JP6806404B2 - 接ぎ木用部材、接ぎ木用部材セット、接ぎ木用固定具及び接ぎ木苗の生産方法 - Google Patents

接ぎ木用部材、接ぎ木用部材セット、接ぎ木用固定具及び接ぎ木苗の生産方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本国際出願は、2018年6月6日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2018−108807号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018−108807号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
本開示は、接ぎ木用部材、接ぎ木用部材セット、接ぎ木用固定具及び接ぎ木苗の生産方法に関する。
接ぎ木は、農業及び園芸分野において、連作障害の回避、品質及び収穫数の向上、新品種の増殖等を目的に広く一般的に行われている。接ぎ木は業務用及び家庭用を問わず広く普及しているが、接ぎ木の多くが人の手によって施術されている。
人の手による接ぎ木の施術にはある程度の習練が必要であるため、人の手による接ぎ木では、接ぎ木苗の品質がばらつき易い。そこで、チップ状の部材内で種子から発芽させた植物の茎を切断し、切断した茎を保持したまま穂木部分と台木部分とにユニットを分離可能な育苗部材が提案されている(特許文献1参照)。
この育苗部材では、接ぎ木用の苗を簡便に用意することができると共に、ユニットに保持された茎の切断面同士を精度よく接合することができる。
国際公開第2016/129683号
上記育苗部材では、植物の茎が固定されないため、接ぎ木を行う茎の位置精度に改善の余地がある。また、上記育苗部材では、不良固体の選別、根と部材との接触の回避、植物の成長高さの調整等の生産性において改善の余地がある。
本開示の一局面は、接ぎ木の精度及び接ぎ木苗の生産性を高められる接ぎ木用部材を提供することが好ましい。
本開示の一態様は、穂木ユニットと、台木ユニットと、第1固定具と、第2固定具と、を備える接ぎ木用部材である。穂木ユニットは、植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する。台木ユニットは、穂木ユニットに着脱可能であると共に、植物の茎に第1位置よりも植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する。
また、第1固定具は、穂木ユニットに固定可能であると共に、少なくとも1つの第1当接部に植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する。第2固定具は、台木ユニットに固定可能であると共に、少なくとも1つの第2当接部に植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する。穂木ユニットに固定された第1固定具と、台木ユニットに固定された第2固定具との間に、植物の茎を露出させる空間が設けられる。
このような構成によれば、第1当接部及び第1押付部、並びに第2当接部及び第2押付部によって、穂木ユニット及び台木ユニットそれぞれにおいて、植物の茎を切断部分の近傍で固定できるので、接合する茎の位置精度を高められる。その結果、接ぎ木の精度が高められる。
さらに、本開示の接ぎ木用部材では生育後の植物を使用するので、例えば部材内で種子を発芽させた場合の不良固体の発生によるロスを避けられる。また、成長する根によって部材の内部が傷付くことや、根の部材への食い込みによって部材からの取り外し時に植物が傷付くことが避けられる。加えて、台木の胚軸長の確保が容易に行える。その結果、接ぎ木苗の生産性が高められる。
また、本開示では、植物に合わせて部材のサイズを容易に変更できるため、多品種における接ぎ木を行うことができる。また、1種の接ぎ木用部材を穂木用と台木用とに共通して使用できるため、設備コストを低減できる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1当接部は、第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有してもよい。少なくとも1つの第1押付部は、第1当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有してもよい。少なくとも1つの第2当接部は、第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有してもよい。少なくとも1つの第2押付部は、第2当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有してもよい。このような構成によれば、第1固定具及び第2固定具の固定によって、容易かつ的確に植物の茎を所定位置に誘導して固定することができる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1押付部及び少なくとも1つの第2押付部は、それぞれ、2つの第1ガイド面又は2つの第2ガイド面の連結部分に配置される緩衝部材を有してもよい。このような構成によれば、緩衝部材によって茎の径のバラツキを吸収しながら、茎を所定位置に固定できる。
本開示の一態様では、穂木ユニット及び台木ユニットは、それぞれ、少なくとも1つの第1当接部又は少なくとも1つの第2当接部が設けられた複数の板部を有してもよい。複数の板部は、少なくとも1つの第1板部と、第1板部に対し植物の茎の軸と平行な方向にずれて配置される少なくとも1つの第2板部と、を有してもよい。このような構成によれば、穂木ユニット及び台木ユニットそれぞれの第1板部及び第2板部に第1固定具及び第2固定具を噛み合わせることで、固定具を固定するための部材を設けることなく、第1固定具及び第2固定具を固定することができる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1押付部は、植物の茎の当接によって変形する第1緩衝部材を有してもよい。少なくとも1つの第2押付部は、植物の茎の当接によって変形する第2緩衝部材を有してもよい。このような構成によれば、第1緩衝部材及び第2緩衝部材によって茎の位置ずれを抑制できる。その結果、接ぎ木の精度が高められる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1押付部は、互いに離間して第1緩衝部材よりも第1固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有してもよい。少なくとも1つの第2押付部は、互いに離間して第2緩衝部材よりも第2固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有してもよい。このような構成によれば、第1緩衝部材及び第2緩衝部材へ容易かつ的確に植物の茎を誘導することができる。
本開示の一態様では、第1緩衝部材は、2つの第1ガイド面の一部と植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置されてもよい。第2緩衝部材は、2つの第2ガイド面の一部と植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置されてもよい。このような構成によれば、第1緩衝部材及び第2緩衝部材の第1固定具又は第2固定具への配置が容易になる。その結果、第1緩衝部材及び第2緩衝部材の交換が容易に行える。
本開示の一態様では、第1固定具は、少なくとも1つの第1押付部としての複数の第1押付部と、複数の第1押付部に跨って配置された第1緩衝部材構成体と、を有してもよい。第2固定具は、少なくとも1つの第2押付部としての複数の第2押付部と、複数の第2押付部に跨って配置された第2緩衝部材構成体と、を有してもよい。複数の第1押付部が有する第1緩衝部材は、第1緩衝部材構成体の一部であってもよい。複数の第2押付部が有する第2緩衝部材は、第2緩衝部材構成体の一部であってもよい。このような構成によれば、固定具に配置する部品の点数を減らすことができるので、緩衝部材の取り付け及び交換が容易になる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1当接部は、第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有してもよい。少なくとも1つの第2当接部は、第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有してもよい。このような構成によれば、第1固定具及び第2固定具の固定によって、容易かつ的確に植物の茎を所定位置に誘導して固定することができる。
本開示の一態様では、少なくとも1つの第1当接部は、2つの第1受容面の連結部分に設けられると共に、2つの第1受容面よりも植物の茎の軸と平行な方向に突出した第1凸部を有してもよい。少なくとも1つの第2当接部は、2つの第2受容面の連結部分に設けられると共に、2つの第2受容面よりも植物の茎の軸と平行な方向に突出した第2凸部を有してもよい。このような構成によれば、第1当接部と第1押付部との間、及び第2当接部と第2押付部との間において、固定位置に茎を容易に誘導できる。
本開示の一態様では、第1凸部の第1固定具の押付方向から視た幅は、2つの第1受容面から離間するに連れて小さくなってもよい。第2凸部の第2固定具の押付方向から視た幅は、2つの第2受容面から離間するに連れて小さくなってもよい。このような構成によれば、固定位置への茎の誘導がさらに容易になる。
本開示の一態様では、2つの第1受容面及び2つの第2受容面は、それぞれ、植物の茎の軸と平行な方向から視て湾曲した曲線部を有してもよい。このような構成によれば、第1固定具及び第2固定具によって茎を所定位置に誘導する際に、茎が傷付くことを抑制できる。
本開示の一態様では、2つの第1受容面及び2つの第2受容面は、それぞれ、2つの第1受容面の連結部分又は2つの第2受容面の連結部分に連続して設けられた平面部をさらに有してもよい。平面部は、植物の茎の軸と平行な平面で構成されてもよい。このような構成によれば、第1固定具及び第2固定具によって、植物の茎の噛み込みを抑制しつつ、茎を所定位置に的確に誘導できる。
本開示の一態様は、台木ユニットに対し穂木ユニットを固定する固定機構をさらに備えてもよい。このような構成によれば、接合後の台木と穂木とを互いに押し付けることができる。その結果、養生中や輸送中における台木と穂木との分離を抑制できる。
本開示の一態様は、植物の根が収納されたポッドを支持する支持ユニットをさらに備えてもよい。このような構成によれば、切断前から接合後までの間、植物を安定して保持できる。
本開示の一態様では、台木ユニットは、植物の茎の軸と垂直な面に対し穂木ユニットと対称な形状であってもよい。このような構成によれば、穂木ユニットと台木ユニットとして同じ部材を共通使用できる。その結果、接ぎ木用部材のコストを低減できる。
本開示の別の態様は、第1接ぎ木用部材と、第2接ぎ木用部材とを備える接ぎ木用部材セットである。第1接ぎ木用部材は、穂木ユニットと、第1固定具と、を備える。穂木ユニットは、第1植物の茎に当接する少なくとも1つの第1当接部を有する。第1固定具は、穂木ユニットに固定可能であると共に、少なくとも1つの第1当接部に第1植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する。
また、第2接ぎ木用部材は、台木ユニットと、第2固定具と、を備える。台木ユニットは、第2植物の茎に当接する少なくとも1つの第2当接部を有する。第2固定具は、台木ユニットに固定可能であると共に、少なくとも1つの第2当接部に第2植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する。第1接ぎ木用部材の穂木ユニットは、第1固定具が固定された状態で、第2固定具が固定された状態の第2接ぎ木用部材の台木ユニットに装着可能である。
このような構成によれば、第1固定具及び第2固定具によって植物の茎を切断部分の近傍で固定できるので、接ぎ木の精度が高められる。また、生育後の植物を使用することで、接ぎ木苗の生産性を高められる。
本開示の別の態様は、接ぎ木用固定具である。接ぎ木用固定具は、植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニット、及び穂木ユニットに着脱可能であると共に植物の茎に第1位置よりも植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットのうち、少なくとも一方のユニットに固定される。
また、接ぎ木用固定具は、少なくとも1つの第1当接部又は少なくとも1つの第2当接部に植物の茎を押し付ける少なくとも1つの押付部を備える。接ぎ木用固定具は、穂木ユニット又は台木ユニットに固定されることで、第1位置と第2位置との間に植物の茎を露出させる空間を設ける。少なくとも1つの押付部は、植物の茎の当接によって変形する緩衝部材を有する。
このような構成によれば、植物を保持するための穂木ユニット及び台木ユニットに対して接ぎ木用固定具を組み合わせることで、従来に比して、接ぎ木の精度、生産性等を高められる。
本開示の別の態様は、第1接ぎ木用部材としての上記接ぎ木用部材と、第2接ぎ木用部材としての上記接ぎ木用部材とを用意する工程と、穂木ユニットに台木ユニットを装着した状態で、第1接ぎ木用部材における穂木ユニットの少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第1植物の茎を当接させると共に、第1接ぎ木用部材における台木ユニットの少なくとも1つの第2当接部に少なくとも1つの第1植物の茎を当接させる工程と、第1接ぎ木用部材における第1固定具及び第2固定具の固定により、少なくとも1つの第1当接部と少なくとも1つの第1押付部との間、及び少なくとも1つの第2当接部と少なくとも1つの第2押付部との間で少なくとも1つの第1植物の茎を固定する工程と、第1接ぎ木用部材における第1固定具と第2固定具との間の空間で、少なくとも1つの第1植物の茎を切断する工程と、穂木ユニットに台木ユニットを装着した状態で、第2接ぎ木用部材における穂木ユニットの少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第2植物の茎を当接させると共に、第2接ぎ木用部材における台木ユニットの少なくとも1つの第2当接部に少なくとも1つの第2植物の茎を当接させる工程と、第2接ぎ木用部材における第1固定具及び第2固定具の固定により、少なくとも1つの第1当接部と少なくとも1つの第1押付部との間、及び少なくとも1つの第2当接部と少なくとも1つの第2押付部との間で少なくとも1つの第2植物の茎を固定する工程と、第2接ぎ木用部材における第1固定具と第2固定具との間の空間で、少なくとも1つの第2植物の茎を切断する工程と、第1接ぎ木用部材の穂木ユニットによって固定された少なくとも1つの第1植物の茎の切断面と、第2接ぎ木用部材の台木ユニットによって固定された少なくとも1つの第2植物の茎の切断面とを接合する工程と、を備える接ぎ木苗の生産方法である。
このような構成によれば、上述のように、接ぎ木の精度が高められる。また、生育後の植物を使用するため、接ぎ木苗の生産性が高められる。さらに、植物のサイズを問わず、接ぎ木を行うことができる。また、1種の接ぎ木用部材を穂木用と台木用とに共通して使用できるため、設備コストを低減できる。
