JP6810992B2 - 液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、化学機械研磨(CMP)、特に、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッド及び液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造方法の分野においてである。
一般的にCMPと略される、化学機械平坦化又は化学機械研磨は、半導体ウエハ又は他の基材を平坦化するための半導体の製造で使用される技術である。
プロセスは、典型的にウエハより大きい径の研磨パッド及び保持リングと併せて、研磨剤及び腐食性化学的スラリー(一般的に、コロイド)の使用を含む。研磨パッド及びウエハは動的な研磨ヘッドによって一緒に押し付けられ、プラスチックの保持リングによって所定の位置に保持される。動的な研磨ヘッドは研磨中に回転する。このアプローチは材料を除去することを目的とし、任意の不規則なトポグラフィ−を平らにする傾向にあり、ウエハを平坦又は平面にする。これは、追加の回路部材の形成のためにウエハをセットするために必要であることがある。例えば、これは、全体の表面をフォトリソグラフィシステムの被写界深度内で収めるために、又は、その位置に基づいて材料を選択的に除去するために必要であることがある。典型的な被写界深度の要求は、最新のサブ50ナノメートルテクノロジーノードのために、オングストロームレベルに下がっている。
材料除去のプロセスは、木材に紙やすりをかけるような単なる研磨性擦り落とし(scraping)のプロセスではない。スラリー中の薬品はまた、除去されるべき材料と反応及び/又は除去されるべき材料を弱化する。研磨剤はこの弱化プロセスを加速し、研磨パッドは表面から反応した材料を拭き取るのに役立つ。スラリー技術の進歩に加えて、研磨パッドは、ますます複雑化するCMP操作において重要な役割を果たす。
しかしながら、CMPパッド技術の進化には、更なる改善が必要とされる。
本発明の実施形態は、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッド及び液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造方法を含む。
実施形態において、基材を研磨するための研磨パッドは、ポリマーマトリックスと、ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンとを有する研磨体を含む。複数のポロゲンのそれぞれは液状充填材を含むシェルを有する。液状充填材は1atmの圧力で100℃未満の沸点を有する。
別の実施形態において、基材を研磨するための研磨パッドは、ポリマーマトリックスと、ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンとを有する研磨体を含む。複数のポロゲンのそれぞれは液状充填材を含むシェルを有する。液状充填材は水より低い密度を有する。
別の実施形態において、基材の研磨方法は、プラテン上で研磨パッドを提供することを含む。研磨パッドは、研磨パッドの研磨体のポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンを含む。複数のポロゲンのそれぞれは、液状充填材を含むシェルを含み、液状充填材は1atmの圧力で100℃未満の沸点を有するか又は水より低い密度を有するか又はその両方を有する。方法はまた、研磨パッドをコンディショニングすることを含む。コンディショニングは、研磨パッドの研磨体の複数のポロゲンの最上部を破壊して、研磨パッドの研磨表面を提供することを含む。方法はまた、研磨パッドの研磨表面上にスラリーを適用することを含む。方法はまた、研磨パッドの研磨表面上でスラリーを用いて基材を研磨することを含む。
別の実施形態において、研磨パッドの製造方法は、プレポリマーと硬化剤とを複数のポロゲンと共に混合して混合物を形成することを含む。複数のポロゲンのそれぞれは、液状充填材を含むシェルを有し、液状充填材は1atmの圧力で100℃未満の沸点を有するか又は水より低い密度を有するか又はその両方を有する。方法はまた、混合物を硬化して、研磨体のポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンを含む研磨体を有する研磨パッドを提供することを含む。硬化は、複数のポロゲンのそれぞれを実質的に膨張させない。
本発明の実施形態に従って、液状充填ポロゲンを有するCMP研磨パッドの断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、A−A’軸の上で研磨パッドの一部を除去するためのコンディショニング後の図1Aの研磨パッドの断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、最上部のポロゲンから液状充填材を取り除いた後の図1Bの研磨パッドの断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、それらのマトリックス中での液状充填ポロゲンを有する研磨パッドの断面の一部の共焦点顕微鏡写真である。 本発明の別の実施形態に従って、それらのマトリックス中での液状充填ポロゲンを有する研磨パッドの断面の一部の共焦点顕微鏡写真である。 本発明の実施形態に従って、研磨パッドを切った際の、破壊され空にされた液状充填ポロゲンを有する研磨パッドの断面の1000倍の倍率での走査電子顕微鏡写真である。 本発明の実施形態に従って、研磨パッドを切った際の、破壊され空にされた液状充填ポロゲンを有する研磨パッドの断面の4000倍の倍率での走査電子顕微鏡写真である。 本発明の実施形態に従って、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造で使用される操作の断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造で使用される操作の断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造で使用される操作の断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造で使用される操作の断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、液状充填ポロゲン及びガス充填ポロゲンを有するCMP研磨パッドの断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、およそ1:1の二峰性の分布の液状充填ポロゲンを有する高密度の研磨パッドの断面図を図示する。 本発明の実施形態に従って、図6Aの研磨パッドでの狭い分布の孔径についての、孔径の関数としての個体数のプロットを図示する。 本発明の実施形態に従って、図6Aの研磨パッドでの広い分布の孔径についての、孔径の関数としての個体数のプロットを図示する。 本発明の実施形態に従って、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドに適合する研磨装置の等角側面図を図示する。
