JP6801757B2 - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Description

本開示は、無線通信装置及び無線通信方法に関する。
無線システムでは、複数の無線端末が同一の無線リソース(周波数及び時間)を用いてデータの送信を行った場合に、互いのデータが衝突を起こして干渉となってしまい、受信側でデータの受信に失敗する場合がある。このため、同一周波数を使用する無線端末が複数存在する場合、データが衝突することのないよう、ある時間帯では一つの無線端末がその周波数を極力専有してデータを送信することが可能となる仕組みが提供されることが望ましい。
このような仕組みを提供する技術のひとつに、キャリアセンスを用いて衝突を回避する技術がある。本技術では、無線端末は、データ送信前に受信モードとなって、使用する周波数チャネル(以下、チャネルとも称する)における受信電力を測定する。そして、無線端末は、測定された受信電力を閾値判定して、無線リソースの空きを確認するまで送信を抑制することにより、データの衝突を回避する。この閾値を、以下ではキャリアセンスレベルとも称する。送信を抑制して衝突を回避したり、逆に送信の過剰な抑制を回避したりするために、適切にキャリアセンスレベルを設定する技術が望まれている。
例えば、下記特許文献1では、キャリアセンスレベルを一時的に変更することで、メディアアクセスを効率的に行う技術が開示されている。
特開2007−134905号公報
しかし、上記特許文献に開示された技術では、キャリアセンスレベルを変化させている無線端末が、キャリアセンスレベルを変化させていない無線端末に対してデータの送信権を獲得する可能性が高くなるため、送信機会の不公平が発生してしまう。そこで、本開示では、キャリアセンスレベルを変化させた場合に発生する送信機会の不公平を低減することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置及び無線通信方法を提案する。
本開示によれば、他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、第1のキャリアセンスレベルを設定し、設定した第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて、前記無線通信部がデータ送信に用いるパラメータを制御する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、キャリアセンスレベルを変更可能な前記他の装置において、設定される第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を生成する制御部と、を備え、前記無線通信部は、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を前記他の装置に送信する、無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、第1のキャリアセンスレベルを設定し、設定した第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて、データ送信に用いるパラメータを制御すること、を含む無線通信方法が提供される。
また、本開示によれば、他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、キャリアセンスレベルを変更可能な前記他の装置において、設定される第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を生成することと、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を前記他の装置に送信することと、を含む無線通信方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、キャリアセンスレベルを変化させた場合に発生する送信機会の不公平を低減することが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
DSCについて説明するための説明図である。 一実施形態に係る通信システムの概要を説明するための図である。 第1の実施形態に係る基地局の論理的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るHE端末の論理的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る通信システムにおいて実行されるDSC使用許可処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 第1の実施形態に係るHE端末によるデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るHE端末によるDSC使用決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るHE端末によるDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るHE端末によるDSC使用決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るチャネルの一例を説明するための説明図である。 第3の実施形態に係る通信システムにおいて実行されるDSC使用許可処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 第3の実施形態に係る通信システムにおいて実行されるDSC使用許可処理の流れの一例を示すシーケンス図である。 第3の実施形態に係るHE端末によるデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るHE端末によるデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る基地局の論理的な構成の一例を示すブロック図である。 第5の実施形態に係るHE端末の論理的な構成の一例を示すブロック図である。 第5の実施形態に係る通信システムにおいて実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。 第5の実施形態に係る通信システムにおいて実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。 第5の実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。 第5の実施形態に係るDSC用閾値の決定処理を説明するための説明図である。 第5の実施形態に係るHE端末が送信するフレームフォーマットの一例を説明するための説明図である。 本変形例に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。 第6の実施形態に係る通信システムにおいて実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。 第6の実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。 第6の実施形態に係るTPC用送信電力の決定処理を説明するための説明図である。 第7の実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。 第8の実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。 スマートフォンの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 カーナビゲーション装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 無線アクセスポイントの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて基地局100A、100B及び100Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、基地局100A、100B及び100Cを特に区別する必要が無い場合には、単に基地局100と称する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.第1の実施形態
2−1.通信システムの概要
2−2.基地局の構成例
2−3.HE端末の構成例
2−4.レガシー端末の構成例
2−5.DSC使用許可処理
2−6.データ送信処理
2−7.DSC使用決定処理
2−8.DSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理
3.第2の実施形態
3−1.HE端末の構成例
3−2.動作処理
4.第3の実施形態
4−1.基地局の構成例
4−2.HE端末の構成例
4−3.DSC使用許可処理
4−4.データ送信処理
5.第4の実施形態
6.第5の実施形態
6−1.基地局の構成例
6−2.HE端末の構成例
6−3.技術的特徴
6−4.変形例
7.第6の実施形態
7−1.基地局の構成例
7−2.無線端末の構成例
7−3.技術的特徴
8.第7の実施形態
9.第8の実施形態
10.応用例
11.まとめ
<1.はじめに>
まず、キャリアセンスに関する技術及び考察を説明する。
(キャリアセンス)
キャリアセンスを用いて衝突を回避する技術は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)と呼ばれる。本技術では、例えば無線端末が自律的にデータの送信権を獲得し合う。
詳しくは、まず、各無線端末は、使用するチャネルにおいて、他の無線端末によりデータが送信されているか否かを確認するために、受信モードで待機して受信電力を測定する。無線端末は、受信モードでの待機中に測定した受信電力がキャリアセンスレベルよりも低い場合、チャネルがアイドル状態であり、他の無線端末によるデータ送信が行われていないと判定する。一方で、無線端末は、受信モードでの待機中に測定した受信電力がキャリアセンスレベルよりも高い場合、チャネルがビジー状態であり、他の無線端末によるデータ送信が行われていると判定する。このような仕組を、CCA(Clear Channel Assessment)とも称する。
無線端末は、ランダムな時間キャリアセンスを行い、その間チャネルがアイドルであれば、送信権を獲得したとみなして送信を行う。一方で、無線端末は、ランダムな時間キャリアセンスを行い、その間チャネルがアイドルでなければ、送信を抑制する。無線ネットワークでは、このような仕組みをとることにより、複数の無線端末が同時に同じ周波数帯でデータを送信することにより生じる衝突を減らすことができ、干渉を抑制することが可能となる。
なお、上述したように受信信号電力レベルを監視するキャリアセンスを、フィジカルキャリアセンスとも称する。フィジカルキャリアセンスでは、信号を直接検出できない位置関係にある他の無線端末からの送信が、宛先無線端末において衝突するケース(このような位置関係の2つの端末は隠れ端末と呼ばれる)が生じ得る。また、フィジカルキャリアセンスでは、新たに導入された物理層信号フォーマットでの無線送信が行われる場合、衝突を回避することが困難な場合がある。このような問題の解決策の一例として、送信元の無線端末が無線パケットの内容に送信抑制時間を記述して、そのパケットを受信した無線端末が、受信完了以降にその時間だけ強制的に無線をビジー状態として扱い、送信を抑制する仕組みがある。この仕組みは、バーチャルキャリアセンスと呼ばれる。
(DSC)
CSMA/CAに関する仕様では、チャネルがアイドルであると判定する受信電力(キャリアセンスレベル)の閾値が固定値である場合がある。この受信電力の閾値を、以下ではCCA閾値とも称する。
このCCA閾値の値によっては、衝突を引き起こす送信を抑制することも可能であるが、逆に送信を過剰に抑制してしまう場合がある。例えば、受信側における干渉成分による影響は、所望信号と干渉信号との受信電力比によって定まるところ、無線端末は、実際には干渉が少なく、自身の信号を相手が問題なく受信可能な場合にも、キャリアセンスによって送信を抑制してしまうケースがある。このようなケースが発生すると、通信システム全体のスループットが低下するという悪影響がある。
このような悪影響を改善し、通信システム全体のスループットを向上させる技術のひとつとして、例えばキャリアセンスレベルを動的に変更させる、DSC(Dynamic Sensitivity Control)がある。DCCA(Dynamic Clear Channel Assessment)と呼ばれることもある。DSCによれば、無線端末は、自身の信号に影響を与えないであろう干渉を意図的に無視して送信を行うことが可能となるため、通信システム全体のスループットを向上させることができる。
(DSCにより生じる送信機会の不公平)
DSCによりCCA閾値を上げた無線端末は、より多くの送信機会を得ることができる。これは、DSCを使わない場合であれば、チャネルがビジーであると判定するべき受信電力であっても、CCA閾値を上げることでアイドルであると強制的にみなして送信することが可能となるためである。しかしながら、その一方で、DSC機能を有さない無線端末は、CCA閾値を動的に上げることが困難であるため、DSCを使用してCCA閾値を上げた無線端末と比較して、チャネルがビジーであると判断して送信を抑制する可能性が高くなる。従って、DSCを使用している無線端末と、DSCを使用していない無線端末との間には、送信機会に不平等が生じ得る。
この点について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、DSCについて説明するための説明図である。なお、図1中の弧線は、電波が伝搬していく様子を示している。図1に示すように、無線端末20A及び20Bが基地局10Aと無線接続しており、無線端末20Cが基地局10Bと無線接続している。ここで、無線端末20A及び20Bは近い位置にあり、無線端末20Cからの送信電波が同一の受信電力で到達すると仮定する。また、無線端末20Aは、DSCを使用しており、CCA閾値が−60dBmに設定されているとする。それに対して、無線端末20Bは、DSCを使用しておらず、CCA閾値は無線端末20Aに比べて低く、−82dBmに設定されているとする。
このような環境下で、無線端末20Cがデータを送信している瞬間に、無線端末20A及び20Bがデータを送信しようとする場合を想定する。無線端末20A及び20Bは、キャリアセンスを行い、チャネルがアイドルであるかどうかを確認する。このとき、無線端末20A及び20Bには、無線端末20Cからの電波が受信電力−75dBmで届いたと仮定する。この場合、無線端末20Aは、無線端末20Cからの電波はCCA閾値以下であるため、チャネルがアイドルであると判断し、電波を送信しようとする。これに対して、無線端末20Bは、無線端末20Cからの電波はCCA閾値以上であるため、チャネルがビジーであると判断し、送信を行わない。
この例では、無線端末20Aは、無線端末20Cがデータを送信しているか否かに関わらずにデータを送信することができるのに対し、無線端末20Bは、無線端末20Cがデータを送信している間は送信を抑制する。このように、DSCを使用している無線端末とDSCを使用していない無線端末との間には、送信機会の不平等が生じている。
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の実施形態による通信システムを創作するに至った。本開示の各実施形態に係る通信システムは、DSCを使用している無線端末によるデータ送信を抑制する仕組みを提供し、DSCを使用している端末が送信権を獲得する可能性が過剰に高くなることを防止する。これにより、各実施形態に係る通信システムは、システム全体のスループットを高めつつ、送信機会の不公平さを是正することができる。
<2.第1の実施形態>
[2−1.通信システムの概要]
図2は、一実施形態に係る通信システム1の概要を説明するための図である。図2に示すように、通信システム1は、基地局100、無線端末200、及び無線端末300を含む。通信システム1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、又はこれに準ずる通信方式に従ったシステムである。
基地局100は、通信システム1の中心となる親機に相当する無線通信装置である。基地局100は、インターネットなどの外部ネットワークと有線又は無線で接続されていてもよい。例えば、基地局100は、無線LANシステムにおけるアクセスポイントであってもよい。
無線端末200及び無線端末300は、それぞれ基地局100と無線接続して通信する子機に相当する無線通信装置である。図2における破線は、それぞれ基地局100と無線接続していることを示している。例えば、無線端末200及び無線端末300は、無線LANシステムにおけるステーションであってもよい。
無線端末200は、DSC機能または送信電力を変更する機能(TPC機能)のうちの少なくとも一つを有し、DSC機能を有する場合にはDSCを使用しての送信及びDSCを使用しない通常の送信の両方が可能であり、TPC機能を有する場合にはTPCを使用しての送信及びTPCを使用しない通常の送信の両方が可能な端末である。無線端末200は、DSCを使用中である場合、動的に変更されたCCA閾値に従ってチャネルがアイドルであるか否かを判定する。また、無線端末200は、DSCを使用しない場合、予め定められた固定値のCCA閾値に従ってチャネルがアイドルであるか否かを判定する。なお、DSCを使用しない場合のCCA閾値の値は、仕様で定められていてもよいし、実装依存であってもよい。例えば、フィジカルキャリアセンスを行う場合のCCA閾値は仕様で定められ、バーチャルキャリアセンスを行う場合のCCA閾値は実装依存であってもよい。
無線端末300は、DSC機能を有さない。即ち、無線端末300は、CCA閾値を変更する機能を有さない。このため、無線端末300は、予め定められた固定値のCCA閾値に従ってチャネルがアイドルであるか否かを判定する。以下では、無線端末200を、HE端末(High Efficiency端末)HE端末200とも称し、無線端末300をレガシー端末300とも称する。また、HE端末200及びレガシー端末300を特に区別しない場合、これらを単に無線端末とも総称する。
本実施形態に係るHE端末200は、無線パケットを検出し、その中に記載された送信抑制時間の間強制的にチャネルをビジー状態として扱うバーチャルキャリアセンスを行うに当たり、パケット検出の閾値をCCA閾値として動的に変化させるものとする。もちろん、HE端末200は、受信電力レベルを監視するキャリアセンスを行ってチャネルをビジー状態として扱うフィジカルキャリアセンスを行う際の、受信電力レベルの閾値をCCA閾値として動的に変化させてもよい。いずれにしろ、HE端末200は、法律で定められた範囲内で、CCA閾値を動的に変化させるものとする。
以下では、HE端末200におけるDSCを使用しないときの動作モードを、通常モードとも称し、DSCを使用してCCA閾値を動的に変更するときの動作モードを、DSCモードとも称する。また、通常モードにおけるデフォルトのCCA閾値を、デフォルト閾値とも称し、DSCモードにおけるCCA閾値を、DSC用閾値とも称する。また、HE端末200がデータ送信に用いるパラメータを、以下では送信パラメータとも称する。そして、通常モードにおける送信パラメータを、デフォルト送信パラメータとも称し、DSCモードにおける送信パラメータを、DSC用送信パラメータとも称する。なお、レガシー端末300は、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを用いるものとする。また、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータは、各装置で同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上、本実施形態に係る通信システム1の概要を説明した。続いて、通信システム1が含む各装置の構成例を説明する。
[2−2.基地局の構成例]
図3は、本実施形態に係る基地局100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、基地局100は、無線通信部110、記憶部120、及び制御部130を有する。
(1)無線通信部110
無線通信部110は、基地局100による他の装置との無線通信を仲介する無線通信インタフェースである。本実施形態では、無線通信部110は、HE端末200又はレガシー端末300との間で無線通信を行う。例えば、無線通信部110は、HE端末200又はレガシー端末300から送信された無線信号を受信する。無線通信部110は、例えば増幅器、周波数変換器、及び復調器等としての機能を有していてもよく、受信したデータを制御部130へ出力し得る。また、無線通信部110は、アンテナを介してHE端末200又はレガシー端末300へ無線信号を送信する。無線通信部110は、例えば変調器、及び増幅器等としての機能を有していてもよく、制御部130から出力されたデータを、変調及び電力増幅等して送信してもよい。
本実施形態に係る無線通信部110は、HE端末200からDSC要求メッセージを受信して制御部130へ出力する。また、無線通信部110は、制御部130から出力されたDSC応答メッセージをHE端末200へ返信する。なお、DSC要求メッセージとは、HE端末200がDSCモードで動作することを許可するよう要求する制御メッセージである。DSC応答メッセージとは、DSC要求メッセージに対する応答が含まれる制御メッセージである。無線通信部110は、これらの制御メッセージの受信が成功したことを示す確認応答(ACK)を送信または受信してもよい。
無線通信部110の機能をより詳しく説明すると、無線通信部110は、データの送受に関わるデータリンク層ならびに物理層の信号処理全般を行い、パケットの送受信を行う。データリンク層の処理とは具体的には、上位層からのデータペイロードに対してLLC/SNAPヘッダの付加、除去、MACヘッダの付加/除去、誤り検出符号の付加/パケット誤りの検出、再送、CSMA/CAによるメディアアクセス処理、マネジメントフレームならびにコントロールフレームの生成等を含む。物理層の処理とは具体的には、制御部130によって設定されたコーディングおよび変調スキームに基づいて、エンコード、インターリーブ、変調する処理、ならびにPLCPヘッダとPLCPプリアンブルの付加、プリアンブルによる検出やチャネル推定処理、アナログ/デジタルの信号変換、周波数コンバート、増幅、フィルタリング等を含む。
(2)記憶部120
記憶部120は、所定の記録媒体に対してデータの記録再生を行う部位である。記憶部120は、例えばHDD(Hard Disc Drive)として実現される。もちろん記録媒体としては、フラッシュメモリ等の固体メモリ、固定メモリを内蔵したメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなど各種考えられ、記憶部120としては採用する記録媒体に応じて記録再生を実行できる構成とされればよい。
例えば、本実施形態に係る記憶部120は、例えばCCA閾値及び送信パラメータの設定可能な範囲を記憶する。他にも、記憶部120は、無線通信部110に接続している、配下の無線端末の識別情報を記憶してもよいし、使用可能なチャネルなどの無線リソースに関する情報を記憶してもよい。
(3)制御部130
制御部130は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って基地局100内の動作全般を制御する。制御部130は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。なお、制御部130は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
例えば、制御部130は、CCA閾値を変更可能な、即ちDSC機能を有する他の装置において、設定されるDSC用閾値とデフォルト閾値との比較結果に基づいて設定される、当該他の装置がデータ送信に用いるDSC用送信パラメータを設定するための情報を、無線通信部110を介して制御する機能を有する。なお、本実施形態においては、基地局100が、DSC用送信パラメータを決定する。一方で、第5の実施形態においては、HE端末200自身が、DSC用送信パラメータを決定し、基地局100は、HE端末200におけるDSC用送信パラメータの決定のために用いられる情報を通知する。以下、基地局100が、DSC用送信パラメータを決定する場合について説明する。