本開示の別の態様は、上記接ぎ木用部材セットの第1接ぎ木用部材と第2接ぎ木用部材とを用意する工程と、第1接ぎ木用部材における穂木ユニットの少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第1植物の茎を当接させる工程と、第1固定具の固定により、少なくとも1つの第1当接部と少なくとも1つの第1押付部との間で少なくとも1つの第1植物の茎を固定する工程と、第1固定具よりも少なくとも1つの第1植物の根に近い位置で、少なくとも1つの第1植物の茎を切断する工程と、第2接ぎ木用部材における台木ユニットの少なくとも1つの第2当接部に少なくとも1つの第2植物の茎を当接させる工程と、第2固定具の固定により、少なくとも1つの第2当接部と少なくとも1つの第2押付部との間で少なくとも1つの第2植物の茎を固定する工程と、第2固定具よりも少なくとも1つの第2植物の根から離れた位置で、少なくとも1つの第2植物の茎を切断する工程と、第1接ぎ木用部材の穂木ユニットによって固定された少なくとも1つの第1植物の茎の切断面と、第2接ぎ木用部材の台木ユニットによって固定された少なくとも1つの第2植物の茎の切断面とを接合する工程と、を備える接ぎ木苗の生産方法である。
このような構成によれば、上述のように、接ぎ木の精度及び接ぎ木苗の生産性が高められる。
図1は、実施形態における接ぎ木用部材の模式的な斜視図である。 図2は、図1の接ぎ木用部材に複数の植物が保持された状態を示す模式図である。 図3Aは、図1の接ぎ木用部材における穂木ユニットの模式的な斜視図であり、図3Bは、穂木ユニットの模式的な平面図であり、図3Cは、穂木ユニットの模式的な正面図である。 図4Aは、図1の接ぎ木用部材における台木ユニットの模式的な斜視図であり、図4Bは、台木ユニットの模式的な平面図であり、図4Cは、台木ユニットの模式的な正面図である。 図5は、図1の接ぎ木用部材における第1固定具及び第2固定具の固定手順を示す模式図である。 図6Aは、図1の接ぎ木用部材における第1固定具の模式的な斜視図であり、図6Bは、第1固定具の模式的な平面図であり、図6Cは、第1固定具の模式的な背面図である。 図7は、図1の接ぎ木用部材における第2固定具の模式的な斜視図である。 図8は、図1の接ぎ木用部材における支持ユニットの模式的な斜視図である。 図9は、図1とは異なる実施形態における接ぎ木用部材の模式的な斜視図である。 図10Aは、図9の接ぎ木用部材における穂木ユニットの模式的な斜視図であり、図10Bは、穂木ユニットの模式的な正面図である。 図11は、図9の接ぎ木用部材における台木ユニットの模式的な斜視図である。 図12Aは、図9の接ぎ木用部材における第1固定具の模式的な斜視図であり、図12Bは、第1固定具の模式的な平面図であり、図12Cは、第1固定具の模式的な背面図である。 図13は、図9の接ぎ木用部材における第2固定具の模式的な斜視図である。 図14は、図9の接ぎ木用部材における支持ユニットの模式的な斜視図である。 図15は、図1及び図9とは異なる実施形態における接ぎ木用部材の模式的な斜視図である。 図16は、図15の接ぎ木用部材に複数の植物が保持された状態を示す模式図である。 図17Aは、図15の接ぎ木用部材における穂木ユニットの模式的な斜視図であり、図17Bは、穂木ユニットの模式的な底面図であり、図17Cは、穂木ユニットの模式的な正面図である。 図18は、図15の接ぎ木用部材における台木ユニットの模式的な斜視図である。 図19は、図15の接ぎ木用部材における第1固定具及び第2固定具の固定手順を示す模式図である。 図20Aは、図15の接ぎ木用部材における第1固定具の模式的な斜視図であり、図20Bは、第1固定具の模式的な底面図であり、図20Cは、第1固定具の模式的な背面図である。 図21Aは、図20Aとは異なる実施形態における押付部の模式的な部分拡大図であり、図21Bは、図20A及び図21Aとは異なる実施形態における押付部の模式的な部分拡大図である。 図22は、図15の接ぎ木用部材における第2固定具の模式的な斜視図である。 図23は、図15の接ぎ木用部材における支持ユニットの模式的な斜視図である。 図24は、図1、図9及び図15とは異なる実施形態における接ぎ木用部材の模式的な斜視図である。 図25Aは、図24の接ぎ木用部材における穂木ユニットの模式的な斜視図であり、図25Bは、穂木ユニットの模式的な底面図であり、図25Cは、穂木ユニットの模式的な正面図である。 図26Aは、図24の接ぎ木用部材における第1固定具の模式的な斜視図であり、図26Bは、第1固定具の模式的な底面図であり、図26Cは、第1固定具の模式的な背面図である。 図27は、実施形態における接ぎ木苗の生産方法のフローチャートである。 図28は、実施形態における接ぎ木用部材セットの模式的な斜視図である。 図29は、図28の第1接ぎ木用部材の第2枠部の模式的な斜視図である。
1,10,101,201…接ぎ木用部材、2,12,102,202…穂木ユニット、3,13,103,203…台木ユニット、4,14,104,204…第1固定具、5,15,105,205…第2固定具、6,16,106,206…支持ユニット、24,24A,24B,124,224…第1当接部、25A,25B,125A,125B,225A,225B…第1受容面、34,34A,34B,134…第2当接部、35A,35B,135A,135B…第2受容面、41,41A,41B,141,241…第1押付部、42A,42B,142A,142B,242A,242B…第1ガイド面、42C,52C,142C,152C,242C…緩衝部材、51,51A,51B,151…第2押付部、52A,52B,152A,152B…第2ガイド面。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す接ぎ木用部材1は、植物を切断して穂木及び台木を得ると共に、得られた穂木及び台木を接合するためのカセット状の部材である。
図1の接ぎ木用部材1は、穂木を得るための第1接ぎ木用部材としても、台木を得るための第2接ぎ木用部材としても使用可能に構成されている。つまり、本実施形態の接ぎ木用部材セットは、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1とを備える。
なお、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1とは、必ずしも完全に同じ形状でなくてもよい。つまり、第2接ぎ木用部材は、第1接ぎ木用部材と形状が異なる部分を有してもよい。
接ぎ木用部材1は、穂木ユニット2と、台木ユニット3と、第1固定具4と、第2固定具5と、支持ユニット6とを備える。図1は、これらのパーツが組み立てられた状態を示しているが、各パーツは、着脱可能に構成されている。各パーツは、後述する磁石及び緩衝部材を除き、例えば、樹脂、金属等で形成することができる。
接ぎ木用部材1は、図2に示すように、複数の植物Pを内部に保持可能に構成されている。なお、図2では、5つの植物Pが保持されているが、接ぎ木用部材1が保持する植物Pの数は5に限定されない。また、植物Pの種類は、特に限定されない。
<穂木ユニット>
穂木ユニット2は、図3Aに示すように、第1下板部21と、第1上板部22と、第1枠部23とを有する。
第1下板部21は、後述する第1固定具4の押付方向(つまり挿入方向)Iと平行、かつ、植物Pの茎の軸と垂直な板面を有する板状の部位である。第1下板部21は、複数の植物Pの茎にそれぞれ第1位置P1(図2参照)で当接する複数の第1当接部24を有する。第1位置P1は、植物Pの切断位置よりも植物Pの先端(つまり茎頂)に近い位置である。
第1当接部24は、第1固定具4の第1押付部41(図6A参照)と共に植物Pの茎を挟んで固定する。第1当接部24は、第1下板部21に設けられた凹部である。複数の第1当接部24は、第1固定具4の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第1当接部24は、2つの第1受容面25A,25Bと、第1凸部26とを有する。
2つの第1受容面25A,25Bは、穂木ユニット2に取付けられる第1固定具4の第1押付部41と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具4の押付方向Iに沿って小さくなっている。つまり、第1当接部24は、第1下板部21の外側に開いた凹部である。図3Bに示すように、2つの第1受容面25A,25Bの形状は、植物Pの茎の軸と平行な方向(以下、「植物Pの軸方向」ともいう。)から視て滑らかに湾曲した曲線である。なお、2つの第1受容面25A,25Bの植物Pの軸方向における縁は、面取りされている。また、植物Pの茎の軸は、例えば鉛直方向と平行である。
図3Aに示すように、第1凸部26は、2つの第1受容面25A,25Bの連結部分25C(つまり、第1当接部24の最も内側の部分)に設けられると共に、第1受容面25A,25Bよりも植物Pの軸方向に突出した部位である。具体的には、第1凸部26は、第1下板部21の上面から植物Pの先端に向かう方向に盛り上がっている。
図3Cに示すように、第1凸部26の第1固定具4の押付方向Iから視た幅は、第1受容面25A,25Bから離間するに連れて(つまり、先端に向かうに連れて)小さくなっている。
第1上板部22は、図3Aに示すように、第1下板部21と平行に、かつ離間して、第1下板部21よりも植物Pの先端近くに配置されている。第1上板部22は、植物Pを挿通するための複数の凹部22Aを有する。各凹部22Aは、植物Pの軸方向から視て第1当接部24と重なる位置に設けられている。
第1下板部21と第1上板部22とは、第1枠部23と複数の柱状部29とによって連結されている。第1下板部21と第1上板部22との間には、第1固定具4が挿入されるスリット状の空間が形成されている。第1枠部23は、第1固定具4をガイドするガイド溝23A,23Bを有する。
複数の柱状部29は、隣接する第1当接部24同士の間(つまり、1つの第1当接部24の第1受容面25Aと、この第1当接部24に隣接する別の第1当接部24の第1受容面25Bとの間)に配置されている。また、複数の柱状部29は、それぞれ第1固定具4をガイドするガイド溝29Aを有する。
第1枠部23は、穂木ユニット2と台木ユニット3とを着脱可能に固定するための固定機構である2つの第1主磁石27A,27Bを有する。2つの第1主磁石27A,27Bは、台木ユニット3と対向及び当接する部分(つまり、第1枠部23の下面)に配置され、台木ユニット3の第2主磁石37A,37Bとそれぞれ結合する。
また、第1枠部23は、穂木ユニット2に第1固定具4を着脱可能に固定するための固定機構である2つの第1補助磁石28A,28Bを有する。2つの第1補助磁石28A,28Bは、第1固定具4と対向及び当接する部分(つまり、第1枠部23の側面)に配置され、対向する第1固定具4の磁石45A,45Bとそれぞれ結合する。
第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1の穂木ユニット2は、第1固定具4が固定された状態で、第2固定具5が固定された状態の第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1の台木ユニット3に装着可能に構成されている。
<台木ユニット>
台木ユニット3は、図4Aに示すように、第2上板部31と、第2下板部32と、第2枠部33とを有する。
第2上板部31は、後述する第2固定具5の押付方向Iと平行、かつ、植物Pの茎の軸と垂直な板面を有する板状の部位である。第2上板部31は、複数の植物Pの茎にそれぞれ第2位置P2(図2参照)で当接する複数の第2当接部34を有する。第2位置P2は、植物Pの切断位置よりも植物Pの根に近い位置である。
第2当接部34は、第2固定具5の第2押付部51(図7参照)と共に植物Pの茎を挟んで固定する。第2当接部34は、第2上板部31に設けられた凹部である。複数の第2当接部34は、第2固定具5の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第2当接部34は、2つの第2受容面35A,35Bと、第2凸部36とを有する。
2つの第2受容面35A,35Bは、台木ユニット3に取付けられる第2固定具5の第2押付部51と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具5の押付方向Iに沿って小さくなっている。つまり、第2当接部34は、第2上板部31の外側に開いた凹部である。図4Bに示すように、2つの第2受容面35A,35Bの形状は、植物Pの軸方向から視て滑らかに湾曲した曲線である。なお、2つの第2受容面35A,35Bの植物Pの軸方向における縁は、面取りされている。
図4Aに示すように、第2凸部36は、2つの第2受容面35A,35Bの連結部分35C(つまり、第2当接部34の最も内側の部分)に設けられ、第2受容面35A,35Bよりも植物Pの軸方向に突出した部位である。具体的には、第2凸部36は、第2上板部31の下面から植物Pの先端に向かう方向に盛り上がっている。
図4Cに示すように、第2凸部36の第2固定具5の押付方向Iから視た幅は、第2受容面35A,35Bから離間するに連れて(つまり、先端に向かうに連れて)小さくなっている。
各第2当接部34は、穂木ユニット2と台木ユニット3とが固定された状態で対応する第1当接部24と重なる位置に配置されている。なお、本実施形態では、第2当接部34は、第1当接部24を植物Pの軸方向に反転した形状である。つまり、第2当接部34は、第1凸部26の向きを反転した第1当接部24と同じものである。そのため、平面視で(つまり植物Pの軸方向から視て)、第2当接部34と第1当接部24とは同形状である。ただし、第2当接部34と第1当接部24との平面視における形状は異なっていてもよいし、第2当接部34の第2凸部36と第1当接部24の第1凸部26とは同じ方向に盛り上がっていてもよい。
図4Aに示すように、第2下板部32は、第2上板部31と平行に、かつ離間して、第2上板部31よりも植物Pの根近くに配置されている。第2下板部32は、植物Pを挿通するための複数の凹部32Aを有する。各凹部32Aは、平面視で第2当接部34と重なる位置に設けられている。
第2上板部31と第2下板部32とは、第2枠部33と複数の柱状部39とによって連結されている。第2上板部31と第2下板部32との間には、第2固定具5が挿入されるスリット状の空間が形成されている。第2枠部33は、第2固定具5をガイドするガイド溝33A,33Bを有する。
複数の柱状部39は、隣接する第2当接部34同士の間(つまり、1つの第2当接部34の第2受容面35Aと、この第2当接部34に隣接する別の第2当接部34の第2受容面35Bとの間)に配置されている。また、複数の柱状部39は、それぞれ第2固定具5をガイドするガイド溝39Aを有する。
第2枠部33は、穂木ユニット2を支持する部材である。第2枠部33は、台木ユニット3に対して、穂木ユニット2及び後述する支持ユニット6を着脱可能に固定するための固定機構である4つの第2主磁石37A,37B,37C,37Dを有する。
2つの第2主磁石37A,37Bは、穂木ユニット2と対向及び当接する部分(つまり、第2枠部33の上面)に配置され、対向する穂木ユニット2の第1主磁石27A,27Bとそれぞれ結合する。残りの2つの第2主磁石37C,37Dは、支持ユニット6と対向及び当接する部分(つまり、第2枠部33の下面)に配置され、対向する支持ユニット6の第3主磁石63A,63Bとそれぞれ結合する。
