JP2018050360A - 水力発電システム - Google Patents

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敬宏 阿部
Takahiro Abe
敬宏 阿部
淳 須原
Atsushi Suhara
淳 須原
貴裕 横山
Takahiro Yokoyama
貴裕 横山
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Abstract

【課題】発電機の出力電力を低下させつつ、水路を流出する流量を可変とする水力発電システムを提供する。【解決手段】水量発電システムには、流体が流れる流路(1)に接続される流体機械(W)と、流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、発電機(G)で発電した電力を電力系統(5)に供給する電力供給回路(C)と、制御部(20)とが設けられる。制御部(20)は、流体機械(W)を流れる流体の流量が減少するように発電機(G)の出力電力を低下させる第1動作と、流体機械(W)を流れる流体の流量が増大するように前記発電機(G)の出力電力を低下させる第2動作とを実行させる。【選択図】図2

Description

本発明は、水力発電システムに関するものである。
従来より、流路(管路)を流れる流体(例えば水)によって発電を行う水力発電システムがある。例えば特許文献1に開示の水力発電システムは、管路に水車(流体機械)が接続される。流体によって水車が回転駆動されると、水車に接続される発電機が駆動される。発電機の出力電力は例えば逆潮流によって電力系統に供給される。
特開2014−214710号公報
ところで、発電機の出力電力が供給される電力系統において、電圧が過剰に上昇することを抑制するために、発電機の出力電力を低減させる制御が考えられる。この場合、例えば流体機械を流れる流体の流量を減少させることで、発電機の出力電力を低減できる。
一方、この制御では、流路を流出する流体の流量が必ず減少するため、例えば流路の下流側における流体の供給量の要求に応えることができない可能性がある。
本発明は、この問題に着目してなされたものであり、発電機の出力電力を低下させつつ、水路を流出する流量を増減できる水力発電システムを提供することである。
第1の態様は、水力発電システムを対象とし、流体が流れる流路(1)に接続される流体機械(W)と、前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、前記発電機(G)で発電した電力を電力系統(5)に供給する電力供給回路(C)と、前記流体機械(W)を流れる流体の流量が減少するように前記発電機(G)の出力電力を低下させる第1動作と、前記流体機械(W)を流れる流体の流量が増大するように前記発電機(G)の出力電力を低下させる第2動作とを実行させる制御部(20)とを備える。
この構成では、制御部(20)により、第1動作と第2動作とが切り換えて実行される。第1動作では、発電機(G)の出力電力が低下し且つ流体機械(W)を流れる流体の流量が減少する。このため、発電機(G)からの過剰な発電を抑制しつつ、流路(1)を流出する流体の流量を減らすことができる。第2動作では、発電機(G)の出力電力が減少し且つ流体機械(W)を流れる流体の流量が増大する。このため、発電機(G)からの過剰な発電を抑制しつつ、流路(1)を流出する流体の流量を増やすことができる。即ち、これらの第1動作と第2動作とを適宜切り換えることで、発電電力を抑制しつつ、流路(1)の流出する流体の流量を増減できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記制御部(20)が、前記発電機(G)の通常動作時に前記発電機(G)から前記電力系統(5)へ供給される電力の抑制要求を示す信号が入力されると、前記第1動作と前記第2動作のいずれかを実行させる。
この構成では、電力系統(5)へ供給される電力の抑制要求があるときに、第1動作及び第2動作のいずれかが実行される。これにより、発電機(G)の出力電力が低下するため、電力の抑制要求に速やかに応えることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記制御部(20)は、前記通常動作時に前記流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線に近づくように前記発電機(G)を制御し、前記第1動作時に前記流体機械(W)の運転点が前記最大発電電力曲線よりも無拘束速度曲線に近づくように前記発電機(G)を制御し、前記第2動作時に前記流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線よりも前記無拘束速度曲線から遠くなるように前記発電機(G)を制御する。