液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッド及び液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造方法を本明細書で説明する。以下の説明において、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な研磨パッドの設計及び組成のような、多くの具体的な詳細が明らかにされる。これらの具体的な詳細なく、本発明の実施形態を実行することができることは当業者に明らかである。他の例において、良く知られた処理技術、例えば、半導体基材の化学機械平坦化(CMP)を実行するためのスラリーと研磨パッドの組み合わせに関する詳細は、本発明の実施形態を不必要に曖昧にすることがないように、詳細に説明されない。さらに、図面中で示される様々な実施形態は例示的な表現であり、縮尺に合わせて描かれている必要はないことが理解されるべきである。
本明細書で説明される1つ又は複数の実施形態は、研磨パッドのマトリックスの全体に分散した液状充填ポロゲン又は微量要素を有するCMP研磨パッドを対象とする。使用において、パッド表面で、液状充填ポロゲンは、例えば、パッドディスクコンディショナーによって破壊される。液状充填材は揮発され、及び/又は、破壊されたポロゲンからスラリーによって押し出され、パッド表面で利用可能な孔を提供する。研磨表面の下で、パッド中に埋め込まれたままである液状充填ポロゲンは、平坦化性能に望ましい高密度のパッドバルクを提供する。パッド表面で、材料は、スラリーの輸送に必要とされる低密度の多孔質層に変換される。
背景を提供するために、CMPパッド中に水溶性の粒子を組み込むという試みがなされてきた。水溶性の粒子は、水性スラリーと接触する際に溶解する。しかしながら、CMPパッド中のそのような水溶性の材料の含有は、特に、水溶性の材料が化学的に活性である場合に、スラリー薬品との望まれない及び/又は制御されない反応をもたらす場合がある。1つの実施形態において、上記の問題を説明するために、CMP研磨パッドのポリウレタンマトリックスが、液状充填ポロゲン(例えば、非膨張性EXPANCEL(商標)ポロゲン)を含むように製造される。パッド製造プロセスは、EXPANCEL(商標)の膨張温度未満の温度で行われる。EXPANCEL(商標)ポロゲン又は微量要素の中の充填材は、パッド製造プロセスの間、液相中に留まる。結果は、使用中に、平坦化のためにできるだけ固体であるか又は高密度であるバルク部を有するように作ることができるCMP研磨パッドである。それと同時に、パッド表面は、欠陥の低減のためにできるだけ柔らかい状態にすることができる。
より一般的には、本明細書で説明される1つ又は複数の実施形態は、およそ0.8グラム/立方センチメートル(g/cc)超の高いバルク密度、より具体的には、およそ1g/cc超の高い密度を有する研磨パッドの製造を対象とする。得られたパッドは、高い密度を提供する独立気泡の多孔率(porosity)を有するポリウレタン材料を基材とすることができる。
例示的な実施形態において、図1Aでは、液状充填ポロゲンを有するCMP研磨パッドの断面図を図示する。図1Aを参照すると、研磨パッド100は、ポリマーマトリックス102と、ポリマーマトリックス102の全体に分散した複数のポロゲン104とを含む研磨体を含む。複数のポロゲン104のそれぞれは液状充填材108を含むシェル106を含む。
実施形態において、ポロゲン104の液状充填材108はシェル106に収容される充填材であり、その過半数が液相中にある。1つのそのような実施形態において、1つ又は複数のポロゲン104のために、液状充填材108はシェル106を完全に充填して、それ自体は、完全に液相中にある。しかしながら、別の実施形態において、1つ又は複数のポロゲン104のために、液状充填材108はシェル106を部分的にのみ充填する。その実施形態において、液状充填材は、液状充填材のガス相と平衡状態にあることができる。それにもかかわらず、液状充填材108の過半(質量で)は液相中にある。シェル中に収容されるように、液状充填材108は、研磨パッド100の本体に収容される間、実質的に閉鎖系にあることが理解されるべきである。
実施形態において、液状充填材108は水の沸点より低い沸点、すなわち、1atmの圧力で100℃未満の沸点を有する。実施形態において、液状充填材は水より低い密度、すなわち、1g/cm3未満の密度(4℃での水に対して定義した場合)を有し、液状充填材108はおよそ0.7g/cm3未満の密度を有する。1つの実施形態では、液状充填材108は、限定されないが、n−ペンタン、イソ−ペンタン、ブタン、又はイソ−ブタンのような炭化水素(例えば、1atmで40℃未満の沸点を有する炭化水素)である。しかしながら、別の実施形態において、トルエンのようなより重い炭化水素又は軽鉱物を使用することができる。1つのそのような実施形態において、液状充填材108は7個以上の炭素原子を有する炭化水素分子である。
実施形態において、それぞれの液状充填ポロゲン104のシェル106はポリマーシェルである。1つのそのような実施形態において、ポリマーシェルは、限定されないが、ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、アクリル材料、又はアクリロニトリルのような材料から構成される。実施形態において、液状充填材108/シェル106の組み合わせ(pairing)は、非膨張ポロゲン充填材又は不足膨張ポロゲン充填材(どちらもUPFと称される)として説明することができ、そうでなければ、ある上昇した温度で研磨パッド製造中に膨張する。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、研磨パッドの製造プロセスを膨張温度未満で維持する場合、UPFは液状充填非膨張ポロゲンのままである。1つのそのような実施形態において、大量のUPFがポリウレタン形態の混合物中に含まれる。UPFは、パッドの鋳造プロセスの間に膨張しなく、液状充填ポロゲンを含む高密度パッドを作る。
実施形態において、複数のポロゲン104の少なくとも一部は崩壊した球形状を有する。すなわち、ポロゲン104は、収縮した球体の形状に近いことがあり、そうでなければ、球形状に膨張する場合がある。崩壊した形状とは、完全に崩壊して略三日月形状を提供することがあるか、又は、部分的に球状になるか若しくは大部分が球状にさえなることがある。
例において、図2Aは、本発明の実施形態に従って、それらのマトリックス102中に液状充填ポロゲン104を有する研磨パッド200Aの断面の一部の共焦点顕微鏡写真である。図2Aを参照すると、側面視のポロゲンが見られるような場合は、三日月形状又は略三日月形状が見られる。底面視のポロゲンが見られるような場合は、円形又は部分的に球状な部分が見られる。
液状充填ポロゲンはまた、不規則な形状を取ることができることが理解されるべきである。例において、図2Bは、本発明の別の実施形態に従って、それらのマトリックス102中に液状充填ポロゲン104を有する研磨パッド200Bの断面の一部の共焦点顕微鏡写真である。図2Bを参照すると、ポロゲン104は、主に、一部がやや尖った特徴を有する非球状である。
