JP6817724B2 - 内装構造 - Google Patents

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Description

本発明の一側面は、装飾シートに関する。また、本発明の他の一側面は、装飾シートを備えた内装構造に関する。
緊急用に矢印や文字で出口の方向を示す標識(sign)を屋内に付す技術が知られている(加国特許出願公開2119798号公報)。この標識では、表示(indicator)が目立つように白色の背景に対して緑色の表示としたり、逆に白色の背景に対して緑色の文字としたりしている。更に、この標識には、再帰性反射材が用いられている。
加国特許出願公開2119798号公報
緊急時に表示が目立つことは重要であるが、常に目立ってしまうと、表示の周囲に施された装飾を意匠的な観点で損なう可能性があった。
本発明の一側面に係る装飾シートは、標識情報が設けられた装飾シートであって、再帰性反射部と、非再帰性反射部と、を備え、前記再帰性反射部の表面は、前記非再帰性反射部の表面に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、前記標識情報は、前記再帰性反射部の表面及び前記非再帰性反射部の表面のいずれか一方に設けられている。
再帰性反射部は、光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有する。したがって、装飾シートが暗闇で照らされると、非再帰性反射部に比べ、再帰性反射部の方が、より多くの光を光源方向に向けて反射させる。その結果、装飾シートを照らしながら装飾シートを眺めた人物にとっては、再帰性反射部と非再帰性反射部とは相対的に区別し易くなり、両者の違いが目立つ。一方で、再帰性反射部と非再帰性反射部とは同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えるため、自然光あるいは蛍光灯などの光によって空間全体が明るく照らされている場合には相対的に区別し難く、両者の違いは目立ち難い。つまり、上記の装飾シートでは、再帰性反射部及び非再帰性反射部のいずれか一方に標識情報が設けられているので、暗闇で照らされた場合には両者の区別が明確になり、標識情報が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には再帰性反射部と非再帰性反射部とを区別し難いので標識情報は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難い。
一態様に係る装飾シートにおいて、再帰性反射部の反射性能は1Cd/Lx/m以上であり、非再帰性反射部の反射性能は、再帰性反射部の反射性能より低くてもよい。
一態様に係る装飾シートにおいて、再帰性反射部の表面と非再帰性反射部の表面との色差は30以下であってもよい。
本発明の他の一側面に係る内装構造は、内装面の少なくとも一部を形成する基材と、基材に付着された装飾シートと、を備え、基材は、装飾シートの周囲の少なくとも一部に非再帰性反射部を備え、装飾シートは、再帰性反射部を備え、装飾シートの再帰性反射部の表面は、基材の非再帰性反射部の表面に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、装飾シートの再帰性反射部の表面に標識情報が設けられている。
この内装構造は、装飾シートの再帰性反射部に標識情報が設けられているので、暗闇で照らされた場合には標識情報が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には基材と装飾シートとが区別し難いので標識情報は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難い。
一態様に係る内装構造では、再帰性反射部の反射性能は1Cd/Lx/m以上であり、基材の非再帰性反射部の反射性能は、装飾シートの再帰性反射部の反射性能より低くてもよい。
一態様に係る内装構造では、装飾シートの再帰性反射部の表面と基材の非再帰性反射部の表面との色差は30以下であってもよい。
一態様に係る内装構造では、装飾シートの表面は、他の非再帰性反射部を更に備えてもよい。
本発明の一側面によれば、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難い。
図1は、本発明の実施形態に係る装飾シートの一例を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る装飾シートの他の例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る装飾シートの更に他の例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る内装構造の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る内装構造の他の例を示す図である。
本発明の実施形態は、標識情報が設けられた装飾シートであって、再帰性反射部と、非再帰性反射部と、を備え、再帰性反射部の表面は、非再帰性反射部の表面に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、標識情報は、再帰性反射部の表面及び非再帰性反射部の表面のいずれか一方に設けられている。
