JP6811168B2 - 電源劣化判定方法、電源劣化評価方法、電源劣化判定装置、電源劣化評価装置、およびプログラム - Google Patents

電源劣化判定方法、電源劣化評価方法、電源劣化判定装置、電源劣化評価装置、およびプログラム Download PDF

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Description

この発明は、電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する電源劣化判定方法、装置およびプログラムと、電気機器の電源ユニットの劣化度を評価する電源劣化評価方法、装置およびプログラムに関する。
従来、電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定したり、その劣化度を評価したりするためには、当該電気機器を専用の測定装置に接続し、試験用波形を当該電気機器に印加してその応答を解析する必要があった(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−100976号公報
ところが、電気機器が通常動作状態にある場合、当該電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定したり、その劣化度を評価したりするために、その都度当該電気機器の電源を切りコンセントから取り外して専用装置につなぐのは不便であった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通常動作状態にある電気機器の電源を切ったり取り外したりする必要なく、当該電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定できる電源劣化判定方法、装置およびプログラムと、当該電気機器の電源ユニットの劣化度を評価できる電源劣化評価方法、装置およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明の第1の態様は、ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える装置が実行する、電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する電源劣化判定方法にあって、前記電気機器と電源とが電源線を介して接続され前記電気機器が通常動作状態にあるときの、前記電源線上の電流値または電圧値の時系列データを取得するデータ取得過程と、前記取得された時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせを特徴量として算出する特徴量算出過程と、前記算出された特徴量のうち、予め設定された条件を満たす特徴量を抽出する特徴量抽出過程と、前記抽出された特徴量に基づいて、前記電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する劣化判定過程とを備えるようにしたものである。
この発明の第2の態様は、前記特徴量抽出過程が、前記算出された特徴量のうち、当該特徴量に係る周波数が所定の周波数範囲に含まれ、かつ、当該特徴量に係る減衰率/周波数の絶対値が閾値より小さい特徴量を、前記予め設定された条件を満たす特徴量として抽出する過程を備え、前記劣化判定過程が、前記時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む時間窓の各々について、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれるか否かを判定する過程と、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれると判定された前記時間窓の数が、予め設定された割合を超えたと判定された場合に、前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定する過程とを備えるようにしたものである。
この発明の第3の態様は、前記電源劣化判定方法を使用して、ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える前記装置が実行する電源劣化評価方法にあって、前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングに基づいて、前記抽出された特徴量が連続して検出された時間を算出する時間算出過程と、前記算出された時間に基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価過程とを備えるようにしたものである。
この発明の第4の態様は、前記電源劣化判定方法を使用して、ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える前記装置が実行する電源劣化評価方法にあって、前記特徴量算出過程が、前記特徴量の各々について、当該特徴量に対応する振幅値を算出する過程を備え、前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量に対応する前記振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価過程を備えるようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、先ず、電気機器と電源とが電源線を介して接続され当該電気機器が通常動作状態にあるときの、上記電源線上の電流値または電圧値の時系列データが取得される。次に、当該取得された時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせが特徴量として算出される。当該算出された特徴量のうち、予め設定された条件を満たす特徴量が抽出される。当該抽出された特徴量に基づいて、上記電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かが判定される。このように、電気機器が通常動作状態にあるときに、当該電気機器の電源を切ったり取り外したりする必要なく、通常動作状態のまま当該電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定することができる。また、上記構成では、電源ユニットが劣化しているか否かの判定に、測定された時系列データ自体の振幅情報を用いない。このため、時系列データにおいて、劣化している電源ユニットに固有な波形の周波数帯にその他機器由来の波形が重畳していたとしても、影響されることなく、電源ユニットが劣化しているか否かの判定をすることができる。
