JP6816709B2 - 炭材内装焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉などで製鉄原料として使用される焼結鉱の製造技術に関するものであり、具体的には、炭材核を内装した造粒粒子を焼結原料の一部として製造される炭材内装焼結鉱の製造方法に関する。
高炉製鉄法では、鉄源として鉄鉱石や焼結鉱を主に用いている。焼結鉱は、以下の手順にて製造される。まず、粒径が10mm以下の鉄鉱石やダスト等の鉄含有原料と、石灰石や生石灰、製鋼スラグなどの石灰含有原料と精錬ニッケルスラグ、ドロマイト、蛇紋岩などのMgO含有原料と珪石などからなるSiO含有原料を含む副原料と、粉コークスや無煙炭などからなる凝結材と、を含む焼結原料に適量の水を添加し、ドラムミキサーなどを用いて混合、造粒して擬似粒子とする。次いで、擬似粒子とした焼結原料を、焼結機の循環移動するパレットに装入し、焼結原料に含まれる凝結材を燃焼させて焼結ケーキとする。その後、焼結ケーキを、破砕、冷却、整粒し、一定の粒径以上のものを成品焼結鉱として回収する。焼結鉱は、このようにして製造される塊成鉱の一種である。
近年、上記塊成鉱として鉄鉱石やダスト等の鉄含有原料と、コークス等の炭材とが近接配置された炭材内装焼結鉱が注目されている。この理由は、鉄源と炭材とを塊成鉱の中に近接配置することで還元効率を向上させることができ、さらに、生産性を維持しつつ高炉上部の温度を低くできるからである。
このような塊成鉱の製造方法として、特許文献1には、炭材を鉄鉱石粉とCaO含有原料で被覆した炭材内装粒子を作製し、これを、炭材を有しない通常の造粒粒子に配合して焼結原料とし、当該焼結原料を下方吸引式の焼結機を用いて焼結して炭材内装焼結鉱を製造する方法が開示されている。
特許第5790966号公報
特許文献1に開示されたように、炭材内装焼結鉱を製造するには、炭材内装粒子を、炭材を有しない通常の造粒粒子に配合して焼結原料とし、当該焼結原料を焼結機で焼結するが、焼結原料に配合する凝結材の配合量によっては、焼結機による焼結により炭材核が溶融、消失し、炭材内装焼結鉱の還元効率が大きく低下する。一方、凝結材の配合量を少なくし過ぎると、炭材内装焼結鉱の歩留が低下する。しかしながら、特許文献1には、炭材内装粒子を配合した焼結原料に対する凝結材の配合量については何ら記載されていない。本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、炭材内装粒子を含む焼結原料に適した量の凝結材を配合し、これにより、還元効率の高い炭材内装焼結鉱を高い歩留で製造することにある。
このような課題を解決できる本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]炭材核の周囲に、粉状の鉄含有原料と、石灰含有原料と、を含む原料からなる外層が形成された炭材内装粒子を、鉄含有原料と、副原料と、凝結材と、を含む原料を造粒した造粒粒子に配合した焼結原料を焼結機のパレットに装入して焼結する炭材内装焼結鉱の製造方法であって、前記焼結原料に対する前記凝結材の配合率が下記(1)式を満足するように前記凝結材を配合する、炭材内装焼結鉱の製造方法。
[(100−Z)×Y]/100≦X<Y・・・(1)
ただし、上記(1)式におけるXは、前記焼結原料に対する前記凝結材の配合率(質量%)であり、Yは、前記造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率(質量%)であり、Zは、前記焼結原料に対する前記炭材内装粒子の配合率(質量%)である。
[2]前記凝結材の配合率が下記(2)式を満足するように前記凝結材を配合する、[1]に記載の炭材内装焼結鉱の製造方法。
[(100−Z)×Y]/100≦X≦[(100−Z)×Y]/100+(α×Z)/100・・・(2)
ただし、上記(2)式におけるXは、前記凝結材の配合率(質量%)であり、Yは、前記造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率(質量%)であり、Zは、前記焼結原料に対する前記炭材内装粒子の配合率(質量%)であり、αは、前記炭材内装粒子を昇温させるのに必要な熱量を、前記凝結材の燃焼熱で除して算出した焼結原料に対する凝結材の質量割合(質量%)である。
本発明の炭材内装焼結鉱の製造方法を実施することで、炭材内装焼結鉱中の炭材核の溶融、消失を抑制でき、還元効率の高い炭材内装焼結鉱を高い歩留で製造できる。
