JPH09222136A - 両方向トルクリミッタ - Google Patents

両方向トルクリミッタ

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JPH09222136A
JPH09222136A JP8089496A JP8949696A JPH09222136A JP H09222136 A JPH09222136 A JP H09222136A JP 8089496 A JP8089496 A JP 8089496A JP 8949696 A JP8949696 A JP 8949696A JP H09222136 A JPH09222136 A JP H09222136A
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JP
Japan
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ring
roller
outer ring
cage
pocket
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Application number
JP8089496A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Mizutani
敏幸 水谷
Yuji Okamoto
裕二 岡本
Yoshimi Ota
好美 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
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Publication of JPH09222136A publication Critical patent/JPH09222136A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/21Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members
    • F16D43/211Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members with radially applied torque-limiting friction surfaces

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 径方向に弾性変形可能な外輪の内径面に形成
されたくさび形空所を有するポケットにローラを組込
み、内輪側から外輪側へ又はこの逆に正逆両方向回転の
トルクを伝達し、負荷が一定以上に大きくなると内外輪
いずれか一方が空転するようにした両方向トルクリミッ
タにおいて、ローラのスキュー等の不規則な動作を規制
してトルク変動を抑制することである。 【解決手段】 外輪3の一端面に保持器5の柱部28を
挿入する保持器嵌入部19を形成し、その柱部28を上
記嵌入部19に、周方向に移動可能に嵌入し、各柱部2
8相互間でローラ4の端部を保持して、各ローラ4の不
規則な動作を規制するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、正逆いずれの回
転方向においても、負荷が一定以上に大きくなると内外
輪のいずれか一方が空転するようにした両方向トルクリ
ミッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この出願人は、正逆いずれの回転方向に
もトルクを発生できる両方向トルクリミッタを特願平7
−39820号で特許出願している。この両方向トルク
リミッタは、外輪の1ヶ所に切れ目を設けるなどして、
径方向に弾性変形できるようになっており、その内径側
に内輪を挿入し、上記外輪の内径面に形成された所要数
のポケットにローラを外輪の弾性により所要の締め代を
もって組込んでいる。上記のポケットの底と内輪との間
には、ローラの中立位置から正逆両回転方向に浅くなる
傾斜をもった一対のくさび形空所が形成され、そのくさ