この装飾シートでは、再帰性反射部は、光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有する。したがって、装飾シートが暗闇で照らされると、非再帰性反射部に比べ、再帰性反射部の方が、より多くの光を光源方向に向けて反射させる。その結果、装飾シートを照らしながら装飾シートを眺めた人物にとっては、再帰性反射部と非再帰性反射部とは相対的に区別し易くなり、両者の違いが目立つ。一方で、再帰性反射部と非再帰性反射部とは共通外観であるため、自然光あるいは蛍光灯などの光によって空間全体が明るく照らされている場合には相対的に区別し難く、両者の違いは目立ち難い。つまり、上記の装飾シートでは、再帰性反射部及び非再帰性反射部のいずれか一方に標識情報が設けられているので、暗闇で照らされた場合には両者の区別が明確になり、標識情報が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には再帰性反射部と非再帰性反射部とを区別し難いので標識情報は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難い。
本発明の他の実施形態は、内装構造であって、内装面の少なくとも一部を形成する基材と、基材に付着された装飾シートと、を備え、基材は、装飾シートの周囲の少なくとも一部に非再帰性反射部を備え、装飾シートは、再帰性反射部を備え、装飾シートの再帰性反射部の表面は、基材の非再帰性反射部の表面に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、装飾シートの再帰性反射部の表面に標識情報が設けられている。
この内装構造では、装飾シートの再帰性反射部に標識情報が設けられているので、暗闇で照らされた場合には標識情報が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には基材と装飾シートとが区別し難いので標識情報は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難い。
なお、本明細書における「標識情報」とは、視認によって特定の意味を把握させる情報(狭義の識別情報)、自他を識別させることで目印となり得る情報(広義の識別情報)を広く含む。例えば、建物内の狭義の標識情報として、非常出口や避難通路、その他の情報が含まれる。また、建物内の広義の標識情報として、室内のドア、窓、壁などの存在を示唆する目印、非常出口や非常階段などの所定の目的地までを案内する目印、その他の情報が広く含まれる。「非再帰性反射部」とは、再帰性反射機能を有さない部分を意味する。また、「反射性能」は、JISZ 9117(2011)に準じて測定される値であり、光入射される反射材の光度を、入射光の方向に垂直に置かれた反射材が受ける照度と反射材の面積との積で除した値で定義される。反射性能は、入射角5.0度、観測角0.2度における測定値を示す。本明細書において、「シート」という場合は、フレキシブルなフィルム、シート、および剛性のあるシート、板状体を含むものとする。
以下、図面を参照しながら、装飾シート及び内装構造の実施形態について詳細に説明する。本説明において、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る装飾シートの一例を示す図である。図1の(a)は、室内光源下における装飾シートの正面図を示し、図1の(b)は、図1の(a)のIb−Ib線に沿った装飾シートの断面図を示す。
図1の(a)及び(b)に示されるように、装飾シート1Aは、再帰性反射部10及び非再帰性反射部20を備え、再帰性反射部10は、入射する光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有する。その結果、再帰性反射部10の光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、5Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されており、例えば、1Cd/Lx/m以下となる。
具体的には、再帰性反射部10は、再帰性反射シートであれば、特に限定せず使用できるが、例えば市販のガラスビーズタイプあるいはプリズムタイプの再帰性反射シートが使用できる。例えば、ガラスビーズタイプ再帰性反射シートとしては、スコッチライトTM反射シート680シリーズ(スリーエムジャパン製)を使用することができる。非再帰性反射部20は、マーキングシートであれば、限定なく使用できるが、例えば、スコッチカルTMフィルム(スリーエムジャパン製)を使用できる。例えば、反射シート680−85は、再帰性反射機能を有する結果、その反射性能は22.9Cd/Lx/mである(反射シート680−85の反射光は白色である)。一方、スコッチカルTMフィルムJS1500XLでは、実質的に再帰性反射が起こらず、その反射性能は、1Cd/Lx/m以下である。
再帰性反射シートの平面形状、およびそのサイズは、特に限定されない。例えば、一方向に長いテープ状とすることもできるし、図1の(a)に示す矩形あるいは多角形、その他標識情報に応じた所定形状とすることができる。例えば、5000mm×80mmのテープ状とし、所望の長さにカットして使用することもできる。再帰性反射シートおよびマーキングシートは裏面に粘着層を有することができ、厚さは、粘着層を含めて、例えば、180μmである。マーキングシートJS1500XLの厚さは、粘着層を含めて、例えば、80μmである。
装飾シート1Aは、標識情報30を有し、この標識情報30は、再帰性反射部10の表面10a及び非再帰性反射部20の表面20aのいずれか一方に設けられている。図1の(a)及び(b)には、非再帰性反射部20の表面20aが標識情報30となる例が示されている。つまり、非再帰性反射部20であるマーキングシートJS1500XLが、矢印の形およびExitという文字の形になって標識情報30を形成している。