例えば、制御部130は、CCA閾値を変更可能な、即ちDSC機能を有する他の装置が設定するDSC用閾値とデフォルト閾値との比較結果に基づいて、当該他の装置がデータ送信に用いるDSC用送信パラメータを、無線通信部110を介して制御する機能を有する。具体的には、制御部130は、HE端末200からのDSC要求メッセージが受信された場合、設定すべきCCA閾値及び送信パラメータを指定するDSC応答メッセージを生成して返信することで、上記制御を行う。また、制御部130は、上位アプリケーションからの指示に基づき、データを送受信するよう無線通信部110を制御してもよい。図3に示すように、制御部130は、DSC制御部131、及びパラメータ制御部133として機能する。
(3−1)DSC制御部131
DSC制御部131は、HE端末200の動作モードを制御する機能を有する。例えば、DSC制御部131は、DSC要求メッセージの送信元のHE端末200が、DSCモードで動作することを許可するか否かを判定する。この判定基準は多様に考えられる。例えば、DSC制御部131は、無線通信部110に接続している他の装置に関する数の情報に基づいて、この判定を行ってもよい。例えば、DSC制御部131は、無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて判定してもよい。詳しくは、DSC制御部131は、レガシー端末300の数が閾値を超えていれば許可し、閾値以下であれば却下してもよい。他にも、DSC制御部131は、上記数の情報として、無線通信部110に接続しているHE端末200の数、無線通信部110に接続している他の装置全体におけるレガシー端末300の割合又はHE端末200の割合等に基づいて判定してもよい。また、DSC制御部131は、上記数の情報として、例えばHE端末200の送信成功率、レガシー端末300の送信成功率、HE端末200が送信したフレーム数、又はレガシー端末300が送信したフレーム数等に基づいて判定してもよい。なお、DSC制御部131は、上述した無線通信部110に接続している他の装置に関する数の情報のうちいずれかひとつを用いて判定してもよいし、任意の複数の情報を組み合わせて判定してもよい。
DSC制御部131は、判定結果を示す情報を、DSC応答メッセージに格納する。
(3−2)パラメータ制御部133
パラメータ制御部133は、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを決定する機能を有する。
この決定基準は多様に考えられる。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを、無線通信部110に接続している他の装置に関する数の情報に基づいて決定してもよい。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを、無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて決定してもよい。詳しくは、パラメータ制御部133は、レガシー端末300の数が多い程デフォルト閾値との差が大きいDSC用閾値を決定し、レガシー端末300の数が少ない程デフォルト閾値との差が小さいDSC用閾値を決定してもよい。また、例えばパラメータ制御部133は、レガシー端末300の数が多い程デフォルト送信パラメータとの差が大きいDSC用送信パラメータを決定し、レガシー端末300の数が少ない程デフォルト送信パラメータとの差が小さいDSC用送信パラメータを決定してもよい。他にも、パラメータ制御部133は、DSC用送信パラメータを、DSC用閾値とデフォルト閾値との差に基づいて決定してもよい。例えば、パラメータ制御部133は、差が小さい場合はデフォルト送信パラメータとの差が小さいDSC用送信パラメータを決定し、差が大きい場合はデフォルト送信パラメータとの差が大きいDSC用送信パラメータを決定する。上記数の情報として、他にも例えば、無線通信部110に接続しているHE端末200の数、無線通信部110に接続している他の装置全体におけるレガシー端末300の割合又はHE端末200の割合等が挙げられる。他にも、上記数の情報として、例えばHE端末200の送信成功率、レガシー端末300の送信成功率、HE端末200が送信したフレーム数、又はレガシー端末300が送信したフレーム数等が挙げられる。なお、パラメータ制御部133は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを決定する際に、上述した無線通信部110に接続している他の装置に関する数の情報のうちいずれかひとつを用いてもよいし、任意の複数の情報を組み合わせて用いてもよい。
DSC用送信パラメータに関しては、パラメータ制御部133は、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加える値に決定する。より詳しくは、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、HE端末200の送信機会は増加するため、制御部230は、デフォルト送信パラメータを用いるよりもHE端末200の送信機会が減少するようなDSC用送信パラメータを決定する。なお、DSC用送信パラメータは、DSCを用いることで増加した送信機会を、過剰に削減しないような値であることが望ましい。通信システム全体のスループットを向上させるというDSCの本来の目的から逸脱しないようにするためである。一方、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、HE端末200の送信機会は減少するため、制御部230は、デフォルト送信パラメータを用いるよりもHE端末200の送信機会が増加するようなDSC用送信パラメータを決定する。ここでも同様に、DSC用送信パラメータは、DSCを用いることで減少した送信機会を、過剰に増加させないような値であることが望ましい。
以下、パラメータ制御部133が決定するDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの具体例を説明する。
・DSC用閾値
例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値をデフォルト閾値よりも低い値に決定してもよい。この場合、HE端末200は、レガシー端末300と比較してチャネルがビジーであると判断することが多くなる。同様に、パラメータ制御部133は、DSC用閾値をデフォルト閾値よりも高い値に決定してもよい。この場合、HE端末200は、レガシー端末300と比較してチャネルがビジーであると判断することが少なくなる。なお、パラメータ制御部133は、DSC用閾値として、予め定められた値を用いてもよいし、レガシー端末300の数や割合、HE端末200の送信成功率等に基づいて算出した値を用いてもよい。
・IFS(Interframe Space)
IFSは、データ送信前の待機時間のうち固定長部分である。詳しくは、IFSとは、IEEE 802.11で定義される固定長時間であり、HE端末200がフレームを送信する際、チャネルがアイドルになってから待機する固定長時間のことである。このIFSは、送信するフレームの種類によって長さが異なり得る。パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、IFSをデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、IFSをデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・スロットタイム(slot time)
スロットタイムは、上述したIFSの決定に要する値であり、データ送信前の待機時間を決定するパラメータである。IEEE 802.11の仕様では、最小のIFSであるSIFS(Short IFS)に、可変のスロットタイムを付加することにより、異なるIFSを実現している。例えば、PIFS(point coordination function IFS)は、SIFS+スロットタイム×2である。なお、PIFSとは、基地局100が、帯域予約を行ったことを配下の無線端末に知らせるフレーム(PS−POLLとも称する)を送信する際に、チャネルチャネルがアイドルになってから待機する際のIFSである。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、スロットタイムをデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、スロットタイムをデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。これにより、HE端末200とレガシー端末300とは、IFSが同一であっても、データ送信前に待機する実時間長が異なることとなる。このようにして、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。上記説明したように、スロットタイムは、データ送信前の待機時間のうち固定長部分に相当する。また、以下に説明するように、スロットタイムは、データ送信前の待機時間のうちランダムに選択される時間長の取り得る値の分布のパラメータにも相当する。
・CW min
CW minとは、CW(Contention Window)の取り得る値の分布を変化させるパラメータのひとつである。CWとは、データ送信前の待機時間のうちランダムに選択される時間長である。無線端末は、チャネルがアイドルになった後、IFSだけ待機し、さらにランダムなスロットタイムだけ待機する。このランダムなスロットタイムの分散の最小値は、CW minにより与えられる。一般的に、ランダム値の分散は、小さければ小さいほど、小さな値が出る確率が高くなり、大きければ大きいほど、大きい値が出る確率が高くなる。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、CW minをデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、CW minをデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・CW max
CW maxとは、CWの取り得る値の分布を変化させるパラメータのひとつである。無線端末は、フレーム送信後にそのフレームが衝突したことを認識した場合、CWの分散を大きくする。フレームの衝突回数が増えれば増えるほど、分散の値も大きくなっていく。CW maxは、この分散値の最大値である。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、CW maxをデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、CW maxをデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・CWの確率分布の形状
CWの確率分布の形状は、CWの取り得る値の分布を変化させるパラメータのひとつである。例えば、現状の無線LANにおいては、CWの確率分布は一様分布である。パラメータ制御部133は、この分布を、例えば正規分布に変更したり、多項分布に変更したりすることで、CWの確立分布の平均値を変更する。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、CWの確率分布の平均値がデフォルト送信パラメータに係る平均値に比べて大きくなるよう、CWの確率分布の形状を決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、CWの確率分布の平均値がデフォルト送信パラメータに係る平均値に比べて小さくなるよう、CWの確率分布の形状を決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・MSDUの最大バイト長
MSDU(medium access control (MAC) service data unit)の最大バイト長とは、送信可能なデータ量の最大値である。MSDUとは、フレームの単位であり、最大で送信可能なバイト長が決まっている。あるバイト数のデータを送信する際、この送信可能な最大バイト長が短いと、最大バイト長が長い場合と比べて多くのMSDUが必要になり、送信権を獲得しなければならない回数が増大する。例えば、無線端末が、1回で送ることが可能なデータを、最大バイト長が小さいために2回に分けて送ることとなった場合を考える。送信権を獲得できる確率を簡単のためα(α<1)とすると、1回で送ることが可能な場合は、無線端末はαの確率で全てのデータを送信できる。それに対し、無線端末が2回連続で送ることができる確率は、α×α=α2であり、1−α2の確率で、2回のうち少なくとも1回の送信権を他の無線端末に取られる。このため、最大バイト長が短いと、同じバイト数のデータを送る上で送信機会が減少することとなる。従って、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、MSDUの最大バイト長をデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、MSDUの最大バイト長をデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・フレームを束ねて送信可能なデータ量の最大バイト長
例えば、無線LANにおいては、複数のフレームを束ねて送信することが可能である。これは、アグリゲーションとも称される。このアグリゲーションによって送信可能な最大バイト長(最大値)は、仕様で定義され得る。このパラメータも、MSDUの最大バイト長と同様に、最大バイト長が短いと、同じバイト数のデータを送る上で送信機会が減少することとなる。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、フレームを束ねて送信可能なデータ量の最大バイト長をデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、フレームを束ねて送信可能なデータ量の最大バイト長をデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・TXOP limit
例えば、無線LANにおいては、無線端末は、所定の時間の間、疑似的に送信を予約することができる。この予約できる最大時間が、TXOP(Transmission Opportunity) limitであり、送信可能な時間幅の最大値に相当する。無線端末は、TXOP limitの範囲内で、ひとつの長い無線パケットを送信してもよいし、複数の無線パケットを無送信区間を設けながら連続的に送信してもよい。このTXOP limitは、各アクセスカテゴリによって異なる。また、TXOP limitが小さければ、その分送信権を獲得しなければならない回数が増えるため、同じバイト数のデータを送る上で送信機会が減少する。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、TXOP limitをデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、TXOP limitをデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・最大再送回数
最大再送回数とは、同じフレームを再送する上限値である。最大送信回数を少なくすると、同じフレームを送信する回数が減少するため、データを送信する回数が減少する。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、最大再送回数をデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、最大再送回数をデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・最大同時使用可能チャネル数
最大同時使用可能チャネル数とは、無線端末が束ねて使用可能な単位チャネル数の最大値である。単位チャネルとは、無線端末がフレームを送信するために必要な最小の帯域幅を指す。無線端末は、単位チャネルを複数束ねて送信することにより、スループットを向上させることができる。また、束ねるチャネル数が多いほどその効果は増加する。ここで、束ねるチャネル数が多ければ多いほど、複数チャネルで送信機会を多く獲得することとなる。そこで、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、最大同時使用可能チャネル数をデフォルト送信パラメータに比べて小さく決定する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、最大同時使用可能チャネル数をデフォルト送信パラメータに比べて大きく決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
・使用可能なチャネル
例えば、HE端末200が多く使用するチャネルと、レガシー端末300が多く使用するチャネルとが混在する場合が考えられる。このような場合、基地局100は、HE端末200が支配的になっているチャネルを用いたデータ送信に関してのみ、DSCモードでの動作を制限することで、HE端末200が過度に送信機会を獲得することを防止することができる。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、使用可能なチャネルをHE端末200が支配的になっているチャネルに制限する。また、パラメータ制御部133は、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、HE端末200が支配的になっていないチャネルも使用可能とする。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。なお、基地局100は、HE端末200専用のチャネルを設け、DSCモードでのデータ送信をそのチャネルのみに制限してもよい。
・DSCを使用可能な時間として事前に予約されている期間
DSCを使用可能な時間として事前に予約されている期間とは、例えば、IEEE 802.11ahのRAW(Restricted Access Window)を使用して確保された期間であり、送信可能な時間帯として予約された期間を指す。RAWとは、基地局100が事前に行うスケジューリングの仕組みであり、本仕組みによれば、基地局100は、自身に接続している無線端末の中から何台かを選択し、選択した無線端末同士のみがCSMA/CAを用いて送信権を獲得できる期間を設定できる。例えば、パラメータ制御部133は、DSCを使用可能な時間帯を制限し、HE端末200のみが送信可能な期間と、レガシー端末300のみが送信可能な期間とを決定する。これにより、パラメータ制御部133は、レガシー端末300が疑似的に存在しない環境又はHE端末200が疑似的に存在しない環境を作ることが可能となり、この期間の長短によって送信機会の不平等を是正することができる。
・DSCを使用して送信可能なフレームの種類
パラメータ制御部133は、DSCを使用して送信可能なフレームを制限する。DSCを使用して送信可能なフレームの種類は多様に考えられる。例えば、DSCを使用して送信可能なフレームの種類は、IEEE 802.11のManagementフレームであってもよい。Managementフレームは、IEEE 802.11のフレームの中で、Beaconのように、無線ネットワークを形成したり、管理したりするために使用されるフレームである。他にも、DSCを使用して送信可能なフレームの種類は、例えば、IEEE 802.11のアクセスカテゴリが、AC_VOであるフレームであってもよい。AC_VOとは、QoS(Quality of Service)が最優先であるフレームである。他にも、DSCを使用して送信可能なフレームの種類は、例えば、IEEE 802.11のアクセスカテゴリの中が、AC_VIであるフレームであってもよい。AC_VIとは、QoSが2番目の優先度であるフレームである。他にも、DSCを使用して送信可能なフレームの種類は、例えば、IEEE 802.11のアクセスカテゴリの中が、AC_BEであるフレームであってもよい。AC_BEとは、QoSが3番目の優先度であるフレームである。他にも、DSCを使用して送信可能なフレームの種類は、例えば、IEEE 802.11のアクセスカテゴリの中が、AC_BKであるフレームであってもよい。AC_BKとは、QoSが4番目の優先度であるフレームである。このように、パラメータ制御部133は、DSCを使用して送信可能なフレームの種類を制限することで、DSCを用いて送信されるフレームの数を減らすことができる。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減が実現されるので、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平が軽減される。
以上、パラメータ制御部133が決定するDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの具体例を説明した。
パラメータ制御部133は、決定したCCA閾値、及び送信パラメータを示す情報を、DSC応答メッセージに格納する。例えば、パラメータ制御部133は、DSC制御部131によりDSCモードでの動作が許可された場合、DSC用閾値を示す情報、及びDSC用送信パラメータを示す情報を格納する。一方、パラメータ制御部133は、DSC制御部131によりDSCモードでの動作が却下された場合、何ら情報を格納せずともよいし、デフォルト閾値を示す情報、及びデフォルト送信パラメータを示す情報を格納してもよい。なお、CCA閾値及び送信パラメータを示す情報は、設定すべき数値そのものであってもよいし、デフォルトからの変化量であってもよいし、予め定められた候補のうちのひとつを示すインデックスであってもよい。
(補足)
なお、制御部130は、DSCモードで動作することを許可するか否かを示す情報、並びにDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを示す情報を、ひとつのメッセージでHE端末200へ返信してもよいし、別々にHE端末200へ返信してもよい。また、制御部130は、DSCモードで動作することを許可するか否かを示す情報を含むメッセージをHE端末200へ返信後に、パラメータ制御部133によるDSC用送信パラメータの決定を行ってもよい。
DSC制御部131は、DSC要求メッセージを送信していないHE端末200に、一方的にDSCモードでの動作を許可するメッセージを送信してもよい。また、DSC制御部131は、すでにDSCモードでの動作を許可したHE端末200に、DSCモードでの動作を禁止することを示すメッセージを送信してもよい。また、パラメータ制御部133は、通信システム1内の条件の変化に応じて、DSCモードでの動作を許可したHE端末200のDSC用送信パラメータを更新するためのメッセージを、任意のタイミングで送信してもよい。このタイミングは、例えば無線通信部110に接続されているレガシー端末300の数に応じて決定されてもよい。基地局100は、少なくとも1つのHE端末にDSCモードを許可した後、自身がDSCモードで動作するようにしてもよい。
以上、本実施形態に係る基地局100の構成例を説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明する。
[2−3.HE端末の構成例]
図4は、本実施形態に係るHE端末200の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、HE端末200は、無線通信部210、記憶部220、及び制御部230を有する。
(1)無線通信部210
無線通信部210は、HE端末200による他の装置との無線通信を仲介する無線通信インタフェースである。本実施形態では、無線通信部210は、基地局100との間で無線通信を行う。例えば、無線通信部210は、基地局100から送信された無線信号を受信する。無線通信部210は、例えば増幅器、周波数変換器、及び復調器等としての機能を有していてもよく、受信したデータを制御部230へ出力し得る。また、無線通信部210は、アンテナを介して基地局100へ無線信号を送信する。無線通信部210は、例えば変調器、及び増幅器等としての機能を有していてもよく、制御部230から出力されたデータを、変調及び電力増幅等して送信してもよい。
