JP6807213B2 - 壁板の取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、押出成形セメント板などの壁板の取付構造に関する。
従来、パネル状に形成された押出成形セメント板などの壁板(以下、壁板の一例として「押出成形セメント板」を例に説明する)は、建物の躯体に取付金具を用いて取り付けられている。
図8は、従来の押出成形セメント板100の取付構造を示す断面図である。躯体120には、支持材122で固定されたL型アングル等の下地材121が固定されている。そして、押出成形セメント板100は、裏面に取り付けられたZクリップなどの取付金具101を下地材121に係止することで取り付けられている。押出成形セメント板100と下地材121との間には、硬質パッキン123が設けられている。
押出成形セメント板100は、外壁として用いる場合、建物の建築場所、高さによって、風荷重による許容応力度を算出し、取付金具101を設ける支持スパンが設定される。この支持スパンは、押出成形セメント板100の留付部105(取付金具101の固定部)に設定された許容耐力も考慮して設定される。このため、許容耐力から下地材121の位置やピッチ、押出成形セメント板100の大きさが制限される場合もある。
また、図8に示すような取付構造では、押出成形セメント板100の目地部110における室外側Oの防水構造として、目地部110内にバックアップ材113が設けられ、その室外側Oにシーリング材111が打設されている。このため、地震時などにおける変位を生じても防水性能を安定して保つように、水切り金物(図示略)やガスケットが設けられることもある。なお、下地材121の下面と下方の押出成形セメント板100との間には、ロックウール112が充填されている。
例えば、この種の壁板における留付部の耐力を向上させる取付構造の先行技術として、留付部における中空部の断面形状を、固定ボルトの軸線を線対称に、背面に向かって徐々に接近する一対の傾斜面を有する形状とし、取付金具を固定する固定ボルトの受け金物を、傾斜面に当接するように折曲された一対の両側片部とした取付構造がある(例えば、特許文献1参照)。
また、他の先行技術として、中空部を有するセメント成形板の受け構造として、ボルトと螺合する雌ねじ部が基板部に形成されると共に、雌ねじ部と同心円状の穴を有したゴム板がボルト挿入側の基板部の面に接着された受け金物を具備するものもある(例えば、特許文献2参照)。この受け構造では、中空部に挿通されたボルトを雌ねじ部に螺合することで、ゴム板を介して受け金物を中空部の内面に当接させている。
特開2009−133107号公報 特開平9−60191号公報
しかしながら、上記特許文献1の構造では、留付部の中空部における断面形状を特殊な形状で正確に仕上げなければならないため、壁板の製造に費用を要する。しかも、特殊な形状の中空部に合わせた形状の受け金物が必要であり、受け金物にも多くの費用を要する。特に、複数枚の壁板を設ける大きな構造物の場合には非常に多くの費用を要する。
また、上記特許文献2の構造は、受け金物のセメント成形板と接する面に接着したゴム板により、セメント板と接する面に凹凸を生じていてもゴム板の面接触によって荷重を分散させるものであり、留め付け部における許容耐力の向上を図ることはできない。しかも、受け金物にゴム板を接着する必要があり、受け金物に費用を要する。
一方、壁板の取付構造においては、目地部におけるシール性能を維持するためのシーリング材の打設に加えて種々の工夫が考えられているが、更なるシール性能の向上も望まれている。
そこで、本発明は、押出成形セメント板などの壁板における留付部の許容耐力を向上させて躯体に対して適切に取り付けることができ、目地部における防水性能の向上も図ることが可能な壁板の取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、壁板の取付構造であって、前記壁板は、中空部を有する本体部と、前記中空部の位置で前記本体部の表面から突出し、躯体の取付部に沿って延びる複数のリブ部と、を備え、前記リブ部は、該リブ部の頂部から前記中空部まで貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔を介して前記リブ部の頂部から前記中空部まで延びる締結金具で取付金具が固定され、前記壁板は、前記取付金具で前記躯体に取り付けられている。
この構成により、壁板の取付面に設けられたリブ部の頂部から中空部まで貫通する貫通孔に設けた締結金具で取付金具を壁板に固定することで、取付金具の留付部における引き抜き強度を大きくして許容耐力を向上させることができる。よって、壁板の大きさや取付金具の取付間隔を広くする、などの設計自由度を向上させることができる。
