JP6814704B2 - プログラム及び運転曲線作成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転曲線作成装置等に関する。
鉄道では、大都市圏等の高密度線区において、車内やホーム上の混雑による乗降時間の増加等の影響により、発時刻の遅れが頻繁に発生しており、僅かな発遅延でも後続列車に影響を与え、ダイヤ乱れが発生しやすいという問題がある。このような影響を抑制するための列車制御方法として、予測制御が提唱されている。予測制御とは、駅に停車中の先行列車の発時刻を予測し、後続列車の不要な駅間停車を回避するとともに、場内進路が開通した時点から最短で駅に到着できるように、後続列車の速度を制御する方法である(例えば、非特許文献1参照)。
平栗滋人、兎束哲夫、「線区条件に応じた列車群の予測制御方式」、鉄道総研報告、2010年3月、vol24、No.3、29−34頁
上述の非特許文献1に開示された予測制御は、固定閉そく下での実施を前提としている。近年では、固定閉そくに替えて、無線式列車制御システムを前提とした移動閉そくの研究・実用化が進められており、移動閉そく下での予測制御についての検討が望まれている。
固定閉そくは、線路を区間分割して1つの区間に1列車のみの進入を許可する信号方式である。固定閉そく下での予測制御では、駅に停車中の先行列車に対して機外停車すべき場内信号の手前の位置(機外停車位置)に停車するための停止パターン上に接近点を設定し、先行列車がホームトラックを進出して場内進路が開通した時刻(進路開通時刻)に接近点を通過するように、後続列車を制御する。
一方、移動閉そくは、区間を設定せず、安全を確保できる先行列車との列車間隔を保持するように後続列車を制御する信号方式であり、固定閉そくに比較して列車間隔を短縮できるといった利点がある。つまり、移動閉そくでは、場内進路の開通といった概念がなく、先行列車が走行を開始すると、ホームトラックを進出していなくとも、後続列車を前方に進めることができ、その後も、先行列車の位置及び速度が時々刻々と変化することを前提に後続列車を制御する必要がある。このため、移動閉そく下で予測制御を実施しようとする場合、固定閉そくを前提とした従来の予測制御をそのまま適用することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動閉そく下での予測制御を実現可能とする技術を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータに、次駅に停車中の先行列車の予測発時刻に応じた後続列車である対象列車の運転曲線を作成させるためのプログラムであって、
前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記予測発時刻から前記次駅への到達時刻までの時間が最小となる所与の時隔最小化条件を満たす最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「最接近位置」、「最接近速度」及び「最接近時刻」という)を算出する第1接近点算出手段、
前記予測発時刻後も前記次駅を継続して停車した場合の前記先行列車に対して、前記移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記最接近位置に前記最接近速度で前記最接近時刻に到達可能となる最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「指定位置」、「指定速度」及び「指定時刻」という)を算出する第2接近点算出手段、
前記対象列車が、だ行運転で、前記指定位置を前記指定速度で前記指定時刻に通過するような運転曲線を作成する作成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
他の発明として、
次駅に停車中の先行列車の予測発時刻に応じた後続列車である対象列車の運転曲線を作成する運転曲線作成装置であって、
前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記予測発時刻から前記次駅への到達時刻までの時間が最小となる所与の時隔最小化条件を満たす最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「最接近位置」、「最接近速度」及び「最接近時刻」という)を算出する第1接近点算出手段と、
前記予測発時刻後も前記次駅を継続して停車した場合の前記先行列車に対して、前記移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記最接近位置に前記最接近速度で前記最接近時刻に到達可能となる最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「指定位置」、「指定速度」及び「指定時刻」という)を算出する第2接近点算出手段と、
前記対象列車が、だ行運転で、前記指定位置を前記指定速度で前記指定時刻に通過するような運転曲線を作成する作成手段と、
を備えた運転曲線作成装置を構成しても良い。
第1の発明等によれば、移動閉そく下での予測制御を実現することができる。すなわち、次駅を出発する先行列車の予測発時刻に基づいて、先行列車に最接近するときの対象列車の最接近位置、最接近速度、及び、最接近時刻を算出し、これら算出した値に基づいて、予測発時刻後も先行列車が継続して停車した場合に先行列車に最接近するときの対象列車の指定位置、指定速度、及び、指定時刻を算出する。そして、指定位置を指定速度で指定時刻にだ行運転で到達するような運転曲線を作成する。先行列車の後続列車である対象列車を、この作成した運転曲線に沿って走行するように制御することで、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たしながら、次駅における先行列車の発車から対象列車の到達までの時間を最短とするように、対象列車を制御することができる。また、この運転曲線に沿った走行制御を実施することで、予測発時刻を経過しても先行列車が発車せずに停車を継続した場合であっても、対象列車を、安全に先行列車の後方に停止させることができる。
