JP6800244B2 - 自律型放射パターン生成アンテナ制御装置 - Google Patents
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Description
従来、複数のアンテナを用いて無線信号の通信を行う送受信装置において、複数のアン テナで受信した受信信号にそれぞれ重み付けを行うと共に、送信する信号を複数のアンテ ナ用に分離してそれぞれに重み付けを行って、アンテナ全体の指向性を制御するものがあ る。
次に、従来のアンテナ制御装置について図7を参照しながら説明する。図7は、従来の アンテナ制御装置の構成ブロック図である。
従来のアンテナ制御装置は、図7に示すように、空中線10と、無線部11と、アンテ ナ制御部100とを備え、アンテナ制御部100は変復調部12を含む上位装置に接続し ている。
無線部11は、複数のアンテナに接続し、信号の送受信を行う。
アンテナ制御部100は、ウェイト部101と、ウェイト合成部102と、信号結合・ 分割部103とを備えている。
ウェイト情報は、信号の振幅と位相を制御するものである。
信号結合・分割部103は、ウェイト値が重畳された受信信号を結合する合成を行い、 また、送信信号を複数のアンテナ用に分割(分離)する。
変復調部12は、アンテナ制御部100からの受信信号を復調し、外部から入力される 送信信号を変調する。
次に、従来のアンテナ装置制御装置の回路構成について図8を参照しながら説明する。 図8は、従来のアンテナ制御装置の一部構成図である。
従来のアンテナ制御装置の回路は、図8に示すように、空中線10が複数のアンテナ1 0aを備え、無線部11が複数の送受信部(TRX)11aと複数のAD/DA変換部( AD/DA:Analog Digital / Digital Analog Converter)11bを備え、ウェイト合 成部102が複数の乗算器102aを備えている。
まず、受信処理では、空中線10に到来した電波を各アンテナ10aに入力し、無線部 11のTRX11aで受信し、AD/DA11bでアナログ信号からデジタル信号に変換 してアンテナ制御部100に出力する。
尚、関連する先行技術として、特開2004−048753号公報「セクタアンテナ装 置」(株式会社日立国際電気)[特許文献1]がある。
特許文献1には、指向性を有するセクタを形成して当該セクタの移動局と無線通信を行 うセクタアンテナ装置において、移動局との通信状況に応じてセクタの指向性を変化させ ることが示されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る自律型放射パターン生成アンテナ制御装置は、複数のアンテ ナを用いて放射パターンを形成するために送受信信号に重畳するウェイト値が設定される ウェイト部と、送受信信号にウェイト部のウェイト値を重畳するウェイト合成部と、受信 信号の到来方向の受信レベルを出力するヌルスキャン部と、当該受信レベルから受信信号 の到来方向を検出する到来方向検出部と、検出した到来方向の分布情報を算出する分布情 報算出部と、分布情報に基づいて放射パターンを選択し、選択した放射パターンに対応し たウェイト値をウェイト部に設定する放射パターン選択部とを有するものとしているので 、無線環境に応じて適正な放射パターンを生成できるようウェイト量を容易に設定できる ものである。
本発明の実施の形態に係る自律型放射パターン生成アンテナ制御装置(本アンテナ制御 装置)について図1を参照しながら説明する。図1は、本アンテナ制御装置の構成ブロッ ク図である。
本アンテナ制御装置は、図1に示すように、空中線10と、無線部11と、アンテナ制 御部200と、変復調部12と、到来方向推定部300とを基本的に有している。アンテ ナ制御部200は、変復調部12を含む上位装置が接続される。
尚、空中線10、無線部11、変復調部12は、図7,8に示した従来の構成と同様で あるので、以下では説明を省略する。
本アンテナ制御装置の各部について具体的に説明する。
アンテナ制御部200は、無線部11からの各アンテナからの受信信号を入力し、以下 に説明するヌルスキャンを行い、電波の到来方向に関する情報を到来方向推定部300に 出力し、到来方向推定部300からのウェイト値を送受信信号に重畳する。
次に、アンテナ制御部200の構成について説明する。
アンテナ制御部200は、ウェイト部101と、ウェイト合成部102と、信号結合・ 分割部103と、ヌルスキャン部400とを備えている。
ウェイト部101は、到来方向推定部300から指定されたウェイト値を設定してウェ イト合成部102に出力する。
ウェイト合成部102は、無線部11から入力される各アンテナでの受信信号にウェイ ト値を重畳して信号結合・分割部103に出力し、また、信号結合・分割部103からの 送信信号にウェイト値を重畳して無線部11に出力する。
つまり、ウェイト合成部102は、受信信号及び送信信号に対してウェイト値を重畳す るものである。
