JP6813099B2 - ガラス基板および光学部品 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板およびこれを用いた光学部品に関する。
ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置などに用いられるガラスとしては、画像の広角化、高輝度・高コントラスト化、導光特性向上、回折格子の加工容易性などの面から高屈折率(例えば、屈折率nが1.68以上)が求められ、また、軽量化のためにガラスの薄板化が求められる。また、従来、車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどの用途に、小型で撮像画角の広い撮像ガラスレンズが用いられており、このような撮像ガラスレンズに対しては、より小型で広い範囲を撮影するために、高屈折率が求められる。
また、上記ウェアラブル機器において、人間の目に仮想イメージを知覚させる際に、快適で自然に感じるようにさせるには、一般に導波路となるガラス基板を積層して構成される(例えば、特許文献1参照)。
日本国特表2017−531840号公報
このような用途に使用されるガラス基板は、透明性を長期間、良好に保持することが求められるが、ガラス基板が空気等に触れてしまうと、基板自体が白曇りするヤケと呼ばれる現象が発生する場合がある。
これは、積層されるガラス基板間を封止する際、樹脂封止では気密性が低下し易く、また、完全に気密にすることがそもそも難しい等により、ガラス基板の表面を空気と接触させないようにすることが困難であり、上記ウェアラブル機器でも発生する可能性が高い。
また、場合によっては、部分的にガラス基板が露出してしまうこともあり、その場合には上記現象が顕著なものとなる。
さらに、ガラス基板上には、その求める機能に応じて、硬化性樹脂により回折格子等を形成することがあり、その場合、樹脂がガラス基板表面の近傍に存在するため、この樹脂が汚染源となってガラス基板の表面が変質する可能性もある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、ヤケ等によるガラス基板表面の変質を抑制し、光学特性を維持し得るガラス基板およびこれを用いた光学部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガラス基板の表層における反応因子成分の存在量を所定の範囲まで低減させることで、ヤケ等による表面の変質を抑制し、透明性等の特性を維持し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のガラス基板は、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種を反応因子成分として含有し、ガラス基板の表面側において前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が内部に対して低下している表面欠乏層を有し、表面欠乏層における前記反応因子成分の合計欠乏量(mol/cm)が、1.00×10−8以上であり、かつ屈折率(n)が1.68以上であることを特徴とする。なお、内部とは、前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が深さ方向で一定となる深さ領域のことである。
本発明の他のガラス基板は、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種を反応因子成分として含有し、内部における前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)に対する最表層0〜10nm領域における前記反応因子成分の合計モル濃度の平均値が、低下率として35.0%以上100.0%以下であり、かつ屈折率(n)が1.68以上であることを特徴とする。なお、内部とは、前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が深さ方向で一定となる深さ領域のことである。
本発明の光学部品は、本発明のガラス基板を有することを特徴とする。
本発明のガラス基板および光学部品によれば、ヤケ等による表面の変質を抑制し、透明性等の特性を長時間維持し得ることができる。このガラス基板を屈折率の高いガラスで形成した場合には、信頼性の高いウェアラブル機器を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態である光学部品の概略構成を示した図である。 図2は、本発明の一実施形態である光学部品をヘッドマウントディスプレイに適用したときの構成および機能を説明するための図である。 図3は、本発明の第3の実施形態におけるガラス基板の色度について、色度図における色度範囲を示した図である。 図4は、本発明の例4で得られたガラス基板のLi、Na、Kおよび合計アルカリ金属(Total)の深さ方向プロファイルを示した図である。
以下、本発明のガラス基板および光学部品について、実施形態を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[ガラス基板]
本実施形態のガラス基板は、公知のガラス基板を特に限定せずに用いることができ、そのようなガラス基板において、ガラス基板内部よりも表層における、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の反応因子成分の存在量を低減させたものである。
例えば、本実施形態のガラス基板のLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分の表層における欠乏量(mol/cm)が、1.00×10−8以上1.20×10−7以下であることが好ましい。
また、本実施形態のガラス基板の内部のLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分モル濃度(mol/cm)に対する最表層0〜10nm領域における前記成分のモル濃度(mol/cm)の平均値が、低下率として35.0%以上100.0%以下であることが好ましい。
本明細書では、特に断りがない限り、ガラス基板の「内部」とは前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が深さ方向で一定となる深さ領域のことである。「表層」とはガラス基板の表面側において前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が内部に対して低下している深さ領域のことである。「最表層」とは0〜10nmの深さ領域のことである。表層は表面欠乏層とも呼称する。
ガラス中に反応因子成分(Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種)を含有するときでは、ガラス基板の表層の反応因子成分の合計欠乏量(mol/cm)を1.00×10−8以上とすることで、表面性状の変化を抑制できる。これは表層の合計欠乏量を1.00×10−8以上とすることで、最表層まで反応因子成分が拡散することなく、カルボン酸や有機エステル等の有機物により影響を受け、ガラス基板表面において透明性を阻害する物質が形成することを有効に抑制できるためである。この合計欠乏量は、1.50×10−8以上がより好ましく、1.60×10−8以上がさらに好ましく、2.50×10−8以上が特に好ましい。一方、この合計欠乏量は表層の屈折率変化を抑えるために1.20×10−7以下が好ましく、1.10×10−7以下がより好ましく、2.6×10−8以下がさらに好ましい。
なお、本明細書で表層における反応因子成分の欠乏量(mol/cm)は、ガラス基板の内部における反応因子成分のモル濃度(mol/cm)と表面欠乏層が十分に含まれる領域(深さ領域b)の幅(cm)との積と、ガラス基板の表層における反応因子成分のモル濃度(mol/cm)の平均値と上記の深さ領域bの幅(cm)との積と、の差をいう。
また、ガラス中に反応因子成分を含有するときでは、本発明のガラス基板は、内部の反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)に対する最表層0〜10nm領域における反応因子成分の合計モル濃度の平均値が、低下率として35.0%以上100.0%以下であることが好ましい。
上記の低下率を35.0%以上とすることで、表面性状の変化を抑制できる。これは表層の低下率を35.0%以上とすることで、内部から再表層に反応因子成分が拡散することなく、カルボン酸や有機エステル等の有機物により影響を受け、ガラス基板表面に透明性を阻害する物質を形成することを有効に抑制できるためである。この低下率は、45.0%以上がより好ましく、50.0%以上がさらに好ましく、79.0%以上が特に好ましい。一方、この低下率は、表層の屈折率変化を抑えるために100.0%以下が好ましく、95.0%以下がより好ましく、90.0%以下がさらに好ましい。
なお、本明細書で反応因子成分の低下率(%)は、ガラス基板の内部における反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)に対する、ガラス基板の内部における反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)とガラス基板の最表層0〜10nm領域における反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)の平均値の差の割合を、百分率で表したものをいう。
反応因子成分は、空気中のカルボン酸やエステル等の有機物と反応して塩となり、これに起因してガラス基板表面に透明性を阻害する物質が形成され、ガラス基板の性状が変化すると考えられる。
なお、ここでガラス基板の表層における反応因子成分の合計欠乏量(mol/cm)およびガラス基板の内部に対する最表層0〜10nm領域の反応因子成分の低下率(%)は、横軸を深さ、縦軸をモル濃度(mol/cm)としたガラス基板における反応因子成分の深さ方向濃度プロファイルから算出することができる。この深さ方向濃度プロファイルの取得方法としては、例えば、以下の方法がある。
初めに、ガラス基板の反応因子成分の含有量(原子換算の質量%)を、原子吸光分析法やICP発光分光分析法により測定する。また、ガラスの密度(g/cm)を、JIS Z 8807(1976、液中で秤量する測定方法)に準じて、測定する。Liの原子量を6.941(g/mol)、Naの原子量を22.99(g/mol)、Kの原子量を39.10(g/mol)、Mgの原子量を24.31(g/mol)、Caの原子量を40.08(g/mol)、Srの原子量を87.62(g/mol)、Baの原子量を137.3(g/mol)、Znの原子量を65.39(g/mol)とし、上記の方法で測定した反応因子成分の含有量(原子基準の質量%)と密度(g/cm)から、ガラス基板の反応因子成分の含有モル濃度(mol/cm)をそれぞれ求める。ここで、ガラス基板全体の反応因子成分の存在量に対して、ガラス基板の表層における反応因子成分の欠乏量はわずかであるため、ガラス基板の反応因子成分の含有モル濃度(mol/cm)を、ガラス基板の内部における反応因子成分のモル濃度(mol/cm)とみなすことができる。
次に、C60イオンスパッタリングを用いた飛行時間型二次イオン質量分析法(Time−of−flight secondary ion mass spectrometry:TOF−SIMS)を用いて、横軸をスパッタ時間、縦軸を二次イオン強度とした反応因子成分とガラス形成成分(Si,B,Pの内のいずれか一つ)の二次イオン強度の深さ方向プロファイルを取得する。その後、反応因子成分の二次イオン強度の深さ方向プロファイルから、ガラス形成成分の二次イオン強度の深さ方向プロファイルを除して、横軸をスパッタ時間、縦軸を二次イオン強度比(反応因子成分の二次イオン強度/ガラス形成成分の二次イオン強度)とした二次イオン強度比の深さ方向プロファイルを作成する。TOF−SIMSにより形成された分析クレーターの深さを、Veeco社製 Dektak150などの触針式表面形状測定器を用いて測定し、この測定結果を基に、二次イオン強度比の深さ方向プロファイルの横軸をスパッタ時間から深さへ変換する。また、二次イオン強度比の深さ方向プロファイルから、反応因子成分の欠乏が起きていない領域を内部とし、上記の方法で求めたガラス基板の内部における反応因子成分のモル濃度(mol/cm)を基に、各反応因子成分の二次イオン強度比の深さ方向プロファイルの縦軸を二次イオン強度比から濃度(mol/cm)へそれぞれ変換する。これより、横軸を深さ、縦軸をモル濃度としたガラス基板における反応因子成分の深さ方向濃度プロファイルを得ることができる。この深さ方向濃度プロファイルから、表面欠乏層または最表層0〜10nm領域におけるモル濃度(mol/cm)を算出できる。このとき、本実施形態のガラス基板における表層または最表層の領域においては、通常、反応因子成分の濃度が深さ方向に対して変動しているため、このとき得られるモル濃度は、その領域における平均値である。
上記した反応因子成分の中でも、表面性状に与える影響の大きいのがアルカリ金属である。さらに、その影響の大きい順に、Li、Na、Kであり、表層のLiの存在量を低減させることが変質を抑制する観点で好ましい。
すなわち、表面性状の変化を抑制するには、表層のLiの欠乏量(mol/cm)が8.00×10−9以上であることが好ましく、1.00×10−8以上がより好ましく、1.05×10−8以上がさらに好ましく、1.60×10−8以上が特に好ましい。また、Liの欠乏量は、7.00×10−8以下であることが好ましい。
また、Naの欠乏量は、1.20×10−9以上であることが好ましく、3.00×10−9以上がより好ましく、3.30×10−9以上がさらに好ましく、6.10×10−9以上が特に好ましい。また、Naの欠乏量は、3.00×10−8以下であることが好ましい。
さらに、Kの欠乏量は、9.00×10−10以上であることが好ましく、1.07×10−9以上がより好ましく、1.90×10−9以上がさらに好ましく、2.70×10−9以上が特に好ましい。Kの欠乏量は、1.60×10−8以下であることが好ましい。
