JP6819150B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

この発明は画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
近年、画像形成装置においては省エネルギー性能への要求が高まっている。画像形成装置の消費電力の多くは定着装置にて消費されている。従って、被定着媒体である用紙上のトナー以外への無駄な伝熱を抑制することが、省エネルギー性能の向上につながる。また、同時に画像形成装置の高速化が進んでいることから、高速機での省エネルギー性能の向上が望まれている。
ところで、定着装置は、図15(A)に示すように、例えばローラー等の回転体からなる2つの定着回転部材501、502を備えるとともに、少なくとも一方がヒーター等の加熱装置によって定着可能温度に加熱され、両回転部材501、502の圧接荷重によって回転部材間に被定着媒体である用紙600が通過する定着ニップが形成される。なお、符号501a、502aは各回転部材501、502の回転軸である。
従って、省エネルギー性能の向上のためには、トナーを用紙600に定着しているとき以外、換言すれば用紙600がニップを通過していないときに、加熱されている一方の定着回転部材から他方への定着回転部材への熱伝導をさせないようにすることが必要であり、このために用紙がニップを通過していないときは、図15(B)のように、定着回転部材501、502同士が離間するか若しくは圧接荷重が減少するように、定着回転部材501、502のうちの少なくとも一方を移動させることが行われている。
このような定着装置として、図16(A)(B)に示すように、第1、第2の2つの定着回転部材501、502のうちの第1の定着回転部材501の軸501aの位置が固定され、第2の定着回転部材502の軸502aが第1の定着回転部材501の軸501aに対して接離方向に移動可能に配置されるとともに、第2の定着回転部材502の軸502aに、第1の定着回転部材501との圧接方向への付勢力を付与する圧接バネ504を作用させ、かつ第2の定着回転部材502の軸502aに係合することにより圧接バネ504のバネ力に抗して第2の定着回転部材502を第1の定着回転部材501と離間する方向に移動させる位置と、係合を解除する位置との間で回転変位可能な離間カム503を設けた定着装置が提案されている(例えば特許文献1)。
この定着装置では、用紙600がニップを通過していないときは、図16(B)の下側の図に示すように、離間カム503を、第2の定着回転部材502の軸502aに係合して該軸502aを第1の定着回転部材501の軸501aから離間する方向に移動させる位置まで、軸503aを中心として回転させておく。これによって、同図の上側の図に示すように、第1、第2の定着回転部材501、502は離間して、加熱された第1の定着回転部材501から第2の定着回転部材502への熱伝導を可及的に防止する。用紙600がニップを通過するときは、図16(A)の下側の図に示すように、離間カム503を180度回転させて第2の定着回転部材502の軸502aとの係合を解除する位置へ変位させると、該軸502aは圧接バネ504の付勢力を受けて第1の定着回転部材501に接近する方向に移動して、同図の上側の図に示すように、第2の定着回転部材502は第1の定着回転部材501に圧接し、ニップを通過する用紙600に対して十分な定着動作を行う構成となっている。
また、他の定着装置として、図17(A)(B)に示すように、第1、第2の2つの定着回転部材501、502のうちの第1の定着回転部材501の軸501aの位置が固定され、第2の定着回転部材502の軸502aが第1の定着回転部材501の軸501aに対して接離方向に移動可能に配置されるとともに、第2の定着回転部材502の軸502aに、第1の定着回転部材501と離間する方向への付勢力を付与する離間バネ506を作用させ、かつ第2の定着回転部材502の軸502aに係合することにより離間バネ506のバネ力に抗して第2の定着回転部材502を第1の定着回転部材501と接近する方向に移動させる位置と、係合を解除する位置との間で回転変位可能な圧接カム505が設けられた定着装置が提案されている(例えば特許文献2)。
この定着装置では、用紙600がニップを通過していないときは、図17(B)の下側の図に示すように、圧接カム505を第2の定着回転部材502の軸502aに係合しない位置へと退避させておくと、該軸502aは離間バネ506の付勢力を受けて第1の定着回転部材501から離間する方向に移動する。このため、同図の上側の図に示すように、第1、第2の定着回転部材501、502は離間して、加熱された第1の定着回転部材501から第2の定着回転部材502への熱伝導を可及的に防止する。用紙600がニップを通過するときは、同図(A)の下側の図に示すように、圧接カム505は軸505aを中心として180度回転して第2の定着回転部材502の軸502aへ係合する位置へ回転変位し、同図の上側の図に示すように、該軸502aは圧接カム505によって第1の定着回転部材501に接近する方向に移動して第2の定着回転部材502は第1の定着回転部材501に圧接し、ニップを通過する用紙600に対して十分な定着動作を行う構成となっている。
特開2008−151965号公報 特開2014−219699号公報
しかしながら、特許文献1に記載された図16に示す技術のように、圧接バネ504により第1、第2の定着回転部材501、502を圧接させ、離間カム503により両定着回転部材501、502を離間させる技術では、ニップ荷重が安定するまでの時間が長く、圧接速度が遅くなってしまうという問題がある。この理由は、圧接バネ504の付勢力により第1、第2の定着回転部材501、502を圧接させたときに、第1、第2の定着回転部材501、502が狙いの圧縮率(正常な定着性能を発揮できる圧縮率)に達するまで時間を要し、さらに圧接バネ504の付勢力では、しばらくの間振動が収まらないからである。
このため、圧接状態が安定するまでに要する時間が長くなり、その分、両定着回転部材501、502を離間させておく時間が短くなり、熱伝導の遮断効果が損なわれて省エネルギー効果が失われ、また、特に高速機での離間圧接には対応しきれないという問題があった。