また、前記壁板は、前記中空部が一方向に連続し、該中空部が延びる方向に前記リブ部が延びるように形成された押出成形セメント板であり、前記取付金具は、前記中空部に配置されたナットに前記リブ部の頂部から前記貫通孔を貫通するボルトで固定されていてもよい。
このように構成すれば、壁板である押出成形セメント板の成形時に中空部とリブ部を容易に形成でき、設計の自由度がさらに向上する。しかも、リブ部の頂部に取り付ける取付金具を、押出成形セメント板の中空部において任意の位置に配置できるナットに対し、リブ部の頂部からボルトを螺合することで取り付けることができるので、施工性を向上させることができる。
また、前記躯体は、前記壁板の目地部に前記リブ部のみを支持する下地材を備え、前記壁板は、前記下地材で前記リブ部のみを支持して取り付けられていてもよい。
このように構成すれば、躯体側の下地材で壁板のリブ部のみを支持するので、壁板の室内側から目地部におけるシール処理などを容易に行うことができる。
また、前記下地材で支持した前記壁板の目地部は、前記壁板の表面側と裏面側とにおける対向部分に、前記目地部の延びる方向に連続するシーリング材及びガスケット材の少なくとも一方が設けられていてもよい。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「対向部分」は、中空部の表面側と裏面側における本体部の対向した部分をいう。
このように構成すれば、壁板の目地部において、表面側だけではなく裏面側からもシーリング材を打設したり、裏面側にガスケット材を挿入することも、本体部の連続した部分に対して容易にできる。よって、二重のシーリング材又はシーリング材とガスケット材との組み合わせによる二重のシールを設けることが容易にできる。これにより、目地部における水密性能の向上などを図ることができる。
また、前記本体部の裏面における前記リブ部の間に、環境改善部材又は装飾部材が備えられていてもよい。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「環境改善部材」は、「吸音部材」、「遮音部材」、「調湿部材」、「吸熱部材」、「消臭部材」、などを含む。また、この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「装飾部材」は、絵が描かれた部材、着色された部材などを含む。
このように構成すれば、壁板の厚みの範囲で、壁板のリブ部の間に、室内環境を改善する環境改善部材や装飾部材を備えさせることができ、室内環境改善の機能を付加したり、装飾性を付加したりすることが容易にできる。よって、壁板により、騒音が生じる場所、湿度が高い場所、熱を発する場所、臭気を生じる場所などにおいて、環境を改善することができる。
また、前記リブ部は、前記本体部の裏面から所定距離の位置に、該裏面と平行方向に突出する突起部が形成されていてもよい。
このように構成すれば、本体部の裏面と突起部との間に環境改善部材や装飾部材を挿入することで、環境改善部材や装飾部材を容易に備えさせることができる。
本発明によれば、壁板の留付部における許容耐力を向上させ、建物の躯体に対して適切に取り付けることができ、設計自由度を向上させることが可能となる。また、目地部における防水性能の向上も図ることが可能となる。
図1は、本発明の取付構造に用いる第1実施形態に係る押出成形セメント板の端面図である。 図2は、図1に示す押出成形セメント板に環境改善部材を備えさせた例の端面図である。 図3は、本発明の取付構造に用いる第2実施形態に係る押出成形セメント板の端面図である。 図4は、本発明の取付構造に用いる第3実施形態に係る押出成形セメント板の端面図である。 図5は、図1に示す押出成形セメント板を用いた取付構造の断面図である。 図6は、図2に示す押出成形セメント板を用いた取付構造の斜視図であり、(A)は室内側から見た斜視図、(B)は室外側から見た斜視図である。 図7は、図3に示す押出成形セメント板を用いた取付構造の斜視図であり、(A)は室内側から見た斜視図、(B)は室外側から見た斜視図である。 図8は、従来の押出成形セメント板の取付構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態でも、壁板として押出成形セメント板を例に説明する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、押出成形セメント板の外側面を「表面F」、内側面を「裏面B」といい、押出成形セメント板の外部空間を「室外側O」、内部空間を「室内側I」という。
(第1実施形態に係る壁板)
