JP6805671B2 - 水力発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、水力発電システムに関するものである。
水路(例えば管路)を流れる流体(例えば水)によって発電を行う水力発電システムがある。例えば特許文献1に開示の水力発電システムは、管路に水車(流体機械)が接続される。流体によって水車が回転駆動されると、水車に接続される発電機が駆動される。発電機の出力電力は例えば逆潮流によって電力系統に供給される。
特開2014−214710号公報
ところで、発電した電力を逆潮流させる場合には、商用電源の電圧を所定の範囲内に収めることが法律等によって求められる場合があり、その場合には、商用電源の電圧がその範囲を超えないように、逆潮流させる電力を制御する必要がある。
しかしながら、水力発電システムでは、流体の流量や圧力の大きさが所定範囲に制限される場合(例えば上水道の管路に水力発電システムを設置する場合など)があり、電力を抑制する際に流量等が過度に変動する問題となる。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、電力を抑制する際に、流体の物理量(例えば総流量)の変動をなるべく小さくすることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の態様は、
流体が流れる流路(1)に配置される流体機械(W)と、
前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、
前記発電機(G)の発電電力を制御し、該発電機(G)の出力を受けて電力を出力する発電機コントローラ(20)と、
前記発電機コントローラ(20)の出力を受けて電力系統(5)に電力を供給する系統連系インバータ(30)と、
を備え、
前記系統連系インバータ(30)は、前記電力系統(5)の電圧が第1閾値(Th1)を超えた場合に自身の出力を抑制し、
前記発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えた場合に自身の出力を抑制する電力抑制運転モードを有していることを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、系統連系インバータ(30)が出力を抑制することによって、発電機コントローラ(20)の出力電圧が上昇する場合がある。それに対し、発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えた場合に出力を抑制する動作モードを備えている。すなわち、この構成では、水力発電システムの電力抑制が2段階に分けて行われ、電力抑制量が小さい場合には、発電機(G)の発電電力の抑制(発電機コントローラ(20)による電力抑制)を行わずに済む場合がある。
また、第の態様は、更に
前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)が出力する電力の所定量を抵抗器(40)で消費させることを特徴とする。
この構成では、抵抗器(40)を設けたことによって、系統連系インバータ(30)による電力抑制と、発電機コントローラ(20)による電力抑制とを容易に連係させることが可能になる。
また、第の態様は、更に
前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えず、且つ前記流路(1)における総流量(QT)、及び前記流体の圧力(P2)の少なくとも一方が所定の目標値となるように、前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整することを特徴とする。
この構成では、系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合に、流路(1)における総流量(QT)、及び圧力(P2)の少なくとも一方の変動を抑制することが可能になる。
また、第の態様は
流体が流れる流路(1)に配置される流体機械(W)と、
前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、
前記発電機(G)の発電電力を制御し、該発電機(G)の出力を受けて電力を出力する発電機コントローラ(20)と、
前記発電機コントローラ(20)の出力を受けて電力系統(5)に電力を供給する系統連系インバータ(30)と、
を備え、
前記系統連系インバータ(30)は、前記電力系統(5)の電圧が第1閾値(Th1)を超えた場合に自身の出力を抑制し、
前記発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えた場合に自身の出力を抑制する電力抑制運転モードを有し、
前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)が出力する電力の所定量を抵抗器(40)で消費させ、
前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合に、前記発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えても、前記発電機コントローラ(20)における前記電力抑制運転モードを禁止するとともに前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整する動作モードを有することを特徴とする。
この構成では、電力抑制運転モードが禁止されることで、流路(1)における総流量(QT)乃至は圧力(P2)の変動が抑制される。また、抵抗器(40)によって、発電機コントローラ(20)の出力電圧の上昇が緩やかになる。
また、第の態様は、第又は第の態様において、
所定のデューティー比でオンオフされて、前記抵抗器(40)に流れる電流を断続するスイッチ(SW)を備え、
前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記デューティー比を調整することによって、前記流路(1)における総流量(QT)、若しくは圧力(P2)が所定の目標値となるように前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整することを特徴とする。
この構成では、抵抗器(40)で消費させる電力を調整することが可能になる。
第1の態様によれば、発電機コントローラによる電力抑制を行わずに済む場合があるので、電力を抑制する際に、流体の物理量の変動をなるべく小さくすることが可能になる。
