JP6799759B2 - 電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法 - Google Patents

電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、タンパク質等の試料の分析に用いられる電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法に関する。
電気泳動は、DNAやタンパク質等の試料を分離、解析する手法として利用される。電気泳動は、試料の有する分子量や等電点の違いを利用して、試料を分離する方法である。例えば、等電点電気泳動は、試料の有する等電点の違いを利用して、試料を分離する。
電気泳動装置は、電位を印加する電極と電極間に設けられる電気泳動支持体とで構成される。従来の電気泳動支持体は、ガラス不織布やポリアクリルアミドゲル等で形成される。
なお、本開示の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1や特許文献2が知られている。
特開2004−361393号公報 特開2005−84047号公報
電気泳動に用いられる電気泳動支持体は、所定の等電点を有する。電気泳動支持体の等電点を調整する方法としては、いくつかの方法が知られている。しかしながら、従来の方法は、電気泳動支持体の等電点を再現性良く調整することが難しいという課題があった。
本開示は、上記課題を解決するものであり、電気泳動支持体の等電点を、安定して再現性良く調整できる電気泳動支持体を提供することを目的とする。
本開示の電気泳動支持体は、試料の電気泳動に用いられる電気泳動支持体であって、試料を含む溶液が流れる複数の空隙を内部に有する担体と、空隙に面する担体の表面にドープされるアクセプター型またはドナー型の固定イオンとを備える。
本開示の電気泳動装置は、試料の電気泳動を行う電気泳動装置であって、容器と、容器に設けられる一対の第一の電極と、一対の第一の電極の間に配置される第一の電気泳動支持体とを備える。第一の電気泳動支持体は、試料を含む溶液が流れる複数の空隙を内部に有する担体と、空隙に面する担体の表面にドープされるアクセプター型またはドナー型の固定イオンとを有する。
本開示の電気泳動支持体の製造方法は、試料の電気泳動に用いられる電気泳動支持体の製造方法であって、内部に試料を含む溶液が流れる複数の空隙を有する担体に対して、空隙に面する担体の表面にアクセプター型またはドナー型の固定イオンをドープする。
本開示の電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法は、電気泳動支持体の等電点を、安定して再現性良く調整することができる。
実施の形態1における電気泳動装置を模式的に示す上面図 実施の形態1における電気泳動装置を模式的に示す断面図 実施の形態1における電気泳動支持体を模式的に示す断面図 実施の形態1における電気泳動支持体の別の例を模式的に示す断面図 実施の形態1における電気泳動支持体のさらに別の例を模式的に示す断面図 図5に示す電気泳動支持体の一部を模式的に示す拡大図 実施の形態1の第1変形例における電気泳動装置を模式的に示す上面図 第1変形例における電気泳動支持体の別の例を模式的に示す上面図 実施の形態2における電気泳動装置を模式的に示す上面図 実施の形態2における電気泳動装置を模式的に示す断面図 実施の形態2における電気泳動支持体の検出画像を模式的に示すイメージ図
本開示の説明に先立ち、従来の電気泳動支持体を用いた電気泳動装置の課題について、以下で説明する。
電気泳動は、試料を含む分析液に一対の電極を挿入し、電圧を印加したとき、試料が有する荷電粒子が移動する現象である。試料は、電気泳動支持体が有する空隙内を移動する。このとき、試料は、試料の有する分子量に応じて、空隙内を異なる速度で移動する。そのため、複数の試料は、電圧印加時間における移動距離の違いにより分離される。また、試料は、試料が有する電荷量に応じて、空隙内を等電位となる位置まで移動する。これにより、試料は、等電点の違いにより分離される。
電気泳動において、電気泳動支持体の等電点の制御は重要である。電気泳動支持体の等電点は、例えば、材料の水素イオン指数(pH)に依存する。電気泳動支持体のpHは、試料の移動に影響する。例えば、タンパク質の電気泳動において、電気泳動支持体のpHは、タンパク質の移動速度等に影響する。したがって、電気泳動を精度よく行うためには、電気泳動支持体のpHを再現性よく制御することが求められる。
また、等電点電気泳動には、pH勾配を有する電気泳動支持体が用いられる。電気泳動支持体にpH勾配を形成する方法は、電気泳動時に両性担体を加えて電圧を印加する方法がある。しかしながら、従来の電気泳動支持体は、電気泳動支持体のpH勾配が不安定で再現性が低いという課題がある。また、電気泳動支持体にpH勾配を形成する別の方法として、ポリアクリルアミドゲル内に酸性や塩基性のアクリルアミド誘導体を配置し、ゲル内に予めpH勾配を形成する方法がある。しかしながら、ゲルの作製が複雑で生産性が低いという問題がある。
さらに、ゲルを用いた電気泳動支持体は、ゲル状態およびゲルの空隙構造を維持するために、一定の水分を維持する必要がある。そのため、ゲルを用いた電気泳動支持体の保管には、保湿パッケージを用いる必要がある。また、ゲルを用いた電気泳動支持体の小型化は、乾燥の観点から困難である。
