JP6845723B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
このノッキングの発生を検知するノックセンサを機関本体に備えた内燃機関は、よく知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の図2を参照すると、筒内圧センサがシリンダヘッド側に、ノックセンサはシリンダブロック側に配置されているが、正確な位置は明らかではない。
かつ、ノック発生ポイントは、温度が高い場所と考えられる。
すなわち、ノック発生ポイントは、点火プラグから遠く温度が高い場所である。
そこで、ノッキングによる圧力は、ノック発生ポイントから離れた位置ほど大きく伝搬する傾向があることから、圧力センサをノック発生ポイントからできるだけ遠い位置に設けることが望ましい。
シリンダブロックのシリンダボア内を摺動自在に嵌合されるピストンの頂面と同頂面が対向するシリンダヘッドの天井面との間に燃焼室が構成され、
前記天井面には、吸気弁と排気弁がそれぞれ開閉する吸気弁口と排気弁口が前記燃焼室に臨んで開口され、
前記シリンダヘッドに取り付けられた点火プラグの電極が前記燃焼室に臨んで天井面に露出される内燃機関において、
前記吸気弁と前記排気弁を駆動するカム軸に内燃機関の動力を伝達するカムチェーンを挿通するためのカムチェーン室が、前記シリンダヘッドに前記天井面と互いに隣合って形成され、
燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサの感圧部が、前記天井面における前記シリンダボアの中心軸であるシリンダ軸線に関して前記カムチェーン室と反対側に前記燃焼室に臨んで配置され、
前記吸気弁口と前記排気弁口は、前記天井面の前記シリンダ軸線に関して互いに反対側に形成され、
前記筒内圧センサの感圧部は、前記吸気弁口よりも前記排気弁口に近い位置に配置されることを特徴とする。
そこで、本構成によれば、燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサの感圧部が、天井面におけるシリンダ軸線に関してカムチェーン室と反対側に燃焼室に臨んで配置されるので、ノック発生ポイントである燃焼室の天井面におけるシリンダ軸線に関してカムチェーン室と同じ側とは反対側のノッキングによる圧力が大きく伝搬する離れた位置に筒内圧センサの感圧部を設けることで、圧力ノイズに影響されずにノッキングに伴う圧力のみを検知して、ノッキングの発生を精度良く検知することができる。
前記筒内圧センサの感圧部は、前記シリンダ軸線を中心とする前記点火プラグの電極の中心を通る仮想円の外側に配置されるようにしてもよい。
前記点火プラグの電極は、前記シリンダ軸線に関して前記カムチェーン室と反対側に配置されるようにしてもよい。
前記天井面に、前記排気弁口は1つであり、
前記筒内圧センサの感圧部は、前記シリンダ軸線と前記排気弁口の中心を含む面と、前記シリンダ軸線と前記点火プラグ()の電極の中心を含む面とが挟む前記排気弁口と前記点火プラグ()の電極の各一部をともに含む範囲内に配置されるようにしてもよい。
前記天井面に、前記吸気弁口と前記排気弁口はそれぞれ2つずつあり、
前記筒内圧センサの感圧部は、前記シリンダ軸線に関して前記カムチェーン室と反対側に位置する前記吸気弁口と前記排気弁口の各々の中心を結ぶ線に関して前記シリンダ軸線と反対側に配置されるようにしてもよい。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る内燃機関の右断面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る内燃機関が搭載される自動二輪車(図示せず)の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
内燃機関10のクランク軸12を回転自在に軸支するクランクケース11は、クランク軸12の後方に配設されるメイン軸13とカウンタ軸14の間に変速歯車機構15が構成されており、カウンタ軸14が出力軸である。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック16,シリンダヘッド17,シリンダヘッドカバー18は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している。
シリンダヘッド17には、天井面41にシリンダボア16bの中心軸であるシリンダ軸Cに関して互いに反対位置に1つずつ吸気弁口42と排気弁口43が燃焼室40に臨んで開口されるとともに、吸気弁口42と排気弁口43から各々吸気ポート44と排気ポート45が互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成されている。
