JP6809065B2 - レーザ点火装置およびレーザ点火プラグ冷却手段 - Google Patents
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Description
レーザ点火プラグは、近位の端部とは反対の側に位置する遠位の端部に、冷却器との解離可能な機械的および熱的な結合のためのカップリング手段を有し、該カップリング手段は、レーザ点火プラグがプラグ取付け穴内に取り付けられた状態で冷却器の連結および連結解除を可能にするように構成されている。また、冷却器は、レーザ点火プラグとの解離可能な機械的および熱的な連結(カップリング)のために形成された近位の端部を有し、該近位の端部が、プラグ取付け穴の内部で行われる、冷却器とレーザ点火プラグとの連結およびレーザ点火プラグからの前記冷却器の連結解除を可能にするように構成されている。
特許文献1のように、レーザ点火プラグの端部に熱的カップリングを有する構成では、これら二つの熱源から最も遠い位置で吸熱を行うことになるため、十分な冷却効率が得られないおそれがある。特にレーザ媒質付近は熱の発生部位であるとともに、内燃機関からの熱が通過する部位でもあるため、周囲と比較して高温となる。
レーザ点火プラグは、組立作業や調整の利便性の観点から、このように内燃機関に組み付けられる側の部材と光導入側の部材とを含む二以上の部材で構成されることが好ましい。
図1は、レーザ点火プラグによる強制点火方式の内燃機関の例を示した図である。レーザ点火プラグ1はプラグホール2内に設置され、ネジ固定されている。
図2(a)は、レーザ点火プラグ1に対して冷却手段6を装着する前の状態(外した状態)を、図2(b)は装着した状態をそれぞれ示している。
冷却手段6は、レーザ点火プラグ1に対して着脱可能である。冷却手段6の着脱が可能であることにより、例えば、レーザ点火プラグ1を内燃機関(以下、「エンジン」ともいう)5に対して固定したり外したりする作業が容易となる。また、レーザ点火プラグ1を交換の必要が生じた場合において、冷却手段6は交換せずに継続して使用することも可能である。
冷却手段6は、図2(b)に示すように、固定部1Aとレーザ光導入部1Bとの結合部位12に当接する領域を有している。
冷媒配管6Bは、冷却部6Aから奪った熱をプラグホール2の外に設けられた熱交換手段まで輸送する冷媒を内部に有する部材である。
図4の液体冷媒循環システムは、貯液タンク9内の液体冷媒9Aを、ポンプ10によって送液し、ラジエータ11を通して液の放熱を行うものである。冷却部6Aは、低温の液体冷媒9Aが内部を通過することにより低温に保たれる。液体冷媒9Aを周囲環境温度以下まで冷却する場合は、さらにペルチェ素子やコンプレッサーなどを備える態様であってもよい。また、冷媒としては液体に限定されず、気体であってもよい。
しかしながらこの冷却器16の配置では、熱源(エンジン5及びレーザ媒質1C)から最も遠い領域を冷却しているため、十分な冷却効率が得られない可能性がある。
また、第一の熱源であるエンジン5からの熱(伝熱により高温となっている領域50からの熱、矢印H1Aで示す)と、第二の熱源であるレーザ媒質1Cからの発熱(矢印H2Aで示す)が重なり、最も冷却が必要となるレーザ共振器付近の領域Lが非常に高温となってしまう。
第一の熱源であるエンジン5からの熱(伝熱により高温となっている領域50からの熱、矢印H1Bで示す)が、第二の熱源であるレーザ媒質1Cに届く前に冷却部6Aにより冷却され、かつレーザ媒質1Cからの発熱(矢印H2Bで示す)も冷却部6Aにより吸熱され、最も冷却が必要となるレーザ共振器付近の温度上昇が防止される。
これに対し、図5(b)に示す本実施形態のレーザ点火装置では、冷却手段6が固定部1Aとレーザ光導入部1Bとの結合部を覆うように当接するため、ガスの侵入を抑制することができる。
固定部1Aを構成する部材の材料としては、例えば、ステンレスやインコネルなどの強固で比較的熱伝導率の低い材料が好ましい。このような材料を用いることにより、エンジン5からの伝熱を防止することができる。
一方、レーザ光導入部1Bを構成する部材の材料としては、例えば、アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料が好ましい。このような材料を用いることにより、レーザ媒質1Cからの発熱をダイレクトに冷却部6Aに逃がすことが出来る。
このような構成とすることにより、レーザ点火プラグ1および冷却部6Aがエンジン運転による熱で高温となった場合に膨張による寸法増加量がレーザ点火プラグ1の方が小さいため、レーザ点火プラグ1の外周面が冷却部6Aの内周面に対してかじりついて冷却部6Aが抜けなくなったり、レーザ点火プラグ1が冷却部6Aに圧迫されて歪みが生じたりする等の不具合を抑制できる。
本実施形態のレーザ点火装置は、図6に示すように、レーザ点火プラグ1のハウジングと冷却手段6とが当接する領域の少なくとも一部を、下端方向に向かって径が拡張するテーパ形状とすることができる。
