図1は、ドキュメント受渡システム5の全体的な構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、プリントサーバ2Aのハードウェア構成の例を示す図である。図4は、プリントサーバ2Aの機能的構成の例を示す図である。図5は、名刺管理サーバ2Bの機能的構成の例を示す図である。
ドキュメント受渡システム5は、文書、写真、絵、または図表などの画像からなるドキュメントの受渡しを2人のユーザ同士で行うのを支援するシステムである。ドキュメント受渡システム5によると、同じ組織に所属する2人のユーザ同士によるドキュメントの受渡しが認められる。さらに、所定の条件を満たす場合に、異なる組織に所属する2人のユーザ同士によるドキュメントの受渡しが認められる。
図1に示すように、ドキュメント受渡システム5は、プリントサーバ2A、名刺管理サーバ2B、複数のローカルエリアネットワーク3、および通信回線4などによって構成される。
ローカルエリアネットワーク3は、1台または複数台の画像形成装置1、ゲートウェイ301、および通信回線302などによって構成される。画像形成装置1およびゲートウェイ301は、通信回線302を介して通信することができる。通信回線302は、ハブおよびツイストペアケーブルなどによって構成される。
ローカルエリアネットワーク3は、企業、役所、または学校などの組織の施設ごとに設けられる。ビルのテナントである組織がローカルエリアネットワーク3をビルの部屋に設けることもあれば、自ら建物を有する組織がその建物にローカルエリアネットワーク3を設けることもある。1つの組織が1つのローカルエリアネットワーク3を有することもあれば、複数のローカルエリアネットワーク3を有することもある。
ゲートウェイ301は、ローカルエリアネットワーク3の中の装置(例えば、画像形成装置1)とローカルエリアネットワーク3の外の装置(例えば、プリントサーバ2A)との間で行われる通信を、通信回線302および通信回線4を介して中継する。ゲートウェイ301として、ルータなどが用いられる。通信回線4として、インターネット、公衆回線、または専用線が用いられる。
以下、各ローカルエリアネットワーク3を、「ローカルエリアネットワーク3A」、「ローカルエリアネットワーク3B」、「ローカルエリアネットワーク3C」、…と区別して記載することがある。
各ユーザには、ユニークなユーザコードが予め与えられている。また、各組織には、ユニークな組織コードが予め与えられている。
画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング、スキャン、ファックス、およびクラウドプリントなどの機能を集約した装置である。
「ネットワークプリンティング」は、画像形成装置1が所属するローカルエリアネットワーク3の中のパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどの端末装置から送信されたドキュメントのデータを受信し、このデータに基づいてドキュメントを用紙に印刷する機能である。「ネットワークプリント」または「PCプリント」と呼ばれることもある。
「クラウドプリント」は、インターネット上のサーバを経由して外部の装置からドキュメントのデータを受信しドキュメントを用紙に印刷する機能である。本実施形態では、プリントサーバ2Aを経由してデータが受信される。
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、NIC(Network Interface Card)10e、モデム10f、操作キーパネル10g、タッチパネルディスプレイ10h、スキャンユニット10i、およびプリントユニット10jなどによって構成される。
NIC10eは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによってプリントサーバ2Aまたは端末装置などと通信を行うための装置である。
モデム10fは、G3などのプロトコルでファックス端末とドキュメントのデータをやり取りするための装置である。
操作キーパネル10gは、テンキー、スタートキー、およびストップキーなど、操作用のキーによって構成される。
タッチパネルディスプレイ10hは、ユーザに対するメッセージを与えるための画面、処理の結果を示す画面、またはユーザが画像処理装置1に対して指示を入力するための画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10hは、タッチされた位置を検知し、CPU10aへその位置を通知する。
ユーザは、操作キーパネル10gまたはタッチパネルディスプレイ10hを操作することによって、画像処理装置1に対してコマンドを与えたりデータを入力したりすることができる。
スキャンユニット10iは、ドキュメントを用紙から読み取って画像データを生成する。
プリントユニット10jは、スキャンユニット10iによって読み取られたドキュメントのほか、プリントサーバ2A、端末装置、またはファックス端末などから送信されてきた画像データに示されるドキュメントを用紙に印刷する。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、上述の機能を実現するためのオペレーティングシステムおよびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。特に、クラウドプリント機能のためのプログラムとして、ウェブブラウザ102(図4参照)のプログラムが記憶されている。
さらに、ROM10cまたは補助記憶装置10dには、実績通知プログラム10Pが記憶されている。実績通知プログラム10Pは、ログインおよびジョブの実績をプリントサーバ2Aへ通知するためのプログラムである。
これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
以下、これらの画像形成装置1のうち、ローカルエリアネットワーク3Aに設けられている画像形成装置1を、「画像形成装置1A1」、「画像形成装置1A2」、…と記載することがある。ローカルエリアネットワーク3Bに設けられている画像形成装置1を「画像形成装置1B1」、「画像形成装置1B2」、…と記載することがある。ローカルエリアネットワーク3Cに設けられている画像形成装置1を「画像形成装置1C1」、「画像形成装置1C2」、…と記載することがある。
プリントサーバ2Aは、クラウドプリントのサーバであって、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどに用意されたドキュメントを、ユーザが指定した画像形成装置1に印刷させる。
プリントサーバ2Aとして、いわゆるサーバ機またはクラウドサーバが用いられる。以下、サーバ機が用いられる場合を例に説明する。
プリントサーバ2Aは、図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、およびNIC20eなどによって構成される。
NIC20eは、TCP/IPなどのプロトコルによって画像形成装置1および名刺管理サーバ2Bなどと通信を行うための装置である。
ROM20cまたは補助記憶装置20dには、クライアントプリントのサーバ用のプログラムとして、クラウドプリントプログラム20Pが記憶されている。クラウドプリントプログラム20Pによると、図4に示す所属データ記憶部201、デバイスデータ記憶部202、宛先選択肢データ記憶部203、メンテナンスデータ記憶部204、第一の宛先データ登録部211、名刺データ取得部212、リンク可能相手判別部213、第二の宛先データ登録部214、メンテナンスデータ登録部215、ログ記憶部231、プリント指令受付部232、印刷デバイス決定部233、および印刷ジョブ指令部234などが実現される。
名刺管理サーバ2Bは、ドキュメント受渡システム5のユーザの情報およびユーザと関係のある者の情報を管理する。これらの情報は、一般に名刺に記載される情報であって、例えば、氏名ならびに所属する組織の組織名、部署名、住所、電話番号、およびファックス番号などである。