また、第の態様によれば、系統連系インバータ(30)及び発電機コントローラ(20)の2つを容易に連係させることが可能になる。
また、第の態様によれば、流体の物理量を一定に保つ時間を引き延ばすことが可能になる。
また、第の態様によれば、直流電圧(Vdc)が第2閾値(Th2)を超える時間が比較的短いと予測される場合などに、流体の物理量の変動を抑制することが可能になる。
また、第の態様によれば、抵抗器(40)で消費させる電力を容易に調整することが可能になる。
図1は、実施形態1の水力発電システムを含む管路の全体概略構成を示す。 図2は、水力発電システムの電力系統図である。 図3は、水力発電システムで行われる制御のフローチャートである。 図4は、実施形態1の変形例1の水力発電システムで行われる電力及び流量制御のフローチャートを示す。 図5は、流体システムの特性マップを示す図である。 図6は、実施形態3の水力発電システムを含む管路の全体概略構成を示す。 図7は、実施形態3の水力発電システムの電力系統図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1の水力発電システム(10)を含む管路(1)の全体概略構成を示す。この管路(1)は、落差を有して流体が流れるものであり、本発明の流路の一例である。本実施形態では、管路(1)は、上水道(4)の一部である。この上水道(4)には、貯留槽(2)と受水槽(3)とが設けられており、本実施形態の管路(1)は、貯留槽(2)と、該貯留槽(2)の下流に設けられた受水槽(3)とを繋ぐように配置されている。
〈水力発電システム(10)〉
図1に示すように、水力発電システム(10)は、水車(W)と発電機(G)とを備えている。また、図2は、水力発電システム(10)の電力系統図であり、水力発電システム(10)は、発電機コントローラ(20)、系統連系インバータ(30)、及び回生抵抗器(40)を備えている。水力発電システム(10)では、発電した電力を電力系統(5)に供給している。この例では、電力系統(5)は、いわゆる商用電源であり、水力発電システム(10)では、商用電源(5)への電力供給(いわゆる逆潮流)によって、いわゆる売電を行っている。
この売電に際して、水力発電システム(10)では、通常は、管路(1)の総流量(QT)を目標総流量(QT*)に維持するという条件の下で、発電機(G)を動作させて電力系統(5)に電力を供給する(通常運転と呼ぶ)。また、水力発電システム(10)では、後に詳述するように、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が予め定められた電圧規制範囲(Vr)となるように、発電電力の制御を行う。具体的には、水力発電システム(10)では、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が、電圧規制範囲(Vr)の上限値を超えそうになったら、電力系統(5)に供給する電力を抑制する運転(後述する発電電力抑制運転)を行う。
−水車(W)−
水車(W)は、管路(1)の途中に配置されており、本発明の水力機械の一例である。この例では、水車(W)は、羽根車、及びケーシングを備えている(何れも図示は省略)。羽根車には、渦巻きポンプに備えるインペラが流用されている。この羽根車の中心部には、回転軸(19)が固定されている。そして、水車(W)は、ケーシングに形成された流体流入口(図示を省略)からの水流によりインペラが圧力を受けて回転して、回転軸(19)を回転させるようになっている。なお、水車(W)に流入した流体は、ケーシングに形成された流体排出口(図示を省略)から排出される。
−発電機(G)−
発電機(G)は、水車(W)の回転軸(19)に連結されて回転駆動され、発電を行う。この例では、発電機(G)は、永久磁石埋込型のロータと、コイルを有したステータとを備えている(何れも図示は省略)。
−配管系統−
この管路(1)には、流入管(11)、流出管(14)、第1分岐管(12)、及び第2分岐管(13)が接続されている。本実施形態の管路(1)は、金属管(例えばダクタイル鋳鉄管)によって構成されている。流入管(11)の流入端には貯留槽(2)が接続されている。流出管(14)の流出端には受水槽(3)が接続されている。流入管(11)と流出管(14)との間には、第1分岐管(12)及び第2分岐管(13)が互いに並列に接続されている。第1分岐管(12)は、水車(W)を駆動する水が流れる水車側の流路を構成する。第2分岐管(13)は、例えば、水車(W)への流体供給を止めて水車(W)のメンテナンスを行う場合などに、流体を迂回させるために使用する。
第1分岐管(12)には、上流から下流に向かって順に、第1流量計(17)、第1電動弁(15)、及び水車(W)(詳しくは水車(W)の流体流入口)が接続されている。水車(W)の流体排出口には、流出管(14)が接続されている。第2分岐管(13)には、上流から下流に向かって順に、第2流量計(18)、第2電動弁(16)が接続されている。
第1流量計(17)及び第2流量計(18)は、電気によって作動するように構成されている。第1流量計(17)は、水車(W)を流れる水の流量を検出し、検出信号を出力する。第2流量計(18)は、第2分岐管(13)を流れる水の流量を検出し、検出信号を出力する。
第1電動弁(15)及び第2電動弁(16)は、電動モータによって弁体を駆動することで流体の流量を制御する。第1電動弁(15)は、水車(W)のメンテナンス等において閉状態となり、停止状態の水車(W)での水の通過を禁止する。第1電動弁(15)は、水力発電システム(10)の運転中において、所定開度(例えば固定値)で開放される。第2電動弁(16)は、第2分岐管(13)を流れる水の流量を制御する。この例では、水力発電システム(10)の運転中は閉状態であり、水車(W)のメンテナンス等において開状態とされる。すなわち、この例では、水力発電システム(10)の運転中は、第2分岐管(13)には流体が流れず、第1流量計(17)の検出値が、管路(1)から流出する流体の総流量(QT)である。
−発電機コントローラ(20)−
発電機コントローラ(20)は、系統連系インバータ(30)とともに、電力系統(5)に供給する電力を制御する。本実施形態では、発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が所定の閾値(第2閾値(Th2)とする)を超えた場合に自身の出力を抑制する電力抑制運転モード(後述の発電電力抑制運転を行う制御モード)を有している。この例では、発電機コントローラ(20)は、AC/DCコンバータ部(21)、直流電圧検出部(22)、流量検出部(23)、流量指令決定部(24)、及び流量制御部(25)を備えている。
