JP6798911B2 - バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車・三輪車等のバーハンドルを有する車両(以下、バーハンドル車両という。)の後輪リフトを抑制するため、制動時に車輪ブレーキの液圧を制御するバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
バーハンドル車両においては、走行中の急制動時に後輪が浮き上がる、いわゆる後輪浮き上がり現象(以下、「後輪リフト」という。)が発生することがある。後輪リフト状態での走行では車両挙動が不安定になる。
この後輪リフトを抑制する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、バーハンドル車両に取り付けられた加速度センサの出力、すなわち、取得した加速度に基づき後輪リフトの発生の可能性を判定し、後輪リフトの発生の可能性があると判定した場合には、前輪ブレーキを減圧制御して、後輪リフトを抑制している(特許文献1の段落[0067])。
特許文献2には、急発進時や急加速時に前輪が浮き上がる、いわゆる前輪浮き上がり現象(以下、ウィリー又は前輪リフトという。)が開示されている(特許文献2の段落[0002])。
特許第5887284号公報 特許第5402466号公報
ところで、前輪が路面に接触していないウィリー状態においては、前輪の車輪ブレーキの摩擦材と、該摩擦材の摩擦力により制動されるディスクロータ等の被制動部材が接触することがある(車輪ブレーキがディスクブレーキである場合のいわゆるブレーキ引き摺りも含む。)。
この場合、路面に接触していない前輪の車輪速度が急激に減速し、ウィリー(前輪リフト)中であるにも拘わらず、後輪リフト中であると誤判定する可能性がある。
このようにウィリー状態が後輪リフト抑制制御の開始判定に影響を及ぼす可能性がある。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ウィリー状態下での後輪リフト抑制制御の開始判定への影響を低減することを可能とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、バーハンドル車両の前輪の車輪速度に基づく前輪車輪減速度に応じて前記前輪の車輪ブレーキの液圧を減圧制御して前記バーハンドル車両の後輪リフトを抑制する後輪リフト抑制制御を行うバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記バーハンドル車両は、該バーハンドル車両の前後方向及び上下方向の加速度を検出する加速度センサを備え、前記加速度センサにより検出された加速度の値によって前記バーハンドル車両がウィリー状態であるか否かを判定し、前記バーハンドル車両がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するものであり、前記後輪リフト抑制制御は、前記前輪車輪減速度が閾値より小さくなったときに開始され、前記加速度センサにより検出された前記加速度の値によって前記バーハンドル車両がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するために、前記閾値をより小さな値にオフセットする構成とされる。
この発明によれば、加速度センサの検出値により車両がウィリー状態であると判定した場合、このウィリー中は、前輪がリフトしていることを考慮し、ウィリーとは同時に発生しない後輪リフトの抑制制御(前輪の車輪ブレーキの液圧の減圧制御)の実行を禁止するようにしたので、ウィリー状態下での後輪リフト抑制制御の開始判定への影響を低減することができる。
この発明では、前記バーハンドル車両がウィリー状態であると判定された場合に、前輪車輪減速度と大小を比較するための閾値を、より小さな値にするという閾値のオフセットにより、車両がウィリー状態であると判定された場合の後輪リフト抑制制御を禁止している。このように、閾値のオフセットという簡素な制御でウィリー状態下での後輪リフト抑制制御の開始判定への影響を低減することができる。
ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置が組み込まれたこの実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の概略構成図である。 加速度センサの車両への搭載状況を示す説明図である。 バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置のブレーキ液圧回路図である。 ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置を含むバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の要部を示すブロック構成図である。 後輪リフト方向軸の説明図である。 ウィリー方向軸の説明図である。 後輪リフト方向軸に発生する加速度を説明するベクトル図である。 ウィリー方向軸に発生する加速度を説明するベクトル図である。 この実施形態に係る前記バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置を構成する、ウィリー中の後輪リフト抑制装置の動作説明に供されるフローチャートである。 後輪リフトの抑制動作及びウィリー中の後輪リフト抑制の禁止動作の説明に供されるタイムチャートである。
