JP6808161B2 - 双方向クラッチ - Google Patents

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本発明は、双方向クラッチに関するものである。
特許文献1には、駆動側である入力側からの双方向の駆動力が従動側である出力側に伝達され、出力側からの回転力は入力側に伝達されないようになっている双方向クラッチ(逆入力遮断クラッチ)が開示されている。この逆入力遮断クラッチでは、従動側回転体に回転力が与えられたときに従動側回転体とハウジングとの間に位置する転動部材が出力部材とハウジングとの間に食い込むように動作することでロック状態となり、出力部材を回転させないようにしている。
特許第5185209号公報
ところで、特許文献1で開示される逆入力遮断クラッチでは、入力部材及び出力部材の中心軸線方向の押圧力を転動部材に付与する環状のバネ部材がハウジング側壁部又は蓋部と転動部材との間に設けられ、この構造によって転動部材の食い込み動作に遅れが生じることを抑えている。
しかし、特許文献1で開示される逆入力遮断クラッチの構造は、転動部材の軸方向の移動を規制するものの、周方向への規制を確実に行うことができず、ロックのタイミングがずれやすいという問題がある。また、この構造では、入力部材に入力トルクが加えられて正常回転する時に、常に転動部材の一端がバネ部材に接触しながら摺動するため、転動部材に一定の押圧力を継続的に付与することが難しく、安定した状態で回転しにくいという問題もある。さらに、この構造では、転動部材が摩耗変形しやすく、しかもバネ部材の押圧力が均一になりにくいため、従動側回転体に回転力が与えられてロック状態となったとき、駆動側回転体を回転させることでロック状態を解除することができるものの、ロック状態を解除する始動時に引っ掛かりを感じてスムーズに動作しないという不具合があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ロック動作及びロック解除動作をよりスムーズに行い得る双方向クラッチを、より簡単に且つコストを抑えた構造で実現することを目的とする。
本発明の双方向クラッチは、
入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする双方向クラッチであって、
一方側が開放し他方側には中央部に貫通孔が形成された底部が設けられる有底筒状のハウジング部材と、前記ハウジング部材の一方側を閉鎖するように配置され且つ中央部に貫通孔が形成された蓋部材と、を備えるハウジングと、
前記ハウジング内に収納され前記ハウジング部材または前記蓋部材の一方の貫通孔から臨み回転力が入力される回転軸部と、前記回転軸部と一体的に形成されるとともに前記回転軸部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する入力係合部が周方向に所定間隔をあけて複数配置される駆動回転体と、
前記駆動回転体の回転軸線周りに回転するとともに前記ハウジング部材または前記蓋部材の他方の貫通孔から臨む回転中心部と、前記回転中心部と一体的に構成されるとともに前記回転中心部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する出力係合部とを備え、前記出力係合部が前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に配置され且つ前記駆動回転体の回転時に各々の前記出力係合部が前記入力係合部と周方向に係合する従動回転体と、
前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記従動回転体の前記出力係合部との間に配置されるとともに前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に位置する転動部材と、
前記転動部材に対応して設けられるとともに複数の前記入力係合部の間に周方向に接触可能に配置される押え部を備え、前記押え部が前記蓋部材又は前記底部のいずれか一方と前記転動部材との間に位置して配置される規制部材と、
を有し、
前記駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた前記駆動回転体の回転に伴って前記入力係合部が前記従動回転体及び前記転動部材とともに前記規制部材を回転させ、
前記従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、前記押え部の押圧によって位置保持される前記転動部材に対して前記出力係合部が相対移動し、前記転動部材が前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記出力係合部の先端面との間に食い込むことにより前記従動回転体の回転を規制し、逆入力トルクが前記駆動回転体に伝達されることを遮断する。
本発明の双方向クラッチは、駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた駆動回転体の回転に伴って複数の入力係合部が従動回転体及び転動部材とともに規制部材を回転させる。一方、従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、押え部の押圧によって位置保持される転動部材に対して出力係合部が相対移動し、転動部材がハウジング部材の円筒状の内壁面と出力係合部の先端面との間に食い込むことにより従動回転体の回転を規制し、逆入力トルクが駆動回転体に伝達されることを遮断する。
このように、本発明の双方向クラッチは、駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合に、この入力トルクを従動回転体に伝達することができ、従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、逆入力トルクが駆動回転体に伝達されることを遮断することができる。更に、規制部材が設けられ、従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、押え部の押圧によって位置保持される転動部材に対して出力係合部が相対移動し、転動部材がハウジング部材の円筒状の内壁面と出力係合部の先端面との間に食い込むように動作する。このように押え部によって転動部材の周方向の相対移動を安定的に規制しながら出力係合部を相対移動させ、転動部材を食い込ませることができるため、ロック状態となるタイミングがばらつきにくくなる。しかも、駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた駆動回転体の回転に伴って入力係合部が従動回転体及び転動部材とともに規制部材を回転させるため、正常回転時に転動部材が擦れながら動くことを確実に抑えることができ、安定的且つスムーズな回転が可能となる。さらに、転動部材の摩耗によるばらつきやがたつきの発生を防止して、安定的且つスムーズな回転を維持することができる。また、ロック状態となった後に駆動回転体を回転させてロック状態を解除する場合、入力係合部を押え部と共に回転させて転動部材を移動させることができるため、ロック解除に伴う転動部材の移動時に押え部に引っ掛かるような違和感が生じにくくなり、よりスムーズな動作でロック状態を解除することができる。
本発明の双方向クラッチは、押え部において転動部材に接触する側とは反対側の面に、蓋部材又は底部のいずれかに対し非接触で対向する非接触対向部と、非接触対向部から突出するとともに端部が蓋部材又は底部のいずれかと接触する突起部とが設けられていてもよい。
