初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各ブロック図のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インターフェイスも同様である。
上記の通り、部品を交換する場合に、交換される部品を含む装置の機能を継続させることに貢献する情報処理装置が望まれる。
そこで、一例として、図1に示す情報処理装置1000を提供する。情報処理装置1000は、記憶部1001と、被代替情報管理部1002と、代替部品決定部1003と、代替手段決定部1004と、提案情報管理部1005とを含んで構成される。
記憶部1001は、部品の仕様に関する2以上の要素の組を、仕様情報とし、予め登録されている登録部品に関する第1の識別子と、登録部品を識別する情報と、第1の仕様情報とを対応付けて格納する。部品の仕様に関する要素は、部品を入手、実装するために利用可能な情報であれば、その詳細は問わない。さらに、記憶部1001は、第1の識別子と、第1の条件と、第2の条件と、第3の条件とを対応付けて格納する。
被代替情報管理部1002は、第2の識別子と第2の仕様情報とを特定可能である情報を取得する。ここで、第2の識別子は、代替される部品に関する識別子である。また、第2の仕様情報は、代替される部品の仕様に関する情報である。
代替部品決定部1003は、第2の仕様情報に関して、第2の識別子に対応する第1の条件と、第2の条件又は第3の条件とに基づいて、提案代替部品を決定する。
代替手段決定部1004は、第2の仕様情報に関して、第2の識別子に対応する第2の条件に基づいて、提案代替手段を決定する。具体的には、代替手段決定部1004は、代替される部品の仕様に関して、第2の条件に基づいて、代替可能な手段を提案することを決定する。代替される部品の仕様と、提案代替部品の仕様間に異なる仕様がある場合であっても、情報処理装置1000は、第2の条件に基づいて、代替可能な手段を提案する。
提案情報管理部1005は、提案代替部品、提案代替手段の少なくともいずれかに関する情報を含む、提案情報を出力する。具体的には、提案情報管理部1005は、代替される部品に替えて、代替可能な部品(即ち、提案代替部品)、代替可能な手段(即ち、提案代替手段)の少なくともいずれかに関する情報を含む提案情報を出力する。
交換される部品を含む装置のユーザ、保守作業者等は、情報処理装置1000が出力する提案情報に基づいて、当該部品に替えて、提案代替部品を実装する。または、交換される部品を含む装置のユーザ、保守作業者等は、情報処理装置1000が出力する提案情報に基づいて、当該部品に替えて、提案代替手段を採用(利用)する。
従って、情報処理装置1000は、部品を交換する場合に、交換される部品を含む装置の機能を継続させることに貢献する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、上記の第1の条件を、必須条件と呼ぶ。また、以下の説明においては、上記の第2の条件を、推奨条件と呼ぶ。
また、以下の説明では、他の部品を採用することで、代替される部品を、被代替部品と呼ぶ。また、以下の説明では、被代替部品を含む装置に関して、被代替部品に替えて実装した場合であっても、当該装置を動作させることが可能である部品を、代替部品と呼ぶ。また、以下の説明では、被代替部品を含む装置に関して、代替部品に替えて実装した場合であっても、当該装置を動作させることが可能である手段(方法)を、代替手段と呼ぶ。
[情報処理システムの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システム10の全体構成の一例を示すブロック図である。情報処理システム10は、情報処理装置100と、端末200とを含んで構成される。なお、図2は、1つの端末200を示すが、これは、端末200の数を1つに限定する趣旨ではない。情報処理システム10は、2以上の端末200を含んで構成されてもよいことは勿論である。
情報処理装置100は、ネットワーク300を介して、1又は2以上の端末200と接続する。ネットワーク300は、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等であってもよく、その詳細は問わない。
情報処理装置100は、被代替部品に関する情報を取得し、被代替部品に対応する代替部品、代替手段の少なくともいずれかを提案する情報処理装置(コンピュータ)である。情報処理装置100は、被代替部品に対応する代替部品、代替手段の少なくともいずれかに関する情報を、ディスプレイ(図示せず)に表示してもよい。また、情報処理装置100は、被代替部品に対応する代替部品、代替手段の少なくともいずれかに関する情報を、端末200に送信してもよい。情報処理装置100は、PC(Personal Computer)、ワークステーション、サーバ等であってもよく、本書で説明する機能を実現できれば、その詳細は問わない。
端末200は、被代替部品を含む装置のユーザ、保守作業者等が使用する情報処理装置(コンピュータ)である。被代替部品を含む装置のユーザ、保守作業者等は、端末200を用いて、被代替部品に関する情報を入力してもよい。端末200は、入力された被代替部品に関する情報を、情報処理装置100に送信する。また、端末200は、被代替部品に対応する代替部品、代替手段の少なくともいずれかに関する情報を、情報処理装置100から受信してもよい。端末200は、PC、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
[情報処理装置の構成]
次に、図2を参照しながら、情報処理装置100の内部構成について詳細に説明する。
情報処理装置100は、記憶部101と、通信部102と、入力部103と、被代替情報管理部104と、代替部品決定部105と、代替手段決定部106と、提案情報管理部107とを含んで構成される。なお、情報処理装置100は、図示しないハードウェア、ソフトウェアを含んでもよいことは勿論である。