本実施形態に係る無線通信部210は、制御部230から出力されたDSC要求メッセージを基地局100へ送信する。また、210は、基地局100から返信されたDSC応答メッセージを受信して、制御部230へ出力する。また、無線通信部210は、これらの制御メッセージの受信が成功したことを示す確認応答(ACK)を送信または受信してもよい。
無線通信部210の機能をより詳しく説明すると、無線通信部210は、データの送受に関わるデータリンク層ならびに物理層の信号処理全般を行い、パケットの送受信を行う。データリンク層の処理とは具体的には、上位層からのデータペイロードに対してLLC/SNAPヘッダの付加、除去、MACヘッダの付加/除去、誤り検出符号の付加/パケット誤りの検出、再送、CSMA/CAによるメディアアクセス処理、マネジメントフレームならびにコントロールフレームの生成等を含む。物理層の処理とは具体的には、制御部130によって設定されたコーディングおよび変調スキームに基づいて、エンコード、インターリーブ、変調する処理、ならびにPLCPヘッダとPLCPプリアンブルの付加、プリアンブルによる検出やチャネル推定処理、アナログ/デジタルの信号変換、周波数コンバート、増幅、フィルタリング等を含む。
また、無線通信部210は、制御部230により設定されたCCA閾値、及び送信パラメータを用いて送信データを送信する。
(2)記憶部220
記憶部220は、所定の記録媒体に対してデータの記録再生を行う部位である。記憶部220は、例えばHDDとして実現される。もちろん記録媒体としては、フラッシュメモリ等の固体メモリ、固定メモリを内蔵したメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなど各種考えられ、記憶部220としては採用する記録媒体に応じて記録再生を実行できる構成とされればよい。
本実施形態に係る記憶部220は、デフォルト閾値、及び通常モードでの送信パラメータを示す情報を記憶する。また、記憶部220は、DSC用閾値、及びDSCモードでの送信パラメータを記憶していてもよい。
(3)制御部230
制御部230は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってHE端末200内の動作全般を制御する。制御部230は、例えばCPU、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。なお、制御部230は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMを含んでいてもよい。
例えば、制御部230は、上位アプリケーションからの指示に基づき、データを送受信するよう無線通信部210を制御する。例えば、制御部230は、キャリアセンスによるチャネルの空きを確認後、データを送信するよう無線通信部210を制御する。また、例えば、制御部230は、DSC要求メッセージを生成して基地局100へ送信して、基地局100から返信されたDSC応答メッセージに基づき、CCA閾値の設定及び送信パラメータの設定を行う。
制御部230は、CCA閾値及び送信パラメータを制御する機能を有する。詳しくは、制御部230は、DSC用閾値を設定し、設定したDSC用閾値とデフォルト閾値との比較結果に基づいて、送信パラメータを制御する機能を有する。具体的には、制御部230は、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加える送信パラメータの設定を行う。詳しくは、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、DSCモードにおいては通常モードよりも送信機会が増加するため、制御部230は、デフォルト送信パラメータを用いるよりも送信機会が減少するようDSC用送信パラメータを制御する。また、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、DSCモードにおいては通常モードよりも送信機会が減少するため、制御部230は、デフォルト送信パラメータを用いるよりも送信機会が増加するようDSC用送信パラメータを制御する。図4に示すように、制御部230は、取得部231、決定部233、及び設定部235として機能する。
(3−1)取得部231
取得部231は、設定すべきCCA閾値を示す情報及び送信パラメータを示す情報を取得する機能を有する。例えば、取得部231は、DSC用閾値を示す情報、及びDSC用送信パラメータを取得してもよい。また、取得部231は、デフォルト閾値を示す情報、及びデフォルト送信パラメータを取得してもよい。取得部231は、これらの情報を基地局100から取得してもよいし、記憶部220から取得してもよい。取得部231は、例えば、データ送信要求の発生、送信成功確率の低下、キャリアセンスによる送信抑制確立の上昇などに応じて、動作モードをDSCモードに変更するためにDSC用閾値を示す情報及びDSC用送信パラメータを取得してもよい。
取得部231は、基地局100から情報を取得する場合、無線通信部210を介してDSC要求メッセージを基地局100へ送信する。そして、取得部231は、無線通信部210により受信されたDSC応答メッセージに含まれる、DSCモードでの動作が許可されたか否かを示す情報、並びに設定すべきCCA閾値を示す情報及び送信パラメータを示す情報を取得する。
(3−2)決定部233
決定部233は、デフォルト閾値からDSC用閾値への変更、及びDSC用送信パラメータを用いたデータ送信の実行可否を判定して、動作モードを決定する機能を有する。決定部233は、複数の条件を満たすか否かについて判定し、全て満たす場合に動作モードをDSCモードに決定し、満たさない場合に通常モードに決定する。他にも、決定部233は、複数の条件の少なくともいずれかを満たす場合に、動作モードをDSCモードに決定してもよい。
例えば、決定部233は、送信時刻が、DSCを使用可能な時間として事前に予約されている期間に含まれるか否かに基づいて実行可否を判定してもよい。詳しくは、決定部233は、送信時刻が、DSC用送信パラメータが示すDSCを使用可能な期間に含まれる場合、DSCモードでの動作を行うと決定し、含まれない場合に通常モードでの動作を行うと決定する。
例えば、決定部233は、送信するフレームの種類に基づいて実行可否を判定してもよい。例えば、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSC用送信パラメータが示すDSCを使用して送信可能なフレームの種類に含まれるか否かに基づいて、実行可否を判定してもよい。詳しくは、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に含まれる場合、DSCモードでの動作を行うと決定する。一方で、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に含まれない場合、通常モードでの動作を行うと決定する。
(3−3)設定部235
設定部235は、CCA閾値及び送信パラメータの設定を行う機能を有する。設定部235は、動作モードをDSCモードとするよう決定部233により決定された場合、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを設定する。一方で、設定部235は、動作モードを通常モードとするよう決定部233により決定された場合、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。
以上、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明した。
[2−4.レガシー端末の構成例]
レガシー端末300の構成は、一般的な無線端末と同様である。例えば、レガシー端末300の構成は、HE端末200の構成から取得部231及び決定部233を省略したものであってもよい。レガシー端末300は、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを用いてデータを送信する。
以上、本実施形態に係る通信システム1が含む各装置の構成例を説明した。以下では、本実施形態に係る通信システム1の動作処理について説明する。まず、図1を参照して、DSC使用許可処理について説明する。
[2−5.DSC使用許可処理]
図5は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるDSC使用許可処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図5に示すように、本シーケンスには、基地局100及びHE端末200が関与する。
まず、ステップS102で、HE端末200は、基地局100へDSC要求メッセージを送信する。例えば、取得部231は、データ送信要求の発生、送信成功確率の低下、キャリアセンスによる送信抑制確立の上昇などに応じて、DSC要求メッセージを送信する。
次に、ステップS103で、DSC要求メッセージの受信に成功した基地局100は、確認応答をHE端末200へ返信する。
次いで、ステップS104で、基地局100は、DSC使用可否判定を行う。例えば、DSC制御部131は、無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて、DSC要求メッセージの送信元のHE端末200が、DSCモードで動作することを許可するか否かを判定する。以下では、DSCの使用が許可される場合の処理を説明する。
次に、ステップS106で、基地局100は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを生成する。例えば、パラメータ制御部133は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを、無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて決定する。他にも、パラメータ制御部133は、DSC用送信パラメータを、DSC用閾値とデフォルト閾値との差に基づいて決定してもよい。この際、パラメータ制御部133は、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加える値に決定する。
次いで、ステップS108で、基地局100は、DSC応答メッセージをHE端末200へ送信する。例えば、基地局100は、DSCの使用を許可する情報、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを格納したDSC応答メッセージを生成して、HE端末200へ送信する。なお、上記ステップS104において、DSC制御部131が、DSCの使用を却下する場合、DSC応答メッセージには、DSCの使用を却下することを示す情報が格納される。
次に、ステップS110で、DSC応答メッセージの受信に成功したHE端末200は、確認応答を基地局100へ返信する。
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1は、DSCモードでの動作の実行可否を動的に制御可能であるとともに、送信パラメータを動的に変更可能である。その際、通信システム1は、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる不公平の度合に基づいて、送信パラメータを調節することが可能である。このため、通信システム1は、DSCの使用によりスループットを向上させつつ、HE端末200とレガシー端末300との間の送信機会の不公平を軽減することができる。
以上、DSC使用許可処理について説明した。次いで、図6〜図8を参照して、HE端末200によるデータ送信処理を説明する。
[2−6.データ送信処理]
図6は、本実施形態に係るHE端末200によるデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS202で、HE端末200は、DSC使用決定処理を行う。ここでの処理については後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、ステップS204で、設定部235は、決定部233による処理結果を参照して、DSCを使用するか否かを判定する。
DSCを使用する場合(S204/YES)、ステップS206で、設定部235は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを設定する。例えば、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを設定する。例えば、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも高い場合、HE端末200はレガシー端末300よりも多くの送信機会を獲得することとなる。この場合、設定部235は、レガシー端末300よりも送信機会が少なくなるようなDSC用送信パラメータを設定する。一方、DSC用閾値がデフォルト閾値よりも低い場合、HE端末200はレガシー端末300よりも少ない送信機会を獲得することとなる。この場合、設定部235は、レガシー端末300よりも送信機会が多くなるようなDSC用送信パラメータを設定する。設定部235は、このような設定を行うことで、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減を実現し、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平を軽減することができる。なお、ここでの処理については後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
DSCを使用しない場合(S204/NO)、ステップS208で、設定部235は、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。例えば、設定部235は、記憶部220を参照して、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。
そして、ステップS210で、無線通信部210は、制御部230により設定されたCCA閾値、及び送信パラメータを用いて送信データを送信する。この送信処理においては、例えば一般的なCSMA/CAが行われる。
次いで、ステップS212で、制御部230は、終了判定を行う。例えば、制御部230は、送信データが残存する場合に終了しないと判定し、送信データがない場合に終了すると判定する。終了しないと判定された場合(S212/NO)、処理は再度ステップS202に戻る。終了すると判定された場合(S212/YES)、制御部230は処理を終了する。
以上、HE端末200によるデータ送信処理について説明した。続いて、図7を参照して、図6のステップS202におけるDSC使用決定処理の詳細な動作を説明する。
[2−7.DSC使用決定処理]
図7は、本実施形態に係るHE端末200によるDSC使用決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、ステップS302で、取得部231は、DSC使用が許可されているか否かを判定する。例えば、取得部231は、図5を参照して上記説明したDSC使用許可処理において基地局100から受信したDSC応答メッセージに格納された、DSC使用可否を示す情報を参照することで、DSC使用が許可されているか否かを判定する。
DSC使用が許可されていないと判定された場合(S302/NO)、ステップS312で、決定部233は、DSC不使用を決定し、通常モードで動作することを決定する。
一方で、DSC使用が許可されていると判定された場合(S302/YES)、ステップS304で、取得部231は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを取得する。例えば、取得部231は、図5を参照して上記説明したDSC使用許可処理において基地局100から受信したDSC応答メッセージから、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを示す情報を取得する。
このDSC用送信パラメータには、例えば、IFS、スロットタイム、CW min、CW max、CWの確率分布の形状、MSDUの最大バイト長、フレームを束ねて送信可能なデータ量の最大バイト長、TXOP limit、最大再送回数、最大同時使用可能チャネル数、及び使用可能なチャネルの少なくとも何れかを示す情報が含まれ得る。他にも、このDSC用送信パラメータには、DSCを使用可能な時間として事前に予約されている期間、及びDSCを使用して送信可能なフレームの種類が含まれてもよい。
次いで、ステップS306で、決定部233は、現在時刻がDSCを使用可能な時間であるか否かを判定する。例えば、決定部233は、DSC応答メッセージに含まれる、DSCを使用可能な時間として事前に予約されている期間に、現在時刻が含まれるか否かを判定する。詳しくは、決定部233は、現在時刻がDSCを使用可能な期間に含まれる場合、現在時刻がDSCを使用可能な時間であると判定する。一方、決定部233は、現在時刻がDSCを使用可能な期間に含まれない場合、現在時刻がDSCを使用可能な時間でないと判定する。
DSC使用可能な時間でないと判定された場合(S306/NO)、ステップS312で、決定部233は、DSC不使用を決定し、通常モードで動作することを決定する。
一方で、DSC使用可能な時間であると判定された場合(S306/YES)、ステップS308で、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームであるか否かを判定する。例えば、決定部233は、DSC応答メッセージに含まれる、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に、現在送信しようとしているフレームが含まれるか否かを判定してもよい。詳しくは、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に含まれる場合、DSCを使用可能なフレームであると判定する。一方で、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に含まれない場合、DSCを使用可能なフレームでないと判定する。
DSCを使用可能なフレームでないと判定された場合(S308/NO)、ステップS312で、決定部233は、DSC不使用を決定し、通常モードで動作することを決定する。
一方で、DSCを使用可能なフレームであると判定された場合(S308/YES)、ステップS310で、決定部233は、DSC使用を決定し、DSCモードで動作することを決定する。このように、通信システム1は、HE端末200がDSCを使用したデータ送信が可能な時間帯やフレームに制限を加えることで、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平を軽減することが可能である。
以上、HE端末200によるDSC使用決定処理について説明した。続いて、図8を参照して、図6のステップS206におけるDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理の詳細な動作を説明する。
[2−8.DSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理]
図8は、本実施形態に係るHE端末200によるDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、ステップS402で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用閾値、即ちDSC用のCCA閾値を設定する。
次いで、ステップS404で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のIFSを設定する。
次に、ステップS406で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のスロットタイムを設定する。
次いで、ステップS408で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のCW minを設定する。
次に、ステップS410で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のCW maxを設定する。
次いで、ステップS412で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のCWの確率分布の形状を設定する。
次に、ステップS414で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のMSDUの最大バイト長を設定する。
次いで、ステップS416で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用の、アグリゲーションして送信可能な最大バイト長を設定する。
次に、ステップS418で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用のTXOP limitを設定する。
次いで、ステップS420で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用の最大再送回数を設定する。
次に、ステップS422で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用の最大同時使用可能チャネル数を設定する。
次いで、ステップS424で、設定部235は、DSC応答メッセージに含まれる、DSC用の使用可能なチャネルを設定する。
以上、HE端末200によるDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理について説明した。なお、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータに関しても、上記と同様の流れで設定され得る。
<3.第2の実施形態>
本実施形態は、HE端末200が、基地局100による制御を経ずに、自律的にDSCモードで動作可能な形態である。本実施形態に係る通信システム1が含む各装置の構成は、第1の実施形態において説明したものと同様である。以下、本実施形態に係るHE端末200に特徴的な構成について説明する。
[3−1.HE端末の構成例]
(1)記憶部220
本実施形態に係る記憶部220は、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータに加え、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを記憶する。DSC用送信パラメータは、事前に記憶されていても良いし、基地局100からの信号に基づいて記憶又は更新されてもよい。基地局100からの信号としては例えば、Beaconや、Probe Responseが挙げられる。
(2)取得部231
本実施形態に係る取得部231は、通常モードにおいても、DSCモードにおいても、記憶部220を参照してCCA閾値及び送信パラメータを取得する。なお、取得部231は、データ送信要求の発生、送信成功確率の低下、キャリアセンスによる送信抑制確立の上昇などに応じて、複数あるDSC用閾値及び送信パラメータの候補の中から使用するものを自律的に取得してもよい。
(3)決定部233
本実施形態に係る決定部233は、動作モードを決定する。例えば、決定部233は、データ送信要求の発生、送信成功確率の低下、キャリアセンスによる送信抑制確立の上昇などに応じて、自律的にDSCモードで動作するか否かを決定する。
以上、本実施形態に特徴的なHE端末200の構成例について説明した。続いて、本実施形態に係る動作処理について説明する。
[3−2.動作処理]
本実施形態では、図6を参照して上記説明した第1の実施形態と同様の動作処理を行う。ただし、ステップS202におけるDSC使用決定処理が異なる。そこで、図9を参照して、本実施形態に係るDSC使用決定処理の詳細な動作を説明する。
図9は、本実施形態に係るHE端末200によるDSC使用決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、ステップS502で、取得部231は、記憶部220を参照して、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを取得する。ここで、DSC用閾値を制御するコーディネータが存在しないため、取得部231は、自身の送信機会が増加するよう、デフォルト閾値よりも高いDSC用閾値を取得すると想定される。この場合、取得部231は、HE端末200の送信機会を減少させるようなDSC用送信パラメータを取得する。もちろん、取得部231は、デフォルト閾値よりも低いDSC用閾値を取得してもよい。この場合、取得部231は、HE端末200の送信機会を増加させるようなDSC用送信パラメータを取得する。取得する送信パラメータの具体例については、第1の実施形態において説明した通りである。