このように、押え部において転動部材に接触する側とは反対側の面の一部が突起部として突出し、この突起部の端部が蓋部材又は底部のいずれかと接触する構造であれば、押さえ部が転動部材に対する押圧力を発揮する構造としつつ、転動部材との接触面積を低減することができる。よって正常回転時に規制部材が回転する際に蓋部材又は底部との間での摩擦力が低減され、よりスムーズに回転するようになる。
突起部は、駆動回転体の回転軸線を中心とした円弧状に形成されていてもよい。
このように突起部を構成することで、周方向の接触面積を確保して安定化を図りつつ、半径方向の接触面積を抑えて回転時の摩擦力の低減を図ることができる。
突起部は、押え部においてハウジング部材の内壁面側に形成されていてもよい。
このように突起部を構成すると、押え部に対し、より外側の位置で蓋部材又は底部からの力が付加されることになり、押え部による転動部材の押圧効果が高まる。特に駆動回転体に対して入力トルクが加えられた回転時には、転動部材が遠心力等により内壁面側に移動しようとするのを制御することができ、転動部材の摩耗やハウジング部材の内側壁との接触異音を軽減することができる。ひいては、転動部材の摩耗によるばらつきを防ぐことができ、安定した回転を維持することができる。
押え部において転動部材に接触する押え面は、凹面状に形成されていてもよい。
このように押え面を構成すると、転動部材が押え面によってより確実に押され易くなり、転動部材の位置を保持する効果を一層高めることができる。また、凹面状の端部をハウジング部材の内壁面側とすることで、転動部材のハウジング部材の内壁面側への移動を抑制することができ、ロック時の過剰な食い込みを防ぐことができる。
図1(A)は、第1実施形態に係る双方向クラッチを概略的に例示する斜視図であり、図1(B)は、図1(A)とは異なる方向から見た斜視図である。 図2(A)は、図1の双方向クラッチを概略的に例示する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A断面図である。 図3は、図1の双方向クラッチの分解斜視図である。 図4は、図1の双方向クラッチを図3とは異なる方向から見た分解斜視図である。 図5(A)は、転動部材が食い込んでいない状態(非ロック状態)のときの図1の双方向クラッチを、蓋部材を省略して示す平面図であり、図5(B)は、図5(A)の状態から駆動回転体に回転操作が加えられた状態の平面図である。 図6(A)は、図5(A)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図であり、図6(B)は、図5(B)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図である。 図7は、図6(A)の状態から従動回転体に回転操作が加えられてロック状態となったときの双方向クラッチを、蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図である。 図8(A)は、図7の状態から駆動回転体に回転操作が加えられてロック状態の解除が開始するときの双方向クラッチを、蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図であり、図8(B)は、図8(A)の状態から更に駆動回転体に回転操作が加えられてロック状態が解除されたときの双方向クラッチを、蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図である。 図9(A)は、第2実施形態の双方向クラッチを概略的に例示する平面図であり、図9(B)は、図9(A)のB−B断面図である。 図10は、図9の双方向クラッチの分解斜視図である。 図11は、図9の双方向クラッチを図10とは異なる方向から見た分解斜視図である。 図12(A)は、転動部材が食い込んでいない状態(非ロック状態)のときの図9の双方向クラッチを、蓋部材を省略して示す平面図であり、図12(B)は、図12(A)の状態から駆動回転体に回転操作が加えられた状態の平面図である。 図13(A)は、図12(A)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図であり、図13(B)は、図12(B)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図である。 図14は、図12(B)の状態から更に駆動回転体に回転操作が加えられて転動部材の移動が開始するときの双方向クラッチを、蓋部材を省略して示す平面図である。 図15は、第3実施形態の双方向クラッチの分解斜視図である。 図16は、図15の双方向クラッチを図15とは異なる方向から見た分解斜視図である。 図17(A)は、転動部材が食い込んでいない状態(非ロック状態)のときの第3実施形態の双方向クラッチを、蓋部材を省略して示す平面図であり、図17(B)は、図17(A)の状態から駆動回転体に回転操作が加えられた状態の平面図である。 図18(A)は、図17(A)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図であり、図18(B)は、図17(B)の状態のときの双方向クラッチを蓋部材及び規制部材を省略して示す平面図である。 図19は、図17(B)の状態から更に駆動回転体に回転操作が加えられて転動部材の移動が開始するときの双方向クラッチを、蓋部材を省略して示す平面図である。 図20(A)は、規制部材の別例1を示す平面図であり、図20(B)は、規制部材の別例2を示す平面図であり、図20(C)は、規制部材の別例3を示す平面図である。 図21は、別例4の規制部材を用いた双方向クラッチを概略的に示す断面図である。 図22は、駆動回転体の別例を示す平面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る双方向クラッチについて図面を参照して説明する。
図1(A)(B)で示す双方向クラッチ1は、図1(B)に示す入力側に加えられる入力トルクを図1(A)に示す出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクを入力側に伝達しないように遮断する逆入力遮断クラッチとして構成されている。双方向クラッチ1は、図2(A)において時計回り及び反時計回りに逆入力トルクが加えられる場合には回転が制御され、図1(B)に示す入力側から時計回り及び反時計回りに入力トルクが加えられる場合には、出力側への動力伝達がなされるようになっており、双方向の回転動作で動力伝達を行い得る。
図2(B)、図3、図4で示すように、双方向クラッチ1は、主に、ハウジング3、駆動回転体40、従動回転体60、転動部材5、規制部材80などを備え、駆動回転体40、従動回転体60、転動部材5、規制部材80がハウジング3内で変位し得る構成をなす。
なお、本構成では、駆動回転体40の回転軸線の方向と従動回転体60の回転軸線の方向が一致しており、図2等では、これを回転軸線X1として示す。また、以下では、駆動回転体40及び従動回転体60の回転軸線X1の方向を回転軸線方向又は単に軸線方向ともいう。また、この回転軸線方向と直交する方向を半径方向又は放射方向ともいう。
図2(B)、図3、図4で示すように、ハウジング3は、ハウジング部材10と蓋部材20とを備えた円筒状のケース体として構成されている。ハウジング部材10は、一方側が開放し他方側に底部16が設けられた有底筒状の形態をなし、底部16の中央部に貫通孔16Aが形成された構成をなす。蓋部材20は、ハウジング部材10の一方側を閉鎖するように配置され且つ中央部に貫通孔22が形成されている。