以下では、本開示の実施の形態に係る電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構造については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化している。
(実施の形態1)
本開示の一態様に係る電気泳動装置および電気泳動支持体について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、電気泳動装置20の上面図である。図2は、図1に示す電気泳動装置20における2−2断面の断面図である。
電気泳動装置20は、容器1と、電気泳動支持体7と、電極3とを有する。
電気泳動装置20は、溶液に含まれる試料を等電点や分子量の違いを利用して分離する。試料は、例えば、タンパク質やDNA等の生体試料である。
容器1は、上面に凹部4を有する。凹部4には、電気泳動を行う際、緩衝液等の液体が充填される。そのため、凹部4を形成する容器1の側壁111は、液体がこぼれないように設けられる。容器1の材料は、高分子等の樹脂、シリコン、又は、金属等である。容器1は、材料に応じて射出成型又は切削加工等により形成される。容器1の材料は、電気泳動に影響しない材料であることが好ましい。容器1の凹部4には、電気泳動支持体7および電極3が設けられる。
なお、少量の溶液を扱う場合は、容器1の上面に、試料および緩衝液等を表面張力により保持することができる。そのため、容器1は、凹部4を有さなくてもよい。
電気泳動支持体7は、基材11と、基材11に設けられる担体12とを有する。担体12は、担体の端部に試料が注入される注入部15を有する。担体12は、内部に複数の空隙を有する。注入される試料は、電気泳動において担体12の内部の空隙を移動する。担体12の材料は、例えば、金属酸化物である。
電気泳動支持体7は、基材11上に設けられた担体12に、イオンをドープすることにより製造される。
内部に空隙を有する担体12は、ドープされたイオンを有する。イオンは、担体12の表面に露出している。イオンは、アクセプター型またはドナー型の固定イオンである。つまり、担体12は、担体12の内部の空隙に面する担体12の表面にドープされたアクセプター型またはドナー型の固定イオンを有する。
担体12は、ドープされるイオンにより、所定の等電点を有する。したがって、ドープされるイオンの注入量または種類を調整することにより、担体12の等電点を、容易に調整することができる。
なお、表面は、表面および表面近傍を含む。表面近傍は、例えば、担体の表面から5μmの深さの領域である。
担体12にドープされるイオンは、例えば、酸素イオン(O2−)、水素イオン(H+)、塩素イオン(Cl)、カルシウムイオン(Ca2+)またはナトリウムイオン(Na+)である。ドープされるイオンは、1種類のみでもよい。また、ドープされるイオンは、複数のイオンを組み合わせてもよい。複数のイオンの組み合せは、ドナー型のイオンとアクセプタ型のイオンの組み合わせでもよい。
イオンは、イオン注入法により担体12に注入される。イオンの注入量は、例えば、5×1010atoms・cm−2〜1×1015atoms・cm−2である。また、イオン注入時の加速電圧は、例えば、10keVである。ただし、イオンの注入量およびイオンの加速電圧は、担体12の材料や厚み等に応じて、適宜決定される値である。
担体12は、イオン注入の後、RTA(Rapid Thermal Annealing、急速熱アニーリング)処理される。RTA処理は、例えば、900℃〜1100℃の温度で30秒間行う。RTA処理を行うことにより、担体12にドープされたイオンは活性化される。ドープされたイオンを活性化させることにより、担体12は、注入されるイオンの種類や注入量に応じた電荷を有する。そのため、電気泳動支持体7の担体12は、等電点を安定して制御することができる。
また、不純物注入とRTA処理は、金属酸化物材料内の欠陥の補完を可能とし、デバイス特性の安定化効果を得ることができる。なお、担体12の表面へのアクセプター型またはドナー型の固定イオンの配置方法は、イオン注入法に限られない。例えば、不純物の固層拡散法などの方法を用いて、固定イオンを担体12の表面に固定してもよい。
以下、電気泳動支持体7の担体12について、具体的に説明する。
図3は、電気泳動支持体7の一例である電気泳動支持体7Aを模式的に示す断面図である。
電気泳動支持体7Aは、基材11と、基材11上に設けられる担体12Aとを有する。
担体12Aは、ナノワイヤ121Aの集合体である。ナノワイヤ121Aは、例えば、結晶構造を有する突起物である。ナノワイヤ121Aは、基材11に対して、略垂直に形成されている。また、複数のナノワイヤ121Aは、所定の間隔LAを空けて基材11の上に設けられている。担体12Aの空隙122Aは、複数のナノワイヤ121Aの間の空間である。試料は、空隙122Aを移動する。
なお、ナノワイヤ121Aは、基材11に対して所定の角度で傾いていてもよい。
ナノワイヤ121Aは、例えば、液相成長法または気相成長法により形成される。具体的には、ナノワイヤ121Aは、VLS(Vapor Liquid Solid)法などを用いて形成することができる。
