JP4725218B2 - 脳機能測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、解析結果の妥当性と脳機能の解析精度が向上された脳機能測定装置に関するものである。
更に、詳述すれば、脳機能測定装置の解析部分に関するものである。
脳機能測定装置に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
原宏、栗城真也編、「脳磁気科学−SQUID計測と医学応用−」、P101〜P123、第1版、オーム社、平成9年1月25日発行
近年、脳磁計・脳波計などの解析手法として、ミニマムノルム法やアダプティブビームフォーマー法などの空間フィルタ法技術が注目されて来ている。
図3は、このような空間フィルタ法を適用した従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図、図4は図3のフロー説明図、図5は図3の動作説明図、図6は図3の解析図、図7は図3の要部模式図である。
図3において、測定回路1は、図5に示す如き、測定データを測定する。
空間フィルタ算出回路2は測定データより空間フィルタを算出する。
脳活動分布計算回路3は、この空間フィルタ用いて、脳内もしくは脳表の活動分布を計算する。
表示部4は、図6に示す如く、この解析結果を表示する。
ここで、図7に示す如く、空間フィルタとは、センサ信号から脳内もしくは脳表の活動を表すための一つの変換装置と捕えることができる。
以上の構成において、図4に示す如く、ステップ1に示すように、測定回路1で測定データを測定する。
ステップ2に示すように、空間フィルタ算出回路2で測定データより空間フィルタを算出する。
ステップ3に示すように、この空間フィルタ用いて、脳活動分布計算回路3では、脳内もしくは脳表の活動分布を計算する。
表示部4ではこの解析結果を表示する。
しかしながら、このような脳機能測定装置においては、
(1)解析結果の妥当性が評価できない。
(2)解析結果を見て、解析の誤差なのか実際の脳活動の結果なのかの解釈が難しい。
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、解析結果の妥当性と脳機能の解析精度が向上された脳機能測定装置を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の脳機能測定装置においては、
空間フィルタ法を使用して脳機能を測定する脳機能測定装置において、測定データを測定する測定回路と、前記測定データより空間フィルタを算出する空間フィルタ算出回路と、この空間フィルタ用いて脳内もしくは脳表の活動分布を計算する脳活動分布計算回路と、前記脳内もしくは脳表の活動分布の信号を用いてセンサー信号を計算するセンサー信号計算回路と、このセンサー信号計算回路の計算結果よりセンサー信号の値の分布を算出するセンサー信号分布算出回路と、実際に測定された信号の分布を算出する測定信号分布算出回路と、前記センサー信号分布算出回路と測定信号分布算出回路との計算結果をGOF計算法を採用して比較し計算結果が所定精度内に一致するまで前記空間フィルタを計算し直し前記比較判定回路による繰り返し計算部分において前記空間フィルタ算出回路出力値の閾値の調整を行う比較判定回路とを具備したことを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
解析結果の妥当性を評価することができる脳機能測定装置が得られる。
繰り返し計算を行なうことにより、解析誤差を最小限にすることができ、解析結果から実際の脳活動を捉えやすくなる脳機能測定装置が得られる。
また、GOF計算法を本発明の比較回路に採用することによって、GOFを用いて計算される等価電流双極子推定法との比較が容易となる。
等価電流双極子推定法は臨床的な評価が確立された方法なので、この方法と比較できるということは、本発明により、臨床的な根拠を得る事が容易な脳機能測定装置が得られる。
また、通常、空間フィルタによる解析結果は、広がりを持った結果となるが、その広がり方は、閾値をどれくらいの値に設定するかによって大きく変わる。
従って、本発明により自動的にかつ、最適な閾値を決めることができ、解析誤差を最小限にし、解析結果の広がりから実際の脳活動の広がりを捉えやすくなる脳機能測定装置が得られる。