図2(B)、図3、図4で示すように、ハウジング部材10は、有底筒状形態をなす外ケース12と、この外ケース12の内周部に嵌合する内ケース14とを備える。
外ケース12は、例えば樹脂材料によって構成されており、円筒状に構成された円筒状部15と、円筒状部15の一方側の端部に一体的に連結された円板状の底部16とを備えている。円筒状部15の他方側の端部は開口端として構成されており、ハウジング部材10の開放側の端部を構成する。
図1、図2のように、円筒状部15における開口端寄りの部分には、周方向両側が切り溝により弾性変形し得る爪片17が複数位置に形成されている。これら爪片17は、円筒状部15の外周部における軸線方向中心部付近を基端部として開口端側に向かって片持ち状に延びており、先端部には、回転軸線X1側に向かって凸となる爪部17Aが形成されている。爪片17は、先端側が弾性的に撓み変形可能とされており、例えば、爪片17に外部からの押圧力が加えられていない自然状態のときには図1等で示す位置付近で維持され、この位置から爪片17を変位させたときには、図1等で示す位置付近に戻ろうとする弾性復帰力が生じるようになっている。これら爪片17の爪部17Aは、後述する蓋部材20の係止凸部24と係止するように機能する。
図2(B)、図3、図4で示す内ケース14は、例えば耐摩耗性に優れた金属材料によって構成されている。内ケース14は、円筒状部15よりも径の小さい円筒部材として構成されており、内壁面14Aも外壁面14Bも所定中心線を中心とする円筒面として構成されている。内ケース14は、外ケース12の内周部に嵌り込むように例えば圧入によって固定されている。図2(B)のように、内ケース14の一方側の端面は、外ケース12における円筒状部15の内周部に形成された段差部15Aによって支持されており内ケース14の軸線方向一方側への移動は段差部15Aによって規制される。
図1〜図4で示す蓋部材20は、例えば樹脂材料によって構成されており、図2(B)のようにハウジング部材10の開口部(円筒状部15の開口端)に嵌り合うように固定され、ハウジング部材10の開口部を閉塞するように機能する。図3、図4のように、蓋部材20は、全体として所定の厚みを有する円板状に構成され、ハウジング3の内部側の板面の外縁部付近には、内部側(軸線方向一方側)に突出する凸部26が複数位置に形成されている。そして、これら凸部26の端部が図2(B)のように内ケース14の他端部(軸線方向において底部16側とは反対側の端部)に当接するように支持され、これにより蓋部材20の内部側(軸線方向一方側)への移動が規制される。更に、蓋部材20の周縁部には、蓋部材20の円筒状の外周面23よりも外側に張り出す係止凸部24が爪片17の各爪部17Aに対応して複数位置に形成されており、図2(B)のように、これら係止凸部24が外ケース12に形成された複数の爪片17の各爪部17Aに引っ掛かることで蓋部材20の離脱方向の移動が規制されるようになっている。このように、蓋部材20をハウジング部材10の開放側の端部を閉じるように押し込むだけの簡単操作で、爪片17が外方に撓んで爪部17Aと係止凸部24が係止する形でハウジング部材10と蓋部材20とが一体的に固定されている。
図2(B)、図3、図4で示すように、駆動回転体40は、一部がハウジング3内に収納されるとともにハウジング部材10の底部16の貫通孔16Aから臨み回転力が入力される円柱状の回転軸部42と、回転軸部42から半径方向に張り出す円板状のフランジ部43を備え、回転軸部42に固定または回転軸部42と一体的に形成されるとともに回転軸部42の回転軸線X1に対して放射方向に位置し、フランジ部43の一方の板面側から回転軸線方向に所定の厚みを有するように突出する複数(実施例では5個)の入力係合部44とを備える。回転軸部42は、外部から回転力が入力される部分であり、例えば、回転軸部42にモータ等のアクチュエータの回転軸が連結されている場合、このアクチュエータによる駆動トルクが回転軸部42に入力され、回転軸部42は入力側の駆動軸として機能する。複数の入力係合部44は回転軸部42と一体的に構成されており、図6のように、それぞれが周方向に所定間隔で配置されている。また、フランジ部43の他方の板面側の周縁には図2(B)、図4に示すようにリブ45が周設されており、駆動回転体40が回転する際にハウジング3(外ケース12)の底部16と摺接する摩擦力を軽減するようにしている。
図2(B)、図3、図4で示すように、駆動回転体40のそれぞれの入力係合部44は、同じ形状をしており回転軸部42からハウジング部材10の内壁面側に向かうに従い漸次高くなる段状に形成され、回転軸部42に最も近い段部50の周方向の側面50Aは従動回転体60と係合する係合面となっている。二段目の段部51は後述する規制部材80の外縁部(具体的には周方向における押え部82の間の外縁部)の板面と対向位置して、三段目の段部52の段差面が規制部材80の外縁部と接触する位置又は僅かに離れた位置に対向するように設けられる。また、段部51は、図3に示すように段部52の段差面から回転軸線方向に形成される溝により対で構成されており、転動部材5と略同じ高さとしている。段部52は、規制部材80に対して相対変位したときに周方向の両側面52Aが規制部材80の押え部82と接触し得る部分である。また、段部51の周方向の側面51Aは、回転時に転動部材5と接触し得る部分であり、転動部材5の軸芯に向かう押圧力を与える側面を押すように形成されている。本構成では、段部51と段部52の周方向の側面51A,52Aがそれぞれ面一になっている。また、段部51と段部52の周方向の側面51A,52Aは、回転軸線X1を通過(縦断)する断面と同一面とし、段部50の周方向の側面50Aは、段部51と段部52の周方向の側面51A,52Aを内方に屈曲させており、入力係合部44は平面視して略弾丸形としている。つまり、各入力係合部44の周方向両側のそれぞれの位置において、段部51及び段部52の側面51A,52Aが回転軸線X1を通る仮想平面上に位置する形で連続的な面となっている。そして、各入力係合部44において段部50の周方向両側に配置される各々の側面50Aはいずれも、回転軸線X1に対して略平行に配置されるとともに隣接する側面51A,52Aに対して傾斜した角度で配置され、回転軸線X1側に近づくにつれ、隣接する側面51A,52Aを通る仮想平面から離れるように内向きに配置される。このように構成された各入力係合部44はいずれも、回転軸線X1に近づくにつれて幅が狭くなる先細り形状となっており、段部51及び段部52が設けられた位置における先細り度合い(回転軸線X1に近づくにつれて幅が狭くなる度合い)よりも、段部50が設けられた位置における先細り度合いのほうが大きくなっている。つまり、段部50側のほうが、より急激に幅が狭くなる形状となっている。なお、駆動回転体40のフランジ部43の外径(入力係合部44の外周部)は、ハウジング部材10(内ケース14)の内径より若干小径に形成されており、入力係合部44の段部52の円弧状の外壁面と内ケース14の内壁面14Aとの間に僅かな隙間が存するように位置する。なお、段部50及び段部51を段状に形成するとともに、段部51に溝を形成することにより、駆動回転体40を軽量化するようにして、回転負荷の減少や材料コストの低減に寄与するようにしたが、段部50を段部51と同一高さとしてもよい。
