JP6806631B2 - 失火判定装置 - Google Patents

失火判定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6806631B2
JP6806631B2 JP2017107587A JP2017107587A JP6806631B2 JP 6806631 B2 JP6806631 B2 JP 6806631B2 JP 2017107587 A JP2017107587 A JP 2017107587A JP 2017107587 A JP2017107587 A JP 2017107587A JP 6806631 B2 JP6806631 B2 JP 6806631B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
misfire
combustion pressure
imep
misfire determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017107587A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018204452A (ja
Inventor
一紀 菊池
一紀 菊池
親司 滝口
親司 滝口
大介 北村
大介 北村
信之 岸
信之 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2017107587A priority Critical patent/JP6806631B2/ja
Priority to DE102018112765.0A priority patent/DE102018112765A1/de
Publication of JP2018204452A publication Critical patent/JP2018204452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6806631B2 publication Critical patent/JP6806631B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • F02D35/023Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining the cylinder pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P17/00Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M15/00Testing of engines
    • G01M15/04Testing internal-combustion engines
    • G01M15/11Testing internal-combustion engines by detecting misfire

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、エンジンの失火を検知、判定する失火判定装置に係り、特に、不等間隔爆発エンジンの失火判定に好適な失火判定装置に関する。
四輪車両において、クランクパルスの発生時間間隔(クランクパルス間時間)から測定されるクランク角速度に基づいてエンジンの失火を判定する技術が知られている。特許文献1には、クランク角速度と筒内圧力を検知する燃焼圧センサとを用いて失火を検知する技術が開示されている。特許文献1では、各気筒に配置された燃焼圧センサにより気筒毎に圧力変動を検知することで失火判定を行う一方、エンジンの低回転域では燃焼圧力変動による失火判定が困難となることから、低回転域ではクランク角速度検出による失火判定に切り替えている。
特開平7−119532号公報
近年、修理性の向上や環境保護の観点から、自動二輪車においても失火判定技術の採用が検討されている。自動二輪車では、エンジンの性能や特徴に対する多様性の要求、特にスポーツバイクではトラクション性能への期待から、不等間隔爆発エンジンが多数採用されている。
特許文献1では、失火検知をクランク角度ベースの検出方法および燃焼圧ベースの検出方法のお互いの得意領域を分担採用することで検出精度を向上させることができるものの、全ての気筒に筒内圧センサをそれぞれ設けなければならない。したがって、特に多気筒エンジンに採用した場合には、センサ数が増加することにより工数の増加やコストアップを招くという課題があった。
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、不等間隔爆発エンジンにおいて高価な燃焼圧センサの使用を最小限に抑えながら失火を確実に判定できる失火判定装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、爆発順序が連続し、膨張行程の期間が一部重なる爆発タイミング特性を有する気筒ペアを含む4ストローク式の多気筒式内燃機関の失火判定装置において、以下の構成を具備した点に特徴がある。
(1) クランク角速度を検知する手段(53,66,67)と、膨張行程の期間が一部重なる気筒ペアの少なくとも一方に設けられた燃焼圧センサ(40,140)と、燃焼圧センサが設けられた気筒の失火を燃焼圧センサの出力に基づいて判定する燃焼圧ベース失火判定手段(202)と、燃焼圧センサが設けられていない残余全ての気筒の失火をクランク角速度に基づいて判定する角速度ベース失火判定手段(203)とを具備した。
(2) 内燃機関を、爆発間隔が180度未満の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンとした。
(3) 内燃機関を、爆発間隔が90度の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンとした。
(4) 燃焼圧ベース失火判定手段(202)が、クランク角を検知する手段(202a)と、燃焼圧センサの出力に基づいて筒内の燃焼圧を検知する手段(202b)と、クランク角に基づく行程容積値と前記燃焼圧センサの出力との関係に表す指圧線図(PV線図)を用いて平均有効圧力(IMEP)を計算する手段(202c)と、前記IMEPに基づいて失火状態を判定する失火判定手段(202d)とを具備した。