再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えることができる。同系統色とは、基本色として同一のグループに属することを意味する。具体的には、有彩色の基本色は赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の10色であり、無彩色の基本色は白、灰色、黒の3種である。複数の色を比較した場合、基本色として共通していれば同系統色であり、基本色として共通するためには色相が同じであれば足りる。なお、再帰性反射部10の表面10a、及び非再帰性反射部20の表面20aの少なくとも一方が複数色を備えている場合、少なくとも一部の色同士が同系統色に属していれば、再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色であると言える。
同系統模様とは、同種の模様であることを意味する。模様の種類としては、例えば自然界に存在する木目、草木、花、石、砂、皮などの自然模様、自然界に存在する水玉、波、雪などの対象をモチーフとして創作された自然現象模様、及び自然現象とは離れて創作された、線、円形、多角形等の図形を組み合わせた幾何学模様や、ヘアライン、カーボンテキスチャー、金属調、織目等、人工的に作製された様々な模様、などを広く含む。なお、再帰性反射部10の表面10aの模様と非再帰性反射部20の表面20aの模様とが同種であれば、再帰性反射部10の表面10aに付された色と非再帰性反射部20の表面20aに付された色とが同系統色に属していなくても、再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統模様であると言える。
本実施形態に係る再帰性反射部10(図1の(a)及び(b)参照)は、非再帰性反射部20に対しての同系統色の一例として、非再帰性反射部20と同一色、例えば、黒色の表面を有する。具体的には、再帰性反射部10を形成する再帰性反射シート680−85は黒色シートであり、非再帰性反射部20を形成するマーキングシートJS1500XLは黒色シートである。
再帰性反射部10と非再帰性反射部20とが同系統色であるので、装飾シート1Aが設置された空間全体が明るい場合、例えば、室内光源下では、再帰性反射部10と、非再帰性反射部20とを区別し難く、標識情報30、即ち、非再帰性反射部20が成す矢印の形およびExitという文字は目立ち難く視認が困難である。室内光源は、例えば、蛍光灯であり、床領域から高さが2m〜3m程度の天井領域に設置される。また、装飾シート1Aは、例えば、床から高さ1.5m、あるいは、それより低い位置に設置される。なお、図1の(a)では、再帰性反射部10の上に非再帰性反射部20が設けられていることを示すために、非再帰性反射部20の輪郭を破線で示している。
図1の(c)は、室内光源を消灯し手元光源が照射されたときの装飾シート1Aの正面図を示す。手元光源は、例えば、スマートフォンのiPhone5C(Apple社製)のLED光源である。手元光源が装飾シート1Aに照射されると、再帰性反射部10が再帰性反射をし、その結果、非再帰性反射部20が成す矢印の形およびExitという文字が目立ち易くなって視認性が向上する。
なお、手元光源は、iPhone5C以外のスマートフォンのLED光源であってもよく、また、例えば、家庭用の懐中電灯であってもよい。装飾シート1Aは、例えば、床から高さが0.1m〜2.2mの範囲に設置することができる。この高さは、建物内に存在する人物の視野に入り易い領域であるが、室内光源下では、非再帰性反射部20が成す矢印の形およびExitという文字は再帰性反射部10に同化し、保護色のように隠れて、目立ち難い。一方で、室内光源が消灯され、手元光源が照射されたときに、非再帰性反射部20は再帰性反射部10に比べて相対的に暗くなり、非再帰性反射部20によって形成された標識情報30は目立ち、十分な視認性を有する。
装飾シート1Aでは、再帰性反射部10は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル、ウレタン、フッ素樹脂その他の樹脂を含み、裏面に粘着層を有していてもよい。再帰性反射部10として、具体的には、例えば、市販のガラスビーズ型、あるいはプリズム型再帰性反射シートが使用できる。ガラスビーズ型再帰性反射シートとしては、例えば、スコッチライトTM反射シート680シリーズ(スリーエムジャパン製)を使用することができる。スコッチライトTM反射シート680−85の他に、680−10、680−14、680−72、680−75、及び、680−81(以上、スリーエムジャパン製)等を使用してもよい。再帰性反射部10の厚さは、粘着層を含めて、例えば、180μmである。
非再帰性反射部20は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル、ウレタン、フッ素樹脂その他の樹脂を含み、裏面に粘着層を有していてもよい。非再帰性反射部20としては、市販のマーキングシートを使用でき、例えば、スコッチカルTMフィルム(スリーエムジャパン製)を使用できる。具体的には、スコッチカルTMフィルムJS1500XLの他に、JS1003XL、JS1006XL、JS1234XL、JS1408XL、JS1404XL、JS1604XL、IJ5341F、JS6106、及び、JS6616XL(以上、スリーエムジャパン製)等を使用できる。非再帰性反射部20の厚さは、粘着層を含めて、例えば、80μmである。
