〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
(画像管理システム10の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像管理システム10の構成を示す図である。図1に示す画像管理システム10は、画像処理装置100、画像処理装置200、および外部サーバ300を備えて構成されている。画像処理装置100、画像処理装置200、および外部サーバ300の各々は、ネットワーク40(例えば、社内LAN(Local Area Network)、VPN(Virtual Private Network)等)に接続されている。
(画像管理システム10の構成)
画像処理装置100,200は、例えばMFP等の印刷可能な機器である。例えば、画像処理装置100,200は、コピー機能、スキャン機能、FAX機能、プリンタ機能等の画像処理機能を有している。
本実施形態では、保守サービス等により、社内等に設置されている画像処理装置100(本発明の「第1の機器」および「画像処理装置」の一例)を、画像処理装置200(本発明の「第2の機器」および「他の画像処理装置」の一例)へ入れ替える例を説明する。このために、画像管理システム10では、画像処理装置100から、外部サーバ300(本発明の「外部の記憶装置」の一例)を介して、画像処理装置200へ、画像データ等を移行することができるように構成されている。
具体的には、画像処理装置100は、当該画像処理装置100の記憶部111(図3参照)に記憶されている画像データを、ネットワーク40を介して、外部サーバ300へバックアップすることができるように構成されている。また、画像処理装置200は、外部サーバ300へバックアップされた画像データを、ネットワーク40を介して、当該画像処理装置200の記憶部211(図3参照)にリストアすることが可能である。特に、画像処理装置100は、当該画像処理装置100の記憶部111に記憶されている画像データを、画像処理装置200が利用可能なデータ形式に変換して、外部サーバ300へバックアップすることが可能である。
(画像処理装置100のハードウェア構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、画像処理装置100は、操作装置100Aおよび本体装置100Bを備えて構成されている。
操作装置100Aは、本体装置100Bに実行させる画像処理機能の選択、画像処理機能を実行させるための各種設定値の入力、画像処理機能の実行を開始させるための実行指示の入力、表示画面の切り替え等、ユーザが各種操作を行う際に用いられる。
本体装置100Bは、操作装置100Aにおけるユーザの各種操作に応じて、画像処理機能の実行等の各種の処理を実行する。また、本体装置100Bは、操作装置100Aに対して、各種のメッセージを表示させるための要求を行う。
操作装置100Aは、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、フラッシュメモリ14、操作パネル15、接続I/F16、および通信I/F17を備えている。各ハードウェアは、バス18を介して相互に接続されている。
CPU11は、ROM12またはフラッシュメモリ14に記憶されている各種プログラムを実行する。ROM12は、不揮発性メモリである。例えば、ROM12は、CPU11により実行される各種プログラム、CPU11が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。
フラッシュメモリ14は、不揮発性の記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ14は、CPU11により実行される各種プログラム、CPU11が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。操作パネル15は、各種情報(例えば、バックアップ処理の実行指示等)を入力するための入力装置としての機能と、各種情報(例えば、バックアップ処理の実行受付画面、バックアップ処理の実行結果等)を表示するための表示装置としての機能とを有している。操作パネル15は、例えば、タッチパネル等が用いられる。
接続I/F16は、通信路19を介して、本体装置100Bと通信するためのインタフェースである。通信I/F17は、ネットワーク(例えば、ネットワーク40)を介して、他の装置(例えば、外部サーバ300)との通信を行うためのインタフェースである。
一方、本体装置100Bは、CPU21、ROM22、RAM23、HDD24、画像処理エンジン25、接続I/F26、および通信I/F27を備えている。各ハードウェアは、バス28を介して相互に接続されている。
CPU21は、ROM22またはHDD24に記憶されている各種プログラムを実行する。ROM22は、不揮発性メモリである。例えば、ROM22は、CPU21により実行される各種プログラム、CPU21が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM23は、DRAMやSRAM等の主記憶装置である。例えば、RAM23は、CPU21が各種プログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。
HDD24は、不揮発性の記憶装置である。例えば、HDD24は、CPU21により実行される各種プログラム、CPU21が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
画像処理エンジン25は、コピー機能、スキャン機能、FAX機能、およびプリンタ機能等の各種の画像処理機能を実現するための画像処理を行う。画像処理エンジン25には、例えば、原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、および、FAX通信を行うFAX通信装置等が含まれる。また、画像処理エンジン25には、例えば、印刷済みのシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)等が含まれていても良い。
接続I/F26は、通信路19を介して、操作装置100Aと通信するためのインタフェースである。通信I/F27は、ネットワーク(例えば、ネットワーク40)を介して、他の装置(例えば、外部サーバ300)との通信を行うためのインタフェースである。
なお、図2では、画像処理装置100が操作装置100Aを有している構成を一例として示したが、これに限定されない。操作装置100Aは、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PDA等の情報処理端末であっても良い。