また、ガラス基板の内部のLiのモル濃度(mol/cm)に対する最表層0〜10nm領域におけるLiのモル濃度の平均値が、低下率として50.0%以上であることが好ましく、60.0%以上がより好ましく、65.0%以上がさらに好ましく、92.0%以上が特に好ましい。Liの低下率は100.0%以下であることが好ましい。また、Naの低下率は、30.0%以上が好ましく、37.0%以上がより好ましく、41.0%以上がさらに好ましく、75.0%以上が特に好ましい。Naの低下率は100.0%以下であることが好ましい。さらに、Kの低下率は、20.0%以上が好ましく、27.0%以上がより好ましく、30.0%以上がさらに好ましく、56.0%以上が特に好ましい。Kの低下率は100.0%以下であることが好ましい。
さらに、本発明のガラス基板は、反応因子成分の含有量が酸化物基準で好ましくは0.1〜75質量%、さらに好ましくは0.5〜60質量%、さらに好ましくは1.0〜50質量%、さらに好ましくは5.0〜40質量%、さらに好ましくは11.0〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。反応因子成分の含有量がかかる範囲であることで、ガラス基板の表層において反応因子成分の存在量を所定の範囲まで低減させることで、ヤケ等による表面の変質を抑制することが可能になる。
特に、表面性状に与える影響の大きい反応因子成分であるLi、NaおよびKからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、好ましくは酸化物基準で0〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜18質量%、さらに好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1.0〜13質量%、さらに好ましくは3.0〜11質量%、特に好ましくは5.0〜10質量%である。アルカリ金属の含有量がかかる範囲であることで、ガラス基板の表層において反応因子成分の存在量を所定の範囲まで低減させることで、ヤケ等による表面の変質を抑制することが容易になる。
また、本実施形態のガラス基板は、表面粗さRaが0.7nm以下と非常に平滑な基板が好ましい。本明細書における表面粗さRaは、算術平均粗さ(Ra)であり、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて2μm×2μm角の範囲で512ピクセル×512ピクセルの解像度でガラス基板の表面の凹凸を測定し、算出される値である。
この表面粗さRaを0.7nm以下とすることで、表面性状の変化を抑制できる。この表面粗さRaは0.5nm以下がより好ましく、0.4nm以下がさらに好ましく、0.3nm以下が特に好ましい。また、表面粗さRaは0.07nm以上が好ましい。
表面粗さRaにより、SPIP(Scaninig Probe Imaging Processor)などによる処理によって算出されるガラス基板の比表面積(Sdr)が変動し、比表面積が大きくなるほど空気中のカルボン酸やエステル等の有機物により影響を受け、ガラス基板表面に透明性を阻害する物質が形成され、ガラス基板の性状が変化すると考えられる。
また、上記範囲の表面粗さRaを有することで、一方の主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性を得ることもできる。特に、導光体では界面での乱反射が抑制されてゴースト現象や歪を防止できる。ここで、表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)で定義された算術平均粗さである。
本実施形態のガラス基板は、厚さが特に制限されず、0.01〜3.0mmが好ましく、0.01〜2.0mmがより好ましい。厚さが0.01mm以上であれば、ガラス基板ないしガラス基板の取り扱い時や加工時の破損が抑制される。また、ガラス基板の自重によるたわみを抑えられる。この厚さは、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上であり、よりさらに好ましくは0.5mm以上である。一方で厚さが3.0mm以下であれば、ガラス基板を不必要に重くすることがなく、取り扱いが良好であり、2.0mm以下とすると、このガラス基板を用いた光学素子が軽量でありウェアラブル機器への使用にも好適である。この厚さは、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下であり、よりさらに好ましくは0.8mm以下である。
本実施形態のガラス基板は、さらに、以下の特性を有するガラスから形成されることが好ましい。
本実施形態のガラス基板を形成するガラスは、その屈折率(n)は特に制限されずに用いることができる。なお、光学素子用として用いる場合には屈折率(n)が1.68以上であることが好ましい。ガラスの屈折率(n)を1.68以上とすると、本実施形態のガラス基板をウェアラブル機器に用いたとき、画像の広角化、高輝度・高コントラスト化、導光特性向上、回折格子の加工容易性などを実現でき好適である。また車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどの用途に用いられる小型で撮像画角の広い撮像レンズとしては、より小型で広い範囲を撮影するために好適である。この屈折率(n)は好ましくは、1.71以上であり、より好ましくは1.73以上、さらに好ましくは1.74以上、よりさらに好ましくは1.75以上である。
一方で屈折率(n)が2.10を超えるガラスは密度が高くなりやすく、また失透温度が高くなりやすい傾向がある。そのため、この屈折率(n)は2.10以下が好ましく、2.01以下がより好ましく、1.97以下がさらに好ましく、1.92以下がよりさらに好ましく、1.88以下が特に好ましく、1.84以下が最も好ましい。
ガラスの屈折率は、測定対象のガラスを、例えば一辺が30mm、厚さが10mmの三角形状プリズムに加工し、屈折率計(Kalnew社製、機器名:KPR−2000等)により測定することができる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスの密度(d)は、5.5g/cm以下であることが好ましい。これにより、本実施形態のガラス基板は、ウェアラブル機器に用いられた場合にユーザーの装着感を好ましいものにでき、車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどに用いられた場合に、装置全体の質量を減量できる。この密度(d)は好ましくは5.1g/cm以下であり、より好ましくは4.8g/cm以下、さらに好ましくは4.4g/cm以下、さらに好ましくは4.0g/cm以下、さらに好ましくは3.7g/cm以下、よりさらに好ましくは3.4g/cm以下である。
一方で、ガラス基板表面に傷を付けにくくするためには、ガラスの密度(d)は、2.0g/cm以上が好ましい。より好ましくは2.2g/cm以上、さらに好ましくは2.3g/cm以上であり、よりさらに好ましくは2.4g/cm以上である。ガラスの密度(d)はJIS Z 8807(1976、液中で秤量する測定方法)に準じて測定することができる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスは、logη=2となる温度Tが700〜1200℃の範囲となるガラスの粘性を有することが好ましい。ここで、logは常用対数(log10)を表し、ηはずり応力が0のときの粘度である。Tは溶解性の基準温度であり、ガラスのTが高すぎると、高温で溶解する必要が生じるため、高屈折率ガラスの場合、特に短波長側の可視光透過率が低下するおそれがある。このTは好ましくは1180℃以下であり、より好ましくは1150℃以下、さらに好ましくは1130℃以下、よりさらに好ましくは1110℃以下である。
一方でTが低すぎると、粘性カーブが急峻になり、製造するにあたり粘性の制御が困難になる問題がある。本実施形態のガラス基板に用いられるガラスは、上記した範囲のTを有することで、製造特性を良好にできる。このTは好ましくは800℃以上であり、より好ましくは900℃以上、さらに好ましくは950℃以上、よりさらに好ましくは1000℃以上、特に好ましくは1030℃以上である。
粘度ηがlogη=2となる温度Tは、サンプルを加熱して、回転粘度計を用いて粘度を測定し、その粘度の測定結果を用いて求めることができる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスの失透温度は1300℃以下が好ましい。このような特性を有すると、成形時におけるガラスの失透を抑制でき、成形性が良好である。この失透温度は、より好ましくは1200℃以下、さらに好ましくは1150℃以下、さらにより好ましくは1125℃以下、特に好ましくは1100℃以下である。
ここで、失透温度とは、加熱、溶融したガラスを自然放冷により冷却する際に、ガラス表面および内部に長辺または長径で1μm以上の結晶が認められない最も低い温度である。失透温度の測定は、具体的には、白金皿にサンプル約5gを入れ、1000℃〜1400℃まで10℃刻みにてそれぞれ1時間保持したものを自然放冷により冷却した後、結晶析出の有無を顕微鏡により観察して、長辺または長径で1μm以上の結晶の認められない最低温度を測定して失透温度と判断することができる。
また、ウェアラブル機器では、可視光線の透過率の低下を抑えることが求められるが、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスは高温で溶解することによって400nmより短波長側で透過率が低下することがある。また、車載用カメラやロボットの視覚センサーでは、可視光では判別しにくい対象物を認識するために近紫外線画像を用いることがあり、その光学系に用いられるガラスには近紫外域での透過率が高いことが求められる。
そのため、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスの、厚さ1mmのガラス板にしたときの、波長360nmにおける光の透過率(T360)は30%以上が好ましい。このような特性を有すると、ウェアラブル機器や車載カメラに用いるガラスとして好適である。特に、ウェアラブル機器の中で画像や映像を表示させる導光体では、導波する光路長が長くなるため短波長側の光量ロスが大きくなってしまう。本実施形態では、用いられるガラスの短波長側の透過率が30%以上と高いため、上記のような短波長側での光量ロスが抑制されるので、可視域全体の透過率を低下させることなく所望とする色を再現しやすくなる。また、映像や画像の輝度が低下することが無い。このT360は、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、さらにより好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上、もっとも好ましくは70%以上である。T360は、例えば、厚さ1mmの両表面を鏡面研磨したガラス板について、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100等)を用いて測定できる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスのヤング率(E)は60GPa以上が好ましい。このような特性を有すると、薄いガラス基板としてウェアラブル機器に用いた際や、レンズとして車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどに用いられた場合に、たわみが少ないという利点がある。特に、導光体ではメガネのフレームや表示装置に取り付けたときに、画像や映像のゴースト現象や歪みを防止できる。このEは、より好ましくは70GPa以上であり、さらに好ましくは80GPa以上、よりさらに好ましくは85GPa以上、特に好ましくは90GPa以上である。ガラスのヤング率は、例えば、20mm×20mm×1mmの板状のサンプルを用い、超音波精密板厚計(OLYMPAS社製、MODEL 38DL PLUS等)を用いて測定することができる(単位:GPa)。
本実施形態のガラス基板に用いられるガラスにおいて、日本光学硝子工業会規格であるJOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定される耐水性(RW)は等級2以上が好ましい。RWは、具体的には、次のように測定される。粒径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の純水80mL中に1時間浸漬したときの質量減少割合(%)を測定する。質量減少割合に応じて、所定の等級が付される。具体的には、質量減少割合が0.05%未満では等級1、0.05%以上0.10%未満では等級2、0.10%以上0.25%未満では等級3、0.25%以上0.60%未満では等級4、0.60%以上1.10%未満では等級5、1.10%以上では等級6とする。等級は数値の小さい方が、RWが良好であることを示す。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスにおいて、JOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定される耐酸性(RA)は等級1以上が好ましい。RAは、具体的には、次のように測定される。粒径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の0.01規定の硝酸水溶液80mL中に1時間浸漬した時の質量減少割合(%)を測定する。質量減少割合に応じて、所定の等級が付される。具体的には、質量減少割合が0.20%未満では等級1、0.20%以上0.35%未満では等級2、0.35%以上0.65%未満では等級3、0.65%以上1.20%未満では等級4、1.20%以上2.20%未満では等級5、2.20%以上では等級6とする。等級は数値の小さい方が、RAが良好であることを示す。
なお、耐水性(RW)および耐酸性(RA)において所定の等級「以上」とは、当該等級より優れたことを表し、当該等級より小さい値の等級を表す。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスのガラス転移点(Tg)は500〜700℃の範囲が好ましい。本実施形態のガラス基板に用いられるガラスは、上記した範囲のTgを有することで、プレス成型およびリドロー成形における成形性が良好である。このTgは、より好ましくは520℃〜680℃であり、さらに好ましくは540℃〜660℃、さらにより好ましくは560℃〜640℃、特に好ましくは570℃〜620℃である。Tgは、例えば示差熱膨張計(TMA)を用いて、JIS R3103−3(2001年)により測定できる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスのアッベ数(v)は、50以下であることが好ましい。具体的には、本実施形態のガラス基板を導光板のような用途に適用する場合は、上記した範囲の低いvを有することで、ウェアラブル機器の光学設計が容易になり、色収差の改善もしやすくなるので、きれいな画像や映像を再現できる。vは、より好ましくは46以下であり、さらに好ましくは42以下、よりさらに好ましくは38以下、特に好ましくは34以下である。ガラスのアッベ数の下限は特に限定しないが、概ね10以上、具体的には15以上、より具体的には20以上であることが多い。
