JP6817261B2 - アクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物 - Google Patents

アクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、アクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、植物由来原料を利用しており、かつ、優れた耐候性および耐薬品性を示す塗膜を作製し得るアクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物に関する。
従来、重合に天然産油脂を用いた塗料組成物が提案されている。特許文献1には、旧塗膜を侵すことなく、厚塗り可能な塗料組成物が開示されている。特許文献1には、脂肪酸のグリセリンエステルとして、ひまし油等の天然産油脂を用いることが開示されている。
特開2003−105166号公報
特許文献1に記載の塗料組成物は、ひまし油等の天然産油脂を好適に含む。しかしながら、このような塗料組成物によって得られる塗膜は、耐候性および耐薬品性が充分でない。また、近年、環境負荷の小さい塗料組成物が注目されている。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐候性、耐薬品性に関する優れた塗膜性能を発揮することができ、かつ、環境負荷の小さいアクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)植物由来原料からなるポリオールと、イソシアネート化合物とからなるポリウレタン組成物に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、ビニル基を有するモノマーと、0.1〜6質量%の反応性シリコーンモノマーとが共重合した、アクリル樹脂組成物。
このような構成によれば、アクリル樹脂組成物は、耐候性、耐薬品性の優れた塗膜を形成でき、かつ、環境負荷が小さい。
(2)前記イソシアネート化合物は、脂肪族系イソシアネート化合物および脂環式系イソシアネート化合物、ビニル基含有イソシアネート化合物のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)記載のアクリル樹脂組成物。
このような構成によれば、アクリル樹脂組成物は、より優れた耐候性を示す塗膜を形成し得る。
(3)脂肪族炭化水素系溶剤をさらに含む、(1)または(2)記載のアクリル樹脂組成物。
このような構成によれば、アクリル樹脂組成物は、より優れた耐候性を示す塗膜を形成し得る。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物を含む、一液硬化型塗料組成物。
このような構成によれば、一液硬化型塗料組成物は、耐候性、耐薬品性の優れた塗膜を形成でき、かつ、環境負荷が小さい。
本発明によれば、耐候性、耐薬品性に関する優れた塗膜性能を発揮することができ、かつ、環境負荷の小さいアクリル樹脂組成物および一液硬化型塗料組成物を提供することができる。
<アクリル樹脂組成物>
本発明の一実施形態のアクリル樹脂組成物は、植物由来原料からなるポリオールと、イソシアネート化合物とからなるポリウレタン組成物に、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、ビニル基を有するモノマーと、0.1〜6質量%の反応性シリコーンモノマーとが共重合した樹脂組成物である。以下、それぞれについて説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
(植物由来原料からなるポリオール)
植物由来原料からなるポリオールの由来原料は特に限定されない。一例を挙げると、ポリオールは、ひまし油ポリオール、大豆油ポリオール、パーム油ポリオール、パーム核油ポリオール、ヤシ油ポリオール、オリーブ油ポリオール、綿実油ポリオール、サフラワー油ポリオール、ごま油ポリオール、ひまわり油ポリオール、アマニ油ポリオール、きり油ポリオール、綿実油ポリオール、または、これらの変性ポリオール等である。ポリオールは、併用されてもよい。これらの中でも、ポリオールは、水酸基を有すること、また、ヨウ素価が比較的低いことにより、得られる塗膜の耐候性、耐薬品性等の塗膜性能が向上する点から、ひまし油ポリオールであることが好ましい。
上記ポリオールの重量平均分子量(Mw)は特に限定されない。一例を挙げると、ポリオールのMwは、10000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましい。また、ポリオールのMwは、100000以下であることが好ましく、80000以下であることがより好ましい。ポリオールのMwが上記範囲内であることにより、アクリル樹脂組成物は、耐薬品性、耐候性などの塗膜性能が優れる。なお、本実施形態において、Mwは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めたクロマトグラムの分子量である。
ポリオールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ポリオールの含有量は、ポリウレタン組成物中、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、ポリオールの含有量は、ポリウレタン組成物中、95質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。ポリオールの含有量が上記範囲内であることにより、得られるアクリル樹脂組成物は、植物由来原料を含有しながら耐候性、耐薬品性等の塗膜性能が優れるという利点がある。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、イソシアネート化合物は、脂肪族系イソシアネート化合物、脂環式系イソシアネート化合物、芳香族系イソシアネート化合物、ビニル基含有イソシアネート化合物等である。イソシアネート化合物は、併用されてもよい。
脂肪族系イソシアネート化合物は、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等である。
