JP6816376B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品、医薬品、工業製品等の包装分野に用いられる積層フィルムに関する。詳しくは、金属酸化物層、及び保護層を備えた積層フィルムであって、金属酸化物層の層間密着性を高めることができ、高湿度下などに曝しても良好なガスバリア性と密着性(ラミネート強度)を発現させうる積層フィルムに関する。
食品、医薬品等に用いられる包装材料は、蛋白質、油脂の酸化抑制、味、鮮度の保持、医薬品の効能維持のために、酸素や水蒸気などのガスを遮断する性質、すなわちガスバリア性を備えることが求められている。また、太陽電池や有機EL等の電子デバイスや電子部品等に使用されるガスバリア性材料は、食品等の包装材料以上に高いガスバリア性を必要とする。
従来、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする食品用途においては、プラスチックからなる基材フィルムの表面に、アルミニウム等からなる金属薄膜、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる無機薄膜を形成したガスバリア性積層体が、一般的に用いられている。中でも、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、これらの混合物などの無機酸化物の薄膜(金属酸化物層)を形成したものは、透明であり内容物の確認が可能であることから、広く使用されている。
しかしながら、上記のガスバリア性積層体は、形成工程において局部的に高温となりやすいため、基材に損傷が生じたり、低分子量の部分あるいは可塑剤などの添加剤の部分で分解や脱ガスなどが起こり、それに起因して金属酸化物層中に欠陥やピンホール等が発生し、ガスバリア性が低下したりする場合がある。さらに、印刷、ラミネート、製袋など包装材料の後加工の際に金属酸化物層がひび割れてクラックが発生し、ガスバリア性が低下するといった問題もあった。これはプラスチック基材と金属酸化物層との密着性が良好でなく、フィルム基材の変形に対し、金属酸化物層が追従することができなかったためにクラックが発生したと考えられる。
金属酸化物層を形成したガスバリア性積層体の欠点を改善する方法として、金属酸化物層の上にさらにガスバリア性を有する層を設ける試みがなされている。例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなるガスバリア性樹脂と無機層状化合物と添加剤とからなるガスバリア性樹脂組成物を積層する方法がある(たとえば特許文献1参照)。この方法では、金属酸化物層の欠点やガスバリア性が大きく改善される。
しかしながら、上記方法では高湿度条件下でガスバリア性が著しく低下する問題が起こる。またガスバリア透過度に異方性があり、例えば外部水分の流入及び内部水分の外部流出のいずれも抑える必要のある食品用途への展開には不適である。そこで高湿度下のガスバリア性及びガスバリア透過度の異方性のないガスバリア性を積層体に付与する例として、金属酸化物層上に、水溶性高分子と無機層状化合物および金属アルコキシドあるいはその加水分解物をコートして、ゾルゲル法により金属酸化物層上に無機層状化合物を含有する無機物と水溶性高分子との複合体を形成させる方法が提案されている(たとえば特許文献2参照)。この方法によれば、高湿度下でのガスバリア性に関しても優れた特性を示すが、コートに供する液の安定性が低いため、コートの開始時と終了時(例えば、工業的に流通するロールフィルムとした場合であればロール外周部分と内周部分)で特性が異なったり、フィルム幅方向における乾燥や熱処理の僅かな温度の違いにより特性が異なったり、製造時の環境により品質の違いが大きく生じる、といった問題を抱えていた。さらには、ゾルゲル法によりコートされた膜は柔軟性に乏しいため、フィルムに折り曲げや衝撃が加わると、ピンホールやクラックが発生しやすく、ガスバリア性が低下することがあるといった問題も指摘されている。
このような背景のもと、ゾルゲル反応などを伴わないコート法、すなわち樹脂を主体とし、コート時には架橋反応を伴う程度のコート法で、金属酸化物層上に樹脂層を形成させうる改良が望まれていた。このような改良がなされたガスバリア性積層体としては、無機薄膜上にシランカップリング剤を含むバリア性樹脂をコートしたガスバリア性積層体が開示されている(たとえば特許文献3)。
特許第5434341号公報 特開2000−43182号公報 特許第3441594号公報
しかし上述した方法では、酸素や水蒸気などのガスバリア性を満足することはできず、ガスバリア性を充分保持できないのが現状であった。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、基材フィルムの両面または片面に少なくとも金属酸化物層を設けた積層フィルムの上に、ポリウレタンディスパージョン組成物からなる保護層を設けることにより、高湿度下のガスバリア性が良好となり、かつガスバリア透過度の異方性がない積層フィルムを見出し、本発明を完成した。
本発明のガスバリア性フィルムは、以下の態様を有する。
(1)ポリアミド基材フィルムの少なくとも片面に、金属酸化物層および保護層が、他の層を介して又は介さずにこの順に積層されており、前記保護層はポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂を構成成分とする保護層用樹脂組成物から得られることを特徴とする、積層フィルム。