記憶部101は、情報処理装置100を動作させるために必要な情報を記憶する。さらに、記憶部101は、製品構成情報データベース110と、部品情報データベース111と、判定条件データベース112と、代替手段データベース113とを格納する。記憶部101は、磁気ディスク装置や光ディスク装置、半導体メモリ等によって実現される。
製品構成情報データベース110は、製品の構成に関する情報を格納する。部品情報データベース111は、部品を入手、実装するために利用可能な情報を格納する。判定条件データベース112は、部品を代替するための必須条件と推奨条件と完全代替条件とを格納する。代替手段データベース113は、部品に関する識別子と、実装要件と、リスクを伴う代替手段に関する情報とを対応付けて格納する。
製品構成情報データベース110、部品情報データベース111、判定条件データベース112、代替手段データベース113は、部品に関する、共通の識別子(第1の識別子)を含んで構成されるものとする。なお、以下の説明では、第1の識別子として、部品の種別を示す情報を例示して説明する。ただし、これは、第1の識別子を、部品の種別を示す情報に限定する趣旨ではない。第1の識別子は、部品に関する情報であれば、その詳細は問わない。また、上記の通り、部品の仕様に関する要素は、部品を入手、実装するために利用可能な情報であれば、その詳細は問わない。
例えば、部品がハードディスクドライブである場合、部品の仕様に関する要素は、「容量」、「回転数」、「インターフェイス」等であってもよい。また、例えば、部品が磁気テープ記憶装置である場合、部品の仕様に関する要素は、「転送速度」、「規格」、「対応OS(Operating System)」、「対応アプリケーション」等であってもよい。さらに、部品の仕様に関する要素は、部品を入手可能であるか否かを示す情報を含んでもよい。
[製品構成情報データベースの構成]
次に、製品構成情報データベース110について詳細に説明する。製品構成情報データベース110は、製品を識別する情報と、当該製品を構成する部品に関連する情報とを対応付けて格納する。以下の説明では、製品を識別する情報を、製品識別情報と呼ぶ。また、以下の説明では、製品を構成する部品に関連する情報を、部品関連情報と呼ぶ。部品関連情報は、対応する部品に関する識別子(第1の識別子)と、部品を識別する情報(型番、部品名)と、部品に関するキーワードとを含んで構成される。以下の説明では、部品に関するキーワードを、部品キーワードと呼ぶ。
図3は、製品構成情報データベース110の一例を示す図である。図3に示す製品構成情報データベース110は、製品型番、製品名、部品関連情報を含んで構成される。図3に示す製品構成情報データベース110は、3つの部品(「部品_1」、「部品_2」、「部品_3」)に関する部品関連情報を含む。
例えば、製品型番「N8100−xxx」であって製品名「CCC5800/xxxx」の製品は、識別子「HDD」、部品型番「N8150−xxx」、部品名「500GB SATA HDD」の部品を含んで構成される。部品型番「N8150−xxx」、部品名「500GB SATA HDD」の部品に関して、部品キーワードは、「500GB;ハードディスクドライブ」である。
[部品情報データベースの構成]
次に、部品情報データベース111の構成について詳細に説明する。部品情報データベース111は、部品の仕様に関する情報を格納する。
具体的には、部品情報データベース111は、第1の識別子と、予め登録されている登録部品を識別する情報と、当該登録部品に関する仕様情報とを対応付けて格納する。登録部品に関する仕様情報(第1の仕様情報)は、登録部品に関する制限事項を含んで構成されてもよい。ここで、登録部品に関する制限事項とは、当該登録部品を利用する際の制限事項を意味する。
また、登録部品に関する仕様情報(第1の仕様情報)は、第1の識別子に応じたデータ構造を含んでもよい。換言すると、部品情報データベース111は、第1の識別子に応じて、登録部品に関する仕様に関して、異なるデータ構造のテーブルを含んで構成されてもよい。例えば、第1の識別子が、部品の種別を示す情報である場合、部品情報データベース111は、部品の種別に応じて、異なるデータ構造のテーブルを含んで構成されてもよい。以下の説明では、部品情報データベース111に含まれるテーブルを、部品情報テーブルと呼ぶ。
図4は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive(HDD))に関する部品情報テーブルの一例を示す図である。図4に示す部品情報テーブルは、識別子(第1の識別子)「HDD」と、登録部品を識別する情報(部品型番、部品名)と、第1の仕様情報(容量、HDD回転数、タイプ、ベンダー、インターフェイス、トレイ、制限事項、生産終了時期)とを含む。例えば、インターフェイスは、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)等である。
図5は、磁気テープ記憶装置に関する部品情報テーブルの一例を示す図である。図5に示す部品情報テーブルは、識別子(第1の識別子)「TAPE」と、登録部品を識別する情報(部品型番、部品名)と、第1の仕様情報(転送速度、規格、ベンダー、対応OS(Operating System)、対応アプリケーション、備考、生産終了時期)とを含む。
[判定条件データベースの構成]
次に、判定条件データベース112について詳細に説明する。判定条件データベース112は、第1の識別子と、必須条件(第1の条件)と、推奨条件(第2の条件)と、完全代替条件(第3の条件)とを対応付けて格納する。
必須条件(第1の条件)は、部品の仕様に関する、複数の要素(第1の要素)を含んで構成されるものとする。そして、必須条件に含まれる全ての要素(第1の要素)に関して、代替候補の部品の仕様が、被代替部品の仕様を満たす場合、当該代替候補の部品は、被代替部品の必須条件を満たすものとする。
完全代替条件(第3の条件)は、部品の仕様に関する、複数の要素(第3の要素)を含んで構成されるものとする。そして、完全代替条件に含まれる全ての要素(第3の要素)に関して、代替候補の部品の仕様が、被代替部品の仕様を満たす場合、当該代替候補の部品は、被代替部品の完全代替条件を満たすものとする。
