以下に、本発明の実施の形態に係る給湯システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る給湯システムを横から見た第1の構成図である。図2は実施の形態1に係る給湯システムを上から見た第1の構成図である。実施の形態1に係る給湯システム1は、ヒートポンプユニット30と蓄電池ユニット20と貯湯タンクユニット50と制御部48とを備える。貯湯タンクユニット50は、円筒状の貯湯タンク51、循環ポンプ10、三方弁11、三方弁12、三方弁13及び混合弁14を備える。図1,2では、右手系のXYZ座標において、ヒートポンプユニット30、蓄電池ユニット20及び貯湯タンク51の配列方向がX軸方向とされ、ヒートポンプユニット30、蓄電池ユニット20及び貯湯タンク51のそれぞれの上下方向がY軸方向とされ、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向がZ軸方向とされる。
貯湯タンク51は、複数の接続栓51a,51b,51c,51d,51eと、貯湯タンク51に取付けられたモータ70と、モータ70の回転軸72を中心に回転するシャフト71と、貯湯タンク51に設けられた軸受け74と、中空のチューブ73と、一端がシャフト71に固定される中空の取水アーム52とを備える。制御部48、モータ70、シャフト71、軸受け74、中空のチューブ73及び取水アーム52は、貯湯タンク51内の水の熱量を移動させて蓄電池ユニット20内の蓄電池21の温度を調整する温度調整部を構成する。取水アーム52は、貯湯タンク51の上下方向における貯湯タンク51内の取水位置を変える取水位置変更部である。取水位置は、取水アーム52のモータ70とは反対側の先端であり、当該先端には取水するための不図示の穴が形成される。図2に示すようにモータ70の回転軸72は、Z軸方向に伸びる仮想直線である。シャフト71は回転軸72を中心に回転する。
貯湯タンク51の接続栓51a及び接続栓51bは、貯湯タンク51の上面に設けられている。接続栓51aには、配管14aの一端が接続される。配管14aの他端は混合弁14に接続される。接続栓51aは、貯湯タンク51からシャワー60へ供給される湯の出水栓である。接続栓51bは、ヒートポンプユニット30から貯湯タンク51へ供給される水の取水栓である。貯湯タンク51の接続栓51bには、配管41の一端が接続される。配管41の他端は、ヒートポンプユニット30内の熱交換器33に接続される。
貯湯タンク51の接続栓51cは、貯湯タンク51の側面の内、貯湯タンク51のY軸方向における中央部に設けられている。貯湯タンク51の接続栓51cには、配管10aの一端が接続される。配管10aの他端は、循環ポンプ10に接続される。接続栓51cは、貯湯タンク51から循環ポンプ10へ供給される湯の出水栓である。
貯湯タンク51の接続栓51dは、貯湯タンク51の側面の内、貯湯タンク51の下面寄りに設けられている。貯湯タンク51の接続栓51dには、配管12aの一端が接続される。配管12aの他端は、三方弁12の第3ポートP3に接続される。接続栓51dは、蓄電池ユニット20から貯湯タンク51へ供給される水の取水栓である。
貯湯タンク51の接続栓51eは、貯湯タンク51の下面に設けられている。貯湯タンク51の接続栓51eには、水道管3が接続される。接続栓51eは、水道管3から貯湯タンク51へ供給される水の取水栓である。
混合弁14には、配管14aと、水道水が供給される水道管3と、シャワー60のヘッドに通じる配管14bとが接続される。混合弁14を用いることにより、風呂のシャワー60のヘッドと貯湯タンク51と水道管3とが接続される。混合弁14は、シャワー60からの排水の温度が設定温度になるように、貯湯タンク51内の湯と水道水との混合量を調整する機能を有する。実施の形態1では、混合弁14に接続される排水手段の一例としてシャワー60を例示しているが、当該排水手段はシャワー60のヘッドに限定されず、カラン、浴槽の蛇口、台所の蛇口又は洗面所の蛇口でもよい。
取水アーム52の取水位置の近くには、第2の温度検出器である温度センサ53が設けられている。温度センサ53は、前述した温度調整部により取水される貯湯タンク51内の水の温度を検出するセンサである。温度センサ53は、サーミスタ、測温抵抗体又は熱電対といった温度検出手段であればよく、その種類は限定されるものではない。温度センサ53には不図示の配線が接続され、温度センサ53で検出された温度情報は当該配線を介して制御部48へ伝送される。
取水アーム52の他端寄りの部分はシャフト71に固定され、取水アーム52の他端にはチューブ73が接続される。チューブ73の材料は、シリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム又はアクリルゴムといった伸縮性及び耐熱性に優れたものが望ましい。耐熱温度は100[℃]以上である。
シャフト71のZ軸方向の一端はモータ70に接続され、シャフト71のZ軸方向の他端は軸受け74に接続される。制御部48から供給される電力によりモータ70が回転する。図1では、実線で示される取水アーム52がモータ70からX軸方向に伸びており、この位置からモータ70が時計回り方向又は反時計回り方向に回転することにより、点線で示すように、X軸方向に対する取水アーム52の角度が変化する。取水アーム52の角度が変化することにより、取水アーム52の先端の位置は、円弧を描くように移動する。従って、取水アーム52の角度に応じて、貯湯タンク51内における温度センサ53のY軸方向の位置が変わり、貯湯タンク51内の高さ方向の水温の分布を検出できる。また取水アーム52の角度が変化することにより、貯湯タンク51内のY軸方向における特定の位置の湯をくみ取ることができる。取水アーム52でくみ取られた水は、チューブ73、接続栓51c及び配管10aを介して、循環ポンプ10へ供給される。
蓄電池ユニット20は、蓄電池21と、熱交換器22と、蓄電池21の温度を検出する不図示の第1の温度検出器である温度センサとを備える。熱交換器22は、蓄電池21で発生した熱と配管43内に流れる水の熱とを熱交換する機能を有する。
ヒートポンプユニット30は、大気の熱を回収し、回収した熱で配管40から流れてくる水を温め、温められた湯を配管41に送り出す機能を有する。ヒートポンプユニット30は、図2に示すように、送風ファン31と、送風ファン31が回転することにより発生する風37の向きを変えるルーバー32と、熱交換器33と、膨張弁34と、蒸発器35と、圧縮器36とを備える。熱交換器33と膨張弁34と蒸発器35と圧縮器36とこれらをつなぐ配管とその中に流れる冷媒とにより冷媒回路38が構成される。ヒートポンプユニット30の熱交換器33と三方弁13とは、配管40を介して接続される。またヒートポンプユニット30の熱交換器33と貯湯タンク51とは、配管41を介して接続される。
制御部48は、マイコン及びFPGA(Field Programmable Gate Array)といった回路で構成される。制御部48は、各種温度センサの情報を元に、ヒートポンプユニット30の動作と、循環ポンプ10の動作と、3つの三方弁11,12,13のそれぞれの動作と、ルーバー32の角度と、取水アーム52の角度と、貯湯タンク51に設けられたモータ70の動作とを制御する。具体的には、制御部48は、ヒートポンプユニット30から排出される風37が蓄電池ユニット20に当たるようにルーバー32の角度を変え、又はヒートポンプユニット30から排出される風37が蓄電池ユニット20に当たらないようにルーバー32の角度を変える。図1,2では、ヒートポンプユニット30から排出される風37が蓄電池ユニット20に当たるようにルーバー32の角度が制御されている。ルーバー32の動作の詳細に関しては後述する。
循環ポンプ10は、貯湯タンク51内の水を吸入し、吸入した水を、三方弁11を介して蓄電池ユニット20内の熱交換器22とヒートポンプユニット30内の熱交換器33とに送り、貯湯タンク51内に戻して循環させるためのポンプである。
三方弁11の第1ポートP1には循環ポンプ10が接続され、三方弁11の第2ポートP2には三方弁13の第2ポートP2が接続され、三方弁11の第3ポートP3には配管43が接続される。配管43は熱交換器22の内部に設けられる。
三方弁12の第1ポートP1には配管43が接続され、三方弁12の第2ポートP2には三方弁13の第1ポートP1が接続され、三方弁12の第3ポートP3には接続栓51dが接続される。
三方弁13の第1ポートP1には三方弁12の第2ポートP2が接続され、三方弁13の第2ポートP2には三方弁11の第2ポートP2が接続され、三方弁13の第3ポートP3には配管40が接続される。
図3は実施の形態1に係る給湯システムを横から見た第2の構成図である。図4は実施の形態1に係る給湯システムを上から見た第2の構成図である。図3,4に示される給湯システム1では、ヒートポンプユニット30の正面30a側に風37が排出されるようにルーバー32の角度が制御されている。すなわち、図3,4に示される給湯システム1では、ヒートポンプユニット30から排出される風37を蓄電池ユニット20に当てないようにルーバー32の角度が制御されている。
図5は図1から図4に示す取水アーム、チューブ及びモータを拡大視した第1の図である。図6は図1から図4に示す取水アーム、チューブ及びモータを拡大視した第2の図である。図7は図1から図4に示す取水アーム、チューブ及びモータを拡大視した第3の図である。図5では、取水アーム52が回転軸72から貯湯タンク51の上面に向けて伸びるように設けられている。図6では、取水アーム52、チューブ73及び配管10aがX軸方向において直線状に配列されている。図7では、取水アーム52が回転軸72から貯湯タンク51の下面に向けて伸びるように設けられている。
チューブ73の一端には取水アーム52が接続され、チューブ73の他端には配管10aが接続されている。配管10aは貯湯タンク51の接続栓51cを貫通するように設けられている。なお図1に示す温度センサ53で検出された温度情報を伝送するための不図示の配線は、取水アーム52、チューブ73及び配管10aの内部に挿入されて貯湯タンク51の外部に引き出されてもよいし、貯湯タンク51の特定の場所に形成された貫通孔を介して貯湯タンク51の外部に引き出されてもよい。
