JP6810317B1 - プラズマ加工装置用直流パルス電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流パルス電圧の立上げ、立下げを迅速に行いつつ、回路構成やスイッチング制御を簡素化する。【解決手段】直流パルス電源装置は、直流電圧を発生する直流電圧源10と、電源コンデンサ13と、第1及び第2半導体スイッチング部14、16と、第3及び第4半導体スイッチング部19、21と、共振リアクトル18と、共振コンデンサ23と、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔で交互にオン動作させるとともに、第1半導体スイッチング部がオフしてから第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、第3半導体スイッチング部をオン動作させ、第2半導体スイッチング部がオフしてから第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、第4半導体スイッチング部をオン動作させるように、各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部30と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、各種のプラズマ加工装置に用いられる直流パルス電源装置に関する。
現在、半導体プロセスを始めとする様々な分野において、プラズマを利用して対象物に対しエッチング、スパッタリングなどの加工処理を施すプラズマ加工装置が用いられている。こうしたプラズマ加工装置において、プラズマを生成したり、プラズマに電力を供給したり、或いは、プラズマ中の荷電粒子を加速したりするために、直流パルス電圧を利用するものが従来知られている。
プラズマ加工装置において直流パルス電圧を印加する対象は、プラズマを介した電極や被加工物などであり、一般的には容量性の負荷である。こうした容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加する電源装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。この装置は、直流電源と、二つのスイッチング素子とを含み、その二つのスイッチング素子が相補的にオン・オフ動作すると、直流電源の出力電圧−V0(一般には数百〜千V以上)と接地電位(0V)とが交互に出力端に現れ、波高値がV0である負極性の直流パルス電圧が生成される。また、特許文献1には、直流パルス電圧を容量性負荷回路に印加するだけでなく、別のスイッチング素子と共振回路とを用い、容量性負荷回路に蓄積されたエネルギを電源装置側に回生する構成も開示されている。
しかしながら、こうした電源装置では、容量性負荷回路に印加される直流パルス電圧の立上り及び立下りが緩慢になり、その結果として、プラズマ加工の精度低下をもたらすという問題があった。これに対し、本出願人は、直流パルス電圧の立上り及び立下りの特性を改善することが可能な電源装置として、特許文献2に記載の装置を提案した。この電源装置では、リアクトルと容量性負荷回路を含む共振回路での共振を利用して、直流パルス電圧の立上り波形及び立下り波形を形成している。これにより、単にスイッチング素子等により電源電圧と接地電位とを切り替える場合に比べて、立上り及び立下リの特性を改善することができる。また、特許文献2に記載の電源装置では、特許文献1に記載の電源装置と同様に、容量性負荷回路に蓄積されたエネルギを電源装置側に回生し、エネルギの有効利用を図ることもできる。
特開2018−107904号公報 特許第6613411号公報
一方で、特許文献2に記載の直流パルス電源装置では、0VとOVでない所定の電圧との2レベルの矩形波状の直流パルス電圧を生成する場合であっても、複数の直流電源が必要であり、回路素子が多く構成が複雑である。また、共振を利用して電圧が電源電圧付近にまで立ち上がった時点で直流電源による出力電圧に切り替わるようにスイッチング素子を制御する必要があり、例えば電圧が電源電圧付近にまで立ち上がったことを検出する手段を設ける等、制御が複雑になる傾向にある。
本発明はこうした課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、回路構成が単純で且つ制御も簡単でありながら、直流パルス電圧の立上り及び立下りの特性を改善することができるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
d)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
f)前記電圧出力端と前記低電位線との間に接続された共振コンデンサと、
g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
を備えるものである。
また上記課題を解決するためになされた本発明の第2の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
d)前記高電位線と前記中間電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
f)前記電圧出力端と前記低電位線との間に接続された共振コンデンサと、
g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
を備えるものである。
また上記課題を解決するためになされた本発明の第3の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
d)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
f)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
を備えるものである。
また上記課題を解決するためになされた本発明の第4の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