(5) 失火判定手段(202d)は、今回サイクルで求めたIMEPを失火判定閾値IMEP_refと比較し、IMEP<IMEP_refであると失火状態と判定するようにした。
(6) 失火判定手段(202d)は、前回サイクルで算出したIMEP_n-1を今回サイクルで算出したIMEP_nと比較し、IMEP_nがIMEP_n-1よりも小さければ失火状態と判定するようにした。
(7) 燃焼圧センサ(40,140)が隣接する気筒のシリンダヘッドの間に配置され、その感圧部(40b,140b)が燃焼室に連通する連通通路に露出するようにした。
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1) 本発明は、爆発順序が連続し、膨張行程の期間が一部重なる爆発タイミング特性を有する気筒ペアを含む4ストローク式の多気筒式内燃機関の失火判定装置において、クランク角速度を検知する手段(53,66,67)と、前記気筒ペアの少なくとも一方に設けられた燃焼圧センサ(40,140)と、前記燃焼圧センサが設けられた気筒の失火を前記燃焼圧センサの出力に基づいて判定する燃焼圧ベース失火判定手段(202)と、前記燃焼圧センサが設けられていない残余全ての気筒の失火を前記クランク角速度に基づいて判定する角速度ベース失火判定手段(203)とを具備した。
したがって、膨張行程の期間が重複せずに角速度ベースでの失火判定が可能な気筒ついては燃焼圧センサを設けずに角速度ベースでの失火判定を行う一方、膨張行程の期間が重複するために角速度ベースでの失火判定が困難な一部の気筒にのみ燃焼圧センサを設けて燃焼圧ベースでの失火判定を行うので、全ての気筒に燃焼圧センサを配置する従来技術に較べて燃焼圧センサの使用数を減らすことでき、簡単な構成かつ低コストで高精度の失火判定を実現できるように。
(2) 内燃機関を、爆発間隔が180度未満の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンとしたので、膨張行程の期間が一部重なる可能性のある不等間隔爆発エンジンの失火を確実に判定できるようになる。
(3) 内燃機関を、爆発間隔が90度の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンとしたので、高いトラクション性能を期待できるように爆発タイミングが設定されている不等間隔爆発エンジンの失火を確実に判定できるようになる。
(4) 燃焼圧ベース失火判定手段(202)が、クランク角を検知する手段(202a)と、燃焼圧センサの出力に基づいて筒内の燃焼圧を検知する手段(202b)と、クランク角に基づく行程容積値と前記燃焼圧センサの出力との関係に表す指圧線図(PV線図)を用いて平均有効圧力(IMEP)を計算する手段(202c)と、前記IMEPに基づいて失火状態を判定する失火判定手段(202d)とを具備したので、エンジンの燃焼状態を定量的に把握できるようになり、合理的な失火判定が可能になる。
(5) 失火判定手段(202d)は、今回サイクルで求めたIMEPを失火判定閾値IMEP_refと比較し、IMEP<IMEP_refであると失火状態と判定するので、失火判定条件をエンジン仕様ごとに最適化することができ、高精度の失火判定が可能になる。
(6) 失火判定手段(202d)は、前回サイクルで算出したIMEP_n-1を今回サイクルで算出したIMEP_nと比較し、IMEP_nがIMEP_n-1よりも小さければ失火状態と判定するようにしたので、エンジン仕様に応じて指圧線図やIMEPが異なることを意識することなく、同様のアルゴリズムで失火判定を行えるようになる。
(7)燃焼圧センサが隣接する気筒のシリンダヘッドの間に配置され、感圧部が検出対象気筒の燃焼室に連通する連通通路に露出するようにしたので、隣り合う気筒の何れか一方ののみを検知したい場合でも、センサの取付位置を共通化しながら、連通通路の形状を異ならせるのみの対応で行えるため、複数種の内燃機関での配置が容易に行えるようになる。
本発明が適用されるエンジン10の左側面視断面図である。 エンジン10の背面視断面図である。 パルサリング53の配置説明図である。 燃焼室31の周辺部の拡大断面図である。 図4の断面図に示されるシリンダヘッド18をシリンダブロック部17側から見た斜視図である。 図4において燃焼圧センサ40の周辺部を拡大した断面図である。 エンジン110の左側面視断面図である。 エンジン110の背面視断面図である。 シリンダブロック部117をシリンダヘッド118側から見た平面図である。 図9のX-X線断面図である。 図10の燃焼圧センサ140の周辺部を拡大した断面図である。 4気筒の不等間隔爆発エンジンにおけるクランク角(横軸)と角速度(縦軸)との関係およびその周波数解析の結果を示した図である。 本発明の一実施形態に係る失火判定装置の主要部の構成を示した機能ブロック図である。 正常燃焼時[同図(a)]および失火時[同図(b)]における行程容積と筒内の燃焼圧との関係を示した指圧線図の典型例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。ここでは初めに、本発明の基本的な考え方について、図12を参照して説明し、その後、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図12は、V型4気筒の不等間隔爆発エンジンにおけるクランク角(横軸)と角速度(縦軸)との関係を示した図であり、ここでは、点火順序が第1気筒(#1)→第3気筒(#3)→第2気筒(#2)→第4気筒(#4)→第1気筒(#1)の順であって、#1/#3間の爆発間隔が180度、#3/#2間の爆発間隔が270度、#2/#4間の爆発間隔が180度、#4/#1間の爆発間隔が90度の不等間隔爆発エンジンを例にして説明する。
同図(a)は、全ての気筒が正常に爆発している場合(◆)、第3気筒のみで失火が発生している場合(■)、および第4気筒のみで失火が発生している場合(▲)におけるクランク角と角速度との関係を表し、同図(b)は同図(a)の波形を周波数解析して次数とゲインとの関係を示した図である。