VLS法は、約200℃〜約1300℃の温度における金属触媒存在下において、所望の金属原料と酸素ガスを供給することにより、金属触媒直下の結晶成長を発現させる方法である。この方法を用いることにより、単結晶のナノワイヤ121Aを形成することができる。
ナノワイヤ121Aの高さHは、例えば、1.0μm以上、50μm以下である。また、ナノワイヤ121Aの径Dは、例えば、0.1μm以上、1.0μmである。ここで、ナノワイヤ121Aの径Dは、ナノワイヤ121Aの平均の太さである。また、複数のナノワイヤ121Aの間の距離L、つまり空隙122Aの大きさは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。
ナノワイヤ121Aは、基材11から伸びるように形成される。ナノワイヤ121Aの基材11側の一方の端部の径DA1は、ナノワイヤ121Aの他方の端部の径DA2よりも大きい。
なお、製造過程における温度や圧力等などの条件を制御することにより、ナノワイヤ121Aの高さHや径Dなどは、制御することができる。また、空隙122Aの大きさは、ナノワイヤ121Aの径Dや密度を制御することにより、容易に調整することができる。
ナノワイヤ121Aは、例えば、金属酸化物等で形成される。
金属酸化物は、例えば、SnO、ZnO、In、Fe、NiO、CuO、TiO、SiOなどである。なお、金属酸化物は、液体中において材料に依存した等電点を有する。
例えば、SiOで構成されるナノワイヤ121Aは、pH2付近の等電点を有する。ZnOで構成されるナノワイヤ121Aは、pH9〜10付近の等電点を有する。一種類の金属酸化物のみで構成されるナノワイヤ121Aで担体12Aを形成する場合、担体12Aの等電点は、金属酸化物の等電点と等しくなる。また、ナノワイヤ121Aは、複数の金属酸化物で構成されていてもよい。なお、担体12Aを形成する複数のナノワイヤ121Aは、等電点の異なる複数の金属酸化物で形成されてもよい。異なる等電点を有する複数のナノワイヤ121Aを混合して担体12Aを形成することにより、担体12Aの有する等電点を細かく調整することができる。
ナノワイヤ121Aの空隙に面する表面には、ドープされたイオンが設けられる。イオンをドープすることにより、ナノワイヤ121Aは、イオンの注入量および種類に応じた等電点を有する。したがって、電気泳動支持体7Aの担体12Aを所定の等電点に制御することができる。
なお、ナノワイヤ121Aは、材料や成形方法等により等電点にばらつきが生じる場合がある。このとき、ナノワイヤ121Aにイオンをドープすることにより、ナノワイヤ121Aの等電点のバラつきを抑えることができる。
図4は、電気泳動支持体7の別の例である電気泳動支持体7Bを模式的に示す断面図である。
電気泳動支持体7Bは、基材11と、基材11に設けられる担体12Bとを有する。
担体12Bは、柱状構造体121Bの集合体である。柱状構造体121Bは、例えば、四角柱である。柱状構造体121Bは、基材11に対して、略垂直に形成されている。
複数の柱状構造体121Bは、所定の間隔Lを空けて基材11の上に設けられている。担体12Bの空隙122Bは、複数の柱状構造体121Bの間の空間である。試料は、空隙122Bを移動する。
なお、柱状構造体121Bは、基材11に対して所定の角度で傾いていてもよい。
柱状構造体121Bは、例えば、基板をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)製造技術で加工することで形成される。具体的には、柱状構造体121Bは、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)手法等を用いて形成することができる。DRIE手法を用いることにより、柱状構造体121Bの径Dのばらつきを抑えることができる。これにより、柱状構造体121Bを精度良く形成することができる。
基板は、例えば、シリコン等の半導体材料である。また、基板は、酸化物半導体でもよい。酸化物半導体は、例えば、SnO、ZnO、In、Fe、Fe、FeTiO、NiO、CuO、CuO、TiO、SiO、In、WO、などである。エッチングにより柱状構造体121Bを形成する場合、基材11および柱状構造体121Bは、基板と同じ材料で形成される。
柱状構造体121Bは、液体中において材料に依存した等電点を有する。
柱状構造体121Bの高さHは、例えば、10μmから200μmである。また、柱状構造体121Bの径Dは、例えば、20μmである。また、複数の柱状構造体121Bの間の距離L、つまり空隙122Bの大きさは、例えば、1μm以上、40μm以下である。ただし、柱状構造体121Bのサイズは、これらに限定されるものではない。
柱状構造体121Bの基材11側の一方の端部の径は、柱状構造体121Bの他方の端部の径と等しいことが好ましい。これにより、担体12Bの空隙122Bの大きさを、一定値とすることができる。
なお、製造プロセスの条件を変えることにより、柱状構造体121Bの高さHや径Dなどは、制御することができる。また、空隙122Bの大きさは、柱状構造体121Bの径Dや密度を制御することにより、容易に調整することができる。
柱状構造体121Bの空隙に面する表面には、ドープされたイオンが設けられる。イオンをドープすることにより、柱状構造体121Bは、イオンの注入量および種類に応じた等電点を有する。したがって、電気泳動支持体7Bの担体12Bを所定の等電点に制御することができる。