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記第1接近点算出手段は、
前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車の後端位置から所与の安全余裕距離を少なくとも含む距離だけ後方の位置を表す時空間曲線に対して、前記次駅に停車する際の前記対象列車の先端位置から走行速度に応じた常用最大停止距離を少なくとも含む距離だけ前方の位置を表す時空間曲線が、所与の接触条件を満たすような前記最接近位置、前記最接近速度及び前記最接近時刻を算出する、
プログラムである。
第2の発明によれば、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たす最接近として、先行列車の後端位置と対象列車の先端位置との間の距離が、所与の安全余裕距離と対象列車の走行速度に応じた常用最大停止距離との合計距離以上となるように、対象列車の最接近位置、最接近速度、及び、最接近時刻を算出することができる。
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、
前記第1接近点算出手段は、
1)前記先行列車に係る時空間曲線を所与の制御許容時間分だけ時刻方向にずらすように仮定する、或いは、2)前記先行列車に係る時空間曲線と前記対象列車に係る時空間曲線との時間間隔が前記制御許容時間となることを前記接触条件として、前記最接近位置、前記最接近速度及び前記最接近時刻を算出する、
プログラムである。
第3の発明によれば、制御許容時間によって、例えば、予測発時刻となっても先行列車が発車しないといったこと等による先行列車の実際の位置や速度の誤差や、無線式列車制御における通信の伝送にかかる時間を許容し、先行列車と後続列車との列車間隔の安全を担保して、最接近位置、最接近速度、及び、最接近時刻を算出することができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記作成手段は、
前記指定位置と前記指定速度とで定まる運転曲線上の点(以下「接近点」という)に、前記対象列車が所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達する前記接近点の手前の点(以下「案内点」という)を算出し、前記案内点を通り、少なくとも前記案内点から前記接近点までをだ行運転とする前記運転曲線を作成する、
プログラムである。
第4の発明によれば、移動閉そく下の予測制御を実現する運転曲線として、指定位置と指定速度で定まる運転曲線上の接近点に所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達するような運転曲線を作成することができる。接近点にだ行運転で到達するようにすることで、例えば、予測発時刻に先行列車が発車した場合には接近点から加速して運転する、予測発時刻となっても先行列車が発車しない場合には直ちにブレーキをかけて対象列車を停止させるといった、接近点以降の運転操作が、加速、ブレーキの何れにも切替可能となる。
予測制御運転曲線の作成及び更新の概要図。 接近点の概要図。 オビ接点に関する条件の説明図。 オビ接点に関する条件の説明図。 オビ接点に関する条件の説明図。 オビ接点に関する条件の説明図。 オビ接点に関する条件の説明図。 オビ接点に関する条件の説明図。 接近点に関する条件の説明図。 予測制御運転曲線の作成の説明図。 予測制御運転曲線の作成の説明図。 予測制御運転曲線の作成の説明図。 予測制御運転曲線の作成の説明図。 予測制御運転曲線の作成の説明図。 運転曲線作成装置の機能構成図。 運転曲線作成処理のフローチャート。
[概要]
本実施形態は、移動閉そく方式における予測制御を実現する運転曲線を作成するものである。移動閉そくは、列車間で安全を確保できる列車間隔を、列車の速度と位置に従って連続的に制御する信号システムである。具体的な制御としては、例えば、先行列車と後続列車との列車間隔が、後続列車が常用最大ブレーキで停止するまでの走行距離である常用最大停止距離と、所与の安全余裕距離との合計距離以上を保つように後続列車を制御する。
予測制御とは、駅に停車中の先行列車の発時刻を予測し、当該駅における先行列車の発車から後続列車の到着までの時間を最小化するよう、後続列車を制御する方法である。具体的には、先行列車が停車中の駅に接近する後続列車に対して、位置(指定位置)、速度(指定速度)、及び、時刻(指定時刻)を指定した接近点を定め、この接近点とした指定位置を、指定速度で、指定時刻に通過するように、後続列車を制御する。
予測制御が外れた場合、つまり、予測した先行列車の発時刻となっても先行列車が発車しない場合、後続列車はブレーキをかけて停車する。従って、接近点は、対象列車が、駅に停車中の先行列車から安全余裕距離だけ後方の位置に停止するためのブレーキ曲線上の点となる。
[運転曲線の作成]
本実施形態においては、予測制御は、先行列車が駅に停車中の場合を対象とする。つまり、先行列車が駅間を走行中の場合は予測制御を適用せず、速度制限等の範囲内で可能な限り速度を高くする前詰め運転を行うような後続列車の運転曲線を作成する。
図1は、先行列車との位置関係に応じた後続列車の運転曲線の作成の概要を説明する図である。図1では、右方向を列車の進行方向として、先行列車12、及び、後続列車である対象列車10の位置を示すとともに、その上側に対象列車10の運転曲線を太実線で示している。