ガラスのアッベ数は例えば、上記屈折率測定に使用したサンプルを用いて、v=(n−1)/(n−n)により算出する。nはヘリウムd線、nは水素F線、およびnは水素C線に対する屈折率である。これらの屈折率も上記した屈折率計を使用して測定することができる。
また、本実施形態のガラス基板に用いられるガラスの、50〜350℃における熱膨張係数(α)は50〜150(×10−7/K)の範囲が好ましい。本実施形態のガラス基板に用いられるガラスは、上記した範囲のαを有することで、周辺部材との膨張マッチングが良好である。このαは、より好ましくは60〜135(×10−7/K)であり、さらに好ましくは70〜120(×10−7/K)、さらにより好ましくは80〜105(×10−7/K)、特に好ましくは90〜100(×10−7/K)である。
熱膨張係数(α)は、示差熱膨張計(TMA)を用いて30〜350℃の範囲における線熱膨張係数を測定し、JIS R3102(1995年)により30〜350℃の範囲における平均線熱膨張係数を求めることができる。
〈ガラス成分〉
次に、本実施形態のガラス基板を形成するガラスが含有し得る各成分の組成範囲の一実施形態について詳細に説明する。本明細書において、各成分の含有量は、特に断りのない限り、酸化物基準のガラス母組成の全質量に対する質量%で示す。本実施形態で使用されるガラスにおいて、「実質的に含有しない」とは、不可避不純物を除き含有しないことを意味する。不可避不純物の含有量は、本実施形態において0.1質量%以下である。
本実施形態で使用されるガラスにおける母組成としては、例えば、酸化物基準の質量%表示で、ガラス形成成分として、SiO、BおよびPからなる群から選ばれる少なくとも1種を5〜80質量%、修飾酸化物としてMgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、LiO、NaO、KO、CsO、Ln(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を合計で5〜70質量%、中間酸化物としてAl、TiO、ZrO、WO、Bi、TeO、Ta、Nbからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を合計で0〜50質量%、を含有する組成が挙げられる。この組成のガラスは、高屈折率を有し、光透過率が良好であって、さらに溶解性が高いという特性を満たす。
このようなガラスの組成としては、具体的には、(1)La−B系、(2)SiO系、(3)P系のガラスが挙げられる。なお、ガラス組成における含有量の説明で、単に「%」との表記は、特に説明をしている場合を除き「質量%」を意味する。
(1)La−B系としては、例えば、母組成の合計を100%としたとき、Laを5〜70%、Bを5〜70%含有するガラスが例示できる。
La成分を5%以上含有することで、所望の高屈折率にでき、且つ分散を小さく(アッベ数を大きく)できる。従って、La成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは15%、さらに好ましくは20%、さらに好ましくは25%を下限とする。
他方で、La成分の含有量を70%以下にすることで、ガラスの溶融性の低下を抑えられ、ガラスの耐失透性を高められる。従って、La成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%、さらに好ましくは30%を上限とする。
は、ガラス形成成分であり、Bの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、5〜70%が好ましい。
成分を5%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められ、且つガラスの分散を小さくできる。従って、B成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは15%、さらに好ましくは20%を下限とする。
他方で、B成分の含有量を70%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くでき、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは50%、より好ましくは40%、さらに好ましくは30%、さらに好ましくは25%を上限とする。
SiOは、ガラス形成成分である。SiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜25%である。SiOを含有することで、ガラスに高い強度とクラック耐性を付与し、ガラスの安定性および化学的耐久性を向上できる。SiOの含有量は、好ましくは2%以上であり、より好ましくは4%以上であり、さらに好ましくは6%以上である。一方、SiOの含有量が25%以下で、高い屈折率を得るための成分を含有できる。SiOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下、よりさらに好ましくは8%以下である。
MgOは任意成分である。MgOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%が好ましい。MgO成分を含有することで、ガラスの機械的強度を向上できる。MgOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。MgOの含有量が20%以下であれば失透温度を低くし、好ましい製造特性が得られる。MgOの含有量は、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
CaOは任意成分である。CaOの含有量は、母組成の合計100%としたとき、0〜30%が好ましい。CaO成分を含有することで、ガラスの化学的耐久性を向上できる。CaOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。CaOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。CaOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
SrOは任意成分である。SrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%が好ましい。SrO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。SrOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。SrOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。SrOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
BaOは任意成分である。BaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜40%が好ましい。BaO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。BaOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上である。BaOの含有量が40%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。BaOの含有量は、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
ZnOは任意成分である。ZnOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%が好ましい。ZnO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。ZnOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。ZnOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZnOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
LiOは任意成分である。LiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜15%が好ましい。LiOを含有させると、強度(Kc)およびクラック耐性(CIL)を向上できる。LiOの含有量は、より好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。一方、LiOの含有量が15%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。LiOの含有量は好ましくは10%以下であり、より好ましくは7%以下であり、さらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは4%以下である。
NaOは任意成分である。NaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%である。NaOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。NaOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは5%以下である。本実施形態のガラスがNaOを含有する場合、失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られ、その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。
Oは任意成分である。KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%である。KOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。
Oの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。本実施形態のガラスがKOを含有する場合、失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。
また、本実施形態のガラスにおいては、任意成分としてアルカリ金属成分(LiO+NaO+KO)を含有できる。LiO+NaO+KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%である。LiO+NaO+KOが2%以上であれば、Tが低くなり易く、溶解温度が低くなり着色を抑えられる。LiO+NaO+KOは、好ましくは4%以上であり、より好ましくは6%以上である。また、LiO+NaO+KOの含有量を20%以下にすることで失透温度を下げ好ましい製造特性が得られる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。「LiO+NaO+KO」はLiO、NaOおよびKOからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属酸化物成分の合量を示すものである。
本実施形態のガラスにおいて、アルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)のなかでも、LiOは、ガラスの強度を向上させる成分であるが、その量が多いとTが低くなり易く失透し易くなる。そこで、本実施形態のガラスでは、酸化物基準の質量%による比の値で、LiO/(LiO+NaO+KO)は0.45以下が好ましい。LiO/(LiO+NaO+KO)を0.45以下とすることで、Tが高くなりやすく、失透し難くなりガラスの易成形性が向上する。LiO/(LiO+NaO+KO)は、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.35以下であり、特に好ましくは0.3以下である。
なお、上記のように本実施形態のガラス基板において、表層のアルカリ金属成分の濃度は低いことが求められ、ここで記載するガラス組成で作製した板状ガラスの表層のアルカリ金属成分の濃度が高い場合は、板状ガラスとした後、その表層におけるアルカリ金属成分の濃度を低減させる処理を行うことが好ましい。この処理については、ガラス基板の製造方法の説明において後述する。
CsOは任意成分である。CsOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%である。CsOの含有量が0%超であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。本実施形態のガラスがCsOを含有する場合、その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。一方、CsOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。CsOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。
Ln(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)は任意成分である。Lnの合量としての含有量は、母組成の合計を100%としたとき、5〜55%である。Lnを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Lnの合量としての含有量は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは20%以上であり、特に好ましくは25%以上である。
