JP6815736B2 - 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6815736B2
JP6815736B2 JP2016048999A JP2016048999A JP6815736B2 JP 6815736 B2 JP6815736 B2 JP 6815736B2 JP 2016048999 A JP2016048999 A JP 2016048999A JP 2016048999 A JP2016048999 A JP 2016048999A JP 6815736 B2 JP6815736 B2 JP 6815736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
quantitative
quantification
quantitative analysis
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016048999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017161486A (ja
Inventor
博史 姫野
博史 姫野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Chemical Analysis Service Ltd
Original Assignee
Sumika Chemical Analysis Service Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumika Chemical Analysis Service Ltd filed Critical Sumika Chemical Analysis Service Ltd
Priority to JP2016048999A priority Critical patent/JP6815736B2/ja
Publication of JP2017161486A publication Critical patent/JP2017161486A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6815736B2 publication Critical patent/JP6815736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、ICP(inductively coupled plasma;誘導結合プラズマ)発光分光分析等の原子発光分析に関し、より詳細には原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置等に関する。
ICP発光分光分析は、従来から分析対象の試料に含まれる対象元素の定性、定量分析に広く用いられている。そして、ICP発光分光分析では、定量分析値が種々の干渉の影響を受けることが知られており、干渉の影響を抑えるための技術の開発が従来から行われている。
例えば、下記の特許文献1には、ICP発光分光分析装置の機種ごとに固有の干渉補正係数を用いて分光干渉量を算出し、該干渉量に基づいてスペクトル強度に対するバックグラウンド補正の有効性を判定することが記載されている。そして、下記の特許文献2には、上記特許文献1の手法により算出した干渉量を用いて各測定波長における測定精度を算出し、測定精度が最も高い測定波長による定量分析値を選択することが記載されている。
特開2006‐275892号公報(2006年10月2日公開) 特開2007‐003428号公報(2007年1月11日公開)
特許文献1および2の技術は、分光干渉の影響を抑えることができるものの、分析装置の機種に固有の干渉補正係数を用いる必要があり、汎用性に欠ける。また、分析装置の状態は日々変化するため、当初設定していた干渉補正係数が、分析時の分析装置の状態に応じた妥当な値となっているとは限らない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、定量の対象となる分析結果データがどのような分析装置によって得たデータであるかにかかわらず、妥当な定量分析値を選択することができる定量装置等を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る定量装置は、原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置であって、上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量部と、上記定量部が算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択部と、を備えている構成である。
上記の構成によれば、対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する。ここで、定量分析値の算出対象となる複数のシグナルは、何れも同じ対象元素に対応しているから、分光干渉などが生じていなければ、何れのシグナルについて算出された定量分析値も、理論上同じ値となる。しかし、実際には、分光干渉や測定値のばらつきなどの要因により、各シグナルから算出された定量分析値は異なる値となることが通常である。つまり、算出した複数の定量分析値間の差異の大きさには、分光干渉などの影響が反映されていると考えられる。
そこで、上記の構成によれば、算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、対象元素の定量結果とする。これにより、分光干渉などの影響を考慮して選択した妥当な定量分析値を対象元素の定量結果とすることが可能になる。また、定量分析値の選択の際には、首記の特許文献1、2に記載されているような、分析装置に固有の干渉補正係数などを用いる必要がない。
つまり、上記の構成によれば、定量の対象となる分析結果データがどのような分析装置によって得たデータであるかにかかわらず、妥当な定量分析値を選択することができるという効果を奏する。
また、上記定量装置は、上記定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出する指標値算出部103を備え、上記選択部は、上記指標値が所定の閾値以下である定量分析値の組の中から定量分析値を選択する構成であってもよい。
上述のように、算出した複数の定量分析値間の差異の大きさには、分光干渉などの影響が反映されていると考えられる。特に、分光干渉が生じていた場合には、定量分析値は過大な値となる。