次いで、ステップS504で、決定部233は、現在送信しようとしているフレームが、DSCを使用して送信可能なフレームであるか否かを判定する。例えば、決定部233は、DSCを使用して送信可能なフレームの種類に、現在送信しようとしているフレームが含まれるか否かを判定してもよい。フレームの種類の具体例については、第1の実施形態において説明した通りである。
DSCを使用可能なフレームでないと判定された場合(S504/NO)、ステップS508で、決定部233は、DSC不使用を決定し、通常モードで動作することを決定する。
一方で、DSCを使用可能なフレームであると判定された場合(S504/YES)、ステップS506で、決定部233は、DSC使用を決定し、DSCモードで動作することを決定する。このように、通信システム1は、HE端末200がDSCを使用したデータ送信が可能なフレームに自律的に制限を加えることで、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる送信機会の不公平を軽減することが可能である。
以上、本実施形態に係るDSC使用決定処理について説明した。なお、本実施形態に係るDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定処理は、図8を参照して上記説明した通りである。
<4.第3の実施形態>
本実施形態は、HE端末200がチャネルごとにDSCを行う形態である。まず、図10を参照して、本実施形態に係る通信システム1の概要を説明する。
図10は、本実施形態に係るチャネルの一例を説明するための説明図である。図10に示す例では、通信システム1は、チャネルA、B、C、Dの4つのチャネルを用いてデータの送受信を行う。なお、単位チャネルを例えば20MHzとする。一番周波数の低い単位チャネルから順に、チャネルA、チャネルB、チャネルC、チャネルDとする。HE端末200は、例えばチャネルAを第1のチャネル(プライマリーチャネル)とし、単位チャネルでデータ送信を行う場合、チャネルAを用いて行うものとする。HE端末200は、複数のチャネルを束ねてデータ送信を行うことも可能である。本実施形態に係るHE端末200は、複数のチャネルを束ねて送信を行う際に、図10に示すように単位チャネルごとにDSCを使用するか否かを分けることが可能である。また、HE端末200は、単位チャネルごとに異なる送信パラメータを設定可能である。
本実施形態に係る通信システム1が含む各装置の構成は、第1の実施形態において説明したものと同様である。以下、本実施形態に係る基地局100及びHE端末200に特徴的な構成について説明する。
[4−1.基地局の構成例]
(1)DSC制御部131
本実施形態に係るDSC制御部131は、HE端末200の動作モードをチャネルごとに制御する機能を有する。例えば、DSC制御部131は、あるチャネルについてのDSC要求メッセージの送信元のHE端末200が、そのチャネルにおいてDSCモードで動作することを許可するか否かを判定する。判定基準については、第1の実施形態と同様である。なお、DSC制御部131は、使用を許可するチャネルと許可しないチャネルとを混在させてもよい。
DSC制御部131は、チャネルごとにDSCの使用を許可するか否かを判定し、判定結果を示す情報を、DSC応答メッセージに格納する。
なお、DSC制御部131は、DSC要求メッセージを送信していないHE端末200に、一方的に任意のチャネルにおけるDSCモードでの動作を許可するメッセージを送信してもよい。また、DSC制御部131は、あるチャネルにおけるDSCモードでの動作をすでに許可したHE端末200に、そのチャネルにおけるDSCモードでの動作を禁止することを示すメッセージを送信してもよい。
(2)パラメータ制御部133
パラメータ制御部133は、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを、HE端末200がデータ送信に使用する周波数(チャネル)ごとに決定する機能を有する。決定基準及び具体的なパラメータの決定内容については、第1の実施形態と同様である。
なお、パラメータ制御部133は、通信システム1内の条件の変化に応じて、あるチャネルにおけるDSCモードでの動作を許可したHE端末200の、そのチャネルにおけるDSC用送信パラメータを更新するためのメッセージを、任意のタイミングで送信してもよい。このタイミングは、例えば無線通信部110に接続されているレガシー端末300の数に応じて決定されてもよい。
パラメータ制御部133は、チャネルごとにDSC用閾値を決定する。そして、パラメータ制御部133は、チャネルごとに、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加えるDSC用送信パラメータを決定する。これにより、DSCによる送信機会の増減の逆向きの増減がチャネルごとに実現される。よって、システム全体のスループットの向上を損なうことなく、HE端末200とレガシー端末300との間で生じるチャネルごとの送信機会の不公平が軽減される。
[4−2.HE端末の構成例]
(1)無線通信部210
本実施形態に係る無線通信部210は、チャネルごとに異なるCCA閾値及び送信パラメータを用いてデータ送信を行い得る。無線通信部210は、基地局100によりDSCの使用が許可されているチャネルについては、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを用いてデータ送信を行う。一方で、無線通信部210は、基地局100によりDSCの使用が許可されていないチャネルについては、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを用いてデータ送信を行う。
(2)取得部231
本実施形態に係る取得部231は、チャネルごとに設定すべきCCA閾値を示す情報及び送信パラメータを示す情報を取得する機能を有する。取得部231は、チャネルごとにDSC要求メッセージ及びDSC応答メッセージの送受信を行ってもよいし、すべてのチャネルに関して一括でメッセージの送受信を行ってもよい。
(3)決定部233
本実施形態に係る決定部233は、デフォルト閾値からDSC用閾値への変更、及びDSCモードでの送信パラメータを用いたデータ送信の実行可否をチャネルごとに判定して、チャネルごとに動作モードを決定する機能を有する。
(4)設定部235
本実施形態に係る設定部235は、チャネルごとにCCA閾値及び送信パラメータの設定を行う機能を有する。設定部235は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを設定するチャネルと、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定するチャネルとを混在させてもよい。
以上、本実施形態に係る通信システム1が含む各装置に特徴的な構成を説明した。以下では、本実施形態に係る通信システム1の動作処理について説明する。まず、図11及び図12を参照して、DSC使用許可処理について説明する。
[4−3.DSC使用許可処理]
図11及び図12は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるDSC使用許可処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図11及び図12に示すように、本シーケンスには、基地局100及びHE端末200が関与する。
図11に示すように、まず、ステップS602で、HE端末200は、チャネルAについてのDSC要求メッセージを基地局100へ送信する。このDSC要求メッセージは、例えばチャネルAを用いて送信され得る。
次に、ステップS603で、DSC要求メッセージの受信に成功した基地局100は、確認応答をHE端末200へ返信する。
次いで、ステップS604で、基地局100は、チャネルAでのDSC使用可否判定を行う。例えば、DSC制御部131は、チャネルAを用いて無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて、DSC要求メッセージの送信元のHE端末200が、DSCモードで動作することを許可するか否かを判定する。以下では、チャネルAでのDSCの使用が許可される場合の処理を説明する。
次に、ステップS606で、基地局100は、チャネルAでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを生成する。例えば、パラメータ制御部133は、チャネルAでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを、無線通信部110に接続している他の装置のうちレガシー端末300の数に基づいて決定する。他にも、パラメータ制御部133は、チャネルAでのDSC用送信パラメータを、チャネルAでのDSC用閾値とデフォルト閾値との差に基づいて決定してもよい。この際、パラメータ制御部133は、チャネルAでのDSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加える値に決定する。
次いで、ステップS608で、基地局100は、チャネルAについてのDSC応答メッセージをHE端末200へ送信する。例えば、基地局100は、チャネルAでのDSCの使用を許可する情報、チャネルAでのDSC用閾値、及びチャネルAでのDSC用送信パラメータを格納したDSC応答メッセージを生成して、HE端末200へ送信する。なお、上記ステップS104において、DSC制御部131が、チャネルAでのDSCの使用を却下する場合、DSC応答メッセージには、チャネルAでのDSCの使用を却下することを示す情報が格納される。
次に、ステップS610で、DSC応答メッセージの受信に成功したHE端末200は、確認応答を基地局100へ返信する。
次いで、ステップS612〜S620で、HE端末200は、チャネルBについてのDSC使用許可処理を行う。なお、DSC要求メッセージ及びDSC応答メッセージは、プライマリーチャネルであるチャネルAを用いて送受信されてもよい。ここでの処理は、上記ステップS602〜S610と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、図12に示すように、ステップS622〜S630で、HE端末200は、チャネルCについてのDSC使用許可処理を行う。なお、DSC要求メッセージ及びDSC応答メッセージは、プライマリーチャネルであるチャネルAを用いて送受信されてもよい。ここでの処理は、上記ステップS602〜S610と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次いで、ステップS632〜S640で、HE端末200は、チャネルDについてのDSC使用許可処理を行う。なお、DSC要求メッセージ及びDSC応答メッセージは、プライマリーチャネルであるチャネルAを用いて送受信されてもよい。ここでの処理は、上記ステップS602〜S610と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1は、DSCモードでの動作の実行可否をチャネルごとに制御可能であるとともに、送信パラメータをチャネルごとに制御可能である。その際、通信システム1は、HE端末200とレガシー端末300との間で生じる不公平の度合に基づいて、チャネルごとに送信パラメータを調節することが可能である。このため、通信システム1は、DSCの使用によりスループットを向上させつつ、HE端末200とレガシー端末300との間の送信機会の不公平をチャネルごとに軽減することができる。
以上、DSC使用許可処理について説明した。次いで、図13及び図14を参照して、HE端末200によるデータ送信処理を説明する。
[4−4.データ送信処理]
図13及び図14は、本実施形態に係るHE端末200によるデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、まず、ステップS702で、HE端末200は、チャネルAでのDSC使用決定処理を行う。例えば、HE端末200は、図7を参照して上記説明した処理を、チャネルAに関して行う。これにより、取得部231は、チャネルAでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを取得する。また、決定部233は、現在時刻がチャネルAでDSCを使用可能な時間であるか否か、及び現在送信しようとしているフレームがチャネルAでDSCを使用可能なフレームであるか否かを判定することで、チャネルAでのDSCの使用可否を決定する。
次いで、ステップS704で、設定部235は、決定部233による処理結果を参照して、チャネルAでDSCを使用するか否かを判定する。
DSCを使用する場合(S704/YES)、ステップS706で、設定部235は、チャネルAについてチャネルAでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを設定する。例えば、HE端末200は、図8を参照して上記説明した処理を、チャネルAに関して行う。
DSCを使用しない場合(S704/NO)、ステップS708で、設定部235は、チャネルAについてデフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。
次に、ステップS710〜S716で、HE端末200は、チャネルBでのDSC使用決定処理を経て、チャネルBについて、チャネルBでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータ又はデフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。ここでの処理は、上記ステップS702〜S708と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次いで、図14に示すように、ステップS718〜S724で、HE端末200は、チャネルCでのDSC使用決定処理を経て、チャネルCについて、チャネルCでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータ又はデフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。ここでの処理は、上記ステップS702〜S708と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、ステップS726〜S732で、HE端末200は、チャネルDでのDSC使用決定処理を経て、チャネルDについて、チャネルDでのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータ又はデフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータを設定する。ここでの処理は、上記ステップS702〜S708と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、ステップS734で、無線通信部210は、制御部230により設定されたCCA閾値、及び送信パラメータを用いて、4つのチャネルを束ねて送信データを送信する。この送信処理においては、例えば一般的なCSMA/CAが行われる。ここで、本実施形態においては、チャネルごとに異なるCCA閾値が用いられ得る。HE端末200は、一部のチャネルはアイドル、その他のチャネルはビジーと判断した場合、アイドルと判断したチャネルのみを用いて送信を行ってもよい。
以上、HE端末200によるデータ送信処理について説明した。
<5.第4の実施形態>
本実施形態は、HE端末200が、基地局100による制御を経ずに、自律的にチャネルごとにDSCモードで動作可能な形態である。本実施形態に係る通信システム1が含む各装置の構成は、第2の実施形態及び第3の実施形態において説明したものと同様である。以下、本実施形態に係るHE端末200に特徴的な構成について説明する。
(1)記憶部220
本実施形態に係る記憶部220は、デフォルト閾値及びデフォルト送信パラメータに加え、チャネルごとのDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを記憶する。
(2)取得部231
本実施形態に係る取得部231は、通常モードにおいても、DSCモードにおいても、記憶部220を参照してチャネルごとのCCA閾値及び送信パラメータを取得する。
(3)決定部233
本実施形態に係る決定部233は、チャネルごとに動作モードを決定する。DSC使用決定処理については、第3の実施形態において上記説明した通りである。
(4)設定部235
本実施形態に係る設定部235は、チャネルごとにCCA閾値及び送信パラメータの設定を行う。
以上、本実施形態に特徴的なHE端末200の構成例について説明した。本実施形態に係るHE端末200は、制御部230が自律的に設定したCCA閾値、及び送信パラメータを用いて、4つのチャネルを束ねて送信データを送信する。この送信処理においては、例えば一般的なCSMA/CAが行われる。ここで、本実施形態においては、チャネルごとに異なるCCA閾値が用いられ得る。HE端末200は、一部のチャネルはアイドル、その他のチャネルはビジーと判断した場合、アイドルと判断したチャネルのみを用いて送信を行ってもよい。
本実施形態によれば、通信システム1は、自律的なDSCの使用によりスループットを向上させつつ、HE端末200とレガシー端末300との間の送信機会の不公平をチャネルごとに軽減することができる。
<6.第5の実施形態>
本実施形態は、HE端末200自身が、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを決定する形態である。まず、図15を参照して、本実施形態に係る基地局100の構成例を説明する。
[6−1.基地局の構成例]
図15は、第5の実施形態に係る基地局100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係る基地局100は、図3に示した構成例と、制御部130の構成が相違する。図15に示すように、本実施形態に係る制御部130は、変更規則生成部135として機能する。
変更規則生成部135は、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータの設定のためにHE端末200において用いられる、変更規則を生成する機能を有する。変更規則は、後述するマージン値及び変更用パラメータ(第2のパラメータ)を含む。変更規則生成部135は、生成した変更規則を示す情報を、無線通信部110によりHE端末200へ送信させる。
以上、本実施形態に係る基地局100の構成例を説明した。続いて、図16を参照して、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明する。
[6−2.HE端末の構成例]
図16は、第5の実施形態に係るHE端末200の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、本実施形態に係るHE端末200は、図4に示した構成例と、制御部230の構成が相違する。図16に示すように、本実施形態に係る制御部230は、パラメータ制御部234及び設定部235として機能する。
パラメータ制御部234は、第1の実施形態において説明したパラメータ制御部133と同様に、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを決定する機能を有する。ただし、本実施形態に係るパラメータ制御部234は、基地局100から通知された変更規則に基づいて、DSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを決定する。決定処理については後に詳しく説明する。
設定部235は、パラメータ制御部234により決定されたDSC用閾値、及びDSC用送信パラメータを設定する。
以上、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明した。続いて、本実施形態に係る通信システム1の技術的特徴を説明する。
[6−3.技術的特徴]
図17は、本実施形態に係る通信システム1において実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。図17に示すように、本シーケンスには、基地局100及びHE端末200が関与する。図17に示すように、基地局100は、キャリアセンスマージン決定処理(ステップS802)、変更用パラメータ決定処理(ステップS804)を行い、及びHE端末200への通知処理(ステップS806)を行う。次いで、HE端末200は、DSC用閾値設定処理(ステップS808)、DSC用送信パラメータ設定処理(ステップS810)、及び基地局100への送信処理(ステップS812)を行う。そして、基地局100は、送信電力制御処理(ステップS814)を行う。また、図17に示したシーケンスにおけるより詳細な処理内容を、図18に示した。図18は、本実施形態に係る通信システム1において実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。
(ステップS802)キャリアセンスマージン決定処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135)は、変更規則のひとつとして、接続中の配下のHE端末200が、DSC用閾値を決定する際に用いるマージン値を決定する。本実施例では、HE端末200が決定したキャリアセンスレベル(キャリアセンス検出用閾値)をDSC用閾値として扱う。なお、キャリアセンスレベルを、以下ではCCASD(Clear Channel Assessment Signal Detection level)とも称する場合がある。
基地局100は、多様な基準でマージン値を決定し得る。例えば、基地局100は、周囲をモニタして干渉の平均強度を測定し、測定した干渉の平均強度に基づいてマージン値を決定してもよい。具体的には、基地局100は、干渉の平均強度が高い場合は大きい値を決定し、低い場合は小さい値を決定する。他にも、基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数に応じてマージン値を決定してもよいし、さらに他のBSSのHE端末200とレガシー端末300の台数の情報を加味してマージン値を決定しても良い。また、基地局100は、上記の無線端末の台数と干渉の平均強度との組み合わせにより決定してもよい。また、基地局100は、所定の値を採用してもよい。
(ステップS804)変更用パラメータ決定処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135)は、変更規則のひとつとして、接続中の配下のHE端末200が、DSC用送信パラメータを決定する(即ち、送信パラメータをデフォルトから変更する)際に用いる変更用パラメータを決定する。
変更用パラメータは、HE端末200に、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加える値に、送信パラメータを変更させるためのパラメータである。即ち、変更用パラメータは、HE端末200がCCASDを変更した時に、システム全体として不公平の緩和する目的で課される付随的なパラメータである。変更用パラメータは、CCASDを上昇させるときは送信機会の増加と引き換えに課すペナルティ、逆にCCASDを低下させる場合には送信機会の減少と引き換えに与える優遇措置としての意味合いがある。変更用パラメータにより、CCASDの変更に連動してデフォルトの送信パラメータから変更されたDSC用送信パラメータが設定される。
変更用パラメータは、上述したマージン値と1対1に対応するものとする。即ち、マージン値に変更用パラメータが一意に対応する。よって、基地局100において、マージン値が同一であれば変更用パラメータが同一となることが保証される。さらに、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせは、他の基地局100との間で共通であってもよい。その場合、異なる基地局100においても、マージン値が同一であれば変更用パラメータも同一となることが保証される。