AC/DCコンバータ部(21)は、複数のスイッチング素子を備え、発電機(G)によって発電された電力(交流電力)をスイッチングして直流電力に変換する。該直流電力は、平滑コンデンサ(図示を省略)によって平滑化され、系統連系インバータ(30)に供給される。
直流電圧検出部(22)は、AC/DCコンバータ部(21)の出力電圧を検出する。直流電圧検出部(22)による検出値(直流電圧(Vdc))は、流量指令決定部(24)に送信されている。流量検出部(23)は、第1流量計(17)及び第2流量計(18)の検出値を読み取り、周期的、或いは流量制御部(25)の要求に応じて、検出値を流量制御部(25)に送信する。
流量指令決定部(24)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。流量指令決定部(24)は、直流電圧検出部(22)が検出した直流電圧(Vdc)と、予め定められた第2閾値(Th2)とを比較し、比較結果に応じて水車(W)の流量(Q1)の目標値である流量指令値(Q1*)を決定する。具体的には、流量指令決定部(24)は、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)の場合(具体的には通常運転が行われる場合)には、流量指令値(Q1*)を、目標総流量(QT*)とする。この目標総流量(QT*)は、本実施形態では、水力発電システム(10)の外部から与えられるものである。目標総流量(QT*)は、固定値であってもよいし、例えば時間帯によって変更されるものであってもよい。また、流量指令決定部(24)は、直流電圧(Vdc)>第2閾値(Th2)の場合(後述の発電電力抑制運転が行われる場合)には、流量指令値(Q1*)を、電力の目標値に応じて決定する。流量指令値(Q1*)の決定には、例えば、予め前記プログラム内に定義した、関数、或いは、後述の特性マップ(M)を用いることが考えられる。
流量制御部(25)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。このマイクロコンピュータやメモリディバイスは、流量指令決定部(24)を構成するものと共用してもよいし、別個に設けてもよい。この流量制御部(25)は、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御することによって、発電機(G)の発電電力を制御する。具体的には、流量制御部(25)は、流量指令値(Q1*)と現在の流量(Q1)との差に応じて、フィードバック制御を行うことによって、発電機(G)の発電電力(出力電圧)を制御している。
−系統連系インバータ(30)−
系統連系インバータ(30)は、発電機コントローラ(20)からの直流電力を受けて、該直流電力を所定周波数、及び所定電圧を有した交流電力に変換する。また、系統連系インバータ(30)は、電力系統(5)の電圧が第1閾値(Th1)を超えた場合に自身の出力を抑制するように構成されている。この機能を実現するため、本実施形態の系統連系インバータ(30)は、インバータ部(31)、交流電圧検出部(32)、及び電圧上昇判定部(33)を備えている。
インバータ部(31)は、複数のスイッチング素子を備え、発電機コントローラ(20)からの直流電力を受けて、該直流電力をスイッチングすることによって交流電力に変換する。インバータ部(31)が生成した交流電力は、電力系統(5)に供給(逆潮流)される。なお、インバータ部(31)は、前記スイッチングを制御することによって、電力系統(5)に逆潮流させる電力(電圧)を制御する。
交流電圧検出部(32)は、電力系統(5)が受け入れ可能な電力に相関する情報を含む電力需給情報を取得する。具体的に、交流電圧検出部(32)は、電力需給情報として、電力系統(5)の配電線の電圧値(交流電圧値(Vac))を検出する。この交流電圧値(Vac)は、電圧上昇判定部(33)に送信されている。
電圧上昇判定部(33)は、交流電圧検出部(32)が検出した交流電圧値(Vac)と、予め定められた第1閾値(Th1)とを比較し、比較結果をインバータ部(31)に出力する。なお、第1閾値(Th1)は、一例として、法規制などを考慮して決めることが考えられる。例えば、100Vの交流を供給する商用電源(5)において、法律によって、配電線における電圧が95Vから107Vの範囲に維持することが規定されるとともに、電圧がその範囲の上限を超えそうな場合には、売電する側における電力供給(逆潮流)の抑制が求められる例がある。このような例では、95Vから107Vが電圧規制範囲(Vr)に相当し、第1閾値(Th1)は、電圧規制範囲(Vr)の上限値である107Vよりもやや低い電圧値に設定すればよい。
〈電力(交流電圧)及び流量の制御〉
本実施形態の水力発電システム(10)では、運転中は、第1電動弁(15)の開度は固定であるものとする。また、以下の制御例では、第2電動弁(16)は、運転中は全閉状態であるものとする。
図3に、水力発電システム(10)で行われる電力及び流量制御のフローチャートを示す。このフローチャートに示したステップ(S01)では、水車(W)の流量(Q1)が目標値となるように、流量制御部(25)がAC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御する。詳しくは、本実施形態では、第1電動弁(15)の開度を固定値とした状態において、流量制御部(25)は、例えばフィードバック制御によって、水車(W)の流量(Q1)が流量指令値(Q1*)となるようにAC/DCコンバータ部(21)のスイッチングを制御する。流量指令値(Q1*)は、通常運転時は目標総流量(QT*)である。水車(W)の流量(Q1)が流量指令値(Q1*)となると、発電機(G)の出力は、目標の発電電力に収束する。
なお、第2電動弁(16)を全閉とする制御に変えて、例えば、通常運転時に、総流量(QT)を目標総流量(QT*)に維持しつつ、発電機(G)が最も効率がよい運転点(例えば発電機(G)において定格運転が行われる運転点)で運転されるように、第2電動弁(16)の開度を適宜、調整するようにしてもよい。
ステップ(S02)では、交流電圧検出部(32)が交流電圧値(Vac)を検出する。つまり、本実施形態では、配電線の交流電圧値(Vac)に基づいて電力需給情報を取得している。そして、ステップ(S03)では、電圧上昇判定部(33)が交流電圧値(Vac)と第1閾値(Th1)とを比較する。電圧上昇判定部(33)による比較結果は、インバータ部(31)に出力される。
