JP6819020B2 - 水中油型乳化皮膚化粧料 - Google Patents

水中油型乳化皮膚化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP6819020B2
JP6819020B2 JP2016252228A JP2016252228A JP6819020B2 JP 6819020 B2 JP6819020 B2 JP 6819020B2 JP 2016252228 A JP2016252228 A JP 2016252228A JP 2016252228 A JP2016252228 A JP 2016252228A JP 6819020 B2 JP6819020 B2 JP 6819020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
point
mass
less
oil
points
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016252228A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018104342A (ja
Inventor
詩織 石川
詩織 石川
朝香 柿山
朝香 柿山
優介 原
優介 原
和晃 脇田
和晃 脇田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP2016252228A priority Critical patent/JP6819020B2/ja
Publication of JP2018104342A publication Critical patent/JP2018104342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6819020B2 publication Critical patent/JP6819020B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、塗布時に厚みが感じられつつも伸びが良く、肌なじみが良好で、べたつき感がなく、保湿感の持続性に優れる水中油型乳化皮膚化粧料に関する。
人の皮膚表面は皮脂膜で覆われており、体内からの水分の蒸散が適度に抑制されている。皮膚の水分を適切に保つことは、皮膚の健康面からみて重要であり、水分が不足すると、肌荒れ等を生じやすくなる。洗顔や入浴を行うと、一時的に皮脂膜が取り除かれてしまい、肌の水分が失われやすくなることから、化粧水、美容液、乳液、クリーム等の保湿化粧料を使用して水分を補う必要がある。なかでも、乳液、クリームは、多価アルコール等の保湿剤によって水分を補うとともに、更に油分が皮膚上に皮膜を形成して肌の水分蒸散を抑制するため、より保湿効果が高い。
一般に、これらの保湿化粧料は、継続して使用することが効果を実感するには重要であることから、消費者に継続した使用を促すためには、使用感に優れていることが重要である。消費者に好まれる使用感としては、伸びや肌なじみが良く、べたつきがないことなどが挙げられる。エステル油や植物油などの極性油分を配合することで、伸びや肌なじみが良好で、べたつきがないといった使用感に優れた乳化組成物(特許文献1)が開示されている。このように保湿化粧料の使用感の改良がますます推し進められている。
一方、消費者の価値観もますます多様化し、肌触りといった従来の使用感だけでなく、高級感をもたらすような塗布時に厚みのある感触も最近求められるようになった。
そこで、塗布時に厚みを出すために、ポリグリセリン脂肪酸エステルと高級アルコールを組み合わせた水中油型乳化組成物(特許文献2)や、高融点油剤とグリセリンを組み合わせた水中油型乳化組成物(特許文献3)などの試みがなされている。
特開2013-139395号公報 特開2015-189762号公報 特開2015-147734号公報
しかし、塗布時に厚みを持たせると、伸びの良さや肌なじみといった使用感が十分ではなくなる場合があり、塗布時の厚みと優れた使用感とをいかに両立するかが問題であった。
さらに、従来の保湿化粧料では、塗布直後や数時間後の保湿感は十分に得られていたものの、冬場の乾燥時に半日程度の長時間後に渡って保湿感を十分に持続させることは困難であり、塗布時の厚み、優れた使用感および保湿感の持続性のいずれをも十分に満足する保湿化粧料が求められていた。
本発明の課題は、塗布時に厚みが感じられつつも伸びが良く、肌なじみが良好で、べたつき感がなく、保湿感の持続性に優れる水中油型乳化皮膚化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決する為に研究を重ねたところ、特定のアルキルオキシラン誘導体、炭素数が2〜6の多価アルコール、液状油、ノニオン性界面活性剤を組み合わせることで上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、
下記で定義される(a)高分子量アルキルオキシラン誘導体を0.1〜10質量%、
(b)炭素数が2〜6の多価アルコールを1〜15質量%、
(c)エステル油およびトリグリセリドから選ばれる1種以上の液状油を1〜25質量%、および
(d)グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシアルキレン脂肪酸エステルから選ばれる、HLBが2以上、10未満のノニオン性界面活性剤の1種以上とHLBが10以上、16以下のノニオン性界面活性剤の1種以上との組み合わせを1〜10質量%含有しており、
HLBが2以上、10未満の前記ノニオン性界面活性剤とHLBが10以上、16以下の前記ノニオン性界面活性剤の配合比率が重量比として1:5〜5:1であることを特徴とする、水中油型乳化皮膚化粧料に係るものである。