そこで、上記の構成によれば、定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出し、指標値が所定の閾値以下である定量分析値の組の中から定量分析値を選択する。よって、指標値が所定の閾値を超えている定量分析値、すなわち分光干渉の影響を受けている可能性の高い定量分析値を選択対象から除外して、妥当な定量分析値を選択することができる。
また、上記指標値算出部は、指標値の算出対象となる定量分析値を定量分析値AおよびBとした場合に、(定量分析値A−定量分析値B)/定量分析値Aとの数式にて上記指標値を算出する構成であってもよい。
上記の構成によれば、簡易な演算で指標値を算出することができるので、演算処理能力がさほど高くない定量装置であっても、速やかに定量分析値を選択することができる。
また、上記分析結果データには、上記対象元素を含む試料を複数の希釈倍率でそれぞれ分析した分析結果データが含まれており、上記選択部が選択した定量分析値が所定の定量範囲外であれば、上記定量部に、当該定量分析値の算出に用いた希釈倍率とは異なる希釈倍率の分析結果データから定量分析値を算出させる希釈倍率選択部を備えている構成であってもよい。
上記の構成によれば、選択した定量分析値が所定の定量範囲外であれば、当該定量分析値の算出に用いた希釈倍率とは異なる希釈倍率の分析結果データから定量分析値を算出させる。よって、所定の定量範囲内の定量分析値を自動で算出することができ、所定の定量範囲内の定量分析値を対象元素の定量結果とすることができる。
また、上記定量装置は、上記分析結果データが内標準物質を用いた分析により得られたデータである場合に、上記内標準物質の回収率から、当該内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを判定する内標準判定部を備えていてもよい。
上記の構成によれば、内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを自動で判定するので、干渉の影響を受けた内標準物質に基づいた定量分析値を採用することを回避することが可能になる。
なお、干渉の影響を受けていると判定した場合、干渉の影響を受けた内標準物質に基づいた定量分析値を採用することを回避するための処理を行うことが望ましい。例えば、内標準物質が干渉の影響を受けている旨をユーザに通知してもよいし、他の内標準物質を用いた定量に自動で切り替えてもよいし、内標準物質を用いない定量(絶対検量線法による定量)に自動で切り替えてもよい。
また、上記定量装置は、上記分析結果データのばらつきの大きさに応じた上記所定の閾値を設定する閾値設定部を備えていてもよい。
ここで、分析結果データにおいては、理論上は同一の値となるべきデータであっても値にばらつきが出るのが通常であり、またばらつきの大きさもデータによって大きくなる場合や小さくなる場合があるのが通常である。そして、上記所定の閾値は、定量分析値間の差異が有意な差異(ばらつきの範囲を超えた、干渉の影響の影響による差異)であるか否かを識別するための閾値であるから、ばらつきに応じた値とすることが好ましい。
そこで、上記の構成によれば、分析結果データのばらつきの大きさに応じた所定の閾値を設定する閾値設定部を備えた構成としている。これにより、分析結果データのばらつきの大きさに応じて所定の閾値を設定し、この閾値を用いて定量分析値が選択されるので、ばらつきの大きさを考慮した適切な選択が可能になる。
また、上記分析結果データは、ICP発光分光分析の分析結果データであってもよい。この場合、定量の対象となる分析結果データがどのようなICP発光分光分析装置によって得たデータであるかにかかわらず、妥当な定量分析値を選択することができる。
また、本発明に係る定量方法は、上記の課題を解決するために、原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置1による定量方法であって、上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量ステップ(S11)と、上記定量ステップにて算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択ステップ(S15)と、を含む。該定量方法によれば、上記定量装置と同様の作用効果を奏する。
なお、上記定量装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記定量装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記定量装置をコンピュータにて実現させる定量装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明によれば、定量の対象となる分析結果データがどのような分析装置によって得たデータであるかにかかわらず、妥当な定量分析値を選択することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る定量装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 上記定量装置に入力される分析結果データの一例を示す図である。 上記定量装置が使用する波長データの一例を示す図である。 上記定量装置が使用する波長の選択基準の一例を示す図である。 ICP発光分光分析の手順の一例を示すフローチャートである。 上記定量装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜6に基づいて詳細に説明する。
〔装置構成〕
まず、本実施形態の定量装置の構成を図1に基づいて説明する。図1は、定量装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。定量装置1は、ICP発光分光分析の分析結果データの解析を行い、該データから元素の定量を行って、その結果である定量分析値を出力する装置である。なお、以下では、分析に供した試料に含まれる元素のうち、定量の対象とする元素を対象元素と呼ぶ。
図示のように、定量装置1は、定量装置1の各部を統括して制御する制御部10、定量装置1が使用する各種データを格納する記憶部11を備えている。また、定量装置1は、定量装置1に対するデータの入力を受け付ける入力部12、および制御部10の制御に従い画像を表示する表示部13を備えている。表示部13には例えば定量結果を示す画像などが表示される。なお、記憶部11、入力部12、および表示部13は、定量装置1に外付けされた、定量装置1の外部の装置であってもよい。