また、第2枠部33は、台木ユニット3に第2固定具5を着脱可能に固定するための固定機構である2つの第2補助磁石38A,38Bを有する。2つの第2補助磁石38A,38Bは、第2固定具5と対向及び当接する部分(つまり、第2枠部33の側面)に配置され、対向する第2固定具5の磁石55A,55Bとそれぞれ結合する。
なお、台木ユニット3の2つの第2補助磁石38A,38Bに対して、上下方向に重なる穂木ユニット2の2つの第1補助磁石28A,28Bの磁極を異ならせるとよい。例えば、第2補助磁石38AをS極、第1補助磁石28AをN極、第2補助磁石38BをN極、第1補助磁石28AをS極とするとよい。これにより、磁石同士の反発による台木ユニット3からの穂木ユニット2の離脱が抑制される。
<第1固定具>
第1固定具4は、図5に示すように、穂木ユニット2に固定可能に構成された板状の部材である。本実施形態では、第1固定具4は、水平方向に、穂木ユニット2の第1下板部21と、第1上板部22との間に挿入される。これにより、第1固定具4は、穂木ユニット2に固定される。
第1固定具4は、図6Aに示すように、穂木ユニット2の複数の第1当接部24にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の第1押付部41を有する。第1押付部41は、第1固定具4の押付方向Iにおいて、第1当接部24と対向する位置に配置される。
複数の第1押付部41は、第1固定具4において櫛歯状の部位を構成する複数の凹部に該当し、第1固定具4の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第1押付部41は、2つの第1ガイド面42A,42Bと、緩衝部材42Cと、を有する。
2つの第1ガイド面42A,42Bは、穂木ユニット2の第1当接部24と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具4の押付方向Iに沿って大きくなっている。つまり、第1押付部41は、第1固定具4の外側に開いた凹部である。図6Bに示すように、2つの第1ガイド面42A,42Bの形状は、植物Pの軸方向から視て滑らかに湾曲した曲線である。なお、2つの第1ガイド面42A,42Bの植物Pの軸方向における縁は、面取りされている。
緩衝部材42Cは、2つの第1ガイド面42A,42Bの連結部分(つまり、第1押付部41の最も内側の部分)に配置されている。緩衝部材42Cは、植物Pの茎が当接することによって一定量変形可能な材料で構成されている。緩衝部材42Cの形成材料としては、例えばスポンジ等の多孔質体が挙げられる。また、緩衝部材42Cの形成材料として、ゴム等の弾性体を用いてもよい。
第1当接部24に配置された植物Pの茎は、第1押付部41の緩衝部材42Cと、第1当接部24の第1凸部26とに当接する。また、植物Pの茎は、第1当接部24と第1押付部41とに保持されることで、茎の径方向の移動が規制される。
なお、第1固定具4は、図6B,6Cに示すように、複数の緩衝部材42Cに当接し、かつ第1押付部41よりも植物Pの軸方向に膨らんだ複数の膨出部43を有する。第1固定具4は、膨出部43が設けられた面が植物Pの根の方向を向く(つまり下面となる)ように、穂木ユニット2に挿入される。
また、第1固定具4は、複数の第1押付部41の間に設けられた複数のスリット44を有する。第1固定具4を穂木ユニット2に挿入する際、各スリット44に穂木ユニット2の各柱状部29が挿通される。
さらに、第1固定具4は、穂木ユニット2に第1固定具4を着脱可能に固定するための固定機構である2つの磁石45A,45Bを有する。2つの磁石45A,45Bは、穂木ユニット2の第1枠部23と対向及び当接する部分に配置され、対向する第1枠部23の第1補助磁石28A,28Bとそれぞれ結合する。
<第2固定具>
第2固定具5は、図5に示すように、台木ユニット3に固定可能に構成された板状の部材である。本実施形態では、第2固定具5は、水平方向に、台木ユニット3の第2上板部31と、第2下板部32との間に挿入される。これにより、第2固定具5は、台木ユニット3に固定される。
第2固定具5は、図7に示すように、台木ユニット3の複数の第2当接部34にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の第2押付部51を有する。第2押付部51は、第2固定具5の押付方向Iにおいて、第2当接部34と対向する位置に配置される。
各第2押付部51は、2つの第2ガイド面52A,52Bと、緩衝部材52Cと、を有する。2つの第2ガイド面52A,52Bは、台木ユニット3の第2当接部34と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具5の押付方向Iに沿って大きくなっている。つまり、第2押付部51は、第2固定具5の外側に開いた凹部である。2つの第2ガイド面52A,52Bの形状は、植物Pの軸方向から視て滑らかに湾曲した曲線である。
緩衝部材52Cは、第1固定具4の第1押付部41の緩衝部材42Cと同じものであるため、説明を省略する。
本実施形態では、第2固定具5は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し第1固定具4と対称な形状である。つまり、第2固定具5は、第1固定具4を上下反転させたものである。ただし、第2固定具5は第1固定具4と部分的に異なる部位を有してもよい。
第2固定具5は、複数の膨出部53と、複数のスリット54と、2つの磁石55A,55Bとを有する。複数の膨出部53及び複数のスリット54は、第1固定具4の複数の膨出部43及び複数のスリット44と同じものであるため、説明を省略する。なお、第2固定具5は、膨出部53が設けられた面が植物Pの先端方向を向く(つまり上面となる)ように、台木ユニット3に挿入される。
2つの磁石55A,55Bは、台木ユニット3に第2固定具5を着脱可能に固定するための固定機構である。2つの磁石55A,55Bは、台木ユニット3の第2枠部33と対向及び当接する部分に配置され、対向する第2枠部33の第2補助磁石38A,38Bとそれぞれ結合する。
図1に示すように、穂木ユニット2に固定された第1固定具4と、台木ユニット3に固定された第2固定具5との間には、植物Pの茎を露出させる空間Sが設けられる。つまり、第1固定具4及び第2固定具5は、穂木ユニット2又は台木ユニット3に固定されることで、第1位置P1と第2位置P2との間に植物Pの茎を露出させる空間Sを設ける。この空間Sにて茎を切断することで、植物Pの穂木及び台木を得ることができる。
<支持ユニット>
支持ユニット6は、図2に示すように、植物Pの根が収納されたポッドQを支持する部材である。
支持ユニット6は、図8に示すように、本体61と、複数の支持枠62と、2つの第3主磁石63A,63Bとを有する。本実施形態では、支持ユニット6は、台木ユニット3に着脱可能に構成されている。
本体61には、複数のポッドQが挿入可能な内部空間が設けられている。複数の支持枠62は、それぞれポッドQを鉛直方向に係止する部位であり、本体61の内壁から内側に向かって突出している。
2つの第3主磁石63A,63Bは、台木ユニット3と対向及び当接する部分(つまり本体61の上面)に配置され、対向する台木ユニット3の第2主磁石37C,37Dとそれぞれ結合する。
[1−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)第1当接部24及び第1押付部41、並びに第2当接部34及び第2押付部51によって、穂木ユニット2及び台木ユニット3それぞれにおいて、植物Pの茎を切断部分の近傍の上下2カ所で固定できるので、接合する茎の位置精度を高められる。その結果、接ぎ木の精度が高められる。
(1b)生育後の植物Pを使用するので、例えば部材内で種子を発芽させた場合の不良固体の発生によるロスを避けられる。また、成長する根によって部材の内部が傷付くことや、根の部材への食い込みによって部材からの取り外し時に植物Pが傷付くことが避けられる。加えて、台木の胚軸長の確保が容易に行える。その結果、接ぎ木苗の生産性が高められる。
(1c)植物Pに合わせて部材のサイズを容易に変更できるため、多品種における接ぎ木を行うことができる。また、1種の接ぎ木用部材1を穂木用と台木用とに共通して使用できるため、設備コストを低減できる。
(1d)2つの第1受容面25A,25B及び2つの第2受容面35A,35Bの互いの距離が固定具の押付方向に沿って小さくなり、2つの第1ガイド面42A,42B及び2つの第2ガイド面52A,52Bの互いの距離が固定具の押付方向に沿って大きくなっているため、第1固定具4及び第2固定具5の挿入によって、容易かつ的確に植物Pの茎を所定位置に誘導して固定することができる。
(1e)第1凸部26及び第2凸部36の固定具の押付方向から視た幅が2つの第1受容面25A,25B又は第2受容面35A,35Bから離間するに連れて小さくなるため、第1当接部24と第1押付部41との間、及び第2当接部34と第2押付部51との間において、固定位置に茎を容易に誘導できる。
(1f)2つの第1受容面25A,25Bの形状、2つの第1ガイド面42A,42Bの形状、2つの第2受容面35A,35Bの形状、及び2つの第2ガイド面52A,52Bの形状は、それぞれ、植物Pの軸方向から視て湾曲した曲線であるので、第1固定具4及び第2固定具5の挿入によって茎を所定位置に誘導する際に茎が傷付くことを抑制できる。
(1g)第1押付部41及び第2押付部51がそれぞれ緩衝部材42C,52Cを有するので、緩衝部材42C,52Cによって茎の径のバラツキを吸収しながら、茎を所定位置に固定できる。
(1h)第1主磁石27A,27B及び第2主磁石37A,37Bによる固定機構によって、接合後の台木と穂木とを互いに押し付けることができる。その結果、養生中や輸送中における台木と穂木との分離を抑制できる。
(1i)植物Pの根が収納されたポッドQを支持する支持ユニット6によって、切断前から接合後までの間、植物Pを安定して保持できる。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
図9に示す接ぎ木用部材10は、図1の接ぎ木用部材1と同様、穂木を得るための第1接ぎ木用部材としても、台木を得るための第2接ぎ木用部材としても使用可能に構成されている。
接ぎ木用部材10は、穂木ユニット12と、台木ユニット13と、第1固定具14と、第2固定具15と、支持ユニット16とを備える。図9は、これらのパーツが組み立てられた状態を示しているが、各パーツは、着脱可能に構成されている。各パーツは、後述する磁石及び緩衝部材を除き、例えば、樹脂、金属等で形成することができる。
<穂木ユニット>
穂木ユニット12は、図10A,10Bに示すように、2つの第1板部21A及び1つの第2板部21Bと、第1枠部23とを有する。
第1板部21A及び第2板部21Bは、後述する第1固定具14の押付方向Iと平行な板面を有する板状の部位である。第1板部21A及び第2板部21Bは、植物Pの茎の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。第2板部21Bは、2つの第1板部21Aに挟まれて配置されている。2つの第1板部21Aには、1つの下向き第1当接部24Aがそれぞれ設けられている。第2板部21Bには、複数の上向き第1当接部24Bが設けられている。
複数の第1当接部24A,24Bは、図3Aの穂木ユニット2における複数の第1当接部24と同じものである。つまり、各第1当接部24A,24Bは、2つの第1受容面25A,25Bと、2つの第1受容面25A,25Bの連結部分25Cに設けられた第1凸部26とを有する。
本実施形態では、第1板部21Aに設けられた下向き第1当接部24Aの第1凸部26は、第1板部21Aの下面(つまり、台木ユニット13側の板面)から植物Pの根に向かう方向に盛り上がっている。
2つの下向き第1当接部24Aに挟まれた複数の上向き第1当接部24Bの第1凸部26は、第2板部21Bの上面(つまり、台木ユニット13とは反対側の板面)から植物Pの先端に向かう方向に盛り上がっている。
このように、穂木ユニット12は、第1凸部26の突出方向が互いに異なる下向き第1当接部24Aと上向き第1当接部24Bとを有している。なお、下向き第1当接部24Aは、必ずしも穂木ユニット12の両端に配置される必要はない。また、穂木ユニット12は、1つの下向き第1当接部24Aを有してもよい。同様に、穂木ユニット12は、1つの上向き第1当接部24Bを有してもよい。
図10Bに示すように、第1板部21Aの下面は、植物Pの軸方向において、第2板部21Bの上面と同じ位置か、第2板部21Bの上面よりも植物Pの先端に近い位置に配置されている。つまり、第2板部21Bは、第1板部21Aに対し植物Pの茎の軸と平行な方向にずれて配置されている。
また、2つの第1板部21Aと第2板部21Bとの間には、それぞれ、第1固定具14の挿入をガイドするスリット23C,23Dが形成されている。
第1枠部23は、図3Aの穂木ユニット2における第1枠部23と同様に、穂木ユニット12と台木ユニット13とを着脱可能に固定するための固定機構である2つの第1主磁石(図示省略)と、穂木ユニット12に第1固定具14を着脱可能に固定するための固定機構である2つの第1補助磁石28A,28Bとを有する。
<台木ユニット>
台木ユニット13は、図11に示すように、2つの第1板部31A及び1つの第2板部31Bと、第2枠部33とを有する。
第1板部31A及び第2板部31Bは、後述する第2固定具15の押付方向Iと平行な板面を有する板状の部位である。第1板部31A及び第2板部31Bは、植物Pの茎の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。第2板部31Bは、2つの第1板部31Aに挟まれて配置されている。2つの第1板部31Aには、1つの上向き第2当接部34Aがそれぞれ設けられている。第2板部31Bには、複数の下向き第2当接部34Bが設けられている。
複数の第2当接部34A,34Bは、図4Aの穂木ユニット2における複数の第2当接部34と同じものである。つまり、各第2当接部34A,34Bは、2つの第2受容面35A,35Bと、2つの第2受容面35A,35Bの連結部分35Cに設けられた第2凸部36とを有する。
本実施形態では、第1板部31Aに設けられた上向き第2当接部34Aの第2凸部36は、第1板部31Aの上面(つまり、穂木ユニット12側の板面)から植物Pの先端に向かう方向に盛り上がっている。
下向き第2当接部34Bの第2凸部36は、第2板部31Bの下面(つまり、穂木ユニット12とは反対側の板面)から植物Pの根に向かう方向に盛り上がっている。
第2板部31Bは、第1板部31Aに対し植物Pの茎の軸と平行な方向にずれて配置されている。また、2つの第1板部31Aと第2板部31Bとの間には、それぞれ、第2固定具15の挿入をガイドするスリット33C,33Dが形成されている。
第2枠部33は、図4Aの台木ユニット3における第2枠部33と同様に、台木ユニット13に対して、穂木ユニット12を着脱可能に固定するための固定機構である2つの第2主磁石37A,37Bと、後述する支持ユニット16を着脱可能に固定するための磁石(図示省略)と、台木ユニット13に第2固定具15を着脱可能に固定するための固定機構である2つの第2補助磁石38A,38Bとを有する。
このように、台木ユニット13は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し穂木ユニット12と対称な形状である。詳細には、台木ユニット13は、穂木ユニット12を上下反転させたものに、支持ユニット16を着脱可能に固定するための磁石を取り付けたものである。