d)前記高電位線と前記中間電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
f)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
を備えるものである。
本発明に係る上記各態様の直流パルス電源装置において、第1〜第4半導体スイッチング部としては典型的には電力用MOSFET等の半導体スイッチング素子を用いることができる。また、高電位線及び低電位線は、いずれか一方を接地電位とすることができる。また、第2及び第4の態様では中間電位線を使用するが、その場合には、低電位線と中間電位線との間に上記電源部とは別の電源部を接続して該中間電位線の電位を決めればよい。また、第3及び第4の態様は、共振コンデンサの接続位置が第1及び第2の態様と異なるだけで、後で述べるように実質的な動作は同じである。
いま第1の態様において、低電圧線が接地電位(つまり電位0)に接続されているものとする。電源コンデンサは電源部の出力電圧値である電位V1に充電される。例えば、直流パルス電圧を電位0から電位V1まで立ち上げる際に、第1半導体スイッチング部がオンされると、共振リアクトルと、共振コンデンサ及び容量性負荷回路中の容量成分とのLC共振による共振電流が流れ、該電流が共振コンデンサを充電する。これにより、電圧出力端の電圧は立ち上がる。共振電流を供給する電源コンデンサの共振初期電圧はV1であるため、電圧出力端の電圧は電圧上昇の局面では最大で2×V1、電圧下降の局面では最小で−V1になろうとする。ところが、電圧出力端の電圧がV1を超えると、第3半導体スイッチング部の寄生ダイオードがオンし、電圧出力端の電圧上昇は止まる。そのあと、第3半導体スイッチング部がターンオンされると、電圧出力端は高電位線に短絡され、電圧出力端の電位はV1にクランプされて略一定に維持される。
一方、直流パルス電圧を電位V1から電位0にまで立ち下げる際に、第2半導体スイッチング部がオンされると、LC共振による共振電流が共振リアクトルを先とは逆方向に流れ、電圧出力端の電圧は低下する。上述したように電圧下降の局面では電圧出力端の電圧は最小で−V1になろうとするが、電圧出力端の電圧が0を下回ると第4半導体スイッチング部の寄生ダイオードがオンし、電圧出力端の電圧降下は止まる。そのあと、第4半導体スイッチング部がターンオンされると、電圧出力端は低電位線に短絡され、電圧出力端の電位は0Vにクランプされて略一定に維持される。
このようにLC共振に起因して流れる共振電流により、電圧出力端の電位つまり共振コンデンサの充電電圧は上昇したり下降したりするが、特許文献2のような半波共振方式ではなく、実質的に共振波形の立上り及び立下りのスロープの一部のみを利用した部分共振方式である。また、LC共振による電圧上昇局面及び電圧下降局面の途中での電圧クランプによって、電圧上昇局面から電圧一定局面への移行、及び、電圧下降局面から電圧一定局面への移行を実施している。なお、第3及び第4の態様、つまり共振コンデンサを電圧出力端と高電位線との間に接続した構成では、該共振コンデンサを充放電する動作のタイミングが共振コンデンサを電圧出力端と低電位線との間に接続した構成とは逆になるが、電圧出力端に現れる電圧は高電位線の電位と共振コンデンサの両端電圧との差になるため同じである。
また、第1及び第3の態様では、高電位線の電位がハイレベル、低電位線の電位がローレベルである矩形波電圧が電圧出力端に現れる。一方、第2及び第4の態様では、第1の直列回路及び第2の直列回路が共に高電位線と中間電位線との間に接続されているため、高電位線の電位がハイレベル、中間電位線の電位がローレベルである矩形波電圧が電圧出力端に現れる。
なお、第1乃至第4の態様では、第1半導体スイッチング部がオフするに伴い第3半導体スイッチング部をオン動作させ、また、第2半導体スイッチング部がオフするに伴い第4半導体スイッチング部をオン動作させるが、第1半導体スイッチング部のターンオフ時点から第3半導体スイッチング部のターンオン時点までの間に適度な長さのデッドタイムを設けてもよく、第2半導体スイッチング部のターンオフ時点から第4半導体スイッチング部のターンオン時点までの間にも適度な長さのデッドタイムを設けてもよい。また、実質的に、少なくとも第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、第3半導体スイッチング部をオン状態に維持するとともに、少なくとも第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、第4半導体スイッチング部をオン状態に維持すればよいから、第3半導体スイッチング部のターンオフ時点から第2半導体スイッチング部のターンオン時点までの間、及び、第4半導体スイッチング部のターンオフ時点から第1半導体スイッチング部のターンオン時点までの間にも、それぞれ適度な長さのデッドタイムを設けることができる。
また、上記第1乃至第4の態様では、第3及び第4半導体スイッチング部が外部からの制御信号に応じてオン・オフ動作するスイッチング素子であるが、単なるダイオードを用いた構成とすることもできる。
即ち、上記課題を解決するためになされた本発明の第5の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1スイッチング部と第2スイッチング部とが直列に接続された直列回路と、
d)前記第1及び第2のスイッチング部の接続部と電圧出力端との間に接続された共振リアクトルと、
e)導通時に前記電圧出力端から前記第1スイッチング部の高電位端への一方向に電流を流すことが可能である第1クランプダイオードと、
f)導通時に前記第2スイッチング部の低電位端から前記電圧出力端への一方向に電流を流すことが可能である第2クランプダイオードと、
g)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
h)前記第1スイッチング部と前記第2スイッチング部を所定のデッドタイムを挟んで相補的にオン動作させる制御部と、
を備えるものである。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の第6の態様は、プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