また、図示のように、制御部10には、データ取得部100、定量部101、希釈倍率選択部102、指標値算出部103、選択部104、定量結果データ生成部105、および検量線作成部106が含まれている。そして、記憶部11には、波長データ110、検量線データ111、および定量結果データ112が格納されている。
データ取得部100は、ICP発光分析の結果を示す分析結果データ(スペクトル)を取得する。分析結果データは、対象元素の各シグナル(1本のスペクトル線に対応する信号)について、その波長と強度値とが対応付けられたデータであればよく、例えば図2のようなデータであってもよい。
図2は、分析結果データの一例を示す図である。図示の例では、1つの試料(Sample)につき、無希釈(×1)から一万倍希釈(×10000)までの10倍刻みの5通りの希釈倍率にて分析を行った分析結果データの例を示している。図示の例では、検出された各シグナルの波長(188、193、197、…)と、その波長に対応する強度値とが、各希釈倍率の試料それぞれについて示されている。
定量部101は、分析結果データの強度値から定量分析値を算出する。より詳細には、定量部101は、後述する波長データ110を参照して分析結果データに含まれるシグナルのうち、対象元素に対応するシグナルを特定する。そして、対象元素に対応する検量線データ111(後述する)を用いて対象元素の定量分析値(具体的には濃度値)を算出する。
希釈倍率選択部102は、試料の希釈倍率を選択する。希釈倍率選択部102が選択した希釈倍率の濃度値を用いて、指標値算出部103が定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出する。
指標値算出部103は、定量部101が算出した複数の定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出する。より詳細には、指標値算出部103は、定量部101が算出した複数の濃度値のうち、希釈倍率選択部102が選択した希釈倍率の濃度値について指標値を算出する。なお、指標値の算出方法については後述する。
選択部104は、複数の定量分析値のうち、指標値算出部103の算出した指標値に応じた定量分析値(具体的には濃度値)を、対象元素の定量結果として選択する。なお、選択部104による選択方法については後述する。
定量結果データ生成部105は、対象元素の定量分析値を示す定量結果データを生成する。より詳細には、定量結果データ生成部105は、対象元素の濃度値(定量部101が算出した複数の濃度値のうち選択部104が選択した濃度値)を示す定量結果データを生成する。
検量線作成部106は、定量部101が対象元素の定量に用いる検量線データを作成する。より詳細には、検量線作成部106は、対象元素の標準溶液の分析結果データを用いて検量線データを作成し、記憶部11に検量線データ111として記憶する。なお、固有のスペクトル波長が複数ある対象元素については、各スペクトル波長に対応する検量線データを作成する。
波長データ110は、対象元素に固有のスペクトル波長と、その波長の優先順位とを示すデータである。波長データ110には、各対象元素について基本的には3つの波長が含まれており、それら3つの波長について、検出感度や他元素の波長との重なりを総合的に考慮して「1」〜「3」の優先順位が設定されている。つまり、干渉等がなければ、優先順位が「1」の波長を用いた定量の精度が最も高くなり、優先順位が下がるほど定量の精度も低下する。なお、固有のスペクトル波長が2種類の対象元素については、該2種類の波長の優先順位が設定される。また、固有のスペクトル波長が1種類の対象元素については、優先順位は設定されず、当該1種類のスペクトル波長が波長データ110に示される。
波長データ110は、例えば図3のようなデータであってもよい。図3は、波長データ110の一例を示す図である。図示の例では、対象元素としてAg(銀)とAs(ヒ素)が示されている。また、Agのスペクトル波長として、328nm、338nm、および241nmの値が示されており、Asのスペクトル波長として、188nm、193nm、および197nmの値が示されている。そして、AgとAsのそれぞれについて、3つのスペクトル波長の優先順位「1」〜「3」が示されている。
よって、図示の波長データ110を参照することにより、例えば図2の分析結果データにおける328nm、338nm、および241nmの3つのシグナルが、何れもAgのシグナルであることを特定することができる。そして、これらのシグナルのうち、優先順位がより高い、すなわち検出感度のより高いシグナルに基づいてAgの定量を行うことができる。
検量線データ111は、対象元素のスペクトルの強度値から、当該対象元素を定量するためのデータである。上述のように、検量線データ111は、検量線作成部106によって生成される。
定量結果データ112は、対象元素の定量結果を示すデータである。上述のように、定量結果データ112は、定量結果データ生成部105によって生成される。
〔波長の選択〕
次に、選択部104による波長の選択について、図4に基づいて説明する。図4は、波長の選択基準の一例を示す図である。選択部104は、図示の選択基準に従い、指標値算出部103が算出した指標値(D1−2、D2−3、D1−3)と所定の判定基準値Tとの大小関係に応じた波長に対応する濃度を対象元素の濃度として選択する。
なお、以下の説明では、優先順位が「1」〜「3」の各スペクトル波長の強度値から算出した対象元素の濃度をそれぞれC〜C(mg/L)と呼ぶ。この場合、指標値D1−2、D2−3、D1−3は、下記の数式(1)〜(3)で表される。
1−2=(C−C)/C …数式(1)
2−3=(C−C)/C …数式(2)
1−3=(C−C)/C …数式(3)
ここで、分光干渉は、対象元素のシグナルと、対象元素と近い波長の共存元素のシグナルとが重なる現象であり、分光干渉が生じたシグナルの強度値は、分光干渉が生じていないシグナルの強度値と比べて大きくなる。
このため、1つの対象元素について、波長の異なる複数のシグナルからそれぞれ定量を行った場合、分光干渉の影響により、他の定量結果と比べて定量結果が過大となるシグナルが生じ得る。ただし、定量結果には、ばらつきが出るのが通常であるから、ばらつきの範囲を超えて過大な定量結果となったシグナルについて、分光干渉の影響を受けたシグナルであると判定することが好ましい。
