JP6806703B2 - 全頭かつら - Google Patents

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Description

本発明は、繰り返し使用する全頭かつらに関する。
通常、先天的に頭髪が少ない場合、円形脱毛症により頭髪が消失している時、抗ガン剤治療などにより脱毛している場合には、頭部全体を覆う全頭かつらが用いられていた。例えば、特許文献1には、かつら本体と部分かつらを備えた全頭用かつらが開示されている。また、髪型のファッション性を高めるために全頭かつらを用いることもある。例えば、特許文献2には、頭部を被包する第1かつらと襟足部分に被冠してこれを装飾する第2かつらからなり、それぞれのかつらを単独で又はクリップにより連結して使用することにより、髪型に多様な意匠性を自由に設定できるかつらが提案されている。
一方、全頭かつらを人毛で構成すると、人毛の入手が困難なうえコストが高いという問題があり、合成繊維を用いることが行われている。
特開2014−91870号公報 特開2004−91972号公報
しかしながら、合成繊維を用いた場合、繰り返し装着中に、ダメージが蓄積しやすいという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、装着期間中のダメージの蓄積を軽減することができる全頭かつらを提供する。
本発明は、頭部に装着するかつらベースと、前記かつらベースに植毛された人工毛髪を含む全頭かつらにおいて、前記かつらベースは、首付近に装着される第1部分と、その他の領域に装着される第2部分からなり、前記第1部分に植毛された人工毛髪は、人工タンパク質繊維100質量%で構成されていることを特徴とする全頭かつらに関する。
本発明の一実施形態において、前記人工タンパク質繊維は、コラーゲン繊維であることが好ましい。本発明の一実施形態において、前記第2部分に植毛された人工毛髪は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、モダクリル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びポリオレフィン系繊維からなる群から選ばれる一種以上の繊維で構成されていてもよい。
本発明の一実施形態において、前記第2部分は、頭頂部領域に装着されるA部分、後頭部領域に装着されるB部分に区分けられていることが好ましい。本発明の一実施形態において、前記A部分に植毛された人工毛髪は、A部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを60〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜40質量%含むことが好ましい。本発明の一実施形態において、前記B部分に植毛された人工毛髪は、B部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、人工タンパク質繊維を20〜90質量%、三酸化アンチモンを含まないポリエステル系繊維Bを10〜80質量%、及び臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを0〜70質量%含むことが好ましい。
本発明は、頭部に装着するかつらベースと、前記かつらベースに植毛された人工毛髪を含む全頭かつらにおいて、首付近に装着されるかつらベースの第1部分に植毛される人工毛髪を人工タンパク質繊維100質量%で構成することで、装着期間中のダメージの蓄積を軽減することができる全頭かつらを提供することができる。
図1は本発明の一実施形態の全頭かつらを装着した状態を、一部の毛髪を透過して示した模式的側面図である。 図2Aは本発明の一実施形態の全頭かつらの裏面を示す模式的側面図であり、図2Bは同模式的表面図である。 図3は本発明の他の一実施形態の全頭かつらを装着した状態を、一部の毛髪を透過して示した模式的側面図である。 図4はダメージ促進試験用毛髪試料の模式的説明図である。 図5A―Cはダメージ促進試験に用いた嵩高測定機の模式的説明図である。 図6は頭部の各部位を示した模式的側面図である。