また、空間全体が明るい場合には標識情報が目立たず、装飾性を損ない難くするためには、表1に示されるように、装飾シート1Aの再帰性反射部10の表面10aと非再帰性反射部20の表面20aとの色差は、30以下とすることができ、更に、20以下とすることができ、更に、10以下とすることができる。
表1は、再帰性反射部10及び非再帰性反射部20に、それぞれ含まれる反射シート及びマーキングシートの反射性能を示した表である。表中の反射シートおよびマーキングシート名は、それぞれスリーエム社製品名と各シート表面の色を示す。また、この表は、各反射シート及び各マーキングシートの組み合わせを示し、その組み合わせについて、再帰性反射部10と非再帰性反射部20との色差及び外観評価を示した表である。なお、表1の中において「JS6804XL(ムーンビームメタリック)+TP3113XL(レモンイエロー)」とは、マーキングシートJS6804XLの上に透過型マーキングシートTP3113XLを形成したことを意味する。
色差測定では、分光測色計CM−3700d(コニカミノルタ社製)を用い、化粧フィルムのL*a*b*値を測定した。測定用光源はD65とし、観測角は10度とした。各反射シート及び各マーキングシートに光照射を行い、L*a*b*値を測定した。
色差ΔE*の算出は、反射シートのL*a*b*値を、L*1、a*1、b*1と表記し、マーキングシートのL*a*b*値を、L*2、a*2、b*2と表記し、次の計算式に従った。
ΔE*=[(L*2−L*1)+(a*2−a*1)+(b*2−b*1)1/2
表1の外観評価では、空間全体が明るい場合に、各シートとそれが付着される基材との外観に相違がない又は殆どないときに「A」と評価し、各シートとそれが付着される基材との外観に明らかに相違があるときに「B」と評価した。表1から、再帰性反射部10の反射シートと非再帰性反射部20のマーキングシートとの色差が30以下であるときに、外観評価が「A」となることが示される。
Figure 0006817724
図2は、本発明の実施形態に係る装飾シートの他の例を示す図である。図2の(a)は、室内光源下における装飾シートの正面図を示し、図2の(b)は、図2の(a)のIIb−IIb線に沿った装飾シートの断面図を示す。
図2の(a)及び(b)に示されるように、装飾シート1Bは、再帰性反射部10及び非再帰性反射部20を備え、再帰性反射部10は、入射する光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有し、その結果、その光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、5Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されており、例えば、1Cd/Lx/m以下となる。
一実施形態としては、再帰性反射部10として、具体的には、スコッチライトTM反射シート680−85(スリーエムジャパン製)を含み、非再帰性反射部20は、マーキングシートであるスコッチカルTMフィルムJS1500XL(スリーエムジャパン製)を含む。反射シート680−85は、再帰性反射機能を有する結果、その反射性能は22.9Cd/Lx/mである(反射シート680−85の反射光は白色である)。一方、マーキングシートJS1500XLでは、実質的に再帰性反射が起こらず、その反射性能は、1Cd/Lx/m以下である。
マーキングシートの平面形状およびサイズに特に限定はない。例えば一方向に長いテープ状とすることもできるし、図2の(a)に示す矩形あるいは多角形、その他標識情報に応じた所定形状とすることができる。例えば5000mm×80mmのテープ状とし、所望の長さにカットして使用することもできる。再帰性反射シートおよびマーキングシートは裏面に粘着層を有することができ、厚さは、粘着層を含めて、例えば、80μmである。再帰性反射シート680−85の厚さは、粘着層を含めて、例えば、180μmである。
装飾シート1Bは、標識情報30を有し、この標識情報30は、再帰性反射部10の表面10a及び非再帰性反射部20の表面20aのいずれか一方に設けられる。図2の(a)及び(b)には、再帰性反射部10の表面10aが標識情報30となる例が示されている。つまり、再帰性反射部10である再帰性反射シート680−85が、矢印の形およびExitという文字の形になって標識情報30を形成している。
再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えることができる。本実施形態に係る再帰性反射部10(図2の(a)及び(b)参照)は、非再帰性反射部20に対しての同系統色の一例として、非再帰性反射部20と同一色、例えば、同じ黒色の表面を有する。具体的には、再帰性反射部10を形成する再帰性反射シート680−85は黒色シートであり、非再帰性反射部20を形成するマーキングシートJS1500XLは黒色シートである。
再帰性反射部10と非再帰性反射部20と同系統色であるので、装飾シート1Bが設置された空間全体が明るい場合、例えば、室内光源下では、再帰性反射部10と、非再帰性反射部20とを区別し難く、標識情報30、即ち、再帰性反射部10が成す矢印の形およびExitという文字は目立ち難く視認が困難である。室内光源は、例えば、蛍光灯であり、床領域から高さが2m〜3m程度の天井領域に設置される。また、装飾シート1Aは、例えば、床から高さ1.5m、あるいはそれより低い位置に設置される。なお、図2の(a)では、非再帰性反射部20の上に再帰性反射部10が設けられていることを示すために、再帰性反射部10の輪郭を破線で示している。
