JP6815145B2 - 車体への部品の取付構造 - Google Patents
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Description
そして、特許文献1にあるように、そのように成形されたフランジに重ねてステーを固定し、このステーに対してたとえばリアクロスメンバ、リンク、アームなどの部品をねじ止め固定することがある。
そして、このように溶接によりたとえばナット部材をフランジに固定した場合、溶接時に熱が加えられるため、フランジが微妙に変形してしまう可能性がある。そして、フランジが微妙にでも変形してしまうと、部品を取り付けた状態でフランジと取り付け部品との間に微小な隙間が形成され、ネジ止めにより固定したとしても高い部品の取り付け強度が得られなくなってしまう可能性がある。
このため、車体に取り付けられる部品を挟み込む第一ネジ部材の第一螺合部および第二ネジ部材は、部品やこれらの部材は、各々の成形精度のまま部品と重ねられ、互いに密着した状態でねじ止め固定される。また、第一ネジ部材の第一螺合部と第二ネジ部材との間に部品ともにステーを挟み込む場合でも同様である。
このため、車体に取り付けられる部品を挟み込むステーおよび第二ネジ部材は、各々の成形精度のまま部品と重ねられ、互いに密着した状態でねじ止め固定される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る車体2への部品の取付構造が適用された自動車1の説明図である。自動車1は、車両の一例である。図1は、自動車1の車体2を下方から見た図である。
図1には、このような方法で成形されたフレームとして、一対のリアビーム3、一対のフロアビーム4、が図示されている。また、図1には、この他のフレームとして、一対のサイドシル5、一対のフロントビーム6が図示されている。これらのフレームは、車体2の骨格を構成する骨格部材として機能する。
そして、車体2には、図1に例示するように、リアクロスメンバ7、フロントクロスメンバ8、バッテリモジュール9などの部品が、取り付けられる。図1では、一対のフロントビーム6にフロントクロスメンバ8が取り付けられ、一対のフロアビーム4にバッテリモジュール9が取り付けられ、一対のリアビーム3にリアクロスメンバ7が取り付けられる。
図2では、リアビーム3としてのフランジ11の下側にステー12が重ねて固定され、ステー12にナット部材13が溶接され、ナット部材13と螺合するボルト部材14とステー12との間にリアクロスメンバ7が挟まれている。ステー12とボルト部材14との間に挟まれた状態で、リアクロスメンバ7は車体2にねじ止め固定される。
そして、このように溶接によりたとえば図2のようにナット部材13をステー12に固定した場合、溶接時に熱が加えられるため、ステー12が微妙に変形してしまう可能性がある。そして、ステー12が微妙に変形してしまうと、部品を取り付けた状態でステー12と取り付け部品との間に微小な隙間が形成され、ネジ止めにより固定したとしても高い部品の取り付け強度が得られなくなってしまう可能性がある。
図3(A)は、正常にねじ止めされた状態であり、図3(B)は、第一板金41と第二板金42との間に空間が形成された状態でねじ止めされた状態である。
そして、ナット部材13が溶接される第一板金41が溶接熱により変形していない場合には、図3(A)に示すように、平らな第一板金41と第二板金42とは互いに密着して重なり、その状態でナット部材13とボルト部材14との間に挟み込まれる。
これに対して、図3(B)に示すようにナット部材13が溶接される第一板金41が溶接熱により微妙に変形した場合、第一板金41と第二板金42とは該変形部分において互いに密着しなくなる。
これに対して、図3(B)のように隙間が形成されている場合には、その隙間より内側の範囲が、ネジ止めによる取り付け剛性に寄与すると考えられる。等価円柱43は、小さくなる。
その結果、図3(B)のように隙間が形成された場合には、ネジ止め部分の取り付け剛性が低下してしまう。
このように、車両では、それに取り付ける部品をねじ止めにより十分に高い強度で取り付けること、ひいてはねじ止めにより部品を車体2に取り付ける場合であってもそのような高い強度を容易に確保することができるようにすること、が求められている。
図5には、車体2のフランジ11と、フランジ11の下側に重ねて固定されるステー12と、ナット部材13と、車体2に取り付けるリアクロスメンバ7と、ボルト部材14と、が図示されている。そして、ナット部材13とボルト部材14との間には、リアクロスメンバ7が挟み込まれている。
また、ナット部材13は、延長部22の外周面がフランジ11と溶接される。
これにより、ナット部材13は、ナット部21の上側の平面S13がステー12の下側の平面S12とこれらの成形精度で面接触した状態で、車体2に固定される。ナット部21は、ステー12と重なる。
また、ボルト部材14は、円柱ネジ形状のボルト部31がリアクロスメンバ7の取り付け孔に挿入され、この状態でナット部材13と螺合される。
これにより、リアクロスメンバ7は、ナット部材13のナット部21と、ボルト部材14の頭部32との間にねじ止めされる。ナット部材13のナット部21の下側の平面S13とリアクロスメンバ7の上側の平面S7とは、これらの成形精度で面接触し得る。また、リアクロスメンバ7の下側の平面S7とボルト部材14の頭部32の上側の平面S14とは、これらの成形精度で面接触し得る。
