JP6819534B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池における内部短絡の防止を目的として、所定の固体電解質層を採用する技術が知られている。例えば特許文献1には、金属リチウムを負極に用い、硫化物固体電解質(Li−P−S系)の粉末にイオン液体であるEMI−TFSA(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド)を加えた材料を固体電解質層に用いた全固体電池が開示されている。特許文献1によれば、固体電解質層中の粉末間の隙間を通ってリチウムデンドライトが成長したとしても、金属リチウムとEMI−TFSAとが反応して、金属リチウムが電子絶縁体化するため、電池の内部短絡が防止できるという。
特開2009−211910号公報
しかしながら、このような全固体電池においては、負極中の金属リチウムと、固体電解質層中のEMI−TFSAとが反応する結果、電極反応に必要とされる金属リチウムが消費され、その結果として電池全体の容量が低下する。したがって、電池の実用性を高めるためには、リチウムデンドライトの成長を抑えると共に、電池の充放電効率を向上させることが必要である。
本開示は全固体電池に関する上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本開示の目的は、リチウムデンドライトの成長を抑制でき、かつ従来よりも充放電効率の高い全固体電池を提供することである。
本開示の全固体電池は、負極層、固体電解質層及び正極層を備える全固体電池であって、負極層は、負極活物質として金属リチウムを含み、固体電解質層は、LiS、P及びLiIを含む硫化物固体電解質と、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドとを含み、固体電解質層全体の質量を100質量%としたとき、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドの含有割合は、1〜10質量%であることを特徴とする。
本開示によれば、固体電解質層において、硫化物固体電解質とテトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドとが共存することによって、固体電解質層中におけるリチウムデンドライトの成長を抑制できる。また、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドは金属リチウムと反応しないため、十分な量の金属リチウムを充放電反応に供することができる結果、従来よりも電池の充放電効率を向上できる。
本開示の全固体電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例1−3及び比較例1−2の全固体電池について、短絡試験結果及び充放電試験結果を重ねて示したグラフである。
本開示の全固体電池は、負極層、固体電解質層及び正極層を備える全固体電池であって、負極層は、負極活物質として金属リチウムを含み、固体電解質層は、LiS、P及びLiIを含む硫化物固体電解質と、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドとを含み、固体電解質層全体の質量を100質量%としたとき、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドの含有割合は、1〜10質量%であることを特徴とする。
図1は、本開示の全固体電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。全固体電池100は、負極層1、正極層2及び固体電解質層3を備える。図1に示すように、固体電解質層3の一方の面に負極層1が存在し、固体電解質層3の他方の面に正極層2が存在する。固体電解質層3を介して、負極層1と正極層2との間にイオンが伝導する。
なお、本開示の全固体電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
固体電解質層は、硫化物固体電解質と、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(以下、このイオン液体を「N5555−TFSA」と称する場合がある。)とを含む。
本開示では、イオン液体であるN5555−TFSAが固体電解質層に浸み込み、当該固体電解質層に存在する空隙を埋めることにより、硫化物固体電解質間の抵抗を押し上げる。そのため、リチウムデンドライトが生成した場合にも、リチウムデンドライトの成長を固体電解質層以外の部位に誘導することができる。その結果、リチウムデンドライトが固体電解質層を貫通することがなく、また、リチウムデンドライトの成長速度を遅くすることにより、電池の短絡を防止することができる。
N5555−TFSAの還元側の電位窓は、リチウムの析出溶解電位(0V vs.Li/Li)よりも卑である。したがって、充電時の負極近傍においてN5555−TFSAが安定に存在するため、金属リチウムとN5555−TFSAとの間の副反応の進行を抑えることができる。また、当該副反応の進行を抑えることにより、電池の不可逆容量を減らすことができ、その結果、電池の充放電効率を向上させることができる。