画像処理装置200のハードウェア構成は、上記した画像処理装置100のハードウェア構成と同様である。すなわち、画像処理装置200は、画像処理装置100と同様に、操作装置200Aおよび本体装置200Bを備えて構成されている。このため、画像処理装置200のハードウェア構成については、図示および説明を省略する。
外部サーバ300のハードウェア構成は、上記した画像処理装置100の本体装置100Bのハードウェア構成と同様である(但し、画像処理エンジン25および接続I/F26は備えていなくともよい)。このため、外部サーバ300のハードウェア構成については、図示および説明を省略する。
(画像管理システム10の機能構成)
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像管理システム10の機能構成を示す図である。
(画像処理装置100の機能構成)
図3に示すように、画像処理装置100の操作装置100Aは、実行指示受付部101および実行制御部102を備えている。
実行指示受付部101は、ユーザからのバックアップ処理およびリストア処理の実行指示を受け付ける。例えば、実行指示受付部101は、所定の受付画面を操作パネル15に表示させて、この受付画面により、ユーザからのバックアップ処理およびリストア処理の実行指示を受け付ける。なお、受付画面の一例については、図4を用いて後述する。
実行制御部102は、操作装置100Aによるバックアップ処理の実行を制御する。例えば、実行制御部102は、本体装置100Bに対して処理要求を行ったり、本体装置100Bから処理結果を受け取って、この処理結果を操作パネル15に表示させたりする。
画像処理装置100の本体装置100Bは、記憶部111、実行制御部112、画像取得部113、画像変換部114、統合ファイル生成部115、フォルダ情報生成部116、およびバックアップ部117を備えている。
記憶部111は、複数種類のデータ形式の画像を含む、複数の画像データを記憶する。例えば、記憶部111は、コピーアプリ用の画像データとして、印刷に適したCYMK方式の画像データである、RAW形式の画像データを記憶する。また、例えば、記憶部111は、スキャナアプリ用の画像データとして、画面表示に適したRGB形式の画像データである、汎用フォーマット(例えば、JPEG形式)の圧縮画像データを記憶する。また、例えば、記憶部111は、プリンタアプリ用の画像データとして、メモリ使用量を最適化することが可能な、独自フォーマットの圧縮画像データを記憶する。また、例えば、記憶部111は、FAXアプリ用の画像データとして、メモリ使用量を最適化することが可能な、汎用フォーマット(例えば、MH形式、MR形式、MMR形式等)の圧縮画像データを記憶する。これら全ての画像が、バックアップ対象となり得る。
実行制御部112は、本体装置100Bによるバックアップ処理の実行を制御する。例えば、実行制御部112は、操作装置100Aから処理要求を受け取ったり、操作装置100Aに処理結果を送信したりする。
画像取得部113は、記憶部111からバックアップ対象の複数の画像データを取得する。画像取得部113は、記憶部111に記憶されている全ての画像データを、バックアップ対象として取得してもよい。または、画像取得部113は、記憶部111に記憶されている一部の画像データを、バックアップ対象として取得してもよい。後者の場合、画像取得部113は、記憶部111に記憶されている複数の画像データのうち、ユーザから指定された検索条件(例えば、日付、種類、件数等)に合致する画像データを、バックアップ対象として取得してもよい。
画像変換部114は、画像取得部113によって取得された複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能なデータ形式に変換する。特に、本実施形態では、画像変換部114は、複数の画像データの各々を、汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換する。さらに、本実施形態では、画像変換部114は、複数の画像データの各々を、ユーザによって受付画面から指定されたデータ形式に変換することが可能である。なお、画像変換部114は、既に画像処理装置200が利用可能なデータ形式になっている画像データについては、データ形式の変換を行わなくともよい。
統合ファイル生成部115は、画像変換部114によってデータ形式の変換がなされた、複数の画像データを纏めた統合ファイルを生成する。例えば、統合ファイル生成部115は、複数の画像データを纏めたPDFファイルを生成する。
フォルダ情報生成部116は、記憶部111のフォルダ構成情報を生成する。フォルダ構成情報とは、フォルダの階層構造が表された情報である。フォルダ構成情報には、例えば、XML(Extensible Markup Language)形式が用いられる。
バックアップ部117は、バックアップ処理を制御する。例えば、バックアップ部117は、統合ファイル生成部115によって生成された統合ファイル(データ形式変換後の複数の画像データ)を、画像処理装置200の記憶部211にリストアするためのバックアップデータとして、外部サーバ300にバックアップする。また、バックアップ部117は、複数の画像データの各々の書誌情報と、記憶部111のフォルダ構成情報とを、さらにバックアップデータとして、外部サーバ300にバックアップする。ここで、外部サーバ300にバックアップされる書誌情報は、移行元の機器において印刷ジョブが実行されたときの情報である。書誌情報は、例えば、ファイル名、フォルダ名、アクセス権限、印刷設定等を含んでいる。
具体的には、ファイル名およびフォルダ名は、当該書誌情報に対応する画像データが移行元の機器に記憶されたときのファイル名とフォルダ名(又はファイルパス)である。また、アクセス権限および印刷設定は、移行元の機器に対して、ユーザが印刷ジョブを投入して印刷を実行するときのユーザ名と、ユーザが印刷ジョブに対して設定したカラーモード、両面、集約などの印刷設定を示す情報等である。なお、アクセス権限は、ユーザが印刷ジョブに対して設定した、当該印刷ジョブを利用可能なユーザ名であってもよい。
(外部サーバ300の機能構成)
外部サーバ300は、第1通信部301、記憶部302、印刷ジョブ生成部303、および第2通信部304を備えている。
第1通信部301は、画像処理装置100との通信を行い、画像処理装置100との間で各種データの送受信を行う。例えば、第1通信部301は、画像処理装置100から送信されたバックアップデータ(画像データ、書誌情報、および、ファイル構成情報)を受信する。
記憶部302は、第1通信部301によって受信されたバックアップデータ(画像データ、書誌情報、および、ファイル構成情報)を記憶する。
印刷ジョブ生成部303は、本発明の「印刷データ生成部」の一例である。印刷ジョブ生成部303は、記憶部302に記憶された複数の画像データの各々について、画像処理装置200のための印刷ジョブ(本発明の「印刷データ」の一例)を生成する。