(a) 下記式(1)で表され、かつ下記式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足するアルキルオキシラン誘導体

O−(AO)n−H ・・・・(1)

(式(1)中、
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは50〜150の数を示す。)

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

(式(2)において、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

As=W1/2/W5% ・・・(3)

0.30≦As≦0.70 ・・・(4)

(式(3)において、前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、塗布時に厚みが感じられつつも伸びが良く、肌なじみが良好で、べたつき感がなく、保湿感の持続性に優れる。
図1は本発明にて定義されるMとMを説明するためのモデルクロマトグラム図である。 図2は本発明にて定義されるW1/2とW5%を説明するためのモデルクロマトグラム図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、下記の(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分を含有する。以下、(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分を順次説明する。
〔(a)成分〕
本発明に用いられる(a)成分は、下記式(1)で表され、かつ下記式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足するアルキルオキシラン誘導体である。
O−(AO)n−H ・・・・(1)
(式(1)中、
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
nは50〜150の数を示す。)

0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)
As=W1/2/W5% ・・・(3)
0.30≦As≦0.70 ・・・(4)
式(1)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、AOは炭素数3のオキシアルキレン基である。nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数であり、50〜150である。
式(1)において、Rは炭素数1〜6のアルキル基が最も好ましい。
は、直鎖アルキル基であってよく、分岐鎖アルキル基であってよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。特に、炭素数1〜6の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。Rで示される炭素数1〜6のアルキル基は1種のみでも、2種以上でもよい。
AOは、炭素数3のオキシアルキレン基であり、具体的にはトリメチレン基またはメチルエチレン基であるが、メチルエチレン基が好ましい。
また、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数で50以上である。nが50未満であると粘度が低く、塗布時の厚みや保湿感の持続性が不十分である可能性がある。
また、nが大きくなるにつれて組成物の粘度が上昇し、ハンドリング性が劣化するので、ハンドリングの点から、nは150以下であ、120以下であることが更に好ましい。
本発明で用いる成分(a)のアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において、示差屈折率計を用いて得られたクロマトグラムによって規定される。このクロマトグラムとは、屈折率強度と溶出時間との関係を表すグラフである。
ここで、図1は、アルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるクロマトグラムのモデル図であり、横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
ゲル浸透クロマトグラフに試料溶液を注入して展開すると、最も分子量の高い分子から溶出が始まり、屈折率強度の増加に伴い、溶出曲線が上昇していく。その後、屈折率強度が最大となる極大点Kを過ぎると、溶出曲線は下降していく。
また、本発明のアルキルオキシラン誘導体のゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、クロマトグラムの屈折率強度の極大点が複数ある場合は、それらのうち屈折率強度が最も大きい点を極大点Kとする。さらに同じ屈折率強度の極大点が複数ある場合は、溶出時間の遅いほうを屈折率強度の極大点Kとする。この際、ゲル浸透クロマトグラフィーに使用した展開溶媒などに起因するピークや、使用したカラムや装置に起因するベースラインの揺らぎによる疑似ピークは除く。
/Mは、それぞれ、以下のようにしてクロマトグラムから算出する。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、垂線の長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとする。
(3) 点Oと点Qを結んだ直線Gと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をPとする。
(4) 点Oと交点Pの距離をM、交点Pと点Qの距離をMとする。
本発明のアルキルオキシラン誘導体は、M/Mが0.35≦M/M≦0.75を満たすものである。M/Mが0.75より大きくなると、アルキルオキシラン誘導体の粘度の低下が生ずる。この観点から、M/Mを0.75以下とするが、0.62以下とすることが更に好ましい。
また、M/Mが小さくなるほど、分子量分布における高分子量側の偏りが大きくなり、それに由来する粘度の上昇などが見られる。M/Mが0.35より小さくなると、粘度が高くなりすぎハンドリング性が悪化する。この観点からは、M/Mを0.35以上とするが、0.36以上とすることが更に好ましい。