ステップ(S03)における比較の結果、交流電圧値(Vac)の方が第1閾値(Th1)よりも大きかった場合には、インバータ部(31)がステップ(S04)の処理を行う。このステップ(S04)では、インバータ部(31)は、スイッチングの制御を行って逆潮流させる電力(電圧)を低下させるとともに、回生抵抗器(40)に繋がるスイッチ(SW)をオンにすることによって、AC/DCコンバータ部(21)が出力する直流電力の一部を回生抵抗器(40)で消費させる(この運転を発電電力抑制運転と呼ぶ)。
一方、ステップ(S05)では、直流電圧検出部(22)がAC/DCコンバータ部(21)の直流電圧(Vdc)を検出する。また、ステップ(S06)では、流量指令決定部(24)が、直流電圧(Vdc)と、第2閾値(Th2)とを比較する。
ステップ(S04)の処理の開始直後は、発電機コントローラ(20)は、発電機(G)に対して、通常運転時と同様の発電を行わせている。このように系統連系インバータ(30)が電力抑制している状態で、発電機コントローラ(20)が通常の運転を行っていても、所定の期間は、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)であると考えられる。すなわち、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)の場合には、総流量(QT)は、当所の目標値である目標総流量(QT*)に収束している。
一方、系統連系インバータ(30)による電力(電圧)の抑制時間がある程度以上継続すると、直流電圧(Vdc)が上昇する場合がある。流量指令決定部(24)における比較の結果、直流電圧(Vdc)>第2閾値(Th2)であった場合には、ステップ(S07)の処理が行われる。ステップ(S07)では、流量指令決定部(24)が、発電電力の目標値を変更(目標値を低減)するとともに、変更後の発電電力の目標値に基づいて、流量指令値(Q1*)を変更(目標値を低減)することによって、流量制御部(25)に対して、発電電力抑制運転を指示する。
ステップ(S07)の処理が終わると、発電機コントローラ(20)における処理は、ステップ(S01)に移行する(この場合は、ステップ(S01)も前記発電電力抑制運転の一環と考えてよい)。このステップ(S01)では、既述の通り、流量指令値(Q1*)に基づいてAC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングの制御が行われる。
ステップ(S07)からステップ(S01)に処理が移った場合には、流量指令値(Q1*)が変更されており、水車(W)の流量(Q1)が低下する。すなわち、総流量(QT)は、当所目標としていた目標総流量(QT*)からずれることになる。また、水車(W)の流量(Q1)の低下にともなって発電機(G)の発電電力が低下し、配電線の電圧が電圧規制範囲(Vr)内に収められる。
このように、AC/DCコンバータ部(21)の出力電力が抑制された後は、スイッチ(SW)をオフにして、回生抵抗器(40)による電力消費を終了させる。なお、回生抵抗器(40)は、インバータ部(31)の電力抑制動作開始から、AC/DCコンバータ部(21)の電力抑制動作が開始されるまでの期間における電力を吸収しており、回生抵抗器(40)の容量は、当該期間の余分な電力を吸収できるように容量を設定する必要がある。
ステップ(S03)での比較の結果が交流電圧値(Vac)≦第1閾値(Th1)であった場合や、ステップ(S06)での比較の結果が直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)であった場合には、ステップ(S08)の処理が行われる。ステップ(S08)では、現在、前記発電電力抑制運転が行われている場合には、スイッチ(SW)をオフにして、回生抵抗器(40)による電力消費を終了させる。また、流量指令決定部(24)は、抑制されている電力を元に戻すように流量指令値(Q1*)を修正する。具体的には、流量指令決定部(24)は、流量指令値(Q1*)を元の値である目標総流量(QT*)に戻す(すなわち通常運転が行われる)。流量制御部(25)は、それに応じてAC/DCコンバータ部(21)を制御する(ステップ(S01))。また、インバータ部(31)でも発電機(G)の出力に応じたスイッチングが行われて、インバータ部(31)における交流電力の出力が行われる(ステップ(S01))。
〈本実施形態における効果〉
以上のように、本実施形態の水力発電システム(10)によれば、発電機コントローラ(20)によって発電機(G)の発電電力の抑制が行われる前に、まず、系統連系インバータ(30)と回生抵抗器(40)とによって電力抑制が行われる。そのため、電力抑制量が小さい場合には、発電機(G)の発電電力の抑制を行わずに済む場合がある。つまり、本実施形態では、電力を抑制する際に、流体の物理量(ここでは総流量)の変動をなるべく小さくすることが可能になる。
《実施形態1の変形例1》
水力発電システム(10)では、電力(交流電圧)及び流量の制御は、図4に示すフローを採用してもよい。なお、この例でも、水力発電システム(10)では、運転中は、第1電動弁(15)の開度は固定であるものとする。また、以下の制御例では、第2電動弁(16)は、運転中は全閉状態であるものとする。
図4のフローチャートに示したステップ(S01)では、水車(W)の流量(Q1)が目標値となるように、流量制御部(25)がAC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御する。詳しくは、本変形例では、第1電動弁(15)の開度を固定値とした状態において、流量制御部(25)は、例えばフィードバック制御によって、水車(W)の流量(Q1)が流量指令値(Q1*)となるようにAC/DCコンバータ部(21)のスイッチングを制御する。流量指令値(Q1*)は、通常運転時は目標総流量(QT*)である。水車(W)の流量(Q1)が流量指令値(Q1*)となると、発電機(G)の出力は、目標の発電電力に収束する。
なお、本変形例でも、第2電動弁(16)は、必ずしも、水力発電システム(10)の運転中に全閉としておかなくてもよい。例えば、通常運転時に、総流量(QT)を目標総流量(QT*)に維持しつつ、発電機(G)が最も効率がよい運転点(例えば発電機(G)において定格運転が行われる運転点)で運転されるように、第2電動弁(16)の開度を適宜、調整するようにしてもよい。
ステップ(S02)では、交流電圧検出部(32)が交流電圧値(Vac)を検出する。つまり、本変形例では、配電線の交流電圧値(Vac)に基づいて電力需給情報を取得している。そして、ステップ(S03)では、電圧上昇判定部(33)が交流電圧値(Vac)と第1閾値(Th1)とを比較する。電圧上昇判定部(33)による比較結果は、インバータ部(31)に出力される。
