JP6534658B2 - スキャニング顕微鏡、およびスキャニング顕微鏡の点像分布関数(psf)を決定する方法 - Google Patents

スキャニング顕微鏡、およびスキャニング顕微鏡の点像分布関数(psf)を決定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、第1の態様においては、請求項1の序文に係るスキャニング顕微鏡を作動させるため、およびスキャニング顕微鏡により試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数を決定するための方法に関する。
本発明は、第2の態様においては、請求項16の序文に係るスキャニング顕微鏡に関する。
スキャニング顕微鏡を用いて試料の検査をするときの1つの重要な目的は、試料に関する定量情報を判定することにある。このことは、たとえば蛍光分子の空間的な分布、特に蛍光エミッタの個数や密度に当てはまり得る。
蛍光分子または関心の対象となるその他の試料構造から発せられる光強度がしばしば測定され、このような光強度は、関心の対象となる分子の探求される個数または密度に単調依存する。しかし、それによって容易に得られるのは相対的な定量情報でしかない。すなわち、判定された個数や密度が任意の単位で表される。したがって、同一の測定に基づく測定データとの間でしか、定量的な比較を有意義に行うことができない。
蛍光相関顕微鏡法(英語:fluorescence correlation microscopy,FCS)では、相関分析によって蛍光強度のフラクチュエーションが調べられる。それにより、関心の対象となる物質の密度や濃度が任意の単位ではなく物理量として表される、絶対的に定量的な評価が可能である。しかし信頼度の高いデータ解釈のためには、観察される試料容積の、すなわち記録される試料画像の画素の信号に寄与する試料容積の、正確な知見が必要である。
試料検査が行われるときに用いられる点像関数が既知であれば、試料容積を算出することができる。点像分布関数は、点インパルス応答または点拡がり関数(英語:Point Spread Function,PSF)とも呼ばれる。
これ以外の評価方法においても、絶対的に定量的な値を判定するためには検査される試料容積の知見が必要であり、これは、点像分布関数によって実現され得る。
点像分布関数は、顕微鏡の光路にあるすべての素子に左右される。原則として、光路にある各素子の光学パラメータに関する知見によって、理論上のPSFを計算することが可能である。しかし実際のPSFは、たとえば光学素子の製造公差、素子を使用するときの態様、使用される浸漬媒体と、計算で用いられる浸漬媒体との考慮されない差異、光学素子の温度と、計算で仮定される温度との差異などによって、理論上のPSFとは相違する場合がある。
したがって、正確な結果を得ることができるのは、PSFが実験で求められる場合である。そのために、特に、スキャニング顕微鏡の解像度よりも小さい、いわゆるビーズと呼ばれる物体を含んでいる参照資料を検査することができる。PSFの半値幅(FWHM,英語:Full width half maximum)を解像度とみなすことができる。
このような参照測定によって、使用される対物レンズについてのPSFを高い精度で決定することができるものの、実際の試料と結びついている要素、たとえば浸漬媒体やその屈折率の温度依存性などは、それによっては考慮されない。このような温度依存性は、ことさら浸漬媒体としてのオイルでは大きい場合がある。また、使用されるカバーガラスの厚みの相違の可能性も考慮されないままとなる。このことは球面収差につながる場合がある。生じ得るカバーガラスの傾きは、PSFの非点収差やコマ収差につながる場合がある。
計算上のPSFまたは参照測定で判定されるPSFと、現実の試料の検査のための実際のPSFとの誤差は、特に高さ方向で大きくなる場合がある。高さ方向とは、対物レンズから試料へと延びている光学軸の方向を指すものとする。そのために、検出素子を用いて検査される試料容積が、計算上の容積から2倍またはそれ以上相違する場合がある。
以上の理由により、PSFが参照測定から決定されるのではなく、本来の試料での実験で決定されると好ましい。
スキャニング顕微鏡を作動させるため、およびスキャニング顕微鏡によって試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数を決定するための当分野に属する方法は、このような発想に依拠している。このような方法では、試料が少なくとも1つの照明光線によって走査され、照明光線での走査中にスキャニング顕微鏡の検出器装置によって少なくとも1つの試料画像が記録され、少なくとも1つの試料画像から点像分布関数が計算され、該点像分布関数を用いてスキャニング顕微鏡により試料画像が記録されることが意図される。
当分野に属するスキャニング顕微鏡は、少なくとも1つの照明光線を発するための光源装置と、少なくとも1つの照明光線の走査運動を試料にわたって生起するためのスキャン装置と、照明光線による走査中に少なくとも1つの試料画像を記録するための検出器装置と、少なくとも1つの試料画像から、試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数を計算するためにセットアップされた電子式の制御・評価装置とを含んでいる。
