JP6810929B2 - 流路切換弁 - Google Patents

流路切換弁 Download PDF

Info

Publication number
JP6810929B2
JP6810929B2 JP2016119486A JP2016119486A JP6810929B2 JP 6810929 B2 JP6810929 B2 JP 6810929B2 JP 2016119486 A JP2016119486 A JP 2016119486A JP 2016119486 A JP2016119486 A JP 2016119486A JP 6810929 B2 JP6810929 B2 JP 6810929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
valve
flow path
path switching
seal member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016119486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017223299A (ja
Inventor
近藤 大介
大介 近藤
望月 健一
健一 望月
原 聖一
聖一 原
貴佑樹 松本
貴佑樹 松本
山下 将司
将司 山下
真野 貴光
貴光 真野
康光 大見
康光 大見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikoki Corp
Denso Corp
Original Assignee
Fujikoki Corp
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikoki Corp, Denso Corp filed Critical Fujikoki Corp
Priority to JP2016119486A priority Critical patent/JP6810929B2/ja
Publication of JP2017223299A publication Critical patent/JP2017223299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6810929B2 publication Critical patent/JP6810929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Taps Or Cocks (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Description

本発明は、流路切換弁に係り、例えば弁室と流出口との間の流体漏れ(弁漏れ)を抑制する弁シートとしてのシール部材の内側で弁体を回転摺動させることにより流路切換を行うロータリー形の流路切換弁に関する。
この種の従来例を図26に示す。図示従来例の流路切換弁1'は、例えば自動車のエンジンルーム内等を流れる流体の流路を切り換えるロータリー形の切換弁(ロータリー弁)として使用されるもので、回転駆動部としてのモータ50と、弁室11並びに該弁室11に開口する流入口p10及び流出口p1、p2を有する弁本体10と、前記弁本体10の前記弁室11内に配置されるシール部材30であって、周方向に複数の開口31〜34が形成された円筒体35及び前記開口31〜34の周囲に沿って前記円筒体35の内周面及び外周面から内側及び外側へ向けて突設された内側リブ31a〜34a及び外側リブ31b〜34bを有するシール部材30と、前記モータ50に連結される弁軸26を有し、前記シール部材30により囲まれる領域に収容される円筒状の弁体20と、を備え、前記モータ50で前記弁軸26を介して前記弁体20を前記弁室11内で回転させることにより、前記弁体20が前記シール部材30の前記内側リブ31a〜34aの内周側を回転摺動して前記弁本体10の前記流出口p1、p2の開閉又は切換を行うようにされている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記従来例の流路切換弁1'では、前記弁室11と各流出口p1、p2との間の流体漏れ(弁漏れ)を防止するために、弁体20と弁本体10との間で、シール部材30が常時圧縮された状態で介装されている。
特開2015−034560号公報
ところで、上記従来例の流路切換弁1'では、前記弁体(の外周)及び前記シール部材(の円筒体)が共に、軸線方向(上下方向)で同径の円筒状を呈している。そのため、弁体の回転によってシール部材(特に、その内側リブ)が摩耗すると、当該シール部材の圧縮力が弱まって、弁体とシール部材との間、ひいては、弁室と流出口との間の流体漏れが大きくなる懸念がある。
また、弁体の回転(駆動)トルク(つまり、流路切換に要するトルク)はシール部材の圧縮力(圧縮率)に依存するので、前述した流体漏れを抑えるために、シール部材の圧縮力を大きくしていくと、弁体の回転トルクが大きくなり、大型化、コストアップ等を招くといった問題や、シール部材自体が摩耗しやすくなって、耐久性が低下するといった問題が生じるおそれもある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、弁室と流出口との間の流体漏れを効果的に抑制することのできる流路切換弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、弁室と流出口との間の流体漏れを抑制しながら、大型化、コストアップ、耐久性低下等を抑えることのできる流路切換弁を提供することにある。
上記する課題を解決するために、本発明に係る流路切換弁は、円筒状空所からなる弁室、前記弁室の底部に開口せしめられた流入口、及び前記弁室の側部に開口せしめられた少なくとも一つの流出口を有する弁本体と、前記弁室内に回転自在に配在されるとともに、なくとも一つの連通口が設けられた円筒状の側部及び該側部の上部開口を閉塞する天井部を有する弁体と、前記弁体を回転させるための回転駆動部と、前記弁室と前記流出口との間の流体漏れを抑制すべく、前記弁本体と前記弁体との間に介装されたシール部材と、を備え、前記回転駆動部によって前記弁室内で前記弁体を回転させることにより、前記弁体が前記シール部材の内周側を回転摺動して前記弁本体の前記流出口の開閉又は切換を行うようにされた流路切換弁であって、前記弁体の前記天井部に、前記回転駆動部の回転力を当該弁体に伝達する弁軸が連結されており、前記弁体の前記側部の外周の少なくとも一部に、下方へ行くに従って拡径する円錐台面部が設けられ、前記弁体の前記側部の内周は、軸線方向で同径の円筒面で形成されており、少なくとも前記弁体における前記側部の上端部の径方向の厚さは、前記天井部の上下方向の厚さよりも薄いことを特徴としている。
好ましい態様では、前記弁体の前記側部の外周全体が円錐台面で形成されるとともに、前記シール部材の全体形状が円錐台状を呈する。
前記弁体は、好ましくは、前記シール部材の内周側に該シール部材に対して上下動可能に配在される。