実際の形状に関係なく、液状充填ポロゲン104は平均径を有すると説明することができる。径が任意の方向で同一である球と異なり、液状充填ポロゲン104は、ポロゲンのサイズが全方向で測定された場合に得られる平均径によって寸法決め(サイジング)することができる。例えば、三日月形状のポロゲンは、三日月の視点での短径と、底面の視点での長径とを有する。ポロゲンに対する平均径は、そのような径の平均と説明することができる。特定の実施形態において、各ポロゲン104、例えば、崩壊した球形状のポロゲンは、およそ6〜40ミクロンの範囲の平均径を有する。
実施形態において、研磨パッド100の研磨体のポリマーマトリックス102は熱硬化性ポリウレタン材料であるか又はそれを含む。1つのそのような実施形態において、ポリマーマトリックス102と複数のポロゲン104とを含む研磨体はある合計体積を有して、その合計体積のおよそ20%〜およそ50%に寄与する複数のポロゲンを含む。実施形態において、ポリマーマトリックス102と複数のポロゲン104とを含む研磨体は、およそ0.8g/cm3超の合計密度、より具体的には、およそ1g/cm3超の合計密度を有する。したがって、幾つかの実施形態において、研磨パッド100は、他の公知の研磨パッドが典型的に0.65〜0.8g/cm3の密度を有するため、高密度の研磨パッドである。
別の態様において、図1Aに関連して説明された研磨パッド100は、基材を研磨するために使用される化学機械平坦化プロセスで使用することができる。例えば、研磨パッド100は、図7に関連して以下でより詳細に説明されるように、CMPプロセスが研磨パッドに接して及びその上で行われるプラテン上に設置することができる。
実施形態において、CMPプロセス前及び/又はCMPプロセス中に、研磨パッド100はコンディショニングされる。図1Aを参照すると、研磨パッド100をコンディショニングして、A−A’軸の上でパッドの一部を除去することができる。図1Bは、本発明の実施形態に従って、A−A’軸の上で研磨パッドの一部を除去するためのコンディショニング後の図1Aの研磨パッドの断面図を図示する。
図1Bを参照すると、コンディショニングは複数のポロゲン104の最上部を破壊して研磨パッド100の研磨表面110を提供することを含む。1つのそのような実施形態において、コンディショニングは、パッドコンディショニングツールを用いて研磨パッドの最上部を切断することを含み、それはダイアモンドカッターを含むことができる。
実施形態において、複数のポロゲン104の最上部を破壊することは、ポロゲンの破壊された最上部の液状充填材の除去をもたらす。1つのそのような実施形態において、液状充填材は、パッドの外側の周辺状況に露出した際、液状充填材の揮発によって少なくともある程度が取り除かれる。そのような場合において、高い蒸気圧を有する液状充填材をこの方法で取り除くことができる。別の実施形態において、少なくともある程度、液状充填材が研磨パッドの表面に適用された液体又はスラリーによって置き換えられる。そのような場合において、低粘度の液状充填材をこの方法で取り除くか又は置き換えることができる。
図1Cを参照すると、液状充填材が取り除かれた際、複数の開放孔112がパッド表面110で作り出される。得られた研磨パッドは、ウエハ又は基材のCMP処理のために、それに適用されるスラリーと併せて使用することができる。孔112の形成は、1つの実施形態において、得られた研磨パッドのスラリーを輸送する固有の能力を提供することができる。パッドはコンディショニングされるか、又は、そうでなければ研磨パッドの寿命の間で複数回切断され、各回はパッドの最上層を除去して、したがって、回数と共に研磨パッドを薄くすることが理解されるべきである。
実施形態において、図1Cに対して再度参照すると、液状充填材を取り除いた際、パッドの最上部(本質的に露出部)は、保持された液状充填ポロゲンを含むパッドのバルク部よりもかなり柔らかいように作られる。パッド100へのコンディショニングプロセスは、研磨表面の下のバルクパッドの残部よりも実質的に柔らかい研磨表面を有する研磨パッドの実時間(リアルタイム)製造を可能にする。そして、パッドのバルク部がガス充填ポロゲンとは対照的に液状充填ポロゲンを有するため、パッドのバルク部を極めて高い密度を有するように作ることができる。したがって、実施形態において、複数のポロゲン104の最上部を破壊することは、研磨パッドの研磨体の残りの下層部よりも低い密度かつ低い硬度を有する研磨表面110を提供する。
液状充填ポロゲンの破壊の際に作られた表面110を代表する研磨断面の例として、図3A及び図3Bでは、本発明の実施形態に従って、研磨パッドを切った際の、破壊され空にされた液状充填ポロゲンを有する研磨パッド300の断面の走査電子顕微鏡写真である。図3Aは1000倍に拡大され、図3Bは4000倍の倍率で示される。両方の写真において、破壊された三日月形状のポロゲンを見ることができる。ポロゲンは12ミクロンの平均径と40%の密度とを有する。
別の態様において、液状充填ポロゲンを有する研磨パッドは、成形プロセスで製造することができる。例えば、図4A〜4Dでは、本発明の実施形態に従って、研磨パッドの製造で使用される操作の断面図を図示する。
図4Aを参照すると、成形型400が提供される。図4Bを参照すると、プレポリマー402と硬化剤404(例えば、鎖延長剤又は架橋剤)とが、複数のポロゲン406(例えば、上で説明した液状充填ポロゲン104)と混合され、その中に分散したポロゲン406を有する混合物410を形成する。
図4Cを参照すると、成形型400の蓋416を型400のベースと合わせて、混合物410は成形型400の形状になる。実施形態において、型400は、成形型410内で硬化剤又は隙間を形成することがないように、成形型400の蓋416とベースとを合わせている際又はその間にガス抜きされる。成形型の蓋を下げることを説明する本明細書で説明する実施形態は、成形型の蓋とベースとを合わせることを達成することのみが必要であると理解されるべきである。すなわち、幾つかの実施形態において、成形型のベースは成形型の蓋に向けて引き起こされ、一方で、他の実施形態において、成形型の蓋は、ベースが蓋に向けて引き起こされるのと同時に、成形型のベースに向かって下げられる。
図4Cを再度参照すると、混合物410は成形型400中で硬化される。例として、加熱が混合物410を硬化させるために使用されて、液状充填ポロゲン406を取り囲む部分的又は完全に硬化したパッド材料420を提供することができる。1つのそのような実施形態において、硬化は、プレポリマー及び硬化剤の材料に基づく架橋マトリックスを形成する。
実施形態において、硬化は複数のポロゲン406のそれぞれを実質的に膨張させない。実施形態において、複数のポロゲン406のそれぞれの実質的な膨張は、50容積%超のサイズ増加である。例えば、非膨張性EXPANCEL(商標)の膨張は、1000〜4000容積%の大きさであることができる。したがって、実施形態において、非膨張ポロゲン406は硬化中に本質的に膨張しない。少しでも膨張がある場合、実施形態において、その膨張は50容積%未満である。