この構成では、発電機(G)の通常動作において流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線に近づくため、発電機(G)の発電量ないし発電効率を増大できる。
第1動作では、流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線よりも無拘束速度曲線に近づく。このため、第1動作では、通常動作と比較して流体機械(W)を流れる流体の流量が小さくなり且つ発電機(G)の出力電力が低下する。即ち、第1動作では、流体機械(W)を流れる流体の流量が小さくなることで、発電機(G)のトルクが低下するため、発電機(G)の出力電力が低下する。
第2動作では、流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線よりも無効速度曲線に遠くなる。このため、第2動作では、通常動作と比較して流体機械(W)を流れる流体の流量が大きくなり且つ発電機(G)の出力電力が低下する。即ち、第2動作では、流体機械(W)を流れる流体の流量が大きくなることで、発電機(G)の回転数が低下するため、発電機(G)の出力電力が低下する。
第4の態様は、第2又は第3の態様において、前記流路(1)を流出した流体を一時的に貯留する貯留部(3)と前記貯留部(3)の液位を検出する液位検出部(16)とを備え、前記制御部(20)は、前記抑制要求を示す信号が入力され、且つ前記液位検出部(16)の検出した液位が所定レベルより低い場合に、前記第2動作を実行させる。
この構成では、電力の抑制要求があり且つ貯留部(3)の液位が所定レベルよりも低い場合に、第2動作が実行される。この結果、発電機(G)の出力電力が小さくなり、貯留部(3)に供給される流体の流量が増大する。これにより、電力の抑制要求に速やかに応えるとともに貯留部(3)の液位を速やかに上昇できる。
第5の態様は、第4の態様において、前記制御部(20)は、前記抑制要求を示す信号が入力され、且つ前記液位検出部(16)で検出した液位が所定レベルより高い場合に、前記第1動作を実行させる。
この構成では、電力の抑制要求があり且つ貯留部(3)の液位が所定レベルよりも高い場合に、第1動作が実行される。この結果、発電機(G)の出力電力が小さくなり、貯留部(3)に供給される流体の流量が減少する。これにより、電力の抑制要求に速やかに応えるとともに貯留部(3)の液位が過剰に高くなってしまうことを抑制できる。
第6の態様は、第4又は第5において、前記流路(1)には、前記流体機械(W)を流れる流体の流量を調節する弁(14)が設けられ、前記制御部(20)は、前記液位検出部(16)で検出した液位が上限値に至ると、前記弁(14)を閉じ且つ前記発電機(G)を停止させ、前記液位検出部(16)で検出した液位が所定の下限値に至ると、前記弁(14)を開け且つ前記発電機(G)を運転させる。
この構成では、貯留部(3)の液位が上限値に至ると、流路(1)の弁(14)が閉じ発電機(G)が停止する。これにより、貯留部(3)の液位が上限値を越えてしまうことを回避できる。その後、貯留部(3)の液位が下限値に至ると、流路(1)の弁(14)が開き発電機(G)が運転される。これにより、発電機(G)の発電が再開されるとともに、貯留部(3)の液位が上昇する。このような動作を繰り返すことで、貯留部(3)の液位を下限値と上限値との間で確保しつつ、発電機(G)での発電を間欠的に継続できる。
第1の態様によれば、第1動作と第2動作とを適宜切り換えることで、発電機(G)の出力電力を抑えつつ、流路(1)から流出する流体の流量を減らしたり増やしたりできる。この結果、電力の抑制要求に応えると同時に、流路(1)の下流側での流量の要求にも応えることができる。
図1は、実施形態の水力発電システムの管路系を含む全体の概略構成図である。 図2は、水力発電システムの電力系統図である。 図3は、水力発電システムの特性マップを表したグラフである。 図4は、水力発電システムの特性マップにおいて、通常動作、第1電力抑制動作、及び第2電力抑制動作の運転点の一例を表したものである。 図5は、電力抑制要求がない条件における、受水槽の水位及び流量の変化を表したタイムチャートである。 図6は、電力抑制要求がある条件における、受水槽の水位及び流量の変化を表したタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
図1は、本発明の実施形態の水力発電システム(10)を含む管路(1)の全体概略構成を示す。この管路(1)は、落差を有して流体が流れるものであり、本発明の流路(水路)の一例である。本実施形態では、上水道(4)の一部である。この上水道(4)には、貯留槽(2)と受水槽(3)とが設けられており、本実施形態の管路(1)は、貯留槽(2)と、該貯留槽(2)の下流に設けられた受水槽(3)とを繋ぐ配管経路の途中に配置されている。