別の好ましい態様では、前記弁体が所定の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し上げるべく、前記弁本体の底部に上向きの弁本体側下部凸部が設けられるとともに、前記弁体の底部に前記弁本体側下部凸部に対接せしめられる下向きの弁体側下部凸部が設けられる。
他の好ましい態様では、前記弁体が所定の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し下げるべく、前記弁本体の天井部に下向きの弁本体側上部凸部が設けられるとともに、前記弁体の前記天井部に前記弁本体側上部凸部に対接せしめられる上向きの弁体側上部凸部が設けられる。
本発明によれば、弁体の外周の少なくとも一部に、下方へ行くに従って拡径する円錐台面部が設けられているので、例えば弁体の回転が頻繁に行われてシール部材(特に、その内側リブ)が摩耗した場合でも、弁室の底部に開口せしめられた流入口から弁室内に流入する流体の圧力(流体圧)によって前記弁体の外周に設けられた前記円錐台面部が前記シール部材に密着せしめられる。そのため、弁体とシール部材との間、ひいては、弁室と流出口との間の流体漏れを効果的に抑制することができる。
また、弁体がシール部材の内周側に該シール部材に対して上下動可能に配在されており、使用時以外は、弁体の周囲を取り囲むシール部材の圧縮力(弾性力)によって当該弁体がシール部材に対して下降せしめられるので、弁体に対するシール部材の張り付きを防止できるとともに、シール部材の圧縮永久歪の進行を遅らせることができるといった効果も得られる。
また、弁本体の底部に上向きの弁本体側下部凸部が設けられるとともに、弁体の底部に前記弁本体側下部凸部に対接せしめられる下向きの弁体側下部凸部が設けられ、弁体が所定の回転位置(例えば、弁体の連通口を介して弁室と流出口とが連通する回転位置)にあるときに当該弁体がシール部材に対して押し上げられるので、前記弁体の外周に設けられた前記円錐台面部が前記シール部材により強く密着せしめられる(押し付けられる)。そのため、弁体とシール部材との間、ひいては、弁室と流出口との間の流体漏れをより効果的に抑制することができる。
また、弁本体の天井部に下向きの弁本体側上部凸部が設けられるとともに、弁体の天井部に前記弁本体側上部凸部に対接せしめられる上向きの弁体側上部凸部が設けられ、弁体が所定の回転位置(例えば、弁体の連通口を介して弁室と流出口とが連通する回転位置から当該弁体を所定回転角度だけ回転させた流路切換中の回転位置)にあるときに当該弁体がシール部材に対して押し下げられるので、前記弁体に対する前記シール部材の圧縮力を軽減でき、前記弁体の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)を低減できるとともに、前記シール部材が摩耗しにくくなる。そのため、弁室と流出口との間の流体漏れを抑制しながら、大型化、コストアップ、耐久性低下等を抑えることができる。また、使用時以外は、前記弁本体側上部凸部と前記弁体側上部凸部とを対接せしめて、当該弁体をシール部材に対して押し下げておく(下降させておく)ことにより、弁体に対するシール部材の張り付きを防止できるとともに、シール部材の圧縮永久歪の進行を遅らせることができるといった効果も得られる。
本発明に係る流路切換弁の第1実施形態の主要構成を示す斜視図。 図1のU−O−U矢視線に従う断面図。 第1実施形態の流路切換弁の弁体を示す図であり、(A)は側面図、(B)は斜め下方から視た斜視図、(C)は斜め上方から視た斜視図。 第1実施形態の流路切換弁のシール部材を示す図であり、(A)は斜め上方から視た斜視図、(B)は斜め下方から視た斜視図。 図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流れ停止時の状態を示す図。 (A)〜(C)は、第1実施形態の流路切換弁の弁体の他例をそれぞれ示す側面図。 本発明に係る流路切換弁の第2実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 本発明に係る流路切換弁の第2実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 第2実施形態の流路切換弁の下部ポート部材を斜め上方から視た斜視図。 第2実施形態の流路切換弁の弁体を示す図であり、(A)は側面図、(B)は斜め下方から視た斜視図、(C)は斜め上方から視た斜視図。 本発明に係る流路切換弁の第3実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 本発明に係る流路切換弁の第3実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 第3実施形態の流路切換弁の基体部材を斜め下方から視た部分切欠(平面視で中心角90度部分が切欠)斜視図。 第3実施形態の流路切換弁の弁体を示す図であり、(A)は側面図、(B)は斜め下方から視た斜視図、(C)は斜め上方から視た斜視図。 本発明に係る流路切換弁の第4実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 本発明に係る流路切換弁の第4実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 第4実施形態の流路切換弁の弁体を示す図であり、(A)は側面図、(B)は斜め下方から視た斜視図、(C)は斜め上方から視た斜視図。 第4実施形態の流路切換弁の他例(その1)の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 第4実施形態の流路切換弁の他例(その1)の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 第4実施形態の流路切換弁の他例(その2)の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 第4実施形態の流路切換弁の他例(その2)の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 本発明に係る流路切換弁の第5実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換完了時の状態を示す図。 本発明に係る流路切換弁の第5実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流路切換中の状態を示す図。 第5実施形態の流路切換弁の弁体の四側面図であり、(A)は左側面図、(B)は後側面図、(C)は右側面図、(D)は前側面図。 本発明に係る流路切換弁の第5実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、流れ停止時(或いは初期組付け時)の状態を示す図。 従来の流路切換弁を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のX−X矢視線に従う断面図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、誇張して描かれている場合がある。また、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、図1の方向矢印表示を基準としており、実際の使用状態での位置、方向を指すものではない。
