JP6808213B2 - 情報処理システム及び情報処理方法 - Google Patents

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本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
従来から、細胞を測定する技術として、フローサイトメーターが知られている(例えば、特許文献1参照)。フローサイトメーターでは、細い流路に細胞を1つずつ流し、流路を流れる細胞に対しレーザ光を照射して前方散乱光と測方散乱光とを計測し、細胞の大きさを反映する前方散乱光強度と細胞内の構造や顆粒などの情報を反映する測方散乱光強度との組み合わせから、細胞を測定する。
しかしながら、測方散乱光(測方散乱光強度)には、細胞内の多種のタンパク質や様々な小器官など内部構造の複雑性に起因する過剰な成分が不可避に含まれているが、上述したような従来技術では、これらの成分を正しく評価することができず、細胞の測定精度を高めることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細胞又は生体組織の種別又は状態の測定精度を向上させることが可能な情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる情報処理システムは、レーザ光を照射する照射系を制御して、所定の細胞又は生体組織である目標物に前記レーザ光を複数回入射させる照射制御部と、前記レーザ光が前記目標物に入射する毎に生じる散乱光を検出する光検出系と、前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、前記目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する算出部と、を備える。
本発明によれば、細胞又は生体組織の種別又は状態の測定精度を向上させることが可能という効果を奏する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの一例を示す構成図である。 図2は、従来技術の走査型顕微光散乱(SMILS)の説明図である。 図3は、従来技術の走査型顕微光散乱(SMILS)の説明図である。 図4は、本実施形態の細胞内の細胞骨格の一例を示す概略図である。 図5は、図4の拡大図である。 図6は、図4の拡大図である。 図7は、血管内皮細胞(HUVEC)の蛍光顕微鏡画像の一例を示す図である。 図8は、子宮頸がん細胞(HeLa)の蛍光顕微鏡画像の一例を示す図である。 図9は、皮膚線維芽細胞(NHDF)の蛍光顕微鏡画像の一例を示す図である。 図10は、本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図11は、本実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図12は、実施例の皮膚線維芽細胞(NHDF)のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフの一例を示す図である。 図13は、実施例の子宮頸がん細胞(HeLa)のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフの一例を示す図である。 図14は、実施例の血管内皮細胞(HUVEC)のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフの一例を示す図である。 図15は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、1回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図16は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、2回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図17は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、3回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図18は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、4回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図19は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、5回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図20は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、6回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図21は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、7回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図22は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、8回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図23は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、9回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。 