JP2022551682A - 歯車を試験するための分析システムおよび方法 - Google Patents

歯車を試験するための分析システムおよび方法 Download PDF

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Abstract

歯車セットの回転試験機またはギアボックスのテストフィクスチャを用いて取得された運動伝達誤差を含む歯車セット性能データの分析および表示を対象とする歯車回転試験方法は、時間領域、周波数領域、およびそれらを合わせたものにおいてこのデータを分析および視覚化することを含む。本発明はさらに、コア信号処理、データをより洞察に満ちた方法で探索することを可能にする分析および信号処理シーケンス、データおよび結果を視覚化および報告する方法、ならびに、これらの機能および特徴を提供するための、より優れた柔軟性および有用性を備えたマンマシン・ユーザインターフェース・パラダイムにおける根本的な改善を含む。

Description

本発明はセンサ出力、特に歯車の試験に関するセンサ出力の処理、分析、および表示を対象とする。
本発明は主に、様々なセンサ出力の処理、分析、および表示を対象とし、特に、参照によりその開示内容が援用される米国特許第6,120,355号および同第7,553,115号に記載および示されているような試験機で歯車セットの回転試験を行うことによって発生し得る歯車セット運動伝達誤差(MTE)、ノイズ、および振動現象に関連するセンサ出力を対象とする。本発明はまた、例えば、参照によりその開示内容が援用されるUS2020/0292305の図1によって示されるように、かみ合っている一対の歯車を回転させた際の歯車の軸間の相対運動が測定される、片歯面試験機または両歯面試験機などの歯車回転試験用の機能試験プラットフォーム上で実施され得る。
これらの方法が適用可能な出力を生成するセンサには、エンコーダやレゾルバなどの回転位置測定デバイス、1軸および多軸加速度計や音響センサなどの振動測定デバイス、ならびに光学ガラススケール、磁気スケール、光学デバイス、レーザデバイス、超音波デバイス、容量性または誘導性変位トランスデューサなどの他の運動または変位測定デバイスが含まれる。
センサは多くの構成および配置で配列され得る。ロータリーセンサは通常、歯車セットの駆動メンバーおよび被駆動メンバーが取り付けられている2つのスピンドルを監視する。試験対象のデバイスが2組以上の歯車(例えば、ギアボックスまたは遊星アセンブリ)を含む場合、追加のロータリーエンコーダによって他の回転要素の運動が測定され得る。
リニア、振動、音響、およびその他のセンサが、試験機上もしくは試験機付近の、または試験機の線形もしくは回転運動要素(例えば、揺動ヘッドおよび直線軸)上の固定位置に取り付けられ得る。例えば、変位測定デバイスを両歯面歯車セット試験機に適用して、その出力も本発明のシステムによって分析することができる。振動センサは、固体伝播振動、空気伝播振動、または両者の組み合わせに応答し得る。
加速度、速度、および位置を含む回転運動を測定するために1つ以上の加速度計を回転スピンドルに取り付けることもできる。
試験機によって確立された所与の速度および負荷条件下で、設置された歯車セットのメンバーを回転させることにより、試験対象の歯車セットの性質および品質特性に従った振動および他の運動が引き起こされる。
本発明の目的は、上記試験機センサを使用して、歯車セットの動作特性および品質特性、特に運動誤差特性、ノイズ特性、および振動特性への洞察を提供するために処理および分析され得るデータおよび信号を提供することである。
本発明のさらなる目的は、数学的に導出されたデータおよび信号を処理および分析することで、歯車セットの動作特性および品質特性への追加の洞察を提供することである。これらのデータおよび信号は、例えば、コンピュータシミュレーションから取得されてもよく、または、位置情報および時間情報から分析的に求められた加速度など、センサデータの計算結果であってもよい。
本発明のシステムへの入力を構成するデータまたは信号は、時間を参照して(時間サンプリング)、または回転する歯車メンバーのうちの1つ以上の回転運動を参照して(回転サンプリング)サンプリングおよび理解され得る。歯車セットの運動に関連する上記センサ信号の分析では、回転サンプリングを用いて信号を表すことが特に有益であることが多い。本発明が回転サンプリングを採用する場合、必要に応じて、時間サンプリングと回転サンプリングとの間の変換を容易にするために時間情報が保存される。
本発明は、歯車セットの回転試験機またはギアボックスのテストフィクスチャを用いて取得された運動伝達誤差を含む歯車セット性能データの分析および表示を対象とし、時間領域、周波数領域、およびそれらを合わせたものにおいてこのデータを分析および視覚化することを含む。本発明はさらに、コア信号処理、データをより洞察に満ちた方法で探索することを可能にする分析および信号処理シーケンス、データおよび結果を視覚化および報告する方法、ならびに、これらの機能および特徴をより柔軟かつ有用に提供するためのマンマシン・ユーザインターフェース・パラダイムにおける根本的な改善を含む。
本発明の方法論の顕著な態様は、本質的に静的なものとして扱われていたデータレコード内に従来は隠されていた動的な挙動を抽出して表示する能力である。その他の態様には、データおよび結果を、試験対象の歯車セットメンバーの個々の歯まで辿る、または個々の歯に帰属させる能力(歯の「インデックス付け」)や、ユーザが表示とインタラクトし、分析および視覚化の両方のパラメータを動的に変更する能力が含まれる。従来の「契約試験」(厳密に事前定義された試験および分析パラメータに従って収集されたデータレコードの後処理)に加えて、歯車セット回転試験機のための新しい柔軟な「常時オン」パラダイムでは、これらの機能および特徴も提供され、これにより、人間のユーザからの具体的な指示や事前定義されたサイクルの開始を待つことなく、可能なときはいつでも自律的に、かつ好機を見てデータ収集、処理、分析、異常検出などがすべて実行される。試験方法および分析方法のいずれにおいても、人間のユーザはさらに、探索的かつインタラクティブに分析および表示のためのパラメータを調整することもできる。本発明において、「ユーザ」および「オペレータ」という用語は同義であることを理解されたい。
本発明の第1の実施形態は、第1の歯車および第2の歯車を含む一対の歯車を提供することであって、第1の歯車および第2の歯車は互いにかみ合った状態で回転するように動作可能である、提供することを含む歯車を試験する方法を対象とする。第1の歯車は第2の歯車とともに歯車試験機上で回転させられ、歯車試験機は、1つ以上の歯車の回転特性を示す出力信号を提供するように動作可能な1つ以上のセンサを有するように構成されている。少なくとも1つの独立信号が生成され、独立信号は、センサのうちの1つ以上からの出力に基づく信号または分析的に導出された信号のうちの少なくとも1つである。少なくとも1つの独立信号から、ゼロではない持続時間を有する少なくとも1つのフレーム部分が選択され、選択されたフレーム部分はそれぞれ、
選択されたフレーム部分に基づいてモデル基底関数セットを求めるステップと、
選択されたフレーム部分をモデル基底関数に投影することでモデル係数を生成するステップと、
モデル係数およびモデル基底関数から再構成されたモデルを求めるステップと、
選択されたフレーム部分から再構成されたモデルを差し引くことで残差得るステップと、に従って処理され、
方法はさらに、
(a)残差を表示および分析して、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定し、品質特性に基づいて、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つを承認または却下すること、ならびに
(b)モデル係数または再構成されたモデルを表示および分析して、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定し、品質特性に基づいて、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つを承認するまたは却下すること、のうちの少なくとも1つを含む。
ある好ましい実施形態では、モデル基底関数は、(a)選択されたフレーム部分の持続時間、(b)第1の歯車および第2の歯車のギア比、(c)第1の歯車が第2の歯車とともに回転することによって生成される基本高調波周波数、または第2の歯車とかみ合っている第1の歯車のかみ合い周期の持続時間、(d)各基本周波数の所定の高調波セットであって、セットはゼロを含む、高調波セット、ならびに(e)選択されたフレーム部分の持続時間にわたって定義された非周期的基底関数のセットであって、セットはゼロを含む、非周期的基底関数のセットのうちの少なくとも1つから求められる。
別の好ましい実施形態では、再構成されたモデルおよび残差は、機械動作中にセンサから追加情報が取得されるに伴い継続的に再評価される。
別の好ましい実施形態では、直接的な相関および比較を容易にするために、複数の独立した信号が同じ間隔で同時にサンプリングされる。
さらに別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの独立した信号が一様な時間サンプルで収集され、続いて補間されることにより、第1の歯車および第2の歯車のうちの1つの位置において規則的な間隔を有するサンプルのシーケンスが生成される。
さらなる実施形態では、再呼び出しのために表示および分析結果が電子記憶媒体に保持され、
(a)同時に隣り合わせでの提示、
(b)進行がユーザインタラクションによって指示される順次提示、および
(c)自動的なアニメーション化された進行による順次提示のうちの1つ以上によって、2つ以上の以前のレコードの表示および比較が実現される。
本発明はさらに、独立して保護されるのに値するものとして、残差、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせの表示および表示方法を開示し、表示および表示方法は、
(a)選択されたフレーム部分を、持続時間が等しい複数の連続する信号セグメントに細分化することであって、持続時間は、
1.1つ以上の完全なかみ合い周期、
2.セット内の任意の歯車の1回以上の完全な回転、のうちの1つ以上に等しい、細分化することと、
(b)信号セグメントを
1.時間、
2.セット内の歯車のうちの1つの位置、
3.フーリエ変換による周波数、のうちの1つ以上の関数として表すことと、