なお、柱状構造体121Bは、材料や成形方法等により等電点にばらつきが生じる場合がある。このとき、柱状構造体121Bにイオンをドープすることにより、柱状構造体121Bの等電点のバラつきを抑えることができる。
図5は、電気泳動支持体7の別の例である電気泳動支持体7Cを模式的に示す断面図である。
電気泳動支持体7Cは、基材11と、基材11に設けられる担体12Cとを有する。
図6は、担体12Cの一部を拡大して示した断面図である。
担体12Cは、繊維121Cの集合体である。繊維121Cは、アモルファス構造を有する。アモルファス構造の繊維121Cは、柔軟性を有する。複数の繊維121Cは、互いに不規則に絡み合っている。担体12Cの空隙122Cは、複数の繊維121Cの間の空間である。空隙122Cは、一定の大きさではなく、所定の範囲の中でランダムな大きさを有する。試料は、空隙122Cを移動する。
繊維121Cは、曲がりくねっていても、分岐していてもよい。これにより、繊維121Cはより複雑に絡み合う。
また、絡み合う複数の繊維121Cの接触部は、接合していてもよい。繊維の接合は、例えば、樹脂等の接着剤による接着や繊維自身の熱溶着を用いることができる。
繊維121Cは、VSD(Vaporized Substrate Deposition)法などを用いて形成される。製造過程における温度や圧力等を制御することにより、繊維121Cを形成することができる。
繊維121Cは、例えば、金属酸化物等で形成される。
金属酸化物は、例えば、SnO、ZnO、In、Fe、NiO、CuO、TiO、SiOなどである。なお、金属酸化物は、液体中において材料に依存した等電点を有する。
繊維121Cの径Dは、例えば、0.1μm以上、1.0μm以下である。ここで、繊維121Cの径Dは、ナノワイヤ121Aの平均の太さである。また、複数の繊維121Cの間の距離L、つまり空隙122Aの大きさは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。
繊維121Cの空隙に面する表面には、ドープされたイオンが設けられる。イオンをドープすることにより、繊維121Cは、イオンの注入量および種類に応じた等電点を有する。したがって、電気泳動支持体7Cの担体12Cを所定の等電点に制御することができる。
なお、繊維121Cは、材料や成形方法等により、等電点にばらつきが生じる場合がある。このとき、繊維121Cにイオンをドープすることにより、繊維121Cの等電点のバラつきを抑えることができる。
なお、また、繊維121Cは、まっすぐに伸びていてもよい。
ナノワイヤ121A、柱状構造体121B、または、繊維121Cの製造方法は、上記の方法に限られない。これらは、その他の好適な方法を用いて形成されてもよい。
図2に示す電気泳動支持体7において、基材11は、容器1が有する凹部4の底面であってもよい。また、担体12だけで形状を保持できる場合は、基材11を備える必要はない。
電極3は、電気泳動支持体7の両端に設けられる。つまり、電気泳動支持体7の一方の端部に陽極3Aが設けられる。また、電気泳動支持体7の他方の端部に陰極3Bが設けられる。電極3の材料は、例えば、金、白金、銅、炭素、又はこれらの複合体等の導電材料が用いられる。電極3の間の距離は、例えば、10mm〜50mmである。電極3には、図1に示す電源装置5が接続される。
電源装置5は、陽極3Aと陰極3Bとの間に印加する電圧や印加時間を制御する。
以下、電気泳動装置20の動作について説明する。
電気泳動支持体7が配置された容器1内に緩衝液を注入する。緩衝液は、PBS(Phosphate Buffered Saline)等が用いられる。次に、試料を電気泳動支持体7の注入部15に注入する。その後、電源装置5により、電極3の間に所定の電圧を印加する。例えば、電極3の間に50Vの電圧を10分間印加する。その後、1時間半かけて300Vまで電圧値を上昇させる。さらにその後、電極3の間に300Vの電圧を3時間半印加する。電圧を印加することで、電極3の間に電場が形成される。これにより、試料は、電気泳動支持体7の中を移動する。このとき、試料の移動距離及び移動速度は、試料の分子量や等電点の違いにより異なる。そのため、泳動後の電気泳動支持体7の内部において、試料は、分離される。なお、試料を入れる前に、電気泳動装置20の定常化処理を行ってもよい。
試料を分離した後、電気泳動支持体7を染色することにより、分離された試料の位置を検出する。電気泳動支持体7の染色は、例えば、銀染色等が用いられる。また、電気泳動を行う前に、蛍光色素を用いて、試料を染色してもよい。この場合、電気泳動を行った後の電気泳動支持体7に対して励起光を照射し、蛍光を観察することにより、分離された試料の位置を検出できる。
また、別の方法として、試料の検出は、電気泳動支持体7に紫外線又は近赤外線等の光を照射し、照射した光の透過光又は反射光を検出する方法を用いてもよい。タンパク質やDNA等の試料は、特定の波長の光を吸収する性質を有する。そのため、電気泳動支持体7に照射した光を検出する場合、試料が位置する場所においては、他の場所に比べて検出される光の強度が弱くなる。したがって、試料の位置を検出することができる。
(第1変形例)
図7を参照して、実施の形態1の本変形例における電気泳動装置30を説明する。
図7は、本変形例にかかる電気泳動装置30の上面図である。