〈水力発電システム(10)〉
図1に示すように、水力発電システム(10)は、水車(W)と発電機(G)とを備えている。また、図2は、水力発電システム(10)の電力系統図であり、水力発電システム(10)は、発電機コントローラ(20)、系統連系インバータ(30)、及び回生抵抗器(40)を備えている。水力発電システム(10)では、発電した電力を電力系統(5)に供給している。この例では、電力系統(5)は、いわゆる商用電源であり、水力発電システム(10)では、電力系統(5)への電力供給(いわゆる逆潮流)によって、いわゆる売電を行っている。発電機(G)から電力系統(5)までの電気回路が、電力供給回路(C)を構成している。
−水車(W)−
水車(W)は、管路(1)の途中に配置されており、本発明の水力機械の一例である。この例では、水車(W)は、羽根車、及びケーシングを備えている(何れも図示は省略)。羽根車には、渦巻きポンプに備えるインペラが流用されている。この羽根車の中心部には、回転軸(19)が固定されている。そして、水車(W)は、ケーシングに形成された流体流入口(図示を省略)からの水流によりインペラが圧力を受けて回転して、回転軸(19)を回転させるようになっている。なお、水車(W)に流入した流体は、ケーシングに形成された流体排出口(図示を省略)から排出される。
−発電機(G)−
発電機(G)は、水車(W)の回転軸(19)に連結されて回転駆動され、発電を行う。この例では、発電機(G)は、永久磁石埋込型のロータと、コイルを有したステータとを備えている(何れも図示は省略)。
−配管系統−
水力発電システム(10)の管路(1)(配管系統)には、流入管(11)及び流出管(12)が直列に接続されている。本実施形態の管路(1)は、金属管(例えばダクタイル鋳鉄管)によって構成されている。流入管(11)の流入端には貯留槽(2)が接続される。流出管(12)の流出端には受水槽(3)が接続される。
流入管(11)には、上流から下流に向かって順に、流量計(13)及び電動弁(14)が接続される。流量計(13)は、例えば電磁式の流量計であり、水車(W)を流れる水の流量(Q)を検出する。電動弁(14)は、電動モータによって弁体を駆動することで水の流量を制御する。電動弁(14)は、水車(W)のメンテナンス等において閉状態となり、停止状態の水車(W)での水の通過を禁止する。電動弁(14)は、水力発電システム(10)の運転中において、所定開度(例えば固定値)で開放される。
−受水槽(3)−
図2に示すように、受水槽(3)は、管路(1)を流出した水を一時的に貯留する貯留部を構成している。受水槽(3)には、受水槽(3)内の水位(液位)を検出する液位検出部(16)が設けられる。液位検出部(16)は、例えば超音波式やフロート式等の種々の方式を採用できる。液位検出部(16)は、少なくとも、受水槽(3)の水位の上限値h1、受水槽(3)の水位の下限値h2、及び受水槽(3)の水位の中間値h3を検出する。中間値h3は、例えば上限値h1と下限値h2の中間の高さ(即ち、h3=(h1+h2)/2)に設定される。受水槽(3)に貯留した水は、所定の供給対象(図示省略)へ適宜供給される。
−発電機コントローラ(20)−
図2に示すように、発電機コントローラ(20)は、AC/DCコンバータ部(21)、直流電圧検出部(22)、流量検出部(23)、流量指令決定部(24)、及び流量制御部(25)、弁制御部(26)、電力抑制信号入力部(27)、及び液位信号入力部(28)を備えている。
AC/DCコンバータ部(21)は、複数のスイッチング素子を備え、発電機(G)によって発電された電力(交流電力)をスイッチングして直流電力に変換する。AC/DCコンバータ部(21)の出力は、平滑コンデンサ(図示を省略)によって平滑化され、系統連系インバータ(30)に出力される。
直流電圧検出部(22)は、AC/DCコンバータ部(21)の出力電圧を検出する。直流電圧検出部(22)による検出値(直流電圧(Vdc))は、流量指令決定部(24)に送信される。流量検出部(23)は、流量計(13)の検出値を読み取り、周期的、或いは流量制御部(25)の要求に応じて、該検出値を流量制御部(25)に送信する。
流量指令決定部(24)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。流量指令決定部(24)は、電力の目標値から、水車(W)の流量の目標値である流量指令値(Q*)を決定する。この際、電力の目標値は、通常は、例えば後述の定格出力であるが、その目標値は、後に詳述するように、直流電圧検出部(22)の検出値に応じて変更される。流量指令値(Q*)の生成には、例えば、予め前記プログラム内に定義した、関数、或いは、後述の特性マップ(M)が用いられる(詳細は後述する)。