また、特許文献2に記載された図17に示す技術のように、離間バネ506により第1、第2の定着回転部材501、502を離間させ、圧接カム505により両定着回転部材501、502を圧接させる技術では、高速な圧接動作は可能であるが、離間バネ506の付勢力が弱かったり経時的に付勢力が低下すると、離間方向への移動が十分ではなくなり、やはり熱伝導の遮断効果が損なわれるという問題があった。
また、図18(A)(B)に示すように、第2の定着回転部材502の軸502aを第1の定着回転部材501とは離間方向に付勢する離間バネ506だけではなく、第2の定着回転部材502の軸502aを第1の定着回転部材501と圧接する方向に付勢する圧接バネ504を介在させ、この圧接バネ504を第1の定着回転部材501に接近する方向に押すように圧接カム505を設けた定着装置も提案されている。
しかし、この定着装置では、圧接バネ504が介在すると、結局は図16に示した定着装置と同じように、ニップ荷重が安定するまでの時間が長く、圧接速度が遅くなってしまい、第1、第2の定着回転部材501、502が狙いの圧縮率に達するまでに時間を要するという問題や、圧接バネ504の付勢力では、しばらくの間振動が収まらないという問題が発生してしまう。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、定着が行われていないときの省エネルギー効果に優れると共に、第1の定着回転部材と第2の定着回転部材との定着時における圧接と非定着時における圧接の解除を高速度で行うことができる定着装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。
(1)圧接荷重によって定着ニップを形成するとともに、少なくとも一方が定着可能温度に加熱される第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材であって、少なくとも一方の定着回転部材が、他方の定着回転部材との間の圧接荷重が増加しまたは減少する方向に移動可能となされた第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材と、移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の減少方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第1のカムと、移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第2のカムと、前記第1のカム及び第2のカムの回転変位を制御する制御手段と、移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に付勢する弾性体と、を備え、前記第2のカムは、前記第1のカムによる前記定着回転部材への作用が解除された後の定着回転部材の圧接動作中の、被定着媒体の前記定着ニップへの突入前の一時期において、前記定着回転部材に作用し、突入時には第2のカムの前記定着回転部材への作用は解除されることを特徴とする定着装置。
(2)前記第1及び第2のカムは、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を回転可能に支持する回転軸を介して、少なくとも一方の前記定着回転部材に作用するとともに、前記回転軸の長さ方向の両端部に一対ずつ配置されている前項1に記載の定着装置。
(3)前記回転軸の長さ方向の一端部に配置されている一対の第1及び第2のカムと、他端部に配置されている一対の第1及び第2のカムを、位相差を設けて回転変位させることにより、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作のタイミングを、回転軸の長さ方向で異ならせる前項2に記載の定着装置。
(4)前記第1及び第2のカムは同一の形状を有している前項1〜3の何れかに記載の定着装置。
(5)前記第2のカムが第1のカムよりも前記定着回転部材に緩やかに作用するように、前記第1及び第2のカムの形状が設定されている前項1〜3の何れかに記載の定着装置。
(6)圧接荷重によって定着ニップを形成するとともに、少なくとも一方が定着可能温度に加熱される第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材であって、少なくとも一方の定着回転部材が、他方の定着回転部材との間の圧接荷重が増加しまたは減少する方向に移動可能となされた第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材と、移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の減少方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第1のカムと、移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第2のカムと、前記第1のカム及び第2のカムの回転変位を制御する制御手段と、を備え、前記第1及び第2のカムは、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を回転可能に支持する回転軸の径方向の両側に対向して配置された第1の軸と第2の軸をそれぞれ中心に回転変位し、前記回転軸に作用することにより少なくとも一方の前記定着回転部材に作用するとともに、前記回転軸の長さ方向の両端部に一対ずつ配置されていることを特徴とする定着装置。
(7)移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に付勢する弾性体を備えている前項6に記載の定着装置。
(8)前記第2のカムは、前記第1のカムによる前記定着回転部材への作用が解除された後の定着回転部材の圧接動作中の一時期において、前記定着回転部材に作用する前項7に記載の定着装置。
(9)圧接動作中の前記一時期は、被定着媒体の前記定着ニップへの突入前の一時期であり、突入時には第2のカムの前記定着回転部材への作用は解除される前項8に記載の定着装置。