脂環式系イソシアネート化合物は、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等である。
芳香族系イソシアネート化合物は、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等である。
ビニル基含有イソシアネート化合物は、(メタ)アクリル酸−2−イソシアナトエチル等である。
これらの中でも、本実施形態のイソシアネート化合物は、より優れた耐候性を示す塗膜を形成し得る点から、脂肪族系イソシアネート化合物、脂環式系イソシアネート化合物、ビニル基含有イソシアネート化合物のうち、少なくともいずれか1つを含むことが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビニル基含有イソシアネート化合物であることがより好ましく、ビニル基含有イソシアネート化合物であることがさらに好ましい。
イソシアネート化合物の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、イソシアネート化合物の含有量は、ポリウレタン組成物中、5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、イソシアネート化合物の含有量は、ポリウレタン組成物中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。イソシアネート化合物の含有量が上記範囲内であることにより、得られるアクリル樹脂組成物は、合成時の制御が容易になり、得られる塗膜の耐候性、耐薬品性等の塗膜性能をより向上させ得る。
(その他の成分)
ポリウレタン組成物は、上記植物由来原料からなるポリオールおよびイソシアネート化合物のほかに、適宜の溶剤、触媒等が配合されてもよい。
溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤は、より優れた耐候性を示す塗膜を形成し得る点から、ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、イソパラフィン、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、VM&Pナフサ、ソルベントナフサ、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の脂肪族炭化水素系溶剤等である。溶剤は、併用されてもよい。
溶剤が配合される場合、溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤の含有量は、アクリル樹脂組成物(溶液)中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、溶剤の含有量は、アクリル樹脂組成物(溶液)中、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られるアクリル樹脂組成物は、合成時の反応性や作業性が優れる。
触媒は特に限定されない。一例を挙げると、触媒は、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチルピペラジン、ピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、2−メチルピペラジン、N,N−ジメチルエタノールアミン、テトラメチルプロパンジアミン、メチルトリエチレンジアミンなど、およびこれらの混合物である。また、触媒は、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウムなどの有機金属化合物である。より具体的には、触媒は、硝酸ビスマス、鉛2−エチルヘキソエート、安息香酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、およびグリコール酸アンチモン、オクタン酸第一スズ、第一スズ2−エチルヘキソエート、ラウリン酸第一スズなどカルボン酸の第一スズ塩、および、二酢酸ジブチルスズ、ジラウリル酸ジブチルスズ、二酢酸ジオクチルスズなどカルボン酸のジアルキルスズ塩等である。触媒は併用されてもよい。
触媒が配合される場合、触媒の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、触媒の含有量は、ポリオールに対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましい。また、触媒の含有量は、ポリオールに対して、0.05質量%以下であることが好ましく、0.04質量%以下であることがより好ましい。触媒の含有量が上記範囲内であることにより、得られるアクリル樹脂組成物は、合成時の制御が容易である。
ポリウレタンの重合方法は特に限定されない。重合方法は、溶融重合法、溶液重合法のいずれでもよく、他の方法でもよい。得られたポリウレタン組成物は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニル基を有するモノマーおよび反応性シリコーンモノマーと共重合される。
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−iso−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−iso−オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸−iso−ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリル酸エステル類等である。