(c)同じ独立軸上に位置合わせおよび重ねられた信号セグメント関数を、
1.信号セグメント関数のトレース、
2.点ごとに求められた、算術平均および/または分散からなる、信号セグメント関数の統計的変動のトレース、のうちの1つ以上として提示することとを含む。
本発明はさらに、独立して保護されるのに値するものとして、残差、再構成されたモデル、または両者の組み合わせの表示および表示方法を開示し、表示および表示方法は、
(a)選択されたフレーム部分を、持続時間が等しい複数の連続する信号セグメントに細分化することであって、持続時間は1つ以上の完全なかみ合い周期に等しい、細分化することと、
(b)各信号セグメントについて、信号セグメントごとのスカラーメトリックを求めることであって、スカラーメトリックは、
1.ピークピーク変動、
2.二乗平均平方根振幅、
3.信号セグメントを基準に最適に位置合わせするために必要な信号セグメントの時間または回転シフトであって、基準は、少なくとも2つのセグメントの平均、または信号セグメントと同じ持続時間を有する再構成されたモデルのサブセットのいずれかとして求められる、時間または回転シフト、
4.少なくとも2つのセグメントの平均、または信号セグメントと同じ持続時間を有する再構成されたモデルのサブセットのいずれかとして求められた基準への類似度の尺度であって、ピアソン相関係数および/または二乗平均平方根誤差のうちの1つ以上からなる、類似度の尺度、のうちの1つ以上からなる、求めることと、
(c)各セグメントに2つのインデックスを割り当てることであって、第1のインデックスは、
1.セグメント持続時間の開始前にセグメント信号において観測された第1の歯車もしくは第2の歯車のうちの一方の完全な回転の回数、または
2.第1の歯車もしくは第2の歯車のうちの1つの歯数を法とする、セグメント持続時間の開始前に観測されたかみ合い周期の数のいずれかに対応し、
第2のインデックスは、
3.セグメント持続時間の開始前にセグメント信号において観測された第1の歯車もしくは第2の歯車のうちの他方の完全な回転の回数、または
4.第1の歯車または第2の歯車のうちの他方の歯数を法とする、セグメント持続時間の開始前に観測されたかみ合い周期の数のいずれかに対応する、割り当てることと、
(d)ある範囲のグレースケールまたはカラー値にマッピングされたスカラーメトリックを二次元画像上に提示することであって、画像の一方の座標は第1のインデックスに対応し、画像の他方の座標は第2のインデックスに対応する、提示することと、を含む。
本発明はさらに、独立して保護に値するものとして表示および方法を開示し、残留、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせを表示することは、
(a)選択されたフレーム部分を、それぞれが順番にインデックス付けされた、所定の等しい持続時間を有する複数の連続または重なり合う信号セグメントに細分化することと、
(b)フーリエ変換により、信号セグメントをスペクトル関数として表すことと、
(c)スペクトル関数から、
1.大きさ、
2.対数の大きさ、
3.位相、
4.実際の位相と、先行スペクトル関数の位相を、2つのセグメント間の時間または回転距離だけ進めることによって予測された位相との間の差としての位相ドリフト、の尺度のうちの1つ以上を求めることと、
(d)値をある範囲のグレースケールまたはカラー値にマッピングして、スペクトル尺度を二次元画像として提示することであって、画像の一方の座標はセグメントのインデックスに対応し、画像の他方の座標はスペクトル関数の周波数変数に対応する、提示することと、を含む。
本発明はさらに、独立して保護に値するものとして、表示および表示方法を開示し、表示および表示方法は、グラフ上の、残差、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上のトレースを含み、独立軸は歯車セットのうちの第1の歯車または第2の歯車のうちの1つの時間または位置を表し、従属軸は表示される量の振幅を表す。
本発明はさらに、独立して保護に値するものとして、モデル係数の表示および表示方法を開示し、表示および表示方法は、
(a)係数ごとに1本の棒があり、高さが係数の大きさに比例する、棒グラフ、
(b)係数ごとに、座標原点から発し、対応する係数の複素数の大きさに比例する長さ、および対応する係数の複素数の位相に比例する、横軸に対する角度を有する線分が描かれた1つ以上のレーダーチャート、のうちの1つ以上をプロットすることを含む。
本発明はさらに、独立して保護に値するものとして、第1の歯車および第2の歯車を含む一対の歯車を提供することであって、第1の歯車および第2の歯車は互いにかみ合った状態で回転するように動作可能である、提供することを含む歯車を試験する方法を開示する。第1の歯車は第2の歯車とともに歯車試験機上で回転させられ、歯車試験機は、1つ以上の歯車の回転特性を示す出力信号を提供するように動作可能な1つ以上のセンサを有するように構成されている。少なくとも1つの独立信号が生成され、独立信号は、センサのうちの1つ以上からの出力に基づく信号または分析的に導出された信号のうちの少なくとも1つである。少なくとも1つの独立信号から、ゼロではない持続時間を有する少なくとも1つのフレーム部分が選択され、選択されたフレーム部分はそれぞれ、
選択されたフレーム部分に基づいてモデル基底関数セットを求めるステップと、
選択されたフレーム部分をモデル基底関数に投影することでモデル係数を生成するステップと、
モデル係数およびモデル基底関数から再構成されたモデルを求めるステップと、
選択されたフレーム部分から再構成されたモデルを差し引くことで残差を得るステップと、に従って処理され、
方法はさらに、
(a)残差を表示および分析して、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定して、品質特性に基づいて、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つを承認または却下すること、ならびに
(b)モデル係数または再構成されたモデルを表示および分析して、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定して、品質特性に基づいて、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つを承認するまたは却下すること、のうちの少なくとも1つを含み、
方法は、1つ以上のセンサによって一対の歯車間の協調運動が検出され、新しいデータフレームを補充できる限り、先行のステップが繰り返され、連続的に実行される常時オンモードで行なわれる。
ある好ましい実施形態では、回転させられる第1の歯車および第2の歯車の歯数比は常時オンモードにおいて事前に知られていないが、常時オンモードは、受け取られるリアルタイムデータに基づいて歯数比を求める。
さらなる実施形態では、ユーザは、常時オンモードが動作しているときはいつでも、測定値、表示、視覚化、および結果のうちの少なくとも1つを含む情報を見ることができ、情報は、他の試験モードが同時にアクティブであるか否かに関係なく利用可能である。
さらなる実施形態では、測定値、表示、視覚化、および結果のうちの少なくとも1つを含む情報は、
(a)かみ合い周期に関連付けられた周波数の1つ以上の高調波の振幅および位相、
(b)1つのかみ合い周期の持続時間にわたる平均信号形状、
(c)歯車振れ高調波振幅、
(d)歯車振れの平均信号形状、
(e)歯の損傷の存在および位置、
(f)ピニオン基底を取り除いた平均信号形状、および
(g)歯車基底を取り除いた平均信号形状、のうちの少なくとも1つを含む。
さらに別の実施形態では、方法は、表示されたデータの特徴をよりよく調べるために表示をインタラクティブに操作することをさらに含む。
本発明の別の実施形態では、後続フレームによって置き換えられることなく、現在表示されているデータセットを調べられるように表示を保留することができる。
本発明のさらなる実施形態では、後での取り出しもしくは調査のために、および/または現在のデータと比較するために、現在のデータセットを取り込み保存することができる。
本発明のさらなる実施形態は、現在のデータと、保存された基準またはマスターデータとの間の差異を調べる、および視覚化することを開示する。
本発明のさらに別の実施形態では、常時オンモードはさらに、試験パラメータまたは設定を別に構成する必要なく、第1の歯車および第2の歯車のうちの少なくとも1つの歯の損傷を認識および位置特定することを含み、常時オンモードは、認識された損傷の位置を最もよく表す部分回転または歯のインデックスを特定し、常時オンモードは、テキストメッセージおよび/またはグラフィック表示を通じてそのような損傷についてユーザに自動的に通知する。
エンコーダカウントの常時オン監視およびMTE計算を示す図を示す。 特定のチャンネルにおけるストリーミングMTEデータの予備分析を示す。 高調波分解プロセスの段階を示すコンポーネント図を示す。 後続の分析に使用される歯車、ピニオン、かみ合い成分の基底、ルジャンドル多項式基底、および残差誤差に分解されたMTEデータの表示を示す。 例示的MTEデータの分解された歯車、ピニオン、かみ合い成分の基底の大きさの表示を示す。 MTEデータの離散フーリエ変換図を示し、歯車、ピニオン、かみ合いの周波数の高調波が強調表示され、歯車、ピニオン、かみ合いの高調波とは相関関係がない周波数は強調されていない。 かみ合い周期スケールの多数のMTEデータフレームのオーバーレイの表示を、さもなければフレーム間の低周波変動を補償するモデル減算なしで共通軸上に示す。 図7に示されるものと同じオーバーレイの表示を示すが、メンバー間の個々の歯の接触に直接起因するMTE変動を強調表示するために、モデル化された歯車およびピニオンの高調波成分が信号から差し引かれている。重ねられたフレームの平均値は黒で示され、分散バンドは破線で囲まれた影付きの灰色の領域として示されており、両方とも個々のフレームのグラフ上に重ねられている。 共通の軸上に重ねられた歯車周期スケールの多数のMTEデータフレームの表示を示す、歯車変動に直接起因するMTEの部分のみを強調するために、各フレームからモデル化されたピニオンスケールおよびかみ合いスケール成分が差し引かれている。平均MTEは黒で重ねて示されている。 共通の軸上に重ねられたピニオン周期スケールの多くのMTEデータフレームの表示を示し、ピニオンおよび個々の歯の変動に起因するMTEの部分のみを強調するために、各フレームからモデル化された歯車スケール成分が差し引かれている。表示されているフレームにわたる平均MTEが黒で重ねて示されている。 