JP6813683B2 - フリーザ及びフリーザの冷却方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、ボトル詰め食品を立ち姿勢のままコンベアで搬送しながら散水により冷却する場合に、搬送中のボトルを回転させ、散水をボトル周方向の広範囲に当てることで冷却効果を向上させる冷却装置が開示されている。この装置のボトル回転手段は、ボトルの側面を固定部材に持たせ掛けた状態で底面の一部を固定板に接触させ、該底面の他の領域をコンベア上に載せることで、回転させるようにしている。
特許文献2に開示された冷却装置は、立ち姿勢のボトルを回転させるときボトルが倒れるおそれがあり、これによって、処理効率が低下するという問題がある。また、この冷却装置は、ボトルの側面を固定部材に持たせ掛けながら回転させるので、横断面が角形のボトルを回転できないおそれがある。
一実施形態は、フリーザで立ち姿勢の被冷却物を搬送しながら冷却する場合、被冷却物の冷却効果を高め、かつ被冷却物の倒れを防止して冷却効果の低下を抑制することを目的とする。
ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザであって、
前記被冷却物搬送用コンベア上の被冷却物の側方で前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記被冷却物に冷気を吹き付ける冷気吹出口を有する第1冷気吹出部を備え、
前記冷気吹出口は、スリット状冷気吹出口又はパンチング孔を含んで構成され、かつ、高さ方向で一番高い位置と一番低い位置との距離が前記スリット状冷気吹出口のスリット幅又は前記パンチング孔の孔径の4倍以上となるように配置される。
なお、ここで「高さ方向」とは、被冷却物搬送用コンベアの搬送面に対して直交する方向を言う。また、ここで「冷却」とは、「被冷却物の凍結点より高い温度での冷却又は被冷却物の凍結点以下の温度での冷凍」を意味する。
前記冷気吹出口は複数の前記パンチング孔を含んで構成され、
前記複数のパンチング孔は、前記高さ方向で前記パンチング孔の孔径の6倍以上の領域に分散して配置される。
上記(2)の構成によれば、冷気吹出口は複数のパンチング孔を含んで構成され、複数のパンチング孔は、高さ方向でパンチング孔の孔径の6倍以上の領域に分散して配置されるため、立ち姿勢の被冷却物に対してさらなる冷却効果を得るための風速と高さ方向の冷気吹付け範囲を確保できる。また、上記数値範囲下でパンチング孔を小径とすることで、冷気の風速を増加しやすい。さらに、パンチング孔は加工が容易であるため、第1冷気吹出部の製造コストを節減できる。
前記複数のパンチング孔は少なくとも一つの列を形成するように配置され、該列は前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面に対して傾斜している。
上記(3)の構成によれば、パンチング孔を高さ方向に分散させて均一に配置できるので、高さ方向で冷却効果が不足する領域をなくすことができる。
前記冷気吹出口は1個以上の前記スリット状冷気吹出口で構成され、
前記スリット状冷気吹出口は、前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面に対して傾斜して設けられる。
上記(4)の構成によれば、スリット状冷気吹出口を高さ方向で連続的に配置できるので、高さ方向で冷却効果が不足する領域をなくすことができる。また、パンチング孔と比べて、冷気吹出口から吹き出す冷気の総風量に対して被冷却物に当たる冷気量の割合(以下「実吹付率」とも言う。)を増加できる。
前記スリット状冷気吹出口は、前記搬送方向に沿って前記搬送面に対して同一高さ領域で同じパターンのスリット状冷気吹出口が繰り返し配置される。即ち、基準位置が同じ高さにある複数の同一パターンのスリット状冷気吹出口が搬送方向に沿って配置される。
上記(5)の構成によれば、上記スリット状冷気吹出口の高さ領域を被冷却物に対して冷却効果を得るために必要な高さ方向の冷気吹付け範囲に合わせることで、該冷気吹付け範囲に繰り返し冷気を吹き付けることができる。そのため、被冷却物の高さ方向全域で冷却効果を向上できる。
前記第1冷気吹出部は、前記被冷却物搬送用コンベア上の前記被冷却物に対して両側方に設けられた一対の冷気吹出部で構成され、