また、Lnの含有量が55%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。そのため、合量としての含有量は、好ましくは55%以下であり、より好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは35%以下であり、特に好ましくは30%以下である。
Alは任意成分である。Alの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜35%である。Alを含有させると、ガラスの強度を高めるとともにガラスの安定性を向上できる。Alの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上である。
また、Alの含有量が35%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。Alの含有量は、好ましくは20%以下であり、よりAlの含有量10%以下であり、さらにAlの含有量8%以下である。
TiOは任意成分である。TiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜35%である。TiOを含有させると、ガラスの屈折率を高めるとともにガラスの安定性を向上できる。TiOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは7%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、TiOの含有量が35%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。TiOの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
ZrOは任意成分である。ZrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。ZrOを含有させると、ガラスの屈折率を高めるとともに化学耐久性を向上できる。ZrOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、ZrOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZrOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下である。
WOは任意成分である。WOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。WOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。WOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、WOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。WOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下である。
Biは任意成分である。Biの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜55%である。Biを含有させる、ガラスの屈折率を向上できる。Biの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。 また、Biの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。Biの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
TeOは任意成分である。TeOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。TeOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。TeOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上である。
また、TeOの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。TeOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下である。
Taは任意成分である。Taの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。Taを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Taの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上である。
また、Taの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Taの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下である。
Nbは任意成分である。Nbの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜35%である。Nbを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Nbの含有量は、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上である。
また、Nbの含有量が35%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Nbの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは25%以下である。
La−B系の好ましい組成としては、酸化物基準の質量%表示で、La:20〜35%、B:10〜20%、SiO:0〜10%、CaO:5〜15%、LiO+NaO+KO:0〜20%、ZnO:0〜5%、TiO:5〜15%、ZrO:5〜10%、Nb:15〜25%、As:0〜2%、Sb:0〜2%を含有する高屈折率ガラス組成物が例示できる。
(2)SiO系としては、例えば、SiOを10〜50%含有し、高屈折率成分としてNb、Ta、LiO、SrO、BaO、TiO、ZrO、WO、Bi、TeOおよびLn(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を30%以上含有するガラスが例示できる。
SiOは、ガラス形成成分である。SiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、10〜50%である。SiOの含有量が10%以上で、ガラスの粘性がlogη=2となる温度Tを好ましい範囲にし、ガラスに高い強度とクラック耐性を付与し、ガラスの安定性および化学的耐久性を向上できる。SiOの含有量は、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、よりさらに好ましくは29%以上である。一方、SiOの含有量が45%以下で、高い屈折率を得るための成分を含有できる。SiOの含有量は、好ましくは40%以下であり、より好ましくは35%以下であり、さらに好ましくは30%以下である。
Nbは、任意成分である。Nbの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、5%以上とすることでガラスの屈折率を高めるとともに、アッベ数(v)を小さくできる。Nbの含有量は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、特に好ましくは30%以上である。
また、Nbの含有量が70%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Nbの含有量は、好ましくは65%以下であり、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは55%以下であり、さらにより好ましくは50%以下である。
Taは任意成分である。Taの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。Taの含有量は、1%以上とすることで屈折率を向上できる。Taの含有量は、より好ましくは5%以上である。
また、Taの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Taの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下である。
また、本実施形態のガラスにおいては、任意成分としてアルカリ金属成分(LiO+NaO+KO)を含有できる。LiO+NaO+KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜20%である。LiO+NaO+KOが2%以上であれば、Tが低くなり易く、溶解温度が低くなり着色を抑えられる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは4%以上であり、より好ましくは6%以上である。また、LiO+NaO+KOの含有量を20%以下にすることで失透温度を下げ、好ましい製造特性が得られる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。
本実施形態のガラスにおいて、アルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)のなかでも、LiOは、ガラスの強度を向上させる成分であるが、その量が多いとTが低くなり易く失透し易くなる。そこで、本実施形態のガラスでは、酸化物基準の質量%による比の値で、LiO/(LiO+NaO+KO)は0.45以下が好ましい。LiO/(LiO+NaO+KO)を0.45以下とすることで、Tが高くなりやすく、失透し難くなりガラスの易成形性が向上する。LiO/(LiO+NaO+KO)は、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.35以下であり、特に好ましくは0.3以下である。
以下に示すアルカリ土類金属成分(MgO、CaO、SrO、BaO)の合量(RO)とアルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)の合量(R’O)との関係が、RO>2×R’Oを満たす場合には、LiO/(LiO+NaO+KO)は0.75以上でもよい。
また、本実施形態のガラスでLiOやNaOのアルカリ金属酸化物を含有するものは、LiイオンをNaイオンまたはKイオンに、NaイオンをKイオンに置換することで、化学的に強化できる。すなわち、化学強化処理すれば、ガラス基板の強度を向上させることができる。
LiOは任意成分である。LiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜15%が好ましい。LiOを含有させると、強度(Kc)およびクラック耐性(CIL)を向上できる。LiOの含有量は、より好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。一方、LiOの含有量が15%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。LiOの含有量は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは9%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、よりさらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは4%以下である。
本実施形態のガラスを化学強化する場合には、LiOの含有割合は、1.0%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2.5%以上がさらに好ましく、3.5%以上が特に好ましい。
NaOは、任意成分であり、失透を抑制し、Tgを低くする成分である。NaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0%以上10%以下である。NaOを含有させると、優れた失透抑制効果が得られる。一方、NaOは、多すぎると、強度およびクラック耐性が低下し易い。本実施形態のガラスがNaOを含有する場合、その含有量は、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、2%以上がさらに好ましく、3%以上が特に好ましい。また、NaOの含有量は、9%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましい。
本実施形態のガラスを化学強化する場合には、NaOの含有割合は、1.0%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2.5%以上がさらに好ましく、3.5%以上が特に好ましい。
Oは、任意成分であり、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、失透を抑制する成分である。KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0%以上10%以下である。KOを含有させると、失透抑制効果が向上される。一方、KOは、多すぎると、密度が増加し易い。KOの含有量は、0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましい。また、KOの含有量は、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。
MgOは、任意成分である。MgOは、ガラスの溶融性を向上させ、失透を抑制し、ガラスのアッベ数や屈折率等の光学恒数を調整する成分である。一方、MgOの量が多くなると、かえって失透を促進してしまう。そのため、MgOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0%以上10%以下が好ましい。MgOの含有量は、8%以下がより好ましく、6%以下が特に好ましい。また、MgOの含有割合は、0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましい。