図24は、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、10回目の測定の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる情報処理システム及び情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、情報処理システム1は、照射系10と、ステージ21と、恒温板22と、サンプルホルダー23と、試料24と、ユニバーサルコンデンサ27と、光学顕微鏡28と、光検出系30と、画像センサ40と、情報処理装置100とを、備える。
なお、照射系10、ステージ21、恒温板22、サンプルホルダー23、試料24、ユニバーサルコンデンサ27、光学顕微鏡28、光検出系30、及び画像センサ40が、光学装置を構成する。但し、図1に示す例では、光学装置の内部構成を分かりやすくするため、暗箱の図示を省略している。
照射系10は、レーザ光を試料24に向けて照射するものであり、図1に示すように、レーザ光源11と、ビームエキスパンダー12と、可変ND(Neutral Density)フィルタ13と、単焦点レンズ14とを、含む。但し、照射系10は、これらの構成に限定されるものではなく、一部の構成を省略したり、他の構成を追加したり、一部の構成を他の構成に置き換えたりしてもよい。
レーザ光源11は、レーザ光を射出する。レーザ光は、例えば、可視光領域の波長のレーザ光であり、He−Ne(ヘリウム−ネオン)レーザ(λ=632.8nm)、半導体レーザ(λ=473nm、532nm、671nm等)、及びHe−Cd(ヘリウム−カドミウム)レーザ(λ=442nm)などが挙げられる。
ビームエキスパンダー12、可変NDフィルタ13、及び単焦点レンズ14は、レーザ光源11から射出されたレーザ光の光路上に配置されている。レーザ光源11から射出されたレーザ光は、ビームエキスパンダー12により拡大され、可変NDフィルタ13により光量が低下され、単焦点レンズ14により集光され、試料24に照射される。但し、単焦点レンズ14は、省略してもよい。また、レーザ光源11から射出されたレーザ光を試料24に対してある一方向に偏光した直線偏光が試料24に照射されるように、レーザ光の光路上に光学偏光素子(偏光フィルタ)を配置するようにしてもよい。
なお、レーザ光源11から試料24へのレーザ光の入射角θは散乱角と同義であり、0°〜90°までの任意の角度とすることができる。これにより、試料24に含まれる細胞などの内部情報を得ることが可能となる。なお、入射角θは、固定であっても可変であってもよい。
試料24は、測定の対象となる物質であり、細胞、微生物・細胞小器官・細胞内形質、タンパク質、及び生体臓器片等の生体組織や細胞などが挙げられる。試料24は、サンプルホルダー23に収容される。サンプルホルダー23は、例えば、レーザ光に対して透明な試料セルやシャーレなどが挙げられる。但し、サンプルホルダー23を省略し、試料24をステージ21上(詳細には、恒温板22)上に直接配置してもよい。
ステージ21は、レーザ光軸に対して相対移動可能であり、試料24の位置を移動させる。これにより、試料24内の様々な箇所(点)における散乱光の測定が可能となる。恒温板22は、試料24の温度を一定に保つためのものである。
光学顕微鏡28は、試料24からレーザ光が出射する方向に設けられている。光学顕微鏡28としては、例えば、倒立型顕微鏡及びその対物レンズが挙げられる。これにより、試料24の様子を微細に拡大して観察することができる。なお本実施形態では、光学顕微鏡28により拡大された、試料24の様子を画像センサ40により画像化することで、情報処理装置100が有するディスプレイなどの表示装置上で観察可能となっている。
光検出系30は、レーザ光が試料24に入射することによって生じる散乱光(詳細には、所定の散乱角の方向の散乱光)を検出するものであり、詳細には、散乱光の強度を検出する。
光検出系30は、ハーフミラー31と、偏光フィルタ32と、ピンホール33と、集光レンズ34と、受光器35とを、含む。
ハーフミラー31は、試料24からレーザ光が出射する方向に配置されており、試料24を直線的に透過した散乱光を屈曲する(光路を変更する)。偏光フィルタ32は、予め定められた角度方向へ散乱光を偏光する。ピンホール33は、偏光フィルタ32により偏光された光を通過させる。集光レンズ34は、ピンホール33を通過した光を集光する。受光器35は、集光レンズ34により集光された光を受光する。具体的には、受光器35は、受光した光の強度を検出し、検出した光の強度を電気信号に変換し、情報処理装置100へ出力する。受光器35は、例えば、光電子増倍管やアバランシェダイオードなどが挙げられる。
なお、光検出系30に、受光器35への迷光の侵入を防ぐための迷光防止板、受光器35の損傷を防ぐための光拡散板、及びスリットなどを含めてもよい。
情報処理装置100は、受光器35から出力された電気信号を解析することで、試料24の種別や状態を同定するための同定情報を測定したり、試料24の種別や状態を同定したりする。