図2(B)、図3、図4で示すように、従動回転体60は、駆動回転体40の回転軸線方向一方側に配置されるとともに駆動回転体40の回転軸線X1に沿った回転軸線周りに回転するとともに蓋部材20の貫通孔22から臨む回転中心部62と、回転中心部62と一体的に構成されるとともに回転中心部62の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向及び周方向に所定の厚みを有する複数(実施例では5個)の出力係合部64とを備える。回転中心部62は出力側の駆動軸として機能する。回転中心部62の一端部側は、規制部材80の嵌合部80Bに挿入された形でハウジング3の外部に露出しており、回転中心部62の他端部68は、駆動回転体40のフランジ部43の中央部に形成された穴部43Aに嵌り込んでいる。穴部43Aの中心及び回転中心部62の中心はいずれも回転軸線X1の位置となっており、穴部43Aは、回転中心部62を回転軸線X1周りに回動可能に支持する軸受として機能する。複数の出力係合部64は回転中心部62と一体的に構成されており、それぞれが周方向に等間隔で配置されている。出力係合部64は転動部材5と略同じ高さを有し、周方向の側面はそれぞれ平行面としており、図6のように、各々の出力係合部64が駆動回転体40の複数の入力係合部44の間にそれぞれ配置され且つ駆動回転体40の回転時に各々の出力係合部64が各々の入力係合部44の段部50(側面50A)と周方向に係合する。出力係合部64の先端部の端面(転動部材5との対向面)は、回転軸線X1側に凹む湾曲面(具体的には、回転軸線X1と平行な所定軸線を中心とする円筒面の一部)として構成されており、転動部材5の外周面よりも曲率の大きい湾曲面となっている。つまり、出力係合部64の先端面は、幅方向(周方向)中心部の位置が内壁面14Aから最も遠く、幅方向中心部の位置から幅方向両端側に近づくにつれて内壁面14Aまでの距離が近くなるような湾曲面となっている。なお、出力係合部64の先端部の端面は、V字状あるいは平坦面であってもよく、従動回転体60が回転するとハウジング部材10(内ケース14)の内壁面(内壁面14A)と先端部の端面との距離が小さくなる形状であればよい。
図2(B)、図3、図4、図6で示すように、複数(実施例では5個)の転動部材5は、例えば耐摩耗性に優れた金属材料のピンによって構成されており、ハウジング部材10の円筒状の内壁面14Aと従動回転体60の各々の出力係合部64との間にそれぞれ配置されるとともに駆動回転体40の複数の入力係合部44の間にそれぞれが位置する構成をなす。転動部材5は、円柱体として構成されており、図2、図6のように、転動部材5の軸方向が回転軸線X1の方向とほぼ平行となるように配置される。そして、転動部材5の外周面が出力係合部64の半径方向の端面及び内ケース14の内壁面14Aにそれぞれ接触し得るように対向して配置されている。つまり、転動部材5は、駆動回転体40のフランジ部43上に位置して、対向する入力係合部44の段部51,52の側面51A,52Aと、出力係合部64の半径方向の端面及び内ケース14の内壁面14Aとで形成される空間部に配置され、図6(A)で示す駆動回転体40及び従動回転体60に回転トルクが加わっていない状態では内壁面14Aとの間に僅かな隙間を有している。なお、転動部材5は、本実施例では図6で示すように出力係合部64の幅方向(巾寸法)より僅かに大きく設定している。
図2(B)、図3、図4、図5で示すように、規制部材80は樹脂材料によって所定の厚みを有する板状に構成されており、その中心部に従動回転体60の回転中心部62が挿入される開口が形成される円環部80Aの周縁から各々の転動部材5に対応して半径方向外側に突出する複数(実施例では5個)の押え部82が等間隔で形成されている。そして、図5のように、各々の押え部82が複数の入力係合部44の間に夫々位置するとともに、図2(B)のように回転軸線X1方向に蓋部材20と転動部材5の間に位置して夫々に接触するようにして配置されるようになっている。押え部82は、蓋部材20側から転動部材5を押える部分である。図2(B)の例では、各々の転動部材5が押え部82と駆動回転体40のフランジ部43とによって軸線方向に挟まれた構成となっている。
図2(B)、図3のように、規制部材80は、円環部80Aの中心部付近から円筒状の嵌合部80Bが突出しており、この嵌合部80Bが蓋部材20の貫通孔22に挿入される形で嵌り合うようになっている。つまり、貫通孔22は、嵌合部80Bを回転可能に支持する軸受として機能する。また、図1、図2のように、嵌合部80Bの内部には、上述した従動回転体60の回転中心部62が挿入されており、嵌合部80Bは、回転中心部62を回動可能に支持する軸受として機能する。そして、この構成では、駆動回転体40及び従動回転体60だけでなく、規制部材80も回転軸線X1を中心として回転するようになっている。
そして、図5(A)のように、複数の押え部82において周方向に隣り合う押え部82の間には、上述した入力係合部44の段部52が配置されている。そして、円環部80Aの各押え部82が張り出した付近(具体的には各押え部82から円環部80Aにおける回転軸線X1側の部分)も転動部材5の端面に接触して軸線方向に押える押え面として機能する。
図2(B)、図3、図5のように、押え部82において転動部材5に接触する側とは反対側の面には、蓋部材20に対し非接触で対向する非接触対向部84と、非接触対向部84から突出するとともに端部が蓋部材20に接触する突起部86とが設けられている。非接触対向部84は、外面が回転軸線X1と直交する方向の平坦面として構成されている。突起部86は、駆動回転体40の回転軸線X1を中心とした円に沿った形状の円弧状に形成されている。また、突起部86は、押え部82においてハウジング部材10の内壁面(具体的には内ケース14の内壁面14A)側に形成されており、より具体的には、内ケース14の内壁面14Aに近接した形で当該内壁面14Aに沿った円弧状の突起(リブ状突起)となっている。
ここで、双方向クラッチ1の動作を説明する。
図5(A)、図6(A)は、駆動回転体40に対して入力トルクが加えられておらず、各転動部材5がロックされていない状態を示している。なお図6(A)は、図5(A)の状態を、規制部材80を省略して示すものである。図5(A)、図6(A)で示す状態のときに双方向クラッチ1の駆動回転体40に対して入力トルクが加えられた場合(例えば、モータなどのアクチュエータによって回転軸部42に回転駆動力が与えられた場合)、この入力トルクに応じた駆動回転体40の回転に伴ってフランジ部43及び複数の入力係合部44が一体的に回転する。
すると、従動回転体60に対して駆動回転体40が相対変位し、図5(B)、図6(B)のように、各入力係合部44の各段部50(側面50A)が出力係合部64に接触するとともに各段部51(側面51A)が転動部材5に接触し、これらを各入力係合部44の回転方向に押す。このように、段部50の側面50Aと段部51の側面51Aが屈曲して形成されることにより、出力係合部64と出力係合部64の横幅から僅かにはみ出した転動部材5とを略同時に押すことになる。このような作用により、駆動回転体40が従動回転体60及び転動部材5とともに回転し、従動回転体60に駆動力が伝達される。更に、各入力係合部44は、図6(B)のように転動部材5及び出力係合部64を周方向に押すときに、図5(B)のように段部52(側面52A)によって規制部材80の円環部80Aから張り出した押え部82の側面を周方向に押し、従動回転体60及び転動部材5とともに規制部材80も回転させる。また、駆動回転体40、従動回転体60、転動部材5、規制部材80が回転するときには、転動部材5が駆動回転体40のフランジ部43と規制部材80の押え部82によって軸線方向に挟み込まれた形で回転するため、駆動回転体40の回転に伴って転動部材5の軸線方向の両端部が摺動することはなく、安定した状態で回転軸線X1を中心として周回移動する。また、遠心力等により転動部材5が内ケース14の内壁面14A側に移動しようとしたとしても、押え部82に設けられる突起部86によって内壁面14A側が押えられて内壁面14A側への移動が制御される。例え内壁面14Aに接触したとしても内壁面14Aに沿って転動することで接触抵抗を低減又は防止することができる。そのため、双方向クラッチ1は摩擦音等の異音を発生することなくスムーズな回転ができ、転動部材5が摩耗等によって削られ小さくなることによるがたつきを抑制し、他の転動部材5とばらつきが生じるようなことがなく、安定した制御を維持し続けることができる。