名刺管理サーバ2Bとして、いわゆるサーバ機またはクラウドサーバが用いられる。以下、サーバ機が用いられる場合を例に説明する。
名刺管理サーバ2Bのハードウェアの構成は、プリントサーバ2Aのハードウェアの構成と基本的に同様であり、図3に示した通りである。
ただし、ROM20cまたは補助記憶装置20dには、名刺管理プログラム24Pが記憶されている。名刺管理プログラム24Pによると、図5に示す名刺データ記憶部241、第一の名刺データ登録部242、第二の名刺データ登録部243、および名刺データ提供部244などが実現される。
以下、図4に示す画像形成装置1の各部およびプリントサーバ2Aの各部それぞれの処理ならびに図5に示す名刺管理サーバ2Bの各部の処理について説明する。
〔データの管理および登録〕
図6は、第一の名刺データ6Aおよび第二の名刺データ6Dの例を示す図である。図7は、所属データ6Eの例を示す図である。図8は、デバイスデータ6Fの例を示す図である。図9は、選択肢データ6Gの例を示す図である。図10は、宛先デバイス登録処理の流れの例を説明するフローチャートである。図11は、登録用ウェブページ7Aの例を示す図である。図12は、宛先ユーザ登録処理の流れの例を説明するフローチャートである。図13は、登録用ウェブページ7Bの例を示す図である。図14は、メンテナンスデータ8Aの例を示す図である。図15は、タイプ選択ページ7Eの例を示す図である。図16は、入力ページ7Fの例を示す図である。図17は、入力ページ7Gの例を示す図である。図18は、入力ページ7Hの例を示す図である。
名刺管理サーバ2Bの名刺データ記憶部241には、図6に示すように、ユーザが受け取った名刺ごとの第一の名刺データ6Aが記憶される。第一の名刺データ6Aには、次の情報が示されている。
「名刺コード」は、名刺を識別するための識別子である。なお、名刺コードの頭文字は所定の文字であって、本実施形態では「m」が用いられる。
「ユーザコード」は、その名刺を受け取ったユーザのユーザコードである。「氏名」は、その名刺に記載されている氏名、つまり、その名刺をそのユーザに渡した人物の氏名である。
「組織名」は、その人物が所属する組織の名称である。「部署名」は、その人物が配属されている部署の名称である。「住所」、「電話番号」、および「ファックス番号」は、それぞれ、その組織または部署の住所、電話番号、およびファックス番号である。これらの情報も、その名刺に記載されている。
第一の名刺データ6Aは、次のように第一の名刺データ登録部242によって生成され名刺データ記憶部241に記憶される。
ユーザは、ある人物から名刺を受け取ると、スマートフォンまたはタブレットコンピュータによって次の作業を行う。ユーザは、その名刺の印刷面を撮影する。これにより、名刺の画像データ6B1が生成される。そして、自分のユーザコードおよび受け取った名刺の登録のコマンドを本文に書き画像データ6B1を添付した第一の電子メール6C1を作成し、名刺管理サーバ2Bへ宛てて送信する。
第一の名刺データ登録部242は、第一の電子メール6C1を受信すると、名刺の画像から情報を抽出する公知の方法を画像データ6B1に対して施す。これにより、氏名、組織名、部署名、住所、電話番号、およびファックス番号などが抽出される。
第一の名刺データ登録部242は、「m」から始まるユニークな名刺コードを発行する。そして、発行した名刺コード、第一の電子メール6C1の本文に示されるユーザコード、および抽出したこれらの情報を示すデータを生成し、第一の名刺データ6Aとして名刺データ記憶部241に記憶させる。
さらに、名刺データ記憶部241には、ユーザごとの第二の名刺データ6Dが記憶される。第二の名刺データ6Dに示される情報の項目は、第一の名刺データ6Aに示される情報の項目と同一である。
ただし、「ユーザコード」および「氏名」は、それぞれ、ユーザ本人のユーザコードおよび氏名である。「組織名」は、ユーザ本人が所属する組織の名称である。「部署名」は、ユーザ本人が配属されている部署の名称である。「住所」、「電話番号」、および「ファックス番号」は、それぞれ、その組織または部署の住所、電話番号、およびファックス番号である。
また、名刺コードの頭文字として、第一の名刺データ6Aの名刺コードの頭文字とは異なる所定の文字が用いられる。本実施形態では、「s」が用いられる。
第二の名刺データ6Dは、次のように第二の名刺データ登録部243によって生成され名刺データ記憶部241に記憶される。
ユーザは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータによって次の作業を行う。ユーザは、自分の名刺の印刷面を撮影する。これにより、名刺の画像データ6B2が生成される。そして、ユーザは、自分のユーザコードおよび自分の名刺の登録のコマンドを本文に書き画像データ6B2を添付した第二の電子メール6C2を作成し、名刺管理サーバ2Bへ宛てて送信する。
第二の名刺データ登録部243は、第二の電子メール6C2を受信すると、名刺の画像から情報を抽出する公知の方法を画像データ6B2に対して施す。これにより、氏名、組織名、部署名、住所、電話番号、およびファックス番号などが抽出される。
第二の名刺データ登録部243は、「s」から始まるユニークな名刺コードを発行する。そして、発行した名刺コード、第二の電子メール6C2の本文に示されるユーザコード、および抽出したこれらの情報を示すデータを生成し、第二の名刺データ6Dとして名刺データ記憶部241に記憶させる。
なお、名刺に電子メールアドレスが示される場合は、第二の名刺データ登録部243は、それを抽出し、それが示されるように第二の名刺データ6Dを生成する。
プリントサーバ2Aにおいて、所属データ記憶部201は、図7に示すように、ユーザごとの所属データ6Eが予め記憶されている。所属データ6Eには、ユーザのユーザコードおよびそのユーザが所属する組織の組織コードが示されている。
新たなユーザがいずれかの組織に所属した場合は、そのユーザの所属データ6Eが管理者によって所属データ記憶部201に登録される。また、既存のユーザが組織を抜けた場合は、そのユーザの所属データ6Eが管理者によって所属データ記憶部201から削除される。
デバイスデータ記憶部202は、図8に示すように、画像形成装置1ごとのデバイスデータ6Fが管理者によって予め記憶されている。デバイスデータ6Fには、次の情報が示されている。
「デバイスコード」は、ドキュメント受渡システム5の管理者などがその画像形成装置1を識別するための識別子である。「組織コード」は、その画像形成装置1が設置されている組織の組織コードである。「機種名」は、その画像形成装置1の機種の名称または型番である。
「組織内識別子」は、その組織における、その画像形成装置1の識別子である。「ニックネーム」は、その組織に属するユーザがその画像形成装置1を他の画像形成装置1と区別しやすくするための名称である。
「ゲートウェイアドレス」は、その画像形成装置1が設けられているローカルエリアネットワーク3のゲートウェイ301のIP(Internet Protocol)アドレスである。「自己IPアドレス」および「MACアドレス」は、それぞれ、その画像形成装置1自身に与えられているIPアドレスおよびMAC(Media Access Control)アドレスである。
なお、新たな画像形成装置1がいずれかの組織に設置された場合は、その画像形成装置1の管理者が、その画像形成装置1の、上述の各項目の情報を管理者用の端末装置39(例えば、パーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータなど)に入力する。すると、入力された情報を示すデータがプリントサーバ2Aへ送信され、そのデータがデバイスデータ6Fとしてデバイスデータ記憶部202に登録される。
既存の画像形成装置1が使用されなくなった場合は、その画像形成装置1の管理者は、その画像形成装置1の識別子(例えば、MACアドレス)および削除のコマンドを端末装置39へ入力する。すると、入力された識別子およびコマンドがプリントサーバ2Aへ通知され、その画像形成装置1のデバイスデータ6Fがデバイスデータ記憶部202から削除される。
