JP6812910B2 - ペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法に関し、詳しくは、アルカリ土類金属を含み、異相の少ないペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物、好ましくは、アルミン酸ランタンストロンチウムの製造方法に関する。
結晶構造がペロブスカイト構造である複合酸化物、即ち、ペロブスカイト型酸化物は、これまで、種々の元素を含むものが知られており、例えば、電子材料や触媒材料等として種々の産業分野において広く用いられている。このようなペロブスカイト型構造を有する複合酸化物であるアルミン酸ランタンストロンチウムは、例えば、水蒸気改質反応の触媒担体として用いられている(特許文献1参照)。
このようなペロブスカイト型酸化物の製造方法としては、従来、固相法、共沈法、ペチニ法等、種々の方法が知られている。なかでも、固相法は、目的とするペロブスカイト型酸化物が有する元素の組成比に一致するように配合した原料化合物を湿式又は乾式で混合し、得られた混合物を例えば高温で還元焼成して、ペロブスカイト型酸化物を得る方法であって、簡便ではあるものの、目的物を得るには比較的高温で焼成しても、単相のものが得られにくいことが知られている。
実際、本発明者らも、アルカリ土類金属元素としてストロンチウムを含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの固相法による製造を試みたが、上述したように、得られた生成物は、ペロブスカイト構造を有さないアルミン酸ランタンストロンチウム等の異相を含んでいるという問題があることが認められた。
特開2016−59844号公報
本発明者らは鋭意、研究を行った結果、上述した問題が生じる原因は、アルミン酸ランタン系化合物の製造に用いる原料化合物がその焼成時に還元され難いことにあると推定したが、例えば、原料化合物の還元を容易にするために高濃度の水素雰囲気下に原料混合物を焼成するには、水素爆発を防止するための特別な装置を用いる必要があるので、コスト面、安全面、生産性の面で新たな問題のあることが判明した。
そこで、本発明者らは、更に鋭意、研究を重ねた結果、原料混合物を炭素材料の存在下、水素を含む不活性ガス雰囲気下に焼成することによって、上述した問題を解決し得ることを見出して、本発明に到ったものである。
従って、本発明は、アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、アルカリ土類金属を含み、異相の少ないペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物、即ち、アルミン酸ランタンアルカリ土類金属、好ましくは、アルミン酸ランタンストロンチウムを得るための製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ランタン化合物と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を含むアルカリ土類金属化合物と、アルミニウム化合物とからなる原料混合物を炭素材料の存在下、水素を含む不活性ガス雰囲気中で800〜1500℃の範囲の温度で焼成することを特徴とするアルカリ土類元素を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法が提供される。
本発明においては、上記炭素材料としては、活性炭や黒鉛に代表される炭素材料が好ましく用いられる。
上記炭素材料は、前記原料混合物100重量部に対して3重量部以上が用いられることが好ましい。
本発明による上記アルカリ土類元素を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物は、一般式(I)
La1-xxAlO3-α (I)
(式中、Bはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を示し、xは後述するアルカリ土類金属置換率を示し、αは酸素の不定比組成に基づく酸素欠損量を示す。)
で表される。
本発明において、上記アルカリ土類金属は、好ましくは、ストロンチウムである。
水素を含む不活性ガスは、通常、水素1容量%以上を含む窒素ガスである。
本発明の方法によれば、アルカリ土類金属を含み、異相の少ないペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物、好ましくは、アルミン酸ランタンストロンチウムを得ることができる。更に、本発明によれば、上記原料混合物を上述したようにして焼成することによって、目的とするアルカリ土類金属を含む異相の少ないペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物を、粉砕することなしに、流動性のある粉体として得ることができる。
本発明の実施例1によって得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの粉末X線回折パターンである。 本発明の実施例1において得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの粒度分布図を示す。 本発明の実施例8において得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの粒度分布図を示す。 比較例1において得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの粉末X線回折パターンである。 比較例1において得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムの粒度分布図を示す。
