JP6805098B2 - 2相性ゲル状ソース - Google Patents

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Description

本発明は2相性ゲル状ソースに関する。詳細には、常温では内部ソース層が外部ソース層に被覆された2相の固形状であるが、加熱食品に合わせることで溶解して2相が合わさった液状のソースとなる、2相性ゲル状ソースに関する。
ゲル相と液相の両方を含有する食品が提案されている。特許文献1には、表層部分にゲル化層、下方部分は液体又はソル状組成物の層を有する容器入りゼリー状食品が記載されている。特許文献2には、ゲル状物の内部に液状食品の1又は2以上の層を有するゲル状食品が記載されている。これらの食品は、ゲルを溶解させることなく食し、ゲルの食感を味わうものである。
ゲル状で保存し、加熱融解させて喫食するゲル状調味料が提案されている。特許文献3には、常温でゲル化した調味液と食品をインスタント加温容器中で加温して喫食するインスタント食品が記載されている。特許文献4には、常温で固体であり、調理時の加熱でペースト状になる固形ソースが記載されている。これらの調味液又はソースを喫食に適した程度に液状にするには、加熱器具によるソースの加熱を要する。
ハンバーグやパスタなどの食品に用いられるソースは、適用される食品にソースの風味を付与する他、固形状の食品と液状のソースとの調和により口腔内を程よく刺激する食感や、食品に食欲をそそる外観を与えることにも貢献している。このようなソースは、食品全体に広がりやすい一方で、食品から流れ落ちずに付着していられるように適度な流動性と粘性を有する液状であることが好ましい。
特開平11−196787号公報 特開2002−027925号公報 実開昭63−186182号公報 特開平11−028073号公報
ハンバーグやパスタなどの温かい状態で食する食品にソースを適用する場合、従来、ソースを食品とともに又は別途に加熱するのが一般的である。しかし、この方法では、ソースを温める作業が必要であり、また、温めた液状のソースを食品に適用する際に、周囲にはねたりこぼれたりするなどの問題があった。さらに、温めて流動性が高くなったソースが適用した食品から流れ落ちてしまい、食品に付着しにくいということがあった。
本発明者は、常温固形で保存することができるとともに、固形のまま温かい食品に適用すれば、該食品の熱により適度な流動性を有する液状のソースに変化するゲル状ソースを開発した。
本発明は、2相性ゲル状ソースであって、外部ソース層とこれに被覆された内部ソース層とを有し、該外部ソース層は第1ゲル状ソースからなり、該内部ソース層は第2ゲル状ソースからなり 、該第1ゲル状ソースのゲル溶解温度は45〜75℃であり、該第2ゲル状ソースのゲル溶解温度は該第1ゲル状ソースのゲル溶解温度よりも低温である、2相性ゲル状ソースを提供する。
また本発明は、当該2相性ゲル状ソースを加熱された食品に適用することを含む、ソース付食品の製造方法を提供する。
本発明の2相性ゲル状ソースは、固形のまま保存し、かつ食品に添加することができるので、取り扱いが容易である。また本発明のゲル状ソースは、固形のまま食品に適用することができるため、予め加熱器具を用いてソースを加熱する必要がなく、また食品への適用の際にソースがはねたりして周囲を汚すことがないという利点を有する。
本発明は、外部ソース層と、これに被覆された内部ソース層とを有する2相性ゲル状ソースを提供する。当該外部ソース層と内部ソース層は、各々、特定のゲル溶解温度を有する熱可逆性のゲルである。本明細書において、熱可逆性のゲルとは、低温域ではゲル状(固形状)であり、高温域では流動性を有するゾル(液状)の形態に変化するゲルをいう。また本明細書において、ソースのゲル溶解温度とは、一旦ゲルになったソースを再加熱して、再びゾルになる際の温度をいう。より詳細には、日本工業規格JIS K 6503:2001「にかわ及びゼラチン」における「5.8 融点」に記載される融点測定方法に準拠して、好ましくは後述の実施例の参考1に記載される手順で、測定される温度をいう。
本発明の2相性ゲル状ソースにおいて、当該外部ソース層と内部ソース層は、それぞれゲル状ソースからなる。該外部ソース層を構成するゲル状ソース(本明細書において第1ゲル状ソースともいう)は、該内部ソース層を構成するゲル状ソース(本明細書において第2ゲル状ソースともいう)と比べてゲル溶解温度が高く、相対的により高温で溶解してゾル化する。逆に、第2ゲル状ソースは第1ゲル状ソースよりもゲル溶解温度が低く、相対的により低温で溶解してゾル化する。
より詳細には、当該外部ソース層を構成する第1ゲル状ソースは、ゲル溶解温度が45〜75℃であり、好ましくは50〜70℃である。好ましくは、該第1ゲル状ソースは、45℃未満でゲル状であり、より高温でゾル化する。したがって、該外部ソース層は常温(例えば40℃以下)ではゲル状である一方で、通常の調理直後の温度(75〜90℃程度)の食品に適用されると、ゲル状から流動性のあるゾル状に変化する。