流量制御部(25)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。このマイクロコンピュータやメモリディバイスは、流量指令決定部(24)を構成するものと共用してもよいし、別個に設けてもよい。この流量制御部(25)は、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御することによって、発電機(G)の発電電力を制御する。具体的には、流量制御部(25)は、流量指令値(Q*)と現在の流量(Q)との差に応じて、フィードバック制御を行うことによって、発電機(G)の発電電力(出力電圧)を制御している。
弁制御部(26)は、電動弁(14)の開度の調節や、開閉状態の切換を制御する。具体的に、弁制御部(26)は、発電機(G)が動作中であるときに電動弁(14)を開け、発電機(G)が停止中であるときに電動弁(14)を閉じる。
電力抑制信号入力部(27)には、電力抑制信号が入力される。電力抑制信号は、発電機(G)から電力系統(5)へ供給される電力の抑制要求を示す信号である。例えば電力抑制信号は、発電機コントローラ(20)から電力系統(5)までの間の所定箇所の電圧値に基づく。即ち、この電圧値が所定の閾値よりも大きい場合、電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力される。
液位信号入力部(28)には、受水槽(3)の液位検出部(16)の検出信号が入力される。
−系統連系インバータ(30)−
系統連系インバータ(30)は、インバータ部を構成する複数のスイッチング素子を備え、発電機コントローラ(20)からの直流電力を受けて、該直流電力をスイッチングすることによって交流電力に変換する。系統連系インバータ(30)が生成した交流電力は、電力系統(5)に供給(逆潮流)される。
−回生抵抗器(40)−
回生抵抗器(40)は、電力供給回路(C)における発電機コントローラ(20)(厳密にはAC/DCコンバータ部(21))と系統連系インバータ(30)との間に接続される。回生抵抗器(40)は、発電機(G)の余剰の発電電力を消費する抵抗器を構成する。回生抵抗器(40)の入力側には、スイッチ部(41)が設けられる。スイッチ部(41)は、水力発電システム(10)の通常運転においてはOFF状態となる。一方、スイッチ部(41)は、詳細は後述する電力抑制動作において、余剰の発電電力が生成されるタイミングで適宜ON状態に切り換わる。
〈水力発電システムの運転動作〉
水力発電システム(10)の運転動作について図1〜図6を参照しながら説明する。水力発電システム(10)では、通常動作、第1発電抑制動作、及び第2発電抑制動作が切り換えて行われる。通常動作は、発電機(G)の発電電力の抑制要求がない状態で実行される。第1発電抑制動作及び第2発電抑制動作は、発電機(G)の発電電力の抑制要求がある状態で実行される。この際、第1発電抑制動作と第2発電抑制動作とは、受水槽(3)の水位(即ち、管路(1)の下流側の水量の要求)に応じて切り換えられる。
−各パラメータの関係について−
各動作の詳細を説明する前に、水力発電システム(10)の運転パラメータの関係について図3のグラフを参照しながら詳細に説明する。図3のグラフ(特性マップ(M)ともいう)は、縦軸を管路(1)の有効落差(H)、横軸を管路(1)ないし水車(W)を流れる流量(Q)としている。ここで、有効落差(H)は、貯留槽(2)の液面から受水槽(3)の液面までの間の総落差(Ho)から、貯留槽(2)の水が管路(1)を経て受水槽(3)に至るまでの管路抵抗に相当する落差を減じたものである。
有効落差(H)と流量(Q)との関係は、図3に示す流動抵抗特性線(システムロスカーブ(S)ともいう)で表すことができる。システムロスカーブ(S)は、流量(Q)=0のときの有効落差(H)が総落差(Ho)であり、流量(Q)の増大に応じて有効落差(H)が二次曲線的に減少する特性を持つ。システムロスカーブ(S)の曲率は、図1の管路(1)に固有の値を持つ。水力発電システム(10)を含む管路(1)における流量(Q)とその際の有効落差(H)とは、システムロスカーブ(S)上の点に対応する。即ち、水車(W)の流量(Q)と有効落差(H)に対応する点(水車(W)の運転点)は、常にシステムロスカーブ(S)上にある。
図3の特性マップ(M)においては、水車(W)における流量(Q)と有効落差(H)とに相関する特性として、発電機(G)のトルク値(T)、発電機(G)の回転数(回転速度)(N)、発電機(G)の発電電力(W)を表している。