一方の前記冷気吹出部に設けられた前記冷気吹出口は、前記搬送面に接近する方向へ傾斜し、他方の前記冷気吹出部に設けられた前記冷気吹出口は、前記搬送面から離れる方向へ傾斜している。
上記冷気吹出部がパンチング孔で構成される場合、パンチング孔は少なくとも一つの列を形成するように配置され、該列はコンベアの搬送面に対して傾斜するように配置される。
前記一方の冷気吹出部に設けられた前記冷気吹出口と前記他方の冷気吹出部に設けられた前記冷気吹出口とは、前記搬送面に対する傾斜角の絶対値が同一(搬送面に対する傾斜方向が異なり、かつ傾斜角が同一)である。
上記(7)の構成によれば、コンベアの両側に配置される冷気吹出部を製造する場合に、2個の冷気吹出部に冷気吹出口を同じ位置に形成し、一方の冷気吹出部を裏表反転させることで、搬送面に対する傾斜方向が異なり、かつ傾斜角が同一の冷気吹出口を有する一対の冷気吹出部を容易に製造できる。
前記冷気吹出口は複数の冷気吹出口で構成され、
前記複数の冷気吹出口の各々は、前記高さ方向に沿って配置され、かつ、前記搬送方向に沿って互いに間隔を置いて並列に配置される。
上記(8)の構成によれば、被冷却物が立ち姿勢で搬送される容器のような背の高いものであっても、高さ方向で均一に冷却又は冷凍できる。また、高さが異なる被冷却物を立ち姿勢で搬送するとき、冷気吹出口の配置が容易であると共に、被冷却物の大きさや数に対応させて搬送方向の冷気吹出口間の間隔を調整することで、傾斜配置されるスリット状冷気吹出口より実吹付率を増加できる。
前記第1冷気吹出部は、前記被冷却物搬送用コンベア上の前記被冷却物に対して両側方に設けられる一対の冷気吹出部で構成され、
前記一対の冷気吹出部に設けられた前記冷気吹出口は、前記搬送方向における同一位置において前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面との距離が同一となるように配置される。
上記(9)の構成によれば、被冷却物に対して両側から同時に同じ高さで冷気を吹き付けできるので、被冷却物を部分的に集中して冷却でき、これによって、冷却効率を向上できる。また、被冷却物が立ち姿勢で搬送される容器に収容される場合においても、容器の周方向全域に亘り冷気が迂回するため、周方向全域で均一に被冷却物を冷却又は冷凍できる。また、高さ方向で部分的に集中している被冷却物に対して冷却効果を高めることができる。
前記第1冷気吹出部は、前記被冷却物搬送用コンベアの幅方向に移動可能に構成される。
上記(10)の構成によれば、コンベア上を搬送される被冷却物の大きさ又は形状に合わせて冷却効果を最大限に発揮できるコンベア幅方向位置に第1冷気吹出部を配置できる。
前記被冷却物搬送用コンベアの下方で前記搬送方向に沿って延在し、前記第1冷気吹出部に冷気を供給するためのダクトであって、側方に冷気取入口が形成されたダクトを備え、
前記第1冷気吹出部から吹き出された冷気が前記ハウジングの内部空間で前記被冷却物搬送用コンベアより上方の空間を通って前記冷気取入口に戻る冷気循環流が形成される。
上記(11)の構成によれば、第1冷気吹出部に冷気を供給するための上記ダクトがコンベアの下方のみに設けられ、コンベアの上方に設けられないため、コンベアの上方に被冷却物を冷却した後の冷気を逃す空間を形成しやすくなる。これによって、第1冷気吹出部から吹き出され被冷却物の冷却に供された後の冷気がコンベアの上方空間を介してダクトの上記冷気取入口に戻る冷気循環流を形成できると共に、該冷気循環流の圧力損失を軽減できる。
ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザであって、
前記被冷却物搬送用コンベア上の被冷却物の側方で前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記被冷却物に冷気を吹き付けるための第1冷気吹出部と、
前記被冷却物搬送用コンベア上を立ち姿勢で搬送される被冷却物を収容する容器の頭部に回転力を与えて前記容器を回転可能な容器回転部と、
を備える。
ここで「頭部」とは、容器の蓋部及び蓋部と同様に容器本体(被冷却物貯留部)より径が縮小した蓋部周辺の領域を含む領域を言う。