び形空所の端にローラのストッパ面が形成されたもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の両方向トルクリ
ミッタにおいては、材料の歪みや加工の関係上外輪の径
方向の弾性変形が全周にわたって均一でないことが多
く、特に1ヶ所の切れ目を設けて弾性変形ができるよう
にした場合は、切れ目近傍の部分が他の部分よりも変形
しやすくなり、変形の差が大きい。
【0004】変形が均一でないと、外輪のポケットに組
込まれたローラの締め代が不均一となり、場合によって
は一部のローラについては締め代がなくなることもあ
る。このため一部のローラはロックせず、自由度が大き
くなってスキュー等の不規則な動作を生じ、トルク変動
の原因となる。
【0005】そこで、この発明は、上記のごときローラ
の動きを規制することによりトルク変動を抑制した両方
向トルクリミッタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は径方向に弾性変形可能な外輪を
内輪の外径面に嵌合し、上記外輪の内径面に形成された
所要数のポケットにそれぞれローラを上記外輪の弾性に
より所要の締め代をもって組込み、上記ポケットの底に
最も深いローラ中立位置と、その中立位置から正逆両回
転方向に次第に浅くなる傾斜面を形成することにより内
輪外径面との間に一対のくさび形空所を形成し、上記く
さび形空所の端面にローラのストッパ面を形成してなる
両方向トルクリミッタにおいて、前記外輪の内径面の一
端部に保持器嵌入部を形成し、その保持器嵌入部に各ロ
ーラの端部を突き出し、上記保持器嵌入部に保持器の柱
部を周方向の移動が自由になるように嵌入して各柱部相
互間で各ローラの端部を保持した構成としたものであ
る。
【0007】請求項2の発明は上記の各ポケットが、複
数のローラと各ローラ間に介在される保持器の柱部を収
納しうる周方向の幅を有し、上記各ポケットの底と内輪
外径面との間に、そのポケットに収納されるローラごと
の中立位置とその中立位置から正逆両回転方向に浅くな
る一対のくさび形空所が形成され、上記保持器の柱部の
うち上記ポケットの部分の柱部を他の柱部より長く形成
してポケットの内部に挿入し、ポケット内のローラを上
記長い柱部により保持した構成としたものである。
【0008】請求項3の発明は上記の各発明において、
外輪の1ヶ所に軸方向の切れ目を設けることにより、該
外輪に径方向への弾性を付与した構成としたものであ
る。
【0009】請求項4の発明は、上記外輪の外径面にト
ルク調整リングを嵌合し、上記外輪と調整リングの同じ
位置にそれぞれ軸方向の切れ目を設け、上記外輪の切れ
目の両側に設けた突起の外側面に軸方向のテーパ面を形
成すると共に、上記調整リングの切れ目内面に設けた軸
方向のテーパ面に上記突起のテーパ面を嵌合せしめ、前
記内輪、外輪、調整リングをケーシング内に収納し、そ
のケーシングの端面と上記調整リングとの間にばねを介
在すると共に、そのばねと反対側のケーシングの開口に
蓋を回転自在に嵌合し、上記蓋の内面に上記調整リング
の端面に接触する周方向の傾斜面を形成した構成とした
ものである。
【0010】以上の構成の両方向トルクリミッタは、そ
の内輪又は外輪のいずれか一方が正逆いずれかの方向に
回転すると、ローラは外輪のくさび形空所に喰い込みロ
ック状態となりトルクを伝達する。負荷が増大すると、
ローラがストッパ面に到達して内輪が空転する。
【0011】ローラの保持器は、ローラの動きに追従し
て移動するので、外輪の弾性変形の不均一によりロック
しないローラが生じても、そのローラの動きは保持器に
より規制されるため、スキュー等の不規則な動作を起こ
すことがない。
【0012】請求項5の発明は上記いずれかの発明にお
いて、それらのローラの表面硬度Hvが900以上、表
面粗さRaが0.04μm以下である構成としたもので
ある。表面硬度の上限は、加工の困難性の点から180
0程度である。表面粗さは滑らかであればあるほど望ま
しいので限定できないが、例えば0.01μm程度でも
十分発明の目的を達成しうる。
【0013】上記のごとき表面硬度及び表面粗さのロー
ラを用いると、ローラが偏摩耗しにくくなり、またロー
ラが内輪及び外輪を摩耗させる作用も減することから、
摺動状態が安定し、耐久性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。