公知の方法では、顕微鏡解像度よりも小さいたとえば小球のような参照物体が試料に添加される。この対照物質に関する検出器信号から、試料画像に関するPSFを決定することができる。そのときの欠点は、試料準備の比較的高いコストである。
本発明の課題とみなすことができるのは、顕微鏡使用者に高い準備コストが要求されることなく、スキャニング顕微鏡により試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数の決定が可能であるスキャニング顕微鏡および方法を提供することにある。
この課題は、請求項1の特徴を備える方法、および請求項16の特徴を備えるスキャニング顕微鏡によって解決される。
本発明による方法および本発明によるスキャニング顕微鏡の好ましい変形例は従属請求項の対象となっており、さらには以下の記述の中でも説明される。
上述した種類の方法において、本発明によると、受信部材を備える検出器装置が使用され、隣接する検出器部材の間隔は、試料点が検出器装置で生成するエアリーディスクよりも小さい。本発明によると、試料上での照明光線のそれぞれ異なる位置について受信部材を介して生成される検出器信号が読み出され、それにより試料の走査を通じて、読み出される検出器信号が複数の試料画像を生じさせることが意図される。このとき異なる検出器信号に対して点像分布関数が、照明・点像分布関数と検出・点像分布関数とを通じてそれぞれ定義される。すべての検出器信号に対して、異なる検出器信号について走査運動に基づいてシフトされた1つの一致する照明・点像分布関数が想定される。さらに、すべての検出器信号に関して、各検出器部材の間の空間的なオフセットが考慮された1つの一致する検出・点像分布関数が想定される。さらに複数の試料画像を用いて、照明・点像分布関数と検出・点像分布関数とが計算され、これらを用いて、異なる検出器信号に関する点像分布関数が計算される。
上に述べた種類のスキャニング顕微鏡において、本発明によると、検出器装置は、試料点が検出器装置で生成するエアリーディスクよりも相互の間隔が小さい受信部材を有しており、さらに電子式の制御・評価手段は、受信部材を介して生成される検出器信号をそれぞれ試料上での照明光線の異なる位置について読出し、それにより試料の走査を通じて、読み出される検出器信号が複数の試料画像を提供するようにセットアップされていることが意図される。このとき異なる検出器信号に対する点像分布関数が、照明・点像分布関数と検出・点像分布関数とを通じてそれぞれ定義される。さらに電子式の制御・評価手段は、複数の試料画像を用いて照明・点像分布関数と検出・点像分布関数とを計算し、これを用いて、異なる検出器信号に対する点像分布関数を計算するようにセットアップされており、それは、すべての検出器信号に対して、異なる検出器信号について走査運動に基づいてシフトされた1つの一致する照明・点像分布関数が存在しており、すべての検出器信号に対して、各検出器部材の間の空間的なオフセットが考慮された1つの一致する検出・点像分布関数が存在するという想定のもとにおいてである。
本発明が特に依拠している知見は、試料のいわゆるサブエアリー走査のときに、PSFの正確な計算を可能にする測定情報が生成されるというものである。このような計算には、サブエアリー走査に際してのPSFに関する知見が利用され、特に、PSFがどのようにして照明PSFと検出PSFとから形成されるかが利用される。その根底にある思想について、以下に詳しく説明する。
単一の試料画像が記録される、本発明に基づかない単純な測定では、記録された画像データからPSFを確実に計算することができない。そのような計算はあまりに多くの未知の変数を含んでおり、そのために計算が劣決定となる。
複数の同種類の試料画像が記録されても、その状況に変わりはない。
しかし、複数の試料画像が異なるPSFを用いて記録され、それぞれの試料画像の間のPSFの変化が既知であれば、PSFの計算のために有用である追加の情報が得られる。それこそが、本発明を利用するサブエアリー走査で実現できることに他ならない。
サブエアリー走査の基本は、Sheppard et al.,Optik 80,No.2,53(1982)にまで遡る。本発明ではサブエアリー走査のために、相互の間隔が1エアリーよりも小さい検出器部材を利用することができる。ここで1つのエアリーは、1つの点が検出器装置で検査される試料平面に生成するエアリーディスクの大きさを特徴づける。照明光線の1つの特定の位置について、複数の、特に全部の、検出器部材が読み出される。照明光線の次の位置について、あらためて検出器部材が読み出される。こうして生成される同一の検出器部材の検出器信号は、たとえば合算されるのではない。たしかに、その検出器部材がどの試料領域から光を受信したかを規定する検出PSFは、その検出器部材のすべての検出器信号について同じである。しかしその際に、照明光線が試料にわたって導かれることによって、照明PSFは変化する。着目する検出器部材が主として光を受信する試料点は、照明PSFと検出PSFの積であるPSFすなわち全体PSFに依存する。したがって照明PSFをシフトさせることで、単一の検出器部材によって異なる試料点が順次検査される。このように、走査プロセスが完了したときには、各々の検出器部材が特定の試料領域を検査し終わっている。順次記録された、検出器部材の検出器信号を、試料画像として把握することができる。したがって1回の走査を通じて、検出器部材の数に相当し得る枚数の試料画像が記録される。異なる検出器部材によって検査された試料領域は、互いに大きく重なり合っている。これらの試料画像を相殺することで、個々の試料画像よりも高い解像度、または画質を有する全体画像を計算することができる。
