JP6798354B2 - セラミックス板の製造方法及びパワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大電流、高電圧を制御するパワーモジュール等に用いられるセラミックス板を製造する方法、及びそのセラミックス板を用いたパワーモジュール用基板の製造方法に関する。
パワーモジュール等に用いられるパワーモジュール用基板として、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されるように、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si),酸化アルミニウム(Al)等のセラミックス板の一方の面にアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属板からなる回路層が積層されたものが知られている。また、この種のパワーモジュール用基板としては、セラミックス板の他方の面にも熱伝導性に優れたアルミニウム等の金属板からなる放熱層が積層されたものも用いられる。そして、このように構成されるパワーモジュール用基板の回路層の表面(上面)に、パワー素子等の半導体素子が搭載(実装)されることにより、パワーモジュールが製造される。
しかし、アルミニウムや銅からなる回路層は、セラミックス板との線膨張率差が大きいことから、パワーモジュール用基板が電子部品の実装工程で加熱されたり、パワーモジュールの使用環境における温度変化にさらされたりすることにより、パワーモジュール用基板に反りが生じる。また、冷熱サイクルの付加等によって、パワーモジュール用基板に繰り返し反りが生じることにより、セラミックス板に割れ(クラック、亀裂)が生じるおそれがある。そして、セラミックス板にクラックが生じた場合には、セラミックス板における熱抵抗が増加し、パワーモジュールの放熱性能の低下を招くおそれがある。そこで、この種のパワーモジュール用基板のセラミックス板には、抗折強度が比較的高い窒化珪素が多く用いられる。
特開2004‐311650号公報 特開2001‐148451号公報
しかし、回路層の厚さ(板厚)が比較的薄い場合には、抗折強度の高い窒化珪素からなるセラミックス板を用いることにより割れの発生を抑制できるが、回路層の厚さが増すにつれて冷熱サイクル時に生じるパワーモジュール用基板の反り(応力)が大きくなることから、セラミックス板への割れの発生を抑制することが難しくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、セラミックス板の抗折強度を向上でき、パワーサイクルや冷熱サイクルに対する信頼性の高いセラミックス板の製造方法、及びパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、窒化珪素からなるセラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射するレーザ照射工程と、前記セラミックス板に金属板を接合して回路層を形成する回路層形成工程とを有する。
窒化珪素からなるセラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射することにより、そのレーザ光の照射領域においてセラミックス板の抗折強度を増加できる。なお、レーザ光のエネルギ密度が0.40J/mm未満では、抗折強度の増加効果が十分に得られない。また、レーザ光のエネルギ密度が0.55J/mmを超えると、セラミックス板の表面を加工されるおそれがある。セラミックス板がレーザ光により加工されると、その部分の抗折強度の低下を招くおそれがある。
また、セラミックス板の片面のみにエネルギ密度が0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射した場合には、そのレーザ光が照射された片面の抗折強度を増加できる。また、セラミックス板の表面の一部にレーザ光を照射することにより、その部分の抗折強度を局所的に増加させることもできるし、セラミックス板の両面全体にレーザ光を照射して抗折強度を全体的に増加させることもできる。
また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、前記レーザ照射工程は、前記回路層形成工程の前に実施することもできるし、前記回路層形成工程の後に実施することもできる。すなわち、レーザ照射工程は、回路層形成工程の前後のいずれのタイミングでも実施できる。