イオン液体のうち、リチウムの析出溶解電位(0V vs.Li/Li)よりも卑である還元側の電位窓を有するものとしては、N5555−TFSAの他にも、ヘキシルトリメチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(P1116−TFSA)、トリエチルオクチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(P2228−TFSA)等がある。しかし、これら他のイオン液体は、N5555−TFSAよりもイオン伝導度が高い。したがって、これら他のイオン液体をLiS−P−LiI系硫化物固体電解質等と併用した場合、当該他のイオン液体が存在する固体電解質層の空隙を縫って、リチウムデンドライトが成長しやすい。そのため、これら他のイオン液体を用いても、リチウムデンドライトによる短絡を防ぐことは難しい。
硫化物固体電解質は、LiS、P及びLiIを含むものであれば、特に限定されない。当該硫化物固体電解質は、固体電解質結晶、非晶性固体電解質、固体電解質ガラスセラミックスのいずれであってもよい。当該硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−P−LiI系硫化物固体電解質、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質等が挙げられる。
硫化物固体電解質のイオン伝導度は、1.5mS/cm以上であることが好ましい。硫化物固体電解質のイオン伝導度が、N5555−TFSAのイオン伝導度(0.15mS/cm)の10倍以上であることにより、リチウムイオンの伝導経路がN5555−TFSAの中よりも硫化物固体電解質内部に偏る結果、リチウムデンドライトの成長を十分に抑えることができるためである。
硫化物固体電解質は予め合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。硫化物固体電解質の合成方法は特に限定されず、例えば、原料(LiS、P及びLiI等)を公知の方法により混合する方法が挙げられる。公知の方法としては、例えば、原料混合物に対し機械的エネルギーを付与することにより化学反応を進行させる方法が例示でき、その中でもボールミル処理等が例示できる。ボールミル処理は乾式、湿式のいずれも採用できる。ただし、均一な硫化物固体電解質を得る観点から湿式ボールミル処理が好ましい。湿式ボールミル処理に供する分散媒は適宜選択できる。湿式ボールミル処理後の混合物は、適宜乾燥させ、必要であればさらに熱処理することにより、目的とする硫化物固体電解質が得られる。
固体電解質層全体の質量を100質量%としたとき、N5555−TFSAの含有割合は1〜10質量%であり、好適には3〜10質量%であり、より好適には4〜8質量%である。N5555−TFSAの当該含有割合が1質量%未満である場合には、後述する比較例1に示すように、固体電解質層にリチウムが析出し、充放電に使えるリチウム量が減ってしまうため、全固体電池の充放電効率が低い。一方、N5555−TFSAの当該含有割合が10質量%を超える場合には、後述する比較例2に示すように、イオン伝導度が比較的低いN5555−TFSAが固体電解質層に多く存在する結果、全固体電池の充放電効率が低い。
固体電解質層の作製方法は、硫化物固体電解質中にN5555−TFSAが均一に分散した固体電解質層が得られる方法であれば、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、硫化物固体電解質とN5555−TFSAとを乳鉢等により混合し、得られた混合物を成形する方法等が挙げられる。
負極層は負極活物質として金属リチウムを含む。金属リチウムは、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
負極層は、金属リチウムを含む負極活物質層の他に、負極集電体を含んでいてもよい。負極集電体の材料は、全固体電池に通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、銅等が挙げられる。
正極層は、正極活物質層及び正極集電体を備えていてもよい。
このうち、正極活物質層は、リチウム化合物を含んでいてもよい。リチウム化合物は、通常、正極活物質として使用される。リチウム化合物には、リチウム合金及びリチウム錯体が含まれる。リチウム化合物としては、例えば、LiS等を用いることができる。
正極活物質層は、硫黄を含んでいてもよい。
正極活物質層は、必要であれば、さらに導電助剤及び固体電解質等を適宜含む。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック等の炭素材料や、金属材料等、リチウム全固体電池に通常使用されるものを用いることができる。
正極活物質層に使用される固体電解質としては、例えば、LiS−P−LiI系硫化物固体電解質、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質等を用いることができる。これらの硫化物固体電解質を用いる場合、LiS、P及びLiI等の含有比率は特に限定されない。