[構成]
図1は、この実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置(ブレーキ液圧制御装置ともいう。)12を備える、自動二輪車等のバーハンドル車両14(単に、車両14ともいう。)の概略平面構成を示している。なお、後述するように、ブレーキ液圧制御装置12は、ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10を含んで(組み込んで)構成される。
なお、図1を含む以下の図中に描いた矢印XYZは、車両14の前後方向を示すX軸、左右方向を示すY軸、垂直(鉛直)方向を示すZ軸を示している。同様に、図1を含む以下の図中に描いた矢印FRは車両14の前方(X軸と平行)、矢印RHは車両の右方(Y軸と平行)、及び矢印UPは車両14の上方(Z軸と平行)をそれぞれ示している。
バーハンドル車両14は、車体16のサスペンションに懸架された前輪FWと、後輪RWとを備える。
ブレーキ液圧制御装置12は、液路(ブレーキ液の流路)や各種部品が設けられた液圧ユニット18と、液圧ユニット18内の各種部品を適宜制御するための制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)20と、を主に備えている。図1中、液路は、太い実線で描き、電気配線は、細い実線で描いている。
前輪FWには前輪ブレーキFBが設けられ、後輪RWには後輪ブレーキRBが設けられる。併せて車輪ブレーキWB(FB、RB)という。前輪ブレーキFBは、ブレーキディスクFDとブレーキキャリパ(前輪キャリパともいう。)FCとから構成され、後輪ブレーキRBは、ブレーキディスクRDとブレーキキャリパ(後輪キャリパともいう。)RCとから構成される。
前輪ブレーキFBを作動させるブレーキレバーBLには前輪用マスタシリンダM1が設けられ、後輪ブレーキRBを作動させるブレーキペダルBPには後輪用マスタシリンダM2が設けられている。
ブレーキレバーBL及びブレーキペダルBPは、それぞれ運転者(ライダー)により操作される。
なお、バーハンドル車両14は、アクセルグリップAGの運転者による操作により図示しない駆動源(エンジンやモータ等)の回転駆動力の大きさが調節される。
ECU20には、前輪FWの車輪速度(前輪車輪速)Vfを検出する前輪車輪速センサ22及び後輪RWの車輪速度(後輪車輪速)Vrを検出する後輪車輪速センサ24(以下、車輪速センサ22、24ともいう。)と、車両14のXYZ直交3軸の加速度を検出する加速度センサ(Gセンサ、3軸加速度センサ、又は3軸Gセンサともいう。)26と、が電気的に接続されている。
図2に示すように、加速度センサ26は、例えば、車両14中、車体16の重心位置に取り付けられ、車両14の前後のX軸方向に向かう加速度(X軸加速度)Axと、車両14の左右のY軸方向に向かう加速度(Y軸加速度)Ayと、車両14の鉛直のZ軸方向に向かう加速度(Z軸加速度)Azと、を検出する。
車体16に取り付けられた状態の加速度センサ26により検出された加速度Ax、Ay、Azの符号は、図2の中央の図及び右側の図において、矢印方向を正(プラス)方向としている。
すなわち、車両14の後ろ方向に向かう加速度Axの値を正とし、車両14の前方向に向かう加速度Axの値を負としている。
また、車両14の正面視左方向に向かう加速度Ayの値を正とし、車両14の正面視右方向に向かう加速度Ayの値を負としている。
さらに、車両14の下方向に向かう加速度Azの値を正とし、車両14の上方向に向かう加速度Azの値を負としている。
なお、重力加速度gの値は、Z軸のプラス1G(Az=1G=g)として検出される。図1に示すX軸、Y軸、及びZ軸も同様である。図2中、左側の図は、加速度センサ26を斜視的に描き、視覚的に直交3軸(X軸、Y軸、及びZ軸)が分かるようにしている。
なお、加速度センサ26の設置位置や加速度の3軸直交座標軸原点及び水平・鉛直方向の傾きは、任意に設定することができる。任意に設定した場合、前記原点及び傾きは、既知のオフセット値として検出値を補正すればよい(例えば、上述した特許第5887284号公報の段落[0034]及び図5)。
[ブレーキ液圧回路]
図3は、ブレーキ液圧制御装置12のブレーキ液圧回路を示している。図3中、液路は、太い実線で描き、電気配線は、細い実線で描いている。さらに、軸は、二重線で描いている。
図3において、ECU20は、例えば、CPU、RAM、ROM及び入出力回路を備えており、加速度センサ26及び各車輪速センサ22、24からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって、液圧制御を実行する。