また、各図において、弁体を回転駆動するための回転駆動部としてのモータは省略されている。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る流路切換弁の第1実施形態の主要構成を示す斜視図であり、図2は、図1のU−O−U矢視線に従う断面図である。
図示実施形態の流路切換弁1は、例えば自動車のエンジンルーム内等を流れる流体の流路を多方向に切り換えるロータリー形の三方切換弁として使用されるもので、基本的に、弁室11を有する弁本体10と、弁室11内に回転自在に配在された天井部20A付き円筒状の弁体20と、弁体20を回転軸線O回りで回転させるべく、弁本体10の上部に配置されたモータ(回転駆動部)(不図示)と、弁本体10と弁体20との間に介装された弁シートとしてのシール部材30と、を備えている。
前記弁本体10は、例えば合成樹脂製とされ、天井部12A付き円筒状の基体部材12と下部ポート部材15とで構成されており、前記基体部材12は、内部に円筒状空所からなる弁室11が形成されるとともに、側部に前記弁室11に開口する2つの流出口p1、p2が所定角度間隔(図示例では、90度の角度間隔)をあけて設けられている。前記基体部材12の外周には、各流出口p1、p2に連通するように管継手からなる流出ポート#1、#2が一体的に連結されている。また、基体部材12の天井部12Aには、弁体20(の天井部20A)に連結される弁軸26(の胴部26B)が挿通される嵌挿穴13が形成されている。基体部材12の下端開口には、前記弁室11に開口する縦向きの流入口p10が設けられた管継手からなる流入ポート#10を持つ下部ポート部材15が、超音波溶着、圧入、かしめ等により内嵌固定されている。
また、本例では、前記基体部材12の天井部12Aの下面(弁室11側の面)における嵌挿穴13周りに、弁体20の天井部20A(の上端部分)が嵌り込む大きさの環状溝14が設けられている。
前記弁体20は、例えば合成樹脂製あるいは金属製とされ、図1及び図2とともに図3を参照すればよく分かるように、側部に2つの長円形の連通口21、22が所定角度間隔(図示例では、90度の角度間隔)をあけて設けられるとともに、上部開口を閉塞する天井部20Aには、前記モータの回転力を当該弁体20に伝達する弁軸26が一体的に連結されている。
前記弁軸26は、前記嵌挿穴13に回動自在に嵌挿される、弁体20より小径の胴部26Bと、該胴部26B上に突設され、前記モータの出力軸にその中心軸方向に余裕を持って(すなわち、中心軸方向に摺動可能に)連結される、平面視小判形の上部連結部26Aとから構成され、前記胴部26B(の外周に形成された環状溝)には、シール部材としてのOリング27が二段介装されている。上部連結部26Aの先端には、弁体20の回転角検知用の図示されていないセンサを取り付けるためのDカット付きの突起26Cが設けられている。
また、本実施形態では、前記円筒状の弁体20の外周全体(側面全体)が、下方へ行くに従って拡径する円錐台面で形成される(言い換えれば、弁体20の外周全体が円錐台面部23とされる)とともに、その弁体20の内周は、軸線O方向(上下方向)で同径の円筒面で形成されており、その弁体20の内径は、流入口p10の口径より若干大きくされている。
前記シール部材30は、例えばゴム等の弾性素材から作製されており、図1及び図2とともに図4を参照すればよく分かるように、基本的に、周方向で4つの長円形の開口31〜34が所定角度間隔(図示例では、90度の角度間隔)をあけて形成された円筒体35と、該円筒体35の各開口31〜34周りに内側及び外側へ向けて突設されたシール用の内側リブ31a〜34a及び外側リブ31b〜34bとから構成されている。このシール部材30(の円筒体35)は、弁体20の外周(側面)と同様に、その全体形状が下方へ行くに従って拡径する円錐台状を呈しており、弁室11と各流出口p1、p2との間の流体漏れを抑制すべく、弁室11の外周に沿って、詳細には、その(円筒体35の)上端部が弁本体10の基体部材12の天井部12A(の下面の外周部分)と当接し、その(円筒体35の)下端部が弁本体10の下部ポート部材15(の上面の外周部分)と当接し、内側リブ31a〜34a(の内周側)が弁体20(の外周)と当接し、外側リブ31b〜34b(の外周側)が弁本体10の基体部材12(の内周)と当接するようにして、弁本体10と弁体20との間に密着又は圧縮状態で介装されている。
かかる構成の流路切換弁1では、モータの駆動によって弁体20を回転させることにより、弁体20がシール部材30(の内側リブ31a〜34a)の内周側を回転摺動して弁本体10の流出口p1、p2の開閉又は切換を行うようになっている。具体的には、弁本体10に形成された流入口p10が(弁体20の下端開口を介して)弁室11に常時連通するとともに、弁本体10に形成された各流出口p1、p2が(シール部材30の各開口31、32及び弁体20の各連通口21、22を介して)弁室11に連通する開−開モードと、各流出口p1、p2が(弁体20により)閉じられる閉−閉モードと、流出口p1が(シール部材30の開口31及び弁体20の連通口22を介して)弁室11に連通し、流出口p2が(弁体20により)閉じられる開−閉モードと、流出口p1が(弁体20により)閉じられ、流出口p2が(シール部材30の開口32及び弁体20の連通口21を介して)弁室11に連通する閉−開モードの、4つの開閉モードが選択的にとられるようになっている。
ここで、上記構成とされた流路切換弁1においては、流入口p10から弁室11内に流入する流体の圧力(流体圧)によって弁体20は上方に付勢され、これにより、弁体20が上部連結部26Aとモータの出力軸との間を摺動して少し上昇するが、弁体20の外周が円錐台面で形成されているので、前記流体の圧力によって、前記弁体20の外周(円錐台面部23)が当該弁体20の周囲を取り囲むシール部材30(の内側リブ31a〜34a)に密着せしめられている。なお、各流出口p1、p2が閉じられる閉−閉モードや、流出口p1、p2のうちの一方が弁室11に連通し、流出口p1、p2のうちの他方が閉じられるモード(開−閉モード、閉−開モード)においては、各流出口p1、p2が弁室11に連通する開−開モードよりも、前記流体の圧力による前記弁体20への付勢力が大きくなるので、前記シール部材30に対する弁体20の密着力は大きくなる(つまり、シール性は高くなる)。
