JP6814967B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本開示は、対象物の内部の情報を取得する撮像装置に関する。
生体計測および材料分析の分野では、対象物に光を照射し、対象物の内部を透過した光の情報から、対象物の内部情報を取得する方法が用いられている。例えば、特許文献1は、生体内の局所的な血液動態の変化を計測するために、光源と光検出器とを空間的に一定の間隔で離した状態で測定部位に密着させて測定する方法を開示している。
特開平8―103434号公報
本開示は、対象物の内部情報を、対象物に接触せず、かつ、対象物の表面で反射された強い光の成分によるノイズを抑制した状態で取得し得る技術を提供する。
本開示の一態様に係る撮像装置は、
対象物に対して、第1のパルス光および第2のパルス光を出射する光源と、
複数の画素を含むイメージセンサと、
前記光源および前記イメージセンサを制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記光源に、前記第1のパルス光よりも後に、前記第2のパルス光を出射させ、
前記第1のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第1の時刻、
前記第1のパルス光が前記複数の画素に到達することを終了する時刻を第2の時刻、
前記第2のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第3の時刻とするとき、
前記制御回路は、
前記第1の時刻から前記第2の時刻を含む第1の期間の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第1の期間以降であって前記第3の時刻までの第2の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも低くし、
前記第1の期間の他の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも高くする。
上記の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、対象物の内部情報を、対象物に接触せず、かつ、対象物の表面で反射された光の成分によるノイズを抑制した状態で取得できる。
図1は、撮像装置の概略的な構成を示す模式図である。 図2は、イメージセンサにおける1つの画素の構成を簡易的に示す図である。 図3は、光源から光が出射するタイミングと、対象物からの光がイメージセンサに入射するタイミングと、電子シャッタのタイミングとの関係を示す図である。 図4Aは、イメージセンサの構成例を模式的に示す図である。 図4Bは、画素アレイのうち、隣接する4つの画素を模式的に示す図である。 図4Cは、図4Bにおける4C−4C線断面を模式的に示す図である。 図4Dは、光源から出射されるパルス光の強度、対象物から戻ってきた反射光の強度、および、ドレインに印加される電圧Vsubの時間変化の一例を示す図である。 図4Eは、図4Cにおける4E−4E線に沿った信号電荷のポテンシャルを模式的に示す図である。 図5Aは、本開示の例示的な実施形態におけるシステム制御タイミングの一例を示す図である。 図5Bは、本開示の例示的な実施形態におけるシステム制御タイミングの他の一例を示す図である。 図6Aは、実施形態1における制御の例を示すタイミングチャートである。 図6Bは、実施形態1において、図4Cにおける4E−4E線に沿った信号電荷のポテンシャルを模式的に示す図である。 図7は、実施形態1の撮像装置を用いて光漏れノイズの量を測定した実験の結果を示すグラフである。 図8Aは、電圧Vsubを、High(H)およびLow(L)の2値で制御する比較例における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。 図8Bは、電圧Vsubを、Super High(SH)およびLow(L)の2値で制御する比較例における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。 図8Cは、電圧Vsubを、Super High(H)、Middle(M)、およびLow(L)の3値で制御する実施形態1における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。 図9Aは、実施形態2におけるイメージセンサの構成を模式的に示す図である。 図9Bは、実施形態2における1つの画素の構成を模式的に示す図である。 図9Cは、図9Bにおける9C−9C線断面を模式的に示す図である。 図9Dは、実施形態2における制御を示すタイミングチャートである。 図9Eは、図9Cにおける9E−9E線に沿った信号電荷(電子)のポテンシャルを模式的に示す図である。 図10Aは、実施形態2の変形例における制御を示すタイミングチャートである。 図10Bは、実施形態2の変形例における信号電荷のポテンシャルを模式的に示す図である。 図11Aは、実施形態3におけるイメージセンサの構成を模式的に示す図である。 図11Bは、図11Aにおける1つの画素の構造を示す平面図である。 図11Cは、図11Bにおける11C−11C線断面図である。 図11Dは、実施形態3における制御を示すタイミングチャートである。 図11Eは、実施形態3の変形例における制御を示すタイミングチャートである。 図12は、実施形態4における撮像装置の構成を模式的に示す図である。 図13は、ダブルバンドパスフィルタの分光透過率の例を示すグラフである。 図14は、実施形態4におけるイメージセンサの1つの画素の概略的な構成を示す図である。 図15は、実施形態4における撮像装置の動作の例を示すシステムタイミング図である。
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
対象物に光を照射し、対象物の内部を通過した光の情報から対象物の内部情報を取得する方法において、対象物の表面またはその直下で反射または散乱された光の成分の混入が問題になることがある。特に、脳などの生体計測では、生体表面で反射された成分および皮下で散乱された成分は、生体内部で散乱された成分と比較して、4〜5桁程度高い強度をもつ。脳内で散乱された光の成分の検出には、表面で反射された成分および皮下で散乱された成分の影響を除去する必要がある。
前述の特許文献1の方法によれば、検出信号に含まれる皮下散乱成分の割合を低減し、検出対象である脳まで到達した光の散乱成分の割合を高めることができる。しかし、この方法では、測定器を測定部位に密着させ、光の照射点と検出点とを3cm離す必要がある。このため、特に長時間にわたって連続して測定する場合に被検者の不快感を招き、かつ、得られる脳活動分布の空間解像度が低くなるという課題がある。
その一方で、イメージセンサの電子シャッタを高速に制御することによって強度が高い表面反射成分の影響を大幅に低減して脳内散乱成分を検出する方法が考えられる。この方法では、パルス光が生体に向けて照射され、生体内で散乱して戻ってきたパルス光の後端部がイメージセンサに入射するタイミングに同期してシャッタがオンにされる。これにより、表面反射成分に比べて時間的に遅れて到達する内部散乱成分を効率よく検出することができる。
図1は、そのような検出が可能な、検討例の撮像装置101の概略的な構成を示す模式図である。この撮像装置101は、近赤外領域の波長を有するパルス光を発する光源103と、光源103から出射され、対象物102から戻ってきたパルス光を検出するイメージセンサ113と、光源103およびイメージセンサ113を制御する制御回路114とを備えている。この検討例では、対象物102は人体頭部の内部の脳血流である。
光源103は、例えばレーザーパルス光源であり、近赤外領域の短パルス光を、制御回路114によって決定された高速のパターンで繰り返し出射する。光源103から出射される光の波長は、検出対象が生体である場合、例えば略650nm以上略950nm以下に設定され得る。この波長範囲は、赤色から近赤外線の波長範囲に含まれ、生体内での吸収率が低く、生体内の情報を取得する用途に適している。なお、本明細書では、可視光のみならず赤外線についても「光」の用語を使用し、赤外線を「赤外光」と称することがある。
イメージセンサ113は、例えばピコ秒からナノ秒の時間スケールで信号電荷の蓄積および排出の制御が可能な高い時間分解能を有している。制御回路114は、光源103の発光タイミングと、イメージセンサ113の各画素の露光タイミングとを制御する。
光を対象物102(例えば人の額)に照射すると、対象物102の表面または表面直下で反射または散乱された強い光である表面反射成分I1がイメージセンサ113にまず到達する。続いて、対象物102の内部で散乱されて戻ってきた弱い光である内部散乱成分I2が、表面反射成分I1に遅れてイメージセンサ113に到達する。脳血流の情報は内部散乱成分I2に反映されるため、表面反射成分I1は不要である。そこで、この撮像装置101は、イメージセンサ113の電子シャッタによる露光タイミングを制御することにより、対象物102の内部で散乱された内部散乱成分I2のみを検出する。
図2は、イメージセンサ113における1つの画素401の構成を簡易的に示す図である。イメージセンサ113は、撮像面に2次元的に配列された複数の画素と、各画素の信号電荷の蓄積および排出のタイミングを制御する高速タイミング制御回路414とを有している。高速タイミング制御回路414は、制御回路114からの指令に基づいて動作する。本明細書において、高速タイミング制御回路414と、制御回路114とをまとめて「制御回路」と称することがある。
イメージセンサ113の各画素401は、光電変換素子であるフォトダイオード403と、信号電荷を蓄積する蓄積部である浮遊拡散層(Floating Diffusion)404と、信号電荷を排出する排出部であるドレイン402とを含む。
1回のパルス光の発光に起因して各画素401に入射した光は、フォトダイオード403によって信号電荷である信号エレクトロンに変換される。変換された信号エレクトロンは、高速タイミング制御回路414から入力される制御信号に従って、ドレイン402に排出されるか、信号電荷を蓄積する浮遊拡散層404に振り分けられる。高速タイミング制御回路414によるこの制御によって電子シャッタが実現される。
図3は、光源103から光が出射するタイミングと、対象物102からの光がイメージセンサ113に入射するタイミングと、電子シャッタのタイミングとの関係を示す図である。図3において、信号Aは、光源103から出射されるパルス光の波形を示している。信号Bは、パルス光のうち、対象物102の表面で反射されて戻ってくる光である表面反射成分I1の波形を示している。信号Cは、パルス光のうち、生体の内部で散乱されて戻ってくる光である内部散乱成分I2の波形を示している。信号Dは、表面反射成分I1と内部散乱成分I2とを合わせた光の波形を示している。信号Eは、電子シャッタのOPEN、CLOSEのタイミングを示している。横軸は時間を表し、縦軸は、信号Aから信号Dにおいては光の強度を、信号Eにおいては電子シャッタのOPENまたはCLOSEの状態を表している。ここで、「CLOSE」とは、ドレイン402に信号電荷が排出される状態を意味する。「OPEN」とは、ドレイン402に信号電荷が排出されない状態を意味する。高速タイミング制御回路414は、例えば電圧の調整によって浮遊拡散層404およびドレイン402における信号電荷のポテンシャルを変化させることにより、浮遊拡散層404への信号電荷の蓄積およびドレイン402への信号電荷の排出を制御できる。
光源103が対象物102にパルス光を照射すると、前述のように、表面反射成分I1および内部散乱成分I2が発生する。内部散乱成分I2は、対象物102の内部を通過した光であるため、表面反射成分I1に比べて長い光路長をもつ。したがって、内部散乱成分I2は、表面反射成分I1よりも遅れてイメージセンサ113に到達する。高速タイミング制御回路414は、イメージセンサ113に表面反射成分I1が入射している間は電子シャッタをCLOSEにする。例えば、高速タイミング制御回路414は、ドレイン402に印加する電圧を高くしてドレイン402における信号電荷である電子のポテンシャルエネルギー(以下、単に「ポテンシャル」と称する。)を下げ、ドレイン402に信号電荷が排出されるようにする。イメージセンサ113への表面反射成分I1の入射が終了すると(図3における時刻f)、高速タイミング制御回路414は、電子シャッタをOPENにする。例えば、高速タイミング制御回路414は、ドレイン402に印加する電圧を低くしてドレイン402における信号電荷のポテンシャルを上げ、浮遊拡散層404に信号電荷が蓄積されるようにする。その後、所定時間(例えば、発光パルス幅相当の時間)が経過するまで、OPENの状態を維持する。この間、浮遊拡散層404に、内部散乱成分I2に起因する信号電荷が蓄積される。その後、高速タイミング制御回路414は、電子シャッタを再びCLOSEにする。高速タイミング制御回路114は、電子シャッタがCLOSEになってから所定時間が経過した後、再びパルス発光を開始する。以後、上記動作が複数回(例えば数百回から数万回程度)繰り返される。その間に浮遊拡散層404に蓄積された信号電荷に基づいて1つのフレームの画像が生成される。