発明者は、頭部に装着するかつらベースと、前記かつらベースに植毛された人工毛髪を含む全頭かつら(フルウィッグ、全かつらとも称される。)において、繰り返し装着中のダメージの蓄積を軽減することについて検討を重ねた。その結果、かつらベースの首付近に装着される第1部分に植毛される人工毛髪を人工タンパク質繊維100質量%で構成することで、装着期間中のダメージの蓄積を軽減し得ることを見出し、本発明に至った。
本発明において、かつらベースとしては、特に限定されず、例えば、ネット、生地などの一般的にかつらベースとして用いるものを用いることができる。前記かつらベースにおいて、首付近を覆う第1部分と、その他の領域を覆う第2部分は一つの連続的なものであってもよく、第1部分と第2部分は異なる部材で構成され、一体化されたものであってもよい。本発明において、首付近に装着される第1部分とは、かつらベースにおいて、首に近接する部分に装着される部分をいい、かつらベースの下部に該当する。通常、図6に示されているように、頭部30は、バング部分31、トップ部分32、サイド部分33、クラウン部分34、ミドルセクション35及びネープ部分36に分けられる。人工タンパク質繊維の使用量を少なくしてコストを軽減する観点から、第1部分は、ミドルセクション35より下のネープ部分36に装着されることが好ましい。
前記人工毛髪を構成する繊維としては、特に限定されず、人工毛髪用繊維を適宜用いることができる。人工毛髪用繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、モダクリル繊維、ポリオレフィン系繊維、人工タンパク質繊維などを用いることができる。
前記人工タンパク質繊維としては、人工的に作製したタンパク質の繊維であればよく、特に限定されない。例えば、コラーゲン繊維、ケラチン繊維などのたんぱく質を主成分となる繊維を用いることができる。前記コラーゲン繊維としては、特に限定されず、公知のコラーゲン繊維を用いることができる。例えば、再生コラーゲン繊維を用いることができる。前記再生コラーゲン繊維は、例えば、コラーゲン原料を溶解処理し、可溶化して得られた可溶化コラーゲン溶液を紡糸することで得ることができる。具体的には、市販の再生コラーゲン繊維、特開2007−169806号公報に記載の再生コラーゲン繊維などを用いることができる。
コストの観点から、前記第2部分に植毛される人工毛髪は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、モダクリル繊維及びポリオレフィン系繊維からなる群から選ばれる一種以上の繊維で構成することが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、前記第2部分は、頭頂部領域に装着されるA部分、後頭部領域に装着されるB部分に区分けられてもよい。例えば、前記A部分は、主に、バング部分31、トップ部分32、サイド部分33の一部(上部)、及びクラウン部分34に装着されてもよい。前記B部分は、主に、サイド部分33の一部(下部)、及びミドルセクション35に装着されてもよい。かつらベースにおいて、第1部分と、A部分及びB部分は一つの連続的なものであってもよく、第1部分と、A部分及びB部分はそれぞれ異なる部材で構成され、一体化されたものであってもよい。
前記A部分に植毛された人工毛髪は、A部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを60〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜40質量%含むことが好ましい。より好ましくは、ポリエステル系繊維Aを70〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜30質量%含む。さらに好ましくは、ポリエステル系繊維Aを75〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜25質量%含む。毛髪の光沢が低く、より自然な外観を有するとともに、アイロンセット性にも優れる。全頭かつらにおいて、光沢は、主に、頭頂部の毛髪の光沢によって左右されるため、頭頂部領域に装着されるA部分に植毛される人工毛髪に臭素化エポキシ系難燃剤と三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを60質量%以上含ませて光沢を抑制することで、かつら全体がより自然な外観を有することになる。また、全頭かつらにおいて、ヘアアイロンによるアイロンセット性は、主に頭頂部及び後頭部の毛髪に影響されるため、A部分に植毛される人工毛髪に人工タンパク質繊維を20質量%以上含ませることでアイロンセット性が良好になる。