同図(a)を参照し、第3気筒(#3)が失火した場合、次の第4気筒の爆発タイミングまでの間隔が長いのでクランク角速度の漸減状態が長く続く。これに対して、第4気筒(#4)が失火した場合、次の第1気筒(#1)の爆発タイミングまでの間隔が短く、第4気筒(#4)と第1気筒(#1)とは膨張行程の期間が一部重なっている。したがって、次の第1気筒(#1)が正常爆発すると第4気筒(#4)が失火していてもクランク角速度が短時間で上昇に転じてしまい、失火時に固有の角速度変化を観察しにくい。
同図(b)を参照しても、角速度変化の周波数成分を次数成分で表すと、第3気筒(#3)が失火した場合はクランク角速度の漸減状態が長く続き、波形の低周波成分が増えるので低次数成分が増えるのに対して、第4気筒(#4)が失火した場合は第3気筒(#3)が失火した場合に較べて角速度変化の低周波成分が減るので低次数成分が減少している。
本発明では、不等間爆発エンジンにおいて爆発間隔が短くて膨張行程の期間が一部重な気筒ペアのうち、特に爆発タイミングが前の気筒(#1)については、角速度変化に基づく失火判定が難しいことを新たに知見し、これを解決するために、当該気筒と他の気筒との失火判定の構成を異ならせた点に特徴がある。
図1は、本発明が適用される不等間隔爆発エンジン10の左側面視断面図であり、図2はエンジン10の背面視断面図である。
エンジン10は、自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載される。エンジン10は、車体前方側で直列に配置された2気筒と車体後方側で直列に配置された2気筒とを90度の挟み角で配置したV型4気筒の4サイクルエンジンである。
エンジン10は、自動二輪車の前輪と後輪との間に配置されて車体フレームに支持される。エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸11を収容するクランクケース12と、クランクケース12に結合されるシリンダ部13とを備える。シリンダ部13は、クランクケース12の上部から自動二輪車の前上方および後上方に略V字型をなして延出している。クランクケース12の後部には、エンジン10の駆動力を減速して後輪側に伝達する変速機TMが収納されている。
クランクケース12の下部には、オイルパン15が取り付けられている。シリンダ部13は、ピストン16が収容されるシリンダブロック部17と、シリンダブロック部17の上面に結合されるシリンダヘッド18と、シリンダヘッド18の上面に取り付けられるシリンダヘッドカバー19とを備える。
シリンダヘッド18とシリンダヘッドカバー19との間に形成される動弁室20には、クランク軸11と平行に配置される吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22が収容されている。吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22は、シリンダヘッド18の上面部に支持され、クランク軸11に連動して回転する。
前後気筒の間の位置には吸気装置23が取り付けられており、前側気筒のシリンダヘッド18の前側および後側気筒のシリンダヘッド18の後側には、排気管が接続される排気ポート33が形成されている。ピストン16は、コンロッド26を介してクランク軸11に連結される。ピストン16は、クランク軸11と平行に設けられるピストンピンを介して、コンロッド26の先端部に連結されている。
クランク軸11は、クランクケース12のクランク室27に設けられた複数の支持壁27aに回転自在に支持されている。ピストン16は、シリンダブロック部17に形成される円筒状のシリンダボア28に収容される。シリンダヘッド18には、動弁装置29および点火プラグ30が設けられる。
シリンダヘッド18は、ピストン16の天面16a(図4参照)に対向する燃焼凹部18aを備える。燃焼凹部18aは、シリンダヘッド18の下面がシリンダヘッドカバー19側に窪んだ凹部であり、シリンダボア28の上面開口を塞ぐ。燃焼室31は、天面16aと燃焼凹部18aとの間に形成される。
シリンダヘッド18は、その下端の開口部33a(図4参照)を介して吸気装置23を燃焼室31に連通させる吸気ポート32と、その下端の開口部33aを介して燃焼室31を排気管24に連通させる排気ポート33とを備える。吸気ポート32内には、燃料供給装置34によって燃焼が噴射される。
動弁装置29は、吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22と、吸気ポート32の開口部33aを開閉する吸気弁35と、排気ポート33の開口部33aを開閉する排気弁36と、吸気弁35を閉弁方向に付勢する弁ばねと、排気弁36を閉弁方向に付勢する弁ばねとを備える。吸気弁35および排気弁36は、各気筒に、クランク軸11の軸方向に並んで一対設けられ。
吸気弁35は、吸気カムシャフト21に設けられた吸気カム21aに押圧されることで駆動され、所定のタイミングで吸気ポート32の開口部33aを開く。排気弁36は、排気カムシャフト22に設けられた排気カムに押圧されることで駆動され、所定のタイミングで排気ポート33の開口部33aを開く。
クランク軸11は、クランク室27から外側に突出した軸端部に、駆動スプロケット37を備える。クランク軸11の駆動力は、駆動スプロケット37と吸気カムシャフト21および排気カムシャフト22とを接続する駆動力伝達部材38によって動弁装置29に伝達される。エンジン10は、右側の気筒の外側に動力伝達部材収納室39を備える。駆動力伝達部材38は、動力伝達部材収納室39に収納される。駆動力伝達部材38は、例えば、チェーンである。
ピストン16は、吸気ポート32から燃焼室31に供給される混合が点火プラグ30に点火されて燃焼することで、シリンダボア28内を往復運動する。エンジン10は、4サイクルエンジンであり、ピストン16が下がって吸気する吸気行程、ピストン16が上死点まで上がって混合気を圧縮する圧縮行程、点火プラグ30で点火された燃焼ガスの膨張によりピストン16が下死点まで下がる燃焼行程およびピストン16が上がって排気する排気行程が、それぞれクランク軸11が180°回転する毎に開始される。
クランク軸11の回動動力は、クラッチCLを介して主軸MSに伝達され、主軸MSと副軸CSとの間に設けられる複数の歯車対からなる変速機TMによって減速され、副軸CSの端部から出力される。クランク軸11の端部には、発電機Gが設けられている。
エンジン10は、点火プラグ30による点火のタイミングが、4つの気筒で異なるエンジンである。エンジン10には、シリンダ部13内の圧力を検出する燃焼圧センサ40が設けられている。