このように、本実施形態の流路切換弁1では、弁体20の外周の少なくとも一部(図示例では、外周全体)に、下方へ行くに従って拡径する円錐台面部23が設けられているので、例えば弁体20の回転が頻繁に行われてシール部材30(特に、その内側リブ31a〜34a)が摩耗した場合でも、弁室11の底部に開口せしめられた流入口p10から弁室11内に流入する流体の圧力(流体圧)によって前記弁体20の外周に設けられた前記円錐台面部23が前記シール部材30に密着せしめられる。そのため、弁体20とシール部材30との間、ひいては、弁室11と流出口p1、p2との間の流体漏れを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の流路切換弁1では、弁体20が弁室11内(シール部材30の内周側)にシール部材30に対して上下動可能に配在されており、使用時以外(流体の流れ停止時)は、前記流体の圧力による前記弁体20への付勢力が解消され、弁体20の周囲を取り囲むシール部材30の圧縮力(弾性力)や弁体20の自重によって当該弁体20がシール部材30に対して下降せしめられるので(図5に示される状態)、弁体20に対するシール部材30の張り付きを防止できるとともに、シール部材30の圧縮永久歪の進行を遅らせることができるといった効果も得られる。また、弁体20の回転トルクも少なくて済む。
なお、上記実施形態では、弁体20の外周全体が円錐台面で形成されているが、例えば、弁体20の外周の一部(例えば、上側部分や下側部分、連通口21、22が設けられた中腹部分)のみを円錐台面で形成してもよい(円錐台面部としてもよい)(図6(A)、(B)、(C)に示される弁体20の円錐台面部23A、23B、23Cを参照)。また、前記円錐台面部を、弁体20の複数箇所に分けて設けてもよいことは当然である。
また、上記実施形態では、弁体20の内周が、軸線O方向(上下方向)で同径の円筒面とされているが、例えば弁体20の側部を同じ肉厚とすることにより、弁体20の全体形状を円錐台状としてもよい(つまり、内周及び外周の双方を円錐台面で形成してもよい)ことは勿論である。
また、弁体20に形成された連通口、シール部材30に形成された開口、弁本体10に形成された流出口の数や配置構成は、当該流路切換弁1の適用箇所等に応じて、適宜に変更できることは言うまでも無い。
[第2実施形態]
図7及び図8は、本発明に係る流路切換弁の第2実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、それぞれ、流路切換完了時の状態、流路切換中の状態を示す図である。
本第2実施形態の流路切換弁2は、上記第1実施形態の流路切換弁1に対し、基本的に、弁体が所定の回転位置にあるときに弁体をシール部材に対して押し上げて該弁体をシール部材に密着させる押上げ機構を設けた点が相違している。したがって、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下では、前記した相違点のみについて詳細に説明する。
本実施形態においては、図7及び図8とともに図9を参照すればよく分かるように、弁本体10を構成する基体部材12と下部ポート15のうち、下部ポート部材15の上面(弁室11側の面であって、弁体20の底部に対向する面)における流入口p10周りに、周方向で滑らかな傾斜面を持つ下部突条(弁本体側下部凸部)16が径方向に沿って(放射状に)設けられている。この下部突条16は、所定角度間隔をあけて複数個(図示例では、90度の等角度間隔をあけて4個)設けられており、後述する弁体20の底部に設けられた下部凸部24と対接せしめられるとともに、隣接する下部突条16同士の間は、前記下部凸部24が嵌り込む大きさの(平面視扇形状の)下部凹部17となっている(後で詳述)。なお、本例では、4個の下部突条16のうちの隣り合う2個は、前記流出口p1、p2(流出ポート#1、#2)と対応する位置に設けられている。
一方、弁室11内に配在される円筒状の弁体20の底部(詳細には、前記下部ポート部材15に対面する弁体20の底面)には、図7及び図8とともに図10を参照すればよく分かるように、前記下部ポート部材15に設けられた下部突条16に対接せしめられる、周方向で滑らかな傾斜面を持つ側面視略山型状の下部凸部(弁体側下部凸部)24が(下向きに)突設されている。この下部凸部24は、前記下部突条16と同様、所定角度間隔をあけて複数個(図示例では、90度の等角度間隔をあけて4個)設けられている。なお、本例では、4個の下部凸部24のうちの2個は、平面視で前記連通口21、22と同一位置、すなわち、連通口21、22の真下に設けられている。
かかる構成の流路切換弁2では、上記第1実施形態の流路切換弁1と同様、モータの駆動によって弁体20を回転させることにより、上記した4つの開閉モード(開−開モード、閉−閉モード、開−閉モード、閉−開モード)が選択的にとられるが、その4つの開閉モードがとられるとき(流路切換完了時)には、弁体20の底部に設けられた下部凸部24と弁本体10の底部(下部ポート部材15)に設けられた下部突条16とが対接せしめられており(言い換えれば、前記下部凸部24が前記下部突条16に乗り上げており)、弁体20の天井部20Aが弁本体10の基体部材12の天井部12Aに設けられた環状溝14に嵌り込むようにして、前記弁体20が(シール部材30の圧縮力に抗して)前記シール部材30に対して押し上げられる。すなわち、本実施形態では、前記下部突条16と前記下部凸部24とで、前記弁体20を前記シール部材30に対して押し上げる押上げ機構が構成されている。そのため、流入口p10から弁室11内に流入する前記流体の圧力(流体圧)とともに前記押上げ機構によって、前記弁体20の外周(円錐台面部23)がシール部材30(の内側リブ31a〜34a)により強く密着せしめられる(押し付けられる)(図7に示される状態)。
一方、上記した4つの開閉モードのいずれかから他の開閉モードに切り換えるとき(流路切換中)には、弁体20の回転に伴って、前記下部凸部24が前記下部突条16間に形成された下部凹部17に嵌り込み、前記シール部材30の圧縮力(弾性力)や弁体20の自重によって、前記弁体20が前記シール部材30に対して下降せしめられる。これにより、弁体20に対するシール部材30の圧縮力が軽減され、弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)が低減される(図8に示される状態)。弁体20がさらに回転して、弁体20の下部凸部24が次の(隣り合う)弁本体10の下部突条16に衝接して当該下部突条16に乗り上げると(流路切換完了時)、弁体20がシール部材30の圧縮力に抗して当該シール部材30に対して押し上げられ、前記弁体20の外周(円錐台面部23)が前記シール部材30(の内側リブ31a〜34a)に再び強く密着せしめられる(押し付けられる)。