1つの実施形態において、混合物410を硬化することは混合物410を加熱することを含むが、それは複数の液状充填ポロゲン406の膨張温度未満の温度までである。1つの実施形態において、複数のポロゲン406のそれぞれは崩壊した球形状を有し、硬化は複数のポロゲン406のそれぞれの崩壊した球形状を実質的に変更しない。1つの実施形態において、ポロゲン406のそれぞれは、およそ6〜40ミクロンの範囲の平均径を有し、硬化は複数のポロゲン406のそれぞれの平均径を実質的に増加させない。1つの実施形態において、複数のポロゲン406のそれぞれは初期のシェル厚を有し、硬化は複数のポロゲン406のそれぞれのシェル厚を実質的に減少させない。
図4Dを参照すると、実施形態において、上で説明したプロセスが研磨パッド420を提供するために使用される。研磨パッド422は硬化材料420から構成され、液状充填ポロゲン406を含む。実施形態において、研磨パッド422は熱硬化性ポリウレタン材料から構成され、液状充填ポロゲン406はその熱硬化性ポリウレタン材料の中に分散される。図4Dを再度参照すると、図の底部が、a−a’軸に沿って取られる上面断面図の平面図である。その平面図に見られるように、実施形態において、研磨パッド422はその中に溝パターンを有する研磨表面428を有する。1つの特定の実施形態において、示されたように、溝パターンは放射状溝426と同心円溝428とを含む。
実施形態において、上で可能性として述べたように、混合物410は型400中で部分的に硬化され、1つの実施形態において、それは成形型420から除去された後にオーブン中でさらに硬化される。しかしながら、その実施形態において、加熱は複数のポロゲン406のそれぞれを実質的に膨張させない。
実施形態において、プレポリマー402はイソシアネートであり、硬化剤404は芳香族ジアミン化合物であり、研磨パッド422は熱硬化性ポリウレタン材料220から構成される。1つのそのような実施形態において、混合物410を形成することは、隠蔽性充填材を、プレポリマー402及び硬化剤404に加えて、不透明成形研磨体422を最終的に提供することをさらに含む。具体的なそのような実施形態において、隠蔽性充填材は、限定されないが、窒化ホウ素、フッ化セリウム、グラファイト、フッ化グラファイト、硫化モリブデン、硫化ニオブ、タルク、硫化タンタル、二硫化タングステン、又はテフロン(登録商標)のような材料である。
実施形態において、研磨パッド前駆体混合物410を使用して、熱硬化性ポリウレタン材料から構成された成形均質研磨体422を最終的に形成する。1つのそのような実施形態において、研磨パッド前駆体混合物410を使用してハードパッドを最終的に形成して、単一種の硬化剤404のみを使用する。しかしながら、別の実施形態において、研磨パッド前駆体混合物410を使用してソフトパッドを最終的に形成して、第1硬化剤と第2硬化剤との組み合わせ(404を一緒に提供すること)を使用する。例えば、具体的な実施形態において、プレポリマー402はポリウレタン前駆体を含み、第1硬化剤は芳香族ジアミン化合物を含み、第2硬化剤はエーテル結合を含む。特定の実施形態において、ポリウレタン前駆体はイソシアネートであり、第1硬化剤は芳香族ジアミンであり、第2硬化剤は、限定されないが、ポリテトラメチレングリコール、アミノ官能化グリコール、又はアミノ官能化ポリオキシプロピレンのような硬化剤である。実施形態において、プレポリマー402、第1硬化剤、及び第2硬化剤(全体で404)は、およそ、106部のプレポリマー、85部の第1硬化剤及び15部の第2硬化剤のモル比を有する、すなわち、およそ1:0.96のプレポリマー:硬化剤の化学量論比を提供する。比の変更を、様々な硬度値を持つ研磨パッド、又は、プレポリマー、第1硬化材、及び第2硬化材の特性に基づく研磨パッドを提供するために使用することができることが理解されるべきである。
図4Dを再度参照すると、上で説明されたように、実施形態において、成形型400中での硬化は、成形研磨体422の研磨表面424での溝パターンを形成することを含む。示された溝パターンは、放射状溝及び同心円状円周溝である。放射状溝又は円周溝は省略することができる。さらに、同心円状円周溝は、代わりに、多角形、例えば、入れ子になった三角形、四角形、五角形、六角形などであることができる。代替的に、研磨表面は、代わりに、溝の代わりに突起に基づくことができる。さらに、研磨パッドは研磨表面に溝なしで製造することができる。1つのそのような例において、成形装置のパターン化していない蓋が、パターン化した蓋の代わりに使用される。また、代替的に、成形中、蓋の使用を省略することができる。しかしながら、成形中に蓋を使用する場合、混合物410をおよそ2〜12ポンド/平方インチの範囲の圧力下で加熱することができる。
上の幾つかの例は高密度パッドの製造を参照するが、液状充填ポロゲンを含む研磨パッドは付加的な多孔率、したがって、減少した密度を含むように製造することができる。例えば、実施形態において、複数の液状充填ポロゲンに加えて、研磨パッドはポリマーマトリックスの全体に分散した第2の複数のポロゲンをさらに含む。第2の複数のポロゲンは、追加の成分として、図4Bに関連して説明された形成した混合物410に追加することができる。1つの実施形態において、第2の複数のポロゲンのそれぞれは、シェルとガス充填材とから構成される(例えば、充填材の質量の過半はガス相中にある)。具体的なそのような実施形態において、複数の液状充填ポロゲンは研磨パッドの10〜40wt%の量であり、第2の複数のポロゲンは研磨パッドのおよそ5wt%未満の量である。
例として、図5では、本発明の実施形態に従って、液状充填ポロゲン及びガス充填ポロゲンを有するCMP研磨パッドの断面図を図示する。図5を参照すると、研磨パッド500は均質研磨体501を含む。1つの実施形態において、均質研磨体501は、その中で分散した複数の液状充填ポロゲン504を含む熱硬化性ポリウレタン材料502から構成される。追加的に、複数のガス充填ポロゲン599はまた、熱硬化性ポリウレタン材料502中で分散される。
実施形態において、第2の複数の微量要素599のそれぞれは、(例えば、追加の成分として)研磨パッドの全体に分配した予備膨張したガス充填EXPANCEL(商標)から構成される。すなわち、微量部材599に対して起こる場合がある任意の大きな膨張は、研磨パッド形態中へのそれらの含有の前に、例えば、混合物410中に含まれる前に行われる。具体的な実施形態において、予備膨張したEXPANCEL(商標)はペンタンで満たされ、その過半がガス相中にある。
別の実施形態において、複数の液状充填ポロゲンに加えて、研磨パッドは、ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のシェル無しポロゲンをさらに含む。複数のシェル無しポロゲンはガス充填材を有することができ、図4Bに関連して説明した混合物410を形成する間又はその後、追加の成分として形成することができる。1つのそのような実施形態において、図4Bに関連して説明した混合物は、ガス499をプレポリマー及び硬化剤に注入すること、又はそこから形成された生産物に注入することを含む。別の実施形態において、プレポリマーはイソシアネートであり、混合物は、水のような液体をプレポリマーに加えて、最終硬化製品中にガス気泡形成をもたらす反応を引き起こすことをさらに含む。