このため、車体2に取り付けられる部品を挟み込むナット部材13のナット部21およびボルト部材14は、各々の成形精度のままリアクロスメンバ7と重ねられ、互いに密着した状態でねじ止め固定される。
その結果、本実施形態では、車体2に取り付けるリアクロスメンバ7は、ねじ止めにより十分に高い強度で取り付けられ得る。リアクロスメンバ7をねじ止めにより車体2に取り付ける場合であっても、ばらつきが少ない高い強度で取り付けることができる。
また、図6の変形例に示すように、ナット部材13のナット部21とボルト部材14の頭部32との間に、リアクロスメンバ7ともにステー12を挟み込むようにしてもよい。この場合でも、同様の効果を期待できる。
図7は、本発明の第二実施形態に係る取り付け構造の説明図である。図8は、図7の取り付け構造に用いる部品の分解図である。
図8には、車体2のフランジ11と、フランジ11に固定されたナット部材51と、フランジ11の下側に重ねて固定されるステー12と、スペーサ部材56と、車体2に取り付けるリアクロスメンバ7と、ボルト部材14と、が図示されている。そして、ナット部材51に螺合されたボルト部材14とステー12との間には、スペーサ部材56とリアクロスメンバ7とが重ねて挟み込まれている。
また、スペーサ部材56は、円筒形状の挿入部57がステー12に形成した穴に圧入して嵌合される。これにより、スペーサ部材56は、フランジ部58の上側の平面S56がステー12の下側の平面S12とこれらの成形精度で面接触した状態で、車体2に固定される。ナット部21は、ステー12と重なる。また、スペーサ部材56は、ナット部材51と同じ軸心となるように固定される。なお、スペーサ部材56は、ステー12に形成した穴にねじ止めされてもよい。
また、ボルト部材14は、円柱ネジ形状のボルト部31がリアクロスメンバ7の取り付け孔に挿入され、この状態でナット部材51と螺合される。
これにより、リアクロスメンバ7は、ステー12と、ナット部材51と螺合したボルト部材14の頭部32との間に、スペーサ部材56のフランジ部58ともにねじ止めされる。スペーサ部材56のフランジ部58の下側の平面S56とリアクロスメンバ7の上側の平面S7とは、これらの成形精度で面接触し得る。また、リアクロスメンバ7の下側の平面S7とボルト部材14の頭部32の上側の平面S14とは、これらの成形精度で面接触し得る。
このため、車体2に取り付けられるリアクロスメンバ7を挟み込むステー12およびボルト部材14は、各々の成形精度のままリアクロスメンバ7と重ねられ、互いに密着した状態でねじ止め固定される。
その結果、本実施形態では、車体2に取り付けるリアクロスメンバ7は、ねじ止めにより十分に高い強度で取り付けられ得る。リアクロスメンバ7をねじ止めにより車体2に取り付ける場合であっても、ばらつきが少ない安定した高い強度で取り付けることができる。
この他にもたとえば、車体2に取り付ける部品には、車体2の下部に取り付けられるフロントクロスメンバ8、車体2の下側において車体2と軸下部品とを連結するリンク若しくはアーム、または、車体2に取り付けられるバッテリモジュール9がある。
2…車体
3…リアビーム
4…フロアビーム
5…サイドシル
6…フロントビーム
7…リアクロスメンバ
S7…平面
8…フロントクロスメンバ
9…バッテリモジュール
11…フランジ
12…ステー
S12…平面
13…ナット部材(第一ネジ部材)
S13…平面
14…ボルト部材(第二ネジ部材)
S14…平面
21…ナット部(第一螺合部)
22…延長部
23…ネジ孔
31…ボルト部(第二螺合部)
32…頭部
41…第一板金
42…第二板金
43…等価円柱
51…ナット部材(第一ネジ部材)
52…ネジ孔
56…スペーサ部材
S56…平面
57…挿入部
58…フランジ部
Claims (4)
- フランジを有する車体と、
前記フランジに重ねて固定されたステーと、
前記ステーと重なる第一螺合部および前記第一螺合部から突出する延長部を有し、前記延長部が前記ステーおよび前記フランジを貫通して前記フランジに固定された第一ネジ部材と、
前記第一ネジ部材の前記第一螺合部と螺合される第二螺合部を有し、前記車体に取り付けられる部品を前記第一螺合部との間で挟む第二ネジ部材と、
を有し、
前記第一ネジ部材における前記第一螺合部は、前記延長部の一端から外向きに突出してフランジ状に設けられ、前記第一螺合部の前記延長部側の面が前記ステーの面と接触した状態で固定される車体への部品の取付構造。 - 前記第一ネジ部材および前記第二ネジ部材は、前記車体に取り付けられる前記部品を、それらの間に挟む一対の平面を有する、
請求項1記載の車体への部品の取付構造。 - フランジを有する車体と、
前記フランジに固定された第一ネジ部材と、
前記フランジに重ねて固定されたステーと、
前記第一ネジ部材と螺合され、前記車体に取り付けられる部品を前記ステーとの間で挟む第二ネジ部材と、
挿入部と、前記挿入部の一端寄りの外周面から外向きに突出するフランジ部とを有するスペーサ部材を有し、
前記スペーサ部材は、前記第一ネジ部材と同じ軸心となるように、前記挿入部が前記ステーに嵌合またはねじ止めされ、前記フランジ部の前記挿入部側の面に前記ステーの面が接触した状態で固定され、
前記ステーと前記第二ネジ部材との間に、前記部品ともに前記スペーサ部材が挟み込まれる車体への部品の取付構造。 - 前記ステーおよび前記第二ネジ部材は、前記車体に取り付けられる前記部品を、それらの間に挟む一対の平面を有する、
請求項3記載の車体への部品の取付構造。
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