正極活物質層の形成に使用される正極合材は、例えば、硫黄、導電助剤及び固体電解質等を適宜混合することにより調製される。混合比は特に限定されないが、例えば、硫黄:導電助剤:固体電解質=1:1:2(質量比)等が挙げられる。
正極合材のイオン伝導度は、固体電解質層に使用されるN5555−TFSAのイオン伝導度よりも低いことが好ましい。なぜなら、仮に負極側においてリチウムデンドライトが生成した場合にも、正極合材のイオン伝導性が低ければ、リチウムデンドライトが正極側に到達し難くなるためである。
正極合材の調製方法は特に限定されず、例えば、上記正極活物質層用の材料をボールミル等のメカニカルミリングで混合する方法が挙げられる。
正極集電体の材料は、全固体電池に通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
全固体電池の製造方法の一例を以下説明する。まず、固体電解質層の一方の面に正極活物質層を形成し、固体電解質層の他方の面に負極活物質層を形成する。次に、得られた積層体について、正極活物質層に面する側に正極集電体を配置し、負極活物質層に面する側に負極集電体を配置することによって、全固体電池が完成する。
全固体電池は、ガラス容器等の外装体に収容した状態で使用してもよい。全固体電池は、大気に曝さないよう、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気下で保存し、使用することが好ましい。
1.全固体電池の作製
[実施例1]
(1)硫化物固体電解質の合成
LiI(アルドリッチ社製、99.9%)、LiS(日本化学工業社製、99.9%)、P(アルドリッチ社製、99%)を原料とした。これら原料を、LiI:LiS:P=20mol%:60mol%:20mol%の組成比となるように混合し、得られた混合物についてボールミル処理を行った。ボールミル処理は遊星型ボールミルP−7(:商品名、Fritsch社製)を用いた。脱水ヘプタン(関東化学社製)を分散媒として、500rpmの回転数で40時間ボールミル処理を実施した。なお、ボールミル処理は1時間毎に15分間の休止時間を挟んだ。ボールミル処理後の混合物を、100℃で1時間熱処理することにより、ヘプタンを留去し、混合物を乾燥させた。乾燥後の混合物をさらに180℃で3時間熱処理することにより、イオン伝導度が3.2mS/cmの硫化物固体電解質(20LiI・80(0.75LiS・0.25P)、ガラスセラミックス)を得た。
(2)固体電解質層用材料の調製
上記硫化物固体電解質と、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(N5555−TFSA、イオン伝導度:0.15mS/cm)とを乳鉢により混合し、固体電解質層用材料を調製した。このとき、当該材料全体の質量を100質量%としたとき、N5555−TFSAの含有割合が1質量%となるように、硫化物固体電解質とN5555−TFSAの混合比を調節した。
(3)全固体電池の作製
セラミックス製の型(断面積:1cm)に上記固体電解質層用材料130mgを加え、4ton/cmで1分間プレスすることにより、固体電解質層を形成した。
固体電解質層の一方の面上に、正極合材10mgを加え、3ton/cmで1分間プレスすることにより正極活物質層を形成した。ここで、正極合材とは、硫黄(S)、アセチレンブラック(AB)、上記硫化物固体電解質(SE)を、S:AB:SE=1:1:2(質量比)の割合で混合して得られる合材である。この正極合材のイオン伝導度は、0.01mS/cmである。
固体電解質層に対し正極活物質層とは反対側に負極(φ10mmのIn箔の上にφ3mmのLi箔を重ねたもの)を重ね、さらに負極集電体としてCu箔を重ね、1ton/cmで1分間プレスすることにより、負極層(負極活物質層及び負極集電体の積層体)を形成した。なお、負極層側の積層の態様は、固体電解質層/Li箔/In箔/Cu箔とした。
また、正極活物質層側に正極集電体(Al箔)を配置し、得られた積層体全体を6Nで拘束し、一晩静置することにより、実施例1の全固体電池が得られた。
実施例1の全固体電池は、大気曝露しないように、アルゴン雰囲気下のガラス容器に封入した。
[実施例2]
実施例1の「(2)固体電解質層用材料の調製」において、固体電解質層用材料全体の質量を100質量%としたとき、N5555−TFSAの含有割合が5質量%となるように、硫化物固体電解質とN5555−TFSAの混合比を調節したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池(実施例2)を作製した。
[実施例3]
実施例1の「(2)固体電解質層用材料の調製」において、固体電解質層用材料全体の質量を100質量%としたとき、N5555−TFSAの含有割合が10質量%となるように、硫化物固体電解質とN5555−TFSAの混合比を調節したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池(実施例3)を作製した。
[比較例1]
実施例1において、N5555−TFSAを用いずに固体電解質層を形成したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池(比較例1)を作製した。