本発明によるアルカリ土類金属を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法は、ランタン化合物と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を含むアルカリ土類金属化合物と、アルミニウム化合物とからなる原料混合物を炭素材料の存在下、水素を含む不活性ガス雰囲気中で800〜1500℃の範囲の温度で焼成するものである。
本発明において、上記アルカリ土類金属を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物は、好ましくは、一般式(I)
La1-xxAlO3-α (I)
(式中、Bはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を示し、xは0<x≦0.5を満たす範囲の数を示し、αは酸素の不定比組成に基づく酸素欠損量を示し、0<α≦0.25を満たす範囲の数を示す。)
で表される。
上記一般式(I)で表されるアルカリ土類金属を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物において、xはランタンがマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属によって置換されている割合、即ち、アルカリ土類金属置換率を示し、通常、0.5以下であり、好ましくは、0.1〜0.4の範囲である。上記置換率が0.5を越えるときは、ペロブスカイト構造が崩れるおそれがある。
本発明によるアルカリ土類金属を含むペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法においては、先ず、ランタン化合物と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属の化合物と、アルミニウム化合物とからなる原料混合物を調製する。
上記原料混合物は、ランタン化合物と上記アルカリ土類金属化合物とアルミニウム化合物を目的とするペロブスカイト型酸化物におけるランタン、上記アルカリ土類金属及びアルミニウム原子比となるように混合し、好ましくは、ボールミルを用いて湿式混合した後、ビーズを除去し、加熱乾燥して、水分を除去して、原料混合物を得る。
上記ランタン化合物としては、炭酸ランタン、酸化ランタン、水酸化ランタン、硫酸ランタン等が用いられる。
上記アルカリ土類金属化合物としては、炭酸塩、酸化物、水酸化物等が用いられる。
また、アルミニウム化合物としては、酸化アルミニウム(α型、δ型、γ型、θ型)、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム等が用いられる。
本発明においては、上記アルカリ土類金属として、ストロンチウムが好ましく用いられる。この場合には、ストロンチウム化合物としては、例えば、炭酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム等が用いられる。上記アルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム又はバリウムの場合は、酸化物、水酸化物、炭酸塩等が用いられる。
本発明によれば、上記原料混合物を炭素材料の存在下に、好ましくは、雰囲気炉中において、水素を含む不活性ガス雰囲気下、例えば、水素を含む窒素雰囲気下において、通常、数時間から十数時間、焼成した後、雰囲気を大気雰囲気に戻して、上記炭素材料が燃焼し得る温度、例えば、700℃程度で数時間保持して、前記炭素材料を燃焼させて、除去し、かくして、目的とするペロブスカイト型酸化物を得る。
ここで、水素を含む不活性ガスとは、0.001容量%以上の水素を含む不活性ガスをいう。
本発明において、上述したように、上記原料混合物を炭素材料の存在下に水素1容量%以上を含む不活性ガス雰囲気下で焼成を行う際の水素濃度について、その上限は特に制限されないが、安全性を考慮して、水素を含む不活性ガスの爆轟限界である18容量%以下が好ましく、空気中で水素を含む不活性ガスが爆発する限界である5.7容量%以下がより好ましい。
また、上述した水素を含む不活性ガス雰囲気下での焼成時間は、好ましくは、1〜10時間である。ここに、上記焼成時間とは、後述する焼成温度に達して後、その温度を維持している時間をいう。焼成温度は800〜1500℃の範囲であり、好ましくは、1300〜1500℃の範囲である。この後、雰囲気を大気雰囲気に戻して、600〜800℃の範囲、より好ましくは、650〜750℃の範囲で0.5〜5時間、より好ましくは、1〜3時間保持して、前記炭素材料を燃焼させて、除去し、かくして、目的とするペロブスカイト型酸化物を得る。
本発明において、上記炭素材料としては、活性炭、黒鉛、黒鉛化アセチレンブラック、アモルファスカーボン、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノフィブリル、石炭、木炭、コークス、カーボンナノチューブ、フラーレン及びアセチレンブラックから選ばれる少なくとも1種の炭素材料が好ましく用いられる。このような炭素材料のなかでは、特に、活性炭や黒鉛が好ましく用いられる。
上記炭素材料は、通常、原料混合物100重量部に対して、3重量部以上用いられる。好ましくは、3〜50重量部の範囲で用いられ、より好ましくは、4〜20重量部の範囲で用いられ、最も好ましくは10〜20重量部の範囲で用いられる。