図3は、パルサリング53の配置説明図である。パルサリング53は、回転軸線に同軸にクランク軸11に結合されて、クランク軸11と一体に回転する環状板形状に形成される。パルサリング53は、回転軸線まわりに環状に等間隔に配列される複数のリラクタ66を備える。磁性体等で構成されるリラクタ66は所定の中心角ごとに配置される。
エンジン10は、パルサリング53の環状軌道に向き合わせられてパルサリング53の動きに応じてパルス信号を生成するパルサセンサ67を備える。パルサセンサ67は、クランクケース12の内部空間に臨む本体69と、本体69に結合されて、クランクケース12に締結される締結片72とを備える。貫通孔68は、第2駆動軸44の軸心を指向する軸線を有する。パルサセンサ67は、パルサリング53の軌道上で検出される磁性体の有無に応じて電気信号を出力する。パルサセンサ67は、クランク軸11の角位置を特定するパルス信号を出力する。
締結片72は、クランクケース12の上面から突出する台座73の上面に重ねられてボルト74で台座73に締結される。パルサセンサ67で最も感度の高い検出軸線75はクランク軸11の回転軸線を指向する。また、検出軸線75は回転軸線に直交する。
パルサセンサ67は、クランク軸11の軸延長線上の視点から見てカムチェーン38の循環軌道から外側であって車体前方に配置される。パルサセンサ67は、カムチェーン38の循環軌道の下方であって、クランクケース12の上下合わせ面76の上方に位置する。
図4は、燃焼室31の周辺部の拡大断面図である。また、図5は図4の断面図に示されるシリンダヘッド18をシリンダブロック部17側から見た斜視図である。燃焼圧センサ40は、円柱状の本体部40aと、その先端部に設けられる感圧部40bと、本体部40aの基端部から引き出される配線部40cとを備える。感圧部40bは、本体部40aよりも小径に形成されている。燃焼圧センサ40は、例えば、圧電式のセンサである。感圧部40bで検出された圧力は、本体部40aの回路部によって電気信号に変換され、配線部40cを介してエンジン10または車両の制御部に出力される。
シリンダヘッド18の下面は、シリンダブロック部17の上面17aに当接して上面17aに結合される結合面18bを構成する。シリンダヘッド18とシリンダブロック部17とは、シリンダ軸線13aに平行な向きでシリンダボア28の周囲に設けられる複数のボルトで結合される。点火プラグ30は、シリンダヘッド18の燃焼凹部18aに形成されたプラグ支持孔18cに挿入されて支持されている。プラグ支持孔18cは、シリンダ軸線13a上に設けられる。シリンダヘッド18の上面は、シリンダヘッドカバー19が結合されるヘッドカバー結合面18dを構成する。
シリンダヘッド18は、燃焼室31Lと燃焼室31Rとを仕切る壁部18eを、燃焼室31Lと燃焼室31Rとの間に備える。連通路50は、シリンダヘッド18の壁部18eにおける結合面18bに形成された溝51と、シリンダブロック部17の上面17aとによって区画される孔部である。溝51は直線状に延びて燃焼室31Lに開口する。溝51は、例えば、シリンダヘッド18の鋳造時に一体に形成する方法や、シリンダヘッド18を鋳造後に機械加工で切削する等の方法によって形成される。本実施の形態では、溝51がシリンダヘッド18の端面に形成されて外側に開放しているため、鋳造や機械加工で溝51を容易に形成できる。
図6は、図4において燃焼圧センサ40の周辺部を拡大した断面図である。シリンダヘッド18の壁部18eには、連通路50に連通するセンサ支持孔45が形成されている。センサ支持孔45は、シリンダヘッドカバー19側から溝51の底面51aに貫通する。詳細には、シリンダヘッド18において壁部18eとヘッドカバー結合面18dとの間には、エンジン10の冷却水が流れるウォータージャケット18fが形成されており、センサ支持孔45は、ウォータージャケット18fと連通路50とを連通させる。
センサ支持孔45は、プラグ支持孔18cおよびシリンダ軸線13aと平行に設けられる。このため、プラグ支持孔18cおよびセンサ支持孔45を機械加工等で仕上げる際に、同一の方向からプラグ支持孔18cおよびセンサ支持孔45を加工でき、センサ支持孔45を容易に加工できる。
燃焼圧センサ40は、センサ支持孔45にウォータージャケット18f側から挿入されてセンサ支持孔45に固定される。燃焼圧センサ40の感圧部40bは、連通路50内に露出する。燃焼圧センサ40は、連通路50上において、燃焼室31Lと燃焼室31Rとの中間地点に配置される。
燃焼圧センサ40は、連通路50を密閉できるようにセンサ支持孔45に固定される。燃焼圧センサ40は、例えば、燃焼圧センサ40の外周に設けたねじ部材によってセンサ支持孔45に固定されるが、この固定方法は特に限定されない。また、シリンダヘッド18は、燃焼圧センサ40をヘッドカバー結合面18d側からセンサ支持孔45に挿入するためのセンサ通し孔18gを、ウォータージャケット18fを区画する壁に備える。センサ通し孔18gは、燃焼圧センサ40がセンサ支持孔45に固定された後、栓部材によって塞がれる。
連通路50は、溝51の側面51bから連通路50内に突出する突出部52を備える。突出部52の突出量は、連通路50を塞がない大きさに設定される。突出部52の上面は平坦面であり、燃焼圧センサ40の先端の感圧部40bは、この平坦面に突き当てられて位置決めされる。上記した構成により、連通路50に配置される燃焼圧センサ40によって燃焼室31Lの圧力を検出することができる。
図7は、エンジン110の左側面視断面図である。また、図8はエンジン110の背面視断面図である。エンジン110は、4つの気筒が車幅方向に直列に配置された4サイクルエンジンであり、自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載される。エンジン110は、自動二輪車の前輪と後輪との間に配置され、車体フレームに支持される。エンジン110は、車幅方向に延びるクランク軸111を収容するクランクケース112と、クランクケース112に結合されるシリンダ部113とを備える。シリンダ部113は、クランクケース112の前部の上部から自動二輪車の前上方に延出している。シリンダ部113のシリンダ軸線113aは、鉛直方向に対して前傾している。