そして本発明の中核的思想は、PSFに関する知見および走査中のPSFの変化に関する知見が利用されるという点に見ることができる。
たしかに、本発明の枠内で記録される試料画像の各々について、PSFはそれぞれ相違している。しかし、その相違に関する正確な情報が存在している。このように、すべての検出器信号が1つの一致する照明PSFに依拠しており、その唯一の相違点は照明PSFのシフトにある。このシフトは照明光線の走査運動に依拠している。それに対して、照明PSFの形状と大きさは変化しないままに保たれる。走査運動はスキャン装置の制御によって設定されるので、高い精度で既知である。したがって、照明PSFのシフトも同じく高い精度で既知である。
同一の検出器部材の順次記録される検出器信号についての検出・点像分布関数は、同一である。異なる検出器部材の検出器信号については、これらはシフトに関してのみ相違している。このシフトは異なる検出器部材の間の間隔に相当している。この間隔は既知であってよく、または、実験で求めることができ、それについては後の変形例に関して説明する。
このようにサブエアリー走査は複数の試料画像をもたらし、その点像分布関数は2つの未知数によってのみ規定され、すなわち、ちょうど1つの照明PSFとちょうど1つの検出PSFによって規定される。
上述したように、それにもかかわらず照明PSFと検出PSFのシフトまたはオフセットによって、各々の試料画像はそれぞれ相違する情報を含んでいる。すなわち、未知の変数の数を増やすことなく、大量の試料画像をそれぞれ異なるPSFで記録することができる。それにより、異なる試料画像の点像分布関数の計算が優決定となるために十分な試料画像を記録することができる。すなわち、点像分布関数の計算の一義的な解を見出すために、絶対に必要である以上の情報が存在する。
その場合、利用者にとってのコストが増えないという利点がある。試料の1回の走査だけで、すでに基本的には十分であり得る。もともとサブエアリー走査では複数の試料画像が記録される。したがって、PSFを計算するために追加の試料測定は必要とされない。さらには特別な試料準備も必要なく、特に、サブエアリーサイズを有する小球の添加が必要ない。
前述した複数の試料画像が1つの全体画像をなすように相殺されるのが好ましく、それにより、全体画像は試料画像のうちの1つに比べて高い解像度を有している。原則として、それぞれの試料画像の平均として全体画像を計算することができる。しかしながら、試料画像からの点像分布関数の計算とともに全体画像が計算されるのが好ましい。すなわち点像分布関数が、全体画像の計算に取り入れられる。計算では、PSFと全体画像とが共通の方程式の決定されるべき2つの関数であってよく、すなわち、これらが一緒に計算される。
以下において、以上に述べたことを1つの実施例について数学的に説明する。
走査中に、本発明ではn個の試料画像が記録される。試料画像は、特に、同一の検出部材によって順次記録される検出器信号を含むことができる。しかしながら、これ以外の仕方で検出器信号を合成して試料画像にし、引き続いて、これから全体画像およびPSFを計算することも原則として可能である。
検出器部材で受信される信号をk=k(s,r)として表記することができる。ここでrはスキャン位置すなわち試料平面における照明スポットの平均位置を表しており、3つの空間方向x,y,zに数値を有するベクトルである。
記号sにより、検出装置の平面における検出器部材のそれぞれの位置によって引き起こされる、スキャン位置に対して存在するシフトが表される。すなわちsは、同じく3つの空間方向s,s,sに数値を有するベクトルである。
記号nは、それぞれのsの値に関して相違する、それぞれ異なる検出器部材を表している。1回の走査プロセス中にrはさまざまな値を通過し、これらの値についてn個の検出器部材がそのつど信号kを記録する。
すると検出器信号k(s,r)は次式によって表すことができる:
k(s,r)=(p×PSF)(s,r) 式(1)
ここでpは試料を特徴づけるものであり、さまざまに異なる試料点が照明時に試料光を検出器装置の方向へどれくらい強くはね返すかを表している。測定方式に応じて、pは反射性、散乱、蛍光体の種類と密度、またはその他の試料特性によって規定されていてよい。たとえばpは蛍光体の位置依存的な密度を表すことができる。pを決定することが全体画像の計算である。
上掲の式において、PSFはPSFを用いた値k(s,r)の測定について特徴づけられており、×はPSFを用いたpのコンボリューションを表している。上掲の式に基づき、コンボリューションの結果は変数(s,r)に依存する。pと点像分布関数PSFとが1つの連立方程式に組み合わされているので、全体画像がPSFと一緒に計算される。
2つの関数pおよびPSFのコンボリューションは、一般に次式により定義される:
(p×PSF)(r):=∫p(r’)PSF(r−r’)dr’ 式(2)