本デバイスでは、電子シャッタがCLOSEであるとき、表面反射成分I1に起因する信号電荷がドレイン402に排出される。一方、電子シャッタがOPENであるとき、内部散乱成分I2に起因する信号電荷が浮遊拡散層404に蓄積される。このような動作が実現されるように、各画素のフォトダイオード403、浮遊拡散層404、およびドレイン402における信号電荷のポテンシャルが設計されている。
このように、パルス光を時間的に分離して検出する方法によれば、光の照射点の直下の脳における血流の信号を検出することができる。したがって、空間的に分離して検出する特許文献1の技術と比較して、高い解像度で脳活動分布を計測することができる。
しかし、本発明者らの検討によれば、電子シャッタがOPENであっても、実際には全ての信号電荷がドレイン402に排出されるわけではなく、ごく一部(例えば1万分の1程度)の電荷は、浮遊拡散層404に漏れ込んでしまう。この漏れ込みが、脳血流のような微弱な生体信号を検出する際には、大きなノイズになり、検出精度の低下を招くことが判明した。特に、脳血流の計測のように、脳内で散乱した非常に微弱な光の成分を検出する場合には、照射する光の強度を高くする、あるいは、発光するパルスの数を多くする必要がある。このため、これに応じて光漏れノイズは非常に大きくなり、脳内散乱成分を検出する際の信号雑音比が著しく低くなり得る。
以下、上記の課題を、図4Aから図4Eを参照しながら、より詳細に説明する。
図4Aは、イメージセンサ113の構成例を模式的に示す図である。ここでは一例として、CCD(Charge Coupled Device)の構造を有するイメージセンサ113を考える。このイメージセンサ113は、複数の画素401が撮像面に2次元的に配列された画素アレイと、画素駆動回路601と、水平CCD602と、出力回路603とを備える。画素駆動回路601は、前述の高速タイミング制御回路414に相当する。
図4Bは、画素アレイのうち、隣接する4つの画素を模式的に示す図である。1つの画素401は、フォトダイオード403を含む。垂直方向(図における縦方向)に並んだ複数のフォトダイオード403に隣接して、垂直CCD604が配置されている。垂直CCD604は、信号電荷の蓄積および転送を行う。垂直CCD604は、図2における浮遊拡散層404に相当する。
図4Cは、図4Bにおける4C−4C線断面を模式的に示す図である。図4Cに示すように、各垂直CCD604の上部(正面側)には、電極606と、電極606を覆う遮光部材605が設けられている。電極606と垂直CCD604との間には、図示されていない酸化膜が存在する。画素の背面側(図4Cにおける下側)には、排出部であるドレイン402が配置されている。例えば、ドレイン402はN型半導体基板である。垂直CCD604には電圧Vvが印加される。ドレイン402には、電圧Vsubが印加される。垂直CCD604への信号電荷の蓄積、および信号電荷の排出は、電圧Vvと、電圧Vsubとの大小関係によって決まる。高速タイミング制御回路414は、例えば電圧Vvを一定にし、電圧Vsubを調整することにより、信号の蓄積および排出のタイミングを制御することができる。ドレイン402の上には、例えば、p型のウェル領域609が配置されている。図4Cに示すように、ウェル領域609内に、垂直CCD604およびフォトダイオード403が配置されている。垂直CCD604は、例えば、n型の半導体領域である。フォトダイオード403は、例えば、n型の半導体領域と、その上に配置されたp型の半導体領域とにより構成される。
図4Dは、光源103から出射されるパルス光の強度、対象物102から戻ってきた反射光の強度、および、ドレイン402に印加される電圧Vsubの時間変化の一例を示す図である。図4Dにおいて、信号Aは、光源103から出射されるパルス光の強度を示し、信号Dは、対象物102から戻ってきた反射光の強度を示す。ここで、反射光は、表面反射成分および内部散乱成分の合計に相当する。反射光がイメージセンサ113の画素に到達することを開始する時刻をt1、表面反射成分が当該画素に到達することを終了する時刻をt2、内部散乱成分が当該画素に到達することを終了する時刻をt3とする。制御回路である画素駆動回路601は、時刻t2からt3までの期間は、電圧Vsubを相対的に低い値にし、それ以外の期間は、電圧Vsubを相対的に高い値にする。
図4Eは、図4Cにおける4E−4E線に沿った信号電荷である電子のポテンシャルを模式的に示す図である。電圧Vvがある値に設定されている状態において、電圧Vsubを所定値よりも低いLOW状態にすると、ドレイン402における電子のポテンシャルが、垂直CCD604におけるポテンシャルよりも高くなる。すなわち、電子が垂直CCD604に向かうようなポテンシャル勾配が発生する。この状態では、信号電荷はドレイン402に排出されず、垂直CCD604に蓄積される。この状態は、電子シャッタがOPENの状態に相当する。一方、電圧Vsubを上記所定値よりも高いHIGH状態にすると、ドレイン402における電子のポテンシャルが、垂直CCD604におけるポテンシャルよりも低くなる。すなわち、電子がドレイン402に向かうようなポテンシャル勾配が発生する。このため、信号電荷はドレイン402に排出される。この状態は、電子シャッタがCLOSEの状態に相当する。この状態では、大部分の信号電荷がドレイン402に排出され、垂直CCD604には信号電荷が殆ど蓄積されない。
しかし、電子シャッタがCLOSEの状態であっても、ごく一部の信号電荷(例えば全体の数万分の1程度)は、ドレイン402に排出されず、垂直CCD604に蓄積されてしまう。これは、信号電荷のポテンシャルのピークが、フォトダイオード403の領域のうち、垂直CCD604に近い端部にあるからである。このため、フォトダイオード403の端部に入射した一部の光に起因して生じた信号電荷は、ドレイン402に排出されず、垂直CCD604に蓄積され得る。また、垂直CCD604に斜め光が直接入射する場合もあり、この場合も不要な信号電荷が蓄積される。以上の問題は、CCDの構造を有するイメージセンサに限らず、CMOSなどの他の構造を有するイメージセンサでも同様に発生し得る。
電子シャッタがOPENのときに光電変換されて蓄積部に蓄積される信号電荷である内部散乱成分I2に起因する信号電荷の量は、表面反射成分I1に起因して発生する信号電荷の量の、例えば1万分の1程度である。このため、蓄積部には、表面反射成分の漏れ込みによる信号電荷が、内部散乱成分による信号電荷と比較して無視できないほどの比率で混在することになる。このような状態では、内部散乱成分の光量およびその時間変化を正しく検出することができない。
以上の問題は、従来の撮像装置においては認識されていなかった。従来の撮像装置を用いて一般の対象物を撮影する場合には、電子シャッタがOPENの状態で対象物から入射する光の量が、電子シャッタがOFFの状態で蓄積部に漏れ込む光の量と比べて圧倒的に多い。このため、光の漏れ込みは問題にはならない。しかし、人の頭部の奥にある脳血流の情報のような微弱な生体情報を検出するような場合には、蓄積部に漏れ込む表面反射成分が、内部散乱成分に対して無視できないため、上記の問題が生じる。
さらに、上記の問題は、パルス光の内部散乱成分を検出する場合に限らず、例えば、表面反射成分の一部を検出する場合にも、同様に発生し得る。一例として、パルス光の前端部分である、最表面で反射されたパルス光の成分を検出する場合を考える。この場合、パルス光の前端部分を検出する期間のみ、電子シャッタがOPENにされ、それ以外の期間は、電子シャッタがCLOSEにされる。この場合も、パルス光の表面反射成分のうち、前端部分に続く部分がイメージセンサの画素に入射している期間において、本来排出されるべき不要な電荷が蓄積部に混入し、検出精度の劣化を招く。
本発明者らは、パルス光の一部(例えば、不要な表面反射成分)がイメージセンサの画素に入射している期間における当該画素の感度を、パルス光が当該画素に入射していない期間における感度よりも低くすることを、新たに考案した。以上の考察に基づき、本発明者らは、以下の項目に記載の撮像装置の構成に想到した。
[項目1]
本開示の項目1に係る撮像装置は、
対象物に対して、第1のパルス光および第2のパルス光を出射する光源と、
複数の画素を含むイメージセンサと、
前記光源および前記イメージセンサを制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記光源に、前記第1のパルス光よりも後に、前記第2のパルス光を出射させ、
前記第1のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第1の時刻、
前記第1のパルス光が前記複数の画素に到達することを終了する時刻を第2の時刻、
前記第2のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第3の時刻とするとき、
前記制御回路は、
前記第1の時刻から前記第2の時刻を含む第1の期間の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第1の期間以降であって前記第3の時刻までの第2の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも低くし、
前記第1の期間の他の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも高くする。
[項目2]
項目1に記載の撮像装置において、
前記第1の期間の前記一部は、前記第2の期間の前記少なくとも一部よりも短くてもよい。
[項目3]
項目1に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、
入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
前記信号電荷を蓄積する蓄積部と、を含み、
前記制御回路は、
前記光電変換素子で変換された前記信号電荷のうち、前記蓄積部に転送される信号電荷の割合である転送効率を制御することにより、前記感度を制御し、
前記第1の期間の前記他の一部における前記転送効率を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも高くし、
前記第1の期間の前記一部における前記転送効率を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも低くしてもよい。
[項目4]
項目3に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
前記制御回路は、前記光電変換素子と前記排出部との間におけるポテンシャル勾配を変化させることにより、前記転送効率を制御してもよい。
[項目5]
項目3に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
前記制御回路は、前記排出部に印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御してもよい。
[項目6]
項目5に記載の撮像装置において、
前記制御回路は、
前記第1の期間の前記一部において、前記排出部に、第1の電圧を印加し、
前記第1の期間の前記他の一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加してもよい。
[項目7]
項目3に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、さらに、
前記信号電荷を排出する排出部と、
前記光電変換素子と前記排出部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記排出部に前記信号電荷を転送する第1ゲートと、を含み、
前記制御回路は、
前記第1ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御し、