CaOは、任意成分である。CaOは、失透を抑制する成分であるが、CaOの量が多いと、クラック耐性が低下し易い。そのため、CaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0%以上15%以下が好ましい。CaOの含有量は、12%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。また、CaOの含有量は、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましく、1%以上が特に好ましい。
SrOは任意成分である。SrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%が好ましい。SrO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上させることができる。SrOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。この含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。SrOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
BaOは任意成分である。BaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜50%が好ましい。BaO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上させることができる。より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上である。この含有量が50%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。BaOの含有量は、より好ましくは35%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
TiOは任意成分である。TiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜35%である。TiOを含有させると、ガラスの屈折率を向上させ、ガラスの安定性を向上できる。TiOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは7%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、TiOの含有量が35%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。TiOの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
ZrOは任意成分である。ZrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。ZrOを含有させると、ガラスの屈折率を向上させ、化学耐久性を向上できる。ZrOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
また、ZrOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZrOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
WOは任意成分である。WOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。WOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。WOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、WOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。WOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下である。
Biは任意成分である。Biの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜55%である。Biを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Biの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、Biの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。Biの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
TeOは任意成分である。TeOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜30%である。TeOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。TeOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、TeOの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。TeOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下である。
Ln(LnはY、La、Gd、Yb、およびLuからなる群から選ばれる1種以上である。)を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。Lnの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。一方、Lnの含有量が、母組成の合計を100%としたとき、55%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。Lnの含有量は、合計で、好ましくは35%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下である。
は、任意成分である。Bは、Tgを低くし、ガラスの強度やクラック耐性などの機械的特性を向上させる成分であるが、Bの量が多いと屈折率が低下し易い。そのため、Bの含有割合は、0%以上10%以下が好ましい。Bの含有割合は、8.5%以下がより好ましく、6.5%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。また、Bの含有割合は、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましく、1%以上が特に好ましい。
Alは、任意成分である。Alは、化学的耐久性を向上させる成分であるが、Alが多くなると、ガラスが失透し易くなる。そのため、Alの含有割合は0%以上5%以下が好ましい。Alの含有割合は3%以下がより好ましく、2%以下が特に好ましい。またAlの含有割合は0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましく、1%以上が特に好ましい。
ZnOは、任意成分であり、ガラスの強度やクラック耐性などの機械的特性を向上させる成分である。一方、ZnOの量が多いと失透し易くなるため、その含有割合は0%以上15%以下が好ましい。ZnOの含有割合は、13%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。また、ZnOの含有割合は、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましく、1%以上が特に好ましい。
Laは、任意成分である。Laは、ガラスの屈折率を向上させる成分であるが、Laの量が多すぎると機械的特性が低下する。そのため、Laの含有割合は、0%以上12%以下が好ましい。Laの含有割合は、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましい。Laは、実質的に含有しないことが好ましい。
Asは、有害な化学物質であるため、近年使用を控える傾向にあり、環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、実質的に含有しないことが好ましい。
さらに本実施形態のガラスには、SbおよびSnOのうちの少なくとも一種が含有されることが好ましい。これらは必須の成分ではないが、屈折率特性の調整、溶融性の向上、着色の抑制、透過率の向上、清澄、化学的耐久性の向上などの目的で添加できる。これらの成分を含有させる場合、合計で、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。
さらに本実施形態のガラスには、Fが含有されることが好ましい。Fは必須ではないが、溶解性の向上、透過率の向上、清澄性向上などの目的で添加できる。Fを含有させる場合は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
SiO系の好ましい組成(SiO系組成A)としては、酸化物基準の質量%表示で、Nb:5%〜65%、BaO、TiO、ZrO、WO、およびLn(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である)からなる群から選ばれる少なくとも1種を0%〜30%、SiO:15%〜50%、LiO+NaO+KOが2%〜20%であり、LiO/(LiO+NaO+KO)が0.45以下を含有する高屈折率ガラス組成物が例示できる。当該高屈折率ガラスの具体的な組成としては、B:0%〜10%、MgO:0%〜10%、CaO:0%〜15%、SrO:0%〜15%、BaO:0%〜15%、LiO:0%〜9%、NaO:0%〜10%、KO:0%〜10%、Al:0%〜5%、TiO:0%〜15%、WO:0%〜15%、ZrO:0%〜15%、ZnO:0%〜15%である。
また、SiO系の別の好ましい他の組成(SiO系組成B)としては、酸化物基準の質量%表示で、SiO:25〜40%、RO:0〜10%、R’O:0〜20%、LiO/R’O≦0.45、Ln:0〜30%、Nb:20〜55%を含有する高屈折率ガラス組成物が例示できる。また、SiO系の別の好ましい組成(SiO組成C)としては、酸化物基準の質量%表示で、SiO:15〜30%、Nb:40〜65%、RO:0〜10%、R’O:0〜20%、LiO/R’O≦0.45である高屈折率ガラス組成物が例示できる。別の好ましい組成(SiO系組成D)としては、酸化物基準の質量%表示で、SiO:25〜40%、CaO:0〜5%、SrO:3〜10%、BaO:5〜15%、LiO:4〜8%、NaO:0.3〜3%、RO>2×R’O、LiO/R’O:0.65〜0.95、TiO:3〜15%、ZrO:3〜8%、Nb:10〜30%を含有する高屈折率ガラス組成物が例示できる。
(3)P系としては、例えば、Pを10〜70質量%含有し、高屈折率成分としてNb、Ta、LiO、SrO、BaO、TiO、ZrO、WO、Bi、TeOおよびLn(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を1%以上含有するガラスが例示できる。
はガラスを構成するガラス形成成分であり、ガラスに製造可能な安定性を持たせ、ガラス転移点と液相温度を小さくする作用が大きい。しかし、Pの含有量が、母組成の合計を100%としたとき、10%未満であると十分な効果が得られない。Pの含有量は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上である。また、Pの含有量が70%以下であれば、良好な化学的耐久性が得られる。Pの含有量は、好ましくは65%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは55%以下、特に好ましくは50%以下である。
SiOは、ガラス形成成分である。SiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0〜25%である。SiOを含有することで、ガラスに高い強度とクラック耐性を付与し、ガラスの安定性および化学的耐久性を向上できる。SiOの含有量は、好ましくは2%以上であり、より好ましくは4%以上であり、さらに好ましくは6%以上である。一方、SiOの含有量が25%以下で、高い屈折率を得るための成分を含有できる。SiOの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下、よりさらに好ましくは8%以下である。
なお、高屈折率成分については、上記(2)SiOと同一であるため、重複する説明は省略する。
なお、(1)La−B系もしくは(3)P系のガラス基板について、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)を用いて水素濃度を求める際や、C60イオンスパッタリングを用いた飛行時間型二次イオン質量分析法(Time−of−flight secondary ion mass spectrometry:TOF−SIMS)を用いて反応因子成分の欠乏量および反応因子成分の低下率を求める際は、Siに関係した二次イオンの代わりに、BまたはPに関係した二次イオンを用いてもよい。BまたはPに関係した二次イオンの強度がSiに関係した二次イオンの強度よりも高い場合は、BまたはPに関係した二次イオンを選択する方が好ましい。
本実施形態のガラス基板は、ガラス基板の少なくとも一方の主表面上に、反射防止膜、反射膜、紫外線吸収膜、赤外線吸収膜等の膜を設けてもよい。これらの膜は、ガラス基板の一方の主表面上のみに備えられてよいし、両方の主表面上に備えられてもよい。
これらの膜はいずれも公知の膜とすればよく、例えば、反射防止膜は、ガラス基板よりも屈折率の低い材料を単層で成膜したものや、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層した構成としたもの等が挙げられる。なお、ここでいう高屈折率膜とは、波長550nmでの屈折率が1.9以上の膜であり、低屈折率層膜とは、波長550nmでの屈折率が1.6以下の膜である。
[ガラス基板の製造方法]