次に、本実施形態の情報処理装置100において、微細構造が複雑な細胞や生体組織の種別や状態を高精度で測定することができる原理について説明する。
まず、本発明者の一人である古川らは、特開2012−194165号公報に開示されているように、ゲル試料の微小な領域内部において多数の点をピックアップし、連続的に顕微光散乱で走査を行い適切な統計処理をすることで不均質な試料でも厳密な平均量を測定できることに着目し、ナノスケールの網目サイズ分布を定量的に分析できる非破壊及び非接触の走査型顕微光散乱(SMILS)の開発に成功している。
図2に示すように、SMILSは、動的光散乱法を用いており、ゲル内部で起こっているブラウン運動による散乱光の揺らぎを検出することで解析(相関関数の算出)を行い、散乱光の揺らぎによって算出された相関関数に逆ラプラス変換を適用することで緩和時間に関する情報の分布(図3参照)を得ている。得られた緩和時間に関する情報の分布は、ゲルの内部構造の大きさの分布と理解することもできる。
具体的には、SMILSは、ゲルを測定することでブラウン運動に起因する緩和時間を測定し、測定した緩和時間から、deGemmesのブロッブ理論に従い、ゲルの網目サイズ(ネットワーク間の距離)を定量的に求めている。但し、実際には、ブラウン運動に起因する緩和時間の測定は多角度で行われ、全ての角度を考慮して拡散係数が算出され、Stokes−Einsteinの式からゲルの網目サイズが求められる。
本実施形態では、このSMILSの原理を細胞診断に応用することで、微細構造が複雑な細胞や生体組織の種別や状態を高精度で測定する。
ここで、細胞には、アクチンフィラメント、中間径フィラメント、及び微小管という3種類の細胞内繊維が存在し、細胞骨格と呼ばれる細胞構造を機械的に維持している。図4は、細胞内の細胞骨格の一例を示す概略図である。図4に示すように、細胞の大きさは、数十μmであるが、細胞内に存在する細胞骨格は拡大してみると、図5及び図6に示すように、数十〜数百nmの大きさの網目構造を持っている。
このため、細胞を動的光散乱法によって観察すると、上述したように、ゲルを観察したときに得られる網目サイズに相当する分布を得ることができると考えられ、この得られた分布は、細胞骨格の網目構造であることが予想される。この場合、細胞骨格の網目構造の分布から、細胞の種類や状態の違いを確認できるので、動的光散乱の原理を細胞評価へ適用することが可能であると言える。
なお、細胞骨格は、組織毎に染色することができ、蛍光顕微鏡で実際に観察することができる。図7〜図9は、本発明者らが微小管を実際に染色して観察した写真を示しており、図7は、血管内皮細胞(HUVEC)の蛍光顕微鏡画像を示し、図8は、子宮頸がん細胞(HeLa)の蛍光顕微鏡画像を示し、図9は、皮膚線維芽細胞(NHDF)の蛍光顕微鏡画像を示す。図7〜図9に示す蛍光顕微鏡画像から明らかなように、微小管は、細胞の種類毎に特徴があり、また、同一種別の細胞であっても、それぞれが特徴的である。更に、同一細胞であっても、細胞内部は時間とともに変化していく。なお、図7〜図9の染色を行った蛍光顕微鏡画像は観察のためだけに例示しただけであり、本実施形態において実際に細胞を測定する際には、細胞を染色する必要はない。
以上より、微細構造が複雑な細胞や生体組織の種別や状態を動的光散乱法により測定する場合、1つの細胞又は生体組織から生じる1回の散乱光を用いるだけでは、測定精度を向上させることはできない。
このため本実施形態では、1つの細胞又は生体組織の同一箇所において、散乱光を複数回生じさせ、この複数回分の散乱光(詳細には、複数回分の散乱光の強度)の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出することで、当該細胞又は生体組織を測定する。これにより、微細構造が複雑な細胞や生体組織を動的光散乱法により測定する場合であっても、当該細胞や生体組織の種別や状態を高精度に測定できる。
特に本実施形態では、種別又は状態が同一の複数の細胞又は生体組織それぞれに対し、上述の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、算出した複数の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を逆ラプラス変換した緩和時間スペクトルを算出することで、当該細胞又は生体組織を測定する。これにより、微細構造が複雑な細胞や生体組織を動的光散乱法により測定する場合であっても、当該細胞や生体組織の種別や状態をより高精度に測定できる。
図10は、本実施形態の情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの制御装置101と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶装置102と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置103と、ディスプレイなどの表示装置104と、マウス、キーボード、又はタッチパネルなどの入力装置105と、通信インタフェースなどの通信装置106とを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
図11は、本実施形態の情報処理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、情報処理装置100は、信号処理部121と、入力部123と、主制御部125と、ステージ制御部127と、照射制御部129と、算出部130と、登録部131と、記憶部133と、同定部135と、を含む。