一方、当該内部ソース層を構成する第2ゲル状ソースのゲル溶解温度は、該第1ゲル状ソースのゲル溶解温度よりも低温であり、好ましくは15〜40℃、より好ましくは20〜35℃である。本発明の2相性ゲル状ソースにおいては、該内部ソース層は該外部ソース層に被覆されているため、該内部ソース層への外部からの温度伝達は該外部ソース層を経由する。該第2ゲル状ソースのゲル溶解温度を該第1ゲル状ソースよりも低温に設計することで、本発明の2相性ゲル状ソースにおいて外部からの熱により外部ソース層が溶解する場合、内部ソース層もともに速やかに溶解してゾル化する。
上記のような外部ソース層と内部ソース層とを有する本発明の2相性ゲル状ソースは、常温(例えば40℃以下)ではほぼ固形状であり、取扱性に優れる。一方で、本発明の相性ゲル状ソースは、通常の調理直後の温度(75〜90℃程度)の食品に適用すると、外部ソース層と内部ソース層がともに溶解してゾル化し、分散する。ゾル化した2つのソース層は、容易に混合、均一化されて液状のソースとなる。得られた該液状のソースは、分散性及び付着性が良く、食品にムラなく付着し、かつ喫食時の口当たりが良好である。さらに、本発明の2相性ゲル状ソースは、外部ソース層と内部ソース層の溶解温度を上述した範囲に調整することで、ソースを加熱器具(例えば、湯煎、電子レンジ、ヒーター等)で積極的に加熱することなく、加熱された温かい食品に適用することで喫食に適した液状ソースを得ることを可能にするように設計されている。
上記のようなゲル溶解温度を有する第1ゲル状ソース及び第2ゲル状ソースは、ソースに適切な増粘剤を含有させることで調製することができる。該第1及び第2ゲル状ソースに含めることができる増粘剤としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、タラガム、ジェランガム、LM(Low methyl ester)ペクチン、HM(High methyl ester)ペクチン等の澱粉以外の多糖類や、ゼラチン、ヒアルロン酸等の蛋白質が挙げられる。中でも、ゲルの性状や、ゾル化したソースの食品に対する付着性の観点からは、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天及びゼラチンが好ましい。該第1及び第2ゲル状ソースは、そのゲル溶解温度が適切な範囲となる限りにおいて、上記に挙げた増粘剤からなる群より選択されるいずれか1種又はいずれか2種以上の組み合わせを含有することができる。
上記増粘剤の中には、ローカストビーンガムやキサンタンガムのように、単独ではゲル化しないが、熱処理などを加えることによりゲル化するものがある。また、ゼラチンやLMペクチンのように、30℃〜40℃程度の低温でも溶解してしまうものもある。このように、1種類の増粘剤を使用するだけでは、当該第1及び第2ゲル状ソースを所望のゲル溶解温度に設計することが難しいことがある。あるいは、1種類の増粘剤だけで該第1及び第2ゲル状ソースを所望のゲル溶解温度に設計しようとすると、該増粘剤に特殊な加工を施す必要が生じる場合があるが、そのような加工はソースの風味や食感に悪影響が及ぼす恐れがある。したがって、該第1及び第2ゲル状ソースを所望のゲル溶解温度に設計するためには、上記増粘剤を2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
当該第1ゲル状ソースに含まれる増粘剤の好ましい例としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天及びゼラチンからなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられ、ローカストビーンガム及びキサンタンガムの組み合わせ、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びカラギーナンの組合せ、カラギーナン、ならびに、カラギーナン及びゼラチンの組み合わせがより好ましく、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びカラギーナンの組合せがさらに好ましい。該第1ゲル状ソースにおけるローカストビーンガム、キサンタンガム及びカラギーナンの好ましい含有比は1〜2:1〜2:6〜12であり、ローカストビーンガム及びキサンタンガムの好ましい含有比は1〜2:1〜2であり、カラギーナン及びゼラチンの好ましい含有比は0.2〜0.4:3〜6である。