例えば、基地局100は、マージン値及び変更用パラメータの組み合わせを記憶部120に記憶しておき、その中から用いる組み合わせを選択する。選択基準は、マージン値の決定基準において説明した通りである。他にも、マージン値と変更用パラメータとを1対1に対応させる計算式を用いて導出されてもよい。
変更用パラメータにより変更される送信パラメータは多様に考えられる。
例えば、変更用パラメータは、送信電力を変更するためのパラメータとして、送信電力変更係数α及びβを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動して送信電力が変更される。
また、変更用パラメータは、送信用固定待ち時間を変更するためのパラメータとして、送信用固定待ち時間変更係数γを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動して送信用固定待ち時間が変更される。
また、変更用パラメータは、キャリアセンス用ランダム待ち時間を変更するためのパラメータとして、キャリアセンス用ランダム待ち時間変更係数δ、εを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動してキャリアセンス用ランダム待ち時間が変更される。
また、変更用パラメータは、無線リソース(例えば、周波数)の専有時間長を変更するためのパラメータとして、最大フレーム時間長変更係数μ、νを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動して無線リソースの専有時間長が変更される。なお、同様の趣旨で、一度のフレーム送信における最大送信情報量、一度の送信における最大パケット連結個数、同じパケットの最大再送回数、複数フレームの連続送信に使用できる最大時間長(例えば、TXOP limit)を変更するためのパラメータが、変更用パラメータに含まれていてもよい。
また、変更用パラメータは、使用可能なチャネル帯域幅を変更するためのパラメータとして、使用可能チャネル帯域幅変更係数λを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動して使用可能なチャネル帯域幅が変更される。
また、変更用パラメータは、使用可能なチャネル周波数を限定するためのパラメータとして、チャネル限定動作判定係数ω又は使用可能なチャネル群を指定する情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。これにより、CCASDの変更に連動して使用可能なチャネル周波数が限定される。
下記の表1に、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせの一例を示す。表1では、送信電力及び送信用固定待ち時間(例えば、AIFSN)が変更対象の送信パラメータである例を示している。基地局100は、この中からひとつのエントリ(行)を選択する。なお、より変更量(ペナルティ又は優遇措置の規模)が大きくなるように、基地局100により又は通知先のHE端末200により、変更用パラメータの値が変更されてもよい。
Figure 0006801757
(ステップS806)通知処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135及び無線通信部110)は、生成した変更規則を示す情報をHE端末200へ通知する。
本実施形態では、基地局100は、フレーム内に、マージン値及び変更用パラメータを格納して通知する。格納先のフレームは、配下全体に通知されるビーコンフレームであってもよいし、個別に通知されるその他のマネジメントフレームであってもよい。一例として、ビーコンフレームに格納される場合のフォーマットの例を図19に示す。
図19は、本実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。図19に示すように、ペイロード部分に変更規則を示す情報を格納する「Dynamic CCA Parameters」がある。その中身は、識別情報を格納する「Element ID」、フィールド長を格納する「Length」、マージン値を格納する「CCA Margin」、及び変更用パラメータを格納する「Linked Parameter List」から成る。「Linked Parameter List」は、変更対象の送信パラメータの数を格納する「Num of Entries」、並びに変更対象の送信パラメータの種類を格納する「Parameter Type」、及び変更係数値を格納する「Coefficient Values」のN個の組から成る。ここで、Nは、変更対象の送信パラメータの数を示す。
フレーム内にマージン値及び変更用パラメータを格納して通知することにより、上述した「変更用パラメータはマージン値と1対1に対応する」というルールが遵守される。さらに、フレーム内にマージン値及び変更用パラメータを格納して通知することにより、システムの品質を毀損するような不正な設定を基地局100がしても、HE端末200又はその他の装置が不正を検知することができ、テスタビリティが確保される。
このように、マージン値及び変更用パラメータの組み合わせ(即ち、変更規則)を示す情報は、基地局100からHE端末200へ通知される。なお、本実施形態では、図19に示したように、マージン値及び変更用パラメータ自体が格納されたフレームが、基地局100から通知される。
(ステップS808)DSC用閾値設定処理
HE端末200(例えば、パラメータ制御部234及び設定部235)は、基地局100からの通知に基づいて、DSC用閾値を決定及び設定する。
例えば、HE端末200は、通知されたマージン値、及び参照フレームの受信強度(RSSI:Received signal strength indication)に基づいて、DSC用閾値を決定する。参照フレームは、上述した変更規則を示す情報を格納したビーコンフレームであってもよい。以下、図20を参照して、DSC用閾値の決定処理について説明する。
図20は、本実施形態に係るDSC用閾値の決定処理を説明するための説明図である。図中のAPは基地局100を示し、STAはHE端末200を示す。図20に示すように、HE端末200は、接続先の基地局100から送信されたビーコンフレームを受信する。
例えば、HE端末200は、参照フレームの受信強度からマージン値を減算した値を、設定可能なCCASDの上限値CCASDcapableとして次式で算出する。そして、HE端末200は、上限値CCASDcapableを超えない範囲で、CCASDを変更する(即ち、DSC用閾値を決定する)。これにより、基地局100が送信した信号が、HE端末200において確実に検出されることとなる。なお、次式は対数での表現である。
Figure 0006801757
ここで、接続先の基地局100から受信した最新の参照フレーム(ビーコンフレーム)の、HE端末200における受信強度(RSSI)をRref(dBm)とし、上述した通知処理において基地局100から通知されたマージン値をM(dB)とする。なお、Rrefは、複数の参照フレームにわたる計測結果に、平均化等のフィルタリングを行ったものであってもよい。また、CCASDcapableは、他の要因に基づく上限値又は下限値により値が制限されてもよい。
デフォルトのCCASDの値をCCASDdefaultとし、変更後のCCASD(即ち、DSC用閾値)の値を、CCASDupdatedとする。例えば、CCASDdefaultは、20MHz帯域幅あたり−82dBmであってもよい。CCASDdefaultとCCASDupdatedとの差分DCCASDは、次式で算出される。なお、次式も対数での表現である。以降の数式で登場するDCCASDは全てdB値である。
Figure 0006801757
上記数式1を参照すると、RSSIが大きいHE端末200ほど、高いCCASDへの変更が許容される。なお、CCASDの変更は範囲内で自由度があり、必ずしもHE端末200がCCASDupdatedをCCASDcapableとする必要は無い。HE端末200は、CCASDを全く変化させなくても良い。つまり、HE端末200側の制御により、DCCASDは変わり得る。これにより、リンク状態が悪いHE端末200が高いCCASDへ変更してしまい、予期しない送信失敗を増加させてシステム全体のパフォーマンスを低下させることを防ぐことができる。
(ステップS810)DSC用送信パラメータ設定処理
HE端末200(例えば、パラメータ制御部234及び設定部235)はDSC用送信パラメータを決定及び設定する。
より詳しくは、HE端末200は、上述したDSC用閾値決定処理において決定したDSC用閾値とデフォルト閾値との差分、即ちDCCASDに応じてDSC用送信パラメータを制御する。例えば、HE端末200は、差分が大きい程に変更量(ペナルティ又は優遇措置の規模)を大きくし、差分が小さい程に変更量を小さくする。これにより、CCASDの上げ幅又は下げ幅に応じて生じる、システム全体の不公平を適切に緩和することが可能となる。
また、HE端末200は、マージン値に対応する変更用パラメータを用いてDSC用送信パラメータを設定する。HE端末200は、基地局100から通知された変更規則を遵守してDSC用送信パラメータを決定するものとし、逸脱することはないものとする。以下、通知された変更用パラメータに基づくDSC用送信パラメータの決定方法を説明する。
・送信電力
HE端末200は、DCCASDに応じて送信電力を変更する。変更係数α、βを用いた送信電力変更の一例を、次式に示す。なお、変更後の送信電力をPupdated、基準となる送信電力をPdefaultとし、これらはdB値であるとする。なお、基準送信電力Pdefaultは予め何らかの方法でシステム内の各基地局ならびに各無線端末において共有されているものとする。
Figure 0006801757
αが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合、DCCASDが大きいほど(即ち、DSC用閾値が高い程)、送信電力は下がる。また、αが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合、DCCASDが小さいほど(即ち、DSC用閾値が低い程)、送信電力は上がる。
αが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合であっても、上記数式により算出されたPupdatedがPdefaultよりも高くなる場合が有り得る。その場合は、HE端末200は、送信電力を変更せずにPdefaultを用いるものとする。同様に、αが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合であっても、上記数式により算出されたPupdatedがPdefaultよりも低くなる場合が有り得る。その場合は、HE端末200は、送信電力を変更せずにPdefaultを用いるものとする。このように、課すべきペナルティ又は優遇措置が逆向きに作用してしまう場合には、HE端末200は、デフォルトの送信パラメータを用いるものとする。以下に説明する他の送信パラメータに関しても同様である。
・送信用固定待ち時間
HE端末200は、DCCASDに応じて送信用固定待ち時間を変更する。
送信用固定待ち時間とは、例えば802.11規格におけるAIFSに相当するものであり、AIFSは送信試行を行う際に待たなければならないタイムスロット数(AIFSN)と対応している。つまり、HE端末200は、DCCASDに応じてAIFSNを変更してもよい。
変更係数γを用いたAIFSN変更の一例を、次式に示す。変更後のAIFSNをAIFSNupdated、デフォルトのAIFSNをAIFSNdefaultとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
ここで、デフォルトのAIFSNとは、基地局100がビーコンフレームのEDCA Parameter IEを用いて報知しているAIFSNの値を指すものとする。このAIFSNの変更は、全てのアクセスカテゴリに対して適用される。
γが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合、DCCASDが大きいほど(即ち、DSC用閾値が高いほど)、AIFSN、即ち待ちスロット数が増える。また、γが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合、DCCASDが小さいほど(即ち、DSC用閾値が低いほど)、AIFSN、即ち待ちスロット数が減る。
・キャリアセンス用ランダム待ち時間
キャリアセンス用ランダム待ち時間とは、例えば802.11規格におけるランダムバックオフの範囲を示すCW(Contention Window)に相当するものである。CWにはCWminとCWmaxとがある。以下では、一例として、HE端末200がCWminをDCCASDに応じて変更する例を説明する。
変更係数δ及びεを用いたCWmin変更の一例を、次式に示す。変更後のCWminをCWupdated、デフォルトのCWminをCWdefaultとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
ここで、デフォルトのCWminとは、基地局100がビーコンフレームのEDCA Parameter IEを用いて報知しているCWminの値を指すものとする。このCWminの変更は、全てのアクセスカテゴリに対して適用される。なお、δ及びεは、各アクセスカテゴリに別々の値が割り当てられても良い。
また、上記ではCWminについて説明したが、CWmaxに関しても同様の変更が行われてもよい。
δ及びεが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合、DCCASDが大きいほど(即ち、DSC用閾値が高いほど)、CWminは大きくなりランダム待ち時間の期待値は長くなる。また、δ及びεが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合、DCCASDが小さいほど(即ち、DSC用閾値が低いほど)、CWminは小さくなりランダム待ち時間の期待値は短くなる。
・最大フレーム時間長
HE端末200は、DCCASDに応じて最大フレーム時間長を変更する。最大フレーム時間長は、例えばPPDU時間長に相当する。HE端末200は、例えばPPDU時間長に上限を設け、上限をDCCASDに応じて決定する。
変更係数μ及びνを用いたPPDU時間長上限値変更の一例を、次式に示す。変更後のPPDU時間長上限値をTupdatedとし、これは真値であるとする。
Figure 0006801757
νが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合、DCCASDが大きいほど(即ち、DSC用閾値が高いほど)、Tupdated、即ちPPDUの時間長は短くなる。また、νが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合、DCCASDが小さいほど(即ち、DSC用閾値が低いほど)、Tupdated、即ちPPDUの時間長は長くなる。
なお、上記説明したように、無線リソースの専有時間長を変更する、という趣旨から、一度のフレーム送信における最大送信情報量、一度の送信における最大パケット連結個数、同じパケットの最大再送回数、及び複数フレームの連続送信に使用できる最大時間長に関しても、同様の計算を適用することが可能である。
・使用可能なチャネル帯域幅
HE端末200は、送信に使用可能なチャネル帯域幅を、DCCASDに応じて変更する。変更係数λを用いた使用可能チャネル帯域幅の変更の例を、次式に示す。変更後の使用可能チャネル帯域幅をBWupdated、デフォルトの使用可能チャネル帯域幅をBWdefault、チャネル帯域幅の最小粒度をBWunitとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
λが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が高い場合、DCCASDが大きいほど(即ち、DSC用閾値が高いほど)、BWupdated、即ち使用可能なチャネル帯域幅は狭くなる。また、λが正の値の場合であって、デフォルト閾値よりもDSC用閾値の方が低い場合、DCCASDが小さいほど(即ち、DSC用閾値が低いほど)、BWupdated、即ち使用可能なチャネル帯域幅は広くなる。
・使用可能なチャネル周波数
HE端末200は、送信に使用可能なチャネル周波数を、DCCASDに応じて変更する。例えば、HE端末200は、DCCASDがチャネル限定動作判定係数ωよりも大きい場合、基地局100から指定されたチャネルを使用する。
(ステップS812)送信処理
HE端末200は、上記説明した処理により決定及び設定したDSC用閾値及びDSC用送信パラメータを用いて、信号を送信する。
HE端末200は、DSC用送信パラメータとして、送信電力を変更した場合、設定した送信電力を示す情報を接続先の基地局100へ通知する。例えば、HE端末200は、フレームの一部に変更後の送信電力Pupdatedを示す情報を格納して、送信する。これにより、基地局100は、HE端末200側での送信電力の変更に合わせて、送信電力制御を行うことが可能となる。変更後の送信電力を通知するためのフレームフォーマットの一例を、図21に示す。
図21は、本実施形態に係るHE端末200が送信するフレームフォーマットの一例を説明するための説明図である。符号401に示すフレームフォーマットでは、PLCPヘッダ内に、送信電力を示す情報が格納される。符号402に示すフレームフォーマットでは、MACヘッダ内に、送信電力を示す情報が格納される。符号403に示すフレームフォーマットでは、マネジメントフレームのペイロード部に、送信電力を示す情報が格納され、当該ペイロード部はフレームアグリゲーションにより送信フレームの一部に連結される。符号404に示すフレームフォーマットでは、LLC−SNAPヘッダのEtherTypeが通常と異なる値となるデータフレームのペイロード部に、送信電力を示す情報が格納され、当該ペイロード部はフレームアグリゲーションにより送信フレームの一部に連結される。
符号401及び402に示すフレームフォーマットは、オーバーヘッドが少ないものの、既存のフォーマットを変更する必要があり、レガシー端末300が、信号からデータを正しく取得できなくなり予期しない動作を行い得る、というデメリットがある。符号403及び404に示すフレームフォーマットは、オーバーヘッドが符号401及び402に示すフレームフォーマットより大きくなるものの、レガシー端末300は、追加された送信電力を示す情報を読み飛ばすことができ、後方互換性を確保することができるというメリットがある。
なお、図21では、元々HE端末200が送信しようとしているフレームがデータフレームであり、当該データフレームが複数のフレームが連結されているA−MPDU(aggregation MAC protocol data unit)であるものとして、フレームフォーマットの一例を示した。もちろん、HE端末200は、他の任意のフレームに送信電力を示す情報を格納し得る。例えば、HE端末200は、アグリゲーションされてないデータフレーム、マネジメントフレーム、又はコントロールフレーム等に、送信電力を示す情報を格納してもよい。
(ステップS814)送信電力制御処理
基地局100(例えば、パラメータ制御部133及び無線通信部110)は、HE端末200から通知された情報に基づいて、送信電力制御を行う。
例えば、基地局100は、HE端末200において設定された送信電力を示す情報に基づいて、当該HE端末200へ送信するフレームの送信電力を設定する。例えば、HE端末200において送信電力が基準送信電力より低くなった場合、基地局100もまた、基準送信電力よりも送信電力を下げる。これにより、システム全体として公平性確保のためのペナルティ又は優遇措置が課されることとなる。また、システムを構成する装置の個々の送信電力が低下すれば、干渉が削減されてシステム全体の効率を向上させることが可能となる。
例えば、基地局100は、送信電力制御後の送信電力を用いて、HE端末200から受信したフレームに対するACK/NACKの応答フレームを、HE端末200へ返信してもよい。
ただし、基地局100は、参照フレームの送信電力を所定値(基準送信電力)に維持する。これは、HE端末200が、参照フレームの受信強度に基づいてDSC用閾値を決定するためである。
(その他)
基地局100も、自身で決定したマージン値及び変更用パラメータを用いて、CCASD及び送信パラメータの動的な変更を行ってもよい。
その場合、基地局100の配下の無線端末(例えば、HE端末200)は、基地局100に対して定期的に参照フレームを送信することが要される。なお、HE端末200において、上記説明した処理により送信電力が変更された場合であっても、参照フレームの送信電力は所定値に維持するものとする。
基地局100は、全ての配下のHE端末200からの参照フレームの受信強度のうち、最も小さい受信強度を、上記説明したRrefとして取り扱い、上記説明した通りにDSC用閾値設定処理、DSC用送信パラメータ設定処理等を行う。なお、基地局100において、送信電力が変更される場合であっても、参照フレームの送信電力は所定値に維持するものとする。
[6−4.変形例]
上記表1に示したような、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせは、HE端末200にも共有されていてもよい。その場合、「(ステップS806)通知処理」において基地局100からHE端末200へ通知される情報量は削減可能であるし、通知のためのフレームフォーマットは簡素化可能である。
例えば、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせの各々に、識別情報としてモード番号が付与された情報が、基地局100とHE端末200との間で共有されるものとする。下記の表2に、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせ及びモード番号の一例を示す。
Figure 0006801757
基地局100は、「(ステップS806)通知処理」において、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせを示す情報として、モード番号を通知する。HE端末200は、通知されたモード番号を表2に示した情報に参照することで、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせを知得する。
一例として、ビーコンフレームにモード番号が格納される場合のフォーマットの例を図22に示す。
図22は、本変形例に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。図22に示すように、ペイロード部分に変更規則を示す情報を格納する「Dynamic CCA Parameters」がある。その中身は、識別情報を格納する「Element ID」、フィールド長を格納する「Length」、モード番号を格納する「Mode Index」から成る。
<7.第6の実施形態>
上記第5の実施形態では、HE端末200において、DSCの実行を前提として送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)が行われていた。これに対し、本実施形態は、HE端末200において、送信電力制御の実行を前提にDSCが行われる形態である。なお、本実施形態では、HE端末200において、CCASDが変更されない(即ち、DSCを実施しない)場合も許容する。以下では、送信電力制御により変更される送信電力を、TPC用送信電力とも称する。また、送信電力制御による補正量算出のための基準となる送信電力を基準送信電力とも称する。また、送信電力制御に連動して変更される送信パラメータを、TPC用送信パラメータとも称する。
まず、図15を再度参照して、本実施形態に係る基地局100の構成例を説明する。
[7−1.基地局の構成例]
本実施形態に係る基地局100は、図15に示した構成例と同様の構成例を有し得る。以下、本実施形態に特徴的な制御部130の構成について説明する。
本実施形態に係る制御部130は、送信電力を変更可能な、即ちTPC機能を有する他の装置において、設定されるTPC用送信電力と基準送信電力との比較結果に基づいて設定される、当該他の装置がデータ送信に用いるTPC用送信パラメータを設定するための情報を、無線通信部110を介して制御する機能を有する。なお、以下では、第5の実施形態と同様に、基地局100が、HE端末200におけるTPC用送信パラメータの決定のために用いられる情報を通知する例を説明するが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、第1の実施形態と同様に、基地局100は、TPC用送信パラメータを決定してもよい。