本実施形態のガラス基板は、例えば以下のように製造される。すなわち、まず、上記所定のガラス組成となるように原料を秤量し、均一に混合する。作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝またはアルミナ坩堝に投入して粗溶融する。その後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝、強化白金坩堝またはイリジウム坩堝に入れて1200〜1400℃の温度範囲で2〜10時間溶融し、脱泡、撹拌などにより均質化して泡切れ等を行った後、金型に鋳込んで徐冷する。これによりガラスが得られる。
さらに、このガラスを溶融し、溶融ガラスをフロート法、フュージョン法、ロールアウト法といった成型方法によって板状に成形することで板状ガラスが得られる。
上記のように製造されるガラスの残留泡は、1kg当たり10個(10個/kg)以下が好ましく、7個/kg以下がより好ましく、5個/kg以下がさらに好ましく、3個/kg以下が特に好ましい。上記した方法で板状ガラスを成形する場合、残留泡が10個/kg以下であれば、泡の含まれない板状ガラスを効率よく成形できる。また、残留泡が内部に包まれる最小サイズの円の直径を残留泡の個々の大きさとしたとき、残留泡の個々の大きさは80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下がさらに好ましく、20μm以下が特に好ましい。
また、前記直径を残留泡の縦方向の長さLとし、この直径と垂直に交わる直線で残留泡の最大長さとなる直線の長さを残留泡の横方向の長さLとしたとき、残留泡の形状を縦横比で表すとL/Lは0.90以上が好ましく、0.92以上がより好ましく、0.95以上がさらに好ましい。このようにL/Lが0.90以上であれば、残留泡は真円(真球)に近い状態となり、例え残留泡が含まれていたとしても、楕円の残留泡と比べるとガラスの強度低下が抑えられ、板状ガラスを作成するときに、残留泡が起点となる割れの発生を抑制できる。また、板状ガラスに残留泡が存在しても、楕円の残留泡と比べると板状ガラスに入射する光の異方散乱が抑えられる効果も有する。残留泡の大きさや形状は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製:VK−X100)によって測定された値から得られる。
次いで、上記で得られた板状ガラスの少なくとも一方の主表面を、研磨する研磨工程(ポリッシング工程)を行うことが好ましい。研磨は、公知の研磨方法を採用すればよく、例えば、研磨スラリーを供給しながら研磨パッドでガラスを研磨する工程が挙げられる。研磨条件は、所望の表面粗さとなる条件で行うものであれば特に制限されずに行うことができる。板状ガラスの表面を研磨することで、その表面のマクロな傷が除去され、例えば、このとき板状ガラスの表面粗さ(Ra)が0.7nm以下となるようにする。
この研磨工程の操作は公知の方法により行えばよく、例えば、平均粒径約0.7μmの酸化セリウムを水に分散させて比重0.9のスラリーを作製し、不織布タイプ、またはスウェードタイプの研磨パッドを用いて、研磨圧50〜100g/cmの条件で、片面あたり0.5μm以上表面を研磨する等の一般的な方法で行うことができる。
酸化セリウムの平均粒子直径(d50)が通常0.5〜1.5μmの研磨砥粒を用いて板状ガラスの表面を研磨するとよく、その研磨による研磨傷がガラス表面に残ると板状ガラスの強度が低下するおそれがあるが、研磨工程後に後述する表面処理工程を行うことにより、該研磨傷を薄くして強度を向上することができる。
さらに、得られた板状ガラスに対し、酸洗浄処理を行い、ガラス基板の表層における反応因子成分の存在量を低減させる。
ここで行う酸洗浄処理は、研磨処理された板状ガラスの表面を酸により洗浄し、表層から反応因子成分を脱離するものである。この表層から反応因子成分が脱離する際に、電荷補償のため水素イオンまたはオキソニウムイオンが導入されることが多い。ここで用いる酸としては、酸性の溶液であればよく、酸としては有機酸および無機酸が挙げられる。有機酸としては、酢酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸等が挙げられ、無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸等が挙げられ、水溶液であることが好ましい。この酸としては、無機酸が好ましく、中でも塩酸、硝酸が好ましい。また、これらの酸を2種類以上混ぜて使用することも可能である。また、水溶液ではなく酸性ガスを用いて反応因子成分を脱離することも可能である。
水素イオンやオキソニウムイオンのガラス表層への導入量は、表層0〜100nm領域の平均水素濃度Hsと内部100〜500nm領域の平均水素濃度Hbとの関係が、1.01≦Hs/Hb<50を満たす範囲内となることが好ましい。
ここで、本実施形態における表層の平均水素濃度Hsと内部の平均水素濃度Hbは以下のようにして求められる。
〔水素濃度測定方法〕
以下の手順に従って、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)にてガラスの水素濃度を測定し、表層および内部の平均水素濃度を求める。なお、水素濃度測定においては、ガラス基板の表層とは0〜100nmの深さ領域のことであり、内部とは100〜500nmの深さ領域のことである。
測定対象のガラスをSIMS装置内へ搬送し、順番に測定を行い、および30Siの強度の深さ方向プロファイルを取得する。その後、プロファイルから30Siプロファイルを除して、30Si強度比の深さ方向プロファイルを得る。ここで、各試料の30Si強度比の深さ方向プロファイルより、深さ0nmから100nmまでの領域における平均30Si強度比を表層の平均水素濃度Hsとする。同様に、各試料の30Si強度比の深さ方向プロファイルより、深さ100nmから500nmまでの領域における平均30Si強度比を内部の平均水素濃度Hbとする。求めた表層の平均水素濃度Hsと内部の平均水素濃度Hbを除して、Hs/Hbを求める。なお、SIMSの測定条件は以下の通りである。
(SIMSの測定条件)
装置:アルバック・ファイ社製 ADEPT1010
一次イオン種:Cs
一次イオンの加速電圧:5kV
一次イオンの電流値:200nA一次イオンの入射角:試料面の法線に対して60°
一次イオンのラスターサイズ:300×300μm
二次イオンの極性:マイナス
二次イオンの検出領域:60×60μm(一次イオンのラスターサイズの4%)
ESA Input Lens:0
中和銃の使用:有
横軸をスパッタ時間から深さへ変換する方法:分析クレーターの深さを触針式表面形状測定器(Veeco社製Dektak150)によって測定し、一次イオンのスパッタレートを求める。このスパッタレートを用いて、横軸をスパッタ時間から深さへ変換する。
検出時のField Axis Potential:装置ごとに最適値が変化する可能性がある。バックグラウンドが充分にカットされるように測定者が注意しながら値を設定する。測定開始前のメインチャンバーの真空度:測定精度を確保するために、3.0×10−9Torrよりも高真空にする必要がある。
こうして求めた表層の平均水素濃度Hsと内部の平均水素濃度Hbとの関係が、1.01≦Hs/Hbを満たす範囲内とすることでヤケ等による表面の変質を抑制することができる。Hs/Hbは、より好ましくは1.1≦Hs/Hbであり、さらに好ましくは1.5≦Hs/Hbであり、さらに好ましくは5.0≦Hs/Hbであり、さらに好ましくは10.0≦Hs/Hbであり、特に好ましくは15.0≦Hs/Hbである。HsとHbの関係がHs/Hb<50を満たす範囲内とすることで、ガラスの化学的耐久性が向上する。Hs/Hbは、より好ましくはHs/Hb<45であり、さらに好ましくはHs/Hb<40あり、さらに好ましくはHs/Hb<35であり、さらに好ましくはHs/Hb<25であり、特に好ましくはHs/Hb<20である。
なお、この酸洗浄に用いる酸としては、フッ酸等のフッ素化合物は含まない。一般に、フッ素化合物はガラスの溶解性に富むため、本実施形態のように、ガラス基板の表面粗さRaを上記した範囲とすることが難しい。
ここで用いる酸性の溶液としては、pHが4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。
また、この酸洗浄工程では、板状ガラスの表面に対して、ガラス基板のガラス組成、表面処理に用いる溶液の温度または濃度等を適宜調整することにより調整することができ、ガラス基板の表層における反応因子成分濃度を所望の範囲とすることができる。
上記のような酸洗浄を行うためには、酸溶液を貯留した酸洗浄槽を用意し、該酸洗浄槽に洗浄対象の板状ガラスを浸漬させればよい。
このとき、所望の性状のガラス基板が得られるように、酸溶液の濃度や温度、浸漬時間等を適宜調整すればよい。酸溶液の濃度は、例えば、pHが0.1〜4が好ましく、0.5〜3がより好ましく、0.5〜1がさらに好ましい。酸溶液pHを4以下とすることで効果的に表面の反応因子成分を低減させることができ、pH0.5以上とすることで表面粗さの悪化を抑制できる。また、酸溶液の温度は、20〜90℃が好ましく、30〜80℃がより好ましく、30〜50℃が特に好ましい。20℃以上とすることで効果的に表面の反応因子成分を低減させることができ、90℃以下とすることで蒸発により濃縮することによって、表面の反応因子成分の低減量または低減率が経時的に変化するのを抑制することができる。また、酸溶液への浸漬時間は、1〜1440分が好ましく、1〜60分がより好ましく、1〜10分がさらに好ましい。浸漬時間を1分以上とすることで効果的に表面の反応因子成分を低減させることができ、1440分以下とすることでガラス成分の溶出による酸溶液のpH変化を小さくし、表面の反応因子成分の低減量または低減率が経時的に変化するのを抑制することができる。
また、硝酸水溶液を用いる場合、例えば、pH 0.5〜2.5、30〜80℃とし、板状ガラスの浸漬時間を3〜30分とすることが好ましく、pH 0.5〜1、30〜50℃とし、板状ガラスの浸漬時間を3〜10分とすることがより好ましく、pH 0.5〜1、30〜50℃とし、板状ガラスの浸漬時間を3〜5分とすることがさらに好ましい。
なお、この酸洗浄工程を行うにあたっては、酸洗浄工程の前に、上記研磨工程で研磨された表面に残留するスラリーを除去するために、水またはアルカリ溶液で板状ガラスの表面を洗浄することが好ましい。
また、この酸洗浄工程を行った後においても、表面に残留する酸溶液を除去するために、水またはアルカリ溶液でガラス基板を洗浄することが好ましい。
なお、特に、酸洗浄後の洗浄における、これらの水またはアルカリ溶液での洗浄は、ガラス基板の表面の性状がなるべく変化しないように注意する。例えば、水洗浄の場合には、ガラス基板表面での水分の増加量が不必要に大きくならないように、室温で、洗浄時間が30分以下となるように、またアルカリ溶液洗浄の場合には、ガラス基板表面のエッチング量が不必要に大きくならないように、室温で、pHが9〜13程度のアルカリ水溶液を用い、洗浄時間を15分以下となるようにする。
なお、ここで用いるアルカリ(塩基)としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアまたは有機アミン等の塩基が挙げられ、これらの塩基は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。また、キレート剤として、有機酸塩などを添加してもよい。また、界面活性剤としてポリアクリル酸塩などのアニオン系界面活性剤、アルキルアミン塩酸塩などのカチオン系界面活性剤、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテルなどのノニオン系界面活性剤を添加してもよい。また、ビルダーとして、ゼオライトなどを添加してもよい。
このようにして得られたガラス基板は、さらに表面処理、例えば、印刷、反射防止コーティング、機能性フイルムの貼り合わせなどが行なわれ、所定の機能を有するガラス基板とできる。
以上説明した本実施形態のガラス基板は、表面のヤケ等による劣化を抑制し、ガラス特性を長期間維持し得るガラス基板であり、特に、屈折率の高いガラスにより形成したガラス基板は、ウェアラブル機器、車載用、ロボット搭載用の導光板や光学フィルタ等の光学部品として好適である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態であるガラス基板は、第1の実施形態のガラス基板と同一の特性を有し、その色度に関する特性が以下に説明するように限定されたものである。
本実施形態のガラス基板は、CIELab表示におけるA光源下での色度b*がb*≧4.8を満たすことが好ましい。このように該ガラス基板の色度b*が上記関係を満たすことで、後述する調光部材と重ねた際に、観察される色味を改善することができる。すなわち、ガラス基板と調光部材を重ねた構成である光学部品は、その調光部材の遮光時におけるCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*がともに0に近づき、この光学部品を通して映像等を見たときの色味が自然な色味となる。
なお、本明細書におけるCIELab表示は、国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIE 1976(L*a*b*)色空間(CIELAB)である。本願においては、A光源における明度(L*)、A光源における反射光の色度(a*、b*)をいう。
このガラス基板の色度b*がb*≧4.8を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、ガラス基板と調光部材とを重ねた構成である光学部品を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。好ましくはb*≧5であり、より好ましくはb*≧5.5であり、さらに好ましくはb*≧6であり、さらに好ましくはb*≧7であり、さらに好ましくはb*≧8であり、特に好ましくはb*≧10である。
また、このガラス基板の色度b*はb*≦15が好ましい。この色度b*がb*≦15を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、ガラス基板と調光部材とを重ねた構成である光学部品を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。このガラス基板の色度b*は、好ましくはb*≦14であり、より好ましくはb*≦13であり、さらに好ましくはb*≦12であり、特に好ましくはb*≦11である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態であるガラス基板は、第1および第2の実施形態のガラス基板と同一の特性を有し、その色度に関する特性が以下に説明する点で若干異なる。なお、色度に関して第2の実施形態とは異なる観点で規定しているが、これらの実施形態においては重複するガラスが多く含まれる。