(10)前記回転軸の長さ方向の一端部に配置されている一対の第1及び第2のカムと、他端部に配置されている一対の第1及び第2のカムを、位相差を設けて回転変位させることにより、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作のタイミングを、回転軸の長さ方向で異ならせる前項6に記載の定着装置。
(11)前記第1及び第2のカムは同一の形状を有している前項6〜10の何れかに記載の定着装置。
(12)前記第2のカムが第1のカムよりも前記定着回転部材に緩やかに作用するように、前記第1及び第2のカムの形状が設定されている前項6〜10のいずれかに記載の定着装置。
前項(1)に記載の発明によれば、第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材の少なくとも一方の定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を圧接荷重の減少方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第1のカムと、第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材の少なくとも一方に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を圧接荷重の増加方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第2のカムと、を備えているから、第2のカムによって第1の定着回転部材と第2の定着回転部材が圧接し、第1のカムによって第1の定着回転部材と第2の定着回転部材の圧接が解除される。従って、第1の定着回転部材と第2の定着回転部材の圧接を圧接バネにより行い、離間を離間カムによって行う場合のような、ニップ荷重が安定するまでの時間が長く、圧接速度が遅くなってしまい、第1、第2の定着回転部材が狙いの圧縮率に達するまでに時間を要するという問題や、圧接バネの付勢力では、しばらくの間振動が収まらないという問題を解消できるうえ、高速機での離間圧接に対応することができる。また、第1の定着回転部材と第2の定着回転部材の圧接の解除は、第1のカムによって行われるから、圧接の解除を確実に行うことができ、定着が行われていないときの省エネルギー効果に優れた定着装置となる。
また、移動可能な少なくとも一方の定着回転部材を圧接荷重の増加方向に付勢する弾性体を備えているから、第1のカム及び第2のカムの両方が回転変位の途中に作用解除の状態になった瞬間に、定着回転部材が無負荷の状態になって余計な振動を起こすのを防止できる。
また、第2のカムは、第1のカムによる定着回転部材への作用が解除された後の定着回転部材の圧接動作中の、被定着媒体の定着ニップへの突入前の一時期において、定着回転部材に作用し、突入時には第2のカムの作用は解除されるから、被定着媒体の定着ニップへの突入前、短時間でニップ荷重が安定する圧接状態に移行させることができるうえ、移行後は被定着媒体の厚み等が異なっても弾性体により一定の圧接荷重を付与することができ、多様な被定着媒体に対して安定性の高い通紙定着を行うことができる。
前項()に記載の発明によれば、第1及び第2のカムは、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を回転可能に支持する回転軸を介して、少なくとも一方の定着回転部材に作用するとともに、回転軸の長さ方向の両端部に一対ずつ配置されているから、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を圧接荷重の増加方向または減少方向へスムーズに移動させることができる。
前項()に記載の発明によれば、回転軸の長さ方向の一端部に配置されている一対の第1及び第2のカムと、他端部に配置されている一対の第1及び第2のカムを、位相差を設けて回転させることにより、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作のタイミングを、回転軸の長さ方向で異ならせることにより、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作が、回転軸の長さ方向の一端側から他端側へと徐々に行われる。このため、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作が、回転軸の長さ方向の全体で一気に行われて、第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材に生じる衝撃に伴う振動が発生せず、振動が他の部品に伝搬して色ずれ等の画像問題を引き起こす恐れがない。
前項()に記載の発明によれば、第1及び第2のカムは同一の形状を有しているから部品の共通化を図ることができ、コスト低減に繋がる。
前項()に記載の発明によれば、第2のカムが第1のカムよりも定着回転部材に緩やかに作用するように、第1及び第2のカムの形状が設定されているから、第2のカムによる第1の定着回転部材と第2の定着回転部材の圧接時の衝撃を小さくできる。
(A)(B)はこの発明の一実施形態に係る定着装置の構成図である。 (A)(B)は図1の定着装置に圧接バネを追加した状態の図である。 (A)は図2に示した実施形態に係る定着装置の平面図、(B)は(A)の定着装置の変形例を示す図である。 図2に示した定着装置の変形例を示す図である。 図2に示した定着装置の動作時における離間カム、圧接カム、加圧ローラのタイミングチャートを示す図である。 (A)(B)はこの発明の他の実施形態に係る定着装置の構成図である。 (A)(B)は図6に示した定着装置の動作を説明するための図である。 図6及び図7に示した定着装置の動作時における離間カム、圧接カム、加圧ローラのタイミングチャートを示す図である。 さらに他の実施形態に係る定着装置の動作時における離間カム、圧接カム、加圧ローラのタイミングチャートを示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る定着装置の説明図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る定着装置の説明図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る定着装置の説明図である。 (A)(B)はこの発明のさらに他の実施形態に係る定着装置の説明図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る定着装置の説明図である。 定着装置の一般的な動作の説明図である。 (A)(B)は従来の定着装置の構成図である。 (A)(B)は従来の別の定着装置の構成図である。 (A)(B)は従来のさらに別の定着装置の構成図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、画像形成装置に用いられる、この発明の一実施形態に係る定着装置である。この定着装置は、第1の定着回転部材としての加熱ローラ1と、第2の定着回転部材としての加圧ローラ2と、第1のカムとしての離間カム3と、第2のカムとしての圧接カム4と、離間カム駆動部201と、圧接カム駆動部202と、制御部200等を備えている。
加熱ローラ1は断面円形のパイプ形状を有し、図示しない回転駆動装置によって回転駆動される回転軸11に軸支されると共に、加熱ローラ1の内部または外部に設けられたヒーター等の加熱装置によって所定の定着温度に加熱されている。また、定着中は回転軸11の回転によって図の矢印で示す半時計回りに回転するようになっている。
一方、加圧ローラ2も図示しない回転駆動装置によって回転駆動される支持体としての回転軸21に軸支されている。加圧ローラ2の回転軸21は加熱ローラ1の回転軸11と平行に配置されており、定着中は回転軸21の回転によって図の矢印で示す時計回りに回転するようになっている。
また、加圧ローラ2の回転軸21は、加熱ローラ1に接近する方向及び離間する方向(紙面左右方向)に移動可能に構成されており、定着動作時には図1(A)の上側の図に示すように加熱ローラ1に接近する方向に移動して加熱ローラ1と加圧ローラ2が圧接した状態で両ローラが回転し、両ローラ1、2によって形成されるニップに被定着媒体である用紙100を通紙させ、用紙100上のトナーの定着を行う。一方、非定着動作時には加圧ローラ2は同図(B)の上側の図に示すように加熱ローラ1から離間する方向に移動して両ローラ1、2は離間し、加熱ローラ1の熱の加圧ローラ2への伝熱が阻止され、熱エネルギーひいては消費電力の抑制が図られる。
加圧ローラ2の加熱ローラ1との接近方向及び離間方向への移動は、離間カム3と圧接カム4によって行われる。
離間カムは図1(A)(B)のそれぞれ下側の図で示すように、一端に径大湾曲部3aを他端に径小湾曲部3bを有する略扇形形状に形成され、用紙と次の用紙の間つまり紙間のときに加圧ローラ2の回転軸21に作用するように、径大湾曲部寄りの偏心位置に軸31を有するカムである。つまり、軸31から径小湾曲部3bの先端までの長さが、軸3から径大湾曲部3aの先端までの長さよりも長く設定されている。
離間カム3は、定着動作時は図1(A)の下側の図で示すように、径小湾曲部3bが加圧ローラ2の回転軸21と反対側に位置して加圧ローラ2の回転軸21とは係合しておらず、該回転軸21に作用を及ぼしていない。非定着動作時には、図1(B)の下側の図に示すように、離間カム3の径小湾曲部3bが加圧ローラ2の回転軸21側に位置するように軸31を介して離間カム3が回転変位し、径小湾曲部3bが加圧ローラ2の回転軸21に係合して回転軸21を加熱ローラ1から離間する方向に押して移動させる。これにより、加圧ローラ2と加熱ローラ1が離間する。
圧接カム4は図1(A)(B)の下側の図で示すように、一端に径大湾曲部4aを他端に径小湾曲部4bを有する略扇形形状に形成され、径小湾曲部4b寄りの偏心位置に軸41を有するカムである。つまり、軸41から径大湾曲部4aの先端までの長さが、軸41から径小湾曲部4bの先端までの長さよりも長く設定され、用紙長に対応する長い時間加圧ローラ2の回転軸21に作用するようになっている。
圧接カム4は、非定着動作時は図1(B)の下側の図で示すように、径大湾曲部4aが加圧ローラ2の回転軸21と反対側に位置して加圧ローラ2の回転軸21とは係合せず、該加圧ローラ21の回転軸21に作用を及ぼしていない。定着動作時には図1(A)の下側の図に示すように、圧接カム4の径大湾曲部4aが加圧ローラ2の回転軸21側に位置するように軸41を介して圧接カム4が回転変位し、径大湾曲部4aが加圧ローラ2の回転軸21に係合して回転軸21を加熱ローラ1に接近する方向に押して移動させる。これにより、加圧ローラ2と加熱ローラ1が圧接する。
離間カム駆動部201は離間カム3を軸31を中心に回転変位させるものであり、圧接カム駆動部202は圧接カム4を軸41を中心に回転変位させるものであり、いずれもそれぞれ回転駆動装置としてモーター等を備えている。
制御部200は定着動作時と非定着動作時とで、離間カム3と圧接カム4が図1(A)及び図1(B)の状態となるように、離間カム3及び圧接カム4を各駆動部201、202を介して駆動制御する。
次に、図1に示した定着装置の動作を説明する。
トナー像を形成された用紙が定着装置に送られてくるまでは、離間カム3の径小湾曲部3aが加圧ローラ2の回転軸21に作用して、加圧ローラ2と加熱ローラ1は離間している。
トナー像を形成された用紙が定着装置に送られてくると、制御部200は図1(A)に示すように、離間カム駆動部201を介して離間カム3をその径小湾曲部3aが加圧ローラ2の回転軸21と逆側に位置するように回転変位させて、離間カム3の回転軸21への係合を解除する一方、圧接カム駆動部202を介して圧接カム4をその径大湾曲部4aが加圧ローラ2の回転軸21側に位置するように回転変位させ、圧接カム4を回転軸21に係合させて加圧ローラ2を加熱ローラ1側へと移動させる。これにより加圧ローラ2は加熱ローラ1と圧接し、両ローラ1、2間に定着ニップが形成される。
そして、定着対象の用紙100をニップに導いてニップを通紙させ、この間に定着を行う。定着動作中、加圧ローラ2と加熱ローラ1の圧接状態が維持される。