主制御部125、ステージ制御部127、照射制御部129、算出部130、登録部131、及び同定部135は、例えば、制御装置101及び主記憶装置102により実現でき、記憶部133については、例えば、補助記憶装置103により実現できる。
信号処理部121は、受光器35から出力された光の強度を示す電気信号を処理し、デジタル信号として受信する。信号処理部121は、例えば、プリアンプ−ディスクリミネータやパルス間隔測定器などが挙げられる。
入力部123は、信号処理部121により処理されたデジタル信号を入力するものであり、例えば、情報処理装置100とのインタフェースとしてのデジタル入力回路などが挙げられる。
主制御部125は、ステージ制御部127、照射制御部129、算出部130、登録部131、記憶部133、及び同定部135などを制御する。
ステージ制御部127は、ステージ21の位置を制御する。具体的には、ステージ制御部127は、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、ステージ21の位置を制御する。なお本実施形態では、前述の通り、光学顕微鏡28により拡大された、試料24の様子を示す顕微鏡画像が表示装置104(表示部の一例)に表示されるので、測定者は、当該顕微鏡画像を見ながら、目標箇所にレーザ光を照射できるよう、入力装置105から操作入力を行ってステージ制御部127にステージ21の位置を制御させる。
照射制御部129は、レーザ光を照射する照射系10を制御する。具体的には、照射制御部129は、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、レーザ光源11によるレーザ光の射出(点灯)を制御する。
以下では、まず、未知の細胞又は生体組織を同定するための同定情報を生成する場合の各部の動作について説明する。この場合、試料24には、種別又は状態が既知である所定の細胞又は生体組織が含まれているものとする。以下では、所定の細胞又は生体組織を目標物と称する場合がある。
照射制御部129は、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10を制御し、試料24に含まれる目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射させる。具体的には、照射制御部129が照射系10にレーザ光を照射させる際には、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10から入射されるレーザ光が、目標物の同一箇所に入射されるよう、ステージ制御部127によりステージ21の位置が制御され、照射制御部129は、この状態で、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10にレーザ光を照射させる。この動作が繰り返し行われることで、目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射できる。
なお本実施形態では、目標物は複数あり、照射制御部129は、目標物毎に、当該目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射させる。つまり、照射制御部129は、目標物毎に、上述の動作を行う。なお、複数の目標物は、いずれも、所定の細胞又は生体組織と種別又は状態が同一の細胞又は生体組織である。各目標物は、試料24に含まれていてもよいし、試料24と異なる試料に含まれていてもよい。各目標物が試料24と異なる試料に含まれている場合は、当然、試料24を当該異なる試料に交換してレーザ光の入射が行われる。
光検出系30は、照射系10から照射されたレーザ光が目標物に入射する毎に生じる散乱光を検出する。従って、目標物にレーザ光が複数回入射された場合、光検出系30は、当該複数回分の散乱光を検出する。また本実施形態では、上述の通り、目標物毎に、当該目標物にレーザ光が複数回入射されるので、光検出系30は、目標物毎に、複数回分の散乱光を検出する。
算出部130は、光検出系30により検出される複数回分の散乱光に基づいて、目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。具体的には、算出部130は、光検出系30により検出される複数回分の散乱光の散乱光強度の時間変化から、時間相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
なお、時間平均相関関数−相関時間の緩和情報(緩和データ)の算出については、特開2012−194165号公報に開示されている手法を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
また本実施形態では、上述の通り、光検出系30により、目標物毎に、複数回分の散乱光が検出されるので、算出部130は、目標物毎に、光検出系30により検出される複数回分の散乱光に基づいて、当該目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。つまり、算出部130は、目標物毎に、当該目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