本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法の一例を説明する模式図である。 焼結試験鍋20の断面模式図である。 凝結材の配合率を4.0質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子の写真である。 凝結材の配合率を4.8質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。 凝結材の配合率を5.6質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。 凝結材の配合率を6.0質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。 凝結材の配合率と、歩留およびRIとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を通じて、本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。図1は、本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法の一例を説明する模式図である。図1を用いて、本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法を説明する。
図1に示すように、まず、混練機10を用いて鉄鉱石粉と、生石灰(CaO)と、を含有する原料を混合して混合物にする。ここで、鉄鉱石粉は、粉状の鉄含有原料の一例であり、例えば、粒径が10〜1000μmのペレットフィードである。また、生石灰は、石灰含有原料の一例であり、生石灰に代えて、また、生石灰とともに石灰石を用いてよく、焼結時に生じる融液の粘度を増加させるドロマイト[CaMg(CO]を生石灰および/または石灰石に加えてもよい。すなわち、石灰含有原料とは、生石灰、石灰石およびドロマイトの何れか1つ以上を含有する原料である。当該混合物と、炭材核となる粒径3mm以上のコークス粒子と、所定量の水を造粒機12に供給する。造粒機12では、コークス粒子の周囲に鉄鉱石粉と生石灰とが混合された混合物からなる外層が形成され、粒径5mm以上の大きさの炭材内装粒子が造粒される。
このような造粒工程で炭材内装粒子が造粒されるが、造粒された炭材内装粒子の全てに炭材核が内装されているのではなく、一部の炭材核が内装されていない造粒粒子を含む。本実施形態において、炭材内装粒子とは、上記造粒工程で造粒され、炭材核を内装する造粒粒子と、一部の炭材核を内装しない造粒粒子とを含む造粒粒子を意味する。なお、本実施形態における粒径とは、JIS(日本工業規格) Z 8801−1に準拠した公称目開きの篩を用いて篩分けされた粒径であり、例えば、粒径3mm以上とは、JIS Z 8801−1に準拠した公称目開き3mmの篩を用いて篩上に篩分けされる粒径をいう。
この炭材内装粒子の造粒工程と平行して、従来の焼結鉱の原料である、粒径が10mm以下の鉄鉱石やダスト等の鉄含有原料と、石灰石、生石灰、製鋼スラグなどのCaO含有原料を含む副原料と、粒径3mm未満の粉コークスや無煙炭などからなる凝結材と、を含む原料を、ドラムミキサー等の造粒機14で造粒して造粒粒子とする。なお、副原料には、精錬ニッケルスラグ、ドロマイト、蛇紋岩などのMgO含有原料や、珪石などからなるSiO含有原料が含まれてもよい。
次いで、従来の焼結鉱の原料を造粒した造粒粒子に炭材内装粒子を配合して焼結原料とする。本実施形態では、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率が20質量%になるように炭材内装粒子を配合した。ここで、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率とは、焼結原料の質量に対する炭材内装粒子の質量割合の百分率である。
炭材内装粒子が配合された焼結原料は、下方吸引式焼結機16のサージホッパーに搬入される。焼結原料は、サージホッパーから無端移動式のパレットに装入され、装入層が形成される。装入層は、上方に設置された点火炉によって点火され、下方に設置されたウインドボックスから上方のガスを下方に吸引することで装入層を順次燃焼、焼結される。装入層は、当該燃焼により発生する燃焼熱で焼結されて焼結ケーキとなる。このようにして得られた焼結ケーキは、排鉱部で破砕および整粒され、約5mm以上の塊成物が成品の炭材内装焼結鉱として回収される。このようにして製造された炭材内装焼結鉱が高炉18の製鉄原料として使用される。