ここで、印刷ジョブ生成部303による印刷ジョブ生成処理について、具体的に説明する。印刷ジョブ生成部303は、記憶部302に記憶された画像データおよび書誌情報に基づいて印刷ジョブを生成する。
具体的に、まず、印刷ジョブ生成部303は、画像データを移行先の機器がサポートしているPDL(Page Description Language)データに変換する。移行先の機器は、事前に、外部サーバ300に対して、自機がサポートしているPDLを示す情報を外部サーバに送信しておく。印刷ジョブ生成部303は、この情報に基づいて、移行先の機器がサポートしているPDLデータの種類(例えば、PCL、PS、PDF等)を特定することができる。
続いて、印刷ジョブ生成部303は、上記変換によって生成されたPDLデータを元に、画像データに対応する書誌情報を反映して、印刷ジョブを生成する。具体的に、印刷ジョブ生成部303は、まず画像データに対応する書誌情報を取得する。例えば、図7(a)の例では、印刷ジョブ生成部303は、書誌情報として、ファイル名、フォルダパス(ファイルパス)、アクセス権限、印刷設定を取得する。そして、印刷ジョブ生成部303は、取得した書誌情報を、印刷ジョブの付加情報(例えば、ヘッダー情報)として、印刷ジョブに付加する。
例えば、印刷ジョブは、ユーザ名ヘッダー、印刷設定ヘッダー、ファイル名ヘッダー、ファイルパスヘッダーを含んで構成されている。これに伴い、印刷ジョブ生成部303は、書誌情報の「アクセス権限」の設定値(印刷ジョブに対する利用権限)を、ユーザ名ヘッダーにセットする。また、印刷ジョブ生成部303は、書誌情報の「印刷設定」の設定値(例えば、カラーモードに対応する「モノクロ」)を、印刷設定ヘッダーにセットする。また、印刷ジョブ生成部303は、書誌情報の「ファイル名」の設定値を、ファイル名ヘッダーにセットする。また、印刷ジョブ生成部303は、書誌情報の「フォルダパス」の設定値を、ファイルパスヘッダーにセットする。これらのファイル名およびファイルパスは、移行先の機器において印刷ジョブが実行されたときに、移行先の機器(例えばドキュメントボックス)に蓄積する画像データの、ファイル名およびファイルパスとして用いられる。
このように、印刷ジョブ生成部303は、移行元の機器に対して、ユーザが印刷ジョブを投入し印刷を実行したときの情報を、移行先の機器にリストアするための印刷ジョブに反映することができる。これにより、移行先の機器は、移行元の機器に対して実行した印刷と同様の印刷を、実行することができる。
第2通信部304は、画像処理装置200との通信を行い、画像処理装置200との間で各種データの送受信を行う。例えば、第2通信部304は、画像処理装置200から送信された画像データの取得要求に応じて、印刷ジョブ生成部303によって生成された複数の画像データの印刷ジョブを、画像処理装置200へ送信する。また、第2通信部304は、画像処理装置200から送信されたファイル構成情報の取得要求に応じて、記憶部302に記憶されたファイル構成情報を、画像処理装置200へ送信する。
(画像処理装置200の機能構成)
画像処理装置200の操作装置200Aは、実行指示受付部201および実行制御部202を備えている。
実行指示受付部201は、ユーザからのリストア処理の実行指示を受け付ける。例えば、実行指示受付部201は、所定の受付画面を画像処理装置200が備える操作パネルに表示させて、この受付画面により、ユーザからのリストア処理の実行指示を受け付ける。
実行制御部202は、操作装置200Aによるリストア処理の実行を制御する。例えば、実行制御部202は、本体装置200Bに対して処理要求を行ったり、本体装置200Bから処理結果を受け取って、この処理結果を操作装置200Aが備える操作パネルに表示させたりする。
画像処理装置200の本体装置200Bは、記憶部211、実行制御部212、リストア部213、およびフォルダ生成部214を備えている。
記憶部211は、複数の画像データを記憶する。具体的には、画像処理装置200によるリストア処理により、記憶部211には、画像処理装置100から移行された複数の画像データが、画像処理装置200が利用可能なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換された状態で、画像処理装置200のための複数の印刷ジョブとして記憶されることとなる。
実行制御部212は、本体装置200Bによるリストア処理の実行を制御する。例えば、実行制御部212は、操作装置200Aから処理要求を受け取ったり、操作装置200Aに処理結果を送信したりする。
リストア部213は、リストア処理を制御する。例えば、リストア部213は、外部サーバ300に対して、フォルダ構成情報の取得要求を送信する。そして、リストア部213は、外部サーバ300から送信されたフォルダ構成情報を受信する。また、リストア部213は、外部サーバ300に対して、画像データの取得要求を送信する。そして、リストア部213は、外部サーバ300から送信された複数の印刷ジョブを受信する。さらに、リストア部213は、印刷制御部215に対して、印刷ジョブを渡して印刷ジョブの実行を要求する。例えば、リストア部213は、印刷制御部215に対応する所定のポートに対して、HTTP通信で印刷ジョブを送信してもよく、印刷制御部215の印刷ジョブを実行するためのAPIを起動してもよい。なお、印刷制御部215は、例えば、ユーザのクライアント端末から送信された印刷ジョブの実行を制御したり、画像処理装置200の他のプログラムの実行要求に応じて印刷ジョブの実行を制御したりすることができる。すなわち、印刷制御部215は、通常の印刷処理を制御することができる。
印刷制御部215は、印刷ジョブを実行する際、印刷ジョブのファイルパスヘッダーに含まれている書誌情報に基づいて、複数の印刷ジョブの各々について、格納先のフォルダを特定する。また、印刷制御部215は、印刷ジョブの各ヘッダー(ユーザ名ヘッダー、印刷設定ヘッダー、ファイル名ヘッダー)に含まれている書誌情報に基づいて、複数の印刷ジョブの各々に対して、ファイル名、アクセス権限、印刷設定等を付与する。
フォルダ生成部214は、リストア部213によって受信されたフォルダ構成情報に基づいて、記憶部211にフォルダを生成する。このフォルダ構成情報は、画像処理装置100の記憶部111のフォルダ構成を表すものである。したがって、フォルダ生成部214によって記憶部211に生成されるフォルダは、画像処理装置100の記憶部111のフォルダ構成と同様の構成を有するものとなる。