本変形例に開示する電気泳動装置30は、電気泳動支持体35の担体34において、等電点の異なる複数の領域を有する。以下の説明においては、実施の形態1との差異点を中心に説明する。共通する事項については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
電気泳動装置30は、凹部4を有する容器1と、凹部4に配置される電気泳動支持体35と、電極3とを有する。
電気泳動支持体35は、第一の領域31Aと、第二の領域32Aと、第三の領域33Aとを有する。ここで、第一の領域31Aに位置する担体34を、第一の担体31とする。第二の領域32Aに位置する担体34を、第二の担体32とする。第三の領域33Aに位置する担体34を、第三の担体33とする。
第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33は、それぞれの内部に空隙を有する。第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aは、それぞれ異なる等電点を有する。
第一の担体31には、第一のイオンがドープされている。つまり、第一のイオンは、第一の担体31の表面に配置されている。第二の担体32には、第二のイオンがドープされている。つまり、第二のイオンは、第二の担体32の表面に配置されている。第三の担体33には、第三のイオンがドープされている。つまり、第三のイオンは、第三の担体33の表面に配置されている。
第一のイオン、第二のイオンおよび第三のイオンは、同じイオンであっても、異なるイオンであってもよい。
第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。担体34は、個々に形成された第一の担体31と第二の担体32と第三の担体33とを接合したものであってもよい。また、担体34は、第一の担体31と第二の担体32と第三の担体33とが一体として形成されてもよい。
例えば、第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33の材料が同じ場合、ドープするイオンの種類および量のいずれか一方または両方をそれぞれの担体ごとに調整することにより、第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aの各等電点を異ならせることができる。
同一材料からなる単一の担体34に対して、第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aごとにイオンの注入量を変える方法としては、担体34の表面にメタルマスクを配置して、イオン注入を行う方法がある。メタルマスクの開口度は、第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aのイオン注入量に応じて制御される。開口度の異なるメタルマスクを用いて、イオン注入を行うことにより、単一の担体34に対して、第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aごとにイオン注入量を変えることができる。これにより、第一の領域31A、第二の領域32Aおよび第三の領域33Aごとに異なる等電点を有する電気泳動支持体35を作製することができる。
第一の担体31の有する等電点は、第二の担体32の有する等電点より小さい。さらに、第二の担体32の有する等電点は、第三の担体33の有する等電点より小さい。このように、第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33は、電気泳動支持体35において、陽極3A側から陰極3B側に向かって、等電点が昇順に並ぶように配置されている。
具体的には、電気泳動支持体35において、例えば、pH2の等電点を有する第一の担体31、pH7の等電点を有する第二の担体32、及び、pH9の等電点を有する第三の担体33が、この順で並んでいる。このように、電気泳動支持体35は、pH勾配を有する。
なお、電気泳動支持体35に含まれる複数の領域34Aをさらに増やしてもよい。等電点の異なる領域34Aを増やすことにより、電気泳動支持体35のpH勾配をより細かく調整することができる。例えば、pH2からpH12まで、pH1刻みで担体34を配置してもよい。領域34Aにおいて、それぞれの担体34には、所定の等電点を有するようにイオンがドープされる。
pH勾配を有する電気泳動支持体は、例えば、等電点電気泳動に用いることができる。
図8は、本変形例における電気泳動支持体35の別の例を模式的に示す上面図である。
電気泳動支持体351において、第一の担体31および第二の担体32は、所定の間隔Sの隙間312を空けて基材11上に配置される。第二の担体32および第三の担体33は、所定の間隔S2の隙間323を空けて基材11に配置されている。間隔Sと、間隔Sは同じ大きさである。所定の間隔S、Sは、第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33の空隙の大きさよりも小さい。
第一の担体31、第二の担体32および第三の担体33は、例えば、一辺が2.5mmである。このとき、間隔Sおよび間隔Sは、例えば、1mmである。