一方、図示しない機器や遊技機の役物等に組み込まれた双方向クラッチ1において、図5(A)、図6(A)で示す状態のときに従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合、複数の押え部82の押圧によって位置保持される複数の転動部材5に対して複数の出力係合部64が相対移動する。具体的には、各転動部材5が複数の押え部82とフランジ部43とによって挟まれた形で駆動回転体40、規制部材80と一体的な状態となっており、この状態の部材に対して複数の出力係合部64が相対移動することになる。すると、出力係合部64が図5(A)の状態から図7のように変化して入力係合部44の段部50の側面50Aを押そうとするも、各々の転動部材5がハウジング部材10(内ケース14)の円筒状の内壁面14Aと各々の出力係合部64の先端面(対向面)との間隔が転動部材5の径より狭くなる位置に移動するため、転動部材5が出力係合部64の先端面の端部と内壁面14Aとの間に食い込むように動作し、各転動部材5と各出力係合部64との間で非常に強い摩擦力が生じる。従って、転動部材5がある程度食い込んだ状態となったときには、出力係合部64がそれ以上回転変位できなくなり、従動回転体60の回転が規制される。このような作用により従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられたとしても、逆入力トルクが駆動回転体40に伝達されることを遮断する。
なお、各出力係合部64の先端面(転動部材5に対向する対向面)は、幅方向(周方向)中心部の位置が内壁面14Aから最も遠く、幅方向中心部の位置から幅方向両端側に近づくにつれて内壁面14Aまでの距離が近くなるような湾曲面となっているため、図6(A)のように出力係合部64の幅方向(周方向)中心部付近と内壁面14Aの間に転動部材5が位置するときには転動部材5の外周部が強く挟み込まれず、図7のように出力係合部64の幅方向(周方向)端部付近と内壁面14Aの間に転動部材5が位置するときには転動部材5の外周部が出力係合部64の先端面と内壁面14Aとで強く挟み込まれることになる。従って、図6(A)のような状態から各出力係合部64が相対変位して図7のようになったときには各転動部材5の外周部が強く挟み込まれてロック状態となり従動回転体60はそれ以上回転することはない。
次に図7のようなロック状態を解除するには、駆動回転体40に入力トルクを加えればよい。図7のようなロック状態のときに駆動回転体40を従動回転体60に加えられた同方向に回転させる入力トルクが加えられると、図8(A)のように駆動回転体40の入力係合部44が相対変位する。図7の状態では、各転動部材5が内壁面14Aと各出力係合部64との間に強く挟まれており、この状態で駆動回転体40に入力トルクが加えられると、図8(A)のように、強く挟まれて位置保持された各転動部材5及び各出力係合部64に対して各入力係合部44が近づく。なお、図8(A)の例では、各入力係合部44は、周方向において転動部材5が寄っている側から転動部材5及び出力係合部64に近づいて、各入力係合部44の段部51の側面51Aが各位置において転動部材5に接触し、各転動部材5を周方向(具体的には、寄っている側とは反対側)に押す。このような押圧作用により、各転動部材5は、出力係合部64と内壁面14Aとの間隔が広い側に移動し、出力係合部64と内壁面14Aとの間で強く挟み込まれた状態(ロック状態)が解除される。更に駆動回転体40が回転すると、図8(B)のように各入力係合部44の段部50の側面50Aが各出力係合部64にも接触し、各出力係合部64を周方向に押す。このときには、図5(B)、図6(B)と同様の状態となり、入力係合部44の段部50で出力係合部64を押し、入力係合部44の段部51で転動部材5を押し、入力係合部44の段部52で規制部材80(押え部82)を周方向に押すことにより、駆動回転体40、従動回転体60、転動部材5、規制部材80が一緒に回転する。また、ロック状態において駆動回転体40に対して転動部材5が寄っている側(方向)に入力トルクが加えられた場合には、入力係合部44の段部50によって出力係合部64を周方向に押すことで、転動部材5が出力係合部64と内壁面14Aとの間隔が広い側に移動してロック状態が解除され、駆動回転体40がさらに回転するのにともない従動回転体60とともに転動部材5、規制部材80が回転する。このように、ロック解除は、まず入力係合部44によって転動部材5または出力係合部64を周方向に押すことにより転動部材5をフリー状態とすることでロック状態が解除される。
ここで、本構成の効果を例示する。
本構成の双方向クラッチ1は、駆動回転体40に対して入力トルクが加えられた場合、図5(B)、図6(B)のように、入力トルクに応じた駆動回転体40の回転に伴って複数の入力係合部44が出力係合部64、転動部材5、押え部82を周方向に押すことにより、従動回転体60及び転動部材5とともに規制部材80を回転させる。一方、従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合には、図7のように、複数の押え部82の押圧によって位置保持される複数の転動部材5に対して複数の出力係合部64が相対移動し、各々の転動部材5がハウジング部材10の円筒状の内壁面14Aと各々の出力係合部64の先端面との間に食い込むことにより従動回転体60の回転を規制し、逆入力トルクが駆動回転体40に伝達されることを遮断する。
このように、双方向クラッチ1は、駆動回転体40に対して入力トルクが加えられた場合に、この入力トルクを従動回転体60に伝達することができ、従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合には、転動部材5により逆入力トルクが駆動回転体40に伝達されることを遮断することができる。更に、駆動回転体40とともに回転する規制部材80が設けられることにより、従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合には、複数の押え部82の押圧によって位置保持される複数の転動部材5に対して複数の出力係合部64が相対移動し、各々の転動部材5がハウジング部材10の円筒状の内壁面14Aと各々の出力係合部64の先端面との間に食い込むように動作する。このように押え部82によって複数の転動部材5の周方向の相対移動を安定的に規制しながら複数の出力係合部64を相対移動させ、各転動部材5を食い込ませることができるため、ロック状態となるタイミングがばらつきにくくなる。しかも、駆動回転体40に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた駆動回転体40の回転に伴って複数の入力係合部44が従動回転体60及び転動部材5とともに転動部材5を押圧する規制部材80を回転させるため、正常回転時に転動部材5は駆動回転体40と規制部材80に挟まれた状態で一体的に回転し、転動部材5の軸線方向の両端部が擦れながら動くことはなく、転動部材5の摩擦抵抗や摩耗変形を確実に抑えることができ、安定的且つスムーズな回転が可能となる。また、ロック状態となった後に駆動回転体40を回転させてロック状態を解除する場合、複数の入力係合部44を複数の押え部82と共に回転させて転動部材5を移動させることができるため、ロック解除に伴う転動部材5の移動時に押え部82に引っ掛かるような違和感が生じにくくなり、よりスムーズな動作でロック状態を解除することができる。