前記第1の期間の前記一部において、前記第1ゲートに、第1の電圧を印加し、
前記第1の期間の前記他の一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加してもよい。
[項目8]
項目1に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、
入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
前記信号電荷を蓄積する第1蓄積部と、
前記信号電荷を蓄積する第2蓄積部と、を含み、
前記光電変換素子と前記第1蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第1蓄積部に前記信号電荷を転送する第2ゲートと、
前記光電変換素子と前記第2蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第2蓄積部に前記信号電荷を転送する第3ゲートと、
を含み、
前記制御回路は、
前記第2ゲートに印加する電圧および第3ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記感度を制御し、
前記第1の期間の前記一部において、前記第2ゲートに、第1の電圧を印加し、
前記第1の期間の前記他の一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加し、
前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高く、前記第2の電圧よりも低い第3の電圧を印加してもよい。
[項目9]
本開示の項目9に係る撮像装置は、
対象物に対して、第1のパルス光および第2のパルス光を出射する光源と、
複数の画素を含むイメージセンサと、
前記光源および前記イメージセンサを制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記光源に、前記第1のパルス光よりも後に、前記第2のパルス光を出射させ、
前記第1のパルス光のうち、前記対象物の表面で反射された第1表面反射成分が、前記第1のパルス光のうち、前記対象物の内部で散乱された内部散乱成分と同じか、前記内部散乱成分よりも多く、前記複数の画素に入射している期間を第3の期間、
前記内部散乱成分が、前記第1表面反射成分よりも多く、前記複数の画素に入射している期間を第4の期間、
前記内部散乱成分が前記複数の画素に入射することを終了した後、前記第2のパルス光のうち、前記対象物の表面で反射された第2表面反射成分が、前記複数の画素に入射することを開始するまでの期間を第5の期間とするとき、
前記制御回路は、
前記第4の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度を、前記第5の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも高くし、
前記第3の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも低くする。
[項目10]
項目9に記載の撮像装置において、
前記第3の期間の前記少なくとも一部は、前記第5の期間の前記少なくとも一部よりも短くてもよい。
[項目11]
項目9に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、
入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
前記信号電荷を蓄積する蓄積部と、を含み、
前記制御回路は、
前記光電変換素子で変換された前記信号電荷のうち、前記蓄積部に転送される信号電荷の割合である転送効率を制御することにより、前記感度を制御し、
前記第4の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも高くし、
前記第3の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも低くしてもよい。
[項目12]
項目11に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
前記制御回路は、前記光電変換素子と前記排出部との間におけるポテンシャル勾配を変化させることにより、前記転送効率を制御してもよい。
[項目13]
項目11に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
前記制御回路は、前記排出部に印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御してもよい。
[項目14]
項目13に記載の撮像装置において、
前記制御回路は、
前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、第1の電圧を印加し、
前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加してもよい。
[項目15]
項目11に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、さらに、
前記信号電荷を排出する排出部と、
前記光電変換素子と前記排出部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記排出部に前記信号電荷を転送する第1ゲートと、を含み、
前記制御回路は、
前記ド第1ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御し、
前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、第1の電圧を印加し、
前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加してもよい。
[項目16]
項目9に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々は、
入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
前記信号電荷を蓄積する第1蓄積部と、
前記信号電荷を蓄積する第2蓄積部と、を含み、
前記光電変換素子と前記第1蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第1蓄積部に前記信号電荷を転送する第2ゲートと、
前記光電変換素子と前記第2蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第2蓄積部に前記信号電荷を転送する第3ゲートと、
を含み、
前記制御回路は、
前記第2ゲートに印加する電圧および第3ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記感度を制御し、
前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、第1の電圧を印加し、
前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加し、
前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高く、前記第2の電圧よりも低い第3の電圧を印加してもよい。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部、又はブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウエアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つ又は複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
画素の感度は、その画素における光電変換素子に単位光量または単位エネルギーの光が入射したときに、その画素における蓄積部に蓄積される信号電荷の量によって定量化され得る。制御回路は、例えば、排出部における信号電荷のポテンシャルを変化させることにより、光電変換素子と排出部との間におけるポテンシャル勾配を変化させることができる。ポテンシャル勾配を変化させることにより、光電変換素子から蓄積部への信号電荷の転送効率を変化させ、感度を制御することができる。信号電荷の転送効率とは、1回のパルス発光に起因して光電変換素子で発生した電荷のうち、排出されずに蓄積部に転送される電荷の割合を意味する。
図1に示すように、光源103から光散乱体である対象物102に到達した光は、対象物102の表面で反射する成分である表面反射成分I1と、対象物102の内部で1回反射もしくは散乱、または多重散乱する成分である内部散乱成分I2とに分かれる。表面反射成分I1は、直接反射成分、拡散反射成分、および散乱反射成分の3つを含む。直接反射成分は、入射角と等しい反射角で反射される成分である。拡散反射成分は、表面の凹凸形状に起因して拡散して反射される成分である。散乱反射成分は、表面近傍の内部組織によって散乱して反射される成分である。対象物102が人の肌である場合、散乱反射成分は、表皮内部で散乱して反射される成分である。本開示において、表面反射成分I1は、これら3つの成分を含むものとする。また、内部散乱成分I2は、表面近傍の内部組織によって散乱して反射する成分を含まないものとする。
図5Aは、本開示の例示的な実施形態におけるシステム制御タイミングの一例を示す図である。図5Aにおいて、信号Aは、光源103から出射されるパルス光の強度を示し、信号Dは、対象物102から戻ってきた反射光の強度を示し、信号Fは、画素の感度を示す。ここで、反射光は、表面反射成分I1および内部散乱成分I2の合計に相当する。本開示の実施形態では、反射光を検出する際、画素の感度を少なくとも3段階に制御する。以下、図1に示す撮像装置101の構成を例に、本開示の一実施形態における基本的な動作を説明する。
制御回路114は、光源103に、第1のパルス光、および第1のパルス光よりも後に出射される第2のパルス光を含む複数のパルス光を出射させる。ここで、第1のパルス光のうち、表面反射成分I1がイメージセンサ113の画素に入射している期間を第1の期間T1とする。第1の期間T1は、表面反射成分が画素に入射することを開始する時刻t1から、表面反射成分I1が当該画素に入射することを終了する時刻t2までの期間である。時刻t2から、第1のパルス光の内部散乱成分I2が当該画素に入射することを終了する時刻t3までの期間を、第2の期間T2とする。第2の期間T2においては、パルス光のうち、表面反射成分I1は画素に殆ど入射せず、内部散乱成分I2のみが当該画素に入射すると考えることができる。さらに、時刻t3から、第2のパルス光の表面反射成分I1が当該画素に入射することを開始する時刻t4までの期間を、第3の期間T3とする。第3の期間T3は、光源103からのパルス光のいずれの成分も画素に入射しない期間である。時刻t1は、本開示における第1の時刻に相当する。時刻t3は、本開示における第2の時刻に相当する。時刻t4は、本開示における第3の時刻に相当する。第1の期間T1は、本開示における第3の期間に相当する。第2の期間T2は、本開示における第4の期間に相当する。第3の期間T3は、本開示における第5の期間に相当する。
この実施形態における制御回路114は、第1の期間T1の少なくとも一部において、表面反射成分I1による光漏れノイズを抑制するため、画素の感度を最も低いレベル(「Super LOW」のレベルと表現する。)に設定する。図5Aに示す例では、制御回路114は、第1の期間T1の全部において、画素の感度をSuper LOWのレベルに設定する。制御回路114は、第2の期間T2の少なくとも一部において、内部散乱成分I2を検出するため、画素の感度を最も高いレベル(「HIGH」のレベルと表現する。)に設定する。図5Aに示す例では、制御回路114は、第2の期間T2の全部において、画素の感度をHIGHのレベルに設定する。制御回路114は、第3の期間T3の少なくとも一部において、背景光および暗電流の影響を低減するために、画素の感度を、HIGHよりも低く、Super LOWよりも高いレベル(「LOW」のレベルと表現する。)に設定する。図5Aに示す例では、制御回路114は、第3の期間T3の全部において、画素の感度をLOWのレベルに設定する。このように、制御回路114は、第2の期間T2の少なくとも一部における画素の感度を、第1の期間T1の少なくとも一部および第3の期間T3の少なくとも一部における画素の感度よりも高くし、かつ、第1の期間T1の少なくとも一部における画素の感度を、第3の期間T3の少なくとも一部における画素の感度よりも低くする。このような制御により、表面反射成分I1による光漏れノイズを抑制しながら、内部散乱成分I2を効率よく検出することが可能になる。なお、図5Aに示す例では、期間T1、T2、T3の各々の中では、画素の感度が一定であるが、各期間内で感度に変動が生じていてもよい。各期間内における平均の感度が、第1の期間T1において最も低く、第2の期間T2において最も高く、第3の期間T3において中間のレベルになっていればよい。