変更規則生成部135は、TPC用送信電力及びTPC用送信パラメータの設定のためにHE端末200において用いられる、変更規則を生成する機能を有する。変更規則は、後述するマージン値及び変更用パラメータ(第3のパラメータ)を含む。変更規則生成部135は、生成した変更規則を示す情報を、無線通信部110によりHE端末200へ送信させる。
以上、本実施形態に係る基地局100の構成例を説明した。続いて、図16を再度参照して、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明する。
[7−2.無線端末の構成例]
本実施形態に係るHE端末200は、図16に示した構成例と同様の構成例を有し得る。以下、本実施形態に特徴的な制御部230の構成について説明する。
制御部230は、送信電力及び送信パラメータを制御する機能を有する。詳しくは、制御部230は、TPC用送信電力を設定し、設定したTPC用送信電力と基準送信電力との比較結果に基づいて、送信パラメータを制御する機能を有する。なお、以下では、第5の実施形態と同様に、HE端末200自身が、TPC用送信パラメータを決定する例を説明するが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、第1の実施形態と同様に、HE端末200は、基地局100により決定されたTPC用送信パラメータを設定してもよい。
パラメータ制御部234は、基地局100から通知された変更規則に基づいて、TPC用送信電力、及びTPC用送信パラメータを決定する。決定処理については後に詳しく説明する。
設定部235は、パラメータ制御部234により決定されたTPC用送信電力、及びTPC用送信パラメータを設定する。
以上、本実施形態に係るHE端末200の構成例を説明した。続いて、本実施形態に係る通信システム1の技術的特徴を説明する。
[7−3.技術的特徴]
図23は、本実施形態に係る通信システム1において実行される処理全体の流れの一例を示すシーケンス図である。図23に示すように、本シーケンスには、基地局100及びHE端末200が関与する。図23に示すように、基地局100は、送信電力マージン決定処理(ステップS902)、変更用パラメータ決定処理(ステップS904)、及びHE端末200への通知処理(ステップS906)を行う。次いで、HE端末200は、TPC用送信電力設定処理(ステップS908)、TPC用送信パラメータ設定処理(ステップS910)、及び基地局100への送信処理(ステップS912)を行う。そして、基地局100は、送信電力制御処理(ステップS914)を行う。
(ステップS902)送信電力マージン決定処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135)は、変更規則のひとつとして、接続中の配下のHE端末200が、TPC用送信電力を決定する際に用いるマージン値を決定する。
基地局100は、多様な基準でマージン値を決定し得る。例えば、基地局100は、周囲をモニタして干渉の平均強度を測定し、測定した干渉の平均強度に基づいてマージン値を決定してもよい。具体的には、基地局100は、干渉の平均強度が高い場合は大きい値を決定し、低い場合は小さい値を決定する。他にも、基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数に応じてマージン値を決定してもよいし、さらに他のBSSのHE端末200とレガシー端末300の台数の情報を加味してマージン値を決定しても良い。また、基地局100は、上記の無線端末の台数と干渉の平均強度との組み合わせにより決定してもよい。また、基地局100は、所定の値を採用してもよい。
(ステップS904)変更用パラメータ決定処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135)は、変更規則のひとつとして、接続中の配下のHE端末200が、TPC用送信パラメータを決定する(即ち、送信パラメータをデフォルトから変更する)際に用いる変更用パラメータを決定する。
変更用パラメータは、HE端末200に、送信電力が基準送信電力に対して変更されることによる送信成功率の増減の、逆向きの増減を加える値に、送信パラメータを変更させるためのパラメータである。即ち、変更用パラメータは、HE端末200が送信電力を変更した時に、システム全体として不公平の緩和する目的で課される付随的なパラメータである。変更用パラメータは、送信電力を上昇させるときは送信成功率の増加と引き換えに課すペナルティ、逆に送信電力を低下させる場合には送信成功率の減少と引き換えに与える優遇措置としての意味合いがある。変更用パラメータにより、送信電力の変更に連動してデフォルトの送信パラメータから変更された送信パラメータが設定される。
変更用パラメータは、上述したマージン値と1対1に対応するものとする。即ち、マージン値に変更用パラメータが一意に対応する。よって、基地局100において、マージン値が同一であれば変更パラメータが同一となることが保証される。さらに、マージン値と変更用パラメータとの組み合わせは、他の基地局100との間で共通であってもよい。その場合、異なる基地局100においても、マージン値が同一であれば変更パラメータも同一となることが保証される。
例えば、基地局100は、マージン値及び変更用パラメータの組み合わせを記憶部120に記憶しておき、その中から用いる組み合わせを選択する。選択基準は、マージン値の決定基準において説明した通りである。他にも、マージン値と変更用パラメータとを1対1に対応させる計算式を用いて導出されてもよい。
変更用パラメータにより変更される送信パラメータは多様に考えられる。
例えば、変更用パラメータは、CCASDを変更するためのパラメータとして、CCASD変更係数α及びβを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動してCCASDが変更される。
また、変更用パラメータは、送信用固定待ち時間を変更するためのパラメータとして、送信用固定待ち時間変更係数γを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動して送信用固定待ち時間が変更される。
また、変更用パラメータは、キャリアセンス用ランダム待ち時間を変更するためのパラメータとして、キャリアセンス用ランダム待ち時間変更係数δ、εを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動してキャリアセンス用ランダム待ち時間が変更される。
また、変更用パラメータは、無線リソース(例えば、周波数)の専有時間長を変更するためのパラメータとして、最大フレーム時間長変更係数μ、νを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動して無線リソースの専有時間長が変更される。なお、同様の趣旨で、一度のフレーム送信における最大送信情報量、一度の送信における最大パケット連結個数、同じパケットの最大再送回数、複数フレームの連続送信に使用できる最大時間長を変更するためのパラメータが、変更用パラメータに含まれていてもよい。
また、変更用パラメータは、使用可能なチャネル帯域幅を変更するためのパラメータとして、使用可能チャネル帯域幅変更係数λを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動して使用可能なチャネル帯域幅が変更される。
また、変更用パラメータは、使用可能なチャネル周波数を限定するためのパラメータとして、チャネル限定動作判定係数ω又は使用可能なチャネル群を指定する情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。これにより、送信電力の変更に連動して使用可能なチャネル周波数が限定される。
(ステップS906)通知処理
基地局100(例えば、変更規則生成部135及び無線通信部110)は、生成した変更規則を示す情報をHE端末200へ通知する。
本実施形態では、基地局100は、フレーム内に、マージン値及び変更用パラメータを格納して通知する。格納先のフレームは、配下全体に通知されるビーコンフレームであってもよいし、個別に通知されるその他のマネジメントフレームであってもよい。一例として、ビーコンフレームに格納される場合のフォーマットの例を図24に示す。
図24は、本実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットの一例を説明するための図である。図24に示すように、ペイロード部分に、基地局100自身の送信電力を示す情報を格納する「Tx Power Info」、及び変更規則を示す情報を格納する「Dynamic TPC Parameters」がある。「Tx Power Info」は、識別情報を格納する「Element ID」、フィールド長を格納する「Length」、及び参照フレームの送信に用いられる送信電力(例えば、基準送信電力)を示す情報を格納する「Tx Power」から成る。「Dynamic TPC Parameters」は、識別情報を格納する「Element ID」、フィールド長を格納する「Length」、マージン値を格納する「TPC Margin」、及び変更用パラメータを格納する「Linked Parameter List」から成る。「Linked Parameter List」は、変更対象の送信パラメータの数を格納する「Num of Entries」、並びに変更対象の送信パラメータの種類を格納する「Parameter Type」、及び変更係数値を格納する「Coefficient Values」のN個の組から成る。ここで、Nは、変更対象の送信パラメータの数を示す。
このように、マージン値及び変更用パラメータの組み合わせ(即ち、変更規則)を示す情報は、上述したように基地局100から通知される。なお、上述した第5の実施形態の変形例と同様に、マージン値及び変更用パラメータ自体に代えて、モード番号が格納されたフレームが基地局100から通知されてもよい。
(ステップS908)TPC用送信電力設定処理
HE端末200(例えば、パラメータ制御部234及び設定部235)は、基地局100からの通知に基づいて、TPC用送信電力を決定及び設定する。
例えば、HE端末200は、通知されたマージン値、及び参照フレームの受信強度(RSSI)に基づいて、TPC用送信電力を決定する。参照フレームは、上述した変更規則を示す情報を格納したビーコンフレームであってもよい。以下、図25を参照して、TPC用送信電力の決定処理について説明する。
図25は、本実施形態に係るTPC用送信電力の決定処理を説明するための説明図である。図中のAPは基地局100を示し、STAはHE端末200を示す。図25に示すように、HE端末200は、接続先の基地局100から送信されたビーコンフレームを受信する。
例えば、HE端末200は、基地局100側のCCASDよりもマージン値の分だけ高い受信強度で、自身が送信した信号が基地局100に受信されると推定される送信電力を、設定可能な送信電力の下限値とする。具体的には、HE端末200は、参照フレームの送信電力から受信強度を減算した値に基地局100のデフォルトのキャリアセンスレベル及びマージン値を加算した値を、設定可能な送信電力の下限値TXPOWERcapableとして、次式で算出する。ここで、基地局100のデフォルトのキャリアセンスレベルとする値CCASDdefaultは、システム内の各無線端末は既知の共通の値であるとする。なお、次式は対数での表現である。
Figure 0006801757
ここで、接続先の基地局100から受信した最新の参照フレーム(ビーコンフレーム)の、HE端末200における受信強度(RSSI)をRref(dBm)とし、上述した通知処理において基地局100から通知されたマージン値をM(dB)とし、基地局100から通知された参照フレームの送信電力をTXPOWERrefとする。なお、Rrefは、複数の参照フレームにわたる計測結果に、平均化等のフィルタリングを行ったものであってもよい。また、Mは、マージン値である。また、TXPOWERcapableは、他の要因に基づく上限値又は下限値により値が制限されてもよい。
そして、HE端末200は、下限値TXPOWERcapableを下回らない範囲(即ち、未満にならない)範囲で、送信電力を変更する(即ち、TPC用送信電力を決定する)。これにより、HE端末200が送信した信号が、基地局100において確実に検出されることとなる。
基準送信電力の値をTXPOWERrefとし、変更後の送信電力(即ち、TPC用送信電力)の値を、TXPOWERupdatedとする。TXPOWERrefとTXPOWERupdatedとの差分DTXPOWERは、次式で算出される。なお、次式も対数での表現である。
Figure 0006801757
ここで、基準送信電力の値は、システム内の各無線端末と基地局が既知である共通の値であれば、TXPOWERrefと必ずしも一致する値でなくともよい。上記数式8を参照すると、RSSIが大きいHE端末200ほど、低い送信電力への変更が許容される。なお、送信電力の変更は範囲内で自由度があり、必ずしもHE端末200がTXPOWERupdatedをTXPOWERcapableとする必要は無い。HE端末200は、送信電力を全く変化させなくても良い。つまり、HE端末200側の制御により、DTXPOWERは変わり得る。これにより、リンク状態が悪いHE端末200が低い送信電力へ変更してしまい、予期しない送信失敗を増加させてシステム全体のパフォーマンスを低下させることを防ぐことができる。また、HE端末200は、使用する変調方式及び誤り訂正符号化方式に応じて、範囲内で送信電力を設定してもよい。
(ステップS910)TPC用送信パラメータ設定処理
HE端末200(例えば、パラメータ制御部234及び設定部235)はTPC用送信パラメータを決定及び設定する。
より詳しくは、HE端末200は、上述したTPC用送信電力決定処理において決定したTPC用送信電力と基準送信電力との差分、即ちDTXPOWERに応じてTPC用送信パラメータを制御する。例えば、HE端末200は、差分が大きい程に変更量(ペナルティ又は優遇措置の規模)を大きくし、差分が小さい程に変更量を小さくする。これにより、送信電力の上げ幅又は下げ幅に応じて生じる、システム全体の不公平を適切に緩和することが可能となる。
また、HE端末200は、マージン値に対応する変更用パラメータを用いてTPC用送信パラメータを設定する。HE端末200は、基地局100から通知された変更規則を遵守してTPC用送信パラメータを決定するものとし、逸脱することはないものとする。以下、通知された変更用パラメータに基づくTPC用送信パラメータの決定方法を説明する。
・キャリアセンスレベル
HE端末200は、DTXPOWERに応じて自らのCCASDを変更する。変更係数α、βを用いたCCASD変更の一例を、次式に示す。なお、変更後のCCASDをCCASDupdated、デフォルトのCCASDをCCASDdefaultとし、これらはdB値であるとする。
Figure 0006801757
αが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合、DTXPOWERが大きいほど(即ち、TPC用送信電力が低い程)、CCASDは上がる。また、αが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合、DTXPOWERが小さいほど(即ち、TPC用送信電力が高い程)、CCASDは下がる。
αが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合であっても、上記数式により算出されたCCASDupdatedがCCASDdefaultよりも低くなる場合が有り得る。その場合は、HE端末200は、CCASDを変更せずにCCASDdefaultを用いるものとする。同様に、αが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合であっても、上記数式により算出されたCCASDupdatedがCCASDdefaultよりも高くなる場合が有り得る。その場合は、HE端末200は、CCASDを変更せずにCCASDdefaultを用いるものとする。このように、課すべきペナルティ又は優遇措置が逆向きに作用してしまう場合には、HE端末200は、デフォルトの送信パラメータを用いるものとする。以下に説明する他の送信パラメータに関しても同様である。
・送信用固定待ち時間
HE端末200は、DTXPOWERに応じて送信用固定待ち時間を変更する。例えば、HE端末200は、DTXPOWERに応じてAIFSNを変更してもよい。
変更係数γを用いたAIFSN変更の一例を、次式に示す。変更後のAIFSNをAIFSNupdated、デフォルトのAIFSNをAIFSNdefaultとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
ここで、デフォルトのAIFSNとは、基地局100がビーコンフレームのEDCA Parameter IEを用いて報知しているAIFSNの値を指すものとする。このAIFSNの変更は、全てのアクセスカテゴリに対して適用される。
γが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合、DTXPOWERが大きいほど(即ち、TPC用送信電力が低い程)、AIFSN、即ち待ちスロット数が減る。また、γが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合、DTXPOWERが小さいほど(即ち、TPC用送信電力が高い程)、AIFSN、即ち待ちスロット数が増える。
・キャリアセンス用ランダム待ち時間
HE端末200は、DTXPOWERに応じてキャリアセンス用ランダム待ち時間を変更する。例えば、HE端末200は、CWminをDTXPOWERに応じて変更する。
変更係数δ及びεを用いたCWmin変更の一例を、次式に示す。変更後のCWminをCWupdated、デフォルトのCWminをCWdefaultとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
ここで、デフォルトのCWminとは、基地局100がビーコンフレームのEDCA Parameter IEを用いて報知しているCWminの値を指すものとする。このCWminの変更は、全てのアクセスカテゴリに対して適用される。なお、δ及びεは、各アクセスカテゴリに別々の値が割り当てられても良い。
また、上記ではCWminについて説明したが、CWmaxに関しても同様の変更が行われてもよい。
δ及びεが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合、DTXPOWERが大きいほど(即ち、TPC用送信電力が低い程)、CWminは小さくなりランダム待ち時間の期待値は短くなる。また、δ及びεが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合、DTXPOWERが小さいほど(即ち、TPC用送信電力が高い程)、CWminは大きくなりランダム待ち時間の期待値は長くなる。
・最大フレーム時間長
HE端末200は、DTXPOWERに応じて最大フレーム時間長を変更する。HE端末200は、例えばPPDU時間長に上限を設け、上限をDTXPOWERに応じて決定する。
変更係数μ及びνを用いたPPDU時間長上限値変更の一例を、次式に示す。変更後のPPDU時間長上限値をTupdatedとし、これは真値であるとする。
Figure 0006801757
νが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合、DTXPOWERが大きいほど(即ち、TPC用送信電力が低い程)、Tupdated、即ちPPDUの時間長は長くなる。また、νが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合、DTXPOWERが小さいほど(即ち、TPC用送信電力が高い程)、Tupdated、即ちPPDUの時間長は短くなる。
なお、上記説明したように、無線リソースの専有時間長を変更する、という趣旨から、一度のフレーム送信における最大送信情報量、一度の送信における最大パケット連結個数、同じパケットの最大再送回数、及び複数フレームの連続送信に使用できる最大時間長に関しても、同様の計算を適用することが可能である。
・使用可能なチャネル帯域幅
HE端末200は、送信に使用可能なチャネル帯域幅を、DTXPOWERに応じて変更する。変更係数λを用いた使用可能チャネル帯域幅の変更の例を、次式に示す。変更後の使用可能チャネル帯域幅をBWupdated、デフォルトの使用可能チャネル帯域幅をBWdefault、チャネル帯域幅の最小粒度をBWunitとし、これらは真値であるとする。
Figure 0006801757
λが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が低い場合、DTXPOWERが大きいほど(即ち、TPC用送信電力が低い程)、BWupdated、即ち使用可能なチャネル帯域幅は広くなる。また、λが正の値の場合であって、基準送信電力よりもTPC用送信電力の方が高い場合、DTXPOWERが小さいほど(即ち、TPC用送信電力が高い程)、BWupdated、即ち使用可能なチャネル帯域幅は狭くなる。
・使用可能なチャネル周波数
HE端末200は、送信に使用可能なチャネル周波数を、DTXPOWERに応じて変更する。例えば、HE端末200は、使用可能なチャネルが基地局100により限定されている場合、DTXPOWERがチャネル限定動作判定係数ωよりも大きい場合はその限定を外す。これにより、基地局100は、対応するチャネルで送信を行うことが可能となる。
(ステップS912)送信処理
ここでの処理は、第5の実施形態において説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。なお、HE端末200は、設定した送信電力を示す情報を接続先の基地局100へ通知する。
(ステップS914)送信電力制御処理
ここでの処理は、第5の実施形態において説明した通りであるので、ここでの詳細な説明は省略する。なお、基地局100は、HE端末200において設定された送信電力を示す情報に基づいて、当該HE端末200へ送信するフレームの送信電力を設定する。ただし、基地局100は、参照フレームの送信電力を所定値(デフォルトの送信電力)に維持する。
(その他)
基地局100も、自身で決定したマージン値及び変更用パラメータを用いて、送信電力及び送信パラメータの動的な変更を行ってもよい。
その場合、基地局100の配下の無線端末(例えば、HE端末200)は、基地局100に対して定期的に参照フレームを送信することが要される。仮に、HE端末200において、上記説明した処理により送信電力が変更された場合であっても、参照フレームの送信電力は所定値に維持するものとする。また、この参照フレームには、当該参照フレームの送信に用いられる送信電力を示す情報が格納される。
基地局100は、配下のHE端末200の各々からの参照フレームの受信強度Rrefを測定して、配下のHE端末200ごとにRrefに基づいて送信電力の変更を行う。また、基地局100は、配下のHE端末200ごとにDTXPOWERに基づいて送信パラメータを変更する。
<8.第7の実施形態>
本実施形態は、第6の実施形態をベースとして、状況に応じて送信電力の下げ過ぎを抑制する処理をルールとして追加することで、システム全体の効率をさらに向上させる仕組みを提供する形態である。具体的には、本実施形態は、第6の実施形態において図25を参照して説明したTXPOWERcapableへの下限値による制限を具体化するものである。また本実施形態では、HE端末200とレガシー端末300の台数を加味することにより、効率を向上させるための仕組みを提供する。
以下では、図23を再度参照しながら、本実施形態に特徴的な処理について詳しく説明する。
(送信電力マージン決定処理)
本実施形態では、基地局100は、送信電力マージンの決定に、HE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数の情報を利用する。