本発明によれば、前記炭素材料として、上記例示したもの以外にも、樹脂から得られる炭化物、即ち、樹脂を不活性ガス雰囲気下に温度400〜1000℃で焼成して得られる炭化物を第2の炭素材料として用いることができる。上記樹脂は、好ましくは、熱硬化性樹脂であり、好ましい具体例として、例えば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂を挙げることができる。
本発明によれば、このような第2の炭素材料の原料となる上記樹脂は、原料混合物100重量部に対して50重量部以上用いられ、好ましくは、50〜200重量部の範囲で用いられる。
第2の炭素材料を用いる場合には、予め、第2の炭素材料を粉砕し、前記原料混合物にこれを混合して、水素を含む不活性ガス雰囲気下に焼成してもよい。
上記第2の炭素材料を炭素材料として用いる場合を含め、本発明において用いるすべての炭素材料の粒度は500μm以上の粒子が0.1重量%未満であることが好ましい。ランタン化合物と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を含むアルカリ土類金属化合物と、アルミニウム化合物とからなる原料混合物との均一性が向上し、焼成品中の異相が低減されるからである。
しかし、別の方法として、500μm以上の粒子が3重量%未満の樹脂粉末と前記原料混合物を不活性ガス雰囲気下で温度400〜1000℃で焼成して、上記樹脂を炭化させて、第2の炭素材料に変換した後に、このようにして生成した第2の炭素材料の存在下に前記原料混合物を水素を含む不活性ガス雰囲気下で温度800〜1500℃で焼成してもよい。
500μm以上の粒子が3重量%未満の炭素材料は、所望の目開きを有するふるいを通すことで調製することができる。ふるいは、例えば、JIS適合品(JIS Z 8801−1−2000)を使用することが好ましい。
本発明によれば、粉末X線回折における異相の最大ピーク強度に対するアルミン酸ランタンストロンチウムの最大ピーク強度の比が5%以下であって、異相の少ないペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムを得ることができる。特に、本発明によれば、前記原料混合物を前記炭素材料の存在下に水素を含む不活性ガス雰囲気下に焼成することによって、アルミン酸ランタンストロンチウムは、この後に粉砕せずとも、粒度分布が狭く、平均粒子径数μm以下の流動性ある粉末として得ることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
以下において、得られたペロブスカイト型酸化物の粉末X線回折は、X線回折装置RINT−TTRIII((株)リガク製、線源CuKα、モノクロメーター使用、管電圧50KV、電源300mA、長尺スリットPSA200(全長200mm、設計開口角度0.057度))を用いて、下記条件で行った。
測定方法:平行法(連続)
スキャンスピード:5度/分
サンプリング幅:0.04度
2θ:10〜70度
ペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウム(La1-xSrxAlO3-α)は回折角2θが33〜34度に最大ピーク強度を有する。副生する異相は組成式LaSrAlO4を有するものが主体であって、これは回折角2θが31.5〜32.5度に最大ピーク強度を有する。
そこで、以下において、目的とするペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムが含む上記異相の割合は、回折角2θが31.5〜32.5度の異相の最大ピーク強度Iの回折角2θが33〜34度のアルミン酸ランタンストロンチウムの最大ピーク強度I0に対する百分率、即ち、最大ピーク強度比(I/I0)x 100(%)によって評価した。得られたペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムは、上記異相の最大ピーク強度比が5%以下であれば、高い触媒担体性能を有するということができる。
また、得られたペロブスカイト型酸化物の粒度分布は粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製MT−3300−IIを用いて、下記条件にて測定した。
計算モード:MT−3300
測定上限:1408μm
測定下限:0.021μm
粒子屈折率:2.40
粒子形状:非球形
溶媒屈折率:1.333
実施例1
炭酸ランタン(La2(CO3)3、和光純薬工業(株)製、以下、同じ。)88.84g、炭酸ストロンチウム(Sr(CO3)、和光純薬工業(株)製、以下、同じ。)38.19g及びアルミナ(Al23、和光純薬工業(株)製、以下、同じ。)32.97gを量り取り、原料混合物A160.0gを用意した。
この原料混合物A160.0gに活性炭((株)クラレ製クラレコールPW、標準粒度100メッシュ(150μmが1重量%未満に相当)以下、同じ。)24.00g(上記原料混合物A100重量部に対して15重量部)、直径1mmのジルコニアビーズ160mL及び純水160mLを加え、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5、以下、同じ。)を用いて、210rpmで60分間、混合した後、ビーズを除去し、120℃で加熱し、水分を除去して、原料粉末Aを得た。
上記原料粉末Aを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉((株)モトヤマ製NLA−2025D、以下、同じ。)内に設置して、減圧脱気した後、窒素を充填して大気圧に戻し、次いで、4容量%の水素を含む窒素を流入させながら、1400℃で2時間保持した。この後、炉内温度を700℃まで降温し、減圧脱気した後、大気を充填し、大気雰囲気下、700℃で2時間保持して、上記活性炭を燃焼、除去して、組成式La0.6Sr0.4AlO3-αで表されるペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。