また、既存の画像形成装置1が同じ組織内で移動した場合は、その画像形成装置1の管理者は、移動後の環境などに対応したニックネーム、ゲートウェイアドレス、およびIPアドレスなどの情報を適宜、端末装置39へ入力する。すると、入力された情報がプリントサーバ2Aへ通知され、その画像形成装置1のデバイスデータ6Fがそれらの情報に合わせて更新される。
宛先選択肢データ記憶部203には、図9に示すように、ドキュメントの宛先としてユーザが選択することができる選択肢ごとの選択肢データ6Gが記憶されている。選択肢データ6Gには、宛先として、ドキュメントを印刷させる画像形成装置1を設定することもできるし、ドキュメントを与える相手を設定することもできる。選択肢データ6Gには、次の情報が示されている。
「選択肢コード」は、その選択肢データ6Gを識別する識別子である。「ユーザコード」は、その選択肢データ6Gを使用することができるユーザのユーザコードである。
「送信先デバイスコード」は、ドキュメントを印刷させる画像形成装置1を宛先として設定する場合に用いられる情報であって、その画像形成装置1のデバイスコードである。「送信先ユーザコード」は、その相手を宛先として設定する場合に用いられる情報であって、その相手のユーザコードである。なお、送信先デバイスコードおよび送信先ユーザコードのうちのいずれか一方のみが示される。「名称」は、ユーザにとってその宛先を他の宛先と区別しやすくするための情報である。
ユーザは、自分の組織に設けられている画像形成装置1を宛先とするデータを、選択肢データ6Gとして予め宛先選択肢データ記憶部203に記憶させておくことができる。この場合に、選択肢データ6Gが第一の宛先データ登録部211によって生成され宛先選択肢データ記憶部203に記憶される。ここで、第一の宛先データ登録部211による処理の流れを、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ユーザは、タブレットコンピュータ、スマートフォン、またはパーソナルコンピュータなどにインストールされているウェブブラウザ308によって、自分のユーザコードを用いてプリントサーバ2Aへログインする。そして、画像形成装置1を宛先として登録するためのウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を入力する。以下、ログインしたユーザを「ログインユーザ」と記載する。
すると、第一の宛先データ登録部211は、ログインの際に使用されたユーザコードを示す所属データ6Eを所属データ記憶部201(図7参照)から検索し(図10のステップ#701)、その所属データ6Eに示される組織コードを示すデバイスデータ6Fをデバイスデータ記憶部202(図8参照)から検索する(#702)。そして、見つかったデバイスデータ6Fに基づいて図11のような登録用ウェブページ7Aを表示するための画面データ6Hを生成し(#703)、ウェブブラウザ308へ送信する(#704)。
ウェブブラウザ308は、画面データ6Hを受信すると、登録用ウェブページ7Aを表示する。ここで、ログインユーザは、登録したい画像形成装置1のデバイスコードを登録用ウェブページ7Aのリスト7A1の中から選択するとともに、その画像形成装置1に付ける名称をテキストボックス7A2に入力する。そして、登録ボタン7A3を押す。すると、ウェブブラウザ308は、選択されたデバイスコードおよび入力された名称を示す登録要求データ6Jをプリントサーバ2Aへ送信する。
第一の宛先データ登録部211は、登録要求データ6Jを受信すると(#705)、ユニークな選択肢コードを発行する(#706)。そして、「選択肢コード」、「ユーザコード」、「名称」、および「送信先デバイスコード」として、発行した選択肢コード、ログインユーザのユーザコード、登録要求データ6Jに示される名称およびデバイスコードをそれぞれ示すデータを生成し、選択肢データ6Gとして宛先選択肢データ記憶部203に記憶させる(#707)。
さらに、ユーザは、他のユーザを宛先とするデータを選択肢データ6Gとして宛先選択肢データ記憶部203に記憶させることもできる。ただし、ログインユーザとは異なる組織に他のユーザが所属する場合は、所定の条件を満たさなければ登録することができない。
他のユーザを宛先とするデータを選択肢データ6Gとして記憶させる処理は、名刺データ取得部212、リンク可能相手判別部213、および第二の宛先データ登録部214などによって、図12に示す手順で行われる。
ユーザは、ウェブブラウザ308によって、自分のユーザコードを用いてプリントサーバ2Aへログインする。そして、他のユーザを宛先として登録するためのウェブページのURLを入力する。
すると、名刺データ取得部212は、名刺管理サーバ2Bから名刺のデータを取得する処理を次のように行う。
名刺データ取得部212は、そのユーザ(ログインユーザ)のユーザコードを示す名刺要求データ6Kを名刺管理サーバ2Bへ送信する(図12の#711)。
名刺管理サーバ2Bにおいて、名刺データ提供部244は、名刺要求データ6Kを受信すると、名刺要求データ6Kに示されるユーザコードを示す第一の名刺データ6Aを名刺データ記憶部241(図6参照)から検索する。そして、その第一の名刺データ6Aを、受取名刺データ6Lとしてプリントサーバ2Aへ送信する。第一の名刺データ6Aが複数見つかった場合は、それぞれを受取名刺データ6Lとして送信する。これにより、ログインユーザが過去に受け取った名刺のデータがプリントサーバ2Aへ送信される。
さらに、名刺データ提供部244は、名刺要求データ6Kに示されるユーザコードを示す第二の名刺データ6Dを名刺データ記憶部241から検索する。その第二の名刺データ6Dに示される氏名、組織名、部署名、住所、電話番号、およびファックス番号を示す第一の名刺データ6Aを検索する。その第一の名刺データ6Aに示されるユーザコードを示す第二の名刺データ6Dを検索する。そして、その第二の名刺データ6Dを付与先データ6Mとしてプリントサーバ2Aへ送信する。第二の名刺データ6Dが複数見つかった場合は、それぞれを付与先データ6Mとして送信する。これにより、ログインユーザが過去に自分の名刺を渡した相手の名刺のデータがプリントサーバ2Aへ送信される。
そして、プリントサーバ2Aにおいて、名刺データ取得部212は、受取名刺データ6Lおよび付与先データ6Mを受信する(#712)。
すると、リンク可能相手判別部213は、ログインユーザとの間でドキュメント受渡システム5によってドキュメントの受渡しをしてもよい人物(以下、「リンク可能人物」と記載する。)を次のように判別する。
リンク可能相手判別部213は、氏名、組織名、部署名、住所、電話番号、およびファックス番号が共通する受取名刺データ6Lおよび付与先データ6Mを選出し、選出した受取名刺データ6Lまたは付与先データ6Mに係る人物をリンク可能人物であると判別する(#713)。つまり、ログインユーザと互いの名刺を交換した相手をリンク可能人物であると判別する
さらに、リンク可能相手判別部213は、ログインユーザの所属データ6E(図7参照)に示される組織コードを示す他の所属データ6Eを所属データ記憶部201の中から検索し、当該他の所属データ6Eに係る人物をリンク可能人物であると判別する(#714)。つまり、ログインユーザと同じ組織に所属する人物をリンク可能人物であると判別する。
第二の宛先データ登録部214は、リンク可能相手判別部213による判別の結果に基づいて、図13のような登録用ウェブページ7Bを表示するための画面データ6Nを生成し(#715)、ウェブブラウザ308へ送信する(#716)。登録用ウェブページ7Bのリスト7B1は、ステップ#713でリンク可能人物であると判別された人物の受取名刺データ6Lに基づいている。リスト7B2は、ステップ#714でリンク可能人物であると判別された人物の所属データ6Eに基づいている。