特性マップ(M)では、発電機(G)のトルク値(T)が0の曲線(無拘束速度曲線(T=0)という)と、発電機(G)の回転数(N)が0の曲線(動作限界曲線(N=0)という)との間に、水車(W)が水流により回転可能な領域(水車領域ないし運転可能領域という)が形成される。図3において、無拘束速度曲線よりも左側の領域は、水車ブレーキ領域(力行領域)である。
水車領域において、複数の等トルク曲線は無拘束速度曲線(T=0)に沿い、特性マップ(M)上、流量(Q)の増大に応じてトルク値(T)も増大する。また、複数の等回転速度曲線は動作限界曲線(N=0)に沿い、有効落差(H)が大きくなるほど回転数(N)も上昇する。システムロスカーブ(S)上においては、流量(Q)の減少に応じてトルク値(T)が減少する。また、システムロスカーブ(S)上においては、流量(Q)の増大に応じて回転数(N)が減少する。
破線で示した等発電力曲線は下に凸な曲線であって、有効落差(H)及び流量(Q)の増大に応じて発電電力(P)も増大する。この複数の等発電電力曲線の頂点を結ぶ曲線は、発電機(G)が、最大発電力を得る最大発電力曲線(E)である。システムロスカーブ(S)上においては、最大発電力曲線(E)を挟んで流量(Q)が小さくなる(即ち、無拘束速度曲線(T=0)に近づく)と、発電電力(P)が小さくなる。また、システムロスカーブ(S)上においては、最大発電力曲線(E)を挟んで流量(Q)が大きくなる(即ち、無拘束速度曲線(T=0)から遠くなる、あるいは動作限界曲線(N=0)に近づく)と、発電電力(P)が大きくなる。本実施形態では、このような特性を利用することで、詳細は後述する2つの電力抑制動作を切り換える。
以上のような特性マップ(M)の各パラメータの関係は、テーブル(数表)や、プログラム内の数式(関数)という形でメモリディバイスに格納可能である。発電機コントローラ(20)は、特性マップ(M)で表される各パラメータの関係を利用することで、水車(W)の流量(Q)を制御している。
−通常動作−
通常動作は、発電機(G)で定格ないし最大の発電電力を得るような動作である。通常動作は、電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力されていないときに実行される。通常動作では、電動弁(14)が所定の固定開度で開放される。また、流量制御部(25)は、水車(W)の運転点が最大発電電力曲線(E)に近づくように(即ち、図4の最大出力点aに至るように)発電機(G)を制御する。より具体的には、通常動作では、水車(W)の流量(Q)が最大出力点aに対応する流量(Qa)に近づくように、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御する。これにより、発電機(G)の発電電力は、最大の発電電力(最大出力点a)に収束していく。
−第1電力抑制動作−
第1電力抑制動作は、水車(W)を流れる水の流量を減少させるとともに、発電機(G)の発電電力を抑制する第1動作である。第1電力抑制動作は、発電機(G)の電力抑制の要求があり、且つ受水槽(3)内の水位に余裕があるときに実行される。具体的に、第1電力抑制動作は、電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力され、且つ受水槽(3)の水位が中間値h3と上限値h1との間であるときに実行される。
第1電力抑制動作では、電力抑制信号入力部(27)に入力された信号に基づいて、電力を抑制するための新たな発電電力の目標値が決定される。そして、流量指令決定部(24)は、図4に示すシステムロスカーブ(S)において、この目標値を満たすための運転点を決定する。ここで、第1電力抑制動作では、最大発電電力曲線(E)よりも無拘束速度曲線(T=0)に近い方の運転点bが目標となる。そして、流量指令決定部(24)は、この運転点bに対応する流量(Qb)を新たな流量指令値(Q*)とする。流量制御部(25)は、水車(W)の流量(Q)が運転点bに対応する流量(Qb)に近づくように、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御する。
このように第1電力抑制動作では、水車(W)の運転点が最大発電電力曲線(E)よりも無拘束速度曲線(T=0)に近づくように発電機(G)が制御される。これにより、通常動作よりも発電電力を低下させるとともに、受水槽(3)へ供給される水量を減少できる。
−第2電力抑制動作−
第2電力抑制動作は、水車(W)を流れる水の流量を増大させるとともに、発電機(G)の発電電力を抑制する第2動作である。第2電力抑制動作は、発電機(G)の電力抑制の要求があり、且つ受水槽(3)内の水位に余裕がないときに実行される。具体的に、第2電力抑制動作は、電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力され、且つ受水槽(3)の水位が下限値h2と中間値h3との間であるときに実行される。