この発明の第2の態様によれば、上記抽出処理では、上記算出された特徴量のうち、当該特徴量に係る周波数が所定の周波数範囲に含まれ、かつ、当該特徴量に係る減衰率/周波数の絶対値が閾値より小さい特徴量が、上記予め設定された条件を満たす特徴量として抽出される。上記判定処理では次の処理が実行される。先ず、上記時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む時間窓の各々について、上記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた上記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれるか否かが判定される。なお、当該時系列データの時間区間に対応するタイミングとしては、例えば、当該時系列データの時間区間において、最後の電流値または電圧値のデータを取得した時間、最初の電流値または電圧値のデータを取得した時間、あるいは、最初の電流値または電圧値のデータを取得した時間と最後の電流値または電圧値のデータを取得した時間との中間の時間等を用いる。次に、上記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた上記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれると判定された上記時間窓の数が、予め設定された割合を超えたと判定された場合に、上記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定される。上述したような特徴量を用いる場合は、上記所定の周波数範囲として適切な範囲を設定して上記抽出を行うことにより、電源ユニットの劣化に特有な特徴量を抽出することができ、当該抽出された特徴量に基づいて、電源ユニットが劣化しているか否かを判定することができる。なお、本出願人は、電源ユニットが劣化している際に発生する特殊な信号の存在についての知見を得ており、当該特殊な信号は、特有の周波数帯において劣化度に応じた振幅値を有している。上記所定の周波数範囲として、例えば、当該特殊な信号に特有な周波数帯を含む周波数範囲を用いてもよい。また、時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む時間窓においては、上記特殊な信号の振幅も最大化するため微弱な劣化も検知し易くなるという知見も、本出願人は得ている。したがって、この知見と同様に、上述したような時間窓を、電源ユニットが劣化しているか否かの判定に用いることによって、電源ユニットが劣化しているか否かを精密に判定することができる。
この発明の第3の態様によれば、上記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、上記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた上記時系列データの時間区間に対応するタイミングに基づいて、上記抽出された特徴量が連続して検出された時間が算出される。当該算出された時間に基づいて、上記電源ユニットの劣化度が評価される。このように、劣化に特有な特徴量に基づいて、電気機器が通常動作状態のまま当該電気機器の電源ユニットの劣化度を定量的に評価することができる。
この発明の第4の態様によれば、上記特徴量算出過程において、上記特徴量の各々について、当該特徴量に対応する振幅値が算出される。上記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、上記抽出された特徴量に対応する上記振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、上記電源ユニットの劣化度が評価される。上述したように、電源ユニットが劣化している際に発生する特殊な信号は、特有の周波数帯において劣化度に応じた振幅値を有している。しかしながら、この振幅値は、スイッチング電源が常時発するノイズの振幅値と比較して遥かに小さいため、従来技術で使用されるようなフーリエ解析等の手法では発見することが困難であり、当該振幅値に基づいて電源ユニットの劣化度を評価することは困難であった。しかしながら、上述したように、特徴量算出処理および抽出処理を実行して、劣化に特有な特徴量に係る振幅値に基づいて、電気機器が通常動作状態のまま当該電気機器の電源ユニットの劣化度を定量的に評価することができる。
すなわち、この発明によれば、通常動作状態にある電気機器の電源を切ったり取り外したりする必要なく、当該電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定できる電源劣化判定方法、装置およびプログラムと、当該電気機器の電源ユニットの劣化度を評価できる電源劣化評価方法、装置およびプログラムを提供することができる。
この発明の第1の実施形態に係る、電気機器の電源ユニットの劣化状態を評価するためのシステムの概略構成図。 図1に示したシステム中の電源ユニット評価装置の機能構成を示すブロック図。 複数の波形成分が合成された波形の一例を示すグラフ。 図3Aに示した波形に含まれる波形成分を示すグラフ。 図3Aに示した波形から算出された波形成分の周波数を示すグラフ。 図3Aに示した波形から算出された波形成分の減衰率を示すグラフ。 図4Aおよび図4Bに示した波形成分の周波数および減衰率の対応を示すグラフ。 図2に示した制御ユニットによって実行される電源ユニット評価処理の一例を示すフロー図。 電気機器の電源ユニットが劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量をプロットしたグラフ。 電気機器の電源ユニットが非劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量をプロットしたグラフ。 図7Aに示した特徴量のうち抽出条件を満たす特徴量をプロットしたグラフ。 図7Bに示した特徴量のうち抽出条件を満たす特徴量をプロットしたグラフ。 図7Aに示した特徴量のうち抽出条件を満たす特徴量をプロットしたグラフ。 図7Bに示した特徴量のうち抽出条件を満たす特徴量をプロットしたグラフ。 この発明の第1の実施形態の変形例に係る、電気機器の電源ユニットの劣化状態を評価するためのシステムの概略構成図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、この発明の第1の実施形態に係る、電気機器の電源ユニットの劣化状態を評価するためのシステムの概略構成図である。
