JP6798260B2 - 回転電機ステータ - Google Patents

回転電機ステータ Download PDF

Info

Publication number
JP6798260B2
JP6798260B2 JP2016219362A JP2016219362A JP6798260B2 JP 6798260 B2 JP6798260 B2 JP 6798260B2 JP 2016219362 A JP2016219362 A JP 2016219362A JP 2016219362 A JP2016219362 A JP 2016219362A JP 6798260 B2 JP6798260 B2 JP 6798260B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
teeth
coil
stator
circumferential direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016219362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018078735A (ja
Inventor
絢子 長谷川
絢子 長谷川
宜史 野沢
宜史 野沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016219362A priority Critical patent/JP6798260B2/ja
Publication of JP2018078735A publication Critical patent/JP2018078735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6798260B2 publication Critical patent/JP6798260B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本発明は、3相ステータコイルを含む回転電機ステータに関する。
回転電機のステータにおいて、円環状のステータコアの内周面から突出する複数のティースに分布巻きで複数のコイルを巻回させる場合がある。このとき、ステータコアの隣り合うティースの間にはスロットが形成される。この場合において、1相当たりで1つのスロットだけずれて複数のティースに同相のコイルを巻回してコイル群を形成する場合がある。
特開2010−252453号公報
上記のように1相当たりで1つのスロットだけずれて複数のティースに同相のコイルを巻回してコイル群を形成する構成では、コイルに交流電流が供給される場合にトルクリップルが生じやすい。具体的には、この構成では、複数のティースは、両側の2つのスロットに同相のコイルが挿入されてなる同相間ティースと、両側の2つのスロットに異相のコイルが挿入されてなる異相間ティースとが、周方向に交互に配置されることにより構成される。この構成では、回転電機の使用時に、コイルに交流電流が流れることにより、隣り合う同相間ティースと異相間ティースとに、半径方向において逆方向の電磁加振力が発生する。また、異相間ティースに加わる半径方向の電磁加振力の絶対値は、同相間ティースに加わる半径方向の電磁加振力の絶対値より大きい。これにより、電磁加振力の差に基づくトルクリップルが生じやすい。また、トルクリップルの影響は、特に回転電機の高トルク領域で顕著になる。このため、高トルク領域でのトルクリップルの低減が望まれる。また、回転方向の違いでトルクリップルの低減効果に差がないこと、及び低トルク領域でのトルク低下を抑制することも望まれる。
特許文献1に記載された構成では、トルクリップルを低減するために、各ティースに周方向及び軸方向に対し傾斜する方向にスリット部を形成することが記載されている。しかしながらこの構成では、構造が複雑であり、加工工数の増加を招く。
本発明の目的は、回転電機ステータにおいて、回転方向に無関係に高トルク領域でのトルクリップルを低減し、かつ、低トルク領域でのトルク低下を抑制し、かつ、加工工数の増加を抑制することである。