第1電力抑制動作では、電力抑制信号入力部(27)に入力された信号に基づいて、電力を抑制するための新たな発電電力の目標値が決定される。そして、流量指令決定部(24)は、図4に示すシステムロスカーブ(S)において、この目標値を満たすための運転点を決定する。ここで、第2電力抑制動作では、最大発電電力曲線(E)よりも無拘束速度曲線(T=0)から遠い方の運転点cが目標となる。そして、流量指令決定部(24)は、この運転点cに対応する流量(Qc)を新たな流量指令値(Q*)とする。流量制御部(25)は、水車(W)の流量(Q)が運転点cに対応する流量(Qc)に近づくように、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御する。
このように第2電力抑制動作では、水車(W)の運転点が最大発電電力曲線(E)よりも無拘束速度曲線(T=0)から遠くなるように発電機(G)が制御される。これにより、通常動作よりも発電電力を低下させるとともに、受水槽(3)へ供給される水量を増大できる。
−受水槽(3)の水位に応じた発電機(G)の制御−
次いで、受水槽(3)の水位に応じた発電機(G)の制御の詳細について、図5及び図6のタイムチャートを参照しながら説明する。なお、図5及び6では、水位の変化を模式的に表している。
まず、発電の抑制要求がない場合の動作について図5に基づき説明する。水力発電システム(10)では、受水槽(3)の水位に応じて発電機(G)の運転と停止とが繰り返し行われる。例えば図5のt0において、上述した通常動作が開始されると、電動弁(14)が開放され、発電機(G)で発電が行われる。通常動作では、上述した流量(Qa)の水が受水槽(3)へ供給される。これにより、受水槽(3)の水位が徐々に高くなっていく。
そして、例えばt1において受水槽(3)の水位が上限値h1に至り、このことを示す信号が液位信号入力部(28)に入力されると、電動弁(14)を閉じるとともに発電機(G)を停止させる制御が行われる。この結果、受水槽(3)の水位が上限値h1を越えてしまうことを確実に回避できる。その後、受水槽(3)の水が所定の供給対象へ適宜送られることで、受水槽(3)の水位は徐々に低くなっていく。
そして、例えばt2において、受水槽(3)の水位が下限値h2に至り、このことを示す信号が液位信号入力部(28)に入力されると、電動弁(14)を開けるとともに発電機(G)を運転させる制御が行われる。この結果、受水槽(3)の水位が下限値h2を下回ることを確実に回避できる。その後、受水槽(3)の水位が再び高くなっていく。
このように、発電機コントローラ(20)は、液位検出部(16)で検出した液位が上限値h1に至ると、電動弁(14)を閉じ且つ発電機(G)を停止させる一方、液位検出部(16)で検出した液位が下限値h2に至ると、電動弁(14)を開け且つ発電機(G)を運転させる。これにより、受水槽(3)の水位を上限値h1と下限値h2との間に保持しつつ、発電機(G)での発電を間欠的に行うことができる。
次に、発電の抑制要求がある場合の動作について図6に基づき説明する。図6においては、期間T1及び期間T2において、電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力される例を示している。
例えばt3において発電機(G)が運転され通常動作が行われると、流量(Qa)の水が受水槽(3)へ供給される。その後、t4において電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力されるとする。このとき、受水槽(3)の水位は中間値h3よりも低いため、上述した第2電力抑制動作が実行される。この結果、発電機(G)の出力電力が低下するとともに、流量(Qa)よりも大きな流量(Qc)の水が受水槽(3)へ供給される。この結果、受水槽(3)の水位が比較的低い条件下では、受水槽(3)の水位を速やかに上昇できる。
その後、t5において受水槽(3)の水位が中間値h3よりも高くなると、上述した第1電力抑制動作が実行される。この結果、発電機(G)の出力電力は低いまま維持されるとともに、流量(Qa)よりも小さい流量(Qb)の水が受水槽(3)へ供給される。この結果、受水槽(3)の水位が比較的高い条件下では、受水槽(3)の水位の上昇を抑制できる。
その後、t6において電力抑制信号入力部(27)に電力抑制信号が入力されなくなると、通常動作が再び実行され、流量(Qa)の水が受水槽(3)へ供給される。
その後、t7において受水槽(3)の水位が上限値h1に至ると、発電機(G)が停止し、受水槽(3)の水位が低下していく。図6の例では、更に期間T2中におけるt8において、再び第2電力抑制動作が実行され、その後、t9において第1電力抑制動作が実行されている。