本実施形態のシステムでは、電気機器3と電源としての電力線6とを接続する電源線4上に、例えば電源タップであるプローブ接続部5が接続され、当該プローブ接続部5に、電源ユニット評価装置1に接続される例えば電源プラグであるプローブ2を接続可能である。なお、プローブ2は、接触プローブおよび非接触プローブのいずれであってもよい。
本システムでは、電気機器3が電力線6から電力を供給されて通常動作状態にあるときに、電源劣化判定装置および電源劣化評価装置としての電源ユニット評価装置1は、プローブ接続部5に接続されたプローブ2を介して電源線4上の電流値または電圧値の時系列データを取得し、当該時系列データに基づいて、電気機器3の電源ユニットが劣化しているか否かを判定することができ、さらに、その劣化度を評価することができる。
図2は、図1に示した電源ユニット評価装置1の機能構成を示すブロック図である。
電源ユニット評価装置1は、ハードウェアとして、制御ユニット11と、記憶ユニット12と、外部インタフェースユニット13と、入出力インタフェースユニット14とを備えている。
外部インタフェースユニット13は、プローブ2から出力された電流値または電圧値のアナログ信号を受信して、制御ユニット11に入力する。入出力インタフェースユニット14は、例えば、キーボードやマウス等を含む入力部7によって入力された操作信号等を制御ユニット11に入力するとともに、制御ユニット11から出力された表示データを表示部8に表示させる。
記憶ユニット12は、記憶媒体として例えばHDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発メモリを使用したもので、本実施形態を実現するために、時系列データ記憶部121と、特徴量データ記憶部122と、抽出条件記憶部123と、抽出特徴量データ記憶部124と、劣化判定条件記憶部125とを備えている。
時系列データ記憶部121は、プローブ2を介して取得された電流値または電圧値の時系列データを記憶させるために使用される。
特徴量データ記憶部122は、上記時系列データに基づいて算出された特徴量のデータを記憶させるために使用される。
抽出条件記憶部123は、特徴量のうち所望の特徴量を抽出するための抽出条件を記憶している。当該抽出条件は、例えば、入力部7を介してオペレータによって予め設定された条件であり、例えば、特徴量に係る周波数の周波数範囲と、特徴量に係る減衰率/周波数の範囲とを定めるものである。なお、当該抽出条件は、例えば、特徴量に係る他の何らかの値の条件を定めるものであってもよい。
抽出特徴量データ記憶部124は、上記算出された特徴量のうち上記抽出条件を満たすとして抽出された特徴量のデータを記憶させるために使用される。
劣化判定条件記憶部125は、電源ユニットが劣化しているか否かを判定するための劣化判定条件を記憶している。当該劣化判定条件は、例えば、特徴量の算出に用いる時系列データの時間区間に対応するタイミングの条件を定めるものであり、例えば、データ解析部112等で上記時系列データが解析された結果記憶されるものである。
制御ユニット11は、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサと、プログラムメモリとを備え、本実施形態における処理機能を実行するために、時系列データ取得部111と、データ解析部112と、劣化評価部113とを備えている。これらの各部における処理機能はいずれも、プログラムメモリに格納されたプログラムを上記ハードウェアプロセッサに実行させることによって実現される。なお、プログラムメモリに格納されたプログラムを用いるのではなく、ネットワークを通して提供されるプログラムを用いてもよい。
時系列データ取得部111は、電気機器3が通常動作状態にあるときの電源線4上の電流値または電圧値のアナログデータを外部インタフェースユニット13を介してプローブ2から受信し、当該電流値または電圧値から予め設定されたサンプリングレートで電流値または電圧値の複数電源周期分の時系列データを測定および取得し、当該取得された時系列データを、記憶ユニット12の時系列データ記憶部121に記憶させる処理を実行する。なお、当該時系列データの測定および取得の処理では、ハイパスフィルタを用いてフィルタリングを行った時系列データを測定および取得するようにしてもよい。
データ解析部112は、特徴量算出部1121と、データ抽出部1122とを備えている。
特徴量算出部1121は、記憶ユニット12の時系列データ記憶部121に記憶される上記時系列データを読み出し、当該読み出された時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間として例えば数十から数百サンプルごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせを特徴量として算出する処理を実行する。特徴量算出部1121は、当該算出された特徴量のデータを、記憶ユニット12の特徴量データ記憶部122に記憶させる処理を実行する。
データ抽出部1122は、先ず、記憶ユニット12の特徴量データ記憶部122から上記特徴量のデータを読み出し、記憶ユニット12の抽出条件記憶部123から上記抽出条件を読み出す処理を実行する。その後、データ抽出部1122は、読み出された上記特徴量のデータが示す特徴量のうち、上記抽出条件を満たす特徴量を抽出し、当該抽出された特徴量のデータを、記憶ユニット12の抽出特徴量データ記憶部124に記憶させる処理を実行する。
劣化評価部113は、先ず、記憶ユニット12の抽出特徴量データ記憶部124から、上記抽出された特徴量のデータを読み出し、記憶ユニット12の劣化判定条件記憶部125から、電源ユニットが劣化しているか否かを判定するための劣化判定条件を読み出す処理を実行する。その後、劣化評価部113は、読み出された、上記抽出された特徴量と、劣化判定条件とに基づいて、電気機器3の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する処理を実行する。
電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定された場合、劣化評価部113は、上記抽出された特徴量に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価する処理を実行する。なお、電気機器3の電源ユニットが劣化していないと判定された場合にも、劣化評価部113は、同様の処理を実行してもよい。