クランクケース112の後部には、エンジン110の駆動力を減速して後輪側に伝達する変速機が収納されている。クランクケース112の下部には、オイルパン115が取り付けられている。
クランクケース112は、上下に2分割された上ケース112aと下ケース112bとを結合させて形成される。オイルパン115は、下ケース112bの下面に取り付けられる。シリンダ部113は、ピストン116が収容されるシリンダブロック部117と、シリンダブロック部117の上面に結合されるシリンダヘッド118と、シリンダヘッド118の上面に取り付けられるシリンダヘッドカバー119とを備える。シリンダブロック部117は、クランクケース112の上ケース112aの上部に一体に形成されている。
シリンダヘッド118とシリンダヘッドカバー119との間に形成される動弁室120には、クランク軸111と平行に配置される吸気カムシャフト121および排気カムシャフト122が収容されている。吸気カムシャフト121および排気カムシャフト122は、シリンダヘッド118の上面部に支持され、クランク軸111に連動して回転する。
シリンダ部113は、クランク軸111の軸線111aに沿って配列された4つの気筒125を備え、各気筒125にピストン116が設けられる。各気筒125は同様に構成されている。各気筒125において、シリンダヘッド118の後面部には吸気装置123が取り付けられ、シリンダヘッド118の前面部には排気管124が取り付けられる。
ピストン116は、コンロッド126を介してクランク軸111に連結される。ピストン116は、クランク軸111と平行に設けられるピストンピン126aを介して、コンロッド126の先端部に連結されている。クランク軸111は、クランクケース112のクランク室127に設けられた複数の支持壁127aに回転自在に支持されている。
各気筒125は、シリンダブロック部117に形成されてピストン116が収容されるシリンダボア128と、シリンダヘッド118に設けられる動弁装置129と、シリンダヘッド118に取り付けられる点火プラグ130とを備える。円筒状に形成されたシリンダボア128の軸線は、シリンダ部113のシリンダ軸線113aである。各コンロッド126は、それぞれクランク軸111の周方向に対して90°間隔をもって連結されているため、爆発間隔がいずれかの気筒との間で不等間隔となるように設定が可能である。
シリンダヘッド118は、下端の開口部132aを介して吸気装置123を燃焼室131に連通させる吸気ポート132と、下端の開口部133aを介して燃焼室131を排気管124に連通させる排気ポート133とを備える。吸気ポート132内には、燃料供給装置134によって燃料が噴射される。
動弁装置129は、吸気カムシャフト121および排気カムシャフト122と、吸気ポート132の開口部132aを開閉する吸気弁135と、排気ポート133の開口部133aを開閉する排気弁136と、吸気弁135を閉弁方向に付勢する弁ばね135aと、排気弁136を閉弁方向に付勢する弁ばね136aとを備える。
吸気弁135は、1つの気筒125毎に、クランク軸111の軸方向に並んで一対設けられる。排気弁136は、1つの気筒125毎に、クランク軸111の軸方向に並んで一対設けられる。すなわち、1つの気筒125には、4つの弁135,136が配置されている。
吸気弁135は、吸気カムシャフト121に設けられた吸気カム121aに押圧されることで駆動され、所定のタイミングで開口部132aを開く。排気弁136は、排気カムシャフト122に設けられた排気カム122aに押圧されることで駆動され、所定のタイミングで開口部133aを開く。
クランク軸111は、クランク室から外側に突出した軸端部に、駆動スプロケット137を備える。クランク軸111の駆動力は、駆動スプロケット137と吸気カムシャフト121および排気カムシャフト122とを接続する駆動力伝達部材138によって動弁装置129に伝達される。エンジン110は、複数の気筒125の配列におけるもっとも外側の気筒の側方に隣接する位置に動力伝達部材収納室139を備える。駆動力伝達部材138は、動力伝達部材収納室139に収納される。駆動力伝達部材138は、例えばチェーンである。
ピストン116は、吸気ポート132から燃焼室131に供給される混合が点火プラグ130に点火されて燃焼することで、シリンダボア128内を往復運動する。エンジン110には、シリンダ部113内の圧力を検出する燃焼圧センサ140が設けられている。
図9は、シリンダブロック部117をシリンダヘッド118側から見た平面図である。また、図10は図9のX-X線断面図である。燃焼圧センサ140は、円柱状の本体部140aと、その先端部に設けられる感圧部140bと、本体部140aの基端部から引き出される配線部140cとを備える。感圧部140bは、本体部140aよりも小径に形成されている。燃焼圧センサ140は、例えば圧電式のセンサである。感圧部140bで検出された圧力は、本体部140aの回路部によって電気信号に変換され、配線部140cを介してエンジン110または車両の制御部に出力される。
シリンダブロック部117は、クランク軸111の軸線111aに沿って配設される複数のシリンダボア128と、複数のシリンダボア128を周囲から囲うように設けられる外壁部142と、シリンダボア128と外壁部142との間に形成されるウォータージャケット143とを備える。シリンダブロック部117の外壁部142の上面部には、シリンダヘッド118をシリンダブロック部117に結合するボルトが挿通される固定孔117aが複数形成されている。
固定孔117aは、シリンダボア128の前方側および後方側において、クランク軸111の軸線111aに沿うように複数設けられている。詳細には、固定孔117aは、シリンダボア128の配列における両外側のシリンダボア128の外側面部の前後と、互いに隣接するシリンダボア128同士の結合部の前後とに設けられている。シリンダボア128の配設方向は、クランク軸111の軸線111aの延在方向である。また、シリンダボア128の前後方向は、図9の平面視において軸線111aに直交する方向である。
ウォータージャケット143には、エンジン110の冷却水が流れる。ウォータージャケット143は、シリンダボア128の前後に配置されており、シリンダボア128を前方および後方から覆う。ウォータージャケット143は、クランク軸111の軸方向において、互いに隣接する固定孔117aの間に延在している。