当該第2ゲル状ソースに含まれる増粘剤の好ましい例としては、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン及びゼラチンからなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられ、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びゼラチンの組合せ、カラギーナン及びゼラチンの組合せ、ならびにゼラチンがさらに好ましい。該第2ゲル状ソースにおけるローカストビーンガム、キサンタンガム及びゼラチンの好ましい含有比は1〜2:1〜2:10〜20であり、カラギーナン及びゼラチンの好ましい含有比は0.2〜0.4:3〜6である。
当該第1及び第2ゲル状ソースそれぞれにおける上記増粘剤の合計含有量は、いずれのソースの場合も、全質量中、好ましくは0.15〜3.5質量%程度、より好ましくは0.2〜2質量%程度、さらに好ましくは0.2〜1.5質量%程度である。したがって、本発明の2相性ゲル状ソース中の増粘剤の合計含有量もまた、好ましくは0.15〜3.5質量%程度、より好ましくは0.2〜2質量%程度、さらに好ましくは0.2〜1.5質量%程度である。該増粘剤の含有量が多すぎても少なすぎても、所望のゲル溶解温度にならない。
ゾル化した際の第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの分散性や混合性、及び混合したソースの食品への付着性を考慮すると、当該第1及び第2ゲル状ソースは、ゾル化した状態(80℃)での粘度が、好ましくはで500〜1000CPS、より好ましくは700〜900CPSである。
本発明の2相性ゲル状ソースにおいて、当該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの質量比(外部ソース層と内部ソース層の質量比)は、好ましくは1:2〜10である。質量比がこの範囲にあると、本発明の2相性ゲル状ソースを温かい食品に添加した際の溶解性や分散性がよく、食品にソースをムラなく付着させやすい。より好ましくは、該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの質量比は1:3〜8である。
本発明の2相性ゲル状ソースにおいて、当該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの比重差(外部ソース層と内部ソース層の比重差)は、好ましくは−0.3〜0.3g/cm3である。比重差がこの範囲にあると、本発明の2相性ゲル状ソースを温かい食品に添加した際に第1及び第2ゲル状ソースが均一に混ざりやすいので、食品にソースをムラなく付着させやすい。より好ましくは、該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの比重差は、−0.2〜0.2g/cm3である。
本発明の2相性ゲル状ソースにおいて、当該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの水分活性は、それぞれ好ましくは0.9以下であり、かつ該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースとの水分活性の差は、好ましくは0.05以内である。水分活性の値がこの範囲であると、外部ソース層と内部ソース層の間で成分の移動が少ないので、本発明の2相性ゲル状ソースの保存安定性が向上し、品質が保たれる。より好ましくは、該第1ゲル状ソースと第2ゲル状ソースの水分活性の差は、0.03以内である。
当該第1及び第2ゲル状ソースは、ゲル溶解温度、比重、水分活性及び粘度が上述した所定の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記増粘剤に加えて、通常ソースに含まれ得る他の成分を含有することができる。そのような他の成分としては、水、食塩、調味料、だし、植物エキス、動物エキス、穀粉、糖質、脂質、蛋白質、色素、乳化剤等を挙げることができるが、これらに限定されない。
当該第1及び第2ゲル状ソースの製法は特に限定されない。例えば、予め常法により通常のソースを製造し、次いで、これに増粘剤を添加した後、必要に応じて水分を揮発させたり調味料を加えること等により比重、水分活性及び粘度が上述した範囲となるように調整することで、該第1及び第2ゲル状ソースを製造することができる。あるいは、該第1及び第2ゲル状ソースは、常法により比重、水分活性が上記範囲のソースを製造し、次いでこれに増粘剤を加えることで製造することができる。
本発明の2相性ゲル状ソースは、予め当該第1及び第2ゲル状ソースを各々準備し、次いで、該第1ゲル状ソースで第2ゲル状ソースを被覆するように各々のソースを配置することによって、製造することができる。第1ゲル状ソースで第2ゲル状ソースを被覆する手段としては、例えば、第1ゲル状ソースのゾル相の内部に充填機等を用いて第2ゲル状ソースを充填し、その後全体を冷却してゲル化した外部ソース層と内部ソース層を形成する方法や、ゲル化した第2ゲル状ソースの表面にゾル状の第1ゲル状ソースを少量ずつ付着させ冷却する作業を繰り返し、第2ゲル状ソースの層の上に第1ゲル状ソースの層を形成させる方法や、第1ゲル状ソースのゲルのカプセルを形成し、これにゾル状の第2ゲル状ソースを充填して冷却する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の2相性ゲル状ソースは、通常の保存条件(例えば常温)下でゲル状であり、固体の状態で常温保存することができる。さらに、本発明のソースを包装容器に封入し、殺菌処理等の微生物制御処理を行うことで、常温での長期保存も可能である。
