(A)主たる実施形態
以下、本発明による画像形成装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図2は、この実施形態の画像形成装置1000の概略断面図である。
画像形成装置1000は、媒体(用紙)としての記録媒体Pに対して、ブラック(以下、「Bk」とも表す)、イエロー(以下、「Y」とも表す)、マゼンタ(以下、「M」とも表す)、シアン(以下、「C」とも表す)の4色のトナー(現像剤)を用いて電子写真式の印刷(画像形成)を行うプリンタである。
図2では、画像形成装置1000の内部で記録媒体Pが搬送される媒体搬送路Lを点線で図示している。
画像形成装置1000には、媒体搬送路Lに沿って、記録媒体Pを積層して収容するトレイ28、記録媒体Pをトレイ28からピックアップする(繰り出す)ホッピングローラ29、記録媒体Pを斜行させずに搬送するためのレジストローラ30、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応する現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)、定着器7、及び記録媒体Pを装置外へ排出する排出ローラ31が配置されている。
各現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)は、静電潜像担持体としての感光ドラム1、感光ドラム1を帯電させるための帯電ローラ2、感光ドラム1に形成された静電潜像をトナーで現像する現像器4、印刷後に感光ドラム1の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置6を有している。
また、画像形成装置1000には、各現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)の感光ドラム1について露光手段としてのLEDヘッド3(3Bk、3Y、3M、3C)が配置されている。
LEDヘッド3は、一様に帯電された感光ドラム1の表面を選択露光し静電潜像を形成するための露光装置である。LEDヘッド3は、例えば、図示しないLED素子と図示しないLED駆動素子とレンズアレイとを用いて構成することができる。LEDヘッド3では、上述のLED素子からの照射光が感光ドラム1表面に結像するように配置されている。
さらに、画像形成装置1000には、各現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)の感光ドラム1で現像されたトナー像を記録媒体Pに転写するための転写手段200が配置されている。転写手段200は、記録媒体Pを搬送し現像剤を転写する転写ベルト32、各現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)に対応する転写ローラ5(5Bk、5Y、5M、5C)、転写ベルト32を駆動するドライブローラ33、転写ベルト32の駆動を安定させるアイドルローラ34、転写ベルト32上のトナーをクリーニングするベルトクリーニング装置35を有している。転写ローラ5(5Bk、5Y、5M、5C)は、それぞれ感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録媒体P、または転写ベルト32に転写するための装置であり、例えば導電性の発泡性弾性体を用いて構成することができる。
また、画像形成装置1000には、温度検知部としての温度センサ36が配置されている。
定着器7は、記録媒体P上に転写されたトナー像を加温、加圧により定着させるための装置であり、ヒートローラ12と加圧ローラ13を有している。ヒートローラ12は、例えば、外径28mmの鉄の素管上にシリコーンゴムの弾性層を配し、前記弾性層を覆うようにトナー剥離層としてPFAチューブを備える構成としてもよい。加圧ローラ13は、例えば、鉄の素管上にPFAチューブを被覆した構成としてもよい。ヒートローラ12は熱源として、素管内側に図示しないハロゲンランプを備える。
温度センサ36は、当該画像形成装置1000周辺の温度(雰囲気温度)を読み取るものである。温度センサ36は、定着器7の熱の影響を受けづらい位置(例えば、図2に示すように、画像形成装置1000内で定着器7から最も遠い位置)に取り付けることが望ましい。以下では、温度センサ36が測定する温度を「環境温度」とも呼ぶ。
次に、各現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)内部の詳細構成について説明する。
現像ユニット100Bk、100Y、100M、100Cは、それぞれ用いられるトナーの色が異なるだけで、同様の構成を備えている。
図3は、現像ユニット100(100Bk、100Y、100M、100C)の概略断面図である。
感光ドラム1の詳細構成について限定されないものであるが、例えば、図3に示すように導電性支持体1aと導電性支持体の表面に設けられた光導電層1bによって構成することができる。感光ドラム1に用いる導電性支持体1aとしては、例えば、厚さ0.75mm、外径30mmのアルミ金属パイプを用いることができる。また、感光ドラム1に用いる光導電層1bとしては、例えば、膜厚0.5μmの電荷発生層1b−1と膜厚20μmの電荷輸送層1b−2を順次積層した有機系感光体を適用することができる。
帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を均一に帯電させるための装置であり、感光ドラム1に接触するように配置されている。帯電ローラ2の詳細構成については限定されないものである。帯電ローラ2は、例えば、図3に示すように、SUS材からなる導体を軸2aとしてエピクロルヒドリンなどの導電性の弾性体2bが被覆された構成としてもよい。
現像器4は、感光ドラム1に形成されている静電潜像をトナー像で現像するための装置である。現像器4は、感光ドラム1の表面に接触するように配置された現像ローラ8と、現像ローラ8に接触するように配置された供給ローラ9と、先端部分を現像ローラ8に押し当てるように配置した規制ブレード10を有している。また、現像器4には、トナーが充填されたトナーカートリッジ4aが脱着自在に取り付けされている。
現像ローラ8の構成は限定されないものであるが、例えば、図3に示すように、SUS材からなる導電性シャフト8a(芯金)と、導電性シャフト8aの表面をロール状に覆う弾性層8bと、弾性層8bの表面に形成された表面層8cにより構成することができる。弾性層8bには、ウレタンゴムやシリコーンゴムを適用することができる。表面層8cには、ウレタン溶液により処理を行ったものや、アクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂を塗布したものを適用することができる。アクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂を表面層8cとした場合には、導電性を付与するため、カーボンブラックを配合することが望ましい。
供給ローラ9の構成は限定されないものであるが、例えば、図3に示すように、SUS材からなる導電性シャフト9a(芯金)と弾性層9bとで構成することができる。弾性層9bとしては導電性シリコーンゴム発泡体層、または導電性ウレタンゴム発泡体層を適用することができる。また、弾性層9bに半導電性を持たせる場合は、アセチレンブラックやカーボンブラック等を添加することが望ましい。
規制ブレード10の構成は限定されないものであるが、例えば、板厚0.08mmのSUSを用いて構成することができる。図3に示すように、現像ローラ8との接触部は曲げ加工が施された曲げ部10aが形成されている。曲げ部10aは、例えば、曲率半径Rを0.2mm、現像ローラ8に対する線圧は30gf/cmとするようにしてもよい。ただし、規制ブレード10の曲率半径Rと線圧はこれに限ったものではなく、現像ローラ8上のトナー量やトナー帯電量に応じて調整可能することが望ましい。
クリーニング装置6は、感光ドラム1上の未転写などにより残留したトナーや、現像器4から感光ドラム1上へ移動させた廃棄トナーを掻き取った後に廃棄するための装置である。
クリーニング装置6は、感光ドラム1上の廃棄トナーを掻き取るクリーニング部材としてのクリーニングブレード11を有している。クリーニングブレード11は、例えば、ポリウレタンゴムを用いて構成することができる。クリーニングブレード11は、先端部分を感光ドラム1の表面に当て込むように配置されている。クリーニングブレード11を感光ドラム1に対してカウンタ方向に配置することで、感光ドラム1上の廃棄トナーの清掃を効率よく行うことが出来る。
印刷時(印刷処理の実行中)は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像ローラ8、及び供給ローラ9は、それぞれ図3に示す矢印X1、X2、X3、X4の方向に回転する。
ところで、転写工程において記録媒体P上の紙粉が転写ベルト32に付着し、感光ドラム1上に移動する場合がある。これにより感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に徐々に紙粉が堆積してゆく。そして、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に紙粉が堆積していくと、感光ドラム1が傷つき、印刷品質の劣化(例えば、縦筋帯上の画像不良等)が発生する恐れがある。
そのため、画像形成装置1000では、印刷を実行していない期間(非画像形成時;印刷停止期間)に、感光ドラム1を、印刷時と逆の回転方向(図3の矢印X1と逆の回転方向)に回転させる動作(以下、「ドラム逆回転動作」、又はと呼ぶ)を行うことで、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に堆積した紙粉を掻き出し、紙粉を除去する制御が行われる。以下では、印刷時における感光ドラム1の回転方向(図3の矢印X1の回転方向)を「順方向」と呼び、ドラム逆回転動作時における感光ドラム1の回転方向(図3の矢印X1と逆の回転方向)を「逆方向」と呼ぶものとする。画像形成装置1000において、ドラム逆回転動作の制御タイミングの詳細については後述する。
次に、画像形成装置1000の制御系の構成について図1を用いて説明する。
図1は、画像形成装置1000の制御系の構成について示したブロック図である。