<第1固定具>
第1固定具14は、図12Aに示すように、穂木ユニット12に固定可能に構成された板状の部材である。第1固定具14は、穂木ユニット12の複数の第1当接部24A,24Bにそれぞれ植物Pの茎を押し付ける2つの上向き第1押付部41A及び複数の下向き第1押付部41Bと、膨出部43とを有する。
2つの上向き第1押付部41Aは、押付方向Iと交差する方向における両端に配置されている。複数の下向き第1押付部41Bは、2つの上向き第1押付部41Aの間に配置されている。
複数の第1押付部41A,41Bは、第1固定具14の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第1押付部41A,41Bは、2つの第1ガイド面42A,42Bと、緩衝部材42Cとを有する。
2つの第1ガイド面42A,42B、緩衝部材42C及び膨出部43は、図6A,6Bの第1固定具4における第1ガイド面42A,42B、緩衝部材42C及び膨出部43と同じものである。
本実施形態では、上向き第1押付部41Aの膨出部43は、植物Pの先端に向かう方向に盛り上がっている。上向き第1押付部41Aは、穂木ユニット12の両端に設けられた下向き第1当接部24Aに下側から重なるように構成されている。
上向き第1押付部41Aの膨出部43は、第1固定具14の穂木ユニット12への挿入時に、下向き第1当接部24Aの受容面25A,25Bに当接する。また、上向き第1押付部41Aの上面(つまり、植物Pの先端側の板面)42Dは、穂木ユニット12の第1板部21Aの下面と平行であり、第1板部21Aの下面と当接する。
下向き第1押付部41Bの膨出部43は、植物Pの根に向かう方向に盛り上がっている。下向き第1押付部41Bは、穂木ユニット12の上向き第1当接部24Bに上側から重なるように構成されている。
下向き第1押付部41Bの膨出部43は、第1固定具14の穂木ユニット12への挿入時に、上向き第1当接部24Bの受容面25A,25Bに当接する。また、下向き第1押付部41Bの下面(つまり、植物Pの根側の板面)42Eは、穂木ユニット12の第2板部21Bの上面と平行であり、第2板部21Bの上面と当接する。
このように、第1固定具14は、膨出部43の膨出方向が互いに異なる上向き第1押付部41Aと下向き第1押付部41Bとを有している。そのため、上向き第1押付部41Aと下向き第1当接部24Aとの噛み合いと、下向き第1押付部41Bと上向き第1当接部24Bとの噛み合いとによって、第1固定具14は、穂木ユニット12に固定される。
また、第1固定具14は、穂木ユニット12への挿入を案内する複数の当接面46を有する。当接面46は、上向き第1押付部41Aと下向き第1押付部41Bとの間に設けられている。当接面46は、第1固定具14の押付方向Iと平行、かつ、上向き第1押付部41Aの上面42Dと垂直な面である。当接面46は、穂木ユニット12のスリット23C,23Dの内面に当接する。
また、第1固定具14は、図6A,6B,6Cの第1固定具4と同様、穂木ユニット12に第1固定具14を着脱可能に固定するための固定機構である2つの磁石45A,45Bを有する。
<第2固定具>
第2固定具15は、図13に示すように、台木ユニット13に固定可能に構成された板状の部材である。第2固定具15は、台木ユニット13の複数の第2当接部34にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の下向き第2押付部51A及び上向き第2押付部51Bと、膨出部53とを有する。
複数の第2押付部51A,51Bは、第2固定具15の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第2押付部51A,51Bは、2つの第2ガイド面52A,52Bと、緩衝部材52Cとを有する。
2つの第2ガイド面52A,52B、緩衝部材52C及び膨出部53は、図7の第2固定具5における第2ガイド面52A,52B、緩衝部材52C及び膨出部53と同じものである。
本実施形態では、第2固定具15は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し第1固定具14と対称な形状である。つまり、第2固定具15は、第1固定具14を上下反転させたものである。ただし、第2固定具15は第1固定具14と部分的に異なる部位を有してもよい。
第2固定具15は、下向き第2押付部51Aと上向き第2当接部34Aとの噛み合いと、上向き第2押付部51Bと下向き第2当接部34Bとの噛み合いとによって、台木ユニット13に固定される。
また、第2固定具15は、図7の第2固定具5と同様に、台木ユニット13に第2固定具15を着脱可能に固定するための固定機構である2つの磁石55A,55Bを有している。
<支持ユニット>
支持ユニット16は、図14に示すように、本体61と、複数の仕切り板64と、2つの第3主磁石63A,63Bとを有する。本実施形態では、支持ユニット16は、台木ユニット13に着脱可能に構成されている。
本体61には、複数の植物Pのポッドが挿入可能な内部空間が複数の仕切り板64によって設けられている。2つの第3主磁石63A,63Bは、台木ユニット13と対向及び当接する部分(つまり本体61の上面)に配置され、対向する台木ユニット13の第2主磁石とそれぞれ結合する。
[2−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)台木ユニット13が植物Pの茎の軸と垂直な面に対し穂木ユニット12と対称な形状であることで、穂木ユニット12と台木ユニット13として同じ部材を共通使用できる。また、第1固定具4と第2固定具5として同じ部材を共通使用できる。その結果、接ぎ木用部材10のコストを低減できる。
(2b)穂木ユニット12及び台木ユニット13それぞれの第1板部及び第2板部に第1固定具14及び第2固定具15を噛み合わせることで、固定具を固定するための部材(例えば第1実施形態の第1上板部22及び第2下板部32)を設けることなく、第1固定具及び第2固定具を固定することができる。その結果、接ぎ木用部材10のコストを低減できる。
[3.第3実施形態]
[3−1.構成]
図15に示す接ぎ木用部材101は、植物を切断して穂木及び台木を得ると共に、得られた穂木及び台木を接合するためのカセット状の部材である。
図15の接ぎ木用部材101は、穂木を得るための第1接ぎ木用部材としても、台木を得るための第2接ぎ木用部材としても使用可能に構成されている。つまり、本実施形態の接ぎ木用部材セットは、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101とを備える。
なお、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101とは、必ずしも完全に同じ形状でなくてもよい。つまり、第2接ぎ木用部材は、第1接ぎ木用部材と形状が異なる部分を有してもよい。
接ぎ木用部材101は、穂木ユニット102と、台木ユニット103と、第1固定具104と、第2固定具105と、支持ユニット106とを備える。図15は、これらのパーツが組み立てられた状態を示しているが、各パーツは、着脱可能に構成されている。各パーツは、後述する緩衝部材を除き、例えば、樹脂、金属等で形成することができる。
接ぎ木用部材101は、図16に示すように、複数の植物Pを内部に保持可能に構成されている。なお、図16では、5つの植物Pが保持されているが、接ぎ木用部材101が保持する植物Pの数は5に限定されない。また、植物Pの種類は、特に限定されない。
<穂木ユニット>
穂木ユニット102は、図17Aに示すように、第1板部121と、第1板部121を支持する第1枠部123とを有する。
第1板部121は、後述する第1固定具104の押付方向(つまり、挿入方向)Iと平行、かつ、植物Pの茎の軸と垂直な板面を有する板状の部位である。第1板部121は、複数の植物Pの茎にそれぞれ第1位置P1(図16参照)で当接する複数の第1当接部124を有する。第1位置P1は、植物Pの切断位置よりも植物Pの先端(つまり茎頂)に近い位置である。
第1当接部124は、第1固定具104の第1押付部141(図20A参照)と共に植物Pの茎を挟んで固定する。第1当接部124は、第1板部121に設けられた切欠きである。複数の第1当接部124は、第1固定具104の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第1当接部124は、2つの第1受容面125A,125Bと、2つの第1ゲート部125D,125Eと、第1凸部126(図17C参照)と、を有する。
2つの第1受容面125A,125Bは、穂木ユニット102に取付られる第1固定具104の第1押付部141と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具104の押付方向Iに沿って小さくなっている。
図17Bに示すように、2つの第1受容面125A,125Bの形状は、植物Pの茎の軸と平行な方向(以下、「植物Pの軸方向」ともいう。)から視て滑らかに湾曲した曲線である。なお、2つの第1受容面125A,125Bの植物Pの軸方向における縁は、面取りされている。また、植物Pの茎の軸は、例えば鉛直方向と平行である。
2つの第1ゲート部125D,125Eは、それぞれ、第1当接部124を構成する切欠きの入口(つまり、2つの第1受容面125A,125Bの外側)に配置されている。2つの第1ゲート部125D,125Eは、互いに対向する向きに突出している。第1ゲート部125D,125Eは、第1当接部124内に配置された植物Pが、第1固定具104の固定前に第1当接部124の外に移動することを抑制する。
なお、第1当接部124は、必ずしも2つの第1ゲート部125D,125Eを有しなくてもよい。つまり、第1受容面125A,125Bは、第1板部121の端面まで到達していてもよい。
図17Cに示すように、第1凸部126は、2つの第1受容面125A,125Bの連結部125C(つまり、第1当接部124の最も内側の部分)に設けられると共に、第1受容面125A,125Bよりも植物Pの軸方向に突出した部位である。具体的には、第1凸部126は、第1板部121の下面から植物Pの根に向かう方向に突出している。第1凸部126の先端は、円弧状に湾曲している。
第1凸部126は、図17Bに示すように、植物Pの軸方向から視て押付方向Iに円弧状に凹んだ湾曲面を有する。第1当接部124に配置された植物Pの茎は、この湾曲面に押し当てられる。
穂木ユニット102は、図17Aに示すように、第1固定具104を固定するための2つのスリット129A,129Bと、2つの溝129C,129Dとを有する。スリット129A,129Bは、それぞれ、第1板部121と第1枠部123との間に設けられ、押付方向Iと平行に延伸している。溝129C,129Dは、それぞれ、第1板部121の一部が厚み方向に凹むことで形成された溝であり、押付方向Iと平行に延伸している。
第1枠部123は、図17Bに示すように、穂木ユニット102と台木ユニット103とを着脱可能に固定するための固定機構であるピン127Aと、孔127Bとを有する。ピン127A及び孔127Bは、台木ユニット103と対向及び当接する部分(つまり、第1枠部123の下面)に配置され、台木ユニット103に設けられたピン137A及び孔137Bとそれぞれ嵌合する。
第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101の穂木ユニット102は、第1固定具104が固定された状態で、第2固定具105が固定された状態の第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材101の台木ユニット103に装着可能に構成されている。
<台木ユニット>
台木ユニット103は、図18に示すように、第2板部131と、第2板部131を支持する第2枠部133とを有する。
第2板部131は、後述する第2固定具105の押付方向Iと平行、かつ、植物Pの茎の軸と垂直な板面を有する板状の部位である。第2板部131は、複数の植物Pの茎にそれぞれ第2位置P2(図16参照)で当接する複数の第2当接部134を有する。第2位置P2は、植物Pの切断位置よりも植物Pの根に近い位置である。
第2当接部134は、第2固定具105の第2押付部151(図22参照)と共に植物Pの茎を挟んで固定する。複数の第2当接部134は、第2固定具105の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第2当接部134は、2つの第2受容面135A,135Bと、2つの第2ゲート部135D,135Eと、第2凸部136とを有する。また、各第2当接部134は、穂木ユニット102と台木ユニット103とが固定された状態で対応する第1当接部124と重なる位置に配置されている。
本実施形態では、台木ユニット103は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し穂木ユニット102と対称な形状である。つまり、台木ユニット103は、穂木ユニット102を構成する部材を上下反転させて配置したものである。そのため、複数の第2当接部134と複数の第1当接部124とは同形状である。ただし、台木ユニット103は穂木ユニット102と部分的に異なる部位を有してもよい。
2つの第2受容面135A,135Bは、台木ユニット103に取付られる第2固定具105の第2押付部151と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第2固定具105の押付方向Iに沿って小さくなっている。2つの第2ゲート部135D,135Eは、それぞれ、第2当接部134を構成する切欠きの入口に配置されている。
第2受容面135A,135B及び第2ゲート部135D,135Eは、穂木ユニット102の第1受容面125A,125B及び第1ゲート部125D,125Eと同じ形状を有する。そのため、これらの詳細な説明は省略する。なお、第2当接部134は、必ずしも2つの第2ゲート部135D,135Eを有しなくてもよい。
第2凸部136は、2つの第2受容面135A,135Bの連結部分135C(つまり、第2当接部134の最も内側の部分)に設けられると共に、第2受容面135A,135Bよりも植物Pの軸方向に突出した部位である。具体的には、第2凸部136は、第2板部131の上面から植物Pの先端に向かう方向に突出している。また、第2凸部136の先端は、円弧状に湾曲している。
台木ユニット103は、2つのスリット139A,139Bと、2つの溝139C,139Dと、ピン137Aと、孔137Bと、2つの下部孔138A,138Bとを有する。スリット139A,139Bと、溝139C,139Dと、ピン137Aと、孔137Bとは、穂木ユニット102のスリット129A,129Bと、溝129C,129Dと、ピン127Aと、孔127Bとそれぞれ同じ形状である。
2つの下部孔138A,138Bは、支持ユニット106を台木ユニット103に固定する固定機構を構成する。2つの下部孔138A,138Bは、支持ユニット106と対向及び当接する部分(つまり、第2枠部133の下面)に配置され、支持ユニット106に設けられた2つのピン163A,163B(図23参照)とそれぞれ嵌合する。
<第1固定具>