そこで、図4の選択基準では、判定基準値Tを設定して、指標値がT以下であれば分光干渉の影響がないとみなし、指標値がTより大きければ分光干渉の影響を受けているとみなしている。そして、分光干渉の影響を受けていないとみなされた定量結果のうち、最も高い優先順位の波長が選択される選択基準としている。
具体的には、図示のパターンaでは、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT以下であるから、分光干渉の影響を受けている波長が存在しないと考えられる。よって、図4の選択基準では、パターンaの選択波長を、最も優先順位が高い「1」の波長としている。また、図示のパターンcでは、D1−2とD1−3はT以下であるが、D2−3はTを超えるから、CはCと比べて過大であり、Cの値は分光干渉の影響を受けていると考えられる。よって、図4の選択基準では、パターンcの選択波長を、最も優先順位が高い「1」の波長としている。
一方、図示のパターンbでは、D1−2とD2−3はT以下であるが、D1−3はTを超えるから、CはCと比べて過大であり、Cの値は分光干渉の影響を受けていると考えられる。よって、図4の選択基準では、パターンbの選択波長を、「1」の波長を除いた中で最も優先順位が高い「2」の波長としている。また、図示のパターンeでは、D2−3とD1−3はT以下であるが、D1−2はTを超えるから、CはCと比べて過大であり、Cの値は分光干渉の影響を受けていると考えられる。そして、図示のパターンfでは、D2−3はT以下であるが、D1−2とD1−3はTを超えるから、CはCおよびCと比べて過大であり、Cの値は分光干渉の影響を受けていると考えられる。よって、パターンeおよびfについては、パターンbと同様に、選択波長は「2」としている。
また、図示のパターンdでは、D1−2はT以下であるが、D2−3とD1−3はTを超えるから、CはCと比べて過大であり、かつ、CもCと比べて過大であるから、Cの値もCの値も分光干渉の影響を受けていると考えられる。よって、パターンdでは、「1」および「2」の何れの波長も不適となるので選択波長を「3」としている。また、図示のパターンgでは、D1−3はT以下であるが、D1−2とD2−3はTを超えるから、CはCと比べて過大であり、かつ、CもCと比べて過大であるから、Cの値もCの値も分光干渉の影響を受けていると考えられる。そして、図示のパターンhでは、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがTを超えるから、CはCおよびCと比べて過大であり、かつ、CもCと比べて過大であるから、Cの値もCの値も分光干渉の影響を受けていると考えられる。よって、パターンgおよびhについては、パターンdと同様に、選択波長は「3」としている。
以下、T=0.5とした場合、つまり、濃度値の差が50%を超える場合に分光干渉の影響があるとみなす場合の具体例と、T=0.2とした場合、つまり、濃度値の差が20%を超える場合に分光干渉の影響があるとみなす場合の具体例を順次示す。
(T=0.5の場合)
(例1)C=10、C=11、C=6
この例では、D1−2=−0.1、D2−3=0.45、D1−3=0.4となり、これらの値は何れもT=0.5以下である。よって、図4のパターンaに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C=10を対象元素の濃度とする。
(例2)C=10、C=6、C=4
この例では、D1−2とD2−3はT=0.5以下であるが、D1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンbに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=6を対象元素の濃度と決定する。
(例3)C=10、C=20、C=5
この例では、D1−2とD1−3はT=0.5以下であるが、D2−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンcに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C=10を対象元素の濃度とする。
(例4)C=10、C=6、C=2
この例では、D1−2はT=0.5以下であるが、D2−3とD1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンdに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C=2を対象元素の濃度とする。
(例5)C=10、C=4、C=6
この例では、D2−3とD1−3はT=0.5以下であるが、D1−2はT=0.5を超える。よって、図4のパターンeに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=4を対象元素の濃度とする。
(例6)C=10、C=4、C=3
この例では、D2−3はT=0.5以下であるが、D1−2とD1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンfに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=4を対象元素の濃度とする。
(例7)C=10、C=4、C=1
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.5を超える。よって、図4のパターンhに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C=1を対象元素の濃度とする。
(T=0.2の場合)
(例8)C=10、C=9、C=8
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.2以下である。よって、図4のパターンaに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C=10を対象元素の濃度とする。
(例9)C=10、C=8、C=7
この例では、D1−2とD2−3はT=0.2以下であるが、D1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンbに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=8を対象元素の濃度とする。
(例10)C=10、C=12、C=8
この例では、D1−2とD1−3はT=0.2以下であるが、D2−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンcに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C=10を対象元素の濃度とする。