そして算出部130は、算出した複数の目標物それぞれの時間平均相関関数−相関時間の緩和情報に基づいて、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する。具体的には、算出部130は、算出した複数の目標物それぞれの時間平均相関関数−相関時間の緩和情報の時間平均を平均化したアンサンブル平均を求めることにより、複数の目標物のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
なお、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報(緩和データ)、及び緩和時間スペクトルの算出については、特開2012−194165号公報に開示されている手法を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
登録部131は、算出部130により算出された、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を逆ラプラス変換した緩和時間スペクトルを、複数の目標物で共通かつ既知の種別又は状態と対応付けた同定情報を記憶部133に登録する。
このように同定情報は、種別又は状態が共通かつ既知の複数の目標物の緩和時間スペクトルと、当該種別又は状態と、を対応付けた情報であるため、同定情報の緩和時間スペクトルと、種別又は状態が未知の細胞又は生体組織の緩和時間スペクトルとを比較することで、当該種別又は状態が未知の細胞又は生体組織の種別又は状態を同定できる。
次に、未知の細胞又は生体組織を同定する場合の各部の動作について説明する。この場合、試料24には、種別又は状態が未知の細胞又は生体組織が含まれているものとする。以下では、種別又は状態が未知の細胞又は生体組織を同定対象目標物と称する場合がある。
同定対象目標物に対する照射制御部129の動作は、目標物に対する照射制御部129の動作と同様である。つまり、照射制御部129は、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10を制御し、試料24に含まれる同定対象目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射させる。具体的には、照射制御部129が照射系10にレーザ光を照射させる際には、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10から入射されるレーザ光が、同定対象目標物の同一箇所に入射されるよう、ステージ制御部127によりステージ21の位置が制御され、照射制御部129は、この状態で、測定者による入力装置105からの操作入力に基づいて、照射系10にレーザ光を照射させる。この動作が繰り返し行われることで、同定対象目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射できる。
なお目標物の場合と同様に、同定対象目標物は複数あってもよい。この場合、照射制御部129は、同定対象目標物毎に、当該同定対象目標物の同一箇所にレーザ光を複数回入射させる。つまり、照射制御部129は、同定対象目標物毎に、上述の動作を行う。なお、複数の同定対象目標物は、いずれも、上述の種別又は状態が未知の細胞又は生体組織と種別又は状態が同一の細胞又は生体組織である。各同定対象目標物は、試料24に含まれていてもよいし、試料24と異なる試料に含まれていてもよい。各同定対象目標物が試料24と異なる試料に含まれている場合は、当然、試料24を当該異なる試料に交換してレーザ光の入射が行われる。
同定対象目標物に対する光検出系30の動作は、目標物に対する光検出系30の動作と同様である。つまり、光検出系30は、照射系10から照射されたレーザ光が同定対象目標物に入射する毎に生じる散乱光を検出する。従って、同定対象目標物にレーザ光が複数回入射された場合、光検出系30は、当該複数回分の散乱光を検出する。また、上述の通り、同定対象目標物が複数ある場合、同定対象目標物毎に、当該同定対象目標物にレーザ光が複数回入射されるので、光検出系30は、同定対象目標物毎に、複数回分の散乱光を検出する。
算出部130は、光検出系30により検出される複数回分の散乱光に基づいて、同定対象目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する。具体的には、算出部130は、光検出系30により検出される複数回分の散乱光の散乱光強度の時間変化から、時間相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
なお、時間平均相関関数−相関時間の緩和情報(緩和データ)、及び緩和時間スペクトルの算出については、特開2012−194165号公報に開示されている手法を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
また、同定対象目標物が複数ある場合、上述の通り、光検出系30により、同定対象目標物毎に、複数回分の散乱光が検出されるので、算出部130は、同定対象目標物毎に、光検出系30により検出される複数回分の散乱光に基づいて、当該同定対象目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。つまり、算出部130は、同定対象目標物毎に、当該目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