a)直流電圧を発生する電源部と、
b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1スイッチング部と第2スイッチング部とが直列に接続された直列回路と、
d)前記第1及び第2のスイッチング部の接続部と電圧出力端との間に接続された共振リアクトルと、
e)導通時に前記電圧出力端から前記第1スイッチング部の高電位端への一方向に電流を流すことが可能である第1クランプダイオードと、
f)導通時に前記第2スイッチング部の低電位端から前記電圧出力端への一方向に電流を流すことが可能である第2クランプダイオードと、
g)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
h)前記第1スイッチング部と前記第2スイッチング部を所定のデッドタイムを挟んで相補的にオン動作させる制御部と、
を備えるものである。
第5及び第6の態様において、電源コンデンサ、第1及び第2スイッチング部を含む直列回路、第1及び第2クランプダイオードは、直流パルス電圧のハイレベル及びローレベルに対応する、それぞれ略一定の電圧(ゼロ電圧を含む)を出力する際の主電圧発生回路を構成する。一方、電源コンデンサ、第1及び第2スイッチング部を含む直列回路、共振リアクトル、共振コンデンサ、及び容量性負荷回路中の容量成分は、直流パルス電圧のハイレベルからローレベルへの、及びその逆の電圧変化の際の共振回路を構成する。即ち、第1乃至第4の態様では、共振のためのスイッチング素子が配置されたレッグ回路と主電圧発生のためのスイッチング素子が配置されたレッグ回路とが別々であるのに対し、本発明では、共振のためのレッグ回路と主電圧発生のためのレッグ回路とが共通である。
第5及び第6の態様では、第1乃至第4の態様と同様に、電源コンデンサは電源部の出力電圧値に充電される。例えば、直流パルス電圧を電位0から電位V1(電源部の出力電圧値)まで立ち上げる際に、第1スイッチング部がオンされると、共振リアクトルと、共振コンデンサ及び容量性負荷回路中の容量成分とのLC共振による共振電流が流れ、該共振コンデンサを放電させる。これにより、電圧出力端の電圧は立ち上がる。共振電流を供給する電源コンデンサの共振初期電圧はV1であるため、電圧出力端の電圧は電圧上昇の局面では最大で2×V1、電圧下降の局面では最小で−V1になろうとする。ところが、電圧出力端の電圧がV1を超えると第1クランプダイオードが導通し、電圧出力端から第1スイッチング部の高電位端へ電流が流れる。そのため、電圧出力端の電圧はV1にクランプされ、略一定に維持される。
直流パルス電圧を電位V1から電位0にまで立ち下げる際に、第2スイッチング部がオンされると、LC共振による共振電流が共振リアクトルを先とは逆方向に流れ、電圧出力端の電圧は低下する。上述したように電圧下降の局面では電圧出力端の電圧は最小で−V1になろうとするが、電圧出力端の電圧が0を下回ると第2クランプダイオードが導通し、第2スイッチング部を通して共振リアクトルの閉ループが形成され、共振リアクトルの循環電流として流れる。そのため、電圧出力端の電圧は0Vにクランプされ、略一定に維持される。
このようにLC共振によって流れる共振電流により、電圧出力端の電位は上昇したり下降したりするが、第1乃至第4の態様と同様に、共振波形の立上り及び立下りのスロープの一部のみを利用した部分共振方式である。また、LC共振による電圧上昇局面及び電圧下降局面の途中での電圧クランプによって、電圧上昇局面から電圧一定局面への移行、及び、電圧下降局面から電圧一定局面への移行を実施している。
本発明に係る直流パルス電源装置によれば、0VとOVでない所定の電圧との2レベルの矩形波状の直流パルス電圧を生成する場合には、直流電源は一つのみでよく、回路構成が単純で、使用する回路素子の数を抑えることができる。また、半導体スイッチング部をターンオン又はターンオフするタイミングがそれほど厳密でなくてもよいので、電圧や電流を監視しながら監視結果に基いてスイッチング部のオン・オフの切替えを行うような煩雑な制御も不要である。一方で、LC共振を利用した迅速な電圧上昇及び電圧降下が可能であるので、直流パルス電圧の立上り及び立下りの特性を改善することができる。
本発明の第1実施形態である直流パルス電源装置の概略回路構成図。 第1実施形態の直流パルス電源装置の要部の動作波形図。 第1実施形態の直流パルス電源装置における電流の流れを示す模式図。 第1実施形態の直流パルス電源装置における電流の流れを示す模式図。 第1実施形態の直流パルス電源装置における電流の流れを示す模式図。 第1実施形態の変形例である直流パルス電源装置の概略回路構成図。 図6に示した変形例の直流パルス電源装置の要部の動作波形図。 第1実施形態の他の変形例である直流パルス電源装置の概略回路構成図。 本発明の第2実施形態である直流パルス電源装置の概略回路構成図。 第2実施形態の直流パルス電源装置の要部の動作波形図。 第2実施形態の変形例である直流パルス電源装置の概略回路構成図。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のプラズマ加工装置用直流パルス電源装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の直流パルス電源装置の概略回路図、図2は本実施形態の直流パルス電源装置の要部の動作波形図、図3〜図5は本実施形態の直流パルス電源装置における電流の流れを示す模式図である。
本実施形態の直流パルス電源装置は、プラズマエッチング装置やプラズマスパッタリング装置において生成されるプラズマを含む容量性負荷回路に、直流パルス電圧を印加するものである。ここでは、負荷キャパシタ50と負荷抵抗51との並列回路で容量性負荷回路5を簡易的に(又は等価的に)示している。この容量性負荷回路5は、直流パルス電源装置の正極性出力端25と負極性出力端26との間に接続されている。
本実施形態の直流パルス電源装置は、図1に示すように、直流電圧源10、電源ダイオード11、平滑リアクトル12、電源コンデンサ13、第1スイッチング部14、第1ダイオード15、第2スイッチング部16、第2ダイオード17、共振リアクトル18、第3スイッチング部19、第3ダイオード20、第4スイッチング部21、第4ダイオード22、共振コンデンサ23、ダンピング抵抗24、及び、制御部30、を含む。