最後に、劣化評価部113は、電気機器3の電源ユニットが劣化しているか否かの判定結果およびその劣化度の評価結果の表示データを、入出力インタフェースユニット14を介して表示部8に送信する処理を実行する。
(動作)
次に、以上のように構成された電源ユニット評価装置1の動作を説明する。
(1)特徴量算出処理の具体例
先ず、データ解析部112の特徴量算出部1121の制御の下、制御ユニット11が実行する特徴量算出処理について、一般的な例を挙げて詳細に説明する。
重畳緩和信号の時系列データSの特徴量算出処理にあたり、重畳緩和信号の波形を線形近似するために係数aを用い、その係数aなるパラメタの数をM個とし、そのm番目のパラメタをaと表記するものとする。なお、Mは1以上の自然数であり、必要に応じて、算出しようとする波形成分数の3倍を目安に選ぶことが好ましい。
その上で、重畳緩和信号の波形を線形近似するため、以下の式(1)に示す線形近似式を考える。
次に、この式(1)に含まれる係数aの値を、以下の式(2)で与えられる近似残差が最小になるという条件で求める。
1回の解析に用いる時系列データSのデータ数はM+Nとなる。Nの値は、1以上の自然数であり、算出しようとする波形成分の減衰率の逆数に対応する時間の1〜3倍程度に対応する値とすることが望ましい。Nが大きいほど原理的には解析の安定性は高くなるが、その一方で、波形成分が時間と共に減衰することから、背景ノイズの影響を受けやすくなるというデメリットがあるためである。
ここで、上記係数aの値を、以下の式(3)で定義する時間依存自己相関係数を用いた式(4)の時間依存自己相関行列を対角化することによって計算する。
次に、上記式(1)〜式(4)を用いて計算された係数aを係数に用いたXに関する以下の式(5)を、
DKA法等の公知の因数分解手法を用いた数値計算によって数値的に得られるM個の根を用いて因数分解する。これにより、式(5)は式(6)の形に変形することができ、この式(6)中のM個の複素特徴量Fが算出される。
なお、ΔTは時系列データSのサンプリング間隔である。
最後に、M個の複素特徴量Fの実部を波形成分の減衰率とし、虚部を2πで割った値を当該波形成分の周波数として出力する。
以下では、上記で算出されたM個の複素特徴量Fから主要な波形成分を算出する処理について説明する。
上記算出されたM個の複素特徴量Fmを用いて、以下の式(7)が成立するM個の係数Cを選ぶ。なお、この係数Cの算出には、最小自乗法等の公知の方法を用いて計算可能である。
こうして得られたM個の係数CをCの絶対値(|C|)の大きい方から順に並べ、並べられた各係数Cに対応する複素特徴量Fと合わせて、Cの絶対値の大きい順に順次出力する。
の絶対値の大きい順が主要な波形成分の順となり、Cの絶対値が最大の係数Cに対応する複素特徴量Fが、M個の波形成分のうち最も主要な波形成分である。その後、複素特徴量Fの入力順に、複素特徴量Fの実部を波形成分の減衰率とし、虚部を2πで割った値を当該波形成分の周波数として、順次出力する。さらに、当該複素特徴量Fに対応するCの絶対値を振幅値として、順次出力する。
以上より、上記算出されたM個の複素特徴量Fを用いて、式(7)が成立するM個の係数Cを選び、各係数Cにそれぞれ対応する複素特徴量FをCの絶対値の大きい順で出力するため、波形成分を主要順に出力できる。
図3Aは、複数の波形成分が合成された波形の一例を示すグラフである。ここでは、20kHzでサンプリングしている。
図3Bは、図3Aの波形を構成する3つの波形成分である。ここでは、周波数が1.2kHzで減衰率が−0.30/ms、周波数が1.1kHzで減衰率が−0.20/ms、周波数が1.0kHzで減衰率が−0.25/ms、という3つの波形成分を採用している。
上述した特徴量算出処理により、図3Aの波形から、当該波形に含まれる図3Bに示す3つの波形成分にそれぞれ対応する周波数と減衰率との組み合わせを特徴量として算出することができる。
図4Aと図4Bは、上述した特徴量算出処理によって図3Aに示した波形を解析した結果であり、それぞれ、周波数成分と減衰率成分とをプロットしたものである。ここで、信号解析で使用したMとNとを、それぞれ10と40とに設定している。図3Aのサンプリングが20kHzであることから、1回の解析に用いられる時間幅は(M+N)/20kHz、すなわち、2.5msとなる。この理由により、図4Aと図4Bは、2.5msの位置からプロットされている。
図4Aによれば、1.0kHz、1.1kHz、1.2kHzの位置に3本の線がプロットされている。また、図4Bによれば、−0.30/ms、−0.25/ms、−0.20/msの位置に3本の線がプロットされている。これら算出結果より、図3Aに示した波形から、図3Bに示す3つの波形成分の周波数と減衰率とが得られていることが把握できる。
図4Aおよび図4Bは、図3Aおよび図3Bとの比較を容易にするために横軸を時間軸にしているが、図3Bに示された3つの波形成分に関する情報を得るのには不向きである。そこで、図3Bに示された3つの波形成分に関する情報を見易くするために、横軸を周波数軸、縦軸を減衰率軸にしたものを図5に示す。
図5によれば、図3Bに示された3つの波形成分の周波数と減衰率とが3つの点としてプロットされており、図3Aに示された波形から、図3Bで示された各波形成分の周波数と減衰率とが正確に算出されていることが把握できる。なお、離散フーリエ変換を用いた従来手法による算出処理では、1kHz周辺に何かしらの信号の存在が予測できるに過ぎず、図3Aの波形が上記3つの波形成分の重ね合わせであることまでは算出することができない。
(2)電源ユニット評価処理
図6は、図2に示した制御ユニット11によって実行される電源ユニット評価処理の一例を示すフロー図である。
先ず、ステップS1において、制御ユニット11は、時系列データ取得部111の制御の下、電気機器3が通常動作状態にあるときの電源線4上の電流値または電圧値のアナログデータを外部インタフェースユニット13を介してプローブ2から受信し、当該電流値または電圧値から、予め設定されたサンプリングレートとして例えば250kHzのサンプリング周波数で、電流値または電圧値の複数電源周期分の時系列データを測定および取得し、当該取得された時系列データを時系列データ記憶部121に記憶させる。なお、当該時系列データの測定および取得の処理では、ハイパスフィルタを用いてフィルタリングを行った時系列データを測定および取得するようにしてもよい。