図8のように、かみ合い周期スケール上の位置オーバーレイにおいて、フレームごとの離散フーリエ変換を計算することによって得られた複数のスペクトルの大きさの表示を示す。すべてのMTEフレームにわたり、大きさのみで計算された、周波数の関数としての平均大きさが、個々のスペクトルの大きさのグレースケール分布上に重ねられた黒いバーによって示されている。 図12に示されるものと同じスペクトルの大きさのオーバーレイを示すが、異なる周波数範囲を表示するために横軸がシフトされており、また、平均大きさが複素位相化で評価されている。 歯車スケールおよびピニオンスケールの成分を差し引いたMTEデータのスペクトログラムの表示を示す。位置および周波数成分が、それぞれかみ合い周期および基本かみ合い高調波の単位で表示され、グレースケール値は所与の位置および周波数ビンでのスペクトルの大きさを示す。 図13に示されるスペクトログラムから計算されたピリオドグラムの表示とともに、各周波数のスペクトル大きさの標準偏差、および単一のかみ合い高調波の帯域幅にわたり計算された総RMSの大きさを示す。 MTEデータの連続するかみ合い周期フレームについて計算された統計的尺度の表示を示し、統計的尺度は、特定の歯車の歯とピニオンの歯との間の個々の接触周期にマッピングされており、グレースケールまたはカラー値によって表されている。 図15のかみ合いグリッド図を補完する、MTEデータの特定のかみ合い周期フレームの提示とともに、一部のかみ合いごとの統計的尺度の評価において使用される、かみ合いごとの平均MTEとしての基準曲線が示されている。 入力信号(例えば、センサの出力)を、その後の表示および分析のために望ましい特定の持続時間のデータフレームに分離することを示す。図17はまた、フレームを、その後の表示および分析のために望ましいセグメントに分離することを示す。 本発明で採用できる複数のチャネルの例を示す。
本明細書で使用される「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、および「本発明(the present invention)」という用語は、本明細書の主題のすべて、および以下の任意の特許請求項を広く指すことを意図するものである。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するもの、または以下のいかなる特許請求項の意味もしくは範囲も限定するものと理解されるべきではない。さらに、本明細書は、本出願のいかなる特定部分、段落、記述、または図面においても、いずれかの請求項によってカバーされる主題を説明または限定しようと努めるものではない。本主題は、本明細書全体、すべての図面、および以下のいずれかの請求項を参照することによって理解されるはずである。本発明は、他の構成が可能であり、様々な方法で実践されるか、または実行されることが可能である。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定的であると見なされるべきではないことが理解される。
本明細書での「含む」、「有する」、および「備える」、ならびにこれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目をも包含することを意味する。方法またはプロセスの要素を識別するための文字の使用は、単に識別のためのものであり、要素が特定の順序で実施されるべきであると示すことを意味するわけではない。加えて、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明の目的で本明細書に使用されており、重要性または意義を示すまたは暗示することを意図するものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、特に明示されない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連付けられている列挙された項目のうちの1つ以上のあらゆる組み合わせを含み、また、「/」と省略される場合がある。
ここで、本発明の詳細を、単に例として、本発明を図示する添付図面を参照して考察する。図面において、類似の特徴または構成要素は、同様の参照番号によって言及される。適用可能な場合、様々な実施形態が異なる態様、特徴、および/または利点を含み、および/または除外し得る。また、適用可能な場合、様々な実施形態が他の実施形態の1つ以上の態様または特徴を兼ね備え得る。特定の実施形態の態様、特徴、および/または利点の説明は、他の実施形態または請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
本発明は、2つ以上の歯車の回転運動に関連するあらゆる撹乱を分析することを含む。現在、回転運動伝達誤差(すなわち、入力歯車の実際の運動に応じた出力歯車の実際の運動と理想的な運動との間の差)、従来の両歯面試験における直線変位、および試験構造体の振動加速度が考えられ得る。本発明は、試験機の構成要素であるコンピュータ上で、または試験機から離れているコンピュータ上で実施されてもよい。本発明の分析から得られた情報は、継続的なプロセスの修正のために閉ループ系を介して歯車加工機(例えば、切削機または研削機)に直接送られてもよい。得られた情報は後の研究および分析のために保存されてもよい。なお、本発明では、歯車セットのどちらかのメンバーが「入力」歯車として識別され得、したがって、他方のメンバーが「出力」歯車として識別されることに留意されたい。しかし、実際には歯の少ないメンバーが通常、入力歯車として識別される。
本発明の方法は、例えば、上記のようなタイプの機械センサを継続的に監視して、試験装置内の2つ以上の歯車が協調運動しているときを決定する。運動は、入力歯車または出力歯車上のロータリーエンコーダ間のゼロではない相関によって、または歯車セット構成によって予測される周波数での振動加速度の所定の閾値の交差によって自動的に示され得る。
協調運動が検出されるたびに、さらなる分析のためにデータが記録される。入力スピンドルおよび出力スピンドルに取り付けられたロータリーエンコーダを介して入力歯車および出力歯車の回転位置が測定される。試験装置に取り付けられた1つ以上の加速度計を介して振動加速度が測定される。すべての測定値は時間サンプリングされ、センサ読み取り値が規則的な時間間隔で取り込まれる。
セット内の入力歯車および出力歯車の回転位置は、任意の追加の時間サンプリングされたデータとともに、すべての測定値のサンプルが同じ時点で発生し、入力歯車の位置が一様な間隔で進む(ここでは回転サンプリングと呼ばれる)よう、補間(例えば、ローカルまたはグローバルな多項式法によって)およびリサンプリングされる。時間データがリサンプリングされた特定の時点に対応する不規則な間隔の時間値は、入力歯車の加速度に関する情報を取り込んだ追加の測定値として保持される。入力歯車の所与の位置に対するすべての同時点測定値が、さらなる分析のために取り込まれたデータの測定「パケット」を表す。
ギア比と、入力歯車の同時点位置とによって予測された理想位置を出力歯車位置から差し引くことにより、出力歯車の回転位置は運動伝達誤差測定値に変換される。
入力歯車および出力歯車の回転サンプリングされた位置から、観測された運動の線形回帰によって歯車セットの実効ギア比が求められる。実効比は、セットが2つの歯車で構成されていると仮定し、浮動小数点の比を、入力歯車の歯数が分子であり、出力歯車の歯数が分母である有理式に変換することにより、入力歯車および出力歯車の歯数の推定値に変換される。
浮動小数点の比から有理式への変換は、試験対象の歯車の用途に基づいて分母を何らかの最大整数に制限することによって、またはその比を事前に選択された可能な比のリストと比較して最も近いものを求めることによって達成され得る。
サンプルの集合は、個々の信号からのものであるか、または複数の信号からの同時点サンプルの「パケット」としてのものであるかを問わず、フレームとして蓄積され得る(図17の最上部参照)。各データフレームは、入力信号のすべて、または一部を表し、所望の開始サンプルで始まり、所定の持続時間だけ持続する。複数のフレームが持続時間内で重なり合っていてもよく(図17、「重なり合うフレーム」参照)、または互いに交わりを持たなくてもよい。互いに交わりを持たないフレームは持続時間内で連続している必要はない。
従来の歯車セット試験では、1つの試験レコードまたは定義された一連のレコードが収集され、各レコードに対して個別の分析またはDFT変換が行われる。結果として、これらの分析はレコード内の平均的な状態に関する結果および結論しかもたらさず、レコード内の特性の変動性を評価しようとはしない。
例えば、従来の試験の設定を行うにあたり、4回の歯車回転の持続時間を有するレコードが選択され得、そこから時間領域および周波数領域の結果が導出され、表示される。結果として得られる、かみ合いごとの周波数でのMTEの尺度は55マイクロラジアンの大きさを示し得るが、これは基本的に、4回の歯車回転のレコードの長さにわたって測定されたその成分の平均である。データをさらに詳しく調べると、最初の2回の歯車回転での大きさは65マイクロラジアンで、最後の2回の歯車回転での大きさは45マイクロラジアンであったことを示し得る。この大きさの変動性を露にすることで、従来の分析方法では明らかにされなかった歯車セットまたは試験条件の品質特性に関する重要な手がかりが提供され得る。
一方、本発明の試験方法では、特定の試験レコード内に複数のより短いフレームを定義することができる。各フレーム内の1つ以上の信号の分析により、歯車セットのより局所的な動的挙動に関する情報が提供される。フレームは互いに重なり合うことが許容され、持続時間は任意であるため、試験レコード全体に相当する持続時間を有するフレームを定義することにより、本発明の手法によって容易化される動的分析に加えて、現在の従来試験結果を再現することができる。
フレームの長さは、歯車セットの運動に関連する様々な興味深い現象に対応するように選択され得る。さらに、フレームの集合は、関連するフレームのシーケンスを特徴付ける「チャネル」(図18参照)として蓄積され得る。図18は、例示的な5:19比の一対の歯車に関して、本発明で採用され得る複数のチャネルの例を示している。軌道チャネルは、1つの完全な軌道(5回の歯車回転)の長さを有するフレームで構成されているものとして示されている。歯車チャネルは、1回の完全な歯車回転の長さを有する一連のフレームで構成されているのものとして示されている。3つのタイプのピニオンチャネルが示されている。タイプAは、1回の完全なピニオン回転の長さを有する一連の連続フレームで構成されており、タイプBは、4回のピニオン回転の長さを有する一連の連続フレームで構成されており、タイプCは、4回のピニオン回転の長さを有する一連の重なり合うフレームで構成されている。最後に、1つのかみ合い周期の長さを有する一連の連続フレームで構成されるかみ合いチャネルが示されている。