前記A部分に植毛された人工毛髪は、ポリエステル系繊維A及び人工タンパク質繊維に加えて、他の人工毛髪用繊維を含んでもよい。他の人工毛髪用繊維としては、ポリエステル系繊維A以外のポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、モダクリル繊維、ポリオレフィン系繊維などを用いることができる。特に限定されないが、A部分に植毛される毛髪全体の質量を100質量%とした場合、他の繊維の含有量は、例えば20質量%以下にすることができる。ポリエステル系繊維Aは、臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維であれば、特に限定されない。例えば、ポリエステル系繊維Aとして、株式会社カネカ製の難燃性ポリエステル系繊維(商品名「Futura-NL」)等の市販品を用いてもよい。
前記B部分に植毛された人工毛髪は、B部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、人工タンパク質繊維を20〜90質量%、三酸化アンチモンを含まないポリエステル系繊維Bを10〜80質量%、及びポリエステル系繊維Aを0〜70質量%含むことが好ましい。より好ましくは、人工タンパク質繊維を20〜50質量%、ポリエステル系繊維Bを10〜40質量%、及びポリエステル系繊維Aを40〜70質量%含む。さらに好ましくは、人工タンパク質繊維を20〜40質量%、ポリエステル系繊維Bを20〜40質量%、及びポリエステル系繊維Aを40〜60質量%含む。さらにより好ましくは、人工タンパク質繊維を20〜30質量%、ポリエステル系繊維Bを20〜30質量%、及びポリエステル系繊維Aを40〜60質量%含む。アイロンセット性に優れるとともに、櫛通り性にも優れる。全頭かつらにおいて、櫛通り性は、主に後頭部の毛髪に影響されるため、後頭部領域に装着されるB部分に植毛される人工毛髪に人工タンパク質繊維を20質量%以上、及び三酸化アンチモンを含まないポリエステル系繊維Bを10質量%以上含ませることで櫛通り性が良好な構成になり、ひいてはかつら全体の櫛通り性が良好になる。また、B部分に植毛される人工毛髪に人工タンパク質繊維を20質量%以上含ませることでアイロンセット性が良好になる。
前記B部分に植毛された人工毛髪は、ポリエステル系繊維A、ポリエステル系繊維B及び人工タンパク質繊維に加えて、他の人工毛髪用繊維を含んでもよい。他の人工毛髪用繊維としては、ポリ塩化ビニル系繊維、モダクリル繊維、ポリオレフィン系繊維などを用いることができる。特に限定されないが、前記B部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、他の繊維の含有量は、例えば20質量%以下にすることができる。ポリエステル系繊維Bは、三酸化アンチモンを含まないポリエステル系繊維であれば、特に限定されない。例えば、ポリエステル系繊維Bとして、株式会社カネカ製の難燃性ポリエステル系繊維(商品名「Futura」)及び難燃性ポリエステル系繊維(商品名「FuturaST」)等の市販品を用いてもよい。
前記A部分及び前記B部分のいずれにおいても、植毛される人工毛髪全体の質量に対して人工タンパク質繊維を20〜40質量%、ポリエステル系繊維Aを60〜80質量%、ポリエステル系繊維Bを10〜20質量%を含ませることができる。この場合、実質的には、頭頂部領域に装着されるA部分と後頭部領域に装着されるB部分に植毛される人工毛髪は同様の構成となる。このような構成にすることで、光沢、櫛通り性及びアイロンセット性のいずれも良好になる。
前記人工毛髪用繊維は、毛髪に好適という観点から、単繊維繊度が10〜100dtexであることが好ましく、より好ましくは20〜90dtexであり、さらに好ましくは35〜80dtexである。
本発明において、かつらベースへの人工毛髪の植毛も、特に限定されず、例えば、一般的にかつらを作製する時に行われる方法及び装置などを用いて行うことができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の全頭かつらを装着した状態を、一部の毛髪を透過して示した側面図である。図2Aは本発明の一実施形態の全頭かつらの裏面を示す模式的側面図であり、図2Bは同模式的表面図である。