そして、ガラス基板の色度a*、b*がこのような特性を満たすことで、調光部材と重ねた際に、観察される色味を改善することができる。すなわち、後述する、ガラス基板と調光部材を重ねた構成である光学部品は、その調光部材の遮光時におけるCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*がともに0に近づき、この光学部品を通して映像等を見たときの色味が自然な色味となる。
本実施形態における色度は、ガラス基板の色度a*の絶対値に対するb*の比(b*/|a*|)が、b*/|a*|≧0.55を満たすものである。この比が、b*/|a*|≧0.55を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、ガラス基板と調光部材とを重ねた構成である光学部品を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。この比は、好ましくはb*/|a*|≧0.60であり、より好ましくはb*/|a*|≧0.70であり、さらに好ましくはb*/|a*|≧0.80であり、特に好ましくはb*/|a*|≧1.00である。また、上記関係に加えて、b*≧0.1を満たすことが好ましい。
なお、ガラス基板の色度に関し、上記関係を満たす領域を示す色度図を図3に示した。
上記説明した色度図における領域を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、ガラス基板と調光部材とを重ねた構成である光学部品を通して映像等を見たときの色味が特定の色味に偏ることなく、また周囲の景色等を見た時の明度の減少を抑えることができる。
この第3の実施形態においては、その他の物性や形状特性やガラス組成については、第1および第2の実施形態と同様に説明できる。なお、上記色度特性を満たすために、Fe、NiまたはPtを含むことが好ましい。このFe、Ni、Ptの含有量の合計は、好ましくは0.3質量ppm以上、より好ましくは0.5質量ppm以上、さらに好ましくは1質量ppm以上、さらに好ましくは3質量ppm以上、特に好ましくは5質量ppm以上である。一方でFe、Ni、Ptの含有量の合計を10質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。
(第4の実施形態)
[光学部品]
本実施形態の光学部品は、上記説明した本実施形態のガラス基板を用いたものである。その際、他の部材と組合わせて用いられるが、例えば、調光部材を重ねた構成として得られる光学部品が例示できる。このようにして得られる光学部品は、例えば、図1に示したように、ガラス基板11に調光部材12を積層した光学部品10が挙げられる。このようにガラス基板11と調光部材12とを重ねることで、この光学部品10における光の透過率を任意に調節することができる。すなわち、調光部材12の光の透過率を調節することにより、光学部品全体の透過率を任意に変動できる。なお、図1は積層した構成を示しているが、ガラス基板11と調光部材12とを離間させて配置することもできる。
以下、ここで用いられる調光部材12について説明する。なお、ガラス基板11は既に上記で説明しているため省略する。
〈調光部材〉
本実施形態の調光部材12は、遮光時にCIELab表示におけるA光源下での色度b*がb*<0を満たすガラスである。遮光時のb*がこの関係を満たすことで、調光部材12と上記ガラス基板11とを重ねて得られる光学部品10は、その遮光時でのCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*が、調光部材12単独の場合よりも、ともに0に近づくものとなる。そのため、この光学部品10により映像を見たときの色味が自然な色味となる。この調光部材12の色度b*は、好ましくはb*<−1であり、より好ましくはb*<−2であり、さらに好ましくはb*<−4であり、特に好ましくはb*<−6である。
また、この調光部材12の色度b*はb*>−15が好ましい。この色度b*がb*>−15を満たすことで、調光部材12を遮光(着色)状態としたとき、上記ガラス基板11と調光部材12とを重ねた構成である光学部品10により映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。この調光部材12の色度b*は、好ましくはb*>−10であり、より好ましくはb*>−8.0であり、さらに好ましくはb*>−7.0であり、特に好ましくはb*>−6.0である。
また、本実施形態における調光部材は、第1基板、および、第1基板と対向する第2基板、第1基板および第2基板のそれぞれに設けられた第1電極および第2電極、並びに、第1基板と第2基板との間に封止された光透過制御材料層、から成る形態とすることができる。
このような調光部材12としては、遮光時に上記色度b*に関する関係を満たす公知の調光部材12が好ましい。
この公知の調光部材は、例えば、第1の基板と、この第1の基板と対向する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に封止された光透過制御材料層を備えて構成されるものが例示できる。
調光部材は、光透過制御材料層として(1)液晶材料層、(2)無機エレクトロルミネッセンス材料層、(3)帯電した多数の電気泳動粒子および電気泳動粒子とは異なる色の分散媒から構成された電気泳動分散液層、(4)金属(例えば、銀粒子)の可逆的な酸化還元反応によって発生する電着・解離現象を応用した電着方式(エレクトロデポジション・電界析出)材料層、(5)酸化還元反応によって発生する物質の色変化を応用したエレクトロクロミック材料層、(6)エレクトロウェッティング現象によって光透過率を制御するエレクトロウェッティング材料層、等が例示できる。
ここで、(2)無機エレクトロルミネッセンス材料層を用いる場合、光透過制御材料層を構成する材料として、有機系、タングステン系等が挙げられる。このような調光部材は遮光時に青みがかった色調となる。このような調光部材12としては、例えば、Gentex社Automatic−dimming mirror、MagnaMirror社EC Glass (auto−dimming)、SAGE社SageGlass、 Kinestral社Hailoが挙げられる。
ここで、上記光学部品にあっては、観察者側から、ガラス基板、調光部材の順に配することが好ましいが、調光部材、ガラス基板の順に配してもよい。
本実施形態の光学部品10は、上記のガラス基板11と調光部材12と重ねて用いられるものであり、このように重ねて用いることで、遮光(着色)状態としたときの観察される映像等の色味が自然な色味として認識できる。
本実施形態の光学部品10は、ガラス基板11と調光部材12とを重ねた構成(光学部品10)の色度をa*、b*としたとき、|a*|≦3.1であることが好ましい。この範囲とすることで、光学部品10により観察される映像等の色味が自然に近い色となる。この色度a*構造の色度は、好ましくは|a*|≦2.9であり、より好ましくは|a*|≦2.7であり、さらに好ましくは|a*|≦2.5であり、特に好ましくは|a*|≦2.4である。
本実施形態の光学部品10は、|b*|≦4.9であることが好ましい。この範囲とすることで、光学部品10により観察される映像等の色味が自然に近い色となる。この光学部品10の色度は、好ましくは|b*|≦4.6であり、より好ましくは|b*|≦4.3であり、さらに好ましくは|b*|≦4であり、特に好ましくは|b*|≦3.5である。
また、本実施形態の光学部品10は、その色度a*、b*が、次の関係式(1)
Figure 0006813099
を満たすことが好ましい。この範囲とすることで、この構造を通して外界を見たときの外界の色が自然な色となる。この色度の関係式(1)は、好ましくは5.7以下であり、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは5以下であり、特に好ましくは4以下である。
また、この色度の関係式(1)は、0.1以上が好ましい。色度の関係式(1)を0.1以上とすることで、紫外線が目に与える影響を低減することができる。この色度の関係式(1)は、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、特に好ましくは1.0以上である。
本実施形態の光学部品は、調光部材の遮光時にCIELab表示におけるA光源下での色度が、a*=10,b*=10である点1、a*=10,b*=−10である点2、a*=−10,b*=−10である点3、a*=−10,b*=10である点4、で囲まれる領域に含まれることが好ましい。光学部品の色度をこの4点で囲まれる領域とすることにより、上記ガラス基板11と調光部材12とを重ねた構成である光学部品10により映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。点1は(a*=5,b*=5)がより好ましく、(a*=5,b*=2.5)がさらに好ましい。点2は(a*=5,b*=−5)がより好ましい。点3は(a*=−5,b*=−5)がより好ましく、(a*=−2.5,b*=−5)がさらに好ましい。点4は(a*=−5,b*=5)がより好ましく、(a*=−2.5,b*=−2.5)がさらに好ましい。
なお、図1においては、ガラス基板11と調光部材12とは、同一の大きさのものをそれぞれ積層した例を示しているが、ガラス基板11に対して、その一部に調光部材12を設けたり、調光部材12に対して、その一部にガラス基板12を設けたりしてもよい。
本実施形態の調光部材に使用する第1基板と第2基板を構成する材料として、具体的には、ソーダライムガラス、白板ガラス等の透明なガラス基板や、プラスチック基板、プラスチック・シート、プラスチック・フィルムを挙げることができる。ここで、プラスチックとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等のフッ素ポリマー、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、ポリアリレート、ポリスルフォン等を挙げることができる。プラスチック・シート、プラスチック・フィルムは、容易に曲がらない剛性を有していてもよいし、可撓性を有していてもよい。第1基板および第2基板を透明なプラスチック基板から構成する場合、基板内面に無機材料あるいは有機材料から成るバリア層を形成しておいてもよい。
本実施形態の調光部材の第1基板と第2基板は、厚さが0.01mm以上であることが好ましい。厚さが0.01mm以上であれば、調光部材の取り扱い時や加工時の破損を抑制できる。また、光学ガラスの自重によるたわみを抑えられる。この厚さは、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上であり、よりさらに好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上である。一方で厚さが2.0mm以下であれば、調光により透過状態と着色状態とをそれぞれ良好に変動させることができる。この厚さは、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下であり、よりさらに好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.6mm以下である。
(第5の実施形態)
[光学機器]
本実施形態の光学機器は、本実施形態の光学部品を用いたものである。
この光学機器としては、上記した(1)ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置、に使用されるディスプレイ、フィルタやレンズ等、(2)車載用カメラ、ロボット用視覚センサー等に使用されるレンズやカバーガラス等が挙げられる。
ウェアラブル機器の1例として、図2には光学部品10をヘッドマウントディスプレイやゴーグル型ディスプレイに適用し得る光学機器20の概略構成を示した。この光学機器20は、ガラス基板11と調光部材12とを重ね合わせている点は図1に示した光学部品10と同様であるが、ここでは映像を表示するための表示素子21と、表示素子21に表示された映像を、調光部材12を経由してガラス基板11に入射させ、ガラス基板11内部において上記入射された映像を全反射させ、光学機器20を装着した者の瞳にまで伝搬させる伝搬手段22と、を有する。
表示素子21は、映像を表示するための素子であって、ここで表示される映像は、調光部材12を経由してガラス基板11に入射させる。このとき、表示素子21はバックライトを有していてもよい。
ガラス基板11に入射した映像は、伝搬手段22によりガラス基板11内を全反射させながら所定の位置まで伝搬させるように回折させ、さらに、所定の位置にまで伝搬された映像を、光学機器20を装着した者の瞳に向かって回折させるように配置される。
このとき、屋外等の明るい環境の場合、外光が強いため、映像が見にくくなる場合がある。その場合、本実施形態の光学機器20においては、調光部材12を遮光状態として外光の影響を抑制し、画像を見やすくできる。その際、さらに、上記説明したようにガラス基板11と調光部材12とを通して感じる色味が改善されているので、本来の色味に近い映像を見ることができる。
なお、調光部材12の光の透過状態は、使用者が任意に調整してもよいし、センサー等により外光の強さを感知して自動で調整してもよいし、それらを組み合わせてもよい。
本実施形態のガラス基板は、クラック発生荷重Lが300mN以上であることが好ましい。ガラス基板の表層の反応因子成分の合計欠乏量が多い(すなわち、表層の平均水素濃度Hsと内部の平均水素濃度Hbとの関係が1.01≦Hs/Hb<50を満たす)と、ガラスの構造がより疎な層が表層に形成され、鋭利な異物等が光学ガラスに接触した際にガラスの構造が緻密化することでその衝撃を吸収しやすくする効果によりガラスの強度を向上させる。この効果により、このガラス基板を製品としたときに、落下等による破損を抑制できる光学ガラスが得られる。クラック発生荷重は、より好ましくは350mN以上、さらに好ましくは400mN以上、さらに好ましくは450mN以上、さらに好ましくは500mN以上、特に好ましくは550mN以上である。