また、成分(a)のアルキルオキシラン誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムが左右非対称であり、以下に示すようにして求められるクロマトグラムのピークの非対称値Asが前記式(3)、式(4)を満たす。
図2のクロマトグラムのモデル図を参照しつつ、Asの算出方法について更に説明する。横軸は溶出時間を、縦軸は示差屈折率計を用いて得られた屈折率強度を示す。
ゲル浸透クロマトグラフに試料溶液を注入して展開すると、最も分子量の高い分子から溶出が始まり、屈折率強度の増加に伴い溶出曲線が上昇していく。その後、屈折率強度が最大となる極大点を過ぎ、溶出曲線は下降していく。
(1) クロマトグラム上の屈折率強度の極大点KからベースラインBへ垂線を引き、その長さをLとする。
(2) 屈折率強度がL/20となるクロマトグラム上の2点のうち、溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとする。
(3) 点Rと点Sを結んだ直線Hと、屈折率強度の極大点KからベースラインBへ引いた垂線との交点をTとする。
(4) 点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。
本発明においては、Asが0.30≦As≦0.70を満たす。Asを0.70以下とすることによって、粘度が向上する。この観点からは、Asを0.65以下とすることが更に好ましい。
また、Asが小さくなるほど、分子量分布における高分子両側の偏りが大きくなり、それに由来する粘度の上昇などが見られる。よって、ハンドリングの観点からAsを0.30以上とするが、0.57以上とすることが更に好ましい。
本発明において、M、MおよびAsを求めるためのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、システムとしてSHODEX(登録商標) GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX RI−71s、ガードカラムとしてSHODEX KF−G、カラムとしてSHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得る。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料における(a)成分の含有量は、0.1〜10質量%とする。(a)成分の含有量が0.1質量%未満では、塗布時の厚みが損なわれることに加え、保湿感の持続効果が低くなるので、0.1質量%以上とするが、1質量%以上が好ましく、3質量%以上が更に好ましい。
また、(a)成分の含有量が10質量%を超えると、べたつきを有するとともに、伸びが悪くなるので、10質量%以下とするが、8質量%以下が好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
〔(b)成分〕
(b)成分は、炭素数が2〜6の多価アルコールであり、分子内に二個以上の水酸基を有する化合物である。(b)成分が分子内に有する水酸基は4個以下であることが好ましい。
(b)成分は、具体的には、プロピレングリコール、プロパンジオール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。中でも防腐性、使用感等の点から好ましいのはプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールであり、特に好ましいのは、グリセリン、ジプロピレングリコールである。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料における(b)成分の含有量は、1〜15質量%である。(b)成分の含有量が1質量%未満では、保湿効果が弱く、保湿感の持続性も低くなるので、1質量%以上とするが、2質量%以上が好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、(b)成分の含有量が15質量%を超えると、べたつきを有するだけでなく伸びや肌なじみが悪くなるので、15質量%以下とするが、12質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
〔(c)成分〕
(c)成分である液状油は、常温(25℃)で液状のものである。
(c)成分である常温で液状の油は、オリーブ油、ヒマワリ油、トリエチルヘキサノインなどのトリグリセリド;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、テトラエチルへキサン酸ペンタエリスリチル、ホホバ油などのエステル油が挙げられる。これらの液状油のうち1種又は2種以上を用いることができる。
(c)成分としては、特にエステル油と、トリグリセリドを組み合わせて用いると更に好ましい。この場合、トリグリセリドとエステル油の配合比率は、重量比として1 : 10〜10 : 1、より好ましくは1 : 5〜5 : 1である。トリグリセリドがエステル油の0.1倍より少ないと肌なじみが悪くなり、10倍より多いと伸びが悪くなる。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料における(c)成分の含有量は、1〜25質量%である。(c)成分の含有量が1質量%未満では、塗布時の厚みが損なわれ、伸びや肌なじみが悪くなるのに加え、保湿感の持続性も弱くなる。このため、(c)成分の含有量を1質量%以上とするが、4質量%以上が好ましく、6質量%以上が更に好ましい。また、(c)成分の含有量が25質量%を超えると、ぬるつきやべたつきを生ずるので、25質量%以下とするが、20質量%以下が好ましく、18質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより一層好ましい。
〔(d)成分〕
(d)成分は、化粧料一般に用いられるノニオン性界面活性剤である。(d)成分のHLBは2〜16であることが好ましい。
HLBとは、Hyrophile−LipophileBalanceの略で、界面活性剤の親水基および親油基のバランスを数値化した概念である。一般的に、0から20で示され、数値が高い方が、親水性が高いことを示す。
HLBの算出は、Griffinによって提唱された下記(5)〜(6)の何れかの式により算出する。
POEアルキルエーテル型

HLB=オキシエチレン基の重量分率/5 ・・・・(5)
多価アルコール脂肪酸エステル型およびポリグリセリン型非イオン性界面活性剤

HLB=20(1−S/A)・・・・(6)