なお、上記した画像処理装置100、画像処理装置200、および外部サーバ300の各機能は、画像処理装置100、画像処理装置200、および外部サーバ300が備える各種ハードウェア(図2参照)によって実現される。例えば、これらの機能のうち、データを記憶する機能については、例えば、記憶装置(ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等)によって実現される。また、これらの機能のうち、通信を行う機能については、例えば、通信I/Fによって実現される。また、これらの機能のうち、制御および演算処理を行う機能については、記憶装置に記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより実現される。
このプログラムは、予め画像処理装置100、画像処理装置200、または外部サーバ300に導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されて画像処理装置100、画像処理装置200、または外部サーバ300に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD−ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
また、上記した画像処理装置100、画像処理装置200、および外部サーバ300の各機能は、画像管理システム10全体の機能として実現されれば十分であり、すなわち、画像管理システム10に設けられた他の装置によって実現されてもよい。
(受付画面の一例)
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置100,200が表示する受付画面の一例を示す図である。
図4(a)に示す画面400は、ユーザからのバックアップ処理の実行指示を受け付けるための受付画面である。この画面400は、画像処理装置100において、実行指示受付部101からの要求により、画像処理装置100(操作装置100A)の操作パネル15に表示される。図4(a)に示すように、画面400は、入力欄410およびバックアップ実行ボタン421を備えて構成されている。
入力欄410には、ユーザによって指定される各種情報が入力される。図4に示す例では、入力欄410は、「移行元」、「移行先」、および「フォーマット」を含んで構成されている。「移行元」には、画像データの移行元の画像処理装置100のIPアドレスが入力される。「移行先」には、画像データの移行先の画像処理装置200のIPアドレスが入力される。「フォーマット」には、画像データの変換先のデータ形式が入力される。なお、受付画面は、上記した情報に限らず、上記以外の情報(例えば、バックアップ対象データの取得条件(例えば、日付、種類、件数等))が入力できるようにしてもよい。
バックアップ実行ボタン421は、バックアップ処理の実行を指示するためのボタンである。このバックアップ実行ボタン421がユーザによって押下されると、画像処理装置100から外部サーバ300への、画像データのバックアップ処理が開始される。
図4(b)に示す画面450は、ユーザからのリストア処理の実行指示を受け付けるための受付画面である。この画面450は、画像処理装置200において、実行指示受付部201からの要求により、画像処理装置200(操作装置200A)の操作パネルに表示される。図4(b)に示すように、画面450は、入力欄460およびリストア実行ボタン471を備えて構成されている。
入力欄460には、ユーザによって指定される各種情報が入力される。図4に示す例では、入力欄460は、「取得先」を含んで構成されている。「取得先」には、バックアップデータの取得先の外部サーバ300のIPアドレスが入力される。
リストア実行ボタン471は、リストア処理の実行を指示するためのボタンである。このリストア実行ボタン471がユーザによって押下されると、外部サーバ300から画像処理装置200への、画像データのリストア処理が開始される。
(画像管理システム10によるバックアップ処理の手順)
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像管理システム10によるバックアップ処理の手順を示すシーケンス図である。
まず、操作装置100Aにおいて、実行指示受付部101が、操作パネル15に表示された受付画面から、ユーザからのバックアップ処理の実行指示を受け付ける(ステップS501)。そして、実行制御部102が、本体装置100Bに対して、バックアップ処理の実行要求を送信する(ステップS502)。この実行要求には、受付画面にて入力された各種情報(例えば、移行元の画像処理装置100のIPアドレス、移行先の画像処理装置200のIPアドレス、画像データの変換先のデータ形式等)が含まれている。
本体装置100Bにおいては、実行制御部112が、操作装置100Aから送信された実行要求を受信すると、記憶部111に記憶されている画像データの数をカウントする(ステップS503)。そして、実行制御部112は、カウントされた画像データの数を、操作装置100Aへ送信する。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された画像データの数を受信すると、この画像データの数と、この画像データの数に基づいて算出した、バックアップに係る推定所要時間とを、操作パネル15へ表示させる(ステップS504)。なお、ここでは、ユーザが、この推定所要時間を見て、以降の処理の中止または延期を、画像処理装置100へ指示できるようにしてもよい。
続いて、本体装置100Bにおいて、フォルダ情報生成部116が、記憶部111のフォルダ構成情報を生成する(ステップS505)。そして、バックアップ部117が、ステップS505で生成されたフォルダ構成情報を、外部サーバ300へ送信する(ステップS506)。
外部サーバ300においては、第1通信部301が、本体装置100Bから送信されたフォルダ構成情報を受信すると(ステップS507)、記憶部302が、このフォルダ構成情報を、移行元の機器の識別情報(例えば、IPアドレス)とに対応付けて記憶する(ステップS508)。そして、第1通信部301が、フォルダ構成情報のバックアップ処理の完了通知を、本体装置100Bへ送信する。
本体装置100Bにおいては、バックアップ部117が、外部サーバ300から送信された完了通知を受信すると、実行制御部112が、この完了通知を操作装置100Aへ転送する(ステップS509)。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された完了通知を受信すると、画像データの移行要求を、本体装置100Bへ送信する(ステップS510)。