チューブ73は、可撓性に優れた材料で構成されているため、図5,7に示すようにチューブ73が湾曲した際にも、取水アーム52と配管10aとの接続状態が保たれるため、取水アーム52でくみ取られた水を循環ポンプ10へ供給できる。
なお、図2,4に示すように、シャフト71のZ軸方向の中央部は、クランク状に折り曲げられており、シャフト71のZ軸方向の中央部には、取水アーム52の端部が固定されている。すなわち、回転軸72の延長線上よりも一定距離離れた位置で、取水アーム52がシャフト71に固定されている。そして、図6に示すように、取水アーム52、チューブ73及び配管10aがX軸方向において直線状に配列された状態で、チューブ73は、チューブ73のX軸方向の中央部が回転軸72と交わるよう設けられている。この構成により、図5及び図7に示すように取水アーム52が傾けられた場合でも、チューブ73が大きく折れ曲がることを抑制でき、チューブ73の内部が閉塞されず、取水アーム52でくみ取られた水の流れを妨げずに循環ポンプ10へ供給できる。
ここで、ヒートポンプユニット30の動作原理について簡単に説明する。冷媒回路38におけるヒートポンプサイクルでは、配管内に流れる冷媒が圧縮器36、熱交換器33、膨張弁34、蒸発器35の順に循環される。送風ファン31が回転することにより、蒸発器35に流れる冷媒が外気から熱を奪って蒸発する。これにより、蒸発器35を通過してヒートポンプユニット30の正面30aへ流れる空気が冷却される。蒸発して気体となった冷媒は、圧縮器36で圧縮され、冷媒の圧力及び温度が上昇する。高温となった冷媒は、熱交換器33内に流れる水との間で熱交換を行うことにより、熱交換器33内に流れる水を加熱する。最後に高圧の冷媒は、膨張弁34で減圧されて低温低圧の液体に戻る。
以下では、蓄電池21の温度と、貯湯タンク51内の下部の水温と、三方弁11,12,13の動作と、ルーバー32の風向きと、取水アーム52の動作との関係について説明する。
夏場の昼間等、気温が上昇して蓄電池21の温度が40[℃]を超えると蓄電池21の劣化が進む。そのため蓄電池ユニット20は、外気が高温のときには、蓄電池21の劣化を防ぐために充放電を停止することがある。一方、冬場の夜間等では、気温が下がり蓄電池21の温度が0[℃]以下の状態になる場合があり、この状態で蓄電池21を充電すると、内部抵抗が大きくなり充電可能容量が低下することがある。また場合によっては低温充電により負極付近でリチウム(Li)が析出し不安全な状態になり得る。そのため蓄電池ユニット20は、外気が低温のときには、蓄電池21の保護動作により、充放電を停止させることがある。言い換えると、蓄電池21の温度を5〜40[℃]に保つことができれば、夏場の高温時又は冬場の低温時においても、蓄電池21の充放電が可能である。
図8は実施の形態1に係る給湯システムの動作を決定するための条件対応表を示す図である。図8に示す条件対応表では19個の条件が示され、各条件には、「沸き上げ運転」の状態と、「電池温度」の値と、「タンク下部取水温度」の値と、「三方弁11」の状態と、「三方弁12」の状態と、「三方弁13」の状態と、「ルーバーの風向き」の状態とが対応付けられている。
「沸き上げ運転」には「ON」又は「OFF」が示される。「ON」は、貯湯タンク51に対して沸き上げ動作を実行させることを示し、「OFF」は、貯湯タンク51に対して沸き上げ動作を実行させないことを示す。
「電池温度」には、蓄電池21で発生する温度が示される。「5℃」は蓄電池21の充電可能容量が低下しうる温度、又は低温充電により負極付近でLiが析出し得る温度の一例を示すものである。「40℃」は蓄電池21の劣化が進み得る温度の一例を示すものである。但し図8に示す温度はこれらに限定されるものではない。
「タンク下部取水温度」には温度センサ53で検出された貯湯タンク51内の水の温度が示される。三方弁11,12,13のそれぞれの「入口」及び「出口」に示される「P1」、「P2」、「P3」は、開放されるポート番号を示す。また「入口」及び「出口」に示される「止」は、三方弁11,12,13を閉塞することを示す。
「ルーバーの風向き」の「正面」は、ヒートポンプユニット30の正面30a側へ風37が流れるようにルーバー32を制御することを表す。「蓄電池側」は、ヒートポンプユニット30の蓄電池21側へ風37が流れるようにルーバー32を制御することを表す。
制御部48には、図8の条件1から条件19に示される「沸き上げ運転」、「電池温度」及び「タンク下部取水温度」を判定し、判定結果に応じて三方弁11、三方弁12、三方弁13、ルーバー32及び循環ポンプ10を制御するプログラムが記憶されている。このプログラムが実行されることにより給湯システム1では以下に説明する動作が行われる。
条件1から条件3は蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合の制御であり、この温度範囲において蓄電池21は充電時に負極付近でLiが析出しやすくなり不安全な状態になることから、蓄電池21の最適な温度条件である5〜40[℃]で動作するように制御するものである。
(条件1)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第2ポートP2から流出する。三方弁11の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第2ポートP2へ流入し、第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由せず、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。ヒートポンプユニット30の動作により、配管40に流れる水が温められ、温められた水は配管41を介して貯湯タンク51へ供給される。これにより貯湯タンク51内の温度が上昇する。このとき、制御部48の制御により取水アーム52が駆動され、取水アーム52の可動範囲内で検出される貯湯タンク51内の水温が5〜40[℃]になったとき、制御部48は、条件2へ移行する。
(条件2)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第2ポートP2から流出する。三方弁12の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第1ポートP1へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由して、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。制御部48が取水アーム52の角度を変えることにより、5〜40[℃]の適温の水がくみ取られる。
(条件3)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超える場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第2ポートP2から流出する。三方弁12の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第1ポートP1へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由して、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。制御部48は、循環ポンプ10を制御することによって、電池温度が5〜40[℃]になるように循環ポンプ10に流れる水の流量をコントロール、すなわち水の流量を低下させる。制御部48は、電池温度が5〜40[℃]になったとき、後述する条件6へ移行する。
次に条件4から条件6は蓄電池21の温度が5〜40[℃]の場合の制御であり、この温度範囲においては蓄電池21は安定に動作するため、蓄電池21に対する加温や冷却は不要である。
(条件4)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第2ポートP2から流出する。三方弁11の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第2ポートP2へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水が熱交換器22を経由せず、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。
(条件5)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第2ポートP2から流出する。三方弁11の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第2ポートP2へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由せず、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。
(条件6)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超える場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第2ポートP2から流出する。三方弁11の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第2ポートP2へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由せず、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。
次に条件7から条件9は蓄電池21の温度が40[℃]を超える場合の制御である。この温度範囲において蓄電池21は劣化しやすくなるため、蓄電池21に対する冷却が必要になる。給湯システム1は、蓄電池21を冷却して蓄電池21が最適温度で動作するよう以下の動作を実行する。