S:エステルのけん化価、A:脂肪酸の酸価
(出典: 新版 界面活性剤ハンドブック 工学図書株式会社)
(d)成分は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが挙げられる。これらの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。中でもHLBが2以上、10未満のノニオン性界面活性剤の1種以上と、HLBが10以上、16以下のノニオン性界面活性剤の1種以上を組み合わせる。その理由として乳化安定性に優れ、製剤の厚みや伸びを良好にする効果を奏するためである。
HLBが2以上のノニオン性界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタンなどを例示できる。HLBが10以上のノニオン性界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタンなどを挙げられる。
HLBが10未満のノニオン性界面活性剤とHLBが10以上のノニオン性界面活性剤の配合比率は、重量比として1:5〜5:1である。HLBが10未満のノニオン性界面活性剤の量が、HLBが10以上のノニオン性界面活性剤の量の0.倍より少ない場合、又は倍より多い場合には、乳化安定性に劣る。
(d)成分の市販品としては、モノステアリン酸グリセリル(HLB;3.0)(太陽化学社製「サンソフトNo.2500-C」)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン(HLB;14.9)(東邦化学工業株式会社製「ソルボンT-60」)等がある。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料における(d)成分の含有量は、1〜10質量%である。(d)成分の含有量が1質量%未満では、塗布時の厚みが損なわれるので、1質量%以上とするが、2質量%以上が好ましく、4質量%以上が更に好ましい。また、(d)成分の含有量が10質量% より多いと、ぬるつきなどの原因となり肌なじみが悪く、べたつきを感じる。このため、(d)成分の含有量を10質量%以下とするが、8質量%以下が好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分を用い、調製する化粧品や医薬品の種類に応じて適宜調製することができる。例えば、公知の方法により、乳液、クリーム、軟膏、パック、ファンデーション等の皮膚用の化粧品や医薬品などを調製することができる。
本発明の皮膚化粧料には、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料の性能を損なわない範囲で、配合することも可能である。この観点からは、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料における添加剤の合計量は15質量%以下が好ましく、8%以下がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料の量を100質量%としたとき、水量は、(a)〜(d)成分の量および添加剤の量の残部となる。
こうした添加剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール等の本発明における(b)成分以外の多価アルコール;乳糖、果糖、ショ糖等の糖類;ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油;牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;ミツロウ、カルナバロウ等のロウ類;高重合ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体;セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤;石鹸、アシルメチルタウリン塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤;アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤;ピロリドンカルボン酸塩、食塩等の有機または無機塩類;pH調製剤としての酸及びアルカリ;殺菌剤;抗酸化剤;血行促進剤;紫外線吸収剤;紫外線散乱剤;動植物由来の天然エキス;ビタミン類;アミノ酸類;感光素;色素;顔料及び香料等を配合できる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、各種物性値については、下記に示す方法によって測定した。
<M、MおよびAs値>
昭和電工製GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定装置を用いて、図1、図2を参照しつつ説明した方法に従い、M、MおよびAsを求めた。
〔(a)成分の調製〕
温度計、圧力計、安全弁、窒素ガス吹き込み管、撹拌機、真空排気管、冷却コイル、蒸気ジャケットを装備したステンレス製5リットル(内容積4,890ml)の耐圧反応装置にブチルプロピレングリコール200gと複合金属シアン化物錯体触媒0.2gを仕込んだ。窒素置換後、110℃へと昇温し、0.3MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン210gを4時間かけて仕込んだ。この際、反応槽内の圧力と温度の経時的変化を測定した。
4時間後、反応槽内の圧力が急激に減少した。その後、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、徐々にメチルオキシランを投入し、3,287gのメチルオキシランを撹拌下に連続的に加圧添加した。このとき、メチルオキシランを840g添加するまでの時間は60分、2,100g添加するまでの時間は108分、3,287g添加するまでの時間は132分であった。
添加終了後、110℃で1時間反応させた後、反応槽より1,680gを抜き取った。反応槽の残存物を110℃へと昇温し、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン696gを77分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より1,188gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン291gを35分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より752gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。さらに、反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン174gを20分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より619gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。
得られた反応物(高分子量アルキルオキシラン誘導体1)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.52、Asは0.61であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン121gを30分かけて添加した。添加終了後、110℃で1時間反応させた後、再度反応槽より370gを抜き取り、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた反応物(高分子量アルキルオキシラン誘導体2)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.42、Asは0.59であった。
さらに反応槽の残存物を110℃へと昇温し、反応槽内を110℃に保ちながら、0.6MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、メチルオキシラン122gを30分かけて添加した。110℃で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら、75〜85℃、50〜100Torrで1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた反応物(高分子量アルキルオキシラン誘導体3)について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。その結果、M/Mは0.36、Asは0.57であった。
〔実施例1〜6、比較例1〜4〕
表1に示す配合比率で、以下の方法により水中油型乳化皮膚化粧料を調製した。なお、表1中の共通添加成分は、表2に示す4成分である。
すなわち、(b)成分およびイオン交換水を含む水相と、(a)成分、(c)成分、(d)成分および共通添加成分からなる油性成分とをそれぞれ混合し、75〜80℃に過熱し、ホモミキサーを用いて混合した後に冷却し、共通添加成分中の防腐剤を添加して水中油型乳化クリームの皮膚化粧料を得た。
得られた皮膚化粧料を用いて、5項目について下記の評価基準により評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔評価項目及び評価基準〕
(1) 塗布時の厚み
20名の男女(24才〜58才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料を使用した直後の塗布した時の厚みについて下記のように判定し、20名の平均値を求めて、判定を行った。