前輪キャリパFCは、前輪用マスタシリンダM1及びブレーキ液圧制御装置12により発生されたブレーキ液圧を前輪FWに設けられた前輪ブレーキFBの作動力に変換する液圧装置である。
後輪キャリパRCは、後輪用マスタシリンダM2及びブレーキ液圧制御装置12により発生されたブレーキ液圧を後輪RWに設けられた後輪ブレーキRBの作動力に変換する液圧装置である。
前輪キャリパFC及び後輪キャリパRCは、それぞれ配管を介して液圧ユニット18に接続されている。
[ブレーキ液圧制御装置12の液圧ユニット18]
図3に示すように、ブレーキ液圧制御装置12の液圧ユニット18は、前輪用マスタシリンダM1及び後輪用マスタシリンダM2と、前輪ブレーキFB及び後輪ブレーキRBと、の間に配置されている。
この液圧ユニット18は、ブレーキ液が流通する液路を有する基体であるボディ30、及びこのボディ30内に形成された液路中に複数配置された入口弁31(31F、31R)、出口弁32(32F、32R)などを含んで構成されている。
前輪用マスタシリンダM1は、ボディ30に形成された前輪用マスタシリンダM1側の液路A1及び車輪側の液路B1を介して前輪キャリパFCに接続されている。
後輪用マスタシリンダM2は、ボディ30に形成された後輪用マスタシリンダM2側の液路A2及び車輪側の液路B2を介して後輪キャリパRCに接続されている。
前輪用マスタシリンダM1に連通している液路A1は、ABS(Antilock-Braking-System)制御が開始されていないABS非作動時には、入口弁31F、液路B1を通じて前輪キャリパFCまで連通している。
前輪用マスタシリンダM1は、運転者がブレーキレバーBLに加えた力に応じたブレーキ液圧を発生する。ABS非作動時に、ブレーキレバーBLに加えられた力が前記ブレーキ液圧として前輪ブレーキFBに伝達される。
同様に、後輪用マスタシリンダM2に接続された液路A2は、ABS制御が開始されていないABS非作動時には、入口弁31R、及び液路B2を通じて後輪キャリパRCまで連通している。
後輪用マスタシリンダM2は、運転者がブレーキペダルBPに加えた力に応じたブレーキ液圧を発生する。ABS非作動時に、ブレーキペダルBPに加えられた力がブレーキ液圧として後輪ブレーキRBに伝達される。
ボディ30中、前輪用マスタシリンダM1と前輪キャリパFCとをつなぐ液路A1、B1上には、前記入口弁31Fの他に、出口弁32F及びチェック弁33Fが設けられている。
また、ボディ30中、後輪用マスタシリンダM2と後輪キャリパRCとをつなぐ液路A2、B2上には、前記入口弁31Rの他に、出口弁32R及びチェック弁33Rが設けられている。
さらに、ボディ30には、前輪用マスタシリンダM1に対応して、リザーバ34F、ポンプ36F、吸入弁38F、吐出弁40F、及びオリフィス42Fがそれぞれ設けられている。
さらにまた、ボディ30には、後輪用マスタシリンダM2に対応して、リザーバ34R、ポンプ36R、吸入弁38R、吐出弁40R及びオリフィス42Rがそれぞれ設けられている。
液圧ユニット18は、二つのポンプ36(36F、36R)を駆動するための電動機としてのモータ44を備えている。モータ44の回転軸がポンプ36F、36Rを駆動する。
入口弁31F、31Rは、常開型の電磁弁であり、前輪用マスタシリンダM1と前輪キャリパFCとの間(液路A1と液路B1との間)、後輪用マスタシリンダM2と後輪キャリパRCとの間(液路A2と液路B2との間)にそれぞれ設けられている。
入口弁31F、31Rは、ABS非作動時に開いていることで、上述したように、前輪用マスタシリンダM1から前輪キャリパFCへ、後輪用マスタシリンダM2から後輪キャリパRCへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。
また、各入口弁31F、31Rは、ABS作動時に、前輪FW及び後輪RWがロックしそうになったときECU20により閉じられることで、ブレーキレバーBLから前輪用マスタシリンダM1を介して前輪ブレーキFBに加わるブレーキ液圧、及びブレーキペダルBPから後輪用マスタシリンダM2を介して後輪ブレーキRBへ加わるブレーキ液圧を遮断する。
出口弁32F、32Rは、常閉型の電磁弁であり、前輪キャリパFCとリザーバ34Fとの間{液路(開放路)C1上}、後輪キャリパRCとリザーバ34Rとの間{液路(開放路)C2上}にそれぞれ設けられている。
出口弁32F、32Rは、ABS非作動時に閉じられているが、ABS作動時に、前輪FW及び後輪RWがロックしそうになったときECU20により開かれることで、前輪ブレーキFB及び後輪ブレーキRBへ加わるブレーキ液圧を各リザーバ34F、34Rに逃がす(減圧制御)。また、ABS作動時に、前輪FW及び後輪RWがロックしそうになったときECU20により出口弁32F、32Rが閉じられている状態で、該ECU20により入口弁31F、31Rが閉じられた場合には、その時点で前輪ブレーキFBに加わっているブレーキ液圧及び後輪ブレーキRBに加わっているブレーキ液圧が保持される(保持制御)。