図2の(c)は、室内光源を消灯し手元光源が照射されたときの装飾シートの正面図を示す。手元光源は、例えば、スマートフォンのiPhone5C(Apple社製)のLED光源である。手元光源が装飾シート1Bに照射されると、再帰性反射部10が再帰性反射をし、その結果、再帰性反射部10が成す矢印の形およびExitという文字が目立ち易くなって視認性が向上する。
なお、手元光源は、iPhone5C以外のスマートフォンのLED光源であってもよく、また、例えば、家庭用の懐中電灯であってもよい。装飾シート1Bは、例えば、床から高さが0.1m〜2.2mの範囲に設置することができる。この高さは、建物内に存在する人物の視野に入り易い領域であるが、室内光源下では、再帰性反射部10が成す矢印の形およびExitという文字は非再帰性反射部20に同化し、保護色のように隠れて、目立ち難い。一方で、室内光源が消灯され、手元光源が照射されたときに、再帰性反射部10は非再帰性反射部20に比べて相対的に明るくなり、再帰性反射部10によって形成された標識情報30は目立ち、十分な視認性を有する。
また、空間全体が明るい場合において標識情報30が目立たず、装飾性を損ない難くするという観点において、装飾シート1Bの再帰性反射部10の表面10aと非再帰性反射部20の表面20aとの色差は、30以下とすることができ、更に、20以下とすることができ、更に、10以下とすることができる。
図3は、本発明の実施形態に係る装飾シートの更に他の例を示す図である。図3の(a)は、室内光源下における装飾シートの正面図を示し、図3の(b)は、図3の(a)のIIIb−IIIb線に沿った装飾シートの断面図を示す。
図3の(a)及び(b)に示されるように、装飾シート1Cは、再帰性反射部10及び非再帰性反射部20を備え、再帰性反射部10は、入射する光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有し、その結果、その光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、5Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されており、例えば、1Cd/Lx/m以下となる。
一実施形態としては、具体的には、再帰性反射部10として、スコッチライトTM反射シート680−10(スリーエムジャパン製)を含み、非再帰性反射部20は、マーキングシートであるスコッチカルTMフィルムJS1003XL(スリーエムジャパン製)を含む。反射シート680−10は、再帰性反射機能を有する結果、その反射性能は85Cd/Lx/mである(反射シート680−10の反射光は白色である)。一方、マーキングシートJS1003XLでは、実質的に再帰性反射が起こらず、その反射性能は、1Cd/Lx/m以下である。
マーキングシートJS1003XLの平面形状およびサイズは、特に限定はない。例えば一方向に長いテープ状とすることもできるし、図3の(a)に示す矩形あるいは多角形、その他標識情報に応じた所定形状とすることができる。例えば5000mm×80mmのテープ状とし、所望の長さにカットして使用することもできる。再帰性反射シートおよびマーキングシートは裏面に粘着層を有することができ、厚さは、粘着層を含めて、例えば、80μmである。再帰性反射シート680−10の厚さは、粘着層を含めて、例えば、180μmである。
装飾シート1Cは、標識情報30を有し、この標識情報30は、再帰性反射部10の表面10a及び非再帰性反射部20の表面20aのいずれか一方に設けられる。図3の(a)及び(b)には、再帰性反射部10の表面10aが標識情報30となる例が示されている。つまり、再帰性反射部10である再帰性反射シート680−10が、矢印の形およびExitという文字の形になって標識情報30を形成している。
再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えることができる。本実施形態に係る再帰性反射部10(図3の(a)及び(b)参照)は、非再帰性反射部20に対しての同系統色の一例として、非再帰性反射部20のアイスグレイ色と同系統色、例えば、白色の表面を有し、また、例えば、再帰性反射部10は、非再帰性反射部20と同系統模様、例えば、同じ木目調模様の表面を有することができる。
木目調模様の表面を有する装飾シート1Cは、以下のようにして作製することができる。即ち、初めに、非再帰性反射部20のためのマーキングシートJS1003XLを用意し、そのマーキングシートJS1003XL上に、再帰性反射部10のための再帰性反射シート680−10を貼り付ける。マーキングシートJS1003XLの表面は、アイスグレイ色であり、再帰性反射シート680−10の表面は、白色である。再帰性反射シート680−10の輪郭は、矢印の形およびExitという文字を形成している。続いて、再帰性反射シート680−10が貼り付けられたマーキングシートJS1003XLは、UVインクジェットプリンターUJV500(ミマキ社製)を用いて、木目調の印刷が施される。この印刷の結果、再帰性反射シート680−10と、マーキングシートJS1003XLとが、同じ木目調模様の表面を有することができる。なお、木目調模様の表面を有する装飾シート1Cは、非再帰性反射部20となるマーキングシートと再帰性反射部10となる反射シート、それぞれ別々に、同一の木目調の柄を印刷し、後に柄の連続性が生じるように、貼り合せることで形成することも可能である。