上記アルミン酸ランタンストロンチウムをICP(誘導結合型プラズマ発光分析装置、(株)日立ハイテクサイエンス製SPS3100−24HV)を用いて分析した結果、La42.9重量%、Sr18.2重量%、Al13.9重量%、La/(La+Sr)モル比0.598、(La+Sr)/Alモル比1.003であった。
上記アルミン酸ランタンストロンチウムの粉末X線回折パターンを図1に示す。この粉末X線回折パターンに基づいて、上記アルミン酸ランタンストロンチウム中の前記異相の最大ピーク強度比を算出したところ、2.4%であった。
また、上記アルミン酸ランタンストロンチウムを粉砕することなく、得られたままで測定した粒度分布図を図2に示す。
本発明によれば、ペロブスカイト型酸化物100重量部に対して、炭素材料を約10重量部以上、好ましくは、約15重量部以上用いるとき、原料混合物から生成したアルミン酸ランタンストロンチウムが上記炭素材料によって相互に接着することを妨げられる結果とみられるが、粒子の成長が抑えられて、粒子径10μm以上の粗粒が殆ど生成せず、かくして、平均粒子径数μmのペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタンストロンチウムを得ることができる。
実施例2
実施例1において、活性炭24.00gに代えて、活性炭8.00g(上記原料混合物100重量部に対して5重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.6Sr0.4AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は4.7%であった。
実施例3
前記原料粉末Aを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉内に設置して、1容量%の水素を含む窒素を流入させながら、1400℃で2時間保持した以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.6Sr0.4AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は1.9%であった。
実施例4
実施例1において、活性炭24.00gに代えて、黒鉛(富士黒鉛工業(株)製特CP−1、粒度500メッシュ(目開き25μm)パス99.0%、以下、同じ。)8.0g(前記原料混合物100重量部に対して5重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.6Sr0.4AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は4.2%であった。
実施例5
炭酸ランタン121.30g、炭酸ストロンチウム8.69g及びアルミナ30.01gを量り取り、原料混合物B160.0gを用意した。
この原料混合物B160.0gに黒鉛11.2g(上記原料混合物100重量部に対して7重量部)と直径1mmのジルコニアビーズ160mLと純水160mLを加えて、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5)を用いて、210rpmで60分間、混合した後、ビーズを除去し、120℃で加熱し、水分を除去して、原料粉末Bを得た。
上記原料粉末Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.9Sr0.1AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は1.5%であった。
実施例6
炭酸ランタン105.83g、炭酸ストロンチウム22.75g及びアルミナ31.42gを量り取り、原料混合物C160.0gを用意した。
この原料混合物C160.0gに黒鉛11.2g(上記原料混合物100重量部に対して7重量部)と直径1mmのジルコニアビーズ160mLと純水160mLを加えて、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5)を用いて、210rpmで60分間、混合した後、ビーズを除去し、120℃で加熱し、水分を除去して、原料粉末Cを得た。
上記原料粉末Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.75Sr0.25AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は2.0%であった。
実施例7
炭酸ランタン76.55g、炭酸ストロンチウム49.36g及びアルミナ34.09gを量り取り、原料混合物D160.0gを用意した。
この原料混合物D160.0gに黒鉛11.2g(上記原料混合物100重量部に対して7重量部)と直径1mmのジルコニアビーズ160mLと純水160mLを加えて、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5)を用いて、210rpmで60分間、混合した後、ビーズを除去し、120℃で加熱し、水分を除去して、原料粉末Dを得た。
上記原料粉末Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.5Sr0.5AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は2.9%であった。