図1(a)は、対象列車10が発駅に停車中であり、先行列車12が次駅に停車中の場合である。この場合、予測制御が適用され、次駅における先行列車12の予測される発時刻(予測発時刻)に応じて接近点20が決まり、この接近点20の指定位置を、指定速度で、指定時刻に通過するように、対象列車10の運転曲線(以下、予測制御が適用された運転曲線を、「予測制御運転曲線」という)30を作成する。対象列車10は、発駅を発車すると、この予測制御運転曲線30に従って走行するように制御される。なお、接近点20の詳細な決定方法は後述する。
次いで、図1(b)に示すように、対象列車10が発駅から次駅までの駅間を走行中に、先行列車12の予測発時刻が変更されると、この変更に伴って接近点20が変更され、予測制御運転曲線32が更新される。そして、図1(c)に示すように、先行列車12が次駅を発車すると、予測制御は適用されず、先行列車12との間で安全を確保できる列車間隔を保持するような最速運転曲線34を作成する。対象列車10は、以降は、この最速運転曲線34に従って走行するように制御される。
[接近点の算出]
予測制御における接近点の算出について説明する。図2は、接近点20の算出を説明する図である。図2は、横軸を時刻、縦軸を位置として、先行列車12が停車中の駅に、後続列車である対象列車10が接近して停車する様子を示している。また、上方向を列車の進行方向としている。
先ず、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たしながら、先行列車12と対象列車10とが最接近する条件を考える。列車間隔条件は、先行列車12の後端位置と対象列車10の先端位置との間の距離が、対象列車10が常用最大ブレーキで停止するまでの走行距離である常用最大停止距離Eと所与の安全余裕距離Bとの合計距離以上である、ことである。対象列車10の常用最大停止距離Eは、その時点の対象列車10の走行速度によって決まる。
先行列車12が予測発時刻に発車してから時間Tが経過した時点において先行列車12と対象列車10とが最接近すると仮定する。そして、駅に停車中の先行列車12が、予測発時刻に発車して対象列車10と最接近するまでの走行軌跡(時刻に対する位置の変化である時空間曲線)として、その先端位置、及び、後端位置それぞれの走行軌跡40,42を生成する。次いで、この先行列車12の後端位置の走行軌跡42を、所与の計算周期Tだけ時刻方向に遅らせた走行軌跡44を生成する。そして、この時刻方向に遅らせた走行軌跡44から、更に、安全余裕距離Bだけ後方の位置を表す時空間曲線である先行列車占有位置曲線46を生成する。
計算周期Tは、運転曲線の更新周期であり、制御許容時間ともいえる。本実施形態では、各列車の位置・速度を取得し、これらに基づいて各列車の新たな運転曲線を作成し、その新たな運転曲線に従った列車の速度制御が実施されるが、位置速度の取得から作成した運転曲線に従った各列車の実際の制御までに時間遅れが生じる。予測発時刻は、あくまでも未来の時刻であり、安全確保のため、この制御の時間遅れによる先行列車12の位置・速度の変化を考慮して、制御距許容時間である計算周期Tだけ時刻方向に遅らせた走行軌跡44を、先行列車12の後端位置の走行軌跡とみなして、接近点を求めることにしている。
また、対象列車10が、先行列車12に最接近した後に駅の停止位置Pに停止するまでの走行軌跡として、その先頭位置、及び、後端位置の走行軌跡50,52を生成する。但し、対象列車10は、少なくとも最接近時にはだ行運転であることとし、先行列車12に最接近した後にブレーキをかけて停止位置Pに停止するものとする。次いで、この対象列車10の先端位置の走行軌跡50から常用最大停止距離Eだけ前方の位置の軌跡である常用最大停止位置曲線54を生成する。常用最大停止距離Eは、走行軌跡50の各点における走行速度に応じて異なる。常用最大停止位置曲線54は、走行軌跡50上の各点において、対象列車10が常用最大ブレーキで減速して停止したときの停止位置をつなげた軌跡に相当する。
ここで、先行列車占有位置曲線46と常用最大停止位置曲線54とが、交差せずにある一点22で接触する接触条件を満たすとする。この接触点22の時刻が、対象列車10が先行列車12に最接近する最接近時刻となる。最接近時刻は、例えば対象列車10の着時刻をずらす等して求めることができる。また、この最接近時刻における対象列車10の先頭位置、及び、速度を、それぞれ、最接近位置P、及び、最接近速度V、とし、最接近時刻と併せて、対象列車10のオビ接点24と呼ぶ。
続いて、このオビ接点24に基づいて接近点20を求める。接近点20は、予測発時刻を経過しても駅を発車せずに継続して停車している先行列車12に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たすような対象列車10の位置(指定位置)、速度(指定速度)、及び、時刻(指定時刻)を指定する点であって、だ行運転によって、オビ接点24の最接近位置に、最接近速度で、最接近時刻に、到達可能な点である。
これらのことより、接近点20の指定時刻、指定位置、及び、指定速度を導出するための条件式は、次のようになる。まず、予め与えられる定数として、図2に示すように、駅の停車時における先行列車12、及び、対象列車10それぞれの先端位置を、P,Pとする。また、先行列車12、及び、対象列車10それぞれの列車長を、L,Lとする。また、列車性能として、先行列車12の加速度をα、だ行時加速度をβ、ブレーキ時の減速度をγ、対象列車10の加速度をα、だ行時加速度をβ、ブレーキ時の減速度をγとする。また、移動閉そく方式による安全余裕距離をBとし、運転曲線の計算周期をTとする。