別の態様において、研磨パッド中の液状充填ポロゲンの平均径の分布は釣鐘状又は一峰性の分布を有することができる。一峰性分布は比較的広くてもよく又は狭くてもよいが、それでもなお一峰性である。すなわち、狭い分布又は広い分布のいずれかに対して、液状充填ポロゲンの1つのみの最大平均径の個体数が研磨パッド中に提供される。代替的に、高密度の研磨パッドは、代わりに、二峰性分布のポロゲン平均径で製造されることがある。例として、図6Aでは、本発明の実施形態に従って、およそ1:1の二峰性分布の液状充填ポロゲンを有する高密度の研磨パッドの断面図を図示する。
図6Aを参照すると、研磨パッド600は均質研磨体601を含む。1つの実施形態において、均質研磨体601は、均質研磨体601中に配置された複数の液状充填ポロゲン602を含む熱硬化性ポリウレタン材料から構成される。複数の液状充填ポロゲン602は、多峰性分布の平均径を有する。実施形態において、図6Aで示されるように、多峰性分布の平均径は、小平均径最頻値(モード)604と大平均径最頻値(モード)606とを含む二峰性の平均径である。
実施形態において、複数の液状充填ポロゲン602は、図6Aで示されるように、互いに離散しているポロゲンを含む。これは、一般的なスポンジ中の孔についての場合のように、トンネルを通じて互いに接続されることがある連続気泡孔と逆である。1つの実施形態において、液状充填ポロゲンのそれぞれは、ポリマーシェルのような物理的なシェルを含む。実施形態において、複数の液状充填ポロゲン602、したがって、多峰性分布の平均径は、図6Aに示されるように、均質研磨体601の熱硬化性ポリウレタン材料の全体に、本質的に一様にかつ均一に分布する。
実施形態において、複数の液状充填ポロゲン602の二峰性分布のポロゲン平均径は、図6Aに示されるように、およそ1:1であることができる。概念をより良く説明するために、図6Bでは、本発明の実施形態に従って、図6Aの研磨パッド中の狭い分布のポロゲン平均径についての、ポロゲン平均径の関数としての個体数のプロット620を図示する。図6Cでは、本発明の実施形態に従って、図6Aの研磨パッド中の広い分布の孔径についての、ポロゲン平均径の関数としての個体数のプロット630を図示する。
図6Bのプロット620を参照すると、1つの実施形態において、ポロゲン平均径の分布は狭い。具体的な実施形態において、大きい平均径最頻値606の個体数は、小さい平均径最頻値604の個体数と本質的に重なり合わない。しかしながら、図6Cのプロット630を参照すると、別の実施形態において、ポロゲン平均径の分布は広い。具体的な実施形態において、大きい平均径最頻値606の個体数は、小さい平均径最頻値604の個体数と本質的に重なり合う。図6A〜6Cに関連して上で説明したように、二峰性分布のポロゲン平均径は、1:1である必要はない。また、二峰性分布のポロゲンの平均径は均一である必要はない。例えば、1つの実施形態において、液状充填ポロゲンの多峰性分布の平均径を、溝付きの第1面から平らな第2面までの勾配と共に熱硬化性ポリウレタン材料の全体に勾配を付ける。具体的なそのような実施形態において、勾配した多峰性分布の平均径は、第1の溝付面に近い小平均径最頻値と、第2の平面に近い大平均径最頻値とを含む二峰性分布の平均径である。
実施形態において、本明細書で説明される研磨パッド、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したそれらの変形は、基材を研磨するのに適する。基材は半導体製造産業、例えば、デバイス又はそれらの上に配置された他の層を有するケイ素基材で使用されるものであることができる。しかしながら、基材は、限定されないが、MEMSデバイス、レクチル、又は耐溶鋼モジュールのための基材のようなものであることができる。したがって、本明細書で使用されるような、「基材を研磨するための研磨パッド」への参照は、これら及び関連する可能性を包含することが意図される。
本明細書で説明される研磨パッド、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したそれらの変形を、熱硬化性ポリウレタン材料の均質研磨体から構成することができる。実施形態において、均質研磨体は熱硬化性ポリウレタン材料から構成される。実施形態において、「均質」という用語は、熱硬化性ポリウレタン材料の組成が、ポロゲンの分布に関係なく、研磨体の全体の組成を通して一致することを示すために使用される。例えば、実施形態において、「均質」という用語は、例えば、含浸フェルト又は異なる材料の複数層の組成物(合成物)から構成される研磨パッドを除外する。実施形態において、「熱硬化性」という用語は、不可逆的に硬化するポリマー材料、例えば、硬化によって不溶融性の、不溶性のポリマーネットワークへの不可逆的な材料変化に対する前駆体を示すために使用される。例えば、実施形態において、「熱硬化性」という用語は、例えば、「熱可塑性」材料又は「熱可塑性プラスチック」(熱した際は液体に変わり、十分に冷却した際は極めてガラス状態に戻るポリマーから構成される材料)から構成される研磨パッドを除外する。熱硬化性材料から作られた研磨パッドは、典型的に、化学反応でポリマーを形成するための低分子量前駆体反応から製造され、熱可塑性材料から作られたパッドは、典型的に、研磨パッドが物理的プロセスで形成されるように、相変化を引き起こす先在するポリマーを加熱することによって製造される。ポリウレタンの熱硬化性ポリマーを、それらの安定な熱及び機械的性質、化学環境への耐性、及び摩耗耐性の傾向に基づく、本明細書で説明される研磨パッドを製造するために選択することができる。
実施形態において、均質研磨体は、コンディショニング及び/又は研磨の際、およそ1〜5ミクロンの2乗平均平方根の範囲の研磨表面粗さを有する。1つの実施形態において、均質研磨体は、コンディショニング及び/又は研磨の際、およそ2.35ミクロンの2乗平均平方根の研磨表面粗さを有する。実施形態において、均質研磨体は、25℃で、およそ30〜120メガパスカル(MPa)の範囲の貯蔵弾性率を有する。別の実施形態において、均質研磨体は、25℃で、およそ30メガパスカル(MPa)未満の貯蔵弾性率を有する。1つの実施形態において、均質研磨体はおよそ2.5%の圧縮率を有する。
実施形態において、本明細書で説明される研磨パッド、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したそれらの変形は、成形均質研磨体を含む。「成形」という用語は、図4A〜4Dに関連して上でより詳細に説明されたように、均質研磨体が成形型中で形成されることを示すために使用される。他の実施形態において、鋳造プロセスを、代わりに、上で説明したような研磨パッドを製造するために使用することができる。