本発明の2相性ゲル状ソースの形状及び大きさは、加熱された温かい食品に適用したときに、該食品から得た熱でゾル化することを可能にする形状及び大きさであればよい。例えば、本発明のソース1食分の分量は、好ましくは20〜60g程度であるが、適用する食品の種類によって適宜変更可能である。またその形状としては、例えばブロック状、カップ状、シート状、ボール状等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の2相性ゲル状ソースは、複数食分をまとめて1つの塊として成形してもよいが、1食分ごとの塊に分離しておくと、喫食の際に簡便に人数分のソースを用意することができるため好ましい。また本発明のソースは、1食分ごとに個包装されていてもよいが、複数個の1食分のソースをまとめて1つの容器に入れてもよい。本発明の2相性ゲル状ソースは常温で固形であるため、複数個をまとめて1つの容器に入れても混ざることが無く、使用する際には容易に必要単位だけ取出すことができる。
本発明の2相性ゲル状ソースの包装容器としては、保存中に固形状ソースの形状を変形させるようなものでなければ、どのような種類のものでもよく、ソースの形状や収納する個数に合わせて適切な容器を選択することができる。さらに、個包装した複数個のソースを1つの容器に収めてもよい。
本発明の2相性ゲル状ソースは、加熱された食品に適用される。本発明の2相性ゲル状ソースが適用される際の該食品の品温は、好ましくは70℃以上、より好ましくは75〜90℃である。このような温度の加熱された食品としては、例えば茹で、蒸し、電子レンジ加熱、焼き調理、オーブン加熱等により加熱調理又は再加熱された食品が挙げられる。したがって、本発明の2相性ゲル状ソースを適用可能な食品の種類としては、70℃以上の温度に加熱して喫食する食品であれば特に制限はなく、例えばハンバーグ、パスタ等の麺類、飯類、パン、ピザ、ホットケーキ等が挙げられる。好ましくは、本発明の2相性ゲル状ソースは、パスタソース(例えば、スパゲティソース、グラタンソース等)である。当該加熱された食品に対して本発明のソースをゲルの状態で適用すれば、該食品の熱によりゲルが溶解し、液状のソースの付いたソース付食品が得られる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(参考1 ゲル溶解温度の測定)
ソースのゲル溶解温度は、日本工業規格JIS K 6503:2001「にかわ及びゼラチン」における「5.8 融点」に記載される融点測定方法に準拠し、以下のように測定した。ガラス製の融点測定管に加熱したソースを入れ、氷冷してゲル化させ、下端に気泡を含んだゲル状ソースを充填した融点測定管を作製した。これを5℃又は20℃の水を入れた恒温水槽にセットし、加温装置で恒温水槽内の水が1℃/1分で上昇するように加温した。ゲル状ソースの気泡が上昇して融点測定管の標線に達したときの水温をゲル溶解温度とした。
(製造例1 ゲル状ソースの調製)
市販のカルボナーラソース(日清フーズ製)から具材を取り除いたものをベースソースとした。このベースソースを鍋に入れて火にかけ、温度80℃以上を維持しながら、表1に示す増粘剤を加え、均一になるまでよく撹拌し、ゲル溶解温度の異なるソースを調製した。製造したソースはいずれも、粘度が500〜1000CPSの範囲、水分活性が0.9以下であった。各ソースの水分活性の差は0.05以内であり、比重差は−0.3〜0.3g/cm3の範囲であった。
Figure 0006805098
(製造例2 2相性ゲル状ソースの調製)
直径8cmと6cmの径の異なる半球状のボウルを用意し、直径8cmのボウルに溶解した第1ソースを注ぎ、ここに6cmのボウルを入れて冷却し、ドーム状の第1ソースのゲル層を形成した。第1ソースのゲル層の内部に第2ソースを充填し、冷却して、半面が第1ソース層に覆われた半球状の第2ソースのゲルを得た。この半球状のゲルを球体になるように2つ組み合わせ、次いで、得られた球体上の第1ソース層の接触部の上からゾル状の第1ソースをさらに塗布し、冷却して、第1ソース層で第2ソース層が被覆された2相性ゲル状ソース(30g/個)を製造した。
(試験例1)
製造例1で調製したソースを用いて製造例2の手順で2相性ゲル状ソースを製造した。該2相性ゲル状ソースの第1ソース(外層)と第2ソース(内層)には、製造例1で調製したソースを表2〜3に記載される組み合わせで用いた。