(2)23℃×90%RH条件下での酸素透過度が10[ml/m2・d・MPa]以下である前記(1)記載の積層フィルム。
(3)40℃×90%RH条件下での基材フィルム側から水蒸気が透過する場合の水蒸気透過度及び保護層側から水蒸気が透過する場合の水蒸気透過度がいずれも2[g/m2・d]以下である前記(1)または(2)に記載の積層フィルム。
(4)ポリアミド基材フィルム及び金属酸化物層の間に、水分散性アクリルグラフトポリエステル樹脂を含有する塗布液から形成された被覆層を有している前記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
(5)前記金属酸化物層が、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物からなる層である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層フィルム。
本発明によれば、低湿度下は勿論のこと、高湿度下においても優れたガスバリア性(酸素や水蒸気に対するバリア性)を発揮し、ガスバリア透過の測定面に対する異方性のない積層フィルムを提供できる。
その結果、本発明にかかる積層フィルムは、ガスバリア性が必要とされる食品、医薬品、工業製品等の包装用フィルムとしても有用である。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの片面または両面に、金属酸化物層と、保護層とが、他の層を介して又は介さずにこの順に積層されてなる。以下、基材フィルムおよびこれに積層する各層について順に説明する。
[基材フィルム]
本発明において使用されるポリアミド樹脂としては、たとえば、ε−カプロラクタムを主原料としたナイロン6を挙げることができる。また、その他のポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、ω−アミノ酸、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミド樹脂を挙げることができる。具体的には、ラクタム類としては、先に示したε−カプロラクタムの他に、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、ω−アミノ酸類としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、1,1−アミノウンデカン酸を挙げることができる。また、二塩基酸類としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸を挙げることができる。さらに、ジアミン類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン等を挙げることができる。そして、これらを重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体、たとえばナイロン6、7、11、12、6.6、6.9、6.11、6.12、6T、6I、MXD6(メタキシレンジパンアミド6)、6/6.6、6/12、6/6T、6/6I、6/MXD6等を用いることができる。加えて、本発明の蒸着前のポリアミド樹脂積層フィルムロールを製造する場合には、上記したポリアミド樹脂を単独で、あるいは、2種以上を混合して用いることができる。
基材フィルムとしては、機械強度、透明性など所望の目的や用途に応じて任意の膜厚のものを使用することができ、その膜厚は特に限定されないが、通常は5〜100μmであることが推奨され、包装材料として用いる場合は8〜60μmであることが望ましい。基材フィルムの透明度は、特に限定されるものではないが、透明性が求められる包装材料として使用する場合には、50%以上の光線透過率をもつものが望ましい。
基材フィルムは、ポリアミド樹脂からなる単層型フィルムであってもよいし、ポリアミド樹脂層と他のプラスチックフィルム(2種以上であってもよい)が積層された積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類はポリアミド樹脂層がある限り、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
また本発明において、金属酸化物層とポリアミド基材との層間密着性を改善するために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、科学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂フィルムと金属酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂フィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層、その他等を任意に形成して、被覆層とすることもできる。
[被覆層]