ウェブブラウザ308は、画面データ6Nを受信すると、登録用ウェブページ7Bを表示する。ここで、ユーザは、宛先として登録したい人物のユーザコードを登録用ウェブページ7Bのリスト7B1または7B2の中から選択するとともに、その人物に付ける名称をテキストボックス7B3に入力する。そして、登録ボタン7B4を押す。すると、ウェブブラウザ308は、選択されたユーザコードおよび入力された名称を示す登録要求データ6Pをプリントサーバ2Aへ送信する。
第二の宛先データ登録部214は、登録要求データ6Pを受信すると(#717)、ユニークな選択肢コードを発行する(#718)。そして、「選択肢コード」、「ユーザコード」、「名称」、および「送信先ユーザコード」として、発行した選択肢コード、ログインしているユーザのユーザコード、登録要求データ6Pに示される名称およびユーザコードをそれぞれ示すデータを生成し、選択肢データ6Gとして宛先選択肢データ記憶部203に記憶させる(#719)。
メンテナンスデータ記憶部204には、図14に示すように、ドキュメント受渡システム5において実施される画像形成装置1に関するメンテナンス(保守管理)ごとのメンテナンスデータ8Aが記憶されている。
メンテナンスデータ8Aは、以下のタイプ_1、タイプ_2、およびタイプ_3のいずれかの場合にメンテナンスデータ登録部215によって生成されメンテナンスデータ記憶部204に記憶される。
・タイプ_1: ある場所に設置されている画像形成装置1(現デバイス)が他の画像形成装置1(新デバイス)に置き換えられる場合
・タイプ_2: 画像形成装置1(現デバイス)の電源をシャットダウンして点検する場合
・タイプ_3: ある場所に設置されている画像形成装置1(現デバイス)が、他の画像形成装置1に置き換えられることなく撤去される場合
タイプ_1の場合は、管理者は予め、新デバイスのデバイスデータ6Fをデバイスデータ記憶部202(図8参照)に登録しておく。
ここで、メンテナンスデータ8Aの生成および記憶の処理について、説明する。管理者は、メンテナンスデータ8Aを登録するためのトップページのURLを、管理者用の端末装置39のウェブブラウザ309に入力する。
すると、メンテナンスデータ登録部215は、図15のようなタイプ選択ページ7Eを表示するための画面データ8Bをウェブブラウザ309へ送信する。
ウェブブラウザ309は、画面データ8Bを受信すると、タイプ選択ページ7Eを表示する。ここで、管理者は、実施する予定のメンテナンスのタイプを、それに対応する選択ボタン7E1〜7E3をタッチすることによって選択する。
選択ボタン7E1がタッチされた場合は、ウェブブラウザ309は、タイプ_1が選択されたことをプリントサーバ2Aへ通知する。
すると、メンテナンスデータ登録部215は、図16のような入力ページ7Fを表示するための画面データ8Cをウェブブラウザ309へ送信する。
ウェブブラウザ309は、画面データ8Cを受信すると、入力ページ7Fを表示する。入力ページ7Fには、テキストボックス7F1a〜7F1jおよび登録ボタン7F2などが配置されている。テキストボックス7F1a〜7F1jには、次の情報が入力される。
テキストボックス7F1aには、現デバイスが設置されている組織の組織コードが入力される。テキストボックス7F1bには、置換えを行う予定の日時(予定日時)が入力される。
テキストボックス7F1c、7F1d、7F1e、および7F1fには、それぞれ、現デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが入力される。
テキストボックス7F1g、7F1h、7F1i、および7F1jには、それぞれ、新デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが入力される。
管理者は、テキストボックス7F1a〜7F1jに上述の情報を入力し、登録ボタン7F2を押す。
すると、ウェブブラウザ309は、テキストボックス7F1a〜7F1jに入力された情報を示す登録要求データ8Dを生成しプリントサーバ2Aへ送信する。
メンテナンスデータ登録部215は、登録要求データ8Dを受信すると、メンテナンスデータ8Aを2つ生成し、メンテナンスデータ記憶部204に記憶させる。
1つ目のメンテナンスデータ8Aには、次の情報が示される。「組織コード」および「予定日時」として、登録要求データ8Dに示される組織コードおよび予定日時が示される。「組織内識別子」、「シリアルナンバ」、「名称」、および「MACアドレス」として、登録要求データ8Dに示される、現デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが示される。
さらに、メンテナンスの「種類」および「状況」として、「置換」および「未」の各値が示される。「置換」は、現デバイスを他のデバイス(新デバイス)に置き換えることを意味する。「未」は、このメンテナンスが未だ実行されていないことを意味する。
さらに、「IPアドレス」として、現デバイスのIPアドレスが示される。これは、現デバイスのデバイスデータ6F(図8参照)に示されるものである。「新デバイスコード」として、登録要求データ8Dに示される、新デバイスの組織内識別子が示される。
2つ目のメンテナンスデータ8Aには、次の情報が示される。「組織コード」および「予定日時」として、登録要求データ8Dに示される組織内識別子および組織コードが示される。「組織内識別子」、「シリアルナンバ」、「名称」、および「MACアドレス」として、登録要求データ8Dに示される、新デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが示される。
さらに、メンテナンスの「種類」および「状況」として、「設置」および「未」の各値が示される。「設置」は、このデバイス(新デバイス)が現デバイスの代わりに設置されることを意味する。
さらに、「IPアドレス」として、新デバイスのIPアドレスが示される。これは、新デバイスのデバイスデータ6Fに示されるものである。「新デバイスコード」は、NULLである。
または、タイプ選択ページ7Eにおいて選択ボタン7E2がタッチされた場合は、ウェブブラウザ309は、タイプ_2が選択されたことをプリントサーバ2Aへ通知する。
すると、メンテナンスデータ登録部215は、図17のような入力ページ7Gを表示するための画面データ8Eをウェブブラウザ309へ送信する。
ウェブブラウザ309は、画面データ8Eを受信すると、入力ページ7Gを表示する。入力ページ7Gには、テキストボックス7G1a〜7G1fおよび登録ボタン7G2などが配置されている。テキストボックス7G1a〜7G1fには、入力ページ7F(図16参照)のテキストボックス7F1a〜7F1fに入力される情報と同様のものが入力される。
管理者は、テキストボックス7G1a〜7G1fに情報を入力し、登録ボタン7G2を押す。
すると、ウェブブラウザ309は、テキストボックス7G1a〜7G1fに入力された情報を示す登録要求データ8Fを生成しプリントサーバ2Aへ送信する。
メンテナンスデータ登録部215は、登録要求データ8Dを受信すると、メンテナンスデータ8Aを1つ生成し、メンテナンスデータ記憶部204に記憶させる。
このメンテナンスデータ8Aには、次の情報が示される。「組織コード」および「予定日時」として、登録要求データ8Fに示される組織コードおよび予定日時が示される。「組織内識別子」、「シリアルナンバ」、「名称」、および「MACアドレス」として、登録要求データ8Fに示される、現デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが示される。
さらに、メンテナンスの「種類」および「状況」として、「点検」および「未」の各値が示される。「点検」は、現デバイスを一時的に停止させて点検することを意味する。
さらに、「IPアドレス」として、現デバイスのIPアドレスが示される。これは、現デバイスのデバイスデータ6Fに示されるものである。「新デバイスコード」は、NULLである。
または、タイプ選択ページ7Eにおいて選択ボタン7E3がタッチされた場合は、ウェブブラウザ309は、タイプ_3が選択されたことをプリントサーバ2Aへ通知する。