(例11)C=10、C=8、C=6
この例では、D1−2はT=0.2以下であるが、D2−3とD1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンdに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C=6を対象元素の濃度とする。
(例12)C=10、C=7、C=8
この例では、D2−3とD1−3はT=0.2以下であるが、D1−2はT=0.2を超える。よって、図4のパターンeに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=7を対象元素の濃度とする。
(例13)C=10、C=7、C=6
この例では、D2−3はT=0.2以下であるが、D1−2とD1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンfに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C=7を対象元素の濃度とする。
(例14)C=10、C=7、C=5
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.2を超える。よって、図4のパターンhに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C=5を対象元素の濃度とする。
〔ICP発光分光分析〕
定量装置1に入力する分析結果データは、原子発光分析によって得られたデータであればよく、特に限定されないが、例えば図5に示す手順によるICP発光分光分析で得られたデータを用いてもよい。図5は、ICP発光分光分析の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、対象元素を含む試料に前処理を行い(S1)、ICP発光分光分析装置にて分析可能な試料溶液を調整する。ここで、試料に有機物などが含まれていると予想される場合には、前処理として、硝酸等を添加して200℃程度まで加熱する処理を行い、有機物などの分析対象外の物質を分解してもよい。なお、このような前処理を行う場合、添加する酸は所望の分解効果が得られるものであればよく、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸、フッ酸、過酸化水素水の何れか単体、またはこれらの複数を組み合せたものであってもよい。
次に、前処理後の試料溶液をICP発光分光分析装置に供して、ICP発光の測定を行う(S2)。この際、試料溶液と共に内標準物質をICP発光分光分析装置に供給してもよい。添加する内標準物質は、対象元素の検出に適した元素であることが好ましい。
そして、ICP発光分光分析装置が、分析結果データ(スペクトル)を出力する(S3)。定量装置1は、この分析結果データを用いて対象元素の定量を行う。
〔定量装置の実行する処理の流れ〕
次に、定量装置1が実行する処理を図6に基づいて説明する。図6は、定量装置1が実行する処理(定量方法)の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明を簡単にするため、対象元素が1つであり、該対象元素には3つの異なるスペクトル波長のシグナルが検出されているとする。
まず、データ取得部100は、分析結果データを取り込む(S10)。なお、S10で取り込む分析結果データには、検量線を作成するための標準溶液の分析結果データも含まれている。そして、同図には示していないが、検量線作成部106は、S10の後、標準溶液の分析結果データを用いて検量線データを作成し、記憶部11に検量線データ111として記憶する。このように、定量装置1は、試料と共に分析に供された標準溶液の分析結果データを用いて作成した検量線にて定量を行うので、分析装置の状態や日間差の影響を受けずに定量分析値を算出することができる。
次に、定量部101は、分析結果データに含まれる各シグナルに対応する濃度値をそれぞれ算出する(S11、定量ステップ)。具体的には、定量部101は、波長データ110を参照して、分析結果データに含まれるシグナルのうち、対象元素に対応する3つのシグナルを特定する。そして、対象元素の検量線データ111を用いて、上記特定した3つのシグナルからそれぞれ対象元素の濃度値を算出する。
続いて、希釈倍率選択部102は、試料の希釈倍率を選択する(S12)。基本的には、希釈倍率が低い、すなわち対象元素の濃度が高い方が、定量精度が高くなるため、希釈倍率選択部102は、初回の選択では最も低い希釈倍率を選択することが好ましい。例えば、図2の例のように、無希釈から一万倍希釈までの5通りの希釈倍率で分析が行われた場合、初回の選択では無希釈を選択することが好ましい。
続いて、指標値算出部103は、S11で算出された濃度値のうち、希釈倍率選択部102が選択した希釈倍率に対応する濃度値を抽出する(S13)。上述のように、ここでは対象元素には3つの異なる波長のシグナルが検出されていることを想定しているため、S13ではこれら3つの波長に対応する濃度値(C〜C)がそれぞれ抽出される。
また、指標値算出部103は、抽出した上記濃度値間の差異の大きさを示す指標値を算出する(S14)。具体的には、指標値算出部103は、上述の数式(1)〜(3)により、指標値D1−2、D2−3、D1−3を算出する。
そして、選択部104は、S13で抽出された複数の濃度値(C〜C)のうち、S14で算出された指標値に応じた濃度値を、対象元素の定量結果として選択する(S15、選択ステップ)。具体的には、選択部104は、図4の選択基準に従って、「1」〜「3」の何れかの優先順位に対応する濃度値を選択する。
さらに、選択部104は、選択した濃度値が所定の定量範囲内であるか否か、より具体的には検量線の範囲内であるか否かを判定する(S16)。ここで検量線の範囲外であると判定した場合(S16でNO)、処理はS12に戻り、希釈倍率選択部102は、次の希釈倍率(先に選択した希釈倍率よりも高い希釈倍率)を選択する。一方、検量線の範囲内であると判定した場合(S16でYES)、選択部104は選択した濃度値を定量結果データ生成部105に出力する。
なお、複数の対象元素の定量を行う場合には、S16でYESと判定した際にも、処理はS12に戻り、次の対象元素についての希釈倍率の選択が行われる。また、S12ではなくS11に戻り、次の対象元素の濃度値の算出を行ってもよい。そして、複数の対象元素の定量を行う場合には、全ての対象元素の定量が終了したときに、S17の処理が行われる。