上記の被覆層の形成による基材層と金属酸化物蒸着層との密着強度の向上には、コスト、衛生性の点から水系ポリエステル樹脂の使用が好ましい。この様なポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸またはトリカルボン酸とグリコール類を重縮合することによって得られる。該重縮合に用いられる成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸等の酸成分、及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、エチレングリコール変性ビスフェノールA等のグリコール成分が挙げられるが、勿論これらに限られるものではない。またこのポリエステル系樹脂は、アクリル系モノマーをグラフト共重合したものであっても構わない。
該被覆層の好ましい厚みは0.01〜10μm、より好ましくは0.02〜5μmであり、厚さが0.01μm未満では密着強度向上効果が十分に発揮され難くなる傾向があり、また10μmを超えて過度に厚くしてもそれ以上の密着性向上効果は発揮されず、経済的にも不利となる。
[金属酸化物層]
本発明の積層フィルムは、前記被覆層の上方に金属酸化物層が積層されている。金属酸化物層は無機酸化物からなる薄膜である。金属酸化物層を形成する材料は、薄膜にできるものなら特に制限はないが、ガスバリア性の観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物(複合酸化物)等の無機酸化物が好ましく挙げられる。特に、薄膜層の柔軟性と緻密性を両立できる点からは、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物が好ましい。この複合酸化物において、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合比は、金属分の質量比でAlが20〜70%の範囲であることが好ましい。Al濃度が20%未満であると、バリア性が低くなる場合があり、一方、70%を超えると、金属酸化物層が硬くなる傾向があり、印刷やラミネートといった二次加工の際に膜が破壊されてバリア性が低下する虞がある。なお、ここでいう酸化ケイ素とはSiOやSiO2等の各種珪素酸化物又はそれらの混合物であり、酸化アルミニウムとは、AlOやAl23等の各種アルミニウム酸化物又はそれらの混合物である。
金属酸化物層の膜厚は、通常1〜100nm、好ましくは5〜50nmである。金属酸化物層の膜厚が1nm未満であると、満足のいくガスバリア性が得られ難くなる場合があり、一方、100nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
金属酸化物層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)など、公知の蒸着法を適宜採用すればよい。以下、金属酸化物層を形成する典型的な方法を、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜を例に説明する。例えば、真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2とAlの混合物等が好ましく用いられる。これら蒸着原料としては通常粒子が用いられるが、その際、各粒子の大きさは蒸着時の圧力が変化しない程度の大きさであることが望ましく、好ましい粒子径は1mm〜5mmである。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱などの方式を採用することができる。また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、被蒸着体(蒸着に供する積層フィルム)にバイアスを印加したり、被蒸着体を加熱もしくは冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。このような蒸着材料、反応ガス、被蒸着体のバイアス、加熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
[保護層]
本発明の積層フィルムは、前記金属酸化物層の上方に、以下に詳述する保護層用樹脂組成物から形成された保護層を有する。
金属酸化物層は完全に密な膜ではなく、微小な欠損部分が点在している。金属酸化物層上に後述する特定の保護層用樹脂組成物を塗工して保護層を形成することにより、金属酸化物層の欠損部分に保護層用樹脂組成物中の樹脂が浸透し、結果としてガスバリア性が安定するという効果が得られる。さらに、金属酸化物層を保護層で覆うことにより、印刷加工における擦れやズリから金属酸化物層を保護しうることは勿論のこと、インキ中の顔料から金属酸化物層を保護しバリア性を安定して維持することが可能になる。加えて、保護層そのものにもガスバリア性を持つ材料を使用することで、積層フィルムのガスバリア性能も大きく向上することになる。
(保護層用樹脂組成物)
保護層用樹脂組成物は、メタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネートをポリイソシアネート成分の主な構成成分とするウレタン樹脂から得られるものである。このとき、ウレタン樹脂中のメタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネート成分のポリイソシアネート成分全体に対する割合は50モル%以上であることで良好なガスバリア性が発現できる。