図3に示されるように、シリンダヘッド17の右側壁には、点火プラグ50が燃焼室40に向かって嵌入して装着されるとともに、点火プラグ50の前隣りに略平行して筒内圧センサである指圧センサ51が燃焼室40に向かって嵌入して装着される。
同図4を参照して、シリンダヘッド17におけるシリンダブロック16の合せ面に対面する合せ面17fに、シリンダボア16bに対応して燃焼室40の天井面41が凹んで形成されるとともに、カムチェーン室16cに対応して連通するカムチェーン室17cが燃焼室40の左側に穿設されている。
天井面41のシリンダ軸線Lcより後側に大径の吸気弁口42が開口し、天井面41のシリンダ軸線Lcより前側に吸気弁口42より幾らか小径の排気弁口43が開口している。
すなわち、シリンダ軸線Lcの右側の点火プラグ50の電極50eは、シリンダ軸線Lcに関してカムチェーン室17cと反対側に配置される。
また、指圧センサ51の感圧部51eは、吸気弁口42よりも排気弁口43に近い位置に配置される。
さらに、指圧センサ51の感圧部51eは、シリンダ軸線Lcを中心とする点火プラグ50の電極50eの中心を通る仮想円Cvの外側に位置している。
指圧センサ51は、燃焼室40内の感圧部51eに接する空間部位の圧力を検出する。
燃焼室40の天井面41におけるシリンダ軸線Lcに関してカムチェーン室17cと反対側は、外部に熱が逃げ易いのに対して、カムチェーン室17c側は、カムチェーン室17cにより保温されて温度が下がり難く他の部分より高温となり易いことからノッキングが発生し易い。
さらに、ノッキングは、吸気弁口側で発生する傾向があるので、排気弁口43より吸気弁口42に近い場所で発生する。
ノッキングによる圧力は、ノック発生ポイントPから離れた位置ほど大きく伝搬する傾向があることから、圧力ノイズに影響されずにノッキングに伴う圧力のみを検知するためには、指圧センサ51の感圧部51eを、天井面41においてノック発生ポイントPからできるだけ遠い位置に設けることが必要である。
また、指圧センサ51の感圧部51eは、吸気弁口42よりも排気弁口43に近い位置に、ノック発生ポイントPから離れて配置される。
さらに、指圧センサ51の感圧部51eは、シリンダ軸線Lcを中心とする点火プラグ50の電極50eの中心を通る仮想円Cvの外側に、ノック発生ポイントPから離れて位置している。
図5は、前述の図4に相当するシリンダヘッド70の下面図である。
図5を参照して、シリンダヘッド70におけるシリンダブロックとの合せ面70fに、シリンダボアに対応して燃焼室71の天井面72が凹んで形成されるとともに、カムチェーン室70cが燃焼室71の左側に穿設されている。
天井面72のシリンダ軸線Lcより後側に2つの吸気弁口73,73が左右に並んで開口し、天井面72のシリンダ軸線Lcより前側に1つの排気弁口74が開口している。
2つの吸気弁口73,73は、シリンダ軸線Lcより左側と右側に左右対称に位置しており、排気弁口74は、シリンダ軸線Lcより前側でかつ左側に偏って位置している。
このプラグ孔76の前側に指圧センサ81の感圧部81eを燃焼室71に臨ませるセンサ孔77が開口している。
また、指圧センサ81の感圧部81eは、シリンダ軸線Lcを中心とする点火プラグ80の電極80eの中心を通る仮想円Cvの外側に位置している。
図6は、前述の図4および図5に相当するシリンダヘッド90の下面図である。
図6を参照して、シリンダヘッド90におけるシリンダブロックとの合せ面90fに、シリンダボアに対応して燃焼室91の天井面92が凹んで形成されるとともに、カムチェーン室90cが燃焼室91の左側に穿設されている。
天井面92のシリンダ軸線Lcより前側に2つの吸気弁口93,93が左右に並んで開口し、天井面92のシリンダ軸線Lcより後側に2つの排気弁口94,94が開口している。
2つの吸気弁口93,93は、シリンダ軸線Lcより左側と右側に左右対称に位置しており、2つの排気弁口94,94も、シリンダ軸線Lcより左側と右側に左右対称に位置している。
このプラグ孔76の右方で開口縁92sの近傍に指圧センサ101の感圧部101eを燃焼室91に臨ませるセンサ孔97が開口している。
10…内燃機関、11…クランクケース、12…クランク軸、13…メイン軸、14…カウンタ軸、16…シリンダブロック、16b…シリンダボア、16c…カムチェーン室、17…シリンダヘッド、17c…カムチェーン室、18…シリンダヘッドカバー、19…連結管、
20…インレットパイプ、21…スロットルボディ、22…スロットル弁、23…インジェクタ、24…エアクリーナ、25…ピストン、26…コンロッド、
30…動弁機構、31…カム軸、32e,32i…ロッカアームシャフト、33i…吸気ロッカアーム、33e…排気ロッカアーム、34i,34e…弁ガイド、35…カムチェーンスプロケット、36…カムチェーン、
40…燃焼室、41…天井面、42…吸気弁口、42a…はみ出し部、43…排気弁口、44…吸気ポート、45…排気ポート、46…吸気弁、46s…吸気弁ステム、47…排気弁、48…プラグ孔、49…センサ孔、