チェック弁33F、33Rは、各入口弁31F、31Rに並列に接続されている。このチェック弁33F、33Rは、前輪キャリパFCから前輪用マスタシリンダM1側、及び後輪キャリパRCから後輪用マスタシリンダM2側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキレバーBL及びブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に入口弁31F、31Rを閉じた状態にしたときにおいても、各キャリパFC、RC側から各マスタシリンダM1、M2側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ34(34F、34R)は、出口弁32(32F、32R)が開放されることによって逃がされるブレーキ液を貯溜する機能を有している。
ポンプ36F、36Rは、破線の枠で示すように、吸入弁38F、38R及び吐出弁40F、40Rを備えており、上流側のリザーバ34F、34Rに貯溜されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液を下流側のマスタシリンダM1、M2側へ戻す(吐出する)機能を有している。
すなわち、吸入弁38F、38Rは、リザーバ34F、34R側からポンプ36F、36Rの上流側へのブレーキ液の流入(吸入)のみを許容する弁である。
一方、吐出弁40F、40Rは、ポンプ36F、36Rの下流側から各マスタシリンダM1、M2側へのブレーキ液の流出(吐出)のみを許容する弁である。
吐出弁40F、40Rを介してマスタシリンダM1、M2側へ吐出されたブレーキ液の脈動は、オリフィス42F、42Rによって吸収される。
[ブレーキ液圧制御装置12の基本的な動作]
ブレーキ液圧制御装置12の基本的な動作について説明しておく。ブレーキ液圧制御装置12は、この種の公知・周知のブレーキ液圧制御装置と同様の動作であるので、ここでは、その詳細な説明は省略し概略的に説明する。
例えば、ブレーキを作用させるため、ブレーキレバーBL及びブレーキペダルBPが操作されると、ブレーキレバーBLの操作に応じた液圧のブレーキ液が前輪用マスタシリンダM1から液圧ユニット18を通じて前輪キャリパFCのシリンダに供給され、前輪ブレーキFBに制動力が付与される。同時に、ブレーキペダルBPの操作に応じた液圧のブレーキ液が後輪用マスタシリンダM2から液圧ユニット18を通じて後輪キャリパRCのシリンダに供給され、後輪ブレーキRBに制動力が付与される。この場合、液路A1と液路B1は連通しているので同圧であり、液路A2と液路B2も連通しているので同圧である。
ECU20が、車体速度Vvと前後輪FW、RWのスリップ率に基づき、ABS制御等の液圧制御が必要であると判断し、例えば、ブレーキ液圧を減圧すべきであると判断すると、ECU20により出口弁32F、32Rが励磁されて開弁状態にされると同時に入口弁31F、31Rが励磁されて閉弁状態にされることで瞬時に液圧制御における減圧制御が開始される。
その結果、キャリパFC、RCのブレーキ液が出口弁32F、32Rを介し、液路C1、C2を通じてリザーバ34F、34Rへ排出され、液路B1、B2のブレーキ液圧、すなわちキャリパFC、RCの圧力(キャリパ圧)が減圧される。このように、キャリパ圧が減圧されている場合の液圧制御の制御モードを減圧モードという。
なお、ECU20は、出口弁32F、32Rを励磁すると同時にモータ44を駆動することにより、リザーバ34F、34Rに貯留されたブレーキ液がポンプ36F、36RによってマスタシリンダM1、M2側に還流される。
ECU20が、ブレーキ液圧を保持すべきであると判断すると、出口弁32F、32Rを消磁して閉弁する。これにより、車輪ブレーキFB、RB側の液路B1、B2は、液路A1、A2及び液路C1、C2に対して非連通状態とされ、ブレーキキャリパFC、RCの圧力(キャリパ圧)が一定に保持される。キャリパ圧が保持されている場合の液圧制御の制御モードを保持モードという。
ECU20が、ブレーキ液圧を増圧すべきであると判断すると、出口弁32F、32Rが消磁されて閉弁され、入口弁31F、31Rの開弁時間をデューティ制御により調整することで、キャリパ圧が徐々に増圧される。キャリパ圧が増圧されている場合の液圧制御の制御モードを増圧モードという。
以下、ABS制御等の液圧制御が不要と判断されるまで、このような減圧モード、保持モード、及び増圧モードの液圧制御が適宜選択されて実行される。
[ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10]
図4は、ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10を含むバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置12の要部の構成を示している。