本体装置100Bにおいては、実行制御部112が、操作装置100Aから送信された移行要求を受信すると、画像取得部113が、記憶部111からバックアップ対象の複数の画像データを取得する(ステップS511)。そして、画像変換部114が、画像取得部113によって取得された複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能且つ汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換する(ステップS512)。さらに、統合ファイル生成部115が、データ形式変換後の複数の画像データを纏めたPDFファイルを生成する(ステップS513)。そして、バックアップ部117が、ステップS513で生成されたPDFファイルを、複数の画像データの書誌情報(例えば、ファイル名、フォルダ名、アクセス権限、印刷設定等を含む)とともに、外部サーバ300へ送信する(ステップS514)。
このように、複数の画像データを1つのPDFファイルに纏めて送信することにより、外部サーバ300は、このPDFのファイルパスと書誌情報とを対応付けて記憶すればよくなるため、ファイル管理を容易に行うことができるようになる。なお、複数の画像データの送信方法は、これに限らず、例えば、以下の方法<1>または<2>によって、複数の画像データを送信するようにしてもよい。
<1>複数の画像データを、PDFファイルに纏めずに、外部サーバ300へ送信する。この場合、外部サーバ300は、複数の画像データを、纏めて管理する必要がある。例えば、外部サーバ300は、各画像データのファイルIDに対して、ファイルのパスを対応付けて記憶し、さらに、対応する書誌情報と対応付けて記憶すればよい。
<2>複数の画像データと、複数の画像データの書誌情報とを、PDFファイルに纏めて、外部サーバ300へ送信する。この場合、外部サーバ300は、PDFファイルを記憶すればよく、このPDFファイル内で既に画像データと書誌情報とが対応付けられているため、別途、画像データと書誌情報とを対応付けて記憶する必要はない。したがって、外部サーバ300は、PDFファイルに基づいて、印刷ジョブを生成することができる。
外部サーバ300においては、第1通信部301が、本体装置100Bから送信されたPDFファイルを受信すると(ステップS515)、記憶部302が、このPDFファイルに含まれている画像データおよび書誌情報を、移行元の機器の識別情報(例えば、IPアドレス)に対応付けて記憶する(ステップS516)。そして、第1通信部301が、画像データのバックアップ処理の完了通知を、本体装置100Bへ送信する。
本体装置100Bにおいては、バックアップ部117が、外部サーバ300から送信された完了通知を受信すると、実行制御部112が、この完了通知を操作装置100Aへ転送する(ステップS517)。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された完了通知を受信すると、バックアップ処理の完了表示を、操作パネル15に表示させる(ステップS518)。以上により、画像管理システム10による、一連のバックアップ処理が終了する。
(画像管理システム10によるリストア処理の手順)
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像管理システム10によるリストア処理の手順を示すシーケンス図である。
まず、画像処理装置200の操作装置200Aにおいて、実行指示受付部201が、操作パネルに表示された受付画面から、ユーザからのリストア処理の実行指示を受け付ける(ステップS601)。そして、実行制御部202が、本体装置200Bに対して、フォルダの作成要求を送信する(ステップS602)。
本体装置200Bにおいては、実行制御部212が、操作装置200Aから送信されたフォルダの作成要求を受信すると、リストア部213が、外部サーバ300に対して、フォルダ構成情報の取得要求を送信する(ステップS603)。
外部サーバ300においては、第2通信部304が、本体装置200Bから送信されたフォルダ構成情報の取得要求を受信すると、記憶部302からフォルダ構成情報を取得する(ステップS604)。そして、第2通信部304が、このフォルダ構成情報を、画像処理装置200へ送信する(ステップS605)。
本体装置200Bにおいては、リストア部213が、外部サーバ300から送信されたフォルダ構成情報を受信すると、フォルダ生成部214が、このフォルダ構成情報に基づいて、記憶部211にフォルダを生成する(ステップS606)。そして、実行制御部212が、操作装置200Aに対して、フォルダ生成処理の完了通知を送信する(ステップS607)。
操作装置200Aにおいては、実行制御部202が、本体装置200Bから送信された完了通知を受信すると、画像データの移行要求を、本体装置200Bへ送信する(ステップS608)。
本体装置200Bにおいては、実行制御部212が、操作装置200Aから送信された移行要求を受信すると、リストア部213が、外部サーバ300に対して、画像データの取得要求を送信する(ステップS609)。
外部サーバ300においては、第2通信部304が、本体装置200Bから送信された画像データの取得要求を受信すると、印刷ジョブ生成部303が、記憶部302から複数の画像データおよび書誌情報を取得する(ステップS610)。そして、印刷ジョブ生成部303が、この複数の画像データの各々について、画像処理装置200のための印刷ジョブを生成する(ステップS611)。このとき、印刷ジョブ生成部303は、各印刷ジョブの各ヘッダーに対して、対応する書誌情報をセットする。そして、第2通信部304が、生成された複数の印刷ジョブを、画像処理装置200へ送信する(ステップS612)。なお、外部サーバ300は、書誌情報を印刷ジョブにセットせずに、印刷ジョブと共に書誌情報を送信するようにしてもよい。
本体装置200Bにおいては、リストア部213が、外部サーバ300から送信された複数の印刷ジョブを受信すると、印刷制御部215が、この複数の印刷ジョブを実行する(ステップS613)。この際、印刷制御部215は、印刷ジョブの印刷設定ヘッダーに含まれている印刷設定を適用し、印刷ジョブに含まれるPDLデータのレンダリングを行い、画像データを生成する。例えば、印刷制御部215は、印刷設定ヘッダーにカラーモードとして「モノクロ」が設定されている場合、モノクロの画像データを生成する。そして、印刷制御部215は、印刷ジョブのファイル名ヘッダーに含まれているファイル名を、生成された画像ファイルに設定する。さらに、印刷制御部215は、この画像ファイルを、印刷ジョブのファイルパスヘッダーに含まれているフォルダ情報に示されている、記憶部211内の特定のフォルダに記憶させる。なお、印刷制御部215は、印刷ジョブを実行する際には、実際に紙が出力されないように、印刷ジョブの実行を制御する。その後、実行制御部212が、操作装置200Aに対して、画像データのリストア処理の完了通知を送信する(ステップS614)。