前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向において、前記容器回転部は前記第1冷気吹出部が設けられる領域に設けられる。
上記(13)の構成によれば、コンベア搬送方向の少なくとも1つの領域において、冷気の吹付けと容器の回転とを同時に行うことで冷却効果を向上できると共に、容器内の被冷却物を容器の周方向に沿って均一に冷却又は冷凍できる。
前記容器回転部は前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面との距離を調整可能に構成される。
上記(14)の構成によれば、頭部の高さが異なる容器に対しても、頭部の高さに合わせて容器回転部の高さを調整できる。従って、異なる高さの容器を回転できる。
前記容器回転部は、
前記頭部の両側に接触して前記容器に回転力を付加可能な一対のベルトと、
前記一対のベルトを前記被冷却物搬送用コンベアの前記搬送方向へ互いに異なる速度で駆動させるための駆動部と、
を含む。
上記(15)の構成によれば、頭部の両側を上記一対のベルトで挟み、かつ一対のベルトの駆動速度をコンベアの搬送速度に同調させることで、容器を倒さずに回転できる。また、一対のベルトの駆動速度差を調整することで容器の回転角度を調整できる。
前記一対のベルト間の間隔が調整可能に構成される。
上記(16)の構成によれば、容器の頭部の径に合わせて、一対のベルト間の間隔を調整することで、容器の頭部の径が変わっても容器を回転できる。
前記容器回転部の前記搬送方向入口側に設けられ、前記容器を前記容器回転部に導くためのガイド部材を備える。
上記(17)の構成によれば、上記ガイド部材によって立ち姿勢の容器を倒さずに容器回転部に導くことができる。これによって、容器を確実に回転できる。
前記ガイド部材は、前記被冷却物搬送用コンベアの上方で前記頭部と同じ高さに設けられ、前記頭部に接触可能に構成される。
上記(18)の構成によれば、上記構成のガイド部材によって頭部を直接ガイドできるので、容器を確実に容器回転部に導くことができる。
前記ガイド部材は、前記被冷却物搬送用コンベアの上方で前記容器の被冷却物貯留部に接触可能な位置に設けられる。
上記(19)の構成によれば、上記構成のガイド部材は容器の被冷却物貯留部に接触することで容器を容器回転部に案内可能であるため、容器の高さ方向においてガイド部材の設置位置の自由度を広げることができる。
前記被冷却物搬送用コンベアの下方に設けられ、前記被冷却物搬送用コンベアの下面に向けて冷気を吹き出し可能な第2冷気吹出部を備える。
上記(20)の構成によれば、第1冷気吹出部に加えて上記第2冷気吹出部を備えることで、被冷却物に対して冷気を側方及び下方から同時に吹き付けることができる。これによって、被冷却物の冷却効果をさらに向上できる。また、第2冷気吹出部を備えるために、被冷却物が液状であって液状の被冷却物を冷凍する場合、被冷却物を下方部位から先に凍結できるので、凍結物に残留する気泡の残留率を低減できる。
ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザを用い、前記被冷却物搬送用コンベアで搬送される被冷却物を冷却する冷却方法であって、
前記被冷却物は、中空柱状の被冷却物貯留部と、該被冷却物貯留部より小径の頭部と、該被冷却物貯留部と該頭部との間に形成された縮径部とを含んで構成される容器に貯留され、
前記被冷却物搬送用コンベア上を立ち姿勢で搬送される前記容器に対し、前記容器の側方から冷気を吹き付ける第1冷気吹付けステップを含み、
前記第1冷気吹付けステップにおいて、前記被冷却物貯留部の高さ方向中点を中心として高さ方向で前記被冷却物貯留部の50%以上の領域に冷気を吹き付ける。
前記第1冷気吹付けステップにおいて、高さ方向で前記被冷却物貯留部の全域に冷気を吹き付ける。
上記(22)の方法によれば、高さ方向で前記被冷却物貯留部の全域に冷気を吹き付けるために、さらに冷却効果を高めることができる。
前記被冷却物搬送用コンベアの下方から前記被冷却物搬送用コンベアの下面に冷気を吹き付ける第2冷気吹付けステップを含む。
上記(23)の方法によれば、上記第2冷気吹付けステップによって、被冷却物が液状であって液状の被冷却物を冷凍する場合、被冷却物を容器の底部側から先に冷凍できるため、凍結物に残留する気泡の残留率を低減できる。