【0015】図1から図5に示した第1の実施形態の両
方向トルクリミッタは、円筒状のケーシング1の中に内
輪2、外輪3、所要数のローラ4、保持器5、調整リン
グ6及びばね10を組込み、該ケーシング1の開放端を
蓋7により閉塞したものである。
【0016】ケーシング1の一端の壁8には、中心穴9
が設けられ、その中心穴9の両側の壁8の外面には外部
部材11との係合突起12が設けられる。外部部材11
は係合突起12に挿入したボルト21により固定され
る。
【0017】また、前記中心穴9の内面の段部に筒形の
内輪2の一端が嵌入され位置決めされる。その位置決め
部分のまわりに、複数の突起13が形成され、その突起
13が外輪3のポケット14の一端部に挿入され、これ
によりケーシング1と外輪3との間のトルクの伝達が行
われる。
【0018】内輪2の先端部は蓋7の中心穴15から外
部に突き出しており、その先端面に設けた切欠き16を
軸17に係合させるようになっている。その軸17がト
ルクの入力部材、又は出力部材となる。
【0019】外輪3は、金属等の弾性を有する素材で筒
状に形成されたものであり、その周面の1ヶ所に所要幅
の切れ目18が軸方向に形成された分割構造をなしてお
り、これにより径方向に弾性変形が可能となっている。
【0020】上記外輪3は内輪2のまわりに嵌合され
る。その外輪3の蓋7側の端部内径面には保持器嵌入部
19が形成され、その部分に保持器5の柱部28、2
8’(図3参照)が挿入される。
【0021】外輪3の内径面には、上記の保持器嵌入部
19から他方の端面にわたる長さのポケット隔壁22
(図3参照)が周方向に所定の間隔をおいて形成され、
各ポケット隔壁22相互間にポケット14が形成され
る。各ポケット14に1本のローラ4が組込まれる。
【0022】なお、切れ目18の両側に形成されたポケ
ット隔壁22は、相互に切れ目18と同じ幅をもって対
向している(図4参照)。
【0023】各ポケット14の底面は、図4に示すよう
に、その幅方向(外輪3の周方向)の中央部分が相対的
に深く形成され、ローラ4の中立位置24となってい
る。その中立位置24から外輪3の正逆両回転方向に次
第に底が浅くなる傾斜面25、25が形成され、各傾斜
面25、25と内輪2の外径面との間に一対のくさび形
空所26、26が形成される。各くさび形空所26、2
6の端面はストッパ面27となっている。
【0024】上記のくさび形空所26を形成する傾斜面
25は、ローラ4が内輪2との間に喰い込んだ際にロッ
ク作用を生じるような傾斜角度に形成され、またストッ
パ面27は、外輪3の弾性変形内でローラ4の喰い込み
を止める作用をなす。
【0025】ローラ4は、上記の中立位置24において
外輪3の弾性により微小な締め代をもって組込まれる。
【0026】前記の保持器5は、図3に示すように柱部
28、28’とこれらを連結する環部29とから成り、
柱部28、28’は外輪3の前記保持器嵌入部19に嵌
入される長さを有すると共に、ポケット隔壁22に対応
して設けられるが、そのうち1つの柱部28’は切れ目
18の両側の2つのポケット隔壁22にわたる幅を有
し、他の柱部28より幅広に形成される。
【0027】上記の各柱部28、28’相互間の間隔
は、前記のポケット14の幅より狭く形成され、各ロー
ラ4の両側に接触する程度の間隔に形成される。
【0028】上記の保持器5は、各柱部28、28’を
前記外輪3に嵌入させた状態でその外輪3に対し自由に
周方向に移動してローラ4の本来の作用のための移動を
妨げず、また、保持器嵌入部19に突き出した各ローラ
4の端部を柱部28、28’相互間で保持する。この柱
部28、28’の保持により、ローラ4がスキュー等の
不規則な運動をすることを規制する。
【0029】調整リング6も金属等の弾性ある素材によ
り円筒状に形成され、前記外輪3の外径面に若干のすき
間をおいて嵌合される。上記の調整リング6は、外輪3
の切れ目18と同じ位置に、これより若干広い幅の切れ
目31が形成される。
【0030】前記外輪3の切れ目18の外径面側には、
その切れ目18の両側に一対の嵌合突起32(図2参
照)が形成され、各嵌合突起32の外側面が調整リング
6の切れ目31の対向内面に嵌合される。
【0031】上記嵌合突起32の外側面は、図5に示す