操作装置200Aにおいては、実行制御部202が、本体装置200Bから送信された完了通知を受信すると、リストア処理の完了表示を、画像処理装置200(操作装置200A)の操作パネルに表示させる(ステップS615)。以上により、画像管理システム10による、一連のリストア処理が終了する。
(書誌情報およびフォルダ構成情報の一例)
図7は、本発明の第1実施形態に係る外部サーバ300に記憶された書誌情報およびフォルダ構成情報の一例を示す図である。
図7(a)は、外部サーバ300の記憶部302に記憶された書誌情報の一例を示す図である。この書誌情報は、画像処理装置100からバックアップされた画像データに関するものである。図7(a)に示す例では、書誌情報は、データ項目として「移行元」、「画像データのパス」、「フォルダ名」、「フォルダパス」、「アクセス権限」および「印刷設定」を含んでいる。「画像データのパス」には、移行元の機器から受信した画像データのファイルパスが設定される。これにより、画像データと書誌データとが対応付けられ、画像データを移行先の機器にリストアするときに、このファイルパスに基づいて、画像データに対応する書誌情報を特定することができる。また、「移行元」には、移行元の機器のIPアドレスが設定される。これにより、外部サーバ300は、移行元の機器毎に、書誌データを管理することができる。
図7(b)は、外部サーバ300の記憶部302に記憶されたフォルダ構成情報の一例を示す図である。このフォルダ構成情報は、画像処理装置100の記憶部111のフォルダ構成を表すものである。図7(b)に示す例では、フォルダ構成情報は、「COPY」フォルダ、「SCAN」フォルダ、「PRINT」フォルダ、および「FAX」フォルダを含んでおり、さらに各フォルダの下位フォルダとして「DATA」フォルダを含んでいるフォルダ構成を表している。また、フォルダ構成情報は、<path>タグによって示される移行元の機器の識別情報(例えば、IPアドレス)が設定されており、これにより、外部サーバ300は、移行元の機器毎に、フォルダ構成情報を管理することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、画像処理装置100に記憶されている複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能且つ汎用的なデータ形式に変換して、画像処理装置200にリストアするようにしている。このため、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、手間および時間のかかる作業をユーザに行わせることなく、画像処理装置100から画像処理装置200への画像データの移行を容易に行うことができる。
特に、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、複数の画像データの各々を、画像処理装置200の印刷ジョブとして、画像処理装置200にリストアするようにしている。このため、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、機器の入れ替え後も、データ移行先の画像処理装置200において、複数の画像データの各々の利用(例えば、印刷、表示等)を、直ちに再開することができる。
さらに、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、複数の画像データとともに、書誌情報およびフォルダ構成を、画像処理装置200にリストアするようにしている。このため、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、機器の入れ替え後も、データ移行先の画像処理装置200において、データ移行元の画像処理装置100と同様の状態(フォルダ構成、ファイル名、アクセス権限等)を、直ちに再現することができる。
また、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、バックアップ処理(図5参照)とレストア処理(図6参照)とを、ユーザからの実行指示を受けて実行することにより、段階的に実行するようにしている。このため、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、例えば、画像処理装置200が準備されていない状態であっても、画像処理装置100によるバックアップ処理だけを、予め行っておくことができる。
また、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、複数の画像データの各々を、汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換するようにしている。このため、本発明の第1実施形態の画像管理システム10によれば、移行先の機器の種類に依存することなく、様々な機器に対して共通のロジックを使用して、画像データを移行することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、バックアップ処理とレストア処理とを連続的に行う例を説明する。以下、第1実施形態からの相違点についてのみ説明する。
(受付画面の一例)
図8は、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置100が表示する受付画面の一例を示す図である。
図8に示す画面400'は、ユーザからのバックアップ・リストア処理の実行指示を受け付けるための受付画面である。この画面400'は、画像処理装置100において、実行指示受付部101からの要求により、画像処理装置100(操作装置100A)の操作パネル15に表示される。図8に示すように、画面400'は、バックアップ実行ボタン421の代わりに、バックアップ・リストア実行ボタン423を備えている点で、第1実施形態の画面400(図4参照)と異なる。
バックアップ・リストア実行ボタン423は、バックアップ処理およびリストア処理の連続的な実行を指示するためのボタンである。このバックアップ・リストア実行ボタン423がユーザによって押下されると、画像処理装置100から外部サーバ300への、画像データのバックアップ処理が開始される。そして、このバックアップ処理が完了すると、外部サーバ300から画像処理装置200への、画像データのリストア処理が、自動的に開始される。
すなわち、第1実施形態では、図5のバックアップ処理が完了すると、ユーザからのリストア処理の実行指示を受け付けたことに応じて、図6のリストア処理が開始される。一方、第2実施形態では、図5のバックアップ処理が完了すると、図6のリストア処理が自動的に開始される。