すると、メンテナンスデータ登録部215は、図18のような入力ページ7Hを表示するための画面データ8Gをウェブブラウザ309へ送信する。
ウェブブラウザ309は、画面データ8Gを受信すると、入力ページ7Hを表示する。入力ページ7Hには、テキストボックス7H1a〜7H1fおよび登録ボタン7H2などが配置されている。テキストボックス7H1a〜7H1fには、入力ページ7F(図16参照)のテキストボックス7H1a〜7H1fに入力される情報と同様のものが入力される。
管理者は、テキストボックス7H1a〜7H1fに情報を入力し、登録ボタン7G2を押す。
すると、ウェブブラウザ309は、テキストボックス7H1a〜7H1fに入力された情報を示す登録要求データ8Hを生成しプリントサーバ2Aへ送信する。
メンテナンスデータ登録部215は、登録要求データ8Hを受信すると、メンテナンスデータ8Aを1つ生成し、メンテナンスデータ記憶部204に記憶させる。
このメンテナンスデータ8Aには、次の情報が示される。「組織コード」および「予定日時」として、登録要求データ8Hに示される組織コードおよび予定日時が示される。「組織内識別子」、「シリアルナンバ」、「名称」、および「MACアドレス」として、登録要求データ8Hに示される、現デバイスの組織内識別子、シリアルナンバ、名称、およびMACアドレスが示される。
さらに、メンテナンスの「種類」および「状況」として、「撤去」および「未」の各値が示される。「撤去」は、現デバイスを、新デバイスに置き換えることなく撤去することを意味する。
さらに、「IPアドレス」として、現デバイスのIPアドレスが示される。これは、現デバイスのデバイスデータ6Fに示されるものである。「新デバイスコード」は、NULLである。
〔ログの管理〕
図19は、ログイン実績テーブル7T1およびジョブ実績テーブル7T2の例を示す図である。
実績通知プログラム10Pによると、実績通知部101が画像形成装置1に実現される(図4参照)。
実績通知部101は、画像形成装置1へのユーザのログインの実績およびジョブの実行の実績をプリントサーバ2Aへ通知する。
具体的には、ユーザが画像形成装置1へログインするごとに、実績通知部101は、そのユーザのユーザコード、ログインした日時(ログイン日時)、および画像形成装置1自身のデバイスコードを示すログイン実績データ6Qを生成しプリントサーバ2Aへ送信する。
または、ジョブを実行するごとに、実績通知部101は、ログインしているユーザ(つまり、ジョブの指令を与えたユーザ)のユーザコード、ジョブを実行した日時、および画像形成装置1自身のデバイスコードを示すジョブ実績データ6Rを生成しプリントサーバ2Aへ送信する。
プリントサーバ2Aにおいて、ログ記憶部231は、図19(A)に示すようなログイン実績テーブル7T1および図19(B)に示すようなジョブ実績テーブル7T2を有する。そして、ログイン実績データ6Qが送信されてくるごとに、それをログイン実績テーブル7T1に格納する。また、ジョブ実績データ6Rが送信されてくるごとに、それをジョブ実績テーブル7T2に格納する。
なお、実績通知部101は、ジョブの種類を限定してジョブ実績データ6Rを送信してもよい。例えば、コピーまたはネットワークプリンティングなど、印刷を伴う特定の種類のジョブについてのみ、ジョブ実績データ6Rを送信してもよい。
〔メンテナンスの実施〕
メンテナンスが実施されると、管理者は、そのメンテナンスの内容に応じて、デバイスデータ6Fを新たに追加し、既存のデバイスデータ6Fを更新し、または既存のデバイスデータ6Fを削除する。これらの作業は、上述の通り、端末装置39によって行われる。
さらに、管理者は、そのメンテナンスを実施し始めると、そのメンテナンスのメンテナンスデータ8Aの「状況」の値を「実施中」に更新する。そして、そのメンテナンスを完了すると「済」に更新する。これらの作業も、端末装置39によって行われる。予定日時が経過したら「実施中」に自動的に更新され、その後、管理者が所定の操作を行ったら「済」に更新されるようにしてもよい。
〔クラウドプリントの処理〕
図20は、クラウドプリント処理の流れの例を説明するフローチャートである。図21は、プリント指令ページ7Cの例を示す図である。図22は、送信先決定処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、クラウドプリントの際の各装置の処理について説明する。プリントサーバ2Aにおいては、プリント指令受付部232、印刷デバイス決定部233、および印刷ジョブ指令部234が、図20に示す手順で処理を実行する。
あるユーザは、いずれかの画像形成装置1を操作してウェブブラウザ102によってプリントサーバ2Aへログインし、クラウドプリント用のウェブページのURLを入力する。以下、そのユーザ(ログインユーザ)が画像形成装置1A1を操作する場合を例に説明する。
プリントサーバ2Aにおいて、プリント指令受付部232は、URLが入力されると後、クラウドプリントの指令を受け付けるための処理を次のように実行する。
プリント指令受付部232は、ログインユーザのユーザコードを「ユーザコード」として示す選択肢データ6Gを宛先選択肢データ記憶部203(図9参照)から読み出す(図20の#731)。そして、図21のようなプリント指令ページ7Cをウェブページとして表示するための画面データ6Sを生成し(#732)、画像形成装置1A1へ送信する(#733)。
プリント指令ページ7Cには、読み出した選択肢データ6Gに示される選択肢コードそれぞれに対応するボタン7C1が配置されている。例えば、「U1001」のユーザコードを有するユーザがログインユーザであり、選択肢データ6Gとして選択肢データ6G1、6G2、6G3、および6G6が読み出された場合は、「A0001」、「A0002」、「A0003」、および「A0006」の選択肢コードそれぞれに対応するボタン7C1として、ボタン7C11〜7C14が配置される。
画像形成装置1A1のウェブブラウザ102は、画面データ6Sを受信すると、プリント指令ページ7Cを表示する。
ログインユーザは、送信したいドキュメントの記された用紙をスキャンユニット10iにセットする。そして、そのドキュメントの送信先に対応するボタン7C1を選択する。
すると、画像形成装置1A1は、スキャンユニット10iによってその用紙をスキャンすることによってそのドキュメントの画像データ6Tを生成し、選択されたボタン7C1に対応する選択肢コードを示す送信先指定データ6Uを生成する。ウェブブラウザ102は、画像データ6Tおよび送信先指定データ6Uをプリントサーバ2Aへ送信する。
そして、プリント指令受付部232は、画像データ6Tおよび送信先指定データ6Uを受信することによって、クラウドプリントの指令を受け付ける(#734)。
印刷デバイス決定部233は、送信先指定データ6Uなどに基づいて、画像データ6Tに示されるドキュメントを印刷すべき画像形成装置1(以下、「印刷実行デバイス」と記載する。)を決定する(#735)。決定の手順は、図22に示す通りである。
図22において、印刷デバイス決定部233は、送信先指定データ6Uに示される選択肢コードを示す選択肢データ6Gに送信先デバイスコードが示される場合は(#751でYes)、印刷実行デバイスの候補として、その送信先デバイスコードに対応する画像形成装置1を選出する(#752)。
印刷デバイス決定部233は、選出した画像形成装置1の識別子(例えば、組織コードおよび組織内識別子)を示すメンテナンスデータ8Aがメンテナンスデータ記憶部204(図14参照)に記憶されているか否かをチェックする(#753)。つまり、その画像形成装置1に係るメンテナンスの有無をチェックする。
そのメンテナンスデータ8Aが記憶されていない場合(#754でNo)は、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。
そのメンテナンスデータ8Aがメンテナンスデータ記憶部204に記憶されている場合は(#754でYes)、印刷デバイス決定部233は、そのメンテナンスデータ8Aに示される種類および状況に基づいて、次のように印刷実行デバイスを決定する。