本構成の双方向クラッチ1は、押え部82において転動部材5に接触する側とは反対側の面に、蓋部材20に対し非接触で対向する非接触対向部84と、非接触対向部84から突出するとともに端部が蓋部材20と接触する突起部86とが設けられている。このように、押え部82において転動部材5に接触する側とは反対側の面の一部が突起部86として突出し、この突起部86の端部が蓋部材20と接触する構造であれば、押え部82が転動部材5に対する押圧力を発揮する構造としつつ、蓋部材20との接触面積を低減することができる。よって正常回転時に規制部材80が回転する際に蓋部材20との間での摩擦力が低減され、よりスムーズに回転するようになる。
突起部86は、駆動回転体40の回転軸線X1を中心とした円弧状に形成されている。このように突起部86を構成することで、周方向の接触面積を確保して転動部材5への押圧力の安定化を図りつつ、半径方向の接触面積を抑えて回転時の摩擦力の低減を図ることができる。
突起部86は、押え部82においてハウジング部材10の内壁面14A側に形成されている。このように突起部86を構成すると、押え部82に対し、より外側の位置で蓋部材20からの力が付加されることになり、押え部82による転動部材5の押圧効果を高め、転動部材5の無用な移動を阻止することができる。そして、回転時に転動部材5が遠心力により内壁面14A側に移動するのを抑止して、転動部材5と内壁面14Aとの接触摩擦を軽減してスムーズに回転することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について図9乃至図14を参照して説明する。第2実施形態の双方向クラッチ201は、規制部材80に代えて形状を変えた規制部材280を設けた点のみが第1実施形態の双方向クラッチ1と異なり、それ以外は第1実施形態の双方向クラッチ1と同様である。よって、以下では、第2実施形態の双方向クラッチ201において第1実施形態の双方向クラッチ1と同一の構成をなす部分については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、図11のように内ケース14の外壁面14Bに溝部14Cが形成されており、外ケース12と嵌合する際にこの溝部14Cが外ケース12の内壁面に形成された凸部15Bに嵌り込むようにして、内ケース14を外ケース12に確実に固定するようになっているが、これら内ケース14及び外ケース12を第1実施形態と同一の構成としてもよい。
図10、図11、図12で示すように、規制部材280は、溝部により弾性が付与され各々の転動部材5に対応して設けられる複数の押え部282を備えている。各々の押え部282は、図12のように複数の入力係合部44の間にそれぞれ配置されるとともに、図9(B)のように蓋部材20と転動部材5に接触するように位置して配置されるようになっている。押え部282は、蓋部材20側から転動部材5を押える部分である。図9(B)の例では、各々の転動部材5が押え部282と駆動回転体40のフランジ部43とによって軸線方向に挟まれた構成となっている。
図10及び図12のように、規制部材280は、円筒状の嵌合部280Bが突出形態で設けられており、この嵌合部280Bが蓋部材20の貫通孔22に挿入される形で嵌り合うようになっている。つまり、貫通孔22は、嵌合部280Bを回転可能に支持する軸受として機能する。また、図9のように、嵌合部280Bの内部には、上述した回転中心部62が挿入されており、嵌合部280Bは、回転中心部62を回動可能に支持する軸受として機能する。この構成では、駆動回転体40、従動回転体60、規制部材280が回転軸線X1を中心として回転するようになっている。
図10、図11のように、規制部材280は、円筒状に構成された嵌合部280Bから半径方向外側に張り出す形で転動部材5と略同形の円形状の押え部282が複数形成されるとともに複数の押え部282の間に位置して、押え部282より張出量が少ない状態で嵌合部280Bから半径方向外側に張り出す複数の張出部280Aが等間隔で形成されている。そして、各押え部282は、転動部材5を軸線方向に押えるように機能する。
また、規制部材280は、図12(A)のように、複数の押え部282において周方向に隣り合う押え部282の間には、入力係合部44の段部52が位置するように配置されており、複数の張出部280Aは、下面が各入力係合部44の段部51と対向するとともに段部52の内側に配置され、各段部52の内壁と半径方向に対向して配置されている。
図9(B)、図11、図12(A)のように、押え部282において転動部材5に接触する側とは反対側の面には、蓋部材20に対し非接触で対向する非接触対向部284と、非接触対向部284から突出するとともに端部が蓋部材20に接触する突起部286とが設けられている。非接触対向部284は、外面が回転軸線X1と直交する方向の平坦面として構成されている。突起部286は、駆動回転体40の回転軸線X1を中心とした円に沿った形状の円弧状に形成されるとともに、押え部282においてハウジング部材10の内壁面(具体的には内ケース14の内壁面14A)側に形成されている。より具体的には、内ケース14の内壁面14Aに近接した形で当該内壁面14Aに沿った円弧状の突起(リブ状突起)となっている。また、張出部280Aにおいても、平坦面(非接触対向部284と同一平面)から突出する形で、段部52に沿うように突起部286が形成されている。
ここで、双方向クラッチ201の動作を説明する。
図12(A)、図13(A)で示す状態のときに双方向クラッチ201の駆動回転体40に対して入力トルクが加えられた場合(例えば、モータなどのアクチュエータによって回転軸部42に回転駆動力が与えられた場合)、この入力トルクに応じた駆動回転体40の回転に伴ってフランジ部43及び複数の入力係合部44が一体的に回転する。すると、従動回転体60に対して駆動回転体40が相対変位し、図12(B)、図13(B)のように、各入力係合部44が各位置において転動部材5及び出力係合部64に接触し、これらを各入力係合部44の回転方向に押す。このような作用により、駆動回転体40が従動回転体60及び転動部材5とともに回転し、従動回転体60に駆動力が伝達される。更に、各入力係合部44は、図12(B)のように転動部材5及び出力係合部64を周方向に押すときに、図14のように段部52によって規制部材280の押え部282を周方向に押し、従動回転体60及び転動部材5とともに規制部材280も回転させる。また、このように、駆動回転体40、従動回転体60、転動部材5、規制部材280が回転するときには、転動部材5が駆動回転体40のフランジ部43と規制部材280の押え部282によって軸線方向に挟み込まれた形で回転(周回移動)するため、駆動回転体40の回転に伴って移動する転動部材5の軸線方向の両端部が摺動することを低減又は防止することができる。
一方、図12(A)、図13(A)で示す状態のときに双方向クラッチ201の従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合、複数の押え部282の押圧によって位置保持される複数の転動部材5に対して複数の出力係合部64が相対移動する。具体的には、図9(B)のように、各転動部材5が複数の押え部282とフランジ部43とによって挟まれた形で駆動回転体40、規制部材280と一体的な結合状態となっており、結合状態のこれら部材に対して複数の出力係合部64が相対移動することになる。すると、図13(A)の状態から図7と同様に変化し、各々の転動部材5がハウジング部材10の円筒状の内壁面14Aと各々の出力係合部64の先端面(対向面)との間に食い込むように動作し、各転動部材5と各出力係合部64との間で非常に強い摩擦力が生じる。従って、転動部材5がある程度食い込んだ状態となったときには、出力係合部64がそれ以上回転変位しなくなり、従動回転体60の回転が規制される。このような作用により逆入力トルクが駆動回転体40に伝達されることを遮断する。なお、ロック解除時の動作は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の操作を行うことにより同様の作用(図8参照)によってロックが解除される。