そして算出部130は、算出した複数の同定対象目標物それぞれの時間平均相関関数−相関時間の緩和情報に基づいて、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する。具体的には、算出部130は、算出した複数の同定対象目標物それぞれの時間平均相関関数−相関時間の緩和情報の時間平均を平均化したアンサンブル平均を求めることにより、複数の同定対象目標物のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
なお、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報(緩和データ)、及び緩和時間スペクトルの算出については、特開2012−194165号公報に開示されている手法を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
同定部135は、算出部130により算出された同定対象目標物の緩和時間スペクトルと記憶部133に記憶されている同定情報とを比較し、当該同定対象目標物の種別又は状態を同定する。具体的には、同定部135は、同定対象目標物の種別又は状態を、記憶部133に記憶されている同定情報のうち、算出部130により算出された同定対象目標物の緩和時間スペクトルと一致又は類似(最も類似)する緩和時間スペクトルに対応付けられた種別又は状態に同定する。
(実施例)
実施例では、上記実施形態における具体例として、目標物及び同定対象目標物が細胞である場合について説明する。具体的には、図1に示す情報処理システム1(光学装置)を用いて、皮膚線維芽細胞(NHDF)、子宮頸がん細胞(HeLa)、及び血管内皮細胞(HUVEC)の3種類の細胞それぞれについて、同定情報を登録し、当該3種類の細胞のいずれかである未知の細胞を同定する場合について説明する。
まず、皮膚線維芽細胞(NHDF)、子宮頸がん細胞(HeLa)、及び血管内皮細胞(HUVEC)それぞれについて、実施形態で説明した手法で時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する。
図15〜図24は、それぞれ、同一の皮膚線維芽細胞(NHDF)に対し、10回の測定を連続して行った緩和時間分布関数のグラフを示す図である。
図15〜図24に示すグラフのX軸は、緩和時間τを表し、Y軸は、緩和時間τの分布関数P(τ)を表す。図15〜図24に示すグラフから明らかなとおり、X軸、即ち、緩和時間τの値が10−3秒よりも大きな場合が皮膚線維芽細胞(NHDF)の形状や大きさに起因するピークであると推測できる。なお、これを裏付けるように、緩和時間τの値が10−3秒よりも大きな場合における特徴的なピークは、ほぼ同様な緩和時間τの値にて観測されている。
一方、緩和時間τの値が10−3秒以下の場合、即ち、皮膚線維芽細胞(NHDF)内の細胞骨格の網目構造に起因すると思われるピークは、測定毎に現れる緩和時間τが異なることが分かった。
このように、皮膚線維芽細胞(NHDF)内の細胞骨格の網目構造に起因すると思われるピークは、測定毎に異なるピークを表すが、本発明者らは、統計処理(アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出)することにより、各細胞の状態によって特徴的なピークを抽出可能であることを見出した。
図12は、3つの皮膚線維芽細胞(NHDF)それぞれについて、同一箇所にレーザ光を20回入射させた場合のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。図13は、3つの子宮頸がん細胞(HeLa)それぞれについて、同一箇所にレーザ光を20回入射させた場合のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。図14は、3つの血管内皮細胞(HUVEC)それぞれについて、同一箇所にレーザ光を20回入射させた場合のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和時間分布関数のグラフを示す図である。
図12〜図14に示すグラフのX軸は、緩和時間τを表し、Y軸は、緩和時間τの分布関数P(τ)を表す。図12〜図14に示すグラフから明らかなとおり、いずれの細胞においても、緩和時間τの値が10−3秒以下の場合に特徴的なピークが得られている。
なお、図12〜図14に示す各グラフは、該当する細胞の時間相関関数g(1)(τ)、g(2)(τ)を求めることによって、拡散係数D、緩和時間−粒径分布関数図の複数ピークの相対値などを該当する細胞種に対して求めておき、細胞種又は状態毎に積み上げられ統計化処理されることで求められる。
実施例では、登録部131は、同定情報として、皮膚線維芽細胞(NHDF)については、図12に示すグラフを示す情報を対応付けて記憶部133に登録し、子宮頸がん細胞(HeLa)については、図13に示すグラフを示す情報を対応付けて記憶部133に登録し、血管内皮細胞(HUVEC)については、図14に示すグラフを示す情報を対応付けて記憶部133に登録する。
なお本実施形態では、どの程度統計化処理された同定情報であれば正確な同定を行うために有用であるか(正答率が高いか)を検証するために、時間平均相関関数−相関時間の緩和情報の算出に用いる散乱光強度の数、及びアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報の算出に用いる細胞の数を変えて同定情報を生成し、記憶部133に登録している。