以下本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1のフロー説明図である。
図において、測定回路1は、測定データを測定する。
空間フィルタ算出回路2は測定データより空間フィルタを算出する。
脳活動分布計算回路3は、この空間フィルタ用いて、脳内もしくは脳表の活動分布を計算する。
センサー信号計算回路11は、空間フィルタを用いて算出された脳内もしくは脳表の活動分布の信号を用いてセンサー信号を計算する。
センサー信号分布算出回路12は、センサー信号計算回路11の計算結果より、センサー信号の値の分布(例えば等磁場線図)を算出する。
なお、センサー信号計算回路11とセンサー信号分布算出回路12とは、下記の測定信号分布算出回路13の結果と比較するために、用いられるものである。
測定信号分布算出回路13は、実際に測定された信号の分布(例えば等磁場線図)を算出する。
比較判定回路14は、センサー信号分布算出回路12と測定信号分布算出回路13との計算結果を比較し、計算結果が所定精度内に一致するまで空間フィルタを計算し直す。
以上の構成において、図2に示す如く、ステップ1に示すように、測定回路1で測定データを測定する。
ステップ2に示すように、空間フィルタ算出回路2で測定データより空間フィルタを算出する。
ステップ3に示すように、この空間フィルタ用いて、脳活動分布計算回路3では、脳内もしくは脳表の活動分布を計算する。
ステップ4に示すように、センサー信号計算回路11では、空間フィルタを用いて算出された脳内もしくは脳表の活動信号を用いてセンサー信号を計算する。
ステップ5に示すように、センサー信号分布算出回路12では、センサー信号計算回路11の計算結果より、センサー信号の値の分布(例えば等磁場線図)を算出する。
一方、ステップ6に示すように、測定信号分布算出回路13では、実際に測定された信号の分布(例えば等磁場線図)を算出する。
ステップ7に示すように、比較判定回路14は、センサー信号分布算出回路12と測定信号分布算出回路13との計算結果を比較し、計算結果が所定精度内に一致するまで前記空間フィルタを計算し直す。
センサー信号分布算出回路12と測定信号分布算出回路13との計算結果が所定精度内に一致すれば、空間フィルタの計算し直しを終了する。
比較判定回路14での具体的な計算例を以下に示す。
比較する一つの方法としてGOF(Goodness of fit)法がある。計算式は以下のとおりである。
GOF=(1−Σ(測定値−計算値)2/Σ(測定値2))×100[%]
ここでΣは、各センサーについて総和していることを意味する。
GOFは、100%のとき両者は完全に一致しており、100%より小さな値になるほど一致度が小さくなることを意味する。
次に、GOF法の結果を適用する一つの方法として、閾値の決定がある。
閾値は空間フィルタ計算結果の一つのパラメータと考えられる。
その閾値は脳活動分布計算回路3で得られた分布に対して、いくつの閾値以上を脳の活動として捉えるかを意味するものである。
すなわち、閾値を変化させていくと、脳活動分布計算回路3での結果が広がったり狭まったりするが、その閾値を決定するために、比較判定回路14の結果(GOF)が最大になるように決定すれば、最適な閾値を得ることができる。
この結果、
「実測結果といかに一致しているか」という一つの解析指標が得られるので、解析結果の妥当性を評価することができる脳機能測定装置が得られる。
繰り返し計算を行なうことにより、解析誤差を最小限にすることができ、解析結果から実際の脳活動を捉えやすくなる脳機能測定装置が得られる。
GOF計算法を本発明の比較回路14に採用することによって、GOFを用いて計算される等価電流双極子推定法との比較が容易となる。
等価電流双極子推定法は臨床的な評価が確立された方法なので、この方法と比較できるということは、本発明により、臨床的な根拠を得る事が容易な脳機能測定装置が得られる。
通常、空間フィルタによる解析結果は、広がりを持った結果となるが、その広がり方は、閾値をどれくらいの値に設定するかによって大きく変わる。
従って、本発明により自動的にかつ、最適な閾値を決めることができ、解析誤差を最小限にし、解析結果の広がりから実際の脳活動の広がりを捉えやすくなる脳機能測定装置が得られる。
なお、前述の実施例においては、脳磁計の解析例に付いて説明したが、これに限ることはなく、脳波計やNIRSなど、空間フィルタ法を使用した脳機能を計測する装置に適用ができることは勿論である。
ここで、
NIRS:Near Infrared Spectroscopy(近赤外分光法)
を表す。
要するに、本発明は、求めた脳内もしくは脳表の活動から、センサー信号を算出し、実測定と比較し、比較した結果を用いて、解析結果が実測定に近づくように繰り返し計算を行なう脳機能測定装置である。
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
本発明の一実施例の要部構成説明図である。 図1のフロー説明図である。 従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。 図3のフロー説明図である。 図3の動作説明図である。 図3の解析図である。 図3の要部模式図である。
符号の説明
1 測定回路
2 空間フィルタ算出回路
3 脳活動分布計算回路
4 表示部
11 センサー信号計算回路
12 センサー信号分布算出回路
13 測定信号分布算出回路
14 比較判定回路


Claims (1)

  1. 空間フィルタ法を使用して脳機能を測定する脳機能測定装置において、
    測定データを測定する測定回路と、
    前記測定データより空間フィルタを算出する空間フィルタ算出回路と、
    この空間フィルタ用いて脳内もしくは脳表の活動分布を計算する脳活動分布計算回路と、
    前記脳内もしくは脳表の活動分布の信号を用いてセンサー信号を計算するセンサー信号計算回路と、
    このセンサー信号計算回路の計算結果よりセンサー信号の値の分布を算出するセンサー信号分布算出回路と、
    実際に測定された信号の分布を算出する測定信号分布算出回路と、
    前記センサー信号分布算出回路と測定信号分布算出回路との計算結果をGOF計算法を採用して比較し計算結果が所定精度内に一致するまで前記空間フィルタを計算し直し前記比較判定回路による繰り返し計算部分において前記空間フィルタ算出回路出力値の閾値の調整を行う比較判定回路と
    を具備したことを特徴とする脳機能測定装置。
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