画像形成装置1000は、図1に示すように、制御系の構成要素として、上記の構成(図2、図3に図示した構成)以外に、動作時間検知部としてのドラム回転時間計測部40、ジョブ数検知部(停止回数検知部)としてのJOB数カウント部41、記憶部42、制御部21、定着制御部25、露光制御部26、電圧制御部27、駆動制御部38、及び駆動部としてのドラムモータ39を有している。また、図1では、LEDヘッド3Bk、3Y、3M、3C、転写ローラ5Bk、5Y、5M、5C、及び現像ユニット100Bk、100Y、100M、100Cのそれぞれの構成要素(帯電ローラ2、現像器4(現像ローラ8及び供給ローラ9)、及び規制ブレード10)も図示されている。
制御部21は、画像形成装置1000の全体の制御を行うものである。制御部21は、例えば、図示されない上位装置(例えば、クライアントPC等)からの印刷指示(例えば、印刷ジョブ)を受信すると、画像出力部24を用いて、印刷動作(各印刷プロセスに関する動作)を開始する。画像出力部24は、印刷動作を開始すると、定着制御部25、露光制御部26、電圧制御部27、及び駆動制御部38へ印刷動作(各印刷プロセスに関する動作)に関する制御を行う。また、制御部21(画像出力部24)は、ドラム逆回転動作に関する制御処理(以下、「ドラム逆回転動作制御」又は「逆方向駆動制御処理」とも呼ぶ)を行う。
定着制御部25は画像出力部24より指示を受けると、定着器7の温度を制御する。
露光制御部26は画像出力部24より指示を受けるとLEDヘッド3の発光を制御する。
電圧制御部27は画像出力部24より指示を受けると、帯電ローラ2、現像ローラ8、供給ローラ9、規制ブレード10、及び転写ローラ5へ印加する電圧を制御する。
駆動制御部38は画像出力部24より指示を受けるとドラムモータ39の動作を制御する。
記憶部42は、制御部21(画像出力部24)等が制御処理に用いるデータを記憶するデータ記録手段である。この実施形態では、記憶部42は、少なくともドラム回転累積時間カウント値42a及びJOB数カウント値42bを記憶しているものとする。
ドラム回転時間計測部40は、印刷中の感光ドラム1(ドラムモータ39)の回転時間(以下、「ドラム回転時間」と呼ぶ)を計測(カウント)し、計測したドラム回転時間を記憶部42のドラム回転累積時間カウント値42aに加算する。ドラム回転時間計測部40の詳細処理については後述する。
JOB数カウント部41は、印刷したジョブ(印刷ジョブ)の数(以下、「JOB数」とも呼ぶ)をカウントし、カウントしたJOB数を記憶部42のJOB数カウント値42bに加算する。JOB数カウント部41の詳細処理については後述する。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の画像形成装置1000の動作を説明する。
画像形成装置1000による印刷工程(画像形成工程)の概要について説明する。
画像形成装置1000の制御部21(画像出力部24)は、例えば、外部の上位装置(例えば、図示しないクライアントPC等)から印刷指示(印刷ジョブ)を受信すると、印刷動作を開始する。画像出力部24は、印刷動作を開始すると定着制御部25、露光制御部26、電圧制御部27、及び駆動制御部38を制御し、以下のような印刷処理の各プロセスを管理・実行する。
まず、駆動制御部38が、ドラムモータ39を駆動させ、各現像ユニット100の感光ドラム1を順方向(正方向;図3の矢印X1の方向)に回転させる。そして、電圧制御部27が、帯電ローラ2に帯電電圧を印加して感光ドラム1の表面を一様に帯電させる。次に、露光制御部26が、各LEDヘッド3を発光させ、各現像ユニット100の感光ドラム1の表面に静電潜像パターンを形成させる。そして、電圧制御部27が、各現像ユニット100の現像ローラ8(表面にトナー薄層が形成された状態の現像ローラ8)に、現像電圧を印加して、各現像ユニット100の感光ドラム1上の静電潜像パターンを現像させる。ここで、各現像ユニット100の供給ローラ9と規制ブレード10には、現像ローラ8上のトナー薄層が均一に形成されている。また、各現像ユニット100のトナー薄層中のトナーの帯電量を所定の値とするため、電圧制御部27は、各現像ユニット100の供給ローラ9に所定の供給電圧を印加し、規制ブレード10に所定の規制電圧を印加する。次に、電圧制御部27が、転写ローラ5に転写電圧を印加し、感光ドラム1上のトナー像を記録媒体P上へ転写させる。次に、定着制御部25が、定着器7を制御して、記録媒体P上のトナー像を記録媒体Pに定着させる処理を行う。トナー像が定着された記録媒体Pは排出ローラ31にて装置外へ排出され印刷動作が完了する。各現像ユニット100において、転写されずに感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置6により除去される。
この実施形態の例では、上述の帯電電圧、規制電圧、現像電圧の電圧値を、それぞれ−1000V、−200V、−150Vとするが、印刷条件によって適宜変更可能である。また、画像形成装置1000において、所定のタイミングで、各現像ユニット100の感光ドラムが逆方向に動作する。
次に、この実施形態の画像形成装置1000で、各現像ユニット100の感光ドラム1が逆回転される際の動作(ドラム逆回転動作)の概要について図4のタイミングチャートを用いて説明する。