ウレタン樹脂は、下記ポリイソシアネート成分(A)に下記ポリオール成分(B)を、メタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネート成分量が上記範囲となるように、通常の方法により反応させることにより得られる。さらに、ジオール化合物(例えば1,6−ヘキサンジオール等)やジアミン化合物(例えばヘキサメチレンジアミン等)等の2個以上の活性水素を有する低分子化合物を鎖延長剤として反応させることにより鎖延長することも可能である。また、三井化学社から市販されている「タケラック(登録商標)WPB」シリーズも好適な水系ウレタン樹脂として用いることができる。
(A)ポリイソシアネート成分
ウレタン樹脂の合成に用いることのできるポリイソシアネート成分(A)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4'−、2,4'−、または2,2'−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4'−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示できる。芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン等が例示できる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4'−、2,4'−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(水添XDI)等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンダメチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカフェート等を挙げることができる
(B)ポリオール化合物
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の直鎖状または分岐鎖状C2-10アルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)等の低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2-8ポリオール成分[例えば、C2-6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール)等]、ジまたはトリオキシC2-3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)であり、特に好ましいジオール成分はC2-8アルキレングリコール(特にC2-6アルキレングリコール)である。
これらのジオール成分は単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。さらに必要に応じて、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−または1,4−キシレンジオールもしくはその混合物等)、脂環族ジオール(例えば、水添ビスフェノールA、キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等)等の低分子量ジオール成分を併用してもよい。さらに、必要により、3官能以上のポリオール成分、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のポリオール成分を併用することもできる。ポリオール成分は、少なくともC2-8ポリオール成分(特に、C2-6アルキレングリコール)を含むのが好ましい。ポリオール成分100質量%中のC2-8ポリオール成分(特に、C2-6アルキレングリコール)の割合は、50〜100質量%程度の範囲から選択でき、通常、70質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
(ウレタン樹脂の特性)
ウレタン樹脂の酸価は10〜60mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。より好ましくは15〜55mgKOH/gの範囲内、さらに好ましくは20〜50mgKOH/gの範囲内である。ウレタン樹脂の酸価が前記範囲であると、保護層は部分的に架橋しながらも柔軟性を維持でき、一層の凝集力向上と金属酸化物の応力緩和を両立できる。
保護層用樹脂組成物により保護層を形成する場合、前記ポリウレタン樹脂及びイオン交換水、水溶性有機溶剤からなる塗工液(塗布液)を用意し、基材フィルムに塗布、乾燥すればよい。水溶性有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類等から選択される単独または混合溶剤を使用することができ、塗膜加工および臭気の観点からはIPAが好ましい。
保護層用樹脂組成物の塗工方式は、フィルム表面に塗工して層を形成させる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、グラビアコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、ダイコーティング等の通常のコーティング方法を採用することができる。