前記第1冷気吹付けステップにおいて、前記容器を長手軸中心に回転させる回転ステップを含む。
上記(24)の方法によれば、コンベアで立ち姿勢で搬送される容器を長手軸中心に回転させることで、冷気を容器の周方向に均一に吹き付けることができる。これによって、容器内の被冷却物を容器の周方向で均一に冷却又は冷凍できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
フリーザ10は、内部に冷却空間を形成可能なハウジング12を備え、ハウジング12の外部から内部に導設されたコンベア14が設けられている。コンベア14で搬送される被冷却物Cの側方に被冷却物Cに冷気を吹き付けるための冷気吹出口18を有する冷気吹出部16(第1冷気吹出部)が設けられる。冷気吹出部16はコンベア14の搬送方向(矢印a方向)に沿って延在する。
容器Bには横断面が円形、楕円形等の円弧状の容器と角形の容器とがあるが、冷気をコンベア14の両側から吹き付けることで、冷気を容器Bの周方向全周に亘り迂回させることができるので、容器Bの周方向全域で均一に冷却又は冷凍できる。
この実施形態によれば、複数のパンチング孔18(18b)が高さ方向でパンチング孔の孔径pの6倍以上の領域に分散して配置されるため、被冷却物に対してさらなる冷却効果を得るための風速と高さ方向の冷気吹付け範囲とを確保できる。また、上記数値範囲下でパンチング孔18(18b)を小径とすることで、冷気の風速を増加しやすい。さらに、パンチング孔は加工が容易であるため、冷気吹出部16の製造コストを節減できる。
なお、パンチング孔18(18b)の形状は通常円形でよいが、特に円形に限定されない。
一実施形態では、コンベア14の搬送面を構成するコンベアベルト14aは、図4に示すように、チェーンなどで組み立られ、冷気が通過可能なメッシュ状に構成される。別な実施形態では、コンベアベルト14aは熱伝導率が高いステンレス板などを用い、冷気が通過できない遮蔽面で構成される。この実施形態では、被冷却物Cの底面は冷気で冷却された搬送面との接触で冷却される。
この実施形態によれば、パンチング孔を高さ方向で分散させて均一に配置できるので、高さ方向で冷却効果が不足する領域をなくすことができる。列dの搬送面に対する傾斜角θは、パンチング孔間の間隔にもよるが、傾斜角θが小さいほどパンチング孔の配置を高さ方向で密に配置できるため、高さ方向で冷気が吹き出されない領域をなくすことができる。例えば、パンチング孔の間隔にもよるが、傾斜角θは20°以下、好ましくは10°以下とするのがよい。
この実施形態によれば、スリット状冷気吹出口18(18a)を高さ方向で連続的に配置できるので、高さ方向で冷却効果が不足する領域をなくすことができる。また、パンチング孔と比べて、冷気吹出口から吹き出す冷気の総風量に対して被冷却物Cに当たる冷気量の実吹付率を増加できる。
この実施形態によれば、スリット状冷気吹出口18(18a)の高さ領域を被冷却物Cに対して冷却効果を得るために必要な高さ方向の冷気吹付け範囲に合わせることで、該冷気吹付け範囲に繰り返し冷気を吹き付けることができる。そのため、被冷却物Cの高さ方向全域で冷却効果を向上できる。
ここで、「高さ方向に沿って配置される」とは、搬送面に直交する方向に対して30°以内の角度で配置されることを言う。
被冷却物貯留部c1と縮径部c2との間に肩部c4が形成される。頭部c3は、例えば縮径部c2に着脱可能に装着される蓋部を有するタイプと、縮径部c2に一体に形成され、被冷却液wを容器Bから取り出すときは、頭部c3に孔を開けるタイプのものがある。容器内の被冷却液wの液面の高さにもよるが、距離hは、被冷却物貯留部c1の高さ以上に設定するのが好ましい。しかし、距離hは最低限被冷却物貯留部c1の高さの1/2以上必要と考えれば、容器Bが小型の場合、距離hはスリット幅sの6倍以上、パンチング孔径pの7倍以上とするのがよい。また、容器Bが中型の場合、距離hはスリット幅sの11倍以上、パンチング孔径pの13倍以上とするのがよい。また、容器Bが大型の場合、距離hはスリット幅sの14倍以上、パンチング孔径pの17倍以上とするのがよい。