このように、本実施形態の流路切換弁2では、弁本体10の底部に上向きの下部突条16が設けられるとともに、弁体20の底部に前記下部突条16に対接せしめられる下向きの下部凸部24が設けられているため、例えば流入ポート#10から流入する流体の圧力があまり高くなくても、弁体20が所定の回転位置(例えば、弁体20の連通口21、22を介して弁室11と流出口p1、p2とが連通する回転位置)にあるときに当該弁体20がシール部材30に対して押し上げられるので、前記弁体20の外周に設けられた前記円錐台面部23が前記シール部材30により強く密着せしめられる(押し付けられる)。そのため、弁体20とシール部材30との間、ひいては、弁室11と流出口p1、p2との間の流体漏れをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の流路切換弁2では、弁体20の回転に伴って(流路切換中に)、前記下部凸部24が前記下部突条16間に形成された下部凹部17に嵌り込んで、前記弁体20が前記シール部材30に対して下降するようになっている。そのため、前記弁体20に対する前記シール部材30の圧縮力を軽減でき、前記弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)を低減できるとともに、前記シール部材30が摩耗しにくくなる。そのため、弁室11と流出口p1、p2との間の流体漏れを抑制しながら、大型化、コストアップ、耐久性低下等を抑えることができる。また、使用時以外は、前記下部凸部24を前記下部凹部17に嵌り込ませて、当該弁体20をシール部材30に対して下降させておくことにより(例えば、図8に示される状態)、弁体20に対するシール部材30の張り付きを防止できるとともに、シール部材30の圧縮永久歪の進行を遅らせることができるといった効果も得られる。
[第3実施形態]
図11及び図12は、本発明に係る流路切換弁の第3実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、それぞれ、流路切換完了時の状態、流路切換中の状態を示す図である。
本第3実施形態の流路切換弁3は、上記第1実施形態の流路切換弁1に対し、基本的に、弁体が所定の回転位置にあるときに弁体をシール部材に対して押し下げて該弁体に対するシール部材の圧縮力(密着力)を軽減する押下げ機構を設けた点が相違している。したがって、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下では、前記した相違点のみについて詳細に説明する。
本実施形態においては、図11及び図12とともに図13を参照すればよく分かるように、弁本体10を構成する基体部材12と下部ポート15のうち、基体部材12の天井部12Aが若干肉厚に形成されており、その基体部材12の天井部12Aの下面(弁室11側の面であって、弁体20の天井部20Aに対向する面)における嵌挿穴13周り(すなわち、本例では、弁体20の天井部20Aが嵌り込む環状溝14)に、周方向で滑らかな傾斜面を持つ上部突条(弁本体側上部凸部)18が径方向に沿って(放射状に)設けられている。この上部突条18は、所定角度間隔をあけて複数個(図示例では、90度の等角度間隔をあけて4個)設けられており、後述する弁体20の天井部20Aに設けられた上部凸部25と対接せしめられるとともに、隣接する上部突条18同士の間は、前記上部凸部25が嵌り込む大きさの(平面視略扇形状の)上部凹部19となっている(後で詳述)。なお、本例では、4個の上部突条18のうちの隣り合う2個は、前記流出口p1、p2(流出ポート#1、#2)と対応する位置に設けられている。
一方、弁室11内に配在される円筒状の弁体20の天井部20A(詳細には、前記基体部材12の環状溝14に対面する弁体20の天井面)における弁軸26周りには、図11及び図12とともに図14を参照すればよく分かるように、前記基体部材12に設けられた上部突条18に対接せしめられる、周方向で滑らかな傾斜面を持つ側面視略山型状の上部凸部(弁体側上部凸部)25が(上向きに)突設されている。この上部凸部25は、前記上部突条18と同様、所定角度間隔をあけて複数個(図示例では、90度の等角度間隔をあけて4個)設けられている。なお、本例では、4個の上部凸部25のうちの1個が平面視で前記連通口21、22の間に位置するように、各上部凸部25が配設されている。
かかる構成の流路切換弁3では、上記第1実施形態の流路切換弁1と同様、モータの駆動によって弁体20を回転させることにより、上記した4つの開閉モード(開−開モード、閉−閉モード、開−閉モード、閉−開モード)が選択的にとられるが、その4つの開閉モードがとられるとき(流路切換完了時)には、弁体20の天井部20Aに設けられた上部凸部25が弁本体10の天井部(基体部材12の天井部12A)に設けられた上部突条18間に形成された上部凹部19に嵌り込んでおり、流入口p10から弁室11内に流入する前記流体の圧力(流体圧)によって、前記弁体20の外周(円錐台面部23)がシール部材30(の内側リブ31a〜34a)に密着せしめられている(図11に示される状態)。
一方、上記した4つの開閉モードのいずれかから他の開閉モードに切り換えるとき(流路切換中)には、弁体20の回転に伴って、前記上部凸部25が隣り合う前記上部突条18に衝接して当該上部突条18に対接せしめられ(言い換えれば、前記上部凸部25が前記上部突条18に乗り上げ)、前記弁体20が(シール部材30の圧縮力も利用しながら)前記シール部材30に対して押し下げられる。すなわち、本実施形態では、前記上部突条18と前記上部凸部25とで、前記弁体20を前記シール部材30に対して押し下げる押下げ機構が構成されている。これにより、例えば弁体20がシール部材30に張り付いても、強制的に当該弁体20が押し下げられるので、弁体20に対するシール部材30の圧縮力が軽減され、弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)が低減される(図12に示される状態)。弁体20がさらに回転して、弁体20の上部凸部25が次の(隣り合う)弁本体10の上部凹部19に嵌り込むと(流路切換完了時)、前記流体の圧力(流体圧)によって弁体20が(シール部材30の圧縮力に抗して)当該シール部材30に対して持ち上げられ、前記弁体20の外周(円錐台面部23)が前記シール部材30(の内側リブ31a〜34a)に再び密着せしめられる。
このように、本実施形態の流路切換弁3では、弁本体10の天井部に下向きの上部突条18が設けられるとともに、弁体20の天井部20Aに前記上部突条18に対接せしめられる上向きの上部凸部25が設けられ、弁体20が所定の回転位置(例えば、弁体20の連通口21、22を介して弁室11と流出口p1、p2とが連通する回転位置から当該弁体を所定回転角度だけ回転させた流路切換中の回転位置)にあるときに当該弁体20がシール部材30に対して押し下げられるので、前記弁体20に対する前記シール部材30の圧縮力を軽減でき、前記弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)を低減できるとともに、前記シール部材30が摩耗しにくくなる。そのため、弁室11と流出口p1、p2との間の流体漏れを抑制しながら、大型化、コストアップ、耐久性低下等を抑えることができる。また、使用時以外は、前記上部突条18と前記上部凸部25とを対接せしめて、当該弁体20をシール部材30に対して押し下げておく(下降させておく)ことにより(例えば、図12に示される状態)、弁体20に対するシール部材30の張り付きを防止できるとともに、シール部材30の圧縮永久歪の進行を遅らせることができるといった効果も得られる。
[第4実施形態]
図15及び図16は、本発明に係る流路切換弁の第4実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、それぞれ、流路切換完了時の状態、流路切換中の状態を示す図である。