PSFは、照明・点像分布関数PSFexcと、検出・点像分布関数PSFDetとの乗算によって表される。
そして、異なる検出部材についての検出・点像分布関数では、異なる検出部材の相互の相対位置に相当していてsにより表されるシフトだけが変化するという知見が活用される:
PSF(s,r):=PSFexc(r)PSFdet(r+s) 式(3)
したがって、式(1)および(2)により次式が得られる:
k(s,r)=∫p(r’)PSFexc(r−r’)PSFdet(r+s−r’)dr’ 式(3’)
通常、それぞれの検出器部材は1つの平面にあるので、異なるsについてのPSFはz方向で差異を有していない。上掲の式を参照。しかしながら、一般に湾曲した検出器面が使用される場合もあり、それによってz依存性が付け加わる。したがって、結果的に異なる検出器部材についてのPSFdetは、検査される試料面もしくは試料平面の場所に関して区別される。このときシフトs,sおよび場合によりsが存在し、これらは異なる検出器部材の検出器信号について相違しているとともに、同一の検出器部材の複数の検出器信号については等しい。
rの特定の三つ組の数値に関して測定信号kが読み出された後、照明光線の位置rが試料平面で変更される。次いで、次のセットの測定信号kが記録されて読み出される。
走査プロセスが完了すると、n個の試料画像をなすように測定信号が組み合わされる。rおよび/またはsに関して測定値が相違している異なる試料画像に関する点像分布関数を、上掲の式のように、単一のPSFによって表現することができる。この式では1つのPSFはrとsとに依存する。添字またはパラメータとしてrおよびsを含んでいる複数のPSFによる式も、これと同じ意味である。このことはPSFのマトリクス式と呼ぶこともできる。
このように本発明の枠内では、異なる試料画像について相違する、異なる試料画像についてのちょうど1つのPSFという表現も、異なる試料画像についての複数の相違するPSFという表現も、同じ意味で用いられる。重要なのは、いずれのケースでも、異なる試料画像についての1つのPSFまたは複数のPSFが、シフトsならびに照明PSFのシフトrだけを有しているが、それ以外の差異を有していないことである。
上掲の式(3)、(3’)は、n個の補間点における検出・点像分布関数PSFDetを用いての、照明・点像分布関数PSFexcの走査として理解することもできる。このとき補間点の位置は検出器部材の位置によって既知である。検出器部材の数、およびこれに伴って記録される試料画像の数nが多くてもよいので、このことは多くの個数の補間点に相当する。したがって、式(3’)の未知数の正確な計算が可能である。その中でkは測定によって得られ、sは既知であり得る。したがって未知であり計算されるべきなのは、試料情報p、並びに照明・点像分布関数PSFexcおよび検出・点像分布関数PSFdetである。
式(1)を用いて、異なる(r,s)についてのPSFの差異が大きいほど、このような計算をいっそう正確に可能であることを検証することができる。異なる(r,s)についてのPSF(r,s)が同一であったとすると、改善された信号対雑音比をもたらすにすぎない測定反復が行われたことになるにすぎず、点像分布関数を計算するために適した情報利得は得られない。それに対して、異なる(r,s)についてPSFが大きく相違していれば、n個の異なる方程式を得ることができ、これらの方程式からそれぞれ同一のpと同一の照明・点像分布関数および検出・点像分布関数を計算することができる。
この計算は反復式または数値式に行うことができ、それは特に、特定の関数の極値すなわち最小値または最大値が決定されることによる。以下においては変数(r,s)に代えて、下記の式では単一の添字にまとめられているパラメータrおよびsを含む、複数のPSFの式が選択される。
最小化されるべき関数として、マルチフレーム・ブラインド・デコンボリューションでは一般に次の関数を選択することができる:
Figure 0006534658
本発明とは異なる測定であれば、PSFは互いに独立していることになり、すなわち、互いに独立したn個の点像分布関数が存在することになる。したがって、上掲の関数を一義的に最小化するための十分な情報は存在しない。追加的に仮定される特性を用いれば、この場合にも通常は有意義な安定した解を計算することはできる。しかしながら本発明に基づく測定によって少数の式しか未知でなくなり、それにより、試料pと照明・点像分布関数および検出・点像分布関数を正確かつ安定的に計算することができる。
測定データから前述の未知数を決定するために、式(4)とは異なる式を利用することもできる。上に挙げたマルチフレーム・ブラインド・デコンボリューションは、たとえばSroubek et al. in Journal of Physics,Conference Series 124(2008)に記載されている。写真機器の複数の写真を相殺するときにこれを利用することが知られている。これらの写真では、たとえばカメラと写真撮影される物体との間の空気密度のランダムな変動によって、点像分布関数が相違しており、それに対してカメラの光学素子は複数の写真について変化することがなく、したがって点像分布関数に関して差異を生起しない。