直流電圧源10は電圧値がV1である直流電圧を出力するものであり、順方向接続である電源ダイオード11及び平滑リアクトル12を介して、電源コンデンサ13の一端(高電圧側端子)と、第1スイッチング部14と第2スイッチング部16とを含む第1の直列回路の一端、さらには、第3スイッチング部19と第4スイッチング部16とを含む第2の直列回路の一端に、接続されている。第1の直列回路、第2の直列回路、及び電源コンデンサ13の他端はいずれも接地されている。
第1ダイオード15は第1スイッチング部14に、第2ダイオード17は第2スイッチング部16に、それぞれ逆並列に接続されている。第3ダイオード20は第3スイッチング部19に、第4ダイオード22は第4スイッチング部21に、それぞれ逆並列に接続されている。第1乃至第4スイッチング部14、16、19、21は電力用MOSFETなどの半導体スイッチング素子から成り、その場合、第1乃至第4ダイオード15、17、20、22はそれら半導体スイッチング素子の寄生ダイオードを利用することができる。
共振リアクトル18は、第1スイッチング部14と第2スイッチング部16との接続点であるノードN1と、第3スイッチング部19と第4スイッチング部21との接続点であるノードN2との間に接続されている。共振コンデンサ23はノードN2と接地端との間に接続され、ダンピング抵抗24は負極性出力端26と共振コンデンサ23の接地端との間に接続されている。
制御部30は、4系統の制御信号G1、G2、G3及びG4により四つのスイッチング部14、16、19、21のオン・オフ動作を制御する。この制御部30は、例えばCPU、ROM、RAM、タイマなどから成るマイコン(マイクロコンピュータ)を含み、予め与えられたプログラムに従った処理を実行することで、上記各制御信号を生成する構成を採ることができる。
この直流パルス電源装置は、基本的には、接地電位である0Vと直流電圧源10の出力電圧であるV1との二つの電圧レベルの矩形波電圧を容量性負荷回路5に対し出力する。但し、負荷が容量性であるため、単に電源電圧と接地電位とを切り替えるだけであると、限流抵抗が必要になりRC積分回路を構成する。その場合、負荷に加わる電圧波形の立上り及び立下りが緩慢になる。それに対し、この直流パルス電源装置では、LC共振を利用して、より詳しくは、LC共振による共振波形を部分的に利用して、立上り及び立下りの高速化を図っている。
図1に加え、図2〜図5を参照しつつ、本実施形態の直流パルス電源装置の動作を説明する。図2において、Lo(i)は共振リアクトル18に流れる電流、Co(v)は共振コンデンサ23の電圧、Rd(i)はダンピング抵抗24に流れる電流つまりは出力電流、Rp(i)は負荷抵抗51に流れる電流である。Co(v)は、出力電圧Voつまりは負荷抵抗51に掛かる電圧Rp(v)とほぼ等しい。
第1スイッチング部14は、図2(a)に示す制御信号G1がハイレベルであるt0〜t1期間だけオンする。第2スイッチング部16は、図2(b)に示す制御信号G2がハイレベルであるt2〜t3期間だけオンする。t1〜t2期間及びt3〜t0期間は制御信号G1、G2が共にローレベルであり、この二つの期間を挟んで二つのスイッチング部14、16は交互にオン動作する。
一方、第3スイッチング部19は、図2(c)に示す制御信号G3がハイレベルであるt1〜t2期間だけオンする。第4スイッチング部21は、図2(d)に示す制御信号G4がハイレベルであるt3〜t0期間だけオンする。換言すれば、第1スイッチング部14、第3スイッチング部19、第2スイッチング部16、及び第4スイッチング部21はこの順番に一つずつオン動作し、そのオン動作が一巡する期間が1サイクルであり、このサイクルが繰り返される。
この直流パルス電源装置における1サイクル中の動作は、大略、α(α1、α2)、β(β1、β2)、γ(γ1、γ2)、δ(δ1、δ2)の四つのモードに集約され得る。
簡単に言うと、αは、共振リアクトル18と、共振コンデンサ23と負荷キャパシタ50との並列回路(以下、この並列回路を「容量並列回路」という)と、を含むLC共振回路において共振が生じる共振モードである。βは、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギが循環される短絡モードである。γは、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギが電源(厳密には電源コンデンサ13)に回生される電源回生モードである。δは、第3、第4スイッチング部19、21を介して、直流電圧源10から負荷抵抗51に電力を供給する又は該負荷抵抗51の両端を短絡させる定常モードである。
時刻t0において制御信号G4がハイレベルからローレベルに変化し、制御信号G1がローレベルからハイレベルに変化すると、第4スイッチング部21がターンオフし、第1スイッチング部14がターンオンする。その後のα1モードのうちの前半期間では、図3(a)に示すように、その直前まで電源コンデンサ13に蓄積されたエネルギによる電流Lo(i)が、電源コンデンサ13→第1スイッチング部14→共振リアクトル18→容量並列回路→電源コンデンサ13、という経路で、LC共振の電流として流れる。負荷抵抗51には、電流Rp(i)=(Co//+Cp)(v)/Rp(但し、(Co//+Cp)(v)は容量並列回路の両端電圧)は、容量並列回路→負荷抵抗51→容量並列回路、という経路で流れる。なお、第1スイッチング部14のターンオン動作は、オン時に流れる電流が共振電流であるためゼロ電流スイッチング(ZCS)である。
そして、電流Lo(i)によって共振コンデンサ23が充電されて充電電圧(つまりはノードN2の電圧)が上昇し、その電圧が電源コンデンサ13の充電電圧つまりV1を超えると、第3ダイオード20が順方向にバイアスされて導通する。第3ダイオード20が導通したあとのβ1モードの期間には、図3(b)に示すように、電流Lo(i)は、共振リアクトル18→第3ダイオード20→第1スイッチング部14→共振リアクトル18、という経路で循環的に流れる。一方、負荷電流Rp(i)=V1/Rpは、電源コンデンサ13→第3ダイオード20→負荷抵抗51→電源コンデンサ13、という経路で流れる。