信号結合・分割部103は、ウェイト合成部102でウェイト値が重畳された受信信号 を結合して変復調部12に出力し、変復調部12からの送信信号を分割してウェイト合成 部102に出力する。
ヌルスキャン部400は、受信信号についてのみ以下に説明するヌルスキャンを実施し て、信号の到来方向に関する情報を到来方向推定部300に出力する。
ヌルスキャンとは、信号の到来方向を検出するために、特定の到来方向からの信号を受 信するビームパターンを形成するようウェイト量の制御が為されるものである。
つまり、到来波が無線機で受信するために十分な電力で到来しているのであれば、その 電力レベルは検出されることになる。
鋭い指向性パターンを生成する技術としては、特願2016−042254「受信装置 及び送受信装置」(株式会社日立国際電気)に詳しく記載されている。
そして、ヌルスキャン部400におけるヌルスキャンは、特定時間間隔で行われるもの である。
次に、到来方向推定部300の構成について説明する。
到来方向推定部300は、到来方向検出部310と、分布情報算出部320と、放射パ ターン選択部330とを備えている。
到来方向検出部310は、ヌルスキャン部400から入力された到来方向の角度(到来 角度)における受信信号の受信レベル(到来方向に関する情報)を入力し、それぞれの角 度における受信レベルを検出し、各角度の受信レベルの情報を分布情報算出部320に出 力する。
具体的には、受信レベルの情報は、到来角度毎にしきい値より受信レベルが高い信号を 「1」とし、しきい値以下の受信レベルの信号を「0」として分布情報算出部320に出 力されるものである。
分布情報算出部320は、到来方向検出部310から各角度の受信レベルの情報を入力 し、複数繰り返し行われるヌルスキャンの特定回数分の受信レベルの情報を蓄積(加算) し、その蓄積情報(統計情報)から電波の到来方向を推定して放射パターン選択部330 に推定した到来方向の情報(到来方向推定情報)を出力する。
つまり、受信レベルの情報の数値が高いということは、到来角度で受信される頻度が高 く、受信レベルの情報の数値が低いということは、到来角度で受信される頻度が低いこと を意味している。
分布情報算出部320は、到来角度で受信される頻度を統計情報として算出し、その統 計情報を基に到来方向推定情報を得ている。
特定のタイミングとは、ヌルスキャンの時間間隔より長い時間間隔、または、到来の頻 度が高い部分(到来の頻度のピーク)が特定角度(例えば、5度)ずれた時である。
放射パターン選択部330は、分布情報算出部320から到来方向推定情報を入力し、 推定した到来方向に対応した放射パターンを選択し、その放射パターンを形成するための ウェイト値をアンテナ制御部200のウェイト部101に出力する。
次に、アンテナ制御部200のヌルスキャン部400について図2を参照しながら説明 する。図2は、ヌルスキャン部の構成ブロック図である。
ヌルスキャン部400は、図2に示すように、複数(1〜N)のヌルユニット410で 構成され、各ヌルユニット410は、ウェイト合成器411と、信号結合器412と、受 信レベル検出器413とを備えている。
上述したように、Nは到来角度の分解能を示すもので、N個の到来角度での受信レベル を検出できるものとなる。
受信レベル検出器413は、信号結合器412からの信号に対して受信レベルを検出し 、到来方向推定部300の到来方向検出部310に出力する。
次に、上位装置が複数である場合の本アンテナ制御装置の一部回路構成について図3を 参照しながら説明する。図3は、上位装置が複数である場合の本アンテナ制御装置の一部 回路構成図である。
尚、上位装置が一つの場合については、図3の構成で上位装置が一つであれば、アンテ ナ制御部510において、アンテナ制御ユニット511が一つとなる。
尚、アンテナ制御部510にはヌルスキャン部400と到来方向推定部300を備える が、紙面の関係で利得正規化部501の上側にヌルスキャン部400と到来方向推定部3 00を描いている。
図3では省略しているが、到来方向推定部300は、アンテナ制御部510の各ウェイ ト部511bに接続され、選択された放射パターンに応じたウェイト値を出力する。
空中線10の複数のアンテナ10aに無線部11のTRX11aが接続し、TRX11 aがAD/DA11bを介してヌルスキャン部400と利得正規化部501に接続してい る。
ヌルスキャン部400は、無線部11のそれぞれのAD/DA11bからの出力が入力 されるようになっており、それぞれの出力が全てのウェイト合成部411に入力される。
乗算器511aと、ウェイト部511bと、結合・分割部511cは、図1のウェイト 合成部102と、ウェイト部101と、信号結合・分割部103に相当している。
乗算器511aは、ウェイト部511bからのウェイト値を送受信信号に重畳する。
ウェイト部511bは、到来方向推定部300の放射パターン選択部330からのウェ イト値が設定され、乗算器511aにそのウェイト値を出力する。