図4のタイミングチャートでは、時系列順に各タイミングをタイミングTim101〜Tim104と図示している。そして、図4のタイミングチャートでは、タイミングTim101〜Tim102の間の工程をステップS101、タイミングTim102〜Tim103の間の工程をステップS102、タイミングTim103〜Tim104の間の工程をステップS103、タイミングTim104以後の工程をステップS104とそれぞれ図示している。図4では、上から順に、各タイミング(各ステップ)におけるドラムモータ39の回転状態、帯電電圧、規制電圧、及び現像電圧の各状態について示している。図4に示すように、ドラムモータ39の回転状態は、正回転状態(ON)、停止状態(OFF)、又は、逆回転状態(ON)のいずれかの状態となる。また、図4に示すように帯電電圧、規制電圧及び現像電圧は、OFF状態(バイアス電圧を印加していない状態)又はON状態(バイアス電圧を印加した状態)のいずれかの状態となる。
ステップS101(タイミングTim101)において、画像出力部24が、印刷処理の制御を開始し、印刷時(印刷中)の状態となったものとする。印刷を開始する際、画像出力部24は、駆動制御部38を制御して、ドラムモータ39を正回転させ、さらに電圧制御部27を制御して帯電電圧、規制電圧、及び現像電圧の出力をON状態とする。
ステップS102(タイミングTim102)において、画像出力部24が、印刷処理を中止する制御を行い、印刷停止の状態(印刷待機状態)となったものとする。印刷を停止する際、画像出力部24は、駆動制御部38を制御して、ドラムモータ39停止させる。また、このとき、画像出力部24は、帯電電圧、規制電圧、及び現像電圧の出力をOFF状態とする。
ステップS103(タイミングTim103)において、画像出力部24が、駆動制御部38を制御して、ドラムモータ39を逆回転状態としたものとする。
図4では、ドラムモータ39が逆回転状態となっているタイミングTim103〜Tim104の期間(以下、「逆回転時間」と呼ぶ)をT1と図示している。この実施形態の例では、逆回転時間T1を40ミリ秒とするが、T1はこの値に限ったものではなく、適宜調整可能である。例えば、逆回転を複数回に分割してT1分の回転距離を満足させてもよい。
ステップS104(タイミングTim104)において、画像出力部24が、駆動制御部38を制御して、ドラムモータ39を逆回転状態から停止状態としたものとする。
上述の通り、画像形成装置1000では、印刷を実行していない期間(非画像形成時)に、ドラム逆回転動作を実行して、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に堆積した紙粉を掻き出す制御が行われる。
画像形成装置1000において、感光ドラム1の逆回転制御は、制御部21(画像出力部24)の指示に応じて駆動制御部38及びドラムモータ39が行うことになる。
この実施形態において、画像出力部24は、ドラム逆回転動作させる際の回転速度を、印刷時に採りうる最低速度に設定するものとする。これは、ドラム逆回転動作の影響による現像ユニット100からのトナー漏れを防止するために、ドラム逆回転動作させる際の逆回転量を正確に制御する必要があるためである。したがって、ドラムモータ39(感光ドラム1)を逆回転させる量が多すぎると、紙粉を掻き出す際に、現像ユニット100からのトナー漏れが発生して印刷品質が劣化してしまう恐れがある。
この実施形態では、感光ドラム1を正回転させる際の回転速度を160mm/sとし、逆回転させる際の回転速度を46mm/sとするものとする。ただし、感光ドラム1の回転速度(正回転及び逆回転させる際の回転速度)はこれに限らず適宜変更するようにしてもよい。
次に、ドラムモータ39(感光ドラム1)を逆回転することで、印刷品質を劣化させずに、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に堆積した紙粉を掻き出すために好適なパラメータ(ドラム逆回転動作の制御に関するパラメータ)について説明する。
発明者は、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部において紙粉の堆積レベル(堆積度合)が変化するパラメータを確認するための実験(以下、「第1の実験」と呼ぶ)を行った。第1の実験では、8つの条件A〜Hについて、それぞれドラムモータ39(感光ドラム1)を逆回転させるまでのドラムモータ39の回転時間(以下、「ドラム回転時間間隔」とも呼ぶ)を変化させた場合における紙粉の堆積レベルを確認した。具体的には、第1の実験では、ドラム回転時間が所定のドラム回転時間間隔に達したところで、ドラム逆回転動作を行うことを10回繰り返した後、紙粉の堆積の有無を判断した。図5〜図7は、それぞれ第1の実験の実験結果を表形式で示している。図5〜8に示すように、第1の実験では、8つの条件A〜Hについて、ドラム回転時間間隔を6分、8分、10分、12分、14分と変化させた場合の紙粉の堆積の有無を判断した。例えば、ドラム回転時間間隔が「6分」の場合、6分の間隔(ドラム回転時間)ごとにドラム逆回転動作を行うことを10回繰り返した後、紙粉の堆積の有無を判断することを示している。図5〜図7では、ドラム回転時間間隔ごとの紙粉堆積レベルを「〇」又は「×」の2段階で示している。図5〜図7では「〇」は紙粉の堆積が無しであること(良好であること)を示し、「×」は紙粉の堆積が有ったこと(不良であること)を示している。