その後、時刻t1において、制御信号G1がハイレベルからローレベルに変化し制御信号G3がローレベルからハイレベルに変化すると、第1スイッチング部14がターンオフし、第3スイッチング部19がターンオンする。このときの第3スイッチング部19のターンオン動作は、それよりも前に既に第3ダイオード20が導通しているのでゼロ電圧スイッチングである。
そのあとのγ1モードでは、図3(c)に示すように、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギに由来する電流Lo(i)が、共振リアクトル18→第3スイッチング部19と第3ダイオード20の並列回路→電源コンデンサ13→第2ダイオード17→共振リアクトル18、という経路を流れ、電圧Lo(v)つまりノードN2の電圧は電源コンデンサ13の充電電圧である電圧V1にクランプされるので、ほぼV1一定に固定される。一方、負荷電流Rp(i)=V1/Rpは、電源コンデンサ13→第3スイッチング部19と第3ダイオード20の並列回路→負荷抵抗51→ダンピング抵抗24→電源コンデンサ13、という経路で流れる。
図2(e)に示すように、電流Lo(i)が流れることで共振リアクトル18のエネルギが減少していくに伴い電流Lo(i)が0になると、γ1モードからδ1モードに移行する。δ1モードでは、共振リアクトル18のエネルギはないので電流Lo(i)は0であり、第3スイッチング部19はオン状態であるのでノードN2の電圧はV1に固定される。また、負荷抵抗51には、図5(a)に示すように、電流Rp(i)=V1/ Rpが、電源コンデンサ13→第3スイッチング部19→負荷抵抗51→ダンピング抵抗24→電源コンデンサ13、という経路で流れる。
時刻t2で第3スイッチング部19がターンオフし、第2スイッチング部16がターンオンしてα2モードに移行すると、図4(a)に示すように、並列容量回路の充電電圧による電流Lo(i)が、並列容量回路→共振リアクトル18→第2スイッチング部16→並列容量回路、という経路で共振電流として流れる。即ち、共振リアクトル18には、α1モードとは逆に、左方向に電流が流れる。これによって、共振コンデンサ23の電圧つまりはノードN2の電圧は急速に下がる。負荷抵抗51には、Rp(i)=(Co//Cp)(v)/Rpは、並列容量回路→負荷抵抗51→並列容量回路、という 経路で流れる。
そして、電流Lo(i)によって共振コンデンサ23が放電されて充電電圧(つまりはノードN2の電圧)が下降し、その電圧が接地電位(0V)を下回ると、第4ダイオード22が順方向にバイアスされて導通する。そのため、ノードN2の電圧は0Vとなる。第4ダイオード22が導通したあとのβ2モードの期間には、図4(b)に示すように、電流Lo(i)は、共振リアクトル18→第2スイッチング部16→第4ダイオード22→共振リアクトル18、という経路で循環的に流れる。一方、負荷抵抗51に流れる電流Rp(i)=(Co//Cp)(v)/Rpは0である。したがって、出力電圧は0Vに固定される。
その後、時刻t3において、制御信号G2がハイレベルからローレベルに変化し制御信号G4がローレベルからハイレベルに変化すると、第2スイッチング部16がターンオフし、第4スイッチング部21がターンオンする。このときの第4スイッチング部21のターンオン動作は、それよりも前に既に第4ダイオード22が導通しているのでゼロ電圧スイッチングである。
そのあとのγ2モードでは、図4(c)に示すように、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギに由来する電流Lo(i)が、共振リアクトル18→第1ダイオード15→電源コンデンサ13→第4スイッチング部21と第4ダイオード22の並列回路→共振リアクトル18、という経路で流れ、電圧Lo(v)つまりノードN2の接地電位にクランプされるので、0V一定に固定される。β2モードに引き続き、負荷電流Rp(i)も流れない。
図2(e)に示すように、電流Lo(i)が流れることで共振リアクトル18のエネルギが減少していくに伴い電流Lo(i)が0になると、γ2モードからδ2モードに移行する。δ2モードでは、図5(b)に示すように、共振リアクトル18のエネルギはないので電流Lo(i)は0であり、第4スイッチング部21はオン状態であるのでノードN2の電圧は0Vに固定される。また、β2モード、γ2モードに引き続き、負荷電流Rp(i)も流れない。
そして、時刻t0までその状態を保ち、時刻t0になると、上述したように第4スイッチング部21がターンオフし、第1スイッチング部14がターンオンする。
本実施形態の直流パルス電源装置では、以上を1サイクルとする動作が繰り返されることで、0とV1との二つの電圧レベルの直流パルス電圧を容量性負荷回路5に出力することができる。
なお、図2に示した波形図では、t0時点で第1スイッチング部14がターンオンすると同時に第4スイッチング部21をターンオフさせているが、第4スイッチング部21のターンオフのタイミングは第1スイッチング部14のターンオンよりも遅れてもよい。同様に、第3スイッチング部19のターンオフのタイミングは第2スイッチング部16のターンオンよりも遅れてもよい。
また、第1スイッチング部14のターンオフ時点と第3スイッチング部19のターンオン時点、第3スイッチング部19のターンオフ時点と第2スイッチング部16のターンオン時点、第2スイッチング部16のターンオフ時点と第4スイッチング部22のターンオン時点、及び、第4スイッチング部22のターンオフ時点と第1スイッチング部19のターンオン時点、はそれぞれ同時ではなく、それら二つのスイッチング部が同時にオン状態とならないように適宜のデッドタイム(つまりは両スイッチング部が共にオフである期間)を設けてもよい。
また、ダンピング抵抗24は回路の寄生インダクタンス及び容量のダンピング用であって、場合によっては省略することができる。
図1に示した直流パルス電源装置における各素子の定数等のパラメータ値は、例えば次のように定めることができる。