図4に示すように、ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10は、ECU20と、このECU20に接続される前輪車輪速センサ22、後輪車輪速センサ24、及び3軸加速度センサ26とから構成される。
ECU20は、後輪リフト抑制制御手段62と後輪リフト抑制制御禁止手段64とを含む液圧制御手段60、該液圧制御手段60に接続されている速度・減速度計算手段50、及びGX軸・GZ軸加速度計算手段52とGXw軸・GZw軸加速度計算手段54とを含む特定軸加速度計算手段51とから構成される。
ここで、図5を参照して、GX軸・GZ軸加速度計算手段52による計算に係わる後輪リフト方向の軸(後輪リフト予測方向の軸ともいう。)としてのGZ軸及び該GZ軸に対し車体16に沿う鉛直面(XZ平面)上で直交するGX軸について説明する。
図5の左側の図は、走行中の車両14が減速を開始したが、後輪リフトを発生していない制動中の状態を示している。この状態において、XZ平面(鉛直面)上のGX軸は、後輪リフト発生時の回転中心となる前輪FWの前輪接地点CPFと車両14の重心Cgを結ぶ破線の直線で表される軸を意味している。なお、前記直線に沿うGX軸とZ軸のなす角をφ(既知の計算値)とする。
GZ軸は、XZ平面上で前記GX軸と直交する軸である。GZ軸上、重心Cgから斜め下方に向かう方向を+(正)とし、斜め上方に向かう方向を−(負)とする。
計算の仕方を後に詳しく説明するように、制動中に、後輪リフトが発生していないときのGZ軸上の加速度Agzは、図5の左側の図に示すように、+方向(斜め下方)になっており、後輪リフトが発生しているときのGZ軸上の加速度(後輪リフト軸加速度ともいう。)Agzは、図5の右側の図に示すように、−方向(斜め上方)になっている。なお、実際上、後輪リフトに伴う車両14の前傾によりX軸、Z軸、GZ軸が傾き、Z軸とGZ軸とのなす角θ{90度(π/2)から角度φを引いた既知の値}が、正確には、左右の図で異なることとなるが、ここでは、便宜的に、傾きがなく、且つ同じ角度であるものとして、実用上十分であるので図示を省略する。GZ軸上の加速度Agzが、正の値からAgz=0Gになるときが後輪リフト発生の判定閾値になる。
次に、図6を参照して、GXw軸・GZw軸加速度計算手段53による計算に係わるウィリー方向の軸(前輪リフト予測方向の軸ともいう。)としてのGZw軸及び該GZw軸に対し車体16に沿う鉛直面上で直交するGXw軸について説明する。
図6の左側の図は、一定速度(等速度)で走行中の車両14の状態を示している。この状態において、重心Cgにかかる加速度Azは、Z軸の下方に向かう加速度、すなわち鉛直下方に向かう重力加速度g(Az=g)のみである。
つまり、3軸加速度センサ26が正常である場合、一定速度(等速度)で走行中の車両14のZ軸加速度Azの値は、Az=gとなり、X軸加速度Axの値は、Ax=0値になっている。
XZ平面(鉛直面)上のGZw軸は、ウィリー発生時の回転中心となる後輪RWの後輪接地点CPRと車両14の重心Cgを結ぶ破線の直線で表される軸を意味している。なお、前記直線に沿うGXw軸とZ軸のなす角をφr(既知の計算値)とする。
GXw軸は、XZ平面上で前記GZw軸と直交する軸である。GXw軸上、重心Cgから斜め下方に向かう方向を+(正)とし、斜め上方に向かう方向を−(負)とする。
後に詳しく説明するように、加速時にウィリーが発生していないときのGXw軸上の加速度(ウィリー軸加速度ともいう。)Agxwは、+方向(斜め下方)になっており、ウィリーが発生しているときのGXw軸上の加速度Agxwは、図6の右側の図に示すように、−方向(斜め上方)になっている。
すなわち、次の(1)式及び(2)式に示すように、ウィリー軸加速度AgxwがAgxw≧0である場合には、ウィリーが発生しておらず、Agxw<0である場合には、ウィリーが発生していると判定することができる。
Agxw ≧0…(1)→ウィリー中ではない。
Agxw <0…(2)→ウィリー中。
なお、実際上、ウィリーの発生に伴う車両14の後傾によりX軸、Z軸、GZw軸が傾き、Z軸とGXw軸とのなす角θr{90度(π/2)から角度φrを引いた既知の値}が、正確には、左右の図で異なることとなるが、ここでは、便宜的に、傾きがなく、且つ同じ角度であるものとして、実用上十分であるので図示を省略する。
図4にもどり、速度・減速度計算手段50は、前輪車輪速センサ22から出力される前輪車輪速度Vfと後輪車輪速センサ24から出力される後輪車輪速度Vrとに基づき車体速度Vv、前輪車輪減速度Df及び後輪車輪減速度Drをそれぞれ次の(3)式〜(5)式により計算する。
Vv=(Vf+Vr)/2 …(3)
Df={Vf(現在の前輪車輪速度)−Vf(微小時間Δt前の前輪車輪速度)}/Δt …(4)
Dr={Vr(現在の後輪車輪速度)−Vr(微小時間Δt前の後輪車輪速度)}/Δt …(5)