図1〜2に示しているように、該実施形態(実施形態1とも記す。)の全頭かつら10は、頭部に装着されるかつらベース1と、かつらベース1に植毛された人工毛髪2を含む。かつらベース1は、首付近に装着される第1部分1aと、その他の領域に装着される第2部分1bからなる。第1部分1aに植毛された人工毛髪2aは人工タンパク質繊維100質量%で構成されている。
かつらベース1の首付近に装着される第1部分1aに植毛された人工毛髪2aを人工タンパク質繊維100質量%で構成することにより、すなわち、繰り返し装着中にダメージが起きやすい首部を覆う人工毛髪として人工タンパク質繊維を用いることにより、装着期間中のダメージの蓄積を軽減することができる。また、一定期間装着後の全頭かつらに水分を付与することで、ダメージを簡単に修復することができる。水分の付与は、特に限定されないが、水を噴霧してもよく、水性の頭髪用処理剤を付与してもよい。前記人工タンパク質繊維としては、装着期間中のダメージの蓄積を軽減しやすい観点から、コラーゲン繊維を用いることが好ましい。
図3は、本発明の他の一実施形態の全頭かつらを装着した状態を、一部の毛髪を透過して示した模式的側面図である。図3では、図1及び図2と同一の部分には同一の符合を付けており、重複する説明は省略する。
図3に示しているように、該実施形態(実施形態2とも記す。)の全頭かつら40は、頭部に装着されるかつらベース1と、かつらベース1に植毛された人工毛髪2を含む。かつらベース1は、首付近に装着される第1部分1aと、その他の領域に装着される第2部分1bからなる。第1部分1aに植毛された人工毛髪2aは人工タンパク質繊維100質量%で構成されている。
実施形態2において、第2部分1bは、頭頂部領域に装着されるA部分201、後頭部領域に装着されるB部分202に区分けられている。A部分201に植毛された人工毛髪211は、A部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、ポリエステル系繊維Aを60〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜40質量%含むことが好ましい。B部分202に植毛された人工毛髪212は、B部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、人工タンパク質繊維を20〜90質量%、ポリエステル系繊維Bを10〜80質量%、及びポリエステル系繊維Aを0〜70質量%含むことが好ましい。このような構成にすることで、かつら全体が自然な外観を有するとともに、櫛通り性及びヘアアイロンによるアイロンセット性も良好になる。
実施形態2のかつらベースのA部分201は、バング部分31、トップ部分32、サイド部分33の一部(上部)、及びクラウン部分34に装着され、かつらベースのB部分202は、サイド部分33の一部(下部)及びミドルセクション35に装着され、かつらベースの第1部分は、ネープ部分36に装着される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
繰り返し装着中のかつらにおける人工毛髪のダメージを確認するため、下記表1に示す毛髪用試料を用いてダメージ促進試験を行った。人毛としては中国人毛を用い、ポリエステル系繊維としては株式会社カネカ製の商品名「Futura」(単繊維繊度65dtex)を用い、コラーゲン繊維としては株式会社カネカ製の商品名「Ultima」(単繊維繊度78dtex)を用いた。図4に示すように、毛髪用試料20は、全長が20インチ、レイヤー部21の長さが8インチ、質量が43gであった。ダメージの評価方法は、ダメージが発生すると嵩が出てくる性質を利用し、嵩高値を測定することでダメージレベルを判断した。ダメージが多いほど嵩高値が大きくなる。
<ダメージ促進試験>
(1)毛髪用試料のレイヤー部の初期嵩高値を測定した。
(2)毛髪用試料に対してブラシにて逆毛を立てて毛髪を絡ませた。
(3)手でレイヤー部を10回揉み込み、毛髪をさらに絡ませた。
(4)ブラシで絡まった毛髪を梳きほぐした。
(5)毛髪用試料のレイヤー部の嵩高値を測定した。
(6)(2)〜(5)の作業を10回繰り返した。