図5は、第1の実験における条件A、Bの結果を示している。
条件Aは通紙条件(印刷する間隔)を「間欠」(間欠印刷)とした。具体的には、条件Aでは、画像形成装置1000で「3page/job」(3ページの印刷ジョブ)を繰り返し実行する動作を行った。条件Bは、通紙条件を「連続」(連続印刷)とした。具体的には、条件Bでは、ドラム回転時間間隔の間、連続して印刷を継続する印刷ジョブを実行させる動作を行った。条件A、Bではいずれも環境温度23℃の環境下で印刷を行った。
図5に示す通り、条件Aでは12分以上の間隔(ドラム回転時間)ごとに逆回転を実行した場合に紙粉の堆積が見られるのに対し、条件Bでは10分以上の間隔(ドラム回転時間)ごとに逆回転を実行した場合に紙粉の堆積が見られる。したがって、条件Aと条件Bの結果から、通紙条件により紙粉の堆積レベルに差が生じることがわかった。すなわち、条件Aと条件Bの結果から、連続印刷の方が紙粉が堆積しやすいことが判る。これは、条件Bの連続印刷(連続通紙)の場合、印刷毎(通紙毎)に感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に紙粉が徐々に堆積していくのに対し、条件Aの間欠印刷(3page/job通紙)の場合、3ページ毎(3枚の記録媒体Pの通紙毎)に感光ドラム1が動作・停止を繰り返すことで、感光ドラム1とクリーニングブレード11の当接部に堆積する紙粉が解除され易いためである。
図6は、第1の実験における条件C、D、Eの実験結果を示している。
条件C、D、Eでは規定のドラム回転時間間隔あたりに実行する印刷ジョブの数(以下、「JOB数」と呼ぶ)が異なっている。すなわち、条件C、D、Eでは印刷ジョブが実行される回数(頻度)が異なっている。条件C、D、Eでは、それぞれJOB数を10、50、200の3段階とした。例えば、条件Cでドラム回転時間間隔10分且つJOB数10回の場合は、ドラム回転時間間隔10分の間に実行されるJOB数が10回であることを意味している。すなわち、条件C、D、Eでは、それぞれドラム回転時間間隔が同じであれば、実行される印刷ジョブの長さ(すなわち、感光ドラム1が停止する頻度)が異なることになる。なお、条件C、D、Eでは、いずれも通紙条件(印刷間隔)を間欠、環境温度を23℃の環境下で印刷を行った。
図6の結果から、条件C(JOB数10)の場合は10分以上の間隔(ドラム回転時間)ごとに逆回転を実行した場合に紙粉の堆積が見られる。条件D(JOB数50)の場合は12分以上の間隔(ドラム回転時間)ごとにドラム逆回転動作を実行した場合に紙粉の堆積が見られる。条件E(JOB数200)の場合は14分以上の間隔(ドラム回転時間)ごとに逆回転を実行した場合に紙粉の堆積が見られる。したがって、図6の結果から、ドラム回転時間間隔が同じであれば、1つのドラム回転時間間隔あたりの印刷JOB数が多いほど(実行される印刷ジョブの間隔が短いほど;感光ドラム1が停止する頻度が多いほど)紙粉堆積レベルは良好となる傾向にあり、1つのドラム回転時間間隔あたりのJOB数が少ないほど(実行される印刷ジョブの間隔が長いほど;感光ドラム1が停止する頻度が少ないほど)紙粉堆積レベルは不良(悪化)となる傾向にあることがわかる。これは、紙粉の堆積を抑制するために感光ドラム1の逆回転を実行する際には、ドラム回転時間間隔だけでなく、その間の印刷JOB数も考慮する必要があることを示している。
図7は、第1の実験における条件F、G、Hの実験結果を示している。
条件F、G、Hでは、環境温度が異なっている。条件F、G、Hでは、それぞれ環境温度を、10℃、23℃、32℃の3段階とした。条件F、G、Hでは、いずれも通紙条件を間欠とした。図7の結果から、環境温度が高いほど紙粉堆積レベルは良好となり、環境温度が低いほど紙粉堆積レベルは不良となる(悪化する)ことがわかる。これは、環境温度が低温であるほど、感光ドラム1とクリーニングブレード11との間に働く摩擦力μが大きくなるために、感光ドラム1とクリーニングブレード11との当接部に紙粉が堆積しやすくなるためである。
以上のように、第1の実験の結果(図5〜図7の実験結果)から、ドラム逆回転動作により紙粉の堆積を抑制させる際のパラメータとして、ドラム回転時間(ドラム回転時間間隔)、印刷JOB数及び環境温度が関係していることがわかる。一方で、ドラム回転時間(ドラム回転時間間隔)は、紙粉の堆積が無い範囲で、広く(長く)設定できること(ドラム逆回転動作の回数を少なくすること)が望ましい。例えば、ドラム逆回転動作を印刷停止時(非画像形成時)に毎回行う場合、ドラム逆回転動作時に感光ドラム1からのトナー落ちや、現像ローラ8から感光ドラム1への意図しないトナー剥離が原因で異常画像が発生したり、トナーを大量に消費する可能性があるためである。
そこで、この実施形態の画像形成装置1000では、ドラム回転時間計測部40が計測(カウント)したドラム回転累積時間カウント値42a(以下、「C」とも表す)と、JOB数カウント部41がカウントしたJOB数カウント値42b(以下、「X」とも表す)と、温度センサ36が測定した環境温度(以下、「T」とも表す)とを用いてドラム逆回転動作を行うタイミング(間隔;頻度)を決定するものとして説明する。