より一般的に表現すると、照明・点像分布関数と検出・点像分布関数の計算は、フィット関数が反復式に適合化されることによって行われるのが好ましく、その際にフィット関数は、少なくとも照明・点像分布関数、検出・点像分布関数、異なる検出器信号についての照明・点像分布関数と検出・点像分布関数の間のそれぞれのオフセット、および試料を位置解像式に表す試料関数pに関して記録された試料画像の関係を記述する。
試料関数は、たとえば試料の各々のx,y,z点について、計算によって決定されるべき1つのパラメータすなわち1つの値を含むことができる。それにより、試料関数は求められるべき全体画像を表す。
フィット関数とは、フィット関数が測定データと可能な限り正確に一致するように、値が初期値を起点として変更されるパラメータを含んでいる数学関数であると理解される。
フィット関数は、特に、照明・点像分布関数を記述する、反復式に適合化されるべき式と、検出・点像分布関数を記述する、反復式に適合化されるべき式とを含んでいることができる。
反復式に適合化されるべきこれら両方の式は、それぞれゼルニケ多項式を用いて構成されていてよい。ゼルニケ多項式によって結像収差を容易に推定することができ、それにより実験構造における収差、たとえば試料のカバーガラスの傾きなどを推定することができる。偶関数のゼルニケ多項式は
Figure 0006534658
として表すことができ、奇関数のゼルニケ多項式は
Figure 0006534658
として表すことができ、ここでmおよびnは負ではない整数であり、nはmよりも大きいか、またはこれに等しく、φはアジムス角であり、ρは正規化された半径方向の間隔である。
反復式に決定されるべきパラメータの初期値が、反復式の計算によって求められる値の近くに位置しているほど、反復式の計算がいっそう高速化し、誤差の発生しやすさも減る。したがって、反復式に適合化されるべきこれら両方の式の初期値として、スキャニング顕微鏡の光学結像手段に関する所与の情報を用いて事前に決定された、理論上の照明・点像分布関数と理論上の検出・点像分布関数が適用されるのが好ましい。このような理論上の照明PSFおよび検出PSFの決定は、シミュレーションまたは分析式の計算もしくは反復式の計算を含むことができる。
理論上の照明・点像分布関数と理論上の検出・点像分布関数がスキャニング顕微鏡の光学結像手段に関する所与の情報を用いて決定されると、引き続いて、理論上の照明・点像分布関数と計算上の照明・点像分布関数との間の誤差、ならびに理論上の検出・点像分布関数と計算上の検出・点像分布関数との間の誤差を求めることができる。求められた誤差を基礎として結像収差を特定することができる。そのために、計算されるべき照明PSFと検出PSFをゼルニケ多項式によって表すのが特別に好ましい。これをもとにして、球面収差、コマ収差、または非点収差を容易に読み取ることができ、さらにはこれらが、たとえば浸漬媒体やカバーガラスの取扱などに関わる顕微鏡利用者のミスを示唆することができる。
電子記憶装置に、照明光または試料から発せられる試料光が当たるスキャニング顕微鏡の各部材の取扱に関するユーザーガイドが保存されていてよく、ならびに、さまざまな結像収差に対するユーザーガイドの対応関係が保存されていてよい。そして電子式の評価手段により、特定された結像収差に依存して、それに対応するユーザーガイドを選択して利用者に出力することができる。このようなガイドは、たとえばカバーガラスのアライメントや浸漬媒体の使用法に関わるものであり得る。
スキャニング顕微鏡の結像収差を修正可能であるアダプティブ光学系があるのが好ましい。アダプティブ光学系は、たとえば1つまたは複数の位置調節可能なミラーやレンズを含むことができる。原則として、アダプティブ光学系は手動式に操作されるものであってよい。しかしながら、電子式の制御・評価手段により、特定された結像収差に依存してアダプティブ光学系がスキャニング顕微鏡の結像収差の低減のために位置調節されるのが好ましい。
原則として本発明は、2つの次元について、特に試料への対物レンズの光学軸に対して横向きに延びる両方の横方向についてPSFを求め、それによって全体画像を計算するために適用することができる。このケースでは、従来式の方法に比べて改善された解像度すなわち画像品質で全体画像を計算することができるが、検査された試料容積に関する正確な知見はもたらされない。
したがって、点像分布関数の高さ依存性を判定するためにさらに別の複数の試料画像が記録されて、そこから少なくとも1つの別の全体画像が計算されるのが好ましく、その場合、異なる全体画像に関わる測定は、照明・点像分布関数と検出・点像分布関数との間の高さオフセットに関して相違している。そして複数の全体画像から、点像分布関数の高さ依存性を計算することができる。その際には2つの全体画像があるだけで、点像分布関数の高さ依存性の決定に関して良好な改善を実現することができる。
前述した高さオフセットは、たとえば第1の全体画像のための試料画像の記録後に、照明光の焦点と試料との間で、または試料と検出器装置にはっきり結像される検査平面との間で、相対高さ調節が行われることによって実現することができる。引き続いて試料があらためて少なくとも1つの照明光線により走査され、その際にやはり複数の試料画像が記録されて、第2の全体画像をなすように相殺される。このような焦点の変更は、照明光または試料光が当たる、ただし照明光と試料光が両方とも当たるのではない、光学コンポーネントの位置調節によって行うことができる。