(条件7)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第2ポートP2から流出する。三方弁12の第2ポートP2から流出した水は三方弁13の第1ポートP1へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより、貯湯タンク51の水は、熱交換器22を経由して、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。制御部48は、循環ポンプ10を制御することによって、電池温度が5〜40[℃]になるように循環ポンプ10に流れる水の流量をコントロール、すなわち水の流量を低下させる。このとき、制御部48の制御により取水アーム52が駆動され、取水アーム52の可動範囲内で検出される貯湯タンク51内の水温が5〜40[℃]となったとき、制御部48は、条件8へ移行する。
(条件8)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第2ポートP2から流出する。三方弁12の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第1ポートP1へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から配管40へ流出する。これにより貯湯タンク51の水が熱交換器22を経由して、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。制御部48が取水アーム52の角度を変えることにより、5〜40[℃]の適温の水がくみ取られる。
(条件9)沸き上げ運転中に蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超える場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第2ポートP2から流出する。三方弁11の第2ポートP2から流出した水は、三方弁13の第2ポートP2へ流入し、三方弁13の第3ポートP3から流出する。これにより貯湯タンク51の水が熱交換器22を経由せず、ヒートポンプユニット30へ接続された配管40に流れる。制御部48は、蓄電池ユニット20を冷却するため、ルーバー32の角度を変えることにより、送風ファン31が回転することで発生する冷風を蓄電池21に当たるように制御する。
条件10から条件12は、給湯システム1が沸き上げ運転を行っていないときに蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合の制御である。この温度範囲において蓄電池21は充電時に負極付近でLiが析出しやすくなり不安全な状態になることから、給湯システム1は、蓄電池21の最適な温度条件である5〜40[℃]で動作するように以下の動作を実行する。なお条件10から条件12では、沸き上げ運転を行っていないため、蓄電池21を加温するためには、貯湯タンク51の湯を用いる。
(条件10)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、制御部48は、まず取水アーム52を動かし、取水アーム52の可動範囲内においてタンク上部の5〜40[℃]の水を取水することができれば条件7に移行する。もし、取水アーム52の可動範囲内において水温が5[℃]以下の場合、制御部48は、蓄電池21の充放電前に沸き上げ動作(条件1)に移行し、貯湯タンク51内の取水温度を5〜40[℃]にさせる。
(条件11)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第3ポートP3から配管12aへ流出して、貯湯タンク51に戻る。条件11では、貯湯タンク51の水を熱交換器22に経由させるが、ヒートポンプユニット30を経由せずに循環させることが可能であり、ヒートポンプユニット30を動かす必要はない。また貯湯タンク51に戻す水は、タンク上部の湯に比べて高温ではないので、貯湯タンク51の上部ではなく貯湯タンク51の下部に戻すことが望ましい。こうすることにより貯湯タンク51内の上部の湯温低下が抑えられる。条件11では、制御部48が取水アーム52の角度を変えることにより、5〜40[℃]の適温の水がくみ取られる。
(条件12)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5[℃]以下、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超える場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第3ポートP3から配管12aへ流出して、貯湯タンク51に戻る。条件12では、貯湯タンク51の水を熱交換器22に経由させるが、ヒートポンプユニット30を経由せずに循環させることが可能であり、ヒートポンプユニット30を動かす必要はない。また、制御部48は、循環ポンプ10を制御することによって、電池温度が5〜40[℃]になるように循環ポンプ10に流れる水の流量をコントロール、すなわち水の流量を低下させる。制御部48は、電池温度が5〜40[℃]になったとき、後述する条件15へ移行する。
条件13から条件15は、給湯システム1が沸き上げ運転を行っていないときに蓄電池21の温度が5〜40[℃]の場合の制御である。蓄電池21は最適温度にて動作しているので、蓄電池21に対する温度制御は不要である。
(条件13)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、特に蓄電池21の温度制御を行う必要が無い。
(条件14)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、特に蓄電池21の温度制御を行う必要が無い。
(条件15)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が5〜40[℃]、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超える場合、特に蓄電池21の温度制御を行う必要が無い。
条件16から条件19は、給湯システム1が沸き上げ運転を行っていないときに蓄電池21の温度が40[℃]を超える場合の制御である。条件16から条件19では、貯湯タンク51内の40[℃]以下の水を用いて蓄電池21が冷却される。貯湯タンク51内に40[℃]以下の水が無い場合、制御部48は、ヒートポンプユニット30を動かし、送風ファン31が回転することで発生する風37を蓄電池21に当たるように制御する。
(条件16)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が5[℃]以下の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第3ポートP3から配管12aへ流出して、貯湯タンク51に戻る。条件16では、貯湯タンク51の水を熱交換器22に経由させるが、ヒートポンプユニット30を経由せずに循環させることが可能であり、ヒートポンプユニット30を動かす必要はない。また、制御部48は、循環ポンプ10を制御することによって、電池温度が5〜40[℃]になるように循環ポンプ10に流れる水の流量をコントロール、すなわち水の流量を低下させる。制御部48は、電池温度が5〜40[℃]になったとき、条件13へ移行する。
(条件17)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が5〜40[℃]の場合、循環ポンプ10により貯湯タンク51からくみ取られた水は、三方弁11の第1ポートP1へ流入し、三方弁11の第3ポートP3から流出する。三方弁11の第3ポートP3から流出した水は、配管43を介して、三方弁12の第1ポートP1へ流入し、三方弁12の第3ポートP3から配管12aへ流出して、貯湯タンク51に戻る。条件17では、貯湯タンク51の水を熱交換器22に経由させるが、ヒートポンプユニット30を経由せずに循環させることが可能であり、ヒートポンプユニット30を動かす必要はない。また制御部48が取水アーム52の角度を変えることにより、5〜40[℃]の適温の水がくみ取られる。
(条件18)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超えており、貯湯タンク51が満湯でない場合、制御部48は、条件9に移行させて、ヒートポンプユニット30を運転させる。また制御部48は、蓄電池ユニット20を冷却するため、ルーバー32の角度を変えることにより、送風ファン31が回転することで発生する冷風を蓄電池21に当たるように制御する。
(条件19)沸き上げ運転停止時において蓄電池21の温度が40[℃]を超え、且つタンク下部取水温度が40[℃]を超えており、貯湯タンク51が満湯の場合、制御部48は、ヒートポンプユニット30の冷媒回路は動かさず、蓄電池ユニット20を冷却するため、ルーバー32の角度を変えることにより、送風ファン31が回転することで発生する風37を蓄電池21に当たるように制御する。このとき発生する風37の温度は外気温度と同じである。
図9は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転ON時の制御方法の第1のフローチャートである。図10は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転ON時の制御方法の第2のフローチャートである。図11は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転ON時の制御方法の第3のフローチャートである。図12は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転ON時の制御方法の第4のフローチャートである。
ステップS601において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合(ステップS601:Yes)、ステップS602に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS601:No)、ステップS643に移行する。
ステップS602において、制御部48は、貯湯タンク51の下部の水温が5[℃]以下の場合(ステップS602:Yes)、ステップS603に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS602:No)、ステップS631に移行する。