本発明に係る回転電機ステータは、円環状のヨークと、前記ヨークの内周面の周方向複数位置から突出するティースとを有し、隣り合う前記ティースの間にスロットが形成されたステータコアと、複数の前記ティースに分布巻きで巻回された3相ステータコイルとを含む回転電機ステータである。前記3相ステータコイルは、1相当たりで1つの前記スロットだけずれて前記複数のティースに巻回された同相の複数のコイルを含むコイル群により形成される。前記複数のティースのそれぞれは、先端の周方向長さが付け根部の周方向長さより小さくなるように、周方向両側面が周方向中央を通る半径方向の中央線に対し傾斜したテーパ面を持っている。前記複数のティースは、両側の2つの前記スロットに同相の前記コイルが挿入されてなる同相間ティースと、両側の2つの前記スロットに異相の前記コイルが挿入されてなる異相間ティースとを含み、前記同相間ティースと前記異相間ティースとが、周方向において1つずつ交互に配置されることにより構成される。前記同相間ティース及び前記異相間ティースのうち、前記異相間ティースのみにおいて、付け根部に軸方向全長に軸方向に沿って貫通するように形成された貫通孔を有し、前記貫通孔の周方向長さは、当該異相間ティースの付け根部の周方向長さから当該異相間ティースの先端の周方向長さを減じた値以下であり、前記貫通孔は、当該異相間ティースの周方向中央位置を通過する平面であって中心軸を含む平面に対し対称に配置される。

本発明に係る回転電機ステータによれば、回転方向に無関係に高トルク領域でのトルクリップルを低減でき、かつ、低トルク領域でのトルク低下を抑制でき、かつ、加工工数の増加を抑制できる。
実施形態の回転電機ステータを含む回転電機を軸方向一方側から見た図である。 図1に示す回転電機ステータにおいて磁束が通過する状態を示している図1の周方向一部の模式図である。 図2AのA部拡大図である。 回転電機ステータの比較例において、同相間ティースに加わる電磁加振力と、異相間ティースに加わる電磁加振力との関係を示している図である。 比較例において、複数のティースのそれぞれの半径方向に加わる回転24次成分の電磁加振力とティースを通過する磁束数とを示している図である。 回転電機ステータの比較例及び実施例において、回転電機のトルクと、磁気強制力の回転6次成分の振幅とについて比較した計算結果を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料、及び個数は、説明のための例示であって、回転電機ステータの仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、実施形態の回転電機ステータ12を含む回転電機10を軸方向一方側から見た図である。図2Aは、図1に示す回転電機ステータ12において磁束が通過する状態を示している図1の周方向一部の模式図である。図2Bは、図2AのA部拡大図である。
回転電機ステータ12は、回転電機ロータ40と組み合わされて回転電機10を構成する。以下では、回転電機ステータ12、回転電機ロータ40は、それぞれステータ12、ロータ40と記載する。
回転電機10は、3相交流電流で駆動する磁石付の同期電動機である。例えば、回転電機10は、ハイブリッド車両を駆動するモータとして、または、発電機として、または、その両方の機能を有するモータジェネレータとして用いられる。
回転電機10は、ステータ12の半径方向内側にロータ40を対向配置することにより形成される。ロータ40は、円筒状のロータコア42の周方向複数位置に磁石44を配置することにより形成される。磁石44は、ロータ40の半径方向に磁化され、その磁化方向は周方向に隣り合う磁石44で逆になる。これにより、ロータ40の外周面には、N極とS極とが周方向において交互に形成される。ロータ40は内側に回転軸46が挿通された状態で固定され、回転軸46の両端部はケース(図示せず)に回転可能に支持される。なお、ロータにおいて2つの磁石を1組として外径側に広がるV字形に配置することにより1つの磁極を構成し、隣り合う磁極で半径方向についての磁気特性を異ならせる構成としてもよい。
ステータ12は、ケースの内側に固定されたステータコア14と、3相ステータコイル20とを含む。ステータコア14は、例えば複数の円環状の鋼板(電磁鋼板)が軸方向に積層されて、カシメ等により一体に連結されて円筒状に構成される。ステータコア14は、円環状のヨーク15と、複数のティース16とを有する。複数のティース16は、ヨーク15の内周面において、周方向に等間隔で離れた複数位置から半径方向内側に向かって突出する。例えば、ステータコア14は48個のティース16を有する。ここで、「周方向」とはステータ12の中心軸Oを中心とする円周方向をいい、「半径方向」とはステータ12の中心軸Oに対し直交するステータ12の半径方向をいい、「軸方向」とはステータ12の軸方向をいう。
また、各ティース16は、半径方向外側で周方向長さが最大であり、半径方向内側に向かうほど周方向長さが小さくなるように、周方向中央を通る半径方向の中央線C1(図2A)に対し周方向両側面が傾斜してテーパ面となっている。また、ステータコア14の内周面の複数位置において、隣り合うティース16の間には溝形状のスロット18が形成される。
さらに、複数のティース16のうち、1つ置きのティース16であって、両側のスロット18に異相のコイルが挿入される異相間ティースT2(図2A)では、付け根部に軸方向に貫通する貫通孔17が形成される。これにより、高トルク領域でのトルクリップルを低減できる。これについては、後で詳しく説明する。