また、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、酸基を有する酸基含有モノマー、水酸基を有する水酸基含有モノマー、アミノ基を有するアミノ基含有モノマーであってもよい。酸基を有する酸基含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸、シュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシル基末端カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有脂肪族系単量体等のエチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を有するカルボキシル基含有モノマーである。水酸基を含有する水酸基含有モノマーは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、メチルα−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、エチルα−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、n−ブチルα−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等である。アミノ基含有モノマーは、(メタ)アクリルアミドN−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリンのエチレンオキサイド付加(メタ)アクリレート等の窒素原子含有(メタ)アクリレート化合物、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルメチルカルバメート、N,N−メチルビニルアセトアミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等である。
アクリル樹脂組成物中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合は特に限定されない。一例を挙げると、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、アクリル樹脂組成物中、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、アクリル樹脂組成物中、99質量%以下であることが好ましく、97質量%以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合が上記範囲内であることにより、アクリル樹脂組成物は、耐候性、耐薬品性等の塗膜性能がより優れる。
(ビニル基を有するモノマー)
ビニル基を有するモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、ビニル基を有するモノマーは、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロニトリル、ジビニルベンゼン、スチレン、α―メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニリデン等である。ビニル基を有するモノマーは、併用されてもよい。
ビニル基を有するモノマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ビニル基を有するモノマーの含有量は、アクリル樹脂組成物中、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。ビニル基を有するモノマーの含有量が上記範囲内であることにより、得られる塗料組成物は、耐候性、耐薬品性等の塗膜性能が優れる。
(反応性シリコーンモノマー)
反応性シリコーンモノマーは特に限定されない。一例を挙げると、反応性シリコーンモノマーは、アクリレート基またはメタクリレート基で両末端や片末端が変性されているシリコーンオイルである。
両末端がメタクリレート基で変性されたシリコーンオイルは、信越化学工業(株)製のX−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E等である。両末端がアクリレート基に変性されたシリコーンオイルは、信越化学工業(株)製のX−22−2445等である。片末端がメタクリレート基で変性されたシリコーンオイルは、信越化学工業(株)製のX−22−174ASX、X−22−174BX、X−22−2426、KF−2012等である。
本実施形態の反応性シリコーンオイルは、シリコーンオイルにビニル基、アクリレート基またはメタクリレート基を含む化合物を含んでも良い。ビニル基を含む化合物は、スチレン、ビニルトルエン等である。アクリレート基またはメタクリレート基を含む化合物は、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート等である。
反応性シリコーンモノマーの含有量は、アクリル樹脂組成物中、0.1質量%以上であればよく、1質量%以上であることが好ましい。また、反応性シリコーンモノマーの含有量は、アクリル樹脂組成物中、6質量%以下であればよく、5質量%以下であることが好ましい。反応性シリコーンモノマーの含有量が0.1質量%未満である場合、得られる塗膜は、耐候性が低下しやすい。一方、反応性シリコーンモノマーの含有量が6質量%を超える場合、溶液が濁りやすい。
アクリル樹脂組成物の酸価は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル樹脂組成物の酸価は、0.5mgKOH/g以上であることが好ましく、1.0mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、アクリル樹脂組成物の酸価は、10.0mgKOH/g以下であることが好ましく、6.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。アクリル樹脂組成物の酸価が上記範囲内であることにより、アクリル樹脂組成物は、顔料分散性が優れる。なお、本実施形態において、酸価は、ポリオール1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