このような第2実施形態の構成でも第1実施形態と同様の効果を奏する。更に、押え部282は、押え部82と異なり、押え部282の両側に溝部が形成されているため、より弾性力が付与されやすい構成となる。ゆえに、押え部282の弾性力により転動部材5を確実に回転軸線X1方向に押圧することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の双方向クラッチ301は、駆動回転体40に代えて駆動回転体340を設けた点のみが第2実施形態の双方向クラッチ201と異なり、それ以外は第2実施形態の双方向クラッチ201と同様である。よって、以下では、第3実施形態の双方向クラッチ301において第2実施形態の双方向クラッチ201と同一の構成をなす部分については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。また、駆動回転体340についても、段部52に代えてこれよりも幅(周方向の長さ)が小さい段部352を設けた点のみが駆動回転体40と異なり、これ以外の点は駆動回転体40と同様である。
第3実施形態の双方向クラッチ301の各部品の構成は、図15乃至図19で示す通りである。本構成では、それぞれの入力係合部344は、規制部材280の押え部282と接触する位置又は僅かに離れた位置にその板面に対向する対向面が設けられる段部51と、段部51の対向面(軸線方向の端面)よりもフランジ部43から離れる側に突出し、その外縁部の外周面を支持する段部352とを有する。段部50,51は第1実施形態と同様の構成をなし、回転時に周方向の両側面50A,51Aが出力係合部64及び転動部材5と接触し得る部分となっている。段部352は、規制部材280に対して相対変位したときに周方向の両側面352Aが規制部材280の押え部282と接触し得る部分である。本構成では、第2実施形態とは異なり段部352の周方向両側面352Aと段部51の周方向両側面51Aとは面一になっておらず、段差状態となっている。
このように構成された双方向クラッチ301では、図17(A)、図18(A)のような駆動回転体340にも従動回転体60にも入力トルクが加えられていない状態にあるときに、駆動回転体340に対して入力トルクが加えられた場合(例えば、モータなどのアクチュエータによって回転軸部42に回転駆動力が与えられた場合)、この入力トルクに応じた駆動回転体340の回転に伴ってフランジ部43及び複数の入力係合部344が一体的に回転する。すると、従動回転体60に対して駆動回転体340が相対変位し、図17(B)、図18(B)のように、各入力係合部344が各位置において転動部材5及び出力係合部64に接触し、これらを各入力係合部344の回転方向に押す。このような作用により、駆動回転体340が従動回転体60及び転動部材5とともに回転し、従動回転体60に駆動力が伝達される。更に、各入力係合部344は、図17(B)のように転動部材5及び出力係合部64を周方向に押すときに、図19のように段部352付近によって規制部材280の押え部282を周方向に押し、従動回転体60及び転動部材5とともに規制部材280も回転させる。また、このように、駆動回転体340、従動回転体60、転動部材5、規制部材280が回転するときには、転動部材5が駆動回転体340のフランジ部43と規制部材280の押え部282によって軸線方向に挟み込まれた形で回転するため、駆動回転体340の回転に伴って転動部材5の軸線方向両端部が摺動することを低減又は防止することができる。
一方、図17(A)で示す状態のときに双方向クラッチ301の従動回転体60に対して逆入力トルクが加えられた場合、複数の押え部282の押圧によって位置保持される複数の転動部材5に対して複数の出力係合部64が相対移動する。具体的には、各転動部材5が複数の押え部282とフランジ部43とによって挟まれた形で駆動回転体340、規制部材280、及び複数の転動部材5が一体的な結合状態となっており、結合状態のこれら部材に対して複数の出力係合部64が相対移動することになる。すると、図18(A)の状態から図7と同様に変化し、各々の転動部材5がハウジング部材10の円筒状の内壁面14Aと各々の出力係合部64の先端面(対向面)との間に食い込むように動作し、各転動部材5と各出力係合部64との間で非常に強い摩擦力が生じる。従って、転動部材5がある程度食い込んだ状態となったときには、出力係合部64がそれ以上回転変位しなくなり、従動回転体60の回転が規制される。このような作用により逆入力トルクが駆動回転体340に伝達されることを遮断する。なお、ロック解除時の動作は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の操作を行うことにより同様の作用(図8参照)によってロックが解除される。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上述したいずれの実施形態の双方向クラッチも、役物などの遊技機用部品に用いられてもよく、遊技機用部品以外の電子機器や装置に用いられてもよい。
図20(A)のように、第2、第3実施形態の規制部材280においてリブ状に形成されていた突起部286を半球状の突起部286Aに変更し、摩擦力を一層低減するようにしてもよい。なお、第1実施形態の規制部材80に設けられる突起部86も、同様の半球状の突起部としてもよい。また、規制部材280は、図20(A)の構成から張出部280Aを省略して図20(B)のように構成してもよい。このように構成することで、入力係合部44,344を段状に形成することなく押え部282を周方向に押す段部52,352と同一高さとする単純形状とすることができる。また、第2、第3実施形態の規制部材280の押え部282の外縁形状を図20(C)のように変更してもよい。
いずれの実施形態でも、規制部材の各々の押え部が蓋部材20に接触し得る構成であったが、ハウジングの蓋部材と底部の位置を逆にし、規制部材の各々の押え部(突起部)が底部に接触し得るように構成してもよい。つまり、ハウジング部材に対して底壁の貫通孔から規制部材の嵌合部及び従動回転体の回転中心部が臨むように組付け、出力係合部と内壁面との間に転動部材を配置し、蓋部材の貫通孔から駆動回転体の回転軸部が臨むように組付ければよい。
また、第1実施形態の規制部材80を図21のように変更してもよい。図21では、押え部82において転動部材5に接触する押え面82Aが凹面状に形成されている。このように押え面82Aを構成すると、転動部材5が押え面82Aによってより確実に押され易くなり、転動部材5の位置を保持する効果を一層高めることができ、ロック状態を解除する始動時の引っ掛かりをなくしてスムーズに動作させることができる。特に、凹面状の端部をハウジング部材の内壁面側とすることで、転動部材のハウジング部材の内壁面側への移動を抑制することができ、ロック時の過剰な食い込みを防ぐことができる。