例えば、チャネルは、それぞれが次のいずれかの整数に等しい持続時間を有する1つ以上のフレームの集合として定義され得る。
・1つのかみ合い周期であって、セット内の任意の2つの歯車間の一対の歯が、そのメンバーの相対運動に支配的な影響を維持すると予想される持続時間であり、理想的なかみ合い周期の持続時間は、任意の歯車が完全に1回転する周期をその歯数で割ることによって数学的に取得できる、1つのかみ合い周期、
・セット内の任意の歯車の1回転、または
・「軌道」(一般には「ハンチング歯」と呼ばれる)であって、セット内の任意の2つの相互接続された歯車のそれぞれの1回転を構成するかみ合い周期の数の最小公倍数である、軌道。
図18の例に示されているように、チャネルまたはフレームの持続時間は、各メンバーの1回転を構成するかみ合い周期(歯)の数に依存し得る。ユーザがギア比を指定していない場合、自動的に求められた推定値を使用して、2つの歯車のセットを想定した持続時間が特定される。ユーザがギア比(セット内の3つ以上の歯車が関与する可能性がある)を指定する場合、チャネル持続時間はユーザによって指定された値から導出される。
各チャネルおよびフレーム内で、それぞれが直交基底であり、ここでは「成分基底」と呼ばれる1つ以上の打ち切られたフーリエ級数の和として、1つ以上の収集された測定値のコアモデルが導出され得る。各級数の基本周波数は、入力歯車の1回転に対して表現される、セット内の1つの歯車の回転周波数である。また、1つの成分基底は、同様に入力歯車の1回転に対して表現される、単一のかみ合い周期の基本周波数に対応する基本周波数を有する。3つ以上の歯車を含む歯車セットには2つ以上の基本かみ合い周期が存在し得、その場合、各かみ合い周期に1つの成分基底が割り当てられ得る。
ユーザがギア比および歯数を指定した場合、各成分基底の基本周波数は指定されたギア比および歯数から求められる。そうでない場合、周波数は、2つの歯車のセットを想定して求められたギア比から自動的に推定された歯数から求められる。
各成分基底の打ち切りは、例えば、アルゴリズムなどによって自動的に決定されてもよく、またはユーザ選択によって手動で決定されてもよい。
各フレーム内で、フレームの持続時間よりも長い基本周期を有する成分基底はモデルから完全に除外されるか、または、フレーム持続時間よりも短い周期の成分のみがモデル内に表示されるように変更される。任意のフレームのためのモデルが、十分に長い持続時間のフレームを有する他のチャネルにおいて求められた、より長期の除外された成分の推定によって補足されてもよい。
フーリエモデルは、試験対象の歯車セットの外部の周期的現象を表す1つ以上の追加基底(ここではまとめて「外部基底」と呼ばれる)、または、各フレームの持続時間にわたる非周期的な現象を表す直交基底関数(ここでは「非周期的基底」と呼ばれる)で拡張されてもよい。本発明の好ましい実装態様は、最大高調波周期よりも長いスケールでの挙動をモデル化するために、打ち切られたルジャンドル多項式の級数を非周期的基底として使用する。
モデルのすべてのフーリエ基底の係数が、一般的な高速フーリエ変換(FFT)などの高速フーリエ法によって同時に求められてもよい。これは、そのような信号の周波数領域の高調波成分を見つけるための従来の選択肢であり、開示されるシステムはこの解法を提供できる。しかし、これらの周知の効率的な高速フーリエ法を適用すると、非周期的な信号成分が存在する場合は常に、高調波成分の識別においてエラーが生じるおそれがある。したがって、本発明のシステムはまた、そのようなエラーを低減または排除することができる代替方法を含む。
システムによって提供されるそのような代替案の1つは、一方の基底を他方の基底よりも強調するために、および異なる基底の潜在的な非直交性に起因する曖昧さを解決するために、任意の重みを異なる基底に割り当てることを含む最小二乗最適化によって、非周期的基底または外部基底を含むモデルのすべての基底の係数を同時に求める。この方法は、従来の高速フーリエ解析の問題となる、非周期的成分に付随する(例えば、解析対象のフレームが、1つ以上の歯車の非整数回の回転を含む場合)「スペクトル漏れ」エラーの影響を受けにくい。
システムによって提供される別の代替案は、以前に求められたモデルを差し引いたデータを、所定であるが任意の順番で各基底に順に投影することにより、モデルの係数を反復的に求める。この反復プロセスは、任意の基底の係数が以前の反復で求められた係数から所定の量より多く逸脱しなくなるまで繰り返される。この方法は、例えば、モデルからスペクトル漏れを反復的に除去する周知のFFTを採用することで実現できる。なお、完全に未知の信号の一般的なケースでは、FFT漏れに付随するエラーは本来的に備わっているものであり、どのようにしても排除することはできない。しかし、特定の周波数が事前に確実に存在することがわかっている場合(例えば、所与の歯車およびピニオン高調波)、反復投影技術にこれらの既知の周期を「シード」として与えることで、反復投影法を有効に採用することができる。
1つ以上の測定値について各フレーム内でコアモデルが求められた後、測定値からモデルを差し引くことによって、そのフレームおよび測定値の残差が計算される。残差とは、モデルでは説明できない測定値の部分を表し、不規則な歯車セットの挙動をさらに分析するための基盤を提供する。
協調運動のためにデータが記録されると、以下を含むがこれらに限定されない、所定の推測的分析が各チャネルについて実行される。
・チャネルの各フレーム内のフーリエおよびその他の基底係数の瞬時値。
・各チャネルの持続時間にわたる瞬時ピーク、二乗平均平方根振幅、および平均振幅。
・対応する周波数のパワーと、その周波数を中心とし、同じフーリエ基底内の隣接成分を囲む同様のバンドに侵入しないように十分に狭い幅を有するスペクトルバンドのトータルパワーの比率として、各フーリエ基底係数の瞬時「広がり」。
瞬時値に加えて、各チャネルのフレーム内の計算値の統計的変動が計算され、報告される。
本発明の一実施形態は、「常時オン」態様および「契約的」態様を含む測定パラダイムを備える。契約機能は、長年にわたって知られている従来の手法であり、様々な設定およびパラメータに従ってユーザによって事前に構成および定義された試験を含む。契約機能は試験条件、分析、および試験全体にわたり作成されるべきレポートを定める。今日、高度な測定機能を備えた歯車試験機はこのように動作すると考えられている。言い換えると、試験用のレシピ(または「要約」)を設定することによって事前に具体的に要求および構成された情報を除き、ユーザに提示される情報はほとんどない。試験機が示す位置、運動、速度、負荷、またはタイミングが検査システムの予測(または「契約」)と一致しない場合、典型的には警告または警報が発せられ、試験は中止される。
対照的に、常時オン動作モードは、測定システムが常にデータを収集、分析、および発行することを可能にする。したがって、測定システムに電力が供給され、ソフトウェアが動作しているときはいつでも、測定システムは入手可能なデータを収集および分析し、自身の現在の状態、および(存在する場合は)試験されている歯車セットの状態について可能な限り多くの有用な情報を導出および表示しようとする。本発明では、常時オン機能および契約機能は相互に排他的ではなく、同時に実行することができる。継続的監視中に記録されたデータは、歯車セットの追加の運動を必要とせずに、その後の契約的試験のためにアクセスされ得る。
常時オンシステムは、利用可能なセンサを継続的に監視することから始まる。次に、得られた測定値およびデータがリアルタイムで、ユーザによる使用に役立つ形式で処理および表示される。常時オンシステムは、自身の現在の状態を記述するパラメータ、設定、および値の集合を知的に導き出し、不一致によって無効化されたり混乱したりするのではなく、不一致を報告するために、可能な限り独立し、かつ堅牢になろうとする。
例えば、11:38の歯数比の歯車セット(例えば、ベベルピニオンおよびリングギア)が試験機に設置され、回転しているにもかかわらず、ソフトウェアシステムが9:38を予期するように設定されていた場合、従来の測定システムは契約試験が開始されるまでいかなる情報も処理せず、いかなる不一致も検出しない。その際、測定システムは、予期されない歯数比のために、障害を報告したり、および/または誤った測定結果を生成したりする可能性が高い。
一方、フォールトトレラントな常時オンシステムは、可能な限り早期に、両方のスピンドルが回転していたこと、さらに、所与の運動比に厳密に従っていたこと(したがって、歯車セットが回転していたと推測する)、運動比が、例えば3.455であり、11:38が対応する可能性が最も高い実際の歯数比であったことを認識する。システムは、かみ合い高調波振幅や振れ成分などを含む、そのような歯車セットに関連付けられた典型的な単歯面試験(SFT)データおよび固体伝播ノイズ(SBN)データの分析および発行をすぐに開始する。検出された比率をすぐに発行することにより、試験機のコントローラは、はるかに早い時点で測定システムデータを自身の予測パラメータと比較し、適宜、ユーザにメッセージを送信することができる。
常時オン動作中、図1のMTE信号の例を使用して示されるプロセスに従って、エンコーダ出力が継続的に監視される。方法は、定義されたチャネルごとに、そのチャネルのフレームのエンコーダストリームを観察する。後述されるように、エンコーダ位置は元々は時間に関して規則的にサンプリングされるが、測定値はしばしば、規則的な回転位置にあることが望ましい。したがって、各フレームが受信された後、歯車セットメンバーのうちの1つの角度位置に規則的な間隔を保つために、各フレームがローカル補間によってリサンプリングされ得る。その後、得られたエンコーダデータは、線形回帰によって現在のギア比の推定値を求めるために使用される。協調運動が検出されない場合、データは破棄され、方法は次のエンコーダ情報フレームを待つ。そうでない場合、フレームからMTEが計算される。ギア比が予測と異なる場合、または前のフレームから変わったようである場合、新しく検出された比は、後続の分析モジュールまたは他の関心のあるオブザーバーに提供される。エンコーダハードウェアの量子化ノイズを軽減するために、MTEはローパスフィルタ処理およびダウンサンプリングされ、得られた信号は後続の処理に利用可能にされる。