電源電圧V1:1500V、平滑リアクトル12のインダクタンス:1mH、電源コンデンサ13のキャパシタンス:10μF、共振リアクトル18のインダクタンス:12μH、共振コンデンサ23のキャパシタンス:900pF、ダンピング抵抗24の抵抗値:2Ω、負荷キャパシタ50のキャパシタンス:300pF、負荷抵抗51の抵抗値:500Ω、スイッチングパルスの周波数:400kHz
各素子のパラメータ値を上記のように設定し、第1〜第4スイッチング部14、16、19、21としてSiC−MOSFETを使用、第1〜第4ダイオード15、17、20、22としてはそのSiC−MOSFETの寄生ダイオードを用いた回路の動作をコンピュータシミュレーションにより検証した。その結果、図2に示したような、ほぼ所望の波形を得られることが確認できた。
上記説明から明らかであるように、この直流パルス電源装置では、LC共振動作時に共振電流を供給するための、第1、第2スイッチング部14、16を含む共振レッグ回路と、電圧出力端に電源電圧V1又は接地電位0Vを選択的に出力するための、第3、第4スイッチング部19、21を含む主レッグ回路と、を共に、電源電圧V1に充電される電源コンデンサ13の両端に接続している。そのため、共振初期電圧(つまりは共振開始時の電源コンデンサ13の充電電圧)は特許文献2に記載の装置ではV1/2であるのに対しV1である。これによって、LC共振により、共振コンデンサ23の充電電圧は電圧上昇時には2V1、電圧下降時には−V1になろうとするが、第3、第4スイッチング部19、21、と第3、第4ダイオード20、22のクランプ動作によって、上電圧昇時にV1、電圧下降時に0にクランプさせている。
即ち、この直流パルス電源装置における共振方式は、共振波形の立上り及び立下りのスロープのそれぞれ一部を用いた部分共振方式であるということができる。本電源装置の利点としては次の点が挙げられる。
(1)直流電源が一つで済むため回路構成が簡素である。
(2)部分共振の期間(α1、α2モードの期間)よりも第1、第2スイッチング部14、16のオン期間(t0〜t1、t2〜t3)を長くするようにタイミングを設定する必要はあるが、その条件を満たせば、各スイッチング部のオン・オフのタイミングの制約はそれほど厳しくはない。したがって、共振レッグ回路の共振条件に応じた主レッグ回路の動作タイミングの時間的な余裕が大きく、スイッチング部を駆動するための制御が単純になる。
(3)共振リアクトル18の蓄積エネルギによる電流は第3、第4スイッチング部19、21、及び第3、第4ダイオード20、22による閉じたクランプ回路を循環するだけであるので高電圧を発生するモードがない。
(4)共振リアクトル18の循環電流が殆どないため、平滑リアクトル12、第1乃至第4スイッチング部14、16、19、21として電流定格値が比較的小さい素子を用いることができる。
(5)図2から明らかであるように、スイッチング部の制御に対し出力電圧Voの位相遅れが殆どない。
[第1実施形態の変形例]
図1に示した直流パルス電源装置の構成は一例であり、様々に変形が可能である。図6は一変形例の概略ブロック構成図である。第1実施形態の装置では、共振コンデンサ23が第2ノードN2と接地端(低電位線)との間に接続されていたが、この変形例では、共振コンデンサ230が第2ノードN2と電源電圧線(高電位線)との間に接続されている。この共振コンデンサ230は、第2ノードN2から負荷側を見たときに、低電位線側と高電位線側のいずれにあってもよく、両方にあってもよい。図6の例でも、負荷キャパシタ50は第2ノードN2と接地端との間に接続されているから、実質的に、共振コンデンサ230が低電位線側と高電位線側とに分けて設けられているのと同等である。
図7は、図6に示した装置における要部の動作波形図である。図7を図2と比較すれば分かるように、各スイッチング部14、16、19、21のオン・オフ動作のタイミングは第1実施形態の装置と全く同じであり、共振電流Lo(i)の波形もほぼ同じである。但し、共振コンデンサ230は高電位線側に接続されているため、共振コンデンサ230の充電・放電のタイミングは第1実施形態の装置とは逆になり、図7(f1)に示すように、共振コンデンサ230の両端電圧(充電電圧)はβ2、γ2、δ2の期間にほぼV1となり、β1、γ1、δ1の期間にほぼ0Vになる。第2ノードN2の電位(正極性出力端25の電位)は、V1から共振コンデンサ230の両端電圧を差し引いたものとなるから、図7(f2)に示すように、第1実施形態の装置における第2ノードN2の電位と同じである。
原理的には、第2ノードN2から負荷を見たときの負荷容量のキャパシタンスが同じであれば、そのキャパシタンスが高電位線側と低電位線側のいずれにあっても、第2ノードN2の電圧波形は同じである。
また、第1実施形態の装置は、0VとV1との二値の直流パルス電圧を出力するものであるが、図8は、0VではないV2(0<V2<V1)とV1との二値の直流パルス電圧を出力する直流パルス電源装置の一例を示す概略構成図である。この例では、図8に示すように、二本のレッグ回路(つまりはスイッチング部の直列回路)の低電圧側の端部と接地電位との間に、別の直流電圧源27を挿入している。この装置では、第2ノードN2の電位がV2よりも下がろうとすると、第4ダイオード22が導通し、そのあと第2ノードN2の電位はV2に固定される。したがって、この装置では、ローレベルがV2、ハイレベルがV1である二値の直流パルス電圧を出力することができる。
図6に示したように高電位線側に共振コンデンサ230を接続した場合でも、図8に示した構成のように追加の直流電圧源27を設けることで、ローレベルがV2、ハイレベルがV1である二値の直流パルス電圧を出力することができる。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態の直流パルス電源装置の概略回路構成図であり、図10は第2実施形態の直流パルス電源装置の要部の動作波形図である。
図9では、すでに説明した図1及び図6に記載の装置と同じ又は相当する構成要素には同じ符号を付している。この第2実施形態の装置では、第1実施形態の装置における第3スイッチング部19及び第3ダイオード(実質的には寄生ダイオード)20、並びに、第4スイッチング部21及び第4ダイオード(実質的には寄生ダイオード)22に代えて、それぞれ単なるダイオード素子である第1クランプダイオード200、第2クランプダイオード220を設けている。したがって、制御部300は二つのスイッチング部14、16のオン・オフ動作のみを制御する。