ステップ(S03)における比較の結果、交流電圧値(Vac)の方が第1閾値(Th1)よりも大きかった場合には、インバータ部(31)がステップ(S04)の処理を行う。このステップ(S04)では、インバータ部(31)は、スイッチングの制御を行って逆潮流させる電力(電圧)を低下させる(この運転を発電電力抑制運転と呼ぶ)。
一方、ステップ(S05)では、直流電圧検出部(22)がAC/DCコンバータ部(21)の直流電圧(Vdc)を検出する。また、ステップ(S06)では、流量指令決定部(24)が、直流電圧(Vdc)と、第2閾値(Th2)とを比較する。
ステップ(S04)の処理の開始直後は、発電機コントローラ(20)は、発電機(G)に対して、通常運転時と同様の発電を行わせている。このように系統連系インバータ(30)が電力抑制している状態で、発電機コントローラ(20)が通常の運転を行っていても、所定の期間は、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)であると考えられる。すなわち、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)の場合には、総流量(QT)は、当所の目標値である目標総流量(QT*)に収束している。
一方、系統連系インバータ(30)による電力(電圧)の抑制時間がある程度以上継続すると、直流電圧(Vdc)が上昇する場合がある。流量指令決定部(24)における比較の結果、直流電圧(Vdc)>第2閾値(Th2)であった場合には、ステップ(S07)の処理が行われる。ステップ(S07)では、回生抵抗器(40)に繋がるスイッチ(SW)をオンにすることによって、AC/DCコンバータ部(21)が出力する直流電力の一部を回生抵抗器(40)で消費させる。また、ステップ(S07)では、流量指令決定部(24)が、発電電力の目標値を変更(目標値を低減)するとともに、変更後の発電電力の目標値に基づいて、流量指令値(Q1*)を変更(目標値を低減)することによって、流量制御部(25)に対して、発電電力抑制運転を指示する。
ステップ(S07)の処理が終わると、発電機コントローラ(20)における処理は、ステップ(S01)に移行する(この場合は、ステップ(S01)も前記発電電力抑制運転の一環と考えてよい)。このステップ(S01)では、既述の通り、流量指令値(Q1*)に基づいてAC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングの制御が行われる。
ステップ(S07)からステップ(S01)に処理が移った場合には、流量指令値(Q1*)が変更されており、水車(W)の流量(Q1)が低下する。すなわち、総流量(QT)は、当所目標としていた目標総流量(QT*)からずれることになる。また、水車(W)の流量(Q1)の低下にともなって発電機(G)の発電電力が低下し、配電線の電圧が電圧規制範囲(Vr)内に収められる。
ステップ(S06)での比較の結果が直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)であった場合には、ステップ(S08)の処理が行われる。ステップ(S08)では、スイッチ(SW)をオフにして、回生抵抗器(40)による電力消費を終了させる。なお、回生抵抗器(40)は、直流電圧(Vdc)>第2閾値(Th2)の期間における電力を吸収しており、回生抵抗器(40)の容量は、当該期間の余分な電力を吸収できるように容量を設定する必要がある。
また、ステップ(S08)では、現在、前記発電電力抑制運転が行われている場合には、流量指令決定部(24)は、抑制されている電力を元に戻すように流量指令値(Q1*)を修正する。具体的には、流量指令決定部(24)は、流量指令値(Q1*)を元の値である目標総流量(QT*)に戻す(すなわち通常運転が行われる)。流量制御部(25)は、それに応じてAC/DCコンバータ部(21)を制御する(ステップ(S01))。また、インバータ部(31)でも発電機(G)の出力に応じたスイッチングが行われて、インバータ部(31)における交流電力の出力が行われる(ステップ(S01))。
なお、ステップ(S03)での比較の結果が交流電圧値(Vac)≦第1閾値(Th1)であった場合には、ステップ(S09)の処理が行われる。ステップ(S09)では、現在、系統連系インバータ(30)によって発電電力抑制運転が行われている場合には、系統連系インバータ(30)を定格運転に復帰させ、その後ステップ(S05)に移行する。
〈本変形例における効果〉
以上のように、本変形例の水力発電システム(10)においても、発電機コントローラ(20)によって発電機(G)の発電電力の抑制が行われる前に、まず、系統連系インバータ(30)によって電力抑制が行われる。そのため、電力抑制量が小さい場合には、発電機(G)の発電電力の抑制を行わずに済む場合がある。つまり、本変形例では、電力を抑制する際に、流体の物理量(ここでは総流量)の変動をなるべく小さくすることが可能になる。
《実施形態1の変形例2》
実施形態1や変形例1では、回生抵抗器(40)で消費させる電力を、所定のデューティー比でスイッチ(SW)のオンオフを繰り返すことによって調整してもよい。具体的には、発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えず、且つ管路(1)における総流量(QT)が所定の目標値となるように、回生抵抗器(40)で消費させる電力を調整するとよい。ただし、この場合において、回生抵抗器(40)で電力を消費しきれない場合(十分に交流電圧値(Vac)が下がらない場合)には、発電機コントローラ(20)において発電電力の抑制を行うことになる。
《実施形態1の変形例3》