また、変数として、先行列車12の予測発時刻から、先行列車12に対象列車10が最接近するまでの経過時間をTとする。また、オビ接点24(最接近時)での先行列車12の速度をV、走行距離をXとする。また、オビ接点24(最接近時)での対象列車10の速度(最接近速度)をV、先端位置をP、常用最大停止距離をEとする。また、対象列車10が、オビ接点24から駅に停止するまでの所要時間をTとし、この所要時間のうち、だ行運転の時間をTB1、ブレーキ運転の時間をTB2とする。また、対象列車10が、オビ接点24から駅に停止するまでの走行距離をXとする。
そして、オビ接点24に関する条件式として、次式(1)〜(10)が成り立つ。すなわち、図3に示すように、駅に停車時の先行列車12の先端位置Pと対象列車10の先端位置Pとの関係として、次の条件式(1)が成り立つ。
−L+X−B−E+X=P …(1)
また、図4に示すように、先行列車12が駅を発車後に対象列車10と最接近するまでの経過時間Tと走行距離Xとの関係として、次の条件式(2),(3)が成り立つ。
=1/2×α×T …(2)
α=V/T …(3)
また、図5に示すように、最接近時(最接近時刻)における先行列車12の速度Vと対象列車10との速度Vの関係として、次式(4)が成り立つ。
=V …(4)
また、図6に示すように、対象列車10のオビ接点24を通過後のだ行運転及びブレーキ運転の各運転区間の走行距離、及び、区間境界の速度について、次式(5)〜(8)が成り立つ。
={(V+TB1×γ−V }/2γ+1/2 …(5)
+(TB1×γ)=β×(−1)×TB2 …(6)
=T1+TB2 …(7)
=P−X …(8)
また、図7に示すように、オビ接点24における対象列車10の常用最大停止距離Eとして、次式(9)が成り立つ。
=V /(−2×β) …(9)
また、図8に示すように、予測発時刻から、対象列車10の駅への停車時刻までの時間を最小化する時隔最小化条件として、次式(10)が成り立つ。なお、この式(10)は、“d”が微分演算子を表す微分方程式である。
d(T−T+T)/dP=0 …(10)
これらの条件式(1)〜(10)から、オビ接点24の位置(最接近位置)P、速度(最接近速度)V、時刻(最接近時刻)が、次式(12)〜(15)のように導出される。但し、簡略化のため、先行列車12及び対象列車10の列車性能は同じ、つまり、次式(11)に示すように、加速度、だ行時加速度、及び、減速度は同じとしている。
α=α=α、β=β=β、γ=γ=γ …(11)
Figure 0006814704
式(13)のように、オビ接点24の位置(最接近位置)Pは、対象列車10の駅における停止位置Pに対する相対位置P−Pとして導出される。また、式(14)のように、オビ接点24の時刻(最接近時刻)は、予測時刻から最接近時刻までの経過時間T+Tとして導出される。
そして、これらのオビ接点24に基づき、接近点20に関する条件式として、次式(15)〜(18)が成り立つ。すなわち、図19に示すように、対象列車10のオビ接点24における先端位置Pと、接近点20における先端位置Pとの関係として、次式(15)が成り立つ。
+E+B+X−B−E=P …(15)
また、対象列車10の接近点20における最大停止距離Eとして、次式(16)が成り立つ。
=V /(−2×β) …(16)
また、対象列車10のオビ接点24における速度Vと、接近点20における速度Vとの関係として、次式(17)が成り立つ。
=V=V+T×γ …(17)
また、対象列車10の接近点20からオビ接点24までのだ行運転による走行距離として、次式(18)が成り立つ。
−P=(V −V )/(2×γ) …(18)
そして、これらの条件式(15)〜(18)から、接近点の位置(指定位置)P、速度(指定速度)V、及び、時刻(指定時刻)が、次式(19)〜(21)のように導出される。
Figure 0006814704
式(20)のように、接近点20の位置(指定位置)Pは、先行列車12の駅における停止位置Pに対する相対位置P−Pとして導出される。また、式(21)のように、接近点時刻(指定時刻)は、予測発時刻から指定時刻までの時間T+T−Tとして導出される。
すなわち、予め定められている先行列車及び対象列車の走行性能(加速度α、だ行時加速度β、減速度γ)や列車長L、次駅における停止位置P,Pに応じて、接近点20の位置(指定位置)及び速度(指定速度)が決まり、接近点20の時刻(指定時刻)は、更に、先行列車の予測発時刻が与えられることで決まる。つまり、予測発時刻が変化すると、接近点20の指定時刻も変化する。
[運転曲線の作成]
図10〜図14は、予測制御運転曲線の作成を説明する図である。何れも、右方向を列車の進行方向として、対象列車10及び先行列車12の位置関係を示すとともに、上側に対象列車10の運転曲線を示している。
図10では、対象列車10が発駅に停車中であるとともに、先行列車12が次駅に停車中であり、図1(a)の場合に相当する。この場合、先行列車12の次駅の予測発時刻に応じて接近点20が決まる。接近点20は、対象列車10が、先行列車12から安全余裕距離だけ後方の位置に停止するための最速運転曲線RC1上に定められる。この接近点20の指定位置Pを、指定速度Vで、指定時刻に通過するように、対象列車10の予測制御運転曲線を作成する。本実施形態では、先行列車12の発時刻の変更等に対処した運転士の運転操作のし易さを考慮し、接近点20以降の運転操作を任意に切替可能とするため、接近点20をだ行運転で通過するとともに、そのだ行運転は最小だ行継続時間を確保するように、予測制御運転曲線を作成することとする。
具体的には、先ず、図11に示すように、接近点20の手前(進行方向と逆方向)の点であって、接近点20に所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達する点(以下、「案内点」という)60を求める。すなわち、最速運転曲線RC1に対して、接近点20から、だ行運転で進行方向の逆方向(発駅に向かう方向)に延長した逆引き曲線62を生成し、だ行運転での継続時間が所定の最短時間となる、或いは、継続距離が所定の最短距離となる逆引き曲線62上の点を求めて案内点60とする。