(7)毛髪用試料100質量部に対して20質量部の水分をスプレ−にて付与し、ダメージを回復させた。
(8)櫛を通した後、毛髪用試料のレイヤー部の嵩高値を測定した。
<嵩高値の測定>
毛髪用試料の嵩高値は、図5に示した嵩高測定機を用いて測定した。図5A〜Cに示されているように、嵩高測定機100は、支持台101と、支持台101の上に配置され、毛髪を挟む挟み具102、103を備えている。挟み具102には、目盛104が透明テープ(図示無し)で貼り付けられている。支持台101、挟み具102及び103は、いずれもアクリル系樹脂で構成されている。図5Cに示されているように、挟み具102と挟み具103の間に毛髪用試料20を、挟み具102の長さ方向の中心と毛髪用試料20のレイヤー部21の中心が一致するように配置して嵩高値を測定した。その結果を下記表1に示した。
Figure 0006806703
上記表1の結果から分かるように、ダメージ促進試験において、コラーゲン繊維100質量%の毛髪用試料は、ポリエステル系繊維100質量%の毛髪用試料より、ダメージの蓄積が少なく、ダメージの回復も容易であった。この結果から、頭部に装着するかつらベースと、前記かつらベースに植毛された人工毛髪を含む全頭かつらにおいて、首付近に装着されるかつらベースの第1部分に植毛される人工毛髪を人工タンパク質繊維100質量%で構成することで、首部を人工タンパク質繊維で覆い、かつらの装着期間中のダメージの蓄積を軽減し得ることが推定できる。
下記表2に示す構成の毛髪用試料について、下記のように、光沢値、櫛通り性、ヘアアイロンによるアイロンセット性を測定・評価した。その結果を下記表2に示した。ポリエステル系繊維Aとして株式会社カネカ製の難燃性ポリエステル系繊維(商品名「Futura-NL」、単繊維繊度58dtex)を用い、ポリエステル系繊維Bとして株式会社カネカ製の難燃性ポリエステル系繊維(商品名「Futura」、単繊維繊度65dtex)を用い、コラーゲン繊維として株式会社カネカ製の再生コラーゲン繊維(商品名「Ultima」、単繊維繊度78dtex)を用いた。
<光沢値の測定>
光沢測定装置(ボサノヴァテクノロジース社製、品名「SAMBA Hair」)を用いて光沢値を測定した。光沢値が30以下を合格とし、光沢値が30を超えると不合格とした。
<櫛通り性の評価>
フォースゲージ(日本電産シンポ社製、型番「FGC−10B」)に毛髪用試料(繊維質量50g、長さ16inch)を吊り、毛髪用試料をブラシ(成進社製、品名「WIGブラシ」)で挟み込み、上から下へブラシを移動させ、その加重を測定し、櫛通り値とした。櫛通り値が低いほど櫛通り性が良好であることを意味する。櫛通り値が3kg以下を合格とし、3kgを超えると不合格とした。
<アイロンセット性の評価>
毛髪用試料(繊維質量15g、長さ38cm)の上端から2cmの部位をゴム止めした後、マネキンヘット(レジーナ社製、品名「CUT66」)の頭頂部に毛髪用試料の上端部を取り付けた。180℃に加熱したヘアアイロン(米国Belson Products社製、「GOLD N HOT Professional Ceramic Spring Curling Iron 1−1/4inch GH2150」)にて毛髪用試料の毛先を掴み、根元に巻き上げ、5秒間保持した後、カール形状が崩れないように手の上に乗せ、1秒以内に手を離してカールを付与した。カールを付与した毛髪用試料をマネキンヘットからはずし、その長さを計測した。カールを付与した毛髪用試料の長さが小さいほどカールが付きやすく、アイロンセット性が良好であることを意味する。カールを付与した毛髪用試料の長さが35cm以下を合格とし、35cmを超えると不合格とした。
Figure 0006806703
上記表2の結果から分かるように、再生コラーゲン繊維を20質量%以上含む毛髪用試料1〜5及び8は、カールを付与した後の長さが35cm以下であり、ヘアアイロンによるアイロンセット性が良好であった。ポリエステル系繊維Aを60質量%以上含む毛髪用試料1〜4及び7は、光沢値が30以下であり、自然な外観を示していた。人工毛髪用繊維を20質量%以上、及びポリエステル系繊維Bを10質量%以上含む毛髪用試料2、3及び5は、櫛通り値が3kg以下であり、櫛通り性が良好であった。
(実施例1)