通紙後は次の用紙が到来するまでの間、制御部200は図1(B)に示すように、圧接カム駆動部202を介して圧接カム4をその径大湾曲部4aが加圧ローラ2の回転軸21と逆側に位置するように回転変位させ、圧接カム4の回転軸21への係合を解除する。同時に、離間カム駆動部201を介して離間カム3をその径小湾曲部3bが加圧ローラ2の回転軸21側に位置するように回転変位させて、離間カム3を回転軸21へ係合させ加圧ローラ2を加熱ローラ1と逆側へと移動させる。これにより加圧ローラ2は加熱ローラ1と離間し、加熱ローラ1から加圧ローラ2への熱伝導が阻止され、無駄なエネルギーの伝搬を可及的に防止できる。
次の用紙100が到来すると、圧接カム4及び離間カム3を回転変位させて、加圧ローラ2を加熱ローラ1と圧接するように移動させる。複数の用紙に連続的に印字した場合は、用紙は間隔的に搬送されてくることから、図1(A)の両ローラ1、2の圧接と図1(B)の離間が交互に繰り返されるように、離間カム3及び圧接カム4の回転変位が制御される。なお、離間カム3及び圧接カム4は、所定のタイミングが到来したときに回転変位させても良いし、回転方向に連続的に移動していても良い。
このように、この実施形態では、定着動作時には圧接カム4の回転変位によって加圧ローラ2が加熱ローラ1の方に押されて移動し、加熱ローラ1と加圧ローラー2が圧接し、定着動作後は離間カム3の回転変位によって加圧ローラ2が加熱ローラ1と離間する方向に押されて移動し、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接が解除される。従って、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接を圧接バネにより行い、離間を離間カムによって行う場合のような、ニップ荷重が安定するまでの時間が長く、圧接速度が遅くなってしまい、加熱ローラ1と加圧ローラ2が狙いの圧接率に達するまでに時間を要するという問題や、圧接バネの付勢力では、しばらくの間振動が収まらないという問題を解消できるうえ、高速での離間圧接動作を行うことができ、高速機の画像形成装置に対応することができる。また、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接の解除は、離間カム3によって行われるから、圧接の解除を確実に行うことができ、定着が行われていないときの省エネルギー効果に優れた定着装置となる。
なお、通紙定着中は圧接カム4が加圧ローラ2の回転軸21に作用し続けるので、加熱ローラ1と加圧ローラ2間の距離は固定値となる。
図1に示した実施形態では、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接方向の付勢力を付与する圧接バネや、加熱ローラ1と加圧ローラ2の離間方向の付勢力を付与する離間バネが設けられていない場合を示したが、特に圧離動作を繰り返す側のローラ(この実施形態では加圧ローラ2)が無負荷になる瞬間が生じると、余計な振動を起こす恐れがある。このため、図2に示すように、加熱ローラ1と加圧ローラ2のうちの少なくとも一方を圧接方向に付勢する圧接バネ6を設けることが望ましい。図2の例では、長さ方向の一端部が固定部材61に取り付けられ他端部が加圧ローラ2の回転軸21と係合して、加圧ローラ21を加熱ローラ1の方向に付勢する圧接バネ6が設けられている。なお、図2(A)は加熱ローラ1と加圧ローラ2が圧接した状態を、同図(B)は離間した状態をそれぞれ示しており、離間カム3、圧接カム4等は図示を省略してある。
このように、圧接カム4が作用する加圧ローラ2の回転軸21を圧接荷重の増加方向に付勢する圧接バネ6を備えることにより、圧接カム4及び離間カム3の両方が回転変位の途中に回転軸21から離れた瞬間に、回転軸21が無負荷の状態になって余計な振動を起こすのを防止できる。
図3は、図2に示した実施形態に係る定着装置の平面図である。図3(A)に示すように、加圧ローラ2の長さ方向の両側において、圧接カム4及び離間カム3を加圧ローラ2の回転軸21に直接に作用させても良い。圧接バネ6を設ける場合は、圧接バネ6も加圧ローラ2の長さ方向の両側において、回転軸21に直接に作用させれば良い。
また、図3(B)に示すように、加圧ローラ2の長さ方向の両側において、圧接カム4及び離間カム3を、加圧ローラ2の回転軸21を回転可能に支承するベアリング7の外輪に作用させても良い。圧接バネ6を設ける場合も、ベアリング7の外輪に作用させれば良い。
図1〜図3の実施形態では、加熱ローラ1及び加圧ローラ2はいずれも断面円形のローラ形状である場合を示したが、どちらか一方を無端ベルト形状としてもよい。図4(A)では、加熱ローラ1として加熱ベルトを使用し、固定パッド8を介して加熱ベルト1を加圧ローラ2に圧接させてニップを形成する場合を示している。また、図4(B)に示すように、加圧ローラ2として加圧ベルトを使用し、固定パッド9を介して加圧ベルト2を加熱ローラ1に圧接させてニップを形成する構成としても良い。圧接バネ6を設ける場合、図4(B)の例では加熱ローラ1を加圧ベルト2側に付勢する態様で設けられる。
また、加熱ベルト1または加圧ベルト2を用いる場合は、固定パッド8、9を保持する保持板金、もしくはその保持板金を指示する筐体に、圧接カム4及び離間カム3を作用させても良い。
図5は、図2に示した定着装置の動作時における離間カム3、圧接カム4、加圧ローラ2のタイミングチャートを示す図である。この例では、定着装置は80g/m2 、用紙サイズA4横210mmの普通紙を、システム速度200mm/秒、紙間60mmで連続印字したときのタイミングチャートである。
図5のタイミングチャートにおける「速度」はシステム速度であり、「時間」は所定のタイミングからの経過時間を示し、「距離」は速度×時間の値を示している。
紙間中は離間カム3は加圧ローラ2の回転軸21に作用しており(作用と記している)、圧接カム4は作用していない(フリーと記している)。離間カム3がタイミングT1で回転変位を開始すると、加圧ローラ2の加熱ローラ1側への移動が開始される。タイミングT2で離間カム3は回転変位を終了してフリーとなる。一方、圧接カム4はタイミングT2よりもわずかに遅れたタイミングT3で回転変位を開始し、タイミングT4で回転変位を終了して加圧ローラ2の回転軸21に作用し、加圧ローラ2は加熱ローラ1に圧接する。その後、用紙が定着装置に搬送され、加熱ローラ1と加圧ローラ2のニップに通紙され定着が行われる(NIP中と記している)。