この第2実施形態の画像管理システム10によれば、複数の画像データのバックアップが完了した後、自動的に、複数の画像データのリストアを開始するようにしている。このため、第2実施形態の画像管理システム10によれば、ユーザは、最初にバックアップ・リストア処理の実行を指示する操作(バックアップ・リストア実行ボタン423の押下)を行うだけでよく、より簡単な操作を行うだけで、画像データの移行を完了させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図9および図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、外部サーバ300'で画像データの変換処理を行う例を説明する。以下、第1実施形態からの相違点についてのみ説明する。
(画像管理システム10の機能構成)
図9は、本発明の第3実施形態に係る画像管理システム10'の機能構成を示す図である。画像管理システム10'は、画像処理装置100の代わりに画像処理装置100'を備える点、および、外部サーバ300の代わりに外部サーバ300'を備える点で、第1実施形態の画像管理システム10(図3参照)と異なる。
画像処理装置100'は、本体装置100Bに画像変換部114が設けられていない点で、第1実施形態の画像処理装置100と異なる。これに応じて、画像処理装置100'では、統合ファイル生成部115は、画像取得部113によって取得された複数の画像データ(すなわち、データ形式の変換がなされていない複数の画像データ)を纏めた統合ファイル(例えば、PDFファイル)を生成する。そして、バックアップ部117は、このようにデータ形式の変換がなされていない複数の画像データを纏めた統合ファイルを、外部サーバ300'にバックアップする。
一方、外部サーバ300'は、画像変換部305を備える点で、第1実施形態の外部サーバ300と異なる。画像変換部305は、第1通信部301が画像処理装置100'から受信した複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能且つ汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換する。これに応じて、記憶部302は、画像変換部305によってデータ形式の変換がなされた状態の、複数の画像データを記憶する。
(画像管理システム10'によるバックアップ処理の手順)
図10は、本発明の第3実施形態に係る画像管理システム10'によるバックアップ処理の手順を示すシーケンス図である。なお、ステップS1001〜S1011の処理手順は、図5で説明したステップS501〜S511の処理と同様であるため、説明を省略する。以下、ステップS1012からの処理手順について説明する。
ステップS1012では、統合ファイル生成部115が、ステップS1011で取得された複数の画像データを纏めたPDFファイルを生成する。そして、バックアップ部117が、ステップS1012で生成されたPDFファイルを、複数の画像データの書誌情報(例えば、ファイル名、フォルダ名、アクセス権限、印刷設定等を含む)とともに、外部サーバ300'へ送信する(ステップS1013)。
外部サーバ300'においては、第1通信部301が、本体装置100Bから送信されたPDFファイルを受信すると(ステップS1014)、画像変換部305が、このPDFファイルに含まれている複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能且つ汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換する(ステップS1015)。そして、記憶部302が、データ形式の変換がなされた複数の画像データと、これら複数の画像データの書誌情報とを、移行元の機器の識別情報(例えば、IPアドレス)に対応付けて記憶する(ステップS1016)。そして、第1通信部301が、画像データのバックアップ処理の完了通知を、本体装置100Bへ送信する。
本体装置100Bにおいては、バックアップ部117が、外部サーバ300'から送信された完了通知を受信すると、実行制御部112が、この完了通知を操作装置100Aへ転送する(ステップS1017)。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された完了通知を受信すると、バックアップ処理の完了表示を、操作パネル15に表示させる(ステップS1018)。以上により、画像管理システム10'による、一連のバックアップ処理が終了する。
以上説明したように、本発明の第3実施形態の画像管理システム10'によれば、外部サーバ300'において、複数の画像データのデータ形式の変換を行うようにしている。このため、本発明の第3実施形態の画像管理システム10'によれば、画像処理装置100に係る負荷を軽減することができ、画像処理装置100'によるバックアップ処理を早期に終了させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図11および図12を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、外部サーバ300を介さずに、直接、画像処理装置100''から画像処理装置200へ、バックアップ・リストア処理を行う例について説明する。すなわち、この第4実施形態は、画像処理装置100''および画像処理装置200の双方とも、ネットワーク40に接続されている場合に有効である。以下、第1実施形態からの相違点についてのみ説明する。
(画像管理システム10''の機能構成)
図11は、本発明の第4実施形態に係る画像管理システム10''の機能構成を示す図である。画像管理システム10''は、外部サーバ300を備えていない点、および、画像処理装置100の代わりに画像処理装置100''を備える点で、第1実施形態の画像管理システム10(図3参照)と異なる。
画像処理装置100''は、本体装置100Bに印刷ジョブ生成部118が設けられている点、および、本体装置100Bに統合ファイル生成部115が設けられていない点で、第1実施形態の画像処理装置100と異なる。印刷ジョブ生成部118は、画像変換部114によってデータ形式の変換がなされた、複数の画像データの各々について、画像処理装置200のための印刷ジョブを生成する。
上記の変更に応じて、画像処理装置100''では、バックアップ部117は、印刷ジョブ生成部118によって生成された複数の画像データの印刷ジョブを、画像処理装置200へ送信する。また、バックアップ部117は、フォルダ情報生成部116によって生成されたフォルダ構成情報を、画像処理装置200へ送信する。
画像処理装置200は、画像処理装置100''からフォルダ構成情報および印刷ジョブが送信されてくることに応じて、これらのフォルダ構成情報および印刷ジョブを用いて、第1実施形態で説明したリストア処理と同様のリストア処理を行う。
(画像管理システム10''によるバックアップ・リストア処理の手順)