第一の担体の等電点と第二の担体の等電点との間の等電点を有する試料は、第一の担体31と第二の担体32の間の隙間まで移動して止まる。同様に、第二の担体の等電点と第三の担体の等電点との間の等電点を有する試料は、第二の担体32と第三の担体33の間の隙間まで移動して止まる。
このように、電気泳動支持体351は、第一の担体31と第二の担体32との間の隙間312、および、第二の担体32と第三の担体33との間の隙間323を用いて、より詳細な電気泳動を行うことができる。
以上のように、電気泳動支持体7、35は、等電点を安定して再現性良く調整することができる。また、電気泳動支持体7、35は、ゲルを用いない構成である。そのため、電気泳動支持体7、35の保管に、保湿パッケージ等を用いる必要がない。また、電気泳動支持体7、35は、容易に小型化することができる。
さらに、電気泳動支持体7にイオンを注入することにより、等電点の安定した電気泳動支持体7、35を低コストで実現することができる。
(実施の形態2)
図9および図10を参照して、本実施の形態における電気泳動装置40を説明する。
図9は、本実施の形態にかかる電気泳動装置40の上面図である。図10は、図9における電気泳動装置40の10−10断面における断面図である。
本実施の形態に係る電気泳動装置40は、2次元電気泳動に用いられる。実施の形態1の第1変形例に開示した電気泳動装置30および電気泳動支持体35は、2次元電気泳動の1次元目の等電点電気泳動に用いることができる。以下の説明においては、実施の形態1との差異点を中心に説明する。共通する事項については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
電気泳動装置40は、凹部4を有する容器1と、電気泳動支持体44と、電極3、43と、電源装置5、45と、検出装置42とを有する。電気泳動支持体44は、1次元目の電気泳動支持体35および2次元目の電気泳動支持体41を備える。
1次元目の電気泳動は、等電点電気泳動である。1次元目の電気泳動支持体35は、第1変形例の電気泳動支持体35が用いられる。図9において、1次元目の電気泳動支持体35は、等電点が異なる6つの領域により形成されたpH勾配を有する。
さらに、1次元目の電気泳動支持体35の側面には、2次元目の電気泳動支持体41が一体として接合されている。2次元目の電気泳動の方向(Y方向)は、1次元目の電気泳動の方向(X方向)と直交する。
電気泳動支持体41は、電気泳動支持体35との側面に隔壁46を介して接合されている。このように、電気泳動支持体35と電気泳動支持体41とは、間接的に接触するように配置されている。なお、電気泳動支持体35と電気泳動支持体41とは、直接接触するように容器1内に配置されていてもよい。
2次元目の電気泳動において、試料は、試料の分子量の違いを利用して分離される。2次元目の電気泳動支持体41は、実施の形態1に開示した担体12を備える電気泳動支持体7、または、ゲルを備える電気泳動支持体である。担体12を備える電気泳動支持体7を用いる場合、電気泳動支持体41は、1つの担体12で構成されることが望ましい。ゲルを備える電気泳動支持体は、アガロースゲル又はポリアクリルアミドゲル等で構成される。
以下、2次元電気泳動の動作を説明する。
一次元目の電気泳動支持体35は、緩衝液を保持している。緩衝液は、PBS等が用いられる。緩衝液は、電極3に接触する。このとき、緩衝液は、2次元目の電気泳動支持体41側に漏れないことが好ましい。なお、緩衝液は、予め電気泳動支持体35に充填されていても、電気泳動を行う前に充填されてもよい。
次に、試料を1次元目の電気泳動支持体35の注入部にスポットする。その後、電源装置5により、電極3の間に所定の電圧を印加する。例えば、電極3の間に50Vの電圧を1分間印加する。その後、1時間半かけて300Vまで電圧値を上昇させる。さらにその後、電極3の間に300Vの電圧を3時間半印加する。電圧を印加することにより、電極3の間に電場が形成される。このとき、試料は、試料が有する電荷がゼロになる等電点まで電気泳動支持体35の中を移動する。そのため、泳動後の電気泳動支持体35の内部において、試料は、試料の等電点に応じて分離される。なお、試料を入れる前に、電気泳動装置40の定常化処理を行ってもよい。
その後、1次元目の電気泳動で等電点により分離された試料に対して、2次元目の電気泳動を行う。電源装置45により、所定の電圧を電極43の間に印加する。例えば、電極43の間に300Vの電圧を3時間印加する。これにより、試料は、Y方向に2次元目の電気泳動支持体41の中を移動する。2次元目の電気泳動において、試料は、試料の分子量の違いで分離される。
なお、2次元目の電気泳動支持体41は、1次元目の電気泳動支持体35が保持する緩衝液とは異なる緩衝液を保持している。2次元目の電気泳動支持体41が保持する緩衝液は、SDS(Sodium Dodecyl Sulfate)を含むPBSである。1次元目の電気泳動支持体35と2次元目の電気泳動支持体41との間には、隔壁46が設けられている。隔壁46は、電気泳動支持体35と電気泳動支持体41とを分離する。隔壁46は、1次元目の電気泳動が完了した後、除去される。これにより、2次元目の電気泳動支持体41が有する緩衝液は、1次元目の電気泳動中に電気泳動支持体35側に漏れることがない。そのため、電気泳動装置40は、1次元目の電気泳動を精度良く行うことができる。