冷気吹出部16がパンチング孔18(18b)で構成される場合、パンチング孔は少なくとも一つの列dを形成するように配置され、該列dはコンベア14の搬送面に対して傾斜するように配置される。
この実施形態によれば、コンベア14の両側に配置される冷気吹出部16(16a、16b)を製造する場合に、これら2個の冷気吹出部に冷気吹出口18を同じ位置に形成し、一方の冷気吹出部を裏表反転させることで、搬送面に対する傾斜方向が異なり、かつ傾斜角が同一の冷気吹出口を有する一対の冷気吹出部16(16a、16b)を容易に製造できる。
この実施形態によれば、被冷却物Cに対して両側から同時に同じ高さで冷気を吹き付けできるので、被冷却物Cの一部に集中して冷却でき、これによって、冷却効率を向上できる。また、被冷却物Cが立ち姿勢で搬送される容器Bに収容される被冷却液wの場合であっても、容器Bの周方向全域に亘り冷気rが迂回するため、周方向全域で均一に被冷却液wを冷却又は冷凍できる。また、高さ方向で部分的に集中している被冷却物Cに対して冷却効果を高めることができる。
一実施形態では、図8に示すように、冷気吹出部16(16a、16b)は、コンベア14の幅方向(矢印b方向)に移動可能に構成される。この実施形態によれば、コンベア14の幅方向において、コンベア上を搬送される被冷却物Cの大きさ又は形状に合わせて冷却効果を最大限に発揮できる位置に冷気吹出部16を配置できる。
一実施形態では、冷気吹出部16は冷気循環流Frを導入可能なダクト28及び30で構成される。ダクト28及び30は支持フレーム42に固定されたダクト支持枠29に嵌装され、ダクト30は、被冷却物Cに対向する冷気吹出面30aにスリット状冷気吹出口18が形成されている。ダクト30はダクト支持枠29に遊嵌され、コンベア幅方向に移動可能であり、かつダクト30の側面に横方向に長辺を有する長孔44が形成されている。ダクト30はコンベア幅方向の位置を位置決めされた後、ボルト46でダクト28に固定される。
この実施形態によれば、冷気吹出部16に冷気を供給するためのダクト32がコンベア14の下方のみに設けられ、コンベア14の上方に設けられていないため、コンベア14の上方に被冷却物Cを冷却した後の冷気を逃す空間を形成しやすくなる。これによって、冷気吹出部16から吹き出され被冷却物Cの冷却に供された後の冷気が、コンベア14の上方空間を介してダクト32の冷気取入口32aに戻る冷気循環流Frを形成できると共に、コンベア14の上方に冷気を通す空間が形成されるため、冷気循環流Frの圧力損失を軽減できる。
この実施形態によれば、冷気吹出部16に加えて冷気吹出部66を備えることで、被冷却物Cに対して冷気を側方及び下方から同時に吹き付けることができる。これによって、被冷却物Cの冷却効果をさらに向上できる。また、冷気吹出部66を備えるために、被冷却物Cが被冷却液wであって、フリーザ10で被冷却液wを冷凍する場合、被冷却液wを下方部位から先に凍結できるので、凍結物に残留する気泡の残留率を低減できる。
上記構成によれば、容器Bをコンベア上で搬送しながら容器回転部50によって容器Bを回転させることで、冷気吹出部16から吹き出す冷気を容器Bの周方向に均一に吹き付けることができる。これによって、容器内の被冷却液wを容器Bの周方向で均一に冷却又は冷凍できる。
一実施形態では、容器Bの頭部c3に頭部c3を開閉可能な蓋部を有し、容器回転部50は該蓋部に回転力を与えて容器を回転させる。
この実施形態によれば、コンベア搬送方向の少なくとも1つの領域において、冷気の吹付けと容器Bの回転とを同時に行うことで冷却効果をさらに向上できると共に、容器内の被冷却液wを容器の周方向に沿って均一に冷却又は冷凍できる。
この実施形態によれば、頭部c3の高さが異なる容器Bに対しても、頭部の高さに合わせて容器回転部50の高さを調整できる。従って、異なる高さの容器を回転できる。
この実施形態によれば、頭部c3の両側を一対のベルト52で挟み、かつ一対のベルト52の駆動速度をコンベア14の搬送速度に同調させることで、容器Bを倒さずに回転できる。また、一対のベルト52の駆動速度差を調整することで容器Bの回転角度を調整できる。
一実施形態では、駆動部54は一対のベルト52を互いに逆方向へ駆動可能に構成される。ベルト52の一方をコンベア搬送方向へ移動させ、他方をコンベア搬送方向と逆方向へ移動させることで、容器Bの回転角度を増加できる。また、これらベルトの走行速度差を調整することで、容器Bの回転角度を調整できる。