次に、皮膚線維芽細胞(NHDF)、子宮頸がん細胞(HeLa)、及び血管内皮細胞(HUVEC)のいずれかを、種別又は状態が未知の細胞として、実施形態で説明した手法で時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を逆ラプラス変換した緩和時間スペクトルを算出する。
そして同定部135は、種別又は状態が未知の細胞の種別又は状態を、記憶部133に記憶されている同定情報のうち、算出部130により算出された種別又は状態が未知の細胞の緩和時間スペクトルのピーク(緩和時間スペクトルにおける10−3秒以下の緩和時間での相対強度)が一致又は類似(最も類似)する緩和時間スペクトルに対応付けられた種別又は状態に同定する。
この結果、本発明者らは、同定情報を生成する際の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報の算出には、10回分以上の散乱光強度を用いて算出すること、即ち、同一細胞の同一箇所に対し、10回以上レーザ光を入射することで得られる10回分以上の散乱光強度を用いて時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出することが、正確な同定を行うために有用であり(正答率が高く)、安定的で信頼性の高い同定情報を構築できることを見出した。
更に、本発明者らは、同定情報を生成する際のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報の算出には、種別又は状態が同一の3つ以上の細胞の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を用いて算出することが、正確な同定を行うために有用であり(正答率が高く)、安定的で信頼性の高い同定情報を構築できることを見出した。
更に、本発明者らは、種別又は状態が未知の細胞についても、時間平均相関関数−相関時間の緩和情報の算出には、10回分以上の散乱光強度を用いて算出すること、即ち、同一細胞の同一箇所に対し、10回以上レーザ光を入射することで得られる10回分以上の散乱光強度を用いて時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出することが、正確な同定を行うために有用であること(正答率が高いこと)を見出した。
更に、本発明者らは、種別又は状態が未知の細胞についても、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出して同定を行うことが、より正確な同定を行うために有用であること(正答率が高いこと)を見出した。
以上のように本実施形態では、1つの細胞又は生体組織の同一箇所において、散乱光を複数回生じさせ、この複数回分の散乱光(詳細には、複数回分の散乱光の強度)の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出することで、当該細胞又は生体組織を測定する。これにより、微細構造が複雑な細胞や生体組織を動的光散乱法により測定する場合であっても、細胞や生体組織の内部構造の複雑性に起因する過剰な成分や、細胞や生体組織の時間経過に伴い変換する内部構造を正しく評価でき、当該細胞や生体組織の種別や状態を高精度に測定できる。
特に本実施形態では、種別又は状態が同一の複数の細胞又は生体組織それぞれに対し、上述の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、算出した複数の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報のアンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を逆ラプラス変換した緩和時間スペクトルを算出することで、当該細胞又は生体組織を測定する。これにより、微細構造が複雑な細胞や生体組織を動的光散乱法により測定する場合であっても、当該細胞や生体組織の種別や状態をより高精度に測定できる。
また本実施形態では、光学顕微鏡28により拡大された、試料24の様子を示す顕微鏡画像が表示装置104(表示部の一例)に表示されるので、測定者は、当該顕微鏡画像を見ながら、目標箇所にレーザ光を正確に照射することができる。
1 情報処理システム
10 照射系
11 レーザ光源
12 ビームエキスパンダー
13 可変NDフィルタ
14 単焦点レンズ
21 ステージ
22 恒温板
23 サンプルホルダー
24 試料
27 ユニバーサルコンデンサ
28 光学顕微鏡
30 光検出系
31 ハーフミラー
32 偏光フィルタ
33 ピンホール
34 集光レンズ
35 受光器
40 画像センサ
100 情報処理装置
121 信号処理部
123 入力部
125 主制御部
127 ステージ制御部
129 照射制御部
130 算出部
131 登録部
133 記憶部
135 同定部
特開2010−200676号公報

Claims (9)

  1. レーザ光を照射する照射系を制御して、所定の細胞又は生体組織である目標物の同一箇所に前記レーザ光を複数回入射させる照射制御部と、
    前記レーザ光が前記目標物に入射する毎に生じる散乱光を検出する光検出系と、
    前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、前記目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する算出部と、
    を備える情報処理システムであって、