そして、定量結果データ生成部105は、選択部104から出力された濃度値が対象元素の濃度値であることを示す定量結果データを生成・出力して(S17)、図示の処理は終了する。なお、定量結果データの出力態様は特に限定されず、例えば表示部13への表示出力であってもよいし、印字出力であってもよいし、定量結果データを含むデータファイルの出力であってもよい。また、定量装置1と有線または無線接続された他の装置に出力してもよい。
なお、上記では、3つの異なる波長のシグナルが検出されている対象元素の定量を行う例を示したが、2つの異なる波長のシグナルが検出されている対象元素の定量についても、同様にして行うことができる。この場合、S13では2つの濃度値(C、C)を抽出し、S14ではこれらの濃度値間の指標値(D1−2)を算出する。そして、S15では、D1−2の値がT以下であればCを選択し、D1−2の値がTより大きければCを選択する。
また、4つ以上の異なる波長のシグナルが検出されている対象元素については、検出感度の高い方から3つの波長を選択して、当該波長に対応する濃度値を算出すればよい。そして、波長のシグナルが1つのみ検出されている対象元素については、選択の余地がないので、S14およびS15の処理は省略する。
なお、4つ以上の波長のシグナルについて上述の指標値を算出することにより、濃度値の選択を行ってもよい。例えば、4つの波長のシグナルについて上述の指標値を算出する場合、各シグナルから濃度値C〜Cを算出する。そして、算出した濃度値から指標値D1−2、D1−3、D1−4、D2−3、D2−4、およびD3−4を算出する。この場合、指標値の数が6となるので、これら指標値の大小関係のパターンは64通りとなる。よって、この64通りのパターンのそれぞれについて何れの濃度値を選択するかを、図4の例と同様にして定めておくことにより、分光干渉の影響がない濃度値のうち、優先順位が最も高い波長に対応する濃度値を選択することができる。同様に、5つの波長のシグナルについて上述の指標値を算出してもよい。この場合、指標値の数が10となるので、これら指標値の大小関係のパターンは1024通りとなる。
また、S10で取り込む分析結果データには、複数種類の試料の分析結果が含まれていてもよい。この場合、S10の処理の後、何れの試料の定量を行うかをユーザに選択させて、その後でS11以降の処理を行えばよい。これにより、1種類の試料の定量が終了した後、再度S11以降の処理を行うことにより、先に作成した検量線データをそのまま用いて、他の試料の定量を行うことができる。
〔基準値Tの自動設定について〕
基準値Tは、予めユーザが指定しておいてもよいが、定量装置1が自動で設定してもよい。この場合、定量装置1の制御部10に、分析結果データのばらつきの大きさに応じた基準値Tを自動で設定する基準値設定部(閾値設定部)を設ければよい。
ここで、上述のように、本実施形態では、数式(1)〜(3)にて算出した指標値(濃度値間の差異の大きさを示す値)が基準値T以下であれば分光干渉の影響がないとみなし、指標値が基準値Tより大きければ分光干渉の影響を受けているとみなしている。このため、基準値Tは、濃度値間の差異が、濃度値のばらつきの範囲内であるか、干渉の影響によるものであるかを判定するための閾値であると言える。
数値のばらつきを示す指標としては例えば偏差(標準偏差)を用いることができる。例えば、基準値設定部は、濃度値の偏差として許容される範囲を示す値を基準値Tとして算出してもよい。この場合、基準値設定部は、定量部101が算出した複数の濃度値(同一の元素に対応する濃度値であり、理論上は同一値となる濃度値)について標準偏差を算出し、算出した標準偏差を用いて許容範囲に応じた基準値Tを算出してもよい。これにより、標準偏差に比例した基準値Tが算出される。なお、許容範囲は、例えば99.7%(3σ)、95%(2σ)、または68%(1σ)等としてもよい。
なお、標準溶液は干渉の影響のないものが使用されるから、基準値Tの算出には、標準溶液における対象元素の濃度値を用いることが望ましい。ただし、標準溶液における対象元素の濃度と、試料溶液における対象元素の濃度とは通常異なっているため、標準溶液における対象元素の濃度値を用いて基準値Tを算出した場合、標準溶液における対象元素の濃度と試料溶液における対象元素の濃度との比で補正した上で、試料溶液における対象元素の濃度値の判定に用いることが好ましい。
また、上記の例では濃度値を用いて基準値Tを算出しているが、分析結果データに含まれるシグナル強度を用いても同様の演算により基準値Tを算出することができる。
なお、基準値設定部は、濃度値のばらつきに応じた基準値Tを設定すればよく、必ずしも算出した基準値をそのまま用いる必要はない。例えば、基準値設定部は、予め定めた基準値の何れを用いるかを、算出した基準値に応じて決定してもよい。具体例を挙げれば、予め50%と20%の2種類の基準値Tを設定しておき、算出した基準値が35%以上であれば基準値Tとして50%を採用し、閾値未満であれば基準値Tとして20%を採用してもよい。
また、上記のようにして算出した基準値をそのまま基準値Tとした場合、過大な値が基準値Tに設定されて、妥当な判定結果が得られなくなる可能性がある。このため、基準値Tには、予めユーザが手動で上限値を設定しておき、算出した基準値が上限値を超えていた場合には、基準値Tとして上記上限値を用いることが好ましい。
〔内標準物質の適否判定〕
内標準法にて定量を行う場合、内標準物質のシグナルが干渉の影響を受けて異常な値となる場合があり、このような場合には妥当な定量結果を得ることが難しくなる。そこで、図5のS2では、複数種類の内標準物質を併用してICP発光測定を行ってもよい。そして、定量装置1の制御部10には、内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを判定する内標準判定部を設けてもよい。
上記内標準判定部は、例えば内標準物質の回収率を算出して、算出した回収率が所定の下限値以下となるか、所定の上限値以上となる場合に、内標準物質が干渉の影響を受けていると判定してもよい。上限値および下限値の値は特に限定されないが、例えば下限値を70%、上限値を130%としてもよい。また、上限値と下限値を異なる値としてもよい。
そして、上記内標準判定部は、内標準物質が干渉の影響を受けていると判定した場合には、表示部13に警告を表示する等して、その旨をユーザに報知してもよい。これにより、ユーザは、内標準物質を変更した上で、定量装置1に再度定量を行わせることができる。また、上記内標準判定部は、内標準物質が干渉の影響を受けていると判定した場合に、自動で内標準物質を変更した上で、定量部101等に定量を行わせてもよい。なお、複数の内標準物質の何れもが干渉の影響を受けていると判定した場合には、上記内標準判定部は、定量部101に指示して内標準物質を用いずに定量を行わせてもよい。この場合には、内標準物質による補正を行うことなく絶対検量線法にて定量が行われる。