アクリル樹脂組成物の水酸基価は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル樹脂組成物の水酸基価は、20mgKOH/g以上であることが好ましく、40mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、アクリル樹脂組成物の水酸基価は、80mgKOH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/g以下であることがより好ましい。アクリル樹脂組成物の水酸基価が上記範囲内であることにより、アクリル樹脂組成物は、塗膜の架橋密度が適正となり、耐候性、耐薬品性等の塗膜性能が優れる。なお、本実施形態において、水酸基価は、水酸基をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、樹脂1gに対するmg数で表すことによって算出し得る。
アクリル樹脂組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル樹脂組成物は、公知のラジカル重合法により調製することができる。重合開始剤は特に限定されない。一例を挙げると、重合開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシドまたはt−ブチルパーベンゾエート等である。ラジカル重合開始剤は併用されてもよい。また、ラジカル重合反応は、通常、60〜150℃の範囲で、ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、イソパラフィン、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、VM&Pナフサ、ソルベントナフサ、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の他の炭化水素溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−プロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエステル溶剤;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤などの有機溶媒中、あるいは、これらの混合溶媒中で行われ得る。本実施形態のアクリル樹脂組成物は、より優れた耐候性を示す塗膜を形成し得る点から、溶剤として脂肪族炭化水素系溶剤を含むことが好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤とキシレン等の他の炭化水素溶剤との混合溶媒(たとえばホワイトスピリット等)であることがより好ましい。
アクリル樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル樹脂組成物のMwは、10000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましい。また、アクリル樹脂組成物のMwは、200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましい。アクリル樹脂組成物のMwが上記範囲内であることにより、得られる塗料組成物は、塗装作業性、塗膜形成に適した粘性を保持し、塗膜性能が優れる。
アクリル樹脂組成物は、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー以外に、必要に応じてその他のモノマーが併用されてもよい。一例を挙げると、その他のモノマーは、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニルモノマー;スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体、ビニルトルエン、クロルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、イソプロピレン等のオレフィンモノマー;ブタジエン、クロロプレン等のジエンモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物モノマー等を用いることができる。また、ポリエテレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;ジビニルベンゼン等である。
アクリル樹脂組成物中に上記その他のモノマーが含まれる場合、その他のモノマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、その他のモノマーの含有量は、アクリル樹脂組成物中、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。その他のモノマーの含有量が上記範囲内であることにより、得られる塗料組成物は、耐候性、耐薬品性等の塗膜性能が優れる。
以上、本実施形態のアクリル樹脂組成物は、上記のとおり、植物由来原料からなるポリオールを使用している。そのため、アクリル樹脂組成物は、環境負荷が小さい。また、アクリル樹脂組成物は、ポリオールを含むポリウレタン組成物に、上記した(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、所定量の反応性シリコーンモノマーとが共重合している。これにより、アクリル樹脂組成物は、耐候性、耐薬品性の優れた塗膜を形成することができる。
<一液硬化型塗料組成物>
本発明の一実施形態の一液硬化型塗料組成物(以下、塗料組成物ともいう)は、上記したアクリル樹脂組成物を含む。塗料組成物は、アクリル樹脂組成物のほか、適宜、任意成分として、顔料や溶剤を含んでもよい。
(顔料)
顔料は、得られる塗膜に所望の発色性、隠蔽性等を付与するために適宜配合される。顔料は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、各種無機顔料、有機顔料等である。
無機顔料は特に限定されない。一例を挙げると、無機顔料は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(オキシ水酸化鉄(FeOOH)など)などの金属酸化物等である。金属酸化物は、CuCr24、Cu(Cr,Mn)24、Cu(Fe,Mn)24、Co(Fe,Cr)24、CoAl24、Co2TiO4等の金属複合酸化物である。また、顔料は、パールマイカ(天然マイカまたは合成マイカに、酸化チタンや酸化スズなどの金属酸化物を被覆した顔料)、アルミニウム粒子、アルミニウム片、銀粒子、銀片等である。これらの顔料は、併用されてもよい。