試験機に取り付けられた他のセンサの出力に応じて、MTEと同時に追加の信号が収集されてもよい。チャネルごとに、これらの信号は、MTEが表されるフレームと一致する1フレームの持続時間にグループ化される。
各チャネルは新たなフレームが利用可能になるとそれらのフレームによって拡張され、所定のチャネル持続時間よりも前に収集されたフレームは破棄される。
常時オン分析の好ましい実装態様では、単一の歯車と噛み合った単一のピニオンのみからなる歯車セットは、フレーム持続時間がいくつかのかみ合い周期であるかみ合いチャネルと、フレーム持続時間がいくつかのピニオン回転であるピニオンチャネルと、フレーム持続時間がいくつかの歯車回転である歯車チャネルと、フレーム持続時間が歯車およびピニオンの1つ以上の完全な軌道に対応する軌道チャネルとからなる。
各チャネルは、新しいフレーム、新たに検出されたギア比、または(後述する)高調波分解のために構成されたパラメータにおける変更を待ち、図2のMTE分析の例について示されているように自動分析を実行する。ギア比変更の通知を受信した場合、2つの異なるギア比のMTEデータを加えても有用な分析は得られないため、現在保持されているMTEデータはすべて破棄される。新しいMTEデータがチャネルによって受信されると、そのデータはチャネルのレコードに追加され、場合によっては「古い」データ(そのチャネルについて設定された持続時間外のデータ)が破棄される。現在保持されているMTEフレームは、実際のMTEにおける予測可能な成分のモデルを生成する分解モジュールに送られ、モデルはさらなる分析または視覚化コンポーネントに発行される。自動プロセスまたはユーザのリクエストによってチャネルの分解設定が変更されるたびに、分解も再計算される。図示されていないものの、各チャネル内で追加の自動分析が行われてもよい。
基底分解プロセスを図3に示す。ギア比、所望の高調波成分のセット(「高調波カウント」)、および任意選択の最大多項式次数が、信号の基底関数セット(「線形システム」)を求める基底モジュールへの入力となる。分解モジュールは、線形システムおよび入力としての入力信号から、モデルを表す一連の基底係数を生成するアルゴリズムを具現化する。線形システムおよび対応するモデル係数は、信号の展開されたモデル(「MTEモデル」)を生成する展開モジュールへの入力として提供される。差分モジュールによって入力信号から信号モデルが差し引かれ、残差誤差が生成される。
常時オンシステムは、傷やバリなどの歯の損傷、歯の間隔の誤差、アーバにおける部品のスリップもしくはクリープの形跡、軽負荷部品の断続的な浮きもしくはがたつき、または他の異常状態などの他の問題を常に確認する。常時オンシステムは、そのような現象に関するデータおよび結論を作成すると、適切な対策を取ることができるよう、これらの結果をユーザインターフェース(UI)や他のシステムコンポーネントに発行する。これらの状態を確認するための明示的かつ具体的な契約なしでこれをすべて行うことにより、検出が簡略化され、現象がより早く特定され、ユーザは特定の契約的試験のステータスに関係なく現在の状態についてより詳しく知ることができ、システムはより知的かつ自律的に動作する。
常時オンユーザインターフェースはまた、インタラクションおよび探索を可能にする。ユーザは、歯車セットの挙動の態様を理解および定量化するために、画面および表示を見て回り、測定の態様のより詳細な表示にアクセスし、データ収集および分析のリアルタイムパラメータおよび設定を変更できる。このような広範囲の探索をサポートするために、運動、速度、および負荷を含む試験パラメータを制御する試験機のマシン側を「待機」状態にして、常時オン分析およびUI機能を用いたデータの詳細な調査を容易化することができる。待機状態は、歯車セットの運動が前の状態で継続しているか、完全に停止しているかを問わず、新しい信号およびデータの流れを一時停止または無視することを伴い得る。オペレータが理想的な歯車セットの挙動からの逸脱を無期限にリアルタイムで見ることができるよう、待機状態において、歯車セットを一定速度で回転させることで得られる新しい情報の一様な流れが採用されてもよい。
常時オンモードはまた、データベース、ファイルシステム、または揮発性コンピュータメモリに所定の持続時間に現在のデータを取り込む準備をする。ユーザは、特定の間隔で取り込まれ、分析された結果を無期限に保持すること、または、保持された測定データに契約的試験を遡及的に適用することを選択できる。
本番モードでは、同時にアクティブであり得る常時オン機能に干渉することなく、試験機のコントローラによって、事前定義されたサイクルシーケンスおよびタイミングに従って設定により定義された契約的試験が自動的に開始され、データが収集され、結果が表示される。
データ、例えば回転SFT測定から導出された運動伝達誤差データを処理する際、いくつかの手法を組み込むことができる。歯車セット分析では通常、歯車およびピニオンエンコーダ信号がピニオンエンコーダの回転変化において一様にサンプリングされる(すなわち、ピニオンエンコーダの2つの連続するサンプル間の差が一定である)「回転」サンプリングが使用される。結果として、分析は本来的に、周期的な現象を、試験対象の歯車またはピニオンの回転における特定の点に関連付ける。サンプリングハードウェアは通常、サンプリング時に規則的な時間間隔を使用し、歯車は一定ではない速度で回転し得るため、規則的時間サンプリングを規則的回転サンプリングに変換するにはエンコーダ信号を補間する必要がある。サンプリングハードウェアの帯域幅は通常、歯車セットの分析に必要な帯域幅よりもはるかに高い。2つの主な利点を実現するために、サンプリングはサポートされる最高の周波数で実行されることが好ましい。第一に、時間サンプリングを回転サンプリングに変換することを担う補間は誤差を低減する。第二に、データ取得ソフトウェアにローパスフィルタを適用し、オーバーサンプリングされた信号をダウンサンプリングすることで、デジタル化された信号に存在する量子化ノイズが低減される。
時間サンプリングされたエンコーダ信号を回転サンプリングに変換する際、時間サンプリングに固有のタイミング情報は、各サンプルに関連付けられたタイムスタンプの形式で保持される。これらのタイムスタンプは歯車セットの速度および加速度に関する情報を提供し、この情報は代替的分析、または時間サンプリングされた信号に変換し直す際に役立つ。可能な限り高いレートでサンプリングすることにより、これらのタイムスタンプ、ならびに結果として得られる帰属速度および加速度の誤差が最小に抑えられる。
現在の測定システムとは対照的に、本発明は、運動伝達誤差の特定の時間的特徴を、特定の歯車の歯とピニオンの歯との間の接触周期と相関させることを可能にする歯インデックス付けシステムを主張する。デフォルトでは、歯車およびピニオンが回転試験機にチャックされて協調運動で回転し始めたときに開始される歯車セット試験のレコードは、それぞれの歯車セットメンバー上で接触する最初の歯に対して、歯車歯インデックス1およびピニオン歯インデックス1を割り当てる。運動が、後続の各理論的歯接触周期を通して継続するにつれ、歯車およびピニオンのインデックスはともにインクリメントされ、インクリメントされたインデックスがそのメンバーの歯数を超えるたびに、各メンバーのインデックスは1に戻る。理論的歯接触周期は、接触している一対の歯(現在のインデックスの歯)が任意の所与の時点でアクティブであると指定される、歯の接触の簡略化された表現を表す。理論的歯接触周期は、歯車メンバーの1回転の周期をその歯数で割ったものとして理解できる。実際には、歯車の設計および負荷の下での歯の変形の両方に起因して、所与の時間において、所与の一対の歯車について二対以上のかみ合っている歯が有意に接触していることがある。本発明のシステムの歯インデックス付けシステムは、好ましくはこの理論的周期を仮定するが、この挙動に関する十分な情報が提供される場合、複数対の(重複する)の歯の指定もサポートできると想定される。
回転試験機の制御インターフェースは、2つの方法で歯の番号付けを意識して拡張され得る。第一に、インターフェースは、オペレータが歯車の歯およびピニオンの歯について所望のインデックスを選択し、回転試験機に所望の歯を所定の向きで独立して配置させることを可能にする「インジケータ」オプションを提示し得る。第二に、インターフェースは、所望のインデックスシーケンスが認識されることを可能にする「教示」オプションを提示し得る。オペレータは、指定された開始歯(それぞれが1のインデックスを持つ)が所定の向きで位置合わせされるよう、歯車およびピニオンを手動で位置決めし、教示インターフェースを介して、メンバーの向きを基準として記録するようにソフトウェアに指示し得る。後で部品のチャックが外されるまで、教示操作後に分析または視覚化のために提供されるすべてのデータレコードには、ラベル付けされた基準位置を示す追加のタグが含まれる。これらの基準位置タグは、試験中の任意の時点でどの特定の歯が接触していたかをオペレータが見つけることを可能にする基準として使用され得る。
実行される分析の多くは、新しい方法で回転試験機データを探索することを可能にする特殊な視覚化と組み合わせられ得る。しかし、分析と視覚化との組み合わせは利便的なものであって、必須ではない。歯車セット試験の領域では、分析ステップと視覚化とはそれぞれ別に考えられ得る。基礎となる分析は、視覚化を提示せずに常時オンまたは契約的データに適用され得る。報告を簡略化し、または試験対象の歯車セットに関する自動合否判定を行うために、これらの分析の結果は閾値と比較され、または何らかの手段によって(例えば、統計的に)他の方法で削減されてもよい。
少なくとも5種類の視覚化が考えられる。
・モデル分解、
・DFT(離散フーリエ変換)の大きさ、
・オーバーレイ、
・スペクトログラム、および
・かみ合いグリッド。
好ましくは、5種類の視覚化は、すべての視覚化の基盤を提供するコアモデルおよび残差によってすべてリンクされている。
図4および図5に示すモデル分解の視覚化では、選択された測定値ごとに、分解図が、入力歯車位置が独立変数を表し、測定値が従属変数を表す共通の軸上に、各成分基底、外部基底、および非周期的基底の展開を、求められたモデル係数によって重み付けされたその基底の関数の線形結合として個別に示している。各測定値の残差が各基底展開とともに示されている。
ユーザインターフェースの制御要素により、オペレータは各基底展開または残差の表示を切り替えることができる。
ある制御要素は、オペレータが好ましい表示スケールを、1つ以上のモデルに表されている任意の成分または外部基底の基本周期として選択することを可能にし、これにより、表示軸上の1単位が選択された基本周期を表すよう、入力歯車位置がスケーリングされる。