第1固定具104は、図19に示すように、穂木ユニット102に固定可能に構成された部材である。本実施形態では、第1固定具104は、水平方向に、穂木ユニット102の第1板部121と重なるように挿入される。これにより、第1固定具104は、穂木ユニット102に固定される。
第1固定具104は、図20Aに示すように、穂木ユニット102の複数の第1当接部124にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の第1押付部141を有する。第1押付部141は、第1固定具104の押付方向Iにおいて、第1当接部124と対向する位置に配置される。
複数の第1押付部141は、第1固定具104の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第1押付部141は、2つの第1ガイド面142A,142Bと、第1緩衝部材142Cとを有する。
第1緩衝部材142Cは、対応する第1当接部124に植物Pの茎を押し付ける板状の部材である。第1緩衝部材142Cは、植物Pの茎が当接することによって一定量変形可能な材料で構成されている。
第1緩衝部材142Cの形成材料としては、例えばスポンジ等の多孔質体が挙げられる。また、第1緩衝部材142Cの形成材料として、ゴム等の弾性体を用いてもよい。なお、図20A等では、第1緩衝部材142Cの平面形状は四角形であるが、第1緩衝部材142Cの平面形状は、例えば、三角形、円形等であってもよい。
図20Bに示すように、2つの第1ガイド面142A,142Bは、平面視で、互いに離間して第1緩衝部材142Cよりも第1固定具104の押付方向Iに突出している。また、2つの第1ガイド面142A,142Bは、穂木ユニット102の第1当接部124と対向する位置に配置されると共に、互いの距離が第1固定具104の押付方向Iに沿って大きくなっている。
具体的には、第1緩衝部材142Cは、押付方向Iと垂直な方向に延伸する枠部145から押付方向Iに突出する支持部147に例えば接着剤によって固定されている。支持部147は、図20Cに示すように、第1緩衝部材142Cが厚み方向に重ね合わされる板状の延出部146を有する。支持部147は、第1固定具104が穂木ユニット102に固定された状態で、穂木ユニット102の第1板部121と厚み方向に重なる。また、延出部146は、第1固定具104の挿入時に、第1板部121の板面と摺動する。本実施形態では、第1緩衝部材142Cは、延出部146の表面に固定されているが、支持部147の延出部146以外の部分の表面に固定されてもよい。
2つの第1ガイド面142A,142Bは、延出部146の端面によって構成されている。また、第1緩衝部材142Cは、2つの第1ガイド面142A,142Bの一部と植物Pの軸方向(つまり、第1緩衝部材142Cの厚み方向)に重なるように配置されている。
図20Aに示すように、2つの第1ガイド面142A,142Bの形状は、植物Pの軸方向から視て滑らかに湾曲した曲線である。なお、2つの第1ガイド面142A,142Bの植物Pの軸方向における縁は、面取りされている。
第1緩衝部材142Cの端部は、第1緩衝部材142Cの厚み方向から視て、2つの第1ガイド面142A,142Bの一部と共にC字状の凹部を形成している。第1当接部124に配置された植物Pの茎は、第1押付部141の第1緩衝部材142Cと、第1当接部124の第1凸部126とに当接する。また、植物Pの茎は、第1当接部124と第1押付部141とに保持されることで、茎の径方向の移動が規制される。
なお、延出部146は必ずしも板状である必要はなく、図21A又は図21Bに示すように、枠部145の厚みと同等の厚みを有する形状であってもよい。図21A又は図21Bの構成では、第1緩衝部材142C(図21A及び図21Bでは図示省略)は、2つの第1ガイド面142A,142Bの間に配置された載置部148の上に載置され、載置部148の上面、又は延出部146の側面146Aに固定される。
図20Aに示すように、第1固定具104は、2つのスナップ部144A,144Bと、2つのブロック144C,144Dと、2つの爪部144E,144Fとを有する。2つのスナップ部144A,144Bは、枠部145から押付方向Iに突出し、複数の第1押付部141を挟む位置に設けられている。2つのブロック144C,144D及び2つの爪部144E,144Fは、枠部145から押付方向Iに突出し、複数の第1押付部141の間にそれぞれ設けられている。
スナップ部144A,144Bは、穂木ユニット102に第1固定具104を着脱可能に固定するための固定機構であり、穂木ユニット102のスリット129A,129Bに挿入される。スナップ部144A,144Bは、スリット129A,129B内に設けられた凸部に係止可能なフック状の先端部を有する。
ブロック144C,144D及び爪部144E,144Fは、第1固定具104の押付方向Iに沿った挿入をガイドするためのガイド機構である。ブロック144C,144Dは、穂木ユニット102の溝129C,129Dに挿入される。爪部144E,144Fは、穂木ユニット102の第1板部121の板面と重なる。
<第2固定具>
第2固定具105は、図19に示すように、台木ユニット103に固定可能に構成された部材である。本実施形態では、第2固定具105は、水平方向に、台木ユニット103の第2板部131と重なるように挿入される。これにより、第2固定具105は、台木ユニット103に固定される。
第2固定具105は、図22に示すように、台木ユニット103の複数の第2当接部134にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の第2押付部151を有する。第2押付部151は、第2固定具105の押付方向Iにおいて、第2当接部134と対向する位置に配置される。
複数の第2押付部151は、第2固定具105の押付方向Iと交差する方向に並列して配置されている。各第2押付部151は、2つの第2ガイド面152A,152Bと、第2緩衝部材152Cとを有する。
本実施形態では、第2固定具105は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し第1固定具104と対称な形状である。つまり、第2固定具105は、第1固定具104を上下反転させたものである。ただし、第2固定具105は第1固定具104と部分的に異なる部位を有してもよい。
第2緩衝部材152Cは、対応する第2当接部134に植物Pの茎を押し付ける板状の部材である。2つの第2ガイド面152A,152Bは、平面視で、互いに離間して第2緩衝部材152Cよりも第2固定具105の押付方向Iに突出している。また、2つの第2ガイド面152A,152Bは、台木ユニット103の第2当接部134と対向する位置に配置されると共に、互いの距離が第2固定具105の押付方向Iに沿って大きくなっている。
第2ガイド面152A,152B及び第2緩衝部材152Cは、第1固定具104の第1押付部141の第1ガイド面142A,142B及び第1緩衝部材142Cと同じ形状を有する。そのため、これらの詳細な説明は省略する。
第2固定具105は、枠部155からそれぞれ突出する2つのスナップ部154A,154Bと、2つのブロック154C,154Dと、2つの爪部154E,154Fとを有する。スナップ部154A,154B、ブロック154C,154D及び爪部154E,154Fは、それぞれ、第1固定具104のスナップ部144A,144B、ブロック144C,144D及び爪部144E,144Fと同じ形状である。
2つのスナップ部154A,154Bは、台木ユニット103のスリット139A,139Bに挿入される。2つのブロック154C,154Dは、台木ユニット103の溝139C,139Dに挿入される。
図15に示すように、穂木ユニット102に固定された第1固定具104と、台木ユニット103に固定された第2固定具105との間には、植物Pの茎を露出させる空間Sが設けられる。この空間Sにて茎を切断することで、植物Pの穂木及び台木を得ることができる。
<支持ユニット>
支持ユニット106は、図16に示すように、植物Pの根が収納されたポッドQを支持する部材である。
支持ユニット106は、図23に示すように、本体161と、複数の仕切り板164と、2つのピン163A,163Bとを有する。本実施形態では、支持ユニット106は、台木ユニット103に着脱可能に構成されている。
本体161には、複数の植物Pのポッドが挿入可能な内部空間が複数の仕切り板164によって設けられている。2つのピン163A,163Bは、台木ユニット103と対向及び当接する部分(つまり本体161の上面)に配置され、台木ユニット103の下部孔138A,138Bとそれぞれ嵌合する。
[3−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)第1当接部124及び第1押付部141、並びに第2当接部134及び第2押付部151によって、穂木ユニット102及び台木ユニット103それぞれにおいて、植物Pの茎を切断部分の近傍の上下2カ所で固定できるので、接合する茎の位置精度を高められる。また、第1緩衝部材142C及び第2緩衝部材152Cによって茎の位置ずれを抑制できる。その結果、接ぎ木の精度が高められる。
(3b)第1緩衝部材142Cよりも突出する2つの第1ガイド面142A,142B、及び第2緩衝部材152Cよりも突出する2つの第2ガイド面152A,152Bによって、第1緩衝部材142C及び第2緩衝部材152Cへ容易かつ的確に植物Pの茎を誘導することができる。
(3c)第1緩衝部材142C及び第2緩衝部材152Cが、2つの第1ガイド面142A,142B又は2つの第2ガイド面152A,152Bの一部と植物Pの軸方向に重なるように配置されることで、第1緩衝部材142C及び第2緩衝部材152Cの第1固定具104又は第2固定具105への配置が容易になる。その結果、第1緩衝部材142C及び第2緩衝部材152Cの交換が容易に行える。
(3d)穂木ユニット102のピン127A及び孔127Bと、台木ユニット103のピン137A及び孔137Bとによる固定機構によって、接合後の台木と穂木とを互いに押し付けることができる。その結果、養生中や輸送中における台木と穂木との分離を抑制できる。
[4.第4実施形態]
[4−1.構成]
図24に示す接ぎ木用部材201は、植物を切断して穂木及び台木を得ると共に、得られた穂木及び台木を接合するためのカセット状の部材である。
図24の接ぎ木用部材201は、穂木を得るための第1接ぎ木用部材としても、台木を得るための第2接ぎ木用部材としても使用可能に構成されている。つまり、本実施形態の接ぎ木用部材セットは、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材201と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材201とを備える。
接ぎ木用部材201は、穂木ユニット202と、台木ユニット203と、第1固定具204と、第2固定具205と、支持ユニット206とを備える。接ぎ木用部材201は、図15の接ぎ木用部材101における穂木ユニット102、台木ユニット103、第1固定具104、及び第2固定具105をアレンジしたものである。接ぎ木用部材201の支持ユニット206は、図15の接ぎ木用部材101の支持ユニット106と同等のものであるため、説明を省略する。
<穂木ユニット>
穂木ユニット202は、図25Aに示すように、第1板部221と、第1板部221を支持する第1枠部123とを有する。以下では、穂木ユニット202の構成のうち、図15の穂木ユニット102と同じものは、同一の符号を付して説明を省略する。
第1板部221は、図15の接ぎ木用部材101の第1板部121と同様に、複数の植物Pの茎にそれぞれ当接する複数の第1当接部224を有する。第1当接部224は、平面視での形状が異なる点を除いて、図15の接ぎ木用部材101の第1当接部124と同等のものである。
各第1当接部224は、2つの第1受容面225A,225Bと、第1凸部126(図25C参照)とを有する。2つの第1受容面225A,225Bは、穂木ユニット202に取付られる第1固定具204の第1押付部241と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が第1固定具204の押付方向Iに沿って小さくなっている。
図25Bに示すように、2つの第1受容面125A,125Bは、それぞれ、植物Pの軸方向から視て滑らかに湾曲した曲線部225Dと、植物の茎の軸と平行な平面で構成された平面部225Eとを有する。
平面部225Eは、2つの第1受容面125A,125Bの連結部分125C(つまり第1凸部126)に連続して設けられている。平面部225Eは、曲線部225Dよりも内側、つまり、曲線部225Dと第1凸部126との間に配置されている。
<台木ユニット>
台木ユニット203は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し穂木ユニット202と対称な形状である。つまり、台木ユニット203は、穂木ユニット202を構成する部材を上下反転させて配置したものである。
そのため、台木ユニット203は、図15の台木ユニット103における第2当接部134の形状を穂木ユニット202の第1当接部224と同じ形状にしたものである。ただし、台木ユニット203は穂木ユニット202と部分的に異なる部位を有してもよい。
<第1固定具>
第1固定具204は、穂木ユニット202に固定可能に構成された部材である。第1固定具204は、図26A,26Bに示すように、穂木ユニット202の複数の第1当接部224にそれぞれ植物Pの茎を押し付ける複数の第1押付部241と、複数の第1押付部241に跨って配置された第1緩衝部材構成体243を有する。以下では、第1固定具204の構成のうち、図15の第1固定具104と同じものは、同一の符号を付して説明を省略する。
第1押付部241は、第1固定具204の押付方向Iにおいて、第1当接部224と対向する位置に配置される。各第1押付部241は、2つの第1ガイド面242A,242Bと、第1緩衝部材242Cとを有する。
第1ガイド面242A,242Bと第1緩衝部材242Cとは、図15の第1固定具104の第1押付部141における第1ガイド面142A,142Bと第1緩衝部材142Cと同じ機能を有する。
複数の第1押付部241が有する第1緩衝部材242Cは、それぞれ、第1緩衝部材構成体243の一部である。具体的には、図26B,26Cに示すように、第1緩衝部材構成体243のうち、複数の壁部247の間から露出した部位が、各第1緩衝部材242Cを構成している。
第1緩衝部材構成体243の材質は、図15の第1固定具104における第1緩衝部材142Cと同様である。第1緩衝部材構成体243は、棒状であり、長手方向が第1固定具204の押付方向Iと交差するように配置されている。
具体的には、第1緩衝部材構成体243は、枠部145と、枠部145に対し押付方向Iに離間して配置された複数の壁部247との間に設けられた溝に配置されている。複数の壁部247は、押付方向Iと交差する方向に延伸し、延伸方向の端部が第1ガイド面142A,142Bを構成している。
第1緩衝部材構成体243は、枠部145、複数の壁部247、又は枠部145から延出した延出部246に例えば接着剤によって固定されている。延出部246は、枠部145と複数の壁部247とを連結する部位であり、第1緩衝部材構成体243が配置された溝の底面を構成している。
<第2固定具>