本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法では、焼結原料に対する凝結材の配合率を、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率に応じて低くしている。すなわち、焼結原料に対する凝結材の配合率をX(質量%)とし、炭材内装粒子を配合しない焼結原料を造粒した造粒粒子(以後、通常の造粒粒子と記載する)の焼結に必要な凝結材の配合率をY(質量%)とし、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率をZ(質量%)とすると、凝結材の配合率Xが焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率Zを含む下記(1)式を満足するように凝結材を配合する。
[(100−Z)×Y]/100≦X<Y・・・(1)
凝結材の配合率Xが上記(1)式を満足するように凝結材を配合することで熱の過剰供給による炭材内装粒子に内装された炭材核の溶融、消失が抑制され、炭材内装焼結鉱の還元効率の低下を抑制できる。すなわち、上記(1)式の技術的な意義は、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率に対応させて凝結材の配合率を低くすることであり、これにより、炭材内装粒子に内装された炭材核の溶融、消失の抑制を実現している。
一方、凝結材の配合率を低くし過ぎると、焼結原料の焼結が不十分になり、炭材内装焼結鉱の歩留が低下する。このため、通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率から炭材内装粒子の配合率を減じた配合率となるように凝結材の配合率の下限を規定した。したがって、上記式(1)を満足するように凝結材を配合することで、焼結原料の焼結時に熱の供給が少なくなり過ぎることも抑制でき、これにより、炭材内装焼結鉱の歩留低下を抑制できる。
さらに、凝結材の焼結原料に対する配合率をX(質量%)とし、通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率をY(質量%)とし、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率をZ(質量%)とし、炭材内装粒子を昇温させるのに必要な熱量を、凝結材の燃焼熱で除して算出した焼結原料に対する凝結材の質量割合をα(質量%)とすると、凝結材の配合率Xが焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率Zを含む下記(2)式を満足するように凝結材を配合することが好ましい。
[(100−Z)×Y]/100≦X≦[(100−Z)×Y]/100+(α×Z)/100・・・(2)
凝結材の配合率Xが上記(2)式を満足するように凝結材を配合することで熱の過剰供給による炭材内装粒子に内装された炭材核の溶融、消失がさらに抑制され、炭材内装焼結鉱の還元効率の低下をさらに抑制できる。すなわち、式(2)の技術的な意義は、通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率から炭材内装粒子の配合率を減じた配合率に、炭材内装粒子を昇温させるのに必要な熱量分の凝結材を加えた配合率になるように、上記(1)の上限を規定することである。これにより、炭材内装粒子に内装された炭材核の溶融、消失を抑制しながら炭材内装焼結鉱の歩留りをさらに向上できる。なお、焼結原料に配合される凝結材の一部に代えて、下方吸引式焼結機16の装入層の上方から気体燃料を供給してもよい。気体燃料としては、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、転炉ガス、都市ガス、天然ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、シェールガスおよびそれらの混合ガスのうちから選ばれるいずれかの可燃性ガスを用いてよい。
次に、炭材内装焼結鉱について説明する。本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法で製造される炭材内装焼結鉱は、炭材と鉄鉱石等の鉄源とが塊成鉱内で近接配置される。炭材と鉄源とを塊成鉱の中で近接配置することで、炭材側のガス化反応(吸熱反応)で発生したCOが、鉄源側の還元反応(発熱反応)に使用され、還元反応で発生したCOが、ガス化反応で使用される、といったように、これらの反応が、塊成鉱内部で連鎖的に速い速度で繰り返して起こるので還元効率が向上する。さらに、炭材と鉄源とを近接配置するとガス化反応に必要となる熱が、鉄源の還元反応によって供給されるので熱効率も向上し、還元効率を低下させることなく高炉上部の温度を低下させることもできる。このように、炭材内装焼結鉱を高炉用の製鉄原料として用いることで、還元効率を向上させることができ、さらに、高炉上部の温度を低下させることができる。