ステップS603において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された貯湯タンク51上部の水温が5[℃]以下の場合(ステップS603:Yes)、ステップS604に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS603:No)、ステップS609に移行する。
ステップS604において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS605に移行する。
ステップS605において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS606に移行する。ステップS606において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を運転し、ステップS607に移行する。ステップS607において、制御部48は、蓄電池ユニット20に冷風が当たらないようルーバー32の風向を正面30aにするように制御し、ステップS608に移行する。
ステップS608において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された取水温度が5[℃]を超える場合(ステップS608:Yes)、ステップS609に移行し、5[℃]以下の場合(ステップS608:No)、ステップS606に移行する。
ステップS609において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された取水温度が40[℃]以下の場合(ステップS609:Yes)、ステップS610に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS609:No)、ステップS614に移行する。
ステップS610において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁13の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS611に移行する。ステップS611において、蓄電池21が温められ、制御部48は、ステップS612に移行する。
ステップS612において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]を超える場合(ステップS612:Yes)、ステップS613に移行し、蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合(ステップS612:No)、ステップS611に移行する。
ステップS613において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]を超える場合(ステップS613:Yes)、ステップS614に移行し、40[℃]以下の場合(ステップS613:No)、ステップS637に移行する。
ステップS614において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された取水温度が40[℃]を超える場合(ステップS614:Yes)、ステップS615に移行し、40[℃]以下の場合(ステップS614:No)、ステップS645に移行する。
ステップS615において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS616に移行する。
ステップS616において、制御部48は、送風ファン31による冷風が蓄電池21に当たるようにルーバー32の風向を蓄電池21側にし、ステップS617に移行する。ステップS617において、蓄電池21が冷やされ、制御部48は、ステップS618に移行する。
ステップS618において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS618:Yes)、ステップS619に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS618:No)、ステップS617に移行する。
ステップS619において、制御部48は、貯湯タンク51の湯量が満湯の場合(ステップS619:Yes)、ステップS620に移行し、満湯でない場合(ステップS619:No)、ステップS626に移行する。ステップS620において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS621に移行する。
ステップS621において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞し、ステップS622に移行する。ステップS622において、ヒートポンプユニット30を停止し、ステップS623に移行する。ステップS623において、制御部48は、送風ファン31を運転し、ステップS624に移行する。
ステップS624において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS624:Yes)、ステップS625に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS624:No)、ステップS623に移行する。ステップS625において、制御部48は、送風ファン31を停止する。
ステップS626において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS627に移行する。
ステップS627において、制御部48は、蓄電池21に送風ファン31による冷風が蓄電池21に当たらないようにルーバー32の風向を正面30aにし、ステップS628に移行する。
ステップS628において、貯湯タンク51の湯量が満湯の場合(ステップS628:Yes)、ステップS629に移行し、貯湯タンク51の湯量が満湯でない場合(ステップS628:No)、ステップS627に移行する。ステップS629において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS630に移行する。ステップS630において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を停止する。
ステップS631において、制御部48は、貯湯タンク51の下部の水温が40[℃]を超える場合(ステップS631:Yes)、ステップS632に移行し、40[℃]以下の場合(ステップS631:No)、ステップS609に移行する。
ステップS632において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁13の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS633に移行する。ステップS633において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS634に移行する。ステップS634において、蓄電池21が温められ、制御部48は、ステップS635に移行する。
ステップS635において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]を超える場合(ステップS635:Yes)、ステップS636に移行し、5[℃]以下の場合(ステップS635:No)、ステップS634に移行する。
ステップS636において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS636:Yes)、ステップS637に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS636:No)、ステップS613に移行する。
ステップS637において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS638に移行する。ステップS638において、制御部48は、送風ファン31による冷風が蓄電池21に当たらないようにルーバー32の風向を正面30aにし、ステップS639に移行する。ステップS639において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を運転し、ステップS640に移行する。
ステップS640において、制御部48は、貯湯タンク51の湯量が満湯の場合(ステップS640:Yes)、ステップS641に移行し、満湯でない場合(ステップS640:No)、ステップS639に移行する。ステップS641において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS642に移行する。ステップS642において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を停止する。
ステップS643において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]を超える場合(ステップS643:Yes)、ステップS644に移行し、40[℃]以下の場合(ステップS643:No)、ステップS637に移行する。
ステップS644において、制御部48は、貯湯タンク51下部の水温が40[℃]以下の場合(ステップS644:Yes)、ステップS645に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS644:No)、ステップS614に移行する。
ステップS645において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁13の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS646に移行する。ステップS646において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS647に移行する。ステップS647において、蓄電池21が冷やされ、制御部48は、ステップS648に移行する。