実施例8
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製JFRYL980)、硬化剤(新日本理化(株)製リカシッドMH−700)及びN,N−ジメチルベンジルアミン(アルドリッチ社製)を重量比で10:8:0.1で混合し、120℃で3時間加熱して硬化させた後、粉砕して、目開き500μmの篩で篩上残分を取り除き、エポキシ樹脂硬化物の粉体を得た。
実施例1において、原料混合物Aの量を100.00gとし、活性炭24.00gに代えて、上記エポキシ樹脂硬化物の粉体100.00g(上記原料混合物100重量部に対して100重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして、組成式La0.6Sr0.4AlO3-αで表されるアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は2.1%であった。
また、上記アルミン酸ランタンストロンチウムを粉砕することなく、得られたままで測定した粒度分布図を図3に示す。
比較例1
実施例1と同じ原料混合物A160.0gを用意した。この原料混合物Aに直径1mmのジルコニアビーズ160mLと純水160mLを加え、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5)を用いて、210rpmで60分間、混合した後、ビーズを除去し、120℃で加熱し、水分を除去して、原料粉末Eを得た。
上記原料粉末Eを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉に設置して、空気を流入させながら、1400℃で2時間保持した。この後、炉内温度を常温に戻して、異相を含むアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。
上記アルミン酸ランタンストロンチウムの粉末X線回折パターンを図4に示す。この粉末X線回折パターンに基づいて、上記アルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は20.1%であった。
また、上記アルミン酸ランタンストロンチウムを粉砕することなく、得られたままで測定した粒度分布図を図5に示す。粒度分布が広く、しかも、粒子径数百μmの粗大粒子もかなりの割合で生成している。
比較例2
比較例1におけるものと同じ原料粉末Eを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉に設置して、減圧脱気した後、窒素を充填して大気圧に戻し、その後、窒素を流入させながら、1400℃で2時間保持した。この後、炉内温度を常温に戻し、窒素を空気に切り替えて、異相を含むアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は21.2%であった。
比較例3
実施例1におけるものと同じ原料粉末Aを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉に設置して、減圧脱気した後、窒素を充填して大気圧に戻し、その後、窒素を流入させながら、1400℃で2時間保持した。この後、炉内温度を常温に戻し、窒素を空気に切り替えて、異相を含むアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相の最大ピーク強度比は12.0%であった。
比較例4
比較例1におけるものと同じ原料粉末Eを坩堝に入れ、この坩堝を雰囲気炉に設置して、減圧脱気した後、窒素を充填して大気圧に戻し、次いで、4容量%の水素を含む窒素を流入させながら、1400℃で2時間保持した。この後、炉内温度を常温に戻し、上記水素を含む窒素を空気に切り替えて、異相を含むアルミン酸ランタンストロンチウムを得た。このアルミン酸ランタンストロンチウムにおける前記異相のピーク最大強度比は20.3%であった。

Claims (5)

  1. ランタン化合物と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属を含むアルカリ土類金属化合物と、アルミニウム化合物とからなる原料混合物を炭素材料の存在下、水素を含む不活性ガス雰囲気中で800〜1500℃の範囲の温度で焼成することを特徴とするペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法。
  2. 前記炭素材料が活性炭と黒鉛から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法。
  3. 前記原料混合物100重量部に対して前記炭素材料3重量部以上の存在下に、前記原料混合物を焼成する請求項1又は2に記載のペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法。
  4. アルカリ土類金属がストロンチウムである請求項1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法。
  5. 水素を含む不活性ガスが水素1容量%以上を含む窒素ガスである請求項1〜4のいずれかに記載のペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法。

JP2017121764A 2017-06-21 2017-06-21 ペロブスカイト型構造を有するアルミン酸ランタン系化合物の製造方法 Active JP6812910B2 (ja)

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