本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法では、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率に対応させて、焼結原料に対する凝結材の配合率を、炭材内装粒子を配合しない焼結原料の焼結に必要な凝結材の配合率よりも低くする上記(1)式または上記(2)式を満足する配合率の範囲内にしている。これにより、炭材内装粒子に内装された炭材核の溶融、消失が抑制され、上述した炭材と鉄源とを近接配置することによる効果が得られる。
図2は、焼結試験鍋20の断面模式図である。図2に示した焼結試験鍋20を用いて、本実施形態に係る炭材内装焼結鉱の製造方法を模擬した焼結実験の結果を説明する。本焼結実験においても、通常の造粒粒子に炭材内装粒子を配合した焼結原料22を用いた。炭材内装粒子の配合率は、焼結原料に対して20質量%とした。また、通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率は6.0質量%であった。
本焼結実験では、焼結原料に対する凝結材の配合率を4.0質量%、4.8質量%、5.6質量%、6.0質量%に調整した焼結原料を焼結試験鍋20に装入し、上端側を点火するとともに上方から下方へ空気24を通気させて、炭材内装粒子を含む焼結原料を焼結させた。その後、焼結後の炭材内装粒子の溶融状態を撮影して、炭材内装粒子の焼結後の状態を確認するとともに、製造された炭材内装焼結鉱の歩留とRIとを測定した。炭材内装焼結鉱の歩留は、焼結実験終了後、焼結試験鍋20から取り出した焼結ケーキを2mの高さから1回落下させ、焼結ケーキの質量に対する目開き10mmの篩の上に残った焼結鉱の質量割合の百分率である。また、RIは、焼結鉱の被還元性を示す指標であって、JIS M 8713に準拠して測定した値である。
本焼結実験において、通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率Yは、上述したように6.0質量%であり、焼結原料に対する炭材内装粒子の配合率Zは20.0質量%である。これらの値を(1)式に代入し、下記(3)式を得た。
4.8≦X<6.0・・・(3)
上記(3)式から、焼結原料に対する凝結材の配合率を4.0質量%とした例は、(3)式で定まるXの範囲の下限を下回る例である。焼結原料に対する凝結材の配合率を6.0質量%とした例は、(3)式で定まるXの範囲の上限を超える例である。焼結原料に対する凝結材の配合率を4.8質量%、5.6質量%とした例は、(3)式を満足する例である。
また、上記(2)式における炭材内装粒子を昇温させるのに必要な熱量を凝結材の燃焼熱で除して算出される焼結原料に対する凝結材の質量割合であるαは、以下のように算出できる。炭材内装粒子を昇温させるのに必要な熱量としては、炭材内装粒子の原料(ヘマタイト)を常温(25℃)から1200℃まで昇温させるための熱と、炭材内装粒子に含まれる結晶水(0.3質量%)の熱分解に要する熱と、炭材内装粒子に含まれる水分(8.0質量%)の蒸発潜熱と、がある。これらの熱量を見積もると、炭材内装粒子の原料の昇温に必要な凝結材量が33.2kg−coke/tとなり、結晶水の熱分解に要する凝結材量は0.2kg−coke/tとなり、水分の蒸発潜熱分は6.7kg−coke/tとなる。
炭材内装粒子の原料であるヘマタイトを常温から1200℃まで昇温させるための熱量は、以下の(4)式で算出できる。
但し、(4)式におけるa、b、cの値は、ヘマタイトの相によって異なる。ヘマタイトのα相、β相、γ相のa、b、cの値を表1に示す。
これらの凝結材量の合計である40.1kg−coke/tを炭材内装粒子の昇温に必要な凝結材量とすると、焼結原料に対する凝結材の質量割合であるαは約4となる。これらの値を上記(2)式に代入し、下記(5)式を得た。なお、αの値は、炭材内装粒子の原料や造粒方法によって変わり得るが、概ね、1≦α≦6の範囲内の値となる。また、炭材内装粒子を製造する際に生石灰、セメントその他副原料を使用することも考えられるが、その際は副原料の昇温、反応に係る熱量を同様に計算すればよい。
4.8≦X≦5.6・・・(5)
上記(5)式から、上記焼結実験における焼結原料に対する凝結材の配合率を4.8質量%とした例は、(5)式の下限の例であり、焼結原料に対する凝結材の配合率を5.6質量%とした例は、(5)式の上限の例である。