状況が「未」である場合つまりそのメンテナンスデータ8Aに係るメンテナンスが未だ実施されていない場合(#755でYes)は、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。
状況が「済」である場合つまりそのメンテナンスが完了している場合(#755でNo、#756でYes)は、種類が「点検」であれば(#757でYes)、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。「置換」であれば(#756でNo、#757でYes)、そのメンテナンスデータ8Aに示される新デバイスコードに対応する画像形成装置1に決定する(#772)。「撤去」であれば(#757でNo、#758でNo)、印刷実行デバイスがないと決定する(#773)。
状況が「実施中」である場合つまりそのメンテナンスを現在、実施している最中である場合も同様に(#755でNo、#756でNo)、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスがないと決定する(#773)。
一方、その選択肢データ6Gに送信先ユーザコードが示される場合は(#751でNo)、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスの候補を、ログイン実績データ6Qまたはジョブ実績データ6Rに基づいて次のように選出する(#761)。
印刷デバイス決定部233は、その送信先ユーザコードを「ユーザコード」として示すログイン実績データ6Qをログイン実績テーブル7T1(図19(A)参照)から検索する。そして、印刷実行デバイスの候補として、見つかったログイン実績データ6Qに示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出する。そのようなログイン実績データ6Qが複数見つかった場合は、ログイン日時が最も新しいログイン実績データ6Qに示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出する。または、これらのログイン実績データ6Qに最も多く示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出してもよい。
または、印刷デバイス決定部233は、その送信先ユーザコードを「ユーザコード」として示すジョブ実績データ6Rをジョブ実績テーブル7T2(図19(B)参照)から検索する。そして、印刷実行デバイスを、見つかったジョブ実績データ6Rに示されるデバイスコードの画像形成装置1に決定する。そのようなジョブ実績データ6Rが複数見つかった場合は、ログイン日時が最も新しいジョブ実績データ6Rに示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出する。または、これらのジョブ実績データ6Rに最も多く示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出してもよい。
印刷デバイス決定部233は、選出した画像形成装置1の識別子を示すメンテナンスデータ8Aがメンテナンスデータ記憶部204(図14参照)に記憶されているか否かをチェックする(#762)。つまり、その画像形成装置1に係るメンテナンスの有無をチェックする。
そのメンテナンスデータ8Aが記憶されていない場合(#763でNo)は、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。
そのメンテナンスデータ8Aがメンテナンスデータ記憶部204に記憶されている場合は(#763でYes)、印刷デバイス決定部233は、そのメンテナンスデータ8Aに示される種類および状況に基づいて、次のように印刷実行デバイスを決定する。
状況が「未」である場合つまりそのメンテナンスデータ8Aに係るメンテナンスが未だ実施されていない場合(#764でYes)は、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。
状況が「済」である場合つまりそのメンテナンスが完了している場合(#764でNo、#765でYes)は、種類が「点検」であれば(#766でYes)、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスを、印刷実行デバイスの候補として選出した画像形成装置1に決定する(#771)。「置換」であれば(#766でNo、#767でYes)、そのメンテナンスデータ8Aに示される新デバイスコードに対応する画像形成装置1に決定する(#772)。「撤去」であれば(#766でNo、#767でNo)、ステップ#761に戻って、印刷実行デバイスの候補を選出し直す。ただし、先に選出した画像形成装置1を除外して選出し直す。
状況が「実施中」である場合つまりそのメンテナンスを現在、実施している最中である場合も同様に(#764でNo、#765でNo)、ステップ#761に戻って、先に選出した画像形成装置1を除外して印刷実行デバイスの候補を選出し直す。
図22に示した処理によると、例えば次のように印刷実行デバイスが決定される。組織コードが「T002」であり組織内識別子が「MFP−B001」である画像形成装置1がステップ#752またはステップ#761において選出された場合は、この画像形成装置1のメンテナンスデータ8Aつまりメンテナンスデータ8A1に種類として「置換」が示され状況として「済」が示される。したがって、印刷実行デバイスは、新デバイスコードに示される画像形成装置1に決定される。つまり、「MFP−B003」の画像形成装置1に決定される。
この画像形成装置1(新デバイス)のメンテナンスデータ8Aは、メンテナンスデータ8A4である。そして、後述する印刷ジョブ指令部234において、新デバイスは、メンテナンスデータ8A4に示される組織内コード、組織コード、IPアドレス、およびMACアドレスのいずれか1つまたは複数によって識別される。
または、組織コードが「T002」であり組織内識別子が「PRINTER01」である画像形成装置1がステップ#752またはステップ#761において選出された場合は、この画像形成装置1のメンテナンスデータ8Aつまりメンテナンスデータ8A3に種類として「置換」が示され状況として「未」が示される。したがって、印刷実行デバイスは、この画像形成装置1に決定される。つまり、「PRINTER00」の画像形成装置1(新デバイス)ではなく「PRINTER01」の画像形成装置1(現デバイス)に決定される。
図20に戻って、印刷実行デバイスが印刷デバイス決定部233によって決定された場合は(#736でYes)、印刷ジョブ指令部234は、印刷ジョブを実行するための印刷ジョブデータ6Vを生成する(#737)。印刷ジョブデータ6Vは、画像データ6Tを、印刷実行デバイスに対応するページ記述言語に変換するなど、公知の方法によって生成することができる。
そして、印刷ジョブ指令部234は、印刷実行デバイスのデバイスデータ6F(図8参照)をデバイスデータ記憶部202から読み出し(#738)、そのデバイスデータ6Fに示されるゲートウェイアドレス、自己IPアドレス、またはMACアドレスに基づいて印刷実行デバイスへ印刷ジョブデータ6Vを送信する(#739)。これにより、印刷ジョブが印刷実行デバイスへ指令される。
印刷実行デバイスである画像形成装置1は、印刷ジョブデータ6Vを受信すると、印刷ジョブデータ6Vに基づいて印刷の処理を実行する。これにより、ドキュメントが用紙に印刷される。
なお、印刷ジョブ指令部234は、送信元であるユーザに関する情報を印刷ジョブデータ6Vに付加してもよい。例えば、ドキュメントのヘッダまたはフッタにそのユーザの氏名および所属する組織の組織名などを追記して印刷ジョブデータ6Vを生成してもよい。
印刷実行デバイスが印刷デバイス決定部233によって決定されなかった場合は(#736でNo)、プリント指令受付部232は、送信先を選択し直すように促すメッセージを画像形成装置1A1へ送信する(#740)。すると、画像形成装置1A1のウェブブラウザ102は、メッセージを表示し、再びプリント指令ページ7Cを表示する。