ようにテーパ面33となっており、これと嵌合した切れ
目31の対向内面も、テーパ面34となっている。
【0032】また、上記調整リング6とケーシング1の
壁8との間に環状の波形のばね10が介在され、調整リ
ング6が壁8側に押込まれたとき、該ばね10の弾力に
より元の位置に戻す作用をなす。上記調整リング6の蓋
7側の端面には、図5に示すように突起35が3ヶ所に
形成される。
【0033】蓋7は、内輪2のまわりに若干のすき間を
もって嵌合され、その外径面に形成した周方向のリブ3
6をケーシング1の開放端内面の溝37に嵌合させるこ
とによりケーシング1を閉塞する。
【0034】蓋7の内面には、中心穴15のまわりに前
記の保持器5の環部29が嵌合される段部39(図3参
照)が形成され、その段部39のまわりに外輪3の端面
の押さえ面41が形成され、その押さえ面41のまわり
に周方向の傾斜面42が3ヶ所に等配に設けられてい
る。
【0035】前記の調整リング6の各突起35は、上記
の各傾斜面42に押し当てられる(図5参照)。
【0036】第1実施形態の両方向トルクリミッタは以
上のごときものであり、軸17を入力部材とし、外方部
材11を出力部材としてトルクを伝達する場合は、軸1
7の正逆いずれか一方向の回転に伴い内輪2が回転する
と、ローラ4が中立位置24から外輪3を弾性変形させ
て拡径しつつ移動し、いずれか一方のくさび形空所26
に喰い込んでロック状態となる。そのロック作用により
外輪3、その外輪3に係合突起12を介して係合された
ケーシング1が回転し、外方部材11に対しトルクが伝
達される。
【0037】なお、外輪3が拡径されたとき、調整リン
グ6がこれに接触しているときは調整リング6の弾力が
外輪3の弾力に追加されてローラ4に加わるため、伝達
トルクが大きくなる。両者の間にすき間があるときは、
当初は外輪3の弾力が作用し、すき間が零になると調整
リング6の弾力が追加される。
【0038】外部部材11に加わる負荷が更に大きくな
ると、切れ目18、31が一層拡開してローラ4の喰い
込み量が増大し、ローラ4がストッパ面27に当たる
(図4の実線参照)。これによりローラ4のくさび形空
所26に対する喰い込みが止められ、ローラ4のロック
作用が喪失し、それ以上の負荷を支えることができなく
なり、内輪2が空転するに至る。
【0039】また、前記とは逆に外方部材11からトル
クが入力された場合も同様に、内輪2側の軸17に作用
する負荷が一定以上に大きくなると外輪3が空転する。
【0040】一方、蓋7を外部からの操作によって回転
させると、各傾斜面42と調整リング6の突起35との
接触位置が変わり、調整リング6がばね10を圧縮させ
ながら壁8側に押し込まれる。これにより、外輪3の切
れ目18の嵌合突起32のテーパ面33、調整リング6
の切れ目31の内面のテーパ面34の嵌合の状態が変化
する。
【0041】即ち、調整リング6の押込みが浅いときは
(図5の一点鎖線参照)、テーパ面33とテーパ面34
間には一定のすき間があり、外輪3が拡径してもそのす
き間は零にならない。調整リング6を深く押込むとテー
パ面33、34間のすき間が小さくなり、或いは零にな
るので、外輪3が拡径すると、調整リング6はすき間3
1が押し拡げられて拡径する。このため、ローラ4に加
わる力が増大し、伝達トルクが大きくなる。
【0042】従って、調整リング6の押込み量の調整に
よって伝達トルクを調整することができる。
【0043】なお、図4は外輪3が一点鎖線の状態から
実線で示す最大限の拡径状態でもテーパ面33とテーパ
面44が接触しない状態を示す。
【0044】次に、図7から図9に示した第2の実施形
態は、外輪3、及び保持器5の構造において前述のもの
と相違があるが、他の構造は同じである。即ち、外輪3
内径面の切れ目18の両側の2ヶ所に2つのポケット隔
壁22、22が形成されるが、他の第3のポケット隔壁
22’は切れ目18に対向した部分の1ヶ所に設けら
れ、全部で3ヶ所に設けられる。切れ目18の両側の各
ポケット隔壁22と第3のポケット隔壁22’との間に
は、広いポケット14’が形成される。各ポケット1
4’の底には、3本のローラ4に対応した3ヶ所の中立
位置24とその両側の傾斜面25の組が3組一定間隔を
おいて設けられ、その各組間隔部分に後述の保持器5の