あるユーザインターフェース要素(「ツールチップ」)は、オペレータがグラフ上にカーソルを置き、カーソル付近に表示されている各成分の具体的な振幅および入力歯車の位置を見つけることを可能にする。ツールチップの例を図8に示し、ここで示されているデータは、その特定のグラフィック表示上の特定の線および位置にのみ関連していることを理解されたい。
図5に示すような棒グラフまたは折れ線グラフは、別々の軸上に、測定値および基底によってグループ化され、かつ、具体的な係数振幅を見つけることを可能にするためにラベル付けされたモデル係数の一部またはすべての大きさを示す。
ツールチップにより、オペレータは、この大きさのグラフにカーソルを置いて、特定の係数の具体的な数値とともに、照会されている具体的な成分を識別するのに十分な情報を見つけることができる。
分解分析は運動伝達誤差の周期的成分を、歯車ごとの高調波、ピニオンごとの高調波、またはかみ合いごとの高調波の倍数として、任意選択で非周期的多項式トレンドとともに表す。現在の歯車セット試験システムにおいて高調波解析は一般的である。しかし、本発明の方法によって実行される分解は、スペクトル漏れの影響を減少させ、現在のシステムでは表されない非周期的挙動を説明する前述の分解方法を採用することによって、従来の分析を改善する。
歯車セット内の各歯車について、分解によって求められた低次高調波成分が、理想化またはモデル化された歯車応答としてユーザに表示され、(ユーザによって明示的に選択される、またはプログラムによって自動的に選択される)いくつかのこれらの成分を運動伝達誤差から差し引くことで、歯車セットの回転に相関のないノイズ源を表す残差誤差と、より高い周波数のかみ合いごとの高調波成分とが得られる。残差誤差はさらなる分析および視覚化の基礎となり得る。
図6に示されるDFTの大きさの視覚化では、棒グラフまたは折れ線グラフにより、1つ以上の現在のモデルの残差の離散フーリエ変換(DFT)の大きさが、入力歯車の回転周波数の関数として示されている。
ある制御要素は、オペレータが好ましい表示スケールを、1つ以上のモデルに表されている任意の成分または外部基底の基本周波数として選択することを可能にし、これにより、入力歯車の回転周波数が、選択された周波数の単位で表される。
ある制御要素はオペレータが「仮想軌道」を有効化することを可能にし、これにより、セット内の任意の2つの相互接続された歯車の次に大きい整数個の軌道に等しい持続時間まで、現在のデータレコードがゼロパディングされ、結果として、DFTで計算された回転周波数は、両方のメンバーの基本回転周波数、およびかみ合い周波数と一致する。
大きさが棒グラフとして表示される場合、各DFT周波数ビンの棒は、各成分基底または外部基底の基本周波数の倍数への対応性(またはそのような基底への対応性のなさ)に従って、好ましくは、個別に色付け、陰影付け、ラベル付け、またはその他の方法で区別されて、周期的現象と、歯車セットの個々のメンバーに帰属する周波数との間の相関関係を容易に視覚的に識別することを可能にする。
ツールチップにより、オペレータはDFTグラフにカーソルを置き、特定のDFT周波数ビンの大きさおよび中心回転周波数を見つけることができる。
図7、図8、図9、および図10に示す位置オーバーレイ視覚化において、ある制御要素は、オペレータが好ましい表示スケールを、1つ以上のモデルに表されている任意の成分または外部基底の基本周期として選択することを可能にし、これにより、現在の1つ以上のモデルの残差が次のいずれかからなる「セグメント」として細分化される。
・選択された基本周期に等しい持続時間を有する、互いに交わりを持たない連続した間隔、または
・選択された基本周期に追加の重複間隔を加えたものに等しい持続時間を有する互いに重なり合う間隔であって、連続するセグメントは、ソフトウェアによって自動的に、またはオペレータによって手動で選択された重複間隔によって重なり合う、互いに重なり合う間隔。
選択された各測定値の折れ線グラフは、共通の軸上に、その測定値のすべての細分化された残差セグメントを示し、各セグメントは好ましくは、そのセグメントの開始時の位置に対する入力歯車の回転位置に応じて色またはスタイルによって差異を与えられ、求められたモデルに帰属しないデータのセグメント間の変動性を調べることができる。
ツールチップにより、オペレータは1つ以上の線の上にカーソルを置き、入力歯車の回転位置に応じた、セグメントが定義された特定の間隔を識別できる。
ある制御要素は、オペレータが、選択された測定値ごとに、表示されているすべてのセグメントの平均残差の表示を切り替えることを可能にする。図7、図8、図9、および図10では、残差の平均が個々のセグメント上に黒で重ねて示されている。
図8に示すように、ある制御要素は、オペレータが、選択された測定値ごとに、表示されているすべてのセグメントにわたって、点ごとの標準偏差、またはユーザ制御によって選択されたその倍数を示す線またはバンドの表示を切り替えることを可能にする。
図11および図12のスペクトルオーバーレイの視覚化では、位置オーバーレイ図のために上記のように細分化された個々のセグメントが、各セグメントの離散フーリエ変換を計算することによってスペクトルの大きさに変換される。各セグメントのDFTの大きさは、棒グラフまたは折れ線グラフによって、特定のDFT周波数ビンを個々のデータセグメントの対応する大きさに関連付ける単一の軸セット上に一緒に配置されている。
各スペクトルオーバーレイセグメントの持続時間の選択は、例えば、持続時間を、位置オーバーレイ表示のために選択された持続時間に固定することによって自動的に、または特定のユーザ選択によって行われ得る。
ツールチップにより、オペレータは1つ以上の線の上にカーソルを置き、セグメントが定義された特定の間隔を識別するとともに、カーソル位置に対応する周波数および大きさに関する詳細な情報を特定できる。
制御要素により、オペレータは、選択された測定値ごとに、スペクトルの大きさの平均として計算された平均大きさ、またはDFT係数の複素(位相化)平均の大きさ、および各DFTビンの他の統計的尺度(例えば、スペクトルの大きさの第1、第2、および第3四分位点)の表示を切り替えることができる。
制御要素により、オペレータは、選択された測定値ごとに、セグメント全体のDFTの大きさ間の統計的変動に関する視覚的情報を提示する箱ひげ図の表示を切り替えることができる。箱の下限および上限はそれぞれ、各DFT周波数ビンの大きさ分布の第1四分位数および第3四分位数を示し、中央の線は中央値を示す。ひげは、「典型的な」大きさの範囲を示すためにユーザ制御によって設定可能な四分位範囲(第3四分位数と第1四分位数との差)の倍数だけ箱の上下に伸びる。図12に示されるように、明瞭さのために、箱ひげ図の範囲内の値については、個別の大きさのインジケータは非表示にされてもよい。
「オーバーレイ」分析では、残差誤差は、メンバーのうちの1つの1回転、または任意の2つの歯の間の接触周期に等しい持続時間を有するセグメントに分割される。得られたセグメントを同じ軸上に重ねることで、試験全体にわたる、複数の相関する間隔間の相対的特徴を比較することができる。平均応答、サンプルごとの標準偏差、値域、およびRMSレベルを含む、重なり合う窓に関する要約統計量は、複数の歯車セットを比較するのに、および個々の歯車セットの特定の領域内での異常挙動を特定するのに役立つ結果のキャラクタリゼーションを提供する。オーバーレイ分析の視覚化は、個々のセグメントおよび要約統計量を特定する方法を提供する。
図13のスペクトログラム視覚化では、選択された各測定値の、二次元のカラーもしくはグレースケールマップ、または二次元もしくは三次元の滝グラフとしての画像は、その測定値の現在求められている残差の短時間フーリエ変換(STFT)の大きさを示している。
ある制御要素は、オペレータが表示スケールを、モデル内に表されている任意の成分または外部基底の基本周波数として選択することを可能にし、これにより、入力歯車の回転周波数および位置が選択された周波数および周期の単位でそれぞれスケーリングされる。
ある制御要素は、オペレータが、STFTのスライディング位置ウィンドウの持続時間を、窓関数の絶対幅または半値全幅のいずれかとして選択することを可能にする。
連続するSTFT位置窓の間のオフセットは手動選択によって決定されてもよく、または、窓の持続時間、重なり合い、および関数が、STFTが反転可能であることを保証するために必要なConstant Overlap-Add条件を所定の許容範囲内で満たすように自動決定によって決定されてもよい。
STFT位置窓の持続時間を手動で選択する代わりに、持続時間をオフセットとともに自動的に選択し、所定のアスペクト比で位置およびスペクトル分解能を提供してもよい。
ある制御要素は、オペレータが周波数および位置再割り当てを有効化することを可能し、これにより、STFT画像は、STFTの個々の大きさが、STFTの位相情報から導出された不規則な位置にシフトされた二次元または三次元散布図に変換される。
棒グラフまたは折れ線グラフが、現在表示されているSTFTから計算されたピリオドグラム(図14)を、STFT内のすべての位置セグメントにわたる周波数応答の平均および標準偏差として示す。
ある制御要素は、ユーザが、周波数がピリオドグラムのスペクトル分解能よりも大きくなるように、モデル内に表されている任意の成分または外部基底の基本周波数として、スペクトルスケールを選択することを可能にし、ピリオドグラムは、連続しているが互いに交わりを持たない、選択された周波数スケールに等しい幅を有し、選択されたスケールの周波数の整数倍を中心とする周波数バンドを定義するために使用され、各バンドにわたって、ピリオドグラムの二乗平均平方根振幅が計算され、ピリオドグラムと同じ軸上に棒グラフまたは階段グラフとして表示される。
かみ合い高調波の長期変動を強調表示するために、残差誤差に対して短時間スペクトル分析が実行される。試験の持続時間およびユーザが望むスペクトル帯域幅に基づいてユーザまたはソフトウェアによって選択され得る選択された時間スケールに基づいて、ガボール変換(ガウス時間窓を使用した短時間フーリエ変換)が残差誤差に適用され、スペクトルの大きさが列に沿って変化し、時間スライスが行に沿って変化する二次元スペクトログラム画像として表示される。短時間フーリエ変換の連続する列間の時間間隔は、時間情報の損失および冗長性の両方を回避するために、選択されたガウス窓に基づいて選択される。