5点:厚みを十分に感じる
4点:厚みをやや感じる
3点:どちらとも言えない
2点:厚みをほぼ感じられない
1点:厚みを全く感じられない
(2) 塗布時の伸び
20名の男女(24才〜58才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料を使用した直後の塗布した時の伸びについて下記のように判定し、20名の平均値を求めて、判定を行った。

5点:伸び広げることが容易
4点:伸び広げることが比較的容易
3点:どちらとも言えない
2点:伸び広げることが比較的困難
1点:伸び広げることが困難
(3) 肌なじみ
20名の男女(24才〜58才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料を使用した直後の塗布したときの肌なじみについて下記のように判定し、20名の平均値を求めて、判定を行った。

5点:肌へのなじみが良い
4点:肌へのなじみがやや良い
3点:どちらとも言えない
2点:肌へのなじみがやや悪い
1点:肌へのなじみが悪い
(4) べたつき
20名の男女(24才〜58才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料を使用し10分後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、判定を行った。

5点:べたつきを感じない
4点:べたつきをわずかに感じる
3点:どちらとも言えない
2点:べたつきを感じる
1点:べたつきを強く感じる
(5) 保湿感の持続性
20名の男女(24才〜58才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料を使用して12時間後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、判定を行った。

5点:保湿感の持続性を感じる
4点:保湿感の持続性をやや感じる
3点:どちらとも言えない
2点:保湿感の持続性をほぼ感じられない
1点:保湿感の持続性を全く感じられない
〔判定基準〕
◎:平均点が4.0以上
○:平均点が3.5以上〜4.0未満
△:平均点が3.0以上〜3.5未満
×:平均点が2.5以上〜3.0未満
Figure 0006819020

Figure 0006819020

Figure 0006819020
注1:「PREMINOL S1004F」(旭硝子(株)社製)(M/M=1.05、As=0.97)
注2:「サンソフトNo.2500-C」(太陽化学社製)
注3:「ソルボンT-60」(東邦化学工業株式会社製)
実施例1〜6より、本発明による成分を用いたクリームはいずれも塗布時に厚みが感じられつつも伸びが良く、肌なじみが良好で、べたつき感がなく、保湿感の持続性に優れていた。
一方、比較例1〜4では、十分な効果が得られていない。
すなわち、比較例1では、(a)成分が配合されていないことから、塗布時の厚みが不十分であるとともに肌なじみがやや悪く、また保湿感の持続性も弱くなっている。
比較例2では、(a)成分の代わりに、M/MおよびAsが高いアルキルオキシラン誘導体4が配合されていることから、厚みが不十分であるだけでなく、保湿感の持続性も弱くなっている。
一方、比較例3では、(b)成分が配合されていないことから塗布時の厚みがやや悪くなるとともに、保湿感の持続性が弱くなっている。
比較例4では、(c)成分の量が1質量%未満であることから、塗布時の伸びや肌なじみ性が悪くなっている。

Claims (2)