図1は、第1実施形態に係る押出成形セメント板10の端面図であり、図2は、図1に示す押出成形セメント板10に環境改善部材50を備えさせた例の端面図である。この実施形態の押出成形セメント板10は、中空部12を有するように押出成形される本体部11と、この本体部11の裏面Bから室内側Iへ向けて突出するように所定間隔で複数のリブ部15が設けられている。
押出成形セメント板10は、中空部12が一方向(紙面と直交方向)に連続するように押出成形されており、この中空部12が連続する方向にリブ部15が延びるように形成されている。リブ部15は、本体部11の成形時に一体成形することができる。また、リブ部15には、室内側Iの最上部に押出成形セメント板10の裏面Bと平行方向に突出して形成された突起部17が設けられている。突起部17は、裏面Bと所定距離の位置で突出している。リブ部15も、内部に中空部16が形成されている。
そして、取付金具40(図5)を固定する部分には、リブ部15の頂部から本体部11の中空部12まで貫通する貫通孔18が設けられている。この例では、5本のリブ部15に対し、2本のリブ部15に貫通孔18が設けられている。貫通孔18が設けられたリブ部15は、躯体120の取付部(押出成形セメント板10の留付部45でもある)に沿って延びるように設けられている(図6)。
これにより、押出成形セメント板10の留付部45となる取付金具40の固定部である貫通孔18の位置は、リブ部15の頂部から本体部11の中空部12まで延びるボルト41(図5)で取付金具40が固定されることになり、留付部45における許容耐力を向上させることができる。
図2に示すように、上記押出成形セメント板10によれば、本体部11の裏面Bと突起部17との間に、環境改善部材50や装飾部材(環境改善部材50と同じ大きさ)を容易に備えさせることができる。環境改善部材50や装飾部材は、裏面Bとリブ部15の突起部17との間のリブ部15の延びる方向に挿入することで取り付けることができる。
環境改善部材50として「吸音部材」を備えさせることで、騒音が生じる場所において騒音を吸音して環境を改善することができる。例えば、機械が稼動する場所の壁板とすれば、機械が発する騒音を吸音することができる。しかも、押出成形セメント板10に吸音部材の環境改善部材50を備えさせることで、押出成形セメント板10による遮音効果と、環境改善部材50による吸音効果とによる吸遮音効果を発揮させることができる。
また、環境改善部材50として「遮音部材」を備えさせることで、更なる遮音効果を発揮することができる。また、環境改善部材50として「調湿部材」を備えさせることで、湿度が高い場所において湿度を調節して環境を改善することができる。また、環境改善部材50として「吸熱部材」を備えさせることで、熱源があるような場所においては,その熱を吸収するようにできる。また、環境改善部材50として「消臭部材」を備えさせることで、臭気を生じる場所などにおいて消臭して環境を改善することができる。なお、環境改善部材50としては、これらの例の他、環境を改善できる部材であればよく、条件に適した環境改善部材50を備えさせればよい。
また、装飾部材としては、例えば、絵が描かれた部材や、場所に応じて着色された部材などを備えさせるようにできる。例えば、多くの人が休憩する場所の壁板として、絵を描いた装飾部材などを備えさせることができる。
(第2実施形態に係る壁板)
図3は、第2実施形態に係る押出成形セメント板20の端面図である。この実施形態の押出成形セメント板20は、裏面Bから室内側Iへ向けて突出するように矩形状断面のリブ部25が所定間隔で複数設けられている。本体部21には、押出し方向に延びる中空部22が形成されている。中空部22の位置に、リブ部25が設けられている。この実施形態の押出成形セメント板20も、中空部22を有する本体部21の押出し成形時に、中空部26を有するリブ部25を一体成形することができる。このリブ部25に、リブ部25の頂部から本体部21の中空部22まで貫通する貫通孔38が設けられている。
この押出成形セメント板20でも、留付部45となる取付金具40の固定部である貫通孔28の位置は、リブ部25の頂部から本体部21の中空部22まで延びるボルト41(図5と同様)で固定されることになり、留付部45における許容耐力を向上させることができる。
(第3実施形態に係る壁板)
図4は、第3実施形態に係る押出成形セメント板30の端面図である。この実施形態の押出成形セメント板30は、裏面Bの取付金具40(図7)を取り付ける部分のみにリブ部35が設けられている。リブ部35も、矩形状断面で本体部31の押出し方向に延びる中空部36を有している。この実施形態の押出成形セメント板30も、中空部32を有する本体部31の押出し成形時に、中空部36を有するリブ部35を一体成形することができる。このリブ部35に、リブ部35の頂部から本体部31の中空部32まで貫通する貫通孔38が設けられている。