保護層用樹脂組成物を塗布する際の塗布量は、特に限定されるものではないが、乾燥状態で0.05〜1.0g/m2となる範囲が好ましく、実用性の観点からは0.1〜0.5g/m2となる範囲がより好ましい。0.05g/m2未満であると、十分な密着性やガスバリア性、保護効果が得られにくくなり、1.0g/m2を超えるとコスト的に不利になる傾向がある。
保護層を形成する際には、保護層用樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥することが好ましく、その際の乾燥温度は110〜190℃が好ましく、より好ましくは130〜190℃、さらに好ましくは170〜190℃である。乾燥温度が110℃未満であると、保護層に乾燥不足が生じたり、保護層の架橋が進行せず、常態での密着性及びレトルト処理を施した際の保護層の耐水性が低下したりする虞がある。一方、乾燥温度が190℃を超えると、フィルムに熱がかかりすぎてしまいフィルムが脆くなったり、収縮して加工性が悪くなったりする虞がある。また、乾燥とは別に、追加の熱処理(例えば、150〜190℃)を加えることも、保護層の架橋を進行させるうえで、効果的である。
保護層用樹脂組成物を塗布した積層フィルムに関し、湿度依存性がないことについては以下のような推定をしている。一般的にウレタン樹脂はウレタン結合の水素結合成分による凝集効果でガスバリア性を発現する。しかし高湿度下では水素結合力が弱まり、凝集力が弱まることでガスバリア性が低下する。本発明で用いた保護層用樹脂組成物はメタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂であり、ウレタン結合による水素結合凝集以外にメタキシレン基によるスタッキング効果による凝集もあると考えられる。メタキシレン基によるスタッキング効果は湿度による影響を受けないので湿度依存性が少なくなっていると推測している。
さらに前記保護層用樹脂組成物を塗布した積層フィルムはガスバリア透過の測定面に対する異方性のない積層フィルムである。こちらに関しても以下のような推定をしている。ウレタン結合のような水素結合成分による凝集効果でガスバリア性を発現する保護層を蒸着層上に塗布した場合、基材フィルム側から酸素を透過させる際は、蒸着層、保護層の順に酸素が透過する。この時、蒸着層で湿気がブロックされ保護層を通過する酸素は低湿度下状態で透過するのでガスバリア性が良好になる。しかし、保護層側から酸素が透過する際は保護層、蒸着層の順に酸素が透過する。この時、保護層を通過する酸素は高湿度下状態で透過するので保護層のガスバリア性が低下する。以上の理由からガスバリア透過の測定面に対する異方性が発生する。一方、メタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネートを主な構成成分とするウレタン樹脂を蒸着層上に塗布した場合、保護層に湿度依存性が少ないため基材フィルム側、保護層側いずれの面から酸素を透過させてもガスバリア透過の測定面に対する異方性が発生しないと推定している。
[その他の層]
本発明の積層フィルムには、上記基材フィルム、被覆層、金属酸化物層、保護層のほかに、必要に応じて、公知のガスバリア性を有する積層フィルムが備えている種々の層を設けることができる。
例えば、本発明の積層フィルムを包装材料として用いる場合には、シーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層を含むことが好ましい。ヒートシール性樹脂層は通常、金属酸化物層側に設けられるが、基材フィルムの外側(被覆層形成面の反対側の面)に設けることもある。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。
さらに、本発明の積層フィルムには、金属酸化物層または基材フィルムとヒートシール性樹脂層との間またはその外側に、印刷層や他のプラスチック基材および/または紙基材を少なくとも1層以上積層していてもよい。
印刷層を形成する印刷インキとしては、水性および溶媒系の樹脂含有印刷インキが好ましく使用できる。ここで印刷インキに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂およびこれらの混合物が例示される。印刷インキには、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。印刷層を設けるための印刷方法としては、特に限定されず、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥など公知の乾燥方法が使用できる。
他方、他のプラスチック基材や紙基材としては、充分な積層体の剛性および強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂および生分解性樹脂等が好ましく用いられる。また、機械的強度の優れたフィルムとする上では、二軸延伸ポリエステルフィルムなどの延伸フィルムが好ましい。
以上のような本発明の積層フィルムは、低湿度下は勿論のこと、高湿度下においても優れたガスバリア性を発揮し、ガスバリア透過の測定面に対する異方性のない積層フィルムとなる。さらに印刷加工を施した際にも金属酸化物層がダメージを受けることなくガスバリア性と意匠性等の印刷品質を両立できる積層フィルムとなる。