実施形態において、均質研磨体は不透明である。1つの実施形態において、「不透明」という用語は、およそ10%未満の可視光を透過することを可能とする材料を示すために使用される。1つの実施形態において、均質研磨体は、大部分において不透明であるか、又は、均質研磨体の均質熱硬化性ポリウレタン材料の全体に(例えば、追加の成分として)隠蔽性充填材を含有することに完全に起因して不透明である。具体的な実施形態において、隠蔽性充填材は、限定されないが、窒化ホウ素、フッ化セリウム、グラファイト、フッ化グラファイト、硫化モリブデン、硫化ニオブ、タルク、硫化タンタル、二硫化タングステン、又はテフロン(登録商標)のような材料である。
研磨パッド、例えば、パッド100、200A、200B、300、422、500又は600の寸法決めは、用途に応じて変えることができる。それにもかかわらず、幾つかのパラメーターを、従来の処理設備又は従来の化学機械的処理操作でさえに適合する研磨パッドを製造するために使用することができる。例えば、本発明の実施形態に従って、研磨パッドは、およそ0.075〜0.130インチの範囲、例えば、およそ1.9〜3.3ミリメートルの範囲の厚さを有する。1つの実施形態において、研磨パッドはおよそ20〜30.3インチの範囲、例えば、およそ50〜77センチメートルの範囲、場合により、およそ10〜42インチ、例えば、およそ25〜107センチメートルの範囲の径を有する。
本発明の別の実施形態において、本明細書で説明する研磨パッドは、研磨パッド中に配置された局所透明(LAT)領域をさらに含む。実施形態において、LAT領域は研磨パッド中に配置され、研磨パッドと共有結合される。適切なLAT領域の例は、NexPlanar Corporationに譲渡された、2010年1月13日出願の米国特許出願第12/657135号明細書と、NexPlanar Corporationに譲渡された、2010年9月30日出願の米国特許出願第12/895465号明細書とで説明される。
代替的又は追加の実施形態において、研磨パッドは、研磨表面及び研磨体中に配置された開口をさらに含む。開口は、例えば、研磨ツールのプラテンに含まれる検出デバイスを収容することができる。接着シートが研磨体の裏面に配置される。粘着シートは、研磨体の裏面で、開口のための不透明性シールを提供する。適切な開口の例は、NexPlanar Corporationに譲渡された、2011年7月15日出願の米国特許出願第13/184395号明細書で説明される。
別の実施形態において、研磨パッドは、例えば、渦電流検出システムと共に使用するために検出領域をさらに含む。適切な渦電流検出領域の例は、NexPlanar Corporationに譲渡された、2010年9月30日出願の米国特許出願第12/895465号明細書で説明される。
本明細書で説明される研磨パッド、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したそれらの変形は、研磨体の裏面に配置された下地層をさらに含むことができる。1つのそのような実施形態において、結果は、研磨表面の材料と異なるバルク又は下地材料を含む研磨パッドである。1つの実施形態において、複合研磨パッドは、研磨表面層が配置された、安定で、本質的に非圧縮性で不活性な材料から製造される下地層又はバルク層を含む。より固い下地層はパッドの完全性のための支持及び強度を提供することができ、一方、より柔らかい研磨表面層は引っ掻き(スクラッチ)を減らすことができ、研磨層と研磨パッドの残部との材料の性質を分離することを可能にする。適切な下地層の例は、NexPlanar Corporationに譲渡された、2011年11月29日出願の米国特許出願第13/306845号明細書で説明される。
本明細書で説明される研磨パッド、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したそれらの変形は、研磨体の裏面に配置されたサブパッド、例えば、CMP技術分野で知られるような従来のサブパッドをさらに含むことができる。1つのそのような実施形態において、サブパッドは、限定されないが、発泡体、ゴム、ファイバー、フェルト又は高多孔性材料のような材料から構成される。
説明のための基礎として図4Dを再度参照すると、本明細書で説明されたような研磨パッドに形成された溝パターンの個々の溝は、各溝上の任意の所与の点で約4〜約100ミルの深さであることができる。幾つかの実施形態において、溝は各溝上の任意の所与の点で約10〜約50ミルの深さである。溝は、均一深さ、可変深さ、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、溝は全て均一深さである。例えば、溝パターンの溝は、全て同一深さを有することができる。幾つかの実施形態において、溝パターンの溝の一部は特定の均一深さを有することができ、同一パターンの他の溝は異なる均一深さを有することができる。例えば、溝深さを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させることができる。しかしながら、幾つかの実施形態において、溝深さを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に減少させる。幾つかの実施形態において、均一深さの溝は可変深さの溝と入れ替わる。
本明細書で説明されたような研磨パッドに形成された溝パターンの個々の溝は、各溝上の任意の所与の点で約2〜約100ミルの幅であることができる。幾つかの実施形態において、溝は各溝上の任意の所与の点で約15〜約50ミルの幅である。溝は均一幅、可変幅、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、溝は全て均一幅である。しかしながら、幾つかの実施形態において、同心の溝の一部は特定の均一幅を有し、同一パターンの他の幅は異なる均一幅を有する。幾つかの実施形態において、溝幅を、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させる。幾つかの実施形態において、幾つかの実施形態において、溝幅を、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に減少させる。幾つかの実施形態において、均一幅の溝は可変幅の溝と入れ替わる。
前で説明した深さ及び幅の寸法に従って、研磨パッド中の開口の位置で又はその近くで溝を含む、本明細書で説明された溝パターンの個々の溝は、均一体積、可変体積、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、溝は全て均一体積である。しかしながら、幾つかの実施形態において、溝体積を、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させる。幾つかの実施形態において、溝体積を、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に減少させる。幾つかの実施形態において、均一体積の溝は可変体積の溝と入れ替わる。