実施形態1や変形例1では、直流電圧(Vdc)が第2閾値(Th2)を超えた場合でも、発電機コントローラ(20)による電力抑制運転モードを禁止する運転モードを設けてもよい。電力抑制運転モードを禁止した場合には、回生抵抗器(40)で電力を消費させる。発電機コントローラ(20)による電力抑制運転モードを禁止する運転モードは、例えば、直流電圧(Vdc)が第2閾値(Th2)を超える時間が比較的短いと予測される場合などに、流体の物理量(ここでは総流量)の変動を抑制することが可能になる。ただし、この場合においても、回生抵抗器(40)で電力を消費しきれない場合(十分に交流電圧値(Vac)が下がらない場合)には、発電機コントローラ(20)において発電電力の抑制を行うことになる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2では、第1流量計(17)や第2流量計(18)を用いない制御例を説明する。この制御を行うために、本実施形態では、流量制御部(25)のメモリディバイスには、特性マップ(M)が記憶されている(図5参照)。この特性マップ(M)は、縦軸を管路(1)の有効落差(H)、横軸を管路(1)から流出する流量(すなわち総流量(QT))としたH−Qマップ上に、発電機(G)において検出可能で、且つ水車(W)における流量(Q1)と有効落差(H)とに相関する特性を記録したものである。この例では、流量(Q1)と有効落差(H)とに相関する特性は、発電機(G)のトルク値(T)、回転速度(N)、発電電力(P)がある。より具体的に本実施形態の特性マップ(M)は、複数の等トルク曲線と、複数の等回転速度曲線をH−Qマップ上に記録したものであり、テーブル(数表)や、プログラム内の数式(関数)という形で、流量制御部(25)を構成するメモリディバイスに格納されている。
この特性マップ(M)において、発電機(G)に負荷をかけずトルク零値(T=0)とした場合の無拘束速度曲線と回転速度零値(N=0)の等回転速度曲線(N=0のときの等回転速度曲線を動作限界曲線と命名する)との間の領域は、水車(W)が水流により回転する水車領域(運転可能領域)であり、発電機(G)は、この水車領域において、水車(W)により回転駆動されて運転されるのを基本とする。前記無拘束速度曲線よりも左側の領域は、水車ブレーキ領域(力行領域)である。
前記水車領域において、複数の等トルク曲線は前記無拘束速度曲線(T=0)に沿い、マップ上、流量(Q1)の増大に応じてトルク値も増大する。また、複数の等回転速度曲線は回転速度零値(N=0)の等回転速度曲線に沿い、有効落差(H)が大きくなるほど回転速度も上昇する。更に、破線で示した等発電電力曲線は下に凸な曲線であって、有効落差(H)及び流量(Q1)の増大に応じて発電電力も増大する。この複数の等発電電力曲線の頂点を結ぶ曲線(E)は、発電機(G)が、最大発電電力を得る最大発電電力曲線である。このH−Qマップ上に発電機(G)のトルク値(T)、回転速度(N)、発電電力(P)を記録した特性マップ(M)は、水力発電システム(10)が接続される管路(1)とは無関係であり、水力発電システム(10)に固有の特性マップである。
そして、特性マップ(M)に、実際の運転で測定した管路(1)のシステムロスカーブ(S)を記録する。このシステムロスカーブ(S)もテーブル(数表)や、プログラム内の数式(関数)という形で、流量制御部(25)を構成するメモリディバイスに格納する。
システムロスカーブ(S)は、図1に示した管路(1)に固有の流動抵抗特性線であって、総流量(QT)=0のときの有効落差(H)が総落差(Ho)であり、総流量(QT)の増大に応じて有効落差(H)が二次曲線的に減少する特性を持ち、その曲率は図1の管路(1)固有の値を持つ。水力発電システム(10)を含む管路(1)における総流量(QT)とその際の有効落差(H)とは、システムロスカーブ(S)上の点に対応する。例えば、第2電動弁(16)を全閉状態にして、水車(W)にのみ水を流したとすると、水車(W)における流量が、水力発電システム(10)を含む管路(1)の総流量(QT)であり、その際の水車(W)の流量(Q1)と有効落差(H)に対応する点がシステムロスカーブ(S)上にある。換言すると、水車(W)の運転点は、システムロスカーブ(S)上にある。
また、水車(W)と第2分岐管(13)の両方に流体(水)を流したとすれば、水車(W)における流量と第2分岐管(13)における流量との合計値が、水力発電システム(10)を含む管路(1)の総流量(QT)であり、総流量(QT)とその際の有効落差(H)がシステムロスカーブ(S)上の点に対応し、水車(W)の運転点はシステムロスカーブ(S)上にはない。
例えば、発電機(G)の回転速度(N)と現在のトルク値(T)が分かれば、特性マップ(M)を用いることによって、水車(W)の運転点を知ることができ、それにより、水車(W)における現在の流量(Q1)を知ることができる。そうすると、総流量(QT)を知ることができる。また、第1分岐管(12)に並行して第2分岐管(13)にも流体を流している場合には、第2分岐管(13)の流量(Q2)も知ることができる。
これを具体的に図5で見ると、現在の運転点は、現在の回転速度(N)に対応した等回転速度曲線と、現在のトルク値(T)に対応した等トルク曲線との交点である。その運転点に対応した横軸目盛りの値である流量(Q1a)が水車(W)の流量(Q1)である。また、運転点を通り、横軸に平行な線とシステムロスカーブ(S)との交点を求め、その交点に対応した横軸目盛りの値である流量(QTa)がそのときの総流量(QT)である。そして、QTa−Q1aが、そのときの第2分岐管(13)の流量(Q2)である。
また、目標の発電電力を決めれば、特性マップ(M)を用いることによって、水車(W)の運転点を決定することができる。そうすると、既述の通り、水車(W)に流すべき流体の流量を決定することができ、その値を流量指令値(Q1*)として用いることができる。例えば、現在の総流量(QT)(流量(QTa)とする)に対応したシステムロスカーブ(S)上の点を通る、横軸に平行な線と、目標の発電電力に対応した等発電電力線との交点が目標の運転点となる(図5参照)。目標の運転点が決まれば、その運転点に対応した横軸目盛りの値である流量(Q1a)が、目標の発電電力を得るための流量指令値(Q1*)となる。
なお、有効落差(H)と水車(W)前後の圧力差とは比例関係にあるので、縦軸に水車(W)前後の圧力差(有効圧力差)をとったシステムロスカーブは、縦軸に有効落差(H)をとったシステムロスカーブ(S)と等価である。すなわち、縦軸に水車(W)前後の圧力差、横軸に総流量(QT)をとったシステムロスカーブを用いてもよい。
また、発電機(G)の特性マップ(M)上の運転点の把握は、回転速度(N)と発電電力(P)との組合せや、トルク値(T)と発電電力(P)との組合せであってもよい。つまり、特性マップ(M)に用いる発電機(G)の特性は、水車(W)における流量(Q1)と有効落差(H)とに相関する発電機(G)の特性で、且つそれが検出可能な特性であれば良い。
また、水車(W)における流量(Q1)と有効落差(H)とに、発電機(G)の特性(検出可能なもの)を対応づけることが可能であれば、水力発電システム(10)を構成する水車(W)や発電機(G)の形式は特には限定されない。例えば、発電機(G)により水車(W)の運転を可変できない場合でも、本実施形態のようにして流量(Q1)と有効落差(H)の推定が可能である。