次に、ステップS2において、制御ユニット11は、データ解析部112の特徴量算出部1121の制御の下、時系列データ記憶部121から上記時系列データを読み出し、当該読み出された時系列データに基づいて、上記で詳細に説明した特徴量算出処理と同様の手法で、当該時系列データの所定の時間区間として例えば電流値または電圧値の50サンプル分の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせを例えば10組、特徴量として算出する。その後、制御ユニット11は、特徴量算出部1121の制御の下、当該算出された特徴量のデータを特徴量データ記憶部122に記憶させる。
なお、制御ユニット11は、特徴量算出部1121の制御の下、上記算出された特徴量の各々について、当該特徴量の算出に用いた上記時系列データの時間区間に対応するタイミングのデータを、特徴量データ記憶部122に、特徴量のデータに対応付けて記憶させてもよい。当該タイミングとしては、例えば、上記50サンプルの最後のサンプルを取得した時間、最初のサンプルを取得した時間、あるいは、最初のサンプルを取得した時間と最後のサンプルを取得した時間との中間の時間等を用いる。
さらに、制御ユニット11は、特徴量算出部1121の制御の下、上記算出された特徴量の各々について、上記で詳細に説明した特徴量算出処理と同様の手法で、当該特徴量に対応する振幅値も算出し、当該算出された振幅値のデータを、特徴量データ記憶部122に、特徴量のデータに対応付けて記憶させてもよい。
ステップS3において、制御ユニット11は、データ抽出部1122の制御の下、先ず特徴量データ記憶部122から上記特徴量のデータを読み出し、抽出条件記憶部123から上記抽出条件を読み出す。その後、制御ユニット11は、データ抽出部1122の制御の下、上記抽出条件としての、例えば、70〜90kHzの周波数範囲、および、0.05より小さい減衰率[1/ms]/周波数[kHz]の絶対値範囲に基づいて、読み出された特徴量のデータが示す特徴量のうち、当該特徴量に係る周波数が70〜90kHzの周波数範囲に含まれ、かつ、当該特徴量に係る減衰率/周波数の絶対値が0.05の閾値より小さい特徴量を抽出し、当該抽出された特徴量のデータを抽出特徴量データ記憶部124に記憶させる。
図7Aは、電気機器3の電源ユニットが劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を、横軸を周波数、縦軸を減衰率/周波数としてプロットしたグラフである。一方、図7Bは、電気機器3の電源ユニットが非劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を、横軸を周波数、縦軸を減衰率/周波数としてプロットしたグラフである。図7Aおよび図7Bでは、上記70〜90kHzの周波数範囲および0.05より小さい減衰率[1/ms]/周波数[kHz]の絶対値範囲という抽出条件に対応する領域が示されており、当該領域中にプロットされている特徴量は、ステップS3における処理によって抽出される特徴量に相当する。
ステップS4において、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、先ず、抽出特徴量データ記憶部124から、上記抽出された特徴量のデータを読み出し、特徴量データ記憶部122から当該抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのデータをそれぞれ読み出し、さらに、劣化判定条件記憶部125から、電源ユニットが劣化しているか否かを判定するための劣化判定条件を読み出す。その後、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、劣化判定条件として、例えば、時系列データ取得部111において取得された時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む所定の時間窓を用い、当該所定の時間窓の各々について、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが定常的に含まれるか否かを判定し、その結果に基づいて、電気機器3の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する。例えば、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが含まれると判定された時間窓の数が、予め設定された割合を超えたと判定された場合に、電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定される。
なお、上記では劣化判定条件としてのタイミングの条件が劣化判定条件記憶部125から読み出されるものとして説明したが、代わりに、時系列データ記憶部121に記憶される時系列データを読み出して、当該読み出された時系列データから、当該時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む所定の時間窓を算出して上述したタイミングの条件として用いてもよい。
図8Aは、図7Aに示した特徴量のうち上記抽出条件を満たす特徴量を、横軸を上記特徴量に対応付けられているタイミング、縦軸を周波数としてプロットしたグラフである。一方、図8Bは、図7Bに示した特徴量のうち上記抽出条件を満たす特徴量を、横軸を上記特徴量に対応付けられているタイミング、縦軸を周波数としてプロットしたグラフである。図8Aの例では、時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む所定の時間窓の各々に、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが定常的に含まれるので、電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定される。一方、図8Bの例では、時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む所定の時間窓の各々に、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが定常的に含まれているわけではないので、電気機器3の電源ユニットは劣化していないと判定される。これは、図8Aにプロットされている特徴量が、電気機器3の電源ユニットが劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を抽出したものであり、一方、図8Bにプロットされている特徴量が、電気機器3の電源ユニットが非劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を抽出したものであるという事実と整合している。