なお、ドラム回転時間計測部40、及びJOB数カウント部41は、ドラム逆回転動作が行われる度に、ドラム回転累積時間カウント値42a(C)及びJOB数カウント値42b(X)の値をクリア(0に初期化)する。すなわち、ドラム回転累積時間カウント値Cは、画像形成装置1000が起動後、又は前回ドラム逆回転動作が行われてからドラム回転時間計測部40がカウントしたドラム回転累積時間である。なお、ドラム回転累積時間は、単純にドラムモータ39が駆動した時間で表してもよいし、感光ドラム1が回転した回転数で表すようにしてもよい。
また、JOB数カウント値Xは、画像形成装置1000が起動後、又は前回ドラム逆回転動作が行われてからJOB数カウント部41がカウントした印刷ジョブの数(JOB数)となる。
さらに、以下では、環境温度Tは、画像形成装置1000が起動後、又は前回ドラム逆回転動作が行われてから温度センサ36で計測(画像出力部24の制御により計測)された温度の平均値(複数回温度計測が行われた場合の平均値)であるものとする。画像出力部24が、温度センサ36を用いて環境温度を計測するタイミング(間隔)については限定されないものである。
ところで、発明者は、環境温度Tと、ドラム回転累積時間カウント値Cの閾値TA(紙粉堆積レベルが良好(〇)から不良(×)に遷移する閾値)との関係を確認する実験(以下、「第2の実験」と呼ぶ)を行った。
図8は、第2の実験の実験結果を表形式で示す図である。
第2の実験では、図8に示すように、環境温度を変化させた場合におけるドラム回転累積時間カウント値42aの閾値TAを確認した。第2の実験では、環境温度Tを「10℃未満」、「10℃以上15℃未満」、「15℃以上20℃未満」、「20℃以上25℃未満」、「25℃以上30℃未満」、「30℃以上35℃未満」、「35℃以上」と変化させた場合のそれぞれの閾値TAを確認した。
その結果、図8に示すように、第2の実験では、環境温度Tを「10℃未満」、「10℃以上15℃未満」、「15℃以上20℃未満」、「20℃以上25℃未満」、「25℃以上30℃未満」、「30℃以上35℃未満」、「35℃以上」と変化させた場合の閾値TAが、それぞれ「8分」、「8.5分」、「9分」、「10分」、「11分」、「12分」、「13分」となった。すなわち、第2の実験の結果、環境温度Tが低いほど閾値TAは小さくなり(短くなり)、環境温度Tが高いほど閾値TAは大きくなる(長くなる)特性が確認された。
また、上述の第1の実験結果(条件C、D、Eの実験結果)の通り、ドラム回転時間間隔が同じであれば、1つのドラム回転時間間隔あたりの印刷JOB数が多いほど(実行される印刷ジョブの間隔が短いほど;感光ドラム1が停止する頻度が多いほど)紙粉堆積レベルは良好となる傾向にあり、1つのドラム回転時間間隔あたりのJOB数が少ないほど(実行される印刷ジョブの間隔が長いほど;感光ドラム1が停止する頻度が少ないほど)紙粉堆積レベルは不良(悪化)となる傾向にある。
この実施形態では、JOB数カウント値Xに基づいたパラメータとして、図8に示す頻度係数N(ドラム逆回転動作の頻度に寄与する係数)を用いるものとする。図8に示すように、JOB数カウント値Xが少ないほど(実行される印刷ジョブの間隔が短いほど;感光ドラム1が停止する頻度が多いほど)頻度係数Nには小さい値が設定され、JOB数カウント値Xが多いほど(実行される印刷ジョブの間隔が長いほど;感光ドラム1が停止する頻度が少ないほど)頻度係数Nには大きな値が設定されるものとする。
そして、この実施形態では、制御部21(画像出力部24)は、環境温度Tによって変更される閾値TAと、JOB数カウント値Xによって変更される頻度係数Nの積(TA*N)を閾値Thとし、閾値Thとドラム回転累積時間カウント値Cとの比較結果に応じて次にドラム逆回転動作を行うタイミングを決定するものとする。
すなわち、閾値Thは、環境温度Tが高いほど大きな値となり(環境温度Tが低いほど小さな値となり)、JOB数カウント値Xが多いほど大きな値となり(JOB数カウント値Xが小さいほど小さい値となる)という特性となる。言い換えると、閾値Thは、環境温度TとJOB数カウント値Xとを考慮して、次にドラム逆回転動作を行うタイミングが調整された値となる。
したがって、この実施形態では、環境温度Tによって変更される閾値TAが同じであれば、JOB数カウント値Xが大きいほど閾値Thを大きく(長く)設定し、JOB数カウント値Xが小さいほど閾値Thを小さく(短く)設定することになる。
この実施形態では、画像出力部24は、環境温度Tに応じて閾値TAを更新する。画像出力部24が環境温度Tに応じて閾値TAを更新する具体的処理については限定されないものであるが、例えば、図8に示すような変換テーブル(環境温度Tと閾値TAとの関係を定義した変換テーブル)や変換用の関数(計算式)を用いた更新処理を行うようにしてもよい。環境温度Tと閾値TAとの具体的な関係(例えば、変換テーブルの具体的内容)については、画像形成装置1000の条件(仕様)により設定されるものであり適宜変更可能である。