同じ木目調模様の表面を有するので、装飾シート1Cが置かれる空間全体が明るい場合、例えば、室内光源下では、再帰性反射部10の再帰性反射シート680−10と、非再帰性反射部20のマーキングシートJS1003XLとを区別し難く、標識情報30、即ち、再帰性反射部10が成す矢印の形およびExitという文字は非再帰性反射部20に同化し、目立たず装飾性を損ない難くなる。なお、図3の(a)では、非再帰性反射部20の上に再帰性反射部10が設けられていることを示すために、非再帰性反射部20の輪郭を破線で示している。
図3の(c)は、室内光源を消灯し手元光源が照射されたときの装飾シートの正面図を示す。手元光源は、スマートフォンのiPhone5C(Apple社製)のLED光源であることができる。この手元光源が装飾シート1Cに照射されると、再帰性反射部10が再帰性反射をする結果、再帰性反射部10は非再帰性反射部20に比べて相対的に明るくなり、再帰性反射部10によって形成された標識情報30は目立ち、十分な視認性を有する。なお、図3の装飾シート1Cは、例えば、床から高さ0.1m及び2.2mの位置に設置することができて、これらの位置に設置されても、室内光源下では、再帰性反射部10が成す矢印の形およびExitという文字は目立ち難く視認が困難である。その一方で、室内光源が消灯され手元光源が照射されたときに、十分な視認性を有する。
上述の通り、再帰性反射部10は、光の光源方向に向けて、主体的に光を反射させる機能を有する。したがって、上記の装飾シート1A、1B、1Cが暗闇で照らされると、非再帰性反射部20に比べ、再帰性反射部10の方が、より多くの光を光源方向に向けて反射させる。その結果、装飾シート1A、1B、1Cを照らしながら装飾シート1A、1B、1Cを眺めた人物にとっては、再帰性反射部10と非再帰性反射部20とは相対的に区別し易くなり、両者の違いが目立つ。一方で、再帰性反射部10と非再帰性反射部20とは同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えるため、自然光あるいは蛍光灯などの光によって空間全体が明るく照らされている場合には相対的に区別し難く、両者の違いは目立ち難い。つまり、上記の装飾シート1A、1B、1Cでは、再帰性反射部10及び非再帰性反射部20のいずれか一方に標識情報30が設けられているので、暗闇で照らされた場合には両者の区別が明確になり、標識情報30が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には再帰性反射部10と非再帰性反射部20とを区別し難いので標識情報30は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報30が目立たず、装飾性を損ない難い。
図4は、本発明の実施形態に係る内装構造の一例を示す図である。図4の(a)は、室内光源下における内装構造の一例を示す図であり、具体的には壁面40及び幅木41を示している。壁面40及び幅木41は、建物の内装面の少なくとも一部を形成する基材である。
内装構造2Aに係る壁面40は、無模様単色、例えば、白色であるが、複数の色を持った模様を有していても良い。壁面40は、4つの辺を有し、上辺40aは、例えば天井領域との境界線を示し、二つの側辺40bは、例えば隣接する他の壁面との境界線を示す。また、壁面40の下辺40dは、例えば床領域との境界線を示し、本実施形態では、下辺40dに沿って幅木41が配置されている。幅木41は、無模様単色、例えば、黒色であるが、複数の色を持った模様を有していても良い。
壁面40の大きさについて、床領域からの高さは2m〜3mであり、例えば、横幅は4m〜6mである。また、天井領域には、室内灯(例えば、蛍光灯)が設置されている。また、幅木41の幅は、例えば、約80mmである。
本実施形態では、壁面40の上辺40a及び二つの側辺40bに沿って装飾シート1Dが付着され、下辺40dに沿うように幅木41の上に装飾シート1Eが付着されている。装飾シート1Eの幅は幅木41の幅に一致し、幅木41の長手方向の一部に装飾シート1Eが付着されている。本実施形態に係る装飾シート1Dは、例えば、スコッチライトTM反射シート680シリーズ(スリーエムジャパン製)が使用でき、例えば、再帰性反射シート680−10によって形成されている。つまり、装飾シート1Dは、再帰性反射部10を備えているが、非再帰性反射部を備えていない。また、装飾シート1Eも、スコッチライトTM反射シート680シリーズ(スリーエムジャパン製)が使用でき、例えば、再帰性反射シート680−85によって形成されている。つまり、装飾シート1Eは、再帰性反射部10を備えているが、非再帰性反射部を備えていない。なお、装飾シート1D、1Eの変形例として、それぞれ非再帰性反射部を備えていてもよい。
上述の通り、装飾シート1Dは、壁面40の上辺40a及び二つの側辺40bに沿って配置されており、逆に言うと、壁面40の上辺40a及び二つの側辺40bは、装飾シート1Cの周囲の一部である装飾シート1Dに沿った領域に存在することを意味する。更に、壁面40は、再帰性反射を行わない非再帰性反射部20である。その結果、装飾シート1Dの周囲の一部に非再帰性反射部20が設けられた態様になっている。また、装飾シート1Eは、幅木41の長手方向の一部に配置されており、逆に言うと、幅木41の一部は、装飾シート1Eの周囲の一部である装飾シート1Eの端部から露出した領域に存在することを意味する。更に、幅木41は、再帰性反射を行わない非再帰性反射部20である。その結果、装飾シート1Eの周囲の一部に非再帰性反射部20が設けられた態様になっている。