図23は、クラウドプリントプログラム20Pによる全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。図24は、名刺管理プログラム24Pによる全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、プリントサーバ2Aおよび名刺管理サーバ2Bそれぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
プリントサーバ2Aは、クラウドプリントプログラム20Pに基づいて、図23に示す手順で処理を実行する。
タブレットコンピュータなどのウェブブラウザを用いてユーザがプリントサーバ2Aへログインし、登録用ウェブページ7Aを要求すると(図23の#11でYes)、プリントサーバ2Aは、画像形成装置1を宛先として登録するための処理を実行する(#12)。この処理の手順は、前に図10で説明した通りである。
または、ログイン後、登録用ウェブページ7Bを要求されると(#13でYes)、プリントサーバ2Aは、他のユーザを宛先として登録するための処理を実行する(#14)。この処理の手順は、前に図12で説明した通りである。
または、ログイン実績データ6Qまたはジョブ実績データ6Rを受信すると(#15でYes)、プリントサーバ2Aは、ログイン実績データ6Qをログイン実績テーブル7T1(図19(A)参照)に格納し、または、ジョブ実績データ6Rをジョブ実績テーブル7T2(図19(B)参照)に格納する(#16)。
または、ログイン後、クラウドプリント用のウェブページへのアクセスがあると(#17でYes)、プリントサーバ2Aは、クラウドプリントの処理を実行する(#18)。この処理の手順は、前に図20で説明した通りである。
プリントサーバ2Aは、ステップ#12の処理、ステップ#14の処理、ステップ#16の処理、およびステップ#18の処理を、クラウドプリントのサービスを提供している間(#19でYes)、適宜、実行する。
名刺管理サーバ2Bは、名刺管理プログラム24Pに基づいて、図24に示す手順で処理を実行する。
第一の電子メール6C1を受信すると(図24の#21でYes)、名刺管理サーバ2Bは、第一の電子メール6C1などに基づいて第一の名刺データ6Aを生成し、記憶する(#22)。
または、第二の電子メール6C2を受信すると(#23でYes)、名刺管理サーバ2Bは、第二の電子メール6C2などに基づいて第二の名刺データ6Dを生成し、記憶する(#24)。
または、名刺要求データ6Kをプリントサーバ2Aから受信すると(#25でYes)、名刺管理サーバ2Bは、受取名刺データ6Lおよび付与先データ6Mをプリントサーバ2Aへ送信する(#26)。
名刺管理サーバ2Bは、ステップ#22の処理、ステップ#24の処理、およびステップ#26の処理を、名刺のデータの管理のサービスを提供している間(#27でYes)
適宜、実行する。
本実施形態によると、ある組織の画像形成装置1が他の組織からの無駄なドキュメントを印刷するのを従来よりも確実に防止することができる。また、ドキュメントを従来よりも確実に相手へ届けることができる。
図25は、送信ログデータ6Wの例を示す図である。図26は、電子メール6Xの例を示す図である。図27は、選択用ページ7Jの例を示す図である。
本実施形態では、印刷デバイス決定部233は、図22のステップ#761において、ログイン実績データ6Qまたはジョブ実績データ6Rに基づいて印刷実行デバイスの候補を選出したが、次の方法によって選出してもよい。
印刷ジョブ指令部234は、印刷ジョブデータ6Vを印刷実行デバイスへ送信するごとに、図25のような、印刷実行デバイスのデバイスコード、ユーザが選択したボタン7C1(図21参照)に対応するユーザコード、および印刷ジョブデータ6Vを送信した日時(送信日時)を示す送信ログデータ6Wを生成し、データベースに保存する。なお、ボタン7C1に対応するコードがデバイスコードである場合は、送信ログデータ6Wを保存しない。
印刷デバイス決定部233は、画像データ6Tおよび送信先指定データ6Uを受信すると、送信先指定データ6Uに示される選択肢コードを示す選択肢データ6Gに送信先ユーザコードコードが示される場合は(図22の#751でNo)、ステップ#761の処理として、次の処理を実行する。
印刷デバイス決定部233は、その送信先ユーザコードを「ユーザコード」として示す送信ログデータ6Wをデータベースから検索する。そして、印刷実行デバイスの候補として、その送信ログデータ6Wに示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出する。つまり、送信元のユーザが誰であるかに関わらず、送信先のユーザが過去にドキュメントを受け取るために使用した画像形成装置1を選出する。
そのような送信ログデータ6Wが複数見つかった場合は、印刷デバイス決定部233は、送信日時が最も新しい送信ログデータ6Wに示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出すればよい。または、最も多く示されるデバイスコードの画像形成装置1を選出すればよい。
または、印刷デバイス決定部233は、送信先ユーザコードを示すログイン実績データ6Q、ジョブ実績データ6R、または送信ログデータ6Wが複数見つかり、かつ、これらのデータに示されるデバイスコードが同一でない場合は、送信先ユーザコードのユーザ(送信先ユーザ)へ各データに示されるデバイスコードの画像形成装置1を提示し、印刷実行デバイスとする画像形成装置1を選択させてもよい。
例えば、印刷デバイス決定部233は、図26に示すような電子メール6Xを生成し送信先ユーザの電子メールアドレスへ宛てて送信する。電子メール6Xには、送信先ユーザが受け取るべきドキュメントがあることを知らせるメッセージおよび画像形成装置1を選択するためのウェブページのURLが記されている。なお、送信先ユーザの電子メールアドレスは、送信先ユーザの第二の名刺データ6Dに示されている。送信先ユーザは、自分のスマートフォンなどの端末装置で電子メール6Xを受信すると、URLを、クリックするなどして選択する。すると、端末装置は、そのURLに基づいてプリントサーバ2Aへアクセスする。
すると、印刷デバイス決定部233は、図27のような選択用ページ7Jをウェブページとして表示するためのデータを生成し端末装置へ送信する。すると、端末装置は、選択用ページ7Jを表示する。選択用ページ7Jには、上述の複数のデバイスコードのほか、それぞれに対応する画像形成装置1の機種名およびニックネームが示される。機種名およびニックネームは、デバイスデータ6F(図8参照)に示されるものである。
送信先ユーザは、印刷実行デバイスとする画像形成装置1のデバイスコードを選択し、「印刷」ボタンを押す。すると、端末装置は、選択されたデバイスコードをプリントサーバ2Aへ通知する。
そして、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスの候補として、通知されたデバイスコードの画像形成装置1を選出する。
または、印刷デバイス決定部233は、送信先ユーザがプリントサーバ2Aへログインするのを待つ。そして、送信先ユーザがプリントサーバ2Aへログインしたら、送信先ユーザが使用するウェブブラウザに選択用ページ7Jを表示させる。または、送信先ユーザが画像形成装置1へログインしたら、送信先ユーザがログインしたことをその画像形成装置1からプリントサーバ2Aへ通知する。すると、印刷デバイス決定部233は、その画像形成装置1のウェブブラウザに選択用ページ7Jを表示させる。
送信先ユーザは、印刷実行デバイスとする画像形成装置1のデバイスコードを選択する。すると、ウェブブラウザは、選択されたデバイスコードをプリントサーバ2Aへ通知する。そして、印刷デバイス決定部233は、印刷実行デバイスの候補として、通知されたデバイスコードの画像形成装置1を選出する。