ここで、本実施形態におけるクラック発生荷重は次の方法によって得ることができる。湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、荷重10、25、50、100、200gに設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の4隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。これを各荷重にて20回繰り返し(すなわち、圧子を20回打ち込み)、総クラック数を計数した後、総クラック発生数/80にてクラック発生率を求める。得られたクラック発生を荷重に対してプロットし,シグモイド関数を最小二乗法によりフィッティングした際のクラック発生率が50%となる荷重をクラック発生荷重Lとする。
以下、本発明を、具体的な実施例および比較例を参照してさらに説明する。例1〜例5が実施例であり、例6が比較例である。
(例1〜6)
まず、酸化セリウム砥粒と硬質ウレタンパッドを用いた同一の加工条件で作製した縦50mm、横50mm、厚さ0.5mmの反応因子成分としてLi,Na,Kを酸化物基準の質量%表示で、合計12.1%含む板状のSiO系ガラス(屈折率1.78)を用意した。板状ガラスの表面は予め研磨などで付着した汚れを除去するためにアルカリ溶液で浸漬して洗浄した後、純水に浸漬して洗浄した。用意した各板状のガラスの主表面の表面粗さRaは0.7nmであった。
例1はこの板状のガラスをさらに研磨処理はせずにそのまま、例2〜例6では、各板状のガラスを研磨機(Speed Farm社製、商品名:Fam12BS)の回転定盤に固定し、回転定盤を回転数40rpmで回転させながら、表面粗さRaが0.7nmであった主表面を研磨スラリーと研磨パッドで研磨した。この研磨において、研磨圧は5.3kPa、研磨パッドとしてウレタンパッドを用い、表1に示すように、所定の表面粗さRaを有するガラス基板を得た。
この研磨の際、例2〜6では、砥粒としてショウロックスA20(昭和電工社製、平均粒径:2μm)を10質量%、分散媒として水を90質量%含む研磨スラリーを用い、片面につき研磨時間は20分とし、計40分の研磨をした。例5では、前記ショウロックスA20による研磨に次いで、砥粒としてコンポール80(フジミインコーポレーテッド社製)を10質量%、分散媒として水を90質量%含む研磨スラリーを用い、片面につき研磨時間は20分とし、計40分の研磨をした。
次いで、例1〜例5では研磨処理後の各ガラス基板(例1では研磨処理はしていない)を、酸処理液としてpH2に調整した硝酸水溶液を用いて、10分間、60分間、1080分間のいずれかの時間浸漬し酸処理を施した。表1に示したように、酸処理溶液は、25℃、80℃のいずれかに温度調節した。いずれのサンプルも酸処理後に10分間純水流水にさらし、酸処理液を洗い流して、ガラス基板を得た。
なお、上記酸処理後の各ガラス基板の表面粗さRaは、酸処理前の表面粗さRaと同等であったことを確認した。また、例6は、上記酸処理工程は行わず、研磨処理後のものをサンプルとした。
Figure 0006813099
Figure 0006813099
<表面粗さRa>
例1〜例6の研磨処理後、酸処理前の板状ガラスの表面粗さを、原子間力顕微鏡(Asylum社製、型式:CypherS)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
測定モード:Dynamic Force Mode
スキャンスピード:2.44Hz
カンチレバー:Olympus社製カンチレバーAC55
評価領域:2μm×2μm角
解像度:512ピクセル×512ピクセル
画像解析ソフト:Image Metrology社製SPIP(Scanning Probe Image Processor)
<反応因子成分の欠乏量および反応因子成分の低下率>
初めに、上記例におけるSiO系のガラス基板には反応因子成分としてLi、Na、Kのアルカリ金属を含んでおり、以下、ガラス基板のLi、Na、Kの含有量(原子換算の質量%)を次のように測定した。ガラス基板から小片を切り出し、電子天秤などを用いてガラス小片の重量(mg)を測定した。その後、フッ酸と硫酸の混酸などを用いてガラス小片を溶解し、一定体積に定容する。原子吸光分析法により溶液中のLi、Na、Kの濃度(mg/L)を測定する。ガラス小片の重量をW(mg)、溶解体積をV(L)、溶液中のアルカリ金属Rの濃度をY(mg/L)とし、関係式(2)から、ガラス基板のアルカリ金属Rの含有量Z(原子基準の質量%)を算出した。
=(Y×V)/W×100 ・・・(2)
[R=Li、Na、K]
次に、ガラスの密度(g/cm)をJIS Z 8807(1976、液中で秤量する測定方法)に準じて測定した。Liの原子量を6.941(g/mol)、Naの原子量を22.99(g/mol)、Kの原子量を39.10(g/mol)とし、上記の方法で測定したLi、Na、Kの含有量(原子基準の質量%)と密度(g/cm)から、ガラス基板のLi、Na、Kの含有モル濃度(mol/cm)をそれぞれ算出した。ガラス基板の内部におけるLi、Na、Kのモル濃度(mol/cm)は、このガラス基板のLi、Na、Kの含有モル濃度(mol/cm)に等しい。ここで、ガラス基板の内部のアルカリ金属Rのモル濃度(mol/cm)をBとする。なお、例1〜6に用いたガラス基板の組成は同一であり、ガラス基板内部のLi、Na、Kのモル濃度、すなわちBLi、BNa、Bは、それぞれ0.0069、0.0048、0.0032であった。
例2〜4、6で得られたガラス基板について、C60イオンスパッタリングを用いた飛行時間型二次イオン質量分析法(Time−of−flight secondary ion mass spectrometry:TOF−SIMS)により、Li23Na4128Siの二次イオン強度の深さ方向プロファイルを取得した。その後、ガラス基板をTOF−SIMS装置から取り出し、Veeco社製Dektak150などの触針式表面形状測定器を用いて、TOF−SIMSにより形成された分析クレーターの深さを測定した。この分析クレーターの深さを基に、二次イオン強度の深さ方向プロファイルの横軸をスパッタ時間から深さへ変換した。次に、Liの二次イオン強度を28Siの二次イオン強度で除したものを縦軸にしたLi/Si強度比の深さ方向プロファイル、23Naの二次イオン強度を28Siの二次イオン強度で除したものを縦軸にしたNa/Si強度比の深さ方向プロファイル、41の二次イオン強度を28Siの二次イオン強度で除したものを縦軸にしたK/Si強度比の深さ方向プロファイルを作成した。Li/Si、Na/Si、K/Si強度比の深さ方向プロファイルについて、強度比が深さ方向で一定となる深さ領域aを決定し、深さ領域a内における平均強度比をそれぞれ算出した。このとき、深さ領域aの幅は約50nmとした。この深さ領域a内における平均強度は、内部の平均強度を意味する。なお、例2,6の深さ領域aは100〜150nm、例3,4の深さ領域aは200〜250nmとした。引き続き、深さ領域a内のLi/Si、Na/Si、K/Siの平均強度比と上記の方法で算出したBLi、BNa、B(mol/cm)を用いて、アルカリ金属毎に原点を通る検量線を作成する。この検量線を基に、Li/Si、Na/Si、K/Si強度比の深さ方向プロファイルの縦軸を強度比からモル濃度(mol/cm)に変換した。これら一連の手順により、例2〜4、6で得られたガラス基板について、横軸を深さ、縦軸をモル濃度としたLi、Na、Kの深さ方向プロファイルを得た。例として、図4に例4の深さ方向プロファイルを示す。なお、例1,5で得られたガラス基板については、C60イオンスパッタリングを用いたTOF−SIMSを実施していないが、これらは例2と同一の条件で酸処理されていることから、例2と同一のLi、Na、Kの深さ方向プロファイルを有するものと判断できる。
例2〜4、6で得られたガラス基板のLi、Na、Kの深さ方向プロファイルより、Li、Na、Kの表面欠乏層が十分含まれる領域(深さ領域b)をガラス基板毎に決定した。深さ領域bの幅は、表面欠乏層の厚みに応じて適宜調整する。なお、例2,6の深さ領域bは0〜100nm、例3,4の深さ領域bは0〜200nmとした。ここで、アルカリ金属Rの欠乏量(mol/cm)をC、深さ領域bの幅をb(cm)、深さ領域b内におけるアルカリ金属Rの平均モル濃度(mol/cm)をSとすれば、Cは関係式(3)によって見積もられる。また、表層のアルカリ金属の合計欠乏量CTotalは、関係式(4)によって見積もられる。
=(B×b)−(S×b) ・・・(3)
Total=CLi+CNa+C ・・・(4)
例2〜4、6で得られたガラス基板のLi、Na、Kの深さ方向プロファイルより、0〜10nmの深さ領域をcとし、深さ領域c内におけるLi、Na、Kのモル濃度(mol/cm)の平均値を求めた。この深さ領域cは最表層を意味する。ここで、深さ領域c内におけるアルカリ金属Rのモル濃度(mol/cm)の平均値をOSとし、関係式(5)によって見積もられるRを最表面のアルカリ金属Rの低下率(%)と定義する。また、OSLi、OSNa、OSの和を最表面のアルカリ金属の合計モル濃度の平均値(OSTotal)、BLi、BNa、Bの和を内部のアルカリ金属の合計モル濃度(BTotal)とし、関係式(6)によって見積もられるRTotalを最表層のアルカリ金属の低下率(%)と定義する。
={(B−OS)/B}×100 ・・・(5)
Total={(BTotal−OSTotal)/BTotal}×100 ・・・(6)
例2〜4、6で得られたガラス基板のTOF−SIMSの分析条件を以下に示す。なお、TOF−SIMSにてスパッタイオン種にC60 あるいはC60 ++選択することは必須であり、それ以外の分析条件は、モニターするLi23Na4128Siの二次イオン強度や表層におけるアルカリ金属の表面欠乏層の厚みに応じて適宜変更してもよい。また、Liの二次イオン強度が強い場合には同位体であるLiを、41の二次イオン強度が弱い場合には同位体である39をモニターしてもよい。同一分析条件下において、適切なLi23Na4128Siの二次イオン強度が得られない場合は、異なる分析条件下で再度TOF−SIMSを行ってもよい。
装置:ION−TOF社製TOF−SIMS5
一次イオン種:Bi ++
一次イオンのカレント:0.05pA@10kHz
一次イオンのラスターサイズ:20×20μm
スパッタイオン種:C60 ++
スパッタイオンのカレント:0.4nA@10kHz
スパッタイオンのラスターサイズ:150×150μm
スパッタモード:non−interlaced mode
サイクルタイム:100μs
<透過率の変化量>
例1〜6で得られたガラス基板について、恒温恒湿試験器(エスペック株式会社製小型超低温恒温器ミニサブゼロMC−812)を用いて、85℃、相対湿度85%に設定した試験槽内に100時間静置し、高温高湿試験を行った。この高温高湿試験前後の、ガラス基板について透過率を測定し、その変化量を算出した。ここで、変化量は次の基準により評価し、表2に示した。
小…1%未満、中…1%以上1.5%未満、大…1.5%以上
例1〜5のガラス基板では、透過率の変化量が小さいことから、ヤケ等の変質による透明性の悪化が小さいことが分かる。
例1は透過率の変化量は小さいため実施例としているが、追加研磨を施しておらずRaが0.7nmであるため、表面に微細なキズがあり強度が低いなどの課題を有しており、光学機器を構成するには適していない。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2018年5月18日出願の日本特許出願(特願2018−096341)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10…光学部品、11…ガラス基板、12…調光部材、20…光学機器、21…表示素子、22…伝搬手段

Claims (8)

  1. Li、Na、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種を反応因子成分として含有し、前記反応因子成分の含有量が酸化物基準で0.1〜30質量%であり、ガラス基板の表面側において前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)が内部に対して低下している表面欠乏層を有し、表面欠乏層における前記反応因子成分の合計欠乏量(mol/cm)が、1.00×10−8以上であり、屈折率(n)が1.68以上であり、かつ原子間力顕微鏡を用いて2μm×2μm角の範囲で512ピクセル×512ピクセルの解像度で測定した表面粗さRaが0.7nm以下であることを特徴とするガラス基板。
  2. Li、Na、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種を反応因子成分として含有し、前記反応因子成分の含有量が酸化物基準で0.1〜30質量%であり、内部における前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)に対する最表層0〜10nm領域における前記反応因子成分の合計モル濃度(mol/cm)の平均値が、低下率として35.0%以上100.0%以下であり、屈折率(n)が1.68以上であり、かつ原子間力顕微鏡を用いて2μm×2μm角の範囲で512ピクセル×512ピクセルの解像度で測定した表面粗さRaが0.7nm以下であることを特徴とするガラス基板。
  3. 前記表面粗さRaが0.5nm以下である請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. 前記ガラス基板の板厚が0.01〜2.0mmである請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板。
  5. CIELab表示における、A光源下での色度b*がb*≧4.8を満たす請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板。
  6. CIELab表示における、A光源下での色度a*の絶対値に対するb*の比(b*/|a*|)が、b*/|a*|≧0.55であり、かつ、b*≧0.1を満たす請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板。
  7. クラック発生荷重が300mN以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板を有することを特徴とする光学部品。
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