かつらベース1の第1部分1aには、上述した毛髪用試料8と同じ構成になるように再生コラーゲン繊維(株式会社カネカ製、商品名「Ultima」、単繊維繊度78dtex、繊維長30cm)100質量%を植毛し、かつらベース1の第2部分1bには、上述した毛髪用試料6と同じ構成になるようにポリエステル系繊維B(株式会社カネカ製、商品名「Futura」、単繊維繊度65dtex、繊維長30cm)を100質量%植毛し、図1に示すような全頭かつら10を作製した。
(実施例2)
かつらベース第1部分1aには、上述した毛髪用試料8と同じ構成の再生コラーゲン繊維100質量%からなる毛髪2aを、かつらベースのA部分201には、上述した毛髪用試料1と同じ構成のポリエステル系繊維A80質量%及びコラーゲン繊維20質量%からなる毛髪211を、かつらベースのB部分202には、上述した毛髪用試料5と同じ構成のポリエステル系繊維B30質量%、ポリエステル系繊維A50質量%及び再生コラーゲン繊維20質量%からなる毛髪212を植毛し、図3に示すような全頭かつら40を作製した。
(比較例1)
かつらベースの全体にポリエステル系繊維B(株式会社カネカ製、商品名「Futura」、単繊維繊度65dtex、繊維長30cm)を100質量%植毛した以外は、実施例1と同様にしてかつらを作製した。
実施例1、実施例2及び比較例1の全頭かつらを被験者の頭部に1週間装着した後、ダメージが少ないのを5とし、ダメージが多いのを1とし、ダメージの程度を5から1の5段階で官能評価し、その結果を下記表3に示した。
Figure 0006806703
実施例1及び実施例2の全頭かつらは、比較例1の全頭かつらに比べてダメージの蓄積が少なかった。実施例2の全頭かつらは実施例1の全頭かつらに比べて光沢が抑えられており、より自然な外観を示していた。実施例1及び実施例2のかつらは、水や水性の頭髪用処理剤等により水分を付与しただけで、ダメージの修復が良好であった。
1 かつらベース
1a 第1部分
1b 第2部分
2 人工毛髪
2a 第1部分に植毛された人工毛髪
2b 第2部分に植毛された人工毛髪
10、40 全頭かつら
20 毛髪用試料
21 レイヤー部
30 頭部
31 バング部分
32 トップ部分
33 サイド部分
34 クラウン部分
35 ミドルセクション
36 ネープ部分
100 嵩高測定機
101 支持台
102、103 挟み具
104 目盛
201 A部分
202 B部分
211 A部分に植毛された人工毛髪
212 B部分に植毛された人工毛髪

Claims (5)

  1. 頭部に装着するかつらベースと、前記かつらベースに植毛された人工毛髪を含む全頭かつらにおいて、
    前記かつらベースは、首付近に装着される第1部分と、その他の領域に装着される第2部分からなり、
    前記第1部分に植毛された人工毛髪は、人工タンパク質繊維100質量%で構成されており、
    前記第2部分に植毛された人工毛髪は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、モダクリル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びポリオレフィン系繊維からなる群から選ばれる一種以上の繊維を含むことを特徴とする全頭かつら。
  2. 前記人工タンパク質繊維は、コラーゲン繊維である請求項1に記載の全頭かつら。
  3. 前記第2部分は、頭頂部領域に装着されるA部分、後頭部領域に装着されるB部分に区分けられている請求項1又は2に記載の全頭かつら。
  4. 前記A部分に植毛された人工毛髪は、A部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを60〜80質量%、及び人工タンパク質繊維を20〜40質量%含む請求項に記載の全頭かつら。
  5. 前記B部分に植毛された人工毛髪は、B部分に植毛される人工毛髪全体の質量を100質量%とした場合、人工タンパク質繊維を20〜90質量%、三酸化アンチモンを含まないポリエステル系繊維Bを10〜80質量%、及び臭素化エポキシ系難燃剤及び三酸化アンチモンを含むポリエステル系繊維Aを0〜70質量%含む請求項又はに記載の全頭かつら。
JP2017553861A 2015-12-02 2016-11-29 全頭かつら Active JP6806703B2 (ja)

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