電源ユニットが劣化していると判定された場合は、ステップS5において、その劣化度の評価がされる。
ステップS5において、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、上記抽出された特徴量に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価する。なお、劣化度評価処理は、電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定された場合に実行されるものとして説明するが、電気機器3の電源ユニットが劣化していないと判定された場合に実行するようにしてもよい。
劣化度評価処理としては、以下に示す2通りの処理のいずれかまたは両方を実行することが可能である。
第1の劣化度評価処理として、先ず、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、特徴量データ記憶部122から、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのデータをそれぞれ読み出し、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングに基づいて、上記抽出された特徴量が連続して検出された時間を算出する。次に、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、上記算出された時間に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価する。なお、抽出された特徴量が連続して検出されたとの判断については、例えば、2つの抽出された特徴量について、各々の特徴量に対応付けられているタイミングの時間差が、所定の間隔としての、例えば、特徴量の算出単位である上記時間区間の2倍以内であるときに、この2つの抽出された特徴量は連続して検出されたとする。なお、抽出された特徴量が連続して検出されたとの判断に用いる上記所定の間隔には、例えば、特徴量の算出単位である上記時間区間そのものや、特徴量の算出単位である上記時間区間の3倍等、他の値を用いてもよい。
図8Aにおいて、上記算出された時間の例を、劣化に伴う信号の持続時間として示している。なお、図8Aに示されているように、上記算出された時間が断続的にある場合には、そのすべてを合計した時間に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価してもよいし、あるいは、そのうちの最も長い時間に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価してもよい。上記劣化に伴う信号の持続時間のすべてを合計した時間に基づいて劣化度の評価を実行する場合には、例えば、時系列データの計測時間全体の時間に対する、当該合計した時間の割合が大きいほど、劣化度が高いと評価される。一方、上記劣化に伴う信号の持続時間のうち最も長い時間に基づいて劣化度の評価を実行する場合は、例えば、時系列データが表す波形が極大となるタイミングの間隔に対する、当該劣化に伴う信号の持続時間のうち最も長い時間の割合が大きいほど、劣化度が高いと評価される。
次に、第2の劣化度評価処理として、先ず、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、特徴量データ記憶部122に記憶される、上記抽出された特徴量の各々に対応する振幅値を読み出す。次に、制御ユニット11は、劣化評価部113の制御の下、上記抽出された特徴量に対応する振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度を評価する。
図9Aは、図7Aに示した特徴量のうち上記抽出条件を満たす特徴量を、横軸を上記特徴量に対応付けられているタイミング、縦軸を振幅値としてプロットしたグラフである。一方、図9Bは、図7Bに示した特徴量のうち上記抽出条件を満たす特徴量を、横軸を上記特徴量に対応付けられているタイミング、縦軸を振幅値としてプロットしたグラフである。図9Aおよび図9Bにおいて、上記振幅値の最大値の例を、劣化に伴う信号の最大振幅として示している。劣化に伴う信号の最大振幅が大きいほど、劣化度が高いと評価される。図9Aに示される劣化に伴う信号の最大振幅は、図9Bに示される劣化に伴う信号の最大振幅と比較して大きい。したがって、図9Aの例では、図9Bの例と比較して劣化度が高いと評価される。これは、図9Aにプロットされている特徴量が、電気機器3の電源ユニットが劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を抽出したものであり、一方、図9Bにプロットされている特徴量が、電気機器3の電源ユニットが非劣化状態の際に取得される電流値または電圧値の時系列データから算出された特徴量を抽出したものであるという事実と整合している。
劣化している電源ユニットでは、コンデンサ劣化などに伴い、電源ユニット内部で発生したノイズの減衰がし難くなり、電源ユニット外部に減衰率の小さな正弦波的な信号が現れるようになることがあることから、上述したような電源ユニット評価処理が可能となる。
(効果)
(1)時系列データ取得部111の制御の下、電気機器3が通常動作状態にあるときの電源線4上の電流値または電圧値のアナログデータがプローブ2から受信され、当該電流値または電圧値から、例えば250kHzのサンプリング周波数で、電流値または電圧値の複数電源周期分の時系列データが測定および取得される。次に、特徴量算出部1121の制御の下、当該時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間として例えば電流値または電圧値の50サンプル分の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせが例えば10組、特徴量として算出される。また、特徴量算出部1121の制御の下、上記算出された特徴量の各々について、当該特徴量の算出に用いた上記時系列データの時間区間に対応するタイミングのデータが対応付けられる。さらに、特徴量算出部1121の制御の下、上記算出された特徴量の各々について、当該特徴量に対応する振幅値も算出され、当該特徴量の各々に、当該算出された振幅値のデータも対応付けられてもよい。データ抽出部1122の制御の下、上記算出された特徴量のうち、当該特徴量に係る周波数が70〜90kHzの周波数範囲に含まれ、かつ、当該特徴量に係る減衰率[1/ms]/周波数[kHz]の絶対値が0.05の閾値より小さい特徴量が抽出される。劣化評価部113の制御の下、上記時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む所定の時間窓の各々について、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが定常的に含まれるか否かを判定し、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングのうちいずれかが含まれると判定された時間窓の数が、予め設定された割合を超えたと判定された場合に、電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定される。