ピリオドグラム(スペクトログラム内のすべての列にわたって計算されたスペクトルの平均大きさ)は、試験全体の典型的なスペクトル応答とともに、歯車もしくはピニオンの1回転、またはかみ合い接触の1周期に等しいバンドにわたって計算されたRMSの大きさを示す。より広い近傍でスペクトルの個々の大きさをRMSレベルと比較することにより、関心のある高調波の付近におけるパワー集中の尺度が提供される。短時間スペクトル分析はまた、より詳細な調査の基礎も提供する。一例として、各かみ合い高調波の付近の時間変動する平均周波数をスペクトログラムから計算することで、古典的な試験によって報告されたスペクトル振幅を人工的に減少させる位相ドリフトが定量化されてもよい。
図15に示されるかみ合いグリッド視覚化では、各かみ合い周期の統計量を、セット内の2つの相互接続された歯車のそれぞれの1つの特定の歯のインデックスのインタラクションにマッピングすることによって、選択された各測定値の二次元カラーまたはグレースケールマップとしての画像が、かみ合い持続時間にわたる統計的変動を示し、関心のある統計量がユーザインタラクションによって選択される。
1つ以上の測定値の現在のモデルの残差が、1つのかみ合い周期に等しい持続時間を有する互いに交わりを持たない連続セグメントに細分化される。
各残差に対して、すべてのセグメントの点ごとの平均として、またはモデルのかみ合い周期成分基底のみの展開として、基準信号が定められる。
ツールチップにより、オペレータはグリッド上の個々のかみ合い周期上にカーソルを置くことで、関連付けられたセグメントインデックス、セグメント周期がマッピングされている2つの相互接続されたメンバーの歯のインデックス、および選択された統計量の数値を見つけることができる。
それぞれ、単一の行もしくは列からなる二次元画像としての、または棒グラフもしくは折れ線グラフとしての別個の画像は、選択された統計量の値を、歯車セット内の相互接続された各メンバーの歯のインデックスの関数としてそれぞれ示し、統計量は、平均表示に関連付けられたメンバーの歯と接触する、結合されたメンバーのすべての歯にわたって平均化される。
ある制御要素は、オペレータが、さらなる調査のためにかみ合いグリッド図から任意のかみ合い周期セットを選択することを可能にする。
選択されたかみ合い周期からの1つ以上の測定値を、各セグメントの開始点に対する入力歯車位置の関数として表示することを可能にする詳細図(図16)がかみ合いグリッド図とともに表示されてもよい。
詳細図は、選択されたかみ合い周期の測定値と同じ軸上に、それらの測定値から導出された基準信号を表示する。
「かみ合いグリッド」分析では、2つの歯の間の1つの接触周期に常に等しい持続時間を有するセグメントに残留誤差が分割される。各セグメントは、その持続時間中に接触している特定の歯車の歯およびピニオンの歯にマッピングされる。基準信号は、すべての歯ごとの信号の平均として、または分解から求められる設定可能な数のかみ合い高調波の理想的再構成として計算される。以下の要約統計量がかみ合い間隔ごとに計算される。
・ピークピーク振幅、
・選択された基準信号と誤差との相互相関を最大化する信号遅延としての間隔誤差、
・残差誤差と選択された基準との間のRMS(二乗平均平方根)誤差、
・選択された基準と残差誤差との間のピアソン相関係数、または
・基準と誤差との間の波形類似度の複数の尺度のうちの1つ。
かみ合いグリッド視覚化は、選択された要約統計量を、1つの次元では歯車の歯番号でインデックス付けされ、他方の次元ではピニオンの歯番号でインデックス付けされた二次元グリッド上に表示することを可能にする。追加の行および列は、それぞれ、歯車またはピニオンの歯インデックスが一定に保たれた場合の選択された統計量の平均値を提供する。かみ合いグリッド内の1つ以上の間隔を選択することで、現在選択されている基準波形と同じ軸上に重ねられる、対応する実際の残差誤差を示す詳細図を表示してもよい。
すべての視覚化が、表示されている1つ以上のコアモデルを調整するための機構を提供する。データは、以前に求められた分析チャネルによって、または、以前にもしくはリアルタイムで収集された所定の長さの測定値のレコードから構成される「契約」チャネルによって提供され得る。
ユーザインターフェースの制御要素は、オペレータが、具体的にモデルを計算するために使用される、すべてのデータレコードのうちの任意の連続サブセット(「範囲」)を選択することを可能にする。
ある制御要素は、オペレータが、ローパスフィルタを適用し、デシメーションまたはローカルもしくはグローバル多項式補間のいずれかを行うことにより、選択されたデータレコードをダウンサンプリングして処理を高速化することを可能にする。
制御要素は、オペレータが、モデルで使用される各成分、外部、または非周期的基底の所望の関数の数を独立して選択することを可能にする。
データレコードにおいて運動伝達誤差以外の測定値が利用可能な場合、ある制御要素は、オペレータが視覚化される好ましい測定値(または複数の測定値)を選択することを可能にする。
選択された範囲およびダウンサンプリングレートから、各級数内の指定された数の基底関数を使用して、選択された測定値ごとにコアモデルおよび残差信号が導出される。
オペレータによって複数の視覚化がリンクされた「セッション」にグループ化されてもよく、または各視覚化が個別の独立したセッションとして扱われてもよい。
ネットワーク通信チャネルにより、単一のセッションの複数の図の間の協調が可能となり、これにより、より詳細な精査のためにオペレータ設定および信号の一部がオペレータによって特定される。オペレータが1つの視覚化において設定を調整したり、または表示された信号の一部を強調表示したりすると、同じセッション内の他のすべての視覚化で対応する設定が適用され、選択が強調表示される。
本発明は、好ましい実施形態を参照しながら説明されてきたが、本発明は、これらの特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。本発明は、添付の請求項の趣旨および範囲から逸脱することなく、本主題が属する、当業者にとっては明らかであろう変更を含むことが意図されている。

Claims (20)

  1. 歯車を試験する方法であって、前記方法は、
    第1の歯車および第2の歯車を含む一対の歯車を提供することであって、前記第1の歯車および前記第2の歯車は互いにかみ合った状態で回転するように動作可能である、提供することと、
    前記第1の歯車を前記第2の歯車とともに歯車試験機上で回転させることであって、前記歯車試験機は、1つ以上の歯車の回転特性を示す出力信号を提供するように動作可能な1つ以上のセンサを有するように構成されている、回転させることと、
    少なくとも1つの独立信号を生成することであって、前記独立信号は、前記1つ以上のセンサからの出力に基づく信号または分析的に導出された信号のうちの少なくとも1つである、生成することと、
    前記少なくとも1つの独立信号からゼロではない持続時間を有する少なくとも1つのフレーム部分を選択することと、を含み、前記選択された少なくとも1つのフレーム部分はそれぞれ、
    前記選択されたフレーム部分に基づいてモデル基底関数セットを求めるステップと、
    前記選択されたフレーム部分を前記モデル基底関数に投影することでモデル係数を生成するステップと、
    前記モデル係数および前記モデル基底関数から再構成されたモデルを求めるステップと、
    前記選択されたフレーム部分から前記再構成されたモデルを差し引くことで残差を得るステップと、に従って処理され、
    前記方法はさらに、
    (a)前記残差を表示および分析して、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定すること、
    前記品質特性に基づいて、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの前記少なくとも1つを承認または却下すること、
    ならびに
    (b)前記モデル係数または再構成されたモデルを表示および分析して、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定すること、
    前記品質特性に基づいて、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの前記少なくとも1つを承認するまたは却下すること、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
  2. 前記モデル基底関数は、
    (a)前記選択されたフレーム部分の持続時間、
    (b)前記第1の歯車および前記第2の歯車のギア比、
    (c)前記第1の歯車が前記第2の歯車とともに回転することによって生成される基本高調波周波数、または前記第2の歯車とかみ合っている前記第1の歯車のかみ合い周期の持続時間、
    (d)各基本周波数の所定の高調波セットであって、前記セットはゼロを含む、高調波セット、ならびに
    (e)前記選択されたフレーム部分の前記持続時間にわたって定義された非周期的基底関数のセットであって、前記セットはゼロを含む、非周期的基底関数のセット、のうちの少なくとも1つから求められる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記再構成されたモデルおよび前記残差は、機械動作中に前記センサから追加情報が取得されるに伴い継続的に再評価される、請求項1に記載の方法。
  4. 直接的な相関および比較を容易にするために、複数の前記独立信号が同じ間隔で同時にサンプリングされる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの独立信号が一様な時間サンプルで収集され、続いて補間されることにより、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの1つの位置において規則的な間隔を有するサンプルのシーケンスが生成される、請求項1に記載の方法。
  6. 残差、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせを表示することは、
    (a)前記選択されたフレーム部分を、持続時間が等しい複数の連続する信号セグメントに細分化することであって、前記持続時間は、
    1.1つ以上の完全なかみ合い周期、
    2.前記セット内の任意の歯車の1つ以上の完全な回転、のうちの1つ以上に等しい、細分化することと、
    (b)前記信号セグメントを
    1.時間、
    2.前記セット内の前記歯車のうちの1つの位置、
    3.フーリエ変換による周波数、のうちの1つ以上の関数として表すことと、