本明細書で説明された溝パターンの溝は、約30〜約1000ミルのピッチを有することができる。幾つかの実施形態において、溝は約125ミルのピッチを有する。円形の研磨パッドについては、溝ピッチは円形の研磨パッドの半径に沿って測定される。CMPベルトにおいて、溝ピッチはCMPベルトの中心からCMPベルトの端まで測定される。溝は均一ピッチ、可変ピッチ、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、溝は全て均一ピッチである。しかしながら、幾つかの実施形態において、溝ピッチを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させる。幾つかの他の実施形態において、溝ピッチを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に減少させる。幾つかの実施形態において、1つのセクターでの溝ピッチは研磨パッドの中心からの距離の増加と共に変化して、隣接セクターでの溝ピッチは均一のままである。幾つかの実施形態において、1つのセクターでの溝ピッチを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させて、隣接セクターでの溝ピッチを異なる速度で増加させる。幾つかの実施形態において、1つのセクターでの溝ピッチを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に増加させて、隣接セクターでの溝ピッチを、研磨パッドの中心からの距離の増加と共に減少させる。幾つかの実施形態において、均一ピッチの溝は可変ピッチの溝と入れ替わる。幾つかの実施形態において、均一ピッチの溝のセクターは可変ピッチの溝のセクターと入れ替わる。
本明細書で説明した研磨パッドは、様々な化学機械研磨装置と共に使用するのに適することがある。例として、図7では、本発明の実施形態に従って、研磨パッドに適合する研磨装置の等角側面図を図示する。
図7を参照すると、研磨装置700はプラテン704を含む。プラテン704の上面702を、研磨パッド799、例えば、研磨パッド100、200A、200B、300、422、500又は600、或いは上で説明したようなそれらの変形を支持するために使用することができる。プラテン704を、スピンドル回転706とスライダ振動708とを提供するように構成することができる。試料キャリア710は、例えば、研磨パッドで半導体ウエハを研磨している間、所定の位置に半導体ウエハ711を保持するために使用される。試料キャリア710は、懸架機構712によってさらに支持される。スラリー供給714が、半導体ウエハの研磨の前及びその間に、研磨パッド799の表面にスラリーを提供するために含まれる。コンディショニングユニット790をまた含むことができ、1つの実施形態において、研磨パッド799をコンディショニングするためのダイアモンドチップを含む。実施形態において、図1Cに関連して説明されたように、コンディショニングユニット790は、研磨パッド799の液状充填ポロゲンを開けるために使用される。
したがって、液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッド及び液状充填材を含むポロゲンを有する研磨パッドの製造方法は開示された。本発明の実施形態に従って、基材を研磨するための研磨パッドは、ポリマーマトリックスと、ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンとを有する研磨体を含む。複数のポロゲンのそれぞれは、液状充填材を含むシェルを有する。液状充填材は1atmの圧力で100℃未満の沸点、水より低い密度、又はその両方を有する。

Claims (16)

  1. ポリマーマトリックスと、前記ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンとを含む研磨体であって、前記複数のポロゲンのそれぞれが液状充填材を含むシェルを含み、前記液状充填材が、1atmの圧力で100℃未満の沸点を有し、前記複数のポロゲンの少なくとも一部が、三日月形状を有する、研磨体
    を含み、前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ0.8g/cm3超の合計密度を有する、基材を研磨するための研磨パッド。
  2. 前記複数のポロゲンのそれぞれの前記シェルがポリマーシェルであり、前記液状充填材が、n−ペンタン、イソ−ペンタン、ブタン、及びイソ−ブタンからなる群より選択される、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記ポリマーシェルが、ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、アクリル材料、及びアクリロニトリルからなる群より選択される材料を含む、請求項2に記載の研磨パッド。
  4. ポリマーマトリックスと、前記ポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンとを含む研磨体であって、前記複数のポロゲンのそれぞれが液状充填材を含むシェルを含み、前記液状充填材が水より低い密度を有する研磨体
    を含み、前記複数のポロゲンの少なくとも一部が、三日月形状を有し、前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ0.8g/cm3超の合計密度を有する、基材を研磨するための研磨パッド。
  5. 前記液状充填材が、およそ0.7g/cm3未満の密度を有する、請求項4に記載の研磨パッド。
  6. 前記複数のポロゲンのそれぞれの前記シェルがポリマーシェルであり、前記液状充填材が、7個以上の炭素原子を有する炭化水素分子である、請求項4に記載の研磨パッド。
  7. 前記ポリマーシェルが、ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、アクリル材料、及びアクリロニトリルからなる群より選択される材料を含む、請求項6に記載の研磨パッド。
  8. a)前記研磨体の前記ポリマーマトリックスが熱硬化性ポリウレタン材料を含む;
    b)前記複数のポロゲンの少なくとも一部が、三日月形状を有し、任意選択で前記三日月形状が、およそ6〜40ミクロンの範囲の平均径を有する;
    c)前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体がある合計体積を有し、前記複数のポロゲンが前記合計体積のおよそ20%〜およそ50%を含む
    )前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ1g/cm3超の合計密度を有する;
    h)前記ポリマーマトリックスの全体に分散した第2の複数のポロゲンをさらに含み、前記第2の複数のポロゲンのそれぞれがガス充填材を含むシェル無しポロゲンである;
    i)前記複数のポロゲンのそれぞれの前記液状充填材が、1atmの圧力で40℃未満の沸点を有する;
    j)前記研磨体が、溝付きの第1面と、前記第1面と反対側の平らな第2面とをさらに含む;
    k)前記研磨体が成形研磨体である;