回路層形成工程前のレーザ照射工程の実施としては、セラミックス板の両面に異なる厚さの回路層と放熱層とを接合する場合に、これらの金属層のうち厚さが薄い金属層が接合される面の抗折強度を増加させておくことにより、セラミックス板の回路層側と放熱層側とに生じる応力差を低減し、これらのバランスを図ることができる。
また、回路層形成工程後のレーザ照射工程の実施としては、セラミックス板における回路層との接合界面に比べて非接合面には曲げ応力が集中しやすいことから、回路層のパターン間に露出する回路層との非接合面の表面にレーザ光を照射して抗折強度を増加させることにより、接合界面と非接合面との間に生じる応力差を低減し、応力集中を抑制して応力のバランスを図ることができる。
このように、セラミックス板の抗折強度を向上させることにより、セラミックス板と回路層及び金属層との線膨張率差に起因する反りを低減でき、冷熱サイクル時の熱伸縮によるセラミックス板の割れの発生を抑制できる。したがって、パワーサイクルや冷熱サイクルに対する信頼性の高いパワーモジュール用基板を形成できる。
本発明のセラミックス板の製造方法は、窒化珪素からなるセラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射するレーザ照射工程を有する。
本発明によれば、セラミックス板の抗折強度を向上できるので、温度変化に伴うセラミックス板の割れの発生を抑制でき、パワーモジュール用基板のパワーサイクルや冷熱サイクルに対する信頼性を向上できる。
本発明の第1実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法の説明図である。 図2に示すパワーモジュール用基板の製造方法のフロー図である。 第1実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法を適用して製造されるパワーモジュール用基板を示す断面図である。 本発明の第2実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法の説明図である。 図4に示すパワーモジュール用基板の製造方法のフロー図である。 第2実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法を適用して製造されるパワーモジュール用基板を示す断面図である。 3点曲げ試験に用いるセラミックス板を説明する平面図である。 3点曲げ試験を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図3は、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法により製造されるパワーモジュール用基板10Aを用いたパワーモジュール101を示している。このパワーモジュール101は、パワーモジュール用基板10Aと、パワーモジュール用基板10Aの表面に搭載された半導体素子等の電子部品51と、パワーモジュール用基板10Aの裏面に取り付けられたヒートシンク52とを備えている。
パワーモジュール用基板10Aは、図3に示すように、セラミックス板11Aと、セラミックス板11Aの一方の面(図3において上面)に配設された回路層12と、セラミックス板11Aの他方の面(図3において下面)に配設された放熱層13とを備え、これらセラミックス板11Aと回路層12、及びセラミックス板11Aと放熱層13とは、互いに接合されている。
セラミックス板11Aは、Si(窒化珪素)からなる。
回路層12は、アルミニウム又はアルミニウム合金、あるいは銅又は銅合金からなり、これらのアルミニウム等からなる金属板をセラミックス板11Aの一方の面にろう付け等によって接合することにより形成される。
放熱層13は、必ずしも限定されるものではないが、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材をセラミックス板11Aの他方の面にろう付け等によって接合することにより形成される。
また、寸法は特に限定されるものではないが、例えばセラミックス板11Aの厚さは0.2mm以上1.0mm以下で、30mm角程度の大きさとされる。回路層12は、厚さが0.05mm以上3.0mm以下のアルミニウム板からなり、放熱層13は、厚さ0.05mm以上3.0mm以下のアルミニウム板からなり、28mm角程度の大きさとされる。
そして、このように構成されるパワーモジュール用基板10Aの回路層12の表面(図3では上面)に電子部品51が搭載(実装)されることにより、パワーモジュール101が製造される。なお、回路層12への電子部品51の実装には、Sn‐Cu系、Sn‐Ag‐Cu系、Zn‐Al系もしくはPb‐Sn系等のはんだ材が用いられる。また、図示は省略するが、電子部品51と回路層12の端子部との間は、アルミニウム等からなるワイヤ及びリボンボンディング等により接続される。