なお、この実施形態では、環境温度Tは、画像形成装置1000が起動後、又は前回ドラム逆回転動作が行われてからの平均値(複数回温度計測が行われた場合の平均値)であるものとして説明しが、画像出力部24が、印刷ジョブごと(印刷ジョブの終了タイミングごと)や、1ページ分の印刷(画像形成)ごとに、温度センサ36を用いて測定した環境温度を取得し、画像出力部24が環境温度を計測するごとに環境温度Tとして取得し、閾値TAを更新する処理を行うようにしてもよい。
また、この実施形態では、画像出力部24は、最新のJOB数カウント値Xに応じて頻度係数Nを更新する。画像出力部24が、JOB数カウント値Xに応じて頻度係数Nを更新する具体的処理については限定されないものであるが、例えば、図9に示すような変換テーブル(JOB数カウント値Xと頻度係数Nとの関係を定義した変換テーブル)や変換用の関数(計算式)を用いた更新処理を行うようにしてもよい。JOB数カウント値Xと頻度係数Nとの具体的な関係(例えば、変換テーブルの具体的内容)については、画像形成装置1000の条件(仕様)により設定されるものであり適宜変更可能である。
さらに、この実施形態では、画像出力部24は、最新に更新した頻度係数Nと、最新のJOB数カウント値Xとに基づいて閾値Thを更新する(Th=TA*Nとする)。
さらにまた、画像出力部24は、最新のドラム回転累積時間カウント値Cを取得すると、取得したドラム回転累積時間カウント値Cと最新に更新した閾値Thとを比較し、取得したドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Th以上(C≧Th)となったタイミングでドラム逆回転動作の実行を決定する。そして、画像出力部24は、ドラム逆回転動作を決定すると、それ以後のドラム逆回転動作可能なタイミング(例えば、印刷停止したタイミング)で画像出力部24にドラム逆回転動作を指示する。そして、画像出力部24は、画像出力部24の指示に応じて、ドラム逆回転動作の制御(ドラムモータ39等に対する制御)を行う。
次に、画像形成装置1000におけるドラム逆回転動作の制御について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、画像出力部24が、外部の上位装置等(例えば、図示しないクライアントPC等)から印刷指示(印刷ジョブ)を受信し、画像出力部24に印刷開始を指示したものとする。そして、画像出力部24が各構成要素(定着制御部25、露光制御部26、電圧制御部27、及び駆動制御部38等)を制御し、印刷処理(画像形成処理)を開始したものとする。
そして、画像出力部24の制御により、記録媒体Pの1ページ分の印刷(画像形成)が行われたものとする(S201)。画像出力部24では、記録媒体Pの1ページ分の印刷(画像形成)が行われる度に、後述するステップS202〜S211の処理が行われるものとする。なお、1つの印刷ジョブには1又は複数ページの印刷処理が含まれているため、記録媒体Pの1ページ分の印刷(画像形成)が終了したとしても、実行中の印刷ジョブにおいて次のページの印刷処理が残っている場合がある。
記録媒体Pの1ページ分の印刷(画像形成)を終了すると、画像出力部24は、記憶部42のドラム回転累積時間カウント値42aの値(C)をカウント(ステップS202で感光ドラム1を回転させた時間分加算)する処理(ドラム回転累積時間カウント値42aの更新処理)を行う(S202)。
そして、画像出力部24は、温度センサ36を用いて現在の環境温度を取得し、保持する環境温度Tを更新(画像形成装置1000が起動後、又は前回ドラム逆回転動作が行われてからの平均値に更新)する処理を行う(S203)。この実施形態では、画像出力部24は、記録媒体Pの1ページ分の印刷(画像形成)ごとに、温度センサ36を用いて現在の環境温度を取得し、環境温度Tの更新を行うものとする。
そして、画像出力部24は、最新に実行した上述のステップS201の印刷処理(画像形成)をもって1つの印刷ジョブが終了した場合JOB数カウント部41の値(X)をカウント(1加算;インクリメント)する処理を行う(S204)。なお、画像出力部24は、現在実行中の印刷ジョブの印刷処理(画像形成)が残っている場合(次のページの印刷が残っている場合)、JOB数カウント部41の値(X)をカウントする処理は行わない。
次に、画像出力部24は、最新の環境温度Tに基づいて閾値TAを取得し、さらに最新に取得した閾値TAと頻度係数Nに基づいて閾値Thを取得(算出)する(Th=TA*N)。そして、画像出力部24は、最新に取得(算出)した閾値Thと、最新に更新したドラム回転累積時間カウント値Cとを比較し(S205)、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Th以上(Th≧C)の場合後述するステップS206から動作し、そうでない場合には後述するステップS211から動作する。
上述のステップS205で、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Th以上(Th≧C)の場合、画像出力部24は、電圧制御部27及び駆動制御部38等を制御して印刷処理を中断(S206)させる。