    前記目標物は、複数あり、
    前記複数の目標物は、いずれも、前記所定の細胞又は生体組織と種別又は状態が同一の細胞又は生体組織であり、
    前記照射制御部は、前記目標物毎に、当該目標物の同一箇所に前記レーザ光を複数回入射させ、
    前記算出部は、前記目標物毎に、前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、当該目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した前記複数の目標物それぞれの緩和情報に基づいて、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する、
    前記情報処理システム。
  2. 前記アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を逆ラプラス変換して算出された前記緩和時間スペクトルを、前記複数の目標物で共通かつ既知の前記種別又は状態と対応付けた同定情報を登録する登録部を更に備え、
    前記照射制御部は、前記種別又は状態が未知の細胞又は生体組織である同定対象目標物の同一箇所に、前記レーザ光を複数回入射させ、
    前記算出部は、前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、当該同定対象目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出し、
    前記同定対象目標物の前記緩和時間スペクトルと前記同定情報とを比較し、前記同定対象目標物の種別又は状態を同定する同定部と、
    を更に備える請求項に記載の情報処理システム。
  3. 前記算出部は、前記目標物の前記時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を、前記光検出系により検出される10回分以上の散乱光に基づいて算出する請求項に記載の情報処理システム。
  4. 前記算出部は、前記目標物の前記アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を、3つ以上の前記目標物それぞれの前記時間平均相関関数−相関時間の緩和情報に基づいて算出する請求項に記載の情報処理システム。
  5. 前記同定対象目標物は、複数あり、
    前記複数の同定対象目標物は、いずれも、前記種別又は状態が未知の細胞又は生体組織と種別又は状態が同一の細胞又は生体組織であり、
    前記照射制御部は、前記同定対象目標物毎に、当該同定対象目標物の同一箇所に前記レーザ光を複数回入射させ、
    前記算出部は、前記同定対象目標物毎に、前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、当該同定対象目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した前記複数の同定対象目標物それぞれの緩和情報に基づいて、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する請求項のいずれか1つに記載の情報処理システム。
  6. 前記算出部は、前記同定対象目標物の前記時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を、前記光検出系により検出される10回分以上の散乱光に基づいて算出する請求項のいずれか1つに記載の情報処理システム。
  7. 前記同定部は、前記同定対象目標物の前記緩和時間スペクトルにおける10−3秒以下の緩和時間での相対強度を用いて、前記同定情報と比較し、前記同定対象目標物の種別又は状態を同定する請求項のいずれか1つに記載の情報処理システム。
  8. 前記レーザ光が入射される前記目標物を拡大表示する表示部を更に備える請求項1〜のいずれか1つに記載の情報処理システム。
  9. レーザ光を照射する照射系を制御して、所定の細胞又は生体組織である目標物の同一箇所に前記レーザ光を複数回入射させる照射制御ステップと、
    前記レーザ光が前記目標物に入射する毎に生じる散乱光を検出する光検出ステップと、
    前記光検出ステップにより検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、前記目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出する算出ステップと、
    を含む情報処理方法であって、
    前記目標物は、複数あり、
    前記複数の目標物は、いずれも、前記所定の細胞又は生体組織と種別又は状態が同一の細胞又は生体組織であり、
    前記照射制御ステップは、前記目標物毎に、当該目標物の同一箇所に前記レーザ光を複数回入射させ、
    前記算出ステップは、前記目標物毎に、前記光検出系により検出される前記複数回分の散乱光に基づいて、当該目標物の時間平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した前記複数の目標物それぞれの緩和情報に基づいて、アンサンブル平均相関関数−相関時間の緩和情報を算出し、当該算出した緩和情報を逆ラプラス変換して緩和時間スペクトルを算出する、
    前記情報処理方法。
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