基地局100は、多様な基準でマージン値を決定し得る。例えば、基地局100は、周囲をモニタして干渉の平均強度を測定し、測定した干渉の平均強度に基づいてマージン値を決定してもよい。具体的には、基地局100は、干渉の平均強度が高い場合は大きい値を決定し、低い場合は小さい値を決定する。また、基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数に応じてマージン値を決定する。基地局100は、さらに他の基地局が開設している無線ネットワークに属しているHE端末200とレガシー端末300の台数の情報も加味して送信電力マージン値を決定してもよい。具体的には、基地局100は、全体の端末数に対してレガシー端末の比率が高い場合には大きいマージン値を決定し、低い場合には小さいマージン値を決定する。
基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300の台数を、基地局100自身が所持している情報から得る。また、基地局100は、他の無線ネットワークのHE端末200とレガシー端末300の台数の情報を、他の無線ネットワークの基地局が送信するビーコンの内容から得る。これを行うためのビーコンのフォーマットに関しては後述する。
続いて、本実施形態では、基地局100は、送信電力マージン値を決定するのに加えて、配下端末がTPC用送信電力設定処理にて使用するパラメータである下限レベルを決定する。下限レベルは、干渉の強度に基づいて決定されることが望ましい。決定手順の一例を以下に示す。
例えば、まず基地局100は、干渉の平均強度をモニタにより測定し、その値をIとする。基地局100は、そのIと雑音電力Nに対して十分なSINRを確保できるレベルを下限レベルに設定することとする。下限レベルをLLとする。ある変調および符号化方式(MCS)が十分な伝送特性を確保できるだけのSINRを、MCSのインデックスをmとしてSINR(m)とすると、各mに対応する下限レベルLL(m)は次式で表される。次式は真値での表現である。
LL(m)=SINR(m)*{I+N} (数式15)
各LL(m)は、上記数式15により得られた値に所定のオフセットが加算された値であっても良い。LLは、必ずしも使用されるMCSの数だけなくてもよく、例えば特定のMCSを想定したLLで代表されることとしても良い。
(変更用パラメータ決定処理)
第6の実施形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
(通知処理)
マージン値及び変更用パラメータを第6の実施形態と同様にビーコンフレームに格納するとしたときの、ビーコンフレームのフォーマットを図26に示す。
図26に示すように、本実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットには、第6の実施形態の内容に加えて、「Associated STAs Info」エレメントが追加され、「Dynamic TPC Parameters」エレメント内に「Lower Limitation Level List」フィールドが追加されている。
「Associated STAs Info」エレメントには、基地局100が接続している配下のHE端末とレガシー端末の端末数が記載される。これにより、基地局100は、このフォーマットで他の基地局から送信されたビーコンを受信すると、他の無線ネットワークに属しているHE端末200とレガシー端末300の数を把握することができる。端末数を格納するにあたり、ある時間当たりのトラフィックの量を加味した端末数が記載されても良い。例えば、接続はしているが全く通信していない端末は、他局への通信に与える干渉としての寄与が無いため、計数時に寄与を小さくする、または係数から省くこととしてもよい。
「Lower Limitation Level List」フィールド内には、上記説明した送信電力マージン決定処理で決定された下限レベルの値LLが格納される。LLが複数ある場合にはそれらが順次格納される。
なお、「Associated STAs Info」及び「Lower Limitation Level List」の情報が格納される位置、階層は図26の形に限定されるものではなく、他の位置・階層であっても良い。
(TPC用送信電力設定処理)
まず、HE端末200は、第6の実施形態と同様に、数式8によりTXPOWERcapableを得る。次に、HE端末200は、通知処理で基地局から伝えられた下限レベル情報LL(m)を基に、下限受信レベルRLLを得る。なお、TXPOWERcapable自体もTXPOWERupdatedの設定の下限値であるが、この演算はTXPOWERcapableの値の下限を指定するものである。ここで、LL(m)の中で、Rref(図25のBeacon RSSI)を超えない最大のものをRLLとする。RrefがLL(m)のいずれよりも低い場合には、LL(m)のうち最小のものをRLLとする。ここで、HE端末200は、予め基地局100と共有されている所定のオフセットをLL(m)に加算してからRLLを決定することとしても良い。
そして、HE端末200は、次式でTXPOWERcapableを更新する。次式は対数での表現である。
TXPOWERcapable
=max(TXPOWERcapable,TXPOWERref−Rref+RLL)
(数式16)
そして、HE端末200は、下限値TXPOWERcapableを下回らない範囲(即ち、未満にならない)範囲で、送信電力を変更する(即ち、TPC用送信電力を決定する)。変更後の送信電力の値を、TXPOWERupdatedとする。これにより、HE端末200が送信した信号が、基地局100においてより確実に検出されることとなる。
ここでさらに、HE端末200は、接続している基地局100から受け取った「Associated STAs Info」の情報を加味してTXPOWERupdatedを決定しても良い。具体的には、HE端末200は、全体の端末数に対してレガシー端末の比率が高い場合には高めのTXPOWERupdatedを決定し、低い場合には低めのTXPOWERupdatedを決定する。
(TPC用送信パラメータ設定処理)
(送信処理)
(送信電力制御処理)
以降の処理は第6の実施形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
以上、第7の実施形態について説明した。第6の実施形態に対して、本実施形態のような拡張を行うことで、上記説明したTXPOWERcapableの下限機構により、TXPOWERcapableはより高い値となる。これにより、送信電力を下げすぎてしまうことによる弊害を回避することができるようになる。弊害とは、送信電力が必要以上に下がりすぎると、使用できる変調がデータレートに低いものになりすぎて、システム全体として無線資源の利用効率を下げてしまう状態のことである。
なお、本実施形態においては、上記説明したTXPOWERcapableの下限機構と、HE端末200レガシー端末300の数の情報を加味した補正、という2つの拡張の要素があったが、これらは必ずしも組み合わせて利用される必要は無く、どちらか片方の要素が独立に適用されても良い。
<9.第8の実施形態>
上記説明した第7の実施形態における、送信電力の下限機構、ならびに端末台数を加味した補正機構は、第5の実施形態において、DSCに連動する変更用パラメータとして送信電力が使用される場合にも適用することができる。本実施形態は、第5の実施形態の発展させた形態である。
本実施形態に係るHE端末200は、CCASD下限機構を踏まえた送信電力の設定可能範囲を限定しても良い。より具体的には、HE端末200は、その送信電力の設定可能範囲から、DSC用閾値の設定可能範囲を逆算して、その範囲内でCCASDの値を変更する。
以下では、図17を再度参照しながら、本実施形態に特徴的な処理について詳しく説明する。
(キャリアセンスマージン決定処理)
本実施形態では、基地局100は、キャリアセンスマージンの決定に、HE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数の情報を利用する。
基地局100は、多様な基準でマージン値を決定し得る。例えば、基地局100は、周囲をモニタして干渉の平均強度を測定し、測定した干渉の平均強度に基づいてマージン値を決定してもよい。具体的には、基地局100は、干渉の平均強度が高い場合は大きい値を決定し、低い場合は小さい値を決定する。また、基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300のそれぞれの台数に応じて決定する。基地局100は、さらに他の基地局が開設している無線ネットワークに属しているHE端末200とレガシー端末300の台数の情報も加味して送信電力マージン値を決定する。具体的には、基地局100は、全体の端末数に対してレガシー端末の比率が高い場合には大きいマージン値を決定し、低い場合には小さいマージン値を決定する。
基地局100は、配下のHE端末200ならびにレガシー端末300の台数を、基地局100自身が所持している情報から得る。また、基地局100は、他の無線ネットワークのHE端末200とレガシー端末300の台数の情報を、他の無線ネットワークの基地局が送信するビーコンの内容から得る。これを行うためのビーコンのフォーマットに関しては後述する。
続いて、本実施形態では、基地局100は、キャリアセンスマージン値を決定するのに加えて、配下端末がDSC用送信パラメータ設定処理にて使用するパラメータである送信電力下限レベルを決定する。下限レベルは、干渉の強度に基づいて決定されることが望ましい。決定手順は、第7の実施形態における数式15と同様である。
(変更用パラメータ決定処理)
基本的に第5の実施形態と同様であるが、本実施形態では変更用パラメータとして、少なくとも送信電力は含まれるものとする。
(通知処理)
マージン値及び変更用パラメータを第6の実施形態と同様にビーコンフレームに格納するとしたときの、ビーコンフレームのフォーマットを図27に示す。図27に示すように、本実施形態に係るビーコンフレームのフォーマットには、第5の実施形態の内容に加えて、第6の実施形態で使用された「Tx Power Info」エレメント、及び第7の実施形態で使用された「Associated STAs Info」エレメントが追加され、「Dynamic CCA Parameters」エレメント内に「Lower Limitation Level List」フィールドが追加されている。各情報の生成方法、格納方法については第6ならびに第7の実施形態と同様である。
(DSC用閾値設定処理)
本実施形態では、HE端末200は、第5の実施形態の数式1と同様の手順でCCASDcapableを算出するが、これにさらに上限を設ける演算を加える。なお、CCASDcapable自体もCCASDupdatedの設定の上限値であるが、この演算はCCASDcapableの値の上限を指定するものである。
HE端末200は、上限値を、DSC用送信パラメータ設定処理で設定される送信電力の変更から逆算して求める。そのための手順を以下に説明する。
まず、HE端末200は、第6の実施形態の数式8と同様の手順でTXPOWERcapableを求める。次に、HE端末200は、第7の実施形態の数式16と同様の手順でTXPOWERcapableに下限処理を行う。ここで、HE端末200は、予め基地局100と共有されている所定のオフセットをLL(m)に加算してからRLLを決定することとしても良い。そして、HE端末200は、下限値TXPOWERcapableを下回らない範囲(即ち、未満にならない)範囲で、TXPOWERupdatedを決定する。
その後、HE端末200は、TXPOWERupdatedの値と、基地局100から通知された変更用パラメータのうち送信電力に関するα、βの値を使用して、以下のようにCCASDの上限値、CCASDULを算出する。
CCASDUL
=α(Pdefault−TXPOWERupdated+β)+CCASDdefault
(数式17)
数式17は、数式2及び3においてPupdatedに対して上記TXPOWERupdatedを与えてDCCASDを逆算するために変形させたものであり、基本的に同じものである。
HE端末200は、このCCASDULを用いて、CCASDcapableを以下のように更新する。
CCASDcapable=min(CCASDcapable,CCASDUL)
(数式18)
HE端末200が、このCCASDcapableを適用してCCASDdefaultとの間の範囲内でCCASDupdatedを決定し、DCCASDを算出する点は、第5の実施形態と同様である。
ここでさらに、HE端末200は、接続している基地局100から受け取った「Associated STAs Info」の情報を加味しCCASDupdatedを決定しても良い。具体的には、例えば、HE端末200は、全体の端末数に対してレガシー端末の比率が高い場合には高めのCCASDupdatedを決定し、低い場合には低めのCCASDupdatedを決定する。
(DSC用送信パラメータ設定処理)
基本的に第5の実施形態と同様であり、HE端末200は、DCCASDの値を基にDSC用送信パラメータを決定する。送信電力の変更値に関しては、HE端末200は、上記のDSC用閾値設定処理の過程で既に算出されているTXPOWERupdatedを適用する。
(送信処理)
(送信電力制御処理)
以降の処理は第5の実施形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
以上、第8の実施形態について説明した。第5の実施形態に対して、本実施形態のような拡張を行うことで、単純にCCASDの値を上昇させる際に、送信電力が連動して低くなりすぎて、システム全体としての効率が低下する事態を防ぐことができる。そして、同時に、CCASDの上昇と送信電力の対応を維持することができるようになるため、公平性が維持される。
なお、本実施形態においても、上記説明したTXPOWERcapableの下限機構と、HE端末200レガシー端末300の数の情報を加味した補正、という2つの拡張の要素があったが、これらは必ずしも組み合わせて利用される必要は無く、どちらか片方の要素が独立に適用されても良い。
<10.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、HE端末200は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、HE端末200は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、HE端末200は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
一方、例えば、基地局100は、ルータ機能を有し又はルータ機能を有しない無線LANアクセスポイント(無線基地局ともいう)として実現されてもよい。また、基地局100は、モバイル無線LANルータとして実現されてもよい。さらに、基地局100は、これら装置に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
[10−1.第1の応用例]
図28は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct(登録商標)等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図28の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図28に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図28に示したスマートフォン900において、図4を用いて説明した無線通信部210、記憶部220、及び制御部230(取得部231、決定部233、及び設定部235)は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
[10−2.第2の応用例]
図29は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図29の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図28に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図29に示したカーナビゲーション装置920において、図4を用いて説明した無線通信部210、記憶部220、及び制御部230(取得部231、決定部233、及び設定部235)は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
また、無線通信インタフェース933は、上述した基地局100として動作し、車両に乗るユーザが有する端末に無線接続を提供してもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
[10−3.第3の応用例]
図30は、本開示に係る技術が適用され得る無線アクセスポイント950の概略的な構成の一例を示すブロック図である。無線アクセスポイント950は、コントローラ951、メモリ952、入力デバイス954、表示デバイス955、ネットワークインタフェース957、無線通信インタフェース963、アンテナスイッチ964及びアンテナ965を備える。
コントローラ951は、例えばCPU又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、無線アクセスポイント950のIP(Internet Protocol)レイヤ及びより上位のレイヤの様々な機能(例えば、アクセス制限、ルーティング、暗号化、ファイアウォール及びログ管理など)を動作させる。メモリ952は、RAM及びROMを含み、コントローラ951により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、ルーティングテーブル、暗号鍵、セキュリティ設定及びログなど)を記憶する。
入力デバイス954は、例えば、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。表示デバイス955は、LEDランプなどを含み、無線アクセスポイント950の動作ステータスを表示する。
ネットワークインタフェース957は、無線アクセスポイント950が有線通信ネットワーク958に接続するための有線通信インタフェースである。ネットワークインタフェース957は、複数の接続端子を有してもよい。有線通信ネットワーク958は、イーサネット(登録商標)などのLANであってもよく、又はWAN(Wide Area Network)であってもよい。
無線通信インタフェース963は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、近傍の端末へアクセスポイントとして無線接続を提供する。無線通信インタフェース963は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース963は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。アンテナスイッチ964は、無線通信インタフェース963に含まれる複数の回路の間でアンテナ965の接続先を切り替える。アンテナ965は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース963による無線信号の送信及び受信のために使用される。
図30に示した無線アクセスポイント950において、図3を用いて説明した無線通信部110、記憶部120、及び制御部130(DSC制御部131及びパラメータ制御部133)は、無線通信インタフェース963において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、コントローラ951において実装されてもよい。
<11.まとめ>
これまで、図1〜図30を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明してきた。上記説明したように、HE端末200は、DSC用閾値を用いて他の装置との間で無線通信を行う場合、DSC用閾値とデフォルト閾値との比較結果に基づいて、データ送信に用いるパラメータを制御する。ここで、HE端末200は、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加えるよう送信パラメータを制御する。これにより、HE端末200は、DSCを使用した場合にレガシー端末300との間で発生する送信機会の不公平を低減することが可能である。
また、上記説明したように、各実施形態に係る基地局100は、HE端末200が設定するDSC用閾値とデフォルト閾値との比較結果に基づいて、HE端末200がデータ送信に用いるパラメータを、無線通信を介して制御する。ここで、基地局100は、DSCによる送信機会の増減の、逆向きの増減を加えるようHE端末200の送信パラメータを制御する。これにより、基地局100は、HE端末200がDSCを使用した場合にレガシー端末300との間で発生する送信機会の不公平を低減することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では、通信システムが無線LAN、又はこれに準ずる通信規格に準拠したシステムである例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、通信システムは、他の通信規格に準拠したシステムであってもよい。
また、上記では、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを制御する主体が基地局100である例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、スマートフォン等の他の無線端末が、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータを制御する主体であってもよい。また、通信システム1は、基地局100が無線通信の中心となる通信形態以外にも、例えばP2P(Peer to Peer)型の通信形態を採用してもよい。この場合、データ通信の相手である無線端末により、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータが制御され得る。
さらに、HE端末200が、基地局100としての機能を有していてもよい。つまり、HE端末200が、基地局100と他のHE端末200及びレガシー端末300との接続状況を監視して、自身のDSCモードでの動作可否の制御、並びにDSC用閾値及びDSC用送信パラメータの制御を行ってもよい。
また、上記では、DSC用閾値及びDSC用送信パラメータが制御の対象となる例を説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、DSC用閾値又はDSC用送信パラメータのいずれか一方が固定値であり、他の一方が可変(制御の対象)であってもよい。
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
第1のキャリアセンスレベルを設定し、設定した第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて、前記無線通信部がデータ送信に用いるパラメータを制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(2)
前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも高い場合にデフォルトの前記パラメータを用いるよりも送信機会が減少し、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも低い場合にデフォルトの前記パラメータを用いるよりも送信機会が増加するよう前記パラメータを制御する、前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記パラメータは、データ送信前の待機時間のうち固定長部分を含む、前記(1)又は(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記パラメータは、データ送信前の待機時間のうちランダムに選択される時間長の取り得る値の分布のパラメータを含む、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(5)
前記パラメータは、送信可能なデータ量の最大値を含む、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(6)
前記パラメータは、送信可能な時間幅の最大値を含む、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(7)
前記パラメータは、最大再送回数を含む、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(8)