このように、電気機器3が通常動作状態にあるときに、当該電気機器3の電源を切ったり取り外したりする必要なく、通常動作状態のまま当該電気機器3の電源ユニットが劣化しているか否かを判定することができる。また、上記構成では、電源ユニットが劣化しているか否かの判定に、測定された時系列データ自体の振幅情報を用いない。このため、時系列データにおいて、劣化している電源ユニットに固有な波形の周波数帯にその他機器由来の波形が重畳していたとしても、影響されることなく、電源ユニットが劣化しているか否かの判定をすることができる。
また、上述したような特徴量を用いる場合は、上記所定の周波数範囲として適切な範囲を設定して上記抽出を行うことにより、電源ユニットの劣化に特有な特徴量を抽出することができ、当該抽出された特徴量に基づいて、電源ユニットが劣化しているか否かを判定することができる。なお、本出願人は、電源ユニットが劣化している際に発生する特殊な信号の存在についての知見を得ており、当該特殊な信号は、特有の周波数帯において劣化度に応じた振幅値を有している。上記所定の周波数範囲として、例えば、当該特殊な信号に特有な周波数帯を含む周波数範囲を用いてもよい。また、時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む時間窓においては、上記特殊な信号の振幅も最大化するため微弱な劣化も検知し易くなるという知見も、本出願人は得ている。したがって、この知見と同様に、上述したような時間窓を、電源ユニットが劣化しているか否かの判定に用いることによって、電源ユニットが劣化しているか否かを精密に判定することができる。
(2)電気機器3の電源ユニットが劣化していると判定された場合、劣化評価部113の制御の下、上記抽出された特徴量に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度が評価される。第1の劣化度評価処理として、劣化評価部113の制御の下、上記抽出された特徴量の各々に対応付けられているタイミングに基づいて、上記抽出された特徴量が連続して検出された時間が算出され、当該算出された時間に基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度が評価される。第2の劣化度評価処理として、劣化評価部113の制御の下、上記抽出された特徴量の各々に対応する振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、電気機器3の電源ユニットの劣化度が評価される。
このように、劣化に特有な特徴量に基づいて、電気機器3が通常動作状態のまま当該電気機器3の電源ユニットの劣化度を定量的に評価することができる。
上述したように、電源ユニットが劣化している際に発生する特殊な信号は、特有の周波数帯において劣化度に応じた振幅値を有している。しかしながら、この振幅値は、スイッチング電源が常時発するノイズの振幅値と比較して遥かに小さいため、従来技術で使用されるようなフーリエ解析等の手法では発見することが困難であり、当該振幅値に基づいて電源ユニットの劣化度を評価することは困難であった。しかしながら、上述したように、特徴量算出処理および抽出処理を実行して、劣化に特有な特徴量に係る振幅値に基づいて、電気機器3が通常動作状態のまま当該電気機器3の電源ユニットの劣化度を定量的に評価することができる。
[変形例]
図10は、この発明の第1の実施形態の変形例に係る、電気機器の電源ユニットの劣化状態を評価するためのシステムの概略構成図である。
このシステムでは、電気機器3A,3Bおよび3Cのいずれも同一の電力線6に接続され、電気機器3Aと電力線6とを接続する電源線4A上に、例えば電源タップであるプローブ接続部5Aが接続されており、また、電気機器3Bと電力線6とを接続する電源線4B上に、例えば電源タップであるプローブ接続部5Bが接続されており、さらに、電気機器3Cと電力線6とを接続する電源線4C上に、例えば電源タップであるプローブ接続部5Cが接続されている。当該プローブ接続部5A,5B,5Cのいずれにも、電源ユニット評価装置1に接続される例えば電源プラグであるプローブ2を接続可能である。なお、プローブ2は、プローブ接続部5A,5B,5Cのいずれでもなく、電力線6上の電源プラグに接続することも可能である。
この変形例では、例えば、プローブ2を電力線6上の電源プラグに接続することにより、電源ユニット評価装置1は、プローブ2から出力された電力線6上の電圧値のアナログ信号を受信し、当該電圧値から予め設定されたサンプリングレートで電圧値の複数電源周期分の時系列データを測定および取得することによって、上記で説明したのと同様の手法で、ステップS4において説明した電源劣化判定処理を実行することができる。当該電源劣化判定処理において電源ユニットが劣化していると判定された場合、電気機器3A,3Bおよび3Cのいずれかが備える電源ユニットが劣化していることが分かる。このうちいずれの電源ユニットが劣化しているかは、プローブ2を、プローブ接続部5A,5Bおよび5Cのそれぞれに接続して、上記で説明したのと同様の手法で、ステップS4において説明した電源劣化判定処理を実行すればよい。電源ユニットが劣化していると判定された際にプローブ2が接続されているプローブ接続部に対応する電気機器の電源ユニットが劣化していることが分かる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記では特徴量の抽出条件として、周波数範囲と、減衰率/周波数の絶対値の範囲とをともに用いる場合を説明した。しかしながら、抽出条件はこれに限定されるわけではなく、例えば、特徴量に係る他の何らかの値の条件を適宜組み合わせたものであってもよい。