また、パワーモジュール101は、放熱層13の表面(図3では下面)に放熱板や冷却器等のヒートシンク52が取り付けられた状態で使用される。ヒートシンク52は、放熱層13とヒートシンク52との間にグリースを介在させ、パワーモジュール101とヒートシンク52とをバネ等により押し付けて固定したり、放熱層13をヒートシンク52にはんだ付け又はろう付けして固定したりして、パワーモジュール101に取り付けられる。
次に、回路層12と放熱層13とがアルミニウムからなり、図3に示されるように、回路層12の厚さt1が放熱層13の厚さt2よりも薄く形成されたパワーモジュール用基板10Aを製造する場合を例として、本発明のセラミックス板の製造方法及びパワーモジュール用基板の製造方法を適用した第1実施形態について説明する。
第1実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法は、図2のフロー図に示すように、レーザ照射工程S11と、レーザ照射工程S11後に実施される回路層・放熱層形成工程S12とを有する構成とされ、セラミックス板の製造方法のレーザ照射工程S11が製造工程の一部に含まれる。
(レーザ照射工程)
図1(a)に示すように、窒化珪素からなる平板状のセラミックス板11の表面にレーザ光Lを照射して、そのレーザ光Lの照射領域においてセラミックス板11の抗折強度を増加させる(レーザ照射工程S11)。具体的には、セラミックス板11の表面に、YAGレーザにより、エネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光Lを照射する。
レーザ光のエネルギ密度は、レーザのレーザ出力:20W、パルスの繰り返し周波数が50kHzとすると、1パルス当たりのエネルギ(パルスエネルギ)は20/50k(J)であり、レーザ光Lの集光径をDmm、走査速度をSmm/秒とすると、1パルス当たりのエネルギXは、X=D/(S/50k)×(20/50k)であり、単位面積当たりのエネルギ密度としては、X/(πD/4)により計算できる。
また、レーザ光のエネルギ密度は、セラミックス板11を平面としたときの表面における値である。つまり、エネルギ密度は、セラミックス板11の表面で0.40J/mm以上0.55J/mm以下である。なお、レーザ光Lのセラミックス板11への照射は、空気(酸化性雰囲気)中で行われる。
このようにして、セラミックス板11の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射することにより、そのレーザ光の照射領域において、セラミックス板11の抗折強度をレーザ光の照射前よりも増加できる。本実施形態では、回路層12の厚さt1を放熱層13の厚さt2よりも薄くすることから、セラミックス板11の片面のみ、すなわち回路層12が接合される一方の面のみにレーザ光を照射し、レーザ光を照射した一方の面の抗折強度を、レーザ光を照射しない他方の面の抗折強度よりも増加させる。
なお、セラミックス板11の表面に照射されるレーザ光のエネルギ密度が0.40J/mm未満では、抗折強度の増加効果が十分に得られない。また、セラミックス板11の表面に照射されるレーザ光のエネルギ密度が0.55J/mmを超えると、セラミックス板11の表面が加工されるおそれがある。セラミックス板11がレーザ光により加工されると、その部分の抗折強度の低下を招くおそれがある。
以下、レーザ照射後のセラミックス板を符号11Aで示す。
(回路層・放熱層形成工程)
レーザ照射工程S11後に、セラミックス板11Aに、回路層12となる金属板22と、放熱層13となる金属板23とを接合する(回路層・放熱層形成工程S12)。なお、この回路層・放熱層形成工程S12に、本発明における回路層形成工程が含まれる。
まず、図1(b)に示すように、セラミックス板11Aの一方の面、すなわちレーザ光を照射した面に回路層12となる金属板22を接合材31を介して積層し、レーザ光が照射されていない他方の面に放熱層13となる金属板23を接合材32を介して積層する。つまり、レーザ光による処理が施されたセラミックス板11Aの一方の面に、厚さが薄い方の金属板22を積層する。なお、金属板22と金属板23はアルミニウム板であるから、接合材31,32には、Al‐Si、Al‐Ge、Al‐Cu、Al‐Mg又はAl‐Mn等の接合材を用いる。
次に、図1(c)に示すように、これらのセラミックス板11A、接合材31,32,金属板22,23の積層体25を、その積層方向に加圧及び加熱することにより、セラミックス板11Aと金属板22,23とを接合した後、これらの積層体25を冷却し、セラミックス板11Aの両面に回路層12と放熱層13とを形成し、パワーモジュール用基板10Aを製造する。