第2固定具205は、台木ユニット203に固定可能に構成された部材である。第2固定具205は、植物Pの茎の軸と垂直な面(つまり水平面)に対し第1固定具204と対称な形状である。つまり、第2固定具205は、第1固定具204を上下反転させたものである。
そのため、第2固定具205は、図15の第2固定具105に対し、複数の第2押付部151に跨るように第2緩衝部材構成体を配置することによって得られる。ただし、第2固定具205は第1固定具204と部分的に異なる部位を有してもよい。
[4−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4a)第1固定具204及び第2固定具205の複数の緩衝部材を1つの緩衝部材構成体によって構成することで、固定具に配置する部品の点数を減らすことができる。その結果、緩衝部材の取り付け及び交換が容易になる。
(4b)穂木ユニット202及び台木ユニット203の受容面がそれぞれ平面部を有することで、第1固定具204及び第2固定具205によって、植物の茎の噛み込みを抑制しつつ、茎を所定位置に的確に誘導できる。
[5.第5実施形態]
[5−1.構成]
図27に示す接ぎ木苗の生産方法は、図1の接ぎ木用部材1、図9の接ぎ木用部材10、図15の接ぎ木用部材101、又は図24の接ぎ木用部材201を使用して、穂木と台木とを接ぎ木した苗を生産する方法である。なお、以下では図1の接ぎ木用部材1を用いて各工程を説明する。
本実施形態の接ぎ木苗の生産方法は、用意工程S10と、第1当接工程S20と、第1固定工程S30と、第1切断工程S40と、第2当接工程S50と、第2固定工程S60と、第2切断工程S70と、接合工程S80と、養生工程S90とを備える。
<用意工程>
本工程では、第1接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1と、第2接ぎ木用部材としての接ぎ木用部材1とを用意する。
<第1当接工程>
本工程では、穂木ユニット2に台木ユニット3を装着し、かつ第1固定具4及び第2固定具5を装着していない状態で、第1接ぎ木用部材における穂木ユニット2の複数の第1当接部24に穂木を供給する複数の第1植物の茎を当接させると共に、第1接ぎ木用部材における台木ユニット3の複数の第2当接部34に複数の第1植物の茎を当接させる。
上記作業では、複数の第1植物のポッドを台木ユニット3に装着された支持ユニット6に挿入する。なお、支持ユニット6に複数の第1植物のポッドを挿入してから、支持ユニット6に台木ユニット3を装着してもよい。
<第1固定工程>
本工程では、第1接ぎ木用部材における第1固定具4及び第2固定具5の穂木ユニット2及び台木ユニット3への固定により、複数の第1当接部24と複数の第1押付部41との間、及び複数の第2当接部34と複数の第2押付部51との間で複数の第1植物の茎を固定する。なお、第1固定具4及び第2固定具5の固定する順番は問わない。
<第1切断工程>
本工程では、第1接ぎ木用部材における第1固定具4と第2固定具5との間の空間S(つまり、第1固定具4よりも第1植物の根に近い位置)で、複数の第1植物の茎を同時に切断する。
<第2当接工程>
本工程は、第1接ぎ木用部材に替えて第2接ぎ木用部材を用い、第1植物に替えて台木を供給する第2植物を用いる点以外は、第1当接工程S20と同じである。
<第2固定工程>
本工程は、第2接ぎ木用部材と第2植物とを用いる点以外は、第1固定工程S30と同じである。
<第2切断工程>
本工程は、第2接ぎ木用部材と第2植物とを用いて第1固定具4と第2固定具5との間の空間S(つまり、第2固定具5よりも第2植物の根から離れた位置)で切断する点以外は、第1切断工程S40と同じである。ただし、接合性の観点から、第2植物の切断は、第1植物の切断位置よりも植物の先端に近い位置で行うとよい。
<接合工程>
本工程では、第1接ぎ木用部材の穂木ユニット2によって固定された複数の第1植物の茎の切断面と、第2接ぎ木用部材の台木ユニット3によって固定された複数の第2植物の茎の切断面とを同時に接合する。
<養生工程>
本工程では、第1植物由来の穂木と、第2植物由来の台木とを接合して得られた植物を養生する。この養生は、例えば弱光下の明所で行われる。
なお、第1接ぎ木用部材の第1固定具4及び第2接ぎ木用部材の第2固定具5は、それぞれ、養生工程S90まで穂木ユニット2又は台木ユニット3に固定された状態が維持される。
[5−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(5a)接ぎ木用部材1を用いることで、接ぎ木の精度が高められる。また、生育後の第1植物及び第2植物を使用するため、接ぎ木苗の生産性が高められる。さらに、植物のサイズを問わず、接ぎ木を行うことができる。また、1種の接ぎ木用部材1を穂木用と台木用とに共通して使用できるため、設備コストを低減できる。
[6.第6実施形態]
[6−1.構成]
図28に示す接ぎ木用部材セット300は、第1接ぎ木用部材301Aと、第2接ぎ木用部材301Bとを備える。接ぎ木用部材セット300では、第1接ぎ木用部材301Aと第2接ぎ木用部材301Bとの形状が異なる。
第1接ぎ木用部材301Aは、図1の接ぎ木用部材1から台木ユニット3の第2上板部31、第2下板部32及び第2当接部34(つまり、第2枠部33以外の部位)、並びに第2固定具5を取り除いたものである。第1接ぎ木用部材301Aの穂木ユニット2、第2枠部33、第1固定具4及び支持ユニット6は、図1の接ぎ木用部材1と同じものである。第1接ぎ木用部材301Aでは、植物は第1固定具4と第2枠部33との間の空間において切断される。
第2接ぎ木用部材301Bは、図1の接ぎ木用部材1から穂木ユニット2及び第1固定具4を取り除いたものである。第2接ぎ木用部材301Bの台木ユニット3、第2固定具5及び支持ユニット6は、図1の接ぎ木用部材1と同じものである。第2接ぎ木用部材301Bでは、植物は台木ユニット3の上面に沿った位置で切断される。
図29に示すように、第1接ぎ木用部材301Aの第2枠部33の上面(つまり、穂木ユニット2と対向する面)には、第1固定具4が挿入される側の端部に他の部分よりも高さが小さくされた凹部(段差)33E,33Fが形成されている。つまり、第1接ぎ木用部材301Aでは、第2接ぎ木用部材301Bの切断位置(つまり、台木ユニット3の上面)よりも下側で植物が切断される。
[6−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6a)第1接ぎ木用部材301Aでは、凹部33E,33Fによって、第2接ぎ木用部材301Bよりも植物の根に近い位置で植物を切断することができる。そのため、台木の切断位置が穂木の切断位置よりも植物の先端に近い位置になり、植物の軸方向にオーバーラップする部位が生じるため、台木と穂木との接合性が向上する。
(6b)第1接ぎ木用部材301A及び第2接ぎ木用部材301Bは、それぞれ穂木又は台木を得るための必要最低限の構成とされているため、図1の接ぎ木用部材1よりも部品点数が削減される。その結果、各接ぎ木用部材のコストが低減できる。
[7.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(7a)上記実施形態の接ぎ木用部材において、第1凸部及び第2凸部は、必ずしも2つの第1受容面又は2つの第2受容面から離間するに連れて幅が小さくならなくてもよい。また、第1当接部及び第2当接部は、必ずしも第1凸部又は第2凸部を有さなくてもよい。
(7b)上記実施形態の接ぎ木用部材において、2つの第1受容面の形状、2つの第1ガイド面の形状、2つの第2受容面の形状、及び2つの第2ガイド面の形状は、それぞれ、必ずしも植物の軸方向から視て湾曲した曲線でなくてもよい。つまり、これらの面の形状は、植物の軸方向から視て直線(つまり平坦面)であってもよい。
(7c)上記実施形態の接ぎ木用部材において、第1押付部及び第2押付部は、それぞれ、必ずしも緩衝部材を有しなくてもよい。また、第1押付部及び第2押付部は、それぞれ、必ずしも2つの第1ガイド面及び2つの第2ガイド面を有しなくてもよい。
(7d)上記実施形態の接ぎ木用部材において、第1固定具及び第2固定具の押付方向は、水平方向に限定されない。また、第1固定具及び第2固定具は、必ずしも穂木ユニット又は台木ユニットに挿入されなくてもよい。例えば、第1固定具及び第2固定具は、穂木ユニット又は台木ユニットに押し当てられた状態で、他の部材によって固定されてもよい。
(7e)上記実施形態の接ぎ木用部材において、台木ユニットに対し穂木ユニットを固定する固定機構、穂木ユニットに第1固定具を固定する固定機構、及び台木ユニットに第2固定具を固定する固定機構として、上記実施形態で示した磁石、凸部と孔との組み合わせ、及びスナップ機構以外の機構を用いてもよい。さらに、接ぎ木用部材は、これらの固定機構を必ずしも備えなくてもよい。
(7f)上記実施形態の接ぎ木用部材において、支持ユニットは、台木ユニットに着脱不可能に固定(つまり一体化)されていてもよい。また、接ぎ木用部材は、必ずしも支持ユニットを備えなくてもよい。
(7g)上記実施形態の接ぎ木苗の生産方法において、図1の接ぎ木用部材1に替えて、図28の接ぎ木用部材セット300の第1接ぎ木用部材301A及び第2接ぎ木用部材301Bを用いてもよい。この場合、第1当接工程では、第2当接部34へ第1植物の茎が当接されなくてもよく、第2当接工程では、第1当接部24へ第2植物の茎が当接されなくてもよい。また、第1固定工程では、第2固定具5が固定されなくてもよく、第2固定工程では、第1固定具4が固定されなくてもよい。
(7h)上記実施形態の接ぎ木用部材は、1つの植物を保持可能に構成されてもよい。また、上記実施形態の接ぎ木苗の生産方法において、1つの第1植物及び1つの第2植物に対して、各工程を行ってもよい。
(7i)上記実施形態の接ぎ木用部材は、台木ユニットに着脱可能であると共に、植物の茎に第2位置よりも植物の根に近い第3位置で当接する少なくとも1つの第3当接部を有する追加台木ユニットと、追加台木ユニットに固定可能であると共に、少なくとも1つの第3当接部に植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第3押付部を有する第3固定具と、をさらに備えてもよい。第3固定具と第2固定具との間には、植物の茎を露出させる空間が設けられる。
追加台木ユニットは、穂木ユニット又は台木ユニットと同等の構成を有する。第3固定具は、第1固定具又は第2固定具と同等の構成を有する。追加台木ユニットには、ポッドを支持する支持ユニットが取り付けられてもよい。
追加台木ユニット及び第3固定具を備える接ぎ木用部材(以下、「中間台木接ぎ木用部材」ともいう。)は、穂木と中間台木と台木とを接ぎ木することで、3種類以上の異なる植物を接ぎ木する用途に使用される。中間台木は、植物から根と茎頂とが切断された茎で構成される。中間台木接ぎ木用部材では、保持された植物を上下2か所で切断することで、穂木と、中間台木と、台木とを形成する。つまり、台木ユニットには中間台木が保持され、追加台木ユニットには台木が保持される。
穂木を保持した穂木ユニット、中間台木を保持した台木ユニット、及び台木を保持した追加台木ユニットは、それぞれ、別の植物の穂木、中間台木又は台木を保持した穂木ユニット、台木ユニット、及び追加台木ユニットと組み合わされ、接ぎ木を行う。
なお、中間台木接ぎ木用部材は、2つ以上の追加台木ユニットを有してもよい。つまり、中間台木接ぎ木用部材は、2つ以上の中間台木を接ぎ木する用途にも使用可能である。この場合、穂木ユニットから最も離間した追加台木ユニットに台木が保持される。
(7j)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[8.実施例]
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
<実施例1>
台木用及び穂木用のトマトをそれぞれ園芸用培土が入ったトレーに播種し、園芸用のバーミキュライトで覆土した後に吸水させ発芽させた。
播種後1−2週間育苗した植物に対し、図1の接ぎ木用部材1を用いて接木作業を実施した。具体的には、トレーから台木用植物及び穂木用植物をそれぞれ取り出し、接ぎ木用部材に固定した。
各植物の固定後、カミソリを用いて各植物の茎を切断し、台木ユニット及び穂木ユニットを分離した。ユニットの分離後、台木用植物を固定した台木ユニットに穂木用植物を固定した穂木ユニットを固定した。その後、高湿度条件下で3−5日間養生し、台木用植物の茎と穂木用植物の茎とを活着させた。
<実施例2>
接ぎ木用部材として、図15の接ぎ木用部材101を用いた点以外は、実施例1と同じ条件にて接ぎ木を行った。
<実施例3>
接ぎ木用部材として、図24の接ぎ木用部材201を用いた点以外は、実施例1と同じ条件にて接ぎ木を行った。
<比較例>
接ぎ木用部材として、国際公開第2016/129683号に開示された育苗部材を用いた点以外は、実施例1と同じ条件にて接ぎ木を行った。
<評価>
実施例1−3及び比較例において、接ぎ木用部材に植物の茎を固定した際の茎の破損率を評価した。破損率は、実施例1−3及び比較例それぞれの試験に用いた植物の総数に対する茎に傷がついた植物の割合を求め、破損率の少ないものからA,B,Cで評価した。
また、実施例1−3及び比較例において、植物の活着率を評価した。活着率は、実施例1−3及び比較例それぞれの試験に用いた植物の総数に対する活着した植物の割合を求め、活着率の高いものからA,B,Cで評価した。なお、3−5日間の養生後に接ぎ木用部材から植物を取り出した際に穂木が台木から分離しないものを活着したと判定した。
上述の破損率及び活着率の結果を表1に示す。表1に示されるように、実施例1−3は、いずれも活着率が比較例よりも優れていた。
Figure 0006806404

Claims (47)

  1. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットと、
    前記穂木ユニットに着脱可能であると共に、前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットと、
    前記穂木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第1当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する第1固定具と、
    前記台木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する第2固定具と、
    を備え、
    前記穂木ユニットに固定された前記第1固定具と、前記台木ユニットに固定された前記第2固定具との間に、前記植物の茎を切断するための空間が設けられる、接ぎ木用部材。
  2. 請求項1に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記少なくとも1つの第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記少なくとも1つの第1当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記少なくとも1つの第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記少なくとも1つの第2当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材。