レーザ点火プラグ1に対して冷却手段6を上から装着する場合、レーザ点火プラグ1に対して冷却手段6の内壁が突き当たるところで係止される。この状態において、レーザ点火プラグ1のハウジングと冷却手段6とがテーパ形状部で突き当たるようにすることもできる。当接部をテーパ形状にして密着させることで、接触熱抵抗による熱伝導のロスを小さくすることができ、冷却効率を高めることができる。
図7(a)は冷却手段6が矢印方向へ移動してレーザ点火プラグに装着される状態を示す斜視図であり、図7(b)は冷却部6Aの水平方向の断面図である。
本実施形態における冷却手段6は、図7に示すように、冷却部6Aに隙間6Cを設けることができる。ただし、外部からレーザ点火プラグ1内に流入するガスの量が許容できる範囲である場合、または隙間6Cに対応する領域にガス流入を防止するための対策が講じられている場合に限られる。
本実施形態のレーザ点火プラグ1は、図8に示すように、固定部1Aとレーザ光導入部1Bとを結合する連結部材1Dを備えている。冷却手段6は、連結部材1Dに当接する領域を有する。
これにより、十分な冷却効率が得られ、レーザ媒質1C付近の温度上昇を抑制可能であるとともに、レーザ点火プラグ1内部へのガス侵入による光学素子等の汚染を防止することができる。
1A 固定部
1B レーザ光導入部
1C レーザ媒質
2 プラグホール
3 レーザ光源
4 光ファイバ
5 内燃機関(エンジン)
5A 燃焼室内
6 冷却手段
6A 冷却部
6B 冷媒配管
Claims (8)
- レーザ点火プラグと、前記レーザ点火プラグを収容するプラグホールに挿入され、前記レーザ点火プラグを冷却する冷却手段とを備え、
前記レーザ点火プラグのハウジングは、少なくとも内燃機関に固定される固定部、及び内部にレーザ媒質を有するレーザ光導入部を有し、
前記冷却手段は、前記固定部及び前記レーザ光導入部の双方に当接して熱交換を行い、
前記固定部と前記レーザ光導入部とを結合する連結部材を備え、
前記冷却手段は、前記連結部材に当接する領域を有する
ことを特徴とするレーザ点火装置。 - 前記レーザ点火プラグのハウジングと前記冷却手段とが当接する領域の少なくとも一部が、下端方向に向かって径が拡張するテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ点火装置。
- レーザ点火プラグと、前記レーザ点火プラグを収容するプラグホールに挿入され、前記レーザ点火プラグを冷却する冷却手段とを備え、
前記レーザ点火プラグのハウジングは、少なくとも内燃機関に固定される固定部、及び内部にレーザ媒質を有するレーザ光導入部を有し、
前記冷却手段は、前記固定部及び前記レーザ光導入部の双方に当接して熱交換を行い、
前記レーザ点火プラグのハウジングと前記冷却手段とが当接する領域の少なくとも一部が、下端方向に向かって径が拡張するテーパ形状である
ことを特徴とするレーザ点火装置。 - 前記冷却手段は、前記固定部と前記レーザ光導入部との結合部位に当接する領域を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ点火装置。
- 前記固定部を構成する部材の熱伝導率をT1、前記レーザ光導入部を構成する部材の熱伝導率をT2としたとき、T2≧T1の関係を満たすことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザ点火装置。
- 前記レーザ点火プラグのハウジングを構成する部材のうち、熱膨張率が最も大きい部材の熱膨張率をE1、前記冷却手段の少なくとも前記レーザ点火プラグと当接する領域を構成する部材の熱膨張率をE2としたとき、E2≧E1の関係を満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ点火装置。
- 前記冷却手段は、外部の熱交換手段と接続されてなり、
少なくとも前記レーザ点火プラグのハウジングと当接する冷却部と、冷媒により前記冷却部の熱を前記熱交換手段へ輸送する冷媒配管と、を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のレーザ点火装置。 - レーザ点火プラグを収容するプラグホールに挿入され、前記レーザ点火プラグを冷却する冷却手段であって、
前記レーザ点火プラグのハウジングのうち、内燃機関に固定される固定部と、内部にレーザ媒質を有するレーザ光導入部との双方に当接して熱交換を行い、
前記固定部と前記レーザ光導入部とを結合する連結部材に当接する領域を有することを特徴とするレーザ点火プラグ冷却手段。
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JP2016177558A JP6809065B2 (ja) | 2016-09-12 | 2016-09-12 | レーザ点火装置およびレーザ点火プラグ冷却手段 |
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