なお、説明は省略するが、回路層・放熱層形成工程S12後に、回路層12に回路パターンを形成するエッチング工程を実施してもよい。
このようにして製造されたパワーモジュール用基板10Aにおいては、セラミックス板11Aの両面に異なる厚さの回路層12と放熱層13とが形成されているが、回路層・放熱層形成工程S12前に、予めレーザ照射工程S11を実施しており、厚さが薄い回路層12が接合されるセラミックス板11Aの一方の面の抗折強度を、厚さの厚い放熱層13が接合されるセラミックス板11Aの他方の面の抗折強度よりも増加させている。このため、冷熱サイクル時に生じるセラミックス板11Aと回路層12及び放熱層13との線膨張率差に起因する反りを低減でき、セラミックス板11Aの回路層12側と放熱層13側との応力差を小さくして、これらの応力のバランスを図ることができる。したがって、パワーサイクルや冷熱サイクル時の熱伸縮によるセラミックス板11Aの割れの発生を抑制でき、冷熱サイクル等に対する信頼性の高いパワーモジュール用基板10Aを製造できる。
また、上記の第1実施形態では、レーザ照射工程S11後に、回路層・放熱層形成工程S12を実施したが、レーザ照射工程は、回路層・放熱層形成工程の前後のいずれのタイミングでも実施できる。以下、回路層・放熱層形成工程後にレーザ照射工程を実施する第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、回路層12と放熱層13とがアルミニウムからなり、図6に示すように、回路層12の厚さt1と放熱層13の厚さt2とが同程度の厚さで形成されたパワーモジュール用基板10Bを製造する場合を例として説明する。
第2実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法は、図5のフロー図に示すように、回路層・放熱層形成工程S21と、エッチング工程S22と、レーザ照射工程S23とを有する。
(回路層・放熱層形成工程)
セラミックス板11に、回路層12となる金属板22と、放熱層13となる金属板23とを接合する(回路層・放熱層形成工程S21)。なお、この回路層・放熱層形成工程S12に、本発明における回路層形成工程が含まれる。
図4(a)に示すように、セラミックス板11の一方の面に回路層12となる金属板22を接合材31を介して積層し、他方の面に放熱層13となる金属板23を接合材32を介して積層する。この場合、セラミックス板11の一方の面と他方の面とに区別はなく、どちらの面に金属板22,23を重ねても良い。そして、図4(b)に示すように、これらのセラミックス板11、接合材31,32,金属板22,23の積層体26を、その積層方向に加圧及び加熱することにより、セラミックス板11と金属板22,23とを接合した後、これらの積層体25を冷却し、セラミックス板11の両面に回路層12と放熱層13とが形成された接合体27を形成する。
(エッチング工程)
回路層・放熱層形成工程S21後に、セラミックス板11に接合された回路層12(及び金属層13)にエッチング処理を施すことにより、図4(d)に示すように、回路層12(及び金属層13)に回路パターンを形成する(エッチング工程S22)。回路層12に回路パターンが形成された接合体を符号28で示す。
(レーザ照射工程)
エッチング工程S22後に、図4(e)に示すように、回路層12のパターン間に露出するセラミックス板11の非接合面の表面、すなわちセラミックス板11における回路層12との非接合面の表面に、エネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光Lを照射して、そのレーザ光Lの照射領域においてセラミックス板11の抗折強度を増加させる(レーザ照射工程S23)。図4(e)には、レーザ照射後のセラミックス板を符号11Bで示す。つまり、セラミックス板11の表面の一部にレーザ光Lを照射することにより、その部分の抗折強度を局所的に増加させ、回路層12のパターン間に露出するセラミックス板11Bの非接合面の抗折強度を、回路層12が接合されたセラミックス板11Bの接合界面の抗折強度に比べて増加させる。このようにして、第2実施形態のパワーモジュール用基板10Bが製造される。