ステップS648において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS648:Yes)、ステップS637に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS648:No)、ステップS647に移行する。
図13は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転OFF時の制御方法の第1のフローチャートである。図14は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転OFF時の制御方法の第2のフローチャートである。図15は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転OFF時の制御方法の第3のフローチャートである。図16は実施の形態1に係る給湯システムのヒートポンプユニットが沸き上げ運転OFF時の制御方法の第4のフローチャートである。
ステップS701において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合(ステップS701:Yes)、ステップS702に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS701:No)、ステップS723に移行する。
ステップS702において、制御部48は、貯湯タンク51の下部の水温が5[℃]以下の場合(ステップS702:Yes)、ステップS703に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS702:No)、ステップS716に移行する。
ステップS703において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された貯湯タンク51上部の水温が5[℃]以下の場合(ステップS703:Yes)、ステップS704に移行し、5[℃]を超える場合(ステップS703:No)、ステップS709に移行する。
ステップS704において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS705に移行する。
ステップS705において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS706に移行する。ステップS706において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を運転し、ステップS707に移行する。ステップS707において、制御部48は、蓄電池ユニット20に冷風が当たらないようルーバー32の風向を正面30aにするように制御し、ステップS708に移行する。
ステップS708において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された取水温度が5[℃]を超える場合(ステップS708:Yes)、ステップS709に移行し、5[℃]以下の場合(ステップS708:No)、ステップS706に移行する。
ステップS709において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁13の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS710に移行する。ステップS710において、蓄電池21が温められ、制御部48は、ステップS711に移行する。
ステップS711において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]を超える場合(ステップS711:Yes)、ステップS712に移行し、蓄電池21の温度が5[℃]以下の場合(ステップS711:No)、ステップS710に移行する。
ステップS712において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS712:Yes)、ステップS713に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS712:No)、ステップS724に移行する。ステップS713において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS714に移行する。ステップS714において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞し、ステップS715に移行する。ステップS715において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を停止する。
ステップS716において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁13を閉塞し、ステップS717に移行する。ステップS717において制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS718に移行する。ステップS718において、蓄電池21が温められ、制御部48は、ステップS719に移行する。
ステップS719において、制御部48は、蓄電池21の温度が5[℃]を超える場合(ステップS719:Yes)、ステップS720に移行し、5[℃]以下の場合(ステップS719:No)、ステップS718に移行する。
ステップS720において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS720:Yes)、ステップS721に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS720:No)、ステップS724に移行する。ステップS721において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS722に移行する。ステップS722において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞する。
ステップS723において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]を超える場合(ステップS723:Yes)、ステップS724に移行し、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS723:No)、ステップS730に移行する。
ステップS724において、制御部48は、貯湯タンク51下部の水温が40[℃]以下の場合(ステップS724:Yes)、ステップS725に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS724:No)、ステップS731に移行する。
ステップS725において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁12の第1ポートP1から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、三方弁13を閉塞し、ステップS726に移行する。ステップS726において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS727に移行する。ステップS727において、蓄電池21が冷やされ、制御部48は、ステップS728に移行する。
ステップS728において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS728:Yes)、ステップS729に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS728:No)、ステップS727に移行する。ステップS729において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS730に移行する。ステップS730において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞する。
ステップS731において、制御部48は、取水アーム52を動かし、温度センサ53で検出された取水温度が40[℃]を超える場合(ステップS731:Yes)、ステップS732に移行し、40[℃]以下の場合(ステップS731:No)、ステップS725に移行する。
ステップS732において、貯湯タンク51が満湯の場合(ステップS732:Yes)、ステップS733に移行し、満湯でない場合(ステップS732:No)、ステップS737に移行する。
ステップS733において、制御部48は、送風ファン31による冷風が蓄電池21に当たるようにルーバー32の風向を蓄電池21側にし、ステップS734に移行する。ステップS734において、送風ファン31を動かし、ステップS735に移行する。
ステップS735において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS735:Yes)、ステップS736に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS735:No)、ステップS734に移行する。ステップS736において、制御部48は、送風ファン31を停止する。
ステップS737において、制御部48は、貯湯タンク51からくみ取られた水が三方弁11の第1ポートP1から入って第2ポートP2から出ていくように設定し、三方弁12を閉塞し、三方弁13の第2ポートP2から入って第3ポートP3から出ていくように設定し、ステップS738に移行する。ステップS738において、制御部48は、循環ポンプ10を運転し、ステップS739に移行する。ステップS739において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を運転し、ステップS740に移行する。ステップS740において、制御部48は、送風ファン31による冷風が蓄電池21に当たるようにルーバー32の風向を蓄電池21側にし、ステップS741に移行する。ステップS741において、蓄電池21が冷却され、制御部48は、ステップS742に移行する。