シリンダブロック部117は、ウォータージャケット143の上端部でシリンダボア128と外壁部142とをシリンダボア128の径方向に繋ぐブリッジ部144を備える。ブリッジ部144は、シリンダボア128の前後のウォータージャケット143にそれぞれ設けられている。ブリッジ部144は、シリンダボア128の配列方向でシリンダボア128を2等分する面上に設けられている。また、ブリッジ部144の上面は、シリンダブロック部117とシリンダヘッド118との結合面となるシリンダブロック部117の上面と面一である。シリンダブロック部117の剛性はブリッジ部144によって向上する。
図11は、図10の燃焼圧センサ140の周辺部を拡大した断面図である。シリンダブロック部117は、その上部において燃焼室131の近傍に、燃焼圧センサ140を支持するセンサ支持孔145を備える。センサ支持孔145は、シリンダブロック部117をシリンダボア128の径方向に貫通する孔である。センサ支持孔145は、シリンダボア128の後方に配置されると共に、クランク軸111の軸線111aおよびシリンダ軸線113aに直交する向きで配置される。
センサ支持孔145は、外壁部142、ブリッジ部144およびシリンダボア128を貫通する孔であり、その一部がブリッジ部144に設けられている。センサ支持孔145は、外壁部142の外面からシリンダボア128側へ内側に延びる支持孔部145aと、支持孔部145aをシリンダボア128の内部に連通させる検出孔145bとを備える。
支持孔部145aには、燃焼圧センサ140の感圧部140bおよび本体部140aが挿入されて支持される。検出孔145bは、燃焼圧センサ140の感圧部140bよりも小径に形成されている。燃焼圧センサ140は、シリンダブロック部117の後方の外側から支持孔部145aに挿入され、感圧部140bの先端面の外周部が、検出孔145bと支持孔部145aとの間の段部に突き当てられる。感圧部140bは、センサ支持孔145を介してシリンダボア128の内部に露出する。
燃焼圧センサ140は、その軸線であるセンサ軸線140dが、クランク軸111の軸線111aおよびシリンダ軸線113aに直交する向きでセンサ支持孔145内に配置され、シリンダボア128の後方に位置する。センサ軸線140dは、感圧部140bおよび本体部140aの中心を通る。燃焼圧センサ140は、シリンダボア128内を密閉できるようにセンサ支持孔145に固定される。燃焼圧センサ140は、例えば、燃焼圧センサ140に設けたねじ部等によってセンサ支持孔145に固定されるが、この固定方法は特に限定されない。
ピストン116は、円板状のピストンヘッド部150と、ピストンヘッド部150の外周部150aの一部からクランク軸111側に延出するスカート部151と、ピストンヘッド部150の天面116aの裏面側に設けられるピストンピンボス部152とを一体に備える。ピストンヘッド部150の外周部150aの溝には、天面116a側から順に、複数のピストンリング153a,153b,153cが装着されている。
ピストンピンボス部152の孔には、ピストンピン126aが挿通される。スカート部151は、ピストンヘッド部150の前部および後部からそれぞれ下方に延出している。すなわち、スカート部151は、ピストン116においてピストンピン126aに直交する方向に位置する部分に形成されている。ピストンピンボス部152は、スカート部151側に延びてスカート部151の裏面に結合されている。
ピストンヘッド部150の外周部150aの上部には、ピストン116の径方向内側に窪む凹部155が形成されている。凹部155は、ピストン116の天面116aまで連続している。凹部155の底面は、クランク軸111の軸線111aに平行な平坦面であり、凹部155は、例えば、外周部150aの一部を機械加工で一段切削することで形成される。
凹部155は、最も天面116aに近い位置に配置されるピストンリング153aと天面116aとの間の位置に形成されている。このため、ピストンリング153aを適切な位置に設けながら凹部155を設けることができる。凹部155の深さは、ピストンリング153aの径方向の厚さt1よりも小さい。また、ピストン116の軸方向における凹部155の長さは、ピストンリング153aの板厚t2よりも大きい。
凹部155は、ピストン116が上死点の位置にある状態において、燃焼圧センサ140のセンサ軸線140dの延長線上に位置するように設けられている。このため、ピストン116が上死点の位置にある状態では、燃焼圧センサ140の感圧部140bは、検出孔145bを介して凹部155内に露出すると共に、凹部155に対向する。
また、ピストン116が上死点の位置にある状態では、ピストン116の天面116aとシリンダヘッド118の下面との間には隙間156が形成されており、隙間156は、凹部155に連通している。ピストン116が上死点の位置にある状態では、燃焼圧センサ140の感圧部140bは、検出孔145b、凹部155および隙間156を介して燃焼室131に連通する。このため、ピストン116が上死点の位置にある状態の燃焼室131内の圧力を燃焼圧センサ140で検出できる。
また、ピストン116が上死点の位置以外にある状態、例えば、下死点の位置にピストン116がある状態では、燃焼圧センサ140の感圧部140bは、検出孔145bを介してシリンダボア128の内部に露出する。このため、シリンダボア128の内部の圧力を燃焼圧センサ140で検出することができる。
図13は、本発明の一実施形態に係る失火判定装置の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
失火判定はECUの一機能であり、パルサセンサ67の出力はECUの失火判定装置200に入力される。失火判定装置200は、パルサセンサ67の出力に基づいてエンジン回転数NEを計算するNE算出部201、前記燃焼圧センサ40,140の設けられている気筒の失火を当該センサ40(140)の出力に基づいて判断する燃焼圧ベース失火判定部202、および前記燃焼圧センサ40(140)の設けられていない残余全ての気筒の失火をクランク角速度ωの変化に基づいて判断する角速度ベース失火判定部203を備える。