パワーモジュール用基板10Bのように、回路層12に回路パターンが形成される場合においては、セラミックス板11Bと回路層12との接合界面に比べて、回路層12が接合されていない非接合面には、曲げ応力が集中しやすい。本実施形態では、回路層12のパターン間に露出する非接合面の表面にレーザ光を照射して、応力が集中しやすい部分の抗折強度を増加させているので、接合界面と非接合面との間に生じる応力差を低減し、応力集中を抑制して応力のバランスを図ることができる。したがって、パワーサイクルや冷熱サイクル時の熱伸縮によるセラミックス板11Bの割れの発生を抑制でき、冷熱サイクル等に対する信頼性の高いパワーモジュール用基板10Bを製造できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、セラミックス板の片面又は、その片面の一部にレーザ光を照射して、部分的に抗折強度を増加させたが、セラミックス板の両面全体にレーザ光を照射して、抗折強度を全体的に増加させることもできる。
また、実施形態では、YAGレーザを用いたが、COレーザ、Arレーザ等を用いることもできる。
また、パワーモジュール用基板の放熱層は必須ではなく、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、レーザ照射工程と、セラミックス板に金属板を接合して回路層を形成する工程(回路層形成工程)とを有していればよい。
以下、本発明の効果を確認するために実施した実験について説明する。
セラミックス板の表面にレーザ光を照射し、照射されるレーザ光のエネルギ密度の違いによるセラミックス板の抗折強度の変化を確認した。
セラミックス板は、窒化珪素からなる厚さ0.32mm、平面サイズ40mm×40mmの窒化珪素板を用いた。レーザ照射工程に用いるレーザには、YAGレーザを用いた。レーザ光は、図7に示すように、セラミックス板11Aの片面の表面領域を長手方向に2つの領域に分断するようにして、中心線CL上に沿って照射した。図7には、二点鎖線でレーザ走査方向を示した。また、レーザ光のエネルギ密度は、表1に示すエネルギ密度でセラミックス板ごとに変更した。エネルギ密度が「0」の試料7は、レーザ光を照射しなかった例である。そして、このようにして得られた各セラミックス板について抗折強度を測定した。
抗折強度は、JIS R1601に準拠した3点曲げ試験により測定した。図8に示すように、各セラミックス板11Cのレーザ照射領域を下側にして一対の下部支点61L,61R上に載置し、負荷速度:0.10mm/分、下部支点間距離W:20mmの測定条件で、レーザ照射領域と反対側(上側)に垂直に上部支点62を当接させて実施した。また、試料7を基準として、抗折強度の上昇率(強度上昇率)を算出した。強度上昇率は、試料7よりも抗折強度が高い場合に正(プラス)の値となり、試料7よりも抗折強度が低い場合に負(マイナス)の値となる。結果を表1に示す。
Figure 0006798354
表1から明らかなように、セラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射することにより、セラミックス板の抗折強度を増加できることがわかる。また、レーザ光のエネルギ密度0.40J/mm未満では、抗折強度の増加効果が得られなかった。また、レーザ光のエネルギ密度が0.55J/mmを超える条件では、セラミックス板の表面に加工痕が形成され、抗折強度が低下した。
10A,10B パワーモジュール用基板
11,11A,11B,11C セラミックス板
12 回路層
13 放熱層
22,23 金属板
25,26 積層体
27 接合体
31,32 接合材
51 電子部品
52 ヒートシンク
61L,61R 下部支点
62 上部支点
101 パワーモジュール

Claims (4)

  1. 窒化珪素からなるセラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射するレーザ照射工程と、
    前記セラミックス板に金属板を接合して回路層を形成する回路層形成工程と、
    を有することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  2. 前記レーザ照射工程を前記回路層形成工程の前に実施することを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
  3. 前記レーザ照射工程を前記回路層形成工程の後に実施し、
    前記レーザ照射工程では、前記セラミックス板における前記回路層との非接合面の表面に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 窒化珪素からなるセラミックス板の表面にエネルギ密度0.40J/mm以上0.55J/mm以下のレーザ光を照射するレーザ照射工程を有することを特徴とするセラミックス板の製造方法。
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