ここで、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Th以上(Th≧C)の場合、制御部21(画像出力部24)は、印刷を一旦中断するが、これはドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Thに到達した段階でドラム逆回転動作を実行する必要があるからである。例えば、制御部21(画像出力部24)で、数百ページ程度の連続した印刷ジョブを実行する際、当該印刷ジョブの終了まで待つと、ドラム逆回転動作を実行できずに、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Thを大幅に超過する場合がある。そのため、制御部21(画像出力部24)では、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値に到達した段階で、印刷ジョブの印刷を中断してでも、ドラム逆回転動作を実行することで、効率的な紙粉の除去を行うことができる。
その後、駆動制御部38等を制御してドラム逆回転動作を実行(感光ドラム1を逆方向に回転)させる(S207)。
次に、画像出力部24は、実行中の印刷ジョブによる印刷処理を再開する(S208)。なお、画像形成装置1000において、次の印刷ジョブ及び実行中の印刷ジョブの次ページがない場合は印刷処理の再開は行わずに、この時点で処理を終了とする。
次に、画像出力部24は、最新に取得したJOB数カウント値X(最新に上述のステップS204で取得したJOB数カウント値X)に応じて、頻度係数Nを更新する(S209)。
次に、画像出力部24は、記憶部42のドラム回転累積時間カウント値42a(C)及びJOB数カウント値42b(X)をクリア(0にリセット)して(S210)、本フローチャートの処理を終了する。
一方、上述のステップS205で、ドラム回転累積時間カウント値Cが閾値Th未満の場合、画像出力部24は、ドラム逆回転動作を実行せずに(S211)、本フローチャートの処理を終了する。
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
この実施形態の画像形成装置1000では、ドラム逆回転動作(一旦印刷を中断して感光ドラム1を逆回転させる動作)により、感光ドラム1とクリーニングブレード11との当接部に詰まった紙粉を除去し、紙粉の堆積を防止する効果が得られる。
また、この実施形態の画像形成装置1000では、環境温度Tによって変更される閾値TAと、JOB数カウント値Xによって変更される頻度係数TNの積(TA*TN)を閾値Thとし、閾値Thとドラム回転累積時間カウント値Cとの比較結果に応じて次にドラム逆回転動作を行うタイミングが決定される。これにより、画像形成装置1000では、紙粉の堆積が無い範囲で、ドラム逆回転動作を行う間隔を広く(長く)設定できるため、紙粉の堆積を抑制しつつ感光ドラム1の劣化等も抑制することができる。
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(B−1)上記の実施形態では本発明の画像形成装置をプリンタとして説明したが、複写機(コピー機)、FAX装置、複合機等の他の電子写真式の画像形成装置にも適用することができる。
(B−2)上記の実施形態において、画像出力部24は、閾値Thを一定とし、環境温度T及びJOB数カウント値Xに応じてドラム回転累積時間カウント値Cを補正し、補正後のドラム回転累積時間カウント値Cと閾値Thとの比較結果に応じて次にドラム逆回転動作を行うタイミングを決定するようにしてもよい。例えば、画像出力部24は、環境温度Tが高くなるほどドラム回転累積時間カウント値Cが低くなるように補正し、環境温度Tが高くなるほどドラム回転累積時間カウント値Cを高く補正するようにしてもよい。また、画像出力部24は、JOB数カウント値Xが多いほどドラム回転累積時間カウント値Cが少なくなるように補正し、JOB数カウント値Xが少ないほどドラム回転累積時間カウント値Cが大きくなるように補正するようにしてもよい。
(B−3)上記の実施形態では、制御部21(画像出力部24)は、ドラム逆回転動作を行うタイミングを決定するためのパラメータとして、JOB数カウント値Xを用いるものとして説明した。上記の実施形態では、JOB数カウント値Xは、印刷ジョブの間で感光ドラム1(ドラムモータ39)が停止することを前提としたパラメータであるため、実行されたジョブ数ではなく、単純に感光ドラム1(ドラムモータ39)が停止した回数(ドラムモータ39が順方向の駆動状態から停止状態に遷移した回数;以下「ドラム停止回数」とも呼ぶ)を、JOB数カウント値Xに置き換えるようにしてもよい。
すなわち、上記の実施形態において、停止回数検知手段としてのJOB数カウント部41が、ドラム停止回数をカウントして記憶部42に記憶し、制御部21(画像出力部24)がJOB数カウント値Xをドラム停止回数に置き換えて閾値Thを算出するようにしてもよい。この場合、停止回数検知手段としてのJOB数カウント部41は、ドラム回転時間計測部40が回転累積時間カウント値C(動作時間)の検知を開始してからのドラム停止回数をカウントすることになる。また、この場合、JOB数カウント部41は、逆にJOB数カウント値Xを、ドラム停止回数とみなしてカウントするようにしてもよい。