1つの好ましい代替案では、異なる全体画像のための試料画像が記録されるが、その際に、試料、照明光を発する光源装置、または検出器装置の高さ調節が行われない。そのために光源装置は、異なる試料平面と光学的に共役である平面に配置された少なくとも2つの光源ユニットを有することができる。その代替または追加として、そのために検出器装置は、2つの異なる試料平面が結像される2つの検出器領域を含むことができる。後者のケースでは、両方の検出器領域により記録される検出器信号は、それぞれの検出器PSFの高さオフセットに関して相違している。異なる検出器領域として、相違するカメラまたは同一のカメラチップの相並んで位置する検出器部材を使用することができる。
2つの光源ユニットを含む前者のケースでは、第1または第2の光源単位が使用されることによって、高さオフセットにより相違しているがそれ以外の点では同一であり得る2つの照明PSFの間で切換がなされる。両方の光源ユニットが照明光を順次発することができ、その際に検出器装置の同一のカメラによって、両方の全体画像のために必要な試料画像が記録される。あるいは、これらの光源ユニットが同時に照明光線を発することもでき、それは、これらの照明光線をたとえばそれぞれの極性や波長によって区別可能な場合である。それによって試料光を同じく区別することができ、たとえばそれぞれの極性や波長に依存して、検出器領域の決定へと導くことができる。
特に、2つの全体画像の基礎となる試料画像を記録するために2つの検出器領域が利用されれば、第1の全体画像のための試料画像を、第2の全体画像のための試料画像と同時に記録することができるという利点がある。速度のメリットがこれと結びついている。
カラー画像の生成が好ましい。この画像は複数の全体画像から組み合わせることができ、それは、全体画像のために異なる波長領域の照明光で試料の走査が行われる場合、および/または検出器装置によって試料から発せられる異なる波長領域の試料光が測定される場合である。試料の観察可能な構造は光の波長に依存して大幅に相違する可能性があるので、大きな情報利得がカラー画像と結びついている。ただし照明PSFと検出PSFは、波長に対する強い依存性を有していないのが好都合である。したがって、計算されるべき照明・点像分布関数および/または計算されるべき検出・点像分布関数には、照明・点像分布関数および/または検出・点像分布関数の波長依存性を記述するためのパラメータが付け加えられるのが好ましい。このパラメータの値は設定されていてよい。光学素子の波長依存性は、通常、ほぼ既知となっているからである。別案としてパラメータの値は、上に説明した反復式または分析式の計算の枠内で判定することもできる。
検出器部材相互の間隔についての値すなわち相対位置も、固定的に設定されていてよい。それにより、上に掲げた式ではΔx,Δyが固定的に設定される。このことは、決定されるべき未知のパラメータの数を少なく抑えるために好ましい。あるいは別案として、使用されるフィット関数は、検出器部材の相互の配置を記述する、適合化されるべきパラメータを含むこともできる。この配置が決定されることで、特に、試料平面が検出器装置に結像される画像拡大を決定することができ、および/または照明光の走査方向に対して相対的な検出器装置の向きを決定することができる。これらの値をひいては全体画像の計算のために、またはスキャニング顕微鏡の光学素子の調整のために、特に位置決めのために利用することができる。検出器部材の相互の配置は固定的に設定しなくてよい。比較的多い数の試料画像がそれぞれ異なるPSFで記録されることにより、解かれるべき方程式の優決定が引き続き成立するからである。
照明PSFおよび検出PSFの反復式の適合化の関数および/または初期値の設定においては、照明光路と検出光路の大部分が同一の素子を介して延びていることを利用することができる。蛍光測定では、主な差異は照明光と試料光の異なる波長にある。このような差異を、照明PSFと検出PSFに関する設定のために利用することができる。
本発明のサブエアリー走査のために、検出器部材の読出しから検出器部材の次の読出しまでに、光源点が試料平面で生成するエアリーディスクの大きさよりも短い区間だけ、試料平面で照明光線が動かされることが意図されるのが好ましい。その際には、照明光線をスキャン装置により連続的または段階的に動かすことができる。
照明光線を生成するための光源装置は、1つまたは複数の光源ユニット、特にレーザまたはLEDを含むことができる。
検出器装置は、少なくとも1つの次元で、好ましくは2つの次元で、試料画像を記録できるのであれば、原則として任意の形式であってよい。さらにその検出器部材は、隣接する検出器部材が、隣接する検出器部材の中心点の間で測定されていてよい1エアリーよりも短い間隔を有するように、互いに近接して配置されていなければならない。そのために各々の検出器部材は、感光性部材へ、たとえばカメラチップのピクセルや光電子増倍管(フォトマルチプライヤー、PMT、英語:photo multiplier tube)へ試料光を伝える光ファイバを含むことができる。原則としてカメラチップのどのような感光性部材でも、光ファイバを使用することなく検出器部材にすることができる。さらに、検出器装置が複数のカメラを含むこともできる。