長い方の柱部43が挿入される。
【0045】保持器5は、図8に示すように、環部44
の片面の対向位置に2本の短い柱部45を形成し、これ
らの各柱部45間に2本づつ合計4本の長い柱部43が
形成されたものである。
【0046】上記2本の短い柱部45のうち一方の柱部
45は、前述の切れ目18の内側に形成された一対のポ
ケット隔壁22に対向し、また、他方の短い柱部45
は、第3のポケット隔壁22’に対向する。また、これ
らの短い柱部45は、いずれも外輪3の端面の保持器嵌
入部19に嵌入される軸方向長さを有する。また、長い
柱部43はローラ4の軸方向長さに一致するように形成
される。
【0047】上記の保持器5の各柱部43、45間に各
ローラ4ががたつきなく挿入され、また、その各ローラ
4は通常の状態で各ポケット14’の中立位置24に位
置する。
【0048】なお、ケーシング1の壁8の内面に形成さ
れた係合突起13(図1参照)は、前記の各ポケット1
4’に嵌合する周方向の幅を有する。
【0049】その他の構成は前記の第1実施形態のもの
と同様であるので、同一部分に同一符号を付して示すに
とどめ、その説明を省略する。
【0050】上記の第2の実施形態の両方向トルクリミ
ッタは、内輪2側からケーシング1側へ、又はその反対
方向にトルクが伝達され、負荷が一定以上に大きくなる
と、内外輪のいずれか一方が空転する。また各ローラ4
の動作は、保持器5の柱部43、45により規制され
る。
【0051】なお、この場合は、ローラ4のストッパ面
27が3ヶ所のポケット隔壁22、22’にしか設けら
れておらず、全てのローラ4がストッパ面27に当たる
ことはないが、機能上は前述のものと実質的な相違はな
い。
【0052】その他の作用は第1の実施形態と同一であ
るので、その説明は省略する。
【0053】以上の説明から明らかなように、この発明
のトルクリミッタは、過負荷時に外輪3及び調整リング
6をばね部材として使用し、ローラ4を内輪2に強く押
し付けた状態で、ローラ4と内輪2を摺動させることに
より大きな摩擦トルクを得るようにしている。
【0054】トルクリミッタの要求機能としては、過負
荷時に規格内のトルクで回転することである。したがっ
て、耐久性を向上させるためには、摺動状態を安定させ
ることが必要である。
【0055】前述のトルクリミッタでは、外輪3及び調
整リング6の変形量でばね力が変わるため、外輪3、内
輪2及びローラ4の摺動部が摩耗すると外輪3の変形量
が小さくなり、ばね力が小さくなる。その結果、過負荷
時の回転トルクが低下するため、耐久性を向上させるた
めには、各摺動部の摩耗を抑えることが必要である。
【0056】このような要求に応えるためには、ローラ
4の表面硬度がHv900以上、表面粗さRaを0.0
4μm以下とすることが必要である。ローラ4の材料と
しては、熱処理により硬度を高くした鋼、表面に硬質メ
ッキを施した鋼、超硬合金又はセラミックなどを用い
る。表面硬度の上限は、加工の困難性を考慮してHv1
800とする。
【0057】上記ローラ4の表面粗さは、研削加工やラ
ップ加工により0.04μm以下とする。表面は滑らか
であればある方が望ましい。例えば、0,01μm程度
でもよい。
【0058】〔試験結果〕トルクリミッタの耐久試験結
果を図10(a)に、また比較試験結果を図10(b)
に示す。これらの場合のローラの表面硬度及び表面粗さ
は、図中に記入のとおりである。
【0059】
【発明の効果】この発明は以上のごときものであり、ロ
ーラが保持器の柱部に規制されるので、外輪の弾性変形
の不均一に起因してロックしないローラが存在しても、
ローラが不規則な動きをすることがない。このためトル
ク変動が抑制され、安定した設定トルクが得られる。
【0060】また、ローラの表面硬度を上げ、表面粗さ
を下げることにより、ローラの偏摩耗及び内外輪の摩耗
が抑制され、耐久性が向上する。また、これまで対応で
きなかった厳しい使用条件でも過負荷時のトルクが安定
するため使用可能な範囲が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の断面図
【図2】図1のII−II線の断面図
【図3】同上の一部分解斜視図
【図4】同上の一部拡大断面図
【図5】同上の断面図
【図6】第2の実施形態の断面図