この押出成形セメント板30でも、留付部45となる取付金具40の固定部である貫通孔38の位置は、リブ部35の頂部から本体部31の中空部32まで延びるボルト41(図5と同様)で固定されることになり、留付部45における許容耐力を向上させることができる。
また、この押出成形セメント板30によれば、リブ部35が少ないため、取付金具40を固定する留付部45における許容耐力の向上を図りつつ、押出成形セメント板30のコストを低減することが可能となる。
(第1実施形態に係る取付構造)
図5は、図1に示す押出成形セメント板10を用いた取付構造1の断面図である。躯体120に関する構成は、上記図8に示す構成と同一であり、同一の構成には同一符号を付して説明は省略する。
取付構造1は、押出成形セメント板10の本体部11における中空部12が上下方向に延びる縦張りの例となっている。押出成形セメント板10のリブ部15には、上下位置にそれぞれ取付金具(Zクリップ)40が固定されている。取付金具40は、リブ部15の頂部からリブ部15の中空部16を通って本体部11の中空部12に至る貫通孔18に挿入された締結金具たるボルト41を、本体部11の中空部12に配置されたナット42に螺合することで、リブ部15に固定されている。そして、押出成形セメント板10は、取付金具40を下地材121に係止することで取り付けられる。この取付構造1によれば、押出成形セメント板10は、リブ部15のみが下地材121に支持されるように取り付けられる。
したがって、この取付構造1によれば、ボルト41によって、本体部11の中空部12からリブ部15を貫通する貫通孔18を介して取付金具40をリブ部15に固定しているため、取付金具40をリブ部15に強固に固定することができる。よって、留付部45となる取付金具40の固定部である貫通孔18の位置における許容耐力を向上させることができる。
また、押出成形セメント板10の端面における横目地部60では、押出成形セメント板10のリブ部15のみが躯体120の下地材121に載せられた状態で支持される。このため、下地材121が横目地部60まで入り込まず、押出成形セメント板10の中空部12が無い部分である表面側と裏面側における横目地部60の延びる方向の対向部分を、2重のシーリング材61でシールすることができる。しかも、押出成形セメント板10同士にシーリング材61を連続して打設するので、シーリング材61の接着状態を安定して保つことができる。横目地部60には、中央部にロックウール63が充填され、その室外側Oと室内側Iとにバックアップ材62が挿入され、その室外側Oと室内側Iとにシーリング材61がそれぞれ打設されている。
また、押出成形セメント板10の裏面側における防水として、シーリング材61ではなくガスケット材を用いてもよい。ガスケット材を用いる場合でも、下地材121が横目地部60まで入り込まないので、シーリング材61と同様に押出成形セメント板10同士の間の横目地部60の延びる方向に連続して保持することができ、横目地部60における防水性能を向上させることができる。
このように、上記取付構造1によれば、下地材121で押出成形セメント板10を受ける取付構造1でも、横目地部60における押出成形セメント板10の端面の外面側及び内面側にそれぞれシーリング材61を適切に打設することができる。ガスケット材を用いる場合でも、押出成形セメント板10の横目地部60の間で二重に保持することができるので、横目地部60の防水性能を向上させることができる。横目地部60におけるシールは、二重のシーリング材61でも、外側がシーリング材61で内側がガスケット材となった構成でもよい。
よって、この取付構造1によれば、押出成形セメント板10の留付部45における許容耐力の向上と、横目地部60における防水性能の向上を図ることが可能となる。
(第2実施形態に係る取付構造)
図6は、図2に示す押出成形セメント板10を用いた取付構造2の斜視図であり、(A)は室内側Iから見た斜視図、(B)は室外側Oから見た斜視図である。この取付構造2は、図2に示すように、押出成形セメント板10のリブ部15に環境改善部材50として吸音材を備えさせた例である。なお、躯体120に関する構成は、上記図8に示す構成と同一であり、同一の構成には同一符号を付して説明は省略する。また、押出成形セメント板10を躯体120の下地材121に取り付ける構成は、上記図5に示す構成と同一であるため、その説明は省略する。
この実施形態の押出成形セメント板10は、リブ部15の端部に形成された突起部17を利用し、この突起部17と本体部11の裏面Bとの間に環境改善部材50を備えさせている。環境改善部材50は、本体部11と突起部17との間に挿入することで取り付けが完了する。したがって、押出成形セメント板10に環境改善部材50を容易に備えさせることができる。この環境改善部材50が取り付けられた押出成形セメント板10が、躯体120の下地材121に取付金具40で取り付けられている。