検出器装置によって測定されるべき試料光は、照明光で試料が照射された結果として試料から検出器装置の方向へ出される光である。試料光は測定方式に応じて、蛍光光またはその他のルミネセンス光を含むことができ、あるいは反射もしくは散乱した照明光であってもよい。
本発明の1つの好ましい変形例では、計算上の点像分布関数を用いて、全体画像の画素を規定する測定領域のサイズが計算される。上述の測定領域は、測定面あるいは測定容積であってよい。
このとき、全体画像の絶対的に定量的な評価が可能になるという利点がある。たとえば異なる測定領域における1つまたは複数の物質の絶対濃度を、測定領域の計算された諸量を利用した上で計算することができる。そのために事前に保存される情報としては、着目する物質の基準分子数または基準密度について測定信号がどれだけ大きいかが必要であるにすぎない。この基準値が、判定された全体画像の画素の値と比較されることによって、当該画素の測定領域について、着目する物質の分子の密度または総数を判定することができる。
従来式の方法と比べたとき、本発明では、異なる試料画像がどのように相互に関連しているかの情報が活用されるので、複数の試料画像からの全体画像の計算が、改善された画像品質、すなわちいっそう高い解像度をもたらす。それにより、これらの試料画像の記録の基礎となる点像分布関数を特別に正確に求めることができ、改善された画像品質がこれと結びついている。さらに点像分布関数の正確な知見は、検査される試料領域の正確なサイズ決定を可能にする。

Claims (15)

  1. スキャニング顕微鏡を作動させるため、および前記スキャニング顕微鏡により試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数を決定するための方法であって、
    試料が少なくとも1つの照明光線で走査され、
    照明光線による走査中に前記スキャニング顕微鏡の検出器装置によって少なくとも1つの試料画像が記録され、
    少なくとも1つの試料画像から点像分布関数が計算され、該点像分布関数を用いて前記スキャニング顕微鏡により試料画像が記録される方法において、
    前記検出器装置は複数の検出器部材を有しており、該検出器部材の相互の間隔は試料点が前記検出器装置で生成するエアリーディスクよりも小さくなっており、
    試料上での照明光線のそれぞれ異なる位置について、前記検出器部材を介して生成される検出器信号が読み出され、それにより試料の走査を通じて、読み出される検出器信号が複数の試料画像を生じさせ、
    複数の試料画像を用いて、フィット関数を反復式に適合化することによって照明・点像分布関数と検出・点像分布関数と計算し、
    前記検出・点像分布関数は、前記検出器部材がどの試料領域から光を受信したかを規定し、同一の検出器部材の順次記録される検出器信号については同一であり、異なる検出器部材の検出器信号についてはシフトに関してのみ相違し、前記シフトは異なる検出器部材の間の間隔に相当し、
    前記照明・点像分布関数は、異なる試料点に対して、前記照明光線の走査動作に応じたシフトによってのみ異なり、
    前記フィット関数は、前記照明・点像分布関数、前記検出・点像分布関数、異なる検出器信号についての照明・点像分布関数と検出・点像分布関数との間のそれぞれのオフセット、および、試料を位置解像式に表す試料関数に対する、記録された試料画像の関係を記述し、
    計算された前記照明・点像分布関数と前記検出・点像分布関数とを用いて異なる検出器信号に関する点像分布関数を計算する、ことを特徴とする方法。
  2. 点像分布関数の計算とともに各試料画像から全体画像が計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 計算された点像分布関数を用いて、全体画像の画素を規定する測定領域のサイズが計算されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記フィット関数は、照明・点像分布関数を記述する、反復式に適合化されるべき式と、検出・点像分布関数を記述する、反復式に適合化されるべき式とを含んでいることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  5. 反復式に適合化されるべき両方の前記式はそれぞれゼルニケ多項式によって形成されていることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 反復式に適合化されるべき両方の前記式についての初期値として、前記スキャニング顕微鏡の光学的な結像手段に関する所与の情報を用いて事前に決定された理論上の照明・点像分布関数および理論上の検出・点像分布関数が利用されることを特徴とする、請求項5またはに記載の方法。
  7. 理論上の照明・点像分布関数および理論上の検出・点像分布関数は前記スキャニング顕微鏡の光学的な結像手段に関する所与の情報を用いて決定され、
    計算上の照明・点像分布関数に対する理論上の照明・点像分布関数の差異、および計算上の検出・点像分布関数に対する理論上の検出・点像分布関数の差異が求められ、