なお、第1の期間T1は、第1のパルス光のうち、対象物の表面で反射された表面反射成分が、前記対象物の内部で散乱された内部散乱成分よりも多く、前記イメージセンサの画素に入射している任意の期間に設定してよい。同様に、第2の期間T2は、第1のパルス光の内部散乱成分が、表面反射成分よりも多く、画素に入射している任意の期間に設定してよい。
第1の期間T1における画素の感度を、第3の期間T3における画素の感度よりも低くする方法として、典型的には以下の方法が考えられる。
(1)光子を信号電荷である電子または正孔に変換する効率を低下させる。
(2)発生した信号電荷を蓄積部に転送する効率を低下させる。
前者は、例えば印加する電圧によって量子効率を変化させることができる有機光電変換膜を備えたイメージセンサ等によって実現できる。後者は、例えば画素内部の光電変換素子で発生した信号電荷を蓄積部に転送する効率を、印加する電圧によって制御可能なCCDおよびCMOSイメージセンサ等によって実現できる。
表面反射成分I1による光漏れノイズを抑制するだけであれば、画素の感度を3段階に設定するのではなく、例えば、第1の期間T1および第3の期間T3における画素の感度を一律に、通常の電子シャッタがOFFのときの画素の感度であるOFFレベルよりも低くする構成も考えられる。しかし、そのような構成では、後述するように、高電圧がデバイスに印加される期間が長くなるため、経時劣化に伴う信頼性の低下を招くおそれがある。そこで、本開示の実施形態では、パルス光の表面反射成分I1が画素に入射している第1の期間T1だけ、画素の感度が、通常のOFFレベルよりも低い感度に設定される。パルス光が画素に入射しない第3の期間T3においては、画素の感度が、通常のOFFレベルと同等、または、それよりも高い感度に設定される。典型的には、第1の期間T1は、第3の期間T3よりも短い。すなわち、Super LOWのレベルに対応する非常に高い電圧が印加される期間は、LOWのレベルに対応する電圧が印加される期間よりも短い。このため、本開示の実施形態によれば、第1の期間T1および第3の期間T3において一律に、画素の感度をSuper LOWのレベルにする構成と比較して、装置の長期信頼性を高めることができる。
なお、本開示は、パルス光の内部散乱成分を検出する形態に限定されない。例えば、パルス光の前端部など、表面反射成分I1の一部をさらに検出する形態にも、本開示の技術を適用できる。図5Bは、本開示の例示的な実施形態におけるシステム制御タイミングの他の一例を示す図である。そのような形態では、制御回路114は、パルス光のうち、表面反射成分I1がイメージセンサ113の画素に入射している第1の期間T1の一部である、時刻t5から時刻t6における画素の感度をHIGHのレベルにし、第1の期間T1の他の一部における画素の感度をSuper LOWのレベルにする。また、制御回路114は、図5Aと同様に、第2の期間T2の少なくとも一部における当該画素の感度をHIGHのレベルにし、第3の期間T3の少なくとも一部における当該画素の感度をLOWのレベルにする。
以下、本開示の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示している。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じまたは類似する構成要素は共通の参照符号で示し、重複する説明を省略することがある。
(実施形態1)
まず、本開示の実施形態1における撮像装置を説明する。本実施形態における撮像装置101の物理的な構成は、図1における撮像装置101と同じである。本実施形態においても、イメージセンサ113は、図4A〜4Cに示す構成を有する。本実施形態では、図4Dに示す制御方法の代わりに、図6Aに示す制御方法が用いられる点で、前述の検討例とは異なっている。以下、本実施形態における動作を説明する。
まず、イメージセンサ113によって光を検出し、受光量に応じた電気信号を出力する過程を説明する。光電変換素子であるフォトダイオード403に光が入射すると、光電変換によって信号電荷が発生し、蓄積部である垂直CCD604に転送される。各列に配置された垂直CCD604は、信号電荷を垂直方向(図4Bにおける下方向)に転送する。垂直CCD604は、制御回路である画素駆動回路601から供給される制御信号である電圧Vvによって制御される。各列の垂直CCD604から転送された信号電荷は、水平CCD602によって水平方向(図4Aにおける右方向)に順次転送される。転送された信号電荷は、最終的に出力回路603によって電圧に変換、増幅され、出力される。
図6Aは、本実施形態における制御の例を示すタイミングチャートである。画素駆動回路601は、制御回路114(図1)からの指令に基づき、ドレイン402である半導体基板に印加する電圧Vsubを変化させることにより、電子シャッタを制御する。画素駆動回路601は、対象物102で反射または散乱されて戻ってきた反射光に同期して、電圧Vsubの値を3段階に制御する。具体的には、パルス光の表面反射成分I1がイメージセンサ113に到達することを開始する時刻t1から、表面反射成分I1の到達が終了する時刻t2までの第1の期間T1においては、電圧Vsubを、最も高い電圧であるSuper HIGHのレベルに設定する。これにより、表面反射成分I1による光漏れノイズが抑制される。パルス光の成分のうち、内部散乱成分I2のみがイメージセンサ113に入射する時刻t2から時刻t3までの第2の期間T2においては、電圧Vsubを、最も低い電圧であるLOWのレベルに設定する。これにより、内部散乱成分I2に起因する信号電荷が垂直CCD604に蓄積される。パルス光のいずれの成分もイメージセンサ113に入射していない時刻t3から時刻t4までの第3の期間T3においては、電圧Vsubを、Super HIGHよりも低く、LOWよりも高い電圧であるHIGHのレベルに設定する。これにより、背景光および暗電流の影響が低減される。
第1の期間T1、第2の期間T2、第3の期間T3における電圧Vsubの値は、イメージセンサ113の仕様に応じて適宜決定される。一例として、図4Dに示す制御を行う検討例において電子シャッタがOFFのときの電圧(「通常のHIGHレベル」と称する。)を15Vとすると、第1の期間T1、第2の期間T2、第3の期間T3における電圧Vsubは、それぞれ、例えば、Super HIGHのレベルに相当する18V、LOWのレベルに相当する0V、HIGHのレベルに相当する13Vに設定され得る。この例では、第1の期間T1における電圧Vsubを、通常のHIGHレベルよりも高くしたことに伴い、第3の期間T3における電圧Vsubを、通常のHIGHレベルよりも低く設定している。これは、高い電圧が印加される期間を短くし、デバイスの長期信頼性を確保するためである。各期間の電圧レベルは、例えば、1周期あたりの平均電圧が、2値制御を行う検討例における平均電圧と同程度になるように設定され得る。
図6Bは、本実施形態において、図4Cにおける4E−4E線に沿った信号電荷である電子のポテンシャルを模式的に示す図である。ここで、垂直CCD604に対向する電極606に印加される電圧Vvは、ある一定の値に設定される。電圧VsubがHIGHの状態からSuper HIGHの状態に変化すると、ドレイン402における信号電荷のポテンシャルが低下する。すなわち、フォトダイオード403とドレイン402との間におけるポテンシャル勾配が大きくなる。これにより、信号電荷のポテンシャルのピークの位置が、図6Bにおいて矢印で示すように、遮光された垂直CCD604の位置までシフトする。その結果、フォトダイオード403において発生した電荷のうち、より多くの電荷がドレイン402に排出され、垂直CCD604への信号電荷の漏れ込みが抑制される。
図7は、本実施形態の撮像装置101を用いて光漏れノイズの量を測定した実験の結果を示すグラフである。このグラフは、光漏れノイズの割合と、電圧Vsubとの関係を示している。グラフの横軸は電圧Vsubを、縦軸は全体の信号に対する光漏れノイズの割合を示している。この実験結果から、電圧Vsubを上げるほど、光漏れノイズが抑制されることがわかる。その理由は、電圧Vsubが高いほど、ドレイン402における信号電荷のポテンシャルが低くなり、ドレイン402に排出される信号電荷の割合が増加するからである。
この結果を考慮すれば、表面反射成分I1による光漏れノイズを抑制するためには、内部散乱成分I2を検出する第2の期間T2を除く全期間において、電圧VsubをSuper HIGHに相当する高い電圧に設定すればよいとも考えられる。例えば、通常の電子シャッタOFFの電圧レベルが13Vである場合、第1の期間T1および第3の期間T3において、電圧Vsubを18Vに設定し、第2の期間T2においてのみ、電圧Vsubを0V付近に設定することが考えられる。
しかし、そのような構成では、経時劣化による信頼性の低下を招くおそれがある。この点について、図8Aから図8Cを参照しながら説明する。
図8Aは、電圧Vsubを、HIGH(H)およびLOW(L)の2値で制御する比較例における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。図8Bは、電圧Vsubを、Super HIGH(SH)およびLOW(L)の2値で制御する比較例における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。図8Cは、電圧Vsubを、Super HIGH(SH)、MIDDLE(M)、およびLOW(L)の3値で制御する本実施形態における、反射光と電圧Vsubの1周期の時間変化を示すタイミングチャートである。
図8Aから図8Cにおいて、破線で囲んだ期間において、表面反射成分I1の影響が最も強く表れる。したがって、図8Aに示す比較例よりもノイズを抑制するためには、破線で囲んだ期間において、電圧Vsubをさらに高く、例えばSuper HIGHのレベルにすればよい。しかし、ノイズと信頼性との間は、トレードオフの関係にある。図8Bに示す比較例のように、内部散乱成分を検出する期間以外の全期間において、電圧VsubをSHにすると、経時劣化に伴って故障を引き起こしやすくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、図8Cに示すように、パルス光の表面反射成分および内部散乱成分のいずれも画素に入射していない期間においては、電圧Vsubを、SHとLとの間のレベル(M)に設定している。ここで、レベルMは、レベルHよりも低い電圧である。
一般に、微細化の進行に伴う酸化膜の薄膜化および異なる電位の配線間の分離幅の縮小により、CCDおよびCMOSなどの固体撮像素子においては、例えば以下の表1に示すような故障が生じ得る。
Figure 0006814967
ここで、ゲート酸化膜の経時劣化による破壊とは、絶縁破壊耐圧(例えば、約10MV/cm)以下の電界強度でも、長期間印加され続けることにより、時間経過にしたがってリーク電流が上昇して破壊が生じる現象(TDDB:Time Dependent Dielectic Breakdown)である。また、異電位配線間の経時劣化による破壊とは、微細化に伴うCu(銅)配線の導入および配線間の分離縮小により、隣接する異電位配線間の電界強度が増加し、Cuイオンがドリフトしてリークパスを形成し、細いリークパスへの過電流により、溶断破壊に至る故障である。この破壊は、配線間TDDBと呼ばれる。
例えば酸化膜経時破壊における平均故障時間(Mean Time to Failure)は、以下のMTTFで表される。
Figure 0006814967
Figure 0006814967
ここで、ΔEは電界強度(MV/cm)、ΔVは印加電圧(MV)、βは電界強度係数(cm/MV)、toxは酸化膜厚(cm)を表す。式1は、酸化膜の間に一定の電圧ΔVを印加させ続けたときの平均故障時間を表している。なお、説明を簡潔にするため、寿命の温度依存に関わる項は省略している。
式1および式2からわかるように、印加される電圧が増加するほど、平均故障時間は指数関数的に減少する。よって、長期信頼性の観点からは、デバイスに高電圧が印加される時間は短い方がよい。