本第4実施形態の流路切換弁4は、上記第1実施形態の流路切換弁1に対し、基本的に、上記第2実施形態の流路切換弁2における下部突条(弁本体側下部凸部)16と下部凸部(弁体側下部凸部)24とからなる押上げ機構、及び、上記第3実施形態の流路切換弁3における上部突条(弁本体側上部凸部)18と上部凸部(弁体側上部凸部)25とからなる押下げ機構の双方を追加した点が相違している(図17も併せて参照)。なお、第1実施形態、並びに、第2及び第3実施形態と同様の構成には同様の符号を付している。
本実施形態の流路切換弁4でも、上述したように、4つの開閉モード(開−開モード、閉−閉モード、開−閉モード、閉−開モード)がとられるとき(流路切換完了時)には、前記流体の圧力(流体圧)とともに前記押上げ機構によって、前記弁体20の外周(円錐台面部23)がシール部材30(の内側リブ31a〜34a)により強く密着せしめられる(押し付けられる)(図15に示される状態)。一方、その4つの開閉モードのいずれかから他の開閉モードに切り換えるとき(流路切換中)には、前記シール部材30の圧縮力(弾性力)とともに前記押下げ機構によって、弁体20に対するシール部材30の圧縮力が軽減され、弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)が低減される(図16に示される状態)。
そのため、本実施形態の流路切換弁4においても、上記第2及び第3実施形態と同様の作用効果が得られることは勿論である。
なお、上記実施形態では、押上げ機構と押下げ機構との双方を追加する構成としたが、例えば、図18及び図19に示されるように、前記押下げ機構に代えて、弁本体10の天井部(基体部材12の天井部12Aの下面における嵌挿穴13周りに形成した環状溝からなる上側ばね受け)と弁体20の天井部20A(における弁軸26周りに形成した環状溝からなる下側ばね受け)との間に圧縮コイルばね(付勢部材)41を介装し、前記圧縮コイルばね41によって前記弁体20を前記シール部材30に対して常時下方に付勢するようにしてもよい。この場合、前記圧縮コイルばね41の付勢力(押下げ力)によって、前記弁体20が常時下方に押し付けられるので、(流路切換中に)弁体20に対するシール部材30の圧縮力を確実に軽減することができる(第2実施形態の流路切換弁2における動作説明を併せて参照)。
また、例えば、図20及び図21に示されるように、前記押上げ機構に代えて、弁本体10の底部(下部ポート部材15の上面における流入口p10周りに形成した環状溝からなる下側ばね受け)と弁体20の底部(に形成した環状溝からなる上側ばね受け)との間に圧縮コイルばね(付勢部材)42を介装し、前記圧縮コイルばね42によって前記弁体20を前記シール部材30に対して常時上方に付勢するようにしてもよい。この場合、前記圧縮コイルばね42の付勢力(押上げ力)によって、前記弁体20が常時上方に押し付けられるので、(流路切換完了時に)前記弁体20の外周(円錐台面部23)をシール部材30(の内側リブ31a〜34a)に確実に密着させることができる(第3実施形態の流路切換弁3における動作説明を併せて参照)。
[第5実施形態]
図22及び図23は、本発明に係る流路切換弁の第5実施形態の、図1のU−O−U矢視線に従う断面図であり、それぞれ、流路切換完了時の状態、流路切換中の状態を示す図である。なお、図23は、図22における弁体を、上から視て時計回りに約225°回転させた状態を示している(後で詳述)。
本第5実施形態の流路切換弁5は、上記第1実施形態の流路切換弁1に対し、基本的に、弁体の回転に伴って弁体をシール部材に対して上下動させる昇降機構を弁軸周りに設けた点が相違している。したがって、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下では、前記した相違点のみについて詳細に説明する。
本実施形態においては、弁軸26(の胴部26B)が回転摺動自在に挿通される嵌挿穴13(弁本体10の基体部材12の天井部12Aに形成された嵌挿穴13)における上端から所定距離下方の前側部分(つまり、流出口p1の真上に対応する部分)に、弁軸26(及び、該弁軸26に連結される弁体20)が回転しながら上下動するように(後で詳述)、半径方向内方に突出する半球状の突部13Aが設けられている。
一方、弁軸26における胴部26Bが若干長く形成されており、その胴部26Bの上部(Oリング27が装着される環状溝より上側の部分)外周に、嵌挿穴13に設けられた半球状の突部13Aが摺動自在に嵌め込まれる断面半円形の嵌合溝28が形成されている。この嵌合溝28は、主に、弁軸26の胴部26Bを嵌挿穴13に挿入して組み付けるための縦溝28Aと、弁軸26を上下動させるための巻き方向が逆の二つの螺旋溝(左巻き螺旋溝、右巻き螺旋溝)28La、28Lb、28Lc、28Ra、28Rb、28Rcとを含んで構成されている。
詳しくは、図24の(A)、(B)、(C)、(D)に、それぞれ弁体20の左側面図、後側面図、右側面図、前側面図が示されているように、弁軸26の胴部26Bの左前側面上部中央(つまり、平面視で弁体20の二つの連通口21、22の間の位置)に、その上端から真っ直ぐに下方に向けて、弁軸26を嵌挿穴13に下側から通す際に突部13Aを最初に嵌め込む縦溝28Aが形成されるとともに(図25参照)、前記縦溝28Aの下端部に続いて、抜け止めのための急激な左肩上がりの傾斜溝28Bが形成され、該傾斜溝28Bの終端部(上端部)に続いて、横方向(周方向)に向けて比較的長い横長溝28Cが回転角度で見て約45°分形成されている。また、弁軸26が回転駆動される際に、該弁軸26を上下動させるべく、前記横長溝28Cの終端部に続いて、左巻き(左肩上がり)の螺旋溝(左巻き螺旋溝)28Laが回転角度で見て約30°分形成され、該左巻き螺旋溝28Laの終端部(上端部)に続いて、右巻き(右肩上がり)の螺旋溝(右巻き螺旋溝)28Raが回転角度で見て約30°分形成されるとともに、該右巻き螺旋溝28Raの終端部(下端部)に続いて、横方向(周方向)に向けて比較的短い横溝28Saが回転角度で見て約30°分形成されている。そして、前記横溝28Saの終端部に続いて、前記二つの螺旋溝(左巻き螺旋溝、右巻き螺旋溝)28La、28Raと前記横溝28Saとからなる回転角度で見て約90°分の溝と同様の溝が、さらに二セット分形成されている(つまり、前記横溝28Saの終端部から、左巻き螺旋溝28Lb→右巻き螺旋溝28Rb→横溝28Sb→左巻き螺旋溝28Lc→右巻き螺旋溝28Rc→横溝28Scとなるように連続して形成)。なお、上記の横溝28Sa、28Sb、28Sc、及び、横長溝28Cは、角度誤差による弁体20の上下動作の位置ずれ(角度ずれ)を防ぐために設けられている。