この実施形態によれば、容器Bの頭部c3の径に合わせて、一対のベルト52間の間隔を調整することで、頭部c3の径が変わっても容器Bを回転できる。
具体的なベルト間隔調整手段として、例えば、駆動部54及び従動側のプーリ56を支持板58に対してコンベア幅方向位置を調整可能に取り付け、頭部c3の径に合わせてそれらのコンベア幅方向取付け位置を調整する。
なお、別な実施形態として、ベルト52を弾性部材で構成し、一対のベルト52間で異なる頭部径の容器Bの挟み込みを許容できるようにする。
この実施形態によれば、ガイド部材64によって容器Bを容器回転部50に導くことができ、これによって、容器Bを確実に回転できる。
この実施形態によれば、ガイド部材64(64a)によって頭部c3を直接ガイドできるので、容器Bを確実に容器回転部50に導くことができる。
この実施形態によれば、ガイド部材64(64b)は被冷却物貯留部c1に接触することで容器Bを容器回転部50に案内可能である。被冷却物貯留部c1は上下方向で頭部より大きい寸法を有するため、容器Bの高さ方向においてガイド部材64(64b)の設置位置の自由度を広げることができる。
一実施形態では、図10に示すように、ガイド部材64(64b)のうちコンベア搬送方向においてプーリ56間に位置する部位は、一対のベルト52間にある容器Bから離れる方向へ傾斜している。これによって、容器Bの横断面が矩形であるとき、容器Bの回転時に容器の角部が上記部位に当たって回転が妨げられるのを防止できる。
この冷却方法では、コンベア14上を立ち姿勢で搬送される容器Bに対し、容器Bの側方から冷気を吹き付ける第1冷気吹付けステップS10を行う。第1冷気吹付けステップS10では、図7に示すように、被冷却物貯留部c1の高さ方向中点Mを中心として高さ方向で被冷却物貯留部c1の50%以上の領域に冷気を吹き付ける。同図において、E1は、中点Mを中心として高さ方向で被冷却物貯留部c1の50%の領域を示す。
この実施形態によれば、高さ方向で被冷却物貯留部c1の全域E2に冷気を吹き付けるために、さらに冷却効果を高めることができる。
この実施形態によれば、コンベア14で立ち姿勢で搬送される容器Bを長手軸中心に回転させることで、冷気を容器Bの周方向に均一に吹き付けることができる。これによって、容器内の被冷却液wを容器Bの周方向で均一に冷却又は冷凍できる。
また、一実施形態によれば、被冷却物が立ち姿勢で搬送される容器に収容される場合であっても、容器の倒れを防止して冷却効果の低下を抑制できる。
12 ハウジング
12a 入口
12b 出口
14 コンベア
14a コンベアベルト
16(16a、16b) 冷気吹出部(第1冷気吹出部)
18(18a、18c) スリット状冷気吹出口
18(18b) パンチング孔
20 冷気形成部
22 熱交換器
24 送風機
26、40 駆動部
28、30、32 ダクト
30a 冷気吹出面
32a 冷気取入口
29 ダクト支持枠
31 ノズル
34 駆動スプロケット
35 軸
36 従動スプロケット
38 ガイドローラ
42、62 支持フレーム
44 長孔
46 ボルト
50 容器回転部
52 ベルト
54 駆動部
56 プーリ
58 支持板
60 支持棒
64(64a、64b) ガイド部材
66 冷気吹出部(第2冷気吹出部)
68 ノズル
70 増速部
72 助走部
B 容器
C 被冷却物
c1 被冷却物貯留部
c2 縮径部
c3 頭部
c4 肩部
Fr 冷気循環流
M 中点
h 距離
o 基準位置
p パンチング孔径
r 冷気
s スリット幅
w 被冷却液
Claims (8)
- ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザであって、
前記被冷却物搬送用コンベア上の被冷却物の側方で前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記被冷却物に冷気を吹き付ける冷気吹出口を有する第1冷気吹出部を備え、
前記冷気吹出口は、スリット状冷気吹出口又はパンチング孔を含んで構成され、かつ、高さ方向で一番高い位置と一番低い位置との距離が前記スリット状冷気吹出口のスリット幅又は前記パンチング孔の孔径の4倍以上となるように配置され、