ステップS742において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS742:Yes)、ステップS743に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS742:No)、ステップS746に移行する。ステップS743において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS744に移行する。ステップS744において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞し、ステップS745に移行する。ステップS745において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を停止する。
ステップS746において、制御部48は、貯湯タンク51の湯量が満湯の場合(ステップS746:Yes)、ステップS747に移行し、湯量が満湯でない場合(ステップS746:No)、ステップS741に移行する。ステップS747において、制御部48は、循環ポンプ10を停止し、ステップS748に移行する。ステップS748において、制御部48は、三方弁11、三方弁12及び三方弁13を閉塞し、ステップS749に移行する。ステップS749において、制御部48は、ヒートポンプユニット30を停止し、ステップS750に移行する。ステップS750において、制御部48は、送風ファン31を運転し、ステップS751に移行する。
ステップS751において、制御部48は、蓄電池21の温度が40[℃]以下の場合(ステップS751:Yes)、ステップS752に移行し、40[℃]を超える場合(ステップS751:No)、ステップS750に移行する。ステップS752において、制御部48は、送風ファン31を停止する。
なお実施の形態1では電池温度が5〜40[℃]となるように制御した例を示したが、蓄電池21の寿命を延ばすために温度範囲を室温(25[℃])側により狭めるように、閾値を変更しても良い。
以上に説明したように実施の形態1に係る給湯システム1によれば、取水アーム52を上下方向に動かすことにより、貯湯タンク51内で蓄電池ユニット20の温度調整に最適な温度の水をくみ取ることができる。
また実施の形態1に係る給湯システム1によれば、貯湯タンク51の湯量が満湯で且つ蓄電池21の温度が一定温度以上の高温時においては、送風ファン31のみを運転させ、ルーバー32で蓄電池ユニット20に風37を送るようにすることで、ユーザーによる湯の利用の有無に関わらず、また水を捨てることなく蓄電池21を冷却することができる。
また実施の形態1に係る給湯システム1によれば、蓄電池21の温度が一定温度以下の低温時においては取水アーム52の角度を変えて蓄電池21に適温な水をくみ取り、循環ポンプ10により循環させることで蓄電池21を適度に温めることができる。
また実施の形態1に係る給湯システム1によれば、貯湯タンク51の湯量が満湯になった場合においてもヒートポンプユニット30の送風ファン31を動かし、ルーバー32により蓄電池ユニット20に向けて送風することにより、蓄電池21の冷却が可能となる。
また実施の形態1に係る給湯システム1によれば、取水アーム52の先端に温度センサ53が設置されているため、取水アーム52を回転することにより、貯湯タンク51内の温度分布を連続的に検出でき、特許文献1のように5つの貯湯温度センサが貯湯タンクの高さ方向に一定の間隔で配列されている場合に比べ、隣接する貯湯温度センサ間の温度分布も特定できるため、貯湯量をより正確に知ることができる。
なお、実施の形態1に係る給湯システム1によれば、ヒートポンプユニット30動作時と、循環ポンプ10を動かして蓄電池21の温度調整を行っている期間とでは、貯湯タンク51内の湯量を検出するために取水アーム52を回転動作させて貯湯タンク51内の温度検出ができないので、貯湯タンク51内の湯量を測定する際、ヒートポンプユニット30と循環ポンプ10とを一時停止させる必要はあるが、そうすることにより、取水アーム52からの取水を停止させた状態で取水アーム52を上下方向に動作させて温度検出を行うことにより、正確な湯量測定が可能となる。
また、取水アーム52の材質は、熱伝導率が低く耐熱性の高い樹脂を用いることが望ましい。そうすることにより貯湯タンク51内の不要な対流を抑えることができる。また、翌日の天気及び気温を予測し、前日深夜の沸上げ量を調整しておくことが望ましい。そうすることにより、夏場の昼間に満湯状態となって蓄電池21を十分に冷やすことができなくなることを防ぐことができる。
実施の形態2.
図17は実施の形態2に係る給湯システムを横から見た構成図である。図18は実施の形態2に係る給湯システムを上から見た構成図である。実施の形態2に係る給湯システム1は、実施の形態1と比べて以下の点が相違する。
(1)接続栓51dは、貯湯タンク51の側面の内、貯湯タンク51のY軸方向における中央部に設けられている。
(2)貯湯タンク51は、取水アーム52、温度センサ53、モータ70、シャフト71、チューブ73及び軸受け74に加えて、出水アーム54、温度センサ55、モータ75、シャフト76、チューブ78及び軸受け79を備える。
(3)三方弁12の第3ポートP3から流出した水は、配管12a、チューブ78及び出水アーム54を介して、貯湯タンク51の内部に戻される。
実施の形態2に係る給湯システム1では、制御部48と、モータ70、シャフト71、軸受け74、チューブ73及び取水アーム52と、モータ75、シャフト76、軸受け79、チューブ78及び出水アーム54とが、貯湯タンク51内の水の熱量を移動させて蓄電池ユニット20内の蓄電池21の温度を調整する温度調整部を構成する。
出水アーム54は、取水アーム52と同様の構造を有し、一端がシャフト76に固定される中空のパイプである。出水アーム54は、貯湯タンク51の上下方向における貯湯タンク51への出水位置を変える出水位置変更部である。出水位置は、出水アーム54のモータ75とは反対側の先端であり、当該先端には出水するための不図示の穴が形成される。第3の温度検出器である温度センサ55は、温度センサ53と同様に、貯湯タンク51内に貯められた水の温度を検出するセンサである。モータ75は、モータ70と同様に、貯湯タンク51に取付けられ、制御部48により制御される。シャフト76は、シャフト71と同様に、Z軸方向に伸びてモータ75の回転軸77を中心に回転する。図18に示すように、シャフト76のZ軸方向の中央部は、クランク状に折り曲げられており、シャフト76のZ軸方向の中央部には、出水アーム54の端部が固定されている。
出水アーム54の出水位置の近くには、第3の温度検出器である温度センサ55が設けられている。温度センサ55は、出水アーム54の取水位置から貯湯タンク51内へ供給される水の温度を検出する。温度センサ55は、サーミスタ、測温抵抗体又は熱電対といった温度検出手段であればよく、その種類は限定されるものではない。温度センサ55には不図示の配線が接続され、温度センサ55で検出された温度情報は当該配線を介して制御部48へ伝送される。出水アーム54の他端はシャフト76に固定され、出水アーム54の他端にはチューブ78が接続されている。チューブ78の材料は、チューブ73と同様にシリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム又はアクリルゴムといった伸縮性及び耐熱性に優れたものが望ましい。
シャフト76のZ軸方向の一端はモータ75に接続され、シャフト76のZ軸方向の他端は軸受け79に接続される。図17では、実線で示される出水アーム54がモータ75からX軸方向に伸びており、この位置からモータ75が時計回り方向又は反時計回り方向に回転することにより、点線で示すように、X軸方向に対する出水アーム54の角度が変化する。出水アーム54の角度が変化することにより、出水アーム54の先端の位置は、円弧を描くように移動する。従って、出水アーム54の角度に応じて、貯湯タンク51内における温度センサ55のY軸方向の位置が変わり、貯湯タンク51内の高さ方向の水温の分布を検出できる。また出水アーム54の角度が変化することにより、貯湯タンク51内のY軸方向における特定の位置に、出水アーム54からの水を放出できる。
取水アーム52及び出水アーム54は、それぞれの可動範囲において互いに干渉しないように配置する必要があるため、図18に示すように、Z軸方向に離間して配置することが望ましい。また出水アーム54及びシャフト71は、出水アーム54の可動範囲において互いに干渉しないように配置する必要がある。また取水アーム52及びシャフト76は、取水アーム52の可動範囲において互いに干渉しないように配置する必要がある。
ここで、温度センサ55により検出された出水口付近の水温を水温Aとする。また三方弁12の第3ポートP3を介して、貯湯タンク51に戻る前の水温を水温Bとする。水温Bは、配管12a内に不図示の温度センサで検出されるものとする。なお水温Bには、温度センサ53で検出された温度を用いてもよい。制御部48は、これらの水温A,Bを比較し、モータ75を制御することにより、水温Bと水温Aとの温度差が最小となる位置に、X軸方向に対する出水アーム54の角度を調節する。このように調整後の出水アーム54から貯湯タンク51内へ出水することが望ましい。
以上に説明したように、実施の形態2に係る給湯システム1の温度調整部は、第3の温度検出器で検出された出水位置の水の温度と、取水位置変更部及び熱交換器を介して貯湯タンクへ還流する水の温度との温度差が小さくなる位置に、出水位置変更部の出水位置を調整する。この構成により、実施の形態2に係る給湯システム1では、蓄電池21で熱交換された水を貯湯タンク51内に戻す際、熱交換器22で熱交換された水を、貯湯タンク51内の水温と近い温度領域に戻すことができる。これにより、貯湯タンク51内の温度勾配による対流の発生を抑えられ、貯湯タンク51内の湯温の低下を抑えることができる。また実施の形態2に係る給湯システム1によれば、蓄電池ユニット20の温度を一定範囲内に保ちながら、貯湯タンク51内の湯温の低下を抑えることができる。
実施の形態3.