GX軸・GZ軸加速度計算手段52は、3軸加速度センサ26から出力されるX軸加速度Ax及びZ軸加速度Azに基づきGX軸加速度Agx及びGZ軸加速度Agzを次の(6)式及び(7)式により計算する。
Agx=Ax(GX)+Az(GX)=Axcosθ+Azsinθ …(6)
Agz=Az(GZ)+Ax(GZ)=−Azcosθ+Axsinθ…(7)
ここでAx(GX)は、X軸加速度AxのGX軸成分の加速度、Az(GX)は、Z軸加速度(=重力加速度)AzのGX軸成分の加速度、Az(GZ)は、Z軸加速度(=重力加速度)AzのGZ軸成分の加速度、及びAx(GZ)は、X軸加速度AxのGZ軸成分の加速度である。
図7の左側のベクトル図に示すように、一定速度(等速度)で走行中の車両14の重心Cgにかかる加速度Azは、Z軸の下方に向かう加速度、すなわち鉛直下方に向かう重力加速度g(Az=g)のみである。
この場合、X軸加速度Axの値は、Ax=0値になっている。
車両14が、運転者によるブレーキレバーBLの操作による制動を開始したときには、図7の中央のベクトル図に示すように、Z軸加速度Azの値は、Az=gと変化しないが、X軸加速度Axが発生し、3軸加速度センサ26により検出される。
よって、図7の中央のベクトル図から理解されるように、3軸加速度センサ26の検出値であるX軸加速度Ax及びZ軸加速度Azから上記の(6)、(7)式に示したX軸加速度AxのGX軸成分の加速度Ax(GX)、Z軸加速度(=重力加速度)AzのGX軸成分の加速度Az(GX)、及びGX軸加速度Agx、並びにZ軸加速度(=重力加速度)AzのGZ軸成分の加速度Az(GZ)、X軸加速度AxのGZ軸成分の加速度Ax(GZ)、及びGZ軸加速度Agzが計算される。
なお、後輪リフトは、図7の右側のベクトル図に示すように、GZ軸加速度Agzが−方向の成分となっているときに発生し、図7の中央のベクトル図に示すように、GZ軸加速度Agzが+方向の成分となっているときには発生しない。
すなわち、次の(8)式及び(9)式に示すように、後輪リフト軸加速度AgzがAgz≧0である場合には、後輪リフトが発生しておらず、Agz<0である場合には、後輪リフトが発生していると判定することができる。
Agz≧0 …(8)→後輪リフト中ではない。
Agz<0 …(9)→後輪リフト発生の可能性大、後輪リフト中。
[ウィリー状態の検出]
図4に戻り、GXw軸・GZw軸加速度計算手段53は、3軸加速度センサ26から出力されるX軸加速度Ax及びZ軸加速度Azに基づきGXw軸加速度Axw(GXw)、Azw(GXw)、Agxwを次の(10)〜(12)式により計算する。
Axw(GXw)=AxCOSφr …(10)
Azw(GXw)=AzCOSθr …(11)
Agxw=Axw(GXw)−Azw(GXw) …(12)
ここでGXw軸加速度Axw(GXw)は、X軸加速度AxのGXw軸成分の加速度、GXw軸加速度Azw(GXw)は、Z軸加速度(=重力加速度)AzのGXw軸成分の加速度、及びGXw軸加速度Agxwは、GXw軸方向の合成加速度である。
図8の左側のベクトル図に示すように、一定速度(等速度)で走行中の車両14の重心Cgにかかる加速度Azは、Z軸の下方に向かう加速度、すなわち鉛直下方に向かう重力加速度g(Az=g)のみである。X軸加速度Axの値は、Ax=0値になっている。
車両14が、運転者によるアクセルグリップAGの操作による加速中(通常加速走行中)には、図8の中央のベクトル図に示すように、Z軸加速度Azの値は、Az=gと変化しないが、X軸加速度Axが3軸加速度センサ26により検出される。
よって、図8の中央のベクトル図から理解されるように、3軸加速度センサ26の検出値であるX軸加速度Ax及びZ軸加速度Azから上記の(10)〜(12)式に示したX軸加速度AxのGXw軸成分の加速度Axw(GXw)、Z軸加速度(=重力加速度)AzのGXw軸成分の加速度Azw(GXw)及びGXw軸方向の合成加速度Agxwが計算される。
この場合、ウィリーは、図8の右側のベクトル図に示すように、GXw軸加速度(合成加速度)Agxwが−方向の成分となっている{上記(2)式}ときに発生し、図8の中央のベクトル図に示すように、GXw軸加速度Agxwが+方向の成分となっている{上記(1)式}ときには発生しない。
図4に戻り、液圧制御手段60は、以下に説明するように、速度・減速度計算手段50から取得した車体速度Vv、前輪車輪減速度Df及び後輪車輪減速度Dr並びにGX軸・GZ軸加速度計算手段52及びGXw・GZw軸加速度計算手段53から取得したGZ軸加速度Agz及びGXw軸加速度Agxwに基づき液圧ユニット18の制御態様を判断し、液圧ユニット18を駆動制御する。
[ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10の動作]