そこで、本実施形態では、図8Cに示すように、表面反射成分I1の影響を最も受ける期間のみ、電圧Vsubを最も高くし、それ以外の電子シャッタがオフの期間においては電圧を下げている。各期間の電圧レベルを、1周期あたりの電圧Vsubを最も高くする期間の割合を考慮して適切に設定することで、1周期あたりの平均電圧を、図8Aの比較例の平均電圧と同等にすることができる。そのような構成によれば、図8Aに示す比較例と同等の長期信頼性を保つことができる。
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2における撮像装置を説明する。
図9Aは、本実施形態におけるイメージセンサ113の構成を模式的に示す図である。イメージセンサ113は、複数の画素401を含む画素アレイと、画素駆動回路601と、水平転送回路607と、出力回路603とを備えている。
図9Bは、本実施形態における1つの画素401の構成を模式的に示す図である。各画素401は、光電変換素子であるフォトダイオード403と、蓄積部である浮遊拡散層404と、浮遊拡散層404と同一平面上に位置する排出部であるドレイン402と、フォトダイオード403と浮遊拡散層404との間の転送ゲート702と、フォトダイオード403とドレイン402との間のドレインゲート704とを備えている。各画素における転送ゲート702、ドレインゲート704、およびドレイン402には、行ごとに画素駆動回路601から電圧Vtg、Vdg、Vdrがそれぞれ印加される。ドレインゲート704は、本開示における第1ゲートに相当する。
本実施形態において、光を検出し、信号を出力する過程を説明する。まず、光電変換素子であるフォトダイオード403が光を信号電荷に変換し、蓄積部である浮遊拡散層404に転送する。次に、浮遊拡散層404が信号電荷を電圧に変換した後、画素内の増幅トランジスタが信号を増幅し、各列に配置された垂直信号線に出力する。その後、各列の信号を、水平転送回路607が水平方向に順次転送し、最後に出力回路603が増幅して出力する。電子シャッタは画素内のドレイン402に与えられる電圧Vdr、またはドレインゲート704に与えられる電圧Vdgによって制御される。
図9Cは、図9Bにおける9C−9C線断面を模式的に示す図である。本実施形態におけるイメージセンサ113は、横型ドレインを有するCMOS構成を有する。フォトダイオードの上層は受光するため開口されており、浮遊拡散層404およびドレイン402の上層は遮光部材605により遮光されている。転送ゲート702は電圧Vtgによって制御され、ドレインゲート704は電圧Vdgによって制御され、ドレイン402は電圧Vdrによって制御される。本実施形態における画素駆動回路601は、電圧Vtg、Vdrのそれぞれを一定にし、ドレインゲート704の電圧Vdgをパルス的に制御する。
図9Dは、本実施形態における制御を示すタイミングチャートである。画素駆動回路601は、対象物102から反射または散乱されて戻ってきた反射光に同期させて、ドレインゲートの電圧Vdgを3段階のレベルで制御する。具体的には、表面反射成分I1が入射している第1の期間T1においては、電圧Vdgを最も高い電圧であるSuper HIGHのレベルに設定する。表面反射成分I1の入射が終了し、内部散乱成分I2が入射している第2の期間T2においては、電圧Vdgを最も低い電圧であるLOWのレベルに設定する。パルス光のいずれの成分も入射していない第3の期間T3においては、背景光および暗電流を低減するために、電圧VdgをSuper HIGHよりも低く、LOWよりも高い電圧であるHIGHのレベルに設定する。
図9Eは、図9Cにおける9E−9E線に沿った信号電荷である電子のポテンシャルを模式的に示す図である。本実施形態における電圧Vdgの3値制御により、図9Eに示すように信号電荷のポテンシャルが変化する。例えば、HIGHからSuper HIGHに変更した場合、ポテンシャル障壁が低くなり、パルス光の表面反射成分I1に起因する、浮遊拡散層404への電荷の漏れ込みが抑制される。本実施形態では、電圧Vdgが増加するほどポテンシャル障壁が低くなり、フォトダイオード403からドレイン402へ電荷を転送し易くなる。
図10Aは、本実施形態の変形例における制御を示すタイミングチャートである。この変形霊では、ドレインゲートの電圧Vdgではなくドレインの電圧Vdrが3値制御される。ドレインゲートの電圧Vdgおよび転送ゲートの電圧Vtgは一定である。図10Bは、この変形例における信号電荷のポテンシャルを模式的に示す図である。この制御方式でも、上述した方式と同様、パルス光の表面反射成分I1に起因する電荷の漏れ込みを抑制することが可能である。
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3における撮像装置を説明する。本実施形態では、各画素が、複数の転送ゲートと、それらに対応する複数の蓄積部と、複数の制御信号線とを有している点において、実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点を中心に説明する。
図11Aは、本実施形態におけるイメージセンサ113の構成を模式的に示す図である。図11Bは、図11Aにおける1つの画素の構造を示す平面図である。図11Cは、図11Bにおける11C−11C線断面図である。本実施形態では、画素駆動回路601は、3つの独立した転送ゲートである第1の転送ゲート706、第2の転送ゲート708、および第3の転送ゲート710に対して、異なる電圧制御を行い、3つの蓄積部である浮遊拡散層404、405、406への電荷の蓄積を制御する。画素駆動回路601はまた、ドレインゲート704に印加する電圧を調整してドレイン402への信号電荷の排出を制御する。第2の転送ゲート708は、本開示における第2ゲートに相当する。
図11Dは、本実施形態における制御を示すタイミングチャートである。第1の転送ゲート706に印加される電圧Vtg1は、反射光のうちの表面反射成分I1が入射している時刻t1からt2の期間にHIGHレベルに設定され、それ以外の期間にはLOWレベルに設定される。これにより、表面反射成分I1に起因する信号電荷が第1の蓄積部である浮遊拡散層404に転送される。
第2の転送ゲート708に印加される電圧Vtg2は、時刻t1からt2の期間は最も低い電圧であるSuperLOWのレベルに設定され、内部散乱成分I2が入射している時刻t2からt3の期間は最も高い電圧であるHIGHのレベルに設定され、それ以外の期間は中間の電圧であるLOWのレベルに設定される。これにより、表面反射成分I1による漏れ込み成分と、背景光および暗電流によるノイズ成分とが抑制され、内部散乱成分I2に起因する信号電荷が第2の蓄積部である浮遊拡散層405に蓄積される。
第3の転送ゲート710に印加される電圧Vtg3は、パルス光の内部散乱成分I2の入射が終了した後、次のパルス光が到達するまでの時刻t4からt5の期間にHIGHレベルに設定される。時刻t4からt5の期間は、時刻t1からt2の期間と同じ長さに設定され得る。それ以外の期間は、LOWレベルに設定される。これにより、第3の蓄積部である浮遊拡散層406には、背景光および暗電流に起因する信号電荷が蓄積される。
ドレインゲート704に印加される電圧Vdgは、第1の転送ゲート706、第2の転送ゲート708、および第3の転送ゲート710のうちのいずれかにHIGHの電圧が印加されている期間はLOWレベルに設定され、それ以外の期間はHIGHレベルに設定される。これにより、不要な電荷が排出される。
本実施形態では、電荷排出時にドレイン402に印加される電圧Vdrは一定である。
このように、第1の転送ゲート706を導通状態にして取得される信号Saは、主に表面反射成分を含み、第2の転送ゲート708を導通状態にして取得される信号Sbは、主に内部散乱成分を含み、第3の転送ゲート710を導通状態にして取得される信号は、背景光および暗電流に起因する信号Sbgを含む。
本実施形態では、一回のパルス発光に同期して、時間差がほとんどなく表面反射成分と内部散乱成分とを高精度に分離して取得することができる。これは、表面と内部とで異なる挙動を示す測定対象について、特に有効である。さらに、Sa−Sbg、Sb−Sbgの計算を行うことで、信号Sa、Sbから背景光の成分を除去できる。このため、周辺環境の変化に関わらず安定した信号取得が可能である。
以上のように、本実施形態によれば、各画素は、複数の蓄積部と、光電変換素子と複数の蓄積部との間に配置された複数の転送ゲートとを有する。制御回路は、複数の転送ゲートの各々に印加する電圧を変化させることにより、光電変換素子から複数の蓄積部の各々への信号電荷の転送効率を制御する。具体的には、表面反射成分I1が入射する第1の期間において、複数の蓄積部の1つと光電変換素子との間の転送ゲートに、第1の電圧を印加する。表面反射成分I1の入射が終了し、内部散乱成分I2が入射する第2の期間において、転送ゲートに、第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加する。パルス光のいずれの成分も入射していない第3の期間において、転送ゲートに、第1の電圧よりも高く、第2の電圧よりも低い第3の電圧を印加する。
これにより、実施形態1、2と同様、内部散乱成分I2を検出する蓄積部に、表面反射成分I1に起因する信号電荷が混入することを抑制し、かつ、他の蓄積部によって表面反射成分I1を検出したり、背景光成分を検出したりすることができる。このため、表面反射成分I1の信号および内部散乱成分I2の信号から背景光成分を除去してさらに精度の高い測定を行うことが可能となる。
(変形例)
図11Eは、実施形態3の変形例における制御を示すタイミングチャートである。第1の転送ゲート706に印加される電圧Vtg1は、反射光のうちの表面反射成分I1が入射している時刻t1からt2の期間の一部においてHIGHのレベルに設定される。ここで、図11Dに示す制御内容と比較すると、本変形例における制御の方が、電圧Vtg1がHIGHのレベルに設定される期間が短い。例えば、電圧Vtg1がHIGHのレベルに設定される期間は、第2の転送ゲート708に印加される電圧Vtg2がHIGHのレベルに設定される期間と同等の長さに設定され得る。また、図11Eにおいて、電圧Vtg1は、HIGHのレベルに設定された後にSuperLOWのレベルに設定され、さらにその後、LOWのレベルに設定されている。しかし、これは一例であり、電圧Vtg1を、SuperLOWのレベルに設定することなく、HIGHのレベルからすぐにLOWのレベルに設定してもよい。HIGHのレベルの期間を反射光の立ち上がり時間の付近に限定することで、表面反射成分I1をより多く取得可能となる。これは、反射光の表面反射成分I1と内部散乱成分I2とでは、撮像装置101へ到達するまでの時間に差があり、表面反射成分I1の方が早く撮像装置101へ到達するため、反射光の立ち上がり時間の付近には、表面反射成分I1が多く含まれることに起因する。さらに、本変形例においては、反射光の前端側の取得と後端側の取得とで電子シャッタの露光量が等しくなり、発光回数の変更が不要となるため、安定した測定が可能となる。
本変形例では、一回のパルス発光に同期して、時間差がほとんどなく表面反射成分と内部散乱成分とを高精度に分離して取得することができる。これは、表面と内部とで異なる挙動を示す測定対象について、特に有効である。さらに、Sa−Sbg、Sb−Sbgの計算を行うことで、信号Sa、Sbから背景光の成分を除去できる。このため、周辺環境の変化に関わらず安定した信号取得が可能である。さらに本変形例では、Vtg2で取得する内部散乱成分をより多く含む信号Saから、Vtg1で取得した表面反射成分をより多く含む信号Sbに適切なゲインをかけて減算することで、内部散乱成分のみをより効率よく抽出することが可能であるという効果を有する。
(実施形態4)
次に、本開示の実施形態4における撮像装置を説明する。本実施形態の撮像装置は、観測すべき被検者の脳内の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度分布と、その時間変化とを検出する。これにより、当該濃度分布を示す2次元画像である静止画像または動画像を生成することができる。当該画像の情報を利用することにより、例えば、被検者の脳活動(例えば、集中度または感情等)を推定することができる。本実施形態の撮像装置は、上記のような生体情報を非接触で検出することができるため、検出に伴う煩わしさを解消することができる。さらに、対象物の表面で反射された強い表面反射成分に起因する信号電荷の一部が蓄積部に漏れ込むことを抑制できる。これにより、従来技術と比較して、生体情報の検出精度を大きく向上させることができる。以下、このような高精度の検出を可能とする本実施形態の撮像装置の構成および動作を説明する。