3相ステータコイル20は、ステータコア14の複数のティース16に分布巻きによって巻回される。さらに、3相ステータコイル20は、1相当たりで1つのスロット18だけずれて複数のティース16に巻回された同相の複数のコイルを含むコイル群により形成される。具体的には、3相ステータコイル20は、U相コイル群22u、V相コイル群22v、及びW相コイル群22wを含む。
図2A、図2Bでは、U相コイル群22u、V相コイル群22v、及びW相コイル群22wの構成要素を、それぞれ丸の内側にU,V,Wの符号、またはU、V,Wの上側に横線を付した符号で模式的に示している。なお、図2A、図2Bでは、ステータコア14の細部の構成を分かりやすくするために、図1の構成に対しティース16の数を少なくして示しているが、基本構成は図1と同様である。図2A、図2Bではステータコア14の形状を分かりやすくするためにステータコア14に砂地を付している。
図1に戻って、U相コイル群22uは、第1U相コイル23uと第2U相コイル24uとを含んで構成される。第1U相コイル23uは、1磁極ピッチに相当する6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第1U相単位コイル部を直列に接続して、ステータコア14を1周させることにより構成される。第2U相コイル24uは、6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第2U相単位コイル部を直列に接続して、ステータコア14を1周させることにより構成される。第1U相コイル23uが挿入されるスロット18に対し、第2U相コイル24uが挿入されるスロット18は、ステータコア14の周方向一方側(図1の右側)に1スロットだけずれている。
図1では、2つの黒丸を結ぶ円弧状の実線により、1つの第1U相単位コイル部または第2U相単位コイル部を示している。黒丸は、単位コイル部のうち、スロット18に挿入される部分を示している。第1U相コイル23uは、複数のスロット18の最外周部に配置され、第2U相コイル24uは、複数のスロット18において、第1U相コイル23uより半径方向内側にずれた部分に配置される。
V相コイル群22v及びW相コイル群22wも、U相コイル群22uと同様に構成される。具体的には、V相コイル群22vは、第1V相コイル23vと第2V相コイル24vとを含んで構成される。第1V相コイル23vは、6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第1V相単位コイル部を直列に接続して、ステータコアを1周させることにより構成される。第2V相コイル24vは、6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第2V相単位コイル部を直列に接続して、ステータコアを1周させることにより構成される。第1V相コイル23vが挿入されるスロット18に対し、第2V相コイル24vが挿入されるスロット18は、ステータコア14の周方向一方側に1スロットだけずれている。
図1では、2つの黒丸を結ぶ円弧状の破線により、1つの第1V相単位コイル部または第2V相単位コイル部を示している。第1V相コイル23vは、複数のスロット18において、第2U相コイル24uより半径方向内側にずれた部分に配置される。第2V相コイル24vは、複数のスロット18において、第1V相コイル23vより半径方向内側にずれた部分に配置される。
W相コイル群22wは、第1W相コイル23wと第2W相コイル24wとを含んで構成される。第1W相コイル23wは、6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第1W相単位コイル部を直列に接続して、ステータコアを1周させることにより構成される。第2W相コイル24wは、6スロットずつ離れた2つのスロット18に周方向両端が挿入された複数の第2W相単位コイル部を直列に接続して、ステータコアを1周させることにより構成される。第1W相コイル23vが挿入されるスロット18に対し、第2W相コイル24wが挿入されるスロット18は、ステータコア14の周方向一方側に1スロットだけずれている。
図1では、2つの黒丸を結ぶ円弧状の一点鎖線により、1つの第1W相単位コイル部または第2W相単位コイル部を示している。第1W相コイル23wは、複数のスロット18において、第2V相コイル24vより半径方向内側にずれた部分に配置される。第2W相コイル24wは、複数のスロット18において、第1W相コイル23wより半径方向内側にずれた部分に配置される。