  1. 下記で定義される(a)高分子量アルキルオキシラン誘導体を0.1〜10質量%、
    (b)炭素数が2〜6の多価アルコールを1〜15質量%、
    (c)エステル油およびトリグリセリドから選ばれる1種以上の液状油を1〜25質量%、および
    (d)グリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシアルキレン脂肪酸エステルから選ばれる、HLBが2以上、10未満のノニオン性界面活性剤の1種以上とHLBが10以上、16以下のノニオン性界面活性剤の1種以上との組み合わせを1〜10質量%含有しており、
    HLBが2以上、10未満の前記ノニオン性界面活性剤とHLBが10以上、16以下の前記ノニオン性界面活性剤の配合比率が重量比として1:5〜5:1であることを特徴とする、水中油型乳化皮膚化粧料。

    (a) 下記式(1)で表され、かつ下記式(2)、式(3)および式(4)の関係を満足するアルキルオキシラン誘導体

    O−(AO)n−H ・・・・(1)

    (式(1)中、
    は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
    AOは炭素数3のオキシアルキレン基を示し、
    nは50〜150の数を示す。)

    0.35≦M/M≦0.75 ・・・・(2)

    (式(2)において、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラム上の屈折率強度が最大となる極大点KからベースラインBへの垂線の長さをLとし、屈折率強度がL/2となるクロマトグラム上の2点のうち溶出時間が早いほうを点Oとし、溶出時間が遅いほうを点Qとし、点Oと点Qを結ぶ直線Gと前記極大点Kから前記ベースラインへ引いた垂線との交点をPとしたとき、点Oと交点Pの距離をMとし、点Qと交点Pの距離をMとする。)

    As=W1/2/W5% ・・・(3)

    0.30≦As≦0.70 ・・・(4)

    (式(3)において、前記クロマトグラム上で屈折率強度がL/20となる2点のうち溶出時間が早いほうを点Rとし、溶出時間が遅いほうを点Sとし、点Rと点Sを結んだ直線Hと前記極大点Kから前記ベースラインBへ引いた垂線との交点をTとし、点Rと交点Tの距離をW1/2、点Rと点Sの距離をW5%とする。)
  2. 前記液状油がオリーブ油およびミリスチン酸オクチルドデシルから選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
JP2016252228A 2016-12-27 2016-12-27 水中油型乳化皮膚化粧料 Active JP6819020B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252228A JP6819020B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 水中油型乳化皮膚化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252228A JP6819020B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 水中油型乳化皮膚化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018104342A JP2018104342A (ja) 2018-07-05
JP6819020B2 true JP6819020B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=62785619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016252228A Active JP6819020B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 水中油型乳化皮膚化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6819020B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117136226A (zh) * 2021-04-13 2023-11-28 日油株式会社 分散剂

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4040804B2 (ja) * 1999-08-20 2008-01-30 株式会社コーセー 化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018104342A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101444933B1 (ko) 수중유형 유화 조성물
WO2010125783A1 (ja) 水中油型乳化毛髪化粧料
JP6928614B2 (ja) 液体皮膚洗浄剤組成物
JP2007320872A (ja) 頭髪化粧料
JP2007223938A (ja) 乳化型クレンジング化粧料組成物
JP6819020B2 (ja) 水中油型乳化皮膚化粧料
JP2018016583A (ja) 水中油型乳化化粧料
JP6626387B2 (ja) 皮膚用乳化組成物
US8512720B2 (en) Cosmetic composition for massage
JP4812241B2 (ja) 毛髪用乳化組成物
JP5189836B2 (ja) 油分含有化粧料組成物
JP3902174B2 (ja) 水中油型乳化組成物の製造方法
JP2014019645A (ja) 化粧料
JP6799788B1 (ja) アルキレンオキシド誘導体、消泡剤、潤滑剤、化粧料用基材およびそれを含む化粧料、毛髪用洗浄剤組成物および身体用洗浄剤組成物
US8173112B2 (en) Emulsified composition for hair
KR20180100640A (ko) 유화 화장료
JP5848124B2 (ja) 皮膚用乳化組成物
WO2020227908A1 (en) Quick breaking w/o-emulsion free from cyclomethicones
JP2007261995A (ja) 水中油型乳化化粧料
JP4824517B2 (ja) 外用組成物
JP6771743B2 (ja) オイルクレンジング料
JP5010176B2 (ja) 水中油型皮膚外用剤
JP7265712B2 (ja) 水中油型乳化皮膚化粧料
JP4125463B2 (ja) O/w/o型乳化化粧料
JP4772488B2 (ja) 水中油型乳化組成物の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6819020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250