かかる構成の流路切換弁5では、上記第1実施形態の流路切換弁1と同様、モータの駆動によって弁体20を回転させることにより、上記した4つの開閉モード(開−開モード、閉−閉モード、開−閉モード、閉−開モード)が選択的にとられるが、その4つの開閉モードがとられるとき(流路切換完了時)には、嵌挿穴13に設けられた突部13Aに嵌合溝28のうちの横長溝28Cもしくは横溝28Sa、28Sb、28Scのいずれかが嵌め込まれ(例えば、開−開モードでは横溝28Scの中間部位(中間位置)が嵌め込まれ(図22に示される状態)、流出口p2が弁室11に連通する閉−開モードでは横溝28Sbの中間部位(中間位置)が嵌め込まれ、閉−閉モードでは横溝28Saの中間部位(中間位置)が嵌め込まれ、流出口p1が弁室11に連通する開−閉モードでは横長溝28Cの中間部位が嵌め込まれ)、弁体20の天井部20Aが弁本体10の基体部材12の天井部12Aに設けられた環状溝14に嵌り込むようにして、前記弁体20が(シール部材30の圧縮力に抗して)前記シール部材30に対して持ち上げられる。そのため、流入口p10から弁室11内に流入する流体の圧力(流体圧)も利用しながら、前記弁体20の外周(円錐台面部23)がシール部材30(の内側リブ31a〜34a)により強く密着せしめられる(押し付けられる)(図22に示される状態)。
一方、上記した4つの開閉モードのいずれかから他の開閉モードに切り換えるとき(流路切換中)には、弁軸26及び該弁軸26に連結される弁体20の回転に伴って、嵌挿穴13に設けられた突部13Aに嵌合溝28のうちの左巻き螺旋溝28La、28Lb、28Lc、右巻き螺旋溝28Ra、28Rb、28Rcのいずれかが嵌め込まれ、前記弁体20が(シール部材30の圧縮力も利用しながら)前記シール部材30に対して下降せしめられる。これにより、弁体20に対するシール部材30の圧縮力が軽減され、弁体20の回転トルク(つまり、流路切換に要するトルク)が低減される(図23に示される状態)。
このように、本実施形態の流路切換弁5においても、上記第2、第3、及び第4実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、使用時以外は、嵌挿穴13に設けられた突部13Aに嵌合溝28のうちの左巻き螺旋溝28La、28Lb、28Lc、右巻き螺旋溝28Ra、28Rb、28Rcのいずれかを嵌め込み(例えば、図23に示される状態)、あるいは、嵌挿穴13に設けられた突部13Aに嵌合溝28のうちの縦溝28Aを嵌め込み(図25に示される状態)、当該弁体20をシール部材30に対して下降させておくことにより、弁体20に対するシール部材30の張り付きを防止することもできる。
1 流路切換弁(第1実施形態)
2 流路切換弁(第2実施形態)
3 流路切換弁(第3実施形態)
4 流路切換弁(第4実施形態)
4A 流路切換弁(第4実施形態の他例(その1))
4B 流路切換弁(第4実施形態の他例(その2))
5 流路切換弁(第5実施形態)
10 弁本体
11 弁室
12 基体部材
13 嵌挿穴
13A 突部
14 環状溝
15 下部ポート部材
16 下部突条(弁本体側下部凸部)
17 下部凹部
18 上部突条(弁本体側上部凸部)
19 上部凹部
20 弁体
21、22 連通口
23 円錐台面部
24 下部凸部(弁体側下部凸部)
25 上部凸部(弁体側上部凸部)
26 弁軸
27 Oリング
28 環状溝
28A 縦溝
28B 傾斜溝
28C 横長溝
28La、28Lb、28Lc 左巻き螺旋溝
28Ra、28Rb、28Rc 右巻き螺旋溝
28Sa、28Sb、28Sc 横溝
30 シール部材
31〜34 開口
31a〜34a 内側リブ
31b〜34b 外側リブ
35 円筒体
41 圧縮コイルばね(付勢部材)
42 圧縮コイルばね(付勢部材)
p1、p2 流出口
p10 流入口

Claims (11)

  1. 円筒状空所からなる弁室、前記弁室の底部に開口せしめられた流入口、及び前記弁室の側部に開口せしめられた少なくとも一つの流出口を有する弁本体と、
    前記弁室内に回転自在に配在されるとともに、なくとも一つの連通口が設けられた円筒状の側部及び該側部の上部開口を閉塞する天井部を有する弁体と、
    前記弁体を回転させるための回転駆動部と、
    前記弁室と前記流出口との間の流体漏れを抑制すべく、前記弁本体と前記弁体との間に介装されたシール部材と、を備え、
    前記回転駆動部によって前記弁室内で前記弁体を回転させることにより、前記弁体が前記シール部材の内周側を回転摺動して前記弁本体の前記流出口の開閉又は切換を行うようにされた流路切換弁であって、
    前記弁体の前記天井部に、前記回転駆動部の回転力を当該弁体に伝達する弁軸が連結されており、
    前記弁体の前記側部の外周の少なくとも一部に、下方へ行くに従って拡径する円錐台面部が設けられ、前記弁体の前記側部の内周は、軸線方向で同径の円筒面で形成されており、
    少なくとも前記弁体における前記側部の上端部の径方向の厚さは、前記天井部の上下方向の厚さよりも薄いことを特徴とする流路切換弁。
  2. 前記弁体の前記側部の外周全体が円錐台面で形成されるとともに、前記シール部材の全体形状が円錐台状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  3. 前記弁体は、前記シール部材の内周側に該シール部材に対して上下動可能に配在されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流路切換弁。
  4. 前記弁体が所定の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し上げるべく、前記弁本体の底部に上向きの弁本体側下部凸部が設けられるとともに、前記弁体の底部に前記弁本体側下部凸部に対接せしめられる下向きの弁体側下部凸部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流路切換弁。
  5. 前記弁本体側下部凸部は、前記流入口周りに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の流路切換弁。
  6. 前記弁体を前記シール部材に対して常時下方に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の流路切換弁。
  7. 前記弁体が所定の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し下げるべく、前記弁本体の天井部に下向きの弁本体側上部凸部が設けられるとともに、前記弁体の前記天井部に前記弁本体側上部凸部に対接せしめられる上向きの弁体側上部凸部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流路切換弁。
  8. 前記弁本体側上部凸部は、前記弁体の前記天井部に連結された前記弁軸を挿通するために前記弁本体の天井部に設けられた嵌挿穴周りに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の流路切換弁。
  9. 前記弁体を前記シール部材に対して常時上方に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の流路切換弁。
  10. 前記弁体が第1の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し上げるべく、前記弁本体の底部に上向きの弁本体側下部凸部が設けられるとともに、前記弁体の底部に前記弁本体側下部凸部に対接せしめられる下向きの弁体側下部凸部が設けられ、