図10を参照しつつ、第2実施形態の直流パルス電源装置の動作について、特に第1実施形態の装置と異なる点を中心に説明する。
制御部300から供給される制御信号G1、G2により、第1スイッチング部14はt1〜t2期間だけオンし、第2スイッチング部16はt3〜t0期間だけオンする。t0〜t1期間及びt2〜t3期間は二つのスイッチング部14、16が共にオフ状態であるデッドタイムであり、デッドタイムを挟んで二つのスイッチング部14、16は相補的にオン動作する。
この直流パルス電源装置の動作は、大略α(α1、α2)、β(β1、β2)、γ(γ1、γ2)の三つのモードに集約され得る。
時刻t0において、第2スイッチング部16がターンオフすると、二つのスイッチング部14、16は共にオフ状態になる。この期間、つまりα1モードのうちの前半であるt0〜t1期間には、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギに由来する電流Lo(i)が、共振リアクトル18→第1ダイオード15→電源コンデンサ13→第2クランプダイオード220→共振リアクトル18、という経路で流れる。これにより、共振リアクトル18の両端電圧Lo(v)は概ね電源コンデンサ13の充電電圧つまりV1にクランプされる。
その後、時刻t1で第1スイッチング部14がターンオンすると、電流Lo(i)が0になるまで、第1スイッチング部14と第1ダイオード15とが同時に導通した状態で、電流Lo(i)は共振リアクトル18をそれまでと同じ方向(左方向)に流れ続ける。第1スイッチング部14のターンオン動作は、第1ダイオード15が通電状態であるのでゼロ電圧スイッチング(ZVS)である。
共振リアクトル18を左方向に流れる電流Lo(i)が0になり、β1モードに移行すると、共振コンデンサ230の充電電圧が放電することによる電流と、電源コンデンサ13より負荷キャパシタ50を充電する電流との加算値であるLo(i)が、LC共振の電流として共振リアクトル18を右方向に流れる。そして、共振コンデンサ230の電圧が減少、負荷キャパシタ50の電圧が増加するので、ノードN2の電圧が上昇する。ノードN2の電圧が電源コンデンサ13の充電電圧つまりV1を超えると、第1クランプダイオード200が順方向バイアスされて導通する。第1クランプダイオード200が導通してγ1モードに移行すると、電流Lo(i)は、共振リアクトル18→第1クランプダイオード200→第1スイッチング部14→共振リアクトル18という経路で、循環的に流れる。このときには、ノードN2の電圧は第1クランプダイオード200によって電圧V1にクランプされるので、略V1一定に固定される。
次いで、時刻t2で第1スイッチング部14がターンオフすると、二つのスイッチング部14、16は共にオフ状態になる。この期間、つまりα2モードのうちの前半であるt2〜t3期間では、共振リアクトル18に蓄積されたエネルギに由来する電流Lo(i)が、共振リアクトル18→第1クランプダイオード200→電源コンデンサ13→第2ダイオード17→共振リアクトル18、という経路で流れる。これにより、ノードN2の電圧は電源コンデンサ13の充電電圧V1にクランプされ続ける。
その後、時刻t3において第2スイッチング部16がターンオンすると、電流Lo(i)が0になるα2モードの終了時点まで、電流Lo(i)が共振リアクトル18を右方向へ引き続き流れる。このときの第2スイッチング部16のターンオン動作は、第2ダイオード17が通電状態であるのでゼロ電圧スイッチング(ZVS)である。共振リアクトル18を右方向に流れる電流Lo(i)が0になり、β2モードに移行すると、電流Lo(i)は、電源コンデンサ13→共振コンデンサ230→共振リアクトル18→第2スイッチング部16→電源コンデンサ13、及び、負荷キャパシタ50→共振リアクトル18→第2スイッチング部16→負荷キャパシタ50、という二つの経路内における共振リアクトル18→第2スイッチング部16、という共通経路を、その二つの経路の電流加算値である共振電流として流れる。これにより、共振コンデンサ230は充電、負荷キャパシタ50は放電され、ノードN2の電圧は、V1から0に向かって急速に低下する。そして、ノードN2の電圧が0を下回った時点で、第2クランプダイオード220が導通する。
第4ダイオード20が導通しγ2モードに移行すると、第2スイッチング部16及び第2クランプダイオード220が共に導通しており、電流Lo(i)は、共振リアクトル18→第2スイッチング部16→第2クランプダイオード220→共振リアクトル18、という経路で循環電流として流れる。
以上のように、第2実施形態の装置でも、共振波形の立上り及び立下りのスロープの一部のみを利用した部分共振によって、直流パルス電圧が立上る又は立下がる。そして、ダイオード素子を利用したクランプ回路によって、出力電圧がV1又は0Vに固定される。このようにして、簡単な回路で高速に立ち上がる又は立ち下がる直流パルス電圧を容量性負荷に印加することができる。
もちろん、この第2実施形態の装置でも、図11に示すように構成を変更することで、0VではないV2とV1との二つのレベルの直流パルス電圧を出力することができる。
また、第1実施形態及び第2実施形態に示した構成の直流パルス電源装置をスタック状に多段の構成とすることにより、一段の回路では実現が難しい高い電圧のパルスを生成することもできる。
また、上記実施形態や変形例はあくまでも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜修正、変更、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
10、27…直流電圧源
11…電源ダイオード
12…平滑リアクトル
13…電源コンデンサ
14…第1スイッチング部
15…第1ダイオード
16…第2スイッチング部
17…第2ダイオード
18…共振リアクトル
19…第3スイッチング部
20…第3ダイオード
21…第4スイッチング部
22…第4ダイオード