[構成]
図12は、本実施形態における撮像装置101の構成を模式的に示す図である。図12には、撮像装置101だけでなく、検出対象である対象物102である人体頭部も示されている。本実施形態の撮像装置101は、概略的には、図1に示す撮像装置101と同じ構成を有する。ただし、本実施形態では、光源の数が2個であり、イメージセンサ113が2個の蓄積部を有している点で、前述の検討例とは異なっている。
撮像装置101は、光源103と、光源104と、イメージセンサ113と、ダブルバンドパスフィルタ112と、光学系111と、制御回路114と、信号処理回路115とを備える。
光源103、104は、対象物102が位置する方向に向けてパルス光を出射する。本実施形態では、光源103は、中心波長が750nmの狭帯域のパルス光を出射するレーザ光源である。光源104は、中心波長が850nmの狭帯域のパルス光を出射するレーザ光源である。
イメージセンサ113は、光学系111の結像面に配置され、対象物102からの反射光を検出する。光学系111は、対象物102とイメージセンサ113との間に配置され、1つまたは複数のレンズを含み得る。
光学系111は、対象物102からの光を集光してイメージセンサ113の撮像面に結像する。ダブルバンドパスフィルタ112は、光学系111とイメージセンサ113との間に配置され、光源103、104からの光の波長に相当する2つの狭帯域の波長の光のみを主に透過させる。
制御回路114は、光源103、104およびイメージセンサ113に接続され、これらの動作を制御する。より具体的には、制御回路114は、光源103、104の発光タイミングと、イメージセンサ113の各画素の信号蓄積および信号排出のタイミングとを同期して制御する。これにより、生体内部の脳血流の情報を高い精度で検出することができる。
信号処理回路115は、イメージセンサ113に接続され、イメージセンサ113から出力された電気信号である画素ごとの明暗の情報に基づいて、画像データ(例えば2次元の動画像のデータ)を生成して出力する。生成された画像データは、例えば不図示のディスプレイに送られ、脳血流の状態を示す画像がディスプレイに表示され得る。なお、信号処理回路115は、撮像装置101の外部の装置に設けられていてもよい。例えば、撮像装置101に有線または無線で接続される外部のコンピュータが信号処理回路115を備えていてもよい。そのような態様では、撮像装置101が計算負荷の高い演算を行う必要がないため、撮像装置101を安価に構成し得る。
なお、撮像装置101は、図12に示されていない他の要素を含み得る。例えば、撮像装置101は、光源103、104からの光の進行方向を変化させるミラーなどの光学系、または無線通信を行う通信回路などを備えていてもよい。
図12に示す各構成要素は、同一の筐体内に配置されている必要はない。例えば、撮像装置101は、スマートフォンまたはタブレットコンピュータのような情報端末と、当該情報端末に接続される他の装置との組み合わせによって実現され得る。そのような他の装置は、光源103、104、イメージセンサ113、ダブルバンドパスフィルタ112、および光学系111を備え得る。情報端末に特定のソフトウェアをインストールすることにより、情報端末のプロセッサ(例えばCPUおよびGPUなど)を、制御回路114および信号処理回路115として機能させることができる。
以下、各構成要素をより詳細に説明する。
[光源103、104]
本実施形態における光源103は、中心波長が750nmの狭帯域のパルス光を出射するレーザーパルス光源である。光源104は、中心波長が850nmの狭帯域のパルス光を出射するレーザーパルス光源である。光源103、104の各々は、後述するように、制御回路114によって決定された所定のパターンでパルス光を繰り返し出射する。光源103、104が出射するパルス光は、例えば、立ち下り時間である立ち下りを開始してから完全に立ち下るまでの時間がゼロに近い矩形波状の光であり得る。光源103、104が発生させるパルス光の立ち上り時間である立ち上りを開始してから完全に立ち上るまでの時間は任意である。光源103、104は、パルス光の立ち下り部分が時間軸に対して垂直に近い(即ち、時間応答特性が急進な)レーザーダイオードなどの光源であり得る。光源103、104には、例えば半導体レーザ、固体レーザ、ファイバレーザなどの、パルス光を発する任意の種類の光源が用いられ得る。
本実施形態の撮像装置101では、対象物102が人体であるため、網膜への影響が考慮された光源103、104が用いられ得る。例えば、レーザ光源を使用する場合、各国で策定されているレーザ安全基準のクラス1を満足する光源が用いられ得る。クラス1が満足されている場合、被爆放出限界(AEL)が1mWを下回るほどの低照度の光が対象物102に照射される。光源103、104自体がクラス1を満たしていなくても、他の光学素子との組み合わせによってクラス1が満たされていてもよい。例えば、拡散板またはNDフィルタなどの素子が光源103、104と対象物102との間に配置され、光が拡散または減衰されることによってレーザ安全基準のクラス1が満たされてもよい。
光源103、104が発する光の波長は、750nmおよび850nmに限定されない。例えば650nm以上950nm以下の波長範囲に含まれる任意の波長の光が用いられ得る。上記の波長範囲は、「生体の窓」と呼ばれており、生体内の水分およびヘモグロビンに比較的吸収されにくいという性質を有する。生体を検出対象にする場合、上記の波長範囲の光を使用することにより、検出感度を高くすることができる。本実施形態のように、対象物102の脳血流中の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度を検出する場合、使用される光は、805nmよりも長い波長の近赤外光と、および805nmよりも短い波長の赤色光または近赤外光とであり得る。酸素化ヘモグロビンは、脱酸素化ヘモグロビンと比較して、805nmよりも長い波長の光を相対的によく吸収する。逆に、脱酸素化ヘモグロビンは、酸素化ヘモグロビンと比較して、805nmよりも短い波長の光を相対的によく吸収する。したがって、805nmよりも長い波長の光と、805nmよりも短い波長の光とを用いることにより、血流中の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの各々の濃度変化を精度よく検出することができる。このように、検出対象に対する吸収率が異なる複数の波長を選択することで、検出対象の特性を分析することができる。他の生体情報(例えば、心拍、血流量、血圧など)を検出する場合には、複数の波長の光を使用する必要はない。図1に示す構成のように、1つの光源103を用いて、本実施形態と同様の制御を行ってもよい。
なお、本開示において、対象物102は生体に限定されない。例えば、ガス、薬品、食品などの他の種類の光散乱体を対象物102にすることも可能である。光源103、104が発する光の波長域は、近赤外線の波長域である約700nm以上約2500nm以下に限定されず、例えば可視光の波長域である約400nm以上約700nm以下、紫外線の波長域である約10nm以上約400nm以下であってもよい。用途によっては、中赤外線、遠赤外線、またはテラヘルツ波もしくはミリ波等の電波域の電磁波を使用することもできる。
図1を参照して説明したように、光源103、104から対象物102に到達した光は、対象物102の表面で反射する成分である表面反射成分I1と、対象物102の内部で1回反射もしくは散乱、または多重散乱する成分である内部散乱成分I2とに分かれる。表面反射成分I1および内部散乱成分I2は、反射または散乱によって進行方向が変化し、その一部が光学系111およびダブルバンドパスフィルタ112を透過してイメージセンサ113に到達する。
[光学系111およびダブルバンドパスフィルタ112]
本実施形態における光学系111は、テレセントリックな光学系を実現するカメラレンズである。テレセントリックな光学系111を用いることにより、各画素に斜めに入射する光を少なくすることができるため、信号処理を簡単にすることができる。なお、光学系111は、非テレセントリックな光学系であってもよい。
ダブルバンドパスフィルタ112は、750nmおよび850nmの二波長の光を主に透過させるフィルタである。図13は、ダブルバンドパスフィルタ112の分光透過率の例を示すグラフである。図示されるように、ダブルバンドパスフィルタ112は、光源103、104からそれぞれ出射される750nmおよび850nmを中心波長とする狭帯域の光を透過させ、それ以外の波長の光を遮光する。このようなダブルバンドパスフィルタ112を配置することにより、外乱光(例えば背景光)がイメージセンサ113に入射することを抑制できる。
[イメージセンサ113]
イメージセンサ113は、光源103、104から出射され対象物102で反射された光を受光する。イメージセンサ113は、撮像面上に2次元に配列された複数の画素を有し、対象物102の内部の2次元情報を取得する。イメージセンサ113は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサであり得る。
イメージセンサ113は、電子シャッタを有する。電子シャッタは、受光した光を有効な電気信号に変換して蓄積する1回の信号蓄積の期間である露光期間の長さに相当するシャッタ幅と、1回の露光期間が終了してから次の露光期間が開始するまでの時間とを制御する回路である。本明細書において、電子シャッタが露光している状態を「OPEN」または「ON」と表現し、電子シャッタが露光を停止している状態を「CLOSE」または「OFF」と表現する。イメージセンサ113は、電子シャッタによって1回の露光期間が終了してから次の露光期間が開始するまでの時間をサブナノ秒(例えば、30ps以上1ns以下)の時間スケールで調整できる。本実施形態では、対象物までの距離の測定を目的とする従来のTOF(Time of Flight)カメラと異なり、シャッタ幅をパルス幅よりも大きくする必要はない。従来のTOFカメラは、対象物の明るさを補正するために、光源から出射して対象物で反射されて戻ってきたパルス光の全てを検出する。したがって、従来のTOFカメラでは、シャッタ幅が光のパルス幅よりも大きい必要があった。これに対し、本実施形態の撮像装置101は、対象物からの光量を補正する必要が無いため、シャッタ幅がパルス幅よりも大きい必要はない。本実施形態では、シャッタ幅は、例えば、1ns以上30ns以下程度であり得る。本実施形態の撮像装置101によれば、シャッタ幅を従来よりも短縮できるため、検出信号に含まれる暗電流を低減することができる。
対象物102が例えば人の額であり、脳血流などの情報を検出する用途では、対象物102の内部での光の減衰率は非常に大きく、例えば、100万分の1程度に減衰し得る。このため、内部散乱成分I2を検出するには、1パルスの照射だけでは光量が不足する場合がある。この場合、光源103、104がパルス光を複数回発光し、それに応じてイメージセンサ113も電子シャッタによって複数回露光するようにしてもよい。そのような動作によれば、検出信号が積算されることにより、感度を向上させることができる。
図14は、イメージセンサ113の1つの画素401の概略的な構成例を示す図である。なお、図14は、1つの画素401の構成を模式的に示しており、現実の構造を必ずしも反映していない。画素401は、光電変換を行う光電変換素子であるフォトダイオード403と、信号電荷を蓄積する蓄積部である浮遊拡散層404、405と、信号電荷を排出する排出部であるドレイン402とを含む。
イメージセンサ113は、制御回路114からの指令に基づいて各画素401における信号電荷の蓄積および排出を制御する高速タイミング制御回路414を備えている。高速タイミング制御回路414は、プロセッサとメモリとを有する回路(例えば、マイクロコントローラユニット)であり得る。高速タイミング制御回路414は、メモリに格納された制御プログラムに従い、外部の制御回路114からの指示に応じて浮遊拡散層404、405への信号電荷の蓄積、およびドレイン402への信号電荷の排出を制御する。イメージセンサ113は、複数の浮遊拡散層404、405を有することにより、異なる複数の波長の光について、高い時間分解能で撮像することができる。
本実施形態では、イメージセンサ113の正面側にテレセントリックな光学系111が配置されているため、フォトダイオード403を中心に等方的に光が漏れ込むと考えられる。このため、浮遊拡散層404、405は、フォトダイオード403に対して等方的または等距離に配置され得る。