前記第1冷気吹出部は、
前記搬送方向に直交する断面内において、前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面より高所にて該搬送面の幅方向端を横切るように延在し、前記搬送面の上方空間にせり出したダクト先端部に前記冷気吹出口を有する第1ダクト
を含む
ことを特徴とするフリーザ。 - 前記冷気吹出口は複数の前記パンチング孔を含んで構成され、
前記複数のパンチング孔は、前記高さ方向で前記パンチング孔の孔径の6倍以上の領域に分散して配置されることを特徴とする請求項1に記載のフリーザ。 - 前記冷気吹出口は1個以上の前記スリット状冷気吹出口で構成され、
前記スリット状冷気吹出口は、上下方向に関して前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面に対して傾斜して設けられることを特徴とする請求項1に記載のフリーザ。 - ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザであって、
前記被冷却物搬送用コンベア上の被冷却物の側方で前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記被冷却物に冷気を吹き付ける冷気吹出口を有する第1冷気吹出部を備え、
前記冷気吹出口は、スリット状冷気吹出口又はパンチング孔を含んで構成され、かつ、高さ方向で一番高い位置と一番低い位置との距離が前記スリット状冷気吹出口のスリット幅又は前記パンチング孔の孔径の4倍以上となるように配置され、
前記被冷却物搬送用コンベアの下方で前記搬送方向に沿って延在し、前記第1冷気吹出部に冷気を供給するためのダクトであって、側方に冷気取入口が形成されたダクトを備え、
前記第1冷気吹出部から吹き出された冷気が前記ハウジングの内部空間で前記被冷却物搬送用コンベアより上方の空間を通って前記冷気取入口に戻る冷気循環流が形成されることを特徴とするフリーザ。 - ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザであって、
前記被冷却物搬送用コンベア上の被冷却物の側方で前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に沿って延在し、前記被冷却物に冷気を吹き付ける冷気吹出口を有する第1冷気吹出部と、
前記被冷却物搬送用コンベア上を立ち姿勢で搬送される前記被冷却物を収容する容器の頭部に回転力を与えて前記容器を回転可能な容器回転部と、
を備えることを特徴とするフリーザ。 - 前記搬送方向において、前記容器回転部は前記第1冷気吹出部が設けられる領域に設けられることを特徴とする請求項5に記載のフリーザ。
- 前記容器回転部は、
前記頭部の両側に接触して前記容器に回転力を付加可能な一対のベルトと、
前記一対のベルトを前記被冷却物搬送用コンベアの前記搬送方向へ互いに異なる速度で移動させるための駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のフリーザ。 - ハウジングと、前記ハウジングの内外に設けられた被冷却物搬送用コンベアと、を備えるフリーザを用い、前記被冷却物搬送用コンベアで搬送される被冷却物を冷却する冷却方法であって、
前記被冷却物は、中空柱状の被冷却物貯留部と、該被冷却物貯留部より小径の頭部と、該被冷却物貯留部と該頭部との間に形成された縮径部とを含んで構成される容器に貯留され、
前記被冷却物搬送用コンベア上を立ち姿勢で搬送される前記容器に対し、前記容器の側方から冷気を吹き付ける第1冷気吹付けステップを含み、
前記第1冷気吹付けステップでは、前記被冷却物搬送用コンベアの搬送方向に直交する断面内において、前記被冷却物搬送用コンベアの搬送面より高所にて該搬送面の幅方向端を横切るように延在する第1ダクトのうち、前記搬送面の上方空間にせり出したダクト先端部に設けられた冷気吹出口から、前記被冷却物貯留部の高さ方向中点を中心として高さ方向で前記被冷却物貯留部の50%以上の領域に冷気を吹き付けることを特徴とするフリーザの冷却方法。
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