23、230…共振コンデンサ
24…ダンピング抵抗
25…正極性出力端
26…負極性出力端
200、220…クランプダイオード
30、300…制御部
5…容量性負荷回路
50…負荷キャパシタ
51…負荷抵抗

Claims (6)

  1. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
    d)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
    e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
    f)前記電圧出力端と前記低電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
  2. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
    d)前記高電位線と前記中間電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
    e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
    f)前記電圧出力端と前記低電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
  3. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
    d)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
    e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
    f)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
  4. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1半導体スイッチング部と第2半導体スイッチング部とが直列に接続された第1の直列回路と、
    d)前記高電位線と前記中間電位線との間に接続された、第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部とが直列に接続された第2の直列回路と、
    e)前記第1半導体スイッチング部と第2の半導体スイッチング部との接続部と、電圧出力端である前記第3半導体スイッチング部と第4半導体スイッチング部との接続部と、の間に接続された共振リアクトルと、
    f)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    g)前記第1半導体スイッチング部と前記第2半導体スイッチング部とを所定の時間間隔を空けて交互にオン動作させるとともに、前記第1半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第3半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第2半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第3半導体スイッチング部をオン状態に維持する一方、前記第2半導体スイッチング部がオフするに伴い前記第4半導体スイッチング部をオン動作させ、少なくとも前記第1半導体スイッチング部がオンするまでの間、該第4半導体スイッチング部をオン状態に維持するように、前記第1乃至第4なる各半導体スイッチング部のオン・オフ動作を制御する制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
  5. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と前記低電位線との間に接続された、第1スイッチング部と第2スイッチング部とが直列に接続された直列回路と、
    d)前記第1及び第2のスイッチング部の接続部と電圧出力端との間に接続された共振リアクトルと、
    e)導通時に前記電圧出力端から前記第1スイッチング部の高電位端への一方向に電流を流すことが可能である第1クランプダイオードと、
    f)導通時に前記第2スイッチング部の低電位端から前記電圧出力端への一方向に電流を流すことが可能である第2クランプダイオードと、
    g)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    h)前記第1スイッチング部と前記第2スイッチング部を所定のデッドタイムを挟んで相補的にオン動作させる制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
  6. プラズマ加工のためのプラズマを含む容量性負荷回路に直流パルス電圧を印加するプラズマ加工装置用直流パルス電源装置であって、
    a)直流電圧を発生する電源部と、
    b)前記電源部による直流電圧が与えられる高電位線と低電位線との間に接続された電源コンデンサと、
    c)前記高電位線と、該高電位線の電位と前記低電位線の電位との間の電位である中間電位線との間に接続された、第1スイッチング部と第2スイッチング部とが直列に接続された直列回路と、
    d)前記第1及び第2のスイッチング部の接続部と電圧出力端との間に接続された共振リアクトルと、
    e)導通時に前記電圧出力端から前記第1スイッチング部の高電位端への一方向に電流を流すことが可能である第1クランプダイオードと、
    f)導通時に前記第2スイッチング部の低電位端から前記電圧出力端への一方向に電流を流すことが可能である第2クランプダイオードと、
    g)前記電圧出力端と前記高電位線との間に接続された共振コンデンサと、
    h)前記第1スイッチング部と前記第2スイッチング部を所定のデッドタイムを挟んで相補的にオン動作させる制御部と、
    を備えるプラズマ加工装置用直流パルス電源装置。
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