顔料の平均粒子径は特に限定されない。一例を挙げると、顔料の平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、平均粒子径は、500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
(溶剤)
塗料組成物は、たとえば上記顔料等を適切に分散させたり、粘度を調整する等のために、適宜の溶剤を含むことが好ましく、JIS K 2256に規定される混合アニリン点またはアニリン点が12〜70℃の範囲内にある溶剤を含むことがより好ましい。このような溶剤は、環境に対する負荷が比較的少なく、一般的に弱溶剤として分類され、常温乾燥にて除去することができる。なお、アニリン点および混合アニリン点は、溶剤の溶解力を表す指標の一種であり、アニリン点または混合アニリン点が高いほど溶解力が弱くなる。アニリン点は、等容積の溶剤とアニリンとが均一な溶液として存在する最低温度であり、混合アニリン点は、溶剤1容積、ヘプタン1容積およびアニリン2容積が均一な溶液として存在する最低温度である。
溶剤は、たとえば、脂肪族系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族ナフサ等の炭化水素系有機溶剤等である。炭化水素系有機溶剤は、メチルシクロヘキサン(アニリン点:40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点:44℃)、ミネラルスピリット(アニリン点:56℃)、テレビン油(アニリン点:44℃)等である。炭化水素系有機溶剤は、石油系炭化水素として市販されている。一例を挙げると、溶剤は、HAWS(シェルケミカルズジャパン(株)製、アニリン点:17℃)、LAWS(シェルケミカルズジャパン(株)製、アニリン点:44℃)、エッソナフサNo.6(エクソンモービル(有)製、アニリン点:43℃)、ペガゾール3040(エクソンモービル(有)製、アニリン点:55℃)、ペガゾールAN45(エクソンモービル(有)製、アニリン点42℃)、Aソルベント(新日本石油(株)製、アニリン点:45℃)、クレンゾル(新日本石油(株)製、アニリン点:64℃)、ミネラルスピリットA(新日本石油(株)社製、アニリン点:43℃)、ハイアロム2S(新日本石油(株)製、アニリン点:44℃)、エクソールD30(エクソンモービル(有)製、アニリン点:64℃)、エクソールD40(エクソンモービル(有)製、アニリン点:69℃)、ニューソルDXハイソフト(新日本石油(株)製、アニリン点:68℃)、ソルベッソ100(エクソンモービル(有)製、混合アニリン点:14℃)、ソルベッソ150(エクソンモービル(有)製、混合アニリン点:18.3℃)、スワゾール100(丸善石油化学(株)製、混合アニリン点:24.6℃)、スワゾール200(丸善石油化学(株)製、混合アニリン点:23.8℃)、スワゾール1000(丸善石油化学(株)製、混合アニリン点:12.7℃)、スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、混合アニリン点:16.5℃)、スワゾール1800(丸善石油化学(株)製、混合アニリン点:15.7℃)、出光イプゾール100(出光興産(株)製、混合アニリン点:13.5℃)、出光イプゾール150(出光興産(株)製、混合アニリン点:15.2℃)、ペガゾールARO−80(エクソンモービル(有)製、混合アニリン点:25℃)、ペガゾールR−100(エクソンモービル(有)製、混合アニリン点:14℃)、昭石特ハイゾール(シェルケミカルズジャパン(株)製、混合アニリン点:12.6℃)、日石ハイゾール(新日本石油(株)製、混合アニリン点:17℃以下)等である。溶剤は、併用されてもよい。
(添加剤)
また、本実施形態の塗料組成物は、さらに、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の増粘剤、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等の各種分散剤、その他艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、ワックス等が含まれてもよい。
本実施形態の塗料組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、塗料組成物は、上記アクリル樹脂組成物、および、適宜の顔料、溶剤等を混合、攪拌することにより調製し得る。
以上、本実施形態の塗料組成物は、優れた耐候性、耐薬品性等の塗膜性能を発揮し、かつ、植物由来原料(植物由来原料からなるポリオール)が使用されていることから、環境負荷が小さい。
得られた塗料組成物を用いて塗膜を形成する方法は特に限定されない。一例を挙げると、塗膜形成方法は、塗装工程と、硬化工程とを有する。
塗装工程は、塗料組成物を、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて、基材の表面に塗装する工程である。塗装工程では、形成される塗膜の膜厚(硬化後の膜厚)が40〜60μmとなるように塗装することが好ましい。硬化後の膜厚が40μm未満となるように塗装した場合、基材の保護効果が低くなってしまう。一方、塗料組成物を、硬化後の膜厚が60μmを超えるように塗装した場合、塗膜の形成のために使用する塗料組成物の量が多くなるのでコストが高くなる傾向にあるうえ、塗料流れや乾燥性不良が生じるおそれがある。
基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂成形品、塗装成形鋼板、ステンレス、アルミニウム、真鍮、クロムめっき鋼材等である。
硬化工程において、塗料組成物を硬化する方法は特に限定されない。通常、塗膜は、基材を自然条件で放置することにより形成され得る。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
<ポリウレタン組成物の調製>