結合・分割部511cは、ウェイト値が重畳された受信信号を結合して各上位装置に対 応した変復調部に出力し、その変復調部から変調された送信信号を分割して各乗算器51 1aに出力する。
その場合、アンテナ制御部510の中のアンテナ制御ユニット511がビーム数分並ぶ 構成となる。その場合のビームパターンの例は、後述する図6に示すが、接続される上位 装置の数に応じて、ビーム数が同数になるよう制御する。
尚、接続される複数の上位装置は、1つの基地局のセクタであってもよい。
次に、本アンテナ制御装置におけるヌルスキャンのイメージについて図4を参照しなが ら説明する。図4は、ヌルスキャンのイメージ図である。
本アンテナ制御装置のヌルスキャン部400では、受信信号を分割してウェイト値を重 畳できるので、図4の(a)〜(c)のビームパターンを一度に形成する。図4では、イ メージしやすいように、ビームパターンをスキャンさせている図としている。
尚、同時に図4(a)〜(c)を形成せず、時間的にずらして、まさにスキャンさせる ようにしてもよい。
次に、到来方向推定の統計情報の例について図5を参照しながら説明する。図5は、到 来方向推定の統計情報の例を示す図である。
到来方向推定部300の分布情報算出部320で、到来角度毎に受信の頻度を加算して 合計したものが到来方向推定の統計情報となる。
統計情報は、図5に示すように、横軸が角度で縦軸が頻度となっている。角度はN個に 分割され、受信レベルが特定のしきい値を越えた回数を頻度として表している。
図5における頻度の高い角度が受信信号の到来方向となる。
次に、本アンテナ制御装置におけるアンテナ放射パターン(ビームパターン)の例につ いて図6を参照しながら説明する。図6は、ビームパターンの例を示す図である。
図6に示すように、上位装置の接続数に応じてビームパターンのビームの数も同じにし た例であり、初期ビームパターンは、到来方向推定部300で到来方向の分布情報が積算 される前に用いられるものであり、上位装置の接続数が1の場合には、単一指向性であり 、上位装置の接続数が複数になれば、その数に応じて等分のビームとなる。
本アンテナ制御装置によれば、複数のアンテナ10aを用いて放射パターンを形成する ために送受信信号に重畳するウェイト値が設定されるウェイト部101と、送受信信号に ウェイト部101のウェイト値を重畳するウェイト合成部102と、受信信号の到来方向 の受信レベルを出力するヌルスキャン部400と、当該受信レベルから受信信号の到来方 向を検出する到来方向検出部310と、検出した到来方向の分布情報を算出する分布情報 算出部320と、分布情報に基づいて放射パターンを選択し、選択した放射パターンに対 応したウェイト値をウェイト部101に設定する放射パターン選択部330とを有するも のとしているので、無線環境に応じて適正な放射パターンを生成できるようウェイト量を 容易に設定できる効果がある。
その際、接続される基地局またはセクタの数に応じて、自律的に同数のビームが生成さ れるように制御することで、効率的な運用が可能になる。
Claims (5)
- 複数のアンテナを用いて放射パターンを形成するために送受信信号に重畳するウェイト値が設定されるウェイト部と、前記送受信信号に前記ウェイト部のウェイト値を重畳するウェイト合成部とを備えるアンテナ制御装置であって、
接続する複数の上位装置に応じて前記ウェイト部と前記ウェイト合成部を複数備え、
受信信号の到来方向を検出する到来方向検出部と、
検出した到来方向の分布情報を算出する分布情報算出部と、
前記分布情報に基づいて前記上位装置の数に応じたビーム数となるよう制御された放射パターンを選択し、前記選択した放射パターンに従って前記上位装置毎に対応したウェイト値を前記ウェイト部に設定する放射パターン選択部とを有することを特徴とするアンテナ制御装置。 - 複数のアンテナで受信された受信信号について、異なる到来方向の指向性パターンを生成するようウェイト値を重畳する処理を放射方向全体に行い、各到来方向の受信レベルを出力するヌルスキャン部を備え、
前記到来方向検出部は、前記ヌルスキャン部から出力された受信レベルに基づいて到来方向を検出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ制御装置。 - 分布情報算出部は、ヌルスキャン部から出力された受信レベルの出現頻度を算出して分布情報とすることを特徴とする請求項2記載のアンテナ制御装置。
- 放射パターン選択部は、特定のタイミングでウェイト値をウェイト部に設定して放射パターンを変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のアンテナ制御装置。
- 到来方向検出部は、受信信号の相互相関を取って、マルチパス信号については受信レベルが最大となるパスの信号の到来方向を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のアンテナ制御装置。
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