〈本実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態では、発電量の抑制要求がある条件において、受水槽(3)の水位が中間値h3より低いときに第2電力抑制動作を実行し、この水位が中間値h3よりも高いときに第1電力抑制動作を実行している。これにより、受水槽(3)の水位に余裕がないときには受水槽(3)に速やかに水を供給しつつ、発電電力の抑制要求に応えることができる。また、受水槽(3)の水位に余裕があるときには、水位の上昇を抑制しつつ、発電電力の抑制要求に応えることができる。この結果、電力を抑制する動作に伴い、受水槽(3)の水量が不足する、あるいは過剰となることを回避できる。
また、このように受水槽(3)の水量が不足することを確実に回避できるようにすると、例えば下限値h2の余裕率を大きく設定する(即ち、従来の下限値よりもやや高めに設定する)というような対策も不要となる。
〈その他の実施形態〉
管路(1)に設ける流量計(13)を省略し、上述した特性マップ(M)を用いて管路(1)を流れる水の流量を推定するようにしてもよい。
水力発電システム(10)は、管路(1)に限らず、開水路や、閉水路(例えば管路)と開水路が混在する流路にも設置できる。一例としては、農業用水路に水力発電システム(10)を設置することが考えられる。
また、水車(W)に供給する流体は水には限定されない。例えば、ビルなどの空気調和装置に用いられるブラインを流体として利用することも考えられる。
また、水力発電システム(10)の設置場所は上水道(4)には限定されない。
本発明は、水力発電システムとして有用である。
1 管路(水路)
3 受水槽(貯留部)
5 電力系統
14 電動弁(弁)
16 液位検出部
20 発電機コントローラ(制御部)

Claims (6)

  1. 流体が流れる流路(1)に接続される流体機械(W)と、
    前記流体機械(W)によって駆動される発電機(G)と、
    前記発電機(G)で発電した電力を電力系統(5)に供給する電力供給回路(C)と、
    前記流体機械(W)を流れる流体の流量が減少するように前記発電機(G)の出力電力を低下させる第1動作と、前記流体機械(W)を流れる流体の流量が増大するように前記発電機(G)の出力電力を低下させる第2動作とを実行させる制御部(20)と
    を備えている
    ことを特徴とする水力発電システム。
  2. 請求項1において、
    前記制御部(20)は、前記発電機(G)の通常動作時に前記発電機(G)から前記電力系統(5)へ供給される電力の抑制要求を示す信号が入力されると、前記第1動作と前記第2動作のいずれかを実行させる
    ことを特徴とする水力発電システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記制御部(20)は、
    前記通常動作時に前記流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線に近づくように前記発電機(G)を制御し、
    前記第1動作時に前記流体機械(W)の運転点が前記最大発電電力曲線よりも無拘束速度曲線に近づくように前記発電機(G)を制御し、
    前記第2動作時に前記流体機械(W)の運転点が最大発電電力曲線よりも前記無拘束速度曲線から遠くなるように前記発電機(G)を制御する
    ことを特徴とする水力発電システム。
  4. 請求項2又は3において、
    前記流路(1)を流出した流体を一時的に貯留する貯留部(3)と、
    前記貯留部(3)の液位を検出する液位検出部(16)とを備え、
    前記制御部(20)は、前記抑制要求を示す信号が入力され、且つ前記液位検出部(16)の検出した液位が所定レベルより低い場合に、前記第2動作を実行させる
    ことを特徴とする水力発電システム。
  5. 請求項4において、
    前記制御部(20)は、前記抑制要求を示す信号が入力され、且つ前記液位検出部(16)で検出した液位が所定レベルより高い場合に、前記第1動作を実行させる
    ことを特徴とする水力発電システム。
  6. 請求項4又は5において、
    前記流路(1)には、前記流体機械(W)を流れる流体の流量を調節する弁(14)が設けられ、
    前記制御部(20)は、
    前記液位検出部(16)で検出した液位が上限値に至ると、前記弁(14)を閉じ且つ前記発電機(G)を停止させ、
    前記液位検出部(16)で検出した液位が所定の下限値に至ると、前記弁(14)を開け且つ前記発電機(G)を運転させる
    ことを特徴とする水力発電システム。
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