図19は実施の形態3に係る給湯システムを横から見た構成図である。図20は実施の形態3に係る給湯システムを上から見た構成図である。実施の形態3に係る給湯システム1は、実施の形態1と比べて以下の点が相違する。
(1)貯湯タンク51は、取水アーム52、温度センサ53、モータ70、シャフト71、チューブ73及び軸受け74に代えて、モータ80、シャフト81及び取水二重筒56を備える。
(2)接続栓51cは、貯湯タンク51の下面に設けられる。
実施の形態3に係る給湯システム1では、制御部48と、モータ80、シャフト81及び取水二重筒56と、貯湯タンク51内の水の熱量を移動させて蓄電池ユニット20内の蓄電池21の温度を調整する温度調整部を構成する。
取水二重筒56は、実施の形態1の取水アーム52と同様に、貯湯タンク51内の水をくみ取る機能と温度検出機能とを有する。取水二重筒56は、貯湯タンク51の内側に設けられる第1の外側シリンダ56aと、第1の外側シリンダ56aの内側に設けられる第1の内側シリンダ56bとを備える。第1の内側シリンダ56bは、第1の外側シリンダ56aの内側に接するように配置される。
第1の外側シリンダ56aの側面には複数の穴58a,58b,58cが形成されている。複数の穴58a,58b,58cは、Y軸方向に離間して配列される。穴58a,58b,58cは、第1の外側シリンダ56aの下端から上端に向かって、穴58a,58b,58cの順で配列されている。穴58a,58b,58cは、Y軸方向の伸びる仮想線上に配列されている。
第1の内側シリンダ56bの側面には複数の穴59a,59b,59cが形成されている。複数の穴59a,59b,59cは、Y軸方向に離間して配列される。穴59a,59b,59cは、第1の内側シリンダ56bの下端から上端に向かって、穴59a,59b,59cの順で配列されている。穴59aの回転方向の位置は、穴59bの回転方向の位置に対して、時計回り方向に1つの穴の直径に相当する距離分ずれている。穴59cの回転方向の位置は、穴59bの回転方向の位置に対して、反時計回り方向に1つの穴の直径に相当する距離分ずれている。穴59a,59b,59cのそれぞれのY軸方向の位置は、穴58a,58b,58cのそれぞれのY軸方向の位置と等しい。
このように構成された取水二重筒56では、第1の内側シリンダ56bを回転させることにより、取水位置を選択できる。すなわち、貯湯タンク51の下面寄りの穴59a及び穴58aが連通するように第1の内側シリンダ56bを回転させたときには、穴59b及び穴58bが連通せず、穴59c及び穴58cが連通せず、貯湯タンク51の下側の水が接続栓51cを介して循環ポンプ10へ供給される。貯湯タンク51の中心寄りの穴59b及び穴58bが連通するように第1の内側シリンダ56bを回転させたときには、穴59a及び穴58aが連通せず、穴59c及び穴58cが連通せず、貯湯タンク51の中心部の水が接続栓51cを介して循環ポンプ10へ供給される。貯湯タンク51の上面寄りの穴59c及び穴58cが連通するように第1の内側シリンダ56bを回転させたときには、穴59a及び穴58aが連通せず、穴59b及び穴58bが連通せず、貯湯タンク51の上側の水が接続栓51cを介して循環ポンプ10へ供給される。
また貯湯タンク51の内壁には複数の温度センサ57a,57b,57cが設けられる。複数の温度センサ57a,57b,57cは、Y軸方向に離間して配列される。温度センサ57a,57b,57cは、貯湯タンク51の下面から上面に向かって、温度センサ57a,57b,57cの順で配列されている。温度センサ57a,57b,57cのそれぞれのY軸方向の位置は、穴59a,59b,59cのそれぞれのY軸方向の位置と等しい。
図19では、第1の外側シリンダ56aのY軸方向に3つの穴58a,58b,58cが設けられているが、穴58a,58b,58cの数は、下記(1)式を満たす範囲内で任意の数とすることができる。
穴58a,58b,58cの数<第1の内側シリンダ56bの円周/穴径・・・(1)
また取水二重筒56では、穴59a及び穴59cが回転方向に1つの穴の直径に相当する距離分ずれている理由は、取水する穴を1つに選択でき、且つ第1の内側シリンダ56bを回転させている途中で取水が途切れ、循環ポンプ10が故障したりすることを防ぐためである。また、湯温や湯量によっては隣り合う2つの取水穴、例えば穴58aと穴58b、又は穴58bと穴58cから、任意に混合して取水するようにし、蓄電池21の温度調整に適した水温を作り出すことができる。
モータ80は貯湯タンク51の下面に設けられ、シャフト81は、その一端がモータ80に接続され、その他端が第1の内側シリンダ56bのY軸方向の端部に接続されている。モータ80が回転することによって第1の内側シリンダ56bが回転する。またシャフト81の他端は、図20に示すように、第1の内側シリンダ56bの水を第1の内側シリンダ56bの下部から循環ポンプ10に流すことができるように、第1の内側シリンダ56bの端部を塞がない構造とされる。
以上に説明したように、実施の形態3に係る給湯システム1によれば、第1の外側シリンダ及び第1の内側シリンダのそれぞれに、貯湯タンクの上下方向に離間して配列される複数の穴が形成され、第1の外側シリンダ及び第1の内側シリンダのそれぞれの穴が連通する部分が取水位置となる。この構成により、貯湯タンク51の横幅や直径に制約が有り図1に示すような取水アーム52を設けることができない場合でも、貯湯タンク51の上下の取水が可能である。
実施の形態4.