[比較例2]
実施例1の「(2)固体電解質層用材料の調製」において、固体電解質層用材料全体の質量を100質量%としたとき、N5555−TFSAの含有割合が20質量%となるように、硫化物固体電解質とN5555−TFSAの混合比を調節したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池(比較例2)を作製した。
[比較例3]
実施例1の「(2)固体電解質層用材料の調製」を、以下の工程に置き換えたこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池(比較例3)を作製した。
上記硫化物固体電解質と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミド(EMI−TFSA、イオン伝導度:8.7mS/cm)とを乳鉢により混合し、固体電解質層用材料を調製した。このとき、当該材料全体の質量を100質量%としたとき、EMI−TFSAの含有割合が10質量%となるように、硫化物固体電解質とEMI−TFSAの混合比を調節した。
2.短絡試験
実施例1−3及び比較例1の全固体電池について、充電レートが1Cとなる条件で定電流充電を実施した。ここでいう充電レートとは、25℃の正極活物質の質量から算出した充電容量に基づく値である。全固体電池が短絡するまでの時間を計り、その時間をもって短絡評価の指標とした。
3.充放電試験
実施例1−3及び比較例1−3の全固体電池について、以下の条件で1サイクル充放電を行い、充放電効率を算出した。
測定温度:25℃
<充電条件>充電電圧:2.5V、充電電流:0.5C、充電時間:1時間
<放電条件>放電電圧:0V、放電電流:0.5C、放電時間:1時間
4.考察
下記表1は、短絡試験結果をまとめた表である。下記表2は、充放電試験結果をまとめた表である。
図2は、実施例1−3及び比較例1−2の全固体電池について、短絡試験結果及び充放電試験結果を重ねて示したグラフである。なお、図2中の菱形は実施例1−3及び比較例1の短絡試験結果を示し、左の縦軸(短絡までの時間(分))及び下記表1のデータに対応する。図2中の黒丸は実施例1−3及び比較例1−2の充放電試験結果を示し、右の縦軸(充放電効率(%))及び下記表2のデータに対応する。図2の横軸はN5555−TFSA含有割合(質量%)を表す。横軸が同じ座標を持つデータは、同じ実験例を意味する。
実施例1−3及び比較例1−2の検討の前提として、EMI−TFSAを用いた従来技術である比較例3を検討する。
比較例3の全固体電池の充放電効率は39%である。上記表1より、実施例1−3及び比較例1−2は、比較例3よりも充放電効率が高い。これは、上述した通り、EMI−TFSAを用いた電池においては、負極の金属リチウムの一部がEMI−TFSAと反応し消費されるためである。
次に、比較例1について検討する。上記表1より、比較例1の全固体電池における短絡までの時間は、たったの30分間である。また、上記表2より、比較例1の充放電効率は50%に満たない。これは、固体電解質層にイオン液体が存在しない場合、固体電解質層にリチウムが析出し、充放電に使えるリチウム量が減ってしまうことを意味する。
図2の菱形のデータから分かるように、N5555−TFSA含有割合と、全固体電池における短絡までの時間は、特に当該含有割合が比較的小さい場合において相関がある。すなわち、N5555−TFSA含有割合が大きくなるほど、全固体電池における短絡までの時間が延びる。これは、イオン伝導度の低いN5555−TFSAが固体電解質層に多いほど、リチウムデンドライトの生成を遅らせることができるためであると考えられる。
続いて、比較例2について検討する。上記表2より、比較例2の充放電効率は50%に満たない。図2から分かるように、N5555−TFSAの含有割合が比較的大きい場合には、充放電効率が低下する傾向にある。これは、N5555−TFSAのイオン伝導度が従来のイオン液体よりも低いためであると考えられる。
これに対し、上記表1より、実施例1−3の全固体電池における短絡までの時間は33分以上である。また、上記表2より、実施例1−3の充放電効率は52%以上である。
以上の結果から、固体電解質層中にN5555−TFSAを適切な割合で含むことにより、リチウムデンドライトの成長を抑制でき、かつ従来よりも充放電効率の高い全固体電池が得られることが実証された。
1 負極層
2 正極層
3 固体電解質層
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 負極層、固体電解質層及び正極層を備える全固体電池であって、
    負極層は、負極活物質として金属リチウムを含み、
    固体電解質層は、LiS、P及びLiIを含む硫化物固体電解質と、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドとを含み、
    固体電解質層全体の質量を100質量%としたとき、テトラn−ペンチルアンモニウム−ビストリフルオロメタンスルホニルアミドの含有割合は、1〜10質量%であることを特徴とする、全固体電池。
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