各単位コイル部は、対応する5つのティース16に所定回数分、巻回される。同相で周方向に隣り合う単位コイル部は、互いに対応する複数のティースに逆方向に巻回される。第1U相コイル23u、第1V相コイル23v、第1W相コイル23wのそれぞれの一方端は端子25u、25v、25wに接続され、それぞれの他方端は第1中性点(図示せず)に共通に接続される。第2U相コイル24u、第2V相コイル24v、第2W相コイル24wのそれぞれの一方端は端子26u、26v、26wに接続され、それぞれの他方端は第2中性点(図示せず)に共通に接続される。なお、各相のコイル23u、24u、23v、24v、23w、24wは、それぞれ6スロット離れた2つのスロットに挿入されながら、複数のティースの軸方向一方端と軸方向他方端とを、周方向に交互に覆うようにクランク形に巻かれた構成としてもよい。
U相の端子25u、26uには、直流電源に接続されたインバータ(図示せず)からU相ケーブルを介してU相交流電流が供給される。また、V相の端子25v、26vには、インバータからV相ケーブルを介して、U相交流電流とは120度位相が異なるV相交流電流が供給される。W相の端子25w、26wには、インバータからW相ケーブルを介して、U相及びV相の交流電流とは120度位相が異なるW相交流電流が供給される。
図1の構成で、ティース16の数は、48個に限定するものではなく、例えばロータ40に含まれる磁石の磁極数の6倍になるように決定される。
このように構成されるので、複数のティース16は、両側の2つのスロット18に同相(例えばU相)のコイルが挿入されてなる同相間ティースと、両側の2つのスロット18に異相(例えばU相、V相)のコイルが挿入されてなる異相間ティースとを含む。以下では、同相間ティースに符号T1を付し、異相間ティースに符号T2を付して説明する。図2に示すように、複数のティース16は、同相間ティースT1と異相間ティースT2とが、周方向において1つずつ交互に配置されることにより構成される。これにより、隣り合う2スロットに同相コイルが挿入された状態で複数のティースに分布巻きで3相ステータコイルが巻回される。
さらに、同相間ティースT1及び異相間ティースT2のうち、異相間ティースT2のみには、付け根部16a(図2B)において軸方向全長に貫通するように貫通孔17が形成される。貫通孔17は、例えば軸方向一方側から見た形状が矩形である。貫通孔は、軸方向一方側から見た形状を円形等、他の形状としてもよい。また、貫通孔17の周方向長さL1(図2B)は、当該異相間ティースT2の付け根部16aの周方向長さL2から当該異相間ティースT2の先端の周方向長さbを減じた値以下(L1≦L2−b)である。さらに、貫通孔17は、当該異相間ティースT2の周方向中央位置(中央線C1)を通過する平面であってステータの中心軸Oを含む平面に対し対称に配置される。同相間ティースT1と異相間ティースT2とで、貫通孔17の有無の違いを除いて、全体の形状は先端部を含めて同一である。
例えば、図2Bに示すように、異相間ティースT2の付け根端において、貫通孔17の周方向一端(図2Bの右端)から異相間ティースT2の周方向一端(図2Bの右端)までの長さをa1とする。また、異相間ティースT2の付け根端において、貫通孔17の周方向他端(図2Bの左端)から異相間ティースT2の周方向他端(図2Bの左端)までの長さをa2とする。また、異相間ティースT2の先端の周方向長さをbとする。このとき、a1=a2で、かつ、a1+a2=bとなるように、貫通孔17を形成する。
上記のステータ12によれば、貫通孔17を有する異相間ティースT2での磁束飽和を、貫通孔がない同相間ティースT1より早く生じさせることで、高トルク領域でのトルクリップルを低減できる。
トルクリップルを低減できる効果について説明する。上記のように隣り合う2スロットに同相コイルが挿入される分布巻きのステータにおいて、3相ステータコイル20に3相交流電流が供給されると、ステータコア14の内部には磁束が発生する。その発生した磁束は、同相間ティースT1及び異相間ティースT2のそれぞれを通過するように、ロータ40からエアギャップを介してステータ12のヨーク15へ、またはヨーク15からエアギャップを介してロータ40に流れる。図2Aでは、すべてのティース16でヨーク15に向かって磁束が流れるように示しているが、ロータの回転時にはロータの回転位置の変化に応じて同相間ティースT1と異相間ティースT2とで逆方向に磁束が流れる。
図3は、ステータの比較例において、同相間ティースT1に加わる電磁加振力と、異相間ティースT2に加わる電磁加振力との関係を示している図である。図4は、比較例において、複数のティース16のそれぞれの半径方向に加わる回転24次成分の電磁加振力とティース16を通過する磁束数とを示している図である。