〔変形例〕
上記実施形態では、ICP発光分光分析の分析結果データを用いて定量を行う例を示したが、定量装置1にて濃度値を算出可能な分析結果データは、原子特有の発光スペクトルを同定する分析法による分析結果データであればよく、上述の例に限られない。例えば、レーザ励起プラズマ発光分光分析装置、固体発光分光分析装置、グロー放電発光分光分析装置等の分析結果データから濃度値を算出することも可能である。
また、上記実施形態では、試料溶液中の対象元素の濃度値を定量分析値として算出する例を示したが、定量分析値は対象元素の量を示す値であればよく、濃度値に限られない。例えば、液体試料中の対象元素の重量を定量分析値として算出してもよいし、固体試料中の対象元素の量や密度を定量分析値として算出してもよい。
さらに、上記実施形態では、発光分析装置と定量装置1とが別体の装置である例を示したが、一体の装置としてもよい。すなわち、定量装置1を備えた発光分析装置も本発明の範疇に含まれる。
また、上記実施形態では、数式(1)〜(3)で示される指標値を用いて濃度値の選択を行う例を示したが、選択に使用する指標値は、濃度値の差異の大きさを示すものであればよく、この例に限られない。例えば、対象元素について算出された3つの濃度値の平均値からの偏差である、C−(C+C+C)/3,C−(C+C+C)/3,C−(C+C+C)/3を指標値としてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
定量装置1の制御ブロック(特に制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、定量装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 定量装置
101 定量部
102 希釈倍率選択部
103 指標値算出部
104 選択部

Claims (10)

  1. 原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置であって、
    上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量部と、
    上記定量部が算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択部と、を備えていることを特徴とする定量装置。
  2. 上記定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出する指標値算出部を備え、
    上記選択部は、上記指標値が所定の閾値以下である定量分析値の組の中から定量分析値を選択することを特徴とする請求項1に記載の定量装置。
  3. 上記指標値算出部は、
    指標値の算出対象となる定量分析値を定量分析値AおよびBとした場合に、
    (定量分析値A−定量分析値B)/定量分析値A
    との数式にて上記指標値を算出することを特徴とする請求項2に記載の定量装置。
  4. 上記分析結果データには、上記対象元素を含む試料を複数の希釈倍率でそれぞれ分析した分析結果データが含まれており、
    上記選択部が選択した定量分析値が所定の定量範囲外であれば、上記定量部に、当該定量分析値の算出に用いた希釈倍率とは異なる希釈倍率の分析結果データから定量分析値を算出させる希釈倍率選択部を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の定量装置。
  5. 上記分析結果データが内標準物質を用いた分析により得られたデータである場合に、上記内標準物質の回収率から、当該内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを判定する内標準判定部を備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の定量装置。
  6. 上記分析結果データのばらつきの大きさに応じた上記所定の閾値を設定する閾値設定部を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の定量装置。
  7. 上記分析結果データは、ICP発光分光分析の分析結果データであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の定量装置。
  8. 原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置による定量方法であって、
    上記定量装置が、上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量ステップと、
    上記定量装置が、上記定量ステップにて算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択ステップと、を含むことを特徴とする定量方法。
  9. 請求項1に記載の定量装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記定量部および上記選択部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2016048999A 2016-03-11 2016-03-11 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体 Active JP6815736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016048999A JP6815736B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016048999A JP6815736B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017161486A JP2017161486A (ja) 2017-09-14