図12は、本発明の第4実施形態に係る画像管理システム10''によるバックアップ・リストア処理の手順を示すシーケンス図である。なお、ステップS1201〜S1205の処理手順は、図5で説明したステップS501〜S505の処理と同様であるため、説明を省略する。以下、ステップS1206からの処理手順について説明する。また、図12では、便宜上、画像処理装置200を、操作装置200Aと本体装置200Bとを分けずに図示している。
ステップS1206では、本体装置100Bのバックアップ部117が、ステップS1205で生成されたフォルダ構成情報を、画像処理装置200へ送信する。
画像処理装置200においては、リストア部213が、本体装置100Bから送信されたフォルダ構成情報を受信すると(ステップS1207)、フォルダ生成部214が、このフォルダ構成情報に基づいて、記憶部211にフォルダを生成する(ステップS1208)。そして、リストア部213が、画像処理装置100''に対して、フォルダ生成処理の完了通知を送信する(ステップS1209)。
本体装置100Bにおいては、バックアップ部117が、画像処理装置200から送信された完了通知を受信すると、実行制御部112が、この完了通知を操作装置100Aへ転送する(ステップS1210)。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された完了通知を受信すると、画像データの移行要求を、本体装置100Bへ送信する(ステップS1211)。
本体装置100Bにおいては、実行制御部112が、操作装置100Aから送信された移行要求を受信すると、画像取得部113が、記憶部111からバックアップ対象の複数の画像データを取得する(ステップS1212)。そして、画像変換部114が、画像取得部113によって取得された複数の画像データの各々を、画像処理装置200が利用可能且つ汎用的なデータ形式(例えば、JPEG形式)に変換する(ステップS1213)。
さらに、印刷ジョブ生成部118が、ステップS1213でデータ形式の変換がなされた複数の画像データの各々について、画像処理装置200のための印刷ジョブを生成する(ステップS1214)。そして、バックアップ部117が、ステップS1214で生成された複数の画像データの印刷ジョブを、画像処理装置200へ送信する(ステップS1215)。
画像処理装置200においては、リストア部213が、本体装置100Bから送信された複数の印刷ジョブを受信すると(ステップS1216)、印刷制御部215が、この複数の印刷ジョブを実行する(ステップS1217)。この際、印刷制御部215は、印刷ジョブのフォルダパスヘッダーに含まれている書誌情報に基づいて、複数の印刷ジョブの各々について、格納先のフォルダを特定する。また、印刷制御部215は、印刷ジョブの各ヘッダー(ユーザ名ヘッダー、印刷設定ヘッダー、ファイル名ヘッダー)に含まれている書誌情報に基づいて、複数の印刷ジョブの各々に対して、ファイル名、アクセス権限、印刷設定等を付与する。そして、リストア部213が、画像処理装置100''に対して、画像データのリストア処理の完了通知を送信する(ステップS1218)。
画像処理装置100''においては、本体装置100Bのバックアップ部117が、画像処理装置200から送信された完了通知を受信すると、実行制御部112が、この完了通知を操作装置100Aへ転送する(ステップS1219)。
操作装置100Aにおいては、実行制御部102が、本体装置100Bから送信された完了通知を受信すると、バックアップ・リストア処理の完了表示を、操作パネル15に表示させる(ステップS1220)。以上により、画像管理システム10''による、一連のバックアップ・リストア処理が終了する。
以上説明したように、本発明の第4実施形態の画像管理システム10''によれば、外部サーバを介さずに、画像処理装置100''から画像処理装置200へ直接的にバックアップ・リストア処理を行うようにしている。このため、本発明の第4実施形態の画像管理システム10''によれば、例えば、外部サーバを利用することができない環境においても、本発明のバックアップ・リストア処理を実施することができる。
なお、上記第1,第3実施形態では、リストア処理の実行指示を、画像処理装置200から行うようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、リストア処理の実行指示を、画像処理装置100,100'から行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、バックアップ処理およびリストア処理の実行指示を、画像処理装置100,100',100''または画像処理装置200から行うようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、バックアップ処理およびリストア処理の実行指示を、画像処理装置100,100',100''または画像処理装置200にネットワークを介して接続された端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)から行うようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、複数の画像データを統合ファイルに纏めてバックアップするようにしているが、本発明はこれに限らない。すなわち、複数の画像データを纏めずに、順次バックアップするようにしてもよい。また、統合ファイルは、PDF形式のものに限らない。
また、上記各実施形態では、バックアップに係る推定所要時間を表示してユーザに確認させるようにしているが、同様に、上記各実施形態において、リストアに係る推定所要時間を表示してユーザに確認させるようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態において、外部サーバ300,300'は、バックアップデータ(画像データ、書誌情報、およびファイル構成情報)を、移行元または移行先の機器の識別情報とともに記憶するようにしてもよい。そして、外部サーバ300,300'は、移行先の機器へバックアップデータを送信する際に、その移行先の機器に対応する識別情報に基づいて、その移行先の機器へ送信するバックアップデータを特定するようにしてもよい。これにより、外部サーバ300,300'は、複数の移行先のバックアップデータを、同時に記憶することができるようになる。すなわち、1台の外部サーバ300,300'を、複数の機器で共用することができるようになるため、コスト削減等の効果が得られるようになる。
また、上記各実施形態において、本発明の「印刷データ」の一例として、印刷ジョブを用いているが、本発明はこれに限らない。また、上記各実施形態において、本発明の「汎用的なデータ形式」の一例として、JPEGを用いているが、本発明はこれに限らない。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。