2次元目の電気泳動により試料を分離した後、電気泳動支持体41を染色する。これにより、分離された試料の位置を検出することができる。電気泳動支持体41の染色は、例えば、銀染色等が用いられる。また、電気泳動を行う前に、蛍光色素を用いて、試料を染色してもよい。この場合、電気泳動を行った後の電気泳動支持体41に対して励起光を照射し、蛍光を観察することにより、試料の位置を検出できる。
また、別の方法として、試料の検出は、電気泳動支持体41に紫外線又は近赤外線等の光を照射し、照射した光の透過光又は反射光を検出する方法を用いてもよい。タンパク質やDNA等の試料は、特定の波長の光を吸収する性質がある。そのため、電気泳動支持体41に照射した光を検出する場合、試料が位置する場所においては、他の場所に比べて検出される光の強度が弱くなる。そのため、試料の位置を検出することができる。
図11は、試料分離後の染色した2次元目の電気泳動支持体41の検出画像50である。
検出画像50は、X方向において、検出箇所51は6列である。このことは、1次元目の電気泳動により、試料が6つの等電点に分離されたことを示す。また、それぞれの列において、Y軸方向に検出箇所51が分布している。このことは、1次元目の電気泳動により各等電点で分離された試料が、2次元目の電気泳動により試料の分子量の違いで分離されたことを示す。
以上のように、試料は、試料の等電点及び分子量により分離されている。分子量マーカー等を用いることにより、検出された試料を特定することができる。また、予め特定の試料の2次元電気泳動の結果が基準画像として存在する場合は、検出画像50を基準画像と比較することにより、分析した試料を特定してもよい。
なお、検出画像50を取得する方法としては、2次元目の電気泳動中の試料を検出してもよい。例えば、図9および図10に示すように、2次元目の電気泳動支持体41の検出領域47の上部に検出装置42を設ける。検出装置42は、紫外線等の光を照射する照射装置48と光を受光する受光装置49とを含む。検出装置42の検出領域47は、2次元目の電気泳動支持体41の長さ方向(Y軸方向)の一部の領域であって、かつ、幅方向(X軸方向)の全領域である。検出装置42は、2次元目の電気泳動支持体41との相対的な位置関係が変化しないよう電気泳動装置40等に固定される。
検出装置42は、電気泳動中の電気泳動支持体41の試料を、検出領域47に照射される光を用いて、電気泳動パターンを再構築することにより検出する。
照射装置48が照射した光は、電気泳動支持体41で反射される。反射された光は、受光装置49において受光される。検出装置42は、受光した光の強度を時系列のデータとして取得する。電気泳動支持体41内に、試料が含まれる場合、照射される光は、試料により吸収される。そのため、受光される反射光の強度が小さくなる。
取得したデータを、グラフにプロットすることにより、図11に示すような検出画像50を生成することができる。ここで、グラフの縦軸は時間を示す。横軸は、検出領域47の幅方向における位置を示す。また、検出箇所51の大きさは、光の強度の情報を示す。検出箇所51の大きさは、例えば、光の強度の逆数である。
なお、検出領域47に照射した光の透過光を用いて検出する場合、照射装置48と受光装置49とは、検出領域47に対して対称な位置に設けられる。
このように、電気泳動中において、分離された試料の検出画像50を取得することにより、試料の検出時間を短縮することができる。なお、受光される光の情報は、光の強度に限られない。例えば、光の情報は、光の周波数等であってもよい。
なお、上述した担体12は、例えば、樹脂や金属等で形成された骨格の表面に金属酸化物がコーティングされた構造であってもよい。
また、担体12の等電点を制御するために、ドープしたイオンを用いたが、担体12の等電点をドープしたイオンを用いることなく、担体12の材料特性により、担体12の等電点を制御することもできる。
以上、一つまたは複数の態様に電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本開示の電気泳動支持体、電気泳動装置および電気泳動支持体の製造方法は、タンパク質やDNA等の試料の分離に有用である。
1 容器
111 側壁
3,43 電極
3A 陽極
3B 陰極
4 凹部
5,45 電源装置
7,7A,7B,7C,35,351,41,44 電気泳動支持体
11 基材
12,12A,12B,12C 担体
121A ナノワイヤ
122A,122B,122C 空隙
121B 柱状構造体
121C 繊維
15 注入部
20,30,40 電気泳動装置
31 第一の担体
31A 第一の領域
32 第二の担体
32A 第二の領域
33 第三の担体
33A 第三の領域
34 担体
34A 領域
312,323 隙間
42 検出装置
46 隔壁
47 検出領域
48 照射装置
49 受光装置
50 検出画像
51 検出箇所

Claims (20)

  1. 試料の電気泳動に用いられる電気泳動支持体であって、
    前記試料を含む溶液が流れる複数の空隙を内部に有する担体と、
    前記空隙に面する前記担体の表面にドープされるアクセプター型またはドナー型の固定イオンの少なくとも一方と、を備える、
    電気泳動支持体。
  2. 前記担体は、複数のナノワイヤの集合体であり、
    前記空隙は、前記複数のナノワイヤの間に設けられ、