次に、この実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置12を構成するウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置10の動作について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。なお、フローチャートの実行主体はECU20のCPUである。フローチャートは、msオーダーの微小時間Δtで繰り返し実行される。
ステップS1にて、走行中か停止中かを判定する判定手段としても機能するECU20は、車両14が走行中か停止中かを判定する。
この場合、ECU20は、前輪車輪速センサ22により取得した前輪車輪速度Vf及び後輪車輪速センサ24により取得した後輪車輪速度Vrに基づき(1)式に示した車体速度Vvを算出し、算出した車体速度Vvが、予め決められた車両14がほぼ止まっている速度である速度閾値Vthより高い場合には走行中である判定し、低い場合には、走行中ではないと判定する。
なお、走行中であるか否かの判定は、車体速度Vvにより判定するのではなく、前輪車輪速センサ22により取得した前輪車輪速度Vf又は後輪車輪速センサ24により取得した後輪車輪速度Vrのいずれか一方の値で判定してもよい。
Vv<Vthであって、走行中ではないと判定(みな)した(ステップS1:NO)場合には、今回の処理を終了し、ステップS1にもどる。
その一方、ステップS1の判定にて、走行中であると判定した(ステップS1:YES)場合には、ステップS2にて、前輪車輪減速度Df(負の値)が後輪リフトを発生する可能性のある減速度閾値(閾値ともいう。)Dfth1(負の値)以下である(Df≦Dfth1)か否かが判定される(車輪減速度条件)。
後輪リフトが発生する可能性のある減速度Dfの閾値、すなわち減速度閾値Dfthは、予め車両14毎に実機あるいはシミュレーションにより求めておくことができる。
次いで、ステップS3にて、車両14がウィリー(前輪リフト)中であるか否かを上記した(10)〜(12)式の値を計算して(1)式に該当する(Agzr≦0:非ウィリー中)か(2)式に該当する(Agzr>0:ウィリー中)かにより判定する。
ウィリー中(ステップS3)である場合には、後輪リフト抑制のための液圧ユニット18の減圧制御を禁止するため、ステップS4にて、後輪リフト抑制制御禁止手段64は、次の(13)式に示すように、閾値Dfth1を、より小さい値の閾値Dfth2にオフセット(修正)する。
Dfth2=Dfth1−Dfc …(13)
ここで、Dfth2及びDfth1は負の値、Dfcは正の値である。
このように閾値Dfth1を閾値Dfth2に下方にオフセットすることで、車輪減速度Dfが閾値Dfth2を下回ることがなくなる(常に、Df>Dfth2)。このため、液圧ユニット18における減圧制御が抑制される。
一方、ステップS3の判定において、ウィリー中でない(ステップS3:NO)場合には、ステップS5にて、後輪リフト発生条件に該当するか否かを判定する。
この場合、上記した(4)〜(7)式の値を計算して、(8)式に該当する(Agz<0:非後輪リフト中)か(9)式に該当する(Agz>0:後輪リフト発生の可能性大、後輪リフト中)かにより判定する。
(8)式に該当する(ステップS5:NO)場合には、後輪リフト発生条件を満たしていないとして今回の処理を終了する。
その一方、(9)式に該当する(ステップS5:YES)場合には、後輪リフト発生条件を満たしているとし、ステップS6にて、後輪リフト抑制制御手段62は、液圧ユニット18を駆動し、減圧制御を開始する。
[後輪リフトの抑制動作及びウィリー中の後輪リフト抑制の禁止動作]
図10のタイムチャートを参照して説明する。
図10のタイムチャートの上側の図は、時点t1まで、後輪車輪速度Vrと前輪車輪速度Vfが同値で車両14が加速状態にあることを示し、時点t1以降、後輪車輪速度Vrは、加速状態が継続されているが、前輪車輪速度Vfは、減速状態で、前輪車輪速度Vfが低下中になっていることを示している。
上述したように、図7の右側の図は、後輪リフトが発生した状態を示しており、上記(7)式により計算されるGZ軸加速度Agzが、Agz<0Gと負の値になっている。
したがって、例えば、ブレーキレバーBL及びブレーキペダルBPが操作された減速走行中(入口弁31:開弁状態、出口弁32:閉弁状態)に、加速度センサ26により検出されたX軸加速度Ax及びZ軸加速度AzからGX軸・GZ軸加速度計算手段52で(6)式及び(7)式により計算されたGX軸加速度Agx及びGZ軸加速度Agzから後輪リフト発生の可能性がある場合、ウィリー中ではない(図10の中央に示すウィリーフラグが時点t1以降の破線で示すリセット=0である)ことを条件に、図10の下側の図に示すように、前輪車輪減速度Dfが減速度閾値Dfth1以下(Df≦Dfth1)であったとき、時点t1にて、前輪FW側の入口弁31FをECU20により閉弁状態にし、出口弁32Fを開弁状態することで、前輪ブレーキキャリパFCにかかる圧力(前輪キャリパ圧)の減圧制御を開始する。
これにより、X軸方向の加速度Axが小さくなり、その結果、加速度AxのGZ軸成分の加速度Ax(GZ)が小さくなり、GZ軸加速度Agzが正の値になる(図7の真ん中の図参照)ことで、後輪リフトを抑制することができる。