次いで、この案内点60から、ブレーキ運転で進行方向の逆方向に延長した(逆引きした)逆引き曲線64を生成し、この逆引き曲線64と最速運転曲線RC1との交点66を求め、この交点66以降については逆引き曲線64に沿って走行するように最速運転曲線RC1を変更した運転曲線RC2を生成する。そして、運転曲線RC2に沿って走行した場合の接近点20への到達時刻T2を求め、この到達時刻T2を、接近点20の指定時刻Tと比較する。
到達時刻T2が指定時刻Tより遅いならば(T2>T)、予測制御の適用は不可能、つまり、予測制御運転曲線の作成は不可能と判断する。この場合、予測制御は適用されず、対象列車10は最速運転曲線RC1に沿って走行することになる。到達時刻T2が指定時刻Tと同じ或いは早いならば(T2≦T)、予測制御の適用は可能、つまり、予測制御運転曲線の作成は可能と判断する。この場合、図12〜図14に示すように、予測制御運転曲線を作成する。
すなわち、図12に示すように、最速運転曲線RC1に対して、接近点20から、だ行運転で進行方向の逆方向に延長した(逆引きした)逆引き曲線62を生成し、この逆引き曲線62と最速運転曲線RC1との交点68以降については逆引き曲線62に沿って走行するように最速運転曲線RC1を変更することで、運転曲線RC3を生成する。そして、この運転曲線RC3に従って走行した場合の接近点20への到達時刻T3を求め、この到達時刻T3を、接近点20の指定時刻Tと比較する。
到達時刻T3が指定時刻Tと一致するならば(T3=T)、運転曲線RC3が予測制御運転曲線となる。
到達時刻T3が指定時刻Tより遅いならば(T3>T)、図13に示すように、運転曲線RC2に対して、“山をつぶす”ようにして、接近点20への到達時刻が指定時刻Tとなる運転曲線RC4を生成し、予測制御運転曲線とする。“山”とは、力行曲線部分とブレーキ曲線部分とが続いたり、或いは、力行曲線部分とだ行曲線部分とブレーキ曲線部分とが続く、“山形状の運転曲線部分”である。“山をつぶす”とは、この“山形状の運転曲線部分”を構成するブレーキ曲線部分の開始位置を、進行方向とは逆方向に移動させ、力行曲線部分やだ行曲線部分の長さを減らすことである。つまり、運転曲線RC2におけるブレーキ開始位置70を所定距離ずつ進行方向と逆方向の位置に変更してゆくことで(図13中の左方向の矢印参照)、接近点20の到達時刻が指定時刻Tとなる運転曲線RC4に変更する。
一方、到達時刻T3が指定時刻Tより早いならば(T3<T)、図14に示すように、運転曲線RC3に対して、“谷を追加”するようにして、接近点20への到達時刻が指定時刻Tとなる運転曲線RC5を生成し、予測制御運転曲線とする。“谷”とは、ブレーキ曲線部分とだ行曲線部分と力行曲線部分とが続く“谷形状の運転曲線部分”である。“谷をつぶす”とは、運転曲線に、この“谷形状の運転曲線部分”を追加することである。すなわち、案内点60から力行運転で逆引きした逆引き曲線72と、この逆引き曲線72の速度がゼロとなる機外停止点74からブレーキ運転で逆引きした逆引き曲線76とを生成する。次いで、“谷形状の運転曲線部分”を構成する力行曲線部分の終了点が案内点60に一致するとともに、ブレーキ曲線部分が逆引き曲線76に重なるように、運転曲線RC3の一部を“谷形状の運転曲線部分”に置き換える。そして、“谷形状の運転曲線部分”を構成するだ行曲線部分の開始位置78を逆引き曲線76に沿って所定距離ずつ進行方向に変化させてゆくことで、接近点20の到達時刻が指定時刻Tとなる運転曲線RC5に変更する。
また、対象列車10の走行中に接近点20が変更された場合も同様に、変更後の接近点20にだ行運転で接近点に到達する案内点60を求め、この案内点60を通過して接近点20の到達時刻が指定時刻TDとなる予測制御運転曲線を生成することができる。
[機能構成]
図15は、本実施形態の運転曲線作成装置1の機能構成図である。図15によれば、運転曲線作成装置1は、操作入力部102と、表示部104と、通信部106と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成されるコンピュータシステムである。
操作入力部102は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で構成される入力装置であり、ユーザの操作入力に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部104は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ、タッチパネル等で構成される表示装置であり、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。通信部106は、例えば無線通信モジュール、ルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で構成される通信装置であり、外部装置との間でデータ通信をおこなう。
処理部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路で構成され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作入力部102からの入力データ等に基づいて各種演算処理を行うとともに、運転曲線作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行って運転曲線作成装置1を統合的に制御する。本実施形態では、処理部200は、列車情報取得部202と、最速運転曲線作成部204と、オビ接点算出部206と、接近点算出部208と、予測制御運転曲線作成可否判定部210と、予測制御運転曲線作成部212とを有し、運転曲線作成プログラム302に従った運転曲線作成処理(図16参照)を行う。