    前記固定イオンは、前記空隙に面する前記ナノワイヤの前記表面に設けられる、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  3. 前記担体は、複数の柱状構造体の集合体であり、
    前記空隙は、前記複数の柱状構造体の間に設けられ、
    前記固定イオンは、前記空隙に面する前記柱状構造体の前記表面に設けられる、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  4. 前記担体は、複数の繊維が絡まり合って形成された繊維状構造体であり、
    前記固定イオンは、前記繊維状構造体を形成する前記複数の繊維の前記表面であって、前記空隙に面する前記表面に設けられる、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  5. 前記担体は、金属酸化物からなる、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  6. 前記担体は、等電点の異なる第一の担体と第二の担体とを有し、
    前記第一の担体にドープされる前記固定イオンの量は、前記第二の担体にドープされる前記固定イオンの量と異なる、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  7. 前記担体は、等電点の異なる第一の担体と第二の担体とを有し、
    前記第一の担体は、前記第一の担体の前記表面にドープされる第一の固定イオンを有し、
    前記第二の担体は、前記第二の担体の前記表面にドープされる第二の固定イオンを有し、
    前記第一の固定イオンは、前記第二の固定イオンと異なる種類である、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  8. 前記担体は、第一の担体と第二の担体と第三の担体とを有し、
    前記第一の担体の等電点は、前記第二の担体の等電点より小さく、
    前記第二の担体の等電点は、前記第三の担体の等電点より小さく、
    前記第一の担体と前記第二の担体と前記第三の担体とは、この順に配置されている、
    請求項1に記載の電気泳動支持体。
  9. 前記第一の担体と前記第二の担体の間、および、前記第二の担体と前記第三の担体の間には、それぞれ所定の間隔の隙間が設けられる、
    請求項8に記載の電気泳動支持体。
  10. 試料の電気泳動を行う電気泳動装置であって、
    容器と、
    前記容器に設けられる一対の第一の電極と、
    前記一対の前記第一の電極の間に配置される第一の電気泳動支持体と、を備え、
    前記第一の電気泳動支持体は、
    前記試料を含む溶液が流れる複数の空隙を内部に有する担体と、
    前記空隙に面する前記担体の表面にドープされるアクセプター型またはドナー型の固定イオンの少なくとも一方と、を有する、
    電気泳動装置。
  11. 前記担体は、金属酸化物からなる、
    請求項10に記載の電気泳動装置。
  12. 前記担体は、ドープされた前記固定イオンにより等電点の異なる複数の領域を有し、
    前記複数の領域は、前記第一の電気泳動支持体の一端から他端に向かって、前記等電点の大きさが昇順に並ぶように設けられる、
    請求項10に記載の電気泳動装置。
  13. 前記担体は、前記複数の領域のそれぞれの間に所定の間隔の隙間を有する、
    請求項12に記載の電気泳動装置。
  14. 前記容器に設けられる一対の第二の電極と、
    前記一対の第二の電極の間に配置される第二の電気泳動支持体と、をさらに備え、
    前記第二の電気泳動支持体は、前記第一の電気泳動支持体の側面に一体として接合される、
    請求項10〜13の何れか1項に記載の電気泳動装置。
  15. 前記第二の電気泳動支持体と前記第一の電気泳動支持体との間に設けられる隔壁と、をさらに備える、
    請求項14に記載の電気泳動装置。
  16. 前記第二の電気泳動支持体の検出領域に照射された光を受光する検出装置と、をさらに備え、
    前記検出装置は、前記第二の電気泳動支持体を移動している試料を、前記光を用いて電気泳動パターンを再構築することにより検出する、
    請求項14または15に記載の電気泳動装置。
  17. 試料の電気泳動に用いられる電気泳動支持体の製造方法であって、
    内部に前記試料を含む溶液が流れる複数の空隙を有する担体に対して、前記空隙に面する前記担体の表面にアクセプター型またはドナー型の固定イオンの少なくとも一方をドープする、
    電気泳動支持体の製造方法。
  18. 前記担体は、金属酸化物からなる、
    請求項17に記載の電気泳動支持体の製造方法。
  19. 前記固定イオンをドープした前記担体に対して、さらに急速熱アニーリング処理を行う、
    請求項18に記載の電気泳動支持体の製造方法。
  20. 前記担体は、第一の領域と第二の領域とを有し、
    前記担体の前記第一の領域と前記第二の領域とに対して、前記固定イオンの量または種類を変えて前記固定イオンをドープし、前記第一の領域が有する等電点と前記第二の領域が有する等電点とを異ならせる、
    請求項18または19に記載の電気泳動支持体の製造方法。
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