    求められた前記差異を基礎として結像収差が特定されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  8. 電子式の記憶装置に、照明光または試料から発せられる試料光が当たる前記スキャニング顕微鏡の各部材の取扱に関するユーザーガイドが保存されており、
    さまざまな結像収差に対するユーザーガイドの対応関係が保存されており、
    前記電子式の評価手段により、特定された結像収差に依存して、それに対応するユーザーガイドが選択されて利用者に出力されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. アダプティブ光学系によって前記スキャニング顕微鏡の結像収差を修正可能であり、
    電子式の制御・評価装置により、特定された結像収差に依存して、前記アダプティブ光学系が前記スキャニング顕微鏡の結像収差を低減するために位置調節されることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  10. 点像分布関数の高さ依存性を判定するためにさらに別の複数の試料画像が記録されて、そこから少なくとも1つの別の全体画像が計算され、
    異なる全体画像に関わる測定は照明・点像分布関数と検出・点像分布関数との間の高さオフセットに関して相違しており、
    複数の全体画像から点像分布関数の高さ依存性が計算されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  11. 試料、照明光を発する光源装置、または前記検出器装置の高さ調節が行われずに、異なる全体画像のための試料画像が記録され、そのために、
    前記光源装置は異なる試料平面と光学的に共役である平面に配置された少なくとも2つの光源ユニットを有しており、および/または
    前記検出器装置は2つの異なる試料平面が結像される2つの検出器領域を含んでいることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記異なる全体画像のうちの第1の全体画像のための試料画像は前記異なる全体画像のうちの第2の全体画像のための試料画像と同時に記録されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 異なる波長領域の照明光によって試料の走査がそのつど実行され、および/または試料から発せられる異なる波長領域の試料光が前記検出器装置によって測定され、
    計算されるべき照明・点像分布関数および/または計算されるべき検出・点像分布関数は、照明・点像分布関数および/または検出・点像分布関数の波長依存性を記述するためのパラメータを含んでいることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. フィット関数は出器要素の相互の配置を記述する適合化されるべきパラメータを決定するため、および/または、照明光の走査方向に対して相対的な前記検出器装置の向きを決定するためのパラメータを含むことを特徴とする、請求項乃至13のいずれかに記載の方法。
  15. スキャニング顕微鏡であって、
    少なくとも1つの照明光線を発するための光源装置と、
    少なくとも1つの照明光線の走査運動を試料にわたって生起するためのスキャン装置と、照明光線による走査中に少なくとも1つの試料画像を記録するための検出器装置と、
    少なくとも1つの試料画像から、試料画像が記録されるときに用いられる点像分布関数を計算するためにセットアップされた電子式の制御・評価装置とを有しているスキャニング顕微鏡において、
    前記検出器装置は検出器部材を有し、前記検出器部材の相互の間隔は試料点が前記検出器装置で生成するエアリーディスクよりも小さくなっており、
    さらに前記電子式の制御・評価手段は、試料上での照明光線のそれぞれ異なる位置について前記検出器部材を介して生成される検出器信号を読み出すようにセットアップされており、それにより試料の走査を通じて読み出される検出器信号が複数の試料画像を生じさせ
    前記電子式の制御・評価手段は、複数の試料画像を用いて、フィット関数を反復式に適合化することによって照明・点像分布関数と検出・点像分布関数とを計算し、これらを用いて異なる検出器信号に関する点像分布関数を計算するようにセットアップされており、
    前記検出・点像分布関数は、前記検出器部材がどの試料領域から光を受信したかを規定し、同一の検出器部材の順次記録される検出器信号については同一であり、異なる検出器部材の検出器信号についてはシフトに関してのみ相違し、前記シフトは異なる検出器部材の間の間隔に相当し、
    前記照明・点像分布関数は、異なる試料点に対して、前記照明光線の走査動作に応じたシフトによってのみ異なり、
    前記フィット関数は、前記照明・点像分布関数、前記検出・点像分布関数、異なる検出器信号についての照明・点像分布関数と検出・点像分布関数との間のそれぞれのオフセット、および、試料を位置解像式に表す試料関数に対する、記録された試料画像の関係を記述していることを特徴とするスキャニング顕微鏡。
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