列車情報取得部202は、随時、運転曲線の作成対象となる列車(対象列車)とその先行列車とを含む各列車に関する情報を、例えば、通信部106を介して外部装置から取得する。取得する情報には、最新の位置や速度、駅に停車中の場合には当該駅の予測発時刻を含む。取得した各列車の情報は、該当する列車の列車情報310に含めて記憶される。列車情報310は、列車情報取得部202によって取得された当該列車の最新の位置や速度、停車駅での予測発時刻のほか、予め定められた当該列車の加速度αやだ行時加速度β、減速度γ等の走行性能、列車長L、各駅での停止位置(停車時の当該列車の先端位置となる)、当該列車を対象として作成された最新の運転曲線、当該列車情報310を取得した時刻を示す情報取得時刻、等の情報を含む。
最速運転曲線作成部204は、対象列車の現在の位置及び速度から、先行列車の位置に応じて定まる停止目標に停止するための運転曲線であって、最短時間で走行する最速運転曲線を作成する。本実施形態の信号システムは移動閉そくであるので、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たすよう、停止目標は、先行列車の後端位置から、対象列車の現在の速度によって決まる常用最大停止距離Eと所与の安全余裕距離Bとの合計距離だけ後方の位置となる。安全余裕距離Bの設定値や、走行速度に基づく常用最大停止距離Eの算出式を含む、列車間隔条件に関する情報は、列車間隔条件情報320として予め記憶されている。
オビ接点算出部206は、第1接近点算出手段に該当し、予測発時刻に次駅を発車した場合の先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、予測発時刻から次駅への到達時刻までの時間が最小となる所与の時隔最小化条件を満たす最接近時の対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「最接近位置」、「最接近速度」及び「最接近時刻」という)を算出する。また、予測発時刻に次駅を発車した場合の先行列車の後端位置から所与の安全余裕距離を少なくとも含む距離だけ後方の位置を表す時空間曲線に対して、次駅に停車する際の対象列車の先端位置から走行速度に応じた常用最大停止距離を少なくとも含む距離だけ前方の位置を表す時空間曲線が、所与の接触条件を満たすような最接近位置、最接近速度及び最接近時刻を算出する。また、1)先行列車に係る時空間曲線を所与の制御許容時間分だけ時刻方向にずらすように仮定する、或いは、2)先行列車に係る時空間曲線と対象列車に係る時空間曲線との時隔が制御許容時間となることを接触条件として、最接近位置、最接近速度及び最接近時刻を算出する。
すなわち、オビ接点算出部206は、対象列車が、移動閉そく方式の列車間隔条件を満たしながら、対象列車が次駅を予測発時刻に発車した場合に、当該先行列車に最接近するときの位置(最接近位置)P、速度(最接近速度)V、及び、時刻(最接近時刻)を表すオビ接点24を算出する。具体的には、列車情報310として与えられている対象列車及び先行列車の走行性能(加速度α、だ行時加速度β、減速度γ)や列車長L、次駅における停止位置P,P、予め与えられる移動閉そく方式の安全余裕距離Bに基づき、上述の式(12)〜(15)に従って、最接近速度V、最接近位置P、及び、最接近時刻を算出する。最接近時刻については、式(14)によれば、先行列車の予測発時刻に対する相対時間として算出されるので、これを予測発時刻に加算することで、最接近時刻を算出することができる。
接近点算出部208は、第2接近点算出手段に該当し、予測発時刻以降も次駅を継続して停車した場合の先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、最接近位置に最接近速度で最接近時刻に到達可能となる最接近時の対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「指定位置」、「指定速度」及び「指定時刻」という)を算出する。
すなわち、接近点算出部208は、予測発時刻を経過しても先行列車が次駅に継続して停車中の場合に、移動閉そく方式の列車間隔条件を満たしながら、対象列車が先行列車に最接近するときの位置(指定位置)P、速度(指定速度)V、及び、時刻(指定時刻)を表す接近点20を算出する。具体的には、列車情報310として与えられている対象列車及び先行列車の走行性能(加速度α、だ行時加速度β、減速度γ)や列車長L、次駅における停止位置P,P、予め与えられる移動閉そく方式の安全余裕距離B、オビ接点の速度(最接近速度)V、に基づき、上述の式(19)〜(21)に従って、指定位置P、指定速度V、及び、指定時刻を算出する。指定時刻については、式(21)によれば、先行列車の予測発時刻に対する相対時間として算出されるので、これを予測発時刻に加算することで、指定時刻を算出することができる。
予測制御運転曲線作成可否判定部210は、先行列車が次駅に停車中である場合に、予測制御の適用が可能であるか、すなわち、予測制御運転曲線の作成が可能であるかを判定する。具体的には、接近点算出部208が算出した接近点に、対象列車が所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達する運転曲線上の案内点を求める。次いで、対象列車の現在の位置及び速度からこの案内点に到達し、案内点から接近点まではだ行運転で到達する最速運転曲線を作成して、この運転曲線に沿って走行した場合の接近点20への到達時刻を、接近点の指定時刻と比較する。そして、到達時刻が指定時刻と同じ或いは早いならば、予測制御の適用は可能、つまり、予測制御運転曲線の作成は可能と判定し、到達時刻が指定時刻より遅いらば、予測制御の実現は不可能、つまり、予測制御運転曲線の作成は不可能と判定する(図11参照)。