50…点火プラグ、50e…電極、51…指圧センサ、51e…感圧部、
70…シリンダヘッド、70f…合せ面、70c…カムチェーン室、71…燃焼室、72…天井面、72s…円形開口縁、73…吸気弁口、74…排気弁口、75…、76…プラグ孔、77…センサ孔、80…点火プラグ、80e…電極、81…指圧センサ、81e…感圧部、
90…シリンダヘッド、90f…合せ面、90c…カムチェーン室、91…燃焼室、92…天井面、92s…開口縁、93…吸気弁口、94…排気弁口、96…プラグ孔、97…センサ孔、100…点火プラグ、100e…電極、101…指圧センサ、101e…感圧部。
Claims (5)
- シリンダブロック(16)のシリンダボア(16b)内を摺動自在に嵌合されるピストン(25)の頂面と同頂面が対向するシリンダヘッド(17)の天井面(41)との間に燃焼室(40)が構成され、
前記天井面(41)には、吸気弁(46)と排気弁(47)がそれぞれ開閉する吸気弁口(42)と排気弁口(43)が前記燃焼室(40)に臨んで開口され、
前記シリンダヘッド(17)に取り付けられた点火プラグ(50)の電極(50e)が前記燃焼室(40)に臨んで天井面(41)に露出される内燃機関において、
前記吸気弁(46)と前記排気弁(47)を駆動するカム軸(31)に内燃機関の動力を伝達するカムチェーン(36)を挿通するためのカムチェーン室(17c)が、前記シリンダヘッド(17)に前記天井面(41)と互いに隣合って形成され、
燃焼室(40)内の圧力を検出する筒内圧センサ(51)の感圧部(51e)が、前記天井面(41)における前記シリンダボア(16b)の中心軸であるシリンダ軸線(Lc)に関して前記カムチェーン室(17c)と反対側に前記燃焼室(40)に臨んで配置され、
前記吸気弁口(42)と前記排気弁口(43)は、前記天井面(41)の前記シリンダ軸線に関して互いに反対側に形成され、
前記筒内圧センサ(51)の感圧部は、前記吸気弁口(42)よりも前記排気弁口(43)に近い位置に配置されることを特徴とする内燃機関。 - シリンダブロック(16)のシリンダボア(16b)内を摺動自在に嵌合されるピストン(25)の頂面と同頂面が対向するシリンダヘッド(17)の天井面(41)との間に燃焼室(40)が構成され、
前記天井面(41)には、吸気弁(46)と排気弁(47)がそれぞれ開閉する吸気弁口(42)と排気弁口(43)が前記燃焼室(40)に臨んで開口され、
前記シリンダヘッド(17)に取り付けられた点火プラグ(50)の電極(50e)が前記燃焼室(40)に臨んで天井面(41)に露出される内燃機関において、
前記吸気弁(46)と前記排気弁(47)を駆動するカム軸(31)に内燃機関の動力を伝達するカムチェーン(36)を挿通するためのカムチェーン室(17c)が、前記シリンダヘッド(17)に前記天井面(41)と互いに隣合って形成され、
燃焼室(40)内の圧力を検出する筒内圧センサ(51)の感圧部(51e)が、前記天井面(41)における前記シリンダボア(16b)の中心軸であるシリンダ軸線(Lc)に関して前記カムチェーン室(17c)と反対側に前記燃焼室(40)に臨んで配置され、
前記天井面(72)に、前記排気弁口(74)は1つであり、
前記筒内圧センサ(81)の感圧部(81e)は、前記シリンダ軸線(Lc)と前記排気弁口(74)の中心を含む面(Fe)と、前記シリンダ軸線(Lc)と前記点火プラグ(80)の電極(80e)の中心を含む面(Fp)とが挟む前記排気弁口(74)と前記点火プラグ(80)の電極(80e)の各一部をともに含む範囲(S)内に配置されることを特徴とする内燃機関。 - 前記筒内圧センサの感圧部(51e)は、前記シリンダ軸線(Lc)を中心とする前記点火プラグ(50)の電極(50e)の中心を通る仮想円(Cv)の外側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関。
- 前記点火プラグ(50)の電極(50e)は、前記シリンダ軸線(Lc)に関して前記カムチェーン室(17c)と反対側に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関。
- 前記天井面(92)に、前記吸気弁口(93)と前記排気弁口(94)はそれぞれ2つずつあり、
前記筒内圧センサ(101)の感圧部101e)は、前記シリンダ軸線(Lc)に関して前記カムチェーン室(90c)と反対側に位置する前記吸気弁口(93)と前記排気弁口(94)の各々の中心を結ぶ線(Lr)に関して前記シリンダ軸線(Lc)と反対側に配置されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
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