乾スパゲティ70gを沸騰水で茹で調理し、茹でスパゲティを製造した。これを湯切りして熱いまま皿に取り、その上に、2相性ゲル状ソース1食分30gを乗せ、箸でかき回してスパゲティにソースを付着させ、ソース付きスパゲティを製造した。その際のスパゲティへのソースの分散性・混合性を下記評価基準で評価した。また製造したソース付きスパゲティの風味・食感を下記評価基準で評価した。評価は10名のパネラーにより行い、平均値を求めた。その結果を表2〜3に示す。
<ソース分散性・混合性>
5点 外層のソースが速やかに溶解して内層のソースが露出し、内層のソースも素早く分散して、外層と内層のソースを均一に混合するためのかき回し操作が極めて容易。非常に良好
4点 内層のソースの露出と分散がバランスよく、外層と内層のソースを均一に混合するためのかき回し操作が容易。良好
3点 内層のソースの露出と分散のバランスがやや悪く、外層と内層のソースを均一に混合するまでのかき回し操作がやや多くなる。やや良好
2点 内層のソースの露出と分散のバランスが悪く、外層と内層のソースを均一に混合するためにかき回し操作が多く必要。不良
1点 内層のソースの露出と分散がうまくいかず、かき回しても外層と内層のソースの混ざり具合にムラが残る。非常に不良
<ソース付きスパゲティの風味・食感>
5点 ソースが滑らかで、かつスパゲティ全体にムラなく付着しているため、ソースとスパゲティの風味と食感に非常に一体感がある。非常に良好
4点 ソースが滑らかで、かつスパゲティ全体にほぼムラなく付着しているため、ソースとスパゲティの風味と食感に一体感がある。良好
3点 ソースがややざらつきがあり、かつややムラ気味にスパゲティ全体に付着しているため、ソースとスパゲティの風味と食感が不十分
2点 ソースにざらつきがあり、かつスパゲティ付着にムラがあり、風味と食感が不良
1点 ソースにざらつきが多く、スパゲティ付着にもムラが多く、非常に不良
Figure 0006805098
Figure 0006805098
(試験例2)
試験例1と同様の手順で、ただし第1ソース(外層)と第2ソース(内層)の質量比を変更して、2相性ゲル状ソースを製造し、評価した。該2相性ゲル状ソースの第1ソース(外層)と第2ソース(内層)には、製造例1で調製したソースを表4に記載される組み合わせで用いた。その結果を表4に示す。
Figure 0006805098

Claims (11)

  1. 2相性ゲル状ソースであって、外部ソース層とこれに被覆された内部ソース層とを有し、該外部ソース層は第1ゲル状ソースからなり、該内部ソース層は第2ゲル状ソースからなり、該第1ゲル状ソースのゲル溶解温度は45〜75℃であり、該第2ゲル状ソースのゲル溶解温度は該第1ゲル状ソースのゲル溶解温度よりも低温である、2相性ゲル状ソース。
  2. 前記第2ゲル状ソースのゲル溶解温度が15〜40℃である、請求項1記載の2相性ゲル状ソース。
  3. 前記第1ゲル状ソースと前記第2ゲル状ソースの質量比が、1:2〜10である、請求項1又は2記載の2相性ゲル状ソース。
  4. 前記第1ゲル状ソースがローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天及びゼラチンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  5. 前記第2ゲル状ソースがローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン及びゼラチンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  6. 前記第1ゲル状ソースと前記第2ゲル状ソースとの比重差が−0.3〜0.3g/cm3である、請求項1〜5のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  7. 前記第1ゲル状ソースと前記第2ゲル状ソースとの水分活性の差が0.05以内である、請求項1〜6のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  8. 20〜60gの塊である、請求項1〜7のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  9. 1食分ごとに個包装されている、請求項1〜8のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  10. パスタソースである、請求項1〜9のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソース。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の2相性ゲル状ソースを加熱された食品に適用することを含む、ソース付食品の製造方法。
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