予測制御運転曲線作成部212は、作成手段に該当し、対象列車が、だ行運転で、指定位置を指定速度で指定時刻に通過するような運転曲線を作成する。また、指定位置と指定速度とで定まる運転曲線上の点(以下「接近点」という)に、対象列車が所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達する接近点の手前の点(以下「案内点」という)を算出し、案内点を通り、少なくとも案内点から接近点までをだ行運転とする運転曲線を作成する。
すなわち、予測制御運転曲線作成部212は、予測制御運転曲線作成可否判定部210によって作成可能と判定された場合に、対象列車の現在の位置及び速度から案内点に到達し、案内点から接近点まではだ行運転し、接近点20の指定位置を指定速度で指定時刻に通過する予測制御運転曲線を作成する(図12〜図14参照)。
記憶部300は、処理部200が運転曲線作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部102からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、運転曲線作成プログラム302と、列車情報310と、列車間隔条件情報320とが記憶される。
[処理の流れ]
図16は、運転曲線作成処理を説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が運転曲線作成プログラム302を実行することで実現される処理であり、全ての列車それぞれを対象列車として並列的に行われる。なお、列車情報取得部202によって、随時、各列車の最新の位置や速度、予測発時刻の情報が取得されて列車情報310として更新されているものとする。
対象列車について、以下の処理を、所与の計算周期Tで繰り返し行う、先ず、対象列車に予測制御を適用するか否かを判断する。すなわち、先行列車が次駅に停車中ならば(ステップS1:YES)、予測制御を適用すると判断し、続いて、新たに予測制御運転曲線を作成する必要があるか否かを判断する。つまり、先行列車が次駅に停車直後である場合(ステップS3:YES)、或いは、先行列車の次駅の発時刻が変更された場合(ステップS5:YES)には、新たに予測制御運転曲線を作成する必要がある。
この場合、オビ接点算出部206が、対象列車のオビ接点24(最接近位置、最接近速度、最接近時刻)を算出し(ステップS7)、次いで、接近点算出部208が、算出されたオビ接点24に基づき、対象列車の接近点20(指定位置、指定速度、指定時刻)を算出する(ステップS9)。続いて、予測制御運転曲線作成可否判定部210が、算出された接近点20に基づき、予測制御運転曲線を作成可能か否かを判定し、作成可能ならば(ステップS11:YES)、予測制御運転曲線作成部212が、算出された接近点20に基づき、対象列車の予測制御運転曲線を作成し、対象列車に適用する運転曲線とする(ステップS13)。作成又は更新された運転曲線は、対象列車に向けて送信され、対象列車において、走行制御に利用される。
予測制御運転曲線を作成不可能ならば(ステップS11:NO)、最速運転曲線作成部204が、対象列車の現在の位置及び速度から、先行列車の後方に安全に停止するための最速運転曲線を作成し、対象列車に適用する運転曲線とする(ステップS15)。作成又は更新された運転曲線は、対象列車に向けて送信され、対象列車において、走行制御に利用される。
一方、先行列車が次駅に停車直後でない、すなわち、次駅に停車を継続している状態であり(ステップS3:NO)、且つ、先行列車の予測発時刻が変更されていない場合には(ステップS5:NO)、既に作成された予測制御運転曲線を、そのまま、対象列車に継続して適用する。
また、先行列車が駅に停車中でない、すなわち駅間を走行中ならば(ステップS1:NO)、予測制御を適用しないので、最速運転曲線作成部204が、対象列車の現在の位置及び速度から、先行列車の後方に安全に停止するための最速運転曲線を作成し、対象列車に適用する運転曲線とする(ステップS15)。以上の処理を行うと、ステップS1に戻り、計算周期Tが経過後に、同様の処理を繰り返し行う。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、移動閉そく下における予測制御を実現することができる。すなわち、先行列車12の次駅の予測発時刻に応じた接近点20の指定位置、指定速度、及び、指定時刻を算出し、この指定位置を指定速度で指定時刻にだ行運転で到達するような運転曲線を作成し、対象列車10をこの運転曲線に沿って走行するように制御することで、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たしながら、次駅における先行列車12の発車から対象列車の到達までの時間を最短とするように、対象列車10を制御することができる。また、予測発時刻を経過しても先行列車12が発車せずに停車を継続した場合であっても、対象列車10は、ブレーキをかけて安全に先行列車の後方に停止することができる。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)接触条件
上述の実施形態では、オビ接点24の算出にあたり、先行列車12の後端位置の走行軌跡42を、計算周期Tだけ時刻方向に遅らせるようにずらし、更に、安全余裕距離Bだけ後方にずらした先行列車占有位置曲線46と、対象列車10の常用最大停止位置曲線54とが、交差せずにある一点22で接触する接触条件を満たすとして、オビ接点24を算出することとした(図2参照)。これを、先行列車12の走行軌跡42を安全余裕距離Bだけ後方にずらした時空間曲線を生成し、この時空間曲線が、対象列車10の常用最大停止位置曲線54と、所定の接触距離をおいて最接近することを接触条件として、オビ接点24を算出することにしても良い。接触距離は、例えば、先行列車12が計算周期TCの間の走行距離に相当するとすることができる。