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
<評価用ラミネート積層体Aの作製>
実施例、比較例で得られた積層体の上に、得られたフィルムの蒸着面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製TM569)を80℃乾燥処理後の厚みが3μmになるよう塗布した後、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡製L4102;厚み40μm;LLとする)を60℃に加熱した金属ロール上でドライラミネートし、40℃にて4日間エージングを施すことにより、評価用のラミネートガスバリア性積層体(以下「ラミネート積層体A」と称することもある)を得た。
<酸素透過度の評価方法>
上記で作製したラミネート積層体Aについて、JIS−K7126 B法に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX−TRAN(登録商標)1/50」)を用い、温度23℃、湿度65〜90%RHの雰囲気下で、酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、ラミネート積層体の基材フィルム側からヒートシール性樹脂層(低密度ポリエチレン)側に酸素が透過する方向で行った。
<水蒸気透過度の評価方法>
上記で作製したラミネート積層体Aについて、JIS-K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製「PERMATRAN−W(登録商標)3/33MG」)を用い、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。なお、水蒸気透過度の測定はラミネート積層体の基材フィルム側からヒートシール性樹脂層に水蒸気が透過する方向及びヒートシール性樹脂層から基材フィルム層に水蒸気が透過する方向で行った。
<ラミネート強度の評価方法>
上記で作製したラミネート積層体Aを幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT−II−500型」)を用いてラミネート強度(常態)を測定した。なお、ラミネート強度の測定は、引張速度を200mm/分とし、実施例および比較例で得られた積層フィルム層とヒートシール性樹脂層との層間に水をつけて剥離角度90度で剥離させたときの強度を測定した。
実施例1
(1)被覆層に用いる塗工液1の調製
自己架橋性無水マレイン酸をグラフト鎖として含有する水分散性アクリルグラフトポリエステル樹脂として、竹本油脂社製「AGN201」(固形分25%)を用意した。
下記の配合比率で各材料を混合し、塗工液1(被覆層形成用組成物)を作製した。
水 33%
イソプロパノール 7%
水分散性アクリルグラフトポリエステル樹脂 60%
(2)保護層に用いる塗工液2の調製
市販のメタキシリレン基含有ウレタン系樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)WPB341」;固形分25%)を用意した。このウレタン系樹脂の酸価(理論値)は25mgKOH/gであった。また、1H−NMRにより測定したポリイソシアネート成分全体に対するメタキシリレンジイソシアネートの割合は、85モル%であった。
下記の配合比率で各材料を混合し、塗工液2(保護層用樹脂組成物)を作製した。
水 30%
イソプロパノール 30%
ポリウレタンディスパージョン 40%
(3)ポリアミド基材フィルムの製造および塗工液1のコート(被覆層の積層)
ポリカプロアミドをスクリュー式押出し機で260℃に加熱溶融し、Tダイよりシート状に押出し、次いで、この未延伸シートを加熱ロールと冷却ロールの間で、80℃で3.3倍縦延伸した。そして、得られた一軸延伸フィルムの片面に,上記塗布液1をファウンテンバーコート法により塗布した。次にテンターに導き、120℃で4.0倍横方向に延伸後、215℃で熱固定を行い、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(Ny)に0.750g/m2の被覆層が形成された積層フィルムを得た。
(4)金属酸化物層の形成
上記(3)で得られたフィルムの被覆層形成面に、金属酸化物層として二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物層を、電子ビーム蒸着法により形成した。蒸着源としては、3mm〜5mm程度の粒子状のSiO2(純度99.9%)およびAl23(純度99.9%)を用いた。ここで複合酸化物層の組成は、SiO/Al23(質量比)=66/33であった。またこのようにして得られたフィルム(金属酸化物層/被覆層含有フィルム)における金属酸化物層(SiO/Al複合酸化物層)の膜厚は13nmであった。このようにして被覆層および金属酸化物層を備えた蒸着フィルムを得た。
(5)蒸着フィルムへの塗工液2のコート(保護層の積層)
上記(2)で調製した塗工液2をグラビアロールコート法によって(4)で得られた蒸着フィルムの金属酸化物層上に塗布し、190℃で乾燥させ、保護層を得た。乾燥後の塗布量は0.30g/m2(Dry)であった。