装飾シート1Dの再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20である壁面(表面)40に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えることができる。具体的には、再帰性反射部10の再帰性反射シート680−10は、非再帰性反射部20である壁面(表面)40と同じ白色の表面10aを有する。また、装飾シート1Eの再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20である幅木41の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備えることができる。具体的には、再帰性反射部10の再帰性反射シート680−85は、非再帰性反射部20である幅木41と同じ黒色の表面10aを有する。
装飾シート1Dの再帰性反射部10の光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、5Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20である壁面40の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されている。
装飾シート1Dは、壁面40の上辺40a及び二つの側辺40bに沿って配置されており、その結果、壁面40の境界線を目印として示唆する標識情報として機能する。また、装飾シート1Eは、幅木41上に配置されており、幅木41の存在を目印として示唆する標識情報として機能する。
上述の通り、装飾シート1Dの再帰性反射部10は壁面40に対して同系統色となり、装飾シート1Eの再帰性反射部10は幅木41に対して同系統色となる。その結果、壁面40及び幅木41を備える空間全体が明るい場合、例えば、室内光源下では、装飾シート1Dの再帰性反射部10と、非再帰性反射部20である壁面40とは区別し難く、また、装飾シート1Eの再帰性反射部10と、非再帰性反射部20である幅木41とは区別し難い。その結果、装飾シート1D及び装飾シート1Eは標識情報として機能し難くなり、装飾性を損ない難い。
図4の(b)は、室内光源を消灯し手元光源が照射されたときの内装構造2Aの一例を示す図である。手元光源は、スマートフォンのiPhone5C(Apple社製)のLED光源であることができる。この手元光源が装飾シートに照射されると、装飾シート1Dの再帰性反射部10、及び装飾シート1Eの再帰性反射部10が再帰性反射をする結果、壁面40の境界線及び幅木41の位置が目立ち易くなり、壁面40の4つの辺が視認されるようになる。装飾シート1Dの再帰性反射部10、及び装飾シート1Eの再帰性反射部10は、再帰性反射をするので、その反射性能は、ぞれぞれ、85Cd/Lx/m及び22.9Cd/Lx/mである。一方、壁面40及び幅木41では、再帰性反射が起こらず、その反射性能は、1Cd/Lx/m以下である。
また、空間全体が明るい場合において標識情報として機能する装飾シート1Dや装飾シート1Eが目立たず、装飾性を損ない難くするという観点において、装飾シート1Dの再帰性反射部10の表面10aと非再帰性反射部20である壁面(表面)40との色差は、30以下とすることができ、更に、20以下とすることができ、更に、10以下とすることができる。また、装飾シート1Eの再帰性反射部10の表面10aと非再帰性反射部20である幅木41の表面20aとの色差は、30以下とすることができ、更に、20以下とすることができ、更に、10以下とすることができる。
図5は、本発明の実施形態に係る内装構造2Bの他の例を示す図である。図5の(a)は、室内光源下における廊下及び壁面の一部を示す図である。
図5の内装構造2Bでは、壁50と廊下51との間に幅木41を有し、また、壁50は、手すり52と、この手すり52に沿って通路案内標識シート53とを備える。壁50及び幅木41は、建物の内装面の少なくとも一部を形成する基材である。また、本実施形態に係る通路案内標識シート53は装飾シートの一例である。通路案内標識シート53は、壁50に付着された再帰性反射シート680−10によって形成され、再帰性反射部10となる。また、幅木41上には、装飾シート1Fが付着されており、装飾シート1Fは再帰性反射シート680−85からなって再帰性反射部10を形成する。装飾シート1Fの幅は、幅木41の幅とほぼ同一であり、幅木41の長手方向の一部に付着されている。
壁50は、再帰性反射を行わない非再帰性反射部20であり、通路案内標識シート53の再帰性反射部10(再帰性反射シート680−10)の周囲の少なくとも一部は非再帰性反射部20を成す。また、幅木41は再帰性反射を行わない非再帰性反射部20であり、装飾シート1Fの再帰性反射部10(再帰性反射シート680−85)の周囲の少なくとも一部は非再帰性反射部20を成す。
通路案内標識シート53の再帰性反射部10の光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、5Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20である壁50の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されている。
また、装飾シート1Fの再帰性反射部10の光源方向に向けた反射性能は、少なくとも1Cd/Lx/mよりも大きくなり、例えば、2Cd/Lx/m以上とすることができ、更に、3Cd/Lx/m以上とすることができる。また、非再帰性反射部20である幅木41の反射性能は、再帰性反射部10の反射性能より低く設定されている。