図3に示す比較例では、図1、図2に示す実施形態の構成において、すべてのティース16に貫通孔が形成されていない。この比較例において、上記のように同相間ティースT1と異相間ティースT2とに磁束が流れるときには、各ティースT1,T2に図3に示すような電磁加振力が発生する。図3では、同相間ティースT1と異相間ティースT2との周方向位置を横軸方向に分けて示している。「電磁加振力」は、3相ステータコイル20に交流電流が供給されたときに、その交流電流により発生する回転磁界と、ロータ40の磁石44との相互作用によって、ティース16に対しティース16を振動させるように加わる力である。例えば、図1に示したようにロータが8個の磁石44を含み、4対の磁石対が形成される場合には、4の整数倍の回転次数を有する電磁加振力が発生する。具体的には、4次、8次、12次、16次、20次、24次・・・の回転次数成分の電磁加振力が生じる。このうち、3相ステータコイルに供給される交流電流の基本周波数fの6倍である6fの電磁加振力に相当する24の次数成分の電磁加振力が、回転電機の振動に大きい影響を及ぼすことが知られている。
電磁加振力はティース16の先端部分に集中的に印加される。また、ティース16に加わる電磁加振力は、同相間ティースT1と異相間ティースT2とで、半径方向及び周方向について逆方向に加わる。具体的には、同相間ティースT1に加わる電磁加振力は、図3の黒で塗りつぶした矢印で示すように半径方向外側に向かう成分と、周方向一方側に向かう成分とに分けて示される。一方、異相間ティースT2に加わる電磁加振力は、図3の白抜き矢印で示すように半径方向内側に向かう成分と、周方向他方側に向かう成分とに分けて示される。これにより、隣り合う2スロットに同相コイルが挿入された分布巻きのステータにおいて、隣り合う同相間ティースT1と異相間ティースT2とには、互いに逆方向の電磁加振力が印加される。また、電磁加振力は、ティースT1,T2の先端部分に半径方向に印加される成分と周方向に印加される成分とを持ち、半径方向の成分が周方向の成分に対し大きい。
図4に示すように、電磁加振力の回転24次成分では、同相間ティースT1の先端に半径方向成分F1が半径方向外側に加わるときに、異相間ティースT2の先端には、半径方向成分F2が半径方向内側に加わる。また、異相間ティースT2を通過する磁束数が同相間ティースT1を通過する磁束数より多いことにより、異相間ティースT2に加わる半径方向成分F2の絶対値が同相間ティースT1に加わる半径方向成分F1の絶対値より大きい。これによって、隣り合うティースT1,T2に半径方向に印加される電磁加振力が不均衡となり、両者の電磁加振力の差に相当する成分がステータコア14全体の半径方向に作用する。この結果、ステータコア14が半径方向に振動する。この半径方向の振動は、回転電機の回転時のトルクリップルの原因となる。このため、トルクリップルの低減のためには、各ティースT1,T2の電磁加振力の大きさを近づけるように、異相間ティースT2に流れる磁束を抑制することが必要である。
図1から図2Bに示す実施形態では、上記のように異相間ティースT2の付け根部のみに貫通孔17を形成している。これにより、回転電機に高トルクを発生させるように各ティースT1,T2を通過する磁束が多くなる場合には、異相間ティースT2で同相間ティースT1より先に磁束飽和を生じさせることができる。このため、同相間ティースT1と異相間ティースT2とで通過する磁束数を近づけることができる。したがって、同相間ティースと異相間ティースとで逆方向に加わる電磁加振力が相殺しあうので、ステータコア全体に加わる電磁加振力の24次成分を略0とすることができる。この結果、高トルク領域で回転電機に生じるトルクリップルを低減できる。また、トルクリップルの低減により、回転電機の振動及び騒音も低減できる。
また、上記の図1から図2Bに示した実施形態によれば、貫通孔17がステータコア14の軸方向全長に貫通するように形成されるので、特許文献1に記載された構成のように、ステータコアの軸方向及び周方向に対し傾斜したスリット部を形成する必要がない。このため、ステータコアの形状を単純化できることにより、加工工数の低減を図れる。
また、実施形態によれば、貫通孔17の周方向長さが、当該異相間ティースT2の付け根部の周方向長さから当該異相間ティースT2の先端の周方向長さを減じた値以下である。これにより、異相間ティースT2の先端を通過する磁束数が異相間ティースの付け根部において貫通孔17により制限されることがない。このため、低トルク領域でのトルク低下を抑制できるので、トルク低下を補う電流をステータコイルに流す必要がない。これによりエネルギ損失の悪化を抑制できる。