JP6815736B2 true JP6815736B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=59856854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016048999A Active JP6815736B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6815736B2 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60186736A (ja) * 1984-03-07 1985-09-24 Meidensha Electric Mfg Co Ltd プラズマ発光法による銅中のセレン、テルルの分析方法
JPS6113140A (ja) * 1984-06-29 1986-01-21 Meidensha Electric Mfg Co Ltd プラズマ発光分析による鉄の定量分析法
JPH05203575A (ja) * 1992-01-24 1993-08-10 Meidensha Corp 鋼中のバナジウムの定量分析方法
JP2000266674A (ja) * 1999-03-16 2000-09-29 Shimadzu Corp 発光分光分析装置
JP2002310913A (ja) * 2001-04-19 2002-10-23 Shin Etsu Handotai Co Ltd 有機酸溶液中のスズの定量分析方法
GB0218949D0 (en) * 2002-08-14 2002-09-25 Thermo Electron Corp Pumping and diluting a sample for analysis
JP4754888B2 (ja) * 2005-06-27 2011-08-24 株式会社島津製作所 発光分光分析方法及び発光分光分析装置
US7768639B1 (en) * 2007-09-26 2010-08-03 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Methods for detecting and correcting inaccurate results in inductively coupled plasma-atomic emission spectrometry
JP2011232106A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Shimadzu Corp Icp発光分光分析装置
EP2657681A1 (en) * 2012-04-26 2013-10-30 Roche Diagnostics GmbH Improvement of the sensitivity and the dynamic range of photometric assays by generating multiple calibration curves
JP6072450B2 (ja) * 2012-07-12 2017-02-01 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017161486A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5131211B2 (ja) 発光分光分析装置
JP6091493B2 (ja) 試料に存在する成分を決定するための分光装置と分光法
JP6065981B2 (ja) クロマトグラフ用データ処理装置及び方法
CN107110786B (zh) 使用比色传感器进行的测量和校准
Olivieri et al. MVC3: a MATLAB graphical interface toolbox for third-order multivariate calibration
JP7482222B2 (ja) 発光分光分析による元素識別方法及びシステム
JP4324701B2 (ja) 発光分光分析装置
JP5716582B2 (ja) 装置バリデーションシステム
JP4506554B2 (ja) 発光分光分析方法及び発光分光分析装置
KR101712377B1 (ko) 수질측정키트의 이미지 처리 기법을 이용한 양식장 자동화 수질분석 및 원격 감시시스템
JP6815736B2 (ja) 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体
JP6968745B2 (ja) 近赤外分光法及び機械学習技術による、製造工程におけるエンドポイント検出
US7289598B2 (en) X-ray fluorescent analysis apparatus
CN105308451B (zh) 色谱仪用数据处理装置及色谱仪用数据处理方法
JP4754888B2 (ja) 発光分光分析方法及び発光分光分析装置
Li et al. Chemometric approaches to low-content quantification (LCQ) in solid-state mixtures using Raman mapping spectroscopy
JP6048373B2 (ja) クロマトグラフ用データ処理装置及びデータ処理方法
KR101711081B1 (ko) 반도체 공정의 화학적 용액 내 함유된 금속 불순물의 온라인 모니터링 방법
EP3990902B1 (en) Method of determining a concentration of an analyte in a bodily fluid and mobile device configured for determining a concentration of an analyte in a bodily fluid
JPH04157350A (ja) 蛍光測定装置
WO2021216092A1 (en) Method of process control and monitoring in dynamic plasma condition by plasma spectrum
JP2007333501A (ja) 発光分光分析装置
JP2009535619A (ja) 少なくとも2つの元素を含む試料の調査のための分光法における方法
JP2007078640A (ja) Icp発光分光分析方法及びicp発光分光分析装置
JP5634763B2 (ja) 蛍光x線分析装置及びコンピュータプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6815736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250