この取付構造2によれば、上記取付構造1と同様に、押出成形セメント板10を下地材121に取り付けた状態でリブ部15のみを支持しているため、押出成形セメント板10の表面F側における横目地部60の延びる部分と裏面B側の横目地部60の延びる部分とにおいて2重のシーリング材61を適切に打設することができ、シール性の向上を図ることが可能である。
また、下地材121で縦目地部65の一部やクロス部の横目地部60が隠れないので、この部分にも適切にシーリング材61を打設することができ、縦目地部65における防水性能も向上させることができる。
さらに、リブ部15の間に環境改善部材50を挿入することで押出成形セメント板10としての重量が増加した場合でも、本体部11の中空部12からリブ部15を貫通する貫通孔18を介してボルト41によって取付金具40を固定しているため(図5)、押出成形セメント板10の留付部45における許容耐力を向上させることができる。
そして、この取付構造2によれば、押出成形セメント板10による遮音効果と、吸音部材の環境改善部材50による吸音効果とによる吸遮音効果により、押出成形セメント板10の室外側Oへ漏れる音を大幅に低減させることができる。例えば、この取付構造2をビルの屋上における周囲壁などに利用することで、機械などの音が周囲に漏れることを抑えることができる。また、例えば、エレベータ周りの壁材や、発電装置などの騒音発生源が設置されている場所の壁材として用いることもできる。
さらに、環境改善部材50又は装飾部材を目的に応じて選択することで、様々な場所に適した壁材として用いることが可能となる。
(第3実施形態に係る取付構造)
図7は、図3に示す押出成形セメント板20を用いた取付構造3の斜視図であり、(A)は室内側Iから見た斜視図、(B)は室外側Oから見た斜視図である。なお、躯体120に関する構成は、上記図8に示す構成と同一であり、同一の構成には同一符号を付して説明は省略する。また、押出成形セメント板20を躯体120の下地材121に取り付ける構成は、上記図5に示す構成と同一であるため、その説明は省略する。
この取付構造3でも、本体部21の中空部22からリブ部25を貫通する貫通孔28を介して取付金具40を固定しているため、留付部45の許容耐力を向上させることができる。
また、上記取付構造1と同様に、押出成形セメント板20を下地材121に取り付けた状態でリブ部25のみを支持しているため、横目地部60が下地材121に掛かっていたり、下地材121が横目地部60内まで入り込んでいない。このため、取付構造3の場合には、室内側Iの横目地部60にガスケット材64を装着する場合でも容易に挿入することができ、ガスケット材64を装着する施工性がよい。この例の横目地部60は、中央部にロックウール63が設けられ、室内側Iにガスケット材64が装着されている。ロックウール63の室外側Oは、バックアップ材62が挿入され、その室外側Oにシーリング材61が打設されている。
なお、図6,7では、押出成形セメント板10,20を縦張りにした例を説明したが、押出成形セメント板10,20を横張りにしても同様であり、押出成形セメント板10,20の張り方向は限定されない。
(総括)
以上のように、上記した押出成形セメント板(壁板)10,20,30の取付構造1,2,3によれば、留付部45における取付金具40の引き抜き強度を大きくして許容耐力を向上させるので、取付金具40を押出成形セメント板10,20,30の長さ方向で取り付ける位置の設計自由度を向上させることができる。しかも、取付金具40の取り付けはボルト41とナット42を用いて容易に行えるので、効率良く施工できる。よって、押出成形セメント板(壁板)10,20,30の大きさや取付ピッチなど、設計の自由度を向上させることが可能となる。
さらに、押出成形セメント板(壁板)10,20,30をリブ部15,25,35のみで支持するため、横目地部60に対する防水処理を表面F側と裏面B側とにおいて二重に行うことができる。すなわち、押出成形セメント板10,20,30の室内側Iにおいてもシーリング材61を打設したり、ガスケット材を挿入することが容易にできるので、二重のシールによって水密性能を向上させることが可能となる。しかも、横目地部60におけるシーリング材61を上下で対向する押出成形セメント板10,20,30同士に打設するので、シーリング材61の接着が適切に行われる。ガスケット材64の場合は、適切に密着させることができる。