    (c)同じ独立軸上に位置合わせおよび重ねられた信号セグメント関数を、
    1.前記信号セグメント関数のトレース、
    2.点ごとに求められた、算術平均および/または分散からなる、前記信号セグメント関数の統計的変動のトレース、のうちの1つ以上として提示することと、を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 残差、再構成されたモデル、または両者の組み合わせを表示することは、
    (a)前記選択されたフレーム部分を、持続時間が等しい複数の連続する信号セグメントに細分化することであって、前記持続時間は1つ以上の完全なかみ合い周期に等しい、細分化することと、
    (b)各信号セグメントについて、信号セグメントごとのスカラーメトリックを求めることであって、前記スカラーメトリックは、
    1.ピークピーク変動、
    2.二乗平均平方根振幅、
    3.前記信号セグメントを基準に最適に位置合わせするために必要な前記信号セグメントの時間または回転シフトであって、前記基準は、少なくとも2つのセグメントの平均、または前記信号セグメントと同じ持続時間を有する前記再構成されたモデルのサブセットのいずれかとして求められる、時間または回転シフト、
    4.少なくとも2つのセグメントの平均、または前記信号セグメントと同じ持続時間を有する前記再構成されたモデルのサブセットのいずれかとして求められた基準への類似度の尺度であって、ピアソン相関係数および/または二乗平均平方根誤差のうちの1つ以上からなる、類似度の尺度、のうちの1つ以上からなる、求めることと、
    (c)各セグメントに2つのインデックスを割り当てることであって、第1のインデックスは、
    1.前記セグメント持続時間の開始前に前記セグメント信号において観測された前記第1の歯車もしくは前記第2の歯車のうちの一方の完全な回転の回数、または
    2.前記第1の歯車もしくは前記第2の歯車のうちの前記一方の歯数を法とする、前記セグメント持続時間の開始前に観測されたかみ合い周期の数のいずれかに対応し、
    第2のインデックスは、
    3.前記セグメント持続時間の開始前に前記セグメント信号において観測された前記第1の歯車もしくは前記第2の歯車のうちの他方の完全な回転の回数、または
    4.前記第1の歯車もしくは前記第2の歯車のうちの前記他方の歯数を法とする、前記セグメント持続時間の開始前に観測されたかみ合い周期の数のいずれかに対応する、割り当てることと、
    (d)ある範囲のグレースケールまたはカラー値にマッピングされた前記スカラーメトリックを二次元画像上に提示することであって、前記画像の一方の座標は前記第1のインデックスに対応し、前記画像の他方の座標は前記第2のインデックスに対応する、提示することと、を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 残差、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせを表示することは、
    (a)前記選択されたフレーム部分を、それぞれが順番にインデックス付けされた、所定の等しい持続時間を有する複数の連続または重なり合う信号セグメントに細分化することと、
    (b)フーリエ変換により、前記信号セグメントをスペクトル関数として表すことと、
    (c)前記スペクトル関数から、
    1.大きさ、
    2.対数の大きさ、
    3.位相、
    4.実際の位相と、先行スペクトル関数の位相を、2つのセグメント間の時間または回転距離だけ進めることによって予測された位相との間の差としての位相ドリフト、の尺度うちの1つ以上を求めることと、
    (d)値をある範囲のグレースケールまたはカラー値にマッピングして、前記スペクトル尺度を二次元画像として提示することであって、前記画像の一方の座標は前記セグメントの前記インデックスに対応し、前記画像の他方の座標は前記スペクトル関数の周波数変数に対応する、提示することと、を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 表示することは、
    グラフ上の、残差、再構成されたモデル、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上のトレースを含み、前記独立軸は前記歯車セットのうちの前記第1の歯車または前記第2の歯車のうちの1つの時間または位置を表し、従属軸は表示される量の振幅を表す、請求項1に記載の方法。
  10. モデル係数を表示することは、
    (a)係数ごとに1本の棒があり、高さが前記係数の大きさに比例する、棒グラフ、
    (b)係数ごとに、座標原点から発し、対応する係数の複素数の大きさに比例する長さ、および前記対応する係数の複素数の位相に比例する、横軸に対する角度を有する線分が描かれた1つ以上のレーダーチャート、のうちの1つ以上をプロットすることを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 再呼び出しのために表示および分析結果が電子記憶媒体に保持され、
    (a)同時に隣り合わせでの提示、
    (b)進行がユーザインタラクションによって指示される順次提示、
    (c)自動的なアニメーション化された進行による順次提示のうちの1つ以上によって、2つ以上の以前のレコードの表示および比較が実現される、請求項1に記載の方法。
  12. 歯車を試験する方法であって、前記方法は、
    第1の歯車および第2の歯車を含む一対の歯車を提供することであって、前記第1の歯車および前記第2の歯車は互いにかみ合った状態で回転するように動作可能である、提供することと、
    前記第1の歯車を前記第2の歯車とともに歯車試験機上で回転させることであって、前記歯車試験機は、1つ以上の歯車の回転特性を示す出力信号を提供するように動作可能な1つ以上のセンサを有するように構成されている、回転させることと、
    少なくとも1つの独立信号を生成することであって、前記独立信号は、前記1つ以上のセンサからの出力に基づく信号または分析的に導出された信号のうちの少なくとも1つである、生成することと、
    前記少なくとも1つの独立信号からゼロではない持続時間を有する少なくとも1つのフレーム部分を選択することと、を含み、前記選択された少なくとも1つのフレーム部分はそれぞれ、
    前記選択されたフレーム部分に基づいてモデル基底関数セットを求めるステップと、
    前記選択されたフレーム部分を前記モデル基底関数に投影することでモデル係数を生成するステップと、
    前記モデル係数および前記モデル基底関数から再構成されたモデルを求めるステップと、
    前記選択されたフレーム部分から前記再構成されたモデルを差し引くことで残差を得るステップと、に従って処理され、
    前記方法はさらに、
    前記残差を表示および分析して、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定すること、
    前記品質特性に基づいて、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの前記少なくとも1つを承認または却下すること、
    ならびに
    前記モデル係数または再構成されたモデルを表示および分析して、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの少なくとも1つの品質特性を特定すること、
    前記品質特性に基づいて、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの前記少なくとも1つを承認または却下すること、のうちの少なくとも1つを含み、
    前記方法は、前記1つ以上のセンサによって前記一対の歯車間の協調運動が検出され、新しいデータフレームを補充できる限り、前記先行のステップが繰り返され、連続的に実行される常時オンモードで行われる、方法。
  13. 回転させられる前記第1の歯車および前記第2の歯車の歯数比は前記常時オンモードにおいて事前に知られていないが、前記常時オンモードは、受け取られるリアルタイムデータに基づいて前記歯数比を求める、請求項12に記載の方法。
  14. ユーザは、前記常時オンモードが動作しているときはいつでも、測定値、表示、視覚化、および結果のうちの少なくとも1つを含む情報を見ることができ、前記情報は、他の試験モードが同時にアクティブであるか否かに関係なく利用可能である、請求項12に記載の方法。
  15. 測定値、表示、視覚化、および結果のうちの少なくとも1つを含む前記情報は、
    (a)かみ合い周期に関連付けられた周波数の1つ以上の高調波の振幅および位相、
    (b)1つのかみ合い周期の持続時間にわたる平均信号形状、
    (c)歯車振れ高調波振幅、
    (d)歯車振れの平均信号形状、
    (e)歯の損傷の存在および位置、
    (f)ピニオン基底を取り除いた平均信号形状、および
    (g)歯車基底を取り除いた平均信号形状、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記表示されたデータの特徴をよりよく調べるために前記表示をインタラクティブに操作することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. 後続フレームによって置き換えられることなく、現在表示されているデータセットを調べられるように表示を保留にすることができる、請求項12に記載の方法。
  18. 後での取り出しもしくは調査のために、および/または現在のデータと比較するために、現在のデータセットを取り込み保存することができる、請求項12に記載の方法。
  19. 現在のデータと、保存された基準またはマスターデータとの間の差異を調べ、視覚化することができる、請求項12に記載の方法。
  20. 前記常時オンモードはさらに、試験パラメータまたは設定を別に構成する必要なく、前記第1の歯車および前記第2の歯車のうちの少なくとも1つの歯の損傷を認識および位置特定することを含み、前記常時オンモードは、前記認識された損傷の前記位置を最もよく表す部分回転または歯のインデックスを特定し、前記常時オンモードは、テキストメッセージおよび/またはグラフィック表示を通じてそのような損傷についてユーザに自動的に通知する、請求項12に記載の方法。
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