【図7】図6のVII −VII 線の断面図
【図8】同上の一部分解斜視図
【図9】同上の一部拡大断面図
【図10】(a) 耐久試験結果のグラフ図 (b) 比較例の耐久試験結果のグラフ図
【符号の説明】
1 ケーシング 2 内輪 3 外輪 4 ローラ 5 保持器 6 調整リング 7 蓋 8 壁 9 中心穴 10 ばね 11 外部部材 12 係合突起 13 突起 14、14’ ポケット 15 中心穴 16 切欠き 17 軸 18 切れ目 19 保持器嵌入部 21 ボルト 22、22’ ポケット隔壁 24 中立位置 25 傾斜面 26 くさび形空所 27 ストッパ面 28、28’ 柱部 29 環部 31 切れ目 32 嵌合突起 33、34 テーパ面 35 突起 36 リブ 37 溝 39 段部 41 押さえ面 42 傾斜面 43 長い柱部 44 環部 45 短い柱部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に弾性変形可能な外輪を内輪の外
    径面に嵌合し、上記外輪の内径面に形成された所要数の
    ポケットにそれぞれローラを上記外輪の弾性により所要
    の締め代をもって組込み、上記ポケットの底に最も深い
    ローラ中立位置と、その中立位置から正逆両回転方向に
    次第に浅くなる傾斜面を形成することにより内輪外径面
    との間に一対のくさび形空所を形成し、上記くさび形空
    所の端面にローラのストッパ面を形成してなる両方向ト
    ルクリミッタにおいて、前記外輪の内径面の一端部に保
    持器嵌入部を形成し、その保持器嵌入部に各ローラの端
    部を突き出し、上記保持器嵌入部に保持器の柱部を周方
    向の移動が自由になるように嵌入して各柱部相互間で各
    ローラの端部を保持したことを特徴とする両方向トルク
    リミッタ。
  2. 【請求項2】 前記の各ポケットが、複数のローラと各
    ローラ間に介在される保持器の柱部を収納しうる周方向
    の幅を有し、上記各ポケットの底と内輪外径面との間
    に、そのポケットに収納されるローラごとの中立位置と
    その中立位置から正逆両回転方向に浅くなる一対のくさ
    び形空所が形成され、上記保持器の柱部のうち上記ポケ
    ットの部分の柱部を他の柱部より長く形成してポケット
    の内部に挿入し、ポケット内のローラを上記長い柱部に
    より保持したことを特徴とする請求項1に記載の両方向
    トルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 上記外輪の1ヶ所に軸方向の切れ目を設
    けることにより、該外輪に径方向への弾性を付与したこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の両方向トルクリ
    ミッタ。
  4. 【請求項4】 上記外輪の外径面にトルク調整リングを
    嵌合し、上記外輪と調整リングの同じ位置にそれぞれ軸
    方向の切れ目を設け、上記外輪の切れ目の両側に設けた
    突起の外側面に軸方向のテーパ面を形成すると共に、上
    記調整リングの切れ目内面に設けた軸方向のテーパ面に
    上記突起のテーパ面を所要のすき間をおいて嵌合せし
    め、前記内輪、外輪、調整リングをケーシング内に収納
    し、そのケーシングの端面と上記調整リングとの間にば
    ねを介在すると共に、そのばねと反対側のケーシングの
    開口に蓋を回転自在に嵌合し、上記蓋の内面に上記調整
    リングの端面に接触する周方向の傾斜面を形成し、該蓋
    の回転により上記テーパ面相互間のすき間を調整するよ
    うにしたことを特徴とする請求項3に記載の両方向トル
    クリミッタ。
  5. 【請求項5】 上記ローラは表面硬度Hv900以上、
    表面粗さRa0.04μm以下であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の両方向トルクリミッ
    タ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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