その他、プローブ接続部、プローブ、電源ユニット評価装置の種類とその構成、ならびに、抽出条件記憶部、劣化判定条件記憶部の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、上記実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…電源ユニット評価装置、11…制御ユニット、111…時系列データ取得部、112…データ解析部、1121…特徴量算出部、1122…データ抽出部、113…劣化評価部、12…記憶ユニット、121…時系列データ記憶部、122…特徴量データ記憶部、123…抽出条件記憶部、124…抽出特徴量データ記憶部、125…劣化判定条件記憶部、13…外部インタフェースユニット、14…入出力インタフェースユニット、2…プローブ、3,3A,3B,3C…電気機器、4,4A,4B,4C…電源線、5,5A,5B,5C…プローブ接続部、6…電力線、7…入力部、8…表示部

Claims (8)

  1. ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える装置が実行する、電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する電源劣化判定方法であって、
    前記電気機器と電源とが電源線を介して接続され前記電気機器が通常動作状態にあるときの、前記電源線上の電流値または電圧値の時系列データを取得するデータ取得過程と、
    前記取得された時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせを特徴量として算出する特徴量算出過程と、
    前記算出された特徴量のうち、予め設定された条件を満たす特徴量を抽出する特徴量抽出過程と、
    前記抽出された特徴量に基づいて、前記電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する劣化判定過程と
    を備える電源劣化判定方法。
  2. 前記特徴量抽出過程は、前記算出された特徴量のうち、当該特徴量に係る周波数が所定の周波数範囲に含まれ、かつ、当該特徴量に係る減衰率/周波数の絶対値が閾値より小さい特徴量を、前記予め設定された条件を満たす特徴量として抽出する過程を備え、
    前記劣化判定過程は、
    前記時系列データが表す波形が極大となるタイミングを含む時間窓の各々について、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれるか否かを判定する過程と、
    前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングのうち、いずれかが含まれると判定された前記時間窓の数が、予め設定された割合を超えたと判定された場合に、前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定する過程と
    を備える請求項1に記載の電源劣化判定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電源劣化判定方法を使用して、ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える前記装置が実行する電源劣化評価方法であって、
    前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングに基づいて、前記抽出された特徴量が連続して検出された時間を算出する時間算出過程と、
    前記算出された時間に基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価過程とを備える、電源劣化評価方法。
  4. 請求項1又は2に記載の電源劣化判定方法を使用して、ハードウェアプロセッサおよびメモリを備える前記装置が実行する電源劣化評価方法であって、
    前記特徴量算出過程は、前記特徴量の各々について、当該特徴量に対応する振幅値を算出する過程を備え、
    前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量に対応する前記振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価過程を備える、電源劣化評価方法。
  5. 電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する電源劣化判定装置であって、
    前記電気機器と電源とが電源線を介して接続され前記電気機器が通常動作状態にあるときの、前記電源線上の電流値または電圧値の時系列データを取得するデータ取得部と、
    前記取得された時系列データに基づいて、当該時系列データの所定の時間区間ごとに、当該時系列データに含まれる波形成分の周波数と減衰率との組み合わせを特徴量として算出する特徴量算出部と、
    前記算出された特徴量のうち、予め設定された条件を満たす特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記抽出された特徴量に基づいて、前記電気機器の電源ユニットが劣化しているか否かを判定する劣化判定部と
    を備える電源劣化判定装置。
  6. 請求項5に記載の電源劣化判定装置を備える電源劣化評価装置であって、
    前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量の各々に係る、当該特徴量の算出に用いた前記時系列データの時間区間に対応するタイミングに基づいて、前記抽出された特徴量が連続して検出された時間を算出する時間算出部と、
    前記算出された時間に基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価部とを備える、電源劣化評価装置。
  7. 請求項5に記載の電源劣化判定装置を備える電源劣化評価装置であって、
    前記特徴量算出部は、前記特徴量の各々について、当該特徴量に対応する振幅値を算出し、
    前記電気機器の電源ユニットが劣化していると判定された場合に、前記抽出された特徴量に対応する前記振幅値の最大値、平均値、および中央値のいずれかに基づいて、前記電源ユニットの劣化度を評価する劣化度評価部を備える、電源劣化評価装置。
  8. 請求項1又は2に記載の電源劣化判定方法が備える各過程、あるいは、請求項3又は4に記載の電源劣化評価方法が備える各過程を、前記ハードウェアプロセッサに実現させるプログラム。
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