〈本実施形態における効果〉
本実施形態で説明した総流量(QT)等の推定技術を、実施形態1の水力発電システム(10)やその変形例1〜3に適用すれば、第1流量計(17)や第2流量計(18)を用いずに、水車(W)の流量(Q1)や、第2分岐管(13)の流量(Q1)を把握できる。すなわち、本実施形態では、第1流量計(17)や第2流量計(18)を用いない制御が可能になり、第1流量計(17)や第2流量計(18)を省略できる。すなわち、本実施形態では、水力発電システム(10)のコストダウンが可能になる。
《発明の実施形態3》
実施形態3の水力発電システム(10)では、売電に際して、通常は、管路(1)によって供給する流体の圧力(すなわち流体の物理量であり、ここでは供給圧力と命名する)を所望の値(目標圧力(P*))に維持しつつ、電力系統(5)に電力を供給する(通常運転と呼ぶ)。そのため、本実施形態の水力発電システム(10)は、例えば、上水道(4)に設けられている減圧弁の代替装置として配置することができ、それにより、利用されていなかった、流体のエネルギーを電力として回収することができる。また、本実施形態の水力発電システム(10)では、後に詳述するように、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が予め定められた電圧規制範囲(Vr)となるように、発電電力の制御を行う。例えば、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が、電圧規制範囲(Vr)の上限値を超えそうになったら、電力系統(5)に供給する電力を抑制する発電電力抑制運転を行う。
図6に、実施形態3の水力発電システム(10)を含む管路(1)の全体概略構成を示す。本実施形態の管路(1)は、図6に示すように、流入管(11)、流出管(14)が接続されている。流入管(11)の流入端には貯留槽(2)が接続されている。流出管(14)の流出端には受水槽(3)が接続されている。
流入管(11)には、上流から下流に向かって順に、入口側圧力計(50)、第1電動弁(15)、及び水車(W)(詳しくは水車(W)の流体流入口)が接続されている。つまり、第1電動弁(15)は、水車(W)に直列接続されている。また、水車(W)の流体排出口には、流出管(14)が接続されている。この流出管(14)には、その途中に出口側圧力計(51)が接続されている。入口側圧力計(50)は、水車(W)へ供給される流体の圧力(P1)を検出し、出口側圧力計(51)は、水車(W)から流出する流体の圧力(P2)(いわゆる二次圧)を検出する。出口側圧力計(51)の検出値は、前記供給圧力に相当する。
第1電動弁(15)は、電動モータによって弁体を駆動することで流体の流量を制御する。第1電動弁(15)は、後述の発電機コントローラ(20)によって開度が制御される。これにより、水車(W)へ流入する流体の流量が制御される。
また、図7に、実施形態3の水力発電システム(10)の電力系統図を示す。同図に示すように、この水力発電システム(10)は、発電機コントローラ(20)と系統連系インバータ(30)とを備えている。系統連系インバータ(30)の構成は、実施形態1のものと同様であるが、発電機コントローラ(20)の構成は、実施形態1とは異なっている。具体的に、本実施形態の発電機コントローラ(20)は、実施形態1の流量検出部(23)に変えて圧力検出部(26)が設けられ、流量制御部(25)に代えて圧力制御部(27)が設けられている。
圧力検出部(26)は、入口側圧力計(50)及び出口側圧力計(51)の検出値を読み取り、周期的、或いは圧力制御部(27)の要求に応じて、検出値を圧力制御部(27)に送信する。また、圧力制御部(27)は、第1電動弁(15)の開度とAC/DCコンバータ部(21)のスイッチングとを後述のように制御することによって、通常は、管路(1)によって供給する流体の供給圧力を所望の値(目標圧力(P*))に維持しつつ、電力系統(5)に電力を供給する(通常運転と呼ぶ)。また、圧力制御部(27)は、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が予め定められた電圧規制範囲(Vr)となるように、発電電力の制御を行う。例えば、電力系統(5)の配電線の交流電圧値(Vac)が、電圧規制範囲(Vr)の上限値を超えそうになったら、電力系統(5)に供給する電力を抑制する発電電力抑制運転を行う。
〈制御動作〉
本実施形態では、通常運転時は、第1電動弁(15)の開度が調整されて、水車(W)の下流側の管路(1)における流体の圧力(いわゆる二次圧)が所定の目標圧力(P*)に調整される。また、この水力発電システム(10)でも、電圧上昇判定部(33)は、交流電圧検出部(32)の検出値をモニターしており、交流電圧値(Vac)が第1閾値(Th1)を超えたら、系統連系インバータ(30)による発電電力抑制運転が行われる。
系統連系インバータ(30)による発電電力抑制運転が行われている直後は、発電機コントローラ(20)は、発電機(G)に対して、通常運転時と同様の発電を行わせている。このように系統連系インバータ(30)が電力抑制している状態で、発電機コントローラ(20)が通常の運転を行っていても、所定の期間は、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)であると考えられる。すなわち、直流電圧(Vdc)≦第2閾値(Th2)の状態では、二次圧は、当所の目標値である目標圧力(P*)に収束している。
また、本実施形態の圧力制御部(27)には、直流電圧検出部(22)の検出値が送信されている。圧力制御部(27)は、直流電圧検出部(22)の検出値をモニターしており、例えば、系統連系インバータ(30)による発電電力抑制運転の結果、直流電圧検出部(22)の検出値が第2閾値(Th2)を超えた場合には、水力発電システム(10)では、発電機コントローラ(20)による発電電力抑制運転が行われる。
発電機コントローラ(20)による発電電力抑制運転では、圧力制御部(27)が、水車(W)の有効落差(H)を低減させることによって、発電電力を低下させる。それにより、最終的には、配電線の電圧が電圧規制範囲(Vr)内に収められる。なお、本実施形態でも、電力の抑制の必要がなくなったら、発電機コントローラ(20)、及び系統連系インバータ(30)は、通常運転を行う。
なお、本実施形態でも、発電電力抑制運転を行う場合には、回生抵抗器(40)によって電力を消費させる。回生抵抗器(40)に繋がるスイッチ(SW)をオンにするタイミングは、実施形態1のように、系統連系インバータ(30)による電力抑制を行う場合でもよいし、実施形態1の変形例1のように発電機コントローラ(20) による電力抑制を行う場合でもよい(図3,4を参照)。