前記パラメータは、束ねて使用可能な単位チャネル数の最大値を含む、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(9)
前記パラメータは、使用可能なチャネルを含む、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(10)
前記制御部は、前記第2のキャリアセンスレベルから前記第1のキャリアセンスレベルへの変更、及び前記パラメータを用いたデータ送信の実行可否を判定する、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(11)
前記制御部は、送信時刻が送信可能な時間帯として予約された期間に含まれるか否かに基づいて前記実行可否を判定する、前記(10)に記載の無線通信装置。
(12)
前記制御部は、送信するフレームの種類に基づいて前記実行可否を判定する、前記(10)又は(11)に記載の無線通信装置。
(13)
前記無線通信装置は、前記第1のキャリアセンスレベルを示す情報、及び前記パラメータを示す情報を取得する取得部をさらに備える、前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(14)
前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベルと前記第2のキャリアセンスレベルとの差分に応じて前記パラメータを制御する、前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(15)
前記パラメータは、送信電力を含む、前記(14)に記載の無線通信装置。
(16)
前記制御部は、設定した送信電力を示す情報を前記他の装置へ通知する、前記(15)に記載の無線通信装置。
(17)
前記制御部は、参照フレームの受信強度及びマージン値に基づいて前記第1のキャリアセンスレベルを設定する、前記(14)〜(16)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(18)
前記制御部は、前記参照フレームの受信強度から前記マージン値を減算した値を超えない範囲で前記第1のキャリアセンスレベルを設定する、前記(17)に記載の無線通信装置。
(19)
前記制御部は、前記マージン値に対応する第2のパラメータを用いて前記パラメータを設定する、前記(17)又は(18)に記載の無線通信装置。
(20)
前記マージン値及び前記第2のパラメータの組み合わせを示す情報は前記他の装置から通知される、前記(19)に記載の無線通信装置。
(21)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
キャリアセンスレベルを変更可能な前記他の装置において、設定される第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を生成する制御部と、
を備え、
前記無線通信部は、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を前記他の装置に送信する、無線通信装置。
(22)
前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベル及び前記パラメータを、前記無線通信部に接続している前記他の装置に関する数の情報に基づいて決定し、
前記数の情報は、キャリアセンスレベルを変更する機能を有さない前記他の装置の数、キャリアセンスレベルを変更する機能を有する前記他の装置の数、キャリアセンスレベルを変更する機能を有さない前記他の装置が送信したフレーム数、又はキャリアセンスレベルを変更する機能を有する前記他の装置が送信したフレーム数を示す情報の少なくともいずれかを含む、前記(21)に記載の無線通信装置。
(23)
前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベル及び前記パラメータを、前記他の装置がデータ送信に用いる周波数ごとに決定する、前記(21)又は(22)に記載の無線通信装置。
(24)
前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベル及び前記パラメータの設定のために前記他の装置において用いられるマージン値及び第2のパラメータの組み合わせを選択する、前記(21)〜(23)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(25)
前記制御部は、干渉の平均強度に基づいて前記組み合わせを選択する、前記(24)に記載の無線通信装置、前記(24)に記載の無線通信装置。
(26)
前記組み合わせは、他の無線通信装置との間で共通である、前記(24)又は(25)に記載の無線通信装置。
(27)
前記マージン値に前記第2のパラメータが一意に対応する、前記(24)〜(26)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(28)
前記制御部は、前記他の装置において設定された送信電力を示す情報に基づいて、前記他の装置へ送信するフレームの送信電力を設定する、前記(24)〜(27)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(29)
前記制御部は、参照フレームの送信電力を所定値に維持する、前記(28)に記載の無線通信装置。
(30)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
第1の送信電力を設定し、設定した第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて、前記無線通信部がデータ送信に用いるパラメータを制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(31)
前記制御部は、前記第1の送信電力と前記第2の送信電力との差分に応じて前記パラメータを制御する、前記(30)に記載の無線通信装置。
(32)
前記パラメータは、キャリアセンスレベルを含む、前記(30)又は(31)に記載の無線通信装置。
(33)
前記制御部は、設定した送信電力を示す情報を前記他の装置へ通知する、前記(30)〜(32)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(34)
前記制御部は、参照フレームの受信強度及びマージン値に基づいて前記第1の送信電力を設定する、前記(30)〜(33)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(35)
前記制御部は、前記参照フレームの送信電力から受信強度を減算した値に前記他の装置のデフォルトのキャリアセンスレベル及び前記マージン値を加算した値を下回らない範囲で前記第1の送信電力を設定する、前記(34)に記載の無線通信装置。
(36)
前記制御部は、前記マージン値に対応する第3のパラメータを用いて前記パラメータを設定する、前記(34)又は(35)に記載の無線通信装置。
(37)
前記マージン値及び前記第3のパラメータの組み合わせを示す情報は前記他の装置から通知される、前記(36)に記載の無線通信装置。
(38)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
送信電力を変更可能な前記他の装置がデータ送信において、設定される第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を、前記無線通信部を介して制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(39)
前記制御部は、前記第1の送信電力及び前記パラメータの設定のために前記他の装置において用いられるマージン値及び第3のパラメータの組み合わせを選択する、前記(38)に記載の無線通信装置。
(40)
前記制御部は、干渉の平均強度に基づいて前記組み合わせを選択する、前記(39)に記載の無線通信装置。
(41)
前記組み合わせは、他の無線通信装置との間で共通である、前記(39)又は(40)に記載の無線通信装置。
(42)
前記マージン値に前記第3のパラメータが一意に対応する、前記(39)〜(41)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(43)
前記制御部は、前記他の装置において設定された送信電力を示す情報に基づいて、前記他の装置へ送信するフレームの送信電力を設定する、前記(38)〜(42)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(44)
前記制御部は、参照フレームの送信電力を所定値に維持する、前記(43)に記載の無線通信装置。
(45)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
第1のキャリアセンスレベルを設定し、設定した第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて、データ送信に用いるパラメータを制御すること、
を含む無線通信方法。
(46)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
キャリアセンスレベルを変更可能な前記他の装置において、設定される第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を生成することと、
前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を前記他の装置に送信することと、
を含む無線通信方法。
(47)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
第1の送信電力を設定し、設定した第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて、データ送信に用いるパラメータを制御すること、
を含む無線通信方法。
(48)
他の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
送信電力を変更可能な前記他の装置がデータ送信において、設定される第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を、無線通信により制御すること、
を含む無線通信方法。
(49)
コンピュータを、
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
第1のキャリアセンスレベルを設定し、設定した第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて、前記無線通信部がデータ送信に用いるパラメータを制御する制御部と、
として機能させるためのプログラム。
(50)
コンピュータを、
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
キャリアセンスレベルを変更可能な前記他の装置において、設定される第1のキャリアセンスレベルとデフォルトの第2のキャリアセンスレベルとの比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を生成する制御部と、
として機能させ、
前記無線通信部は、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を前記他の装置に送信する、プログラム。
(51)
コンピュータを、
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
第1の送信電力を設定し、設定した第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて、前記無線通信部がデータ送信に用いるパラメータを制御する制御部と、
として機能させるためのプログラム。
(52)
コンピュータを、
他の装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
送信電力を変更可能な前記他の装置がデータ送信において、設定される第1の送信電力と基準となる第2の送信電力との比較結果に基づいて設定される、前記他の装置がデータ送信に用いるパラメータを設定するための情報を、前記無線通信部を介して制御する制御部と、
として機能させるためのプログラム。
100 基地局
110 無線通信部
120 記憶部
130 制御部
131 DSC制御部
133 パラメータ制御部
200 HE端末
210 無線通信部
220 記憶部
230 制御部
231 取得部
233 決定部
235 設定部
300 レガシー端末

Claims (17)

  1. 第1の装置との間で無線通信を行うとともに、第1のキャリアセンスレベルと第2のキャリアセンスレベルとの何れかによるキャリアセンスを行い、前記キャリアセンスの結果に基づいて前記第1の装置に対してデータの送信を行う無線通信部であって、
    前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合には第1の送信パラメータを使用して前記データの送信を行い、前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合には第2の送信パラメータを使用して前記データの送信を行う、
    無線通信部と、
    前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを使用するか否かの判断を行い、前記判断の結果に基づいて前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンス及び前記第1の送信パラメータによる前記データの送信と前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンス及び前記第2の送信パラメータによる前記データの送信との何れかを前記無線通信部に行わせる制御部と、
    を備え
    前記第2のキャリアセンスレベルは、自身の無線通信装置とは異なる第2の装置がキャリアセンスを行う際のデフォルトのキャリアセンスレベルであり、
    前記第1のキャリアセンスレベルは、前記第1の装置により生成される前記デフォルトのキャリアセンスレベルとは異なる閾値のキャリアセンスレベルであり、
    前記第2の送信パラメータは、前記データの送信におけるデフォルトの送信パラメータであり、
    前記第1の送信パラメータは、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも高い場合に送信機会が減少し、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも低い場合に送信機会が増加するように、前記第1の装置が前記デフォルトの送信パラメータを調節することにより生成され、
    前記制御部は、前記第1の装置により送信された前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを前記無線通信部に受信させて前記キャリアセンス及び前記データの送信に使用させる、
    無線通信装置。
  2. 前記第1の送信パラメータは、データ送信前の待機時間のうち固定長部分を含む、請求項に記載の無線通信装置。
  3. 前記第1の送信パラメータは、データ送信前の待機時間のうちランダムに選択される時間長の取り得る値の分布のパラメータを含む、請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 前記第1の送信パラメータは、送信可能なデータ量の最大値を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の送信パラメータは、送信可能な時間幅の最大値を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  6. 前記第1の送信パラメータは、最大再送回数を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  7. 前記第1の送信パラメータは、束ねて使用可能な単位チャネル数の最大値を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  8. 前記第1の送信パラメータは、使用可能なチャネルを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  9. 前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンス及び前記第1の送信パラメータを使用した前記データの送信の実行可否の判定に基づいて前記判断を行う、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
  10. 前記制御部は、送信時刻が送信可能な時間帯として予約された期間に含まれるか否かに基づいて前記実行可否を判定する、請求項に記載の無線通信装置。
  11. 前記制御部は、送信するフレームの種類に基づいて前記実行可否を判定する、請求項または10に記載の無線通信装置。
  12. 前記無線通信部は、前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスの要求の前記第1の装置への送信をさらに行い、
    前記制御部は、前記送信された要求に応じて前記第1の装置から送信される前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを前記無線通信部に受信させる、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  13. デフォルトのキャリアセンスレベルによるキャリアセンスを行う第2の装置との間において無線通信を行うとともに、第1のキャリアセンスレベルと前記デフォルトのキャリアセンスレベルである第2のキャリアセンスレベルとの何れかによるキャリアセンスを行う第1の装置との間において無線通信を行う無線通信部であって、
    前記第1の装置が前記キャリアセンスの結果に基づいて自身の無線通信装置に送信したデータを受信する、
    無線通信部と、
    前記第1のキャリアセンスレベルと前記第1の装置が前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合における前記データの送信に使用する送信パラメータである第1の送信パラメータとを生成し、前記生成した第1のキャリアセンスレベル及び前記生成した第1の送信パラメータの前記第1の装置への送信を前記無線通信部に行わせる制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記デフォルトのキャリアセンスレベルを異なる閾値に変更することにより前記第1のキャリアセンスレベルを生成し、
    前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも高い場合に送信機会が減少し、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも低い場合に送信機会が増加するように、前記第1の装置が前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合における前記データの送信に使用するデフォルトの送信パラメータを調節して前記第1の送信パラメータを生成する、
    無線通信装置。
  14. 前記制御部は、前記第1の送信パラメータを、前記無線通信部に接続している前記第1の装置または前記第2の装置に関する数の情報に基づいて調節し、
    前記数の情報は、キャリアセンスレベルを変更する機能を有さない前記第2の装置の数、キャリアセンスレベルを変更する機能を有する前記第1の装置の数、キャリアセンスレベルを変更する機能を有さない前記第2の装置が送信したフレーム数、又はキャリアセンスレベルを変更する機能を有する前記第1の装置が送信したフレーム数を示す情報の少なくともいずれかを含む、請求項13に記載の無線通信装置。
  15. 前記制御部は、前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを、前記第1の装置が前記データ送信に使用する周波数ごとに生成する、請求項13または14に記載の無線通信装置。
  16. 第1の装置との間で無線通信を行う無線通信装置において、
    第1のキャリアセンスレベルと第2のキャリアセンスレベルとの何れかによるキャリアセンスを行うことと、
    前記キャリアセンスの結果に基づいて前記第1の装置に対してデータの送信を行う際に、前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合には第1の送信パラメータを使用して前記データの送信を行い、前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合には第2の送信パラメータを使用して前記データの送信を行うことと、
    前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを使用するか否かの判断を行うことと、
    前記判断の結果に基づいて前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンス及び前記第1の送信パラメータによる前記データの送信と前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンス及び前記第2の送信パラメータによる前記データの送信との何れかを行うことと、
    を含み、
    前記第2のキャリアセンスレベルは、自身の無線通信装置とは異なる第2の装置がキャリアセンスを行う際のデフォルトのキャリアセンスレベルであり、
    前記第1のキャリアセンスレベルは、前記デフォルトのキャリアセンスレベルとは異なる閾値のキャリアセンスレベルとして前記第1の装置により生成され、
    前記第2の送信パラメータは、前記データの送信におけるデフォルトの送信パラメータであり、
    前記第1の送信パラメータは、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも高い場合に送信機会が減少し、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも低い場合に送信機会が増加するように、前記第1の装置が前記デフォルトの送信パラメータを調節することにより生成され、
    前記第1の装置により送信された前記第1のキャリアセンスレベル及び前記第1の送信パラメータを受信して前記キャリアセンス及び前記データの送信に使用する、
    無線通信方法。
  17. デフォルトのキャリアセンスレベルによるキャリアセンスを行う第2の装置との間において無線通信を行うとともに、第1のキャリアセンスレベルと前記デフォルトのキャリアセンスレベルである第2のキャリアセンスレベルとの何れかによるキャリアセンスを行う第1の装置との間において無線通信を行う無線通信装置において、
    前記第1の装置が前記キャリアセンスの結果に基づいて自身の無線通信装置に送信したデータを受信することと、
    前記第1のキャリアセンスレベルと前記第1の装置が前記第1のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合における前記データの送信に使用する送信パラメータである第1の送信パラメータとを生成することと、
    前記生成した第1のキャリアセンスレベル及び前記生成した第1の送信パラメータの前記第1の装置への送信を行うことと、
    を含み、
    前記デフォルトのキャリアセンスレベルを異なる閾値に変更することにより前記第1のキャリアセンスレベルを生成し、
    前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも高い場合に送信機会が減少し、前記第1のキャリアセンスレベルが前記第2のキャリアセンスレベルよりも低い場合に送信機会が増加するように、前記第1の装置が前記第2のキャリアセンスレベルによる前記キャリアセンスを行った場合における前記データの送信に使用するデフォルトの送信パラメータを調節して前記第1の送信パラメータを生成する、
    無線通信方法。
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