前記燃焼圧ベース失火判定部202において、クランク角検知部202aは、各シリンダ内の行程容積を求めるためにクランク角を検知する。燃焼圧検知部202bは、燃焼圧センサ40(140)の出力に基づいて筒内の燃焼圧を計算する。IMEP(平均有効圧力)計算部202cは、図14に示したように、前記クランク角に基づいて求まる行程容積値と前記燃焼圧センサ40(140)の出力との関係に基づいて指圧線図(PV線図)を求め、圧縮上死点(TDC)から膨張下死点(BDC)を経て排気上死点へ進み、さらに吸気下死点から圧縮上死点へ戻るまでの曲線内の面積値をIMEPとして計算する。
図14は、正常燃焼時[同図(a)]および失火時[同図(b)]における行程容積と筒内の燃焼圧との関係を示した指圧線図の典型例を示した図であり、平均有効圧力IMEPは、吸気下死点から上死点を経て膨張行程後の下死点までの囲まれた範囲(斜線部分)の面積として定義される。
正常燃焼時は、同図(a)に示したように、IMEPは所定の面積を有することになる。これに対して、失火状態では、同図(b)に示したように、圧縮行程で断熱圧縮した混合気が燃焼しないので断熱膨張し、同じラインをトレースするので面積はほぼゼロになる。したがってマージンをとって閾値IMEP_refを設定すれば失火を判断できる。
図13へ戻り、失火判定部202dは、前記IMEPを所定の閾値IMEP_refと比較し、IMEP<IMEP_refであれば当該気筒が失火状態と判定する。あるいは、前回サイクルで算出したIMEP_n-1と今回サイクルで算出したIMEP_nとを比較し、IMEP_nがIMEP_n-1よりも有意に小さければ失火状態と判定するようにしても良い。
前記角速度ベース失火判定部203において、角速度検知部203aは、パルス間時間に基づいて各クランク角度におけるクランク角速度ωを計算する。失火パラメータ計算部203bは、クランク角速度ωに基づいて適宜の失火パラメータを計算する。失火判定部203cは、前記失火パラメータとクランク角速度ωの変化に基づいて失火の有無を判定する。
本実施形態によれば、膨張行程の期間が重複せずに角速度ベースでの失火判定が可能な気筒ついては燃焼圧センサを設けずに角速度ベースでの失火判定を行う一方、膨張行程の期間が重複するために角速度ベースでの失火判定が困難な気筒にのみ燃焼圧センサを設けて燃焼圧ベースでの失火判定を行うので、全ての気筒に燃焼圧センサを配置する従来技術に較べて燃焼圧センサの使用数を減らすことができ、簡単な構成かつ低コストで高精度の失火判定を実現できるようになる。
また、本実施形態によれば、クランク角センサの出力に基づく行程容積値と燃焼圧センサの出力との関係に基づいて指圧線図(PV線図)を求め、指圧線図における圧縮上死点から膨張下死点に至る曲線内の面積値(IMEP)に基づいて失火状態を判定するので、エンジンの燃焼状態を定量的に把握することができ、合理的な失火判定が可能になる。
さらに、本実施形態では、燃焼圧センサを隣接する気筒のシリンダヘッドの間に配置し、その感圧部40b(140b)が検出対象気筒の燃焼室に連通する連通通路に露出するようにしたので、隣り合う気筒の何れか一方ののみを検知したい場合でも、センサの取付位置を共通化しながら、連通通路の形状を異ならせるのみの対応が可能となり、複数種の内燃機関での配置が容易に行えるようになる。
さらに、上記の実施形態では膨張行程の期間が重なる気筒ペアのうち、爆発順序が先の気筒にのみ燃焼圧センサを設けるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、後の気筒のみ又は気筒ペアの双方に設けるようにしても良い。さらに、膨張行程の期間が重なる気筒ペアが複数存在する場合には、燃焼圧センサを気筒ペアごとにその一方または双方に設けても良い。
10(110)…エンジン,11(111)…クランク軸,13(113)…シリンダ部,17(117)…シリンダブロック部,18(118)…シリンダヘッド,30(130)…点火プラグ,40(140)…筒内の燃焼圧センサ,40b(140b)…感圧部,45(145)…センサ支持孔,53…パルサリング,67…パルサセンサ,125…気筒,200…失火判定装置,201…NE算出部,202…燃焼圧ベース失火判定部,203…角速度ベース失火判定部

Claims (7)

  1. 爆発順序が連続し、膨張行程の期間が一部重なる爆発タイミング特性を有する気筒ペアを含む4ストローク式の多気筒式内燃機関の失火判定装置において、
    クランク角速度を検知する手段(53,66,67)と、
    前記気筒ペアの少なくとも一方に設けられた燃焼圧センサ(40,140)と、
    前記燃焼圧センサが設けられた気筒の失火を前記燃焼圧センサの出力に基づいて判定する燃焼圧ベース失火判定手段(202)と、
    前記燃焼圧センサが設けられていない残余全ての気筒の失火を前記クランク角速度に基づいて判定する角速度ベース失火判定手段(203)とを具備したことを特徴とする失火判定装置。
  2. 前記内燃機関が、爆発間隔が180度未満の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンであることを特徴とする請求項1に記載の失火判定装置。
  3. 前記内燃機関が、爆発間隔が90度の気筒ペアを有する不等間隔爆発エンジンであることを特徴とする請求項2に記載の失火判定装置。
  4. 前記燃焼圧ベース失火判定手段(202)が、
    クランク角を検知する手段(202a)と、
    燃焼圧センサの出力に基づいて筒内の燃焼圧を検知する手段(202b)と、
    クランク角に基づく行程容積値と前記燃焼圧センサの出力との関係に表す指圧線図(PV線図)を用いて平均有効圧力(IMEP)を計算する手段(202c)と、
    前記IMEPに基づいて失火状態を判定する失火判定手段(202d)とを具備したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の失火判定装置。
  5. 前記失火判定手段(202d)は、今回サイクルで求めたIMEPを失火判定閾値IMEP_refと比較し、IMEP<IMEP_refであると失火状態と判定することを特徴とする請求項4に記載の失火判定装置。
  6. 前記失火判定手段(202d)は、前回サイクルで算出したIMEP_n-1を今回サイクルで算出したIMEP_nと比較し、IMEP_nがIMEP_n-1よりも小さければ失火状態と判定することを特徴とする請求項4に記載の失火判定装置。