(B)運転曲線作成装置
上述の実施形態では、運転曲線作成装置1が、全ての列車の運転曲線を作成することとして説明したが、各列車の車上に、自列車を対象列車とする運転曲線作成装置1を搭載して、車上で運転曲線を作成するようにしてもよい。その場合、列車間で列車情報310を相互に送受する構成としたり、地上装置を介して前後の列車の列車情報310を取得可能な構成とする。
1 運転曲線作成装置
200 処理部
202 列車情報取得部、204 最速運転曲線作成部
206 オビ接点算出部、208 接近点算出部
210 予測制御運転曲線作成可否判定部、212 予測制御運転曲線作成部
300 記憶部
302 運転曲線作成プログラム
310 列車情報、320 列車間隔条件情報
10 対象列車、12 先行列車
20 接近点、24 オビ接点

Claims (5)

  1. コンピュータに、次駅に停車中の先行列車の予測発時刻に応じた後続列車である対象列車の運転曲線を作成させるためのプログラムであって、
    前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記予測発時刻から前記次駅への到達時刻までの時間が最小となる所与の時隔最小化条件を満たす最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「最接近位置」、「最接近速度」及び「最接近時刻」という)を算出する第1接近点算出手段、
    前記予測発時刻後も前記次駅を継続して停車していると仮定した場合の前記先行列車の位置から安全に停車できる距離として定められた所定距離隔てた後方の位置に前記対象列車が停車するためのブレーキ曲線上に定められる所与の指定位置、所与の指定速度及び所与の指定時刻であって、前記対象列車が当該指定位置を当該指定速度で当該指定時刻に通過してから、だ行運転により、前記第1接近点算出手段が算出した前記先行列車が前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記最接近位置に前記最接近速度で前記最接近時刻に到達可能となる前記指定位置、前記指定速度及び前記指定時刻算出する第2接近点算出手段、
    前記対象列車が、だ行運転で、前記指定位置を前記指定速度で前記指定時刻に通過するような運転曲線を作成する作成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  2. 前記第1接近点算出手段は、
    前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車の後端位置から所与の安全余裕距離を少なくとも含む距離だけ後方の位置を表す時空間曲線に対して、前記次駅に停車する際の前記対象列車の先端位置から走行速度に応じた常用最大停止距離を少なくとも含む距離だけ前方の位置を表す時空間曲線が、所与の接触条件を満たすような前記最接近位置、前記最接近速度及び前記最接近時刻を算出する、
    請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記第1接近点算出手段は、
    1)前記先行列車に係る時空間曲線を所与の制御許容時間分だけ時刻方向にずらすように仮定する、或いは、2)前記先行列車に係る時空間曲線と前記対象列車に係る時空間曲線との時間間隔が前記制御許容時間となることを前記接触条件として、前記最接近位置、前記最接近速度及び前記最接近時刻を算出する、
    請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記作成手段は、
    前記指定位置と前記指定速度とで定まる運転曲線上の点(以下「接近点」という)に、前記対象列車が所定時間或いは所定距離のだ行運転で到達する前記接近点の手前の点(以下「案内点」という)を算出し、前記案内点を通り、少なくとも前記案内点から前記接近点までをだ行運転とする前記運転曲線を作成する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
  5. 次駅に停車中の先行列車の予測発時刻に応じた後続列車である対象列車の運転曲線を作成する運転曲線作成装置であって、
    前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記先行列車に対して、移動閉そく方式による列車間隔条件を満たした最接近であって、最接近時の運転をだ行運転とし、且つ、前記予測発時刻から前記次駅への到達時刻までの時間が最小となる所与の時隔最小化条件を満たす最接近時の前記対象列車の位置、速度及び時刻(以下、それぞれを、「最接近位置」、「最接近速度」及び「最接近時刻」という)を算出する第1接近点算出手段と、
    前記予測発時刻後も前記次駅を継続して停車していると仮定した場合の前記先行列車の位置から安全に停車できる距離として定められた所定距離隔てた後方の位置に前記対象列車が停車するためのブレーキ曲線上に定められる所与の指定位置、所与の指定速度及び所与の指定時刻であって、前記対象列車が当該指定位置を当該指定速度で当該指定時刻に通過してから、だ行運転により、前記第1接近点算出手段が算出した前記先行列車が前記予測発時刻に前記次駅を発車した場合の前記最接近位置に前記最接近速度で前記最接近時刻に到達可能となる前記指定位置、前記指定速度及び前記指定時刻算出する第2接近点算出手段と、
    前記対象列車が、だ行運転で、前記指定位置を前記指定速度で前記指定時刻に通過するような運転曲線を作成する作成手段と、
    を備えた運転曲線作成装置。
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