    前記弁体が第2の回転位置にあるときに前記弁体を前記シール部材に対して押し下げるべく、前記弁本体の天井部に下向きの弁本体側上部凸部が設けられるとともに、前記弁体の前記天井部に前記弁本体側上部凸部に対接せしめられる上向きの弁体側上部凸部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流路切換弁。
  11. 前記弁体の回転に伴って前記弁体を前記シール部材に対して上下動させるべく、前記弁体の前記天井部に連結された前記弁軸を挿通するために前記弁本体の天井部に設けられた嵌挿穴に、半径方向内方に突出する突部が設けられるとともに、前記弁軸の外周に、前記突部が嵌め込まれる、巻き方向が逆の二つの螺旋溝を含む嵌合溝が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の流路切換弁。
JP2016119486A 2016-06-16 2016-06-16 流路切換弁 Active JP6810929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016119486A JP6810929B2 (ja) 2016-06-16 2016-06-16 流路切換弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016119486A JP6810929B2 (ja) 2016-06-16 2016-06-16 流路切換弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017223299A JP2017223299A (ja) 2017-12-21
JP6810929B2 true JP6810929B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=60687944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016119486A Active JP6810929B2 (ja) 2016-06-16 2016-06-16 流路切換弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6810929B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019157932A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 株式会社ケーヒン 流体制御バルブ
JP7127843B2 (ja) 2019-04-11 2022-08-30 株式会社不二工機 流路切換弁の組立方法
EP4008935A1 (de) * 2020-12-03 2022-06-08 TI Automotive Technology Center GmbH Rotationsventil
CN113883303A (zh) * 2021-09-14 2022-01-04 山东杰控电气技术有限公司 一种新型三通分流阀的锥面密封结构
KR102593229B1 (ko) * 2022-03-08 2023-10-25 (주)엠투엔 매니폴드 모듈화용 3웨이밸브
WO2023176633A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 Nok株式会社 弁装置
DE102022115697A1 (de) * 2022-06-23 2023-12-28 Woco Industrietechnik Gmbh Ventilgehäuse mit Dichtungsaufnahmetaschen eines KFZ-Wegeventils zum Einstellen einer Fluidströmung

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH066844U (ja) * 1992-06-29 1994-01-28 高橋産業株式会社 ガスコック用閉止弁
JP2004116595A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Sumio Ando 切換バルブの切換装置
JP2013092176A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Idea Link:Kk 切替弁
JP6317080B2 (ja) * 2013-08-07 2018-04-25 株式会社不二工機 シール部材及びそれを用いた流路切換弁
JP2015148288A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 カルソニックカンセイ株式会社 弁装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017223299A (ja) 2017-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6810929B2 (ja) 流路切換弁
JP6511427B2 (ja) 流路切換弁
JP4683159B1 (ja) ロータリー弁
JP6656846B2 (ja) 流路切換弁及びシール部材
EP3464966B1 (en) Valve for a faucet assembly
CN107631045B (zh) 用于密封水阀的控制机构及密封水阀
WO2020259458A1 (zh) 三通水阀
JP6656860B2 (ja) 流路切換弁
EP2115333B1 (en) Valve
JP6661433B2 (ja) 流路切換弁
JP6523735B2 (ja) バタフライ弁
JP2010261564A (ja) ロータリー弁及びその生産方法
JP6639975B2 (ja) 流路切換弁
JP2008185113A (ja) ボール弁
JP6656859B2 (ja) 流路切換弁
JP3122808B2 (ja) 水栓におけるディスク弁体のシール構造
JP4545473B2 (ja) ガス栓における防水構造
JP6402313B2 (ja) バタフライバルブ
KR101542503B1 (ko) 구형 버터 플라이 밸브
EP3828467B1 (en) Regulating valve for a gas cooking appliance, and gas cooking appliance incorporating said regulating valve
JP6782128B2 (ja) ボールバルブ
CN107606214B (zh) 一种偏心球阀
KR200409572Y1 (ko) 밸브의 스톱퍼 구조
KR200364538Y1 (ko) 적정 폐쇄가 가능한 버터플라이 밸브
WO2019139006A1 (ja) バタフライバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6810929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250