一方、高トルク領域において、異相間ティースT2の先端を通過する磁束数より付け根部を通過する磁束数が多くなることはないが、貫通孔17の存在により磁束の流れが妨げられやすい。これにより高トルク領域では、上記のように異相間ティースT2で同相間ティースT1より磁束飽和を早く生じやすいので、トルクリップル、振動及び騒音を低減できる。
また、異相間ティースT2の貫通孔17は、当該異相間ティースT2の周方向中央位置を通過する平面であってステータの中心軸を含む平面に対し対称に配置される。これにより、回転電機の回転方向に無関係に高トルク領域でのトルクリップル、振動及び騒音を低減できる。
図5は、ステータの比較例と、実施形態に相当する実施例とにおいて、回転電機のトルクと、磁気強制力の回転6次成分の振幅とについて比較した計算結果を示している。この図5の計算結果では、比較例と実施例とで、図1から図2Bに示す構成において、ロータが6個の磁石を含み3対の磁極対を形成する構成とした。また、比較例では、ティースの付け根部に貫通孔が形成されていない。このとき、比較例では、3の整数倍の回転次数である6次成分の磁気強制力が大きくなる。ここで、「磁気強制力」は、3相ステータコイルに3相交流電流が供給されることによりステータとロータとの間で作用する磁気吸引力または磁気反発力である。磁気強制力は、ロータの回転角に応じて変動する。図5の計算結果では、トルク及び磁気強制力の振幅を、3相ステータコイルに供給される最大電流(電流値)との関係で示している。
図5に示す計算結果から、実施例では回転電機のトルクを比較例に対しほとんど変化させることなく、磁気強制力の振幅を比較例に比べて大きく低下させることができた。これにより、実施例によれば、トルクリップル、回転電機の振動及び騒音を低減できる。また、実施例は、比較例に比べてトルクの低下がほとんどないので、トルク低下を補うための電流をステータコイルに流す必要がない。これにより、エネルギ損失の悪化を抑制できる。
10 回転電機、12 回転電機ステータ、14 ステータコア、15 ヨーク、16 ティース、16a 付け根部、17 貫通孔、18 スロット、20 3相ステータコイル、22u U相コイル群、22v V相コイル群、22w W相コイル群、23u 第1U相コイル、24u 第2U相コイル、23v 第1V相コイル、24v 第2V相コイル、23w 第1W相コイル、24w 第2W相コイル、25u、25v、25w、26u、26v、26w 端子、40 回転電機ロータ、42 ロータコア、44 磁石、46 回転軸。

Claims (1)

  1. 円環状のヨークと、前記ヨークの内周面の周方向複数位置から突出するティースとを有し、隣り合う前記ティースの間にスロットが形成されたステータコアと、複数の前記ティースに分布巻きで巻回された3相ステータコイルとを含む回転電機ステータであって、
    前記3相ステータコイルは、1相当たりで1つの前記スロットだけずれて前記複数のティースに巻回された同相の複数のコイルを含むコイル群により形成され、
    前記複数のティースのそれぞれは、先端の周方向長さが付け根部の周方向長さより小さくなるように、周方向両側面が周方向中央を通る半径方向の中央線に対し傾斜したテーパ面を持っており、
    前記複数のティースは、両側の2つの前記スロットに同相の前記コイルが挿入されてなる同相間ティースと、両側の2つの前記スロットに異相の前記コイルが挿入されてなる異相間ティースとを含み、前記同相間ティースと前記異相間ティースとが、周方向において1つずつ交互に配置されることにより構成され、
    前記同相間ティース及び前記異相間ティースのうち、前記異相間ティースのみにおいて、付け根部に軸方向全長に軸方向に沿って貫通するように形成された貫通孔を有し、
    前記貫通孔の周方向長さは、当該異相間ティースの付け根部の周方向長さから当該異相間ティースの先端の周方向長さを減じた値以下であり、
    前記貫通孔は、当該異相間ティースの周方向中央位置を通過する平面であって中心軸を含む平面に対し対称に配置される、回転電機ステータ。
JP2016219362A 2016-11-10 2016-11-10 回転電機ステータ Expired - Fee Related JP6798260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016219362A JP6798260B2 (ja) 2016-11-10 2016-11-10 回転電機ステータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016219362A JP6798260B2 (ja) 2016-11-10 2016-11-10 回転電機ステータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018078735A JP2018078735A (ja) 2018-05-17