  7. 前記燃焼圧センサ(40,140)が隣接する気筒のシリンダヘッドの間に配置され、その感圧部(40b,140b)が燃焼室に連通する連通通路に露出することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の失火判定装置。
JP2017107587A 2017-05-31 2017-05-31 失火判定装置 Active JP6806631B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017107587A JP6806631B2 (ja) 2017-05-31 2017-05-31 失火判定装置
DE102018112765.0A DE102018112765A1 (de) 2017-05-31 2018-05-29 Fehlzündungserfassungsvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017107587A JP6806631B2 (ja) 2017-05-31 2017-05-31 失火判定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018204452A JP2018204452A (ja) 2018-12-27
JP6806631B2 true JP6806631B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=64279139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017107587A Active JP6806631B2 (ja) 2017-05-31 2017-05-31 失火判定装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6806631B2 (ja)
DE (1) DE102018112765A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63268955A (ja) * 1987-04-28 1988-11-07 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP2917194B2 (ja) * 1993-07-21 1999-07-12 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関の電子制御燃料供給装置
JPH07119532A (ja) * 1993-10-19 1995-05-09 Unisia Jecs Corp 内燃機関の失火検出装置
JP3323793B2 (ja) * 1997-12-15 2002-09-09 本田技研工業株式会社 失火検出装置
JP2010014065A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エンジンの燃焼状態判定方法および装置
JP2013076363A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP6353333B2 (ja) * 2014-10-01 2018-07-04 川崎重工業株式会社 失火判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102018112765A1 (de) 2018-12-06
JP2018204452A (ja) 2018-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010059318A (ko) 자동차의 엔진 기통 판별 장치
JP2016070255A (ja) 失火判定装置
CA2927277A1 (en) Knock sensor systems and methods for detection of component conditions
US7770555B2 (en) Engine combustion controlling method, device and motorcycle
JP6806631B2 (ja) 失火判定装置
EP2567210A1 (en) Method of detecting misfire in an internal combustion engine
JP2013076363A (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
US20020092499A1 (en) Detonation sensing of crankshaft position
JP4956040B2 (ja) 2ストロークエンジン
WO1995007449A3 (de) Verfahren zur bestimmung des verbrennungsverhältnisses eines kolbenverbrennungsmotors
WO2018180014A1 (ja) 内燃機関
JP6705057B2 (ja) 内燃機関
WO2018180384A1 (ja) 内燃機関
US10232924B2 (en) Engine control device and engine control method
KR20160102119A (ko) 정점 연소 압력의 위치를 결정하는 방법 및 시스템
JP2010084685A (ja) 内燃機関
TWI624586B (zh) 雙缸引擎進氣偵測裝置及偵測方法
JP3912467B2 (ja) エンジンのクランク角センサ
WO2023063304A1 (ja) 燃焼状態診断システム
JPH0754096B2 (ja) ノツキング検出装置付ロ−タリピストンエンジン
JP6845723B2 (ja) 内燃機関
KR100223245B1 (ko) 내연기관의 행정 식별장치
JP6872162B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN105508071A (zh) 双缸引擎进气侦测装置及侦测方法
KR19980066415U (ko) 엔진의 크랭크 각 검출장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6806631

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150