1回のパルス光の発光に起因して各画素401に入射した光は、フォトダイオード403によって信号電荷である信号エレクトロンに変換される。変換された信号エレクトロンは、高速タイミング制御回路414から入力される制御信号に従って、ドレイン402に排出されるか、浮遊拡散層404、405のいずれかに振り分けられる。
本実施形態におけるイメージセンサ113の具体的な構成は、図11Aから図11Cに示す構成と同様である。ただし、本実施形態では、浮遊拡散層の数は2つである。
なお、本実施形態では、CMOS型のイメージセンサ113が用いられているが、イメージセンサ113はCCD型であっても、単一光子計数型素子であっても、増幅型イメージセンサ(例えばEMCCD、ICCD)であっても構わない。
[制御回路114および信号処理回路115]
制御回路114は、例えば、マイクロプロセッサおよびメモリの組み合わせ、またはプロセッサおよびメモリを内蔵するマイクロコントローラ等の集積回路であり得る。制御回路114は、例えばプロセッサがメモリに記録された制御プログラムを実行することにより、光源103、104への点灯指示、イメージセンサ113への撮像指示、および信号処理回路115への演算指示等を行う。制御回路114からの指示に基づいて、イメージセンサ113における高速タイミング制御回路414は、各画素における信号電荷の蓄積および排出を制御する。
信号処理回路115は、イメージセンサ113から出力された画像信号を処理する回路である。信号処理回路115は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)もしくは画像処理用演算プロセッサ(GPU)とコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現され得る。なお、制御回路114および信号処理回路115は、統合された1つの回路によって実現されていてもよい。
本実施形態における信号処理回路115は、イメージセンサ113から出力された信号に基づき、脳内の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度分布と、その時間変化とを示す動画像データを生成する。信号処理回路115は、そのような動画像データに限らず、他の情報を生成してもよい。例えば、脳における血流量、血圧、血中酸素飽和度、または心拍数などの生体情報を生成してもよい。
脳血流量または血流内成分(例えばヘモグロビン)の変化と、人間の神経活動との間には密接な関係があることが知られている。例えば、人間の感情の変化に応じて神経細胞の活動が変化することにより、脳血流量または血液内の成分が変化する。したがって、脳血流量または血液内成分の変化などの生体情報を計測できれば、被検者の心理状態を推定することができる。被検者の心理状態とは、例えば、気分(例えば、快、不快)、感情(例えば、安心、不安、悲しみ、憤りなど)、健康状態(例えば、元気、倦怠)、温度感覚(例えば、暑い、寒い、蒸し暑い)などを意味する。また、これに派生して、脳活動の程度を表す指標、例えば熟練度、習熟度、および集中度なども心理状態に含まれる。信号処理回路115は、脳血流量などの変化に基づいて、被検者の集中度などの心理状態を推定し、推定結果を示す信号を出力してもよい。
[動作]
次に、本実施形態の撮像装置101の動作を説明する。
図1を参照して説明したとおり、対象物102である頭部に照射された750nmまたは850nmの波長の光の大部分のエネルギーは、対象物102の表面で反射される。しかし、ごく一部の成分は対象物102の深部まで散乱しながら到達し、さらに散乱を継続して、極少量のエネルギー成分が内部散乱成分として、再び頭部の額表面に到達する。その光の一部は、光学系111およびダブルバンドパスフィルタ112を透過して、イメージセンサ113に到達する。
イメージセンサ113に到達する内部散乱成分のエネルギーは、イメージセンサ113に到達する表面反射成分のエネルギーの約1万分の1程度に減衰し得る。この減衰した光の成分に脳活動の情報が含まれるため、エネルギーの高いノイズである表面反射成分の影響を如何に除去するかが重要な問題となる。
そこで、本実施形態における制御回路114は、図3を参照して説明した例と同様、イメージセンサ113の各画素において、パルス光の表面反射成分が入射している間は電子シャッタをCLOSEにし、表面反射成分の後端が入射した後、内部散乱成分が入射している間に電子シャッタをOPENに切り替える。そして、発光パルス幅相当の期間、シャッタOPENの状態を維持し、再びシャッタをCLOSEにする。その後、次のパルス発光を行い、同じ動作を行う。以上の動作を繰り返すことで、表面反射成分に起因する成分を効率良く除去して、脳活動の情報を含む内部散乱成分の成分のみを検出することができる。
なお、発光を開始してから電子シャッタをCLOSEからOPENに切り替えるまでの時間は、検出開始前に予め決定され得る。例えば、検出開始前に、光源103または光源104による予備的な発光を行い、その光をイメージセンサ113で検出することにより、発光を開始してから表面反射成分の後端がイメージセンサ113に到達するまでの時間を測定できる。当該時間を、発光を開始してから電子シャッタをOPENにするまでの時間に設定すればよい。
対象物102が人の額であり、脳血流などの情報を検出する際には、内部での光の減衰率が非常に大きいため、内部散乱成分のみを検出するには、1パルスの照射だけでは光量が不足し得る。このため、本実施形態では、パルス光を複数回発光し、それに応じてイメージセンサ113の電子シャッタによって複数回露光する。これにより、検出信号が積算されるため、感度を向上させることができる。しかし、用途によっては、複数回の発光および露光を行わなくてもよい場合もあり得る。その場合には、各光源について、1フレームあたり1回の発光および露光が行われる。
前述のように、電子シャッタがCLOSEの場合であっても、全ての信号電荷がドレイン402に排出されるわけではない。強い表面反射成分に起因する信号電荷の一部は、各浮遊拡散層に漏れ込んでしまう。そこで、本実施形態では、この漏れ込む信号電荷の量を低減するために、表面反射成分が画素に入射している期間は、画素の感度を特に低くする。
図15は、本実施形態における撮像装置101の動作の例を示すシステムタイミング図である。図15において、信号A1、A2はそれぞれ光源103、の光源104から出射されるパルス光の波形を示し、信号Fは画素の感度を示し、信号G1、G2はそれぞれ浮遊拡散層404、405のON(すなわち浮遊拡散層に電荷が蓄積される状態)、OFF(すなわち浮遊拡散層に電荷が蓄積されない状態)のタイミングを示す。図15は、1つのフレームの画像信号を取得する期間であるフレーム期間の動作を例示している。1つのフレーム期間は、750nmの波長の光を出射する光源103を用いて撮像する期間と、850nmの波長の光を出射する光源104を用いて撮像する期間とに分けられる。制御回路114は、まず、光源103を所定の周期で複数回発光させ、その発光に同期して浮遊拡散層404に信号電荷を蓄積させる。次に、制御回路114は、光源104を所定の周期で複数回発光させ、その発光に同期して浮遊拡散層405に信号電荷を蓄積させる。浮遊拡散層404に蓄積された信号電荷は、750nmの波長の光に基づく画像の生成に用いられる。浮遊拡散層405に蓄積された信号電荷は、850nmの波長の光に基づく画像の生成に用いられる。以下、この動作をより詳細に説明する。
制御回路114は、まず、750nmの波長の光を出射する光源103にパルス光を複数回出射させる。例えば、制御回路114は、光源103に、約10nsのパルス幅のパルス光を、約10MHzの周波数で、100μsec程度の期間にわたって1000回程度繰り返し発光させる。光源103の発光が繰り返されている間、浮遊拡散層404に対する第1の転送ゲート706はアクティブの状態に、浮遊拡散層405に対する第2の転送ゲート708は非アクティブの状態にされる。この状態において、光源103の発光に同期して画素の感度が制御される。より具体的には、イメージセンサ113における高速タイミング制御回路414は、対象物102からのパルス光の表面反射成分I1がフォトダイオード403に入射している期間は、第1の転送ゲート706のゲート電圧を最も低くして、画素の感度を最も低くする。パルス光の内部散乱成分I2がフォトダイオード403に入射する期間は、第1の転送ゲート706のゲート電圧を最も高くして、画素の感度を最も高くする。パルス光のいずれの成分もフォトダイオード403に入射していない期間は、電圧レベルを中間のレベルにする。このような制御により、対象物102からの内部散乱成分に起因してフォトダイオード403で発生した信号電荷は、浮遊拡散層404に繰り返し蓄積される。
制御回路114は、浮遊拡散層404への信号電荷の蓄積が完了すると、第1の転送ゲート706を非アクティブにし、代わりに、第2の転送ゲート708をアクティブにする。この状態で、制御回路114は、850nmの波長の光を出射する光源104のパルス発光を開始する。光源104のパルス発光も、光源103のパルス発光と同じ周波数、パルス幅で、同じ回数だけ行われ得る。以後、光源104の発光に同期して画素の感度が制御される。より具体的には、高速タイミング制御回路414は、対象物102からのパルス光の表面反射成分I1がフォトダイオード403に入射している期間は、第2の転送ゲート708のゲート電圧を最も低くするなどの制御により、画素の感度を最も低くする。パルス光の内部散乱成分I2がフォトダイオード403に入射する期間は、第2の転送ゲート708のゲート電圧を最も低くするなどの制御により、画素の感度を最も高くする。パルス光のいずれの成分もフォトダイオード403に入射していない期間は、画素の感度を中間のレベルにする。このような制御により、対象物102からの内部散乱成分に起因してフォトダイオード403で発生した信号電荷が、浮遊拡散層405に繰り返し蓄積される。
以上の動作が完了すると、制御回路114は、イメージセンサ113に、浮遊拡散層404、405にそれぞれ蓄積された信号電荷に基づく電気信号を生成させる。イメージセンサ113は、生成した電気信号を、信号処理回路115に送る。信号処理回路115は、浮遊拡散層404に蓄積された信号電荷に基づく信号から、光源103からの光の波長である750nmに対応する画素信号を生成する。同様に、浮遊拡散層405に蓄積された信号電荷に基づく信号から、光源104からの光の波長である850nmに対応する画素信号を生成する。このような演算を画素ごとに実行することにより、750nmおよび850nmの各波長に対応する画像の各画素の信号が得られる。以上の処理により、信号処理回路115は、波長750nm、850nmのそれぞれについて、画像のデータを生成する。
以上の構成および動作により、浮遊拡散層404および浮遊拡散層405のそれぞれの信号に混入するノイズ成分を除去することができる。これにより、生体の内部で散乱された光に基づく信号を高い精度で求めることができる。
本実施形態では、2つの光源103、104を用いているが、1つの光源のみを用いてもよい。1つの光源のみを用いる場合は、図15に示す動作のうち、いずれか一方の光源を用いて露光または信号蓄積する動作のみを行えばよい。
以上のように、本実施形態によれば、対象物の内部情報を、対象物に接触しない状態で、かつ、対象物表面からの反射成分および表面直下からの散乱成分によるノイズを抑制した状態で高解像度に取得することができる。また、本実施形態によれば、従来の方法に比べて安価な方法で対象物を測定できる。
本開示における撮像装置は、非接触で測定対象の内部情報を取得するカメラまたは測定機器に有用である。生体・医療センシング、材料分析、食品分析、および車載センシングシステム等に応用できる。
101 撮像装置
102 対象物
103、104 光源
111 光学系
112 ダブルバンドパスフィルタ
113 イメージセンサ
114 制御回路
115 信号処理回路
401 画素
402 ドレイン
403 フォトダイオード
404、405、406 浮遊拡散層
414 高速タイミング制御回路 601 画素駆動回路
602 水平CCD
603 出力回路
604 垂直CCD
605 遮光部材
606 電極
607 水平転送回路
702 転送ゲート
704 ドレインゲート
706 第1の転送ゲート
708 第2の転送ゲート
710 第3の転送ゲート

Claims (16)

  1. 対象物に対して、第1のパルス光および第2のパルス光を出射する光源と、