図3は、凝結材の配合率を4.0質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子の写真である。図3に示すように、凝結材の配合率を4.0質量%とした焼結原料を用いた場合には、炭材内装粒子は溶損することなく存在した。このため、本例の炭材内装焼結鉱のRIは81.8%と高かったが、凝結材の配合率を低くし過ぎたために焼結の熱量が不足し、炭材内装焼結鉱の歩留は60.7質量%と低くなった。
図4は、凝結材の配合率を4.8質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。図4に示すように、凝結材の配合率を4.8質量%とした焼結原料を用いた場合には、炭材内装粒子は溶損せず、炭材内装粒子と通常の造粒粒子とが部分的に焼結した炭材内装焼結鉱が製造された。このときの炭材内装焼結鉱の歩留は73.3質量%であり、RIは80.3%であった。
図5は、凝結材の配合率を5.6質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。図5に示すように、凝結材の配合率を5.6質量%とした焼結原料を用いた場合には、炭材内装粒子は溶損せず、炭材内装粒子と通常の造粒粒子とが十分に焼結した炭材内装焼結鉱が製造された。このときの炭材内装焼結鉱の歩留は75.3質量%であり、RIは78.6%であった。
図6は、凝結材の配合率を6.0質量%とした焼結原料を焼結した後の炭材内装粒子と、その周囲の写真である。図6に示すように、凝結材の配合率を6.0質量%とした焼結原料を用いた場合には、熱が過剰になって炭材内装粒子が溶融し、炭材核が消失した。このときの炭材内装焼結鉱の歩留は、76.1質量%であり、RIは57.2%であった。このように、炭材内装粒子が溶融すると、塊成鉱内で炭材と鉄源とを近接配置することによる効果が得られず、RIが大きく低下した。これら焼結実験の結果を下記表2と図7に示す。
図7は、凝結材の配合率と、歩留およびRIとの関係を示すグラフである。図7において、横軸は凝結材の配合率(質量%)であり、縦軸は歩留(質量%)またはRI(%)である。通常の造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率Yが6.0質量%である場合では、図7に示すように、焼結原料に対する凝結材の配合率が0.48質量%以上6.0質量%未満を満足するように凝結材を配合する。すなわち、焼結原料に対する凝結材の配合率が上記式(1)を満足するように凝結材を配合する。これにより、炭材内装焼結鉱中の炭材核の溶融、消失を抑制でき、還元効率の高い炭材内装焼結鉱を高い歩留で製造できることがわかる。
さらに、焼結原料に対する凝結材の配合率が0.48質量%以上5.6質量%以下を満足するように凝結材を配合する。すなわち、焼結原料に対する凝結材の配合率が上記式(2)を満足するように凝結材を配合する。これにより、炭材内装焼結鉱中の炭材核の溶融、消失をさらに抑制でき、還元効率の高い炭材内装焼結鉱を高い歩留で製造できることがわかる。
10 混練機
12 造粒機
14 造粒機
16 下方吸引式焼結機
18 高炉
20 焼結試験鍋
22 焼結原料
24 空気

Claims (2)

  1. 炭材核の周囲に、粉状の鉄含有原料と、石灰含有原料と、を含む原料からなる外層が形成された炭材内装粒子を、鉄含有原料と、副原料と、凝結材と、を含む原料を造粒した造粒粒子に配合した焼結原料を焼結機のパレットに装入して焼結する炭材内装焼結鉱の製造方法であって、
    前記焼結原料に対する前記凝結材の配合率が下記(1)式を満足するように前記凝結材を配合する、炭材内装焼結鉱の製造方法。
    [(100−Z)×Y]/100≦X<Y・・・(1)
    ただし、上記(1)式におけるXは、前記焼結原料に対する前記凝結材の配合率(質量%)であり、
    Yは、前記造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率(質量%)であり、
    Zは、前記焼結原料に対する前記炭材内装粒子の配合率(質量%)である。
  2. 前記凝結材の配合率が下記(2)式を満足するように前記凝結材を配合する、請求項1に記載の炭材内装焼結鉱の製造方法。
    [(100−Z)×Y]/100≦X≦[(100−Z)×Y]/100+(α×Z)/100・・・(2)
    ただし、上記(2)式におけるXは、前記凝結材の配合率(質量%)であり、
    Yは、前記造粒粒子の焼結に必要な凝結材の配合率(質量%)であり、
    Zは、前記焼結原料に対する前記炭材内装粒子の配合率(質量%)であり、
    αは、前記炭材内装粒子を1200℃に昇温させるのに必要な熱量を、前記凝結材の燃焼熱で除して算出した焼結原料に対する凝結材の質量割合(質量%)である。
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