例えば、被代替部品がハードディスクドライブである場合、必須条件に含まれる要素(第1の要素)は、ハードディスクドライブのインターフェイス(接続回路、接続コネクタの種類、信号線の数等)に関する情報であってもよい。また、被代替部品がハードディスクドライブである場合、完全代替条件に含まれる要素(第3の要素)は、実装(取り付け方、機械的な組み込みに関する方法)に関する情報であってもよい。
例えば、実装に関する情報として、ハードディスクの機械的な組み込み条件の、ハードディスクドライブを機器に実装する際の取り付け部品であるトレイ、が必要か否か、そのトレイの形状、そのトレイの取り付けボルト用穴や雌ねじのサイズ、を例示して説明する。完全代替条件を満たす場合とは、トレイが必要か否か、トレイの形状、トレイの取り付けボルト用穴や雌ねじのサイズ、の全てが、被代替部品の場合と同一である場合に、完全代替条件を満たすとしてもよい。
また、例えば、ハードディスクの機械的な組み込み条件を、推奨条件としてもよい。その場合、推奨条件としては、被代替部品にトレイが必要か否かを問わない。例えば、被代替部品のハードディスクと推奨代替部品の代替部品の、機器への取り付けに使われるトレイの形状が、機器側は同一だが、ハードディスク側はハードディスクの形状に合わせた形状であって、トレイの取り付けボルト用穴や雌ねじのサイズも、機器側は同一だが、ハードディスク側はハードディスクに合わせた取り付けボルト用穴や雌ねじのサイズである場合に、推奨条件を満たすとしてもよい。
代替候補の部品が、必須条件の全てを満たし、全ての完全代替条件を満たす場合には、被代替部品を、代替候補の部品に置き換えが可能である、と情報処理装置100は判断する。
推奨条件(第2の条件)は、部品の仕様に関する、1又は2以上の要素(第2の要素)を含んで構成されるものとする。そして、推奨条件に含まれる第2の要素のうち、代替候補の部品の仕様が、被代替部品の仕様を満たす場合、当該代替候補の部品は、被代替部品の推奨条件を満たすものとする。
代替候補の部品が、被代替部品に関する必須条件を満たすが、完全代替条件を満たさない場合であっても、全ての推奨条件を満たす場合、代替手段決定部106は、当該代替候補の部品を、推奨代替部品として決定する。
代替候補の部品が、必須条件の全てを満たし、全ての推奨条件を満たす場合には、代替部品(推奨代替部品)や代替手段(提案代替手段)はあるが、被代替部品を代替部品へ、そのまま置き換えはできず、また、リスクが発生する場合がある。
また、代替候補の部品が、必須条件の全てを満たしても、推奨条件の全てもしくは完全代替条件の全てを満たさない場合には、代替部品や代替手段がない、と情報処理装置100は判断する。
図6は、判定条件データベース112の一例を示す図である。図6に示す判定条件データベース112は、識別子(第1の識別子)「HDD」、「TAPE」に対応する、必須条件と完全代替条件と推奨条件とを含む。
識別子「HDD」に対応する必須条件と完全代替条件と推奨条件は、被代替部品がハードディスクドライブである場合における、必須条件と完全代替条件と推奨条件とを示す。また、識別子「TAPE」に対応する必須条件と完全代替条件と推奨条件とは、被代替部品が磁気テープ記憶装置である場合における、必須条件と完全代替条件と推奨条件とを示す。
識別子「HDD」に対応する「必須条件_1 容量」とは、代替部品が、被代替部品であるハードディスクドライブの容量と同一のハードディスクドライブであることが必要であることを示す。
また、識別子「HDD」に対応する「必須条件_2 HDD回転数」とは、代替部品が、被代替部品の回転数と同一のハードディスクドライブであることが必要であることを示す。
また、識別子「HDD」に対応する「必須条件_3 タイプ(x.x)インチ」とは、代替部品は、被代替部品と同一のタイプのハードディスクドライブであることが必要であることを示す。ハードディスクドライブのタイプは、ハードディスクドライブ内部の円盤の大きさに応じて異なる。そのため、識別子「HDD」に対応する「必須条件_3 タイプ(x.x)インチ」とは、代替部品が、被代替部品と同一の大きさのハードディスクドライブであることが必要であることを示してもよい。
また、識別子「HDD」に対応する「必須条件_4 インターフェイス(I/F(interface))」とは、代替部品が、被代替部品と同一のインターフェイスのハードディスクドライブであることが必要であることを示す。
また、識別子「HDD」に対応する「必須条件_5 購入可否」とは、代替部品が、購入可能であることが必要であることを示す。例えば、代替部品の生産終了時期前である場合、代替部品決定部105は、代替部品を購入可能であると判断してもよい。一方、代替部品の生産終了時期を超えている場合、代替部品決定部105は、代替部品を購入できないと判断してもよい。
例えば、図6に示す判定条件データベース112は、被代替部品がハードディスクドライブである場合、代替部品と被代替部品とにおいて、容量、回転数、タイプ、インターフェイスが同一のハードディスクドライブであることが必要であることを示す。さらに、図6に示す判定条件データベース112は、被代替部品がハードディスクドライブである場合、代替部品が購入可能であることが必要であることを示す。
また、図6に示す判定条件データベース112において、識別子「HDD」に対応する「推奨条件_1 トレイ使用有無やトレイ形状」とは、トレイの使用有無、及びトレイ形状が、被代替部品と代替部品とが置き換え可能(交換可能)であればよいことを示す。さらに、「推奨条件_1 トレイ使用有無やトレイ形状」とは、トレイの有無、トレイの形状、トレイの取り付け手段が被代替部品と代替部品で異なる場合であっても、被代替部品と代替部品とが置き換え可能(交換可能)であればよいことを示す。トレイの有無、トレイの形状、トレイの取り付け手段が被代替部品と代替部品で異なる場合、被代替部品と代替部品が、単純な置き換え(交換)とはならず、リスクが発生する可能性がある。ここで、リスクとは、例えば、障害が発生する可能性が上昇すること、コストが上昇すること等である。
なお、トレイの有無、トレイの形状、トレイの取り付け手段が被代替部品と代替部品で異なる場合であっても、リスクが発生しない場合もある。例えば、トレイを交換すると、トレイの費用に相当するコストがかかる。しかし、トレイを交換する場合の代替部品が被代替部品より安価である場合、トレイを交換せずに部品を交換する場合のコストより、コストが低くなる場合がある。
[代替手段データベースの構成]
次に、代替手段データベース113の構成について詳細に説明する。代替手段データベース113は、第1の識別子と、実装要件と、リスク有り代替手段とを対応付けて格納する。
実装要件とは、推奨条件に含まれる要素に関して、実装するための要件である。また、リスク有り代替手段とは、推奨条件を満たす代替手段と、代替リスク情報との組み合わせである。リスク有り代替手段は、被代替部品を含む装置に関して、被代替部品に替えて実装した場合であっても、当該装置を動作させることが可能であるが、リスクを伴う手段である。
代替リスク情報とは、当該代替手段を利用する場合におけるリスクに関する情報である。代替リスク情報は、被代替部品に替えて代替部品、代替手段を利用する場合において、発生し得る障害の内容であってもよい。また、代替リスク情報は、コスト(代替部品の価格、作業コスト等)が高くなるリスク、業務停止が発生し得るリスク、対象の装置の重量が増加するリスクを示す情報であってもよい。以下の説明では、推奨条件を満たす代替手段と、代替リスク情報との組み合わせを、リスク有り代替手段と呼ぶ。
図7は、代替手段データベース113の一例を示す図である。図7に示す代替手段データベース113は、識別子「HDD」、「TAPE」、「BT」と、実装要件と、リスク有り代替手段とを含んで構成される。ここで、識別子「BT」は、バッテリー(Battery)を意味するものとする。
識別子「HDD」に対応する実装要件、及びリスク有り代替手段は、被代替部品がハードディスクドライブである場合における、実装要件、及びリスク有り代替手段を示す。識別子「TAPE」に対応する実装要件、及びリスク有り代替手段は、被代替部品が磁気テープ記憶装置である場合における、実装要件、及びリスク有り代替手段を示す。識別子「BT」に対応する実装要件、及びリスク有り代替手段は、被代替部品がバッテリーである場合における、実装要件、及びリスク有り代替手段を示す。
識別子「HDD」に対応する「実装要件_1」は、代替部品として提案代替部品を利用する際に、被代替部品と、提案代替部品間で、各仕様に差分が無い場合、実装要件はないことを示す。例えば、提案代替部品が、被代替部品に関する必須条件を満たし、完全代替条件を満たす場合、代替手段決定部106は、図7に示す代替手段データベース113の「実装要件_1」を採用してもよい。そして、当該代替部品を利用する際に、提案代替部品が、被代替部品に関する必須条件と完全代替条件とを満たす場合、実装要件はない、と代替手段決定部106は判断してもよい。
識別子「HDD」に対応する「実装要件_2」は、代替部品として提案代替部品を利用する際に、提案代替部品が載るトレイに、トレイを交換可能であることが必要であることを示す。
識別子「HDD」に対応する「実装要件_3」は、代替部品として提案代替部品を利用する際に、被代替部品の容量より、提案代替部品の容量が大きいことが必要であることを示す。
例えば、別の装置で使用しなくなったHDDを、予備HDDとして流用する場合、当該予備HDDは、品質、寿命が新品より劣る可能性がある。また、例えば、障害を起こしたHDDを、メーカーが修理して、予備HDDとして在庫し、予備HDDとして流用する場合がある。修理されたHDD(即ち、予備HDD)に関して、メーカーが品質保証していない場合には、当該予備HDDは、品質、寿命が新品より劣る可能性がある。
また、識別子「HDD」に対応する「リスク有り代替手段_1」は、代替手段「アレイシステムにおける予備のHDDを流用」と、代替リスク情報「品質、寿命が新品より劣る可能性あり」との組み合わせを示す。具体的には、識別子「HDD」に対応する「リスク有り代替手段_1」は、アレイシステムにおける予備のHDDを流用する、との方法を利用することが可能であるが、当該方法を採用した場合には、品質、寿命が新品より劣る可能性があることを示す。
次に、情報処理装置100の内部構成についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、第2の識別子として、被代替部品の種別を示す情報を例示して説明する。ただし、これは、第2の識別子を、被代替部品の種別を示す情報に限定する趣旨ではない。
通信部102は、ネットワーク300と接続し、端末200と通信する。通信部102は、端末200から、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)とを特定可能である情報を受信する。通信部102は、NIC(Network Interface Card)等を用いて実現される。
入力部103は、ユーザの操作に基づいて、情報を受け付ける。例えば、入力部103は、キーボード、タッチパネル、音声入力手段等を用いて実現される。入力部103は、ユーザの操作に基づいて、情報を受け付けることができれば、その詳細は問わない。
被代替情報管理部104は、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)とを特定可能である情報を取得する。以下の説明では、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)とを特定可能である情報を、被代替情報と呼ぶ。
例えば、被代替部品の仕様に関する情報を特定可能な情報とは、被代替部品を含んで構成される装置を特定する情報であってもよい。その場合、被代替情報管理部104は、当該装置を特定する情報を取得した場合、製品構成情報データベース110を参照し、当該装置を特定する情報に基づいて、被代替部品の仕様に関する情報を特定してもよい。
例えば、通信部102は、被代替情報を、端末200から受信したとする。その場合、被代替情報管理部104は、通信部102が受信した被代替情報を取得してもよい。
また、例えば、ユーザが、入力部103を利用して、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)とを入力したとする。その場合、被代替情報管理部104は、入力部103に入力された、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)とを取得する。
代替部品決定部105は、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)に関して、第1の条件に基づいて、提案代替部品を決定する。具体的には、代替部品決定部105は、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)に関して、第2の識別子に対応する必須条件を満たし、且つ、第2の識別子に対応する登録部品を、提案代替部品として決定する。ここで、必須条件に含まれる、複数の第1の要素に関して、登録部品に関する仕様情報(第1の仕様情報)と、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)が一致する場合、必須条件を満たす、と代替部品決定部105は判断する。
代替手段決定部106は、第2の仕様情報に関して、第2の識別子に対応する推奨条件(第2の条件)に基づいて、提案代替手段を決定する。具体的には、提案代替部品が、被代替部品に関する識別子(第2の識別子)に対応する必須条件を満たし、完全代替条件を満たさず、全ての推奨条件を満たす場合、代替手段決定部106は、提案代替部品が満たす推奨条件に基づいて、提案代替手段を決定する。
代替手段決定部106は、第2の識別子に対応する、推奨条件に含まれる要素(第2の要素)のうち、提案代替部品が満たす第2の要素に対応する、実装要件を、提案代替手段として決定する。なお、上記の通り、実装要件は、推奨条件に含まれる要素(第2の要素)に関する要件を含むものとする。
例えば、代替手段データベース113が、図7に示す情報を格納するとする。そして、被代替部品の識別子が「HDD」であって、提案代替部品が、トレイに関する推奨条件を満たさないとする。その場合、代替手段決定部106は、図7に示す代替手段データベース113の「実装要件_2」を採用してもよい。そして、代替手段決定部106は、「実装要件_2」を、提案代替手段として決定してもよい。
提案情報管理部107は、提案代替部品、提案代替手段の少なくともいずれかに関する情報を含む、提案情報を出力する。
提案情報は、提案代替手段に関する情報を含む場合、提案代替手段に関する情報と、提案代替手段を利用する場合におけるリスクに関する情報との組み合わせを含んでもよい。以下の説明では、提案代替手段を利用する場合におけるリスクに関する情報を、提案代替リスク情報と呼ぶ。提案代替リスク情報は、被代替部品に替えて代替部品、代替手段を利用する場合において、発生し得る障害の内容であってもよい。また、提案代替リスク情報は、コスト(代替部品の価格、作業コスト等)が高くなるリスク、業務停止が発生し得るリスク、対象の装置の重量が増加するリスクを示す情報であってもよい。
被代替情報管理部104、代替部品決定部105、代替手段決定部106、提案情報管理部107は、コンピュータプログラムにより実現してもよい。そして、記憶部101は、被代替情報管理部104、代替部品決定部105、代替手段決定部106、提案情報管理部107を実現するコンピュータプログラムを記憶してもよい。
[情報処理装置の動作]
次に、情報処理装置100の動作について詳細に説明する。
まず、図8を参照しながら、情報処理装置100の動作について説明する。
ステップS1において、被代替情報管理部104は、被代替情報を取得する。例えば、ユーザは、被代替部品を特定する情報(部品型番、部品名等)を、入力部103を用いて入力してもよい。被代替情報管理部104は、入力された被代替部品を特定する情報を、被代替情報として取得する。
また、例えば、ユーザは、被代替部品を特定する情報を、端末200に入力してもよい。その場合、端末200は、入力された被代替部品を特定する情報を、ネットワーク300を介して、情報処理装置100に送信する。被代替情報管理部104は、通信部102が受信した被代替部品を特定する情報を、被代替情報として取得する。
例えば、ユーザが、障害が発生した装置の製品型番は分かるが、当該装置に含まれる被代替部品が分からない場合、ユーザは、被代替部品を特定する情報を入力できない。その場合、ユーザは、被代替部品を含む装置に関して、製品識別情報と、被代替部品に関する部品キーワードとを、入力部103を用いて入力してもよい。ここで、被代替情報管理部104は、入力された製品識別情報に対応する部品キーワードを、製品構成情報データベース110から抽出し、抽出した部品キーワードを、ユーザに提示してもよい。そして、ユーザは、提示された部品キーワードから、被代替部品に対応する部品キーワードを入力(選択)してもよい。被代替情報管理部104は、入力された製品識別情報と、被代替部品に関する部品キーワードとを、被代替情報として取得する。
または、ユーザは、製品識別情報と、被代替部品に関する部品キーワードとを、端末200に入力してもよい。その場合、端末200は、入力された製品識別情報と、被代替部品に関する部品キーワードとを、ネットワーク300を介して、情報処理装置100に送信する。被代替情報管理部104は、通信部102が受信した製品識別情報と、被代替部品に関する部品キーワードとを、被代替情報として取得する。
ステップS2において、被代替情報が被代替部品を特定する情報であるか否かを、被代替情報管理部104は判断する。被代替情報が被代替部品を特定する情報である場合(ステップS2のYes分岐)には、被代替情報管理部104は、被代替情報に基づいて、被代替部品を特定する(ステップS3)。具体的には、被代替情報が被代替部品を特定する情報である場合(ステップS2のYes分岐)には、被代替情報管理部104は、部品情報データベース111を参照し、被代替情報に基づいて、被代替部品を特定する。そして、ステップS7に遷移する。
一方、被代替情報が被代替部品を特定する情報ではない場合(ステップS2のNo分岐)には、被代替情報が、製品識別情報と部品キーワードとの組み合わせであるか否かを、被代替情報管理部104は判断する(ステップS4)。
被代替情報が、製品識別情報と部品キーワードとの組み合わせではない場合(ステップS4のNo分岐)には、被代替情報管理部104は、被代替部品を特定できない、と判断する(ステップS5)。そして、情報処理装置100は、代替部品を提案する処理を終了する。
一方、被代替情報が、製品識別情報と部品キーワードとの組み合わせである場合(ステップS4のYes分岐)には、被代替情報管理部104は、製品構成情報データベース110を参照し、被代替情報に基づいて、被代替部品を特定する(ステップS6)。そして、ステップS7に遷移する。
ステップS7において、被代替情報管理部104は、部品情報データベース111に格納された部品情報テーブルのうち、被代替部品に関する識別子に対応する部品情報テーブルを特定する。
ステップS8において、代替部品決定部105は、判定条件データベース112を参照し、被代替部品に関する識別子に対応する必須条件を特定する。
ステップS9において、特定した必須条件を満たす部品が、特定した部品情報テーブルに登録されているか否かを、代替部品決定部105は判断する。特定した必須条件を満たす部品が、特定した部品情報テーブルに登録されていない場合(ステップS9のNo分岐)には、代替部品決定部105は、被代替部品を代替できないと判断する(ステップS11)。そして、情報処理装置100は、代替部品を提案する処理を終了する。
一方、特定した必須条件を満たす部品が、特定した部品情報テーブルに登録されている場合(ステップS9のYes分岐)には、代替部品決定部105は、特定した必須条件を満たす部品を、提案代替部品として特定する(ステップS10)。そして、図9に示すステップS21に遷移する。
次に、図9を参照しながら、情報処理装置100の動作について、引き続き説明する。
ステップS21において、代替手段決定部106は、判定条件データベース112を参照し、被代替部品に関する識別子に対応する完全代替条件を特定する。
ステップS22において、決定した提案代替部品が全ての完全代替条件を満たすか否かを、代替部品決定部105は判断する。決定した提案代替部品が全ての完全代替条件を満たす場合(ステップS22のYes分岐)には、図10に示すステップS31に遷移する。
一方、決定した提案代替部品が全ての推奨条件を満たさない場合(ステップS22のNo分岐)には、図11に示すステップS41に遷移する。
次に、図10を参照しながら、提案代替部品が、必須条件及び完全代替条件を満たした場合の動作について説明する。
ここで、特定した提案代替部品が全ての完全代替条件を満たす(図9に示すステップS22のYes分岐)とする。その場合、ステップS31において、特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されているか否かを、提案情報管理部107は判断する。特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されていない場合(ステップS31のNo分岐)には、提案情報管理部107は、提案代替部品を特定する情報を含む、提案情報を生成する(ステップS32)。そして、ステップS35に遷移する。
一方、特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されている場合(ステップS31のYes分岐)には、提案情報管理部107は、提案代替部品に対応する制限事項を抽出する(ステップS33)。そして、提案情報管理部107は、提案代替部品を特定する情報と、提案代替部品に対応する制限事項とを含む、提案情報を生成する(ステップS34)。
ステップS35において、提案情報管理部107は、通信部102を介して、端末200に提案情報を送信する。そして、情報処理装置100は、代替部品を提案する処理を終了する。
次に、図11を参照しながら、提案代替部品が、必須条件を満たし、完全代替条件を満たさない場合の動作について説明する。
ここで、提案代替部品が、必須条件を満たし、全ての完全代替条件を満たさない(ステップS22のNo分岐)とする。その場合、代替手段決定部106は、判定条件データベース112を参照し、被代替部品に関する識別子に対応する推奨条件を特定する(ステップS41)。
ステップS42において、提案代替部品が全ての推奨条件を満たすか否かを、代替手段決定部106は判断する。提案代替部品が全ての推奨条件を満たさない場合(ステップS42のNo分岐)には、提案情報管理部107は、代替手段データベース113を参照し、被代替部品に関する識別子に対応する、リスク有り代替手段を特定する(ステップS43)。そして、提案情報管理部107は、リスク有り代替手段を含む、提案情報を生成する(ステップS44)。そして、提案情報管理部107は、通信部102を介して、端末200に提案情報を送信する(ステップS45)。そして、情報処理装置100は、代替部品を提案する処理を終了する。
一方、提案代替部品が全ての推奨条件を満たす場合(ステップS42のYes分岐)には、代替手段決定部106は、判定条件データベース112を参照し、被代替部品に関する識別子に対応する、実装要件を特定する(ステップS46)。
ステップS47において、代替手段決定部106は、特定した実装要件を、提案代替手段として決定する。
ステップS48において、特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されているか否かを、提案情報管理部107は判断する。特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されていない場合(ステップS48のNo分岐)には、提案情報管理部107は、提案代替部品を特定する情報と、提案代替手段とを含む、提案情報を生成する(ステップS49)。そして、ステップS52に遷移する。
一方、特定した部品情報テーブルに、提案代替部品に対応する制限事項が登録されている場合(ステップS48のYes分岐)には、提案情報管理部107は、提案代替部品に対応する制限事項を抽出する(ステップS50)。そして、提案情報管理部107は、提案代替部品を特定する情報と、提案代替部品に対応する制限事項と、提案代替手段とを含む、提案情報を生成する(ステップS51)。
ステップS52において、提案情報管理部107は、通信部102を介して、端末200に提案情報を送信する。そして、情報処理装置100は、代替部品を提案する処理を終了する。
例えば、代替手段データベース113が、図7に示す情報を格納するとする。そして、被代替部品の識別子が「HDD」であって、提案代替部品が、トレイに関する推奨条件を満たさないとする。その場合、代替手段決定部106は、「実装要件_2 代替部品が載るトレイに、トレイを交換可能であること」を、提案代替手段として決定したとする。その場合、提案情報管理部107は、提案代替手段「実装要件_2 代替部品が載るトレイに、トレイを交換可能であること」とともに、提案代替部品とを含む、提案情報を生成する。そして、情報処理装置100は、端末200に、生成した提案情報を送信するとする。
ユーザは、端末200が受信した提案情報に基づいて、被代替部品であるハードディスクドライブを、提案代替部品に交換すると共に、当該提案代替部品が載るトレイに交換すればよいと判断する。
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100は、被代替部品の仕様に関する必須条件に基づいて、代替部品を決定する。さらに、本実施形態に係る情報処理装置100は、被代替部品の仕様に関する推奨条件に基づいて、代替手段を決定する。そのため、装置を構成する部品の供給が無くなった場合であっても、当該装置を使用するユーザ、保守作業者等は、情報処理装置100が提案する代替部品、及び/又は代替手段を採用(利用)することで、当該装置を継続して動作させることが可能になる。従って、本実施形態に係る情報処理装置100は、部品を交換する場合に、交換される部品(被代替部品)を含む装置の機能を継続させることに貢献する。
また、本実施形態に係る情報処理装置100は、被代替部品を含む装置に関して、リスクを伴いつつ、当該装置を動作させることが可能である、代替手段(即ち、リスク有り代替手段)を提案する。その場合、本実施形態に係る情報処理装置100は、当該代替手段を利用する場合におけるリスクに関する情報を出力する。それにより、当該装置を使用するユーザ、保守作業者等は、リスク有り代替手段を採用(利用)することで、リスクを認識しつつ、当該装置を継続して動作させることが可能になる。従って、本実施形態に係る情報処理装置100は、交換される部品(被代替部品)を含む装置の機能を継続させるために、多様な方法を提供することに貢献する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、代替部品、及び/又は代替手段を利用して被代替部品を代替した場合に、ユーザが回避したいリスクを発生し得る部品、手段を、代替部品、代替手段から除外する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。以下、他の形態においても同様であるものとする。
本実施形態に係る情報処理システム10の全体構成、及び情報処理装置100の内部構成は、図2に示すとおりである。
本実施形態に係る被代替情報管理部104は、回避対象リスクに関する情報を取得する。回避対象リスクとは、代替部品、及び/又は代替手段を利用することで発生し得るリスクのうち、ユーザが回避したいリスクである。また、回避対象リスクに関する情報とは、回避対象リスクを特定する情報である。
例えば、情報処理装置100は、記憶部101に登録された回避対象リスクの候補を、ユーザに提示してもよい。さらに、回避対象リスクの候補は、代替手段データベース113に登録された、2以上の代替リスク情報であるものとする。ユーザは、提示された、回避対象リスクの候補から、入力部103(キーボード、タッチパネル等)を用いて、回避対象リスクを選択する。被代替情報管理部104は、入力部103を介して、選択された回避対象リスクを取得する。
本実施形態に係る代替手段決定部106は、回避対象リスクに対応する、リスク有り代替手段を、提案代替手段から除外する。
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100は、被代替部品に替えて、提案代替手段を用いた場合であっても、ユーザが回避したいリスクが発生することを回避することに貢献する。よって、本実施形態に係る情報処理装置100は、部品を交換する場合に、交換される部品(被代替部品)を含む装置の機能を、より一層、継続させることに貢献する。
図12は、情報処理装置100を実現するコンピュータ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
例えば、コンピュータ1は、内部バスにより相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)2、通信インターフェイス3、メモリ4、入出力インターフェイス5等を備える。通信インターフェイス3は、NIC(Network Interface Card)等である。メモリ4は、磁気ディスク装置や光ディスク装置、半導体メモリ等である。入出力インターフェイス5は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のインターフェイス、キーボード、タッチパネル等のインターフェイスである。
情報処理装置100の機能は、メモリ4に格納されたプログラムをCPU2が実行することで実現される。情報処理装置100の機能の全部又は一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現(ハードウェアに実装)されてもよい。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。即ち、情報処理装置100の機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
また、上記においては、部品の種別を識別する情報を、部品に関する識別子として利用する形態について説明した。しかし、これは、部品に関する識別子を、部品の種別を識別する情報に限定する趣旨ではない。例えば、部品に関する識別子は、部品を識別する情報(部品名、部品の種別等)、顧客を識別する情報等を組み合わせて構成されてもよい。
また、上記においては、部品情報データベース111が、ハードディスクドライブ(HDD)、磁気テープ記憶装置(TAPE)に対応する部品情報テーブルを含む形態について説明した。しかし、これは、部品情報データベース111が、ハードディスクドライブ(HDD)、磁気テープ記憶装置(TAPE)に対応する部品情報テーブルを含む形態に限定する趣旨ではない。例えば、部品情報データベース111は、任意の部品に対応する情報テーブルを含んで構成されてもよいことは勿論である。例えば、部品情報データベース111は、CPU(Central Processing Unit)、UPS(Uninterruptible Power Supply)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等に対応する部品情報テーブルを含んで構成されてもよいことは勿論である。また、上記の説明は、被代替部品及び代替部品を、コンピュータに関連する部品に限定する趣旨ではない。
また、上記においては、情報処理装置100が、端末200から被代替部品に関する情報を受信し、提案代替部品、提案代替手段の少なくともいずれかに関する情報(提案情報)を、端末200に通知する形態について説明した。しかし、これは、情報処理装置100の動作を限定する趣旨ではない。例えば、情報処理装置100は、入力部103を介して、被代替部品に関する情報を取得してもよい。具体的には、ユーザは、情報処理装置100の入力部103(キーボード、タッチパネル、音声入力手段等)を用いて、被代替部品に関する情報を入力してもよい。情報処理装置100は、入力された被代替部品に関する情報に基づいて、提案情報等を特定してもよい。そして、情報処理装置100は、特定した提案情報等を、ディスプレイ(図示せず)に表示させてもよい。また、情報処理装置100は、プリンタ(図示せず)に、提案情報等を印刷させてもよい。
また、上記においては、情報処理装置100が、データベースを備える形態について説明した。しかし、これは、情報処理装置100が、データベースを備える形態に限定する趣旨ではない。情報処理装置100とは異なる装置(コンピュータ)(図示せず)が、上記に説明するデータベースを備えてもよい。その場合、例えば、情報処理装置100は、ネットワーク300を介して、当該データベースを格納する装置(コンピュータ)にアクセスしてもよい。
提案代替部品は、2以上の登録部品の組み合わせであってもよい。その場合、必須条件に含まれる、判断対象の要素に関して、2以上の登録部品を組み合わせることで、被代替部品の仕様に関する情報(第2の仕様情報)を満たす場合、必須条件を満たす、と代替部品決定部105は判断してもよい。
なお、被代替部品が組み込まれている装置の仕様等に応じて、必須条件は異なってもよい。その場合、被代替部品が組み込まれている装置の仕様等に応じて、同一の部品情報に対応する被代替部品であっても、必須条件、完全代替条件、推奨条件は異なってもよい。 例えば、被代替部品がHDDであるとする。そして、被代替部品(即ち、HDD)が組み込まれている装置のメーカーが、HDDの回転数を指定しているとする。その場合には、HDDの回転数は、必須条件の要素の一つであることが好ましい。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)上記第1の視点に係る情報処理装置の通りである。
(付記2)前記第1の条件は、部品の仕様に関する、複数の第1の要素を含んで構成され、前記代替部品決定部は、前記第1の条件に含まれる、前記複数の第1の要素に関して、前記第1の仕様情報と、前記第2の仕様情報とが一致する場合、前記第1の条件を満たすと判断する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記代替部品決定部は、前記第2の識別子に対応する前記第1の条件を満たし、前記第2の識別子に対応する前記第2の条件を満たす前記登録部品を、前記提案代替部品として決定する、付記1又は2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記記憶部は、前記第2の条件を満たす代替手段と、代替リスク情報との組み合わせを、リスク有り代替手段とし、前記第1の識別子と、実装要件と、リスク有り代替手段とを対応付けて格納し、前記代替手段決定部は、前記第2の仕様情報に関して、前記第2の識別子に対応する前記第2の条件に基づいて、前記実装要件、前記リスク有り代替手段の少なくともいずれかを、提案代替手段として決定する、付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記被代替情報管理部は、回避対象リスクに関する情報を取得し、代替手段決定部は、前記回避対象リスクに対応する、前記リスク有り代替手段を、前記提案代替手段から除外する、付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)前記代替部品決定部は、前記第2の識別子に対応する前記第1の条件を満たし、前記第2の識別子に対応する前記第3の条件を満たす前記登録部品を、前記提案代替部品として決定する、付記1乃至5のいずれか一に記載の情報処理装置。
(付記7)前記第1の識別子は、前記登録部品の種別を識別する情報を含んで構成され、前記第1の仕様情報は、前記第1の識別子に応じたデータ構造を含む、付記1乃至6のいずれか一に記載の情報処理装置。
(付記8)提案代替部品は、2以上の前記登録部品の組み合わせを含む、付記1乃至7のいずれか一に記載の情報処理装置。
(付記9)上記第2の視点に係る情報処理システムの通りである。
(付記10)上記第3の視点に係る保守支援方法の通りである。
(付記11)上記第4の視点に係るプログラムの通りである。
なお、上記の付記9−11に示す形態は、付記1に示す形態と同様に、付記2乃至8に示す形態に展開することが可能である。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。本発明で、アルゴリズム、ソフトウェア、ないしフローチャート或いは自動化されたプロセスステップが示された場合、コンピュータが用いられることは自明であり、またコンピュータにはプロセッサ及びメモリないし記憶装置が付設されることも自明である。よってその明示を欠く場合にも、本願には、これらの要素が当然記載されているものと解される。