    複数の画素を含むイメージセンサと、
    前記光源および前記イメージセンサを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記光源に、前記第1のパルス光よりも後に、前記第2のパルス光を出射させ、
    前記第1のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第1の時刻、
    前記第1のパルス光が前記複数の画素に到達することを終了する時刻を第2の時刻、
    前記第2のパルス光が前記対象物で反射されて前記複数の画素に到達することを開始する時刻を第3の時刻とするとき、
    前記制御回路は、
    前記第1の時刻から前記第2の時刻を含む第1の期間の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第1の期間以降であって前記第3の時刻までの第2の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも低くし、
    前記第1の期間の他の一部において、前記複数の画素の感度を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも高くする、
    撮像装置。
  2. 前記第1の期間の前記一部は、前記第2の期間の前記少なくとも一部よりも短い、
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記複数の画素の各々は、
    入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
    前記信号電荷を蓄積する蓄積部と、を含み、
    前記制御回路は、
    前記光電変換素子で変換された前記信号電荷のうち、前記蓄積部に転送される信号電荷の割合である転送効率を制御することにより、前記感度を制御し、
    前記第1の期間の前記他の一部における前記転送効率を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも高くし、
    前記第1の期間の前記一部における前記転送効率を、前記第2の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも低くする、
    請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
    前記制御回路は、前記光電変換素子と前記排出部との間におけるポテンシャル勾配を変化させることにより、前記転送効率を制御する、
    請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
    前記制御回路は、前記排出部に印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御する、
    請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記制御回路は、
    前記第1の期間の前記一部において、前記排出部に、第1の電圧を印加し、
    前記第1の期間の前記他の一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
    前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加する、
    請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記複数の画素の各々は、さらに、
    前記信号電荷を排出する排出部と、
    前記光電変換素子と前記排出部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記排出部に前記信号電荷を転送する第1ゲートと、を含み、
    前記制御回路は、
    前記第1ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御し、
    前記第1の期間の前記一部において、前記第1ゲートに、第1の電圧を印加し、
    前記第1の期間の前記他の一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
    前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加する、
    請求項3に記載の撮像装置。
  8. 前記複数の画素の各々は、
    入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
    前記信号電荷を蓄積する第1蓄積部と、
    前記信号電荷を蓄積する第2蓄積部と、を含み、
    前記光電変換素子と前記第1蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第1蓄積部に前記信号電荷を転送する第2ゲートと、
    前記光電変換素子と前記第2蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第2蓄積部に前記信号電荷を転送する第3ゲートと、
    を含み、
    前記制御回路は、
    前記第2ゲートに印加する電圧および第3ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記感度を制御し、
    前記第1の期間の前記一部において、前記第2ゲートに、第1の電圧を印加し、
    前記第1の期間の前記他の一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加し、
    前記第2の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高く、前記第2の電圧よりも低い第3の電圧を印加する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  9. 対象物に対して、第1のパルス光および第2のパルス光を出射する光源と、
    複数の画素を含むイメージセンサと、
    前記光源および前記イメージセンサを制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記光源に、前記第1のパルス光よりも後に、前記第2のパルス光を出射させ、
    前記第1のパルス光のうち、前記対象物の表面で反射された第1表面反射成分が、前記第1のパルス光のうち、前記対象物の内部で散乱された内部散乱成分と同じか、前記内部散乱成分よりも多く、前記複数の画素に入射している期間を第3の期間、
    前記内部散乱成分が、前記第1表面反射成分よりも多く、前記複数の画素に入射している期間を第4の期間、
    前記内部散乱成分が前記複数の画素に入射することを終了した後、前記第2のパルス光のうち、前記対象物の表面で反射された第2表面反射成分が、前記複数の画素に入射することを開始するまでの期間を第5の期間とするとき、
    前記制御回路は、
    前記第4の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度を、前記第5の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも高くし、
    前記第3の期間の少なくとも一部における前記複数の画素の感度を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記複数の画素の感度よりも低くする、
    撮像装置。
  10. 前記第3の期間の前記少なくとも一部は、前記第5の期間の前記少なくとも一部よりも短い、請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記複数の画素の各々は、
    入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
    前記信号電荷を蓄積する蓄積部と、を含み、
    前記制御回路は、
    前記光電変換素子で変換された前記信号電荷のうち、前記蓄積部に転送される信号電荷の割合である転送効率を制御することにより、前記感度を制御し、
    前記第4の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも高くし、
    前記第3の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率を、前記第5の期間の前記少なくとも一部における前記転送効率よりも低くする、
    請求項9に記載の撮像装置。
  12. 前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
    前記制御回路は、前記光電変換素子と前記排出部との間におけるポテンシャル勾配を変化させることにより、前記転送効率を制御する、
    請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記複数の画素の各々は、前記信号電荷を排出する排出部をさらに含み、
    前記制御回路は、前記排出部に印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御する、
    請求項11に記載の撮像装置。
  14. 前記制御回路は、
    前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、第1の電圧を印加し、
    前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
    前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記排出部に、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加する、
    請求項13に記載の撮像装置。
  15. 前記複数の画素の各々は、さらに、
    前記信号電荷を排出する排出部と、
    前記光電変換素子と前記排出部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記排出部に前記信号電荷を転送する第1ゲートと、を含み、
    前記制御回路は、
    前記1ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記転送効率を制御し、
    前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、第1の電圧を印加し、
    前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を印加し、
    前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記第1ゲートに、前記第1の電圧よりも低く、前記第2の電圧よりも高い第3の電圧を印加する、
    請求項11に記載の撮像装置。
  16. 前記複数の画素の各々は、
    入射した光を信号電荷に変換する光電変換素子と、
    前記信号電荷を蓄積する第1蓄積部と、
    前記信号電荷を蓄積する第2蓄積部と、を含み、
    前記光電変換素子と前記第1蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第1蓄積部に前記信号電荷を転送する第2ゲートと、
    前記光電変換素子と前記第2蓄積部との間に配置され、前記制御回路からの指示に応じて、前記光電変換素子から前記第2蓄積部に前記信号電荷を転送する第3ゲートと、
    を含み、
    前記制御回路は、
    前記第2ゲートに印加する電圧および第3ゲートに印加する電圧を変化させることにより、前記感度を制御し、
    前記第3の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、第1の電圧を印加し、
    前記第4の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加し、
    前記第5の期間の前記少なくとも一部において、前記第2ゲートに、前記第1の電圧よりも高く、前記第2の電圧よりも低い第3の電圧を印加する、
    請求項9に記載の撮像装置。
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