一方、時点t1にてウィリー中である(ウィリーフラグが時点t1にてセットされ、時点t1以降、実線で示すセット=1になっている。)ときには、時点t1にて、減圧制御を行うための閾値Dfth1を閾値Dfth2にオフセット(修正)したので、前輪車輪減速度Dfが閾値Dfth2を下回ることがなくなり、減圧制御が開始されることが禁止される。
[まとめ]
以上説明したように、上述した実施形態に係るブレーキ液圧制御装置12は、バーハンドル車両14の車輪速度Vw、例えば前輪FWの車輪速度Vfから得られた前輪車輪減速度Dfに応じて前輪FWの車輪ブレーキFBの液圧を減圧制御することでバーハンドル車両14の後輪リフトを抑制する後輪リフト抑制制御を行うことができる。
この場合、バーハンドル車両14は、該バーハンドル車両14の前後方向加速度Ax及び上下方向加速度Azを検出する加速度センサ26を備えている。
この加速度センサ26により検出された前後方向加速度Ax及び上下方向加速度Azの値によってバーハンドル車両14がウィリー状態であるか否かを判定している。
バーハンドル車両14がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するように構成している。
このように、加速度センサ26により車両14がウィリー状態であると判定した場合、このウィリー中は、前輪FWがリフトしていることを考慮し、このウィリーと同時に発生しない後輪リフト抑制制御(前輪の車輪ブレーキの液圧の減圧制御)の実行を禁止するようにしたので、ウィリー状態下での後輪リフト抑制制御の開始判定への影響を低減することができる。
なお、前記後輪リフト抑制制御は、前輪車輪減速度Dfが閾値Dfth1より小さくなったときに開始されるが、前記後輪リフト抑制制御禁止制御は、加速度センサ26により検出された加速度Ax、Azの値によってバーハンドル車両14がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するために、前輪車輪減速度Dfと大小を比較するための閾値Dfth1をより小さな閾値Dfth2にオフセット(修正)し、後輪リフト抑制制御が開始されないようにしている。
このように、閾値Dfth1をより小さい閾値Dfth2にオフセット(修正)するという閾値Dfth1の修正(変更)により、車両14がウィリー状態であると判定された場合の後輪リフト抑制制御を禁止するようにしているので、簡素な制御でウィリー状態下での後輪リフト抑制制御の開始判定への影響を低減することができる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…ウィリー中の後輪リフト抑制制御禁止装置
12…バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置
14…バーハンドル車両 16…車体
18…液圧ユニット 20…ECU
22…前輪車輪速センサ 24…後輪車輪速センサ
26…加速度センサ(3軸加速度センサ)30…ボディ
31(31F、31R)…入口弁 32(32F、32R)…出口弁
33F、33R…チェック弁 34(34F、34R)…リザーバ
36(36F、36R)…ポンプ 38F、38R…吸入弁
40F、40R…吐出弁 42F、42R…オリフィス
44…モータ 50…速度・減速度計算手段
51…特定軸加速度計算手段 52…GX軸・GZ軸加速度計算手段
53…GXw軸・GZw軸加速度計算手段
60…液圧制御手段 62…後輪リフト抑制制御手段
64…後輪リフト抑制制御禁止手段

Claims (1)

  1. バーハンドル車両の前輪の車輪速度に基づく前輪車輪減速度に応じて前記前輪の車輪ブレーキの液圧を減圧制御して前記バーハンドル車両の後輪リフトを抑制する後輪リフト抑制制御を行うバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記バーハンドル車両は、該バーハンドル車両の前後方向及び上下方向の加速度を検出する加速度センサを備え、
    前記加速度センサにより検出された加速度の値によって前記バーハンドル車両がウィリー状態であるか否かを判定し、
    前記バーハンドル車両がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するものであり、
    前記後輪リフト抑制制御は、前記前輪車輪減速度が閾値より小さくなったときに開始され、
    前記加速度センサにより検出された前記加速度の値によって前記バーハンドル車両がウィリー状態であると判定された場合、前記後輪リフト抑制制御を禁止するために、前記閾値をより小さな値にオフセットする
    ことを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。
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