図21は実施の形態4に係る給湯システムを横から見た構成図である。図22は実施の形態4に係る給湯システムを上から見た構成図である。実施の形態4に係る給湯システム1は、実施の形態3と比べて以下の点が相違する。
(1)貯湯タンク51は、モータ80、シャフト81及び取水二重筒56に加えて、モータ82、シャフト83及び出水二重筒61を備える。
(2)接続栓51c及び接続栓51dは、貯湯タンク51の下面に設けられる。
(3)三方弁12の第3ポートP3から流出した水は、配管12a及び出水二重筒61を介して、貯湯タンク51の内部に戻される。
実施の形態4に係る給湯システム1では、制御部48と、モータ80、シャフト81及び取水二重筒56と、モータ82、シャフト83及び出水二重筒61とが、貯湯タンク51内の水の熱量を移動させて蓄電池ユニット20内の蓄電池21の温度を調整する温度調整部を構成する。
出水二重筒61は、取水二重筒56と同様の構造を有し、貯湯タンク51の内側に設けられる第2の外側シリンダ61aと、第2の外側シリンダ61aの内側に設けられる第2の内側シリンダ61bとを備える。第2の内側シリンダ61bは、第2の外側シリンダ61aの内側に接するように配置される。
第2の外側シリンダ61aの側面には複数の穴62a,62b,62cが形成されている。複数の穴62a,62b,62cは、Y軸方向に離間して配列される。穴62a,62b,62cは、第2の外側シリンダ61aの下端から上端に向かって、穴62a,62b,62cの順で配列されている。穴62a,62b,62cは、Y軸方向に伸びる仮想線上に配列されている。
第2の内側シリンダ61bの側面には複数の穴63a,63b,63cが形成されている。複数の穴63a,63b,63cは、Y軸方向に離間して配列される。穴63a,63b,63cは、第2の内側シリンダ61bの下端から上端に向かって、穴63a,63b,63cの順で配列されている。穴63aの回転方向の位置は、穴63bの回転方向の位置に対して、時計回り方向に1つの穴の直径に相当する距離分ずれている。穴63cの回転方向の位置は、穴63bの回転方向の位置に対して、反時計回り方向に1つの穴の直径に相当する距離分ずれている。穴63a,63b,63cのそれぞれのY軸方向の位置は、穴62a,62b,62cのそれぞれのY軸方向の位置と等しい。
モータ82は貯湯タンク51の下面に設けられ、シャフト83は、その一端がモータ82に接続され、その他端が第2の内側シリンダ61bのY軸方向の端部に接続されている。モータ82が回転することによって第2の内側シリンダ61bが回転する。またシャフト83の他端は、図22に示すように、接続栓51eからの水を第2の内側シリンダ61b内へ流すことができるように、第2の内側シリンダ61bの端部を塞がない構造とされる。
このように構成された出水二重筒61では、第2の内側シリンダ61bを回転させることにより、出水位置を選択できる。すなわち、貯湯タンク51の下面寄りの穴63a及び穴62aが連通するように第2の内側シリンダ61bを回転させたときには、穴63b及び穴62bが連通せず、穴63c及び穴62cが連通せず、貯湯タンク51の下側へ水が供給される。貯湯タンク51の中心寄りの穴63b及び穴62bが連通するように第2の内側シリンダ61bを回転させたときには、穴63a及び穴62aが連通せず、穴63c及び穴62cが連通せず、貯湯タンク51の中心部へ水が供給される。貯湯タンク51の上面寄りの穴63c及び穴62cが連通するように第2の内側シリンダ61bを回転させたときには、穴63a及び穴62aが連通せず、穴63b及び穴62bが連通せず、貯湯タンク51の上側へ水が供給される。
また穴62a,62b,62cのそれぞれのY軸方向の位置は、温度センサ57a,57b,57cのそれぞれのY軸方向の位置と等しい。ここで、温度センサ57a,57b,57cのそれぞれで検出された湯温を水温A1,A2,A3とする。また三方弁12の第3ポートP3を介して、貯湯タンク51に戻る前の水温を水温Bとする。水温Bは、配管12a内に不図示の温度センサで検出されるものとする。制御部48は、水温A1,A2,A3と水温Bを比較し、モータ82を制御することにより、水温A1,A2,A3の中で、水温Bとの温度差が最小となる水温を検出する温度センサと同じ高さの穴から出水されるように、第2の内側シリンダ61bの回転角度を調節する。
以上に説明したように、実施の形態4に係る給湯システム1によれば、第2の外側シリンダ及び第2の内側シリンダのそれぞれに、貯湯タンクの上下方向に離間して配列される複数の穴が形成され、第2の外側シリンダ及び第2の内側シリンダのそれぞれの穴が連通する部分が出水位置となる。この構成により、蓄電池21で熱交換された水を貯湯タンク51内に戻す際、蓄電池21で熱交換された水を、貯湯タンク51内の水温と近い温度領域に戻すことができる。これにより、貯湯タンク51内の温度勾配による対流の発生を抑えられ、貯湯タンク51内の湯温の低下を抑えることができる。また実施の形態4に係る給湯システム1によれば、蓄電池ユニット20の温度を一定範囲内に保ちながら、貯湯タンク51内の湯温の低下を抑えることができる。
実施の形態5.
図23は実施の形態5に係る給湯システムを横から見た構成図である。図24は実施の形態5に係る給湯システムを上から見た構成図である。実施の形態5に係る給湯システム1では、図1に示すルーバー32の代わりに、循環回路45及び循環ポンプ46が用いられる。循環回路45は、蒸発器35の熱を蓄電池ユニット20の熱交換器22に伝えるための回路である。循環回路45の途中には循環ポンプ46が設けられ、循環ポンプ46が動くことにより、循環回路45内の水は、蓄電池ユニット20内の熱交換器22とヒートポンプユニット30内の蒸発器35との間を循環する。
循環ポンプ46は制御部48によって制御され、例えば、蓄電池21の温度を検出する不図示の第1の温度検出器で検出された温度が40[℃]を超えたとき、制御部48は循環ポンプ46を運転する。すなわち、実施の形態1においてルーバー32の風向きを蓄電池21側に設定するときに対応して、実施の形態5では循環ポンプ46を運転させる。なお、循環ポンプ46の運転と停止は、制御部48の代わりに、循環ポンプ46が備える制御手段が、第1の温度検出器で検出された温度に応じて循環ポンプ46内のモータを駆動することにより行ってもよい。また実施の形態5に係る循環ポンプ46は実施の形態1〜4の何れかに組み合わせることも可能である。
以上に説明したように、実施の形態5に係る給湯システム1によれば、蒸発器と蓄電池ユニットとの間で熱交換を行う循環回路と、循環回路内において熱を移動する循環ポンプとを備え、第1の温度検出器の検出温度に応じて循環ポンプの駆動が制御される。この構成により、ヒートポンプユニット30のルーバー32の風37が当たる範囲に蓄電池ユニット20を設置しなければならないという制約が無くなり、蓄電池ユニット20の設置自由度が広がる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。