〈本実施形態における効果〉
以上のように、本実施形態でも、発電機コントローラ(20)によって発電機(G)の発電電力の抑制が行われる前に、まず、系統連系インバータ(30)と回生抵抗器(40)によって電力抑制が行われる。したがって、本実施形態でも、電力抑制量が小さい場合には、発電機(G)の発電電力の抑制を行わずに済む場合がある。つまり、本実施形態でも、電力を抑制する際に、流体の物理量(ここでは流体の圧力)の変動をなるべく小さくすることが可能になる。
なお、実施形態3は以下のような構成としても良い。
〈1〉例えば、回生抵抗器(40)で消費させる電力は、所定のデューティー比でスイッチ(SW)のオンオフを繰り返すことによって調整してもよい。具体的には、発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えず、且つ管路(1)における圧力(P2)が所定の目標圧力(P*)となるように、回生抵抗器(40)で消費させる電力を調整するとよい。ただし、この場合において、回生抵抗器(40)で電力を消費しきれない場合(十分に交流電圧値(Vac)が下がらない場合)には、発電機コントローラ(20)において発電電力の抑制を行うことになる。
〈2〉また、直流電圧(Vdc)が第2閾値(Th2)を超えた場合でも、発電機コントローラ(20)による電力抑制運転モードを禁止する運転モードを設けてもよい。電力抑制運転モードを禁止した場合には、回生抵抗器(40)で電力を消費させる。発電機コントローラ(20)による電力抑制運転モードを禁止する運転モードは、例えば、直流電圧(Vdc)が第2閾値(Th2)を超える時間が比較的短いと予測される場合などに、流体の物理量(ここでは流体の圧力)の変動を抑制することが可能になる。ただし、この場合において、回生抵抗器(40)で電力を消費しきれない場合(十分に交流電圧値(Vac)が下がらない場合)には、発電機コントローラ(20)において発電電力の抑制を行うことになる。
《その他の実施形態》
なお、水力発電システム(10)は、閉流路の一例である管路(1)に限らず、開流路や、閉流路(例えば管路)と開流路が混在する流路にも設置できる。一例として、農業用水路に水力発電システム(10)を設置することが考えられる。
また、水車(W)に供給する流体は水には限定されない。例えば、ビルなどの空気調和装置に用いられるブラインを流体として利用することも考えられる。
また、流体の物理量として説明した流量や圧力は例示である。
また、水力発電システム(10)の設置場所は上水道(4)には限定されない。
本発明は、水力発電システムとして有用である。
1 管路(流路)
5 商用電源(電力系統)
10 水力発電システム
20 発電機コントローラ
30 系統連系インバータ
40 回生抵抗器(抵抗器)
G 発電機
W 水車(流体機械)

Claims (3)

  1. 流体が流れる流路(1)に配置される流体機械(W)と、
    前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、
    前記発電機(G)の発電電力を制御し、該発電機(G)の出力を受けて電力を出力する発電機コントローラ(20)と、
    前記発電機コントローラ(20)の出力を受けて電力系統(5)に電力を供給する系統連系インバータ(30)と、
    を備え、
    前記系統連系インバータ(30)は、前記電力系統(5)の電圧が第1閾値(Th1)を超えた場合に自身の出力を抑制し、
    前記発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えた場合に自身の出力を抑制する電力抑制運転モードを有し、
    前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)が出力する電力の所定量を抵抗器(40)で消費させ、
    前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えず、且つ前記流路(1)における総流量(QT)、及び前記流体の圧力(P2)の少なくとも一方が所定の目標値となるように、前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整することを特徴とする水力発電システム。
  2. 流体が流れる流路(1)に配置される流体機械(W)と、
    前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、
    前記発電機(G)の発電電力を制御し、該発電機(G)の出力を受けて電力を出力する発電機コントローラ(20)と、
    前記発電機コントローラ(20)の出力を受けて電力系統(5)に電力を供給する系統連系インバータ(30)と、
    を備え、
    前記系統連系インバータ(30)は、前記電力系統(5)の電圧が第1閾値(Th1)を超えた場合に自身の出力を抑制し、
    前記発電機コントローラ(20)は、自身の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えた場合に自身の出力を抑制する電力抑制運転モードを有し、
    前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記発電機コントローラ(20)が出力する電力の所定量を抵抗器(40)で消費させ、
    前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合に、前記発電機コントローラ(20)の出力電圧が第2閾値(Th2)を超えても、前記発電機コントローラ(20)における前記電力抑制運転モードを禁止するとともに前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整する動作モードを有することを特徴とする水力発電システム。
  3. 請求項又は請求項において、
    所定のデューティー比でオンオフされて、前記抵抗器(40)に流れる電流を断続するスイッチ(SW)を備え、
    前記系統連系インバータ(30)が出力を抑制する場合には、前記デューティー比を調整することによって、前記流路(1)における総流量(QT)、若しくは圧力(P2)が所定の目標値となるように前記抵抗器(40)で消費させる電力を調整することを特徴とする水力発電システム。
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