用紙の通過後、タイミングT5で圧接カム4が回転変位を開始し、タイミングT6で回転変位を終了し、加圧ローラ2の回転軸21への作用は解除される。一方、離間カム3はタイミングT6よりもわずかに遅れたタイミングT7で回転変位を開始し、タイミングT8で回転変位を終了して加圧ローラ2の回転軸21に作用し、加圧ローラ2は加熱ローラ1から離間する。
図6及び図7はこの発明の他の実施形態に係る定着装置を示す図である。この実施形態では、図2及び図3に示した定着装置と同様に、加熱ローラ1と、加圧ローラ2と、加圧ローラ2の回転軸21に作用する離間カム3及び圧接カム4と、加圧ローラ2の回転軸21を加熱ローラ1との圧接方向へ付勢する圧接バネ6を備えている。加熱ローラ1、加圧ローラ2及び離間カム3の構成については図2及び図3に示した定着装置と同じであるが、この実施形態では圧接カム4が径大湾曲部4a寄りに偏心して軸41が設けられている。従って、軸41から径小湾曲部4bの先端までの長さが、軸41から径大湾曲部4aの先端までの長さよりも長く設定されている。なお、図6及び図7では、離間カム駆動部201、圧接カム駆動部202及び制御部200は図示を省略してある。
図2及び図3に示した実施形態では、加熱ローラ1と加圧ローラ2の離間中は離間カム3が加圧ローラ2の回転軸21に常時作用し、圧接中は圧接カム4が加圧ローラ2の回転軸21に常時作用するものとした。これに対し、図6及び図7の実施形態では、加熱ローラ1と加圧ローラ2の離間中は離間カム3が加圧ローラ2の回転軸21に常時作用しているが、圧接時は圧接カム4が加圧ローラ2の回転軸21に常時作用するのではなく、圧接中の一時期のみ作用する構成となっている。
即ち、次の用紙100が通過するまでの紙間中は、図6(A)に示すように、離間カム3が加圧ローラ2の回転軸21に作用して、加圧ローラ2は加熱ローラ1から離間し、加熱ローラ1から加圧ローラ2への伝熱を防ぐ。圧接カム4は加圧ローラ2の回転軸21へ作用しておらず、圧接バネ4が加圧ローラ2の回転軸21へ作用して、加圧ローラ2へ加熱ローラ1方向への付勢力を付与している。
次の用紙100が定着装置へ接近すると、図6(B)に示すように、離間カム3が回転変位を開始して加圧ローラ2の回転軸21から離れ始める。圧接カム4も回転変位を開始するが、加圧ローラ2の回転軸21へは未だ作用していない。この状態では、圧接バネ6のみが加圧ローラ2の回転軸21へと作用し、加圧ローラ2は加熱ローラ1との接触を開始する。
圧接カム4は、次の用紙100が定着装置に到達する前に加圧ローラ2の回転軸21に作用して加圧ローラ2を加熱ローラ1に圧接させる。圧接後はさらに圧接カム4の回転変位を進め、図7(A)に示すように、次の用紙100が定着装置に到達する前に加圧ローラ2の回転軸21から離間する。圧接カム4による加圧ローラ2の回転軸21に対する圧接方向の荷重がなくなっても、加圧ローラ2は圧接バネ6により加熱ローラ1方向への付勢力を付与されるから、加圧ローラ2と加熱ローラ1の圧接が維持される。
加熱ローラ1と加圧ローラ2のニップに用紙100が突入したときは、図7(B)に示すように、離間カム3も圧接カム4も加圧ローラ2の回転軸21に作用しておらず、圧接バネ6のみが作用しており、この状態で用紙100の定着を行う。
このように、この実施形態では、加熱ローラ1と加圧ローラ2の圧接中に圧接カム4を加圧ローラ2の回転軸21に常時作用させておくのではなく、圧接の開始痔のみに一時的に圧接カム4を作用し、用紙100がニップに突入する前には圧接カム4の作用が解除され、圧接バネ6のみを作用させて、通紙定着動作を行う。このような動作を行うことにより、短時間でニップ荷重が安定する圧接状態に移行させることができるのに加えて、圧接状態への移行後は、加熱ローラ1と加圧ローラ2の軸間距離が固定されることはなく、用紙100の厚み等が異なっても圧接バネ6により一定の圧接荷重を付与することができ、多様な用紙に対して安定性の高い通紙定着を行うことができる。なお、この例では圧接バネ6は、定着に必要な荷重相当の押圧力を発生させるように設定される。
図8は、図6及び図7に示した定着装置の動作時における離間カム3、圧接カム4、加圧ローラ2のタイミングチャートを示す図である。この例では、定着装置は80g/m2 、用紙サイズA4横210mmの普通紙を、システム速度200mm/秒、紙間60mmで連続印字したときのタイミングチャートである。
紙間中は離間カム3は加圧ローラ2の回転軸21に作用しており、圧接カム4は作用していない(フリー)。離間カム3がタイミングT11で回転軸21への作用の解除を開始し、タイミングT12で解除が終了してフリーとなる。一方、圧接カム4はタイミングT12よりもわずかに遅れたタイミングT13で加圧ローラ2の回転軸21への作用を開始し、タイミングT14で作用を終了し、加圧ローラ2は加熱ローラ1に圧接する。圧接カム4はその後作用の解除を開始し、タイミングT15で解除が終了してフリーとなる。次いで、用紙100が加熱ローラ1と加圧ローラ2のニップに通紙され定着が行われる(NIP中)。ここで、離間カム3の作用の解除開始から用紙100のニップへの突入までの距離は12mm、時間は0.06秒であり、圧接カム4がフリーになってから用紙100のニップへの突入開始までの距離は3mm、時間は0.015秒である。
用紙100の通過後、タイミングT16で離間カム3が加圧ローラ2の回転軸21へ作用を開始し、加圧ローラ2は離間を開始する。タイミングT17で離間カム3が加圧ローラ2の回転軸21へ完全に作用すると、加圧ローラ2の離間が完了する。
ところで、用紙100が150g/m2 を超えるような厚紙においては、紙に奪われる熱量を勘案して、普通紙のシステム速度(例えば200mm/秒)の半分のシステム速度でニップに通紙する場合がある。このようにシステム速度を半分にする場合においては、加圧ローラ2を加熱ローラ1から離間できる距離を長くすることができる。これを図9のタイミングチャートで説明すると次の通りである。