本実施形態では、リンク可能相手判別部213は、ログインユーザと名刺を交換した相手を、リンク可能人物であると判別した。しかし、例えば次の2つの方法のいずれかによって判別してもよい。
まず、第一の方法について、説明する。第一の方法では、FacebookなどのSNS(Social Networking Service)を使用する。名刺データ記憶部241に、各ユーザの第二の名刺データ6Dの代わりに、各ユーザのユーザコードならびにSNSにおけるユーザの識別子および友達を表示するウェブページのURLなどを示すデータ(以下、「SNSデータ」と記載する。)を格納しておく。第一の名刺データ6Aは、不要である。
名刺データ取得部212は、ログインユーザのSNSデータを名刺管理サーバ2Bから受信する。そのSNSデータに示されるURLに基づいてウェブページへアクセスし、ログインユーザの友達の識別子を取得する。取得した識別子を示すSNSデータを名刺データ記憶部241から検索する。
そして、リンク可能相手判別部213は、見つかったSNSデータに示されるユーザコードの人物がリンク可能人物であると判別する。
ユーザが自分の友達を一部のユーザにのみ開示している場合および他のいずれのユーザにも公開していない場合がある。このような場合は、リンク可能相手判別部213は、OAuthおよびSSO(Single Sign On)などの技術によって、そのSNSへのアクセスの認証を予め取得しておき、そのユーザのページへアクセスし、友達の情報を取得すればよい。
次に、第二の方法について、説明する。第二の方法では、親展ファックスの実績のデータを使用する。
「親展ファックス」は、受信側の装置が、ファックスのデータを受信したら直ちにドキュメントを印刷するのではなく、データを特定の記憶領域(例えば、ボックスまたはフォルダ)に保存し、特定の操作(例えば、パスワードの入力)がなされたら印刷する機能である。
ユーザは、画像形成装置1にログインし、親展ファックスの条件として、データを格納する記憶領域の識別子および送信先のファックス番号などを入力する。記憶領域の識別子は、一般に、相手から予め教えてもらわなければならない。したがって、記憶領域の識別子を入力することができることは、相手がそのユーザを関係者として承認していることを意味すると、言える。
画像形成装置1は、入力された条件に基づいて、従来通りの方法で、親展ファックスによるデータの送信を行う。
さらに、画像形成装置1は、送信の実績を示す実績データをプリントサーバ2Aへ送信する。実績データには、そのユーザ(つまり、親展ファックスを指令したユーザ)のユーザコード、送信先のファックス番号、および記憶領域の識別子が示される。
プリントサーバ2Aは、実績データを受信し、データベースに格納する。また、プリントサーバ2Aには、組織ごとのファックス番号を予め記憶させておく。さらに、各画像形成装置1に設けられた、親展ファックス用の記憶領域ごとに、それを使用するユーザのユーザコードとその記憶領域の識別子とを対応付けて予め記憶させておく。
リンク可能相手判別部213は、あるユーザがプリントサーバ2Aへログインし、他のユーザを宛先として登録するためのウェブページへアクセスすると、そのユーザ(ログインユーザ)のユーザコードを示す実績データをデータベースから検索する。見つかった実績データに示されるファックス番号を有する組織を特定する。見つかった実績データに示される識別子に対応する記憶領域を有するユーザのユーザコードを特定する。そして、特定したユーザコードを有するユーザがリンク可能人物であると判別する。
本実施形態では、第二の宛先データ登録部214は、ログインユーザとリンク可能人物とを、リンク可能人物へ確認することなく選択肢データ6Gによって対応付けたが、対応付けをしてもよいか否かをリンク可能人物へ電子メールによって問い合わせて許可を受けた後、対応付けてもよい。さらにログインユーザへも問い合わせて許可を受けた後、対応付けてもよい。
本実施形態では、ドキュメントを送信する側の装置として画像形成装置1を用いたが、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどの端末装置を用いてもよい。
この場合は、ユーザは、ワープロソフト、表計算ソフト、または描画ソフトなどのアプリケーションでドキュメントを作成するなどして、ドキュメントのデータを用意する。そして、送信先を指定する。
すると、端末装置は、ドキュメントのデータを画像データ6Tとしてプリントサーバ2Aへ送信するとともに、指定した送信先の選択肢コードを示すデータを送信先指定データ6Uとしてプリントサーバ2Aへ送信する。
ユーザからの要求に応じて、そのユーザのユーザコードを示す第一の名刺データ6Aを名刺データ記憶部241から削除できるようにしてもよい。
そして、印刷ジョブ指令部234は、印刷ジョブデータ6Vを送信する前に、名刺データ記憶部241に記憶されている最新の第一の名刺データ6Aに基づいて、ログインユーザおよび選択されたリンク可能人物の両者が対応付けられているか否かを判別してもよい。判別の方法は、リンク可能相手判別部213による判別の処理と同様である。そして、両者が対応付けられていれば印刷ジョブデータ6Vを送信し、対応付けられていなければ印刷ジョブデータ6Vを送信するのを中止すればよい。対応付けの確認のためにSNSを用いる場合も、同様に処理すればよい。
さらに、対応付けが解消されている場合に両者を対応付ける選択肢データ6Gを宛先選択肢データ記憶部203から削除する削除部をプリントサーバ2Aに設けてもよい。削除部は、選択肢データ6Gを、その選択肢データ6Gに示される送信先ユーザコードのユーザからの要求に従って削除してもよい。
本実施形態では、印刷実行デバイスの候補として選出された画像形成装置1が点検中である場合は、印刷デバイス決定部233は、他の画像形成装置1を選出しまたは印刷実行デバイスがないと決定したが、点検において代替機が用意される場合は、この代替機を選出してもよい。この場合は、メンテナンスデータ8Aに「新デバイスコード」としてこの代替機の組織内識別子を記しておく。
本実施形態では、プリントサーバ2Aは、ドキュメントを印刷させる画像形成装置1を、メンテナンスの情報に基づいて決定したが、ユーザの移動(席替えまたは転勤)の情報に基づいて例えば次のように決定してもよい。
プリントサーバ2Aのデータベースに、ユーザごとの移動に関する情報(移動するユーザの識別子、移動先、および移動する予定の日時など)を示す移動データを記憶させておく。移動先として、例えば座席の位置が示される。また、画像形成装置1ごとに、設置されている位置を示す位置データを記憶させておく。
印刷デバイス決定部233は、選択肢データ6Gに示される送信先ユーザコードに係るユーザが移動したか否かを、上述の移動データに基づいて判別する。移動した場合は、図22のステップ#761で選出した画像形成装置1を印刷実行デバイスに決定せず、その情報に示される移動先の最寄りに設置されている画像形成装置1に決定する。この画像形成装置1は、位置データに基づいて判別することができる。
または、そのユーザの近傍に位置する他のユーザが日頃使用している画像形成装置1に決定してもよい。このような画像形成装置1は、当該他のユーザのログイン実績データ6Qまたはジョブ実績データ6Rに基づいて選出することができる。
本実施形態では、メンテナンスデータ8Aに示される新デバイスコードとして新デバイスの組織内識別子を用いたが、MACアドレス、シリアルナンバ、または名称などを用いてもよい。または、これらを複数組み合わせて用いてもよい。
1台の画像形成装置1が複数回、メンテナンスの対象になる場合がある。この場合は、その画像形成装置1のメンテナンスデータ8Aが複数、メンテナンスデータ記憶部204に記憶されるが、これらのメンテナンスデータ8Aのうちの最新のものを用いればよい。
その他、ドキュメント受渡システム5、画像形成装置1、プリントサーバ2A、名刺管理サーバ2Bの全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。