)
前記基材の空孔率が60%以上である、付記1に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記3)
前記基材が不織布を含む、付記1または2に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記4)
前記基材が、熱溶融温度または熱分解温度が160℃以上の樹脂を含む、付記1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記5)
前記基材がアラミド樹脂を含む、付記1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記6)
前記支持塩の分解物層が、IR測定において825〜865nmに検出可能な吸収を有する、付記1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記7)
前記支持塩の分解物層が、IR測定において825〜865nmに最大吸収を有する、付記6に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記8)
前記支持塩の分解物層の平均厚さが1μm以上20μm以下である、付記1〜7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記9)
前記支持塩の分解物層による基材の平均被覆率が10%以上100%以下である、付記1〜8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(付記10)
付記1〜9のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータを有するリチウムイオン二次電池。
(付記11)
前記支持塩の分解物層が、セパレータの少なくとも負極側に存在する、付記10に記載のリチウムイオン二次電池。
(付記12)
付記10または11に記載のリチウムイオン二次電池を備えた電動車両。
(付記13)
付記10または11に記載のリチウムイオン二次電池を備えた蓄電設備。
(付記14)
基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有するリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法であって、
正極と、負極と、セパレータの基材と、支持塩を含有する電解液と、を有するリチウムイオン二次電池を2個以上製造する工程と、
1個めのリチウムイオン二次電池を所定の電流値(I)で充電し、電圧が一時的に低下する電圧(V)を測定する工程と、
残りのリチウムイオン二次電池を、前記電流値(I)で電圧がV±0.1Vに到達するまで充電する工程と、次いで、放電する工程と、
を含むことを特徴とする、セパレータの製造方法。
(付記15)
基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有するセパレータを備えたリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
正極と、負極と、セパレータの基材と、支持塩を含有する電解液と、を有するリチウムイオン二次電池を2個以上製造する工程と、
1個めのリチウムイオン二次電池を所定の電流値(I)で充電し、電圧が一時的に低下する電圧(V)を測定する工程と、
残りのリチウムイオン二次電池を、前記電流値(I)で、電圧がV±0.1Vに到達するまで充電する工程と、次いで、放電する工程と、
を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明による電池は、例えば、電源を必要とするあらゆる産業分野、ならびに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野にて利用することができる。具体的に
は、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の電源;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車などの電動車両を含む、電車や衛星や潜水艦などの移動・輸送用媒体の電源;UPSなどのバックアップ電源;太陽光発電、風力発電などで発電した電力を貯める蓄電設備;などに、利用することができる。
上記の各種機器および蓄電設備の一例として、図4および図5に、それぞれ電気自動車200および蓄電設備300を示す。電気自動車200および蓄電設備300は、それぞれ組電池210、310を有する。組電池210、310は、上述した本発明にかかるセパレータを有する電池を複数、直列および並列に接続し、必要とされる容量および電圧を満たすように構成したものである。
a 負極
b セパレータ
c 正極
d 負極集電体
e 正極集電体
f 正極端子
g 負極端子
10 フィルム外装体
20 電池要素
25 セパレータ
30 正極
40 負極
200 電気自動車
210、310 組電池
300 蓄電設備

Claims (9)

  1. 使用前のリチウムイオン二次電池中のセパレータであって、
    基材の少なくとも片面に、平均厚さが1μm以上20μm以下である支持塩の分解物層を有することを特徴とする、リチウムイオン二次電池用セパレータ。
  2. 前記基材の空孔率が60%以上である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  3. 前記基材が不織布を含む、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  4. 前記基材が、熱溶融温度または熱分解温度が160℃以上の樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  5. 前記基材がアラミド樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  6. 前記支持塩の分解物層が、IR測定において825〜865nmに検出可能な吸収を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  7. 前記支持塩の分解物層が、IR測定において825〜865nmに最大吸収を有する、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータを有するリチウムイオン二次電池。
  9. 基材の少なくとも片面に支持塩の分解物層を有するセパレータを備えたリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    正極と、負極と、セパレータの基材と、支持塩を含有する電解液と、を有するリチウムイオン二次電池を2個以上製造する工程と、
    1個めのリチウムイオン二次電池を所定の電流値(I)で充電し、電圧が一時的に低下する電圧(V)を測定する工程と、
    残りのリチウムイオン二次電池を、前記電流値(I)で、電圧がV±0.1Vに到達するまで充電する工程と、次いで、放電する工程と、
    を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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