ひまし油由来ポリオール(伊藤製油(株)製:URIC HF−2050)を40.5部、メタクリル酸−2−イソシアナトエチル(昭和電工(株)製:カレンズMOI(登録商標))を9.5部、ホワイトスピリットを50部攪拌機付きセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、24時間加熱攪拌し、植物由来原料の割合(固形分)が81.0%であるポリウレタン組成物(A−1)を得た。
ひまし油由来ポリオール(伊藤製油(株)製:URIC HF−2050)を29.0部、ヘキサメチレンジイソシアネートを11.0部、ホワイトスピリットを50.0部攪拌機付きセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、ジラウリル酸ジブチル錫を0.01部加え、10時間加熱攪拌した。その後室温まで冷却し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを10.0部加え、80℃に加熱した。8時間加熱攪拌後、植物由来原料の割合(固形分)が58.0%であるポリウレタン組成物(A−2)を得た。
以下の表1に記載の処方に変更した以外は、ポリウレタン組成物(A−2)と同様の方法により、ポリウレタン組成物(A−3)〜(A−5)を得た。
Figure 0006817261
<ウレタン変性アクリル樹脂組成物の調製>
以下の表2に記載の処方に従って、反応器中に、ポリウレタン組成物(A−1〜A−5)およびモノマーを仕込み、70℃まで加熱し、アゾビスイソブチロニトリルを4部添加後80℃まで加熱した。6時間加熱攪拌後、不揮発分50%のウレタン変性アクリル樹脂組成物(B−1〜B−16)を得た。
Figure 0006817261
得られたB−1〜B−16のアクリル樹脂組成物に関して、以下の評価方法により、溶液の状態を評価した。
(溶液の状態)
それぞれのアクリル樹脂組成物をガラス製試験管に入れ、25℃の水浴で5分間静置し、その後、外観を目視で確認した。
(評価基準)
○:アクリル樹脂組成物は、透明で異物が無く、反対側に置いた新聞紙の文字がはっきりと見えた。
×:アクリル樹脂組成物は、濁りまたは異物があり、反対側に置いた新聞紙の文字がはっきりと見えなかった。
表2に示されるように、B−15およびB−16のアクリル樹脂組成物は、濁りや異物が確認された。そのため、これらを除くB−1〜B−14を用いて、以下の方法により塗料組成物を調製した。
<実施例1〜11および比較例1〜3(塗料組成物の調製)>
以下の表3に記載の処方に従って、ウレタン変性アクリル樹脂組成物((B−1〜B−14)が70質量%、顔料(酸化チタン)が20質量%、ホワイトスピリットが10質量%となるように配合し、サンドミルで分散させて、不揮発分55重量%、PWC(全固形分に対する顔料比率)が36質量%となる一液硬化型塗料組成物を得た。
Figure 0006817261
得られたそれぞれの塗料組成物について、以下の方法により初期光沢(60°)、耐候性(光沢保持率)および耐薬品性を評価した。結果を表3に示す。
(初期光沢)
鏡面光沢度計(GM−26PRO、(株)村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS K 5600−4−7 幾何条件60°に準拠して初期光沢を測定した。
(耐候性)
スーパーキセノンウェザオメーター(SX−75、スガ試験機(株)製)を使用し、JIS K 5600−7−7 サイクルAに準拠して耐候性を評価した。なお、耐候性は、光沢保持率の数値が高いほど優れており、65以上であれば良好である。
(耐薬品性)
寸法150mm×70mm×4mmの表面調整をしたフレキシブル板に、塗料組成物を乾燥塗膜の厚さが、2回塗りで50μmとなるよう塗り付けた試験片を作製し、水酸化カルシウム飽和水溶液と5%に調整した硫酸水溶液をそれぞれ調製し、試験片をそれぞれの薬液に168時間完全に浸漬させた後、以下の評価方法にしたがって、耐薬品性を評価した。
(評価基準)
〇:試験片は、割れ、はがれおよび膨れを認めず、つやの変化および変色の程度が大きくなかった。
×:試験片は、割れ、はがれおよび膨れが認められ、つやの変化および変色が観察された。
表3に示されるように、実施例1〜11の塗料組成物は、いずれも優れ耐候性および耐薬品性を示した。一方、植物由来ポリオールに代えて天然産油脂である、ひまし油を用いた比較例1〜2の塗料組成物は、耐候性が充分でなく、かつ、耐薬品性も劣った。また、反応性シリコーンモノマーを配合しなかった比較例3の塗料組成物は、耐候性が劣った。

Claims (5)

  1. 植物由来原料からなるポリオールと、イソシアネート化合物とが重合してなるポリウレタンに、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(反応性シリコーンモノマーを除く)と、ビニル基を有するモノマーと、アクリル樹脂組成物100質量%中、0.1〜6質量%の反応性シリコーンモノマーとが共重合し、前記植物由来原料からなるポリオールは、ひまし油由来ポリオールを含み、
    前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、イソブチルメタクリレートを含み、
    前記反応性シリコーンモノマーは、アクリレート基またはメタクリレート基で両末端または片末端が変性されているシリコーンオイルである、アクリル樹脂組成物。
  2. 前記イソシアネート化合物は、脂肪族系イソシアネート化合物および脂環式系イソシアネート化合物、ビニル基含有イソシアネート化合物のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1記載のアクリル樹脂組成物。
  3. 脂肪族炭化水素系溶剤をさらに含む、請求項1または2記載のアクリル樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有量は、アクリル樹脂組成物100質量%中、60〜99質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアクリル樹脂組成物を含む、一液硬化型塗料組成物。
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