図9のタイミングチャートは、150g/m2 、用紙サイズA4横210mmの厚紙を、システム速度100mm/秒、紙間60mmで連続印字したときの、離間カム3、圧接カム4、加圧ローラ2のタイミングチャートである。
紙間中は離間カム3は加圧ローラ2の回転軸21に作用しており、圧接カム4は作用していない(フリー)。離間カム3がタイミングT21で回転軸21への作用の解除を開始し、タイミングT22で解除が終了してフリーとなる。一方、圧接カム4はタイミングT22よりもわずかに遅れたタイミングT23で加圧ローラ2の回転軸21への作用を開始し、タイミングT24で作用を終了し、加圧ローラ2は加熱ローラ1に圧接する。圧接カム4はその後作用の解除を開始し、タイミングT25で解除が終了してフリーとなる。次いで、用紙100が加熱ローラ1と加圧ローラ2のニップに通紙され定着が行われる(NIP中)。ここで、離間カム3の作用の解除開始から用紙100のニップへの突入開始までの距離は6mm、時間は0.06秒であり、圧接カム4がフリーになってから用紙100のニップへの突入開始までの距離は1.5mm、時間は0.015秒である。
つまり、圧接カム4がフリーになってから用紙100のニップへの突入開始までの時間を、図5のタイミングチャートに示した普通紙の全速度(200mm/秒)の場合と等しく(この例では0.015秒)して、距離を普通紙の場合の3mmに対して1.5mmと短くできる。換言すれば、厚紙半速度では離間できる距離を長く設定することができる。
なお、前述したように、離間カム3及び圧接カム4は、制御部200の指令に基づいて駆動部201、202を介して必要時に回転変位させても良いし、連続的に回転させても良い。特に複数枚の用紙の連続印字中は、回転起動の遅れを排除して高速な離間・圧接動作を実現するために、連続的に回転させるのが望ましい。
図10はこの発明のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態では、離間カム3及び圧接カム4を駆動する駆動部を1つの駆動部で共用するものである。
離間カム3及び圧接カム4は、加圧ローラ2の回転軸21に作用するお互いのタイミングは変化しないので、同じ回転速度であっても問題ない。そこで、駆動部として1つのモーターを使用することができる。具体的には、駆動モーター(図示せず)のモーター軸301に連結されたモーターギア302に、離間カム3の軸31に連結された離間カムギア303と、圧接カム4の軸41に連結された圧接カムギア304を噛み合わせる。モーターを駆動しモーター軸301を回転させるとモーターギア302が回転し、さらにはモーターギア302と噛み合った離間カムギア303及び圧接カムギア304が同時に回転し、離間カムギア303及び圧接カムギア304にそれぞれ連結された各軸31、41を介して、離間カム3及び圧接カム4が回転する。
このように、離間カム3及び圧接カム4を共通のモーターで駆動するギア機構を備えているから、離間カム3と圧接カム4を別々に駆動する場合に較べて、部品構成を簡素化できる。
図11はこの発明のさらに他の実施形態を示すものである。
図3に示した実施形態では、加圧ローラ2の回転軸21の長さ方向の両端部に、それぞれ一対の離間カム3及び圧接カム4を配置したが、図11に示す実施形態では、加圧ローラ2の回転軸21の長さ方向の両端部に、コ字形の保持筐体400の各端部を連結し、保持筐体400を1組の離間カム3と圧接カム4で移動させることにより、加圧ローラ2を加熱ローラ1に対して離間させまたは圧接させる構成となっている。なお、加圧ローラ2が加熱ローラ1と圧接するように保持筐体400を付勢する圧接バネを設けても良い。
このような構成とすることにより、離間カム3及び圧接カム4は1対で済む。ただし、各カムを高速で動作させる場合、保持筐体400の歪変形さえも圧離動作の遅れに繋がるため、特に高速機では、図3に示したように、回転軸21の長さ方向の両端部に各1対の離間カム3及び圧接カム4を設けた方が望ましい。
図12はこの発明のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態では、回転軸21の長さ方向の一端部に設けられた1対の離間カム3及び圧接カム4と、他端部に設けられた1対の離間カム3及び圧接カム4を、位相差を設けて回転させることにより、加圧ローラ2の加熱ローラ1に対する離間・圧接のタイミングを、加圧ローラ2の長さ方向において異ならせ、加圧ローラ2と加熱ローラ1との平行状態での圧接・離間を避けるものである。
即ち、加圧ローラ2と加熱ローラ1を平行状態で高速に圧接させると、その衝突時の振動が他の画像形成プロセスに伝搬し、色ずれなどの画像の問題を発生する恐れがある。そこで、加圧ローラ2の回転軸21の長さ方向の両端部において、離間カム3及び圧接カム4を位相差を設けて回転変位させる。これにより、一端側(図12の上側)では、離間カム3の作用が終わりほぼ同時に圧接カム4が作用を開始し、他端側(図12の下側)では、離間カム3の作用が完全には終わっておらず、圧接カム4も作用しない状態となる。その結果、加圧ローラ2は長さ方向の一端側から他端側にかけて徐々に加熱ローラに圧接していくことになり、衝突時の振動を避けることができる。離間時も同様である。
図13はこの発明のさらに他の実施形態を示すものである。加圧ローラ2の加熱ローラ1からの離間時は、圧接時よりも高速で動作しても、他の画像形成プロセスに影響を与える振動ノイズ等は発生しにくい。逆に言えば、圧接時の衝撃は振動ノイズを起こしやすい。そこで、圧接カム4が回転軸21に緩やかに作用するように、圧接カム4における加熱ローラ2の回転軸21との接触部分の曲率が小さく(曲率半径が大きく)設定されている。
なお、離間カム3は圧接カム4と同一形状であっても良いし、異なる形状であっても良い。同一形状の場合は、部品の共通化を図ることができ、コスト低減に繋がる。図13以外の実施形態においても同様である。
図14はこの発明のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態では、極厚紙や封筒などの特殊な被定着媒体を定着する場合、通紙定着中に、通常の被定着媒体の定着中の荷重よりも荷重が小さくなるようなカムの回転変位位置で、圧接カム4の回転を停止するように構成したものである。図14は圧接カム4が停止している状態を示している。