  3. 請求項2に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1押付部及び前記少なくとも1つの第2押付部は、それぞれ、前記2つの第1ガイド面又は前記2つの第2ガイド面の連結部分に配置される緩衝部材を有する、接ぎ木用部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記穂木ユニット及び前記台木ユニットは、それぞれ、前記少なくとも1つの第1当接部又は前記少なくとも1つの第2当接部が設けられた複数の板部を有し、
    前記複数の板部は、
    少なくとも1つの第1板部と、
    前記第1板部に対し前記植物の茎の軸と平行な方向にずれて配置される少なくとも1つの第2板部と、
    を有する、接ぎ木用部材。
  5. 請求項1に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する第1緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する第2緩衝部材を有する、接ぎ木用部材。
  6. 請求項5に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、互いに離間して前記第1緩衝部材よりも前記第1固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、互いに離間して前記第2緩衝部材よりも前記第2固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材。
  7. 請求項6に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記第1緩衝部材は、前記2つの第1ガイド面の一部と前記植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置され、
    前記第2緩衝部材は、前記2つの第2ガイド面の一部と前記植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置される、接ぎ木用部材。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記第1固定具は、
    前記少なくとも1つの第1押付部としての複数の第1押付部と、
    前記複数の第1押付部に跨って配置された第1緩衝部材構成体と、
    を有し、
    前記第2固定具は、
    前記少なくとも1つの第2押付部としての複数の第2押付部と、
    前記複数の第2押付部に跨って配置された第2緩衝部材構成体と、
    を有し、
    前記複数の第1押付部が有する前記第1緩衝部材は、前記第1緩衝部材構成体の一部であり、
    前記複数の第2押付部が有する前記第2緩衝部材は、前記第2緩衝部材構成体の一部である、接ぎ木用部材。
  9. 請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記少なくとも1つの第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記少なくとも1つの第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有する、接ぎ木用部材。
  10. 請求項2、請求項3又は請求項9に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記2つの第1受容面の連結部分に設けられると共に、前記2つの第1受容面よりも前記植物の茎の軸と平行な方向に突出した第1凸部を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記2つの第2受容面の連結部分に設けられると共に、前記2つの第2受容面よりも前記植物の茎の軸と平行な方向に突出した第2凸部を有する、接ぎ木用部材。
  11. 請求項10に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記第1凸部の前記第1固定具の押付方向から視た幅は、前記2つの第1受容面から離間するに連れて小さくなり、
    前記第2凸部の前記第2固定具の押付方向から視た幅は、前記2つの第2受容面から離間するに連れて小さくなる、接ぎ木用部材。
  12. 請求項2、請求項3、請求項9、請求項10又は請求項11に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記2つの第1受容面及び前記2つの第2受容面は、それぞれ、前記植物の茎の軸と平行な方向から視て湾曲した曲線部を有する、接ぎ木用部材。
  13. 請求項12に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記2つの第1受容面及び前記2つの第2受容面は、それぞれ、前記2つの第1受容面の連結部分又は前記2つの第2受容面の連結部分に設けられた平面部をさらに有し、
    前記平面部は、前記植物の茎の軸と平行な平面で構成される、接ぎ木用部材。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記台木ユニットに対し前記穂木ユニットを固定する固定機構をさらに備える、接ぎ木用部材。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記穂木ユニットは、前記少なくとも1つの第1当接部として複数の第1当接部を有し、
    前記台木ユニットは、前記少なくとも1つの第2当接部として複数の第2当接部を有し、
    前記第1固定具は、前記少なくとも1つの第1押付部として複数の第1押付部を有し、
    前記第2固定具は、前記少なくとも1つの第2押付部として複数の第2押付部を有し、
    前記植物の根が1つずつ収納された複数のポッドを支持する支持ユニットをさらに備える、接ぎ木用部材。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記台木ユニットは、前記植物の茎の軸と垂直な面に対し前記穂木ユニットと対称な形状である、接ぎ木用部材。
  17. 第1接ぎ木用部材と、第2接ぎ木用部材とを備える接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1接ぎ木用部材は、
    第1植物の茎に当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットと、
    前記穂木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第1当接部に前記第1植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する第1固定具と、
    を備え、
    前記第2接ぎ木用部材は、
    第2植物の茎に当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットと、
    前記台木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第2当接部に前記第2植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する第2固定具と、
    を備え、
    前記第1接ぎ木用部材の前記穂木ユニットは、前記第1固定具が固定された状態で、前記第2固定具が固定された状態の前記第2接ぎ木用部材の前記台木ユニットに装着可能であり、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記少なくとも1つの第1当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記少なくとも1つの第2当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材セット。
  18. 請求項17に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記少なくとも1つの第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記少なくとも1つの第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有する、接ぎ木用部材セット。
  19. 請求項18に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記少なくとも1つの第1押付部及び前記少なくとも1つの第2押付部は、それぞれ、前記2つの第1ガイド面又は前記2つの第2ガイド面の連結部分に配置される緩衝部材を有する、接ぎ木用部材セット。
  20. 請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記穂木ユニット及び前記台木ユニットは、それぞれ、前記少なくとも1つの第1当接部又は前記少なくとも1つの第2当接部が設けられた複数の板部を有し、
    前記複数の板部は、
    少なくとも1つの第1板部と、
    前記第1板部に対し前記第1植物又は前記第2植物の茎の軸と平行な方向にずれて配置される少なくとも1つの第2板部と、
    を有する、接ぎ木用部材セット。
  21. 請求項17に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記第1植物の茎の当接によって変形する第1緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記第2植物の茎の当接によって変形する第2緩衝部材を有する、接ぎ木用部材セット。
  22. 請求項21に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記2つの第1ガイド面は、互いに離間して前記第1緩衝部材よりも前記第1固定具の押付方向に突出し、
    前記2つの第2ガイド面は、互いに離間して前記第2緩衝部材よりも前記第2固定具の押付方向に突出する、接ぎ木用部材セット。
  23. 請求項22に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1緩衝部材は、前記2つの第1ガイド面の一部と前記第1植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置され、
    前記第2緩衝部材は、前記2つの第2ガイド面の一部と前記第2植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置される、接ぎ木用部材セット。
  24. 請求項21から請求項23のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1固定具は、
    前記少なくとも1つの第1押付部としての複数の第1押付部と、
    前記複数の第1押付部に跨って配置された第1緩衝部材構成体と、
    を有し、
    前記第2固定具は、
    前記少なくとも1つの第2押付部としての複数の第2押付部と、
    前記複数の第2押付部に跨って配置された第2緩衝部材構成体と、
    を有し、
    前記複数の第1押付部が有する前記第1緩衝部材は、前記第1緩衝部材構成体の一部であり、
    前記複数の第2押付部が有する前記第2緩衝部材は、前記第2緩衝部材構成体の一部である、接ぎ木用部材セット。
  25. 請求項21から請求項24のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記少なくとも1つの第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記少なくとも1つの第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有する、接ぎ木用部材セット。
  26. 請求項18、請求項19又は請求項25に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記2つの第1受容面の連結部分に設けられると共に、前記2つの第1受容面よりも前記第1植物の茎の軸と平行な方向に突出した第1凸部を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記2つの第2受容面の連結部分に設けられると共に、前記2つの第2受容面よりも前記第2植物の茎の軸と平行な方向に突出した第2凸部を有する、接ぎ木用部材セット。
  27. 請求項26に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1凸部の前記第1固定具の押付方向から視た幅は、前記2つの第1受容面から離間するに連れて小さくなり、
    前記第2凸部の前記第2固定具の押付方向から視た幅は、前記2つの第2受容面から離間するに連れて小さくなる、接ぎ木用部材セット。
  28. 請求項18、請求項19、請求項25、請求項26又は請求項27に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記2つの第1受容面及び前記2つの第2受容面は、それぞれ、前記第1植物又は前記第2植物の茎の軸と平行な方向から視て湾曲した曲線部を有する、接ぎ木用部材セット。
  29. 請求項28に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記2つの第1受容面及び前記2つの第2受容面は、それぞれ、前記2つの第1受容面の連結部分又は前記2つの第2受容面の連結部分に連続して設けられた平面部をさらに有し、
    前記平面部は、前記第1植物又は前記第2植物の茎の軸と平行な平面で構成される、接ぎ木用部材セット。
  30. 請求項17から請求項29のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1接ぎ木用部材及び前記第2接ぎ木用部材の少なくとも一方は、前記台木ユニットに対し前記穂木ユニットを固定する固定機構をさらに備える、接ぎ木用部材セット。
  31. 請求項17から請求項30のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットであって、
    前記穂木ユニットは、前記少なくとも1つの第1当接部として複数の第1当接部を有し、
    前記台木ユニットは、前記少なくとも1つの第2当接部として複数の第2当接部を有し、
    前記第1固定具は、前記少なくとも1つの第1押付部として複数の第1押付部を有し、
    前記第2固定具は、前記少なくとも1つの第2押付部として複数の第2押付部を有し、
    前記第2接ぎ木用部材は、前記第2植物の根が1つずつ収納された複数のポッドを支持する支持ユニットをさらに備える、接ぎ木用部材セット。
  32. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有すると共に、前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットに着脱可能な穂木ユニットに固定される接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの押付部を備え、