    l)前記研磨体の全体におよそ一様に分散した隠蔽性充填材をさらに含む;
    m)前記研磨体の裏面上に配置された下地層をさらに含む;
    n)前記研磨体の裏面に配置された検出領域をさらに含む;
    o)前記研磨体の裏面上に配置されたサブパッドをさらに含む;
    p)前記研磨体の裏面に配置された局所透明(LAT)領域をさらに含む
    のうち1つ又は複数が適用される、請求項1に記載の研磨パッド。
  9. a)前記研磨体の前記ポリマーマトリックスが熱硬化性ポリウレタン材料を含む;
    b)前記三日月形状が、およそ6〜40ミクロンの範囲の平均径を有する;
    c)前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体がある合計体積を有し、前記複数のポロゲンが前記合計体積のおよそ20%〜およそ50%を含む
    )前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ1g/cm3超の合計密度を有する;
    h)前記ポリマーマトリックスの全体に分散した第2の複数のポロゲンをさらに含み、前記第2の複数のポロゲンのそれぞれがガス充填材を含むシェル無しポロゲンである;
    i)前記複数のポロゲンのそれぞれの前記液状充填材が、1atmの圧力で40℃未満の沸点を有する;
    j)前記研磨体が、溝付きの第1面と、前記第1面と反対側の平らな第2面とをさらに含む;
    k)前記研磨体が成形研磨体である;
    l)前記研磨体の全体におよそ一様に分散した隠蔽性充填材をさらに含む;
    m)前記研磨体の裏面上に配置された下地層をさらに含む;
    n)前記研磨体の裏面に配置された検出領域をさらに含む;
    o)前記研磨体の裏面上に配置されたサブパッドをさらに含む;
    p)前記研磨体の裏面に配置された局所透明(LAT)領域をさらに含む
    のうち1つ又は複数が適用される、請求項4に記載の研磨パッド。
  10. プレポリマーと硬化剤とを複数のポロゲンと共に混合して混合物を形成する工程であって、前記複数のポロゲンのそれぞれが液状充填材を含むシェルを含み、前記液状充填材が、1atmの圧力で100℃未満の沸点を有し、前記複数のポロゲンの少なくとも一部が、三日月形状を有する工程と、
    前記混合物を硬化して、研磨体のポリマーマトリックスの全体に分散した前記複数のポロゲンを有する前記研磨体を含む研磨パッドを提供する工程であって、硬化が、前記複数のポロゲンのそれぞれを実質的に膨張させない工程と
    を含み、前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ0.8g/cm3超の合計密度を有する、研磨パッドの製造方法。
  11. 前記混合物を硬化して前記研磨パッドを提供する工程が、成形型中で前記混合物を硬化して成形研磨パッドを提供することを含み、随意選択的に、前記成形型中で硬化することが、前記研磨体の研磨表面に溝パターンを形成することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. a)前記混合物を硬化する工程が、前記混合物を、前記複数のポロゲンの膨張温度未満の温度に加熱することを含む;
    b)混合する工程が、前記プレポリマー及び前記硬化剤に、又は形成された生産物にガスを注入することをさらに含む;
    c)前記プレポリマーがイソシアネートであり、混合する工程が水を前記プレポリマーに加えることをさらに含む;
    d)混合する工程が、前記プレポリマー、前記硬化剤及び前記複数のポロゲンを、前記ポリマーマトリックスの全体に分散した第2の複数のポロゲンと混合することをさらに含み、前記第2の複数のポロゲンが、ガス充填材を含むシェルを含む;
    e)前記複数のポロゲンのそれぞれが三日月形状を有し、硬化する工程が、前記複数のポロゲンのそれぞれの三日月形状を実質的に変更しない;
    f)前記複数のポロゲンのそれぞれが、およそ6〜40ミクロンの範囲の平均径を有し、硬化する工程が、前記複数のポロゲンのそれぞれの平均径を実質的に増加させない;
    g)混合する工程が、前記プレポリマー及び前記硬化剤に隠蔽性充填材を加えることをさらに含む;
    h)硬化する工程の後に、オーブン中で前記研磨パッドを加熱する工程をさらに含み、加熱する工程が前記複数のポロゲンのそれぞれを実質的に膨張させない
    のうち1つ又は複数が適用される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記混合物を硬化する工程が、前記研磨体の熱硬化性ポリウレタンのポリマーマトリックスを形成し、任意選択で前記プレポリマーと前記硬化剤とを混合する工程が、それぞれ、イソシアネートと芳香族ジアミン化合物とを混合することを含む、請求項10に記載の方法。
  14. プラテン上に研磨パッドを提供する工程であって、前記研磨パッドが、前記研磨パッドの研磨体のポリマーマトリックスの全体に分散した複数のポロゲンを含み、前記複数のポロゲンのそれぞれが液状充填材を含むシェルを含み、前記液状充填材が、1atmの圧力で100℃未満の沸点を有し、前記複数のポロゲンの少なくとも一部が、三日月形状を有し、前記ポリマーマトリックスと前記複数のポロゲンとを含む前記研磨体が、およそ0.8g/cm3超の合計密度を有する工程と、
    前記研磨パッドをコンディショニングする工程であって、コンディショニングする工程が、前記研磨パッドの前記研磨体の前記複数のポロゲンの最上部を破壊して、前記研磨パッドの研磨表面を提供することを含む工程と、
    前記研磨パッドの前記研磨表面上にスラリーを適用する工程と、
    前記研磨パッドの前記研磨表面のスラリーで基材を研磨する工程と
    を含む、基材の研磨方法。
  15. a)前記複数のポロゲンの最上部を破壊する工程が、前記液状充填材の揮発によって、前記複数のポロゲンの最上部のそれぞれの前記液状充填材の少なくとも一部を取り除くことを含む;
    b)前記研磨パッドの前記研磨表面上に前記スラリーを適用する工程が、前記複数のポロゲンの最上部のそれぞれから、前記液状充填材の少なくとも一部を前記スラリーで置き換えることを含む;
    c)前記複数のポロゲンの最上部を破壊する工程が、前記研磨パッドの前記研磨体の残りの下層部よりも低い密度及び低い硬度を有する前記研磨表面を提供する;
    d)前記複数のポロゲンの最上部を破壊する工程が、パッドコンディショニングツールで前記研磨パッドの最上部を切断することを含む
    のうち1つ又は複数が適用される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記複数のポロゲンの最上部を破壊する工程が、前記研磨パッドの前記研磨表面で複数の孔を提供することを含み、随意選択的に、前記研磨パッドの前記研磨表面で前記複数の孔を提供することが、前記研磨パッドのスラリーを輸送する固有の能力を提供する、請求項14に記載の方法。
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