このような停止モードを有することにより、特に300g/m2を超えるような厚紙であっても、良好な通紙安定性を得ることができる。この場合、圧接バネ6のバネ荷重は大きくなくて良く、加圧ローラ2の振動を抑える程度の弱い荷重で良い。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
例えば、圧接カム4により加圧ローラ2を加熱ローラ1に対して圧接し、離間カム3により加圧ローラ2を加熱ローラ1から離間するものとしたが、完全に離間するのではなく、離間カム3は、加圧ローラ2と加熱ローラ1との圧接荷重の減少方向に加圧ローラ2または加熱ローラ1を移動させればよく、圧接カム4は、加圧ローラ2と加熱ローラ1との圧接荷重の増加方向に加圧ローラ2または加熱ローラ1を移動させればよい。
また、離間カム3及び圧接カム4が回転軸21を介して間接的に加圧ローラ2に作用し、加圧ローラ2を移動させる構成としたが、離間カム3及び圧接カム4が加圧ローラ2に直接的に作用する構成としても良い。
1 加熱ローラ
2 加圧ローラ
3 離間カム
4 圧接カム
5 ヒーター
6 圧接バネ
21 回転軸
31、41 軸
100 用紙
200 制御部
201 駆動部
202 駆動部
400 保持筐体

Claims (6)

  1. 圧接荷重によって定着ニップを形成するとともに、少なくとも一方が定着可能温度に加熱される第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材であって、少なくとも一方の定着回転部材が、他方の定着回転部材との間の圧接荷重が増加しまたは減少する方向に移動可能となされた第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材と、
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の減少方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第1のカムと、
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第2のカムと、
    前記第1のカム及び第2のカムの回転変位を制御する制御手段と、
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に付勢する弾性体と、
    を備え、
    前記第2のカムは、前記第1のカムによる前記定着回転部材への作用が解除された後の定着回転部材の圧接動作中の、被定着媒体の前記定着ニップへの突入前の一時期において、前記定着回転部材に作用し、突入時には第2のカムの前記定着回転部材への作用は解除されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1及び第2のカムは、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を回転可能に支持する回転軸を介して、少なくとも一方の前記定着回転部材に作用するとともに、前記回転軸の長さ方向の両端部に一対ずつ配置されている請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転軸の長さ方向の一端部に配置されている一対の第1及び第2のカムと、他端部に配置されている一対の第1及び第2のカムを、位相差を設けて回転変位させることにより、圧接荷重の増加動作及び/または減少動作のタイミングを、回転軸の長さ方向で異ならせる請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記第1及び第2のカムは同一の形状を有している請求項1〜3の何れかに記載の定着装置。
  5. 前記第2のカムが第1のカムよりも前記定着回転部材に緩やかに作用するように、前記第1及び第2のカムの形状が設定されている請求項1〜3の何れかに記載の定着装置。
  6. 圧接荷重によって定着ニップを形成するとともに、少なくとも一方が定着可能温度に加熱される第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材であって、少なくとも一方の定着回転部材が、他方の定着回転部材との間の圧接荷重が増加しまたは減少する方向に移動可能となされた第1の定着回転部材及び第2の定着回転部材と、
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の減少方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第1のカムと、
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材に直接的にまたは間接的に作用して、該定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に移動させる位置と、作用を解除する位置との間で回転変位可能な第2のカムと、
    前記第1のカム及び第2のカムの回転変位を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記第1及び第2のカムは、第1の定着回転部材及び/または第2の定着回転部材を回転可能に支持する回転軸の径方向の両側に対向して配置された第1の軸と第2の軸をそれぞれ中心に回転変位し、前記回転軸に作用することにより少なくとも一方の前記定着回転部材に作用するとともに、前記回転軸の長さ方向の両端部に一対ずつ配置され
    移動可能な少なくとも一方の前記定着回転部材を前記圧接荷重の増加方向に付勢する弾性体を備え、
    前記第2のカムは、前記第1のカムによる前記定着回転部材への作用が解除された後の定着回転部材の圧接動作中の一時期において、前記定着回転部材に作用し、
    圧接動作中の前記一時期は、被定着媒体の前記定着ニップへの突入前の一時期であり、突入時には第2のカムの前記定着回転部材への作用は解除されることを特徴とする定着装置。
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