    前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの補助押付部を有する補助固定具が固定された前記台木ユニットが装着された前記穂木ユニットに固定された状態で、前記第1位置と前記第2位置との間に前記植物の茎を切断するための空間を設ける、接ぎ木用固定具。
  33. 植物の茎に第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有すると共に、前記植物の茎に前記第2位置よりも前記植物の根から遠い第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットに着脱可能な台木ユニットに固定される接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの押付部を備え、
    前記少なくとも1つの第1当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの補助押付部を有する補助固定具が固定された前記穂木ユニットが装着された前記台木ユニットに固定された状態で、前記第1位置と前記第2位置との間に前記植物の茎を切断するための空間を設ける、接ぎ木用固定具。
  34. 請求項32に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの押付部は、前記少なくとも1つの第1当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記少なくとも1つの押付部の押付方向に沿って大きくなる2つのガイド面を有する、接ぎ木用固定具。
  35. 請求項34に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの押付部は、前記2つのガイド面の連結部分に配置される緩衝部材を有する、接ぎ木用固定具。
  36. 請求項32又は請求項33に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する緩衝部材を有する、接ぎ木用固定具。
  37. 請求項36に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの押付部は、互いに離間して前記緩衝部材よりも前記少なくとも1つの押付部の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記少なくとも1つの押付部の押付方向に沿って大きくなる2つのガイド面を有する、接ぎ木用固定具。
  38. 請求項37に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記緩衝部材は、前記2つのガイド面の一部と前記植物の茎の軸と平行な方向に重なるように配置される、接ぎ木用固定具。
  39. 請求項36から請求項38のいずれか1項に記載の接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの押付部としての複数の押付部と、
    前記複数の押付部に跨って配置された緩衝部材構成体と、
    を備え、
    前記複数の押付部が有する前記緩衝部材は、前記緩衝部材構成体の一部である、接ぎ木用固定具。
  40. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットと、
    前記穂木ユニットに着脱可能であると共に、前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットと、
    前記穂木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第1当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する第1固定具と、
    前記台木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する第2固定具と、
    を備え、
    前記穂木ユニットに固定された前記第1固定具と、前記台木ユニットに固定された前記第2固定具との間に、前記植物の茎を露出させる空間が設けられ、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記少なくとも1つの第1当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記少なくとも1つの第2当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材。
  41. 請求項40に記載の接ぎ木用部材であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部は、前記少なくとも1つの第1押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第1受容面を有し、
    前記少なくとも1つの第2当接部は、前記少なくとも1つの第2押付部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って小さくなる2つの第2受容面を有する、接ぎ木用部材。
  42. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットと、
    前記穂木ユニットに着脱可能であると共に、前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットと、
    前記穂木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第1当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する第1固定具と、
    前記台木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する第2固定具と、
    を備え、
    前記穂木ユニットに固定された前記第1固定具と、前記台木ユニットに固定された前記第2固定具との間に、前記植物の茎を露出させる空間が設けられ、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する第1緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する第2緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、互いに離間して前記第1緩衝部材よりも前記第1固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、互いに離間して前記第2緩衝部材よりも前記第2固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材。
  43. 第1接ぎ木用部材と、第2接ぎ木用部材とを備える接ぎ木用部材セットであって、
    前記第1接ぎ木用部材は、
    第1植物の茎に当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニットと、
    前記穂木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第1当接部に前記第1植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第1押付部を有する第1固定具と、
    を備え、
    前記第2接ぎ木用部材は、
    第2植物の茎に当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットと、
    前記台木ユニットに固定可能であると共に、前記少なくとも1つの第2当接部に前記第2植物の茎を押し付ける少なくとも1つの第2押付部を有する第2固定具と、
    を備え、
    前記第1接ぎ木用部材の前記穂木ユニットは、前記第1固定具が固定された状態で、前記第2固定具が固定された状態の前記第2接ぎ木用部材の前記台木ユニットに装着可能であり、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、前記第1植物の茎の当接によって変形する第1緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、前記第2植物の茎の当接によって変形する第2緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの第1押付部は、互いに離間して前記第1緩衝部材よりも前記第1固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第1固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第1ガイド面を有し、
    前記少なくとも1つの第2押付部は、互いに離間して前記第2緩衝部材よりも前記第2固定具の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記第2固定具の押付方向に沿って大きくなる2つの第2ガイド面を有する、接ぎ木用部材セット。
  44. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニット、及び前記穂木ユニットに着脱可能であると共に前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットのうち、少なくとも一方のユニットに固定される接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部又は前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの押付部を備え、
    前記穂木ユニット又は前記台木ユニットに固定されることで、前記第1位置と前記第2位置との間に前記植物の茎を露出させる空間を設けるように構成され、
    前記少なくとも1つの押付部は、前記少なくとも1つの第1当接部又は前記少なくとも1つの第2当接部と対向する位置に設けられると共に、互いの距離が前記少なくとも1つの押付部の押付方向に沿って大きくなる2つのガイド面を有する、接ぎ木用固定具。
  45. 植物の茎に第1位置で当接する少なくとも1つの第1当接部を有する穂木ユニット、及び前記穂木ユニットに着脱可能であると共に前記植物の茎に前記第1位置よりも前記植物の根に近い第2位置で当接する少なくとも1つの第2当接部を有する台木ユニットのうち、少なくとも一方のユニットに固定される接ぎ木用固定具であって、
    前記少なくとも1つの第1当接部又は前記少なくとも1つの第2当接部に前記植物の茎を押し付ける少なくとも1つの押付部を備え、
    前記穂木ユニット又は前記台木ユニットに固定されることで、前記第1位置と前記第2位置との間に前記植物の茎を露出させる空間を設けるように構成され、
    前記少なくとも1つの押付部は、前記植物の茎の当接によって変形する緩衝部材を有し、
    前記少なくとも1つの押付部は、互いに離間して前記緩衝部材よりも前記少なくとも1つの押付部の押付方向に突出すると共に、互いの距離が前記少なくとも1つの押付部の押付方向に沿って大きくなる2つのガイド面を有する、接ぎ木用固定具。
  46. 第1接ぎ木用部材としての請求項1から請求項16、及び請求項40から請求項42のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材と、第2接ぎ木用部材としての請求項1から請求項16、及び請求項40から請求項42のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材とを用意する工程と、
    前記穂木ユニットに前記台木ユニットを装着した状態で、前記第1接ぎ木用部材における前記穂木ユニットの前記少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第1植物の茎を当接させると共に、前記第1接ぎ木用部材における前記台木ユニットの前記少なくとも1つの第2当接部に前記少なくとも1つの第1植物の茎を当接させる工程と、
    前記第1接ぎ木用部材における前記第1固定具及び前記第2固定具の固定により、前記少なくとも1つの第1当接部と前記少なくとも1つの第1押付部との間、及び前記少なくとも1つの第2当接部と前記少なくとも1つの第2押付部との間で前記少なくとも1つの第1植物の茎を固定する工程と、
    前記第1接ぎ木用部材における前記第1固定具と前記第2固定具との間の前記空間で、前記少なくとも1つの第1植物の茎を切断する工程と、
    前記穂木ユニットに前記台木ユニットを装着した状態で、前記第2接ぎ木用部材における前記穂木ユニットの前記少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第2植物の茎を当接させると共に、前記第2接ぎ木用部材における前記台木ユニットの前記少なくとも1つの第2当接部に前記少なくとも1つの第2植物の茎を当接させる工程と、
    前記第2接ぎ木用部材における前記第1固定具及び前記第2固定具の固定により、前記少なくとも1つの第1当接部と前記少なくとも1つの第1押付部との間、及び前記少なくとも1つの第2当接部と前記少なくとも1つの第2押付部との間で前記少なくとも1つの第2植物の茎を固定する工程と、
    前記第2接ぎ木用部材における前記第1固定具と前記第2固定具との間の前記空間で、前記少なくとも1つの第2植物の茎を切断する工程と、
    前記第1接ぎ木用部材の前記穂木ユニットによって固定された前記少なくとも1つの第1植物の茎の切断面と、前記第2接ぎ木用部材の前記台木ユニットによって固定された前記少なくとも1つの第2植物の茎の切断面とを接合する工程と、
    を備える、接ぎ木苗の生産方法。
  47. 請求項17から請求項31、及び請求項43のいずれか1項に記載の接ぎ木用部材セットの前記第1接ぎ木用部材と前記第2接ぎ木用部材とを用意する工程と、
    前記第1接ぎ木用部材における前記穂木ユニットの前記少なくとも1つの第1当接部に少なくとも1つの第1植物の茎を当接させる工程と、
    前記第1固定具の固定により、前記少なくとも1つの第1当接部と前記少なくとも1つの第1押付部との間で前記少なくとも1つの第1植物の茎を固定する工程と、
    前記第1固定具よりも前記少なくとも1つの第1植物の根に近い位置で、前記少なくとも1つの第1植物の茎を切断する工程と、
    前記第2接ぎ木用部材における前記台木ユニットの前記少なくとも1つの第2当接部に少なくとも1つの第2植物の茎を当接させる工程と、
    前記第2固定具の固定により、前記少なくとも1つの第2当接部と前記少なくとも1つの第2押付部との間で前記少なくとも1つの第2植物の茎を固定する工程と、
    前記第2固定具よりも前記少なくとも1つの第2植物の根から離れた位置で、前記少なくとも1つの第2植物の茎を切断する工程と、
    前記第1接ぎ木用部材の前記穂木ユニットによって固定された前記少なくとも1つの第1植物の茎の切断面と、前記第2接ぎ木用部材の前記台木ユニットによって固定された前記少なくとも1つの第2植物の茎の切断面とを接合する工程と、
    を備える、接ぎ木苗の生産方法。
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