よって、押出成形セメント板(壁板)10,20,30を下地材121に対して強固に取り付けることができると共に防水性能も合わせて向上させることが可能な外壁の取付構造1,2,3となる。
また、押出成形セメント板(壁板)10,20,30のリブ部15,25,35の間に、環境改善部材50や装飾部材を備えさせることにより、押出成形セメント板10,20,30の厚みの範囲で室内環境を付加する機能を持たせたり、装飾性を付加したりすることが容易に可能となる。
なお、上記した実施形態では、壁板として押出成形セメント板10,20,30を例に説明したが、壁板は押出成形セメント板10,20,30に限定されるものではなく、リブ部15,25,35を形成できるものであればよい。例えば、軽量気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板や他の壁板でも実施可能であり、壁板は上記実施形態に限定されない。
また、上記した実施形態では、リブ部15,25,35を中空状にした例で説明したが、リブ部15,25,35は中空でなくてもよい。さらにリブ部15,25,35の形状は、必要とする強度に合わせて設定すればよく、上記したリブ部15,25,35の形態は一例であり、上記実施形態の形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態では、リブ部15,25は中空部12,22が連続する方向と交差する方向(図の幅方向)に等間隔で設けられ、リブ部35は中空部32が連続する方向と交差する方向(図の幅方向)の両端部に設けられているが、リブ部は、取付金具40で壁板10,20,30を下地材121に固定できる位置であればよく、図の幅方向中央部や中央部と端部などでもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
さらに、上記した実施形態は一例を示しており、躯体120側の構成についても種々の構成に対応するように実施可能であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の構成を変更してもよく、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
1 取付構造
2 取付構造
3 取付構造
10 押出成形セメント板
11 本体部
12 中空部
15 リブ部
17 突起部
18 貫通孔
20 押出成形セメント板
21 本体部
22 中空部
25 リブ部
28 貫通孔
30 押出成形セメント板
31 本体部
32 中空部
35 リブ部
38 貫通孔
40 取付金具(Zクリップ)
41 ボルト
42 ナット
45 留付部
50 環境改善部材
60 横目地部
61 シーリング材
I 室内側
O 室外側

Claims (6)

  1. 壁板の取付構造であって、
    前記壁板は、中空部を有する本体部と、前記中空部の位置で前記本体部の表面から突出し、躯体の取付部に沿って延びる複数のリブ部と、を備え、
    前記リブ部は、該リブ部の頂部から前記中空部まで貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔を介して前記リブ部の頂部から前記中空部まで延びる締結金具で取付金具が固定され、
    前記壁板は、前記取付金具で前記躯体に取り付けられている、
    ことを特徴とする壁板の取付構造。
  2. 前記壁板は、前記中空部が一方向に連続し、該中空部が延びる方向に前記リブ部が延びるように形成された押出成形セメント板であり、
    前記取付金具は、前記中空部に配置されたナットに前記リブ部の頂部から前記貫通孔を貫通するボルトで固定されている、
    請求項1に記載の壁板の取付構造。
  3. 前記躯体は、前記壁板の目地部に前記リブ部のみを支持する下地材を備え、
    前記壁板は、前記下地材で前記リブ部のみを支持して取り付けられている、
    請求項1又は2に記載の壁板の取付構造。
  4. 前記下地材で支持した前記壁板の目地部は、前記壁板の表面側と裏面側とにおける対向部分に、前記目地部の延びる方向に連続するシーリング材及びガスケット材の少なくとも一方が設けられている、
    請求項3に記載の壁板の取付構造。
  5. 前記本体部の裏面における前記リブ部の間に、環境改善部材又は装飾部材が備えられている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の壁板の取付構造。
  6. 前記リブ部は、前記本体部の裏面から所定距離の位置に、該裏面と平行方向に突出する突起部が形成されている、
    請求項5に記載の壁板の取付構造。
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