JP6798260B2 true JP6798260B2 (ja) 2020-12-09

Family

ID=62151007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016219362A Expired - Fee Related JP6798260B2 (ja) 2016-11-10 2016-11-10 回転電機ステータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6798260B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6929603B2 (ja) * 2018-06-26 2021-09-01 ダイハツ工業株式会社 回転機
CN113922532A (zh) * 2021-10-28 2022-01-11 哈尔滨工业大学 一种采用径向不等齿宽的交流永磁力矩电机

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6274461U (ja) * 1985-10-30 1987-05-13
JP2007166710A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Toyota Motor Corp 回転電機
JP2010252453A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Toyota Motor Corp ステータコア、回転電機のステータおよび回転電機
JP2013090373A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Aisan Ind Co Ltd ブラシレスモータ及び電動ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018078735A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3355446B1 (en) Rotary electric machine
US7569962B2 (en) Multi-phase brushless motor with reduced number of stator poles
JP4723118B2 (ja) 回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置
JP6161707B2 (ja) 同期電動機
US9385567B2 (en) Rotating electric machine
JP2008306849A (ja) 回転電機
JP6406355B2 (ja) ダブルステータ型回転機
JP2020080607A (ja) 回転電機
JP6798260B2 (ja) 回転電機ステータ
JP7123931B2 (ja) 回転電機
JP6760014B2 (ja) 回転電機
US10236756B2 (en) Rotating electric machine
WO2019044206A1 (ja) 回転電機
JP2017063594A (ja) ブラシレスモータ
US11984763B2 (en) Electric machines having a radially embedded permanent magnet rotor and methods thereof
JP2014176137A (ja) ダブルステータ型スイッチトリラクタンス回転機
JP5619084B2 (ja) 同期電動機
US20240055962A1 (en) Bipolar induction electric machine
US10944347B2 (en) Rotary electrical machine control device, rotary electrical machine, and rotary electrical machine control method
JP2006060951A (ja) 電動機
JP6541532B2 (ja) スイッチドリラクタンスモータ
JP2024141807A (ja) 固定子、および、電動機または発電機
WO2019003678A1 (ja) モータ
JP2018011425A (ja) 回転電機
JP2017063572A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6798260

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees