JP6806278B2 - 電子部品及び回路モジュール - Google Patents
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Description
本発明は、巻線型のコイルを備えた電子部品及び回路モジュールに関する。
従来の電子部品に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の巻線チップ型コモンモードチョークコイルが知られている。図13は、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイル500の斜視図である。図13において、巻芯部511が延びる方向を前後方向と定義する。また、脚状電極部515a,515bが並ぶ方向を左右方向と定義する。また、前後方向及び左右方向に直交する方向を上下方向と定義する。
コモンモードチョークコイル500は、コア510、脚状電極部515a,515b及び巻線531a,531bを備えている。コア510は、巻芯部511及び鍔部512を含んでいる。巻芯部511は、前後方向に延びる角柱状の部材である。鍔部512は、巻芯部511の後端に設けられており、巻芯部511から上下方向及び左右方向に張り出している。脚状電極部515a,515bは、鍔部512の上面に設けられており、右側から左側へとこの順に並んでいる。また、鍔部512には、溝513が設けられている。溝513は、脚状電極部515aと脚状電極部515bとの間に位置している。これにより、溝513の底部と巻芯部511の上面とが一つの平面を形成している。
巻線531a,531bは、前側から見たときに、時計回り方向に周回するように巻芯部511に巻きつけられている。巻線531aは巻芯部511から離れた後に溝513内を右上側に向かって延びている。そして、巻線531aの一端は脚状電極部515aに接続されている。また、巻線531bの一端は脚状電極部515bに接続されている。
ところで、近年では、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイル500を回路基板に実装した後に、防湿のためにコモンモードチョークコイル500に対して樹脂コーティングを施す場合がある。本願発明者は、このような樹脂コーティングがコモンモードチョークコイル500に施されると、巻線531aに断線が発生する恐れがあることを発見した。更に、本願発明者は、断線の発生のメカニズムを以下のように推測した。図14は、低温状態における樹脂と巻線531aとを示した図である。図15は、高温状態における樹脂と巻線531aとを示した図である。
樹脂コーティングがコモンモードチョークコイル500に施されると、溝513に樹脂が溜まりやすい。溝513に溜まった樹脂は、巻芯部511の上面と巻線531aと鍔部512とに囲まれた三角形状の領域A0(図13参照)において膜を形成する。これにより、巻線531aと樹脂とが接触する。
コモンモードチョークコイル500が低温状態と高温状態とに繰り返しさらされると、樹脂が収縮と膨張を繰り返す。図13に示すように、巻線531aの下側の領域A0には樹脂が存在している。そのため、巻線531aは、収縮時には、図14に示すように、樹脂によって下側に引っ張られて、下側に向かって突出するように折り曲げられる。一方、膨張時には樹脂が軟化しているので、樹脂から巻線531aには大きな力が加わらない。ただし、図15に示すように、樹脂が膨張する一方で巻線531aは折れ曲がった状態を維持する。そのため、巻線531aは、折れ曲がった状態で膨張した樹脂内に埋もれる。これにより、次の収縮時には、巻線531aは、樹脂によって下側に更に引っ張られて、下側に向かって突出するように更に折り曲げられる。このような樹脂の膨張と収縮が繰り返されると、巻線531aの折れ曲がりが次第に大きくなって、最終的には巻線531aに断線が発生する。
そこで、本発明の目的は、巻線に断線が発生する可能性を低減できる電子部品及び回路モジュールを提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、
第1の方向に延びる巻芯部と、前記巻芯部の前記第1の方向の一方側の端部に設けられ、かつ、前記第1の方向に直交する第2の方向の一方側に向かって前記巻芯部から張り出す鍔部と、を含むコアと、
前記巻芯部の周囲に巻きつけられている第1の巻線及び第2の巻線と、
外部電極と、
を備えており、
前記鍔部は、
前記第2の方向の一方側を向き、かつ、前記巻芯部よりも前記第2の方向の一方側に位置する第1の面を有する鍔部本体と、
前記鍔部本体から前記第1の面よりも前記第2の方向の一方側に向かって突出している第1の電極形成部及び第2の電極形成部と、
を含んでおり、
前記第1の電極形成部、前記第1の面の少なくとも一部及び前記第2の電極形成部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向の一方側から他方側へとこの順に並んでおり、
前記鍔部は、前記第2の方向の他方側に向かって前記巻芯部から張り出しており、かつ、第6の面を有しており、
前記第6の面は、前記巻芯部よりも前記第2の方向の他方側に位置し、かつ、前記第1の方向の他方側を向いており、
前記第6の面は、前記第2の方向から見たときに、前記第3の方向の一方側に進むにしたがって前記第1の方向の一方側に進むように、前記第1の方向に直交する面に対して傾いている。
第1の方向に延びる巻芯部と、前記巻芯部の前記第1の方向の一方側の端部に設けられ、かつ、前記第1の方向に直交する第2の方向の一方側に向かって前記巻芯部から張り出す鍔部と、を含むコアと、
前記巻芯部の周囲に巻きつけられている第1の巻線及び第2の巻線と、
外部電極と、
を備えており、
前記鍔部は、
前記第2の方向の一方側を向き、かつ、前記巻芯部よりも前記第2の方向の一方側に位置する第1の面を有する鍔部本体と、
前記鍔部本体から前記第1の面よりも前記第2の方向の一方側に向かって突出している第1の電極形成部及び第2の電極形成部と、
を含んでおり、
前記第1の電極形成部、前記第1の面の少なくとも一部及び前記第2の電極形成部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向の一方側から他方側へとこの順に並んでおり、
前記鍔部は、前記第2の方向の他方側に向かって前記巻芯部から張り出しており、かつ、第6の面を有しており、
前記第6の面は、前記巻芯部よりも前記第2の方向の他方側に位置し、かつ、前記第1の方向の他方側を向いており、
前記第6の面は、前記第2の方向から見たときに、前記第3の方向の一方側に進むにしたがって前記第1の方向の一方側に進むように、前記第1の方向に直交する面に対して傾いている。
本発明の一形態に係る回路モジュールは、
上記一形態に係る電子部品と、
第1の主面を有する基板本体、及び、前記第1の主面に設けられているランド電極を含んでいる回路基板と、
コーティング樹脂と、
を備えており、
前記外部電極は、前記ランド電極に電気的に接続されており、
前記コーティング樹脂は、前記電子部品の表面の少なくとも一部を覆っていると共に、股部空間に溜まっている。
上記一形態に係る電子部品と、
第1の主面を有する基板本体、及び、前記第1の主面に設けられているランド電極を含んでいる回路基板と、
コーティング樹脂と、
を備えており、
前記外部電極は、前記ランド電極に電気的に接続されており、
前記コーティング樹脂は、前記電子部品の表面の少なくとも一部を覆っていると共に、股部空間に溜まっている。
本願において、面の法線ベクトルが特定方向の一方側(又は他方側)に延びるとは、面の法線ベクトルが特定方向と平行であることを意味する。面の法線ベクトルが特定方向と平行であるとは、平行である場合の他、製造バラつきにより僅かに平行からずれる場合も含む意味である。また、面が特定方向の一方側(又は他方側)を向くとは、面の法線ベクトルが特定方向と平行である場合のみならず、面の法線ベクトルが特定方向に対して傾いている場合も含む。
本発明によれば、巻線に断線が発生する可能性を低減できる。
(実施形態)
以下に、一実施形態に係る電子部品及び回路モジュールについて図面を参照しながら説明する。図1は、電子部品10の外観斜視図である。図2は、電子部品10のコア12を下側から見た図である。図3は、電子部品10のコア12を上側から見た図である。図4は、図2のA−Aにおける断面構造図である。図4では、巻線16aにおいて巻芯部22を離れてから外部電極14aに到達するまでの区間I1について図示し、それ以外の巻線16aについては省略した。
以下に、一実施形態に係る電子部品及び回路モジュールについて図面を参照しながら説明する。図1は、電子部品10の外観斜視図である。図2は、電子部品10のコア12を下側から見た図である。図3は、電子部品10のコア12を上側から見た図である。図4は、図2のA−Aにおける断面構造図である。図4では、巻線16aにおいて巻芯部22を離れてから外部電極14aに到達するまでの区間I1について図示し、それ以外の巻線16aについては省略した。
以下では、電子部品10のコア12の巻芯部22が延びる方向を前後方向(第1の方向の一例、後ろ側が一方側の一例、前側が他方側の一例)と定義する。また、外部電極14a及び外部電極14bが並ぶ方向を左右方向(第3の方向の一例、右側が一方側の一例、左側が他方側の一例)と定義する。前後方向と左右方向とが互いに直交している。また、前後方向及び左右方向に直交する方向を上下方向(第2の方向の一例、上側が一方側の一例、下側が他方側の一例)と定義する。ここでの前後方向、左右方向及び上下方向は、電子部品10の説明のために定義した方向であり、電子部品10の使用時における前後方向、左右方向及び上下方向と一致している必要はない。
電子部品10は、図1に示すように、コア12、外部電極14a〜14d、巻線16a,16b及び天板18を備えている。コア12は、磁性体材料により作製されており、例えば、Ni−Zn系フェライトにより作製されている。ただし、コア12の材料は、Ni−Zn系フェライトに限らず、その他の材料であってもよい。コア12は、図1ないし図3に示すように、巻芯部22及び鍔部24a,24bを含んでいる。
巻芯部22は、図2に示すように、前後方向に延びる四角柱状をなしている。本実施形態では、巻芯部22は、上面、下面、右面及び左面を有している。上面は、上側に延びる法線ベクトルを有している。下面は、下側に延びる法線ベクトルを有している。右面は、右側に延びる法線ベクトルを有している。左面は、左側に延びる法線ベクトルを有している。ただし、巻芯部22は、四角柱状に限らず、円柱状等の他の形状をなしていてもよい。
鍔部24aは、巻芯部22の後端に設けられ、巻芯部22から上側、下側、右側及び左側に張り出している。鍔部24aは、前側から見たときに長方形状をなす主面を有する板状の部材である。鍔部24aを前側から見たときに、鍔部24aの上側及び下側の長辺は左右方向に平行であり、鍔部24aの右側及び左側の短辺は上下方向に平行である。
ここで、巻芯部22と鍔部24aとの境界について説明する。巻芯部22は、図2に示すように、後述する巻線16a,16bが巻きつけられる部分である。本実施形態では、巻芯部22は、前後方向に垂直な断面形状が実質的に均一となっている部分である。そのため、巻芯部22から鍔部24aへの移行部分において上下方向及び左右方向に広がっている部分は、巻線16a,16bが巻きつけられず、また、断面形状も実質的に均一ではないので、巻芯部22の一部ではなく鍔部24bの一部と解する。
鍔部24aは、鍔部本体26a及び電極形成部28a,28bを含んでいる。鍔部本体26aは、鍔部24aにおいて後述する電極形成部28a,28bを除く部分である。鍔部本体26aは、面S1,S3を有している。面S1(第1の面の一例)は、鍔部本体26aの上面であり、上側を向いている。更に、面S1は、巻芯部22よりも上側に位置している。本実施形態では、面S1は、上側に延びる法線ベクトルを有している。また、面S1は、上側から見たときに、後述する電極形成部28a,28bの間において前後方向に延びる部分及び電極形成部28a,28bよりも前側において左右方向に延びる部分により構成されており、T字型をなしている。なお、面S1の法線ベクトルは、斜め上側(例えば、前上側や前後ろ側等)に延びていてもよい。
面S3(第3の面の一例)は、前側を向き、かつ、上下方向において面S1と巻芯部22との間に位置している。本実施形態では、面S3は、前上側に延びる法線ベクトルを有している。また、面S3は、鍔部本体26aの前面の一部であり、より正確には、巻芯部22の上面と面S1とを繋ぐ長方形状の面である。よって、面S1の下側の長辺は、巻芯部22と接している。また、面S1の上側の長辺は、面S1と接している。なお、面S3は、前側に延びる法線ベクトルを有していてもよい。
電極形成部28a,28bは、鍔部本体26aから面S1よりも上側に向かって突出している部分である。よって、電極形成部28a,28bは、鍔部24aにおいて面S1よりも上側に位置する部分である。電極形成部28a,28bは、図4では、鍔部24aにおいて点線よりも上側に位置する部分である。電極形成部28a、面S1の一部及び電極形成部28bは、右側から左側へとこの順に並んでいる。以下に、電極形成部28a,28bの形状についてより詳細に説明する。
電極形成部28a(第1の電極形成部の一例)は、上側を向く面S2a(第2の面の一例)を有している。本実施形態では、面S2aは、上側に延びる法線ベクトルを有している。また、面S2aは、上側から見たときに、L字型をなしている。より詳細には、面S2aは、図3に示すように、主部30a及び突起部32aを有している。主部30aは、左右方向に延びる長辺を有する長方形状をなしている。突起部32aは、主部30aの右端から前側に向かって突出している。なお、主部30aは、左右方向に延びる形状をなしていればよく、長方形状以外の形状であってもよい。また、突起部32aは、主部30aの左端よりも右側の位置から前側に向かって突出していればよい。したがって、突起部32aは、主部30aの右端以外の位置から前側に向かって突出していてもよい。
また、電極形成部28aは、左側を向く面S4(第4の面の一例)を有している。本実施形態では、面S4は、左上側に延びる法線ベクトルを有している。面S4は、電極形成部28aの左面であり、面S1と面S2aとを繋ぐ長方形状の面である。本実施形態では、面S4(第4の面の一例)は、面S2a(第2の面の一例)に対して傾斜しているが、面S4は、左側に延びる法線ベクトルを有する面、すなわち、面S2aに対して垂直な面であってもよい。
電極形成部28b(第2の電極形成部の一例)は、上側を向く面S2bを有している。本実施形態では、面S2bは、上側に延びる法線ベクトルを有している。また、面S2bは、上側から見たときに、L字型をなしている。より詳細には、面S2bは、図3に示すように、主部30b及び突起部32bを有している。主部30bは、左右方向に延びる長辺を有する長方形状をなしている。突起部32bは、主部30bの左端から前側に向かって突出している。なお、主部30bは、左右方向に延びる形状をなしていればよく、長方形状以外の形状であってもよい。また、突起部32bは、主部30bの右端よりも左側の位置から前側に向かって突出していればよい。したがって、突起部32aは、主部30bの左端以外の位置から前側に向かって突出していてもよい。
また、電極形成部28bは、右側を向く面S5(第5の面の一例)を有している。本実施形態では、面S5は、右上側に延びる法線ベクトルを有している。面S5は、電極形成部28bの右面であり、面S1と面S2bとを繋ぐ長方形状の面である。本実施形態では、面S5(第5の面の一例)は、面S2b(第2の面の一例)に対して傾斜しているが、面S5は、右側に延びる法線ベクトルを有する面、すなわち、面S2bに対して垂直な面であってもよい。
以上のような鍔部24aでは、図4に示すように、股部空間Sp1が形成されている。股部空間Sp1は、前側から見たときに、電極形成部28a、電極形成部28b及び面S1により囲まれた空間である。本実施形態では、股部空間Sp1は、前側から見たときに、面S1、面S4及び面S5により囲まれた台形状の空間である。ただし、股部空間Sp1は、上側、前側及び後ろ側において開口している。そこで、股部空間Sp1の前面は、面S4の前側の辺と面S5の前側の辺とを接続する平面とする。股部空間Sp1の後面は、面S4の後ろ側の辺と面S5の後ろ側の辺とを接続する平面とする。股部空間Sp1の上面は、面S4の上側の辺と面S5の上側の辺とを接続する平面とする。
外部電極14aは、面S2a上に設けられている。より詳細には、外部電極14aは、面S2aの全面を覆うことにより、面S2aの主部30a及び突起部32aに跨って設けられている。
外部電極14bは、面S2b上に設けられている。より詳細には、外部電極14bは、面S2bの全面を覆うことにより、面S2bの主部30b及び突起部32bに跨って設けられている。以上のような外部電極14a,14bは、Agを材料とする下地電極上にNiめっき及びSnめっきが施されることにより作製されている。ただし、外部電極14a,14bの材料は、これに限らない。
鍔部24bは、巻芯部22の前端に設けられ、巻芯部22から上側、下側、右側及び左側に張り出している。ただし、鍔部24bの構造は、上側から見たときに、巻芯部22の中央(対角線の交点)を通過し、かつ、上下方向に延びる軸Ax(図2参照)に関して、鍔部24aの構造と回転対称な関係にある。そこで、鍔部24bの構造の詳細については説明を省略する。
また、外部電極14c,14dはそれぞれ、面S2c,S2d上に設けられている。ただし、外部電極14c,14dの構造は、軸Ax(図2参照)に関して、外部電極14a,14bの構造と回転対称な関係にある。そこで、外部電極14c,14dの構造の詳細については説明を省略する。
巻線16a,16bは、図1に示すように、巻芯部22の周囲に巻きつけられている。より詳細には、巻線16a,16b(第1の巻線、第2の巻線の一例)は、前側から見たときに時計回りに周回しながら、前側から後ろ側へと進行する弦巻状をなしている。巻線16a,16bは、巻芯部22において前後に並ぶように並走している。そのため、巻芯部22の表面上を前側から後ろ側へと進むと、巻線16aと巻線16bとが交互に並んでいる。ただし、巻線16aが巻芯部22に巻きつけられた後に、巻線16bが巻線16a上に巻きつけられてもよいし、巻線16bが巻芯部22に巻きつけられた後に、巻線16aが巻線16b上に巻きつけられてもよい。これにより、巻線16aにより構成されるコイルと巻線16bにより構成されるコイルとは、互いに磁気結合することによりコモンモードチョークコイルを構成している。ただし、これらのコイルは、トランスを構成していてもよい。巻線16a,16bは、Cu等の金属線がエナメル等の絶縁性樹脂により被覆された構造を有する。巻線16a,16bの直径は例えば0.05mmである。
また、巻線16aの後端t1(端部の一例)は、外部電極14aに接続されている。巻線16aの前端t2は、外部電極14dに接続されている。巻線16bの後端t3は、外部電極14bに接続されている。巻線16bの前端t4は、外部電極14cに接続されている。後端t1,t3及び前端t2,t4はそれぞれ、外部電極14a,14b,14d,14cに対して、熱圧着により接続されている。より詳細には、後端t1,t3及び前端t2,t4がそれぞれ外部電極14a,14b,14d,14cに加熱ツールにより押し当てられる。これにより、後端t1,t3及び前端t2,t4の被覆が溶けて金属線が露出し、金属線と外部電極14a〜14dとが金属接合される。
ところで、電子部品10では、巻線16aに断線が発生する可能性を低減するために、巻線16aと股部空間Sp1との位置関係に工夫を施している。以下に、巻線16aと股部空間Sp1との位置関係について図1及び図4を参照しながらより詳細に説明する。巻線16aにおける巻芯部22を離れてから外部電極14bに到達するまでの区間を区間I1(所定区間の一例)と定義する。
巻芯部22の左右方向の幅は、股部空間Sp1の左右方向の幅よりも大きい。更に、巻線16aは、図4の断面において、巻芯部22の左上の角において巻芯部22から離れている。そのため、巻線16aにおける巻芯部22を離れる位置(すなわち、区間I1の左端)は、股部空間Sp1よりも左側に位置している。また、外部電極14aは、股部空間Sp1よりも右側に位置している。そのため、巻線16aにおける外部電極14aに到達する位置(すなわち、区間I1の右端)は、股部空間Sp1よりも右側に位置している。また、区間I1の右端は、区間I1の左端よりも上側に位置している。したがって、区間I1は、前側から見たときに、左下側から右上側に向かって延びている。そして、区間I1は、前側から見たときに、面S3と重なる部分を有しており、面S3上においても左下側から右上側に向かって延びている。
ただし、電子部品10では、区間I1は、図4に示すように、前側から見たときに、股部空間Sp1と重なっていない。具体的には、区間I1は、前側から見たときに、左下側から右上側に向かって延びて面S3を通過する間に、股部空間Sp1よりも下側を左側から右側へと通過している。そして、区間I1は、前側から見たときに、面S3を通過した後に、左下側から右上側に向かって更に延びて外部電極14aに到達する。区間I1は、主部30aと突起部32aとにより形成される角近傍から外部電極14a上に乗り上げている。
なお、巻線16bと股部空間Sp2との位置関係は、軸Axに関して、巻線16aと股部空間Sp1との位置関係と回転対称な関係にある。そこで、巻線16bと股部空間Sp2との位置関係の詳細については説明を省略する。
天板18は、上側から見たときに、長方形状をなす板状の部材である。天板18は、磁性体材料により作製されており、例えば、Ni−Zn系フェライトにより作製されている。ただし、天板18の材料は、Ni−Zn系フェライトに限らず、その他の材料であってもよい。天板18は、鍔部24a,24bの下面に接着剤(例えば、熱硬化性エポキシ樹脂)により接着されている。これにより、巻芯部22、鍔部24a、天板18及び鍔部24bにより閉磁路が形成される。なお、天板18は任意の構成であり、電子部品10は、天板18を備えていなくともよい。
以上のように構成された電子部品10の前後方向の長さは、例えば、3.2mmである。電子部品10の左右方向の幅は、例えば、2.5mmである。電子部品10の上下方向の高さは、例えば、2.5mmである。ただし、電子部品10のサイズはこれに限らない。
電子部品10は、回路基板に実装される。以下に、電子部品10及び回路基板を備えた回路モジュールについて図面を参照しながら説明する。図5は、回路モジュール100の断面構造図である。ただし、図5において断面が示されているのはコーティング樹脂108のみであり、電子部品10及び回路基板102については断面ではなく側面図である。また、コーティング樹脂108の断面の位置は、電子部品10の左右方向の中央である。
回路モジュール100は、電子部品10、回路基板102及びコーティング樹脂108を備えている。回路基板102は、基板本体104及びランド電極106a〜106d(ランド電極106a,106dについては図示せず)を備えている。基板本体104は、例えば、平板状の多層基板であり、上面(第1の主面の一例)及び下面を有する。ランド電極106a〜106dは、基板本体104の上面に設けられている。
外部電極14a〜14dはそれぞれ、ランド電極106a〜106dにはんだや導電性接着剤等により電気的に接続される。これにより、電子部品10が回路基板102に実装されている。また、コーティング樹脂108は、防湿のために設けられ、電子部品10の全体を覆っている。図5に示す場合には、液状の樹脂が滴下されることにより、電子部品10を覆うコーティング樹脂108が形成されている。コーティング樹脂108の材料は、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂である。なお、コーティング樹脂108は、電子部品10の全体を覆っていてもよいし、電子部品10の一部を覆っていてもよい。また、コーティング樹脂108は、滴下以外に、スプレーにより電子部品10に塗布されてもよい。
(効果)
以上のように構成された電子部品10によれば、巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる。巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる原理は同じであるので、巻線16aを例に挙げて説明する。
以上のように構成された電子部品10によれば、巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる。巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる原理は同じであるので、巻線16aを例に挙げて説明する。
電子部品10では、区間I1は、前側から見たときに、股部空間Sp1と重なっていない。これにより、股部空間Sp1に溜まったコーティング樹脂108は、区間I1に接触しにくくなる。そのため、電子部品10が高温状態と低温状態とに繰り返しさらされても、区間I1は、股部空間Sp1に溜まったコーティング樹脂108により股部空間Sp1内へと後ろ側に引っ張られにくくなる。その結果、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
ところで、電子部品10では、区間I1は、前側から見たときに、僅かであれば股部空間Sp1と重なっていてもよい。以下に、区間I1と股部空間Sp1との位置関係について説明する。図6は、変形例に係る電子部品のコアの断面構造図である。図7は、比較例に係る電子部品のコアの断面構造図である。
図6のように、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の一部において股部空間Sp1と重なっていてもよい。図6では、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の半分程度だけ股部空間Sp1にはみ出す部分を有している。この場合、股部空間Sp1に溜まったコーティング樹脂108は、区間I1に僅かに接触する。ただし、コーティング樹脂108が区間I1に接触している量が少ないので、区間I1に加わる力も小さい。よって、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
加えて、変形例に係る電子部品では、区間I1は、前側から見たときに、面S3と重なる部分を有している。これにより、区間I1がコーティング樹脂108により股部空間Sp1内へと後ろ側に引っ張られたとしても、区間I1が面S3に引っかかるようになる。その結果、区間I1が引っ張られることにより大きく折れ曲がることを抑制でき、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
ただし、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の全体において股部空間Sp1と重なっている部分を有していてはいけない。より詳細には、図7では、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の全体にわたって股部空間Sp1にはみ出している。そのため、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の全体において股部空間Sp1と重なっている部分を有している。この場合、股部空間Sp1に溜まったコーティング樹脂108は、区間I1に大量に接触する。したがって、股部空間Sp1に溜まったコーティング樹脂108が区間I1に及ぼす力も大きい。故に、図7のコアを備えた電子部品では、巻線16aに断線が発生する恐れがある。
加えて、比較例に係る電子部品では、前側から見たときに、区間I1と面S1と面S4とにより三角形状の空間が形成されている。これにより、この三角形状の空間にコーティング樹脂108が膜を形成する。このような電子部品が低温状態と高温状態とに繰り返しさらされると、コーティング樹脂108の膜が収縮と膨張を繰り返す。区間I1は、収縮時には、コーティング樹脂108の膜によって下側に引っ張られて、下側に向かって突出するように折り曲げられる。一方、膨張時にはコーティング樹脂108の膜が軟化しているので、コーティング樹脂108の膜から区間I1には大きな力が加わらない。ただし、コーティング樹脂108の膜が膨張する一方で区間I1は折れ曲がった状態を維持する。そのため、区間I1は、折れ曲がった状態で膨張したコーティング樹脂108の膜内に埋もれる。これにより、次の収縮時には、区間I1は、コーティング樹脂108の膜によって下側に更に引っ張られて、下側に向かって突出するように更に折り曲げられる。このようなコーティング樹脂108の膜の膨張と収縮が繰り返されると、区間I1の折れ曲がりが次第に大きくなって、最終的には巻線16aに断線が発生する。以上の理由により、電子部品10及び変形例に係る電子部品のように、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の全体において股部空間Sp1と重なっている部分を有していないことが要求される。
また、電子部品10によれば、以下の理由によっても、巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる。巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる原理は同じであるので、巻線16aを例に挙げて説明する。
電子部品10では、区間I1は、後ろ上側に向かって延びている。したがって、面S3が前上側に延びる法線ベクトルを有していると、区間I1と面S3とが線接触しやすくなる。よって、区間I1は、コーティング樹脂108により後ろ側に引っ張られたとしても、面S3に引っかかるようになる。この際、区間I1と面S3とが線接触しているので、面S3から加わる力が区間I1の広い範囲に分散されるようになる。その結果、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
また、電子部品10によれば、巻線16aに断線が発生する可能性の低減と、外部電極14aと外部電極14bとの間にショートが発生する可能性の低減とを両立することができる。図8は、第1の参考例である股部空間Sp1aを前側から見た図である。図9は、第2の参考例である股部空間Sp1bを前側から見た図である。図8及び図9ではそれぞれ、股部空間Sp1a,Sp1bに股部空間Sp1を重ねて表示した。図8及び図9では、股部空間Sp1を点線で示した。第1の参考例である股部空間Sp1a及び第2の参考例である股部空間Sp1bはいずれも、効果の説明のために用いた例であり、本発明の実施例である。
より詳細には、図8に示す股部空間Sp1aは、前側から見たときに、長方形状をなしている。そして、股部空間Sp1aの左右方向の幅は、股部空間Sp1の上面の左右方向の幅と等しい。これにより、外部電極14aと外部電極14bとの間隔が大きくなり、外部電極14aと外部電極14bとの間でショートが発生する可能性を低減できる。
しかしながら、股部空間Sp1aの面積は、股部空間Sp1の面積よりも大きい。そのため、股部空間Sp1a内に溜まる樹脂の量は、股部空間Sp1内に溜まる樹脂の量よりも多くなる。これにより、股部空間Sp1a内に溜まる樹脂が区間I1に接触する可能性の方が、股部空間Sp1内に溜まる樹脂が区間I1に接触する可能性よりも高くなる。よって、股部空間Sp1aが適用された電子部品の方が、股部空間Sp1が適用された電子部品10よりも、巻線16aに断線する可能性が高くなる。
一方、図9に示す股部空間Sp1bは、前側から見たときに、長方形状をなしている。そして、股部空間Sp1bの左右方向の幅は、股部空間Sp1の下面(面S1)の左右方向の幅と等しい。これにより、股部空間Sp1bの面積が小さくなり、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
しかしながら、股部空間Sp1bが適用された電子部品の方が、股部空間Sp1が適用された電子部品10よりも、外部電極14aと外部電極14bとの間隔が小さくなる。そのため、股部空間Sp1bが適用された電子部品の方が、股部空間Sp1が適用された電子部品10よりも、外部電極14aと外部電極14bとの間にショートが発生する可能性が高くなる。
以上のように、前側から見たときに長方形状をなす股部空間Sp1a,Sp1bでは、巻線16aに断線が発生する可能性の低減と、外部電極14aと外部電極14bとの間にショートが発生する可能性の低減とを両立することが困難であった。
そこで、電子部品10では、面S4は、左上側に延びる法線ベクトルを有する。更に、面S5は、右上側に延びる法線ベクトルを有する。これにより、外部電極14aと外部電極14bとの間隔を大きくしつつ、股部空間Sp1の面積を小さくすることができる。その結果、電子部品10では、巻線16aに断線が発生する可能性の低減と、外部電極14aと外部電極14bとの間にショートが発生する可能性の低減とを両立することができる。同じ理由により、電子部品10では、巻線16bに断線が発生する可能性の低減と、外部電極14cと外部電極14dとの間にショートが発生する可能性の低減とを両立することができる。
なお、面S4が左上側に延びる法線ベクトルを有し、かつ、面S5が右側に延びる法線ベクトルを有していてもよい。また、面S4が左側に延びる法線ベクトルを有し、かつ、面S5が右上側に延びる法線ベクトルを有していてもよい。また、巻線16aに断線が発生する可能性の低減と、外部電極14aと外部電極14bとの間にショートが発生する可能性の低減とを両立を重視しない場合には、前側から見たときに長方形状をなす股部空間Sp1a,Sp1bが電子部品に適用されてもよい。
また、電子部品10によれば、以下の理由によっても、巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる。巻線16a,16bに断線が発生する可能性を低減できる原理は同じであるので、巻線16aを例に挙げて説明する。電子部品10では、区間I1の巻線16aは、面S3に沿って左下側から右上側へと直線的に延びている。鍔部24aが巻芯部22に接続し巻芯部22に対して傾斜する面S3を備えることにより、区間I1の巻線16aを曲げることなく、巻線16aの区間I1を鍔部24aに沿わせて面接触することができるため、製造時において、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できる。
また、電子部品10によれば、巻線16aの後端t1と外部電極14aとを容易に接続できる。より詳細には、面S2aがL字型ではなく長方形状をなしている場合には、巻線16aが外部電極14aの前側の長辺を通過して外部電極14a上に乗り上げる。そのため、巻線16aの後端t1は、外部電極14aの前側の長辺近傍に位置する。この場合、後端t1の圧着の際に、後端t1が外部電極14aの前側に脱落する恐れがある。
一方、面S2aは、上側から見たときに、L字型をなしている。より詳細には、面S2aは、L字型をなしており、主部30a及び突起部32aを有している。主部30aは、左右方向に延びる長辺を有する長方形状をなしている。突起部32aは、主部30aの右端から前側に向かって突出している。そして、外部電極14aは、主部30a及び突起部32aに跨って設けられている。これにより、巻線16aが主部30aの前側の長辺を通過して外部電極14a上に乗り上げると、巻線16aの後端t1の前側に突起部32aが位置するようになる。その結果、後端t1の圧着の際に、後端t1が外部電極14aの前側に脱落することが抑制される。よって、巻線16aの後端t1と外部電極14aとを容易に接続することができる。同じ理由により、巻線16bの前端t4と外部電極14cとを容易に接続することができる。
本願発明者は、電子部品10において巻線16aに断線が発生する可能性を低減できることを確認するために、以下に説明する実験を行った。具体的には、本願発明者は、第1のサンプルないし第3のサンプルを作成した。以下に、図面を参照しながら第1のサンプルないし第3のサンプルについて説明する。図10は、第1のサンプルないし第3のサンプルの各部の寸法を示す図である。図10は、図4の断面構造図と同じ断面構造図である。LA,LDは、鍔部24aの左右方向の幅を指す。LB,LCは、巻芯部22の上面から鍔部24aの上端までの距離を指す。Laは、巻芯部22の左右方向の幅を指す。Lbは、面S3の上下方向の高さを指す。Lcは、電極形成部28a,28bの上下方向の高さを指す。Ldは、面S1の左右方向の幅を指す。
本願発明者は、La/LA、Lb/LB、Lc/LC及びLd/LDを以下の表1に示すように変化させた。
表1によれば、第2のサンプル及び第3のサンプルのLb/LBは、第1のサンプルのLb/LBよりも小さいことが分かる。これは、第2のサンプルでは、面S3の上下方向の高さが低く、第3のサンプルでは、面S3が存在しないことを意味する。そのため、第2のサンプル及び第3のサンプルでは、区間I1は、前側から見たときに、巻線16aの線幅の全体において股部空間Sp1と重なる部分を有するようになる。すなわち、第2のサンプル及び第3のサンプルは、比較例に係る電子部品である。一方、第1のサンプルでは、区間I1は、前側から見たときに、股部空間Sp1と重なっていない。すなわち、第1のサンプルは、実施例に係る電子部品である。本願発明者は、La/LA、Lb/LB、Lc/LC及びLd/LDが以下の範囲に収まるようにコア12を設計すれば、区間I1が前側から見たときに股部空間Sp1と重なりにくくなることを発見した。
0.47≦La/LA≦0.57
0.45≦Lb/LB≦0.76
0.23≦Lc/LC≦0.45
0.04≦Ld/LD≦0.12
0.45≦Lb/LB≦0.76
0.23≦Lc/LC≦0.45
0.04≦Ld/LD≦0.12
以上のような第1のサンプルないし第3のサンプルをそれぞれ30個ずつ回路基板に実装し、コーティング樹脂を塗布して、回路モジュールを作成した。そして、各回路モジュールを−40℃の低温状態に60分間さらす第1の工程と、各回路モジュールを90℃の低温状態に40分間さらす第2の工程とを交互に繰り返し実行した。第1の工程及び第2の工程のそれぞれを一回ずつ行うことを1サイクルと呼ぶ。第3のサンプルでは、150サイクルの時点で30個のサンプルの内の2個のサンプルに断線が発生した。更に、第3のサンプルでは、500サイクルの時点で、残りの28個のサンプルの内の4個のサンプルに断線が発生した。また、同様に、第2のサンプルにおいても、断線が発生した。
一方、第1のサンプルでは、2000サイクルの時点でもいずれのサンプルにも断線が発生しなかった。以上の実験より、前側から見たときに区間I1が股部空間Sp1と重ならないことにより、巻線16aに断線が発生する可能性を低減できることが分かる。
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係るコア12aについて図面を参照しながら説明する。図11は、コア12aを下側から見た図である。図12は、コア12aを上側から見た図である。
以下に、第1の変形例に係るコア12aについて図面を参照しながら説明する。図11は、コア12aを下側から見た図である。図12は、コア12aを上側から見た図である。
コア12aは、鍔部24a,24bの構造においてコア12と相違する。以下に係る相違点を中心にコア12aについて説明する。
鍔部24aは、下側に向かって巻芯部22から張り出しており、面S6(第6の面の一例),S7,S8,S9を有している。面S6は、巻芯部22よりも下側に位置し、かつ、前側を向く面である。面S6の左右方向の両端は、上側から見たときに、巻芯部22の左右方向の両端と実質的に一致している。そして、面S6は、下側から見たときに、左側に進むにしたがって後ろ側に進むように、前後方向に直交する面に対して傾いている。
面S7は、面S6の右側に隣接する面であり、前側に延びる法線ベクトルを有する。面S8は、面S6の左側に隣接する面であり、前側に延びる法線ベクトルを有する。すなわち、面S7,S8は、前後方向に直交する面と平行である。面S9は、鍔部24aの後面であり、後ろ側に延びる法線ベクトルを有する。
以上のような鍔部24aでは、図11に示すように、面S7と面S9との間隔は、面S8と面S9との間隔よりも大きくなる。そして、図12に示すように、突起部32aの前後方向の長さは、突起部32bの前後方向の長さよりも長くなる。
鍔部24bは、下側に向かって巻芯部22から張り出しており、面S16,S17,S18,S19を有している。面S16は、巻芯部22よりも下側に位置し、かつ、後ろ側を向く面である。面S16の左右方向の両端は、上側から見たときに、巻芯部22の左右方向の両端と実質的に一致している。そして、面S16は、下側から見たときに、左側に進むにしたがって後ろ側に進むように、前後方向に直交する面に対して傾いている。
面S17は、面S16の右側に隣接する面であり、後ろ側に延びる法線ベクトルを有する。面S18は、面S16の左側に隣接する面であり、後ろ側に延びる法線ベクトルを有する。すなわち、面S17,S18は、前後方向に直交する面と平行である。面S19は、鍔部24bの前面であり、前側に延びる法線ベクトルを有する。
以上のような鍔部24bでは、図11に示すように、面S18と面S19との間隔は、面S17と面S19との間隔よりも大きくなる。そして、図12に示すように、突起部32cの前後方向の長さは、突起部32dの前後方向の長さよりも長くなる。
以上のようなコア12aには、コア12と同じように巻線16a,16bが巻きつけられる。すなわち、巻線16a,16bは、図1と同様に、前側から見たときに、時計回りに周回しながら前側から後ろ側に進行するように、コア12aの巻芯部22に巻きつけられる。この場合、巻線16aにおいて巻芯部22において最も後ろ側に巻きつけられた部分は、巻芯部22の下面において、右前側から左後ろ側に向かって延びる。すなわち、巻線16aが面S6に沿うようになる。これにより、巻線16aがコア12に接触する長さが長くなり、巻線16aにより構成されるコイルのインダクタンス値が大きくなる。同じ理由により、巻線16bにより構成されるコイルのインダクタンス値が大きくなる。
また、コア12aを備えた電子部品によれば、巻線16aの後端t1と外部電極14aとの接続信頼性を向上させることができる。より詳細には、面S2aは、主部30a及び突起部32aを有しており、上側から見たときに、L字型をなしている。主部30aは、左右方向に延びる長辺を有する長方形状をなしている。突起部32aは、主部30aの右端から前側に向かって突出している。そして、外部電極14aは、主部30a及び突起部32aに跨って設けられている。これにより、巻線16aが主部30aの前側の長辺を通過して外部電極14a上に乗り上げると、巻線16aの後端t1の前側に突起部32aが位置するようになる。特に、コア12aの突起部32aの前後方向の長さは、コア12の突起部32aの前後方向の長さよりも長い。よって、コア12aの方がコア12よりも、後端t1の圧着の際に、後端t1が外部電極14aの前側に脱落することが更に抑制される。よって、巻線16aの後端t1と外部電極14aとの接続信頼性が向上する。同じ理由により、巻線16bの前端t4と外部電極14cとの接続信頼性が更に向上する。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品及び回路モジュールは、電子部品10、コア12aを備えた電子部品及び回路モジュール100に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
本発明に係る電子部品及び回路モジュールは、電子部品10、コア12aを備えた電子部品及び回路モジュール100に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
また、電子部品10、コア12aを備えた電子部品及び回路モジュール100の構成を任意に組み合わせてもよい。
なお、電極形成部28a,28bの前面は、面S3と直接につながっていてもよい。より詳細には、図1に示すように、電極形成部28a,28bの前面は、面S3よりも後ろ側に位置している。そのため、電極形成部28a,28bの前側には、面S1が存在している。ただし、電極形成部28a,28bの前面は、面S3と直接につながっていてもよい。この場合には、電極形成部28a,28bの前側には面S1が存在しなくなる。よって、面S1は、全体において電極形成部28aと電極形成部28bとの間に位置するようになる。
以上のように、本発明は、電子部品及び回路モジュールに有用であり、特に、巻線に断線が発生する可能性を低減できる点で優れている。
10:電子部品
12,12a:コア
13:溝
14a〜14d:外部電極
16a,16b:巻線
18:天板
22:巻芯部
24a,24b:鍔部
26a:鍔部本体
28a,28b:電極形成部
30a,30b:主部
32a〜32d:突起部
100:回路モジュール
102:回路基板
104:基板本体
106a〜106d:ランド電極
108:コーティング樹脂
I1:区間
S1,S2a,S2b,S2c,S2d,S3〜S9,S16〜S19:面
Sp1,Sp1a,Sp1b,Sp2:股部空間
12,12a:コア
13:溝
14a〜14d:外部電極
16a,16b:巻線
18:天板
22:巻芯部
24a,24b:鍔部
26a:鍔部本体
28a,28b:電極形成部
30a,30b:主部
32a〜32d:突起部
100:回路モジュール
102:回路基板
104:基板本体
106a〜106d:ランド電極
108:コーティング樹脂
I1:区間
S1,S2a,S2b,S2c,S2d,S3〜S9,S16〜S19:面
Sp1,Sp1a,Sp1b,Sp2:股部空間
Claims (2)
- 第1の方向に延びる巻芯部と、前記巻芯部の前記第1の方向の一方側の端部に設けられ、かつ、前記第1の方向に直交する第2の方向の一方側に向かって前記巻芯部から張り出す鍔部と、を含むコアと、
前記巻芯部の周囲に巻きつけられている第1の巻線及び第2の巻線と、
外部電極と、
を備えており、
前記鍔部は、
前記第2の方向の一方側を向き、かつ、前記巻芯部よりも前記第2の方向の一方側に位置する第1の面を有する鍔部本体と、
前記鍔部本体から前記第1の面よりも前記第2の方向の一方側に向かって突出している第1の電極形成部及び第2の電極形成部と、
を含んでおり、
前記第1の電極形成部、前記第1の面の少なくとも一部及び前記第2の電極形成部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向の一方側から他方側へとこの順に並んでおり、
前記鍔部は、前記第2の方向の他方側に向かって前記巻芯部から張り出しており、かつ、第6の面を有しており、
前記第6の面は、前記巻芯部よりも前記第2の方向の他方側に位置し、かつ、前記第1の方向の他方側を向いており、
前記第6の面は、前記第2の方向から見たときに、前記第3の方向の一方側に進むにしたがって前記第1の方向の一方側に進むように、前記第1の方向に直交する面に対して傾いている、
電子部品。 - 請求項1に記載の電子部品と、
第1の主面を有する基板本体、及び、前記第1の主面に設けられているランド電極を含んでいる回路基板と、
コーティング樹脂と、
を備えており、
前記外部電極は、前記ランド電極に電気的に接続されており、
前記コーティング樹脂は、前記電子部品の表面の少なくとも一部を覆っていると共に、
股部空間に溜まっている、
回路モジュール。
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