また、第1及び第3実施形態の駆動回転体40,340を図22に示すように、フランジ部43にスリットを設けて転動部材5を支持する部位に弾性を付与するようにしてもよい。弾性を付与した部位は、転動部材5と略同じ円形状をなしている。このように転動部材5を支持するフランジ部43にスリットを設けることにより転動部材5に対して回転軸線X1方向に弾性を付与することができるため、転動部材5の位置を保持する効果を一層高めることができ、ロック状態を解除する始動時の引っ掛かりをなくしてスムーズに動作させることができる。さらに、第1及び第3実施形態の駆動回転体40,340と同様に、フランジ部43の板面裏側の周縁にリブを周設してもよく、リブを周設することにより規制部材の突起部と同じ働きをなし、転動部材5に対してハウジング部材の内壁面側をより押圧することになるため、転動部材5の位置を確実に保持することができる。
1,201,301…双方向クラッチ
3…ハウジング
5…転動部材
10…ハウジング部材
12…外ケース(ハウジング部材)
14…内ケース(ハウジング部材)
14A…内壁面
16…底部
16A…貫通孔
20…蓋部材
22…貫通孔
40,340…駆動回転体
42…回転軸部
44,344…入力係合部
60…従動回転体
62…回転中心部
64…出力係合部
80,280…規制部材
82,282…押え部
82A…押え面
84,284…非接触対向部
86,286…突起部
X1…回転軸線

Claims (5)

  1. 入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする双方向クラッチであって、
    一方側が開放し他方側には中央部に貫通孔が形成された底部が設けられる有底筒状のハウジング部材と、前記ハウジング部材の一方側を閉鎖するように配置され且つ中央部に貫通孔が形成された蓋部材と、を備えるハウジングと、
    前記ハウジング内に収納され前記ハウジング部材または前記蓋部材の一方の貫通孔から臨み回転力が入力される回転軸部と、前記回転軸部と一体的に形成されるとともに前記回転軸部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する入力係合部が周方向に所定間隔をあけて複数配置される駆動回転体と、
    前記駆動回転体の回転軸線周りに回転するとともに前記ハウジング部材または前記蓋部材の他方の貫通孔から臨む回転中心部と、前記回転中心部と一体的に構成されるとともに前記回転中心部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する出力係合部とを備え、前記出力係合部が前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に配置され且つ前記駆動回転体の回転時に各々の前記出力係合部が前記入力係合部と周方向に係合する従動回転体と、
    前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記従動回転体の前記出力係合部との間に配置されるとともに前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に位置する転動部材と、
    前記転動部材に対応して設けられるとともに複数の前記入力係合部の間に周方向に接触可能に配置される押え部を備え、前記押え部が前記蓋部材又は前記底部のいずれか一方と前記転動部材との間に配置される規制部材と、
    を有し、
    前記転動部材は、軸線方向の端部が前記駆動回転体又は前記押え部に支持され、
    前記駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた前記駆動回転体の回転に伴って、前記駆動回転体又は前記押え部が前記転動部材の軸線方向の端部を支持しつつ前記入力係合部が前記従動回転体及び前記転動部材とともに前記規制部材を回転させ、
    前記従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、前記押え部の押圧によって位置保持される前記転動部材に対して前記出力係合部が相対移動し、前記転動部材が前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記出力係合部の先端面との間に食い込むことにより前記従動回転体の回転を規制し、逆入力トルクが前記駆動回転体に伝達されることを遮断する双方向クラッチ。
  2. 入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする双方向クラッチであって、
    一方側が開放し他方側には中央部に貫通孔が形成された底部が設けられる有底筒状のハウジング部材と、前記ハウジング部材の一方側を閉鎖するように配置され且つ中央部に貫通孔が形成された蓋部材と、を備えるハウジングと、
    前記ハウジング内に収納され前記ハウジング部材または前記蓋部材の一方の貫通孔から臨み回転力が入力される回転軸部と、前記回転軸部と一体的に形成されるとともに前記回転軸部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する入力係合部が周方向に所定間隔をあけて複数配置される駆動回転体と、
    前記駆動回転体の回転軸線周りに回転するとともに前記ハウジング部材または前記蓋部材の他方の貫通孔から臨む回転中心部と、前記回転中心部と一体的に構成されるとともに前記回転中心部の回転軸線に対して放射方向に位置し回転軸線方向に所定の厚みを有する出力係合部とを備え、前記出力係合部が前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に配置され且つ前記駆動回転体の回転時に各々の前記出力係合部が前記入力係合部と周方向に係合する従動回転体と、
    前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記従動回転体の前記出力係合部との間に配置されるとともに前記駆動回転体の複数の前記入力係合部の間に位置する転動部材と、
    前記転動部材に対応して設けられるとともに複数の前記入力係合部の間に周方向に接触可能に配置される押え部を備え、前記押え部が前記蓋部材又は前記底部のいずれか一方と前記転動部材との間に配置される規制部材と、
    を有し、
    前記駆動回転体に対して入力トルクが加えられた場合には、入力トルクに応じた前記駆動回転体の回転に伴って前記入力係合部が前記従動回転体及び前記転動部材とともに前記規制部材を回転させ、
    前記従動回転体に対して逆入力トルクが加えられた場合には、前記押え部の押圧によって位置保持される前記転動部材に対して前記出力係合部が相対移動し、前記転動部材が前記ハウジング部材の円筒状の内壁面と前記出力係合部の先端面との間に食い込むことにより前記従動回転体の回転を規制し、逆入力トルクが前記駆動回転体に伝達されることを遮断し、
    前記押え部において前記転動部材に接触する側とは反対側の面には、前記蓋部材又は前記底部のいずれかに対し非接触で対向する非接触対向部と、前記非接触対向部から突出するとともに端部が前記蓋部材又は前記底部のいずれかと接触する突起部とが設けられてい双方向クラッチ。
  3. 前記突起部は、前記駆動回転体の回転軸線を中心とした円弧状に形成されている請求項2に記載の双方向クラッチ。
  4. 前記突起部は、前記押え部において前記ハウジング部材の内壁面側に形成されている請求項2又は請求項3に記載の双方向クラッチ。
  5. 前記押え部において前記転動部材に接触する押え面は、凹面状に形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の双方向クラッチ。
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