以上のようにして、基材フィルムの上に被覆層/金属酸化物層/保護層を備えた積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、上記の通り、酸素透過度、水蒸気透過度およびラミネート強度を評価した。結果を表2に示す。
実施例2
被覆層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、酸素透過度、水蒸気透過度およびラミネート強度を評価した。結果を表2に示す。
比較例1
保護層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、酸素透過度、水蒸気透過度およびラミネート強度を評価した。結果を表2に示す。
比較例2
(比較例2に用いるガスバリア性樹脂組成物の調製)
<エチレン−ビニルアルコール系共重合体溶液の調製>
精製水20.996部とn−プロピルアルコール(NPA)51部の混合溶媒に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノール(登録商標)V2603、日本合成化学社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得られた重合体、エチレン比率26モル%、酢酸ビニル成分のケン化度約100%、以下、EVOHと略記)15部を加え、更に濃度が30%の過酸化水素水13部とFeSO4の0.004部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、これにより固形分15%のほぼ透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液(EVOH溶液)を得た。
<無機層状化合物分散液の調製>
無機層状化合物であるモンモリロナイト(商品名:クニピア(登録商標)F、クニミネ工業社製)4部を精製水96部中に攪拌しながら添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温し固形分4%の無機層状化合物分散液を得た。
<添加剤>
塩酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業社製、商品名;ジルコゾール(登録商標)ZC−20、固形分20%)
<保護層に用いる塗工液3の調製>
混合溶剤A(精製水40%とn−プロピルアルコール60%からなる溶剤)62.30部に、EVOH溶液を31.75部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液に、高速攪拌を行いながら無機層状化合物分散液5.95部を添加した。この混合液100部に対して、3部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。
以上の操作から得られた混合液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、分散処理した混合液97部に対して塩酸化ジルコニウム0.75部と、混合溶剤A2.25部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し、固形分5%の保護層用塗工液3を得た。
実施例1と同様にしてポリアミド基材フィルムに被覆層と金属酸化物層を形成し、上記保護層用塗工液3を用いて、金属酸化物層の上に保護層(乾燥後の付着量0.30g/m2)を形成し、積層フィルムを得た。得られたフィルムの酸素透過度、水蒸気透過度およびラミネート強度を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006816376
Figure 0006816376
本発明の積層フィルムは、食品、医薬品、工業製品等の包装分野に有用である。

Claims (3)

  1. ポリアミド基材フィルムの少なくとも片面に、金属酸化物層および保護層が、他の層を介して又は介さずにこの順に積層されており、前記保護層はポリイソシアネート成分全体の50モル%以上がメタキシレンジイソシアネートおよび/または水添メタキシレンジイソシアネート成分で構成されているウレタン樹脂を構成成分とする保護層用樹脂組成物から得られ、
    前記金属酸化物層は、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合化合物からなる層であり、
    前記ポリアミド基材フィルム及び前記金属酸化物層の間に、水分散性アクリルグラフトポリエステル樹脂を含有する塗布液から形成された被覆層を有しており、
    前記保護層を構成するウレタン樹脂の酸価は10〜60mgKOH/gであり、
    前記保護層用樹脂組成物の塗布量が乾燥状態で0.05〜1.0g/m であることを特徴とする、積層フィルム。
  2. 23℃×90%RH条件下での酸素透過度が10[ml/m2・d・MPa]以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 40℃×90%RH条件下での基材フィルム側から水蒸気が透過する場合の水蒸気透過度及び保護層側から水蒸気が透過する場合の水蒸気透過度がいずれも2[g/m2・d]以下である請求項1または2に記載の積層フィルム。
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