通路案内標識シート53は、廊下51に沿った通路方向を目印として示唆する標識情報として機能する。また、装飾シート1Fは、幅木41上に配置されており、幅木41の存在を目印として示唆する標識情報として機能する。
通路案内標識シート53の再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20である壁50の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備える。例えば、通路案内標識シート53の再帰性反射部10の表面10aは、壁50と同じ白色の表面を有する。また、装飾シート1Fの再帰性反射部10の表面10aは、幅木41と同じ黒色の表面を有する。再帰性反射シートが壁50または幅木41と同じ色を有するので、壁50及びと廊下51を備える空間全体が明るい場合、例えば、室内光源下では、再帰性反射部10と、非再帰性反射部20である壁50とは区別し難く、また、再帰性反射部10と、非再帰性反射部20の幅木41とは区別し難い。
図5の(b)は、室内光源を消灯し手元光源が照射されたときの壁及び廊下の一部を示す図である。手元光源は、スマートフォンのiPhone5C(Apple社製)のLED光源であることができる。この手元光源が通路案内標識シート53及び装飾シート1Fに照射されると、通路案内標識シート53及び幅木41上の装飾シート1Fが目立ち、それぞれ識別情報として機能する。
通路案内標識シート53の再帰性反射部10、及び装飾シート1Fの再帰性反射部10は、再帰性反射をするので、その反射性能は、ぞれぞれ、85Cd/Lx/m及び22.9Cd/Lx/mである。一方、壁50及び廊下51では、再帰性反射が起こらず、その反射性能は、1Cd/Lx/m以下である。
上記の内装構造2A、2Bは、内装面の少なくとも一部を形成する基材に装飾シート1D、1E、1Fが付着され、装飾シート1D、1E、1Fの再帰性反射部10に標識情報に相当する要素が設けられている。従って、暗闇で照らされた場合には、その標識情報30が目立つ。一方で、空間全体が明るい場合には基材と装飾シート1D、1E、1Fとが区別し難いので標識情報30は目立ち難い。その結果、暗闇で照らされた際には、標識としての機能を効果的に発揮させる一方で、空間全体が明るい場合には標識情報30が目立たず、装飾性を損ない難い。
また、手元光源と、再帰性反射部である通路案内標識シート53または幅木41上の装飾シート1Fとの間に障害物54が存在すると、通路案内標識シート53または幅木41を示す反射が視認されない。したがって、手元光源と、通路案内標識シート53または幅木41との間に障害物54があることが認識される。例えば、建物内の障害物54を避けながら避難するときに、避難の安全性が向上し、また、建物内の夜間見回りを行うときに、不審者や不審物の発見をし易くなる。
なお、通路案内標識シート53または装飾シート1F上の表面には、例えば、非再帰性反射部となるマーキングシートJS1500XLが設けられてもよい。非再帰性反射部として、避難用の矢印及びExitという文字が形成されると、避難の安全性がより向上する。
また、上記の内装構造2A、2Bにおける装飾シート1D、1E、1Fの代わりに上述した装飾シート1A、1B、1Cを用いた態様とすることもできる。この態様に係る再帰性反射部10の表面10aは、非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、さらに、標識情報30は、再帰性反射部10の表面10a及び非再帰性反射部20の表面20aのいずれか一方に設けられていてもよい。さらに、この態様では、内装面の少なくとも一部を形成する基材に上記の装飾シート1A、1B、1Cが付着され、その基材は、装飾シート1A、1B、1Cの周囲の少なくとも一部に非再帰性反射部20を備え、装飾シート1A、1B、1Cは、再帰性反射部10を備え、装飾シートの再帰性反射部10の表面10aは、基材の非再帰性反射部20の表面20aに対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、装飾シートの再帰性反射部10の表面10aに標識情報30が設けられていてもよい。
1A、1B、1C、1D、1E、1F…装飾シート、2A,2B…内装構造、10…再帰性反射部、10a…表面、20…非再帰性反射部、20a…表面、30…標識情報。

Claims (3)

  1. 内装面の少なくとも一部を形成する基材と、
    前記基材に付着された装飾シートと、を備え、
    前記基材は、前記装飾シートの周囲の少なくとも一部に非再帰性反射部を備え、
    前記装飾シートは、再帰性反射部を備え、
    前記装飾シートの前記再帰性反射部の表面は、前記基材の前記非再帰性反射部の表面に対して同系統色及び同系統模様の少なくとも一方を備え、
    前記装飾シートの前記再帰性反射部の表面に標識情報が設けられており、
    前記再帰性反射部の反射性能は5Cd/Lx/m以上であり、
    前記基材の前記非再帰性反射部の反射性能は、前記装飾シートの前記再帰性反射部の反射性能より低く、1Cd/Lx/m以下である、内装構造。
  2. 前記装飾シートの前記再帰性反射部の表面と前記基材の前記非再帰性反射部の表面との色差は30以下である、請求項記載の内装構造。
  3. 前記装飾シートの表面は、他の非再帰性反射部を備える、請求項1又は2記載の内装構造。
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